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JP2010013441A - 過活動膀胱治療剤 - Google Patents

過活動膀胱治療剤 Download PDF

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JP2010013441A
JP2010013441A JP2009131681A JP2009131681A JP2010013441A JP 2010013441 A JP2010013441 A JP 2010013441A JP 2009131681 A JP2009131681 A JP 2009131681A JP 2009131681 A JP2009131681 A JP 2009131681A JP 2010013441 A JP2010013441 A JP 2010013441A
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Japan
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oab
pharmaceutical composition
overactive bladder
stimulant
urgency
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JP2009131681A
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Imao Mikoshiba
今雄 御子柴
Kaku Miyashita
格 宮下
Natsuko Shichiri
夏子 七里
Nobuhiko Arai
伸彦 荒井
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Kissei Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Kissei Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

【課題】 過活動膀胱の治療用医薬組成物を提供する。
【解決手段】 本発明は、β−アドレナリン受容体刺激薬(β刺激薬)を尿意切迫感に有効な用量を初回用量として投与することを特徴とする、過活動膀胱(OAB)の治療用医薬組成物等を提供する。すなわち、本発明は、β−アドレナリン受容体刺激薬(β刺激薬)を尿意切迫感に有効な用量を初回用量として投与することを特徴とする、副作用が軽減された、OABの治療用医薬組成物、切迫性尿失禁を伴わない過活動膀胱の治療用である該医薬組成物等を提供する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、過活動膀胱において、尿意切迫感に有効な用量のβ−アドレナリン受容体刺激薬(以下、「β刺激薬」ともいう)を投与することを特徴とする、過活動膀胱の治療用医薬組成物等に関するものである。
過活動膀胱(Overactive bladder、以下、「OAB」ともいう)は、「尿意切迫感」を必須症状とし、通常は「頻尿」を、ときに「切迫性尿失禁」を伴う症候群(非特許文献1参照)であるが、切迫性尿失禁を伴わない過活動膀胱(ドライOABと称されることもある)患者が約半数存在する。
OABに対する標準的な治療薬として、抗コリン薬が広く使用されているが、口渇や便秘等の副作用により、継続的使用が困難な場合があり、このような副作用のない治療薬の開発が望まれている。更に、従来、抗コリン薬は尿失禁をターゲットとして投与量が設定され、例えば、オキシブチニン(9mg)については、14〜17日間投与ではプラセボ群に対して有意な効果は観察されなかったことが報告され、また、12週間投与では、トルテロジン(4mg)は、オキシブチニン(9mg)より、更に改善傾向は低いことが報告されているように、尿意切迫感に対する有効性は必ずしも明確ではない。。それゆえ、OAB患者、特に、切迫性尿失禁を伴わないOAB患者に対する新規な薬剤の早期開発が待望されている。
β−アドレナリン受容体(以下、「β受容体」ともいう)がヒト膀胱に存在することが解明された以降、β3刺激薬は、膀胱を弛緩し蓄尿量を増加させる作用により、OAB治療薬として有用であると期待されており、尿意切迫感、頻尿及び切迫性尿失禁を治療目的とした用量での開発が進められているが未だ製品化されたものはない。β刺激薬を医薬品として用いる場合には、用量を多くすると、β−アドレナリン刺激作用(以下、「β刺激作用」と表現することもある)等による副作用(心拍数の増加、血糖値上昇、遊離脂肪酸増加等)が懸念されるため、これらの副作用の回避が大きな課題であった。特に、OAB患者には高齢の患者が多いこと(例えば、OABの有病率は、50代に対して60代で約2倍、70代で約3倍である)を考えると、副作用を回避することは重要である。
