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JP2009099510A - 照明装置 - Google Patents

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JP2009099510A JP2007309269A JP2007309269A JP2009099510A JP 2009099510 A JP2009099510 A JP 2009099510A JP 2007309269 A JP2007309269 A JP 2007309269A JP 2007309269 A JP2007309269 A JP 2007309269A JP 2009099510 A JP2009099510 A JP 2009099510A
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Abstract

【課題】照明される対象物に含まれる複数の色を鮮やかに見せることができ、また照明される対象物が変化した場合にも、変化した対象物に応じた複数の色を鮮やかに見せることができる照明装置を提供することである。
【解決手段】照明装置は、画像センサ11と、演算部12と、制御部13と、光源部14とを備える。光源部14は、少なくとも赤、緑、青色光を照射可能である。画像センサ11は、光源部によって照明される対象物を撮影する。演算部12は、撮影した画像に基づいて対象物上に分布する色成分を演算する。制御部13は、演算部で求めた対象物上に分布する色成分に応じて前記光源部の色光を制御する。
【選択図】図1

Description

本発明は、物体の色をより鮮やかに見せるための照明装置に関する。
例えば、鮮肉、鮮魚などの食品は黄ばみを取ることによって鮮肉、鮮魚などが鮮やかに演色され、新鮮に見える効果があることは周知の通りである。そのため、580nm付近(黄色成分)の発光エネルギーを吸収するために、白熱電球のバルブにネオジウムを混入したネオジウム電球は各照明メーカーからすでに販売されている。この効果は、蛍光ランプなどの他の照明ランプにおいても同等の効果があることが知られている。
ここで、従来の照明ランプの演色性(色の見え方)を定量的に評価する方法としては、「色の見え方の忠実性の評価方法」がある。
これは、対象とする照明ランプが太陽光や白熱電球光などの基準光に比べ、どの程度忠実に色を再現しているかを定量的に評価する方法で、現在JIS Z 8726「光源の演色性評価方法」で規定されてあり、平均演色評価数Raの数値で表わされている。
また、演色の主観的な好ましさを評価する方法としてJIS Z 8726の参考(演色評価数による以外の演色性評価方法)に記載する色域面積比(以後Gaと称す。)がある。このGaにより、光源で照明したときの物体色の見え方が鮮やかに見えるか、くすんで見えるかを評価できる。そして、Gaが100より大きいとき彩度が増し、物体色が鮮やかに見える。一方、Gaが100より小さくなると彩度が減少し、物体色がくすんで見える。
また、特許文献1に記載されているランプは、4色試験色(赤,黄,青,緑)が鮮やかに見える目立ち指数を定義し、それらの色が好ましく見えるランプおよび照明器具を作製している。
特許第3040719号公報
しかしながら、ネオジウム電球や特許文献1に記載されているランプは、常に単一の色光によって対象物を照明するため、照明される対象物に含まれる複数の色を鮮やかに見せることはできない。また、ネオジウム電球や特許文献1に記載されているランプは、照明される対象物が変化した場合に対応することができない。
さらに、例えば単一の色の光によって対象物を照明した場合、照明される対象物が食器など白色の物体である場合には、白色の物体に色が付いているように見え、白色に見えなくなるという問題もある。
そこで、本発明は上記の問題に鑑み、照明される対象物に含まれる複数の色を鮮やかに見せることができる照明装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、照明される対象物が変化した場合にも、変化した対象物に応じた複数の色を鮮やかに見せることができる照明装置を提供することを目的とする。
さらに、本発明は、照明される対象物が食器などの白色の物体である場合に、その物体を白色に見せることができる照明装置を提供することを目的とする。
本発明による請求項1の照明装置は、少なくとも赤、緑、青色光を照射可能な光源部と;前記光源部によって照明される対象物を撮影する画像センサと;撮影した画像に基づいて対象物上に分布する色成分を演算する演算部と;前記演算部で求めた対象物上に分布する色成分に応じて前記光源部の色光を制御する制御部と;を具備したものである。
上記の説明で、光源部は、例えば赤、緑、青色光の3色光を照射する3色LEDによる照明装置で構成されていてもよい。或いは、赤、緑、青色光を発色する蛍光体を塗着した放電灯による照明装置であってもよい。更には、カラー画像を映出した例えば透過型のカラー液晶パネルに白熱灯或いは白色LEDから白色光を照射することで、カラー画像の内容にほぼ一致した色光照明を行えるようにしてもよい。或いは、白熱灯或いは白色LEDから白色光を、プリズム等で赤、緑、青色光の3色光に分解したものを色光として用いて色光照明を行えるようにしてもよい。
画像センサは、例えばRGB色フィルタやXYZフィルタを備えたCCDやCMOSセンサで構成されている。
演算部及び制御部は、マイクロコンピュータ又はマイクロプロセッサ、CPU(中央演算処理装置)又はDSP(デジタルシグナルプロセッサ)などで構成される。
本発明による請求項2の照明装置は、請求項1に記載の照明装置において、前記演算部は、撮影した画像における対象物の各部分の位置に対応した色の分布を演算し、前記制御部は、対象物上の位置に対応した色の分布を生成するために前記光源部を制御することを特徴とする。
本発明による請求項3の照明装置は、請求項1に記載の照明装置において、前記演算部は、撮影した画像における対象物の色を検出し、対象物の中で最も多く含まれている色を決定し、前記制御部は、前記演算部で決定された光色を作成するために前記光源部を制御することを特徴とする。
本発明による請求項4の照明装置は、請求項1又は3に記載の照明装置において、前記画像センサは、XYZ等色関数に近似したフィルタを備えたことを特徴とする。
本発明による請求項5の照明装置は、請求項1に記載の照明装置において、前記演算部は、撮影した画像における各画素のR,G,B階調値を検出し、階調値に応じて光源部での混光比を演算し、前記制御部は、前記演算部で決定された混光比を再現するために前記光源部を制御することを特徴とする。
本発明による請求項6の照明装置は、請求項1又は5に記載の照明装置において、前記画像センサは、RGB色フィルタを備えたことを特徴とする。
本発明による請求項7の照明装置は、請求項3乃至請求項6のいずれか1つに記載の照明装置において、撮影した画像における、強調したい部分又は背景を除いた部分だけを対象部分として選択する手段をさらに具備し、選択した範囲内の色を強調可能としたことを特徴とする。
本発明による請求項8の照明装置は、請求項1乃至7のいずれか1つに記載の照明装置において、前記光源部は、投影式プロジェクタであることを特徴とする。
投影式プロジェクタは、例えば液晶プロジェクタのように、透過型のカラー液晶パネルにカラー画像を映出した状態で白色光を照射することにより、カラー画像の内容にほぼ一致した色光照射を行えるものである。
本発明による請求項9の照明装置は、請求項5に記載の照明装置において、前記演算部は、画像センサで撮影された画像の全部あるいは一部の各画素のR,G,B階調値を検出し、画素ごとにR,G,B階調値の割合を算出する算出手段と;算出した画素ごとのR,G,B階調値の割合に基づいて画素ごとに有彩色か無彩色かを判定する無彩色判定手段と; 無彩色と判定された画素のうち白色画素と灰色画素を区別する白色判定手段と;を備え、前記制御部は、前記白色画素と判定された画素数の割合が、画像の全部あるいは一部の画素数に対して所定割合以上の場合には、R,G,B混光による光源色を黒体放射軌跡から偏差0.02の範囲内に入るよう前記光源部を制御することを特徴とする。
