JP2009126907A - ゴム組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】加工性、作業性および低燃費性に優れたゴム組成物を提供する。
【解決手段】ジエン系ゴム成分(A)100重量部に対して、チッ素吸着比表面積が50〜300m2/gのシリカ(B)を5〜150重量部、特定の構造を有し、メルカプト基の含有量が1〜15%であるシランカップリング剤(C)を該シリカ100重量部に対しいて3〜15重量部、酸化亜鉛(D)を5〜20重量部含有するゴム組成物。
【選択図】なし
【解決手段】ジエン系ゴム成分(A)100重量部に対して、チッ素吸着比表面積が50〜300m2/gのシリカ(B)を5〜150重量部、特定の構造を有し、メルカプト基の含有量が1〜15%であるシランカップリング剤(C)を該シリカ100重量部に対しいて3〜15重量部、酸化亜鉛(D)を5〜20重量部含有するゴム組成物。
【選択図】なし
Description
本発明は、ゴム組成物に関する。
これまで、タイヤの転がり抵抗を低減して発熱を抑えることにより、車の低燃費化が行われてきた。近年、とくにタイヤの低燃費化への要求が強くなってきており、タイヤ部材のなかでも、タイヤにおける占有比率の高いトレッドに対して、優れた低発熱性が要求されている。このような問題を解決するために、近年、タイヤのトレッドに使用するゴム組成物にシリカを使用することがなされてきた。しかし、シリカはカーボンブラックと比べると、ゴムに対する親和性が低く、補強効果が小さい。
補強効果の小さいシリカを用いて低発熱性を満足させる方法として、シリカの配合量を低減する方法や、より補強性の小さい充填剤を使用することが知られているが、その場合、耐摩耗性やグリップ性能が大きく低下するという問題があった。このように、転がり抵抗の低減や、耐摩耗性、グリップ性能の向上などをバランスよく高度に保つことができるタイヤを製造することができるゴム組成物は、現在まで知られていなかった。
一方、ゴムとシリカの結合がより強固になれば、これらのバランスの良いゴム組成物を調製できると考えられる。そこで、シリカを配合することによる補強効果をカーボンブラックと同程度にするために、ゴムとシリカを化学的に結合させ、補強性を増大させることを目的としてシランカップリング剤を使用することが知られている(たとえば、特許文献1参照)。ただし、ゴムとシリカがシランカップリング剤を介して化学的に結合する反応は低燃費性、耐摩耗性、グリップ性能などの性能は向上するが、この反応が加硫前に起こると加工性が非常に悪化するという問題がある。そのため、現在は反応性があまり高くないスルフィド系シランカップリング剤が用いられている。低燃費性を向上させることを考慮すると、反応性の高いチオール基(メルカプト基)を有するシランカップリング剤を使用することが好ましいが、加工性に問題があるため、現実的には使用することができなかった。
本発明は、加工性、作業性および低燃費性に優れたゴム組成物を提供することを目的とする。
本発明は、(A)ジエン系ゴム成分100重量部に対して、
(B)チッ素吸着比表面積が30〜500m2/gのシリカを5〜150重量部、
該シリカ(B)100重量部に対して、
(C)(C1)式(C1):
(式中、R1、R2およびR3は同じかまたは異なり、いずれも炭素数1〜8のアルキル基もしくは炭素数1〜8のアルコキシ基、水素原子または炭素数6〜30のアリール基;ただし、R1、R2およびR3の少なくとも1つは炭素数1〜8のアルコキシ基;R4は炭素数1〜30のアルキレン基である)
で示され、メルカプト基の含有率が1〜15%であるシランカップリング剤、
(C2)式(C2):
[式中、R5は−O−(R9−O)m−R10(m個のR9は同じかまたは異なり、いずれも炭素数1〜30の2価の炭化水素基;R10は炭素数1〜30のアルキル基、炭素数2〜30のアルケニル基、炭素数6〜30のアリール基または炭素数7〜30のアラルキル基;mは1〜30の整数);R6およびR7は同じかまたは異なり、いずれもR5と同じ、炭素数1〜12のアルキル基または−O−R11(R11は水素原子、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数2〜30のアルケニル基、炭素数6〜30のアリール基、炭素数7〜30のアラルキル基);R8はR4と同じである]
で示され、メルカプト基の含有率が1〜15%であるシランカップリング剤、および
(C3)分子中に、
(C3a)式(C3a):
(式中、R12は、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜30のアルキル基、アリル基または炭素数2〜30のアルケニル基である)