OAB治療薬としての可能性が検討されているβ刺激薬が種々知られている(例えば、特許文献1及び2参照)。
特許文献1には、例えば、2−〔4−〔2−〔〔(1S,2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル〕アミノ〕エチル〕−2,5−ジメチルフェノキシ〕酢酸エチル・塩酸塩(以下、「化合物1」ともいう)が、各種過活動膀胱モデルラットにおいて、排尿間隔を延長し、排尿量を増加させ、不随意収縮の大きさ及び頻度を低下させる作用等を示したことが記載されている。
特許文献2には、YM−178(一般名:ミラベグロン、化学名:(R)−2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−4’−[2−[(2−ヒドロキシ−2−フェニルエチル)アミノ]エチル]酢酸アニリド)が、ラット膀胱を弛緩し、過活動膀胱モデルラット排尿間隔を延長させる作用を示したことが記載されている。また、非特許文献2には、YM−178(100mg又は150mg1日2回投与)が、OAB患者の尿意切迫感、頻尿及び切迫性尿失禁に対して、プラセボに比して有意な改善を示したとの報告がある。
しかしながら、いずれの文献においても、β刺激薬が、OABの主症状(尿意切迫感、頻尿及び切迫性尿失禁)のうち、尿意切迫感の改善に対して感受性が高いことや、尿意切迫感に有効な用量のβ刺激薬を投与することにより、副作用を軽減した、OAB治療薬とし得ることに関しては、何らの記載も示唆もない。
国際公開第2004/098586号パンフレット 国際公開第2004/041276号パンフレット Paul Abrams、外8名、Neurology and Urodynamics、2002年、第21巻、p.167−178 Chapple C.R.、外8名、"EAU 2008 - Clinical Proof of Concept Study (BLOSSOM) Shows Novel Beta 3 Adrenoceptor Agonist YM178 is Effective and Well Tolerated in the Treatment of Symptoms of Overactive Bladder"、[Online]、2008年4月4日、European Association of Urology、[2008年4月10日検索]、インターネット<URL: http://http://www.urotoday.com/287/conference_reports/eau_2008__voiding_dysfunction_highlights/eau_2008__clinical_proof_of_concept_study_blossom_shows_novel_beta_3_adrenoceptor_agonist_ym178_is_effective_and_well_tolerated_in_the_treatment_of_symptoms_of_overactive_bladder.html>
本発明は、副作用が軽減された、過活動膀胱の治療用医薬組成物等を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題に対し鋭意研究した結果、驚くべきことに、β刺激薬を過活動膀胱の治療に用いた場合、OABの主症状(尿意切迫感、頻尿及び切迫性尿失禁)のうち、尿意切迫感の改善に対して、感受性が高く、より低用量から十分な効果を発揮することを初めて見出し、よって、尿意切迫感に有効な量を初回用量とすることにより、副作用を軽減した、過活動膀胱の治療用医薬組成物を提供し得ることを見出し、本発明を成すに至った。更に、OABの必須症状であり、患者のQOLに大きく影響する尿意切迫感を改善することは極めて重要であり、この尿意切迫感を改善することにより、結果的に頻尿及び切迫性尿失禁をも改善し得ることが期待できる。
すなわち、本発明は、
〔1〕 β−アドレナリン受容体刺激薬を尿意切迫感に有効な量を初回用量として投与することを特徴とする、副作用が軽減された、過活動膀胱の治療用医薬組成物;
〔2〕 切迫性尿失禁を伴わない過活動膀胱の治療用である、前記〔1〕記載の医薬組成物;
