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JP2010004728A - 電力変換装置 - Google Patents

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JP2010004728A JP2008262724A JP2008262724A JP2010004728A JP 2010004728 A JP2010004728 A JP 2010004728A JP 2008262724 A JP2008262724 A JP 2008262724A JP 2008262724 A JP2008262724 A JP 2008262724A JP 2010004728 A JP2010004728 A JP 2010004728A
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Takeyasu Komatsu
丈泰 小松
Yusuke Shindo
祐輔 進藤
Makoto Okamura
誠 岡村
Ryosuke Inoshita
龍介 井ノ下
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Abstract

【課題】簡素な構成で、双方向に流れる電流を検出することができる電力変換装置を提供する。
【解決手段】昇降圧コンバータ装置1はIGBT12、13とフライホイールダイオード14、15と電流センス抵抗16とを備えている。フライホイールダイオード14、15はIGBT12、13のコレクタ、エミッタ間に接続されている。IGBT12及びフライホイールダイオード14は電流センス端子120、140を備えている。電流センス抵抗16の一端は電流センス端子120、140に、他端はIGBT12のコレクタに接続されている。IGBT12にコレクタ電流が流れると、電流センス端子120の電流が電流センス抵抗16で電圧に変換される。フライホイールダイオード14にフライホイール電流が流れると、電流センス端子140の電流が電流センス抵抗16で電圧に変換される。これにより、簡素な構成で、双方向に流れる電流を検出することができる電力変換装置を提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、直列接続された一対のトランジスタと、フライホイールダイオードとを有し、電力を双方向に変換する電力変換装置に関する。
従来、電力を双方向に変換する電力変換装置として、例えば特許文献1に開示されているインバータシステムがある。このインバータシステムは、力行時には、電源の直流電力を3相交流電力に変換して3相モータに供給する。一方、回生時には、3相モータの発生する3相交流電力を直流電力に変換して電源に供給する。インバータシステムは、直列接続された一対のインバータ出力素子を3組並列接続して構成されている。これらのインバータ出力素子のうち、低電位側の3つのインバータ出力素子は、主電流の1/k倍の電流が流れるセンス端子を備えている。センス端子には、抵抗が接続されている。低電位側のインバータ出力素子がオンし、主電流が流れると、センス端子に流れる電流が抵抗によって電圧に変換される。これにより、力行時において3相モータに流れる電流を検出することができる。
特開2000−14161号公報
しかし、前述したインバータシステムでは、回生時において、インバータ出力素子のフライホイールダイオードに流れる電流を検出できない。そのため、別途電流検出回路等を設けなければならないという問題があった。この場合、システムの構成が複雑になり、それに伴ってコストも上昇してしまうという問題もあった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、簡素な構成で、双方向に流れる電流を検出することができる電力変換装置を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段及び発明の効果