本発明による請求項10の照明装置は、請求項9に記載の照明装置において、前記無彩色判定手段は、前記算出手段における画素ごとのR,G,B階調値それぞれの割合が全て所定割合以上であれば、無彩色と判定し、前記白色判定手段は、前記無彩色判定手段における無彩色と判定された画素のR,G,B階調値の平均階調値を算出し、その平均階調値が所定階調値以上又は予め定めた基準値以上であれば、白色画素と判定し、前記制御部は、前記白色画素と判定された画素数の割合が画像の全部あるいは一部の画素数に対して所定割合以上であれば、R,G,B混光による光源色を黒体放射軌跡から偏差0.02の範囲内に入るよう制御することを特徴とする。
本発明による請求項11の照明装置は、請求項10に記載の照明装置において、前記無彩色判定手段における前記所定割合は30%、前記白色判定手段における前記所定階調値は200(全階調0〜255とした場合)、前記制御部における前記所定割合は20%であることを特徴とする。
本発明による請求項12の照明装置は、請求項10又は11に記載の照明装置において、前記無彩色判定手段における前記所定割合、前記白色判定手段における前記所定階調値、前記制御部における前記所定割合のうち、少なくとも1つを可変に設定可能とすることを特徴とする。
本発明による請求項13の照明装置は、請求項5に記載の照明装置において、前記演算部は、前記画像センサで撮影した画像における各画素の位置と、その各画素のR,G,B階調値を保持する第1の記憶部と;その次に撮影した画像における各画素の位置と、その各画素のR,G,B階調値と前回撮影時の各画素のR,G,B階調値の差分値を計算して保持する第2の記憶部と;n番目(nは1以上の整数)の差分値とn+1番目の差分値とを比較して、照明される対象物の動きを検出する手段と;を備え、比較結果から対象物に動きがない場合にはその時点の調光状態を維持することを特徴とする。
本発明による請求項14の照明装置は、請求項13に記載の照明装置において、前記対象物の動きを検出する手段は、n+1番目の差分値とn番目の差分値との差分を求め、求めた差分が予め定めたしきい値より小さいか否かで対象物の動きを判定することを特徴とする。
本発明による請求項15の照明装置は、請求項13又は14に記載の照明装置において、前記画像センサによる画像の撮影は、演算部で決定された混光比を再現するごとに行われることを特徴とする。
本発明による請求項16の照明装置は、請求項13又は14に記載の照明装置において、前記画像センサによる画像の撮影は、演算部で決定された混光比を再現する途中および再現するごとに行われることを特徴とする。
本発明による請求項17の照明装置は、請求項5に記載の照明装置において、前記演算部は、前記画像センサで撮影された画像の全部あるいは一部の各画素のR,G,B階調値からxy色度を算出する算出手段と;算出した画素ごとのxy色度に基づいて画素ごとに白色画素か否かを区別する白色判定手段と;を備え、前記制御部は、前記白色画素と判定された画素数の割合が、画像の全部あるいは一部の画素数に対して所定割合以上の場合には、R,G,B混光による光源色を黒体放射軌跡から偏差0.02の範囲内に入るよう前記光源部を制御することを特徴とする。
本発明による請求項18の照明装置は、請求項5に記載の照明装置において、前記画像センサは、CIE1931等色関数に近似したXYZフィルタを備え、前記演算部は、前記画像センサで撮影された画像の全部あるいは一部の各画素のxy色度を計測する計測手段と;計測した画素ごとのxy色度に基づいて画素ごとに白色画素か否を区別する白色判定手段と;を備え、前記制御部は、前記白色画素と判定された画素数の割合が、画像の全部あるいは一部の画素数に対して所定割合以上の場合には、R,G,B混光による光源色を黒体放射軌跡から偏差0.02の範囲内に入るよう前記光源部を制御することを特徴とする。
本発明による請求項19の照明装置は、請求項17又は18に記載の照明装置において、前記所定割合は20%であることを特徴とする。
本発明による請求項20の照明装置は、請求項5に記載の照明装置において、前記演算部は、光源部の各光源色の混光比の初期値を設定する手段と;前記画像センサにより撮影した画像の各画素の階調値に基づき、対象物の変化を経時的に検出する手段と;対象物の変化が検出された場合には、前記混光比を初期値に戻す手段と;を備え、初期値における混光状態において撮影した画像の各画素のR,G,B階調値を検出し、階調値に応じて光源部の混光比を演算することを特徴とする。
ここで、光源色の混光比とは、R,G,B各色光の強度の比、言い換えればR,G,B各色光別の調光率(%)の比である、ということができる。
本発明による請求項21の照明装置は、請求項20に記載の照明装置において、前記対象物の変化を経時的に検出する手段は、n+1番目(nは1以上の整数)の差分値とn番目の差分値との差分を計算し、その差分が予め定めたしきい値より小さいか否かで対象物の変化を検出することを特徴とする。
請求項1の発明によれば、照明される対象物に含まれる複数の色を鮮やかに見せることができる。また、照明される対象物が変化した場合にも、変化した対象物に応じた複数の色を鮮やかに見せることができる。対象物が変化しても、リアルタイムで処理して対象物を鮮やかに見せることが可能となる。
請求項2の発明によれば、照明される対象物に含まれる複数の色を鮮やかに見せることができる。また、照明される対象物が変化した場合にも、変化した対象物に応じた複数の色を鮮やかに見せることができる。対象物が変化しても、リアルタイムで処理して対象物を鮮やかに見せることが可能となる。
請求項3の発明によれば、照明される対象物に含まれる複数の色のうち、最も多く含まれる色成分を鮮やかに見せることにより、その色を強調した照明環境をつくることができる。対象物が変化しても、リアルタイムで処理して対象物を鮮やかに見せることが可能となる。
請求項4の発明によれば、XYZフィルタ付きの画像センサを用いて、画像の複数の点においてxy色度を求め、各点のxy色度を色度図上にプロットし、各色名の範囲のうち最もプロットが多い色を検出することにより、プロットが多い色を対象物の中で最も多く含まれている色と決定することができる。
請求項5の発明によれば、画像センサを用いて、 照明される対象物を撮影した画像のRGB階調値を検出し、RGB階調値に応じた混光比で赤、緑、青色光を点灯することにより、対象物の色を強調した照明環境をつくることができる。対象物が変化しても、リアルタイムで処理して対象物を鮮やかに見せることが可能となる。
請求項6の発明によれば、照明される対象物をRGB色フィルタ付きの画像センサにより撮影し、各画素のRGB階調値を検出することにより、対象物に含まれるRGBの成分の比を求め、対象物を鮮やかに見える色光で照射することが可能となる。
請求項7の発明によれば、より正確に強調したい範囲を鮮やかに見せることができる。
請求項8の発明によれば、投影式プロジェクタにより、対象物を撮影したカラー画像を、その対象物に対してほぼそのまま色光として照射することが可能となり、対象物に含まれる複数の色を鮮やかに見せることが実現できる。
請求項9の発明によれば、処理に使用した全画素数に対する白色画素数の割合が所定割合以上であれば、処理する全画素に対する白色画素の占める面積が一定以上の広さを有することを表しているので、色度図上で白色として必要な白色の範囲(黒体放射軌跡から偏差0.02の範囲)内に入るように光源色を制御することにより、白色物体を白色として見せることができる。
請求項10の発明によれば、白色を白色に見せるための条件として無彩色判定手段での割合値、白色判定手段での階調値、制御部での割合(制御条件値)を規定することができる。
請求項11の発明によれば、前記無彩色判定手段における割合値を30%、前記白色判定手段における階調値を200、前記制御部における割合値を20%とすれば、白色物体を白色として見せることの条件の一例を提示することができる。
請求項12の発明によれば、請求項10又は11に示した3つの値のうち、少なくとも1つの値を可変設定できるようにすることによって、白色を白色に見せるための調整を容易に行うことが可能となる。
請求項13の発明によれば、対象物が変化していない場合、対象物の色が過度に鮮やかになるような制御を防ぐことができる。
請求項14の発明によれば、対象物が変化していない場合、対象物の色が過度に鮮やかになるような制御を防ぐことができる。
請求項15の発明によれば、対象物が変化していない場合、対象物の色が過度に鮮やかになるような制御を防ぐことができる。
請求項16の発明によれば、対象物が変化していない場合、対象物の色が過度に鮮やかになるような制御を防ぐことができる。しかも、動き判定に要する時間を請求項15の場合に比べ半分にすることができる。
