JP2009231864A - 可変ゲインアンプ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】インバータを構成するPチャネルMOSトランジスタ素子およびNチャネルMOSトランジスタ素子と、インバータに動作点を与える直流バイアス電圧源とを有する相補型増幅回路において、相補型増幅回路の出力端子と直流バイアス電圧源との間に可変インピーダンス手段を接続する。
【選択図】図1
Description
すなわち、可変ゲインアンプ103のノイズ特性が通信機器の受信感度を決定すると言っても過言ではない。そのため可変ゲインアンプは、低ノイズであることが望まれる。
このような要求を満たすために、さまざまな可変ゲインアンプが考案されている。(例えば、特許文献1参照。)。
抵抗手段111,112の片端は、電源線VDDへ接続されており、他端はそれぞれMOSトランジスタ素子113,114のドレイン端子へ接続されている。
この抵抗手段111,112とMOSトランジスタ素子113,114との接続点を、それぞれ出力端子Vout1,Vout2としている。
MOSトランジスタ素子115,116のドレイン端子は、定電流源117の電流引き込み側の端子へ接続されており、またゲート端子同士は接続され、ゲイン制御端子としてゲイン制御電圧Vgcを入力している。
そして定電流源117の電流吐き出し側の端子は電源線VSSへ接続されている。
そのため、MOSトランジスタ素子113,114は、差動アンプのアクティブ増幅素子として動作し、MOSトランジスタ素子115,116は、MOSトランジスタ素子113,114のソース端子に接続される負帰還用抵抗として動作する。
すなわち、Vs1=Vb−Vgs1である。
その抵抗値Rs115は、自身の形状と自身のゲート端子−ソース端子間に印加される電圧Vgs3とにより決定される。このVgs3は、ゲイン制御電圧Vgcから固定の電圧Vs1を差し引いた値となる。
すなわち、Vgs3=Vgc−Vs1=Vgc−(Vb−Vgs1)=Vgc−Vb+Vgs1である。
うことがわかった。
それは、特許文献1に示した従来技術の回路構成では素子数が多くなってしまい、そこで大きな熱ノイズやフリッカノイズが発生してしまうためである。加えて素子数が多いことで面積も大きくなってしまう。
これらの問題点から、特許文献1に示した従来技術の可変ゲインアンプは、受信回路用の可変ゲインアンプとしては不適当であるといえる。
インバータに入力信号を与える信号源とインバータの入力端子との間に設け、入力信号の直流成分を除去する容量素子と、入力端子に直流バイアス信号を与えて、PチャネルMOSトランジスタ素子およびNチャネルMOSトランジスタ素子のゲート電圧を制御する直流バイアス電圧源と、直流バイアス電圧源と入力端子との間に設け、PチャネルMOSトランジスタ素子およびNチャネルMOSトランジスタ素子のゲート電極を交流的に分離する抵抗素子と、インバータの出力端子と直流バイアス電圧源との間に設ける可変インピーダンス手段と、を有し、可変インピーダンス手段は、入力された制御信号によりインピーダンス値を可変し、インバータの増幅率を可変することを特徴とする。
インピーダンス値は、ゲート端子に制御信号を入力し、チャネル領域の導電型を変えることで変更されることを特徴とする。
インピーダンス値は、一方のMOSトランジスタのゲート端子に制御信号を入力し、他方のMOSトランジスタのゲート端子にその反転信号を入力し、チャネル領域の導電型を変えることで変更されることを特徴とする。
第1の端子と第2の端子との間の半導体基板またはウェル領域の上部に電極を設け、
インピーダンス値は、電極に制御信号を入力し、半導体基板またはウェル領域の導電型が反対導電型になり、それにより電流通過経路を変えることで変更されることを特徴とする。
インピーダンス値は、選択される抵抗素子によって変更されることを特徴とする。
インピーダンス値は、制御信号の入力によるスイッチ素子の開閉タイミングを変えることで変更されることを特徴とする。
このような構成とすることにより、少ない素子数で可変ゲイン範囲の広い可変ゲインアンプを実現することができる。その結果、受信回路の高感度化、低消電化、および小型化が可能となる。
