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JP2009204089A - 針状ころ軸受用の保持器及び針状ころ軸受 - Google Patents

針状ころ軸受用の保持器及び針状ころ軸受 Download PDF

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JP2009204089A
JP2009204089A JP2008047486A JP2008047486A JP2009204089A JP 2009204089 A JP2009204089 A JP 2009204089A JP 2008047486 A JP2008047486 A JP 2008047486A JP 2008047486 A JP2008047486 A JP 2008047486A JP 2009204089 A JP2009204089 A JP 2009204089A
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JP
Japan
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cage
needle roller
roller bearing
planetary gear
outer diameter
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JP2008047486A
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Fumi Kikuchi
文 菊池
Hiromichi Takemura
浩道 武村
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NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
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Abstract

【課題】信頼性を確保しながらもコストを抑えた針状ころ軸受用の保持器及び針状ころ軸受を提供する。
【解決手段】保持器12の研削加工に差を付けて、外径案内面12dの面粗度を環状部12a端面の面粗度よりも良好としている。これにより、環状部12aの端面12eの研削加工時間を短縮することができ、コストダウンが可能となる。
【選択図】図5

Description

本発明は、針状ころ軸受用の保持器及び針状ころに関し、特に信頼性を向上させることができる針状ころ軸受用の保持器及び針状ころ軸受に関する。
車両等に搭載されている自動変速機において、一般的には遊星歯車機構が用いられている。ここで、針状ころ軸受は、細径のころを用いていることから、内輪外径と外輪内径との差が小さいスペースにも収めることができるので、遊星歯車機構の遊星歯車を回転自在に支持するために用いると、それを搭載した自動変速機のコンパクト化に寄与するので好ましいといえる。
ところで、近年は、燃費の向上などを目的として、自動変速機においても多段化される傾向がある。しかるに、現在は4速が主流である自動変速機を、例えば5速或いは6速に多段化しようとすると、動力を伝達する遊星歯車機構の遊星歯車の自転速度及び公転速度が増大するということがある。このような仕様の変化に伴い、保持器を用いないいわゆる総ころと呼ばれる従来の針状ころ軸受に対し、より低摩擦且つ潤滑性に優れた保持器付きの針状ころ軸受が開発されている。
ここで、遊星歯車機構において、遊星歯車は自転しながら太陽歯車の周囲を公転しているが、このとき遊星歯車を支持する針状ころ軸受も自転すると共に、太陽歯車の周囲を公転するので、特に公転による遠心力が針状ころ軸受に付与されることとなる。従って、針状ころ軸受を保持器付きのものとした場合、保持器は、公転に基づく遠心力により外輪(遊星歯車内周面)に対して押しつけられるため、外輪と保持器との間で摺動が生じることとなる。このような摺動は、針状ころ軸受の引きずり抵抗を増大させる他、早期摩耗や異常発熱、さらには保持器の変形などを招く恐れがある。特に、保持器の外径案内面の面粗度が悪いと、いわゆるブレーキング現象により外輪に接触した保持器の回転速度が急激に低下し、保持器の柱部にころが衝突し、繰り返し応力を与えることで疲労破壊が生じる恐れがある。更に、遊星歯車の軸線方向両端側にはワッシャが配置されていることが多く、かかるワッシャと保持器とが摺接することによる摩耗などの不具合も予想される。
