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JP2010280363A - 車両用制御装置 - Google Patents

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JP2010280363A
JP2010280363A JP2009137731A JP2009137731A JP2010280363A JP 2010280363 A JP2010280363 A JP 2010280363A JP 2009137731 A JP2009137731 A JP 2009137731A JP 2009137731 A JP2009137731 A JP 2009137731A JP 2010280363 A JP2010280363 A JP 2010280363A
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千花 津森
Michihiro Tabata
満弘 田畑
Yukio Toyoyoshi
幸男 豊良
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  • Hybrid Electric Vehicles (AREA)
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Abstract

【課題】車両の加速走行時において、車両が下り勾配を走行すると、燃料消費量の少ない走行を行うことができる。
【解決手段】内燃機関10を作動状態にして、機関出力のうち駆動輪94に伝達される駆動動力により車両1が駆動されて加速して走行する加速走行と、内燃機関10を非作動状態にして、慣性力により車両1が惰性で走行する惰性走行とを、予め設定された車速域R内において交互に繰り返し行って走行する加速惰性走行を車両1に行わせる。HVECU100は、前記加速走行中において、前記車両1が路面勾配が下り勾配の路面を走行すると、現車速VRから前記設定された車速域Rの上限に達するまで前記加速走行を行わせる場合の加速時燃料消費量F1に基づいて、前記加速走行の維持、または、前記惰性走行への切り替えのいずれかを選択することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、原動機として内燃機関を備え、車両走行中に内燃機関の作動を停止可能な車両の制御技術に関し、特に予め設定された目標車速に従って車両を走行させる走行制御技術に関する。
自動車等の原動機として内燃機関を備えた車両においては、近年、クルーズコントロール等、車両の走行速度(以下、単に「車速」と記す)が、予め設定された車両速度の目標値(以下、目標車速と記す)に従って、原動機が出力する機械的動力等を自動的に調整する制御技術が知られている(例えば、特許文献1,2参照)。
また、下記の特許文献1には、原動機として内燃機関とモータジェネレータ(以下、単に「モータ」と記す)とを備え、車両走行中に内燃機関の作動を停止可能なハイブリッド車両において、原動機からの機械的動力により駆動力を発生させた加速走行と、原動機に機械的動力を出力させることなく車両の慣性力により惰性で車両を走行させる、いわゆるコーストダウン(coast down:以下、「惰性走行」と記す)とを交互に行うことで、予め設定された目標車速に従って車両を走行させる走行制御技術が開示されている。
特許文献1の走行制御技術においては、運転者により燃料消費の抑制を優先する車両走行が選択されている場合には、原動機として内燃機関を作動させたエンジン走行による加速走行と、上述の惰性走行とを交互に行うことで、燃料消費を抑制することが提案されている。
特開2007−187090号公報 特開2007−291919号公報
ところで、上述のように原動機として内燃機関を備え、車両走行中に内燃機関の作動を停止可能な車両において、内燃機関を始動させ、原動機として作動させた加速走行と、内燃機関の作動を停止させた惰性走行とを交互に行う車両走行(以下、加速惰性走行と記す)を行う場合、加速走行中では、上限車速に達するまで車両は加速を続ける。しかし、下り勾配では、車両は自然と加速するため、車両が走行するために必要な駆動力は平坦路を走行する場合と比べて減少する。このため、車両が走行するために必要な駆動力に基づいて内燃機関の機関出力が設定されている場合、下り勾配で加速走行を行うと、車両が走行するために必要な駆動力は減少するが、車両を一定の加速度で加速させることができるため、機関出力に応じて低い値となる。従って、車両が平坦路を走行する場合と比較して、必要な駆動力が減少し、機関出力も下がるため、車両が平坦路を走行する場合の燃料消費量と比較すると、内燃機関における燃料消費量が大きくなり、熱効率が悪くなる虞がある。
また、加速惰性走行において、加速惰性走行の走行パターンは、惰性走行を行い、下限車速に達すると加速走行に切り替わり、上限車速に達すると、次の加速惰性走行の走行パターンを生成し、再度惰性走行を行う。すなわち、加速走行と惰性走行とを交互に繰返し行うため、その1周期が終了してからあらたな走行パターンが生成される。そのため、加速惰性走行の加速走行中に、走行方法を切り替えることはできず、燃費のよい走行を行うことはできない。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、車両の加速走行時において、車両が下り勾配を走行すると、燃料消費量の少ない走行を行うことができる車両用制御装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、内燃機関と、内燃機関から出力される機関出力のうち少なくとも一部を、二次電池に充電される充電電力に変換可能な発電機とを備え、車両走行中に内燃機関の作動および非作動状態を切替可能な車両に用いられ、内燃機関を作動状態にして、機関出力のうち、駆動輪に伝達される駆動動力により、車両が駆動されて加速して走行する加速走行と、内燃機関を非作動状態にして、慣性力により車両が惰性で走行する惰性走行とを、設定された車速域内において繰り替えし行って走行する加速惰性走行を車両に行わせる車両用制御装置であって、前記加速走行中において、前記車両が路面勾配が下り勾配の路面を走行すると、現車速から前記設定された車速域の上限に達するまで前記加速走行を行わせる場合の加速時燃料消費量に基づいて、前記加速走行の維持、または、前記惰性走行への切り替えのいずれかを選択することを特徴とする。
