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JP2009128613A - カメラ及びカメラの自動焦点調節装置 - Google Patents

カメラ及びカメラの自動焦点調節装置 Download PDF

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JP2009128613A
JP2009128613A JP2007303225A JP2007303225A JP2009128613A JP 2009128613 A JP2009128613 A JP 2009128613A JP 2007303225 A JP2007303225 A JP 2007303225A JP 2007303225 A JP2007303225 A JP 2007303225A JP 2009128613 A JP2009128613 A JP 2009128613A
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康一 中田
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Abstract

【課題】移動する被写体に合焦させる動体予測制御を高精度に行えるようにすること。
【解決手段】カメラのAF/AECPU151により、撮影レンズ内に設けられ、焦点調節をするための焦点調節レンズ102に関する被写体のデフォーカス量を検出し、その検出したデフォーカス量の連続性判定により、同一の被写体を追尾できているか否かを判定する。その際、被写体移動による像面移動速度に応じて上記連続性判定に用いる連続性判定値を切り替える。これにより、像面移動速度が速い被写体を追尾している際に、実際には同じ被写体を測距しているにもかかわらず連続性がないと判定してしまう虞が無く、高精度な動体予測制御を行うことが可能となる。
【選択図】図4

Description

本発明は、カメラ及びカメラの自動焦点調節装置に関し、特に、移動する被写体に合焦させる動体予測制御が可能なカメラ及びカメラの自動焦点調節装置に関する。
移動する被写体に合焦させるように、焦点検出とレンズ駆動とを行う動体予測に関する技術は数多い。
例えば、追尾していた被写体とは別の被写体が測距された場合に誤った動体予測制御を行ってしまうことを防止する対策として、特許文献1に開示されているような、像面移動速度の連続性が失われた場合は、動体予測演算を禁止する方法が知られている。
特開平01−167815号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示されているような技術によれば、追尾していた被写体とは別の被写体が測距された場合には誤った予測を防止することができるが、像面移動速度が速い被写体を追尾している際に、実際には同じ被写体を測距しているにもかかわらず連続性がないと判定してしまう副作用が発生するという問題があった。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、移動する被写体に合焦させる動体予測制御を行うカメラにおいて、従来よりも高精度な動体予測制御を行うことのできるカメラ及びカメラの自動焦点調節装置を提供することを目的とする。
本発明のカメラの一態様は、移動する被写体に合焦させる動体予測制御を行うカメラにおいて、
撮影レンズ内に設けられ、焦点調節をするための焦点調節レンズと、
上記焦点調節レンズに関する被写体のデフォーカス量を検出するデフォーカス量検出手段と、
上記デフォーカス量検出手段で検出したデフォーカス量の連続性判定により、同一の被写体を追尾できているか否かを判定する連続性判定手段と、
被写体移動による像面移動速度に応じて上記連続判定手段での連続性判定に用いる連続性判定値を切り替える判定値切替手段と、
を具備することを特徴とする。
また、本発明のカメラの自動焦点調節装置の一態様は、移動する被写体に合焦させる動体予測制御を行うカメラの自動焦点調節装置において、
カメラの撮影レンズ内に設けられ、焦点調節をするための焦点調節レンズに関する被写体のデフォーカス量を検出するデフォーカス量検出手段と、
上記焦点調節レンズに関する被写体のデフォーカス量を検出するデフォーカス量検出手段と、
上記デフォーカス量検出手段で検出したデフォーカス量の連続性判定により、同一の被写体を追尾できているか否かを判定する連続性判定手段と、
被写体移動による像面移動速度に応じて上記連続判定手段での連続性判定に用いる連続性判定値を切り替える判定値切替手段と、
を具備することを特徴とする。
本発明によれば、移動する被写体に合焦させる動体予測制御を行うカメラにおいて、従来よりも高精度な動体予測制御を行うことのできるカメラ及びカメラの自動焦点調節装置を提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る自動焦点調節装置を搭載した、本発明の一実施形態に係るカメラとしての一眼レフレクスカメラの概観図である。
このカメラは、カメラ本体100と、該カメラ本体100に対して着脱可能な交換レンズ部101とで構成されている。なお、図1に示す構成及び以下の実施形態の説明は、デジタルスチルカメラを想定したものであるが、本発明は、銀塩カメラにも同様に適用可能なことは勿論である。
交換レンズ部101は、焦点調節レンズ102及びズームレンズ103を含んで構成されている。焦点調節レンズ102は、光軸方向に駆動されて、該交換レンズ部101の焦点状態を調節する。また、ズームレンズ103は、光軸方向に駆動されて、該交換レンズ部101の焦点距離を変更する。
一方、カメラ本体100は、メインミラー104、サブミラー105、焦点検出光学系106、焦点検出センサ(以下、AFセンサと称する)107、フォーカルプレンシャッタ108、撮像素子109、スクリーンマット110、ファインダ光学系111、及び接眼レンズ112を含んで構成されている。
メインミラー104は、ハーフミラーで構成されており、被写体からの光束を一部透過させ、一部反射させる。また、メインミラー104は、露光時において全光束が撮像素子109で構成される撮像面に行くように、図中の矢印で示す方向に回動可能な構成になっている。
露光時以外では、メインミラー104を透過した被写体からの光束は、サブミラー105によって反射されて、焦点検出光学系106に導かれる。焦点検出光学系106は、焦点検出のためのレンズなどで構成されており、サブミラー105で反射された光束をAFセンサ107に導く。なお、この焦点検出光学系106の詳しい構成については後に詳述する。
また、AFセンサ107は、例えば、フォトダイオードアレイから成るセンサである。このAFセンサ107は、複数の焦点検出が可能であるように構成されている。つまり、AFセンサ107は、複数の焦点検出エリアに対応する複数のフォトダイオードアレイを持つ。なお、AFセンサ107の詳しい構成についても後に詳述する。
前述したように、露光時においては、メインミラー104が交換レンズ部101の光軸上から退避するので、被写体からの光束が撮像面方向に入射する。このとき、フォーカルプレンシャッタ108は、撮像面に適切な量の光を与えるように駆動制御される。撮像面を構成する撮像素子109には、デジタルスチルカメラの場合にはCCDやCMOSセンサ等が用いられる。なお、カメラが銀塩カメラの場合には、撮像素子109の代わりに銀塩フィルムが用いられる。前述のフォーカルプレンシャッタ108が開いたときには、撮像素子109で構成された撮像面に、被写体からの光束が入射する。
また、露光時以外では、メインミラー104で反射された被写体からの光束は、ファインダ方向に入射して、スクリーンマット110で像を結ぶ。この像は、ファインダ光学系111を介して接眼レンズ112に入射する。撮影者は、この接眼レンズ112を覗くことによって、撮影範囲や被写体の焦点状態などを知ることができる。
図2は、ファインダ内に表示される焦点検出エリアについての概略図である。撮影者が接眼レンズ112から覗いた場合に、ファインダ内には、AFセンサ107の複数の焦点検出エリアに対応した焦点検出エリアマーク113が表示される。なお、この図2の例は、11点の測距エリアを持つマルチAFの例を示している。
次に、図3(A)乃至(F)を参照して、焦点検出光学系106とAFセンサ107の構成について詳しく説明する。
図3(A)に示すように、焦点検出光学系106は、視野マスク120、コンデンサレンズ121、全反射ミラー122、赤外カットフィルタ123、セパレータ絞りマスク124、及びセパレータレンズ125から成る。なお、同図においては、交換レンズ部101内の各レンズ群、例えば、前述の焦点調節レンズ102やズームレンズ103を合成した仮想的なレンズを、撮影レンズ126として図示している。
視野マスク120は、サブミラー105を介して得られる光束を絞り込むものである。サブミラー105から導かれる複数の焦点検出領域の光束(図中の点線)を透過させるために、視野マスク120は、図3(B)の正面図に示すような開口部127を有している。
コンデンサレンズ121は、視野マスク120を通過した光を集光するためのものである。このコンデンサレンズ121は、視野マスク120の開口部127の位置に対応して配置される。
全反射ミラー122は、光束を反射し、赤外カットフィルタ123を介してセパレータ絞りマスク124の方向に導くものである。
