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JP2009092627A - 蓄電装置 - Google Patents

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JP2009092627A
JP2009092627A JP2007266349A JP2007266349A JP2009092627A JP 2009092627 A JP2009092627 A JP 2009092627A JP 2007266349 A JP2007266349 A JP 2007266349A JP 2007266349 A JP2007266349 A JP 2007266349A JP 2009092627 A JP2009092627 A JP 2009092627A
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Yasusuke Mitani
庸介 三谷
Hideaki Hamai
秀晃 濱井
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Abstract

【課題】蓄電部の内部抵抗値、および容量値を簡単な制御で求めることができる蓄電装置を提供すること。
【解決手段】蓄電部23に接続された充電回路19、および電圧検出回路25と、それらが接続された制御回路41とを有し、制御回路41は、蓄電部23を充電回路19により定電流(I)で充電する際に、電圧検出回路25で検出される蓄電部23の電圧(Vc)が、充電開始直前の電圧値から第1既定電圧(dV1)だけ変化するまでの第1変化時間(dt1)を求めるとともに、電圧(Vc)が、第1変化時間(dt1)経過後の蓄電部23の電圧値から第2既定電圧(dV2)だけ変化するまでの第2変化時間(dt2)を求め、蓄電部23の容量値(C)を、C=I・dt2/dV2より計算し、蓄電部23の内部抵抗値(R)を、R=(dV1・dt2−dt1・dV2)/(I・dt2)より計算するようにした。
【選択図】図1

Description

本発明は、キャパシタからなる蓄電部に電力を蓄える補助電源としての蓄電装置に関するものである。
近年、環境への配慮や燃費向上のために、モータとエンジンの動力をハイブリッド化した自動車(以下、車両という)が市販されている。このような車両はブレーキによる電力回生を行うために、従来の機械的な油圧制御に替わって電気的な油圧制御を行う車両制動システムが用いられている。しかし、バッテリが異常になると、車両制動システムが動作しなくなる等の可能性があった。
そこで、バッテリ異常時に車両制動システムに電力を供給するための補助電源としての車両用の蓄電装置が、例えば特許文献1に提案されている。図4はこのような蓄電装置のブロック回路図である。電力を蓄える蓄電素子には例えば大容量の電気二重層キャパシタが用いられ、これを複数個接続して蓄電部としてのキャパシタユニット101が構成されている。キャパシタユニット101には、その充放電を制御する充電回路103、および放電回路105が接続されている。充電回路103と放電回路105はマイコン107によって制御されている。マイコン107にはバッテリ異常を検出するための電圧検出手段109が接続され、電圧検出手段109には異常時にキャパシタユニット101の電力を供給するFETスイッチ111が接続されている。
このようにして構成された蓄電装置113はバッテリ115と電子制御部117の間に接続されており、イグニションスイッチ119によって起動、停止するように制御されている。
電子制御部117は車両制動システムであるので、安全確保のためにバッテリ115が異常になっても電子制御部117を駆動させ続けなければならない。そこで、バッテリ115の異常を電圧検出手段109が検出すれば、FETスイッチ111をオンにしてキャパシタユニット101の電力を電子制御部117に供給することで、バッテリ115の異常に対応している。また、車両の使用終了時には、キャパシタユニット101の劣化を抑制するために、マイコン107は放電回路105によってキャパシタユニット101に蓄えられた電力を放電している。
