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JP2010080144A - 複合型顕微鏡装置及び試料観察方法 - Google Patents

複合型顕微鏡装置及び試料観察方法 Download PDF

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Makoto Torisawa
允 鳥澤
Yoshihiro Nishimura
良浩 西村
Manabu Yokoi
学 横井
Tomohiro Yachi
朋広 矢地
Shohachi Horiguchi
照八 堀口
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Abstract

【課題】共焦点顕微鏡からの出力される各種画像情報と電子顕微鏡の出力画像情報とが合成された特有の画像情報を出力でき、試料分析に有用な複合型顕微鏡装置を実現する。
【解決手段】観察すべき試料を保持する試料ステージが配置される試料室と、試料の電子顕微鏡画像を撮像する電子顕微鏡と、試料の共焦点画像を撮像する共焦点顕微鏡と、電子顕微鏡及び共焦点顕微鏡からの出力信号とを受取り種々の画像信号を出力する信号処理装置を具える。共焦点顕微鏡及び電子顕微鏡のビーム軸は、互いに平行に設定する。試料ステージは、共焦点顕微鏡の対物レンズの光軸及び電子顕微鏡のビーム軸と直交する2次元平面内の位置を規定する2次元座標系を有し、共焦点顕微鏡及び電子顕微鏡は座標系を共有する。この結果、電子顕微鏡画像と共焦点顕微鏡により取得された2次元カラー情報や表面高さ情報とを合成して、カラー電子顕微鏡画像又は3次元電子顕微鏡画像を表示する。
【選択図】図1

Description

本発明は、共焦点顕微鏡と電子顕微鏡(走査型電子顕微鏡)とが合体した複合型顕微鏡装置及び当該複合型顕微鏡装置を用いた試料観察方法に関するものである。
また、本発明は、複合型顕微鏡装置を用いて試料を観察する試料観察方法に関するものである。
集束した光ビームを用いて試料表面を2次元走査し、試料表面からの反射光を受光して試料の2次元画像を撮像する共焦点顕微鏡が実用化されている。共焦点顕微鏡は、集束した光ビームにより試料表面を走査するので、高い分解能で試料画像を撮像することができ、高分解能の2次元画像を撮像する用途や微細な欠陥を検出する欠陥検査装置に利用されている。例えば、共焦点光学系を有する欠陥検査装置では、数10nm程度の欠陥を明瞭に検出できるため、半導体デバイスの製造工程中に発生する各種欠陥を検出する欠陥検査装置として実用化されている。さらに、共焦点顕微鏡は、通常の光学顕微鏡とは異なり、試料の2次元画像を撮像するだけでなく、試料表面の高さ情報も出力して試料表面の3次元画像を撮像できるため、検出した欠陥の解析にも有用である。
半導体デバイスの製造の歩留りを高めるためには、欠陥を検出するだけでなく、検出した欠陥の特性や発生要因を解析することが望まれる。欠陥の特性や発生原因を解析するためには、高倍率の観察が必要である。しかしながら、共焦点顕微鏡は、数10nm程度の微細な欠陥を検出することができるが、数10倍〜数100倍の低倍率観察が主流である。このため、共焦点顕微鏡を用いて微細な欠陥を検出し、検出した欠陥を電子顕微鏡を用いて高倍率観察する試料観察方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この観察方法では、共焦点顕微鏡を用いて半導体ウェハに形成された欠陥を検出し、検出された欠陥の付近にマーキングが形成されている。続いて、試料を共焦点顕微鏡から取り出して電子顕微鏡に装着し、マーキングを目印として利用して観察すべき欠陥を電子顕微鏡の視野内に位置させている。
走査型電子顕微鏡に光学顕微鏡を結合し、試料の光学像と電子顕微鏡画像を撮像できる電子顕微鏡装置も提案されている(例えば、特許文献2参照)。この電子顕微鏡装置では、光学顕微鏡の光学系として焦点距離の長い長焦点距離のレンズ系を用い、光学顕微鏡を真空の試料室の外部に配置している。さらに、光学顕微鏡及び電子顕微鏡により試料の同一の部位を撮像するため、光学顕微鏡の光軸が電子顕微鏡のビーム軸に対して斜めに交差するように光学顕微鏡を配置し、電子顕微鏡のビーム軸と光学顕微鏡の光軸との交点が試料上に位置するように構成されている。
特開2002−350731号公報 特開2004−319518号公報
上述した特許文献1に記載された欠陥観察方法は、共焦点顕微鏡による観察と電子顕微鏡による観察とが組み合わされているため、共焦点顕微鏡により検出された微細な欠陥の特性や発生要因を解析する上で極めて有益である。しかしながら、欠陥検査装置として機能する共焦点顕微鏡と電子顕微鏡とが別体構造となっているため、電子顕微鏡による高倍率観察を行うためには、試料を共焦点顕微鏡から取り外して電子顕微鏡に装着しなければならず、操作が煩雑になる欠点があった。また、共焦点顕微鏡の座標系と電子顕微鏡の座標系とが相違するため、共焦点顕微鏡により検出された欠陥のアドレス情報を電子顕微鏡観察の視野設定に有効に利用できず、検出された欠陥を電子顕微鏡の視野内に位置させる作業が困難になる欠点があった。
また、特許文献2に記載されている走査型電子顕微鏡に光学顕微鏡を結合した電子顕微鏡装置では、光学顕微鏡が長焦点距離の光学系により構成されているため、光学顕微鏡を真空に維持される試料室の外部に配置することができ、構造的に簡単化される利点がある。しかしながら、共焦点顕微鏡は、開口数(NA)の大きな対物レンズを用いる特有の構造を有するため、対物レンズの焦点距離は通常の光学顕微鏡に使用される対物レンズの焦点距離よりもはるたに短いものである。このため、試料表面と対物レンズとが近接するため、特許文献2に記載された電子顕微鏡装置の構成は採用できないものである。