請求項17の発明によれば、R,G,B階調値から算出した画素のxy色度を色度図上にプロットし、白色の範囲にプロットされた点を白色画素と判断する。処理に使用した全画素数に対する白色画素数の割合が所定割合以上であれば、処理する全画素に対する白色画素の占める面積が一定以上の広さを有することを表しているので、色度図上で白色として必要な白色の範囲(黒体放射軌跡から偏差0.02の範囲)内に入るように光源色を制御することにより、白色物体を白色として見せることができる。
請求項18の発明によれば、画像センサはCIE1931等色関数に近似したXYZフィルタを備え、このXYZフィルタ付きの画像センサを用いて、画像内の複数の点においてxy色度を求める。各点のxy色度を色度図上にプロットし、白色の範囲にプロットされた点を白色画素と判断する。処理に使用した全画素数に対する白色画素数の割合が所定割合以上であれば、処理する全画素に対する白色画素の占める面積が一定以上の広さを有することを表しているので、色度図上で白色として必要な白色の範囲(黒体放射軌跡から偏差0.02の範囲)内に入るように光源色を制御することにより、白色物体を白色として見せることができる。
請求項19の発明によれば、白色画素と判定された画素数の割合が、画像の全部あるいは一部の画素数に対して20%以上であれば、白色の多い被写体であるとして、R,G,B混光による光源色を黒体放射軌跡から偏差0.02の範囲内に入るよう光源部を制御することにより、白色物体を白色として見せることができる。
請求項20の発明によれば、対象物が変化した場合には必ず初期混光状態に戻して対象物の色を判断することにより、例えば撮影した画像の対象物に赤成分が多い場合に、初期状態に戻せば、赤を鮮やかに見せるような混光照明によって赤成分が増加している状態をキャンセルすることができ、対象物の色が過度に鮮やかになるような制御を防ぐことができる。
請求項21の発明によれば、対象物が変化していない場合、対象物の色が過度に鮮やかになるような制御を防ぐことができる。
発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
[第1の実施形態]
図1は本発明の第1の実施形態の照明装置を示すブロック図である。各ブロックを動作順に並べた構成を示している。
図1に示す第1の実施形態の照明装置は、少なくとも赤、緑、青色光を照射可能な光源部14と、照明される対象物を撮影する画像センサ11と、画像センサ11にて撮影した画像における対象物の各部分の位置と色を検出し、対象物上の位置に対応した色の分布を演算する演算部12と、演算によって得られた対象物上の位置に対応した色の分布を生成するために光源部14の色光を制御する制御部13と、を備えている。
このように構成することにより、照明される対象物を画像センサ11により撮影し、撮影した画像における対象物の各部分の位置と色を検出して演算し、対象物の各部分に含まれる複数の色が鮮やかで好ましく見られるように光源部14を制御する照明装置を実現することが可能となる。
例えば、光源部14から未調整の(例えばホワイトバランス調整のされていない)RGB光が対象物に照射されていたとすると、その光を画像センサ11で撮影し、撮影した画像に含まれる色或いは色成分を演算部12で検出し、対象物に含まれる色或いは色成分が鮮やかで好ましい方向にずれるようにする。
対象物に含まれる色或いは色成分が鮮やかで好ましい方向にずれるように演算する際には、演算部12に基準光源のRGBの色及び色成分のスペクトルが記憶されていて、その記憶された基準スペクトルを未調整の光源部14からのRGB光照射によって得られるスペクトルと比較することにより、未調整の光源部14からのRGB光照射によって得られるスペクトルの波長のずれを補正して演算部12内の基準光源のRGBの基準色の波長に対応させる演算をする。
光源部14には、投影式プロジェクタを用いてもよい。対象物を画像センサ11にて撮影したカラー画像に対応する配色の色光を、投影式プロジェクタを用いて対象物に照射することにより、対象物の位置と色に合った光を正確に照射し、対象物の持っている色成分を反射して対象物を鮮やかに見せることができる。
投影式プロジェクタを用いることにより、原理的には、画像センサにて撮影した対象物のカラー画像と同じ画像を対象物のそれぞれの箇所に対応するように位置を合わせて投射することができ、対象物の全ての箇所の全ての色を極めて鮮やかに見せることができる。
なお、対象物特に静物を撮影する際には、画像センサ11にて撮影する際の照明光を太陽光や白熱ランプ等の別の基準光源からの光を対象物に照射して撮影するか、或いは、光源部14のホワイトバランスを調整した光を対象物に照射して撮影するようにし、演算部12では、撮影した画像における対象物の各部分の位置と色を検出し、対象物上の位置に対応した色の分布を演算し、制御部13は演算によって得られた対象物上の位置に対応した色の分布を生成するべく光源部14を制御することにより、光源部14から対象物に適した色光を照射するようにする。これを対象物を変更する度に実施すれば、対象物本体の色或いは色成分に合致した色光を生成して、対象物に照射することができる。
図2は、図1の動作ステップを示したものである。画像センサ11によって撮影画像を取得するステップS1、演算部12によって画像処理するステップS2、光源部14によって対象物を照明するステップS3、の3つのステップを示している。
画像センサ11は、照明される対象物を撮影し、演算部12でその画像の画素の色を検出し、さらに対象物の位置に合わせて対象物に適した光色(例えば、対象物上の位置に対応した同じ色の分布を有する光色)を作成し、対象物に照射する。
例えば、図2のような料理を照明する場合には、緑の野菜には緑を強調する光(緑色光)を照射し、にんじんや鮭のムニエルにはオレンジを強調する光(橙色光)、レモンには黄色を強調する光(黄色光)を照射し、白い皿には白い光(白色光)を照射することにより、対象物すべてを鮮やかに見せたり、美味しく見せることができる。
本実施形態によれば、照明される対象物の色に合った光を対象物に照射することにより、対象物のあらゆる色を鮮やかに見せることが可能となり、色域面積比を大きくすることができる。すなわち、照明される対象物に含まれる複数の色を鮮やかに見せることができる。投影式プロジェクタを用いることにより、対象物の位置と色に合う光を正確に照射することができる。対象物が変化しても、その変化を画像センサで検知してリアルタイムで処理を行うことにより、変化に追従して常に対象物を鮮やかに見せたり、美味しく見せることができる。
[第2の実施形態]
本発明の第2の実施形態の照明装置のブロック図は、図1と同様である。
第2の実施形態の照明装置は、少なくとも赤、緑、青色光を照射可能な光源部14と、照明される対象物を撮影する画像センサ11と、画像センサ11にて撮影した画像における対象物の色を検出し、対象物の中で最も多く含まれている色を決定する演算部12と、演算部12で決定された光色を作成するために光源部14の色光を制御する制御部13と、を備えている。
このように構成することにより、照明される対象物を画像センサ11により撮影し、対象物の色を検出して演算し、対象物に含まれる複数の色のうちどの色成分が多く含まれているかを検出し、その色が鮮やかで好ましく見られるように光源部14を制御する照明装置を実現することが可能となる。
なお、光源部14は、少なくとも赤、緑、青の3色の光を混光して照射する光源からなるが、白色光源を基調にして、赤、緑、青を混光した光を付加しても良い。
図3は、xy色度図における光源色の色分布を示している。
例えば赤、緑、青の光源として、図3の符号a,b,cでプロットした色度を持つものを用いると、3点a,b,cを結んだ三角形の内部の色は混光により作成することができる。
次に、xy色度図を用いた具体例を図4及び図5を参照して説明する。図4はサンプル画像を、図5はサンプル画像の色度プロット例を示している。
画像センサ11はCIE1931等色関数に近似したXYZフィルタを備え、画像内の複数の点においてxy色度を求める。各点のxy色度を図3のような色度図にプロット(図5の符号eにて示す)し、各色名の範囲のうち最もプロットが多い色を検出する。そのプロットが多い色を強調するため、光源部14を制御して赤、緑、青の混光により色の範囲内に含まれる光色を作成し、対象物を照射する。
図5は、図4のサンプル画像において、撮影画像内の点線d内を強調したい場合、点線内dの範囲で均等間隔で取った複数の点におけるxy色度をプロットした図(符号eの○印)を示している。
ここでは、ピンクの範囲に入る点が最も多いことから、赤、緑、青の光を混光してピンクの範囲内に入るよう制御して対象物を照射する。
