JP2009155442A - レンズ用樹脂組成物及びその硬化物 - Google Patents
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Abstract
【課題】はんだリフローに耐え得る耐熱性を備えると共に、低吸水性、透明性及び低熱膨張性に優れたレンズを成形することができるレンズ用樹脂組成物を提供する。
【解決手段】(A)1分子中に脂肪族不飽和結合を2個以上有する籠型シルセスキオキサン、(B)1分子中にSiH基を2個以上有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、(C)1分子中に2個以上の(メタ)アクリル基を有するエチレン性不飽和化合物、及び(D)硬化触媒を必須成分とし、(A)成分の脂肪族不飽和結合基の数と(B)成分のSiH基の比率が1:0.1〜2.0であり、(A)成分、(B)成分及び(C)成分よりなる樹脂成分100gあたりの(メタ)アクリルモル数が0.2を超えるレンズ成形用樹脂組成物である。
【選択図】なし
【解決手段】(A)1分子中に脂肪族不飽和結合を2個以上有する籠型シルセスキオキサン、(B)1分子中にSiH基を2個以上有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、(C)1分子中に2個以上の(メタ)アクリル基を有するエチレン性不飽和化合物、及び(D)硬化触媒を必須成分とし、(A)成分の脂肪族不飽和結合基の数と(B)成分のSiH基の比率が1:0.1〜2.0であり、(A)成分、(B)成分及び(C)成分よりなる樹脂成分100gあたりの(メタ)アクリルモル数が0.2を超えるレンズ成形用樹脂組成物である。
【選択図】なし
Description
本発明は、レンズ用樹脂組成物及びその硬化物に関するものであり、特にはんだリフローに耐え得る耐熱性を備え、かつ、低吸水性、高透明性、及び低熱膨張性に優れたレンズを得ることができるレンズ用樹脂組成物に関する。
近年、各種電子機器の小型化に合わせて、搭載される電子部品も小型化やチップ化が進んでいる。そして従来これらの電子部品の回路基板への実装においては、リフロー炉を活用してはんだ付けする(はんだリフロー)表面実装方法が一般的である。このような電子部品の中で、例えば、レンズ付きCCD(Charge Coupled Device)、レンズ付きCMOS(相補性金属酸化膜半導体)センサなどのように、半導体とレンズとを一体化した電子部品が産業用、商業用、医療用、民生用に広く活用されるようになっている。
しかしながら、上記の電子部品に採用するレンズとしては、実装の際に適応されるリフロー炉の熱(260℃)に耐える必要がある。ガラスレンズであれば、通常リフロー温度に耐えられるが、従来、主に用いられている特許文献1に記載されている脂環式オレフィンポリマー(COP)、特許文献2に記載されているポリカーボネート(PC)などのプラスチックレンズは安価という利点はあるが熱可塑性であるため、リフロー工程における耐熱性が不十分であり、変形、黄変といった問題が生じている。
リフロー温度に耐えうる耐熱性材料として、高耐熱のシリコーン系樹脂が期待されている。しかしながら、特許文献3及び4に記載されているシリコーン系材料は特定のオルガノポリシロキサン(籠型シルセスキオキサン等)と特定のオルガノハイドロジェンポリシロキサンとを付加硬化させて高耐熱性、低吸水性及び高透明性の成形物を得ているが、実は、上記のシリコーン系材料は熱膨張係数が高く、更に、レンズ材料の評価の対象となる、高温高湿状態に放置後、室温に戻すと樹脂が白濁してしまうという別の問題が生じてしまう。
特開2005−139370号公報
特開2002−129027号公報
特開2002−265787号公報
WO2007/119477号パンフレット
従って、本発明は、上記の従来技術の欠点を解消し、熱可塑性樹脂と同等の性能を備え、且つ、リフロー耐熱性をもつレンズ用樹脂組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、(A)1分子中に脂肪族不飽和結合を2個以上有する籠型シルセスキオキサン、(B)1分子中にSiH基を2個以上有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、(C)1分子中に2個以上の(メタ)アクリル基を有するエチレン性不飽和化合物、及び(D)硬化触媒を必須成分とするレンズ用樹脂組成物を用いることで、上記課題を解決することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、(A)1分子中に脂肪族不飽和結合を2個以上有する籠型シルセスキオキサン、(B)1分子中にSiH基を2個以上有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、(C)1分子中に2個以上の(メタ)アクリル基を有するエチレン性不飽和化合物、及び(D)硬化触媒を必須成分とし、(A)成分の脂肪族不飽和結合基の数と(B)成分のSiH基の比率が1:0.1〜2.0であり、(A)成分、(B)成分及び(C)成分よりなる樹脂成分100gあたりの(メタ)アクリルモル数が0.2を超えることを特徴とするレンズ成形用樹脂組成物である。
また、本発明は、上記レンズ用樹脂組成物からなる硬化物である。更に本発明は、上記レンズ用樹脂組成物を成形して得られるレンズである。なお、「(A)成分、(B)成分及び(C)成分よりなる樹脂成分」とは、(A)成分、(B)成分及び(C)成分を合わせた成分を言う。
本発明のレンズ用樹脂組成物によれば、はんだリフローに耐え得る耐熱性を備えると共に、低吸水性、透明性及び低熱膨張性に優れたレンズを成形することができる。そして、得られたレンズは各種電子部品に好適に利用することができる。
(A)成分の籠型シルセスキオキサンは、1分子中に脂肪族不飽和結合を2個以上有する。このような籠型シルセスキオキサンの特に好ましい例としては、下記平均組成式(1)
[R1SiO3/2]n[R1R2 2SiO1/2]m (1)
(但し、R1はビニル基、アリル基、アルキル基、アリール基、(メタ)アクリロイル基又はオキシラン環を有する基であって、(m+n)個あるR1のうちの少なくとも2つは不飽和二重結合を有するビニル基、アリル基、及び(メタ)アクリロイル基を有する基からなる群から選ばれた1種又は2種以上の反応性官能基であり、R2はメチル基を示す。)で表され、mは1〜4の数、nは8〜16の数であり、mとnの和は10〜20の数であり、かつ、数平均分子量(Mn)が500〜5,000の範囲であって、分子量分散度(Mw/Mn)が1.0〜3.5の籠型シロキサンである。なお、Mwは重量平均分子量を示す。
[R1SiO3/2]n[R1R2 2SiO1/2]m (1)
