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JP2009030262A - 人体接近検出装置 - Google Patents

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JP2009030262A
JP2009030262A JP2007193051A JP2007193051A JP2009030262A JP 2009030262 A JP2009030262 A JP 2009030262A JP 2007193051 A JP2007193051 A JP 2007193051A JP 2007193051 A JP2007193051 A JP 2007193051A JP 2009030262 A JP2009030262 A JP 2009030262A
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Ryohei Sakurai
良平 桜井
Takeshi Tokura
武 戸倉
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Fujikura Ltd
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Fujikura Ltd
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Abstract

【課題】送受信用アンテナにより電波の送受信が行われた場合であっても、誤動作が生じるのを効果的に防止することができ、安価に構成可能で複雑な前処理が不要な人体接近検出装置を提供する。
【解決手段】人体接近検出装置は、車両用ドアハンドル4のハウジング6の内部のドア2側の壁面6a近傍に設けられ、人体が接近することにより静電容量が変化するセンサ電極11と、ハウジング6の内部に設けられセンサ電極11の外部環境変化による静電容量変化を抑制するとともに、送受信用アンテナ19の主回路部20への電波の影響を抑える第1シールド電極12a,12bおよび第2シールド電極13a,13bからなる補助電極とを備える。第1シールド電極12a,12bは、センサ電極11と同等の電位が与えられ、第2シールド電極13a,13bは、グランド電位が与えられる。
【選択図】図2

Description

本発明は、自動車などの車両に設けられたドアや建物などの施設に設けられたドアの施錠および解錠を制御するシステムに用いられ、これらのドアに設けられたドアハンドルへの人体の接近を検知する人体接近検出装置に関する。
従来より、自動車などの車両に設けられたドアや建物などの施設に設けられたドアの施錠および解錠の操作を制御するシステムとして、例えば図9に示すように、車両用ドアに設けられた車両用ドアハンドルのハウジング30内のドア側の壁面内側近傍にセンサ電極31を設け、人体が車両用ドアハンドルのドア側の壁面に接触すると静電容量変化を検知して施錠および解錠を行うものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
従来のこの種のシステムは、通常、車体のフレーム(ボディ)自体が電気的に接地されており、車体のドア32とそのドアハンドルのハウジング30内のセンサ電極31とにより形成される静電容量を基準として、人のドアハンドルへの接近を判断することができるように構成されている。
すなわち、この種のシステムでは、人の手がそのドア32とセンサ電極31との間に入ってセンサ電極31と人体とにより静電容量が形成されることによって、センサ電極31が検出する静電容量が変化するので、この静電容量変化によって人の車両用ドアハンドルへの接近を検出することが行われている。
特開2002−295064号公報の段落[0022]
しかしながら、上述したような従来の車両用ドアの施錠および解錠の操作を制御するシステムでは、例えばセンサ電極31の近傍にその自動車のキーレスエントリーシステムに用いられる送受信用アンテナが存在する場合、その送受信用アンテナとセンサ電極31との間には静電容量結合があるため、送受信用アンテナから電波が発生するとその影響によって送受信用アンテナとセンサ電極31との間の静電容量が変化して、人体が接近したものと誤って検知してしまうという問題がある。また、自車とは異なる他の自動車の送受信用アンテナが接近した場合にも、同様に誤動作が生じてしまうという問題がある。