電子顕微鏡観察の特性として、電子顕微鏡は高倍率観察が可能であるが、試料表面を濃淡画像情報として検出するにとどまり、試料表面のカラー情報を検出することはできない。また、試料表面の3次元画像観察に関して、信頼性の高い3次元画像を再現することは困難である。従って、電子顕微鏡による試料分析には限界があった。これに対して、共焦点顕微鏡は低倍率で試料表面を観察する手段であるが、試料表面のカラー情報を出力することが可能であると共に試料表面の高さ情報を10nmの分解能で出力することもできる。従って、共焦点顕微鏡の各種画像出力情報と電子顕微鏡の画像情報とが合成できれば、両方の顕微鏡の特性を有効に活用できる試料分析装置が実現される。
本発明の目的は、簡単な操作で試料の共焦点画像及び電子顕微鏡画像を撮像することができる複合型顕微鏡装置を実現することにある。
本発明の別の目的は、共焦点顕微鏡により検出された欠陥を電子顕微鏡の視野内に簡単な操作で位置させることができる複合型顕微鏡装置を実現することにある。
本発明の別の目的は、共焦点顕微鏡からの出力される各種画像情報と電子顕微鏡の出力画像情報とが合成された特有の画像情報を出力でき、試料分析に有用な複合型顕微鏡装置を実現することにある。
さらに、本発明の別の目的は、複合型顕微鏡装置を用いる試料観察方法を提供することにある。
本発明による複合型顕微鏡装置は、真空に維持され、観察すべき試料を保持する試料ステージが配置される試料室と、
前記試料ステージ上に保持された試料に向けて電子ビームを投射し、試料の電子顕微鏡画像を撮像する電子顕微鏡と、
光ビームを発生する光源、前記試料ステージ上に配置された試料に向けて集束した光ビームを投射する対物レンズ、前記光ビームの集束点と試料表面との間の相対距離を変化させる手段、及び、試料表面からの反射光を受光する光検出手段を含む共焦点顕微鏡と、
前記電子顕微鏡からの出力信号及び共焦点顕微鏡からの出力信号とを受取り、少なくとも、試料の電子顕微鏡画像、2次元共焦点画像、試料表面の高さ情報及び試料表面の3次元画像を出力する信号処理装置と
前記信号処理装置からの出力信号に基づいて、種々の試料画像を表示するモニタとを具え、
前記電子顕微鏡のビーム軸(光軸)と共焦点顕微鏡の対物レンズの光軸は、距離dだけ離間して互いに平行に設定され、
前記試料ステージは、共焦点顕微鏡の対物レンズの光軸及び電子顕微鏡のビーム軸と直交する2次元平面内の位置を規定する2次元座標系を有し、
前記共焦点顕微鏡の視野中心の位置及び電子顕微鏡の視野中心の位置は、前記試料ステージの2次元座標系により規定されることを特徴とする。
本発明による複合型顕微鏡装置では、共焦点顕微鏡の光軸と電子顕微鏡のビーム軸とが互いに平行に設定されると共に共焦点顕微鏡と電子顕微鏡とが座標系を共有しているので、2つの顕微鏡の視野中心が同一の2次元座標系により規定され、共焦点顕微鏡の撮像視野を電子顕微鏡の撮像視野内に簡単な操作で位置させることが可能である。この結果、共焦点顕微鏡により撮像された視野内の特定の部位を電子顕微鏡の視野中心に容易に設定することが可能になる。この結果、試料の特定の部位の共焦点画像と電子顕微鏡画像とが位置的に一致するので、これら2つの画像を合成することが可能になる。さらに、特に、電子顕微鏡のビーム軸と共焦点顕微鏡の光軸とを結ぶ方向をX方向座標方向とすれば、共焦点顕微鏡の視野中心は、試料ステージをX方向に距離dだけ移動することにより、電子顕微鏡の視野中心と一致することができる。
本発明による複合型顕微鏡装置の好適実施例は、共焦点顕微鏡の対物レンズは、前記試料室内に配置されると共に試料室のハウジングに設けた透明窓を介して共焦点顕微鏡の光源及び光検出手段と光学的に結合されていることを特徴とする。共焦点顕微鏡の特性として、開口数の大きな対物レンズ系が用いられるため、撮像中に対物レンズと試料表面とが近接する。そこで、本例では、対物レンズを試料室内に配置し、試料室のハウジングに設けた透明窓を介して対物レンズを光源や光検出器と光学的に結合する。このように構成することにより、対物レンズ以外の光学装置や光学部品をユニット化することが可能になる。
さらに、本発明による複合型顕微鏡装置の別の好適実施例は、前記対物レンズは、試料室の外部に設けた駆動機構に連結されると共に光軸に沿って変位可能に設定され、当該対物レンズの光軸方向の移動により試料表面と光ビームの集束点との間の相対距離が変化することを特徴とする。
本発明による複合型顕微鏡装置の好適実施例は、信号処理装置は、共焦点顕微鏡からの出力信号に基づき試料表面の2次元カラー情報を形成する手段及び試料の表面高さ情報を形成する手段を有すると共に、前記電子顕微鏡から出力される電子顕微鏡画像情報と前記2次元カラー情報又は試料表面の高さ情報とを合成する手段を有し、
前記モニタ上に、カラー電子顕微鏡画像を表示し、又は3次元電子顕微鏡画像を表示することを特徴とする。
本発明による複合型顕微鏡装置では、共焦点顕微鏡と電子顕微鏡とが座標系を共有しているので、共焦点顕微鏡の視野と電子顕微鏡の視野とを正確に整合させることができる。この結果、共焦点顕微鏡により撮像された画像と電子顕微鏡により撮像された画像とを合成することが可能になる。よって、電子顕微鏡画像に共焦点顕微鏡により取得した2次元カラー情報や表面高さ情報を合成することにより、カラー電子顕微鏡画像や3次元電子顕微鏡画像を形成することが可能になる。