赤外カットフィルタ123は、焦点検出に有害な赤外光成分をカットするためのフィルタである。
セパレータ絞りマスク124は、入射してきた光束を絞るためのものである。このセパレータ絞りマスク124は、前述のコンデンサレンズ121を介して得られる光束を4つの光束に分割するために、図3(C)の正面図に示すような4つの開口部124a、124b、124c、124dを有している。
セパレータレンズ125は、前述のセパレータ絞りマスク124を介して得られる光束をAFセンサ107上に再結像させるものである。このセパレータレンズ125は、図3(D)の正面図に示すような4つのセパレータレンズ125a、125b、125c、125dで構成される。
前述のAFセンサ107は、受光光束の光強度分布に対応した光強度信号を得る光電変換素子列である図3(E)の正面図に示すような4つフォトダイオードアレイ部128a、128b、128c、128dで構成される。このうち、フォトダイオードアレイ部128a、128bは、撮影画面の水平方向に対応する方向の並びに配置され、他の2つのフォトダイオードアレイ部128c、128dは、撮影画面の垂直方向に対応する方向の並びに配置されており、一つの測距エリア内で水平及び垂直方向の被写体パターンを検出可能な所謂クロスセンサタイプの構成となっている。
このように構成された焦点検出光学系106では、図3(F)の正面図に示すような撮影レンズ126の射出瞳面の互いに異なる領域126a、126bと領域126c、126dとを通過する焦点検出光束が、フォトダイオードアレイ部128a、128b及び128c、128dによりそれぞれ受光されて、像の光強度分布パターンを示す電気信号に変換される。この光強度信号を用いて焦点検出の一方式であるTTL位相差方式によって焦点検出を行う。
なお、図3(A)中の参照符号129は、撮像面を構成する撮像素子109と等価な距離にある一次結像面を示している。
上記のようなカメラの電気的な構成について図4を参照して説明する。
まず、交換レンズ部101に関する構成について説明する。
交換レンズ部101の外部には、その周囲を取り巻くようにリング状になったズーム駆動用回転環130及びマニュアルフォーカス(MF)用回転環131が配置されている。撮影者は、ズーム駆動用回転環130を交換レンズ部101の光軸中心に回転させることによって、ズームレンズ103を光軸方向に駆動させて、交換レンズ部101の焦点距離を変更することができる。
また、MF用回転環131を交換レンズ部101の光軸中心に回転させると、それに連動して、焦点調節レンズ102が光軸方向に駆動する。これにより、交換レンズ部101の焦点を手動で調節することができる。なお、このMF用回転環131は、撮影者がオートフォーカスモードとマニュアルフォーカスモードとを切り替える図示しない切り替えスイッチを操作して、マニュアルフォーカスモードを選択した場合に使用されるものである。
交換レンズ部101の内部は、焦点調節レンズ102、ズームレンズ103、絞り132、及び交換レンズ部101の各種制御(例えば、レンズ駆動制御、絞り駆動制御、通信制御など)を司るレンズCPU(以下、LCPUと称する)133を含んで構成されている。そして、このLCPU133には、ズーム位置検出回路134、絞り駆動回路135、レンズ駆動回路136、レンズ位置検出回路137、及び通信回路138が接続されている。
前述のズーム駆動用回転環130によって駆動されたズームレンズ103の位置は、ズーム位置検出回路134によって検出される。LCPU133は、ズーム位置検出回路134によって検出されたズームレンズ103の位置に基づいて、交換レンズ部101の焦点距離情報を得る。
絞り132は、カメラ本体100方向に入射する光の光量を調節するための開口部を含んで構成される。LCPU133は、絞り駆動回路135を制御することによって絞り132の開口部の大きさを変化させて、適切な光量の光をカメラ本体100方向に入射させる。
また、オートフォーカスモード時においては、LCPU133は、レンズ駆動回路136を制御して焦点調節レンズ102を駆動させる。レンズ駆動回路136によって駆動された焦点調節レンズ102の位置は、レンズ位置検出回路137によって検出される。このレンズ位置検出回路137は、例えば、レンズ駆動回路136に含まれる駆動用モータの回転量をパルス数に変換して検出するフォトインタラプタ(PI)回路などを含んで構成されている。このフォトインタラプタ回路では、焦点調節レンズ102からの絶対位置が、ある基準位置からのパルス数で表される。LCPU133は、レンズ位置検出回路137によって検出されたレンズ位置に基づいて、交換レンズ部101の焦点状態情報を得る。
また、LCPU133は、絞り駆動量や交換レンズ部101のデフォーカス量などの情報を、通信回路138を介して後に詳述するカメラ本体のCPUやAF/AECPUと通信する。このため、通信回路138の通信接続端子は、交換レンズ部101の外部に設けられている。
次に、カメラ本体100に関する構成について説明する。
カメラ本体100の内部は、カメラ全体の制御を司る本体CPU139を含んで構成されている。そして、この本体CPU139には、LCPU133と通信回路138を介して通信するための通信ライン140、本体CPU139のプログラムなどが格納されているフラッシュROM(FROM)141、本体CPU139の各種情報を一時格納するRAM142、画像データを得るために撮像素子109を制御する撮像素子制御回路143、図示しないストロボを制御するストロボ制御回路144、メインミラー104のアップダウンを制御するミラー制御回路145、フォーカルプレンシャッタ108を制御するシャッタ制御回路146、撮像素子制御回路143で得られた画像データを画像処理する画像処理回路147、撮影した画像や各種撮影情報を図示しない表示部に表示するための表示回路148、撮影者が操作する各種操作スイッチが接続された操作スイッチ検出回路149、カメラに電源を供給するための電源回路150、及びAF/AECPU151が接続されている。
ここで、操作スイッチ検出回路149は、カメラの撮影モードを切り替える図示しない切り替えスイッチや、レリーズボタンの操作によって動作するレリーズスイッチなどを含む。本実施の形態におけるレリーズスイッチは、一般的な2段階スイッチになっている。つまり、レリーズボタンの半押しで第1レリーズスイッチ152(以下、1Rスイッチと称する)がオンして、焦点検出や測光が行われ、焦点調節レンズ102が駆動されて合焦状態になる。更に、レリーズボタンの全押しで第2レリーズスイッチ153(以下、2Rスイッチと称する)がオンして、メインミラー104とフォーカルプレンシャッタ108が駆動されて露光が行われる。
また、電源回路150は、装填された電池154の電圧の平滑化や昇圧等を行う。
AF/AECPU151は、カメラの自動焦点調節(AF)制御及び測光(AE)制御を行う。そして、このAF/AECPU151には、該AF/AECPU151と交換レンズ部101の通信回路138を介して通信するための通信ライン155、AF/AECPU151と本体CPU139とで通信するための通信ライン156、AF/AECPU151のプログラム等が格納されているフラッシュROM(FROM)157、AF/AECPU151の各種情報を一時格納するRAM158、測光回路159、焦点検出回路160、及び補助光回路161が接続されている。
ここで、測光回路159は、被写体輝度を測定する図示しない測光素子を制御して、被写体輝度情報を得るための回路である。また、焦点検出回路160は、AFセンサ107を制御して得られた情報に基づいて焦点検出演算をし、焦点検出情報を得るための回路である。更に、補助光回路161は、被写体が低輝度であり、焦点検出回路160による焦点検出が不能である場合に、再度焦点検出を行う際にLEDなどの発光素子によって被写体に投光するための回路である。
本実施形態に係る自動焦点調節装置を搭載した一眼レフレクスカメラでは、操作スイッチ検出回路149の中に含まれる図示しないAFモード切り替えスイッチによって、シングルAFモードとコンティニュアスAFモードの切り替えが可能となっている。ここで、シングルAFモードとは、一度合焦状態が検出されるとフォーカスロックされるAFモードであり、コンティニュアスAFモードとは、焦点検出とレンズ駆動を連続して行うことによって移動する被写体に合焦させる、いわゆる動体予測AFを行うAFモードである。
上記コンティニュアスAFモードの動作に関して、図5乃至図8のフローチャート及び図9乃至図15の説明図を参照して、説明を行う。
図5は、本実施形態における一眼レフレクスカメラのコンティニュアスAFモードの1Rシーケンス動作の一例を説明するためのフローチャートである。
即ち、まず、1Rスイッチ152がオン状態になったことが操作スイッチ検出回路149で検出されると、本体CPU139は、測距間隔等を測定するための内部タイマ(図示せず)をスタートさせる(ステップS101)。但し、このタイマは、AF/AECPU151内部のタイマでも良い。
そしてその後、AF/AECPU151は、上記タイマのカウント値を読み出し、RAM158に格納する(ステップS102)。
次に、AF/AECPU151は、焦点検出回路160を介してAFセンサ107に蓄積動作を開始させ、蓄積レベルが所定レベルに達した時点で蓄積動作を終了するように制御を行う(ステップS103)。