〔3〕 β−アドレナリン受容体刺激薬が、選択的なβ−アドレナリン受容体刺激薬である、前記〔1〕又は〔2〕記載の医薬組成物;等に関するものである。
本発明の医薬組成物は、OABにおける尿意切迫感に対して強力な治療効果を示し、高齢者のOABや切迫性尿失禁を伴わないOABの治療等にも有用である。
本発明に用いられるβ刺激薬としては、例えば、特許文献1記載の化合物(特に、化合物1及び2−〔4−〔2−〔〔(1S,2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル〕アミノ〕エチル〕−2,5−ジメチルフェノキシ〕酢酸(一般名:リトベグロン、以下、「化合物2」ともいう)等)、ソラベグロン、ミラベグロン(YM-178)、KRP-204、MN-246、アミベグロン、タリベグロン、ファソベグロン等が挙げられる。これらのβ刺激薬は、それぞれ市販の製剤を用いるか、文献記載の方法又はそれに準じた方法等で製造することができる。
本発明に用いられるβ刺激薬としては、β−、β−アドレナリン受容体刺激作用(以下、それぞれ「β刺激作用」、「β刺激作用」ともいう)に関連する好ましくない作用を回避するために、選択的なβ刺激薬が好ましい。選択的β刺激薬としては、例えば、β刺激作用に比してβ刺激作用が10倍以上強いものが好ましく、50倍以上強いものがより好ましく、100倍以上強いものが最も好ましい。また、β刺激作用に比してβ刺激作用が10倍以上強いものが好ましく、50倍以上強いものがより好ましく、100倍以上強いものが最も好ましい。各受容体刺激作用は、公知の結合試験や摘出臓器を用いた機能試験等の方法(例えば、国際公開第00/02846号パンフレット記載のラット摘出心房、ラット摘出子宮を用いた方法及び試験例1記載のラット摘出結腸を用いた方法)等により確認することができる。
本発明に用いられるβ刺激薬には、薬理学的に許容される塩も含まれる。薬理学的に許容される塩としては、例えば、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、炭酸等の無機酸との塩;ギ酸、酢酸、プロピオン酸、クエン酸、コハク酸、酒石酸、フマル酸、酪酸、シュウ酸、マロン酸、マレイン酸、乳酸、リンゴ酸、炭酸、グルタミン酸、アスパラギン酸等のカルボン酸との塩;メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸等のスルホン酸との塩等、およびナトリウム、カリウム等のアルカリ金属との塩;カルシウム等のアルカリ土類金属との塩等の無機塩基との塩;トリエチルアミン、ピペリジン、モルホリン、ピリジン、リジン等の有機塩基との塩等が挙げられる。
本発明に用いられるβ刺激薬の薬理学的に許容される塩には、水和物や薬理学的に許容される溶媒(エタノール等)との溶媒和物も含まれる。
本発明の医薬組成物は、β刺激薬を、必要な賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、希釈剤、緩衝剤、等張化剤、防腐剤、湿潤剤、乳化剤、分散剤、安定化剤、溶解補助剤等の製剤担体と適宜混合または希釈・溶解し、常法により種々の剤形のものを製造することもできる。
本発明の医薬組成物の投与形態としては、例えば、散剤、顆粒剤、細粒剤、ドライシロップ剤、錠剤、カプセル剤等の経口投与剤;注射剤、貼付剤、坐剤、膀胱内投与剤等の非経口投与剤;等が挙げられ、経口投与剤が好ましい。
本発明において、尿意切迫感に有効なβ刺激薬の初回用量は、後述する試験例記載の方法又はそれに準じた方法等により定めることができ、例えば、経口投与の場合、成人1日当たりの投与量(フリー体の量として)は、化合物1では10〜80mg、ミラベグロンでは25〜100mg、KRP-204では1〜10mgとすることができる。なお、個々のβ刺激薬により、また、患者の体重、年齢、性別、疾患の程度、遺伝的素因、副作用発現の程度等に応じて適宜増減することもできる。
本発明の医薬組成物は、OABにおける尿意切迫感に有効な量又は尿意切迫感に有効な血中濃度を維持できる量のβ刺激薬を投与量とすることにより、副作用を軽減しつつOABに対して治療効果を発揮できるため、高齢の患者、特に60歳以上、更には70歳以上の患者のOAB治療にも有用である。また、OABの半数を占める切迫性尿失禁を伴わないOABの治療、抗コリン薬が使用しにくいOAB(例えば、前立腺肥大に伴うOAB等)に対しても極めて有用である。
以下に本発明を実験例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はその内容に限定されるものではない。