なお、撮影した画像において、強調したい部分や背景を除いた対象物だけを選択できるインターフェイスを用いて選択し(図4の点線dにて示す)、xy色度を求める点を個別に設定したり、選択した範囲内を一定間隔のグリッドの交点に設定することにより、より正確に強調したい色や対象物を鮮やかに見せることができる。
本実施形態によれば、画像センサを用いて、照明される対象物の色に合った光を混色して対象物に照射することにより、対象物が変化しても対象物を鮮やかに見せることが可能となる。照明される対象物に含まれる複数の色のうち、多く含まれる色成分を鮮やかに見せることにより、その色を強調した照明環境をつくることができる。
[第3の実施形態]
本発明の第3の実施形態の照明装置のブロック図は、図1と同様である。
第3の実施形態に示す照明装置は、少なくとも赤、緑、青色光を照射可能な光源部14と、照明される対象物を撮影する画像センサ11と、画像センサ11にて撮影した画像における各画素のR,G,B階調値を検出し、階調値に応じて光源部14の混光比を演算する演算部12と、演算部12で決定された混光比を再現するために光源部14の色光を制御する制御部13と、を備えている。
光源部14は、少なくとも赤、緑、青の3色の光を混光して照射する光源からなる。
画像センサ11はRGB色フィルタを備えている。
画像センサ11で撮影した画像の各画素のRGB階調値は、0〜255の値となり、R,G,Bがすべて0の時は黒、すべて255の時は白である。このように階調値を決めれば、8ビット表現のディジタル信号処理が可能である。
R,G,Bそれぞれの画素ごとの階調値を画像全体について平均することにより、対象物に含まれるR,G,B成分の割合が求められる。
このR,G,B階調値の割合に応じて赤、緑、青色光の混光率を決定する。
このように構成することにより、照明される対象物を画像センサ11により撮影し、各画素のRGB階調値を検出することにより、対象物に含まれるRGBの成分の比を求め、対象物が鮮やかで好ましく見られるように光源部14を制御する照明装置を実現することが可能となる。
図6は各色光源の出力と検出した画像のRGB階調値の関係を示す図である。図7はRGB階調値を検出するグリッドの例を示している。
図6において、RGB階調値と赤、緑、青色光の出力の関係は、赤、緑、青色光を混光して白色光を作成し、最も明るい白色となる場合の各色光の出力を100、消灯を0とし、0〜100を階調値0〜255に割り当てる。
画像の全画素のRGB階調値の検出と演算には時間がかかるため、図7のように適宜グリッドに分割し、その交点の画素における階調値を検出することにより処理時間が短縮する方法を実施しても良い。
また、光源部14は、白色光を基調にし、画像のRGB階調値に応じた混光比で赤、緑、青色光を付加しても良い。
撮影した画像において、強調したい部分や背景を除いた対象物だけを選択できるインターフェイスを用いて選択し、選択した範囲内のRGB階調値を検出し、選択範囲内の色を強調するような調光比になるよう光源を制御しても良い。
本実施形態によれば、画像センサを用いて、 照明される対象物を撮影した画像のRGB階調値を検出し、RGB階調値に応じた混光比で赤、緑、青色光を点灯することにより、対象物の色を強調した照明環境をつくることができる。対象物が変化しても、リアルタイムで処理して対象物を鮮やかに見せることが可能となる。
[第4の実施形態]
本発明の第4の実施形態の照明装置のブロック図は、図1と同様である。
第4の実施形態に示す照明装置は、少なくとも赤、緑、青色光を照射可能な光源部14と、照明される対象物を撮影する画像センサ11と、画像センサ11で撮影された画像の全部あるいは一部の各画素のR,G,B階調値を検出し、画素ごとにR,G,B階調値の割合を算出する算出手段と;この算出した画素ごとのR,G,B階調値の割合に基づいて画素ごとに有彩色か無彩色かを判定する無彩色判定手段と;この無彩色と判定された画素のうち白色画素と灰色画素を区別する白色判定手段と;を備えた演算部12と、前記白色画素と判定された画素数の割合が、画像の全部あるいは一部の画素数に対して所定割合以上の場合には、R,G,B混光による光源色を黒体放射軌跡から偏差0.02の範囲内に入るよう光源部14を制御する制御部13と、を備えている。
本実施形態では、演算部において、撮影した画像に基づいて光が照射される対象物に白色の割合を求める。白色の割合がある一定以上となっているとき、制御部は、白色の物体は白色に見えるよう混光した光源色が白色と認識される範囲(具体的には黒体放射軌跡から偏差0.02の範囲)内に入るように調光を行う。
これは、JIS Z 8725に、「CIE1960UCS色度図上の黒体放射軌跡から約0.02以内の偏差にある光源の色度座標に対して相関色温度として表すことができる」と記述されていることに基づいている。つまり、偏差が0.02以内の光源は白色光とみなすことができることを意味している。
図8は、CIE1960USC色度図の部分拡大図であって、色度図上の黒体放射軌跡から偏差0.02の範囲を表している。黒体放射軌跡Aを中心として符号B,Cにて示す範囲が、偏差0.02の範囲である。
図9は、演算部及び制御部の画像処理及び光源色制御の具体的なアルゴリズムを示している。
ステップS1では、撮影した画像から、処理に用いる画素を選択する。これは、撮影した画像全体の画素を処理すると処理時間がかかるため、時間を短縮するために例えば10画素ごとのグリッド(図7参照)を作成し、その交点を処理する画素として選択したり、中央部のエリアのみを選択するなど、処理する画素数を減らす処理である。
ステップS2は、処理する各画素のR,G,B階調値を取得する。
ステップS3は、画素ごとにR,G,B階調値の割合を求める。1つの画素のR,G,B階調値をそれぞれR,G,Bとすると、R,G,B階調値の割合はR/(R+G+B),G/(R+G+B),B/(R+G+B)を算出することによって得られる。
ステップS4では、画素のR,G,Bそれぞれの割合がすべて30%を超えていればその画素を無彩色と判断する。
ステップS5は、無彩色と判断された画素のR,G,B階調値の平均を計算する。
ステップS6は、無彩色の画素のR,G,Bの平均階調値が200以上(全階調0〜255とした場合)あるいは入力した基準値以上であれば白色の画素と判断する。
ステップS7では、処理に使用した全画素に対する白色画素の割合が、ある一定割合以上であれば、R,G,B混光による光源色を黒体放射軌跡から偏差0.02の範囲内に入るよう制御する。
図10は、無彩色の色票と有彩色の色票を撮影した画像を示している。(a)は無彩色の色票、(b)は有彩色の色票である。(a)の無彩色は右端部が最も階調の低い黒色で、左方向に行くほど暗いグレーから明るいグレーへ段階的に階調値が高くなっている。
図10(a)における色票のエリア1は反射率40%のグレーであるが、このエリア1のR,G,Bの平均階調値が195であった。これに対し、図10(b)における色票のエリア2は白色の色票であるが、このエリア2のR,G,Bの平均階調値が230であった。
よって、演算部のアルゴリズムのステップS6において、平均階調値が200以上の画素を白色と判断するのがよい。
しかしながら、撮影状況や画像センサの特性により、実際は白色の物体であるにもかかわらず、R,G,Bの平均階調値が200以上とならない場合もある。その場合には、基準となる階調値の数値を入力したり、白色となる領域を入力して階調値を計算することによって、画素が白色であると判断する基準値を補正しても良い。
また、例えば図11は料理を画像センサで撮影した例を示している。図11の画像においては、皿およびテーブル部分が白色であり、白色領域の割合は画像全体に対して20%程度である。
よって、演算部及び制御部のアルゴリズムのステップS7において、処理に使用した全画素に対する白色画素の割合は20%程度に設定するのがよい。
しかしながら、撮影画像に白い壁や什器が写っている場合など20%と設定すると対象物を鮮やかに見せる効果が得られない場合には、数値を入力して変更できるような入力手段を具備しても良い。
また、光源は白色光をベースにし、画像のRGB階調値に応じた調光比で赤、緑、青色光を付加しても良く、その方が単色光のみを混光する場合に比べて、白色の対象物を白く見せることが容易になる。
図12は、画素ごとに求めたR,G,B階調値に基づいた照明環境において白色の対象物を白く見せる方法の一例を示している。
画像センサ11を用いて、 照明される対象物を撮影した画像のR,G,B階調値を検出し、R,G,B階調値に応じた調光比で赤、緑、青色光を点灯することにより、対象物の色を強調した照明環境をつくることができる。