(但し、R1はビニル基、アリル基、アルキル基、アリール基、(メタ)アクリロイル基又はオキシラン環を有する基であって、(m+n)個あるR1のうちの少なくとも2つは不飽和二重結合を有するビニル基、アリル基、及び(メタ)アクリロイル基を有する基からなる群から選ばれた1種又は2種以上の反応性官能基であり、R2はメチル基を示す。)で表され、mは1〜4の数、nは8〜16の数であり、mとnの和は10〜20の数であり、かつ、数平均分子量(Mn)が500〜5,000の範囲であって、分子量分散度(Mw/Mn)が1.0〜3.5の籠型シロキサンである。なお、Mwは重量平均分子量を示す。
(A)成分の籠型シルセスキオキサンを得る好ましい手段については、下記一般式(3)
R1SiX3 (3)
(但し、R1はビニル基、アリル基、アルキル基、アリール基、(メタ)アクリロイル基又はオキシラン環を有する基であって、Xはアルコキシ基、ハロゲン原子及びヒドロキシル基からなる群から選ばれた加水分解性基を示す)で表されるケイ素化合物を単独又は複数用いて、塩基性触媒下、非極性溶媒及び極性溶媒の一方もしくは両方を合わせた溶媒で加水分解すると共に1部縮合させ、得られた重縮合物を更に非極性溶媒及び塩基性触媒存在下で再縮合させて得られた再縮合物に、更に下記一般式(4)
[R1R2 2Si]2O (4)
(但し、R1はビニル基、アリル基、アルキル基、アリール基、(メタ)アクリロイル基、又はオキシラン環を有する基であって、R2はメチル基を示す。)のジシロキサン化合物を平衡化反応させて得るのがよい。
R1SiX3 (3)
(但し、R1はビニル基、アリル基、アルキル基、アリール基、(メタ)アクリロイル基又はオキシラン環を有する基であって、Xはアルコキシ基、ハロゲン原子及びヒドロキシル基からなる群から選ばれた加水分解性基を示す)で表されるケイ素化合物を単独又は複数用いて、塩基性触媒下、非極性溶媒及び極性溶媒の一方もしくは両方を合わせた溶媒で加水分解すると共に1部縮合させ、得られた重縮合物を更に非極性溶媒及び塩基性触媒存在下で再縮合させて得られた再縮合物に、更に下記一般式(4)
[R1R2 2Si]2O (4)
(但し、R1はビニル基、アリル基、アルキル基、アリール基、(メタ)アクリロイル基、又はオキシラン環を有する基であって、R2はメチル基を示す。)のジシロキサン化合物を平衡化反応させて得るのがよい。
(A)成分の籠型シルセスキオキサンの構造式の例を、下記式(5)〜(11)にそれぞれ示す。構造式(5)はm=2、n=8、(6)はm=3、n=9、(7)はm=2、n=10、(8)はm=3、n=11、(9)はm=2、n=12、(10)はm=3、n=13、(11)はm=2、n=14である。尚、(A)成分の籠型シルセスキオキサンは下記式(5)〜(11)に限定されない。また、構造式(5)〜(11)において、R1及びR2は平均組成式(1)と同じである。
(A)成分の籠型シルセスキオキサンを得る好ましい手段については、まず、一般式(3)で表されるケイ素化合物を、塩基性触媒存在下、非極性溶媒と極性溶媒のうちの1つもしくは両方を合わせた溶媒中で加水分解反応を行う。一般式(3)中、R1はビニル基、フェニル基、アルキル基、(メタ)アクリロイル基、アリル基又はオキシラン環を有する基から選ばれる有機基である。
一般式(3)で表されるケイ素化合物の中で好ましい化合物を示せば、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、ペンチルトリメトキシシラン、ペンチルトリエトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、メタクリロキシメチルトリメトキシシラン、メタクリロキシメチルトリエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシルエチル)トリメトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、p−スチリルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、及びビニルトリエトキシシランが挙げられる。なかでも、原料の入手が容易である、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、及びビニルトリメトキシシランがより好ましい。
上記加水分解反応に用いられる塩基性触媒としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化セシウムなどのアルカリ金属水酸化物、あるいはテトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ベンジルトリエチルアンモニウムヒドロキシドなどの水酸化アンモニウム塩が例示される。これらの中でも、触媒活性が高い点からテトラメチルアンモニウムヒドロキシドが好ましく用いられる。塩基性触媒は、通常水溶液として使用される。
加水分解反応条件については、反応温度は0〜60℃が好ましく、20〜40℃がより好ましい。反応温度が0℃より低いと反応速度が遅くなり加水分解性基が未反応の状態で残存してしまい反応時間を多く費やす結果となる。一方、60℃より高いと反応速度が速すぎるために複雑な縮合反応が進行し、結果として加水分解生成物の高分子量化が促進される。また、反応時間は2時間以上が好ましい。反応時間が2時間に満たないと、加水分解反応が十分に進行せず加水分解性基が未反応の状態で残存してしまう状態となる。
加水分解反応は水の存在が必須であるが、これは塩基性触媒の水溶液から供給することもできるし、別途水として加えてもよい。水の量は加水分解性基を加水分解するに足る量以上、好ましくは理論量の1.0〜1.5倍量である。また、加水分解時には非極性溶媒と極性溶媒のうちの1つもしくは両方合わせて使用する。好ましくは両方用いるか、極性溶媒のみ用いるのがよい。極性溶媒としてはメタノール、エタノール、2-プロパノールなどのアルコール類、或いは他の極性溶媒を用いることができる。好ましくは、水と溶解性のある炭素数1〜6の低級アルコール類であり、2-プロパノールを用いることがより好ましい。非極性溶媒のみを用いると反応系が均一にならず反応中高分子体が析出しやすい。
加水分解反応終了後は、反応溶液を弱酸性溶液で中和し、中性もしくは酸性よりにした後、水又は水含有反応溶媒を分離する。水又は水含有反応溶媒の分離は、この溶液を食塩水等で洗浄し水分やその他の不純物を十分に除去し、その後無水硫酸マグネシウム等の乾燥剤で乾燥させる等の手段が採用できる。極性溶媒を使用した場合は、減圧蒸発等の手段が採用でき、極性溶媒を除去した後に非極性溶媒を添加して重縮合物を溶解させて上記と同様に、洗浄、乾燥を行う。弱酸性溶液については、硫酸希釈溶液、塩酸希釈溶液、クエン酸溶液、酢酸、塩化アンモニウム水溶液、リンゴ酸溶液、リン酸溶液、シュウ酸溶液などが用いられる。非極性溶媒は、蒸発等の手段で分離すれば、加水分解反応生成物を回収することができるが、非極性溶媒が次の反応で使用する非極性溶媒として使用可能であれば、これを分離する必要はない。