そして、AFセンサ107の蓄積動作が終了すると、AF/AECPU151は、焦点検出回路160を介して上記S103での蓄積動作で検出された光電変換信号(以下、センサデータと称する)を焦点検出回路160内のA/D変換回路でデジタル信号に変換してRAM158に格納すると共に、固定パターンノイズや暗電流等の影響によるオフセット成分をキャンセルするための補正、所定のフィルタ演算等を行う(ステップS104)。
また、AF/AECPU151は、上記ステップS103及びステップS104の処理と同時に、通信回路138を介してLCPU133と通信を行い、レンズ位置検出回路137で検出された焦点調節レンズ102の現在位置を示すパルス数を取得し、RAM158に格納する(ステップS105)。
その後、AF/AECPU151は、上記ステップS104で各種補正を施したセンサデータを用いて公知の相関演算、補間演算を行って、図2に示すような11点の各測距エリアの2像間隔値を求め、演算結果により所定の信頼性判定で信頼性があると判定された測距エリアの2像間隔から、それぞれデフォーカス量を算出する。そして、カメラの測距点選択モードがスポットAFモードであれば、指定された測距エリアのデフォーカス量を選択し、マルチAFモードであれば、最至近選択等の所定の選択方式により一つの測距エリアのデフォーカス量を選択する(ステップS106)。
ここで、スポットAFモード時の指定測距エリア、または、マルチAFモード時の何れかの測距エリアの信頼性が有り、デフォーカス量が求められているか否かを判断する(ステップS107)。
そして、スポットAFモード時の指定測距エリア、または、マルチAFモード時の全ての測距エリアの信頼性が無いと判定された場合には、レンズスキャンや表示回路148による焦点検出不能表示等のAFNG処理を行って(ステップS108)、上記ステップS102に戻る。
これに対して、上記ステップS107において、スポットAFモード時の指定測距エリア、または、マルチAFモード時の何れかの測距エリアの信頼性が有り、デフォーカス量が求められていると判定した場合には、上記ステップS106で求めたデフォーカス量を、上記ステップS102で取得したタイマカウント値と対応付け、時系列データとしてRAM158に格納する(ステップS109)。
そして、AF/AECPU151は、通信回路138を介してLCPU133に上記ステップS106で求めたデフォーカス量を送信する(ステップS110)。これにより、LCPU133は、受信したデフォーカス量と現在の焦点調節レンズ102の位置とに基づいて目標パルス数を求め、レンズ駆動回路136を制御してレンズ駆動を開始する。
その後、本体CPU139は、操作スイッチ検出回路149により2Rスイッチ153の状態を確認し(ステップS111)、オン状態であればステップS135に進み、オフ状態であればステップS112に進む。
即ち、2Rスイッチ153がオフ状態であると判断すると、本体CPU139は、操作スイッチ検出回路149により1Rスイッチ152の状態を確認し(ステップS112)、オン状態であれば上記ステップS102乃至ステップS105と同様の処理を行い、オフ状態であれば撮影待機シーケンスへ移行してユーザによる次のカメラ操作を待つ。
即ち、上記ステップS112において1Rスイッチ152がオン状態であると判断した場合には、AF/AECPU151は、上記ステップS102の処理と同様に、上記タイマのカウント値を読み出し、RAM158に格納する(ステップS113)。
次に、上記ステップS103の処理と同様に、AF/AECPU151は、焦点検出回路160を介してAFセンサ107に蓄積動作を開始させ、蓄積レベルが所定レベルに達した時点で蓄積動作を終了するように制御を行う(ステップS114)。
そして、AFセンサ107の蓄積動作が終了すると、AF/AECPU151は、上記ステップS104の処理と同様に、焦点検出回路160を介して上記S113での蓄積動作で検出されたセンサデータを焦点検出回路160内のA/D変換回路でデジタル信号に変換してRAM158に格納すると共に、固定パターンノイズや暗電流等の影響によるオフセット成分をキャンセルするための補正、所定のフィルタ演算等を行う(ステップS115)。
また、AF/AECPU151は、上記ステップS115の処理と同様に、上記ステップS113及びステップS114の処理と同時に、通信回路138を介してLCPU133と通信を行い、レンズ位置検出回路137で検出された焦点調節レンズ102の現在位置を示すパルス数を取得して、RAM158に格納する(ステップS116)。
その後、AF/AECPU151は、上記ステップS106と同様に、センサデータから各測距エリアのデフォーカス量を求め、カメラの測距点選択モードに応じて測距エリアのデフォーカス量を選択する(ステップS117)。
そしてここで、上記ステップS117で選択された測距エリアのデータに信頼性が有るか否かを判断する(ステップS118)。
選択された測距エリアのデータに信頼性がないと判断した場合には、更に、カメラの測距エリア選択モードがマルチAFモードで、選択されていた測距エリア以外で信頼性の有る測距エリアが有るか判断する(ステップS119)。
ここで、マルチAFモードで且つ信頼性の有る測距エリアが有ると判断した場合には、その選択されていた測距エリア以外で信頼性の有る測距エリアの中から所定の選択方式により再選択を行ってから(ステップS120)、上記ステップS111に戻り、上記の処理を繰り返す。
これに対して、上記ステップS119において、選択されていた測距エリア以外の測距エリアのデータにも信頼性が無いと判断した場合には、レンズスキャンや表示回路148による焦点検出不能表示等のAFNG処理を行って(ステップS121)、上記ステップS102に戻る。
一方、上記ステップS118において、スポットAFモード時の指定測距エリア、または、マルチAFモード時の何れかの測距エリアの信頼性が有り、デフォーカス量が求められていると判断した場合には、上記ステップS109の処理と同様に、上記ステップS117で求めたデフォーカス量を、上記ステップS113で取得したタイマカウント値と対応付け、時系列データとしてRAM158に格納する(ステップS122)。
その後、前回のステップS134で一時的にRAM158に格納したレンズ駆動目標位置が有効なデータであるか否かを判断し(ステップS123)、無効なデータであると判断した場合にはステップS125に進む。
これに対して、前回測距でのレンズ駆動目標位置が有効なデータであると判断した場合には、その補正を行う(ステップS124)。
本実施形態に係るカメラにおけるシステム制御は、ステップS114でのAFセンサ107の蓄積動作の時点でのデフォーカス量に対応するレンズ駆動目標位置(蓄積動作時点での被写体位置が合焦となる焦点調節レンズ102の位置)が、ステップS133でのレンズ通信によりパルス数として得られ、ステップS134でRAM158に一時的に格納されるものとなっている。
但し、ここで得られる目標パルス数は、レンズ通信時点での焦点調節レンズ102の位置のパルス数を基準として、これにAF/AECPU151より送信されたデフォーカス量分のパルス数を加算した値がLCPU133より送信されてくるものであるので、上記ステップS114の蓄積動作〜上記ステップS133のレンズ通信間で焦点調節レンズ102が駆動された場合、この間のレンズ位置変化分の誤差が目標パルス数に含まれてしまうことになる。この目標パルス数は後述する動体予測演算に使用するため、この値に含まれる誤差成分は動体予測精度に影響するので、補正を行う必要がある。
以下、図9を参照して、このレンズ駆動目標位置補正について説明する。図9は、1Rシーケンス中の任意期間での合焦レンズ位置と実際のレンズ位置との関係、及び、各蓄積動作時点での目標パルス数等を模式的に示したものである。なお、図中、実線は被写体の移動に対応した目標パルス数(合焦レンズ位置)の変化、一点鎖線は実際のレンズ位置の移動に対応したパルス数の変化を示している。また、PPはn回目測距時の正しいレンズ駆動目標位置、PRは実際にレンズから送信されるn回目測距時のレンズ駆動目標位置、PMはn回目測距時のレンズ位置、PTはデフォーカス量送信時のレンズ位置、PHは補正後のn回目測距時のレンズ駆動目標位置、Dはn回目測距で検出したデフォーカス量相当のレンズ駆動量、Eはn回目測距でのレンズ駆動目標位置誤差、Mはn回目測距〜n+1回目測距間のレンズ駆動量、TDはn回目測距時のデフォーカス量検出タイミング、TTはレンズへのn回目測距時のデフォーカス量送信タイミング、TDTはn回目測距時のデフォーカス量送信遅延時間、をそれぞれ表している。
即ち、n回目の測距の蓄積動作中の時刻TDにおける正しい目標パルス数は、PPで示されている。n回目の測距で検出されたデフォーカス量は、時刻TTに、AF/AECPU151よりLCPU133に送信され、LCPU133は、その受信したデフォーカス量をパルス数Dに変換してこの時点でのパルス数PTに加算することで、目標パルス数PRを算出し、AF/AECPU151に送信する。