このような蓄電装置113は、バッテリ115の異常時にも確実に電子制御部117に必要十分な電力を供給できるようにするために、キャパシタユニット101の劣化判断を行っている。すなわち、キャパシタユニット101は劣化が進行するに伴って、その内部抵抗値Rが上昇し容量値Cが低減するので、現在の内部抵抗値Rと容量値Cを求め、例えばあらかじめ求めたこれらの劣化限界値(順にRd、Cdとする)と比較することにより、キャパシタユニット101の劣化を判断することができる。この劣化判断動作の詳細を図5により説明する。
図5は、蓄電装置113を起動した際におけるキャパシタユニット101の電圧経時変化特性を示し、横軸は時間を、縦軸はキャパシタユニット101の電圧を、それぞれ示す。
前記したように、マイコン107は放電回路105によりキャパシタユニット101の電力を放電しているので、図5の時間0に示すように、蓄電装置113の起動時にはキャパシタユニット101の電圧は0Vである。この状態で、マイコン107が充電回路103により定電流Iでキャパシタユニット101を充電すると、充電開始直後に、図5の時間0に示すようにキャパシタユニット101の内部抵抗値Rに比例した電圧上昇が起こり、その後、キャパシタユニット101の電圧が経時的に上昇していく。
ここで、マイコン107はキャパシタユニット101の内部抵抗値Rを求めるために充電を80ミリ秒(80mS)の間、中断し、その際の電圧降下幅ΔV1を求める。これにより、内部抵抗値Rを、R=ΔV1/Iより求めている。
その後、マイコン107は充電を再開し、その際の任意の時間幅Δtにおける電圧上昇幅ΔV2を求める。これにより、キャパシタユニット101の容量値Cを、C=I・Δt/ΔV2より求めている。
このようにして求めた内部抵抗値Rと容量値Cを用いて、前記した劣化限界値Rd、Cdとそれぞれ比較し、R≧Rd、またはC≦Cdであれば、キャパシタユニット101が劣化していると判断することができる。これにより、蓄電装置113の高信頼性を得ていた。
特開2005−28908号公報
上記の蓄電装置113によると、確かにキャパシタユニット101の劣化判断を行うことにより、高信頼性の蓄電装置113を構成することができるのであるが、特に内部抵抗値Rを求める際に、キャパシタユニット101の充電を一定の時間だけ中断する必要があり、マイコン107の制御が複雑になるという課題があった。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、蓄電部の充電を中断しなくても蓄電部の内部抵抗値、および容量値を求めることができる簡単な制御の蓄電装置を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の蓄電装置は、キャパシタからなる蓄電部と、前記蓄電部に接続された充電回路、および電圧検出回路と、前記充電回路、および前記電圧検出回路が接続された制御回路とを有し、前記制御回路は、前記蓄電部を前記充電回路により定電流(I)で充電する際に、前記電圧検出回路で検出される前記蓄電部の電圧(Vc)が、充電開始直前の電圧値から第1既定電圧(dV1)だけ変化するまでの第1変化時間(dt1)を求めるとともに、前記蓄電部の電圧(Vc)が、前記第1変化時間(dt1)経過後の前記蓄電部の電圧値から第2既定電圧(dV2)だけ変化するまでの第2変化時間(dt2)を求め、前記蓄電部の容量値(C)を、C=I・dt2/dV2より計算し、前記蓄電部の内部抵抗値(R)を、R=(dV1・dt2−dt1・dV2)/(I・dt2)より計算するようにしたものである。
本発明の蓄電装置によれば、蓄電部の充電開始直後における内部抵抗値Rに比例した電圧上昇を含む電圧変化特性(dt1とdV1の関係)、および内部抵抗値Rの影響を含まない電圧変化特性(dt2とdV2の関係)を求めて、内部抵抗値Rと容量値Cを計算するようにしているため、充電を中断する必要がなく簡単な制御で内部抵抗値Rと容量値Cを求めることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照しながら説明する。