(A)成分の籠型シルセスキオキサンを得る加水分解反応では、加水分解と共に加水分解物の縮合反応が生じる。加水分解物の縮合反応が伴う重縮合物は、通常、数平均分子量が500〜7000の無色の粘性液体となる。重縮合物は、反応条件により異なるが数平均分子量が500〜3000の樹脂(又はオリゴマー)となり、一般式(3)に表される加水分解性基Xの大部分、好ましくはほぼ全部がOH基に置換され、更にそのOH基の大部分、好ましくは95%以上が縮合されている。
重縮合物の構造については、複数種のかご型、はしご型、ランダム型のシロキサンであり、かご型構造をとっている化合物についても完全なかご型構造の割合は少なく、かごの一部が開いている不完全なかご型の構造が主となっている。この重縮合物を更に、非極性溶媒及び塩基性触媒の存在下で加熱し、シロキサン結合を縮合(再縮合という)させることにより再縮合物(かご型構造のシロキサン)を選択的に製造する。すなわち、重縮合物から水又は水含有反応溶媒を分離したのち、非極性溶媒及び塩基性触媒の存在下に再縮合反応を行う。再縮合反応の反応条件については、反応温度は90〜200℃の範囲が好ましく、100〜140℃がより好ましい。反応温度が低すぎると再縮合反応をさせるために十分なドライビングフォースが得られず反応が進行しない。反応温度が高すぎると、反応性有機官能基が自己重合反応を起こす可能性があるので、反応温度を抑制するか、重合禁止剤などを添加する必要がある。反応時間は2〜12時間が好ましい。非極性溶媒の使用量は加水分解反応生成物を溶解するに足る量であることがよく、塩基性触媒の使用量は再縮合物に対し、0.1〜5wt%の範囲である。より好ましくは、0.5〜2.0wt%の範囲である。
非極性溶媒としては、水と溶解性の無い又は殆どないものであればよいが、炭化水素系溶媒が好ましい。炭化水素系溶媒としてはトルエン、ベンゼン、キシレンなどの沸点の低い非極性溶媒を挙げることができ、なかでもトルエンを用いるのが好ましい。一方、塩基性触媒としては、加水分解反応に使用される塩基性触媒が使用でき、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化セシウムなどのアルカリ金属水酸化物、あるいはテトラメルアンモニウムヒヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ベンジルトリエチルアンモニウムヒドロキシドなどの水酸化アンモニウム塩を挙げることができるが、テトラアルキルアンモニウム等の非極性溶媒に可溶性の触媒が好ましい。
また、再縮合に使用する加水分解生成物は水洗、脱水し濃縮したものを用いるのが好ましいが、水洗、脱水を行わなくても使用できる。この反応の際、水は存在してもよいが、積極的に加える必要はなく、塩基性触媒溶液から持ち込まれる水分程度にとどめることがよい。なお、重縮合物の加水分解が十分に行われていない場合は、残存する加水分解性基を加水分解するに必要な理論量以上の水分が必要である。再縮合反応後は、触媒を水洗して取り除き濃縮し、再縮合物が得られる。
次いで、上記で得られた再縮合物にジシロキサン化合物を付加させることで、(A)成分の籠型シルセスキオキサンを得ることができる。このジシロキサン化合物について、具体的には下記一般式(4)で表すことができる。また、再縮合物にジシロキサン化合物を付加させる際の反応についてはトルエン、ベンゼン、キシレン等の非極性溶媒、及びテトラメルアンモニウムヒヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド等の塩基性触媒の存在下で行うのがよい。
(R1R2 2Si)2O (4)
(但し、R1はビニル基、アリル基、アルキル基、アリール基、(メタ)アクリロイル基、又はオキシラン環を有する基から選択される1種または2種の基であり、R2はメチル基を示す。)
(R1R2 2Si)2O (4)
(但し、R1はビニル基、アリル基、アルキル基、アリール基、(メタ)アクリロイル基、又はオキシラン環を有する基から選択される1種または2種の基であり、R2はメチル基を示す。)
前記した再縮合物と一般式(4)で表されるジシロキサン化合物との間の塩基触媒下での付加反応は平衡化反応であり、酸素原子が3/2個結合したケイ素原子ユニット(T単位)から構成される再縮合物の開裂、或いは再縮合物単独による高分子量化の競争反応であるため、前者(再縮合物の開裂)をできる限り優先的に行う必要がある。また、この反応は基本的に平衡反応であることから、目的物の末端に反応性官能基を有する(A)成分の籠型シルセスキオキサンの数平均分子量Mn、収率、及び生成速度は、反応温度、反応時間、両原料の添加量比、アルカリ触媒量等によって自ずと決定されるため、以下に記した条件下で行うのが好ましい。
すなわち、前記で得られた再縮合物は、非極性溶媒及び塩基性触媒の存在下に一般式(4)で示すジシロキサン化合物を付加させる。反応条件については、反応温度は90〜200℃の範囲が好ましく、100〜140℃がより好ましい。しかし、一般式(4)で表されるジシロキサン化合物の沸点が低いものに関しては反応温度が沸点以上に達して反応系外に蒸発する可能性があるので沸点以下で長時間反応させるのがよい。塩基性条件下、再縮合物のかごを形成するシロキサン結合は切断と結合の平衡状態にあるが、ジシロキサン化合物が存在すると、切断された部分がジシロキサン化合物と反応するため、かごの一部分が開裂した状態で安定し、かご開裂型シロキサン樹脂が得られる。ここで言うかご開裂型シロキサンとは、かご構造を形成しているシロキサン結合のうち少なくとも1つが切れることで不完全なかご構造を形成したシロキサン分子構造のことを表す。なお、反応時間は1〜5時間が好ましい。
非極性溶媒の使用量は再縮合物を溶解するに足る量であることがよい。一方、再縮合物とジシロキサン化合物との反応割合については、再縮合物のT単位10個に相当する[R1SiO1.5]10で表される構造単位1モルに対し、ジシロキサン化合物を0.5〜4.0モル、好ましくは1.0〜2.0モルとなるように加水分解付加させるのがよい。ジシロキサン化合物がこの範囲より少ないと反応が進行せず、多いと未反応物が生成物の物性に悪影響を及ぼすおそれがあり好ましくない。なお、例えばヘキサメチルジシロキサン、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン等のように揮発性の高いジシロキサン化合物を使用した場合には、反応中に揮散する量も考慮して添加量を多めに設定してもさしつかえない。
また、再縮合物にジシロキサン化合物を付加させる際に使用する塩基性触媒の使用量については、[R1SiO1.5]10で表される再縮合物の構造単位1モルに対し、塩基性触媒を0.05〜0.15モル、好ましくは0.06〜0.1モルとなるように加えるのがよい。