電波修正時計は、時刻情報を含んだ周波数標準電波(以降標準電波と呼ぶ)を受信することで正確な時刻を得るものであり、その標準電波は、搬送波を時刻情報信号(以降タイムコードと呼ぶ)で振幅変調したものである。そのため、ここで扱う変調方式は振幅変調が前提となる。
なお、以下の説明にあたって、同一構成要件については同一符号を付し、その説明を省略もしくは簡略化する。
まず、本発明の可変ゲインアンプの全体構成および、この可変ゲインアンプを搭載した電波修正時計の受信回路を説明する。図1は本発明の可変ゲインアンプの構成を示す回路図、図2は受信回路を説明するブロック図である。
図1において、11はPチャネルMOSトランジスタ素子、12はNチャネルMOSトランジスタ素子、13は直流バイアス電圧源、14はバイアス用抵抗素子、15は容量素子、16は可変インピーダンス手段、17は制御端子、18は入力端子、19は出力端子、20は、直流バイアス電圧源13とバイアス用抵抗素子14との接続点である。23はこれらで構成する可変ゲインアンプである。
図2において、21はアンテナ、22は同調回路、24はフィルタ回路、25検波回路、26は制御部である。
まず、受信回路全体の動作について、図2を用いて説明する。アンテナ21で標準電波を受信して電気信号として出力し、アンテナ21と同調回路22とで並列共振することで
インピーダンス変換を行い、その後、信号を可変ゲインアンプ23へ入力する。
可変ゲインアンプ23で増幅された信号は、その後フィルタ回路24へ入力される。フィルタ回路24で必要な周波数成分だけを通過させた後、検波回路25で包絡線を抽出し、搬送波に重畳されているタイムコードを復元し、出力する。
制御部26は、検波回路25の出力をモニタし、検波回路25の出力が一定の範囲内に収まるように可変ゲインアンプ23のゲインを制御する。
このようにすることで、受信回路全体を適正な信号強度の範囲内で動作させ、タイムコードを得ることができるのである。
入力端子18は、容量素子15を介して双方のゲート端子に接続しており、ドレイン端子は出力端子19と接続している。なお、図1においては、これら2つのMOSトランジスタ素子で構成するインバータの入力にIN、出力にOUTと記載している。
バイアス用抵抗素子14は、十分に大きなインピーダンス値を有している。
そして、可変インピーダンス手段16の制御端子17は、制御部26に接続している。可変インピーダンス手段16は、制御部26からの制御信号に基づいてインピーダンス値を可変する。
図3は、図1に示す可変インピーダンス手段16の構成を説明する図である。図3において、51は、NチャネルMOSトランジスタ素子である。
NチャネルMOSトランジスタは、ゲート端子を制御端子17と接続し、ドレイン端子を出力端子19に接続している。ソース端子を接続点20に接続することで、直流バイアス電圧源13の電圧を印加している。
次に、図1に示す可変ゲインアンプ23の動作について、図1,図2,図3を用いて説明する。
図1のPチャネルMOSトランジスタ素子11およびNチャネルMOSトランジスタ素
子12は飽和領域で動作しており、NチャネルMOSトランジスタ素子51で構成している可変インピーダンス手段16は線形領域で動作している。
直流バイアス電圧源13は、PチャネルMOSトランジスタ素子11およびNチャネルMOSトランジスタ素子12に貫通電流が流れるような電圧に設定されており、これにより、可変ゲインアンプ23は常に直流バイアス電流を流しながらの増幅動作、いわゆるA級動作を行う。
PチャネルMOSトランジスタ素子11およびNチャネルMOSトランジスタ素子12は、ゲート端子に印加された電圧信号を電流信号に変換する。そのときのトランスコンダクタンスをそれぞれGm11,Gm12と表すと、電流信号は次式で表される。
i2=Gm12×vin
これはドレイン微分抵抗Rds11,Rds12および可変インピーダンス手段16のいずれかひとつを制御することができれば可変ゲインアンプ23のゲインを制御できるということを示している。
また、この場合のNチャネルMOSトランジスタ素子51の交流的なインピーダンスRonは次式で表される。
きる。
そして、本発明の可変ゲインアンプ23を用いて図2に示すような受信回路を構成することにより、少ない素子数でノイズの少ない可変ゲインアンプを構成することができ、受信回路の高感度化および小型化が可能となる。