(実施の形態)
図1は、本発明の実施の形態における蓄電装置のブロック回路図である。図2は、本発明の実施の形態における蓄電装置の起動時のフローチャートである。図3は、本発明の実施の形態における蓄電装置の起動時における蓄電部の電圧の経時特性図である。なお、図1において太線は電力系配線を、細線は信号系配線をそれぞれ示す。また、図3において、横軸は時間を、縦軸は蓄電部の電圧Vcをそれぞれ示す。
図1において、蓄電装置11は主電源15と負荷17との間に接続されている。主電源15は車両用のバッテリであり、負荷17は車両制動システムの電子制御部である。
蓄電装置11は次の構成を有する。まず、主電源15の出力には充電回路19と、主電源15の電圧Vbを検出する主電源電圧検出回路21が接続されている。充電回路19は後述する蓄電部を定電流、または定電圧で設定電圧まで充電する機能を有する。また、主電源電圧検出回路21は電力系配線(太線)の入力側と出力側が同電圧になるよう接続されている。
充電回路19の出力と負荷17の間には、蓄電部23が接続されている。蓄電部23は、例えば蓄電素子として電気二重層キャパシタを複数個直列接続して必要な電力を賄う構成としている。なお、負荷17の要求電力仕様によって電気二重層キャパシタの個数を増減したり直並列接続としてもよい。
蓄電部23には、その電圧Vcを検出して出力する電圧検出回路25が接続されている。また、蓄電部23と負荷17の間には放電回路33が接続されている。放電回路33は蓄電部23に蓄えられた電力を負荷17に供給せずに放電するものである。これにより、任意に蓄電部23の放電が可能となる。また、電圧検出回路25と負荷17の間には、さらに切替スイッチ35と第1ダイオード37が直列に接続されている。切替スイッチ35は外部からオンオフ制御できる構成のもので、ここではFETを用いた。また、第1ダイオード37はアノードが切替スイッチ35に、カソードが負荷17にそれぞれ接続されている。
なお、主電源電圧検出回路21と負荷17の間にも第2ダイオード39が接続されている。第2ダイオード39はアノードが主電源電圧検出回路21に、カソードが負荷17にそれぞれ接続されている。従って、第1ダイオード37と第2ダイオード39により主電源15からの電力と蓄電部23からの電力が互いに逆流することを防止している。
充電回路19、主電源電圧検出回路21、電圧検出回路25、放電回路33、および切替スイッチ35は信号系配線で制御回路41にも接続されている。制御回路41はマイクロコンピュータと周辺回路から構成されており、蓄電装置11の全体の動作を制御している。すなわち、制御回路41は電圧検出回路25の出力から蓄電部23の電圧Vcを、主電源電圧検出回路21の出力から主電源15の電圧Vbを、それぞれ読み込む。また、制御回路41は充電回路19に充電制御信号Ccontを送信することで充電回路19の制御を行うとともに、放電回路33に放電制御信号Dcontを送信することで放電回路33の制御を行う。また、切替スイッチ35に切替スイッチオンオフ信号Sofを送信することで切替スイッチ35のオンオフ制御を行う。また、制御回路41は車両側制御回路(図示せず)とデータ信号dataの送受信を行うことで互いに交信する機能を有している。
次に、このような蓄電装置11の動作について、まず起動時における動作を図2のフローチャート、および図3の蓄電部電圧Vcの経時特性図を用いて説明する。なお、制御回路41はメインルーチンから必要に応じて様々なサブルーチンを実行することにより全体の動作を行うソフトウエア構成としているので、図2に示すフローチャートをサブルーチンの形態で示した。
