JP2009091466A - 球状コア/シェル型複合微粒子およびその製造方法 - Google Patents
球状コア/シェル型複合微粒子およびその製造方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】球状ポリスチレン微粒子をコア粒子とし、これをポリオルガノシルセスキオキサンで被覆してなる球状コア/シェル型複合微粒子を簡便かつ効率よく製造する。
【解決手段】オルガノトリアルコキシシランを加水分解、脱水縮合させる工程において、球状ポリスチレン微粒子を前記オルガノトリアルコキシシランが脱水縮合反応する前までの反応系内に添加する方法であり、該球状ポリスチレン微粒子の添加量は、反応液1重両部に対して0.01〜0.1重量部、また該オルガノトリアルコキシシランの添加量は、反応液1重両部に対して0.05〜0.2重量部とすることで、前記球状ポリスチレン微粒子の表面にポリオルガノシルセスキオキサンを析出させて球状コア/シェル型複合微粒子を製造する。
【選択図】図1
【解決手段】オルガノトリアルコキシシランを加水分解、脱水縮合させる工程において、球状ポリスチレン微粒子を前記オルガノトリアルコキシシランが脱水縮合反応する前までの反応系内に添加する方法であり、該球状ポリスチレン微粒子の添加量は、反応液1重両部に対して0.01〜0.1重量部、また該オルガノトリアルコキシシランの添加量は、反応液1重両部に対して0.05〜0.2重量部とすることで、前記球状ポリスチレン微粒子の表面にポリオルガノシルセスキオキサンを析出させて球状コア/シェル型複合微粒子を製造する。
【選択図】図1
Description
本発明は、球状ポリスチレン微粒子をコアとし、その表面をポリオルガノシルセスキオキサンで被覆してなる球状コア/シェル型複合微粒子および該複合微粒子を簡便かつ効率よく製造する新規な製造方法に関するものである。
ポリオルガノシルセスキオキサン微粒子は、各種プラスティック、ゴム等の耐磨耗性、滑り性、光拡散性、ブロッキング防止性等の目的として幅広く利用されている。特に粒子形状が球状で平均粒子径が0.1μm〜20μmのものが好適とされている。
また機能性向上のため、ポリオルガノシルセスキオキサンを含有する複合粒子についても、その製造方法が提案されている。例えば、シリカ、アルミナ等をコア粒子とし分散した系内に、アルコキシシランを添加してポリオルガノシロキサン被覆を形成させ、コア/シェル型複合微粒子を得る方法が開示されている(特許文献1参照)。
また、メチルシルセスキオキサン単位およびフェニルシルセスキオキサン単位からなるコア/シェル型粒子であり、コア部とシェル部の平均屈折率の差が0.02〜0.20であることを特徴とするコア/シェル型複合微粒子を得る方法が開示されている(特許文献2参照)。
特開2000−212442号公報
特開2000−345044号公報
また機能性向上のため、ポリオルガノシルセスキオキサンを含有する複合粒子についても、その製造方法が提案されている。例えば、シリカ、アルミナ等をコア粒子とし分散した系内に、アルコキシシランを添加してポリオルガノシロキサン被覆を形成させ、コア/シェル型複合微粒子を得る方法が開示されている(特許文献1参照)。
また、メチルシルセスキオキサン単位およびフェニルシルセスキオキサン単位からなるコア/シェル型粒子であり、コア部とシェル部の平均屈折率の差が0.02〜0.20であることを特徴とするコア/シェル型複合微粒子を得る方法が開示されている(特許文献2参照)。
コア/シェル型複合微粒子の用途としては、例えば構成物質の屈折率差を利用した光学用途があるが、特許文献1による方法において、シリカを用いたものでは十分な屈折率差が得られず、またアルミナに代表される金属酸化物をコアとしたものでは良好な光学特性が得られないという問題がある。また、特許文献2による方法で得たものについては、高い屈折率差が得られるものの、原料であるフェニルシランが高価であり、しかも製造方法も煩雑となるという問題があり、これらに本発明が解決しようとする課題がある。