この時点で、AF/AECPU151は、図中に示すように時刻TDにおける目標パルス数をPRであると認識しており、この値は時刻TDからTTまでのデフォーカス量送信遅延時間TDTでの実際のレンズ移動量E分の誤差を含んでいることになる。そこで、ステップS124においては、n回目の測距で検出されたデフォーカス量送信の直後に実行されるn+1回目の測距での蓄積動作中のレンズ通信(ステップS116)で取得される時刻TDn+1でのパルス数PMn+1と、n回目の測距での蓄積動作中のレンズ通信(ステップS116)で取得される時刻TDでのパルス数PMと、の差分Mを、時刻TDにおける目標パルス数PRの誤差分として差し引くことで、レンズ駆動目標位置補正を行う。
つまり、補正後の目標パルス数PHはレンズの駆動方向に応じて、
(1)繰出し方向にレンズ駆動中の場合
PH=PR−|PM−PMn+1|=PR−M
(2)繰込み方向にレンズ駆動中の場合
PH=PR+|PM−PMn+1|=PR+M
となり、補正後の目標パルス数PHを正式な目標パルス数としてステップS113で取得したタイマカウント値と対応付け、RAM158に格納する。
上記の例では、補正値Mを算出するためにデフォーカス量送信の直後の時刻TDn+1でのパルス数PMn+1を用いたが、デフォーカス量送信時のレンズ通信でLCPU133が目標パルス数PRだけでなくこの時の時刻TTでのパルス数PTをAF/AECPU151に送信できるような制御方式とし、補正値Mの算出時にPMn+1の代わりにPTを使用するようにすると、さらに補正精度を向上させることができる。
また、デフォーカス量送信時に得られる目標パルス数PRの誤差成分Eはレンズ駆動が停止している場合には発生しないので、この場合はレンズ駆動目標位置補正を実行せず、デフォーカス量送信時に得られる目標パルス数PRを正式な目標パルス数としてRAM158に格納する。
上記のようなステップS124でのレンズ駆動目標位置補正を行った後、あるいは、上記ステップS123において前回測距でのレンズ駆動目標位置が無効なデータであると判断した場合、次に、AF/AECPU151は、前回測距で検出したデフォーカス量と今回測距で検出したデフォーカス量を用いて連続性判定を行う(ステップS125)。
ここで言う連続性とは、選択されている測距エリアが同じ被写体を捕らえ続けている状態を指す。まず、前回測距で検出したデフォーカス量が所定範囲内、例えば±0.2mm以下であるかどうかを確認し、設定範囲内でない場合は連続性判断自体を実施しない。これは、デフォーカス量が大きい場合は移動被写体に対しての追従が十分にできていない状態であると考えられ、このような状態での連続性を判断することは意味がないからである。
デフォーカス量が所定範囲内である場合は連続性判定を行うが、判定に先立って、現在追尾している被写体の像面移動速度により、連続性判定値として低速用と高速用の何れを使用するかを判断する。
連続性判定値の選択には、最新の目標パルス数と1点過去の目標パルス数の差である相対パルス数を像面移動速度の代用値として用い、これと所定値を比較して下記のように選択を行う。
相対パルス数(=|最新パルス数−過去パルス数|)<所定値 → 低速用判定値選択
相対パルス数(=|最新パルス数−過去パルス数|)≧所定値 → 高速用判定値選択
但し、実際には、同じ像面移動速度であっても、交換レンズ部101毎に相対パルス数は異なるので、各レンズ毎に内部データとして保持している合焦スレッシュパルス数(合焦とみなせる範囲のパルス数)に所定の固定係数Kを乗じた値を上記所定値のとして用いて下記のように選択を行う。
相対パルス数<合焦スレッシュパルス数×K → 低速用判定値選択
相対パルス数≧合焦スレッシュパルス数×K → 高速用判定値選択
例えば、相対パルス数=100パルス、合焦スレッシュパルス数=10パルス、K=20とすると、
100<10×20=200
となるので、この場合は低速用判定値が選択される。
上記のようにして選択した判定値を用いて下記のように連続性の判定を行う。
|前回デフォーカス量−今回デフォーカス量|<低(高)速用判定値 → 連続
|前回デフォーカス量−今回デフォーカス量|≧低(高)速用判定値 → 不連続
例えば、前回デフォーカス量=−0.1mm、今回デフォーカス量=0.15mm、低速用判定値が選択されたとしてその値が0.2mmとすると、
|−0.1−0.15|=0.25≧0.2
となるので、判定結果は不連続となる。
上記のように連続性判定値を被写体の像面移動速度で切り替える理由は、像面移動速度に依らずに固定で低速側の不連続を検出し易く設定した場合には、高速被写体追従時にデフォーカス量の変化が大きいことから、誤判定により不連続と判定してしまう可能性があり、また、高速側の誤判定を防止し易く設定した場合には、低速被写体追従時にデフォーカス量の変化が小さいことから、不連続を検出できなくなる可能性があるためである。
よって、上記では説明の簡易化のために連続性判定値を低速用と高速用の2段階で切り替えるようにしているが、さらに判定レベルを細分化したり、または、像面移動速度と相関のある所定の算出式を用いて判定値を求めるようにすることで判定精度を向上させることができるのは言うまでもない。
そして、上記ステップS125での連続性判定の結果、不連続であるか否かを判断する(ステップS126)。
ここで、連続性判定結果が不連続であると判断した場合には、更に、連続性判定結果が所定回数以上連続で不連続であるか否か(または、最初に不連続と判定されてから所定時間以上連続で不連続であるか否か)を判断する(ステップS127)。
そして、不連続という連続性判定結果が所定回数以上連続していないと判断した場合(または、最初に不連続と判定されてからの不連続の継続時間が所定時間未満であると判断した場合)には、今回のレンズ駆動目標位置を無効データとして設定し(ステップS128)、レンズ駆動は行わずに上記ステップS111に戻る。
これに対して、連続性判定結果が所定回数以上連続で不連続であると判断した場合(または、最初に不連続と判定されてから所定時間以上連続で不連続であると判断した場合)には、上記ステップS113で取得したタイマカウント値と対応付けて時系列データとしてRAM158に格納されている前回以前のデフォーカス量、目標パルス位置等の時系列データをクリアする(ステップS129)。
その後、カメラの測距エリア選択モードがマルチAFモードであるか否かを判断する(ステップS130)。
そして、マルチAFモードであると判断した場合には、今回測距で選択されている測距エリアのデフォーカス量は無効データとし、選択エリア以外の測距エリアを最至近選択等の所定の選択方式により再選択して、再選択エリアのデフォーカス量をレンズ駆動用の有効データとする(ステップS131)。
これに対して、スポットAFモードであると判断した場合には、今回測距で検出されたデフォーカス量をレンズ駆動用の有効データとする(ステップS132)。
このようなステップS131又はステップS132を実行後、あるいは、上記ステップS126で不連続ではないと判定した場合には、次に、AF/AECPU151は、通信回路138を介してLCPU133に上記ステップS117で求めたデフォーカス量の中の有効データを送信する(ステップS133)。これにより、LCPU133は、その受信したデフォーカス量と現在の焦点調節レンズ102の位置に基づいて目標パルス数を求め、レンズ駆動回路136を制御してレンズ駆動を開始すると共に、AF/AECPU151に、算出した目標パルス数を送信する。
そして、AF/AECPU151は、取得した目標パルス数をRAM158に一時的に格納して(ステップS134)、上記ステップS111に戻り、上記の処理を繰り返す。
而して、上記ステップS111において2Rスイッチ153がオン状態であると判断したならば、AF/AECPU151は、通信回路138を介してLCPU133と通信を行い、レンズ位置検出回路137で検出された焦点調節レンズ102の現在位置を示すパルス数を取得して、RAM158に格納する(ステップS135)。
そして、上記ステップS124と同様のレンズ駆動目標位置補正を実行した後(ステップS136)、2Rシーケンス動作へと進む。
図6は、本実施形態におけるカメラのコンティニュアスAFモードの2Rシーケンス動作の一例を説明するためのフローチャートである。
即ち、該2Rシーケンス動作においては、まず、AF/AECPU151は、RAM158に格納されているタイマカウント値とその値に対応付けされた目標パルス数に基づいて動体予測を行い露光時点での目標パルス数を求める(ステップS141)。この動体予測の詳細については後述する。
次に、AF/AECPU151は、上記ステップS141で求めた目標パルス数を用いて動体予測レンズ駆動制御を行う(ステップS142)。この動体予測レンズ駆動制御の詳細については後述する。
一方、本体CPU139は、ミラー制御回路145によりミラーアップ駆動制御を行い、また、このミラーアップ駆動と並行して、AF/AECPU151は、通信回路138を介してLCPU133に絞り駆動を指示する(ステップS143)。これにより、LCPU133は、絞り駆動回路135により絞り132の駆動制御を行う。
そして、本体CPU139は、AF/AECPU151より送信された測光演算結果に基づいてシャッタ制御回路146によりフォーカルプレンシャッタ108の駆動制御を行い、撮像素子制御回路143により撮像素子109を制御して撮像素子上に露光された被写体像の撮像データを画像処理回路147で所定の画像処理を施した後に、RAM142やコンパクトフラッシュ(登録商標)等の外部記憶手段に撮像データを格納すると共に、表示回路148によりTFTモニタ等の表示部に撮影画像の表示を行う(ステップS144)。