特開2005−768107号公報
これに対し、特許文献1においては、保持器外径および端面の摩擦や焼付きの防止として、遊星歯車の内径面と摺動する保持器外径面、ワッシャや隣接する軸受の保持器と摺動する保持器端面に研削加工および表面処理を施している。しかしながら、保持器の各部表面を研削処理すると、コストが増大するという問題がある。
本発明は、上述した問題点に鑑みてなされたものであり、信頼性を確保しながらもコストを抑えた針状ころ軸受用の保持器及び針状ころ軸受を提供することを目的とする。
本発明の保持器は、遊星歯車機構において遊星歯車を回転自在に支持する針状ころ軸受用の保持器において、
前記保持器は、環状部と前記環状部から軸線方向に延在する複数の柱部とを有し、隣接する前記柱部間で、ころを保持するようになっており、更に外径案内で用いられ、前記保持器の外径案内面の粗さを、前記保持器の端面の粗さよりも良好(低く)としたことを特徴とする。
遊星歯車に使用される保持器は、遊星歯車が公転した場合に受ける遠心力により保持器外径面が遊星歯車の内径面に押し付けられる。ここで、本発明者らは、アキシャル方向の荷重はラジアル荷重の10%程度であり、保持器端面がワッシャ等に押し付けられる荷重は非常に小さいため、端面の粗さを外径面と同等にする必要はないことを見出した。これにより、例えば前記保持器の外径案内面については丁寧に研削加工を施すが、前記保持器の端面については、溶接跡の除去などに限定して粗く研削加工するなどして、前記保持器の端面の粗さを、前記保持器の外径案内面の粗さより悪い状態のままとすることで、オーバースペックとなることを防止し、研削加工時間の短縮によりコストダウンを図ることができる。
前記保持器の外径案内面の粗さの平均をR1とし、前記保持器の端面の粗さの平均をR2としたときに、以下の式を満足すると好ましい。
1.1 ≦ R2/R1 ≦ 7.0 (1)
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して以下に詳細に説明する。図1は、本実施の形態にかかる針状ころ軸受を含む車両の自動変速機1の断面図である。図1において、エンジンのクランクシャフト2から出力されるトルクは、トルクコンバータ3を介して伝達され、更に複数列組み合わせれた遊星歯車機構4,5,6等を介して複数段に減速され、その後デファレンシャルギヤ7及びドライブシャフト8を介して、不図示の車輪に出力されるようになっている。
図2は、遊星歯車機構4(5,6も原則的に同じ)の分解図である。図2において、遊星歯車機構4は、内歯を有するリングギヤ4aと、外歯を有する太陽ギヤ4bと、リングギヤ4a及び太陽ギヤ4bに噛合する3つの遊星歯車4cと、3つのピニオンシャフト4eにより遊星歯車4cを回転自在に支持すると共に、自らも回転可能なキャリヤ4dとを有する。
遊星歯車機構4の作動原理を図3に示す。まず、1速の場合、図3(a)に示すように、太陽歯車4bをドライブ側とし、遊星歯車4c(キャリヤ)をドリブン側とし、リングギヤ4aを固定することで、大きな減速比が得られる。次に、2速の場合、図3(b)に示すように、太陽歯車4bを固定し、遊星歯車4c(キャリヤ)をドリブン側とし、リングギヤ4aをドライブ側とすることで、中程度の減速比が得られる。更に、3速の場合、図3(c)に示すように、太陽歯車4bを固定し、遊星歯車4c(キャリヤ)をドライブ側とし、リングギヤ4aをドリブン側とすることで、小さな減速比が得られる。尚、後退の場合、図3(d)に示すように、太陽歯車4bをドリブン側とし、遊星歯車4c(キャリヤ)を固定し、リングギヤ4aをドライブ側とすることで、入力に対して出力を逆転させることができる。なお、以上は遊星歯車機構4の動作の一例を示すものであり、必ずしもかかる動作に限られることはない。
図4は、本実施の形態の針状ころ軸受を遊星歯車機構に組み込んだ状態で示す図である。図4に示すように、針状ころ軸受10は、ピニオンシャフト(内輪)4eと遊星歯車(外輪)4cとの間に配置され、遊星歯車4cを回転自在に支持している。針状ころ軸受10は、複数のころ11と、それらを保持する保持器12とからなっている。ピニオンシャフト4e内には、図4で右方から軸線に沿って延在し、かつ中央で外周面に抜ける油路4fが形成されている。保持器12は外輪案内で用いられる。尚、キャリヤ4dと遊星歯車4cとの間には、ワッシャ4gが配置されている。