そこで、本発明者は、この課題を解決すべく鋭意研究し試行錯誤を重ねた結果、一対のトランジスタの一方及びこのトランジスタに接続されるフライホイールダイオードが電流検出端子を備え、さらに、このトランジスタ及びこのトランジスタに接続されるフライホイールダイオードに流れる電流を電圧に変換する抵抗を設けることにより、簡素な構成で、双方向に流れる電流を検出できることを思いつき、本発明を完成するに至った。
すなわち、請求項1に記載の電力変換装置は、直列接続された一対のトランジスタと、それぞれのトランジスタに接続され、カソードがコレクタ又はドレインに、アノードがエミッタ又はソースに接続されるフライホイールダイオードと、を備え、トランジスタをオン、オフして流れる電流を制御し、形態の異なる直流電力間で相互に電力を変換する電力変換装置において、一対のトランジスタの一方は、コレクタ電流又はドレイン電流に比例し、コレクタ電流又はドレイン電流より小さい電流が流れる電流検出端子を備え、一方のトランジスタに接続されるフライホイールダイオードは、フライホイールダイオードに流れる電流に比例し、フライホイールダイオードに流れる電流より小さい電流が流れる電流検出端子を備え、さらに、一端が一方のトランジスタの電流検出端子及び一方のトランジスタに接続されるフライホイールダイオードの電流検出端子に、他端が一対のトランジスタのエミッタ又はソースにそれぞれ接続され、双方向に流れる電流を電圧に変換する抵抗を有することを特徴とする。
この構成によれば、トランジスタのコレクタ、エミッタ間又はドレイン、ソース間には、フライホイールダイオードが接続されている。一対のトランジスタの一方は、電流検出端子を備えている。また、このトランジスタに接続されているフライホイールダイオードも、電流検出端子を備えている。抵抗は、このトランジスタの電流検出端子及びフライホイールダイオードの電流検出端子に接続されている。トランジスタにコレクタ電流又はドレイン電流が流れると、それに伴って、トランジスタの電流検出端子にも所定の電流が流れる。トランジスタの電流検出端子の電流は抵抗によって電圧に変換される。これにより、トランジスタに流れる電流を検出することができる。また、フライホイールダイオードに流れると、それに伴って、フライホイールダイオードの電流検出端子にも所定の電流が流れる。フライホイールダイオードの電流検出端子の電流は抵抗によって電圧に変換される。これにより、フライホイールダイオードに流れる電流を検出することができる。従って、簡素な構成で、双方向に流れる電流を検出することができる。
請求項2に記載の電力変換装置は、直列接続された一対のトランジスタを複数組並列接続して構成される多相ブリッジ回路と、トランジスタにそれぞれ接続され、カソードがコレクタ又はドレインに、アノードがエミッタ又はソースに接続されるフライホイールダイオードと、を備え、トランジスタをオン、オフして流れる電流を制御し、直流電力を交流電力に、又は、フライホイールダイオードによって、交流電力を直流電力に相互に変換する電力変換装置において、一対のトランジスタの一方は、コレクタ電流又はドレイン電流に比例し、コレクタ電流又はドレイン電流より小さい電流が流れる電流検出端子を備え、一方のトランジスタに接続されるフライホイールダイオードは、フライホイールダイオードに流れる電流に比例し、フライホイールダイオードに流れる電流より小さい電流が流れる電流検出端子を備え、さらに、一端が一方のトランジスタの電流検出端子及び一方のトランジスタに接続されるフライホイールダイオードの電流検出端子に、他端が一対のトランジスタのエミッタ又はソースにそれぞれ接続され、双方向に流れる電流を電圧に変換する抵抗を有することを特徴とする。この構成によれば、前述したように、簡素な構成で、双方向に流れる電流を検出することができる。
請求項3に記載の電力変換装置は、請求項1又は2のいずれか1項に記載の電力変換装置において、一方のトランジスタは、IGBTであり、一方のトランジスタ、フライホイールダイオードは、1チップで構成されていることを特徴とする。ここで、IGBTとは、Insulated Gate Bipolar Transistorの略称であり、絶縁ゲート型バイポーラトランジスタのことである。この構成によれば、部品点数が削減され、電力変換装置をより小型化することができる。