で示される結合ユニットを20〜99モル%、
(C3b)式(C3b):
(式中、R13は、R12と同じである)
で示される結合ユニットを1〜80モル%
有し、メルカプト基の含有率が1〜15%であるシランカップリング剤
よりなる群から選ばれる少なくとも1種のシランカップリング剤を4〜15重量部、
(D)酸化亜鉛を5〜20重量部含有するゴム組成物に関する。
(B)チッ素吸着比表面積が30〜500m2/gのシリカを5〜150重量部、
該シリカ(B)100重量部に対して、
(C)(C1)式(C1):
で示され、メルカプト基の含有率が1〜15%であるシランカップリング剤、
(C2)式(C2):
で示され、メルカプト基の含有率が1〜15%であるシランカップリング剤、および
(C3)分子中に、
(C3a)式(C3a):
で示される結合ユニットを20〜99モル%、
(C3b)式(C3b):
で示される結合ユニットを1〜80モル%
有し、メルカプト基の含有率が1〜15%であるシランカップリング剤
よりなる群から選ばれる少なくとも1種のシランカップリング剤を4〜15重量部、
(D)酸化亜鉛を5〜20重量部含有するゴム組成物に関する。
前記酸化亜鉛(D)の配合量は、ジエン系ゴム成分(A)100重量部に対して8〜20重量部であることが好ましい。
本発明によれば、ジエン系ゴム成分(A)、特定のシリカ(B)、特定のシランカップリング剤(C)および酸化亜鉛(D)を特定量配合することで、加工性、作業性および低燃費性に優れたゴム組成物を提供することができる。
本発明のゴム組成物は、ジエン系ゴム成分(A)、シリカ(B)、シランカップリング剤(C)および酸化亜鉛(D)を含有する。
ジエン系ゴム成分(A)としては、とくに制限はなく、ゴム工業で通常使用されるものを使用することができ、たとえば、天然ゴム(NR)、合成イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム(IIR)、スチレンイソプレンブタジエンゴム(SIBR)などがあげられ、タイヤ用ゴムとして充分な強度を有し、優れた耐摩耗性を示す点から、SBR単独、またはNRとSBRを組み合わせて用いることが好ましい。なお、本発明のゴム組成物をスタッドレスタイヤに使用する場合は、NRとBRを組み合わせて用いることが好ましい。
シリカ(B)としては、乾式法により得られるシリカ(無水ケイ酸)(B1)や、湿式法により得られるシリカ(含水ケイ酸)(B2)などがあげられ、とくに含水ケイ酸(B2)が好ましい。
シリカ(B)のチッ素吸着比表面積(N2SA)は30m2/g以上、好ましくは50m2/g以上である。シリカ(B)のN2SAが30m2/g未満では、加硫後の破壊強度が悪化する。また、シリカ(B)のN2SAは500m2/g以下、好ましくは300m2/g以下である。シリカ(B)のN2SAが500m2/gをこえると、加工性が悪化する。
シリカ(B)の配合量は、ジエン系ゴム成分(A)100重量部に対して5重量部以上、好ましくは10重量部以上である。シリカ(B)の配合量が5重量部未満では、充分な強度が得られない。また、シリカ(B)の配合量は、ジエン系ゴム成分(A)100重量部に対して150重量部以下、好ましくは120重量部以下である。シリカ(B)の配合量が150重量部をこえると、ゴム組成物中にシリカを均一に分散させることが困難となり、加工性が悪化する。
シランカップリング剤(C)は、式(C1):
(式中、R1、R2およびR3は同じかまたは異なり、いずれも炭素数1〜8のアルキル基もしくは炭素数1〜8のアルコキシ基、水素原子または炭素数6〜30のアリール基;ただし、R1、R2およびR3の少なくとも1つは炭素数1〜8のアルコキシ基;R4は炭素数1〜30のアルキレン基である)
で示され、メルカプト基の含有率が1〜15%であるシランカップリング剤(C1)、式(C2):
[式中、R5は−O−(R9−O)m−R10(m個のR9は同じかまたは異なり、いずれも炭素数1〜30の2価の炭化水素基;R10は炭素数1〜30のアルキル基、炭素数2〜30のアルケニル基、炭素数6〜30のアリール基または炭素数7〜30のアラルキル基;mは1〜30の整数);R6およびR7は同じかまたは異なり、いずれもR5と同じ、炭素数1〜12のアルキル基または−O−R11(R11は水素原子、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数2〜30のアルケニル基、炭素数6〜30のアリール基、炭素数7〜30のアラルキル基);R8はR4と同じである]
で示され、メルカプト基の含有率が1〜15%であるシランカップリング剤(C2)、および式(C3a):