本発明による試料観察方法は、共焦点顕微鏡と電子顕微鏡とが、それらの光軸が互いに平行になるように結合されると共に座標系を共有する複合型顕微鏡装置を用いて試料を観察する試料観察方法であって、
試料室内に配置された試料ステージ上に観察すべき試料を配置し、試料室を真空に維持する工程と、
共焦点顕微鏡を用いて試料の2次元共焦点画像又は3次元共焦点画像を撮像し、試料の2次元又は3次元画像をモニタ上に表示する画像表示工程と、
モニタ上に表示された試料画像を観察して、電子顕微鏡により観察すべき試料の部位を指定する工程と、
前記試料ステージを移動させ、観察すべき試料の部位を電子顕微鏡の視野中心に位置させる視野設定工程と、
電子顕微鏡により試料の電子顕微鏡画像を撮像する工程とを含むことを特徴とする。
本発明による試料観察方法の好適実施例は、共焦点顕微鏡により試料の3次元画像を撮像し、前記画像表示工程において試料の3次元共焦点画像をモニタ上に表示し、
前記視野設定工程は、電子顕微鏡の2次電子検出器の試料に対する向きが最適な状態となるように、前記試料ステージを電子顕微鏡のビーム軸の周りで回転調整する工程を含み、
共焦点顕微鏡により撮像された試料の表面形状に応じて、最適な電子顕微鏡画像を撮像することを特徴とする。
電子顕微鏡観察では、試料表面から発生する2次電子は試料表面の凸部により遮蔽される場合が多く、実際の表面形状に対応しない電子顕微鏡画像が撮像される欠点がある。特に、試料表面に形成された斜面の状態を観察する場合、2次電子検出器の試料に対する向きによっては、2次電子が斜面により遮蔽されて検出器に入射できず、実際の表面形状と相違する電子顕微鏡画像が撮像される不具合がある。従って、電子顕微鏡観察に先立って共焦点顕微鏡により試料表面の3次元画像を撮像し、モニタ上に表示された3次元画像に基づき2次電子検出器の試料に対する向きを最適な向きとなるようにステージを回転調整すれば、一層正確な試料表面の電子顕微鏡画像を撮像することが可能となる。
本発明による試料観察方法の別の好適実施例は、電子顕微鏡は、試料から発生した特性X線を検出するX線検出器を有し、前記モニタ上には試料の2次元カラー画像又は3次元カラー画像が表示され、オペレータは、モニタ上に表示されたカラー共焦点画像について特定のカラーの部位を指定し、又はモニタ上に表示された3次元共焦点画像について特定の形状の部位を指定し、前記X線検出器は、指定された特定のカラーの部位又は特定の形状の部位から発生する特性X線を検出し、オペレータにより指定された部位についてX線分析情報を出力することを特徴とする。
電子顕微鏡画像はモノクロの2次元画像であるため、電子顕微鏡画像から特異点を検出してX線分析すべき試料の部位を特定するのが極めて困難である。これに対して、共焦点画像は、試料表面の材料に対応したカラー画像であり、或いは試料表面の凹凸形状に対応した3次元画像である。従って、試料表面のカラー情報又は凹凸情報から特異点を容易に決定することが可能である。例えば、2次元カラー共焦点画像をモニタ上に表示すれば、周囲と異なる色の部分を容易に判別することができ、X線分析すべき部位を選定することができる。また、3次元共焦点画像をモニタ上に表示すれば、特異的な突起が表示され、異物欠陥やクラック等を容易に見つけることが可能である。従って、2次元カラー共焦点画像又は3次元共焦点画像をモニタ上に表示すれば、X線分析すべき試料の部位を容易に特定することができる。
本発明による試料観察方法は、共焦点顕微鏡と電子顕微鏡とが、それらの光軸が互いに平行になるように結合されると共に座標系を共有する複合型顕微鏡装置を用いて試料を観察する試料観察方法であって、
試料室内に配置された試料ステージ上に観察すべき試料を配置し、試料室を真空に維持する工程と、
共焦点顕微鏡を用いて試料の2次元カラー情報及び試料表面の高さ情報を取得する工程と、
前記試料の2次元カラー情報を用いてモニタ上に試料の2次元カラー画像を表示し、又は前記2次元カラー情報と試料表面の高さ情報とを用いてモニタ上に試料の3次元カラー画像を表示する工程と、
モニタ上に表示された試料画像を観察して、電子顕微鏡により観察されるべき試料の部位を指定する工程と、
前記試料ステージを移動させ、観察すべき試料の部位を電子顕微鏡の視野中心に位置させる工程と、
電子顕微鏡により試料の電子顕微鏡画像を撮像し、試料の電子顕微鏡画像情報を取得する工程と、
共焦点顕微鏡により取得した試料表面の2次元カラー情報又は試料表面の高さ情報と、電子顕微鏡により取得した電子顕微鏡画像情報とを合成する工程とを含み、
モニタ上に、2次元カラー電子顕微鏡画像を表示し又は3次元電子顕微鏡画像を表示することを特徴とする。
本発明では、共焦点顕微鏡と電子顕微鏡は、それらの光軸が互いに平行に設定されると共に座標系を共有しているので、試料ステージをX−Y平面内で移動させるだけで共焦点顕微鏡の視野と電子顕微鏡の視野とを整合させることが可能である。この結果、共焦点顕微鏡により取得された2次元カラー情報や表面高さ情報と電子顕微鏡画像とを合成して、カラー電子顕微鏡画像を表示し又は3次元電子顕微鏡画像を表示することができる。
図1は本発明による複合型共焦点顕微鏡装置の一例を示す線図である。本発明による複合型共焦点顕微鏡装置は、試料の共焦点画像を撮像する共焦点顕微鏡ユニット1と、試料の電子顕微鏡画像を撮像する電子顕微鏡ユニット2と、観察すべき試料が配置され真空に維持される試料室3と、共焦点顕微鏡ユニットからの出力信号及び電子顕微鏡ユニットからの出力信号を受取り、各種画像信号を出力する信号処理装置4とを有する。尚、図1は、各装置の主要な構成要素だけを図示し、共焦点顕微鏡ユニット1、電子顕微鏡ユニット2及び試料室3に関して当業者にとって周知の構成について一般的な技術を利用するものとし、それらの説明は省略する。