可変インピーダンス手段16をトランスファゲートで構成する例について図4を用いて説明する。トランスファゲートとは、PチャネルMOSトランジスタ素子とNチャネルMOSトランジスタ素子とで構成し、互いのソース端子とドレイン端子とをそれぞれ接続する、既知の素子である。
66はトランスファゲートであり、NチャネルMOSトランジスタ素子61とPチャネルMOSトランジスタ素子62とのソース端子同士、ドレイン端子同士をそれぞれ接続してなる。
67は、トランスファゲート66の一方のゲート端子に電圧を印加するための手段であって、反転増幅器である。67aはその入力端子、67bはその出力端子である。
双方のMOSトランジスタ素子のドレイン端子を出力端子19に接続している。そして、双方のMOSトランジスタ素子のソース端子を接続点20に接続することで、直流バイアス電圧源13の電圧を印加している。
ジスタ素子61の抵抗RnとPチャネルMOSトランジスタ素子62の抵抗Rpとの並列負荷となり、RnおよびRpはそれぞれ次式で表される。
Rp=1/{μpCox(Wp/Lp)(Vgs−Vt)}
次に、可変インピーダンス手段16を半導体抵抗素子で構成する例について図5,図6を用いて説明する。通常、半導体抵抗素子とは、半導体材料で構成した抵抗素子という意味しかないが、本実施形態では、可変インピーダンス手段16を構成するため、抵抗値が可変できる半導体抵抗素子を単に半導体抵抗素子と呼ぶ。
図5において、71は半導体抵抗素子、72は制御電極である。図6において、73はN型ウェル、74は絶縁層、75,76はN型不純物拡散層、77はP型半導体基板である。
なお、図5において、導電型を示す「N」の記号に「++」の記号を付加しているのは、不純物濃度の高さを示すためである。例えば、N型不純物拡散層75,76は、N型ウェル73よりも不純物濃度が高いことを示している。
制御電極72に電圧が印加されていない場合は、N型ウェル73は、通常の半導体抵抗
として機能する。すなわち、N型ウェル73に添加された電子がキャリアとして働き、N型不純物拡散層75とN型不純物拡散層76との間での電荷のやりとりを可能にする。この場合、電荷は電流経路のインピーダンス値が最小となるように移動するため、N型ウェル73の表面付近を多く移動することになる。
次に、可変インピーダンス手段16を抵抗素子およびスイッチ素子で構成する例について図7を用いて説明する。
図7において、81,82はMOSトランジスタ素子で構成するMOSスイッチ、83,84は抵抗素子である。85は制御部である。MOSスイッチは、例えば、NチャネルMOSトランジスタ素子で構成することができる。
ところで、スイッチ手段に用いるMOSスイッチは、オンしたときにオン抵抗が存在する。抵抗素子とMOSスイッチとは直列接続しているため、出力端子19と接続点20との間の抵抗値は、厳密に言えば、抵抗素子とMOSスイッチのオン抵抗との直列抵抗値となるが、説明を簡略にするため、このMOSスイッチのオン抵抗は無視する。
ンを制御することができる。
次に、可変インピーダンス手段16をスイッチとキャパシタで構成する例について図8を用いて説明する。
図8において、91〜94はMOSトランジスタ素子で構成するMOSスイッチ、95は容量素子である。96は制御部である。MOSスイッチは、例えば、NチャネルMOSトランジスタ素子で構成することができる。
MOSスイッチ91のソース端子は出力端子19に接続し、MOSスイッチ93のソース端子は接続点20に接続している。
MOSスイッチ92,94のソース端子は、電源電圧VDDとVSSとの中点電位VMに接続している。
MOSスイッチ91〜94のゲート端子は、制御部96に接続しており、制御部96は制御端子17と接続している。
そしてそのときのインピーダンス値は、容量素子95の容量値と、各MOSスイッチのゲート端子をオンまたはオフをするクロック信号の周波数のみによって決まる。
なお、このような構成のスイッチトキャパシタは、一般によく知られているものであるから詳細な説明は省略する。
その結果、可変ゲインアンプ23のゲインを制御することができるのである。
12 NチャネルMOSトランジスタ素子
13 直流バイアス電圧源
14 バイアス用抵抗素子
15 容量素子
16 可変インピーダンス手段
17 制御端子
18 入力端子
19 出力端子
20 直流バイアス電圧源13とバイアス用抵抗素子14との接続点
21 アンテナ
22 同調回路