その後、本体CPU139は、カメラの撮影モードが連写モードであるか否かを判断する(ステップS145)。
ここで、連写モードであると判断した場合には、更に、操作スイッチ検出回路149で2Rスイッチ153がオフ状態であるか否かを検出する(ステップS146)。
そして、2Rスイッチ153がオン状態であることが検出されている場合には、AF/AECPU151は、絞り開放信号を通信回路138を介してLCPU133に送信する(ステップS147)。これにより、LCPU133は、絞り駆動回路135を制御して絞り132の開放駆動を行う。
その後、AF/AECPU151は、上記ステップS141またはステップS157での動体予測処理内の判定において、ミラーダウン駆動中での焦点調節レンズ102の駆動が必要であると判定されているか否かを確認する(ステップS148)。
ここで、焦点調節レンズ102の駆動が必要と判定されていると判断した場合には、AF/AECPU151は、通信回路138を介してLCPU133に上記ステップS141またはステップS157での動体予測処理内で求めた目標パルス数を送信する(ステップS149)。これにより、LCPU133は、レンズ駆動回路136を制御して焦点調節レンズ102の駆動を行う。
そして、AF/AECPU151は、上記ステップS141またはステップS157での動体予測処理内で求めたレンズ駆動期間の間、レンズ駆動終了処理の実行を待つ(ステップS150)。
その後、通信回路138を介してLCPU133にレンズ駆動停止信号を送信する(ステップS151)。これにより、LCPU133は、レンズ駆動回路136を制御して焦点調節レンズ102の駆動を停止させた後、その停止位置パルス数をAF/AECPU151に送信する。
また、AF/AECPU151は、上記ステップS147乃至ステップS150のレンズ駆動制御と並行して、本体CPU139は、ミラー制御回路145を制御してミラーダウン駆動を行う(ステップS152)。
そして、上記ステップS151及びステップS152の処理の後、あるいは、上記ステップS148において焦点調節レンズ102の駆動が不要と判定されていると判断した場合には、次に、AF/AECPU151は、前述の1Rシーケンス中から動作しているタイマのカウント値を読み出し、RAM158に格納する(ステップS153)。
その後、前述したステップS103乃至ステップS106、または、ステップS114乃至ステップS117と同様の測距動作を行い、デフォーカス量を検出する(ステップS154)。
そして、上記ステップS153の測距での測定データに信頼性が有るか否かを判断する(ステップS155)。
ここで、測距データに信頼性が有り、デフォーカス量が求められていると判断した場合には、上記ステップS154で求めたデフォーカス量を、上記ステップS153で取得したタイマカウント値と対応付け、時系列データとしてRAM158に格納する(ステップS156)。
その後、あるいは、上記ステップS155で信頼性が無く、デフォーカス量が求められていないと判断した場合には、次に、上記ステップS141と同様の動体予測処理を行う(ステップS157)。
そして、上記ステップS142と同様の動体予測レンズ駆動を行う(ステップS158)。
その後、上記ステップS143と同様のミラーアップ駆動、絞り駆動を行う(ステップS159)。
そして、上記ステップS144と同様の撮像処理を行って(ステップS160)、上記ステップS146に戻る。
これに対して、本体CPU139が、上記ステップS145において単写モードであると判断した場合、あるいは、上記ステップS146において2Rスイッチ153がオフ状態であることが検出されていると判断した場合には、更に、操作スイッチ検出回路149で1Rスイッチ152がオフ状態であることが検出されているか否かを判断する(ステップS161)。
そして、オン状態が検出されていると判断した場合には、前述した1Rシーケンスを再実行する。これに対して、オフ状態が検出されていると判断した場合には、撮影待機シーケンスへ移行して、ユーザによる次のカメラ操作を待つ。
図7は、上記ステップS141及び上記ステップS157でAF/AECPU151が実行する動体予測処理動作の一例を説明するためのフローチャートである。
即ち、まず、上記ステップS125と同様の連続性判定を行う(ステップS171)。なお、1Rシーケンス中、2Rオン直後、連写シーケンス中で判定値の切り替えレベル、判定値等を個別に設定可能な構成とし、各シーケンス毎に最適な処理が行えるようにしても良い。
そして、上記ステップS171での連続性判定の結果、不連続であるか否かを判断する(ステップS172)。
ここで、連続性判定結果が不連続であると判断した場合には、更に、連続性判定結果が所定回数以上連続で不連続であるか否か(または、最初に不連続と判定されてから所定時間以上連続で不連続であるか否か)を判断する(ステップS173)。
ここで、連続性判定結果が所定回数以上連続で不連続であると判断した場合(または、最初に不連続と判定されてから所定時間以上連続で不連続であると判断した場合)には、前述の1Rシーケンス中から動作しているタイマカウント値と対応付けて時系列データとしてRAM158に格納されている前回以前のデフォーカス量、目標パルス数等の時系列データをクリアする(ステップS174)。
その後、カメラの測距エリア選択モードがマルチAFモードであるか否かを判断する(ステップS175)。
そして、マルチAFモードであると判断した場合には、今回測距で選択されている測距エリアのデフォーカス量は無効データとし、選択エリア以外の測距エリアを最至近選択等の所定の選択方式により再選択して、再選択エリアのデフォーカス量をレンズ駆動用の有効データとする(ステップS176)。
これに対して、スポットAFモードであると判断した場合には、今回測距で検出されたデフォーカス量をレンズ駆動用の有効データとする(ステップS177)。
このようなステップS176又はステップS177を実行後、あるいは、上記ステップS172で不連続ではないと判断した場合には、次に、通信回路138を介してLCPU133に今回測距で検出されたデフォーカス量を送信する。これにより、LCPU133は、その受信したデフォーカス量と現在の焦点調節レンズ102の位置に基づいて目標パルス数を求め、AF/AECPU151に目標パルス数を送信する。AF/AECPU151は、その受信した目標パルス数を、前述の1Rシーケンス中から動作しているタイマカウント値と対応付け、時系列データとしてRAM158に格納する(ステップS178)。
一方、上記ステップS173において不連続という連続性判定結果が所定回数以上連続していないと判断した場合(または、最初に不連続と判定されてからの不連続の継続時間が所定時間未満であると判断した場合)には、更に、追尾している被写体の像面移動速度が高速であるか否かを判定する(ステップS179)。この像面移動速度の判定は、上記ステップS171の連続性判定内の結果を流用しても良いし、別個に判定基準を設けても良い。
そして、追尾している被写体の像面移動速度が高速であると判定した場合には、今回測距したデフォーカス量を無効データとする(ステップS180)。
なお、像面移動速度が高速でないと判定した場合には、上記ステップS151で取得した焦点調節レンズ102の現在位置を目標パルス数とする(ステップS181)。
上記ステップS180において今回測距したデフォーカス量を無効データとした後においては、あるいは、上記ステップS178で時系列データをRAM158に格納した後においては、前述した1Rシーケンス中から動作しているタイマカウント値と対応付けて時系列データとしてRAM158に格納されている目標パルス数の中の有効データから、最新データを基準として過去5点程度までのデータを動体予測用データとして抽出する(ステップS182)。
そして、このステップS182の有効データ抽出で、有効データが一つしかないか否かを判断する(ステップS183)。
ここで、有効データが一つしかないと判断した場合には、上記ステップS178で取得した目標パルス数を動体予測レンズ駆動時の目標パルス数に設定する(ステップS184)。但し、有効データが測距不能、不連続等で今回測距でのデータでない場合は、上記ステップS151で取得した焦点調節レンズ102の現在位置を目標パルス数とする。
これに対して、有効データが二つ以上有ると判断した場合には、上記ステップS182で抽出した動体予測用データの最新データと1点過去のデータとを用いて動体判定を行う(ステップS185)。この動体判定では、上記ステップS171での連続性判定と同様に、最新の目標パルス数と1点過去の目標パルス数の差である相対パルス数を像面移動速度の代用値として用い、これと各レンズ毎に内部データとして保持している合焦スレッシュパルス数(合焦とみなせる範囲のパルス数)に所定の固定係数Kを乗じた値とを比較して下記のように判定を行う。
相対パルス数<合焦スレッシュパルス数×K → 静止被写体(以下、静体と称する)
相対パルス数≧合焦スレッシュパルス数×K → 移動被写体(以下、動体と称する)
例えば、相対パルス数=100パルス、合焦スレッシュパルス数=10パルス、K=3とすると、
100≧10×3=30
となるので、この場合は動体と判定される。
ここで、上記ステップS185の動体判定の結果、静体と判定されたか否かを判断する(ステップS186)。静体と判定されたと判断した場合には、上記S184に進み、上記ステップS178で取得した目標パルス数を動体予測レンズ駆動時の目標パルス数に設定する。
