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JP2010256982A - 運転支援システム - Google Patents

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Abstract

【課題】ドライバが感じる煩わしさを低減することができる運転支援システムを提供する。
【解決手段】運転支援システム1においては、路車間通信機によって路車間情報を受信して走路R1における信号機21の信号サイクル情報が取得される。そして、信号機21の信号灯色が、青信号へ切り替わるタイミング前後の第1所定期間である灯色条件1、及び赤信号へ切り替わるタイミング前後の第2所定期間である灯色条件2に該当する間、ECUによってHMI系が作動され、自車両Xのドライバに対し他車両Yとの衝突可能性が注意喚起又は情報提供される。よって、運転支援システムでは、他車両Yとの衝突可能性が高い状況に限定して運転支援を実施することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、信号交差点において運転支援を行うための運転支援システムに関する。
従来の運転支援システムとしては、交差点に進入する自車両(第1車両)に対し他車両(第2車両)の存在に基づく運転支援を行うものが知られている(例えば、特許文献1参照)。このような運転支援システムでは、交差点の道路情報を取得し、この道路情報に基づいて運転支援を行うタイミングを変更する。これにより、例えば交差点において自車両の走路と他車両の走路との接続角度が鋭角であるために見通し悪い場合でも、高い安全性を確保することが図られている。
特開2007−323185号公報
ここで、信号機が設置された信号交差点では、信号灯色によって走路の優先側と非優先側とが明確に分けられている。この点、上述したような運転支援装置では、信号交差点においても第1車両に対し運転支援が常に行われることになるため、場合によっては、かかる運転支援が不要作動となり、第1車両のドライバが煩わしさを感じてしまうおそれがある。
そこで、本発明は、ドライバが感じる煩わしさを低減することができる運転支援システムを提供することを課題とする。
上記課題を達成するために、本発明に係る運転支援システムは、信号機が設置された信号交差点において進入する第1車両に対し第2車両の存在に基づく運転支援を行うための運転支援システムであって、信号機の灯色情報を取得する灯色情報取得手段と、灯色情報取得手段で取得した灯色情報に基づいて運転支援を実施する運転支援手段と、を備え、運転支援手段は、第1車両が走行する走路における信号灯色が青信号へ切り替わるタイミング前後の第1所定期間、及び信号灯色が赤信号へ切り替わるタイミング前後の第2所定期間の少なくとも一方の間にて運転支援を実施することを特徴とする。
この運転支援システムでは、第1車両が走行する走路における信号灯色が青信号へ切り替わるタイミング前後の第1所定期間、及び信号灯色が赤信号へ切り替わるタイミング前後の第2所定期間の少なくとも一方の間にて運転支援が実施される。よって、第2車両との衝突可能性が高い状況に限定して運転支援を実施することができ、ドライバが感じる煩わしさを低減することが可能となる。
また、第1車両の走行状態を検出する走行状態検出手段を備え、運転支援手段は、走行状態検出手段で検出した走行状態が停止若しくは低速走行から加速走行となる状態、又は減速走行から停止若しくは低速走行となる状態のとき、運転支援を実施することが好ましい。この場合、第2車両との衝突可能性が高い状況に一層限定して運転支援を実施することができ、ドライバが感じる煩わしさを一層低減することが可能となる。
また、信号交差点における第1車両の位置を検出する位置検出手段を備え、運転支援手段は、位置検出手段で検出した第1車両の位置が、信号交差点の所定距離手前及び該信号交差点を含む規定エリア内にあるとき、運転支援を実施することが好ましい。この場合、信号交差点に進入する第1車両のドライバにとって運転支援が必要なエリアで限定して運転支援を実施することができ、ドライバが感じる煩わしさを一層低減することが可能となる。