請求項4に記載の電力変換装置は、請求項3に記載の電力変換装置において、トランジスタのオン、オフを制御するとともに、抵抗の電圧に基づいてフライホイールダイオードに電流が流れているか否かを判定し、フライホイールダイオードに電流が流れているときには、一方のトランジスタをオフする制御手段を有することを特徴とする。この構成によれば、トランジスタとダイオードとは、1チップで構成されている。この場合、フライホイールダイオードに電流が流れ発熱している状態で、同一チップに構成されるトランジスタをオンすると、チップ全体として損失が増加するという特性を有する。そのため、フライホイールダイオードに電流が流れているとき、トランジスタをオフすることで、チップ全体としての損失を抑えることができる。
請求項5に記載の電力変換装置は、請求項4に記載の電力変換装置において、 制御手段は、抵抗の電圧の極性に基づいてフライホイールダイオードに電流が流れているか否かを判定することを特徴とする。この構成によれば、トランジスタの電流検出端子を流れる電流と、フライホイールダイオードの電流検出端子を流れる電流とでは流れる方向が逆向きである。そのため、抵抗の電圧の極性によって、フライホイールダイオードに電流が流れているか否かを確実に判定することができる。
請求項6に記載の電力変換装置は、請求項4又は5のいずれか1項に記載の電力変換装置において、制御手段は、駆動信号を遮断することにより一方のトランジスタをオフすることを特徴とする。この構成によれば、一方のトランジスタを確実にオフすることができる。
請求項7に記載の電力変換装置は、請求項1〜6のいずれか1項に記載の電力変換装置において、車両に搭載され、電力を変換することを特徴とする。この構成によれば、車両に搭載される電力変換装置において、簡素な構成で、双方向に流れる電流を検出することができる。
次に実施形態を挙げ、本発明をより詳しく説明する。第1実施形態では、本発明に係る電力変換装置を、自動車等の車両に搭載される昇降圧コンバータ装置に適用した例を示す。また、第2実施形態では、本発明に係る電力変換装置を、自動車等の車両に搭載されるインバータ装置に適用した例を示す。
(第1実施形態)
まず、図1を参照して昇降圧コンバータ装置の構成について説明する。ここで、図1は、昇降圧コンバータ装置の回路図である。
図1に示す昇降圧コンバータ装置1(電力変換装置)は、充放電可能な低電圧バッテリB10の出力する直流低電圧を昇圧して、充放電可能な高電圧バッテリB11を充電する装置である。また、逆に、高電圧バッテリB11の出力する直流高電圧を降圧して、低電圧バッテリB10を充電する装置でもある。つまり、電圧の異なる直流電力間で相互に電力を変換する装置である。昇降圧コンバータ装置1は、低電圧側平滑用コンデンサ10と、コイル11と、IGBT12、13(トランジスタ)と、フライホイールダイオード14、15と、電流センス抵抗16(抵抗)と、高電圧側平滑用コンデンサ17と、制御回路18(制御手段)とから構成されている。
低電圧側平滑用コンデンサ10は、低電圧側の直流電圧を平滑するための素子である。低電圧側平滑用コンデンサ10は、昇圧動作のときには、低電圧バッテリB10の出力する直流電圧を平滑し、降圧動作のときには、低電圧バッテリB10を充電する降圧された直流電圧を平滑する。低電圧側平滑用コンデンサ10の正極端子及び負極端子は、低電圧バッテリB10の正極端子及び負極端子にそれぞれ接続されている。
コイル11は、電流が流れることでエネルギーを蓄積、放出するとともに電圧を誘起する素子である。コイル11の一端は、低電圧側平滑用コンデンサ10の正極端子に、他端は、IGBT12、13に接続されている。
IGBT12、13は、オン、オフすることで、コイル11にエネルギーを蓄積、放出させるためのスイッチング素子である。IGBT12は、オンしたときにコレクタからエミッタに流れるコレクタ電流に比例し、コレクタ電流より小さい電流が流れる電流センス端子120(電流検出端子)を備えている。一方、IGBT13は、電流センス端子を備えていない。IGBT12、13は直列接続されている。具体的には、IGBT12のエミッタが、IGBT13のコレクタに接続されている。直列接続されたIGBT12、13の直列接続点はコイル11の他端に接続されている。また、IGBT12のコレクタは高電圧側平滑用コンデンサ17の正極端子に、IGBT13のエミッタは低電圧側平滑用コンデンサ10及び高電圧側平滑用コンデンサ17の負極端子にそれぞれ接続されている。さらに、IGBT12、13のゲートは制御回路18にそれぞれ接続されている。