上記の車両用制御装置において、前記加速時燃料消費量と、前記現車速から前記設定された車速域の下限まで前記惰性走行を行わせる場合にかかる時間と、前記設定された車速域の上限から、前記設定された車速域の下限まで惰性走行を行わせる場合にかかる時間との時間差分に基づいて、前記加速走行を行わせる場合の惰性時燃料消費量とを比較することが好ましい。
上記の車両用制御装置において、前記時間差分と、前記設定された車速域の下限から上限に達するまで前記加速走行を行わせる場合にかかる時間とを比較し、どちらか一方の小さい方に基づいて、前記加速走行を行わせる場合の前記惰性時燃料消費量を求めることが好ましい。
上記の車両用制御装置において、前記現車速から前記設定された車速域の上限に達するまで前記加速走行を行わせる場合、前記内燃機関の機関出力を維持することが好ましい。
前記現車速から前記設定された車速域の上限に達するまで前記加速走行を行わせる場合、前記機関出力において、前記車両の走行に必要な駆動力を発生するように前記機関出力を変換する変換手段を設けることが好ましい。
本発明によれば、加速走行中において、車両が下り勾配に入ったとき、燃料消費量に応じて加速走行と惰性走行とを切り替えることで、燃料消費量の少ない走行を行うことができる。
図1は、実施形態に係る車両の概略構成を示す模式図である。 図2は、内燃機関の機関回転速度及び機関トルクに対する燃料消費率及び機関出力を示す図である。 図3は、車両が行う加速惰性走行の一例を示す図である。 図4は、実施形態に係る車両の動作を示すタイミングチャートである。 図5は、HVECUが実行する走行制御を示すフローチャートである。 図6は、実験または計算等により予め算出された、車速に対する加速惰性走行の加速度を示す図である。 図7は、HVECUが惰性時燃料消費量を導出するための概念図である。
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施の形態(以下、「実施形態」と記す)によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
実施形態に係る車両用制御装置が適用される車両の概略構成について、図1〜図2を用いて説明する。図1は、車両の概略構成を示す模式図である。図2は、内燃機関10の機関回転速度及び機関トルクに対する燃料消費率及び機関出力を示す図である。
図1に示すように、車両1は、駆動輪94を回転駆動して推進するために、原動機として、内燃機関10と、発電可能な電動機であるモータMG1,MG2とを備えた、いわゆる「ハイブリッド車両」である。モータMG1,MG2は、後述する動力分割統合機構30、減速機構70、及び差動機構80と共に、駆動装置20(いわゆるハイブリッド・トランスアクスル)を構成している。駆動装置20は、内燃機関10と結合されて動力出力装置(パワープラント)を構成し、車両1に搭載されている。
車両1には、内燃機関10及びモータMG1,MG2を協調して制御する制御手段として、車両用の電子制御装置(以下、「HVECU」と記す)100が設けられている。HVECU100には、各種制御定数を記憶する記憶手段としてROM(図示せず)が設けられている。HVECU100により制御されて、車両1は、内燃機関10とモータMG1,MG2を原動機として併用又は選択使用することが可能に構成されている。
内燃機関10は、燃料を燃焼させることにより燃料のエネルギを機械的仕事に変換して出力する熱機関であり、ピストン往復動機関である。内燃機関10は、図示しない燃料噴射装置、スロットル弁装置、及び各種センサ等を有しており、これら装置は、HVECU100により制御される。内燃機関10の出力軸12(以下、「機関出力軸」と記す)には、後述する動力分割統合機構30のプラネタリキャリア34が結合されている。内燃機関10は、機関出力軸12から駆動輪94に向けて機械的動力を出力する。内燃機関10が機関出力軸12から出力する機械的動力(以下、「機関出力」と記す)は、HVECU100により制御可能となっている。内燃機関10には、機関出力軸12の回転角位置(以下、「クランク角」と記す)を検出するクランク角センサ(図示せず)が設けられており、クランク角に係る信号をHVECU100に送出している。
駆動装置20には、原動機としてモータMG1,MG2が設けられている。モータMG1及びMG2は、供給された電力を機械的動力に変換する電動機としての機能と、入力された機械的動力を電力に変換する発電機としての機能とを兼ね備えた、いわゆるモータジェネレータである。モータMG1は、主に発電機として用いられ、一方、モータMG2は、主に電動機として用いられる。モータMG1の発電機としての機能の詳細については、後述する。
モータMG1,MG2は、永久磁石式交流同期モータ等で構成されており、後述するインバータ61,62から交流電力の供給を受けて回転磁界を形成するステータ53,54と、回転磁界に引き付けられて回転するロータ51,52とを有している。ロータ51,52は、後述する動力分割統合機構30に結合されている。モータMG1,MG2には、それぞれロータ51,52の回転角位置を検出するレゾルバ(図示せず)が設けられており、ロータ51,52の回転角位置に係る信号を、後述するモータECU66に送出している。