また、本発明に係る運転支援システムは、信号機が設置された信号交差点において進入する第1車両に対し第2車両の存在に基づく運転支援を行うための運転支援システムであって、第1車両の走行状態を検出する走行状態検出手段と、走行状態検出手段で取得した走行状態に基づいて運転支援を実施する運転支援手段と、を備え、運転支援手段は、走行状態検出手段で検出した走行状態が停止若しくは低速走行から加速走行となる状態のとき、運転支援を実施することを特徴とする。
この運転支援システムでは、走行状態が停止若しくは低速走行から加速走行となる状態のときに運転支援が実施される。よって、第2車両との衝突可能性が高い状況に限定して運転支援を実施でき、ドライバが感じる煩わしさを低減することが可能となる。
本発明によれば、ドライバが感じる煩わしさを低減することが可能となる。
本発明の一実施形態に係る運転支援システムを示すブロック図である。 図1の運転支援システムを説明するための信号交差点の状況の一例を示す図である。 図1の運転支援システムを説明するための信号交差点の状況の他の一例を示す図である。 図1の運転支援システムを説明するための信号交差点の状況のさらに他の一例を示す図である。 図1の運転支援システムの動作を示すフローチャートである。 図5の続きを示すフローチャートである。 信号サイクル情報の一例を示す概念図である。 自車両の走行状況の一例を示す概念図である。 自車両の走行状況の他の一例を示す概念図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明では、同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
図1は本発明の一実施形態に係る運転支援システムを示すブロック図、図2〜4は信号交差点の各状況を示す各図である。図1〜4に示すように、運転支援システム1は、自動車等の自車両(第1車両)Xに搭載され、信号機20が設置された信号交差点Iに進入する自車両Xに対し他車両(第2車両)の存在に基づく運転支援を行うものである。ここでの運転支援システム1は、走路R1を走行する自車両Xに対し、走路R1と直交(交差)する走路R2を走行する他車両Yの存在に基づく運転支援を行う支援サービス(いわゆる出会い頭サービス)を提供する。
運転支援システム1は、例えばCPU、ROM、及びRAM等で構成されたコントローラとしてのECU(Electronic Control Unit)10を備えている。ECU10には、該ECU10に信号を入力する信号入力系11として、路車間通信機2、車車間通信機3、カーナビ端末5、車速センサ6a、ブレーキセンサ6b及びウィンカセンサ6cが接続されている。また、このECU10には、該ECU10による処理に基づき運転支援を実行するためのHMI(Human Machine Interface)系12として、ディスプレイ7、メータモニタ8及びスピーカ9が接続されている。
路車間通信機2は、路側装置から路車間情報を受信するものであり、例えば光ビーコン等が用いられている。車車間通信機3は、他車両Yから該他車両Yに関する車車間情報を受信するものである。カーナビ端末5は、例えばGPS(Global Positioning System)を利用して検出された自車両Xの現在位置情報をGPS−ECU5aによって取得する。また、カーナビ端末5は、地図データベース5bを格納しており、これにより、交差点及び信号機の有無等に関する情報を取得する。
センサ6a〜6cは、自車両Xの走行情報を取得するためのものであり、車速センサ6aは自車両Xの車速を検出し、ブレーキセンサ6bは自車両Xのブレーキの動作状況を検出し、ウィンカセンサ6cは自車両Xのウィンカの動作状況を検出する。ディスプレイ7及びメータモニタ8は、運転者に対し注意を喚起させるための情報又は画像を提供又は表示する。スピーカ9は、運転者に対し注意を喚起させるための警報や警告音を出力する。