このような問題は、人体が接近した場合や送受信用アンテナから電波が発生した場合などの様々な静電容量の変化を信号パターンとして制御装置などに記憶させておき、実際に発生した静電容量の信号パターンと比較判定することにより解消可能であるが、大量のデータ処理や記憶装置が必要となり、システム全体が高価なものとなるとともに処理が複雑になってしまうという問題がある。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたもので、送受信用アンテナにより電波の送受信が行われた場合であっても、誤動作が生じるのを効果的に防止することができるとともに、安価に構成可能で複雑な前処理を不要とすることができる人体接近検出装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決し、目的を達成するため、本発明に係る人体接近検出装置は、ドアに取り付けられたドアハンドルのハウジングの内部におけるドア側壁面近傍に設けられ、人体が接近することにより静電容量が変化するセンサ電極と、前記ハウジングの内部に設けられ、前記センサ電極の外部環境変化による静電容量変化を抑制する補助電極と、前記ハウジングの内部に設けられ、前記センサ電極の静電容量変化を検出する検知回路と、前記ハウジングの内部の前記ドアとは反対側の壁面近傍に設けられ、キーレスエントリーシステムに用いられる認証用送受信キーの送受信用アンテナとを備え、前記補助電極は、前記検知回路と前記送受信用アンテナの間に介在する状態で前記ハウジングの内部に配置されていることを特徴とする。
本発明に係る人体接近検出装置は、以上のように構成することにより、ドアハンドルのハウジング内に設けられた送受信用アンテナにより電波が送受信された場合であっても、この送受信用アンテナと検知回路の間に介在する補助電極によって、例えばセンサ電極の静電容量変化や検知回路に与えられる電波の影響が抑制されるので、誤動作が生じるのを効果的に防止することができる。また、本発明に係る人体接近検出装置は、補助電極を設けているだけで、大量のデータ処理や記憶装置などを必要としない。
前記補助電極は、前記送受信用アンテナよる電波の影響を少なくとも前記検知回路に対して及ぼさないように前記ハウジングの内部に配置されている構成とされていてもよい。
前記補助電極は、グランド電位または前記センサ電極と同等の電位が与えられている構成とされていてもよい。なお、ここでいうセンサ電極と同等の電位とは、センサ電極と同一またはそれに近く、センサ電極との間の静電容量結合が非常に小さい電位のことをいう。
また、前記補助電極は、前記センサ電極と前記ドアとの間に存する位置の前記ハウジングの内部に設けられ、前記グランド電位または前記センサ電極と同等の電位が与えられる第1シールド電極を含む構成とされていてもよい。
また、前記第1シールド電極は、前記ハウジングの内部の前記ドア側壁面近傍に設けられ、前記センサ電極の周囲を取り囲むように配置されるとともに前記検知回路の少なくとも一部と前記ドアとは反対側の壁面との間に対向配置され、前記グランド電位または前記センサ電極と同等の電位が与えられている構成とされていてもよい。
さらに、前記第1シールド電極は、前記ハウジングの内部の前記ドアとは反対側の壁面と前記センサ電極との間にさらに設けられ、前記グランド電位または前記センサ電極と同等の電位が与えられている構成とされていてもよい。
また、前記補助電極は、前記ハウジングの内部の前記ドアとは反対側の壁面と前記センサ電極および前記検知回路との間に設けられ、前記グランド電位または前記センサ電極と同等の電位が与えられる第2シールド電極を含む構成とされていてもよい。
また、前記第2シールド電極は、前記ハウジングの内部の前記ドアとは反対側の壁面と前記第1シールド電極との間に設けられ、前記グランド電位または前記センサ電極と同等の電位が与えられている構成とされていてもよい。
また、前記第2シールド電極は、前記検知回路の少なくとも一部と前記ドアとは反対側の壁面との間においては、該検知回路の少なくとも一部と対向配置された前記第1シールド電極の周囲を取り囲むようにさらに設けられ、前記グランド電位または前記センサ電極と同等の電位が与えられている構成とされていてもよい。
なお、前記センサ電極および前記補助電極は、同一の可撓性プリント回路にて形成され、該可撓性プリント回路上に、前記検知回路が搭載されている構成とされていてもよい。
さらに、前記センサ電極および前記補助電極の少なくとも一方には、溝が形成されている構成とされていてもよい。
また、前記ハウジング内に設けられ、前記センサ電極による静電容量の検出状態を発光する発光体をさらに備え、前記ハウジングの少なくとも一部は、透光性素材で形成されている構成とされていてもよい。