フライホイールダイオード14、15は、IGBT12又はIGBT13がオフし、コイル11に蓄積されたエネルギーが放出されるときに発生するフライホイール電流を流すための素子である。フライホイールダイオード14は、フライホイールダイオード14に流れる電流に比例し、フライホイールダイオード14に流れる電流より小さい電流が流れる電流センス端子140(電流検出端子)を備えている。フライホイールダイオード14、15のアノードはIGBT12、13のエミッタに、カソードはIGBT12、13のコレクタにそれぞれ接続されている。
電流センス抵抗16は、IGBT12に流れるコレクタ電流及びフライホイールダイオード14に流れるフライホイール電流を検出するための素子である。電流センス抵抗16は、IGBT12がオンしたときには、IGBT12のコレクタ電流に比例する電流センス端子120に流れる電流を電圧に変換する。一方、IGBT12がオフしたときには、フライホイールダイオード14のフライホイール電流に比例する電流センス端子140に流れる電流を電圧に変換する。電流センス抵抗16の一端は、IGBT12の電流センス端子120及びフライホイールダイオード14の電流センス端子140に接続されている。また、他端は、IGBT12のコレクタに接続されている。さらに、電流センス抵抗16の両端は、制御回路18にそれぞれ接続されている。
ここで、IGBT12及びフライホイールダイオード14は、半導体素子として1チップで構成されている。
高電圧側平滑用コンデンサ17は、高電圧側の直流電圧を平滑するための素子である。高電圧側平滑用コンデンサ17は、昇圧動作のときには、高電圧バッテリB11を充電する昇圧された直流電圧を平滑し、降圧動作のときには、高電圧バッテリB11の出力する直流電圧を平滑する。高電圧側平滑用コンデンサ17の正極端子はIGBT12のコレクタに、負極端子はIGBT13のエミッタにそれぞれ接続されている。また、高電圧側平滑用コンデンサ17の正極端子及び負極端子は、高電圧バッテリB11の正極端子及び負極端子にそれぞれ接続されている。
制御回路18は、IGBT12、13のオン、オフを制御するための回路である。特に、電流センス抵抗16の電圧に基づいてフライホイールダイオード14にフライホイール電流が流れているか否かを判定し、フライホイール電流が流れているときには、強制的にIGBT12をオフする。制御回路18は、IGBT12、13のゲート及び電流センス抵抗16の両端にそれぞれ接続されている。
次に、図1を参照して昇降圧コンバータ装置の動作について説明する。図1において、車両に搭載された電子装置等(図略)によって高電圧側で電力が消費され、高電圧バッテリB11の電圧が所定電圧未満になると、昇降圧コンバータ装置1は、昇圧動作を開始する。制御回路18は、IGBT13をオンして低電圧バッテリB10からコイル11にエネルギーを蓄積させる。その後、IGBT13をオフし、コイル11に蓄積されたエネルギーを放出させる。このとき、コイル11は、低電圧側平滑用コンデンサ10に接続される一端に対して、IGBT12、13に接続される他端が高電位となる。つまり、コイル11の他端が低電圧バッテリB10の電圧より高くなる。IGBT12、13がともにオフ状態であるため、コイル11のエネルギーの放出に伴う電流は、電流センス抵抗16及びフライホイールダイオード14を介して高電圧バッテリB11に流れ、高電圧バッテリB11が充電される。以降、同様の動作が繰り返され、高電圧バッテリB11の電圧が所定電圧以上になると、制御回路18は、IGBT13のオフ、オフの制御を停止する。
ところで、フライホイールダイオード14にフライホイール電流が流れると、フライホイール電流に比例した所定の電流が電流センス端子140にも流れる。電流センス端子140に流れる電流は、電流センス抵抗16によって電圧に変換され、制御回路18に入力される。IGBT12の電流センス端子120を流れる電流と、フライホイールダイオード14の電流センス端子140を流れる電流とでは、流れる方向が逆向きである。そのため、電流センス抵抗16の電圧の極性が異なることとなる。制御回路18は、昇圧動作時に、電流センス抵抗16によって変換された電圧が入力されると、その極性から、フライホイールダイオード14に電流が流れていると判定し、IGBT12を強制的にオフする。具体的には、駆動信号を遮断することにより強制的にオフする。また、制御回路18は、電流センス抵抗16によって検出した電流に基づいて過電流等の異常を判定し、異常が発生した場合、IGBT12、13をオフする等、対応する処理を行う。