車両が起動すると、蓄電装置11も同時に起動する。これにより、制御回路41のメインルーチンは図2のサブルーチンを実行する。その結果、制御回路41は、蓄電部23を満充電する動作を行うが、この際に蓄電部23の容量値Cと内部抵抗値Rを求め、劣化判断を行っている。具体的には、まず電圧検出回路25で蓄電部23の電圧Vcを読み込む(ステップ番号S11)。その後、読み込んだ電圧Vcを制御回路41に内蔵された変数メモリVc1に代入する(S13)。なお、この動作を図2のフローチャートではVc1=Vcと示す。すなわち、Vc1=Vcと記載することにより、右辺の値(Vc)を左辺の変数(Vc1)に代入するという動作を行うことを意味する。以後のフローチャートにおいても、判断処理以外の数式は全て同様の意味を有するものとする。
S13における蓄電部23の電圧Vcの状態を図3の時間t0近傍に示す。時間t0が蓄電部23の充電を開始する時間であるとすると、S13の時点では充電がまだ開始されていないので、Vc1は車両非使用時の蓄電部23の電圧になる。この電圧は従来と同様に、車両使用終了時に放電回路33で蓄電部23の電力を放電した後の電圧となるため、満充電電圧よりも十分に低い電圧(例えば約1V)である。
ここで図2に戻り、制御回路41は経時カウンタKを0にする(S14)。ここで、経時カウンタKは充電時間をカウントする変数で、図示しない割り込みルーチンにより既定時間間隔(例えば0.1秒)毎に経時カウンタKが1ずつ増加するようにしている。これにより、既定時間間隔が0.1秒であればKを10で割ることにより、経時カウンタKを0にしてからの経過時間(充電時間)を容易に求めることができる。なお、経時カウンタKは図3の時間t0で0にされることになる。
経時カウンタKを0にした後、制御回路41は充電回路19に対し、蓄電部23を定電流Iで充電するように充電制御信号Ccontを送信する。これにより、充電回路19は蓄電部23の充電を開始する(以上、S15)。この時の蓄電部23の電圧Vcの状態を図3の時間t0近傍に示す。前記したように時間t0は充電開始時間であるので、蓄電部23は時間t0から充電されることになる。この充電開始直後は、蓄電部23の内部抵抗値Rに比例した電圧上昇が発生する。従って、図3の時間t0で蓄電部23の電圧Vcは急に上昇している。その後は充電回路19により定電流Iで充電されていくので、図3の時間t0以降に示すように、蓄電部23の電圧Vcは一定の傾きを持って経時的に上昇していく。
ここで図2に戻り、充電が開始すると制御回路41は電圧検出回路25で蓄電部23の電圧Vcを読み込み(S17)、電圧Vcが変数メモリに記憶したVc1と第1既定電圧dV1の和と等しくなったか否かを判断する(S19)。なお、等しくなるということは、電圧検出回路25の検出誤差や制御回路41の計算誤差等を含む誤差範囲内で等しくなるということであると以下定義する。また、第1既定電圧dV1は蓄電部23の容量値Cと内部抵抗値Rを求めるためにあらかじめ決定した第1の充電電圧幅であり、本実施の形態では4Vとした。従って、Vc1は前記したように1Vであったので、制御回路41は充電されている蓄電部23の現在の電圧VcがVc1+dV1=1V+4V=5Vになったか否かを判断していることになる。もし、蓄電部23の電圧VcがVc1+dV1と等しくなければ(S19のNo)、S17に戻って両者が等しくなるまでS17以降の動作を繰り返す。
一方、蓄電部23の電圧VcがVc1+dV1と等しくなれば(S19のYes)、現在の経時カウンタKの値を10で割って制御回路41の変数メモリである第1変化時間dt1に代入する(S20)。これにより、充電開始から電圧VcがVc1+dV1(本実施の形態では5V)に至るまでの第1変化時間dt1を求めることができる。ここまでの蓄電部23の電圧Vcの状態を図3の時間t0からt1に示す。時間t1は電圧VcがVc1+dV1(これは図3においてはVc2に相当)に至った時の時間であり、第1変化時間dt1は時間t0からt1までの経過時間(充電時間)であることがわかる。従って、ここまでの動作をまとめると、制御回路41は、蓄電部23を充電回路19により定電流Iで充電する際に、電圧検出回路25で検出される蓄電部23の電圧Vcが、充電開始直前の電圧値Vc1から第1既定電圧dV1だけ変化するまでの第1変化時間dt1を求めていることになる。