一般式(4)で表されるジシロキサン化合物のなかで好ましい化合物を示せば、1,3-ジフェニル-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、ヘキサエチルジシロキサン、ヘキサフェニルジシロキサン、ペンタメチルジシロキサン、1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン、1,1,3,3-テトラビニルジメチルジシロキサン、1,3-ジエチル-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン、1,3-ジn-プロピル-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン、1,3-ジブチル-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン、1,3-ジペンチル-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン、1,3-ジオクチル-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン、1,3-ジメタクリロキシメチル-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン、1,3-ジ(3-メタクリロキシプロピル)-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン、1,3-ジアクリロキシメチル-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン、1,3-ジ(3-アクリロキシプロピル)-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン、1,3-ジ(3-グリシドキシプロピル)-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン、ビス-[2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチル]-テトラメチルジシロキサン、1,3-ジアリルー1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン、1,2-ジp-スチリル-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン、及び1,3-ジビニル-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサンが挙げられる。
以上説明したように、(A)成分の籠型シルセスキオキサンは一般式(1)のmが1〜4の数であり、nが8〜16の数であり、かつ、mとnの和が10〜20の数で表される構造式(5)〜(11)に示されるような化合物の混合物として得られる場合が多い。
次に、(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、1分子中にSiH基を2個以上有する。(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは架橋剤として作用するものであり、該成分中のSiH基と(A)成分及び(C)成分中の不飽和結合と付加反応することにより硬化物を形成するものである。この付加反応は、樹脂組成物を熱硬化させる際に低温から進行するため、有機過酸化物の分解による(メタ)アクリレートの急激なラジカル重合反応を抑制することができ、硬化反応全体を緩やかに進行させることができる。
(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンとして、特に好ましくは下記平均組成式(2)
[Ha(R3)bSiO(4-a-b)/2]l (2)
(但し、R3は脂肪族不飽和結合を含有しない1種又は2種以上の置換又は非置換の1価炭化水素基であり、a及びbは、0.001≦a<2、0.7≦b≦2、かつ0.8≦a+b≦3を満たす数である)で表され、繰り返し単位lが3〜300である、1分子中にケイ素原子に結合した水素原子(SiH基)を2個以上有するオルガノハイドロジェンシリコーンオリゴマーであるのがよい。なお、ケイ素原子に結合した水素原子の位置は特に制限はなく、分子の末端でも途中でもよい。
[Ha(R3)bSiO(4-a-b)/2]l (2)
(但し、R3は脂肪族不飽和結合を含有しない1種又は2種以上の置換又は非置換の1価炭化水素基であり、a及びbは、0.001≦a<2、0.7≦b≦2、かつ0.8≦a+b≦3を満たす数である)で表され、繰り返し単位lが3〜300である、1分子中にケイ素原子に結合した水素原子(SiH基)を2個以上有するオルガノハイドロジェンシリコーンオリゴマーであるのがよい。なお、ケイ素原子に結合した水素原子の位置は特に制限はなく、分子の末端でも途中でもよい。
ここで、上記式(2)中のR3の1価炭化水素基としては炭素数1〜10、特に1〜6のものが好ましく、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等のアラルキル基等を挙げることができ、また、これら1価の炭化水素基における水素原子の1部又は全部をフッ素、臭素、塩素等のハロゲン原子、シアノ基等で置換したもの、たとえばクロロメチル基、クロロプロピル基、ブロモエチル基、トリフロロプロピル基等のハロゲン置換アルキル基やシアノエチル基等が挙げられる。
上記オルガノハイドロジェンポリシロキサンの具体例としては、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、(CH3)2HSiO1/2単位とSiO4/2単位とからなる共重合体、(CH3)2HSiO1/2単位とSiO4/2単位と(C6H5)SiO3/2単位とからなる共重合体などが挙げられる。なお、オルガノハイドロジェンポリシロキサンの分子構造は、直鎖状、環状、分岐状、3次元網状構造のいずれであってもよい。
このようなオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、通常、R3SiHCl3、(R3)3SiCl、(R3)2SiCl2、又は(R3)3SiHCl(R3は前記の通りである)を加水分解するか、加水分解して得られたシロキサンを平衡化することにより得ることができる。
レンズ成形用樹脂組成物におけるオルガノハイドロジェンポリシロキサンの配合量については、上記(A)成分が硬化するのに必要な有効量である必要があり、具体的には(A)成分の不飽和結合基数(例えばビニル基)と(B)成分のSiH基数の比率が1:0.1〜2.0、好ましくは1:0.1〜1.5、より好ましくは1:0.1〜1.0の比率で使用する。(A)成分の不飽和結合基数1に対して(B)成分のSiH基数が0.1未満では付加反応による硬化が進行せず、過酸化物の分解により(メタ)アクリル基が急激に反応し、硬化物を得ることが困難である。反対に2.0を超えると、未反応のSiH基が硬化物中に多量に存在するため、物性が経時的に変化する原因となる。