本発明は、上記のごとく実情に鑑み鋭意に検討した結果、完成したものであって、球状ポリスチレン微粒子をコア粒子とし、これをポリオルガノシルセスキオキサンで被覆してなるものであって、特に平均粒子径が0.5〜30μmの球状コア/シェル型複合微粒子であり、コア部とシェル部の平均屈折率の差が0.02〜0.20であることを特徴とする球状コア/シェル型複合微粒子およびその製造方法に係るものであり、これらは下記発明である。
請求項1の発明は、球状ポリスチレン微粒子をコア粒子とし、これをポリオルガノシルセスキオキサンで被覆してなる球状コア/シェル型複合微粒子であって、該球状コア/シェル型複合微粒子における球状ポリスチレン微粒子の割合が5〜50重量%であることを特徴とする球状コア/シェル型複合微粒子である。
請求項2の発明は、オルガノトリアルコキシシランを加水分解、脱水縮合させる工程において、球状ポリスチレン微粒子を該オルガノトリアルコキシシランが脱水縮合する前までに反応系内に添加して、該球状ポリスチレン微粒子表面にポリオルガノシルセスキオキサンを析出させることを特徴とする球状コア/シェル型複合微粒子の製造方法である。
請求項3の発明は、(A)球状ポリスチレン微粒子を水または水と水溶性有機溶剤との混合液に分散させた系内に、撹拌下でオルガノトリアルコキシシランを添加して、オルガノトリアルコキシシランの加水分解物を得る工程、(B)これにアルカリ性物質またはその水溶液を添加して、オルガノトリアルコキシシラン加水分解物を脱水縮合させ、該球状ポリスチレン微粒子表面にポリオルガノシルセスキオキサンとして析出させる工程からなることを特徴とする球状コア/シェル型複合微粒子の製造方法である。
請求項4の発明は、(A)水または水と水溶性有機溶媒との混合液に撹拌下でオルガノトリアルコキシシランを添加して、オルガノトリアルコキシシランの加水分解物を得る工程、(B)これに球状ポリスチレン微粒子を投入してよく分散した後に、アルカリ性物質またはその水溶液を添加して、オルガノトリアルコキシシラン加水分解物を脱水縮合させ、該球状ポリスチレン微粒子表面にポリオルガノシルセスキオキサンとして析出させる工程からなることを特徴とする球状コア/シェル型複合微粒子の製造方法である。
請求項2の発明は、オルガノトリアルコキシシランを加水分解、脱水縮合させる工程において、球状ポリスチレン微粒子を該オルガノトリアルコキシシランが脱水縮合する前までに反応系内に添加して、該球状ポリスチレン微粒子表面にポリオルガノシルセスキオキサンを析出させることを特徴とする球状コア/シェル型複合微粒子の製造方法である。
請求項3の発明は、(A)球状ポリスチレン微粒子を水または水と水溶性有機溶剤との混合液に分散させた系内に、撹拌下でオルガノトリアルコキシシランを添加して、オルガノトリアルコキシシランの加水分解物を得る工程、(B)これにアルカリ性物質またはその水溶液を添加して、オルガノトリアルコキシシラン加水分解物を脱水縮合させ、該球状ポリスチレン微粒子表面にポリオルガノシルセスキオキサンとして析出させる工程からなることを特徴とする球状コア/シェル型複合微粒子の製造方法である。
請求項4の発明は、(A)水または水と水溶性有機溶媒との混合液に撹拌下でオルガノトリアルコキシシランを添加して、オルガノトリアルコキシシランの加水分解物を得る工程、(B)これに球状ポリスチレン微粒子を投入してよく分散した後に、アルカリ性物質またはその水溶液を添加して、オルガノトリアルコキシシラン加水分解物を脱水縮合させ、該球状ポリスチレン微粒子表面にポリオルガノシルセスキオキサンとして析出させる工程からなることを特徴とする球状コア/シェル型複合微粒子の製造方法である。
本発明による球状コア/シェル型複合微粒子は、各種プラスティック、各種ゴムおよび化粧品原料等への滑り性、耐摩耗性、ブロッキング防止性、撥水性、光拡散性等付与剤として利用され、特に各種光学材料関係に好適に利用される。
本発明の方法によれば、高屈折率差を有する球状コア/シェル型複合微粒子を工業的に有利な簡便な方法で効率よく製造することができる。