試験例1(ラット摘出結腸自動運動に対する抑制作用試験)
〔試験方法〕
SD系雄性ラットの近位結腸を摘出し、Magnus法に準じて実験を行った。標本は37℃で95%の酸素と5%の炭酸ガスの混合ガスを通気したKrebs液中に懸垂し0.5gの負荷をかけた。結腸自動運動は圧トランスデューサーを介して等尺性に導入し、レクチグラム上に記録した。薬物は5分毎に累積的にマグヌス管内に加えた。薬物評価は、薬物の添加前5分間の結腸収縮高の和と薬物の添加後5分間の結腸収縮高の和とを比較し、50%抑制する薬物濃度をEC50値として評価した。
〔結果〕
その結果、EC50値は、化合物1の活性体である化合物2では4.3x10−9mol/L、YM−178では3.8x10−8mol/Lであった。
試験例2(過活動膀胱患者における臨床試験)
過活動膀胱患者を対象として、二重盲検群間比較法により以下の臨床試験を実施した。
〔選択基準〕
以下の条件を全て満たす患者を対象とした。
1)観察期間中の3日間に、24時間あたりの平均排尿回数が、8回以上の患者
2)観察期間中の3日間に、24時間あたり平均1回以上の「尿意切迫感」を有する患者
3)同意取得前12週以降に切迫性尿失禁の経験を有する患者
〔投与方法及び投与期間〕
1週間の観察の後、プラセボを1日2回、2週間経口投与した(以下、観察期という)。観察期間終了後、化合物1の20、40、60mg(フリー体換算量として)又はプラセボを1日2回、朝夕食後に12週間経口投与した(以下、治療期という)。
〔評価項目〕
観察期又は治療期に、以下の項目等を評価した。
(1) 排尿回数
(2) 切迫性尿失禁回数
(3) 尿意切迫感の回数
(4) 1回あたりの排尿量
(5) 夜間排尿回数・昼間排尿回数
(6) QOL(キング健康調査票)
(7) 有害事象及び副作用
(8) 臨床検査
(9) 12誘導心電図
(10) 残尿量
(11) 血中薬物濃度
〔結果〕
上記試験の結果に基づいて、12週後の各投与群の1日あたりの尿意切迫感の回数、排尿回数及び切迫性尿失禁回数の正常化率(以上、それぞれ平均尿意切迫感が0回、平均排尿回数が8回未満及び平均切迫性尿失禁回数が0回となった患者数の比率)を求め、プラセボ群との差を表1に示した。
Figure 2010013441
その結果、尿意切迫感においては、最低用量の20mg群からより高用量の投与群と同様に高い改善率を示したのに対し、頻尿(排尿回数)及び切迫性尿失禁においては、高用量のほうがより高い改善率を示し、他の症状に比して、尿意切迫感の改善に感受性が高いことがわかった。
以上のとおり、選択的β刺激薬である化合物1は、尿意切迫感に対する改善効果の感受性が高く、膀胱平滑筋弛緩作用を発揮する濃度から算定されるより、相当低い用量から尿意切迫感に十分な有効性を示すことが見出された。このことは、β刺激薬は、尿意切迫感の改善に対して感受性が高く、従来言われてきた膀胱平滑筋の弛緩作用以外の求心性神経系を介した機序の存在をも窺わせるものである。
なお、12週後の投与後30分の血漿中薬物濃度は、ほぼ線形的であり、20mg群で379 ng/mL、40mg群で724 ng/mLであった。また、いずれの投与群においても、臨床的に問題となる副作用の発現は認められなかった。
試験例3
健康成人男性8例に、化合物1を1回180mg、健康高齢男女各8例に、化合物1を1回50及び90mgを1日2回14日間反復経口投与した。臨床検査において、高用量群ほど、血中インスリン及び遊離脂肪酸の上昇が大きい傾向が認められた。
以上から、驚くべきことに、β刺激薬は、過活動膀胱の主症状の中でも、特に尿意切迫感の改善に対する感受性が高く、低い用量から十分な改善効果を示すことがわかった。従って、本発明の医薬組成物は、尿意切迫感に有効な量を初回用量とすることにより、高用量で認められる副作用を発現せずにOABの諸症状を改善する効果を発揮でき、副作用を軽減したOAB治療剤として極めて有用であることが示された。
本発明の医薬組成物は、過活動膀胱の治療に極めて有用である。

Claims (3)

  1. β−アドレナリン受容体刺激薬を尿意切迫感に有効な量を初回用量として投与することを特徴とする、副作用が軽減された、過活動膀胱の治療用医薬組成物。
  2. 切迫性尿失禁を伴わない過活動膀胱の治療用である、請求項1記載の医薬組成物。
  3. β−アドレナリン受容体刺激薬が、選択的なβ−アドレナリン受容体刺激薬である、請求項1又は2記載の医薬組成物。
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