また、ECU10は、通信制御部10a、送受信信号処理部10b、路車間情報処理部10c、車車間情報処理部10d、運転支援処理部10e及びHMI制御部10fを含んで構成されている。通信制御部10aは、通信機2,3の動作を制御する。送受信信号処理部10bは、通信機2,3で送受信した信号を処理する。路車間情報処理部10cは、路車間情報を処理する。車車間情報処理部10d、車車間情報を処理する。運転支援処理部10eは、例えば衝突可能性(TTC;Time To Collision)の判定等の運転支援に関する処理を実行する。HMI制御部10fは、HMI系12を実行させるHMI実行アルゴリズムを処理しHMI系12を制御する。
このECU10は、信号入力系11からの入力に基づきHMI系12を作動させて運転支援を実施する。ここでのECU10にあっては、走路R1における信号灯色が、青信号へ切り替わるタイミング前後の第1所定期間である灯色条件1(以下、「灯色条件1」という)、及び赤信号へ切り替わるタイミング前後の第2所定期間である灯色条件2(以下、「灯色条件2」という)に該当する間、かかる運転支援を実施する(詳しくは、後述)。
次に、運転支援システム1の動作について図5,6に示すフローチャートを参照しつつ説明する。
本実施形態の運転支援システム1では、まず、カーナビ端末5によって、信号交差点Iを認識すると共に該信号交差点Iへの接近を認識する(S1)。続いて、路車間通信機2によって路車間情報を受信して走路R1における信号機21の信号サイクル情報を取得した場合(S2にてYes)、この信号サイクル情報に基づいて、現在の信号灯色及び今後の信号灯色スケジュールを認識する。そして、上述した灯色条件1又は灯色条件2に現在の信号灯色が該当するか否かを判定する(S3)。
図7は、信号サイクル情報の一例を示す概念図である。図中において、左から右側に時間軸が設定されている。また、「赤」「青」「黄」は、走路R1における信号機21の信号灯色が「赤信号」「青信号」「黄色信号」のそれぞれであることを意味し、「全赤」は、信号機21の信号灯色だけでなく走路R2における信号機22の信号灯色も「赤信号」であることを意味している(以下、同じ)。図7に示すように、ここでの信号サイクル情報は、1,2サイクル程度の灯色変化スケジュールとなっている。また、灯色条件1は、信号機21の信号灯色が青信号へ切り替わるタイミング前後の時間帯であって、信号灯色が「赤」から「全赤」となって「青」となる所定長の期間とされている。また、灯色条件2は、信号機21の信号灯色が赤信号へ切り替わるタイミング前後の時間帯であって、信号灯色が「青」から「黄」となって「赤」となる所定長の期間とされている。
続いて、信号灯色が灯色条件1に該当する場合、カーナビ端末5によって自車両X位置を検出し、この自車両X位置が、信号交差点I内及び信号交差点Iから所定距離手前までを含む規定エリアA1(図2,3参照)内に位置する位置条件(以下、「位置条件1」という)に該当するか否かを判定する(S4)。自車両X位置が位置条件1に該当する場合、センサ6a〜6cによって自車両Xの走行状態を検出し、この走行状態が、規定速度(例えば、10km/h)以下で且つ停止又は低速走行から加速走行(発進走行)となる走行条件(以下、「走行条件1」という)に該当するか否かを判定する(S5)。
一方、信号灯色が灯色条件2に該当する場合、カーナビ端末5によって自車両X位置を検出し、この自車両X位置が位置条件1に該当するか否かを判定する(S6)。自車両X位置が位置条件1に該当する場合、センサ6a〜6cによって自車両Xの走行状態を検出し、この自車両Xの走行状態が、規定速度以下で且つ減速走行から停止又は低速走行となる走行条件(以下、「走行条件2」という)に該当するか否かを判定する(S7)。