なお、IGBT13がオンしたときに流れる電流を検出していないが、オフしたときに流れる電流とほぼ等しいため、問題になることはない。
一方、車両に搭載された電子装置等(図略)によって低電圧側で電力が消費され、低電圧バッテリB10の電圧が所定電圧未満になると、昇降圧コンバータ装置1は、降圧動作を開始する。制御回路18は、IGBT12をオンし、高電圧バッテリB11からコイル11にエネルギーを蓄積させる。その後、IGBT12をオフし、コイル11に蓄積されたエネルギーを放出させる。このとき、コイル11は、IGBT12、13に接続される他端に対して、低電圧側平滑用コンデンサ10に接続される一端が高電位となる。つまり、コイル11の一端が、高電圧バッテリB11の電圧より低くなる。IGBT12、13がともにオフ状態であるため、コイル11のエネルギーの放出に伴う電流は、フライホイールダイオード15を介して低高電圧バッテリB10に流れ、低電圧バッテリB10が充電される。以降、同様の動作が繰り返され、低電圧バッテリB10の電圧が所定電圧以上になると、制御回路18は、IGBT12のオフ、オフの制御を停止する。
ところで、IGBT12がオンし、コレクタ電流が流れると、コレクタ電流に比例した所定の電流が電流センス端子120にも流れる。電流センス端子120に流れる電流は、電流センス抵抗16によって電圧に変換され、制御回路18に入力される。制御回路18は、電流センス抵抗16によって検出した電流に基づいて過電流等の異常を判定し、異常が発生した場合、IGBT12、13をオフする等、対応する処理を行う。
なお、IGBT12がオフしたときに流れる電流を検出していないが、オンしたときに流れる電流とほぼ等しいため、問題になることはない。また、昇圧動作時と降圧動作時とで、電流を検出する回路構成が異なることから、同じ大きさの電流が流れても、電流センス抵抗16によって変換された電圧の大きさが異なることとなる。しかし、制御回路18において、昇圧動作時と降圧動作時とで、電流センス抵抗16によって変換された電圧の処理を換えれば問題になることはない。
最後に、具体的効果について説明する。第1実施形態によれば、IGBT12、13のコレクタ、エミッタ間には、フライホイールダイオード14、15が接続されている。IGBT12は、電流センス端子120を備えている。また、フライホイールダイオード14も、電流センス端子140を備えている。電流センス抵抗16は、電流センス出端子120、140に接続されている。IGBT12にコレクタ電流が流れると、それに伴って、電流センス端子120にもコレクタ電流に比例した所定の電流が流れる。電流センス端子120の電流は電流センス抵抗16によって電圧に変換される。これにより、IGBT12に流れる電流を検出することができる。また、フライホイールダイオード14にフライホイール電流が流れると、それに伴って、電流センス端子140にもフライホイール電流に比例した所定の電流が流れる。電流センス端子140の電流は電流センス抵抗16によって電圧に変換される。これにより、フライホイールダイオード14に流れる電流を検出することができる。従って、簡素な構成で、双方向に流れる電流を検出することができる。
また、第1実施形態によれば、IGBT12及びフライホイールダイオード14は、1チップで構成されている。そのため、部品点数が削減され、昇降圧コンバータ装置1を小型化することができる。
さらに、第1実施形態によれば、IGBT12とフライホイールダイオード14とは1チップで構成されている。この場合、フライホイールダイオード14に電流が流れ発熱している状態で、同一チップに構成されるIGBT12をオンすると、チップ全体として損失が増加するという特性を有する。そのため、フライホイールダイオード14に電流が流れているとき、IGBT12を強制的にオフすることで、チップ全体としての損失を抑えることができる。この場合、電流センス抵抗16の電圧の極性に着目することで、フライホイールダイオード14に電流が流れているか否かを確実に判定することができる。また、駆動信号を遮断することで、IGBT12を確実にオフすることができる。
