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JP2010118705A - 太陽電池モジュール - Google Patents

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Abstract

【課題】配線材に生じる熱膨張・収縮を、細線電極で受けることになるために、細線電極に応力が加わる。
【解決手段】配線材2は、太陽電池3の一主面に樹脂接着剤によって接続され、太陽電池3は、一主面に形成された複数の細線電極4Aと、複数の細線電極4Aを電気的に接続するように形成された補助電極4Cと、を有し、補助電極4Cの幅は、細線電極4Aの幅と同等から10倍程度となるように形成されている。
【選択図】図6

Description

本発明は、配線材により互いに電気的に接続された複数の太陽電池を有する太陽電池モジュールに関する。
太陽電池モジュール11は、図8の概念的な断面図に示すように、配線材2によって互いに電気的に接続された複数の太陽電池31、31…を、受光面保護部材15と裏面保護部材16との間に封止材17によって封止することによって構成されている。
太陽電池31は、光電変換機能を有する光電変換部と、光電変換部の受光面に設けられた集電電極とを有している。集電電極は、光電変換部の光入射面の略全域にわたって互いに平行に設けられた複数のライン状の細線電極と、この細線電極の長手方向と直交する方向に延在するように設けられた接続電極とを有している。そして、配線材2は接続電極上に半田により接着され、隣り合う複数の太陽電池31、31・・・が電気的に接続されている(例えば、特許文献1参照)。
また、配線材2を太陽電池31の電極に接着する接着材として、半田の代わりに導電性粒子を含む樹脂接着材を使用することにより、配線材2を接着する際の温度を低くすることも検討されている(例えば、特許文献2参照)。このように、配線材の接着時の温度を低くすることで、配線材と太陽電池の熱膨張係数の差に起因する太陽電池の反りや割れ・欠けの発生を抑制することが可能となる。
ところで、このような樹脂接着材を用いた接続では、配線材と電極との間の電気的な接続が樹脂接着材中の導電性粒子のみによって行われることになる。このため、配線材と電極との抵抗が、半田を用いて接続した場合に比べて大きくなることが予想される。そこで、本願出願人は、このような課題を低減する方法を出願している(例えば、特許文献3参照)。以下に図面を参照してこの接続方法を簡単に説明する。
図9(a)はこの方法を用いて配線材2の接続を行った太陽電池31を受光面側からみた平面図であり、図9(b)は同図(a)のA−A線間に沿って切断した場合における拡大断面図である。太陽電池31は、図9に示すように、光電変換部5上に略全域にわたって細線電極402Aが互いに略平行に形成され、接続電極が形成されていない。配線材2は、銅等の金属製の芯材2aと、表面に形成された半田等の導電体層2bとによって構成されている。そして、図9(b)に示すように、細線電極402Aの先端が導電体層2b中にめり込むことによって、配線材2と細線電極402Aとが電気的に接続されている。また、太陽電池31と配線材2とは樹脂接着材7によって機械的に接続されている。
この方法では、配線材2と太陽電池31との機械的な接続に樹脂接着材7を用いるので、半田による接続に比べ、接着時の温度を低減することができる。このため、接続の際に加えられる熱による太陽電池31の反りを低減することができる。また、太陽電池31と配線材2との電気的な接続は、配線材2の導電体層2bに細線電極402Aがめり込むことにより行われている。このため、半田などの導電性材料を介した接続と比べ、電気抵抗を低減できる。また、接続電極を設ける必要がないため、太陽電池モジュール作成時に係るコストを低減することができる。
特開2002−359388号公報 特開2005−101519号公報 国際公開第2008/023795号パンフレット
ところで、上述した方法では、細線電極402Aの短手方向が配線材2の長手方向に一致している。このため、配線材402Aの長手方向に生じる熱膨張・収縮を、細線電極402Aの短手方向で受けることになるために、細線電極402Aに応力が加わることが予想される。
そこで、本発明は、このような細線電極に加わる応力を抑制し、信頼性が向上した太陽電池モジュールを提供することを目的とする。