(式中、R12は、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜30のアルキル基、アリル基または炭素数2〜30のアルケニル基である)
で示される結合ユニット(C3a)を20〜99モル%、式(C3b):
(式中、R13は、R12と同じである)
で示される結合ユニット(C3b)を1〜80モル%有し、メルカプト基の含有率が1〜15%であるシランカップリング剤(C3)よりなる群から選ばれる少なくとも1種のシランカップリング剤である。
で示され、メルカプト基の含有率が1〜15%であるシランカップリング剤(C1)、式(C2):
で示され、メルカプト基の含有率が1〜15%であるシランカップリング剤(C2)、および式(C3a):
で示される結合ユニット(C3a)を20〜99モル%、式(C3b):
で示される結合ユニット(C3b)を1〜80モル%有し、メルカプト基の含有率が1〜15%であるシランカップリング剤(C3)よりなる群から選ばれる少なくとも1種のシランカップリング剤である。
シランカップリング剤(C)のメルカプト基の含有量は1%以上、好ましくは2%以上である。メルカプト基の含有量が1%未満では、シランカップリング剤(C)を介したゴムとシリカとの化学的な結合が充分に生じず、低燃費性、耐摩耗性、グリップ性能が悪化する。また、シランカップリング剤(C)のメルカプト基の含有量は15%以下、好ましくは10%以下である。メルカプト基の含有量が15%をこえると、加工性と低燃費性、耐摩耗性、グリップ性能などの性能とのバランスをとることが困難になる。
式(C1)において、R1、R2およびR3は同じかまたは異なり、いずれも炭素数1〜8のアルキル基もしくは炭素数1〜8のアルコキシ基、水素原子または炭素数6〜30のアリール基である。ただし、R1、R2およびR3の少なくとも1つは炭素数1〜8のアルコキシ基である。
R1、R2およびR3の具体例としては、たとえば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基などがあげられ、なかでも、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基が好ましい。
式(C1)において、R4は炭素数1〜30のアルキレン基、好ましくは炭素数2〜18のアルキレン基である。
R4の具体例としては、たとえば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、へキシレン基、ヘプチレン基、オクチレン基、ノニレン基、デシレン基、ウンデシレン基、ドデシレン基などがあげられ、なかでも、ブチレン基、ペンチレン基、へキシレン基、ヘプチレン基、オクチレン基、ノニレン基、デシレン基、ウンデシレン基、ドデシレン基が好ましい。
式(C2)において、R5は、−O−(R9−O)m−R10(m個のR9は同じかまたは異なり、いずれも炭素数1〜30の2価の炭化水素基;R10は炭素数1〜30のアルキル基、炭素数2〜30のアルケニル基、炭素数6〜30のアリール基または炭素数7〜30のアラルキル基、好ましくは炭素数11〜30のアルキル基、炭素数11〜30のアルケニル基、炭素数11〜30のアリール基または炭素数11〜30のアラルキル基;mは1〜30の整数)である。
R5の具体例としては、たとえば、−O−(C2H4−O)5−C11H23、−O−(C2H4−O)5−C12H25、−O−(C2H4−O)5−C13H27、−O−(C2H4−O)5−C14H29、−O−(C2H4−O)5−C15H31、−O−(C2H4−O)3−C13H27、−O−(C2H4−O)4−C13H27、−O−(C2H4−O)6−C13H27、−O−(C2H4−O)7−C13H27などがあげられ、なかでも、−O−(C2H4−O)5−C11H23、−O−(C2H4−O)5−C13H27、−O−(C2H4−O)5−C15H31、−O−(C2H4−O)6−C13H27が好ましい。
式(C2)において、R6およびR7は同じかまたは異なり、いずれもR5と同じ、炭素数1〜12のアルキル基または−O−R11(R11は水素原子、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数2〜30のアルケニル基、炭素数6〜30のアリール基、炭素数7〜30のアラルキル基、好ましくは炭素数11〜30のアルキル基、炭素数11〜30のアルケニル基、炭素数11〜30のアリール基または炭素数11〜30のアラルキル基)である。