本発明の方法によれば、高屈折率差を有する球状コア/シェル型複合微粒子を工業的に有利な簡便な方法で効率よく製造することができる。
以下に本発明について詳しく説明する。
本発明の球状コア/シェル型複合微粒子は、オルガノトリアルコキシシランを加水分解、脱水縮合させる工程において、球状ポリスチレン微粒子を該オルガノトリアルコキシシランが脱水縮合する前までに反応系内に添加して、該球状ポリスチレン微粒子表面にポリオルガノシルセスキオキサンを析出させることにより容易に得られる。
本発明の球状コア/シェル型複合微粒子は、オルガノトリアルコキシシランを加水分解、脱水縮合させる工程において、球状ポリスチレン微粒子を該オルガノトリアルコキシシランが脱水縮合する前までに反応系内に添加して、該球状ポリスチレン微粒子表面にポリオルガノシルセスキオキサンを析出させることにより容易に得られる。
本発明に用いられる球状ポリスチレン微粒子は、乾燥した球状ポリスチレン微粒子または予め溶媒分散した球状ポリスチレン微粒子である。
本発明に使用される球状ポリスチレン微粒子は、一般的な製造方法で得られるものでよく、その平均粒子径および粒度分布についても特に限定されないが、0.1〜25μmで粒子径の揃ったものが好適に使用される。
また、架橋の有無についても特に限定されず、反応母液分散液をそのまま本発明の球状ポリスチレン微粒子分散液として使用することもできる。
さらにまた、該球状ポリスチレン微粒子の形状は、真球状、じゃがいも状、微粒子凝集体状等、外観が略球状となっているものであれば特に限定されない。
また、架橋の有無についても特に限定されず、反応母液分散液をそのまま本発明の球状ポリスチレン微粒子分散液として使用することもできる。
さらにまた、該球状ポリスチレン微粒子の形状は、真球状、じゃがいも状、微粒子凝集体状等、外観が略球状となっているものであれば特に限定されない。
前記球状ポリスチレン微粒子の添加量は、反応液1重両部に対して、0.01〜0.1重量部であり、0.01重量部以下では単位容積当りの収量が悪くなり、また0.1重両部以上では均一なコア/シェル型複合微粒子として取り出せなくなる。
本発明で使用される反応初液および球状ポリスチレン微粒子用分散溶媒は、電気伝導度が500μS/cm以下の水または該水と水溶性有機溶剤との混合物である。
また、上記反応初液および球状ポリスチレン微粒子用分散溶媒には、界面活性剤等を添加することもできる。
また、上記反応初液および球状ポリスチレン微粒子用分散溶媒には、界面活性剤等を添加することもできる。
上記水溶性有機溶剤としては、水溶性があり、かつオルガノトリアルコキシシランおよびポリスチレンに対して不活性であれば特に限定されないが、入手が容易であることから低級アルコールが好ましい。
水と水溶性有機溶剤との混合比率は水1重量部に対し水溶性有機溶剤1重両部以下が好ましい。
水と水溶性有機溶剤との混合比率は水1重量部に対し水溶性有機溶剤1重両部以下が好ましい。
球状ポリスチレン微粒子の分散方法としては、球状ポリスチレン微粒子が分散すればよく、分散方法はとくに限定されないが、例えば超音波分散が好適に用いられる。
本発明で使用されるオルガノトリアルコキシシランは、一般式
R1Si(OR2)3
で示される。
該一般式において、R1はメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などの炭素数1〜6の直鎖状あるいは分枝状のアルキル基、フェニル基、アミノ基、エポキシ基、あるいはビニル基を少なくとも1個有する1価の有機基であり、またR2はR1と同様の炭素数1〜6の直鎖状あるいは分枝状のアルキル基である。
R1Si(OR2)3
で示される。
該一般式において、R1はメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などの炭素数1〜6の直鎖状あるいは分枝状のアルキル基、フェニル基、アミノ基、エポキシ基、あるいはビニル基を少なくとも1個有する1価の有機基であり、またR2はR1と同様の炭素数1〜6の直鎖状あるいは分枝状のアルキル基である。