以上のように本発明によれば、送受信用アンテナにより電波の送受信が行われた場合であっても、誤動作が生じるのを効果的に防止することができるとともに、安価に構成可能で複雑な前処理を不要とすることができる人体接近検出装置を提供することができる。
以下に、添付の図面を参照して、本発明に係る人体接近検出装置の好ましい実施の形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る人体接近検出装置が搭載される自動車の車両用ドアハンドルの例を示す平面図、図2は図1のA−A’断面図、図3は図1のB−B’断面図である。また、図4は、同人体接近検出装置の全体構成の例を示す平面図、図5は同人体接近検出装置の全体構成の例を示す斜視図、図6は、同人体接近検出装置の電気的な概略構成の例を示す回路図である。この実施の形態に係る人体接近検出装置は、例えば自動車の車両用ドアの施錠および解錠を制御するシステムに用いられ、車両用ドアに設けられた車両用ドアハンドルへの人体の接近を検知するものである。
人体接近検出装置は、主にセンサ部10と主回路部20とを備えて構成されている。センサ部10は、車両用ドアハンドル4を構成するハウジング6のドア2側の壁面6aに沿って長手方向(図2および図3の紙面と直交する方向)に延びる矩形状のセンサ電極11を備えている。
また、センサ部10は、同様に壁面6aの内側に設けられ、センサ電極11の周りを囲むように設けられる(図2参照)とともに、後述する主回路部20の少なくとも一部とドア2とは反対側の壁面6bとの間に対向配置された(図3参照)第1シールド電極12a,12bを備えている。なお、このセンサ部10では、第1シールド電極12aは、上述した壁面6bとセンサ電極11との間にも設けられている(図2参照)。
さらに、センサ部10は、壁面6bとセンサ電極11および主回路部20との間に設けられる(図2および図3参照)とともに、主回路部20の少なくとも一部と壁面6bとの間においては、この主回路部20の少なくとも一部と対向配置された第1シールド電極12bの周りを取り囲むように設けられた(図3参照)第2シールド電極13a,13bを備えている。
なお、第2シールド電極13aは、具体的には、壁面6bと第1シールド電極12a,12bとの間に配置されている。そして、これら第1シールド電極12a,12bおよび第2シールド電極13a,13bは、ハウジング6内のセンサ電極11および主回路部20と後述する送受信用アンテナ19との間に介在する状態で配置され、センサ電極11に対する補助電極を構成するとともに、主回路部20に対するシールド電極の役割を担う。
このように構成されたセンサ部10は、図4および図5に示すように、例えば一枚のフレキシブルプリント回路(FPC)によって構成されており、センサ電極11、第1シールド電極12a,12bおよび第2シールド電極13a,13bは、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリイミド(PI)、ポリアミド(PA)またはエポキシ樹脂などの各種の絶縁体からなる絶縁板14上にパターン形成された銅、銅合金またはアルミニウムなどの各種の導電体などから構成されている。
センサ電極11は、図4に示すように、一部が主回路部20と接続された長方形状に形成されており、第1シールド電極12aは、絶縁板14上のセンサ電極11形成箇所近傍においては、このセンサ電極11の周りを囲む変形ロの字状(一部が繋がっていないロの字状)に形成されており、センサ電極11の対向側においては、長方形状に形成されている。また、第1シールド電極12bは、主回路部20の対向側においては、正方形状に形成されている。
第2シールド電極13aは、センサ電極11および主回路部20の対向側における絶縁板14上の第1シールド電極12a,12b形成箇所近傍においては、絶縁板14を挟んで第1シールド電極12a,12bと反対の板面に長方形状に形成されている。そして、第2シールド電極13bは、第1シールド電極12b形成箇所近傍においては、この第1シールド電極12bの周りを取り囲むロの字状に形成されている。
第1シールド電極12a,12bには、図6に示すように、例えばセンサ電極11と同等の電位が与えられており、第2シールド電極13a,13bには、グランド電位が与えられている。人体接近検出装置は、このように形成されたセンサ部10を、図4に示すように矢印方向に折り曲げて組み立て、車両用ドアハンドル4のハウジング6内に収容される。