図8は、自車両の走行状況の一例を示す概念図である。図中においては、自車両Xが信号交差点Iに進入して通過するまでの走行の軌跡が走行軌跡Lとして示されている。ここでの走行軌跡Lでは、自車両Xが信号交差点Iに向かって減速しつつ進行し、信号交差点Iの手前で停止した後に発進し、加速しつつ信号交差点を通過している。位置条件1としての規定エリアA1は、信号交差点Iの所定距離手前から、信号交差点I内を通って信号交差点Iを僅かに超えた領域とされている。
図8に示すように、ここでの自車両Xでは、走行軌跡Lにおいて規定エリアA1内に位置するときに位置条件1に該当し、また、停止から発進直後で交差点内にて走行するときまで(走行軌跡Lにおける一点鎖線)が走行条件1に該当し、停止前から停止まで(走行軌跡Lにおける破線)が走行条件2に該当することになる。
続いて、上記S5にて自車両Xの走行状態が走行条件1に該当する場合、及び上記S7にて自車両の走行状態が走行条件2に該当する場合、車車間通信機3によって車車間情報を取得する(S8)。そして、取得した車車間情報に基づき走路R2上の他車両Yの存在を認識できた場合、規定の運転支援を実施する(S9,10)。ここでは、他車両Yが停止せずに信号交差点I内に進入すると判定した場合、HMI系12を作動させて当該他車両Yとの衝突可能性を注意喚起又は情報提供する。
そして、例えば、灯色条件1,2、位置条件1、及び走行条件1,2に該当しなくなったとき、若しくは他車両Yとの衝突可能性が低下したとき、運転支援終了条件が成立したとして処理を終了する(S11)。
他方、上記S3にて信号灯色が灯色条件1,2の何れにも該当しない場合、上記S4,6にて自車両X位置が位置条件1に該当しない場合、上記S5,7にて自車両Xの走行状態が走行条件1,2に該当しない場合、及び上記S9にて他車両Yを認識しない場合、自車両Xが作動エリアを通過するまで上記S3の処理へ再び移行する。
ところで、信号機21の信号サイクル情報を取得できない場合(S2にてNo)、自車両X位置が、信号交差点I内及び信号交差点Iから所定距離手前までを含むエリアであって上記規定エリアA1よりも狭い規定エリアA2(図4参照)内に位置する位置条件(以下、「位置条件2」という)に該当するか否かを判定する(S21)。そして、自車両X位置が位置条件2に該当する場合、走行条件1に該当するか否かを判定する(S22)。
図9は、自車両の走行状況の他の一例を示す概念図である。ここでの走行軌跡Lでは、信号交差点Iの手前で停止した自車両Xが、発進し加速しつつ信号交差点を通過している。位置条件2としての規定エリアA2は、信号交差点Iの所定距離手前から、信号交差点I内を通って信号交差点Iを僅かに超えた領域とされている。この規定エリアA2は、その手前側が規定エリアA1(図8参照)よりも信号交差点I寄りに位置し、規定エリアA1よりも狭くされている。
図9に示すように、ここでの自車両Xでは、走行軌跡Lにおいて規定エリアA2内に位置するときに位置条件2に該当し、また、停止から発進直後で交差点内にて走行するときまで(走行軌跡Lにおける一点鎖線)が走行条件1に該当することになる。
続いて、上記S22にて自車両Xの走行状態が走行条件1に該当する場合、車車間通信機3によって車車間情報を取得する(S23)。そして、取得した車車間情報に基づき走路R2上の他車両Yの存在を認識できた場合、規定の運転支援を実施する(S24,25)。
そして、例えば、位置条件2及び走行条件1に該当しなくなったときや他車両Yとの衝突可能性が低下したとき、運転支援終了条件が成立したとして処理を終了する(S26)。他方、上記S21にて自車両X位置が位置条件2に該当しない場合、上記S22にて自車両Xの走行状態が走行条件1該当しない場合、及び、上記S24にて他車両Yを認識しない場合、自車両Xが作動エリアを通過するまで上記S21の処理へ再び移行する(S27)。