試料室3は真空に維持され、真空状態において試料の電子顕微鏡画像及び共焦点画像が撮像される。試料室3内には、観察すべき試料10が載置される試料ステージ11が配置される。本例では、試料ステージ11として、互いに直交するX軸、Y軸及びZ軸の3軸方向に移動可能なXYZステージを用いる。このXYZステージには回転機構を設け、XY平面内及びX軸まわりにおいて回転可能な構成とする。本発明では、共焦点顕微鏡の光軸L1と電子顕微鏡のビーム軸(光軸)L2とは互いに平行に設定する。ここで、試料ステージのZ軸は電子顕微鏡のビーム軸及び共焦点顕微鏡の光軸と平行な方向に対応し、X軸は共焦点顕微鏡の光軸と電子顕微鏡のビーム軸とを結ぶ方向に対応し、Y軸はX軸と直交する方向に対応する。共焦点顕微鏡の光軸L1と電子顕微鏡のビーム軸L2は、X方向に距離dだけ離間する。
試料ステージ11は、X座標、Y座標及びZ座標により規定される3次元座標系及び回転座標系を有する。従って、共焦点顕微鏡及び電子顕微鏡は座標系を共有する。試料観察に当たり、オペレータは、X及びYの2次元座標系上で試料ステージの位置を調整することにより試料の特定の部位を共焦点顕微鏡及び電子顕微鏡の視野中心に位置させることができる。共焦点顕微鏡による観察が終了した後、続いて同一の部位について電子顕微鏡観察を行う場合、オペレータは、試料ステージをX方向に距離dだけ移動させることにより、共焦点顕微鏡観察の視野中心を電子顕微鏡観察の視野中心に位置させることができる。尚、試料ステージ11には、ステージの位置を検出する位置検出器を設け、試料ステージのアドレス情報を信号処理装置4に供給する。従って、オペレータは、モニタ上に表示された2次元又は3次元共焦点画像について、電子顕微鏡による観察を希望する部位をカーソルにより指定すると、信号処理装置は検出されアドレス情報に基づいて指定された部位を電子顕微鏡の視野中心に位置させることができる。
さらに、試料ステージの回転機構を利用して、試料ステージを電子顕微鏡のビーム軸の周りで回転させ、試料10の2次元電子検出器や特性X線検出器に対する向きを調整することも可能である。例えば、モニタ上に表示された共焦点顕微鏡により撮像された試料の3次元画像を観察し、試料表面から発生した2次電子が試料の凸部により遮蔽されないように、2次電子検出器の試料に対する向きが最適な状態となるように調整することも可能である。電子顕微鏡観察では、試料表面から発生する2次電子は試料表面の凸部により遮蔽される場合が多く、実際の表面形状に対応しない電子顕微鏡画像が撮像される不具合がある。特に、試料表面に形成された斜面の状態を観察する場合、2次電子検出器の試料に対する向きによっては、2次電子が斜面により遮蔽されて検出器に入射できず、実際の表面形状と相違する電子顕微鏡画像が撮像される不具合がある。従って、電子顕微鏡観察に先立って共焦点顕微鏡により試料表面の3次元画像を撮像し、モニタ上に表示された3次元画像に基づき2次電子検出器の試料に対する向きを最適な向きとなるようにステージを回転調整すれば、一層正確な試料表面の画像を撮像することが可能となる。
試料室3の上方に電子顕微鏡ユニット2を配置する。電子顕微鏡ユニット2は、上方より電子銃21、第1のコンデンサレンズ22、第2のコンデンサレンズ23、走査コイル24及び対物レンズ25が順次配置されている。試料室3の側壁には、2次電子検出器26が気密に支持される。2次電子検出器26は、試料に対して側方に位置し、試料表面から発生した2次電子を検出する。2次電子検出器26からの出力信号は、電子顕微鏡画像情報として信号処理装置4に供給される。また、試料室の側壁には、X線検出器27が気密に支持され、試料10から発生した特性X線が検出される。X線検出器27からの出力信号は信号処理装置4に供給され、試料の指定された部位又は指定された線に沿う部位の材料分析が行われ、X線分析情報が出力される。尚、反射電子検出器等の他の検出器を設けて各種電子顕微鏡画像を撮像することも可能である。
試料室3内には、共焦点顕微鏡の対物レンズ30が配置される。試料室3のハウジングに光学的に透明な透明窓12を設け、透明窓12を介して共焦点顕微鏡ユニット1と対物レンズ30とを光学的に結合する。対物レンズ30は、その光軸方向(Z軸方向)に移動可能に支持する。すなわち、対物レンズ30は、支持枠31に機械的に結合され、支持枠31はスライダ32に結合する。スライダ32は、ガイドレール33に沿ってZ軸方向に案内される。スライダ32の一端は、駆動軸34に連結する。駆動軸34は、試料室のハウジングに気密に且つスライド可能に支持され、その他端はモータ35に連結する。モータ35の回転駆動により、駆動軸34の先端がZ軸方向に変位する。駆動軸のZ軸方向の変位に伴い、スライダ32がZ軸方向に変位し、これにより対物レンズ30がZ軸方向に移動する。モータ35には、エンコーダ36が装着され、駆動軸のZ軸方向の変位量が検出され、従って対物レンズ30の光軸方向の移動量が検出される。検出された対物レンズのZ軸方向の移動量は、Z軸情報として信号処理装置4に供給される。尚、本例では、1個の対物レンズを用いたが、レボルバーに倍率の異なる複数の対物レンズを装着して種々の倍率で観察することも可能である。この場合、レボルバーをZ軸方向に移動可能に装着する。