本発明の特徴は、配線材によって互いに電気的に接続された複数の太陽電池を有する太陽電池モジュールであって、前記配線材は、前記太陽電池の一主面に樹脂接着剤によって接続され、前記太陽電池は、前記一主面に形成された複数の細線電極と、前記複数の細線電極を電気的に接続するように形成された補助電極と、を有し、前記補助電極の幅は、前記細線電極の幅と同等から10倍程度となるように形成されていることを特徴とする。
また、前記補助電極は、前記配線材が接続される領域に形成されている。
また、前記配線タブは表面に導電体層を有し、前記細線電極及び前記補助電極の少なくとも一方は、前記導電体層にめり込む部分を有する。
また、前記補助電極の周辺部は、前記樹脂接着材により覆われている。
また、前記樹脂接着材は、導電性粒子を含有する。
本発明によれば、信頼性及び歩留まりの向上した太陽電池モジュールを提供することができる。
第1実施形態に係る太陽電池モジュールの断面図である。 第1実施形態に係る太陽電池の平面図である。 第1実施形態に係る太陽電池モジュールの太陽電池と配線材との接続関係を説明する平面図である。 第1実施形態に係る太陽電池モジュールの太陽電池と配線材との接続関係を説明する断面図である。 変形例に係る細線電極を説明する平面図である。 第2実施形態に係る太陽電池の平面図である。 第2実施形態に係る太陽電池モジュールの太陽電池と配線材との接続関係を説明する平面図である。 従来に係る太陽電池モジュールの断面図である。 従来に係る太陽電池モジュールの太陽電池と配線材との接続関係を説明する図である。
次に、図面を用いて、本発明の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。従って、具体的な寸法等は以下の説明を参酌して判断すべきものである。又、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
《第1実施形態》
まず、図1から図4を用いて本発明の第1実施形態に係る太陽電池モジュール1について説明する。
(太陽電池モジュールの構成)
図1は、本実施形態に係る太陽電池モジュール1の構成を示す概念的な断面図である。太陽電池モジュール1は、配列方向Yに沿って配された複数の太陽電池3、3…と、配線材2と、受光面保護部材15と、封止材17と、裏面保護部材16とを有する。そして、隣り合う太陽電池3、3は、配列方向Yに沿って延在する配線材2により電気的に接続されている。
太陽電池3の受光面側には、透光性を有する受光面保護部材15が、透光性を有する封止材17よって接着されている。受光面保護部材15は、例えば、ガラス、透光性プラスチック等の透光性を有する材料を用いて構成されている。また、太陽電池3の裏面側には、裏面保護部材16が封止材17によって接着されている。裏面保護部材16は、例えば、PET等の樹脂フィルム或いはAl箔を樹脂フィルムでサンドイッチした構造の積層フィルム等からなる。
封止材17は例えば、EVA、PVB等の透光性を有する樹脂であり、太陽電池3を封止する機能も有している。さらに、裏面保護部材16の例えば裏面には図示しない電力取り出し用の端子箱が配されている。さらに太陽電池モジュールの外周部には、必要に応じて枠体が取り付けられている。
このような太陽電池モジュール1を製造するにあたっては、まず、受光面保護部材15、封止材17、複数の太陽電池3、封止材17、裏面保護部材16を順次積層して積層体を作成する。次に、積層体の上下から圧力を加えながら加熱し、太陽電池モジュール1を作成する。
(太陽電池の構造)
図2(a)は本実施形態に係る太陽電池3を受光面側からみた平面図であり、図2(b)は裏面側からみた平面図である。また、図2(c)は図2(a)のαで囲む領域の要部拡大図である。太陽電池3は、図2(a)及び図2(b)に示すように、光電変換部5と、この光電変換部5の受光面及び裏面の夫々に配された集電電極とを有している。光電変換部5は、光を受光することによって内部で光生成キャリアを生成する。光生成キャリアとは、光の受光によって光電変換部5内で生成される電子と正孔である。