なお、以下の説明において、モータ(MG1,MG2)を電動機として機能させて、ロータ(51,52)から機械的動力を出力することを「力行」と記す。これに対して、モータ(MG1,MG2)を発電機として機能させて、駆動輪94からモータ(MG1,MG2)のロータ(51,52)に伝達された機械的動力を電力に変換して回収すると共に、このときロータ(51,52)に生じる回転抵抗により、ロータ(51,52)及びこれに係合する部材(例えば、駆動輪94)の回転を制動することを「回生制動」と記す。
また、駆動装置20には、モータMG1,MG2に電力を供給する電力供給装置として、それぞれインバータ61,62が設けられている。インバータ61,62は、それぞれ、モータMG1,MG2に対応して設けられており、ステータ53,54に接続されている。インバータ61,62は、二次電池108から供給される直流電力を交流電力に変換して、それぞれ対応するモータMG1,MG2に供給することが可能に構成されている。また、モータMG1,MG2からの交流電力を直流電力に変換して後述する二次電池108に回収可能に構成されている。インバータ61,62の電力供給及び電力回収は、後述するモータECU66により制御される。
また、駆動装置20には、モータMG1,MG2を制御するための電子制御装置66(以下、「モータECU」と記す)が設けられている。モータECU66は、HVECU100から要求トルク、及び要求回転速度に係る信号を受け、インバータ61,62を制御することで、モータMG1,MG2のそれぞれについて、ロータ51,52の回転速度(以下、「モータ回転速度」と記す)と、ロータ51,52から出力する機械的動力(以下、「モータ出力」と記す)とを調整することが可能となっている。
また、駆動装置20には、内燃機関10及びモータMG1,MG2が出力した機械的動力を駆動軸90に伝達する動力伝達機構として、内燃機関10が出力した機械的動力を分割する動力分割統合機構30と、動力分割統合機構30から伝達された回転を減速しトルクを増大させる減速機構70と、減速機構70から伝達された機械的動力を左右の駆動軸90に分配して出力する差動機構80が設けられている。
動力分割統合機構30は、2つのシングルピニオン式遊星歯車30a,30cで構成されている。詳細には、内燃機関10が出力した機械的動力を、モータMG1を駆動する機械的動力と減速機構70を駆動する機械的動力に分割可能な動力分割遊星歯車30aと、モータMG2が出力した機械的動力を、回転速度を減速しトルクを増大させて減速機構70に伝達可能な減速遊星歯車30cとを有している。動力分割統合機構30において、動力分割遊星歯車30aと減速遊星歯車30cは、同心配置されており、動力分割遊星歯車30aのリングギア36aと減速遊星歯車30cのリングギア36cが一体に結合されている。リングギア36a,36cの外周側には、減速機構70のカウンタドリブンギア74と噛み合うカウンタドライブギア44が設けられている。
動力分割遊星歯車30aにおいて、プラネタリキャリア34は、内燃機関10の機関出力軸12に結合されており、サンギア32は、モータMG1のロータ51に結合されている。動力分割遊星歯車30aは、内燃機関10が機関出力軸12から出力した機関出力を、プラネタリキャリア34が支持するプラネタリピニオン33から、サンギア32に伝達する機械的動力と、リングギア36aに伝達する機械的動力に分割する。内燃機関10からサンギア32に伝達された機械的動力は、モータMG1のロータ51に伝達されて、ここで発電に供される。
一方、減速遊星歯車30cにおいて、プラネタリキャリア41は、駆動装置20のハウジングに固定されており、サンギア38は、モータMG2のロータ52に結合されている。減速遊星歯車30cは、モータMG2がロータ52から出力した機械的動力を、プラネタリキャリア41が支持するプラネタリピニオン43を介して、回転速度を減速しトルクを増大させてリングギア36cに伝達する。動力分割統合機構30は、モータMG2からリングギア36cに伝達された機械的動力と、内燃機関10からリングギア36aに伝達された機械的動力を統合して、カウンタドライブギア44から減速機構70に伝達する。
減速機構70は、カウンタドライブギア44と噛み合うカウンタドリブンギア74と、当該カウンタドリブンギア74に結合されて、差動機構80のリングギア82と噛み合うファイナルドライブギア78で構成されており、動力分割統合機構30のリングギア(36a,36c)からの機械的動力を、カウンタドリブンギア74で受けて、回転速度を減速しトルクを増大させて、ファイナルドライブギア78から、差動機構80に伝達する。差動機構80は、減速機構70からの機械的動力を、リングギア82で受けて、左右の駆動輪94にそれぞれ結合されている左右の駆動軸90に分配する。このようにして、車両1は、原動機として内燃機関10及びモータMG1,MG2を併用又は選択使用して、内燃機関10からの機関出力と、モータMG2からのモータ出力とを統合して駆動輪94に伝達することで、駆動輪94の接地面に、車両1を駆動する駆動力[N]を生じさせることができる。なお、以下の説明において、原動機から駆動輪94に伝達される機械的動力を「駆動動力」と記す。駆動輪94の近傍には、駆動輪94の回転速度を検出する車輪速センサ(図示せず)が設けられており、検出した駆動輪94の回転速度に係る信号をHVECU100に送出している。