R6およびR7の具体例としては、たとえば、−O−(C2H4−O)5−C11H23、−O−(C2H4−O)5−C12H25、−O−(C2H4−O)5−C13H27、−O−(C2H4−O)5−C14H29、−O−(C2H4−O)5−C15H31、−O−(C2H4−O)3−C13H27、−O−(C2H4−O)4−C13H27、−O−(C2H4−O)6−C13H27、−O−(C2H4−O)7−C13H27などがあげられ、なかでも、−O−(C2H4−O)5−C11H23、−O−(C2H4−O)5−C13H27、−O−(C2H4−O)5−C15H31、−O−(C2H4−O)6−C13H27が好ましい。
また、R8はR4と同じであり、炭素数1〜30のアルキレン基、好ましくは炭素数2〜18のアルキレン基である。
R8の具体例としては、たとえば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、へキシレン基、ヘプチレン基、オクチレン基、ノニレン基、デシレン基、ウンデシレン基、ドデシレン基などがあげられ、なかでも、ブチレン基、ペンチレン基、へキシレン基、ヘプチレン基、オクチレン基、ノニレン基、デシレン基、ウンデシレン基、ドデシレン基が好ましい。
式(C3a)において、R12は、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜30のアルキル基、アリル基または炭素数2〜30のアルケニル基であり、式(C3b)において、R13はR12と同じである。
R12およびR13の具体例としては、たとえば、エチル基、プロピル基、ブチル基、フェニル基などがあげられる。
シランカップリング剤(C3)中の結合ユニット(C3a)の含有率は20モル%以上、好ましくは30モル%以上である。結合ユニット(C3a)の含有率が20モル%未満では、加工性と低燃費性、耐摩耗性、グリップ性能などの性能とのバランスをとることが困難になる。また、シランカップリング剤(C3)中の結合ユニット(C3a)の含有率は99モル%以下、好ましくは95モル%以下である。結合ユニット(C3a)の含有率が99モル%をこえると、シランカップリング剤を介したゴムとシリカとの化学的な結合が充分に生じず、低燃費性、耐摩耗性、グリップ性能が悪化する。
シランカップリング剤(C3)中の結合ユニット(C3b)の含有率は1モル%以上、好ましくは5モル%以上である。結合ユニット(C3b)の含有率が1モル%未満では、シランカップリング剤を介したゴムとシリカとの化学的な結合が充分に生じず、低燃費性、耐摩耗性、グリップ性能が悪化する。また、シランカップリング剤(C3)中の結合ユニット(C3b)の含有率は80モル%以下、好ましくは70モル%以下である。結合ユニット(C3b)の含有率が80モル%をこえると、加工性と低燃費性、耐摩耗性、グリップ性能などの性能とのバランスをとることが困難になる。
上記条件を満たすシランカップリング剤(C3)としては、たとえば、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製のNXT−Z30(R12、R13:エチル基、結合ユニット(C3a):70モル%、結合ユニット(C3b):30モル%、メルカプト基の含有量:4%)、NXT−Z45(R12、R13:エチル基、結合ユニット(C3a):55モル%、結合ユニット(C3b):45モル%、メルカプト基の含有量:6%)、NXT−Z60(R12、R13:エチル基、結合ユニット(C3a):40モル%、結合ユニット(C3b):60モル%、メルカプト基の含有量:9%)などがあげられる。
シランカップリング剤(C)の配合量は、シリカ(B)100重量部に対して3重量部以上、好ましくは5重量部以上である。シランカップリング剤(C)の配合量が3重量部未満では、シランカップリング剤を介したゴムとシリカとの化学的な結合が充分に生じず、また、シリカの分散性も不充分なため、低燃費性、耐摩耗性およびグリップ性能が悪化する。また、シランカップリング剤(C)の配合量は、シリカ(B)100重量部に対して20重量部以下、好ましくは15重量部以下である。シランカップリング剤(C)の配合量が20重量部をこえると、加工性が悪化する。
酸化亜鉛(D)としては、とくに制限はなく、従来からゴム工業で使用されるものを使用することができる。
酸化亜鉛(D)の配合量は、ジエン系ゴム成分(A)100重量部に対して5重量部以上、好ましくは8重量部以上である。酸化亜鉛(D)の配合量が5重量部未満では、加工性および作業性が悪化する。また、酸化亜鉛(D)の配合量は、ジエン系ゴム成分(A)100重量部に対して20重量部以下、好ましくは15重量部以下である。酸化亜鉛(D)の配合量が20重量部をこえると、耐摩耗性や耐クラック性能などの耐久性が悪化する。