なお、本実施形態では、本来進入すべきでない他車両Yの信号交差点Iへの進入を促さないため(違反車両としての他車両Yの運転支援システム1に対する過信や依存傾向を少なくするため)、システム作動中である旨の情報が他車両Yに提示されないようにされている。ちなみに、運転支援が一旦実施された場合、上記の運転支援終了条件の成立(上記S11,26)にかかわらず、他車両Yが停止又は信号交差点Iを通過するまで運転支援を継続してもよい。
以上のような本実施形態の運転支援システム1では、図2に示すように、走路R1の信号機21の信号灯色が「赤」から「青」への変わり目において、規定エリアA1内にて停止若しくは低速走行していた自車両Xが発進し加速して信号交差点Iに進入しようとする場合、灯色条件1、位置条件1及び走行条件1に該当する。よって、走路R2の信号機22の信号灯色が「黄」から「赤」への変わり目であるのにもかかわらず信号交差点Iに無理に進入し通過しようとする他車両Yに関する車車間情報が取得され、この他車車間情報に基づきHMI系12が作動され、自車両Xのドライバに対し他車両Yとの衝突可能性が注意喚起又は情報提供されることとなる。
また、図3に示すように、走路R1の信号機21の信号灯色が「黄」から「赤」への変わり目において、規定エリアA1内にて減速走行していた自車両Xが停止若しくは低速走行しようとする場合、灯色条件2、位置条件1及び走行条件2に該当する。よって、走路R2の信号機22の信号灯色が未だ「赤」又は「赤」から「青」への変わり目であるのにもかかわらず(信号灯色が「青」になる前から)発進し信号交差点Iに進入しようとする他車両Yに関する車車間情報が取得され、この他車車間情報に基づきHMI系12が作動され、自車両Xのドライバに対し他車両Yとの衝突可能性が注意喚起又は情報提供されることとなる。
さらにまた、図4に示すように、信号サイクル情報を取得できず、信号灯色を検知できない場合であっても、規定エリアA2内にて停止若しくは低速走行していた自車両Xが発進し加速して信号交差点Iに進入しようとする場合、走路R1の信号機21の信号灯色が「赤」から「青」への変わり目と推定され、位置条件1及び走行条件1に該当する。よって、走路R2の信号機22の信号灯色が「黄」から「赤」への変わり目であるのにもかかわらず信号交差点Iに無理に進入し通過しようとする他車両Yに関する車車間情報が取得され、この車車間情報に基づきHMI系12が作動され、自車両Xのドライバに対し他車両Yとの衝突可能性が注意喚起又は情報提供されることとなる。
一方、灯色条件1,2の何れにも該当(合致)しない時間帯では、自車両Xの位置や走行状況によらず運転支援が実施されないこととなる。なお、このとき、場合によっては、灯色条件1,2に該当したときの運転支援(上記S10,25の運転支援)に比べて運転支援レベルを極めて低くした煩雑にならない程度の運転支援を実施してもよい。
ちなみに、本実施形態では、例えば他車両Yのドライバがよそ見したりぼんやりしたり等として「赤」の信号灯色を無視したこと(他車両Yに停止傾向が見受けられないこと)が検出できた場合、通常の運転支援に比べて運転支援レベルを高めた運転支援を実施する場合がある。また、他車両Yが救急車等の緊急車両であることが検出できた場合、この緊急車両としての他車両Yを優先する運転支援を実施する場合がある。
以上、本実施形態では、走路R1の信号機21の信号灯色が「赤」又は「青」の時間帯には、不要作動であるために運転支援を実施しない。一方、信号サイクル情報を取得できる場合であって信号灯色の切替わり時間帯(灯色条件1又は2に該当するとき)に限り、運転支援を実施している。よって、切替わり時間帯では信号交差点Iに他車両Yが無理に進入するのが想定され易いことから、他車両Yとの衝突可能性が高い状況に限定して運転支援が実施されることになる。
また、信号サイクル情報を取得できない場合には、自車両Xが信号交差点Iの手前で再発進して該信号交差点Iに進入したとき(走行条件1に該当するとき)に限り、運転支援を実施している。よって、自車両Xが再発進して信号交差点Iに進入したときには信号交差点Iに他車両Yが無理に進入するのが想定され易いことから、他車両Yとの衝突可能性が高い状況に限定して運転支援が実施されることになる。