さらに具体的には、オルガノトリアルコキシシランとしては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリ−n−プロポキシシラン、メチルトリ−i−プロポキシシラン、メチルトリ−n−ブトキシシラン、メチルトリ−i−ブトキシシラン、メチルトリ−s−ブトキシシラン、メチルトリ−t−ブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、i−プロピルトリメトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、s−ブチルトリメトキシシラン、t−ブチルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシランなどが例示される。
これらのオルガノトリアルコキシシランは単独、あるいは二種以上の混合物で用いても良いが、これらオルガノトリアルコキシシランのうち、入手が容易なメチルトリメトキシシランが好適に用いられる。
本発明で用いられるオルガノトリアルコキシシランの添加量は、反応液1重両部に対して0.05〜0.2重量部が好ましく、0.05重量部未満あるいは0.2重両部を越えると均一なコア/シェル型複合粒子が得られない場合がある。
本発明における合成方法の一つは、(A)球状ポリスチレン微粒子を水または水と水溶性有機溶剤との混合液に分散させた系内に、撹拌下でオルガノトリアルコキシシランを添加して、オルガノトリアルコキシシランの加水分解物を得る工程、(B)これにアルカリ性物質またはその水溶液を添加して、オルガノトリアルコキシシラン加水分解物を脱水縮合させ、該球状ポリスチレン微粒子表面にポリオルガノシルセスキオキサンとして析出させる工程からなることを特徴とする球状コア/シェル型複合微粒子の製造方法である。
(A)工程のオルガノトリアルコキシシランの添加方法は特に限定されず、短時間で投入しても良く、また連続滴下しても構わない。
また、オルガノトリアルコキシシランを予め加水分解したものを球状ポリスチレン微粒子分散液に添加することもできる。
前記(B)工程のアルカリ性物質としては、一般に周期律表Ia属、IIa属の金属の水酸化物、酸化物、炭酸塩または有機窒素化合物、アンモニアなどが挙げられ、アルカリ性水溶液とは前記したアルカリ性物質の水溶液であるが、反応後除去しやすいことから、特にアンモニアが好ましい。これらアルカリ性物質および/またはその水溶液は単独でも、あるいは2種類以上を混合して用いても良い。また、該アルカリ水溶液に水溶性有機溶剤、界面活性剤などが含まれていても使用することができる。
アルカリ性物質の添加量は、反応液1重量部に対し、0.00001〜0.05重量部が好ましい。
アルカリ性物質またはその水溶液を添加して、オルガノトリアルコキシシラン加水分解物を脱水縮合させるときの反応液温度は、0〜40℃が好ましい。
アルカリ性物質の添加方法としては、工程(A)の反応液撹拌下で、速やかに添加することが望ましい。また、工程(A)の反応液の撹拌は特に限定されないが、強い撹拌とすると粒子同士の融着、あるいは不定形粒子が生成する場合があるので、通常、液が混合されている程度の、穏やかな撹拌であることが好ましい。
本発明におけるもう一つの合成方法は、(A)水または水と水溶性有機溶剤との混合液に撹拌下でオルガノトリアルコキシシランを添加して、オルガノトリアルコキシシランの加水分解物を得る工程、(B)これに球状ポリスチレン微粒子を投入してよく分散した後に、アルカリ性物質またはその水溶液を添加して、オルガノトリアルコキシシラン加水分解物を脱水縮合させ、該球状ポリスチレン微粒子表面にポリオルガノシルセスキオキサンとして析出させる工程からなることを特徴とする球状コア/シェル型複合微粒子の製造方法である。
この合成方法においても、(B)工程で使用するアルカリ性物質またはその水溶液については前記したアルカリ性物質またはその水溶液が適用される。
このようにして製造した球状コア/シェル型複合微粒子は、その後、ろ過分離・水洗浄あるいは有機溶剤洗浄をした後、乾燥し、場合によっては解砕して微粒子を得る。