そして、キーレスエントリーシステムの認証用送受信キーの送受信用アンテナ19は、車両用ドアハンドル4のハウジング6内におけるセンサ電極11と壁面6bとの間の空間に配置される。この送受信用アンテナ19は、具体的には、例えばセンサ電極11に沿って延びる矩形棒状の金属部材からなり、ハウジング6内の壁面6bと第2シールド電極13aとの間の空間に配置される。
なお、主回路部20に最も近い第1シールド電極12a,12bは、センサ電極11と同等の電位が与えられ、第2シールド電極13a,13bは、送受信用アンテナ19と第1シールド電極12a,12bとの間に配置されてグランド電位が与えられているが、これは、主回路部20とグランドとの結合が支配的となって、人体に対するセンサ感度の低下が起こることを防止するためのものである。
このため、第1シールド電極12a,12bのみを配置する場合は、例えばこれらにグランド電位が与えられていてもよい。なお、本例の人体接近検出装置はFPCによって構成したが、例えば金属もしくはリジッドプリント基板、リジッド−フレキシブル基板、電線またはメンブレンなどを用いて構成するようにしてもよい。
一方、図6に示すように、主回路部20は、例えば次のように構成されている。すなわち、センサ電極11は、主回路部20の検知回路23の入力端に接続されている。また、センサ電極11は、演算増幅器からなるバッファ21の一方の入力端に接続されている。バッファ21の他方の入力端には、第1シールド電極12a,12bが接続されるとともに出力端に接続されている。
バッファ21は、センサ電極11と第1シールド電極12a,12bとを常に高インピーダンス状態を保ちつつ、同電位として両者間の充放電を防止する。センサ電極11からの出力信号は、検知回路23に入力されている。検知回路23は、センサ電極11と、第2シールド電極13a,13b、ドア2およびグランドとみなされる接近した人体との間の静電容量に応じて周波数またはデューティー比が変化するパルス信号を出力する。
このパルス信号は、ローパスフィルタ(LPF)24に入力されている。LPF24は、検知回路23からのパルス信号を平滑化して検知信号を出力する。制御回路25は、LPF24からの検知信号を入力し、その信号レベルに応じて外部電気回路にスイッチ出力を行う。
図7は、静電容量Cに応じてデューティー比が変化する検知回路23の構成の例を示す回路図である。検知回路23は、例えば、一定周期のトリガ信号TGを出力するトリガ信号発生回路231と、入力端に接続された静電容量Cの大きさによってデューティー比が変化するパルス信号Poを出力するタイマー回路232とを備えて構成されている。
タイマー回路232は、例えば2つの比較器2321,2322と、これら比較器2321,2322の出力がそれぞれリセット端子Rおよびセット端子Sに入力されるRSフリップフロップ回路(以下、「RS−FF」と呼ぶ)2323と、このRS−FF2323の出力DIS(ディスチャージ信号)をLPF24に出力するバッファ2324と、RS−FF2323の出力DISでオン/オフ制御されるトランジスタ2325とを備えて構成されている。
比較器2322は、トリガ信号発生回路231から出力される図8に示すようなトリガ信号TGを、抵抗R1,R2,R3によって分割された所定の閾値Vth2と比較して、トリガ信号TGに同期したセットパルスを出力する。このセットパルスは、RS−FF2323のQ出力をセットする。
このQ出力は、ディスチャージ信号DISとしてトランジスタ2325をオフ状態にし、センサ電極11およびグランドの間を、センサ電極11の対接地静電容量Cおよび入力端と電源ラインとの間に接続された抵抗R4による時定数で決まる速度で充電する。これにより、図8に示すように、入力信号Vinの電位が静電容量によって決まる速度で上昇する。
そして、入力信号Vinが、抵抗R1,R2,R3により決まる閾値Vth1を超えたら、比較器2321の出力が反転してRS−FF2323の出力を反転させる。この結果、トランジスタ2325がオン状態となってセンサ電極11に蓄積された電荷がトランジスタ2325を介して放電される。
したがって、このタイマー回路232は、図8に示すように、センサ電極11および第2シールド電極13a,13bの間の静電容量に基づくデューティー比で発振するパルス信号Poを出力する。LPF24は、この出力を平滑化することにより、図8に示すような直流の検知信号Voutを出力する。
なお、図8中、実線で示す波形と点線で示す波形は、前者が後者よりも静電容量が小さいことを示している。本実施の形態に係る人体接近検出装置においては、例えば車両用ドアハンドル4のハウジング6のドア2側の壁面6aにおけるセンサ電極11のセンサ領域に人体の手などが近づくと、センサ電極11と第2シールド電極13a,13bおよびドア2との間の静電容量に加えて、センサ電極11に対する人体をグランドとする容量結合が発生する。