(第2実施形態)
まず、図2を参照してインバータ装置の構成について説明する。ここで、図2は、第2実施形態におけるインバータ装置の回路図である。
図2に示すインバータ装置2(電力変換装置)は、3相交流モータM2が力行状態のとき、バッテリB2の出力する直流電圧を3相交流電圧に変換して、3相交流モータM2に供給する装置である。また、逆に、3相交流モータM2が回生状態のとき、3相交流モータM2の発生する3相交流電圧を直流電圧に変換して、バッテリB2を充電する装置でもある。つまり、直流電力と交流電力間で相互に電力を変換する装置である。インバータ装置2は、3相ブリッジ回路20(多相ブリッジ回路)と、フライホイールダイオード210〜216と、電流センス抵抗220〜222と(抵抗)、制御回路230(制御手段)とから構成されている。
3相ブリッジ回路20は、IGBT200〜205(トランジスタ)から構成されている。IGBT11a〜11fは、オン、オフすることで、直流電圧を交流電圧に変換するためのスイッチング素子である。IGBT200、203、IGBT201、204及びIGBT202、205は、それぞれ直列接続されている。具体的には、IGBT200〜202のエミッタが、IGBT203〜205のコレクタにそれぞれ接続されている。直列接続された3組のIGBT200、203、IGBT201、204及びIGBT202、205は並列接続されている。上側にある3つのIGBT200〜202のコレクタはバッテリB2の正極端子に、下側にある3つのIGBT203〜205のエミッタはバッテリB2の負極端子にそれぞれ接続されている。IGBT200〜205のゲートは、制御回路230にそれぞれ接続されている。また、直列接続されたIGBT200、203、IGBT201、204及びIGBT202、205の直列接続点は、3相交流モータM2を構成するコイル(図略)にそれぞれ接続されている。
フライホイールダイオード210〜215は、フライホイール電流を整流することで、交流電圧を直流電圧に変換するための素子である。フライホイールダイオード210〜215のアノードはIGBT200〜205のエミッタに、カソードはIGBT200〜205のコレクタにそれぞれ接続されている。
電流センス抵抗220〜222は、IGBT203〜205に流れるコレクタ電流及びフライホイールダイオード213〜215に流れるフライホイール電流を検出するための素子である。電流センス抵抗220〜222は、IGBT203〜205がオンしたときには、IGBT203〜205のコレクタ電流に比例する電流センス端子203a〜205aに流れる電流を電圧に変換する。一方、IGBT203〜205がオフしたときには、フライホイールダイオード213〜215のフライホイール電流に比例する電流センス端子213a〜215aに流れる電流を電圧に変換する。電流センス抵抗220〜222の一端は、IGBT203〜205の電流センス端子203a〜205a及びフライホイールダイオード213〜215の電流センス端子213a〜215aにそれぞれ接続されている。また、他端は、IGBT203〜205のコレクタにそれぞれ接続されている。さらに、電流センス抵抗220〜222の両端は、制御回路230にそれぞれ接続されている。
ここで、IGBT203〜205及びフライホイールダイオード213〜215は、半導体素子としてそれぞれ1チップで構成されている。
制御回路230は、3相ブリッジ回路20を構成するIGBT200〜205のオン、オフを制御するための回路である。特に、電流センス抵抗220〜222の電圧に基づいてフライホイールダイオード213〜215にフライホイール電流が流れているか否かを判定し、フライホイール電流が流れているときには、強制的にIGBT203〜205をオフする。制御回路230は、IGBT200〜205のゲート及び電流センス抵抗220〜222の両端にそれぞれ接続されている。
