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JP2009146732A - セラミック電子部品用導電性ペーストおよびセラミック電子部品 - Google Patents

セラミック電子部品用導電性ペーストおよびセラミック電子部品 Download PDF

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美和 入江
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Abstract

【課題】脱バインダが良好に行われ、かつ、ポアや亀裂の少ない電極を形成しうるセラミック電子部品用導電性ペースト、および、そのような導電性ペーストからなる外部電極を備えたセラミック電子部品を提供する。
【解決手段】金属粉末、ガラス粉末、有機バインダおよび有機溶剤を含有し、前記ガラス粉末は、前記有機バインダの熱分解終了温度をTとしたとき、軟化点Tsが(T+10)℃以下である低軟化点ガラス粉末と、軟化点Tsが(T+10)℃を超える高軟化点ガラス粉末からなり、かつ、前記低軟化点ガラス粉末の含有量が、前記金属粉末100質量部に対して、0.1質量部以上、5質量部未満であるセラミック電子部品用導電性ペースト、および、そのような導電性ペーストを用いて形成された外部電極を備えたセラミック電子部品である。
【選択図】なし

Description

本発明は、積層セラミックコンデンサ等のセラミック電子部品の電極材料として用いられる導電性ペースト、および、そのような導電性ペーストを外部電極形成材料として用いたセラミック電子部品に関する。
積層セラミックコンデンサは、複数のセラミック層が積層されてなるセラミック素体と、それぞれの端縁が前記セラミック層のいずれかの端面に露出するように前記セラミック層間に形成された複数の内部電極と、露出した前記内部電極に電気的に接続されるように設けられた外部電極とを備えている。外部電極は、例えば有機バインダを溶剤に溶解した有機ビヒクル中に導電性を有する金属粉末およびガラス粉末を分散させて得られる導電性ペーストをセラミック素体の表面に塗布し焼き付けることにより形成されている。そして、通常、外部電極上には、はんだ濡れ性やはんだ耐熱性の向上を目的として、ニッケル、スズ、はんだ等の湿式めっきが施される。
近年、内部電極を構成する金属材料として、ニッケル、コバルト、銅などの卑金属を用いることが主流となってきており、それに伴い外部電極を構成する金属粉末も卑金属が用いられるようになってきた。なかでも、銅は、各種卑金属と良好な電気的接続を形成しやすいことから広く用いられている。
しかしながら、このような卑金属を用いた外部電極は、次のような理由から、従来の銀や銀/パラジウム等の貴金属を用いた外部電極と比較して、ポアや亀裂が発生しやすいという難点があった。
すなわち、外部電極は、例えばトンネル炉内で、溶媒が除去される過程、有機バインダが燃焼、分解、飛散する過程(以下、「脱バインダ」ともいう。)、ガラスが融解し、金属粉末が焼結する過程を経て形成される。このとき、炉内の雰囲気の酸素濃度が高いほど脱バインダは良好に行われる。しかしながら、卑金属からなる金属粉末では、雰囲気の酸素濃度が高いと表面が酸化する(後述するように、ポアや亀裂の原因となる。)ため、例えば数〜数十ppm程度の低濃度の酸素雰囲気で焼き付けており、その結果、脱バインダは不十分となる。
脱バインダが不十分なまま、ガラスの流動化および卑金属粉末の焼結が始まると、カーボンやビヒクル分解物等の炭素質の有機物残渣(以下、残留カーボンともいう。)が膜中に閉じ込められてしまう。この閉じこまれた残留カーボンは、その後の高温段階で様々な問題を引き起こし、電子部品の特性や信頼性を低下させる。
そこで、有機バインダとして熱分解性の良い樹脂を使用したり、ガラス成分として低温で軟化し難いものを用いるなど、脱バインダが完全に行われた後に、ガラスの融解および金属粉末の焼結を進行させる方法が種々提案されている(例えば、特許文献1参照。)
しかしながら、これらの方法では、脱バインダが略終了すると、炉内の雰囲気、特に膜およびその近傍の雰囲気の酸素濃度が高まるため、金属粉末表面の酸化が避けられない。金属粉末表面が酸化されると、焼結の開始が一定温度まで抑制され、その一定温度を越えた時点で急激に焼結が開始する。同時に急激な体積収縮が生じ、その結果、ポアや亀裂が発生する。ポアや亀裂が発生すると、表面にめっき処理を施した際に、めっき液が外部電極からセラミック層と内部電極との界面へと浸入しやすくなり、絶縁抵抗の低下や層剥離といった内部欠陥不良が発生するおそれがある。