また、車両1には、モータMG1,MG2に供給する電力を貯蔵し、充放電が可能な二次電池(蓄電池)108と、二次電池108の電圧を昇圧してインバータ61,62の供給電圧に変換可能な昇圧コンバータ106が設けられている。二次電池108は、モータMG1,MG2に対応して設けられたインバータ61,62に、昇圧コンバータ106を介して電気的に接続されている。二次電池108は、インバータ61,62を介して、それぞれモータMG1,MG2との間で充放電を行う。
また、車両1には、二次電池108を監視する電池監視用の電子制御装置104(以下、「電池ECU」と記す)が設けられている。電池ECU104は、二次電池108の温度や電圧、充放電電流値等を監視している。これら情報から電池ECU104は、二次電池108の蓄電状態(state-of-charge:SOC)、及び充放電電力を算出している。電池ECU104は、二次電池108の蓄電状態、及び二次電池108の充放電電力に係る信号等を、HVECU100に送出している。
また、車両1には、運転者によるアクセルペダル110の操作量を検出するアクセルペダルポジションセンサ112が設けられており、検出したアクセルペダル110の操作量(以下、「アクセル操作量」と記す)に係る信号を、HVECU100に送出している。
また、車両1には、運転者が、内燃機関10による燃料消費の抑制を優先した車両走行(以下、「燃費走行」と記す)を選択するために、HVECU100に燃費走行を指示するスイッチ(以下、「エコ運転スイッチ」と記す)120が設けられている。エコ運転スイッチ120は、車室内のインスツルメントパネル等、運転者により操作可能な場所に設けられており、運転者の操作により、オン(ON)状態とオフ(OFF)状態とを切替可能に構成されている。エコ運転スイッチ120のオン状態とオフ状態は、HVECU100により検出される。
HVECU100は、クランク角センサからのクランク角及び機関出力軸12の回転速度に係る信号と、車輪速センサからの駆動輪94の回転速度に係る信号と、モータMG1,MG2にそれぞれ設けられたレゾルバからのモータ回転速度に係る信号とを検出している。また、HVECU100は、アクセルペダルポジションセンサ112からのアクセル操作量に係る信号と、エコ運転スイッチ120のオン/オフ状態に係る信号とを検出している。また、HVECU100は、電池ECU104からの二次電池108の蓄電状態に係る信号と、加速度センサ122からの車両1の前後、上下及び左右方向の加速度(以下、「車両G」と記す)に係る信号を検出している。
これら信号に基づいて、HVECU100は、内燃機関10の機関出力軸12の回転速度(以下、「機関回転速度」と記す)と、内燃機関10が機関出力軸12から出力するトルク(以下、「機関トルク」と記す)とを推定しており、機関回転速度及び機関トルクから内燃機関10から出力される機関出力を制御変数として算出している。また、HVECU100は、駆動輪94の回転速度に基づいて車速を制御変数として推定している。加えて、HVECU100は、二次電池108の充放電電力と、運転者によるアクセル操作量とを制御変数として推定している。また、HVECU100は、車両Gを制御変数として推定している。
なお、車両Gは、駆動輪94に設けられた車輪速センサにより求めてもよい。この場合、車輪速センサからタイヤの回転速度に係る信号を検出し、そこから当該車両Gに係る信号をHVECU100に送出してもよい。また、車輪速センサからタイヤの回転速度に係る信号をHVECU100に送出し、HVECU100が車両Gを算出するものとしてもよい。
さらに、車両Gは、インフラ・ナビゲーションシステム等の情報から、車両1の走行路面が勾配である場合、もしくは走行路面が勾配になる場合等といった、速度変化が生じる情報に基づき、当該車両Gに係る信号をHVECU100に送出してもよい。
これら制御変数に基づいて、HVECU100は、内燃機関10の運転状態(動作点)すなわち機関回転速度及び機関トルクと、モータMG1,MG2のそれぞれについて、モータ回転速度及びモータトルクとを協調して制御することが可能となっている。つまり、HVECU100は、内燃機関10の機関出力と、モータMG1,MG2のモータ出力とを制御することが可能となっている。
以上のように構成された車両1において、HVECU100は、内燃機関10を作動させて、機関出力軸12から出力される機関出力を、動力分割遊星歯車30aのプラネタリキャリア34に支持されたプラネタリピニオン33に伝達させ、機関出力の一部を、サンギア32を介してモータMG1のロータ51に伝達させることができる。このとき、モータMG1は、発電機として機能することで、機関出力のうちロータ51に伝達された機械的動力を電力に変換することができる。当該電力は、インバータ61及び昇圧コンバータ106を介して二次電池108に充電される。このようにして、モータMG1により二次電池108に充電される電力を、以下の説明において「充電電力」と記す。つまり、モータMG1は、内燃機関10から出力される機関出力のうち少なくとも一部を、二次電池108に充電される充電電力に変換することが可能となっている。
また、HVECU100は、車両走行中において、内燃機関10を始動し、又は作動を停止して、内燃機関10の作動状態と非作動状態とを切替えることが可能となっている。なお、「非作動状態」とは、機関出力がゼロであり、且つ機関回転速度がゼロである、すなわち機関出力軸12が静止しており、内燃機関10においてエンジンブレーキトルクも生じない状態を意味している。一方、「作動状態」とは、内燃機関10が機関出力軸12から機械的動力(機関出力)を出力している状態を意味している。
例えば、一定の車速での走行中において内燃機関10を非作動状態にする場合、HVECU100は、モータMG2のモータ回転速度はそのままに、モータ出力を増大させると共に、その分、内燃機関10の機関出力をゼロにして、モータMG1のロータ51をリングギア(36a,36c)とは逆の回転方向に空転させて、機関回転速度をゼロにする。このようにして、内燃機関10の作動を停止して、非作動状態にすることが可能となっている。