光電変換部5は、pn接合やpin接合等の半導体接合を有する半導体材料から構成される。半導体材料としては、単結晶半導体シリコン、多結晶シリコンといった結晶系シリコン半導体や、GaAs等の化合物半導体、非晶質シリコン系薄膜半導体や化合物系薄膜半導体等、その他周知の半導体材料からなる半導体材料を用いることができる。また、上記半導体材料との間で半導体接合を形成する材料としては、結晶系半導体、非晶質系半導体、化合物半導体或いはその他周知の半導体材料を用いることができる。
光電変換部5の受光面に形成された集電電極は、図2(a)の平面図に示すように、複数本の細線状の細線電極4A、4A…を有している。細線電極4Aは、太陽電池3の配列方向Yを短手方向とし、配列方向Yと略直交する方向Xを長手方向とし、配列方向Yに沿って複数本配列されている。細線電極4Aの一部分は、後述するように配線材2を接続するための接続電極としても機能する。細線電極4A、4A…は、光入射によって光電変換部5で生成された電子・正孔のキャリアを集めるための電極である。細線電極4A,4A…は、光電変換部5の受光面の略全域にわたって、互いに平行に配列されている。尚、細線電極4Aの寸法、本数は、光電変換部5の寸法、物性等を考慮して適宜設定される。
また、図2(a)に示すように、細線電極4Aは、配線材2が接続される領域に、隣接する細線電極4Aに向かって突出する突出部8を有する。同図において、突出部8は山型の形状を有する。この時、図2(c)に示すように、突出部8は配列方向Yに対して角度θ1を有し、配列方向Yに向かって高さA、幅Bの大きさで突出するように形成されている。そして、突出部8は、配線材2を接続するための接続電極として機能する部分に形成されている。
図2(b)は太陽電池を裏面側から見た平面図である。裏面に形成された集電電極も、受光面側に形成された集電電極と同様、複数の細線電極41A,41A・・・を有している。同図に示すように、細線電極41Aは、太陽電池3の配列方向Yを短手方向とし、配列方向Yと略直交する方向Xを長手方向とし、配列方向Yに沿って複数本配列されている。そして、細線電極41Aの一部は、配線材2を接続するための接続電極としても機能する。細線電極41A、41A…は、光入射によって光電変換部5で生成された電子・正孔のキャリアを集めるための電極である。細線電極41A,41A…は、光電変換部5の裏面の略全域にわたって、互いに平行に配列されている。
また、図2(b)に示すように、細線電極41Aは、配線材2が接続される領域に、隣接する細線電極41Aに向かって突出する突出部8を有している。裏面側における細線電極41Aの寸法、本数は、光電変換部5の寸法、物性等を考慮して適宜設定される。尚、裏面側の集電電極41は、これに限らず種々の構成をとることができる。例えば、裏面全面に導電材を形成して集電電極としても良い。
尚、受光面及び裏面に形成した突出部8のうち、配線材2の端部が配される突出部81は、配線材2の端部からはみ出すことのないように小さく形成されることが好ましい。また、本実施形態において、受光面及び裏面に夫々形成した突出部8の向きは、受光面から投影した場合、互いに逆向きとなるように形成したが、同じ向きになるように形成してもよい。また、突出部8の突出方向は、全て同一方向に形成されているが、混在するよう形成してもよい。尚、本実施形態においては突出部8は複数の細線電極4A、41Aの配線材2に対応する領域全てに形成したが、一部にのみ形成してもよい。また、細線電極4A、41Aの配列方向において最外部に設けられた細線電極4A、41A上には、配線材2からはみ出ることのないよう突出部8の高さAを小さくしても良いし、突出部8を形成しなくても良い。また、突出部の幅Bは、配線材2からはみ出ることのない大きさとすることが好ましい。
集電電極4、41は、例えば、エポキシ樹脂をバインダー、導電性粒子をフィラーとした熱硬化型の導電性ペーストより形成される。また、単結晶シリコン太陽電池、多結晶シリコン太陽電池などの場合には、これに限らず、銀、アルミニウムなどの金属粉末とガラスフリットと、有機質ビヒクルなどから構成される、焼成型ペーストを用いてもよい。また、銀、アルミニウムなどの一般的な金属材料を用いて形成しても良い。
(配線材の接続)
図3(a)は配線材2と細線電極4Aとの接続関係を説明するための受光面側から見た平面図である。図3(b)は図3(a)に示す領域βで囲む箇所の拡大図である。図4は図3に示すB−B線間で切断した拡大断面図である。
図3(a)及び図3(b)に示すように、配線材2は太陽電池3の配列方向Yに沿って突出部8上に配されている。また、突出部8は配列方向Yに沿って突出している。