特開2006−4734号公報
本発明は上記従来技術の課題を解決するためになされたもので、脱バインダが良好に行われ、かつ、ポアや亀裂が少なく十分に緻密な電極を形成しうるセラミック電子部品用導電性ペースト、および、そのような導電性ペーストを外部電極形成材料として用いたセラミック電子部品を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明のセラミック電子部品用導電性ペーストは、金属粉末、ガラス粉末、有機バインダおよび有機溶剤を含有する導電性ペーストであって、前記ガラス粉末は、前記有機バインダの熱分解終了温度をTとしたとき、軟化点Tsが(T+10)℃以下である低軟化点ガラス粉末と、軟化点Tsが(T+10)℃を超える高軟化点ガラス粉末からなり、かつ、前記低軟化点ガラス粉末の含有量が、前記金属粉末100質量部に対して、0.1質量部以上、5質量部未満であることを特徴とするものである。
また、本発明のセラミック電子部品は、セラミック素体の表面に、請求項1乃至5のいずれか1項記載の導電性ペーストを塗付し焼き付けてなる外部電極を具備することを特徴とするものである。
本発明によれば、脱バインダが良好に行われ、かつ、ポアや亀裂が少なく十分に緻密な電極を形成しうるセラミック電子部品用導電性ペースト、および、そのような導電性ペーストからなる外部電極を備えた高品質、高信頼性のセラミック電子部品を得ることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のセラミック電子部品用導電性ペーストは、金属粉末、ガラス粉末、有機バインダおよび溶剤を含むものである。
本発明において用いられる金属粉末としては、例えば、銅、ニッケル、コバルト等の卑金属元素からなる金属単体、または、前記卑金属元素から選ばれる少なくとも1種を含む合金からなる粉末が挙げられる。このような金属単体または合金からなる金属粉末は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
これらの金属粉末の形状は、特に限定されるものではなく、球状、フレーク状等、任意の形状であってよいが、ポアおよび亀裂の少ない外部電極を形成する観点からは、その少なくとも50質量%以上が、平均粒子径0.1μm以上、3μm未満の球状金属粉末であることが好ましい。すなわち、平均粒子径0.1μm以上、3μm未満の球状金属粉末を、金属粉末全体の50質量%以上含有させることにより、外部電極を形成する際、乾燥後の塗膜内の空隙を少なくすることができるとともに、金属粉末自身のネッキングが生じやすくなり、その結果、ポアや亀裂の発生が抑制される。なお、平均粒子径0.1μm以上、3μm未満の球状金属粉末は、金属粉末全体の75質量%以上とすることがより好ましく、金属粉末のほぼ全てを平均粒子径0.1μm以上、3μm未満の球状金属粉末とすることがよりいっそう好ましい。また、この場合、球状金属粉末は、平均粒子径が0.3μm以上、2.5μm未満であることがより好ましく、平均粒子径が0.5μm以上、2μm未満であることがよりいっそう好ましい。ここで、上記金属粉末の平均粒子径は、エキネン溶媒でマイクロトラックにより測定した個数積算分布における50%粒子径(D50値)である。
この金属粉末のセラミック電子部品用導電性ペースト中における含有量は、セラミック電子部品用導電性ペースト全体の65質量%以上、85質量%未満とすることが好ましく、70質量%以上、80質量%未満とすることがより好ましい。65質量%未満であると、ポア(空隙)が多くなり導電性が低下する。また、85質量%を超えると、表面外観が不良となる。
本発明において用いられるガラス粉末は、基本的に上記金属粉末の焼結を容易にするために加えられるものであるが、本発明においては、低軟化点ガラス粉末と高軟化点ガラス粉末を併用する。
低軟化点ガラス粉末は、脱バインダが終了したとき、あるいは、脱バインダが終了して間もない間に軟化するガラスであり、具体的には、有機バインダの熱分解終了温度をTとしたとき、軟化点Tsが(T+100)℃以下、好ましくは(T+50)℃以下、より好ましくは(T+20)℃以下のものである。低軟化点ガラス粉末の軟化点Tsは、400℃以上、500℃未満であることが好ましく、425℃以上、475℃未満であることがより好ましい。