ここで図2に戻り、制御回路41は引き続き第2変化時間dt2を求める動作を行う。具体的には、既にS17で読み込んだ電圧Vcを変数メモリVc2に代入するとともに、経時カウンタKを再度0にする(S21)。ここで、Vc2にはS17で読み込んだ電圧Vcを代入しているが、これは第1変化時間dt1が経過後の蓄電部23の電圧値であればどのタイミングでもよい。本実施の形態では第1変化時間dt1の経過直後の電圧とすることで、電圧検出回路25による電圧Vcの読み込み動作を削減し、より簡単な制御としている。
S21の時点(図3の時間t1)においては充電が継続しているので、制御回路41は引き続き電圧検出回路25で蓄電部23の電圧Vcを読み込み(S23)、電圧Vcが変数メモリに記憶したVc2と第2既定電圧dV2の和と等しくなったか否かを判断する(S25)。ここで、第2既定電圧dV2は第1既定電圧dV1と同様に、あらかじめ決定した第2の充電電圧幅であり、第1既定電圧dV1と異なる値でもよいが、本実施の形態では第1既定電圧dV1と等しい4Vとした。従って、Vc2は前記したように5Vであったので、制御回路41は充電されている蓄電部23の現在の電圧VcがVc2+dV2=5V+4V=9Vになったか否かを判断していることになる。もし、蓄電部23の電圧VcがVc2+dV2と等しくなければ(S25のNo)、S23に戻って両者が等しくなるまでS23以降の動作を繰り返す。
一方、蓄電部23の電圧VcがVc2+dV2と等しくなれば(S25のYes)、現在の経時カウンタKの値を10で割って制御回路41の変数メモリである第2変化時間dt2に代入する(S27)。これにより、蓄電部23の電圧VcがVc2(5V)からVc2+dV2(9V)に至るまでの第2変化時間dt2を求めることができる。ここまでの蓄電部23の電圧Vcの状態を図3の時間t1からt2に示す。時間t2は電圧VcがVc2+dV2(これは図3においてはVc3に相当)に至った時の時間であり、第2変化時間dt2は時間t1からt2までの経過時間(充電時間)であることがわかる。従って、ここまでの動作をまとめると、制御回路41は、蓄電部23の電圧Vcが、第1変化時間dt1経過後の蓄電部23の電圧値(本実施の形態ではVc2)から第2既定電圧dV2だけ変化するまでの第2変化時間dt2を求めていることになる。
次に、制御回路41は蓄電部23の容量値Cと内部抵抗値Rを計算する。ここで、図3より蓄電部23の充電開始直後における内部抵抗値Rに比例した電圧上昇を含む電圧変化特性、すなわち第1変化時間dt1と第1既定電圧dV1の関係から、dt1=C・(dV1−I・R)/Iが得られる。また、内部抵抗値Rの影響を含まない電圧変化特性、すなわち第2変化時間dt2と第2既定電圧dV2の関係から、dt2=C・dV2/Iが得られる。ゆえに、これらの式を連立させることにより、C=I・dt2/dV2、R=(dV1・dt2−dt1・dV2)/(I・dt2)となる。
これらより、図2に戻って、制御回路41は蓄電部23の容量値CをC=I・dt2/dV2より、内部抵抗値RをR=(dV1・dt2−dt1・dV2)/(I・dt2)より、それぞれ計算する(S28)。このようにして容量値Cと内部抵抗値Rを計算することで、蓄電部23の充電を中断する必要がなくなり、簡単な制御で容量値Cと内部抵抗値Rを求めることができる。なお、本実施の形態ではdV1=dV2=4Vとなるので、dV1=dV2=dVとすると、内部抵抗値Rは、R=(dt2−dt1)/Cとなる。従って、先に求めた容量値Cと、第1変化時間dt1、第2変化時間dt2から、前記式を用いて内部抵抗値Rを計算してもよい。この場合は内部抵抗値Rの計算式が簡略化されるため、さらに簡単に容量値Cと内部抵抗値Rを求めることができる。
次に、制御回路41は得られた容量値Cと内部抵抗値Rから蓄電部23の劣化判断を行う。すなわち、S28で求めた蓄電部23の容量値Cと容量値の劣化限界値Cd、およびS28で求めた蓄電部23の内部抵抗値Rと内部抵抗値の劣化限界値Rdを、それぞれ比較する。ここで、劣化限界値Cd、Rdは、これ以上蓄電装置11を使用できない状態まで劣化した時の蓄電部23の容量値と内部抵抗値のことである。