本発明のゴム組成物は、前記ジエン系ゴム成分(A)、シリカ(B)、シランカップリング剤(C)および酸化亜鉛(D)以外にも、従来からゴム工業で使用される配合剤、たとえば、ステアリン酸、各種老化防止剤、硫黄などの加硫剤、各種加硫促進剤などを必要に応じて適宜配合することができ、その配合量は通常使用される量とすることができる。
本発明のゴム組成物は、一般的な方法で調製される。すなわち、バンバリーミキサーやニーダー、オープンロールなどでジエン系ゴム成分(A)、シリカ(B)、シランカップリング剤(C)、酸化亜鉛(D)、必要に応じて他の配合剤を混練りしたのち、加硫することにより、本発明のゴム組成物を調製することができる。
本発明のゴム組成物は、タイヤ用とすることが好ましく、低燃費性に与える寄与率が大きいという理由から、トレッド用またはサイドウォール用とすることが好ましい。
本発明のゴム組成物を用いて、通常の方法でタイヤを製造することができる。すなわち、必要に応じて前記配合剤を配合した本発明のゴム組成物を、未加硫の段階でタイヤの各部材の形状にあわせて押出し加工し、タイヤ成形機上にて通常の方法で成形することにより、未加硫タイヤを形成する。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧することによりタイヤを得る。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
以下、実施例および比較例で使用した各種薬品をまとめて説明する。
溶液重合スチレンブタジエンゴム(S−SBR):日本ゼオン(株)製のNS116(スチレン含有率:22重量%、ビニル結合量:65重量%)
シリカ:デグッサ社製のウルトラジルVN3(N2SA:210m2/g)
シランカップリング剤(1):デグッサ社製のSi363(メルカプト基の含有量:3.3%)
シランカップリング剤(2):信越化学工業(株)製のKBM803(メルカプト基の含有量:17%)
シランカップリング剤(3):デグッサ社製のSi266(メルカプト基の含有量:0%)
シランカップリング剤(4):Gelest(ゲレスト)社製の11−メルカプトウンデシルトリメトキシシラン(メルカプト基の含有量:10.7%)
シランカップリング剤(5):モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製のNXT−Z30(R12、R13:エチル基、結合ユニット(C3a):70モル%、結合ユニット(C3b):30モル%、メルカプト基の含有量:4%)
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の亜鉛華1号
ステアリン酸:日本油脂(株)製のステアリン酸「椿」
老化防止剤:住友化学(株)製のアンチゲン6C(N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン)
硫黄:鶴見化学工業(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤(1):大内新興化学工業(株)製のノクセラーNS(N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
加硫促進剤(2):大内新興化学工業(株)製のノクセラーD(N,N’−ジフェニルグアニジン)
溶液重合スチレンブタジエンゴム(S−SBR):日本ゼオン(株)製のNS116(スチレン含有率:22重量%、ビニル結合量:65重量%)
シリカ:デグッサ社製のウルトラジルVN3(N2SA:210m2/g)
シランカップリング剤(1):デグッサ社製のSi363(メルカプト基の含有量:3.3%)
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の亜鉛華1号
ステアリン酸:日本油脂(株)製のステアリン酸「椿」
老化防止剤:住友化学(株)製のアンチゲン6C(N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン)
硫黄:鶴見化学工業(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤(1):大内新興化学工業(株)製のノクセラーNS(N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
加硫促進剤(2):大内新興化学工業(株)製のノクセラーD(N,N’−ジフェニルグアニジン)
実施例1〜4および比較例1〜4
表1に示す配合処方にしたがい、1.7Lのバンバリーミキサーを用いて、S−SBR、シリカ、シランカップリング剤、酸化亜鉛およびステアリン酸を混練りした。一度排出した後、得られた混練り物に老化防止剤を添加して混練りした。つぎに、ロールを用いて、得られた混練り物に硫黄および加硫促進剤を添加して練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。さらに、得られた未加硫ゴム組成物を170℃の条件下で15分間プレス加硫し、実施例1〜4および比較例1〜4の加硫ゴム組成物を得た。