(C)成分のエチレン性不飽和化合物は、1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有するエチレン性不飽和化合物である。(C)成分の具体例としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ジメチロール-トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA型エポキシ化合物のジ(メタ)アクリレートエステル、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートなどが挙げられるが、1分子中に1つの(メタ)アクリロイル基を有するエチレン性不飽和化合物を併用することもできる。
(C)成分のエチレン性不飽和化合物の配合量については、(A)成分、(B)成分及び(C)成分よりなる樹脂成分100gあたりの(メタ)アクリルモル数が0.2を超えるように配合する。この範囲を下回ると高温高湿条件下において成形品が白濁化する現象が見られる。ただし、0.8を超えると吸水率が上昇し、信頼性が低下するので好ましくない。この場合の好ましい吸水率の範囲としては1%未満である。なお、(A)成分、(B)成分及び(C)成分よりなる樹脂成分100gあたりの(メタ)アクリルモル数は(樹脂成分100gあたりの(A)成分の重量/(A)成分の(メタ)アクリル当量)+(樹脂成分100gあたりの(C)成分の重量/(C)成分の(メタ)アクリル当量)により求められる。
(D)成分の硬化触媒としては、(A)成分及び(C)成分の脂肪族不飽和結合と(B)成分のSiH基との付加反応を進行させることができ、尚且つ、(A)成分及び(C)成分の不飽和結合をラジカル重合反応で進行させることができるものであればよい。好ましくは、前者の付加反応を進行させる白金族系金属触媒と、後者のラジカル重合反応を進行させることができる有機過酸化物とを用いるのがよい。すなわち、触媒作用の異なる2種類の硬化触媒をあわせて使用するのが好ましい。
このうち白金族系金属触媒としては、塩化第二白金、塩化白金酸、塩化白金酸とアルコールとの錯体、塩化白金酸とアルデヒドとの錯体、塩化白金酸とケトンとの錯体、塩化白金酸とオレフィン類との錯体、白金とビニルシロキサンとの錯体、ジカルボニルジクロロ白金等が挙げられる。これらの中で、触媒活性の点から、塩化白金酸、塩化白金酸とオレフィンとの錯体、及び白金とビニルシロキサンとの錯体が好ましい。具体的にはPt0・CO・(CH2=CH(CH3)SiO)4、Pt0・1.5[(CH2=CH(CH3)2Si)2O]、Pt0・(CH2=CH(CH3)SiO)4、Pt0・(HC(O)CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH3)等を例示することができるが、これらに何ら制限されるものではない。また、これらを単独で使用してもよく、2種類以上を併用してもよい。
また、有機過酸化物としては、ケトンパーオキサイド類、ジアシルキルパーオキサイド類、ハイドロパーオキサイド類、ジアルキルパーオキサイド類、パーオキシケタール類、アルキルパーエステル類、パーカーボネート類などが挙げられる。これらの中で触媒活性の点から、ジアルキルパーオキサイドが好ましい。具体的には、シクロヘキサノンパーオキサイド、1,1−ビス(t−ヘキサパーオキシ)シクロヘキサノン、クメンハイドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−へキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート等を例示することができるが、これに何ら制限されるものではない。またこれらを単独で使用してもよく、2種類以上を併用してもよい。
白金族系金属触媒の添加量については、(A)成分、(B)成分及び(C)成分の合計100重量部に対して、金属原子として0.001〜0.1重量部、より好ましくは0.002〜0.05重量部の範囲で添加するのがよい。この添加量が0.001重量部に満たないと(B)成分中のSiH基と(A)成分及び(C)成分中の不飽和結合との付加反応の進行が遅く有機過酸化物の分解による(メタ)アクリレートの急激なラジカル重合反応を抑制することができない。一方、0.1重量部を越えると、上記付加反応の進行が速くポットライフが短いという不具合が生じる。また、有機過酸化物の添加量については、(A)成分、(B)成分及び(C)成分の合計100重量部に対して、0.01〜10重量部であるのがよく、0.01〜5重量部であるのがより好ましい。有機過酸化物の添加量が0.01重量部に満たないと硬化が不十分となり、成型体の強度、剛直性が低くなり、一方5重量部を超えると成型体の着色等の問題が生じるおそれがある。
本発明のレンズ用樹脂組成物は、上述した各成分を均一に配合することによって調製されるが、硬化が進行しないように2液に分けて保存し、使用時に2液を混合して硬化するようにしてもよい。もちろんアセチレンアルコール等の硬化抑制剤を少量添加して1液として用いることもできる。
また、本発明のレンズ用樹脂組成物には、透明性を阻害しない範囲であれば、従来公知の酸化防止剤、アエロジルのような超微細シリカ、屈折率を硬化した樹脂に合わせた無機質充填剤などを機械強度の向上や熱膨張係数を調整する観点から適宜配合してもよい。
本発明のレンズ用樹脂組成物は、熱硬化することにより硬化物を得ることができる。また、射出成形や圧縮成形することにより、所定の形状を有したレンズを得ることができる。射出成形などでレンズを成形する場合、1液タイプでの使用も可能だが、2液タイプの方がポットライフが長く取り扱いやすい2液タイプの混合は、通常スタティックミキサーなどの混合装置を用い、直接混合したものを射出成形装置に注入し、成形するようにすればよい。この際使用する成形装置は特に制限されるものではない。また、樹脂組成物を硬化させる条件については、樹脂組成物の硬化性にもよるが、通常、120〜200℃の範囲で30〜180秒程度で硬化させることができる。この場合、必要に応じて、100〜200℃、5分〜4時間の条件でポストキュア(追加加熱)を行うようにしてもよい。
本発明におけるレンズ用樹脂組成物は各種レンズを作製することができ、耐熱性、低吸水性、透明性及び、低熱膨張性に優れることから、従来主にガラスが用いられていたものを本発明の樹脂組成物からなるレンズに置き換えることも可能である。また、本発明の樹脂組成物からなる硬化物は、はんだリフローに耐え得る耐熱性をも備えることから、例えば携帯電話、デジタルカメラ、車載カメラ等に搭載されるレンズ付きCCD、レンズ付きCMOSセンサなどのように半導体とレンズとを一体化したカメラモジュール等の電子部品に適用することもでき、更には回折格子、偏光部品、反射鏡等のガラス代替材料にも使用することができる。