図2は共焦点顕微鏡の一例の構成を示す線図である。光源41として、水銀ランプやキセノンランプ等の白色光を放出する白色光源を用いる。光源41から出射した白色光は、複数の光ファイバが円形に積層された光ファイババンドル42に入射し、光ファイバを伝搬して、断面がほぼ円形の発散性ビームとして出射する。当該照明ビームは、光源から出射した照明ビームをライン状の照明ビームに変換するビーム整形光学系に入射する。ビーム整形光学系は、集束性レンズ43とスリット44を含み、光ファイババンドルから出射した照明ビームは、集束性レンズ43により平行な照明ビームに変換されてスリット44に入射する。スリット44は、集束性レンズ43の瞳位置に配置され、第1の方向(紙面と直交する方向)に延在する開口部を有する。スリットの開口部の幅は、例えば10〜20μmに設定する。従って、スリット44から第1の方向に延在するライン状の照明ビームが出射する。スリット44から出射したライン状の照明ビームは、ビームスプリッタとして機能するハーフミラー45で反射し、リレーレンズ46を経て振動ミラー47に入射する。
振動ミラー47は、信号処理装置から供給される駆動信号に基づき、入射するライン状の照明ビームを第1の方向と直交する第2の方向に周期的に偏向する。振動ミラーから出射したビームはリレーレンズ48及び49並びに試料室に設けた透明窓12を経て対物レンズ30に入射する。対物レンズ30は、入射したライン状照明ビームを集束して観察すべき試料10上に投射する。従って、試料10は、集束したライン状の照明ビームにより2次元的に走査される。撮像中に、対物レンズはその光軸方向に沿って一定の速度で移動し、光ビームの集束点と試料表面との間の相対距離は順次変化する。従って、試料表面は、集束点の光軸方向の位置が順次変化する光ビームにより周期的に走査されることになる。
試料表面から出射したライン状の反射ビームは、対物レンズにより集光され、元の光路を反対方向に伝搬する。そして、リレーレンズ49及び48を経て振動ミラー47に入射し、振動ミラーによりデスキャンされる。振動ミラー47から出射した反射ビームは、レンズ46を通過し、ハーフミラー45により照明ビームから分離される。尚、レンズ46は、光源から試料に向かう照明ビームに対してはリレーレンズとして作用し、試料から光検出器に向かう反射ビームに対しては結像レンズとして作用する。
ハーフミラー45を透過した反射ビームは、色分解光学系として機能する分光プリズム50に入射し、RGBの3つのカラー光に色分解される。色分解されたRGBの各カラー光は、ラインセンサ51〜53にそれぞれ入射する。各ラインセンサ51〜53は複数の受光素子を有し、これら受光素子は、ライン状照明ビームの延在方向である第1の方向と対応する方向に配列される。従って、入射するライン状反射ビームの延在方向と各ラインセンサの受光素子の配列方向とが一致し、試料からの反射ビームは、各ラインセンサに対して静止した状態で入射する。ラインセンサ51〜53の各受光素子に蓄積された電荷は、信号処理装置4から供給される読出駆動信号により振動ミラーと同期して順次読み出され、増幅器54〜56によりそれぞれ増幅され、R,G,Bのカラー信号として信号処理装置4に出力される。
撮像中に、試料表面は集束点の光軸方向の位置が順次変化する光ビームにより周期的に走査され、R,G,Bの各ラインセンサは、振動ミラーと同期して各走査毎にそれぞれR,G,Bの輝度信号を順次出力し、信号処理装置4に供給する。従って、信号処理装置4には、試料表面の高さに応じて試料表面と走査ビームの集束点との間の相対距離が変化したR,G,Bの輝度信号が入力する。
次に、共焦点顕微鏡による試料表面の高さ検出について説明する。共焦点顕微鏡は焦点深度が浅い特性を有し、走査ビームの集束点が試料の表面上に位置すると、光検出器には高い強度の反射光が入射し、走査ビームの集束点が試料表面から変位すると、光検出器に入射する反射光の強度は急激に低下する。従って、対物レンズ又は試料ステージを光軸方向に移動させながら、周期的に試料表面を走査して2次元画像を撮像すると、走査ビームの集束点が試料表面上に位置する時点において最大輝度値が検出される。よって、信号処理装置4において各画素ごとにR,G,Bの最大輝度値を検出すると共に最大輝度値が発生する対物レンズの位置をZ軸情報として検出すれば、試料表面の高さ情報ないし高さプロファイルが検出される。そして、視野全体の各画素について最大輝度値を検出して2次元画像を形成することにより、視野全体について焦点に合った全焦点カラー画像(2次元カラー共焦点画像)が得られる。また、表面高さ情報と最大輝度値とを組み合わすことにより試料表面のカラー3次元共焦点画像が得られる。尚、表面の高さ情報として、指定したラインに沿う高さ情報をモニタに出力することにより、試料表面の指定したラインに沿う断面形状画像がモニタ上に表示される。
図3は信号処理装置の一例を示す線図である。共焦点顕微鏡のラインセンサ51,52,53から出力されるR,G,Bの輝度信号はそれぞれRメモリ61、Gメモリ62及びBメモリ63に供給される。各メモリは画像メモリにより構成する。Gの輝度信号は最大輝度値検出手段64にも供給される。最大輝度値検出手段64は、順次供給されるGの輝度信号について各画素毎に輝度値を順次比較し、最大輝度値が入力した際トリガ信号を発生する。トリガ信号は、メモリ61〜63にそれぞれ供給され、各メモリはトリガ信号が入力した際の輝度値を各画素ごとに記憶する。従って、R,G,Bの輝度値を記憶するメモリ61〜63には、1回の共焦点画像の撮像による最大輝度値が各画素ごとに記憶されることになる。この最大輝度値は、照明光の焦点が合った状態の輝度値であるから、各メモリに記憶された画像情報は、鮮明な画像情報である。尚、本例では、Gの輝度信号から最大輝度値を求めたが、R、G及びBの輝度信号を加算した信号を用いて最大輝度値を求めることも可能である。