図5は、本実施の形態にかかる針状ころ軸受の保持器の斜視図である。図に示すように、保持器12は、一対の環状部12aを複数の柱部12bで連結した構成を有している。隣接する柱部12bの間が、ころ11を保持するポケットとなる。各柱部12bは、軸線方向中央において縮径した(即ち保持器12の軸線に近接した)縮径部12cを有しており、縮径部12cの軸線方向両側から環状部12aにかけて拡径している外周面(図においてダブルハッチングで示す)を、外径案内面(すなわち外輪と摺接する面)12dとしている。このような形状を有する保持器12をM型保持器と呼ぶ。
本実施の形態においては、1枚の板材をパンチして柱部を形成し、その後丸めて両端を溶接することで、保持器12を形成している。従って、そのままでは外径案内面12dの面粗度が悪いため、研削加工を施すことで、外径案内面12dが遊星歯車4cの内周面と摺接したような場合でも、摩擦を低く抑えることができる。それにより、針状ころ軸受10の引きずり抵抗を減少させ、早期摩耗や異常発熱を抑制し、さらには保持器12の変形や破損を招くブレーキング現象の発生を抑制することができる。又、保持器12の環状部12aの端面12eも、溶接の影響で面粗度が悪くなる傾向があるが、研削加工で溶接跡を除去し、その面粗度を向上させ、環状部12aがワッシャと摺接したときにおける摩擦を低く抑えることができる。
但し、本実施の形態では、上記の研削加工に差を付けて、外径案内面12dの面粗度を環状部12a端面の面粗度よりも良好としている。これにより、環状部12aの端面12eの研削加工時間を短縮することができ、コストダウンが可能となる。かかる技術は、保持器の環状部が柱部に対して半径方向に突出していない、いわゆる波型保持器についても同様に適用が可能である。なお、リン酸マンガン等の被膜を施しても同様の効果が得られるが、外径案内面12dの面粗度を環状部12a端面の面粗度よりも良好とするのが望ましい。
本発明者らは、本発明の効果を確認する試験を行った。かかる試験は、保持器の公転試験機を用いて、以下の条件で行った。試験結果を表1に示す。
キャリア公転数:7500min-1
ピニオン自転数:10000min-1
キャリア公転半径:40mm
ギヤ内径と保持器のPV値:300MPa・m/s
潤滑油:ATF
潤滑油供給量:0.1L/min
Figure 2009204089
表1の試験結果によれば、保持器の外径案内面の粗さ(Ra)の平均をR1とし、保持器の端面の粗さ(Ra)の平均をR2としたときに、R2/R1が1.1以上、7.0以下の範囲で、カジリや摩耗が発生しなかったのに対し、R2/R1が1.0のときに、ギヤ・ワッシャにカジリが発生し、R2/R1が0.5のときに、ギヤ内径に摩耗が発生し、R2/R1が7.5のときに、ワッシャ摩耗が発生した。以上より、R2/R1は以下の範囲であることが望ましい。
1.1 ≦ R2/R1 ≦ 7.0 (1)
以上、本発明を実施例を参照して説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定して解釈されるべきではなく、適宜変更・改良が可能であることはもちろんである。例えば、保持器の焼付き防止として、肌焼鋼(例えばSCM415)に浸炭窒化することにより、耐摩耗性を向上させることができる。
本実施の形態にかかる針状ころ軸受を含む車両の自動変速機の断面図である。 遊星歯車機構4の分解図である。 遊星歯車機構の作動原理を示す図である。 本実施の形態の針状ころ軸受を遊星歯車機構に組み込んだ状態で示す図である。 本実施の形態の針状ころ軸受における保持器の斜視図である。
符号の説明
1 自動変速機
4〜6 遊星歯車機構
10 針状ころ軸受
11 ころ
12 保持器

Claims (3)

  1. 遊星歯車機構において遊星歯車を回転自在に支持する針状ころ軸受用の保持器において、
    前記保持器は、環状部と前記環状部から軸線方向に延在する複数の柱部とを有し、隣接する前記柱部間で、ころを保持するようになっており、更に外径案内で用いられ、前記保持器の外径案内面の粗さを、前記保持器の端面の粗さよりも良好としたことを特徴とする針状ころ軸受用の保持器。
  2. 前記保持器の外径案内面の粗さの平均をR1とし、前記保持器の端面の粗さの平均をR2としたときに、以下の式を満足することを特徴とする請求項1に記載の針状ころ軸受用の保持器。
    1.1 ≦ R2/R1 ≦ 7.0 (1)
  3. 請求項1又は2に記載の針状ころ軸受用の保持器を用いたことを特徴とする針状ころ軸受。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021140836A1 (ja) * 2020-01-09 2021-07-15 Ntn株式会社 ころ軸受用溶接保持器、保持器付きころおよびころ軸受

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