このため、検出されるセンサ電極11とグランドとの間の静電容量は大きくなる。したがって、図8の点線で示す波形は人体の近接状態を示している。そして、車両用ドアハンドル4のハウジング6のドア2側の壁面6aにおけるセンサ電極11のセンサ領域全体に人体の手が接触して完全に覆われた状態となると、検出されるセンサ電極11とグランドとの間の静電容量は最大値に達する。
本実施の形態に係る人体接近検出装置は、人体の手が存在しないときの静電容量と最大値との間の任意の閾値に静電容量が達したときをトリガとして、自動車のドア2の施錠および解錠を行うように構成されている。なお、この閾値は、車両用ドアハンドル4への人体の手のかけ方などによる静電容量の増加量から適切な値を演算などして決定し、人体接近検出装置に設定しておけばよい。
本実施の形態に係る人体接近検出装置は、ハウジング6内のセンサ電極11の周囲および対向位置にセンサ電極11と同等の電位の第1シールド電極12aを設けるとともに、主回路部20の対向位置に同様の電位の第1シールド電極12bを設けている。また、グランド電位の第2シールド電極13aを第1シールド電極12a,12bと送受信用アンテナ19との間に設けるとともに、同様の電位の第2シールド電極13bを第1シールド電極12bの周囲に設けている。
すなわち、センサ電極11および主回路部20に近い位置には、センサ電極11と同等の電位の第1シールド電極12a,12bを配置し、送受信用アンテナ19に近い位置にはグランド電位の第2シールド電極13a,13bを配置している。このため、センサ電極11と送受信用アンテナ19との間の静電容量が低下するので、送受信用アンテナ19による電波の送受信による静電容量変化の影響を極力受けずに、接近する人体の検出感度を良好に保つことができる構成を実現し、送受信用アンテナ19により電波の送受信が行われた場合であっても、誤動作が生じるのを効果的に防止することができる。
本例の人体接近検出装置のこのような効果は、自車の近傍にある他車の送受信用アンテナにより電波の送受信が行われた場合にも有効である。また、このような構成にすることによって、人体接近検出装置全体を安価に構成することができ、データ処理などの複雑な前処理を不要とすることができる。
なお、上述した一実施の形態に係る人体接近検出装置では、第1シールド電極12aは、必ずしも絶縁板14におけるセンサ電極11と同一面上に設けられている必要はなく、ハウジング6のドア2側の壁面6aにおけるセンサ電極11の対応する位置の周囲において、センサ電極11と同等の電位を生じさせるものであれば、異なる平面上に設けられていてもよい。
また、センサ電極11に対応する位置の周囲とは、センサ電極11の近傍だけでなく、車両用ドアハンドル4とドア2との接続部など、車両用ドアハンドル4のハウジング6を介したセンサ電極11とドア2との間の空間的位置も含まれる。なお、キーレスエントリーシステムの基本的構造は、上述した特許文献1に記載されているため、ここでは説明を省略する。
また、図示は省略するが、上述した人体接近検出装置において、センサ電極11、第1シールド電極12a,12bおよび第2シールド電極13a,13bのそれぞれに、例えば長手方向に延びる溝を形成するようにしてもよい。この溝は、例えば各電極11,12a,12b、13a,13bの長手方向に延びるパターンをそれぞれ長手方向に折り返すことによって形成され、各溝の幅は、各電極11、12a,12b、13a,13bの長手方向に延びるパターンの幅と同一またはそれよりも短く形成されればよい。
すなわち、送受信用アンテナ19は、一般的にバーアンテナと呼ばれるフェライトに巻き線を巻いた構造からなり、コンデンサと直列共振回路を構成して駆動するので、送受信用アンテナ19からの出力によって、各電極11、12a,12b、13a,13bの一部またはすべてから渦電流が発生し、これにより送受信用アンテナ19からの出力が低下したり、またはそのインピーダンスにより回路の共振周波数が変化して特性が劣化してしまうことがある。
しかしながら、上述したような溝を各電極11、12a,12b、13a,13bに設けることによって、各電極11、12a,12b、13a,13bから発生する渦電流を減少させることができるようになる。また、溝の幅を各電極11、12a,12b、13a,13bの長手方向に延びるパターンの幅と同一またはそれよりも短く形成することで、各溝の電位は周囲と同じになり、各電極11、12a,12b、13a,13bの効果が低減することを防止することができる。なお、このような溝は、各電極11、12a,12b、13a,13bのすべてに形成する必要はなく、そのパターンも折り返すのではなく長手方向に延びる櫛歯状に形成するようにしてもよい。