また、一定の車速での車両走行中において内燃機関10を作動状態にする場合、HVECU100は、モータMG2のモータ回転速度はそのままに、モータ出力を減少させると共に、モータMG1のロータ51をリングギア(36a,36c)と同一の回転方向に力行させて、機関回転速度を上昇させて、内燃機関10のクランキングを行う。これにより、内燃機関10を始動して、作動状態にすることが可能となっている。
このように構成された車両1は、車両走行中において、内燃機関10及びモータMG2を原動機として併用又は選択使用し、これら原動機からの機械的動力を、駆動装置20内の動力伝達機構(30,70,80)により駆動軸90に伝達することで、車両1を駆動することが可能となっている。また、車両1は、車両減速時においては、駆動輪94から駆動装置20に伝達された機械的動力を、モータMG2で電力に変換して、二次電池108に回収する、いわゆる回生制動を行うことが可能となっている。
また、車両1は、HVECU100がモータMG1,MG2のロータ51,52を空転させると共に、内燃機関10の作動を停止して、非作動状態にすることで、内燃機関10及びモータMG1,MG2に機械的動力を出力させることなく、慣性力により惰性で走行する、いわゆる惰性走行(コーストダウン)を行うことが可能となっている。
このような車両1において、原動機としての内燃機関10は、図2に示すように、その運転状態すなわち機関回転速度及び機関トルクに応じて燃料消費率が決まる。燃料消費率[g/kWh]が等しくなる運転状態(機関回転速度及び機関トルク)を図に実線で示し、「等燃料消費率曲線」と記す。内燃機関10は、一般的に、機関回転速度が中程度であり、且つ機関トルクが中負荷から高負荷である運転状態において、燃料消費率が低くなる(熱効率が高くなる)傾向がある。
加えて、内燃機関10においては、機関回転速度に応じて最も燃料消費率が低くなる機関トルクが決まる。機関回転速度に応じて最も燃料消費率が低くなる機関トルクを接続した線を図2に一点鎖線で示し、「最適燃費線」と記す。HVECU100は、内燃機関10における燃料消費を抑制するために、内燃機関10の運転状態(動作点)すなわち機関回転速度及び機関トルクが、極力、最適燃費線上となるよう内燃機関10を制御する。なお、図において、機関トルクに機関回転速度を乗じた値となる機関出力が、同一となる運転状態を接続した線を図2に破線で示し、「等機関出力線」と記す。
しかし、HVECU100が、運転状態(動作点)が最適燃費線上となるよう内燃機関10を作動させた場合、例えば、図に「定速」で示す運転状態のように、内燃機関10に要求される機関出力Pe1が比較的低い場合には、図に「加速のみ」で示す運転状態のように、内燃機関10に要求される機関出力Pe2が比較的高い場合に比べて燃料消費率が高くなる(熱効率が低くなる)傾向がある。加えて、図に「加速+充電」で示す運転状態のように、「加速のみ」の機関出力Pe2に比べてさらに増大させて、機関出力Pe3とすることで、燃料消費率を、さらに低下させることが可能である。
このように構成された車両1は、予め設定された車速域内において「加速惰性走行」を行うことで、当該車速域R内において一定の車速で走行する「定速走行」を行う場合に比べて、内燃機関10における燃料消費を抑制することが可能となっており、以下に、図1及び図2及び図3を用いて詳細を説明する。図3は、車両が行う加速惰性走行の一例を示す図である。
HVECU100は、エコ運転スイッチ120のオン状態を検出した場合、運転者により燃料消費の低減を優先する走行が要望されているものと判断して、加速惰性走行を許可する。HVECU100は、運転者によりアクセルペダル110から踏みこんでいた足を離す操作(以下、「アクセルオフ操作」と記す)がなされて、アクセル操作量がゼロとなった時点の車速に基づいて、加速惰性走行を行う車速域Rの上限値VH(以下、「上限車速VH」と記す)と、下限値VL(以下、「下限車速VL」と記す)を設定する。
例えば、アクセル操作量がゼロとなった時点の車速が、上限車速VHに設定される。HVECU100は、上限車速VHから、予め設定された設定車速を減じた値を下限車速VLに設定する。この設定車速は、車両1が走行している路面の勾配(以下、「路面勾配」と記す)と、アクセル操作量がゼロとなった車速(上限車速VH)に基づいて設定される。
このように、HVECU100は、エコ運転スイッチ120がオン状態である場合に、アクセル操作量がゼロとなった時点の車速に基づいて、加速惰性走行を行う上限車速VH及び下限車速VLすなわち車速域Rを設定する機能(車速域設定手段)を有している。アクセル操作量がゼロとなった時点の車速及び路面勾配と、これらに応じて設定される車速域Rとの関係は、予め適合実験等により求められており、制御定数としてHVECU100のROMに記憶されている。
HVECU100は、上限車速VHにおいて、内燃機関10の作動を停止し、非作動状態にして、上述のように設定された車速域R内において、慣性力により車両1を惰性で走行する惰性走行を行わせる。車両1は、図3に点b→点aに示すように、下限車速VLまで減速する。このように車両1が惰性走行を行って減速する間、内燃機関10は、非作動状態であるため、燃料消費はゼロとなる。
そして、HVECU100は、下限車速VLにおいて内燃機関10を始動して、作動状態にして、内燃機関10からの機関出力の少なくとも一部を駆動輪94に伝達させて車両1を駆動して、図3に点a→点bに示すように、下限車速VLから上限車速VHまで加速して走行する加速走行を行わせる。このように内燃機関10を作動状態にして、加速走行を行っている間、原動機(内燃機関10及びモータMG1,MG2)に要求される出力は、車速域Rにある車速Vmで定速走行を行う場合に比べて高いものとなる。