R,G,Bの各メモリ61〜63に記憶された輝度値は、共焦点顕微鏡により取得された2次元カラー情報を構成する。この2次元カラー情報は、RGB合成手段65に供給され、2次元カラー共焦点画像信号が形成される。2次元カラー共焦点画像信号をモニタに供給することにより、モニタ上には全ての画素について焦点が合った2次元カラー共焦点画像が表示される。
対物レンズ30の光軸方向の位置情報を検出するエンコーダ36から出力される位置情報(Z軸情報)はZ軸メモリ66に順次供給する。Z軸メモリ66には、最大輝度値検出手段64から出力されるトリガ信号が供給され、各画素ことに最大輝度値を発生するZ軸方向の位置が記憶されることになる。従って、Z軸メモリには、試料表面の高さ情報が記憶されることになる。Z軸メモリ66に記憶された表面高さ情報は、断面画像形成手段67に供給され、指定された方向に沿う試料表面の断面形状を示す断面形状情報が形成される。この断面形状情報をモニタに供給することにより、モニタ上にはオペレータにより指定されたラインに沿う試料表面の断面画像が表示される。尚、断面画像は、2次元カラー共焦点画像上に重ねて表示することも可能である。
R,G,Bのメモリ61〜63に記憶されている2次元カラー情報及びZ軸メモリ66に記憶されている高さ情報は、3次元画像形成手段68に供給される。3次元画像形成手段68は、2次元カラー情報と表面高さ情報とを合成して試料表面の3次元画像信号を形成する。当該画像信号をモニタに供給することにより、モニタ上には3次元カラー共焦点画像が表示される。
電子顕微鏡から出力される電子顕微鏡画像情報は、電子顕微鏡画像メモリ69に供給する。当該電子顕微鏡画像メモリに記憶されている画像情報をモニタに供給することにより、モニタ上には試料の電子顕微鏡画像が表示される。
電子顕微鏡画像メモリ69に記憶されている電子顕微鏡画像情報及びZ軸メモリ66に記憶されている試料表面の高さ情報は3次元電子顕微鏡画像形成手段70に供給される。3次元電子顕微鏡画像形成手段70は、電子顕微鏡により取得した電子顕微鏡画像である2次元輝度情報と共焦点顕微鏡により取得した試料表面の高さ情報とを合成して3次元画像信号を形成する。この際、共焦点画像の倍率と電子顕微鏡画像の倍率が相違する場合、表示視野が互いに一致するように表示倍率を調整する。例えば、電子顕微鏡画像の倍率が共焦点画像の倍率よりも高い場合、両者の表示領域が一致するように共焦点画像の表示倍率が高くなるように調整して合成する。共焦点顕微鏡により得られる表面高さ情報は、高精度な高さ情報であるから、正確な表面の凹凸形状に整合した3次元電子顕微鏡画像が再現される。
電子顕微鏡画像メモリ69に記憶されている電子顕微鏡画像情報及びRGBメモリ61〜63に記憶されている共焦点画像の2次元カラー情報はカラー電子顕微鏡画像形成手段71に供給する。カラー電子顕微鏡画像形成手段71は、電子顕微鏡画像である輝度信号と共焦点顕微鏡により取得された2次元カラー情報とを合成して、カラー電子顕微鏡画像信号を形成する。合成方法として、RGBの2次元輝度信号と電子顕微鏡画像の輝度信号を各画素ごとに乗算して2次元カラー信号を得ることができる。尚、この場合、撮像倍率が相違する場合、電子顕微鏡画像の表示領域と共焦点画像の表示領域とが一致するように表示倍率を調整する。電子顕微鏡画像は輝度情報だけであり、カラー情報を含んでいない。一方、共焦点画像はカラー画像成分を含むため、試料表面のカラーに応じて、カラー表示された電子顕微鏡画像が得られ、試料分析に一層有益な画像情報を表示することができる。
電子顕微鏡画像メモリ69に記憶されている電子顕微鏡画像情報、RGBメモリ61〜63に記憶されている共焦点画像の2次元カラー情報及びZ軸メモリ66に記憶されている表面高さ情報は、カラー3次元で電子顕微鏡画像形成手段72に供給する。カラー3次元電子顕微鏡画像形成手段72は、共焦点顕微鏡により取得した2次元カラー情報と、表面高さ情報と電子顕微鏡画像情報とを合成して、カラーの3次元電子顕微鏡画像を形成する。
図1〜図3に示す複合型顕微鏡装置を用いて試料観察を行う試料観察方法について説明する。図4は、本発明による試料観察方法の一例を示すフローチャートである。初めに、観察すべき試料を用意し、試料ステージ上に載置する。次に、試料室を減圧し、所望の真空状態に維持する(ステップ1)。
次に、試料の観察を開始する。初めに、試料ステージをXY平面内で駆動し、共焦点顕微鏡により観察される部位を共焦点顕微鏡の視野中心に位置させる(ステップ2)。この際、倍率設定及び焦点調節を行う。
共焦点顕微鏡により試料の2次元カラー共焦点画像又は3次元カラー共焦点画像を撮像し、モニタ上に表示する(ステップ3)。この際、試料の2次元カラー情報及び表面高さ情報が取得される。そして、モニタ上に表示される共焦点画像を観察し、電子顕微鏡により撮像される部位を特定すると共に特定される部位のアドレスを検出する(ステップ4)。尚、モニタ上に表示される共焦点画像上の電子顕微鏡観察を希望する部位をカーソルでクリックすることにより、電子顕微鏡により撮像される部位を指定することも可能である。