また、上述した人体接近検出装置は、キーレスエントリーシステムに用いられる発振回路を主回路部20に含めてFPCの絶縁板14上に形成するようにしてもよく、車両用ドアハンドル4のハウジング6内に、LEDやELなどの発光体を設けて、自動車のドア2の施錠および解錠のトリガとなる静電容量の検出の際に、LEDやELなどの発光体を発光させるように構成してもよい。
この場合は、少なくとも車両用ドアハンドル4のハウジング6の一部、すなわち光を外部に出したい部分を透光性の部材で構成する必要がある。また、この部分にセンサ電極11などを配置する場合は、絶縁板14として透光性を有するものを使用し、その絶縁板14上に透光性導電材料を塗布などすることによってセンサ電極11などのパターンを形成すればよい。なお、透光性導電材料としては、例えばITO(酸化インジウムスズ)、ZnO(酸化亜鉛)、導電性ポリマー(PEDOT/PSS)などを用いればよい。
また、上述した人体接近検出装置では、静電容量を検知する検知回路23として、抵抗とコンデンサの時定数によって出力パルスのデューティー比が変化する周知のタイマー回路(タイマーIC)を利用する構成のものを説明したが、これに限定されるものではなく、例えば直接インピーダンスを測定する方法、発振回路を構成して発振周波数を測定する方法、RC充放電回路を構成して充放電時間を計測する方法、既知の電圧で充電した電荷を既知の容量に移動してその電圧を測定する方法、または電荷の移動を複数回行い既知容量に所定電圧が充電されるまでの回数を測定する方法など、各種の方法があり、検出した静電容量に閾値を設け、または静電容量の信号波形を解析して該当する静電容量の波形になったときをトリガとするなどの各種の処理を行ってもよい。
さらに、上述した人体接近検出装置では、演算増幅器のボルテージフォロワによりバッファ21を構成し、センサ電極11と第1シールド電極12a,12bとをこれらバッファ21を介して接続しているが、このようなボルテージフォロワでなくても、例えば1倍の増幅器で高入力インピーダンス低出力インピーダンスであればよく、このときに使用する演算増幅器は、高速(低遅延時間)、高スルーレートの特性を有することが好ましい。
また、センサ電極11への印加電圧をA/Dコンバータで取り込み、同じ電圧をD/Aコンバータで出力して、それを第1シールド電極12a,12bに接続する方法であってもよい。そして、検知回路23からセンサ電極11への印加電圧は、演算増幅器の非反転入力に接続し、反転入力をセンサ電極11に接続し、さらに第1シールド電極12a,12bには非反転入力を直接接続してドライブするようにしてもよい。また、センサ電極11へ加える信号と同一周期の矩形波(ディジタル信号)を第1シールド電極12a,12bに加えても、同電位に近い効果が得られることは言うまでもない。
以上述べたように、本実施の形態に係る人体接近検出装置によれば、車両用ドアハンドル4のハウジング6内に設けられた送受信用アンテナ19により電波が送受信されたり、自車の近傍にある他車の送受信用アンテナにより電波が送受信された場合であっても、第1シールド電極12a,12bおよび第2シールド電極13a,13bからなる補助電極によってセンサ電極11の静電容量変化が抑制される。
このため、ドア2の施錠や解錠に際しての誤動作が生じるのを効果的に防止することができるとともに、補助電極を設けるという簡単な構成で誤動作を防止することができるので、大量のデータ処理や記憶装置などを必要とせず、安価に人体接近検出装置を構成することが可能となる。
さらに、上述した人体接近検出装置は、自動車などの車両に設けられた車両用ドアハンドル4にてドア2の施錠および解錠を制御する場合に適用したものを例に挙げて説明したが、建物などの施設に設けられたドアの施錠および解錠を制御する場合にも同様に適用することができる。
本発明の一実施の形態に係る人体接近検出装置が搭載される自動車の車両用ドアハンドルの例を示す平面図である。 図1のA−A’断面図である。 図1のB−B’断面図である。 同人体接近検出装置の全体構成の例を示す平面図である。 同人体接近検出装置の全体構成の例を示す斜視図である。 同人体接近検出装置の電気的な概略構成の例を示す回路図である。 同人体接近検出装置の検知回路の構成の例を示す回路図である。 同人体接近検出装置の動作の例を示す波形図である。 従来の人体接近検出装置が搭載される自動車の車両用ドアハンドルの平面図である。