このように内燃機関10を作動状態にして車両1を車速域R内において加速走行させる場合、二次電池108からモータMG1,MG2への電力の供給(持ち出し)がないものと仮定すると、原動機に要求される出力は、そのまま内燃機関10が発生する機関出力となる。当該機関出力Pe2は、図2に示すように、車速Vmで定速走行を行った場合の機関出力Pe1に比べて大きくなる。
当該車速域R内において内燃機関10を作動状態にした加速走行を行っている場合、車速域Rが比較的中低速に設定されていれば、これに応じて機関回転速度も比較的低回転速度となり、このような場合、図2に示すように、加速走行を行って機関出力Pe2を発生させた方が、定速走行を行って機関出力Pe1を発生させるよりも燃料消費率が低くなる、すなわち内燃機関10の熱効率が高くなる。
したがって、予め設定された車速域R内において、内燃機関10を作動状態にして、駆動輪94に伝達された駆動動力により車両1を駆動して加速しながら走行する加速走行(機関出力Pe2)と、内燃機関10を非作動状態にして、慣性力により車両が惰性で走行する惰性走行(機関出力ゼロ)とを、繰り返し行う「加速惰性走行」を車両1に行わせることで、内燃機関10を継続的に作動状態にして車速域R内にある一定の車速Vmで車両1が走行する定速走行(機関出力Pe1)を行わせる場合に比べて、内燃機関10における燃料消費を抑制することができる。
次に、本実施形態に係る車両用制御装置(HVECU100)が実行する加速惰性走行制御について、図1〜図7を用いて説明する。図4は、本発明の実施形態に係る車両の動作を示すタイミングチャートである。図5は、本発明の実施形態のHVECUが実行する走行制御を示すフローチャートである。図6は、実験または計算等により予め算出された、車速に対する加速惰性走行の加速度(以下、「加速惰性走行Ga」と記す)を示す図である。図7は、HVECUが惰性時燃料消費量F2を導出するための概念図である。
ここで、本実施形態に係る車両用制御装置(HVECU100)では、加速走行時において、車両1が路面勾配が下り勾配の路面(以下、「下り勾配路」と記す)を走行すると、上限車速VHまで加速走行を継続する場合の燃料消費量(以下、「加速時燃料消費量F1」と記す)に基づいて、加速走行の維持、または、惰性走行への切り替えを選択することができる。本実施形態では、加速時燃料消費量F1と、現車速VRから下限車速VLまで惰性走行を行わせる場合にかかる時間と、上限車速VHから、下限車速VLまで惰性走行を行わせる場合にかかる時間との時間差分に基づいて、加速走行を行わせる場合の燃料消費量(以下、「惰性時燃料消費量F2」と記す)とを比較して、走行方法を切り替える。
図4に示すように、車両1が加速走行中に、下り勾配路を走行する、本実施形態では、平坦路から下り勾配路に入ると、時点T1において、加速走行を継続する(同図における実線)か、惰性走行に切り替える(同図における一点鎖線)かのどちらか一方を選択する。加速走行を継続する場合、時点T2において、上限車速VHに達してから惰性走行に切り替え、時点T3において、下り勾配が終了、本実施形態では、下り勾配路から平坦路に入っても、下限車速VLに達するまで惰性走行を行う。時点T5において、下限車速VLに達した後は、加速走行に切り替え、加速惰性走行を行う。一方、時点T1において、惰性走行に切り替えた場合、時点T3において、下り勾配が終了、本実施形態では、下り勾配路から平坦路に入っても、下限車速VLに達するまで、惰性走行を行う。時点T4において、下限車速VLに達した後は、加速走行に切り替え、加速惰性走行を行う。
詳細には、図5に示すように、ステップS10において、HVECU100は、車両1が加速走行中に、路面勾配が下り勾配であるか否かを判定する。本実施形態では、路面勾配が下り勾配であるか否かを、車両Gと加速惰性走行Gaとを比較することで行う。車両Gは、現在の車速VR(以下、「現車速VR」と記す)に対応した値であり、駆動輪94に設けられた車輪速センサにより求める。
そして、HVECU100は、車両Gが加速惰性走行Ga以下であると判定する(ステップS10否定)、すなわち、路面勾配が下り勾配でないと判定すると、ステップS15において、車両1に加速走行を継続して行わせる。なお、この加速惰性走行Gaは、図6に示すように、車両1が平坦路を走行するとき、車両1に発生する加速度であり、実験または計算等により予め算出された値である。制御定数として、HVECU100のROMに記憶されている。また、路面勾配が下り勾配であるか否かの判定は、インフラ・ナビゲーションシステム等の情報から、車両1の走行路面が下り勾配である場合、もしくは走行路面が下り勾配になる場合等といった情報に基づき判断してもよい。さらには、車両1に勾配センサ(図示せず)を設け、下り勾配であるか否かを判断してもよい。
一方、ステップS10において、HVECU100は、車両Gが加速惰性走行Gaより大きいと判定する(ステップS10肯定)、すなわち、路面勾配が下り勾配であると判定すると、ステップS11において、加速時燃料消費量F1を求める。この加速時燃料消費量F1は、例えば、車速と、車両Gと、勾配とに対して加速時燃料消費量F1が算出するようにマップが設定されており、各パラメータ(車速は現車速VR、勾配は車両Gと加速惰性走行Gaとに基づいて求められる)に基づいて、加速時燃料消費量F1は算出される。なお、本実施形態において、上限車速VH及び下限車速VLは、車両1の車両諸元等に応じて予め設定されており、制御定数としてHVECU100のROMに記憶されている。