以下、合成例、実施例及び比較例に基づき本発明の好適な実施の形態を説明するが、本発明は下記の内容に制限されるものではない。
[合成例1]
撹拌機、滴下ロート及び温度計を備えた反応容器に、溶媒としてトルエン150mLと2−プロパノール85mLとを入れ、また、塩基性触媒として5wt%テトラメチルアンモニウムヒドロキシト゛水溶液(TMAH水溶液)37.2gを入れた。滴下ロートにトルエン25mLとトリメトキシビニルシラン(信越化学株式会社製KBM1003)50.3gを入れ、反応容器を撹拌しながら、室温でトリメトキシビニルシランのトルエン溶液を3時間かけて滴下した。滴下終了後、室温で2時間撹拌した。撹拌終了後、撹拌を停止し、1日静止した。反応溶液を10wt%クエン酸水溶液23.0gで中和した後、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。無水硫酸マグネシウムをろ別し、濃縮することで重縮合物20.6g得た。
撹拌機、滴下ロート及び温度計を備えた反応容器に、溶媒としてトルエン150mLと2−プロパノール85mLとを入れ、また、塩基性触媒として5wt%テトラメチルアンモニウムヒドロキシト゛水溶液(TMAH水溶液)37.2gを入れた。滴下ロートにトルエン25mLとトリメトキシビニルシラン(信越化学株式会社製KBM1003)50.3gを入れ、反応容器を撹拌しながら、室温でトリメトキシビニルシランのトルエン溶液を3時間かけて滴下した。滴下終了後、室温で2時間撹拌した。撹拌終了後、撹拌を停止し、1日静止した。反応溶液を10wt%クエン酸水溶液23.0gで中和した後、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。無水硫酸マグネシウムをろ別し、濃縮することで重縮合物20.6g得た。
次に、撹拌機、ディンスターク、冷却管及び温度計を備えた反応容器に上記で得られた重縮合物を15.0gとトルエン380mLと5wt%TMAH水溶液1.72gとを入れ、120℃で水を除去しながらトルエンを加熱還流させ、再縮合反応を行った。トルエン還流後3時間撹拌した後、室温に戻して反応を終了とした。反応溶液を10wt%クエン酸23.0gで中和した後、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。無水硫酸マグネシウムをろ別し、濃縮することで再縮合物を得た。最後に、撹拌機、ディンスターク及び冷却管を備えた反応容器に上記で得られた再縮合物を14.5g、トルエン300mL、5wt%TMAH水溶液3.0g及び1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン(TMDVDS:信越化学工業株式会社製LS7250)9.76g入れ、120℃で水を留去しながらトルエンを還流加熱して平衡化反応を行った。トルエン還流後3時間撹拌した後、室温に戻して反応を終了とした。反応溶液を10wt%クエン酸水溶液3.24gで中和した後、濃縮することで下記平均組成式(12)の籠型シルセスキオキサンを得た。得られた籠型シロキサンは、種々の有機溶媒に可溶な無色の粘性液体であった。
[CH2=CHSiO3/2]n[CH2=CH(CH3)2SiO1/2]m (12)
[CH2=CHSiO3/2]n[CH2=CH(CH3)2SiO1/2]m (12)
上記籠型シルセスキオキサン(12)の1H-NMRを測定したところ、ビニル基による5.8〜6.2ppmのマルチプレットとメチル基による0.17ppmのピーク積分比は、ビニル基30.8に対してメチル基6であった。
また、上記籠型シルセスキオキサン(12)のGPCを測定した結果を図1に示す。上記籠型シルセスキオキサン(12)はMn=1049であり、Mw/Mn=1.17であった。
上記籠型シロキサン(12)の液体クロマトグラフィ大気圧イオン化分析計(LC/APCl−MS)による質量分析を行った結果を図2に示す。表3に質量分析で検出された主なピークと、それに相当する籠型シルセスキオキサン(12)のn、mに当てはまる数値をまとめて示す。検出されるピークm/zは、籠型シルセスキオキサン(12)(但し、mが1〜4、nが8〜16)で表される籠型シルセスキオキサンの分子量にアンモニウムイオンが付加した値である。
上記籠型シロキサン(12)のビニル当量をヨウ素価法により測定した結果、82g/eq.であった。
[合成例2]
撹拌機、滴下ロート及び温度計を備えた反応容器に、溶媒としてトルエン150mLと2−プロパノール85mLとを入れ、また、塩基性触媒として5wt%テトラメチルアンモニウムヒドロキシト゛水溶液(TMAH水溶液)37.2gを入れた。滴下ロートにトルエン25mL、トリメトキシビニルシラン(信越化学株式会社製KBM1003)25.2g、及びトリメトキシメチルシラン(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製SZ−6070)23.1gを入れ、反応容器を撹拌しながら、室温でトリメトキシビニルシラン、及びトリメトキシメチルシランのトルエン溶液を3時間かけて滴下した。滴下終了後、室温で2時間撹拌した。撹拌終了後、撹拌を停止し、1日静止した。反応溶液を10wt%クエン酸水溶液23.0gで中和した後、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。無水硫酸マグネシウムをろ別し、濃縮することで重縮合物20.6g得た。
撹拌機、滴下ロート及び温度計を備えた反応容器に、溶媒としてトルエン150mLと2−プロパノール85mLとを入れ、また、塩基性触媒として5wt%テトラメチルアンモニウムヒドロキシト゛水溶液(TMAH水溶液)37.2gを入れた。滴下ロートにトルエン25mL、トリメトキシビニルシラン(信越化学株式会社製KBM1003)25.2g、及びトリメトキシメチルシラン(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製SZ−6070)23.1gを入れ、反応容器を撹拌しながら、室温でトリメトキシビニルシラン、及びトリメトキシメチルシランのトルエン溶液を3時間かけて滴下した。滴下終了後、室温で2時間撹拌した。撹拌終了後、撹拌を停止し、1日静止した。反応溶液を10wt%クエン酸水溶液23.0gで中和した後、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。無水硫酸マグネシウムをろ別し、濃縮することで重縮合物20.6g得た。