また、高軟化点ガラス粉末は、金属粉末が焼結している際に軟化するガラスであり、具体的には、軟化点Tsが(T+100)℃超、好ましくは(T+150)℃超、より好ましくは(T+200)℃超のものである。高軟化点ガラス粉末の軟化点Tsは、500℃以上、700℃未満であることが好ましく、550℃以上、650℃未満であることがより好ましい。
このような低軟化点ガラス粉末と高軟化点ガラス粉末を併用すると、金属粉末表面の酸化が進行する前にまず低軟化点ガラス粉末が溶融して、金属粉末がネッキングした状態となり、この後、高軟化点ガラス粉末が軟化して金属粉末の焼結が進行するため、ポアや亀裂を生じることなく収縮する。この結果、ポアや亀裂のない外部電極が形成される。
脱バインダの効率を落とさず、かつ、金属粉末をネッキングさせてポアや亀裂の発生を抑制するためには、低軟化点ガラス粉末は、金属粉末100質量部に対して0.1質量部以上、5質量部未満の範囲で配合する。好ましくは0.5質量部以上、3質量部未満であり、より好ましくは1質量部以上、2質量部未満である。また、高軟化点ガラス粉末は、セラミック電子部品用導電性ペースト全体の5質量%以上、15質量%未満となる範囲で配合することが好ましい。より好ましくは、6質量%以上、12質量%未満となる範囲である。
また、低軟化点ガラス粉末は、堀場製作所製LA−920により測定される平均粒子径が、0.1μm以上、5μm未満であることが、少ない量で金属粉末を焼結させることが可能となり、融解したガラス粉末が脱バインダの阻害要因となりにくくなることから、好ましい。平均粒子径は、0.5μm以上、3μm未満であることがより好ましい。
これらの低軟化点ガラス粉末および高軟化点ガラス粉末としては、例えば、ホウ酸塩ガラス、珪酸塩ガラス、ホウ珪酸塩ガラス、これらの混合物などが使用される。特に、低軟化点ガラス粉末には、Bi−B−ZnO系ガラス粉末および/またはPbO−SiO−B系ガラス粉末を使用することが好ましく、電気的信頼性の高いセラミック電子部品を得ることができる。
本発明において用いられる有機バインダとしては、炉内の雰囲気の酸素濃度が低い状態でも熱分解するものが好ましく、例えば(メタ)アクリル酸エステルの(共)重合体、(メタ)アクリル酸エステルと(メタ)アクリル酸との共重合体等のアクリル樹脂が使用される。(メタ)アクリル酸エステルの具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、iso−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、グリシジルメタクリレート、メチルグリシジルメタクリレート、2−ヒドロキシ(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノ(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオール(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらのなかでも、iso−ブチルメタクリレートが、熱分解性が良好で、残留カーボンが少なく、電気的特性を低下させないことから好ましい。
有機バインダは、1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。また、そのセラミック電子部品用導電性ペースト中の含有量は、ペースト化を容易にし、かつ、乾燥後の塗膜内の空隙を少なくする観点からは、セラミック電子部品用導電性ペースト全体の2質量%以上、15質量%未満とすることが好ましく、4質量%以上、8質量%未満とすることがより好ましい。
本発明において用いられる溶剤は、有機バインダを溶解することができるものであれば、特に制限なく使用することができるが、導電性ペーストを塗付した際に、塗膜があまり速く乾燥し過ぎることのないものが好ましい。具体的には、例えばジオキサン、トルエン、エチルセルソルブ、シクロヘキサノン、ブチルセルソルブ、ブチルセルソルブアセテート、ブチルカルビトール、ブチルカルビトールアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジアセトンアルコール、ベンジルアルコール、テルピネオール、ジヒドロテルピネオール等が使用される。また、脂肪族炭化水素、乳酸ブチル、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート等のフタル酸エステル、ジブチルアジペート、ジオクチルアジペート等のアジピン酸エステル等も用いることができる。これらの溶剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。溶剤としては、なかでもテルピネオール、ジヒドロテルピネオールが、適度な粘性の導電性ペーストが得られることから好ましい。