図4に示すように、配線材2は、銅等の芯材2aと、表面に形成された半田等の導電体層2bとによって構成されている。そして、配線材2の導電体層2bに細線電極4A及び突出部8がめり込むことにより配線材2と細線電極4Aとの電気的な接続を行っている。また、配線材2と太陽電池3とは樹脂接着材7により機械的に接続されている。また、図3(b)に示すように、突出部8の周辺部も樹脂接着材7により覆われるように配線材2と太陽電池3とが接着されている。尚、同図に示すように樹脂接着材7は隣り合う細線電極によって分断されても良い。
樹脂接着材7の材料としては、例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、シリコン樹脂などが挙げられ、これらから選ばれる少なくとも一種、あるいは、これらの樹脂の混合体、共重合体などを適用することができる。樹脂接着材7は、ニッケル、銅、銀、アルミニウム、錫、金などから選ばれる金属粒子を付与することにより導電性を有してもよいし、絶縁性であってもよい。導電性を有する樹脂接着材7の場合は配線材2と太陽電池3との電気的な接続を導電性粒子を介して行ってもよい。
(作用及び効果)
本実施形態に係る太陽電池モジュール1によれば、配線材2は、細線電極4Aの一部に隣り合う細線電極4Aに向かって突出するように設けられた突出部8上に配置され、配線材2は突出部8上で接続されている。このとき、配線材2の長手方向は、配列方向Yに沿う方向になるため突出部の突出方向と同じ方向となる。
配線材2は、配線材2と太陽電池3との接着後においても熱により膨張・収縮する。このとき、配線材2は、配線材2の短手方向よりも長手方向(配列方向Y)において大きく膨張・収縮する。このような場合、従来において、細線電極4A、41Aと配線材2との接続界面には、配線材2の膨張・収縮による長手方向(配列方向Y)からの力が、細線電極4A、41Aの短手方向に対して垂直に加わる。よって、配線材2の長手方向(配列方向Y)からの力は、そのままの力の大きさで細線電極4A、41Aと配線材2との接続部に加わることとなり、接続部の界面に応力が集中していた。
そこで、本実施形態では、細線電極4Aの配線材2が接続される領域に、配線材2の長手方向(配列方向Y)に向かって突出する突出部8が形成されている。この時、突出部8は配線材2の長手方向(配列方向Y)加わる力に対して角度θ1を有するように設けられている。よって、配列方向Yから細線電極4A、41Aに加わる力は、突出部8の山型状の傾斜に沿った方向の力と、傾斜に対して垂直な方向の力とに分散される。この時、細線電極4A、41Aへ印加される力は、突出部の傾斜に対して垂直な力である。従って、配線材2の長手方向(配列方向Y)からの応力が細線電極4A、41Aに直接加わった場合と比べ、突出部8により、配線材2と細線電極4A、41Aとの界面加わる応力を低減することができる。よって、配線材2と細線電極4A、41Aとの界面の接着強度の低下を抑制し、太陽電池モジュール1の信頼性を高めることができる。
また、配線材2と太陽電池3とは樹脂接着材7により機械的に接続され、突出部8の周辺部も樹脂接着材7により覆われるように接着されている。よって、細線電極4A、41Aと樹脂接着材7との接着面積を大きくすることができるため、接着強度の低下を抑制し、太陽電池モジュール1の信頼性を高めることができる。
また、配線材2は突出部8上で接続されているため、突出部8がない場合と比べて、配線材2の接着面積を大きくすることができる。よって、配線材2と太陽電池3との接着強度を高めることができ、太陽電池モジュール1の信頼性を高めることができる。
また、本実施形態において、受光面側及び裏面側に夫々設けた突出部8は同一の方向に形成したが、同一面内において異なる方向となるように形成してもよい。このような場合においても、配線材2の膨張・収縮により発生した応力を低減することができる。
また、本実施形態において、突出部8により樹脂接着材7が分断されている。このため、樹脂接着材7の膨張・収縮により発生した応力を低減することができる。
また、本実施形態において、細線電極4Aと配線材2とは配線材2の導電体層2bにめり込むことにより、電気的な接続をおこなっている。よって、導電性接着材等を介して電気的な接続を行う場合と比べて、電気的な抵抗を低減することができ、太陽電池モジュールの特性を改善することができる。