次に、インバータ装置の動作について説明する。図2において、車両に搭載され電子装置から3相交流モータM2に対するトルク指令が入力されると、インバータ装置2は、トルク指令に基づいて直流交流変換動作を開始する。制御回路230は、IGBT200〜205を所定のタイミングでオン、オフして、バッテリB2の直流電圧を3相交流電圧に変換し、3相交流モータM2に供給する。インバータ装置2から3相交流電圧が供給されると、3相交流モータM2は、トルク指令によって指示されたトルクを発生する。ところで、IGBT203〜205がそれぞれオンし、コレクタ電流が流れると、コレクタ電流に比例した所定の電流が電流センス端子203a〜205aにも流れる。電流センス端子203a〜205aに流れる電流は、電流センス抵抗220〜222によって電圧に変換され、制御回路230に入力される。制御回路230は、電流センス抵抗220〜222によって検出した各相電流に基づいてIGBT200〜205のオン、オフのタイミングを制御する。
一方、車両に搭載され電子装置からのトルク指令の入力が停止し、3相交流モータM2が外力によって回転する回生状態になると、インバータ装置2は、交流直流変換動作を開始する。3相交流モータM2の発生する3相交流電圧は、フライホイールダイオード213〜215によって構成される整流回路で整流され、直流電圧に変換される。そして、変換された直流電圧によってバッテリB2が充電される。ところで、フライホイールダイオード213〜215にフライホイール電流が流れると、フライホイール電流に比例した所定の電流が電流センス端子213a〜215aにも流れる。電流センス端子213a〜215aに流れる電流は、電流センス抵抗220〜222によって電圧に変換され、制御回路230に入力される。IGBT203〜205の電流センス端子203a〜205aを流れる電流と、フライホイールダイオード213〜215の電流センス端子213a〜215aを流れる電流とでは、流れる方向が逆向きである。そのため、電流センス抵抗220〜222の電圧の極性が異なることとなる。制御回路230は、交流直流変換動作時に、電流センス抵抗220〜222によって変換された電圧が入力されると、その極性から、フライホイールダイオード213〜215に電流が流れていると判定し、IGBT203〜205を強制的にオフする。具体的には、駆動信号を遮断することにより強制的にオフする。また、制御回路230は、電流センス抵抗220〜222によって検出した電流に基づいて過電流等の異常を判定し、異常が発生した場合、対応する処理を行う。
なお、直流交流変換動作時と交流直流変換動作時とで、電流を検出する回路構成が異なることから、同じ大きさの電流が流れても、電流センス抵抗220〜222によって変換された電圧の大きさが異なることとなる。しかし、制御回路230において、直流交流変換動作時と交流直流変換動作時とで、電流センス抵抗220〜222によって変換された電圧の処理を換えれば問題になることはない。
最後に、具体的効果について説明する。第2実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
なお、第2実施形態では、インバータ装置2が直列接続された3組のIGBT200、203、IGBT201、204及びIGBT202、205を並列接続して構成される3相ブリッジ回路20を備えている例を挙げているが、これに限られるものではない。例えば、2相又は4相以上のブリッジ回路であってもよい。
ところで、第1及び第2実施形態では、昇降圧コンバータ1やインバータ装置2がIGBTによって構成される例を挙げているが、これに限られるものではない。バイポーラトランジスタや電界効果トランジスタによって構成してもよい。
第1実施形態における昇降圧コンバータ装置の回路図である。 第2実施形態におけるインバータ装置の回路図である。
符号の説明
1・・・昇降圧コンバータ装置(電力変換装置)、10・・・低電圧側平滑用コンデンサ、11・・・コイル、12、13・・・IGBT(トランジスタ)、120・・・電流センス端子(電流検出端子)、14、15・・・フライホイールダイオード、140・・・電流センス端子140(電流検出端子)、16・・・電流センス抵抗(抵抗)、17・・・高電圧側平滑用コンデンサ、18・・・制御回路(制御手段)、B10・・・低電圧バッテリ、B11・・・高電圧バッテリ、2・・・インバータ装置(電力変換装置)、20・・・3相ブリッジ回路(多相ブリッジ回路)、200〜205・・・IGBT(トランジスタ)、203a〜205a・・・電流センス端子(電流検出端子)、210〜215・・・フライホイールダイオード、213a〜215a・・・電流センス端子(電流検出端子)、220〜222・・・電流センス抵抗(抵抗)、230・・・制御回路(制御手段)、B2・・・バッテリ、M2・・・3相交流モータ