この溶剤の添加量は、導電性ペーストを塗付する際のタレを防止する観点から、金属粉末100質量部に対して5質量部以上、30質量部未満であることが好ましく、10質量部以上、20質量部未満であることがより好ましい。
本発明のセラミック電子部品用導電性ペーストには、以上の各成分の他、金属粉末の分散性を向上させる目的で分散剤を添加することができる。また、セラミック素体等に塗付した際の塗布形状等を調整する目的で、レベリング剤、増粘剤、チクソトロピック付与剤、消泡剤等を添加することも可能である。これらの添加剤は、いずれも本発明の効果を阻害しない範囲で使用される。
本発明のセラミック電子部品用導電性ペーストは、上述したような金属粉末と、ガラス粉末と、有機バインダと、溶剤と、必要に応じて配合される各種成分とを十分に混合し、ペースト状にすることにより得られる。本発明のセラミック電子部品用導電性ペーストの粘度は、20〜100Pa・s(E型粘度計、3°コーン、2.5rpm、25°)であることが好ましい。
本発明のセラミック電子部品用導電性ペーストは、例えば、積層セラミックコンデンサ、積層セラミックインダクタ、積層セラミックサーミスタ等の積層型のセラミック電子部品に用いることができ、また、単板型のセラミック電子部品の導電性ぺーストとしても用いることができる。
次に、本発明のセラミック電子部品用導電性ペーストを用いた本発明のセラミック電子部品の実施の形態を図面を用いて説明する。
図1は、本発明のセラミック電子部品の一実施形態の積層セラミックコンデンサを示す断面図である。
図1に示すように、本実施形態の積層セラミックコンデンサ10は、セラミック素体12と、内部電極14と、外部電極16と、めっき膜18とを備えている。
セラミック素体12は、誘電体材料、例えばBaTiOを主成分とする、セラミック層12aとなるべきセラミックグリーンシートを複数枚、例えば30〜50枚程度)積層し、所定の温度で焼成したものである。このセラミック素体12は、ほぼ直方体の形状を有している。
内部電極14は、それぞれの端縁がセラミック素体12の互いに対向するいずれかの端面に露出するようにセラミック層12a間に形成されている。これらの内部電極14は、例えば銅、ニッケル等の導電成分を含む導電性ペーストを所定のセラミックグリーンシート上に、スクリーン印刷やインクジェット方式等により直接所望のパターンに塗布し、同時に焼成することにより形成される。
この内部電極14の厚さは、公知の技術により、導電成分を含む導電性ペーストの塗布量を調整することにより制御することができる。具体的には、複数回塗布する方法、固形分濃度を増大または低減する方法、印刷版の深さ、スクリーン版のレジスト厚み等を変更する方法等により制御することができる。
外部電極16は、セラミック素体12の内部電極14が露出している両端面に、本発明の導電性ペーストをディップ法やスクリーン印刷等の公知の方法により塗布し、乾燥させた後、例えば700〜900℃で30分〜2時間程度焼き付けることにより形成される。つまり、この外部電極16は、本発明の導電性ペーストの焼結体から構成される。これらの外部電極16は、上記内部電極14と電気的かつ機械的に接合されている。なお、外部電極16用の導電性ペーストの焼成は、セラミック素体12の焼成と同時に行うようにしてもよい。すなわち、内部電極14用の導電性ペーストを塗布したセラミックグリーンシートを積層し、この積層体の両端面に外部電極16用の導電性ペーストを塗布した後、同時に焼成するようにしてもよい。
めっき膜18は、外部電極16を覆うように、例えばニッケル、スズ、はんだ等による湿式めっきにより形成される。
このように構成される積層セラミックコンデンサ10においては、残留カーボンが少なく、かつ、ポアや亀裂のない緻密度の高い外部電極16が得られるため、めっき液の浸入に伴う内部欠陥不良の発生が防止され、高い信頼性を備えることができる。
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
実施例1〜7、比較例1〜3