このような照明環境の中で、或る特定の色光成分が多い場合、対象物中に白色部分があると、その白色部分に色が付いているように見える。そこで、対象物に白色の物体が一定以上の面積で存在している場合には、R,G,B階調値に応じた調光比で赤,緑,青色光を混光するが、混光した光色の色度座標が、図9のアルゴリズムの過程で黒体放射軌跡から偏差0.02の範囲(つまりほぼ白色の範囲)に入るように光源部14を制御することにより、白色の物体を白色として見せることが可能となる。
先ず、図1と同様な構成の照明装置で、画素ごとのR,G,B階調値を画像全体について平均することにより、対象物に含まれるR,G,B成分の割合が求められ、このR,G,B階調値の割合に応じて赤,緑,青色光の混光率を決めて光源部14を制御する。これにより、画像のR,G,B階調値に応じた調光比で光源部14から図12(a)の階調レベルで赤,緑,青色光を点灯して対象物に照射し、その照明状態を維持した状態で、別に用意したR,G,Bの各色光の比が1:1:1のRGB光源(3波長光源とも呼ばれている)からの白色光を対象物に照射することによって、図12(b)のように白色光を増加させて謂わばR,G,Bの各色光を底上げし、図9のアルゴリズムの過程で黒体放射軌跡から偏差0.02の範囲内に入るまでそのRGB光源の白色光を増加させる。このようにすれば、R,G,Bの各色成分の割合は同等に近づくがR,G,B各色成分の違いを維持した状態で対象物を照明して対象物の各色成分を強調しつつ、かつ白色物体を白色として際立たせて見せることが可能となる。
なお、光源部14のほかに、別に用意したR,G,Bの各色光の比が1:1:1のRGB光源を用いると説明したが、別に用意したRGB光源を用いることなく同じ光源部14を用いて光源部14のR,G,B各色光の混光量を図12(a)の状態から図12(b)の状態に切り替えることによって、対象物のR,G,B各成分を目立たせながら白色を際立たせて見せることも可能である。
従って、図12(a)の照明状態から、図9に示したアルゴリズムを実行して光源部14を制御することによって、図12(b)のように白色光を増加させて白色物体を白色として際立たせて見せることが可能となる。
尚、第2乃至第4の実施形態においても、光源部として投影式プロジェクタを使用してもよい。
以上述べた第1乃至4の実施形態は、照明される対象物を画像センサにより撮影し、対象物の位置と色を検出して演算し、対象物に含まれる複数の色が鮮やかで好ましい方向にずれるように、複数の色光を適宜調光し、対象物に照射する照明装置であった。
ところで、第1乃至4の実施形態では、以下に示すような問題がある。
このように、本照明装置では、対象物の画像撮影→画像の色解析→赤・緑・青色光の調光率決定→混光して照射→画像撮影→‥‥ というプロセスを繰り返し、対象物が変化すると対象物に合わせて光色を変化させ、対象物の色を鮮やかに見せることができる。
しかしながら、照明によって照らされる対象物が動いていない場合、対象物の画像撮影→画像の色解析→赤・緑・青色光の調光率決定→混光して照射→画像撮影‥‥ というプロセスを繰り返すと、例えば対象物に赤い部分が多ければ、赤色光の調光率を高くして対象物の赤い部分をより鮮やかに見せる。
その状態で再度対象物の画像を撮影すると、赤成分が増加しているため、さらに赤色光の調光率が高くなる。これを繰り返すと、どんどん赤色光の割合が増加し、赤い光を照射することになってしまい、他の色の見映えが悪くなってしまうという問題である。
[第5の実施形態]
本発明の第5の実施形態の照明装置の構成は図1と同様である。
第5の実施形態に示す照明装置は、少なくとも赤、緑、青色光を照射可能な光源部14と、照明される対象物を撮影する画像センサ11と、画像センサ11で撮影した画像における各画素の位置と、その各画素のR,G,B階調値を保持する第1の記憶部と;その次に撮影した画像における各画素の位置と、その各画素のR,G,B階調値と前回撮影時の各画素のR,G,B階調値の差分値を計算して保持する第2の記憶部と;n番目(nは1以上の整数)の差分値とn+1番目の差分値とを比較して、照明される対象物の動きを検出する手段と;を備え、比較結果から対象物に動きがない場合にはその時点の調光状態を維持する演算部12と、演算部12で求めた対象物上に分布する色成分に応じて光源部14の色光を制御する制御部13と、を備えている。
本実施形態では、画像を連続的に撮影して対象物が変化した場合には対象物に適した調光率で赤・緑・青色光を照射し、対象物が変化しない場合はその時点の調光率を維持する。
光源部14は、少なくとも赤、緑、青の3色の光を混光して照射する光源からなる。また、白色光源をベースにして、赤、緑、青を混光した光を付加しても良い。このときのベースとなる白色光源は、周囲環境の光、即ち太陽光や、又は部屋の中における別の背景となる照明光源が白色の蛍光灯光源であるような場合を指している。
対象物の動きを検出する手段は、連続的に対象物の画像を撮影し、R,G,B階調値の差分をそれぞれ比較する。
以下に、第5の実施形態の動作を詳しく説明する。
図13は第5の実施形態の照明装置の動作を示すフローチャートである。ステップS11〜S16のうち、ステップS11は画像センサ11の動作、ステップS12〜S15は演算部12の動作、ステップS16は制御部13の動作である。
まず、標準的な赤・緑・青色光の混光比で対象物を照明し、その対象物の画像を画像センサ11で撮影する(ステップS11)。撮影された画像信号は演算部12へ送られる。
演算部12では、画像の色解析を行い(ステップS12)、次に差分計算による対象物の変化検出を行う(ステップS13)。
対象物の変化が検出された場合には、対象物に適した調光率が演算され(ステップS14)、制御部13は演算された調光率に従って光源部14を制御して赤・緑・青色光を照射する(ステップS16)。また、対象物の変化が検出されない場合は、その時点の調光率を維持する(ステップS15)。
なお、ステップS13における差分計算による対象物の変化検出は、図14に示すように一定時間経過するごとの調光周期(これは調光の変更タイミングを与えるもので、各色の調光率(混光比)を演算してこれを決定する周期と一致する)で撮影される3枚の画像(1),(2),(3)の間の差分を計算することにより、対象物が動いたかどうかを判断し、動いていない場合にはその時点の調光率を維持する、というものである。動きがあると判断された場合は、その判断時点の調光率で光源光を対象物に照射して、対象物の色を鮮やかに見せるよう光源部14を制御する。
まず、最初の照明光(初期値:混光比が予め分かっている色光)で対象物を照射する。対象物の画像を撮影し(画像(1))、画像(1)の色を解析した結果、調光率が決定され、混光された光が照射される。
その後、一定時間(例えば1秒とか数秒といった時間でもよい)が経過し、再度対象物を撮影した画像(2)の色を解析する際、画像(2)と画像(1)の各画素のR,G,B階調値の差分を計算し、画素の位置と差分を記憶しておく。このときの画素の位置と差分は、演算部12内の第1の記憶部に記憶される。画像(2)の色を解析した結果から調光率が決定され、光源部14から混光された光が照射される。
次に対象物を撮影した画像(3)の色を解析し、画像(3)と画像(2)の各画素のR,G,B階調値の差分を計算し、画素の位置と差分を、演算部12内の第2の記憶部に記憶する。そして、画像(2)と画像(1)の差分と、画像(3)と画像(2)の差分とをを比較する。各々の差分は一定の時間間隔の2つ画像同士の差分であるから、それぞれ差分画像と言うことができ、2つの差分画像の差分をとることによって比較している。
そこで、比較した2つの差分画像の位置が変化していない場合、2つの差分の差分値はほぼ0となり、動いていないと判断し、その時点の調光率を維持する。
比較した2つの差分画像の位置が変化している場合、2つの差分の差分値はある値を持っており、動いていると判断し、動いていないときに維持された各色の調光率の状態で光を対象物に照射し、画像センサ11で対象物の画像を撮影し、画像の色を解析した結果、新たな調光率が決定され、その調光率に従って混光された光が照射される。
このように3つの画像(1)、(2)、(3)を用いて差分画像の差分をとることによって、調光率の変化による画像データの変化を差し引くことができるので対象物の変化のみを検出することができる。