符号の説明
2…ドア、4…車両用ドアハンドル、6…ハウジング、6a,6b…壁面、10…センサ部、11…センサ電極、12a,12b…第1シールド電極、13a,13b…第2シールド電極、14…絶縁板、19…送受信用アンテナ、20…主回路部、21…バッファ、23…検知回路、24…LPF、25…制御回路。

Claims (12)

  1. ドアに取り付けられたドアハンドルのハウジングの内部におけるドア側壁面近傍に設けられ、人体が接近することにより静電容量が変化するセンサ電極と、
    前記ハウジングの内部に設けられ、前記センサ電極の外部環境変化による静電容量変化を抑制する補助電極と、
    前記ハウジングの内部に設けられ、前記センサ電極の静電容量変化を検出する検知回路と、
    前記ハウジングの内部の前記ドアとは反対側の壁面近傍に設けられ、キーレスエントリーシステムに用いられる認証用送受信キーの送受信用アンテナとを備え、
    前記補助電極は、前記検知回路と前記送受信用アンテナの間に介在する状態で前記ハウジングの内部に配置されている
    ことを特徴とする人体接近検出装置。
  2. 前記補助電極は、前記送受信用アンテナによる電波の影響を少なくとも前記検知回路に対して及ぼさないように前記ハウジングの内部に配置されていることを特徴とする請求項1記載の人体接近検出装置。
  3. 前記補助電極は、グランド電位または前記センサ電極と同等の電位が与えられていることを特徴とする請求項1または2記載の人体接近検出装置。
  4. 前記補助電極は、前記センサ電極と前記ドアとの間に存する位置の前記ハウジングの内部に設けられ、前記グランド電位または前記センサ電極と同等の電位が与えられる第1シールド電極を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の人体接近検出装置。
  5. 前記第1シールド電極は、前記ハウジングの内部の前記ドア側壁面近傍に設けられ、前記センサ電極の周囲を取り囲むように配置されるとともに前記検知回路の少なくとも一部と前記ドアとは反対側の壁面との間に対向配置され、前記グランド電位または前記センサ電極と同等の電位が与えられていることを特徴とする請求項4記載の人体接近検出装置。
  6. 前記第1シールド電極は、前記ハウジングの内部の前記ドアとは反対側の壁面と前記センサ電極との間にさらに設けられ、前記グランド電位または前記センサ電極と同等の電位が与えられていることを特徴とする請求項5記載の人体接近検出装置。
  7. 前記補助電極は、前記ハウジングの内部の前記ドアとは反対側の壁面と前記センサ電極および前記検知回路との間に設けられ、前記グランド電位または前記センサ電極と同等の電位が与えられる第2シールド電極を含むことを特徴とする請求項3〜6のいずれか1項記載の人体接近検出装置。
  8. 前記第2シールド電極は、前記ハウジングの内部の前記ドアとは反対側の壁面と前記第1シールド電極との間に設けられ、前記グランド電位または前記センサ電極と同等の電位が与えられていることを特徴とする請求項7記載の人体接近検出装置。
  9. 前記第2シールド電極は、前記検知回路の少なくとも一部と前記ドアとは反対側の壁面との間においては、該検知回路の少なくとも一部と対向配置された前記第1シールド電極の周囲を取り囲むようにさらに設けられ、前記グランド電位または前記センサ電極と同等の電位が与えられていることを特徴とする請求項7または8記載の人体接近検出装置。
  10. 前記センサ電極および前記補助電極は、同一の可撓性プリント回路にて形成され、
    該可撓性プリント回路上に、前記検知回路が搭載されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項記載の人体接近検出装置。
  11. 前記センサ電極および前記補助電極の少なくとも一方には、溝が形成されていることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項記載の人体接近検出装置。
  12. 前記ハウジング内に設けられ、前記センサ電極による静電容量の検出状態を発光する発光体をさらに備え、
    前記ハウジングの少なくとも一部は、透光性素材で形成されていることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項記載の人体接近検出装置。
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