表1に示す成分を用い、表2に示す組成の導電性ペーストを調製した。
まず、有機バインダ((D)成分)を溶剤((E)成分)に溶解した後、この溶液に他の配合成分((A)〜(C)成分)を加え、三本ロールで分散、混練して、導電性ペーストを調製した。
次いで、得られた各導電性ペーストを1005型セラミック素体の両端部にディップ法により塗付し、150℃で15分間乾燥した後、窒素雰囲気中において800℃で50分間加熱することにより導電性ペーストを焼き付けて外部電極を形成した。この後、この外部電極上にニッケルめっき膜を無電解めっきにより形成し、さらにこのニッケルめっき膜上にスズめっき膜を電解めっきにより形成して積層セラミックコンデンサを作製した。
上記各実施例および各比較例で得られた導電性ペーストおよび積層セラミックコンデンサについて、下記に示す方法で各種特性を評価し、その結果を表1に併せ示した。
[緻密性]
外部電極を形成したセラミック素体を、一方の外部電極から他方の外部電極にかけて切断し、その切断面(外部電極)におけるポアの面積率を画像解析により算出し、以下の基準で評価した(試料数各50個)。
◎:ポア面積率 0%以上、1%未満
○:ポア面積率 1%以上、5%未満
×:ポア面積率 5%以上
[亀裂]
上記切断面(外部電極)を観察し、亀裂(セラミック素体の端部にまで達する凹み)乃至凹みの発生状況を調べ、以下の基準で評価した(試料数各50個)。
◎:亀裂も3μm以下の凹みもなし
○:亀裂はないが、3μm以下の凹みあり
×:亀裂あり
[高温試験]
積層セラミックコンデンサの絶縁抵抗を測定し、180℃、10時間の熱処理を行った後に再び絶縁抵抗を測定し、その減少率を算出して、以下の基準で評価した(試料数各200個)。なお、評価は全試料の平均値で行った。
◎:減少率 0%以上、3%未満
○:減少率 3%以上、10%未満
×:減少率 10%以上
Figure 2009146732
Figure 2009146732
表2から明らかなように、実施例では、いずれも亀裂がなく、高い緻密性を有し、かつ、高温試験の結果も良好であった。これに対し、低軟化点ガラス粉末未添加の比較例1および比較例3では、亀裂が生じ、高温試験における絶縁抵抗の低下も大きかった。また、低軟化点ガラス粉末を過剰配合した比較例2では、緻密性が低下し、亀裂も生じたうえ、高温試験における絶縁抵抗の低下も大きかった。
本発明のセラミック電子部品の一実施形態を示す断面図である。
符号の説明
10…積層セラミックコンデンサ(セラミック電子部品)、12…セラミック素体、12a…セラミック層、14…内部電極、16…外部電極、18…めっき膜

Claims (6)

  1. 金属粉末、ガラス粉末、有機バインダおよび有機溶剤を含有する導電性ペーストであって、
    前記ガラス粉末は、前記有機バインダの熱分解終了温度をTとしたとき、軟化点Tsが(T+100)℃以下である低軟化点ガラス粉末と、軟化点Tsが(T+100)℃を超える高軟化点ガラス粉末からなり、かつ、
    前記低軟化点ガラス粉末の含有量が、前記金属粉末100質量部に対して、0.1質量部以上、5質量部未満であることを特徴とするセラミック電子部品用導電性ペースト。
  2. 低軟化点ガラス粉末の軟化点Tsが400℃以上、500℃未満であり、高軟化点ガラス粉末の軟化点Tsが500℃以上、700℃未満であることを特徴とする請求項1記載のセラミック電子部品用導電性ペースト。
  3. 低軟化点ガラス粉末は、平均粒子径が0.1μm以上、5μm未満であることを特徴とする請求項1または2記載のセラミック電子部品用導電性ペースト。
  4. 低軟化点ガラス粉末は、Bi−B−ZnO系ガラス粉末および/またはPbO−SiO−B系ガラス粉末を含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のセラミック電子部品用導電性ペースト。
  5. 前記金属粉末の50質量%以上が、平均粒子径0.1μm以上、3μm未満の球状金属粉末であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載のセラミック電子部品用導電性ペースト。
  6. セラミック素体の表面に、請求項1乃至5のいずれか1項記載の導電性ペーストを塗付し焼き付けてなる外部電極を具備することを特徴とするセラミック電子部品。
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