また、HVECU100は、ステップS12において、惰性時燃料消費量F2を求める。詳細では、図7に示すように、まず、現車速VRから下限車速VLまで惰性走行を行う場合に要する時間t1(以下、t1と記す)を、車両1が平坦路を加速惰性走行するときに生成する基本走行パターンに基づいて求める。次に、上限車速VHから下限車速VLまで惰性走行を行う場合に要する時間t2(以下、t2と記す)を、車両1が平坦路を加速惰性走行するときに生成する基本走行パターンに基づいて求める。そして、t2からt1を引いた時間差分Δt(以下、Δtと記す)を求める。
ここで、Δtは、下り勾配になったときの現車速VRによって長さが変化するため、下限車速VLから上限車速VHまで加速走行を行う場合に要する時間t3(以下、t3と記す)を求める。t3は、例えば、車両1が平坦路を加速惰性走行するときに生成する基本走行パターンで、下限車速VLから上限車速VHに達するまで加速走行を行う場合に要する時間とする。t3とΔtとを比較し、Δtがt3以上である場合、Δtの間で加速走行が終了するため、惰性時燃料消費量F2は、t3の間分だけであり、Δtがt3より小さい場合、Δtで加速走行するため、惰性時燃料消費量F2は、Δtの間分だけである。従って、惰性時燃料消費量F2は、Δtとt3を比較することで、現車速VRから下限車速VLまで惰性走行を行わせる場合にかかる時間と、上限車速VHから下限車速VLまで惰性走行を行わせる場合にかかる時間との時間差分に基づいて求められる。そして、HVECU100は、Δtとt3のうち小さい方と、車両1が平坦路を加速惰性走行するときに生成する基本走行パターンにおける加速走行時の加速度(加速G)とを乗ずることによって、惰性時燃料消費量F2を求める。
そして、HVECU100は、ステップS13において、前記加速時燃料消費量F1と、前記惰性時燃料消費量F2とのうち、どちらが多いか比較する。HVECU100は、前記加速時燃料消費量F1が前記惰性時燃料消費量F2より多いと判定する(ステップS13肯定)、つまり、加速走行中に、下り勾配路を走行する場合、惰性走行に切り替える方が、燃料消費量が少ないと判定すると、ステップS14において、車両1に、加速走行から惰性走行に切り替えて、現車速VRから下限車速VLに達するまで車両1に惰性走行を行わせる。つまり、図4のT1の時点において、惰性走行に切り替え、現車速VRから下限車速VLに達するまで惰性走行を行わせる。T4の時点において、下限車速VLに達すると、加速走行に切り替え、車両1は、加速惰性走行を行う。
また、HVECU100は、前記惰性時燃料消費量F2が前記加速時燃料消費量F1以上と判定する(ステップS13否定)、つまり、加速走行中に、下り勾配路を走行する場合、加速走行を続行する方が、燃料消費量が少ないと判定すると、ステップS15において、車両1に、加速走行を続行させ、現車速VRから上限車速VHに達するまで車両1に加速走行を行わせる。つまり、図4のT1の時点において、加速走行を続行させ、現車速VRから上限車速VHに達するまで加速走行を行わせる。T2の時点において、上限車速VHに達すると、惰性走行に切り替える。T5の時点において、下限車速VLに達するまで車両1に惰性走行を行わせ、下限車速VLに達すると、加速走行に切り替え、車両1は、加速惰性走行を行う。
以上に説明した走行制御ルーチンは、所定時間ごとに繰り返され、その都度、車両G、現車速VR等の制御変数が更新され、加速時燃量消費費量F1と、惰性時燃料消費量F2が分かる。このため、加速時燃料消費量F1と、惰性時燃料消費量F2とを比較すると、加速走行と惰性走行との、どちらが燃料消費量の少ない走行であるか分かる。加速時燃料消費量F1が惰性時燃料消費量F2より少ない場合は、走行方法を維持し、加速走行を継続する。加速時燃料消費量F1が惰性時燃料消費量F2以上の場合は、走行方法を切り替え、惰性走行を行う。このため、加速走行中において、下り勾配路を走行する場合、燃料消費量の少ない走行が分かり、より燃料消費量の少ない走行を行うことができる。さらに、Δtとt3を比較することによって、惰性時燃料消費量F2の精度を高めることができる。
以上に説明したように本実施形態に係る車両用制御装置(HVECU)100は、内燃機関10と、内燃機関10から出力される機関出力のうち少なくとも一部を、二次電池108に充電される充電電力に変換可能な発電機としてのモータMG1とを備え、車両走行中に内燃機関10の作動/非作動状態を切替可能な車両1に用いられ、内燃機関10を作動状態にして、機関出力のうち駆動輪94に伝達される駆動動力により車両1が駆動されて加速して走行する加速走行と、内燃機関10を非作動状態にして、慣性力により車両1が惰性で走行する惰性走行とを、予め設定された車速域R内において交互に繰り返し行って走行する加速惰性走行を車両1に行わせる。HVECU100は、加速走行中において、車両1が下り勾配に入ったときに、現車速VRから上限車速VHに達するまで加速走行を行わせる場合の加速時燃料消費量F1に応じて、加速走行を維持すること、または、惰性走行に切り替えることとした。
また、本実施形態では、加速走行中、下り勾配路において、機関出力を維持することが好ましい。これにより、内燃機関10の出力を一定にすることができ、車両1の走行に必要な駆動力が減少しても、機関出力は、変化しない。したがって、内燃機関10の熱効率が悪化しない。これにより、加速走行時において、機関出力を維持するので、内燃機関10の熱効率が良い走行ができる。なお、機関出力を一定にし、車両の走行に必要な駆動力を発生するように、機関出力を変換する変換手段を設けることで、エネルギ効率を高めることができるので、内燃機関の熱効率を良くし、車両の走行に必要な駆動力を得ることができる。