得られた微粒子は、平均粒子径が0.5〜30μmの球状コア/シェル型複合微粒子である。
得られた微粒子は、平均粒子径が0.5〜30μmの球状コア/シェル型複合微粒子である。
以下、本発明の方法を、実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。
[実施例1]
温度計、還流装置および撹拌装置を備えた反応容器に水300重量部を仕込み、これに予め20重量%メタノール水溶液に超音波分散した平均粒子径1.0μm、変動係数(標準偏差/平均粒子径×100)5%の10重量%球状ポリスチレン微粒子分散液100重量部を撹拌しながら添加してポリスチレン微粒子分散液を得た。
上記分散液を液温25℃として、メチルトリメトキシシラン70重量部を1分間で添加したところ、加水分解反応が進行し、5分後には反応温度が35℃まで上昇した。
引き続き液温を35℃に維持して30分間撹拌した後、1重量%のアンモニア水30重量部を速やかに添加して、1分後に撹拌を停止した。
静置下で20時間熟成した後、ろ過、乾燥して白色粉末を得た。得られた粉末を電子顕微鏡観察したところ、平均粒子径1.5μm、最大粒子径1.7μm、最小粒子径1.2μmの球状微粒子であり、球状ポリスチレン微粒子に相当する1.0μm程度の粒子は確認されなかった。
コア粒子である球状ポリスチレン微粒子の屈折率は1.59、シェルのポリメチルシルセスキオキサンの屈折率は1.42であり、コアとシェルの屈折率差が0.17の球状コア/シェル型複合微粒子であった。
温度計、還流装置および撹拌装置を備えた反応容器に水300重量部を仕込み、これに予め20重量%メタノール水溶液に超音波分散した平均粒子径1.0μm、変動係数(標準偏差/平均粒子径×100)5%の10重量%球状ポリスチレン微粒子分散液100重量部を撹拌しながら添加してポリスチレン微粒子分散液を得た。
上記分散液を液温25℃として、メチルトリメトキシシラン70重量部を1分間で添加したところ、加水分解反応が進行し、5分後には反応温度が35℃まで上昇した。
引き続き液温を35℃に維持して30分間撹拌した後、1重量%のアンモニア水30重量部を速やかに添加して、1分後に撹拌を停止した。
静置下で20時間熟成した後、ろ過、乾燥して白色粉末を得た。得られた粉末を電子顕微鏡観察したところ、平均粒子径1.5μm、最大粒子径1.7μm、最小粒子径1.2μmの球状微粒子であり、球状ポリスチレン微粒子に相当する1.0μm程度の粒子は確認されなかった。
コア粒子である球状ポリスチレン微粒子の屈折率は1.59、シェルのポリメチルシルセスキオキサンの屈折率は1.42であり、コアとシェルの屈折率差が0.17の球状コア/シェル型複合微粒子であった。
[実施例2〜9]
実施例2は、反応温度を表1のようにした以外は実施例1と同様にして球状コア/シェル型複合微粒子を得た。
実施例3〜5は仕込み量を表1のようにした以外は実施例1と同様にして球状コア/シェル型複合微粒子を得た。
実施例6〜8は球状ポリスチレン微粒子の平均粒子径を表1に示したものを用いて、仕込み量を表1のようにした以外は実施例1と同様にして球状コア/シェル型複合微粒子を得た。
実施例9は分散重合法により得た球状ポリスチレン微粒子反応液そのもの、つまり平均粒子径1.3μmの球状ポリスチレン微粒子6.8重量%、分散媒イソプロピルアルコール:水=65:35の反応液を精製せずに用いた以外は実施例1と同様にして球状コア/シェル型複合微粒子を得た。
これら製造した微粒子について電子顕微鏡観察したところ、表1に示すような平均粒子径、最大粒子径、最小粒子径の球状微粒子であった。
実施例3の電子顕微鏡写真を図1に示す。
実施例2は、反応温度を表1のようにした以外は実施例1と同様にして球状コア/シェル型複合微粒子を得た。
実施例3〜5は仕込み量を表1のようにした以外は実施例1と同様にして球状コア/シェル型複合微粒子を得た。