これに対して、動体と判定されたと判断した場合には、上記ステップS182で抽出された動体予測用データの中の最古のデータ測距時のタイマカウント値を基準として各データ測距時の相対時刻(相対カウント値)を算出する(ステップS187)。
その後、前述の1Rシーケンス中から動作しているタイマの現在のカウント値を取得する(ステップS188)。
そして、上記ステップS182で抽出された動体予測用データの中の最新のデータ測距時点から本体CPU139がシャッタ制御回路146を制御して露光が開始される時点までのタイムラグを算出する(ステップS189)。このタイムラグは、図10に示すような下記の五つの時間に分割して考え、それぞれの時間を加算して求める。
(1)最新データ測距時点から上記ステップS188のタイマカウント取得までの時間T
これは、RAM158に格納されている最新データ測距時点と上記S188のタイマカウント取得時点でのカウント値の差をとることで算出する。
(2)焦点調節レンズ102の駆動時間Tld
これは、ROM157に予め格納されている駆動時間を読み出して求める。
(3)焦点調節レンズ102の停止処理時間T
これは、AF/AECPU151がLCPU133にレンズ停止を指示してからLCPU133がレンズ位置検出回路137の出力状態から焦点調節レンズ102の停止を確認し、AF/AECPU151にレンズ停止した情報を送信するまでの時間である。この時間は、焦点調節レンズ102の慣性の影響により、レンズ駆動状況に応じて大きく変動する。よって、レンズ駆動毎にこの時間を実測して、RAM158内の図11(A)に示すようなテーブル領域に、焦点調節レンズ102の現在のパルス数から上記ステップS190の動体予測演算結果の目標パルス数までの駆動パルス数に応じて測定時間を格納しておく。そして、まずはこの時間を所定の固定値または前回撮影時の設定時間として算出したタイムラグで仮の動体予測演算を行って仮の駆動パルス数を求め、正式な動体予測演算時はこの駆動パルス数によりこのテーブルデータを参照して停止処理時間を求める。但し、カメラの電源投入直後等にテーブル参照の際にテーブルデータがまだ格納されていない場合には、ROM157内に予め格納されている図11(B)のような固定テーブルのデータを参照する。
上記のようにレンズ停止時間の実測値をタイムラグ演算に使用することにより、動体予測演算精度の向上が図れる。
(4)ミラーアップ開始から露光開始までの時間T
これは、前コマ撮影時に実測してRAM158に格納されている値を読み出して求める。実測データがない場合は、ROM157に予め格納されている所定時間を読み出して求める。
(5)オフセット時間T
これは、ROM157に予め格納されている上記に含まれない演算、シーケンス移行処理時間等を読み出して求める。
上記五つのデータにより、タイムラグTt1は、下記のように算出する。
t1=T+Tld+T+T+T
こうしてタイムラグを求められたならば、次に、上記ステップS182で抽出された動体予測用データの個数、相対変化等に応じて所定の予測演算式を選択し、選択した式に上記ステップS189で求めたタイムラグを代入して、予測パルス数を求める(ステップS190)。
なお、予測演算式の選択につては、例えば、動体予測用のデータ個数が4個以上で単調変化している場合は二次式を選択し、データ個数が3個以下または4個以上でもデータの変化量に所定以上のばらつきがある場合は一次式を選択する。
また、この時点で、動体予測結果を最終的に使用するかどうかの判断を行い、今回測距と前回測距で検出されたデフォーカス量の符号が反転している場合や、現在の焦点調節レンズ102のパルス数から動体予測演算により求めた予測パルス数への駆動方向が今回測距で検出したデフォーカス量の符号と逆である場合等は、予測演算結果の使用を禁止する。
その後、上記ステップS190での予測結果使用許可判断の結果、予測結果の使用が許可されているか否かを判断する(ステップS191)。ここで、予測結果の使用禁止と判断された場合には、上記S184に進み、上記ステップS178で取得した目標パルス数を動体予測レンズ駆動時の目標パルス数に設定する。
これに対して、予測結果の使用許可と判断された場合には、上記ステップS152のミラーダウン中に行う上記ステップS149乃至ステップS151の焦点調節レンズ102の駆動制御時の駆動目標パルス数を求める(ステップS192)。
図12にコンティニュアスAFモードの連写時のシーケンスの概要、図13に動体に対しての焦点調節レンズ102の合焦パルス数の変化を示す。なお、これらの図において、TRは測距開始から露光まで時間、TMは露光から測距開始まで時間、TCは連写間隔時間、PTはnコマ目の測距で検出されたデフォーカス量に基づく目標パルス数、PEはnコマ目の動体予測演算結果の予測パルス数、PMはnコマ目のミラーダウン中レンズ駆動の目標パルス数、Tはnコマ目の測距タイミング、TEはnコマ目の露光タイミング、DRはn−1コマ目とnコマ目の相対パルス数、DMはnコマ目のミラーダウン中のレンズ駆動パルス数、をそれぞれ示している。
コンティニュアスAFモードでの連写中は、動体の移動にレンズ駆動が追従できている場合は露光のタイミングで合焦となるが、動体の移動が高速で像面移動量が大きい場合、ミラーダウン中にレンズが停止していると測距時点でのデフォーカス量が大きくなるので、検出精度が劣化したり、動体予測レンズ駆動による追従が困難になる。
そこで、連写1コマ間で露光から測距開始までの合焦パルス数の変化量(像面移動量)を簡易的に予測して次コマでの目標パルス数を求め、ミラーダウン中にレンズ駆動を行うことで、測距精度、動体追従性の向上を図る。
次コマでの目標パルス数PMn+1は、上記ステップS190の動体予測演算結果の予測パルス数PE、連写間隔時間TC、露光から測距開始まで時間TM、上記ステップS185の動体判定で用いた相対パルス数DR(連写間隔中の合焦パルス数の変化量に相当する)を用いて以下のように求める。
PMn+1=PE+DMn+1=PE+DR×(TM/TC)×K
上式のKはレンズ駆動方向に応じて設定される係数で、
(1)無限方向駆動時:K=K
(2)至近方向駆動時:K=K
<K
となるように、例えばK=0.9、K=1.1のように設定する。このような設定を行うのは、動体が等速運動をしているとした場合、像面移動速度が無限方向に遠ざかるときは減少し、至近方向に近づいてくる場合は増加するためである。
以上のようにして、上記ステップS181、ステップS184、又は上記ステップS192により、駆動目標パルス数が設定又は演算されたならば、上記ステップS152のミラーダウン中に行う上記ステップS149乃至ステップS151の焦点調節レンズ102の駆動制御の実行許可判定を行う(ステップS193)。
即ち、上記の駆動制御は高速被写体時に有効であり、低速被写体時に実行した場合には被写体速度変化や、レンズの停止精度ばらつきにより、検出されるデフォーカス量の符号反転等が発生して動体予測精度が劣化する可能性がある。そこで、下記の二つの判定により低速被写体(像面移動速度小)かどうかを判断し、次コマでの実行を禁止する。
(1)上記ステップS185の動体判定で用いた相対パルス数DRが合焦スレッシュパルス数に所定の固定係数Kmdを乗じた値よりも小さい場合
DR<合焦スレッシュパルス数×Kmd
(2)今回測距で検出されたデフォーカス量が所定値よりも小さい場合
以上の動体予測処理が終了したならば2Rシーケンスにリターンして、上記ステップS142又は上記ステップS158の動体予測レンズ駆動処理を実施することになる。
図8は、上記ステップS142及び上記ステップS158でAF/AECPU151が実行する動体予測レンズ駆動制御の一例を説明するためのフローチャートである。
即ち、まず、上記ステップS141又は上記ステップS157の動体予測処理での動体予測演算結果を用いての焦点調節レンズ102の駆動制御が可能、または、許可されているか否かを判断する(ステップS201)。
ここで、動体予測用データの個数不足、動体判定結果が静体、動体予測許可判定結果が禁止、の何れでもない場合には、通信回路138を介してLCPU133に上記ステップS190での動体予測演算により求めた予測パルス数を送信する(ステップS202)。これにより、LCPU133は、それに応じてレンズ駆動回路136を制御して焦点調節レンズ102の駆動を行う。
ここで、本実施形態においては、焦点調節レンズ位置が駆動目標位置に達せずレンズ駆動期間内にレンズ駆動が停止しない場合には、図14に示すように、所定の延長期間を設定するようにしている。そこで、AF/AECPU151は、初期のレンズ駆動期間内で焦点調節レンズ102の駆動制御が終了せず、レンズ駆動期間を延長する場合に使用する予測パルス数を演算する(ステップS203)。ここでの演算は、上記ステップS190での動体予測演算と同様の演算を行うが、レンズ駆動延長期間分の時間TをタイムラグTt1に加え、
t1=T+Tld+T+T+T+T
として演算を行う。
そして、ROM157に予め格納されているレンズ駆動期間を読み出し、上記ステップS202のレンズ駆動開始からこの時間が経過するのを待つ(ステップS204)。即ち、図15に示すように、レンズ駆動期間中に、焦点調節レンズ102の位置が目標位置に達して駆動が終了しても、そのレンズ駆動期間に設定されている時間が経過するまで待つ。