次に、撹拌機、ディンスターク、冷却管及び温度計を備えた反応容器に上記で得られた重縮合物を15.0gとトルエン380mLと5wt%TMAH水溶液1.72gとを入れ、120℃で水を除去しながらトルエンを加熱還流させ、再縮合反応を行った。トルエン還流後3時間撹拌した後、室温に戻して反応を終了とした。反応溶液を10wt%クエン酸23.0gで中和した後、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。無水硫酸マグネシウムをろ別し、濃縮することで再縮合物を得た。最後に、撹拌機、ディンスターク及び冷却管を備えた反応容器に上記で得られた再縮合物を14.5g、トルエン300mL、5wt%TMAH水溶液3.0g及び1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン(TMDVDS:信越化学工業株式会社製LS7250)9.76g入れ、120℃で水を留去しながらトルエンを還流加熱して平衡化反応を行った。トルエン還流後3時間撹拌した後、室温に戻して反応を終了とした。反応溶液を10wt%クエン酸水溶液3.24gで中和した後、濃縮することで下記平均組成式(13)の籠型シルセスキオキサンを得た。得られた籠型シロキサンは、種々の有機溶媒に可溶な無色の粘性液体であった。
[CH2=CHSiO3/2]n[CH3SiO3/2]k[CH2=CH(CH3)2SiO1/2]m (13)
[CH2=CHSiO3/2]n[CH3SiO3/2]k[CH2=CH(CH3)2SiO1/2]m (13)
上記籠型シルセスキオキサン(13)の1H-NMRを測定したところ、ビニル基による5.8〜6.2ppmのマルチプレットとメチル基による0.17ppmのピーク積分比は、ビニル基21.5に対してメチル基27.3であった。
上記籠型シルセスキオキサン(13)のGPCを測定した結果を図3に示す。上記籠型シルセスキオキサン(13)はMn=876であり、Mw/Mn=1.19であった。
上記籠型シロキサン(13)のビニル当量をヨウ素価法により測定した結果、131g/eq.であった。
(A)成分である合成例1で得られた籠型シルセスキオキサン(12)を29重量部、(B)成分である下記式(14)
で示される両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体(HPM−502:Mn=1638、j:i=1:1、SiH当量=208g/eq.:アズマックス株式会社)を38重量部、(C)成分である下記式(15)
で示されるジメチロール-トリシクロデカンジアクリレート(DCPA:共栄社化学)を33重量部、(D)成分である2.3wt%白金・シクロビニルメチルシロキサン錯体を0.4重量部及び(D)成分であるジ−t−ブチルパーオキサイド(パーブチルD:日本油脂)を0.1重量部加え、よく撹拌し、実施例1のレンズ用樹脂組成物として調製した。この樹脂成分の「(A)成分の不飽和結合基数」:「(B)成分のSiH基数」は1:0.5であり、(A)成分、(B)成分及び(C)成分よりなる樹脂成分100gあたりの(メタ)アクリルモル数は、(樹脂成分100gあたりの(A)成分の重量/(A)成分の(メタ)アクリル当量)+(樹脂成分100gあたりの(C)成分の重量/(C)成分の(メタ)アクリル当量)=29/0+33/152=0.22である。
(A)成分である合成例1で得られた籠型シルセスキオキサン(12)を22重量部、(B)成分であるHPM−502を28重量部、(C)成分であるDCPAを50重量部、(D)成分である2.3wt%白金・シクロビニルメチルシロキサン錯体を0.4重量部及び(D)成分であるパーブチルDを0.1重量部加え、よく撹拌し、実施例2のレンズ用樹脂組成物として調製した。この樹脂成分の「(A)成分の不飽和結合基数」:「(B)成分のSiH基数」は1:0.5であり、(A)成分、(B)成分及び(C)成分よりなる樹脂成分100gあたりの(メタ)アクリルモル数は、22/0+50/152=0.33である。
(A)成分である合成例1で得られた籠型シルセスキオキサン(12)を22重量部、(B)成分であるHPM−502を28重量部、(C)成分であるDCPAを50重量部、(D)成分である2.3wt%白金・シクロビニルメチルシロキサン錯体を0.4重量部及び(D)成分であるパーブチルDを0.5重量部加え、よく撹拌し、実施例2のレンズ用樹脂組成物として調製した。この樹脂成分の「(A)成分の不飽和結合基数」:「(B)成分のSiH基数」は1:0.5であり、(A)成分、(B)成分及び(C)成分よりなる樹脂成分100gあたりの(メタ)アクリルモル数は、22/0+50/152=0.33である。
(A)成分である合成例1で得られた籠型シルセスキオキサン(12)を40重量部、(B)成分であるHPM−502を10重量部、(C)成分であるDCPAを50重量部、(D)成分である2.3wt%白金・シクロビニルメチルシロキサン錯体を0.4重量部及び(D)成分であるパーブチルDを1.0重量部加え、よく撹拌し、実施例4のレンズ用樹脂組成物として調製した。この樹脂成分の「(A)成分の不飽和結合基数」:「(B)成分のSiH基数」は1:0.1であり、(A)成分、(B)成分及び(C)成分よりなる樹脂成分100gあたりの(メタ)アクリルモル数は、40/0+50/152=0.33である。
(A)成分である合成例1で得られた籠型シルセスキオキサン(12)を27重量部、(B)成分である下記式(16)
で示される両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体(HMS−501:Mn=900−1200、h:g=1:0.75:SiH当量=135g/eq.:アズマックス株式会社)を23重量部、(C)成分であるDCPAを50重量部、(D)成分である2.3wt%白金・シクロビニルメチルシロキサン錯体を0.4重量部及び(D)成分であるパーブチルDを1.0重量部加え、よく撹拌し、実施例5のレンズ用樹脂組成物として調製した。この樹脂成分の「(A)成分の不飽和結合基数」:「(B)成分のSiH基数」は1:0.5であり、(A)成分、(B)成分及び(C)成分よりなる樹脂成分100gあたりの(メタ)アクリルモル数は、27/0+50/152=0.33である。
(A)成分である合成例2で得られた籠型シルセスキオキサン(13)を19重量部、(B)成分であるHPM−502を31重量部、(C)成分であるDCPAを50重量部、(D)成分である2.3wt%白金・シクロビニルメチルシロキサン錯体を0.4重量部及び(D)成分であるパーブチルDを1.0重量部加え、よく撹拌し、実施例6のレンズ用樹脂組成物として調製した。この樹脂成分の「(A)成分の不飽和結合基数」:「(B)成分のSiH基数」は1:1であり、(A)成分、(B)成分及び(C)成分よりなる樹脂成分100gあたりの(メタ)アクリルモル数は、19/0+50/152=0.33である。
(A)成分である合成例1で得られた籠型シルセスキオキサン(12)を22重量部、(B)成分であるHPM−502を28重量部、(C)成分であるDCPAを25重量部、(C)成分である下記式(17)