なお、特定の1つの画素についてのみ差分値をとって比較しているのではなくて、画面上の全ての画素或いは予め定めた一部の範囲の画素について同じ位置の画素につき撮影ごとに差分をとって比較を行う。画素ごとの第1,第2の差分値の差分を全て又は一部の画素について加算し、撮像画像の全部又は一部の画素についての差分の合計値がしきい値に対して小さければ、対象物が動いていないと判定し、その判定時の調光率にキープ(維持)する。対象物に動きがあると、両方の差分画像の位置にずれが生じる。従って、差分値同士の差分をとり、その差分が予め定めたしきい値より大きければ、対象物に動きがあったと判定できる。
図15は差分画像の例を示している。対象物として例えば赤色(R)のリンゴを用いた場合を例とし、時間経過に従って画像(1),(2),(3)と撮影された画像について説明する。画像(1)と画像(2)の間および画像(2)と画像(3)の間には、それぞれ演算部12により赤色光の調光率が増加している。これは、前述した色を鮮やかに見せる制御を行っているために、時間経過と共に赤色光が画像(1),(2),(3)の順に増加するためである。従って、対象物の動きを検出するには、画像(2)−画像(1)の差分画像1と、画像(3)−画像(2)の差分画像2を比較し、2つ差分画像同士の差分値をとり、この差分値が予め定めたしきい値より小さければ対象物は動いていないと判定し、差分値がしきい値以上であれば対象物は動いたと判定する。対象物に動きがない場合は2つ差分画像同士の差分値はほぼ0に近い値となるが、対象物に動きがある場合は2つ差分画像のうちの1つ差分画像の位置がずれるために2つ差分画像同士の差分値を算出するとその差分値はしきい値を超えるような或る値を有することになる。
画像(1)と画像(2)のR差分画像1と、画像(2)と画像(3)のR差分画像2を比較すると、差分画像の位置がほとんど同じであることから、R差分画像1とR差分画像2の差分の大きさから演算部12では動きがないと判断する。
そして、演算部12は、動きがないと判定した場合には、その判定した時点の調光率を維持する。動きがあると判定した場合には、動きがない場合に維持された調光率で制御部13において赤・緑・青色光を調光する。
図16は、第5の実施形態の照明装置の動作を説明するものであり、画像センサ11は2つの調光周期の期間に対象物について3枚の画像(1),(2),(3)を撮影する。対象物として例えば赤色(R)のリンゴの場合を例として説明する。時間t1では対象物に対して初期値の調光率で色光を照射してこれを画像センサ11で撮影し画像(1)を得、撮影したR,G,Bの階調値から対象物に含まれる色成分に対応した色光の混光比(各色ごとの調光率の比とも言える)を決定する。制御部13はその混光比を目標値として光源部14の各色光源に対する調光制御を開始する。光源部14は時間t2までの時間経過の中で横軸の時間t2に対応した目標の調光率(縦軸の例えば赤色の調光率)に達し、その時間t2において画像センサ11による撮影を行い画像(2)を取得する。そして、画像(2)と画像(1)の差分をとり、第1の差分画像として記憶する。同様にして、次の調光周期経過後の時間t3において画像センサ11による撮影を行い画像(3)を取得し、画像(3)と画像(2)の差分をとり、第2の差分画像として記憶する。そして、第2の差分画像と第1の差分画像との差分を算出し、その算出値の閾値に対する大小判定により対象物の動き判定が行われる。動き判定の結果、動きがなければ図示二点鎖線にて示すようにその判定時の赤色の調光率を維持する。
これにより、例えば赤が多い場合に赤の調光率が次第に高くなるといった不具合を防ぐことができる。対象物の動きがないと判定された結果として、判定時の調光率が維持されている状態であっても、その後も画像を撮影するということは続いて一定時間ごとに行われるが、対象物が動かない限りは調光率が維持されているので、次の撮影画像との差分及びその次の撮影画像についての差分も0になるので、対象物が動かない状態では調光率は一定に維持される。
第5の実施形態によれば、画像センサを用いて、 照明される対象物を撮影した画像のR,G,B階調値を検出し、R,G,B階調値に応じた調光比で赤、緑、青色光を点灯することにより、対象物の色を強調した照明環境をつくることができる。リアルタイムで対象物を撮影することにより、対象物が変化しても対象物を鮮やかに見せることが可能となる。対象物が変化していない場合、対象物の色が過度に鮮やかになるような制御を防ぐことができる。
[第6の実施形態]
本発明の第6の実施形態の照明装置の構成は図1と同様である。
第6の実施形態は第5の実施形態の変形例とでも言うべき実施形態である。
第6の実施形態に示す照明装置は、少なくとも赤、緑、青色光を照射可能な光源部14と、照明される対象物を撮影する画像センサ11と、画像センサ11で撮影した画像における各画素の位置と、その各画素のR,G,B階調値を保持する第1の記憶部と;その次に撮影した画像における各画素の位置と、その各画素のR,G,B階調値と前回撮影時の各画素のR,G,B階調値の差分値を計算して保持する第2の記憶部と;n番目(nは1以上の整数)の差分値とn+1番目の差分値とを比較して、照明される対象物の動きを検出する手段と;を備え、比較結果から対象物に動きがない場合にはその時点の調光状態を維持する演算部12と、演算部12で求めた対象物上に分布する色成分に応じて光源部14の色光を制御する制御部13と、を備えている。
図17は、第6の実施形態の照明装置の動作を説明するものであり、画像センサ11は1つの調光周期の期間に対象物について3枚の画像(1),(A),(2)を撮影する。対象物として例えば赤色(R)のリンゴの場合を例として説明する。時間t1では対象物に対して初期値の調光率で色光を照射してこれを画像センサ11で撮影し画像(1)を得、撮影したR,G,Bの階調値から対象物に含まれる色成分に対応した色光の混光比(各色ごとの調光率の比とも言える)を決定する。制御部13はその混光比を目標値として光源部14の各色光源に対する調光制御を開始する。光源部14は時間t2までの時間経過の中で横軸の時間t2に対応した目標の調光率(縦軸の例えば赤色の調光率)に達するように制御される。その時間t2に達するまでの調光の途中(調光周期の1/2)の時間taにおいて画像センサ11による撮影を行い撮影画像(A)を取得する。そして、画像(A)と画像(1)の差分をとり、第1の差分画像として記憶する。同様にして、次に残りの調光周期の半周期の経過後の時間t2に達したとき画像センサ11による撮影が行われ画像(2)を取得し、画像(2)と画像Aの差分をとり、第2の差分画像として記憶する。そして、第2の差分画像と第1の差分画像との差分を算出し、その算出値の閾値に対する大小判定により対象物の動き判定が行われる。
このように、第6の実施形態によれば、差分画像を2枚得られればよいので、調光している調光周期の途中で1枚撮ることによって、調光している最中の間にもう1枚撮るようにすれば、(A)と(1)の差分画像、(2)と(A)の差分画像の2枚の差分画像が得られ、2つの差分画像間の差分が小さければ動きがないと判定して(2)の時点での調光率をキープ(図示二点鎖線にて示す)すれば、第5の実施形態に比べて動き判定に要する時間を半分にすることができる。
[第7の実施形態]
本発明の第7の実施形態の照明装置の構成は図1と同様である。
第7の実施形態に示す照明装置は、少なくとも赤、緑、青色光を照射可能な光源部14と、照明される対象物を撮影する画像センサ11と、画像センサ11で撮影された画像の全部あるいは一部の各画素のR,G,B階調値からxy色度を算出する算出手段と;算出した画素ごとのxy色度に基づいて画素ごとに白色画素か否かを区別する白色判定手段と;を備えた演算部12と、前記白色画素と判定された画素数の割合が、画像の全部あるいは一部の画素数に対して所定割合以上の場合には、R,G,B混光による光源色を黒体放射軌跡から偏差0.02の範囲内に入るよう光源部14を制御する制御部13と、を備えている。
本発明の第7の実施形態は、第4の実施形態に関連した他の実施形態に相当するものである。
本実施形態では、例えば、R,G,B階調値からCIE1931xyz色空間に線形変換し、画像全体或いは鮮やかに見せたい対象物のエリアの複数の点のR,G,B階調値から、三刺激値X、Y、Zに変換し、xy色度を計算する。
RGB値とxy値の関係式は、
x=0.6R−0.28G−0.32B
y=0.2R−0.52G+0.31B
そして、R,G,B階調値から算出した画素のxy色度を図3に示す色度図上にプロットし、白色の範囲にプロットされた点を白色画素と判断する。
白色画素の判定以降の動作は、本発明の第4の実施形態と同様である。