実施例6〜8は球状ポリスチレン微粒子の平均粒子径を表1に示したものを用いて、仕込み量を表1のようにした以外は実施例1と同様にして球状コア/シェル型複合微粒子を得た。
実施例9は分散重合法により得た球状ポリスチレン微粒子反応液そのもの、つまり平均粒子径1.3μmの球状ポリスチレン微粒子6.8重量%、分散媒イソプロピルアルコール:水=65:35の反応液を精製せずに用いた以外は実施例1と同様にして球状コア/シェル型複合微粒子を得た。
これら製造した微粒子について電子顕微鏡観察したところ、表1に示すような平均粒子径、最大粒子径、最小粒子径の球状微粒子であった。
実施例3の電子顕微鏡写真を図1に示す。
[実施例10]
メチルトリメトキシシラン70重量部の代わりにフェニルトリメトキシシラン64重量部とメチルトリメトキシシラン16重量部の混合物を添加した以外は実施例1と同様にして球状コア/シェル型複合微粒子を得た。
得られたコア/シェル型複合微粒子は、電子顕微鏡観察したところ、平均粒子径が1.7μm、最大粒子径が2.1μm、最小粒子径が1.2μmであった。
コア粒子である球状ポリスチレン微粒子の屈折率は1.59、シェルのポリオルガノシルセスキオキサンの屈折率は1.55であり、コアとシェルの屈折率差が0.04の球状コア/シェル型複合微粒子であった。
メチルトリメトキシシラン70重量部の代わりにフェニルトリメトキシシラン64重量部とメチルトリメトキシシラン16重量部の混合物を添加した以外は実施例1と同様にして球状コア/シェル型複合微粒子を得た。
得られたコア/シェル型複合微粒子は、電子顕微鏡観察したところ、平均粒子径が1.7μm、最大粒子径が2.1μm、最小粒子径が1.2μmであった。
コア粒子である球状ポリスチレン微粒子の屈折率は1.59、シェルのポリオルガノシルセスキオキサンの屈折率は1.55であり、コアとシェルの屈折率差が0.04の球状コア/シェル型複合微粒子であった。
[実施例11]
1重量%アンモニア水30重量部の代わりに、0.1重量%水酸化ナトリウム水溶液を10重量部を添加した以外は、実施例1と同様に球状コア/シェル型複合微粒子を合成した。合成した微粒子は、電子顕微鏡観察したところ、平均粒子径が1.5μm、最大粒子径が1.7μm、最小粒子径が1.2μmの球状微粒子であった。
1重量%アンモニア水30重量部の代わりに、0.1重量%水酸化ナトリウム水溶液を10重量部を添加した以外は、実施例1と同様に球状コア/シェル型複合微粒子を合成した。合成した微粒子は、電子顕微鏡観察したところ、平均粒子径が1.5μm、最大粒子径が1.7μm、最小粒子径が1.2μmの球状微粒子であった。
[実施例12]
温度計、還流装置および撹拌装置を備えた反応容器に水300重量部を仕込み、液温25℃として、撹拌しながらメチルトリメトキシシラン70重量部を1分間で添加したところ、加水分解反応が進行し、10分後には反応温度が35℃まで上昇した。
引き続き液温を35℃に維持して1時間撹拌した後、これに予め20重量%メタノール水溶液に超音波分散した平均粒子径1.0μm、変動係数5%の10重量%球状ポリスチレン微粒子分散液100重量部を撹拌しながら添加して球状ポリスチレン微粒子を均一に分散させた。続いて1重量%のアンモニア水30重量部を速やかに添加して、1分後に撹拌を停止した。
静置下で20時間熟成した後、ろ過、乾燥して白色粉末を得た。得られた粉末を電子顕微鏡観察したところ、平均粒子径1.6μm、最大粒子径1.9μm、最小粒子径1.2μmの球状微粒子であり、球状ポリスチレン微粒子に相当する1.0μm程度の粒子は確認されなかった。
温度計、還流装置および撹拌装置を備えた反応容器に水300重量部を仕込み、液温25℃として、撹拌しながらメチルトリメトキシシラン70重量部を1分間で添加したところ、加水分解反応が進行し、10分後には反応温度が35℃まで上昇した。
引き続き液温を35℃に維持して1時間撹拌した後、これに予め20重量%メタノール水溶液に超音波分散した平均粒子径1.0μm、変動係数5%の10重量%球状ポリスチレン微粒子分散液100重量部を撹拌しながら添加して球状ポリスチレン微粒子を均一に分散させた。続いて1重量%のアンモニア水30重量部を速やかに添加して、1分後に撹拌を停止した。