(変形例)
尚、本実施形態において、突出部8の形状は山型状に形成したがこれに限らず図5の突出部8の形状を示す拡大平面図に示すように円弧状、台形状等、種々の形態をとることができる。また、図5(e)に示すように、突出部8の頂部つながっていなくても良い。これらのような場合においても、配線材2が接続される領域に同図に示すような突出部8を形成することにより、第1実施形態と同様に配線材2と太陽電池3との膨張・収縮により発生した応力を低減することができ、太陽電池モジュール1の信頼性を高めることができる。
《第2実施形態》
本発明の第2実施形態について、図6及び図7を参照しながら説明する。なお、以下の説明において、上記第1実施形態と同一又は類似の部分についての説明は省略する。
本実施形態と第1実施形態の異なる点は、補助電極4Cを設けた点である。
(太陽電池)
図6(a)及び図6(b)は第2実施形態に係る太陽電池3を受光面側及び裏面側から見た平面図である。図6(c)は図6(a)に示す領域α2で囲む箇所の拡大図である。
図6(a)及び図6(b)に示すように、太陽電池3の受光面上及び裏面上には第1実施形態と同様の細線電極4A、41A、補助電極4C及び突出部8が形成されている。細線電極4A、41Aは、太陽電池3の配列方向Yを短手方向とし、配列方向Yと略直交する方向Xを長手方向とし、配列方向Yに沿って複数本配列されている。そして、補助電極4C、41Cは、同図に示すように、突出部8の頂部をつなぐように太陽電池3の配列方向Yに沿って延在するよう形成されて、補助電極4C、41Cと細線電極4A、41Aとは電気的に接続されている。そして、補助電極4C、41Cの幅は、細線電極4A、41Aと同等から10倍程度となるよう形成されている。補助電極4C、41Cは細線電極4A、41Aが収集したキャリアを集電するバスバー電極としても機能すると共に、配線材2が接続される接続電極としても機能する。
また、図6(c)に示すように、第1実施形態と同様に突出部8は配列方向Yに対して角度θ2を有するように形成されている。
(配線材の接続)
図7(a)は配線材2及び細線電極4Aの接続関係を説明するために受光面側から見た平面図である。図7(b)は図7(a)に示す領域β2で囲む箇所の拡大図である。
図7(a)及び図7(b)に示すように、配線材2は太陽電池の配列方向Yに沿って突出部8上に配されている。また、突出部8は配列方向Yに沿う方向に突出している。
また、同図に示すように、配線材2は補助電極4C上に配され、配線材2の長手方向は太陽電池3の配列方向Yに沿って延在するように配置されている。このように配線材2を配置することで、配線材2の長手方向は補助電極4Cの長手方向と同じ方向となる。
また、図7(b)に示すように、配線材2と太陽電池3とは樹脂接着材7により機械的に接続されている。そして、配線材2の導電体層2bに少なくとも細線電極4A、補助電極4C及び突出部8のどちらか一方がめり込むことにより電気的な接続を行っている。また、同図に示すように、突出部8及び補助電極4Cの周辺部も樹脂接着材7により覆われ、接着されている。
(作用及び効果)
本実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
また、本実施形態においては、配線材2は突出部8及び補助電極4C、41C上にも接続されるため、接着強度を高めることができる。
また、突出部8の頂部をつなぐように配列方向Yに沿って延在して補助電極4C、41Cが形成されている。そして、配線材2は補助電極4C、41Cにも接続されている。よって、細線電極4A、41Aと配線材2との接続を確実に行うことができ、太陽電池モジュールの信頼性を向上することができる。
また、補助電極4C、41Cは細線電極4A、41Aと同等から10倍程度となるよう形成されている。よって、配線時の位置ずれなどにより、補助電極4C、41Cがはみ出ることを抑制する。
(実施例)
以下、本発明に係る太陽電池モジュールについて、実施例を挙げて具体的に説明する。
本発明の実施例として、第1実施形態に係わる太陽電池モジュールを以下のように作製した。以下の作製方法では、工程を工程1〜5に分けて説明する。
<工程1>光電変換部形成