従って、本実施形態によれば、信号交差点Iにおいて特に衝突可能性の高い場面に限定して運転支援を行うことができ、信号交差点Iに進入する自車両のドライバにとって煩わしさを感じさせない範囲で運転支援を行うことが可能となる。その結果、ドライバが感じる煩わしさを低減することが可能となる。また、運転支援の提供時間が短いため、運転支援に対する過信依存傾向を抑制することもできる。
さらに、本実施形態では、上述したように、自車両Xの走行状態が停止若しくは低速走行から加速走行となる状態又は減速走行から停止若しくは低速走行となる状態のとき(走行条件1又は走行条件2に該当するとき)に限り、運転支援を実施している。よって、他車両Yとの衝突可能性が高い状況に一層限定して運転支援を実施することができ、ドライバが感じる煩わしさを一層低減することが可能となる。
また、本実施形態では、上述したように、自車両X位置が規定エリアA1又はA2内にあるとき(位置条件1又は2に該当するとき)に限り、運転支援を実施している。よって、信号交差点Iに進入する自車両Xのドライバにとって運転支援が必要なエリアで限定して運転支援を実施することができ、ドライバが感じる煩わしさを一層低減することが可能となる。
なお、位置条件1又は位置条件2と走行条件1又は走行条件2とに該当する場合においては、自車両Xの車速も比較的遅いことからドライバに余裕があると考えられるため、注意喚起等の運転支援を受け入れ易く、よって、システム効果が享受され易いものとなる。また、自車両Xが無理に信号交差点Iに進入する場合、その走行状態が高速走行であると想定されるため、走行条件1,2に該当せずに運転支援が実施されない。よって、運転支援を受けたいドライバは安全運転をより行うようになると想定できる。
ところで、従来、本実施形態のように車車間情報を利用したシステムでは、信号交差点Iにて運転支援を実施される場合が少ない。これは、次の理由による。すなわち、車車間情報を利用したシステムでは、信号灯色(動的規制情報)を利用する構成が想定されていない。一時停止規制のような固定規制情報については地図データベース等から取得可能であるが、動的規制情報については、通信技術やモラル面でのハードルが存在しているためである。さらに、信号交差点Iにおいては、信号灯色によって走路R1,R2の優先側と非優先側とが区分されていることから、全車両が信号規制に従っていれば、車両間の接近や接触(衝突)が考え難い。よって、運転支援を行うと逆に煩雑になるため、信号交差点Iの出会い頭サービスは、一般的には支援対象外とされている。また、車車間通信利用の出会い頭サービスは、例えば先進安全自動車(ASV)推進計画の規定では、一時停止交差点、又は規制無し交差点にて他車両Yの存在や接近等を支援するものと定義されている。
他方、実際の信号交差点Iでは、場合によっては、特に信号灯色の変わり目にて出会い頭衝突が発生することがある。この点、本実施形態では、信号サイクル情報を取得し、信号灯色の切替わり時間帯に運転支援を実施できるため、本実施形態は、特に有効なものといえる。
また、本実施形態では、上述したように、位置条件1の規定エリアA1に対して位置条件2の規定エリアA2が狭くされているが、信号交差点Iの手前の停止/低速走行〜加速/発進を想定しているために、特に問題はない。
また、本実施形態では、上述したように、信号機21の信号サイクル情報を取得できない場合、規定エリアA2内に位置する自車両Xが走行条件1(停止/低速走行〜発進/加速走行)に該当するか否かが判定されている(上記S22)が、走行条件2(減速走行〜停止/低速走行)に該当するか否かが判定されていない。これは、走行条件2に該当する場合に運転支援を実施すると、信号灯色が既に「赤」の状態のときに停止意志をもって減速しているドライバに対して不要作動となる運転支援がなされるおそれがあるためである。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明に係る運転支援システムは、実施形態に係る上記運転支援システム1に限られるものではなく、各請求項に記載した要旨を変更しない範囲で変形し、又は他のものに適用したものであってもよい。