その後、カメラのレリーズ優先モードがオンであるか否かを判断し(ステップS205)、それがオンであると判断した場合には後述するステップS214に進む。
これに対して、レリーズ優先モードがオフであると判断した場合には、通信回路138を介してLCPU133にレンズ駆動状況の送信を指示する(ステップS206)。これにより、LCPU133は、レンズ位置検出回路137の出力状態から焦点調節レンズ102の駆動状況(駆動中/停止中)を判断し、その判断結果をAF/AECPU151に送信する。
AF/AECPU151は、上記ステップS206で取得したデータより焦点調節レンズ102の駆動が停止しているか否かを判断し(ステップS207)、停止していると判断した場合には後述するステップS214に進む。
これに対して、焦点調節レンズ102が駆動中であると判断した場合には、通信回路138を介してLCPU133に上記ステップS203での再動体予測演算により求めた予測パルス数を送信する(ステップS208)。これにより、LCPU133は、それに応じてレンズ駆動回路136を制御して焦点調節レンズ102の駆動を行う。
また、AF/AECPU151は、焦点調節レンズ102の駆動制御が終了せず、さらにレンズ駆動期間を延長する場合に使用する予測パルス数を演算する(ステップS209)。ここでの演算は、上記ステップS190での動体予測演算と同様の演算を行うが、レンズ駆動延長期間分の時間Tに延長回数Nを乗じた時間をタイムラグTt1に加え、
t1=T+Tld+T+T+T+T×N
として演算を行う。以上のようにすることで動体予測演算精度を劣化させることなく、大きなレンズ駆動量が必要な被写体に対する追従性を向上させることができる。
そして、ROM157に予め格納されているレンズ駆動延長期間を読み出し、上記ステップS208のレンズ駆動開始からこの時間が経過するのを待つ(ステップS210)。即ち、レンズ駆動延長期間中に、焦点調節レンズ102の位置が目標位置に達して駆動が終了しても、該レンズ駆動延長期間に設定されている時間が経過するまで待つ。
その後、上記ステップS206と同様に、焦点調節レンズ102の駆動状況を取得する(ステップS211)。
そして、ROM157に予め格納されているレンズ駆動延長最大回数を読み出し、現在の延長回数が最大回数に達しているか否かを判断し(ステップS212)、最大回数に達していると判断した場合には後述するステップS214に進む。
これに対して、現在の延長回数がまだ最大回数に達していないと判断した場合には、上記ステップS211で取得したデータより焦点調節レンズ102の駆動が停止しているか否かを判断し(ステップS213)、焦点調節レンズ102が駆動中であると判断した場合には上記ステップS208に戻る。
これに対して、焦点調節レンズ102の駆動が停止していると判断した場合には、あるいは、上記ステップS205においてカメラのレリーズ優先モードがオンであると判断した場合には、あるいは、上記ステップS207において焦点調節レンズ102の駆動が停止していると判断した場合には、あるいは、上記ステップS212において現在の延長回数が最大回数に達していると判断した場合には、前述の1Rシーケンス中から動作しているタイマの現在のカウント値を取得する(ステップS214)。
そして、通信回路138を介してLCPU133にレンズ駆動停止信号を送信する(ステップS215)。これにより、LCPU133は、レンズ駆動回路136を制御して焦点調節レンズ102の駆動を停止させた後、その停止位置パルス数をAF/AECPU151に送信する。
この停止位置パルス数を受信すると、AF/AECPU151は、前述の1Rシーケンス中から動作しているタイマの現在のカウント値を取得する(ステップS216)。
そして、カメラのレリーズ優先モードがオンであるか否かを判断し(ステップS217)、それがオフであると判断した場合には2Rシーケンスにリターンして、上記ステップS143又は上記ステップS159のミラーアップ・絞り駆動処理を実施することになる。
これに対して、カメラのレリーズ優先モードがオンであると判断した場合には、動体予測演算に使用するタイムラグの演算用に、上記ステップS214で取得したタイマカウント値と上記ステップS216で取得したタイマカウント値との差を、RAM158内の図11(A)に示すテーブルの今回の動体予測レンズ駆動の駆動パルス数で参照される領域に焦点調節レンズ102の停止処理時間として格納した後に(ステップS218)、2Rシーケンスにリターンする。
このステップS218においてRAM158に焦点調節レンズ102の停止処理時間を格納する際、参照領域に既に有効なデータが格納されている場合には、既に格納されているデータと新たに格納しようとしたデータとの平均値を最新のデータとして格納する。このような格納方法を行うのは、レンズ駆動時間のばらつきの影響を抑えつつ最新駆動条件に対して重み付けを行うためである。
以上のようにすることで、停止処理時間の誤差を抑えることができる。上記に加えてさらに、姿勢センサや温度センサを設け、ROM157及びRAM158にカメラの姿勢や温度等の条件毎のテーブルを設定し、そのテーブルも参照することで停止処理時間を予測するようにすれば、更に誤差を抑えることができる。
一方、上記ステップS201において、動体予測用データの個数不足、動体判定結果が静体、動体予測許可判定結果が禁止の何れかであると判断した場合には、通信回路138を介してLCPU133に上記ステップS184で設定されたデフォーカス量分相当の目標パルス数を送信する(ステップS219)。これにより、LCPU133は、それに応じてレンズ駆動回路136を制御して焦点調節レンズ102の駆動を行う。
そして、AF/AECPU151は、上記ステップS204と同様に、ROM157に予め格納されているレンズ駆動期間を読み出し、上記ステップS219のレンズ駆動開始からこの時間が経過するのを待つ(ステップS220)。
その後、カメラのレリーズ優先モードがオンであるか否かを判断し(ステップS221)、それがオンであると判断した場合には上記ステップS214に進む。
これに対して、レリーズ優先モードがオフであると判断した場合には、上記ステップS205と同様に、通信回路138を介してLCPU133にレンズ駆動状況の送信を指示する(ステップS222)。これにより、LCPU133は、レンズ位置検出回路137の出力状態から焦点調節レンズ102の駆動状況(駆動中/停止中)を判断し、その判断結果をAF/AECPU151に送信する。
そして、AF/AECPU151は、上記ステップS222で取得したデータより焦点調節レンズ102の駆動が停止しているか否かを判断し(ステップS223)、まだ駆動中であると判断した場合には上記ステップS222に戻る。
これに対して、焦点調節レンズ102の駆動が停止していると判断した場合には、上記ステップS214に進む。
上記ステップS214以降の処理は前述した通りである。
以上のように、本実施形態によれば、検出したデフォーカス量をLCPU133へ送信した際の戻り値として返信される焦点調節レンズ102の駆動目標位置を、LCPU133へのデフォーカス量送信時近傍でLCPU133より取得したその時点での焦点調節レンズ位置を用いて補正し、補正後の駆動目標位置を使用して動体予測制御を行うようにしている。レリーズ釦半押し中に測距動作が連続的に実行されている間に焦点調節レンズ102が駆動していると、測距時点からLCPU133へのデフォーカス量送信までの間に焦点調節レンズ102の位置が変化するので、デフォーカス量送信の戻り値として取得するレンズ駆動目標位置にこのレンズ位置変化分の誤差が含まれてしまい、この誤差の影響で動体予測精度が劣化してしまうが、本実施形態によれば、補正後の駆動目標位置を使用して動体予測制御を行うので、動体予測精度が劣化することはなく、高精度な動体予測制御を行うことが可能となる。
また、本実施形態によれば、同一の被写体を追尾できているか否かを判定するための連続性判定値を、被写体移動による像面移動速度に応じて切り替えるようにしているので、像面移動速度が速い被写体を追尾している際に、実際には同じ被写体を測距しているにもかかわらず連続性がないと判定してしまう虞が無く、高精度な動体予測制御を行うことが可能となる。
更に、本実施形態によれば、焦点調節レンズ102の停止処理時間を測定して記憶しておき、該記憶されているデータに基づいて停止処理時間を予測し、その予測結果を用いて動体予測制御に関わるタイムラグを予測して動体予測制御を行うようにしているので、レンズ駆動量の大小でレンズが停止するまでの停止処理時間がばらつくとしても、高精度な動体予測制御を行うことが可能となる。
また、本実施形態によれば、所定のレンズ駆動初期期間中は焦点調節レンズ102の駆動制御前に動体予測演算により演算した焦点調節レンズ102の駆動目標位置で焦点調節レンズ102の駆動制御を行い、そのレンズ駆動初期期間内にレンズ駆動が停止しない場合には、所定の延長期間を設定して、それを動体予測演算に関わるタイムラグに加算して動体予測演算を行い算出した駆動目標位置で焦点調節レンズ102の駆動制御を行うようにしている。従って、レンズ駆動を行う期間を固定時間とし、この固定時間経過まではレンズ駆動が終了しても絞り駆動、ミラーアップ駆動を開始しないようにすることで、高精度な動体予測制御を行うことが可能となる。また、上記固定時間を短めにしておくことで、レンズ駆動が短時間で済む場合はレリーズタイムラグは短く、上記固定時間内に駆動が終了しない場合には延長期間を設定して再動体予測演算を行うことで、高精度な動体予測制御を行うことが可能となる。