次に、試料ステージを移動させ、観察すべき部位を電子顕微鏡の視野中心に位置させる(ステップ5)。本発明による複合型顕微鏡装置では、共焦点顕微鏡及び電子顕微鏡は、試料ステージに設定されている単一の2次元座標系をベースにして視野設定することができる。例えば、共焦点顕微鏡の光軸と電子顕微鏡のビーム軸とはX軸方向に距離dだけ離間しており、共焦点顕微鏡の視野中心が座標(x1,y1)にあるものとする。モニタ上に表示された共焦点画像の観察の結果として、座標(x2,y2)で特定される部位の電子顕微鏡画像を撮像するものとする。この場合、試料ステージを、X方向に距離:d−(x1−x2)移動させ、Y方向には距離:(y1−y2)だけ移動させるだけで観察すべき部位を電子顕微鏡の視野中心に位置させることができる。従って、コントローラにより簡単な操作で、観察すべき部位を電子顕微鏡の視野中心に位置させることが可能である。
次に、電子顕微鏡のビーム軸を中心にして試料ステージを回転させ、試料に対する2次電子検出器の向きを調整する(ステップ6)。電子顕微鏡では、試料表面から発生する2次電子が試料表面の凹凸形状に応じて、遮蔽されてしまい、実際の表面形状とは異なる形状が表示される問題がある。そこで、本発明では、電子顕微鏡観察に先立って共焦点顕微鏡により試料表面の3次元画像を撮像し、モニタ上に表示された3次元画像に基づき2次電子検出器の試料に対する向きを最適な向きとなるようにステージを回転調整する。この試料ステージの回転調整を行うことにより、一層正確な試料表面の画像を撮像することが可能となる。尚、試料ステージの回転調整は、観察される試料表面の形状に応じて必要な場合だけ行われる。
次に、電子顕微鏡により試料を撮像する(ステップ7)。電子顕微鏡による試料観察は、初めに共焦点顕微鏡と同一の低倍率で観察し、徐々に倍率を高くして観察することも可能である。撮像した電子顕微鏡画像をモニタ上に表示して試料観察が行われる。
次に、電子顕微鏡画像と、共焦点顕微鏡により取得した2次元カラー情報又は表面高さ情報とを合成して、2次元カラー電子顕微鏡画像を作成し、又は3次元電子顕微鏡画像を作成する(ステップ8)。この合成画像の作成は、必要に応じて行われる。
最後に、得られた試料の2次元カラー電子顕微鏡画像又は3次元電子顕微鏡画像をモニタ上に表示する(ステップ9)。
本発明による複合型顕微鏡装置を用いて試料のX線分析を行うX線分析方法について説明する。試料に電子ビームを照射すると、試料から特性X線が発生する。この特性X線をX線検出器により検出することにより、試料の特性の部位についてX線分析情報が得られる。一方、電子顕微鏡画像はモノクロの2次元画像であるため、電子顕微鏡画像から特異点を検出してX線分析すべき試料の部位を特定するのが極めて困難である。これに対して、共焦点画像は、試料表面の材料に対応したカラー画像であり、或いは試料表面の凹凸形状に対応した3次元画像である。従って、試料表面のカラー情報又は凹凸情報から特異点を容易に決定することが可能である。例えば、2次元カラー共焦点画像をモニタ上に表示すれば、周囲と異なる色の部分を容易に判別することができ、X線分析すべき部位を選定することができる。また、3次元共焦点画像をモニタ上に表示すれば、特異的な突起が表示され、異物欠陥やクラック等を容易に見つけることが可能である。従って、2次元カラー共焦点画像又は3次元共焦点画像をモニタ上に表示すれば、X線分析すべき試料の部位を容易に特定することができる。
本発明は、上述した共焦点顕微鏡画像の特性を利用して、X線分析を行う。本発明によるX線分析方法は、以下の通りである。初めに、共焦点顕微鏡を作動させて試料像を撮像し、2次元カラー情報又は表面高さ情報を取得する。続いて、モニタ上に2次元カラー共焦点画像又は3次元共焦点画像を表示する。オペレータは、モニタ上の表示画像を観察し、試料表面のカラーに基づき又は試料表面の凹凸形状に基づいてX線分析すべき部位を指定する。続いて、試料ステージをXY平面内で移動させ、電子顕微鏡の視野中心を指定した部位に位置させ、電子線照射を行い、特性X線をX線検出器により検出する。検出されたX線情報は信号処理装置に供給され、X線分析が行われ、X線分析情報が出力される。
本発明は上述した実施例だけに限定されず種々の変形や変更が可能である。
本発明による複合型共焦点顕微鏡の一例を示す線図である。 共焦点顕微鏡の一例を示す線図である。 信号処理装置の一例を示す線図である。 本発明による試料観察方法の一例を示すフローチャートである。
符号の説明
1 共焦点顕微鏡ユニット
2 電子顕微鏡ユニット
3 試料室
4 信号処理装置
10 試料
11 試料ステージ
12 透明窓
21 電子銃
22 第1のコンデンサレンズ
23 第2のコンデンサレンズ
24 走査コイル
25 対物レンズ
26 2次電子検出器
27 X線検出器
30 対物レンズ
31 支持枠
32 スライダ
33 ガイドレール
34 駆動軸
35 モータ
36 エンコーダ

Claims (9)

  1. 真空に維持され、観察すべき試料を保持する試料ステージが配置される試料室と、
    前記試料ステージ上に保持された試料に向けて電子ビームを投射し、試料の電子顕微鏡画像を撮像する電子顕微鏡と、
    光ビームを発生する光源、前記試料ステージ上に配置された試料に向けて集束した光ビームを投射する対物レンズ、前記光ビームの集束点と試料表面との間の相対距離を変化させる手段、及び、試料表面からの反射光を受光する光検出手段を含む共焦点顕微鏡と、
    前記電子顕微鏡からの出力信号及び共焦点顕微鏡からの出力信号とを受取り、少なくとも、試料の電子顕微鏡画像、2次元共焦点画像、試料表面の高さ情報及び試料表面の3次元画像を出力する信号処理装置と