表1に示す配合処方にしたがい、1.7Lのバンバリーミキサーを用いて、S−SBR、シリカ、シランカップリング剤、酸化亜鉛およびステアリン酸を混練りした。一度排出した後、得られた混練り物に老化防止剤を添加して混練りした。つぎに、ロールを用いて、得られた混練り物に硫黄および加硫促進剤を添加して練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。さらに、得られた未加硫ゴム組成物を170℃の条件下で15分間プレス加硫し、実施例1〜4および比較例1〜4の加硫ゴム組成物を得た。
(加工性)
前記未加硫ゴム組成物から所定のサイズの試験片を作成し、JIS K 6300「未加硫ゴムの試験方法」に準じて、(株)島津製作所製のムーニー粘度試験機を用い、1分間の予熱によって熱せられた130℃の温度条件にて、小ローターを回転させ、4分間経過した時点での未加硫ゴム組成物のムーニー粘度を測定した。さらに、比較例1のムーニー粘度指数を100とし、以下の計算式により、各配合のムーニー粘度を指数表示した。なお、ムーニー粘度指数が大きいほど、加工性に優れることを示す。
(ムーニー粘度指数)=(比較例1のムーニー粘度)
÷(各配合のムーニー粘度)×100
前記未加硫ゴム組成物から所定のサイズの試験片を作成し、JIS K 6300「未加硫ゴムの試験方法」に準じて、(株)島津製作所製のムーニー粘度試験機を用い、1分間の予熱によって熱せられた130℃の温度条件にて、小ローターを回転させ、4分間経過した時点での未加硫ゴム組成物のムーニー粘度を測定した。さらに、比較例1のムーニー粘度指数を100とし、以下の計算式により、各配合のムーニー粘度を指数表示した。なお、ムーニー粘度指数が大きいほど、加工性に優れることを示す。
(ムーニー粘度指数)=(比較例1のムーニー粘度)
÷(各配合のムーニー粘度)×100
(作業性)
調製直後の未加硫ゴム組成物のシート形状を目視により、以下の基準で評価した。なお、シート形状に優れるほど、作業性に優れることを示す。
○:シート形状が良好
×:シート形状がボロボロ
調製直後の未加硫ゴム組成物のシート形状を目視により、以下の基準で評価した。なお、シート形状に優れるほど、作業性に優れることを示す。
○:シート形状が良好
×:シート形状がボロボロ
(粘弾性試験)
前記加硫ゴム組成物から所定サイズの試験片を切り出し、(株)上島製作所製の粘弾性スペクトロメーターを用いて、初期歪10%、動歪み2%、周波数10Hzの条件下で、30℃における損失正接(tanδ)の測定を行い、比較例1の低燃費性指数を100とし、以下の計算式により、各配合のtanδをそれぞれ指数表示した。なお、低燃費性指数が大きいほど、低燃費性に優れることを示す。
(低燃費性指数)=(比較例1のtanδ)÷(各配合のtanδ)×100
前記加硫ゴム組成物から所定サイズの試験片を切り出し、(株)上島製作所製の粘弾性スペクトロメーターを用いて、初期歪10%、動歪み2%、周波数10Hzの条件下で、30℃における損失正接(tanδ)の測定を行い、比較例1の低燃費性指数を100とし、以下の計算式により、各配合のtanδをそれぞれ指数表示した。なお、低燃費性指数が大きいほど、低燃費性に優れることを示す。
(低燃費性指数)=(比較例1のtanδ)÷(各配合のtanδ)×100
前記評価結果を表1に示す。
Claims (2)
- (A)ジエン系ゴム成分100重量部に対して、
(B)チッ素吸着比表面積が30〜500m2/gのシリカを5〜150重量部、
該シリカ(B)100重量部に対して、
(C)(C1)式(C1):
で示され、メルカプト基の含有率が1〜15%であるシランカップリング剤、
(C2)式(C2):
で示され、メルカプト基の含有率が1〜15%であるシランカップリング剤、および
(C3)分子中に、
(C3a)式(C3a):
で示される結合ユニットを20〜99モル%、
(C3b)式(C3b):
で示される結合ユニットを1〜80モル%
有し、メルカプト基の含有率が1〜15%であるシランカップリング剤
よりなる群から選ばれる少なくとも1種のシランカップリング剤を4〜20重量部、
(D)酸化亜鉛を5〜20重量部含有するゴム組成物。 - 酸化亜鉛(D)の配合量が、ジエン系ゴム成分(A)100重量部に対して8〜20重量部である請求項1記載のゴム組成物。
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