更に、像面移動速度が遅い場合や、高速から低速側に変化する場合にはミラーダウン動作中にレンズ駆動を行うと、このレンズ駆動の影響でデフォーカス量の連続性が崩れ、動体予測精度が劣化する副作用が発生するが、本実施形態によれば、被写体移動による像面移動速度が高速である場合にのみミラーダウン動作中の焦点調節レンズ102の駆動制御を行うようにしているので、そのような副作用は発生せず、高精度な動体予測制御を行うことが可能となる。
以上、一実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は上述した一実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形や応用が可能なことは勿論である。
図1は、本発明の一実施形態に係る自動焦点調節装置を搭載した、本発明の一実施形態に係るカメラとしての一眼レフレクスカメラの概観図である。 図2は、ファインダ内に表示される焦点検出エリアについての概略図である。 図3(A)は、焦点検出光学系の構成を示す図であり、図3(B)は、視野マスクの正面図であり、図3(C)は、セパレータ絞りマスクの正面図であり、図3(D)は、セパレータレンズの正面図であり、図3(E)は、AFセンサの正面図であり、図3(F)は、交換レンズ部内の各レンズ群を合成した仮想的なレンズである撮影レンズの正面図である。 図4は、図1のカメラの電気的な構成を示すブロック図である。 図5は、図1のカメラのコンティニュアスAFモードの1Rシーケンス動作の一例を説明するためのフローチャートを示す図である。 図6は、図1のカメラのコンティニュアスAFモードの2Rシーケンス動作の一例を説明するためのフローチャートを示す図である。 図7は、図6中の動体予測処理動作の一例を説明するためのフローチャートを示す図である。 図8は、図6中の動体予測レンズ駆動制御の一例を説明するためのフローチャートを示す図である。 図9は、1Rシーケンス中の任意期間での合焦レンズ位置と実際のレンズ位置との関係を示す模式図である。 図10は、2Rシーケンスの一例を示す概要図である。 図11は、焦点調節レンズの停止処理時間参照用テーブルの例を示す図で、特に、図11(A)は、レンズ駆動毎の実測値により更新されるRAMテーブルを示し、図11(B)は、RAMテーブルデータが無い場合の参照用の予めデータ設定されるROMテーブルを示す。 図12は、連写シーケンスの一例を示す概要図である。 図13は、ミラーダウン中のレンズ駆動量の算出方法の一例を示す概念図である。 図14は、レンズ駆動期間内にレンズ停止せずにレンズ駆動期間を延長する場合の連写シーケンスの一例を示す概要図である。 図15は、レンズ駆動期間内にレンズ停止する場合の連写シーケンスの一例を示す概要図である。
符号の説明
100…カメラ本体、 101…交換レンズ部、 102…焦点調節レンズ、 103…ズームレンズ、 104…メインミラー、 105…サブミラー、 106…焦点検出光学系、 107…焦点検出センサ(AFセンサ)、 108…フォーカルプレンシャッタ、 109…撮像素子、 110…スクリーンマット、 111…ファインダ光学系、 112…接眼レンズ、 113…焦点検出エリアマーク、 120…視野マスク、 121…コンデンサレンズ、 122…全反射ミラー、 123…赤外カットフィルタ、 124…セパレータ絞りマスク、 124a〜124d,127…開口部、 125,125a〜125d…セパレータレンズ、 126…撮影レンズ、 126a〜126d…領域、 128a〜128d…フォトダイオードアレイ部、 129…一次結像面、 130…ズーム駆動用回転環、 131…マニュアルフォーカス用回転環(MF用回転環)、 133…レンズCPU(LCPU)、 134…ズーム位置検出回路、 135…絞り駆動回路、 136…レンズ駆動回路、 137…レンズ位置検出回路、 138…通信回路、 139…本体CPU、 140,155,156…通信ライン、 141,157…フラッシュROM(FROM)、 142,158…RAM、 143…撮像素子制御回路、 144…ストロボ制御回路、 145…ミラー制御回路、 146…シャッタ制御回路、 147…画像処理回路、 148…表示回路、 149…操作スイッチ検出回路、 150…電源回路、 151…AF/AECPU、 152…第1レリーズスイッチ(1Rスイッチ)、 153…第2レリーズスイッチ(2Rスイッチ)、 154…電池、 159…測光回路、 160…焦点検出回路、 161…補助光回路。

Claims (14)

  1. 移動する被写体に合焦させる動体予測制御を行うカメラにおいて、
    撮影レンズ内に設けられ、焦点調節をするための焦点調節レンズと、
    上記焦点調節レンズに関する被写体のデフォーカス量を検出するデフォーカス量検出手段と、
    上記デフォーカス量検出手段で検出したデフォーカス量の連続性判定により、同一の被写体を追尾できているか否かを判定する連続性判定手段と、
    被写体移動による像面移動速度に応じて上記連続判定手段での連続性判定に用いる連続性判定値を切り替える判定値切替手段と、
    を具備することを特徴とするカメラ。
  2. 上記連続性判定手段は、上記連続性判定値を像面移動速度が遅いほど不連続と判定され易く、像面移動速度が速いほど不連続と判定され難い値に設定することを特徴とする請求項1に記載のカメラ。
  3. 上記連続性判定手段は、上記デフォーカス量検出手段により前回検出されたデフォーカス量と今回検出されたデフォーカス量の差の絶対値と、上記判定値切替手段により設定された連続性判定値とに基づいて、上記デフォーカス量の連続性判定を行うことを特徴とする請求項1に記載のカメラ。
  4. 上記連続性判定手段は、上記デフォーカス量検出手段により前回検出されたデフォーカス量の絶対値が所定値以下の場合にのみ、上記デフォーカス量の連続性判定を行うことを特徴とする請求項1に記載のカメラ。
  5. 上記連続性判定手段は、上記連続性の判定結果が不連続であった場合に像面移動速度に応じて複数の動体予測制御動作を切り替えることを特徴とする請求項1に記載のカメラ。
  6. 上記撮影レンズは、合焦とみなせる焦点調節レンズ位置範囲である合焦スレッシュを記憶した記憶手段を有し、
    上記判定値切替手段は、上記記憶手段に記憶されている上記合焦スレッシュと、上記デフォーカス量検出手段でのデフォーカス量検出間隔時間内での上記焦点調節レンズの移動量とに基づいて、上記連続性判定値の切り替え判断を行うことを特徴とする請求項1に記載のカメラ。
  7. 上記判定値切替手段による判定値切り替えのための判定レベル及び上記連続性判定値を、動作シーケンスの種類に応じて個別に設定可能とすることを特徴とする請求項1に記載のカメラ。
  8. 移動する被写体に合焦させる動体予測制御を行うカメラの自動焦点調節装置において、
    カメラの撮影レンズ内に設けられ、焦点調節をするための焦点調節レンズに関する被写体のデフォーカス量を検出するデフォーカス量検出手段と、
    上記焦点調節レンズに関する被写体のデフォーカス量を検出するデフォーカス量検出手段と、
    上記デフォーカス量検出手段で検出したデフォーカス量の連続性判定により、同一の被写体を追尾できているか否かを判定する連続性判定手段と、
    被写体移動による像面移動速度に応じて上記連続判定手段での連続性判定に用いる連続性判定値を切り替える判定値切替手段と、
    を具備することを特徴とするカメラの自動焦点調節装置。
  9. 上記連続性判定手段は、上記連続性判定値を像面移動速度が遅いほど不連続と判定され易く、像面移動速度が速いほど不連続と判定され難い値に設定することを特徴とする請求項8に記載のカメラの自動焦点調節装置。
  10. 上記連続性判定手段は、上記デフォーカス量検出手段により前回検出されたデフォーカス量と今回検出されたデフォーカス量の差の絶対値と、上記判定値切替手段により設定された連続性判定値とに基づいて、上記デフォーカス量の連続性判定を行うことを特徴とする請求項8に記載のカメラの自動焦点調節装置。
  11. 上記連続性判定手段は、上記デフォーカス量検出手段により前回検出されたデフォーカス量の絶対値が所定値以下の場合にのみ、上記デフォーカス量の連続性判定を行うことを特徴とする請求項8に記載のカメラの自動焦点調節装置。
  12. 上記連続性判定手段は、上記連続性の判定結果が不連続であった場合に像面移動速度に応じて複数の動体予測制御動作を切り替えることを特徴とする請求項8に記載のカメラの自動焦点調節装置。
  13. 上記判定値切替手段は、上記撮影レンズに記憶されている合焦とみなせる焦点調節レンズ位置範囲である合焦スレッシュと、上記デフォーカス量検出手段でのデフォーカス量検出間隔時間内での上記焦点調節レンズの移動量とに基づいて、上記連続性判定値の切り替え判断を行うことを特徴とする請求項8に記載のカメラの自動焦点調節装置。
  14. 上記判定値切替手段による判定値切り替えのための判定レベル及び上記連続性判定値を、動作シーケンスの種類に応じて個別に設定可能とすることを特徴とする請求項8に記載のカメラの自動焦点調節装置。
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