静置下で20時間熟成した後、ろ過、乾燥して白色粉末を得た。得られた粉末を電子顕微鏡観察したところ、平均粒子径1.6μm、最大粒子径1.9μm、最小粒子径1.2μmの球状微粒子であり、球状ポリスチレン微粒子に相当する1.0μm程度の粒子は確認されなかった。
[比較例]
温度計、環流装置および撹拌装置を備えた反応容器に水380重量部を仕込み、これに予め超音波分散した平均粒子径1.0μmの20重量%球状ポリスチレン微粒子分散液10重両部を撹拌しながら添加してポリスチレン微粒子分散液を得た。
上記分散液の液温を25℃として、メチルトリメトキシシラン70重両部を1分間で添加したところ、加水分解反応が進行し、5分後には反応温度が35℃まで上昇した。
引き続き液温を35℃で維持して30分間撹拌した後、1重量%のアンモニア水を30重量部速やかに添加して、1分後に撹拌を停止した。
静置下で20時間熟成した後、ろ過、乾燥して白色粉末を得た。得られた粉末の電子顕微鏡観察したところ、平均粒子径が3.2μm、最小粒子径6.3μm、最大粒子径0.7μmの球状微粒子であったが、該微粒子は球状コア/シェル型複合微粒子ではなく、ポリメチルシルセスキオキサンの単独発生されたものが確認された。
温度計、環流装置および撹拌装置を備えた反応容器に水380重量部を仕込み、これに予め超音波分散した平均粒子径1.0μmの20重量%球状ポリスチレン微粒子分散液10重両部を撹拌しながら添加してポリスチレン微粒子分散液を得た。
上記分散液の液温を25℃として、メチルトリメトキシシラン70重両部を1分間で添加したところ、加水分解反応が進行し、5分後には反応温度が35℃まで上昇した。
引き続き液温を35℃で維持して30分間撹拌した後、1重量%のアンモニア水を30重量部速やかに添加して、1分後に撹拌を停止した。
静置下で20時間熟成した後、ろ過、乾燥して白色粉末を得た。得られた粉末の電子顕微鏡観察したところ、平均粒子径が3.2μm、最小粒子径6.3μm、最大粒子径0.7μmの球状微粒子であったが、該微粒子は球状コア/シェル型複合微粒子ではなく、ポリメチルシルセスキオキサンの単独発生されたものが確認された。
Claims (4)
- 球状ポリスチレン微粒子をコア粒子とし、これをポリオルガノシルセスキオキサンで被覆してなる球状コア/シェル型複合微粒子であって、該球状コア/シェル型複合微粒子における球状ポリスチレン微粒子の割合が5〜50重量%であることを特徴とする球状コア/シェル型複合微粒子。
- オルガノトリアルコキシシランを加水分解、脱水縮合させる工程において、球状ポリスチレン微粒子を前記オルガノトリアルコキシシランが脱水縮合する前までに反応系内に添加して、前記球状ポリスチレン微粒子の表面にポリオルガノシルセスキオキサンを析出させることを特徴とする球状コア/シェル型複合微粒子の製造方法。
- (A)球状ポリスチレン微粒子を水または水と水溶性有機溶剤との混合液に分散させた系内に、撹拌下でオルガノトリアルコキシシランを添加して、オルガノトリアルコキシシランの加水分解物を得る工程、(B)これにアルカリ性物質またはその水溶液を添加して、オルガノトリアルコキシシラン加水分解物を脱水縮合させ、該球状ポリスチレン微粒子表面にポリオルガノシルセスキオキサンとして析出させる工程からなることを特徴とする球状コア/シェル型複合微粒子の製造方法。
- (A)水または水と水溶性有機溶媒との混合液に撹拌下でオルガノトリアルコキシシランを添加して、オルガノトリアルコキシシランの加水分解物を得る工程、(B)これに球状ポリスチレン微粒子を投入してよく分散した後に、アルカリ性物質またはその水溶液を添加して、オルガノトリアルコキシシラン加水分解物を脱水縮合させ、該球状ポリスチレン微粒子表面にポリオルガノシルセスキオキサンとして析出させる工程からなることを特徴とする球状コア/シェル型複合微粒子の製造方法。
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