Claims (7)

  1. 直列接続された一対のトランジスタと、
    それぞれの前記トランジスタに接続され、カソードがコレクタ又はドレインに、アノードがエミッタ又はソースに接続されるフライホイールダイオードと、
    を備え、前記トランジスタをオン、オフして流れる電流を制御し、形態の異なる直流電力間で相互に電力を変換する電力変換装置において、
    一対の前記トランジスタの一方は、コレクタ電流又はドレイン電流に比例し、コレクタ電流又はドレイン電流より小さい電流が流れる電流検出端子を備え、
    前記一方の前記トランジスタに接続される前記フライホイールダイオードは、前記フライホイールダイオードに流れる電流に比例し、前記フライホイールダイオードに流れる電流より小さい電流が流れる電流検出端子を備え、
    さらに、一端が前記一方の前記トランジスタの前記電流検出端子及び前記一方の前記トランジスタに接続される前記フライホイールダイオードの前記電流検出端子に、他端が前記一方の前記トランジスタのエミッタ又はソースにそれぞれ接続され、双方向に流れる電流を電圧に変換する抵抗を有することを特徴とする電力変換装置。
  2. 直列接続された一対のトランジスタを複数組並列接続して構成される多相ブリッジ回路と、
    前記トランジスタにそれぞれ接続され、カソードがコレクタ又はドレインに、アノードがエミッタ又はソースに接続されるフライホイールダイオードと、
    を備え、前記トランジスタをオン、オフして流れる電流を制御し、直流電力を交流電力に、又は、前記フライホイールダイオードによって、交流電力を直流電力に相互に変換する電力変換装置において、
    一対の前記トランジスタの一方は、コレクタ電流又はドレイン電流に比例し、コレクタ電流又はドレイン電流より小さい電流が流れる電流検出端子を備え、
    前記一方の前記トランジスタに接続される前記フライホイールダイオードは、前記フライホイールダイオードに流れる電流に比例し、前記フライホイールダイオードに流れる電流より小さい電流が流れる電流検出端子を備え、
    さらに、一端が前記一方の前記トランジスタの前記電流検出端子及び前記一方の前記トランジスタに接続される前記フライホイールダイオードの前記電流検出端子に、他端が前記一方の前記トランジスタのエミッタ又はソースにそれぞれ接続され、双方向に流れる電流を電圧に変換する抵抗を有することを特徴とする電力変換装置。
  3. 前記一方の前記トランジスタは、IGBTであり、
    前記一方の前記トランジスタ、前記フライホイールダイオードは、1チップで構成されていることを特徴とする請求項1又は2のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  4. 前記トランジスタのオン、オフを制御するとともに、前記抵抗の電圧に基づいて前記フライホイールダイオードに電流が流れているか否かを判定し、前記フライホイールダイオードに電流が流れているときには、前記一方の前記トランジスタをオフする制御手段を有することを特徴とする請求項3に記載の電力変換装置。
  5. 前記制御手段は、前記抵抗の電圧の極性に基づいて前記フライホイールダイオードに電流が流れているか否かを判定することを特徴とする請求項4に記載の電力変換装置。
  6. 前記制御手段は、駆動信号を遮断することにより前記一方の前記トランジスタをオフすることを特徴とする請求項4又は5のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  7. 車両に搭載され、電力を変換することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の電力変換装置。
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