具体的な動作としては、制御回路41は、まずS28で求めた蓄電部23の容量値Cと、その劣化限界値Cdを比較する(S33)。もし、容量値Cが劣化限界値Cd以下であれば(S33のYes)、蓄電部23が劣化して容量値Cが低下している状態であるので、後述するS43にジャンプする。
一方、容量値Cが劣化限界値Cdより大きければ(S33のNo)、容量値Cについては正常であるので、次に内部抵抗値Rと、その劣化限界値Rdを比較する(S35)。もし、内部抵抗値Rが劣化限界値Rd以上であれば(S35のYes)、蓄電部23が劣化して内部抵抗値Rが上昇している状態であるので、後述するS43にジャンプする。
一方、内部抵抗値Rが劣化限界値Rd未満であれば(S35のNo)、内部抵抗値Rについても正常であるので、蓄電部23は劣化していないと判断できる。この場合は、次に電圧検出回路25で蓄電部23の電圧Vcを読み込み(S37)、電圧Vcが設定電圧以上になったか否かを判断する(S39)。ここで、設定電圧は蓄電部23の満充電電圧のことで、本実施の形態では12Vとした。もし、電圧Vcが設定電圧未満であれば(S39のNo)、S37に戻り設定電圧に至るまでS37以降の動作を繰り返す。
一方、電圧Vcが設定電圧以上であれば(S39のYes)、蓄電部23を満充電することができたので、その後は充電回路19に設定電圧を維持するよう充電制御信号Ccontを送信する(S41)。これにより、蓄電部23は設定電圧を維持し続ける。その後、蓄電部23の劣化判断と充電が完了したので、図2のフローチャートを終了し、メインルーチンに戻る。
ここで、蓄電部23の容量値Cと内部抵抗値Rのいずれかが劣化限界値Cd、Rdに至った場合(S33のYes、またはS35のYes)、制御回路41は蓄電部23が劣化したと判断し、車両側制御回路(図示せず)に蓄電部23の劣化信号を出力する(S43)。これを受け、車両側制御回路は運転者に対し蓄電装置11の劣化を警告し、修理を促す。
その後、劣化した蓄電部23にこれ以上充電しないようにするために、制御回路41は充電回路19に対し蓄電部23の充電を停止するように充電制御信号Ccontを送信する(S45)。さらに、劣化した蓄電部23に充電された電力を放電するために、放電回路33に対し蓄電部23を放電するように放電制御信号Dcontを送信する(S47)。これらの動作により、蓄電部23が劣化すれば電力を充電しないように制御するため、安全性が高まる。その後、図2のフローチャートを終了し、メインルーチンに戻る。
以上に説明したように、蓄電部23の劣化判断を起動時に行うようにしたことで、車両使用前に劣化判断が可能となり高信頼性が得られる。さらに、上記動作により、蓄電部23の内部抵抗値Rに比例した電圧上昇を含む電圧変化特性(第1変化時間dt1と第1既定電圧dV1の関係)、および内部抵抗値Rの影響を含まない電圧変化特性(第2変化時間dt2と第2既定電圧dV2の関係)を求めることができるので、充電を中断することなく容量値Cと内部抵抗値Rを求めて劣化判断ができるという特徴的な動作が可能となる。
次に、蓄電装置11の通常時の動作について説明する。まず、制御回路41は主電源15の電圧Vbを主電源電圧検出回路21から読み込み、電圧Vbと既定下限値を比較する監視動作を行う。ここで、既定下限値は負荷17を動作させるための最低電圧(本実施の形態では10.5V)とした。もし、電圧Vbが既定下限値より大きければ、主電源15は正常な電圧を出力しているので、再び主電源15の電圧Vbの監視動作を行う。一方、電圧Vbが既定下限値以下であれば、主電源15が断線等の異常状態となっており、負荷17を動作させることができなくなる。この場合は、切替スイッチオンオフ信号Sofをオン信号として制御回路41から切替スイッチ35に送信することで、切替スイッチ35をオンにする。これにより、蓄電部23の電力が図1の放電経路と書かれた矢印の方向に流れ、負荷17に供給される。この時、第2ダイオード39のアノード電圧(=主電源15の電圧Vb)はカソード電圧(=蓄電部23により負荷17に印加される電圧)より小さくなるので、第2ダイオード39はオフになり、蓄電部23の電力が主電源15に供給されることはない。このことから、蓄電部23の電力は負荷17にのみ供給され、負荷17は動作し続けられる。