23 可変ゲインアンプ
24 フィルタ回路
25 検波回路
26 制御部
Claims (6)
- PチャネルMOSトランジスタ素子とNチャネルMOSトランジスタ素子とからなるインバータを相補型増幅回路として用い、該インバータの増幅率を可変できる可変ゲインアンプにおいて、
前記インバータに入力信号を与える信号源と前記インバータの入力端子との間に設け、該入力信号の直流成分を除去する容量素子と、
前記入力端子に直流バイアス信号を与えて、前記PチャネルMOSトランジスタ素子および前記NチャネルMOSトランジスタ素子のゲート電圧を制御する直流バイアス電圧源と、
前記直流バイアス電圧源と前記入力端子との間に設け、前記PチャネルMOSトランジスタ素子および前記NチャネルMOSトランジスタ素子のゲート電極を交流的に分離する抵抗素子と、
前記インバータの出力端子と前記直流バイアス電圧源との間に設ける可変インピーダンス手段と、を有し、
前記可変インピーダンス手段は、入力された制御信号により前記インピーダンス値を可変し、前記インバータの増幅率を可変することを特徴とする可変ゲインアンプ。 - 前記可変インピーダンス手段は、MOSトランジスタ素子で構成し、
前記MOSトランジスタ素子は、ドレイン端子を前記出力端子に接続し、ソース端子を前記直流バイアス電圧源に接続し、前記ソース端子と前記ドレイン端子との間のチャネル領域の抵抗成分を前記インピーダンス値とし、
前記インピーダンス値は、ゲート端子に前記制御信号を入力し、前記チャネル領域の導電型を変えることで変更されることを特徴とする請求項1に記載の可変ゲインアンプ。 - 前記可変インピーダンス手段は、PチャネルMOSトランジスタ素子とNチャネルMOSトランジスタ素子とで構成し、
これらのMOSトランジスタ素子は、互いのソース端子とドレイン端子とをそれぞれ接続し、一方を前記出力端子に、他方を前記直流バイアス電圧源にそれぞれ接続し、これら2つのMOSトランジスタのソース端子とドレイン端子との間のチャネル領域の抵抗成分を前記インピーダンス値とし、
前記インピーダンス値は、一方のMOSトランジスタのゲート端子に前記制御信号を入力し、他方のMOSトランジスタのゲート端子にその反転信号を入力し、前記チャネル領域の導電型を変えることで変更されることを特徴とする請求項1に記載の可変ゲインアンプ。 - 前記可変インピーダンス手段は、抵抗素子で構成し、
前記抵抗素子は、一導電型の半導体基板または該半導体基板に設けるウェル領域に第1の端子と第2の端子となる領域を設け、これら端子間の該半導体基板または該ウェル領域の抵抗成分を前記インピーダンス値とし、
前記第1の端子と前記第2の端子との間の前記半導体基板または前記ウェル領域の上部に電極を設け、
前記インピーダンス値は、前記電極に前記制御信号を入力し、前記半導体基板または前記ウェル領域の導電型が反対導電型になり、それにより電流通過経路を変えることで変更されることを特徴とする請求項1に記載の可変ゲインアンプ。 - 前記可変インピーダンス手段は、複数のスイッチ素子と該スイッチ素子に直列に接続された所定の抵抗値を有する抵抗素子とによって構成し、
前記スイッチ素子は、前記制御信号を入力することで開閉し、この開閉により前記抵抗素子が選択され、該抵抗素子の抵抗成分を前記インピーダンス値とし、
前記インピーダンス値は、選択される前記抵抗素子によって変更されることを特徴とする請求項1に記載の可変ゲインアンプ。 - 前記可変インピーダンス手段は、複数のスイッチ素子と該スイッチ素子に接続された所定の容量値を有する容量素子とによってスイッチトキャパシタ回路を構成し、
前記スイッチ素子は、前記制御信号を入力することで開閉し、この開閉により所定の静電容量を充電した前記容量素子の直流抵抗成分を前記インピーダンス値とし、
前記インピーダンス値は、前記制御信号の入力による前記スイッチ素子の開閉タイミングを変えることで変更されることを特徴とする請求項1に記載の可変ゲインアンプ。
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- 2008-03-19 JP JP2008070984A patent/JP2009231864A/ja active Pending
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