処理に使用した全画素数に対する白色画素数の割合が所定割合以上であれば、処理する全画素に対する白色画素の占める面積が一定以上の広さを有することを表しているので、図8の色度図上で白色として必要な白色の範囲(黒体放射軌跡から偏差0.02の範囲)内に入るように光源色を制御することにより、白色物体を白色として見せることができる。
図8は、第4の実施形態でも述べたようにCIE1960USC色度図の部分拡大図であって、色度図上の黒体放射軌跡から偏差0.02の範囲を表している。黒体放射軌跡Aを中心として符号B,Cにて示す範囲が、偏差0.02の範囲である。
このように、演算部12において、撮影した画像に基づいて光が照射される対象物に白色の割合を求める。白色の割合がある一定以上となっているとき、制御部13は、白色の物体は白色に見えるよう混光した光源色が白色と認識される範囲(具体的には黒体放射軌跡から偏差0.02の範囲)内に入るように調光を行う。
これは、JIS Z 8725に、「CIE1960UCS色度図上の黒体放射軌跡から約0.02以内の偏差にある光源の色度座標に対して相関色温度として表すことができる」と記述されていることに基づいている。つまり、偏差が0.02以内の光源は白色光とみなすことができることを意味している。
第7の実施形態によれば、R,G,B階調値から算出した画素のxy色度を色度図上にプロットし、白色の範囲にプロットされた点を白色画素と判断する。白色画素数の割合が所定割合以上であれば、対象物の白色の面積が一定以上であるので、色度図上で白色として必要な白色の範囲(黒体放射軌跡から偏差0.02の範囲)内に入るように光源色を制御することにより、白色物体を白色として見せることができる。
[第8の実施形態]
本発明の第8の実施形態の照明装置の構成は図1と同様である。
第8の実施形態に示す照明装置は、少なくとも赤、緑、青色光を照射可能な光源部14と、CIE1931等色関数に近似したXYZフィルタを備え、照明される対象物を撮影する画像センサ11と、画像センサ11で撮影された画像の全部あるいは一部の各画素のxy色度を計測する計測手段と;計測した画素ごとのxy色度に基づいて画素ごとに白色画素か否かを区別する白色判定手段と;を備えた演算部12と、前記白色画素と判定された画素数の割合が、画像の全部あるいは一部の画素数に対して所定割合以上の場合には、R,G,B混光による光源色を黒体放射軌跡から偏差0.02の範囲内に入るよう光源部14を制御する制御部13と、を備えている。
本発明の第8の実施形態は、第4の実施形態に関連した他の実施形態に相当するものである。
本実施形態では、画像センサはCIE1931等色関数に近似したXYZフィルタを備え、このXYZフィルタ付きの画像センサを用いて、画像内の複数の点においてxy色度を求める。各点のxy色度を図3に示す色度図上にプロットし、白色の範囲にプロットされた点を白色画素と判断する。
白色画素の判定以降の動作は、本発明の第4の実施形態と同様である。
処理に使用した全画素数に対する白色画素数の割合が所定割合以上であれば、処理する全画素に対する白色画素の占める面積が一定以上の広さを有することを表しているので、図8の色度図上で白色として必要な白色の範囲(黒体放射軌跡から偏差0.02の範囲)内に入るように光源色を制御することにより、白色物体を白色として見せることができる。
第8の実施形態によれば、画像センサはCIE1931等色関数に近似したXYZフィルタを備え、このXYZフィルタ付きの画像センサを用いて、画像内の複数の点においてxy色度を計測し、各点のxy色度を色度図上にプロットし、白色の範囲にプロットされた点を白色画素と判断する。白色画素数の割合が所定割合以上であれば、対象物の白色の面積が一定以上であるので、色度図上で白色として必要な白色の範囲(黒体放射軌跡から偏差0.02の範囲)内に入るように光源色を制御することにより、白色物体を白色として見せることができる。
[第9の実施形態]
本発明の第9の実施形態の照明装置の構成は図1と同様である。
第9の実施形態に示す照明装置は、少なくとも赤、緑、青色光を照射可能な光源部14と、照明される対象物を撮影する画像センサ11と、光源部14の各光源色の混光比の初期値を設定する手段と;画像センサ11により撮影した画像の各画素の階調値に基づき、対象物の変化を経時的に検出する手段と;対象物の変化が検出された場合には、前記混光比を初期値に戻す手段と;を備え、初期値における混光状態において撮影した画像の各画素のR,G,B階調値を検出し、階調値に応じて光源部14の混光比を演算する演算部12と、演算部12で求めた対象物上に分布する色成分に応じて光源部14の色光を制御する制御部13と、を備えている。
本実施形態は、光源部14の各光色の光源の混光において、予め混光比の初期値を設定できる手段を具備し、混光比は、例えば相関色温度が3000K(電球色に相当)となるよう設定する。
画像センサ11は連続的に画像を撮影しているが、対象物の変化を検出した場合には、制御部13は混光比の初期値となるよう光源部14の各光色の光源を調光する。ここで、対象物の変化とは、対象物が時間経過とともに動いたり、置き換わったりする変化を指している。混光比の初期値は、例えば複数の相関色温度が得られるようあらかじめ混光比を設定しておいたり、あるいは電球色、昼白色、昼光色など光色となるように設定しておき、その中から選択しても良い。
さらに、初期混光状態で画像を撮影し、初期混光状態の画像の全部または一部の画素のR,G,B階調値から対象物の色情報を取得し、混光比を演算して対象物に適した混光比となるよう各光色の光源を調光する。つまり、光源部14の各光色の調光率を変える。
対象物が変化した場合には、必ず初期混光状態に戻し、その後対象物に適した混光状態となるよう各光色の調光率の制御を行う。
対象物の変化を検出しなかった場合には、次に対象物の変化が検出されるまで、混光比はそのまま保持する。つまり、光源部14の各光色の調光率をそのまま維持する。
変化の検出は、例えば連続して撮影された2枚の画像の特定の階調値(例えば明るさだけを見るためにG階調値)の差分を計算し、その差分値が予め定めたしきい値より小さいか否かにより対象物に変化がなかったか又は変化が有ったかを判断する。すなわち、時間経過に従い、現在の画像と前の画像の2枚の画像の階調値の差分を演算して、その差分値が予め定めたしきい値を超えたか否かで対象物の変化を検出する。或いは、対象物の変化の検出方法としては、図13乃至図17の第5及び第6の実施形態のように、3枚分の画像から2つの差分画像間の差分値を比較することにより対象物の変化を判定してもよい。
本実施形態においては、対象物が変化した場合には、初期混光状態において撮影された画像から各画素のR,G,B階調値を検出して混光比を演算し、計算された混光比に基づいて光源部を制御する。そして、変化が認められない場合には、変化しないと判定された時の混光比を維持し(言い換えれば混光比を一定値に固定し)、次に変化が認められるまでその混光比を維持する。
第9の実施形態によれば、対象物が変化した場合には必ず初期混光状態に戻して対象物の色を判断することにより、例えば撮影した画像の対象物に赤成分が多い場合に、初期状態に戻せば、第1乃至第4の実施形態のように赤を鮮やかに見せるような混光照明によって赤成分が増加している状態をキャンセルすることができ、対象物の色が過度に鮮やかになるような制御を防ぐことができる。
なお、上記第9の実施形態では、初期混光状態と対象物に適した混光状態が交互に出現することになり、頻繁に対象物が変化する場合には光色が頻繁に変化し、落ち着きのない空間となる可能性がある。
そのため、ある一定の時間間隔以内では光色が変化しないような制限を設けたり、連続的に緩やかに変化させたり、1秒以上かけて変化させるなど、急に光色が変化しないような制御を行ってもよい。例えば、レストランで食事しているときなどに、テーブル上の食事内容が時間経過と共に変化していくような場合には、照明光の色が緩やかに変化するように制御することが好ましい。
本発明は、食品等の店舗用及び家庭用に限らず、屋内及び屋外を含めたあらゆる物を照明する際に、その物を鮮やかに引き立てて照明するのに応用することが可能である。