なお、下り勾配路において、加速走行するため、車両1の走行に必要な駆動力は減少するが、内燃機関10の機関出力は維持する。つまり、機関出力を一定にする。このとき、機関出力において、車両1の走行に必要な駆動力を発生するように変換する変換手段を設ける。変換手段は、機関出力を一定とし、充電電力を大きくすることで、車両1の走行に必要な駆動力を制御する回生制御でもよい。さらに、車両1に設けられた変速機構(図示せず)によって、機関出力を一定にし、車両の走行に必要な駆動力との差分に応じて変速制御を行うこともできる。例えば、変速段を低速段に変更し、発生するエンジンブレーキによって、加速走行を制御する。
また、t1は、実際の路面勾配を考慮して、現車速VRから下限車速VLまで惰性走行を行う場合に要する時間を求めてもよい。t2も、実際の路面勾配を考慮して、上限車速VHから下限車速VLまで惰性走行を行う場合に要する時間を求めてもよい。t3も、実際の路面勾配を考慮して、下限車速VLから上限車速VHまで加速走行を行う場合に要する時間を求めてもよい。
さらに、本発明の実施形態および他の実施形態において、上述の車両用制御装置(HVECU)100が適用される車両1は、原動機として内燃機関10とモータMG1,MG2とを備え、内燃機関10からプラネタリキャリア34に伝達された機関出力を、動力分割統合機構30により、サンギア32から、発電機としてのモータMG1のロータ51に伝達される動力と、リングギア(36a,36c)に伝達される動力に分割すると共に、当該リングギア(36a,36c)において、内燃機関10から伝達された機械的動力と、電動機としてのモータMG2がロータ52から出力する機械的動力とを統合し、駆動動力として駆動輪94に伝達可能なものとしたが、本発明に係る車両用制御装置が適用可能な車両は、これに限定されるものではない。車両走行中に内燃機関10から出力される機関出力のうち少なくとも一部を、二次電池に充電される充電電力に変換可能な発電機を備え、且つ車両走行中に内燃機関10の作動/非作動状態を切替可能な車両であれば、本発明を適用することができる。
以上のように、本発明は、内燃機関と、車両走行中に内燃機関から出力される機関出力のうち少なくとも一部を、二次電池に充電される充電電力に変換可能な発電機を備え、車両走行中に内燃機関の作動/非作動状態を切替可能な車両に有用であり、特に、原動機として内燃機関とモータジェネレータとを備えたハイブリッド車両に適している。
1 車両
10 内燃機関
12 機関出力軸
20 駆動装置
30 動力分割統合機構(動力伝達機構)
30a 動力分割遊星歯車
30c 減速遊星歯車
32 サンギア
34 プラネタリキャリア
36a,36c 動力分割統合機構のリングギア
44 カウンタドライブギア
51,52 モータジェネレータのロータ
53,54 モータジェネレータのステータ
61,62 インバータ
66 モータジェネレータ用の電子制御装置(モータECU)
70 減速機構(動力伝達機構)
74 カウンタドリブンギア
78 ファイナルドライブギア
80 差動機構(動力伝達機構)
82 差動機構のリングギア
90 駆動軸
94 駆動輪
108 二次電池(蓄電池)
110 アクセルペダル
112 アクセルペダルポジションセンサ
120 エコ運転スイッチ
MG1,MG2 モータジェネレータ(回転電機)
100 車両用の電子制御装置(車両用制御装置、ECU、加速惰性走行制御手段、車速域設定手段、記憶手段、速度状態判定手段、機関出力制御手段)

Claims (5)

  1. 内燃機関と、
    内燃機関から出力される機関出力のうち少なくとも一部を、二次電池に充電される充電電力に変換可能な発電機とを備え、車両走行中に内燃機関の作動および非作動状態を切替可能な車両に用いられ、内燃機関を作動状態にして、機関出力のうち、駆動輪に伝達される駆動動力により、車両が駆動されて加速して走行する加速走行と、
    内燃機関を非作動状態にして、慣性力により車両が惰性で走行する惰性走行とを、
    設定された車速域内において繰り替えし行って走行する加速惰性走行を車両に行わせる車両用制御装置であって、
    前記加速走行中において、前記車両が路面勾配が下り勾配の路面を走行すると、現車速から前記設定された車速域の上限に達するまで前記加速走行を行わせる場合の加速時燃料消費量に基づいて、前記加速走行の維持、または、前記惰性走行への切り替えのいずれかを選択すること
    を特徴とする車両用制御装置。
  2. 前記車両用制御装置は、前記加速時燃料消費量と、
    前記現車速から前記設定された車速域の下限まで前記惰性走行を行わせる場合にかかる時間と、
    前記設定された車速域の上限から、前記設定された車速域の下限まで前記惰性走行を行わせる場合にかかる時間との時間差分に基づいて、前記加速走行を行わせる場合の惰性時燃料消費量とを比較すること
    を特徴とする請求項1に記載の車両用制御装置。
  3. 前記車両用制御装置は、前記時間差分と、
    前記設定された車速域の下限から上限に達するまで前記加速走行を行わせる場合にかかる時間とを比較し、どちらか一方の小さい方に基づいて、前記加速走行を行わせる場合の前記惰性時燃料消費量を求めること
    を特徴とする請求項2に記載の車両用制御装置。
  4. 前記現車速から前記設定された車速域の上限に達するまで前記加速走行を行わせる場合、前記内燃機関の機関出力を維持すること
    を特徴とする請求項1及び請求項2に記載の車両用制御装置。
  5. 前記現車速から前記設定された車速域の上限に達するまで前記加速走行を行わせる場合、前記機関出力において、前記車両の走行に必要な駆動力を発生するように前記機関出力を変換する変換手段を設けること
    を特徴とする請求項4に記載の車両用制御装置。
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