まず、約1Ω・cmの抵抗率と約200μmの厚みとを有する約125mm角のn型単結晶シリコン基板を準備した。次に、CVD法を用いて、n型単結晶シリコン基板の受光面上に、約5nmの厚みを有するi型非晶質シリコン層と、約5nmの厚みを有するp型非晶質シリコン層とをこの順序で形成した。
次に、n型単結晶シリコン基板の裏面上に、CVD法を用いて約5nmの厚みを有するi型非晶質シリコン層と、約5nmの厚みを有するn型非晶質シリコン層とをこの順序で形成した。
次に、スパッタ法を用いて、p型非晶質シリコン層及びn型非晶質シリコン層の各々の上に、約100nmの厚みを有するITO膜をそれぞれ形成した。
以上の工程により、実施例に係る太陽電池の光電変換部を作製した。
<工程2>集電電極形成
次に、光電変換部の受光面側及び裏面側に配されたITO膜の表面に、夫々印刷法により、エポキシ系熱硬化型の銀ペーストを用いて、スクリーン印刷法により以下の形状を有する集電電極を形成した。
第1実施形態係わる実施例1〜5のサンプルについて、幅が約100μm、厚みが約40μmの細線電極4A,41Aを約2mmのピッチで複数本形成した。また、突出部8は、幅Bが2mm、配列方向Yに対する突出部8の角度θ1が15、30、45、60、75度となるよう実施例1、2、3、4、5のサンプルを夫々形成した。
<工程3>配線材接続工程
次に、実施例1〜5のサンプルの受光面側及び裏面側の突出部8近傍の所定の箇所に、ディスペンサー等により熱硬化型エポキシ系樹脂を含む樹脂接着材を塗布した。次いで、各サンプルに塗布した樹脂接着材上に、銅からなる芯材の周りを半田からなる導電体層で覆った配線材を配置した。
そして、太陽電池上に配された配線材2を順次上下から加熱部で挟み、所定の圧力をかけながら加熱し、配線材2と太陽電池3、3…との接続を行った。また、実施例1〜5のサンプルについては、配線材表面に形成された導電体層内に接続電極の突起がめり込むように圧力を調整した。尚、夫々の圧力は予備実験によって予め求めておいた。
(比較例)
突出部を形成しない以外は実施例1〜5のサンプルと同様にして比較例1のサンプルを作成した。
(結果)
実施例1〜5及び比較例1に係る太陽電池モジュールについて、温度サイクル試験(JIS C8917)を3倍の期間で行った。そして、温度サイクル試験により発生した太陽電池モジュールの出力の劣化率を、数1に示すように試験前変換効率と試験後変換効率とから算出した。
Figure 2010118705
実施例1〜5及び比較例1に係る太陽電池モジュールについての結果を表1に示す。
Figure 2010118705
表1から比較例1に対して、実施例1〜5は劣化率が改善したことが分かる。これらの結果から、実施例1〜5のサンプルは細線電極上の配線材が接続される領域に太陽電池の配列方向Yに対して角度θ1を有するように突出部が形成されているため、配線材の熱膨張・伸縮によって太陽電池の配列方向Yに向かって加わる応力が低減したと考えられる。よって、配線材と細線電極との界面における接着強度の低下が抑制されたため、太陽電池モジュールの劣化率が改善されたと考えられる。
1 太陽電池モジュール
2 配線材
2a 芯材
2b 導電体層
3 太陽電池
4A、41A 細線電極
4C、41C 補助電極
5 光電変換部
7 樹脂接着材
8 突出部

Claims (5)

  1. 配線材によって互いに電気的に接続された複数の太陽電池を有する太陽電池モジュールであって、
    前記配線材は、前記太陽電池の一主面に樹脂接着剤によって接続され、
    前記太陽電池は、前記一主面に形成された複数の細線電極と、前記複数の細線電極を電気的に接続するように形成された補助電極と、を有し、
    前記補助電極の幅は、前記細線電極の幅と同等から10倍程度となるように形成されていることを特徴とする太陽電池モジュール。
  2. 前記補助電極は、前記配線材が接続される領域に形成されている請求項1記載の太陽電池モジュール。
  3. 前記配線タブは表面に導電体層を有し、
    前記細線電極及び前記補助電極の少なくとも一方は、前記導電体層にめり込む部分を有する請求項1記載の太陽電池モジュール。
  4. 前記補助電極の周辺部は、前記樹脂接着材により覆われている請求項1乃至3のいずれかに記載の太陽電池モジュール。
  5. 前記樹脂接着材は、導電性粒子を含有する請求項1乃至4のいずれかに記載の太陽電池モジュール。
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