本発明の第1の実施形態の照明装置を示すブロック図。 第1の実施形態における動作ステップを示す図。 本発明の第2の実施形態の照明装置に用いられる、xy色度図における光源色の色分布を示す図。 本発明の第2の実施形態に用いられる、サンプル画像を示す図。 図4のサンプル画像の色度プロット例を示す図。 本発明の第3の実施形態の照明装置に用いられる、各色光源の出力と検出した画像のRGB階調値の関係を示す図。 RGB階調値を検出するグリッドの例を示す図。 本発明の第4の実施形態の照明装置に用いられる、黒体放射軌跡から偏差0.02以内の範囲を示す色度図の部分拡大図。 演算部及び制御部の画像処理アルゴリズムを示す図。 無彩色及び有彩色の色票を示す図。 料理を画像センサで撮影した例を示す図。 本発明の第4の実施形態の照明装置の動作例を説明する図。 本発明の第5の実施形態の照明装置の動作を説明するフローチャート。 演算部における画像の差分計算を説明する図。 本発明の第5の実施形態の照明装置の動作例としての差分画像の例を説明する図。 本発明の第5の実施形態の照明装置の動作を、2つの調光周期で3枚の画像を取得する場合の例を説明する図。 本発明の第6の実施形態の照明装置の動作を、1つの調光周期で3枚の画像を取得する場合の例を説明する図。
符号の説明
11…画像センサ
12…演算部
13…制御部
14…光源部

Claims (21)

  1. 少なくとも赤、緑、青色光を照射可能な光源部と;
    前記光源部によって照明される対象物を撮影する画像センサと;
    撮影した画像に基づいて対象物上に分布する色成分を演算する演算部と;
    前記演算部で求めた対象物上に分布する色成分に応じて前記光源部の色光を制御する制御部と;
    を具備したことを特徴とする照明装置。
  2. 前記演算部は、撮影した画像における対象物の各部分の位置に対応した色の分布を演算し、
    前記制御部は、前記演算部で求めた対象物上の位置に対応した色の分布を生成するために前記光源部を制御することを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
  3. 前記演算部は、撮影した画像における対象物の色を検出し、対象物の中で最も多く含まれている色を決定し、
    前記制御部は、前記演算部で決定された光色を作成するために前記光源部を制御することを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
  4. 前記画像センサは、XYZ等色関数に近似したフィルタを備えたことを特徴とする請求項1又は3に記載の照明装置。
  5. 前記演算部は、撮影した画像における各画素のR,G,B階調値を検出し、階調値に応じて光源部での混光比を演算し、
    前記制御部は、前記演算部で決定された混光比を再現するために前記光源部を制御することを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
  6. 前記画像センサは、RGB色フィルタを備えたことを特徴とする請求項1又は5に記載の照明装置。
  7. 撮影した画像における、強調したい部分又は背景を除いた部分だけを対象部分として選択する手段をさらに具備し、選択した範囲内の色を強調可能としたことを特徴とする請求項3乃至請求項6のいずれか1つに記載の照明装置。
  8. 前記光源部は、投影式プロジェクタであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1つに記載の照明装置。
  9. 前記演算部は、
    画像センサで撮影された画像の全部あるいは一部の各画素のR,G,B階調値を検出し、画素ごとにR,G,B階調値の割合を算出する算出手段と;
    算出した画素ごとのR,G,B階調値の割合に基づいて画素ごとに有彩色か無彩色かを判定する無彩色判定手段と;
    無彩色と判定された画素のうち白色画素と灰色画素を区別する白色判定手段と;を備え、
    前記制御部は、
    前記白色画素と判定された画素数の割合が、画像の全部あるいは一部の画素数に対して所定割合以上の場合には、R,G,B混光による光源色を黒体放射軌跡から偏差0.02の範囲内に入るよう前記光源部を制御することを特徴とする請求項5に記載の照明装置。
  10. 前記無彩色判定手段は、前記算出手段における画素ごとのR,G,B階調値それぞれの割合が全て所定割合以上であれば、無彩色と判定し、
    前記白色判定手段は、前記無彩色判定手段における無彩色と判定された画素のR,G,B階調値の平均階調値を算出し、その平均階調値が所定階調値以上又は予め定めた基準値以上であれば、白色画素と判定し、
    前記制御部は、前記白色画素と判定された画素数の割合が画像の全部あるいは一部の画素数に対して所定割合以上であれば、R,G,B混光による光源色を黒体放射軌跡から偏差0.02の範囲内に入るよう制御することを特徴とする請求項9に記載の照明装置。
  11. 前記無彩色判定手段における前記所定割合は30%、前記白色判定手段における前記所定階調値は200(全階調0〜255とした場合)、前記制御部における前記所定割合は20%であることを特徴とする請求項10に記載の照明装置。
  12. 前記無彩色判定手段における前記所定割合、前記白色判定手段における前記所定階調値、前記制御部における前記所定割合のうち、少なくとも1つを可変に設定可能とすることを特徴とする請求項10又は11に記載の照明装置。
  13. 前記演算部は、
    前記画像センサで撮影した画像における各画素の位置と、その各画素のR,G,B階調値を保持する第1の記憶部と;
    その次に撮影した画像における各画素の位置と、その各画素のR,G,B階調値と前回撮影時の各画素のR,G,B階調値の差分値を計算して保持する第2の記憶部と;
    n番目(nは1以上の整数)の差分値とn+1番目の差分値とを比較して、照明される対象物の動きを検出する手段と;を備え、
    比較結果から対象物に動きがない場合にはその時点の調光状態を維持することを特徴とする請求項5に記載の照明装置
  14. 前記対象物の動きを検出する手段は、n+1番目の差分値とn番目の差分値との差分を求め、求めた差分が予め定めたしきい値より小さいか否かで対象物の動きを判定することを特徴とする請求項13に記載の照明装置。
  15. 前記画像センサによる画像の撮影は、演算部で決定された混光比を再現するごとに行われることを特徴とする請求項13又は14に記載の照明装置。
  16. 前記画像センサによる画像の撮影は、演算部で決定された混光比を再現する途中および再現するごとに行われることを特徴とする請求項13又は14に記載の照明装置。
  17. 前記演算部は、
    前記画像センサで撮影された画像の全部あるいは一部の各画素のR,G,B階調値からxy色度を算出する算出手段と;
    算出した画素ごとのxy色度に基づいて画素ごとに白色画素か否かを区別する白色判定手段と;を備え、
    前記制御部は、
    前記白色画素と判定された画素数の割合が、画像の全部あるいは一部の画素数に対して所定割合以上の場合には、R,G,B混光による光源色を黒体放射軌跡から偏差0.02の範囲内に入るよう前記光源部を制御することを特徴とする請求項5に記載の照明装置。
  18. 前記画像センサは、CIE1931等色関数に近似したXYZフィルタを備え、
    前記演算部は、
    前記画像センサで撮影された画像の全部あるいは一部の各画素のxy色度を計測する計測手段と;
    計測した画素ごとのxy色度に基づいて画素ごとに白色画素か否かを区別する白色判定手段と;を備え、
    前記制御部は、
    前記白色画素と判定された画素数の割合が、画像の全部あるいは一部の画素数に対して所定割合以上の場合には、R,G,B混光による光源色を黒体放射軌跡から偏差0.02の範囲内に入るよう前記光源部を制御することを特徴とする請求項5に記載の照明装置。
  19. 前記所定割合は20%であることを特徴とする請求項17又は18に記載の照明装置。
  20. 前記演算部は、
    光源部の各光源色の混光比の初期値を設定する手段と;
    前記画像センサにより撮影した画像の各画素の階調値に基づき、対象物の変化を経時的に検出する手段と;
    対象物の変化が検出された場合には、前記混光比を初期値に戻す手段と;を備え、
    初期値における混光状態において撮影した画像の各画素のR,G,B階調値を検出し、階調値に応じて光源部の混光比を演算することを特徴とする請求項5に記載の照明装置。
  21. 前記対象物の変化を経時的に検出する手段は、n+1番目(nは1以上の整数)の差分値とn番目の差分値との差分を計算し、その差分が予め定めたしきい値より小さいか否かで対象物の変化を検出することを特徴とする請求項20に記載の照明装置。
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