以上のことから、万一、主電源15の電圧Vbが異常となっても、蓄電部23の電力が負荷17に供給されるので、車両制動システムが動作し続け、安全に車両を停止できる。
次に、車両の使用を終了した時の蓄電装置11の動作について説明する。車両の使用が終了すると、制御回路41は放電回路33に対し蓄電部23の電力を放電するように放電制御信号Dcontを送信する。これを受け、放電回路33は蓄電部23の放電を行う。放電が完了すれば蓄電装置11の動作を停止する。このように動作することで、車両非使用時に蓄電部23に電力を蓄えたままにしておくことによる蓄電部23の劣化進行を抑制することができる。なお、蓄電部23は電気二重層キャパシタの定格電圧(例えば2V)の半分以下まで放電すれば、劣化への影響が極めて小さくなるので、定格電圧の半分以下になるように放電回路33を制御するようにしてもよい。本実施の形態では、放電後の蓄電部23の電圧Vcが約1Vになるまで放電するようにしている。
以上の構成、動作により、充電を中断する必要がなく、簡単な制御で容量値Cと内部抵抗値Rを求めて劣化判断をすることが可能な蓄電装置11を実現できる。
なお、本実施の形態において、蓄電部23には蓄電素子として電気二重層キャパシタを用いたが、これは電気化学キャパシタ等の他のキャパシタでもよい。
また、本実施の形態において、蓄電装置11を車両制動システムの補助電源に適用した場合について述べたが、それらに限らず、アイドリングストップ車やハイブリッド車、あるいは電動パワーステアリングや電動過給器等の各システムにおける車両用補助電源等にも適用可能である。
本発明にかかる蓄電装置は、充電を中断せずに簡単な制御で蓄電部の容量値Cと内部抵抗値Rを求めて劣化判断ができるので、特に主電源の電圧低下時に蓄電部から電力を供給する車両用補助電源としての蓄電装置等として有用である。
本発明の実施の形態における蓄電装置のブロック回路図 本発明の実施の形態における蓄電装置の起動時のフローチャート 本発明の実施の形態における蓄電装置の起動時における蓄電部の電圧の経時特性図 従来の蓄電装置のブロック回路図 従来の蓄電装置の起動時におけるキャパシタユニットの電圧経時変化特性図
符号の説明
11 蓄電装置
19 充電回路
23 蓄電部
25 電圧検出回路
33 放電回路
41 制御回路

Claims (4)

  1. キャパシタからなる蓄電部と、
    前記蓄電部に接続された充電回路、および電圧検出回路と、
    前記充電回路、および前記電圧検出回路が接続された制御回路とを有し、
    前記制御回路は、前記蓄電部を前記充電回路により定電流(I)で充電する際に、
    前記電圧検出回路で検出される前記蓄電部の電圧(Vc)が、充電開始直前の電圧値から第1既定電圧(dV1)だけ変化するまでの第1変化時間(dt1)を求めるとともに、
    前記蓄電部の電圧(Vc)が、前記第1変化時間(dt1)経過後の前記蓄電部の電圧値から第2既定電圧(dV2)だけ変化するまでの第2変化時間(dt2)を求め、
    前記蓄電部の容量値(C)を、C=I・dt2/dV2より計算し、
    前記蓄電部の内部抵抗値(R)を、R=(dV1・dt2−dt1・dV2)/(I・dt2)より計算するようにした蓄電装置。
  2. 前記制御回路は、前記容量値(C)と前記内部抵抗値(R)のいずれかが劣化限界値に至れば、前記蓄電部が劣化したと判断し、劣化信号を出力するようにした請求項1に記載の蓄電装置。
  3. 前記制御回路は、前記蓄電部の劣化判断を起動時に行うようにした請求項2に記載の蓄電装置。
  4. 前記蓄電部と前記制御回路に接続された放電回路を設けた構成を有し、
    前記制御回路は、使用終了時に前記蓄電部を前記放電回路により放電するようにした請求項1に記載の蓄電装置。
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