    前記信号処理装置からの出力信号に基づいて、種々の試料画像を表示するモニタとを具え、
    前記電子顕微鏡のビーム軸と共焦点顕微鏡の対物レンズの光軸は、距離dだけ離間して互いに平行に設定され、
    前記試料ステージは、共焦点顕微鏡の対物レンズの光軸及び電子顕微鏡のビーム軸と直交する2次元平面内の位置を規定する2次元座標系を有し、
    前記共焦点顕微鏡の視野中心の位置及び電子顕微鏡の視野中心の位置は、前記試料ステージの2次元座標系により規定されることを特徴とする複合型顕微鏡装置。
  2. 請求項1に記載の複合型顕微鏡装置において、前記試料ステージの2次元座標系は、電子顕微鏡のビーム軸と共焦点顕微鏡の光軸とを結ぶX方向座標並びにX方向及び光軸方向と直交するY方向座標を有し、前記試料ステージは少なくともX方向及びY方向に移動可能に設定され、共焦点顕微鏡の視野中心は、試料ステージをX方向に距離dだけ移動することにより、電子顕微鏡の視野中心と一致することを特徴とする複合型顕微鏡装置。
  3. 請求項2に記載の複合型顕微鏡装置において、前記共焦点顕微鏡の対物レンズは、前記試料室内に配置されると共に試料室のハウジングに設けた透明窓を介して共焦点顕微鏡の光源及び光検出手段と光学的に結合されていることを特徴とする複合型顕微鏡装置。
  4. 請求項3に記載の複合型顕微鏡装置において、前記対物レンズは、試料室の外部に設けた駆動機構に連結されると共に光軸に沿って変位可能に設定され、当該対物レンズの光軸方向の移動により試料表面と光ビームの集束点との間の相対距離が変化することを特徴とする複合型顕微鏡装置。
  5. 請求項1から4までのいずれか1項に記載の複合型顕微鏡装置において、前記信号処理装置は、共焦点顕微鏡からの出力信号に基づき試料表面の2次元カラー情報を形成する手段及び試料の表面高さ情報を形成する手段を有すると共に、前記電子顕微鏡から出力される電子顕微鏡画像情報と前記2次元カラー情報又は試料表面の高さ情報とを合成する手段を有し、
    前記モニタ上に、カラー電子顕微鏡画像を表示し、又は3次元電子顕微鏡画像を表示することを特徴とする複合型顕微鏡装置。
  6. 共焦点顕微鏡と電子顕微鏡とが、それらの光軸が互いに平行になるように結合されると共に座標系を共有する複合型顕微鏡装置を用いて試料を観察する試料観察方法であって、
    試料室内に配置された試料ステージ上に観察すべき試料を配置し、試料室を真空に維持する工程と、
    共焦点顕微鏡を用いて試料の2次元共焦点画像又は3次元共焦点画像を撮像し、試料の2次元又は3次元画像をモニタ上に表示する画像表示工程と、
    モニタ上に表示された共焦点画像を観察して、電子顕微鏡により観察すべき試料の部位を指定する工程と、
    前記試料ステージを移動させ、観察すべき試料の部位を電子顕微鏡の視野中心に位置させる視野設定工程と、
    電子顕微鏡により試料の電子顕微鏡画像を撮像する工程とを含むことを特徴とする試料観察方法。
  7. 請求項6に記載の試料観察方法において、前記共焦点顕微鏡により試料の3次元画像を撮像し、前記画像表示工程において試料の3次元共焦点画像をモニタ上に表示し、
    前記視野設定工程は、電子顕微鏡の2次電子検出器の試料に対する向きが最適な状態となるように、前記試料ステージを電子顕微鏡のビーム軸の周りで回転調整する工程を含み、
    共焦点顕微鏡により撮像された試料の表面形状に応じて、最適な電子顕微鏡画像を撮像することを特徴とする試料観察方法。
  8. 請求項6又は7に記載の試料観察方法において、前記電子顕微鏡は、試料から発生した特性X線を検出するX線検出器を有し、前記モニタ上には試料の2次元カラー画像又は3次元カラー画像が表示され、オペレータは、モニタ上に表示されたカラー共焦点画像について特定のカラーの部位を指定し、又はモニタ上に表示された3次元共焦点画像について特定の形状の部位を指定し、前記X線検出器は、指定された特定のカラーの部位又は特定の形状の部位から発生する特性X線を検出し、オペレータにより指定された部位についてX線分析情報を出力することを特徴とする試料観察方法。
  9. 共焦点顕微鏡と電子顕微鏡とが、それらの光軸が互いに平行になるように結合されると共に座標系を共有する複合型顕微鏡装置を用いて試料を観察する試料観察方法であって、
    試料室内に配置された試料ステージ上に観察すべき試料を配置し、試料室を真空に維持する工程と、
    共焦点顕微鏡を用いて試料の2次元カラー情報及び試料表面の高さ情報を取得する工程と、
    前記試料の2次元カラー情報を用いてモニタ上に試料の2次元カラー画像を表示し、又は前記2次元カラー情報と試料表面の高さ情報とを用いてモニタ上に試料の3次元カラー画像を表示する工程と、
    モニタ上に表示された試料画像を観察して、電子顕微鏡により観察されるべき試料の部位を指定する工程と、
    前記試料ステージを移動させ、観察すべき試料の部位を電子顕微鏡の視野中心に位置させる工程と、
    電子顕微鏡により試料の電子顕微鏡画像を撮像し、試料の電子顕微鏡画像情報を取得する工程と、
    共焦点顕微鏡により取得した試料表面の2次元カラー情報又は試料表面の高さ情報と、電子顕微鏡により取得した電子顕微鏡画像情報とを合成する工程とを含み、
    モニタ上に、2次元カラー電子顕微鏡画像を表示し又は3次元電子顕微鏡画像を表示することを特徴とする試料観察方法。
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