で示されるトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート(TMPTA:共栄社株式会社)を25重量部、(D)成分である2.3wt%白金・シクロビニルメチルシロキサン錯体を0.4重量部及び(D)成分であるパーブチルDを1.0重量部加え、よく撹拌し、実施例7のレンズ用樹脂組成物として調製した。この樹脂成分の「(A)成分の不飽和結合基数」:「(B)成分のSiH基数」は1:0.5であり、(A)成分、(B)成分及び(C)成分よりなる樹脂成分100gあたりの(メタ)アクリルモル数は、22/0+25/152+25/99=0.42である。
[比較例1、2]
実施例1において(C)成分であるエチレン性不飽和化合物を配合しなかった以外は実施例1と同様にしたものを比較例1とし、また、(C)成分であるDCPAを11重量部配合((A)成分、(B)成分及び(C)成分よりなる樹脂成分100gあたりの(メタ)アクリルモル数は、29/0+11/152=0.07である。)した以外は実施例1と同様にしたものを比較例2として、それぞれ調製した。
実施例1において(C)成分であるエチレン性不飽和化合物を配合しなかった以外は実施例1と同様にしたものを比較例1とし、また、(C)成分であるDCPAを11重量部配合((A)成分、(B)成分及び(C)成分よりなる樹脂成分100gあたりの(メタ)アクリルモル数は、29/0+11/152=0.07である。)した以外は実施例1と同様にしたものを比較例2として、それぞれ調製した。
[比較例3]
(A)成分である合成例1で得られた籠型シルセスキオキサン(12)を67重量部、(C)成分であるDCPAを33重量部、(D)成分である2.3wt%白金・シクロビニルメチルシロキサン錯体を0.4重量部及び(D)成分であるジ−t−ブチルパーオキサイド(パーブチルD:日本油脂)を0.1重量部加え、よく撹拌し、比較例3のレンズ用樹脂組成物として調製した。この樹脂成分の(A)成分及び(C)成分よりなる樹脂成分100gあたりの(メタ)アクリルモル数は、(樹脂成分100gあたりの(A)成分の重量/(A)成分の(メタ)アクリル当量)+(樹脂成分100gあたりの(C)成分の重量/(C)成分の(メタ)アクリル当量)=67/0+33/152=0.22である。
(A)成分である合成例1で得られた籠型シルセスキオキサン(12)を67重量部、(C)成分であるDCPAを33重量部、(D)成分である2.3wt%白金・シクロビニルメチルシロキサン錯体を0.4重量部及び(D)成分であるジ−t−ブチルパーオキサイド(パーブチルD:日本油脂)を0.1重量部加え、よく撹拌し、比較例3のレンズ用樹脂組成物として調製した。この樹脂成分の(A)成分及び(C)成分よりなる樹脂成分100gあたりの(メタ)アクリルモル数は、(樹脂成分100gあたりの(A)成分の重量/(A)成分の(メタ)アクリル当量)+(樹脂成分100gあたりの(C)成分の重量/(C)成分の(メタ)アクリル当量)=67/0+33/152=0.22である。
上記実施例、比較例で調製した組成物を用いて、ガラス板に組み込んだ型に厚み2mmとなるように流し込み、120℃で1時間、150℃で1時間、180℃で2時間加熱して成形し、50mm×25mm×厚さ2mmの試験用の成形物を得た。得られた成形物について、下記方法により吸水率、熱膨張係数、リフロー試験後の耐熱性、及び透明性について評価した。結果を表1及び2に示す。
吸水率:成形物を絶乾状態とした後、水へ24h浸漬させ、その重量変化から求めた。
熱膨張係数:熱機械分析法に基づき、昇温速度5℃/min及び圧縮荷重0.1Nの条件で求めた。
耐熱性:成形物をピーク温度が260℃で15min保持するように設定されたIRリフロー炉に連続して2回通したあとの熱変形を目視にて観測し、屈折率(アタゴ製 アッベ屈折計)、及び光線透過率(400nm、2mmt)の変化を測定した。同様に色差(ΔE)も測定した。
恒湿試験:成形物を80℃の温水に溝浸けし、1h後室温に戻し、その状態を観察した。
熱膨張係数:熱機械分析法に基づき、昇温速度5℃/min及び圧縮荷重0.1Nの条件で求めた。
耐熱性:成形物をピーク温度が260℃で15min保持するように設定されたIRリフロー炉に連続して2回通したあとの熱変形を目視にて観測し、屈折率(アタゴ製 アッベ屈折計)、及び光線透過率(400nm、2mmt)の変化を測定した。同様に色差(ΔE)も測定した。
恒湿試験:成形物を80℃の温水に溝浸けし、1h後室温に戻し、その状態を観察した。
Claims (6)
- (A)1分子中に脂肪族不飽和結合を2個以上有する籠型シルセスキオキサン、
(B)1分子中にSiH基を2個以上有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、
(C)1分子中に2個以上の(メタ)アクリル基を有するエチレン性不飽和化合物、及び
(D)硬化触媒、
を必須成分とし、(A)成分の脂肪族不飽和結合基の数と(B)成分のSiH基の比率が1:0.1〜2.0であり、(A)成分、(B)成分及び(C)成分よりなる樹脂成分100gあたりの(メタ)アクリルモル数が0.2を超えることを特徴とするレンズ成形用樹脂組成物。 - (A)成分の籠型シルセスキオキサンが、下記平均組成式(1)
[R1SiO3/2]n[R1R2 2SiO1/2]m (1)
(但し、R1はビニル基、アリル基、アルキル基、アリール基、(メタ)アクリロイル基又はオキシラン環を有する基であって、(m+n)個あるR1のうちの少なくとも2つは不飽和二重結合を有するビニル基、アリル基及び(メタ)アクリロイル基を有する基からなる群から選ばれた1種又は2種以上の反応性官能基であり、R2はメチル基を示す。)で表され、mは1〜4の数であり、nは8〜16の数であり、mとnの和は10〜20の数であり、数平均分子量(Mn)が500〜5,000の範囲であり、分子量分散度(Mw/Mn)が1.0〜3.5である請求項1記載のレンズ用樹脂組成物。 - (B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンが、下記平均組成式(2)
[Ha(R3)bSiO(4-a-b)/2]l (2)
(但し、R3は脂肪族不飽和結合を含有しない1種又は2種以上の置換又は非置換の1価炭化水素基であり、a及びbは、0.001≦a<2、0.7≦b≦2、かつ0.8≦a+b≦3を満たす数である)で表される繰り返し単位からなり、繰り返し単位lが3〜300である請求項1記載のレンズ用樹脂組成物。 - 硬化触媒が白金族金属系触媒と有機過酸化物との2種類からなる請求項1記載のレンズ用樹脂組成物。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載のレンズ用樹脂組成物からなる硬化物。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載のレンズ用樹脂組成物を成形して得られるレンズ。
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