例えば、上記実施形態では、車車間情報を取得し、車車間情報に基づき他車両Yの存在を認識したが、例えば路側機が他車両Yを検知可能な場合には、路車間情報に基づき他車両Yの存在を認識してもよい。
また、上記実施形態では、路車間情報を利用して信号サイクル情報を取得したが、VICS(Vehicle Information and Communication System)サービスや携帯電話サービス等を利用して取得してもよい。なお、画像処理手段(カメラ等)を用いて信号灯色を検知してもよいが、夜間や悪天候、遮蔽車両の影響による検知精度及び信頼性の観点から、本実施形態のように路車間情報等から信号サイクル情報を取得するのが好ましい。
また、上記実施形態では、その動作を信号サイクル情報の取得有無によって場合分けしているが、信号サイクル情報を取得せずに上記S21〜S27の処理のみを実行してもよい。また、上記の「低速走行」とは、停止直前の車速での走行を意味するものであって、所定閾値以下の車速による走行を意味している。
以上において、路車間通信機2が灯色情報取得手段を構成し、ECU10が運転支援手段を構成する。また、車速センサ6a、ブレーキセンサ6b及びウィンカセンサ6cが走行状態検出手段を構成し、カーナビ端末5が位置検出手段を構成する。
1…運転支援システム、2…路車間通信機(灯色情報取得手段)、5…カーナビ端末(位置検出手段)、6a…車速センサ(走行状態検出手段)、6b…ブレーキセンサ(走行状態検出手段)、6c…ウィンカセンサ(走行状態検出手段)、10…ECU(運転支援手段)、20,21,22…信号機、I…信号交差点、X…自車両(第1車両)、Y…他車両(第2車両)。

Claims (4)

  1. 信号機が設置された信号交差点において進入する第1車両に対し第2車両の存在に基づく運転支援を行うための運転支援システムであって、
    前記信号機の灯色情報を取得する灯色情報取得手段と、
    前記灯色情報取得手段で取得した前記灯色情報に基づいて前記運転支援を実施する運転支援手段と、を備え、
    前記運転支援手段は、前記第1車両が走行する走路における信号灯色が青信号へ切り替わるタイミング前後の第1所定期間、及び前記信号灯色が赤信号へ切り替わるタイミング前後の第2所定期間の少なくとも一方の間にて前記運転支援を実施することを特徴とする運転支援システム。
  2. 前記第1車両の走行状態を検出する走行状態検出手段を備え、
    前記運転支援手段は、前記走行状態検出手段で検出した前記走行状態が停止若しくは低速走行から加速走行となる状態、又は減速走行から停止若しくは低速走行となる状態のとき、前記運転支援を実施することを特徴とする請求項1記載の運転支援システム。
  3. 前記信号交差点における前記第1車両の位置を検出する位置検出手段を備え、
    前記運転支援手段は、前記位置検出手段で検出した前記第1車両の位置が、前記信号交差点の所定距離手前及び該信号交差点を含む規定エリア内にあるとき、前記運転支援を実施することを特徴とする請求項1又は2記載の運転支援システム。
  4. 信号機が設置された信号交差点において進入する第1車両に対し第2車両の存在に基づく運転支援を行うための運転支援システムであって、
    前記第1車両の走行状態を検出する走行状態検出手段と、
    前記走行状態検出手段で取得した前記走行状態に基づいて前記運転支援を実施する運転支援手段と、を備え、
    前記運転支援手段は、前記走行状態検出手段で検出した前記走行状態が停止若しくは低速走行から加速走行となる状態のとき、前記運転支援を実施することを特徴とする運転支援システム。
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