JP2008301563A - 超音波モータ駆動回路及び超音波モータの駆動信号生成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】低コストの超音波モータ駆動回路を提供することである。
【解決手段】D/Aコンバータ制御回路15は、矩形波Aの立ち上がりのタイミングで、駆動信号の振幅値を決めるデジタルデータを第1のD/Aコンバータ16に出力する。また、D/Aコンバータ制御回路15は、矩形波Aと所望の位相差を有する矩形波Bの立ち上がりのタイミングで、駆動信号の振幅値を決めるデジタルデータを第2のD/Aコンバータ17に出力する。D/Aコンバータ16,17は、それぞれデジタルデータをアナログ信号に変換して超音波モータの駆動信号として出力する。
【選択図】 図1
【解決手段】D/Aコンバータ制御回路15は、矩形波Aの立ち上がりのタイミングで、駆動信号の振幅値を決めるデジタルデータを第1のD/Aコンバータ16に出力する。また、D/Aコンバータ制御回路15は、矩形波Aと所望の位相差を有する矩形波Bの立ち上がりのタイミングで、駆動信号の振幅値を決めるデジタルデータを第2のD/Aコンバータ17に出力する。D/Aコンバータ16,17は、それぞれデジタルデータをアナログ信号に変換して超音波モータの駆動信号として出力する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、産業用機器、測定器、電子機器等に用いられる超音波モータの駆動回路及びその駆動信号生成方法に関する。
産業用機器、一般の電子機器等の駆動機構として超音波モータが利用されている。また、高精度の位置測定システムと併用することで、従来の送りネジ等を使用した位置決め装置よりはるかに高い位置決め精度を実現することができる。
超音波モータを駆動する信号として一定の位相差(一般的には±90°)を持った2相の進行波が用いられる。超音波モータを効率良く安定に制御するためにはこの進行波の形状や周波数、振幅、位相差などを適切に制御する必要がある。
特許文献1には、所定の位相差を有する2つのデジタル駆動用源信号をフィルタにより正弦波に変換して超音波アクチュエータに供給することで、駆動信号に含まれる高調波を減らすことが記載されている。
特許文献2には、微分回路を用いて90°の位相差を持った正弦波電圧を発生させ、その正弦波電圧を超音波モータに供給することが記載されている。
特許文献3には、超音波モータの停止時に、A相駆動信号とB相駆動信号の位相差を90°から0°まで徐々に変化するように制御することで、停止時に発生する騒音を抑制することが記載されている。
特許文献3には、超音波モータの停止時に、A相駆動信号とB相駆動信号の位相差を90°から0°まで徐々に変化するように制御することで、停止時に発生する騒音を抑制することが記載されている。
超音波モータを効率よく安定に駆動するためには正弦波の信号を供給し、その正弦波の信号の周波数、振幅、位相差が所定の範囲内で任意に変化させることが望ましい。
しかしながら、従来は、超音波モータを駆動する駆動信号の電圧が離散的な値しか設定できなかったり、周波数は可変することができるが駆動信号の波形が矩形波であったり、理想的な駆動信号を得ることが難しかった。
しかしながら、従来は、超音波モータを駆動する駆動信号の電圧が離散的な値しか設定できなかったり、周波数は可変することができるが駆動信号の波形が矩形波であったり、理想的な駆動信号を得ることが難しかった。
D/Aコンバータで正弦波を発生させることも考えられるが、一般的な超音波モータの駆動信号の周波数は数10kHzから100kHz以上であり、仮に100kHz程度の信号を100Hzのステップで変調すると、D/Aコンバータには100Mサンプリング毎秒以上の性能が必要となる。動作速度の速いD/Aコンバータは一般にコストが高くなる。また、100Mサンプリング毎秒以上の速さでD/Aコンバータにデジタルデータを供給できる演算システムやインターフェースもコスト増の要因となる。
特開2000−70851号公報
特開平9−70187号公報
特開2002−199749号公報
本発明の課題は、低コストの超音波モータ駆動回路を実現することである。
本発明の超音波モータ駆動回路は、周期的に変化し所望の位相差を有する第1及び第2の信号を生成する信号生成回路と、第1のD/Aコンバータと、第2のD/Aコンバータと、前記第1の信号と前記第2の信号の立ち上がりまたは立ち下がりに同期したタイミングに、超音波モータを駆動する第1及び第2の駆動信号の振幅値を決めるデジタルデータを前記第1及び第2のD/Aコンバータにそれぞれ出力するD/Aコンバータ制御回路とを備える。
上記の発明の他の態様において、前記D/Aコンバータ制御回路は、前記第1及び第2の信号の立ち上がりと立ち下がりにそれぞれ同期したタイミングに、前記第1及び第2の駆動信号の振幅値を決める前記デジタルデータを前記第1及び第2のD/Aコンバータに出力する。
上記の発明の他の態様において、前記D/Aコンバータ制御回路は、前記第1及び第2の信号の立ち上がりと立ち下がりの一方に同期したタイミングに、前記超音波モータの第1及び第2の駆動信号の振幅値を決める前記デジタルデータを前記第1及び第2のD/Aコンバータにそれぞれ出力し、前記第1及び第2の信号の立ち上がりと立ち下がりの他方に同期したタイミングに、前記第1及び第2の駆動信号の振幅値ゼロに対応する前記デジタルデータを前記第1及び第2のD/Aコンバータにそれぞれ出力する。
上記の発明の他の態様は、前記第1のD/Aコンバータから出力される矩形波の信号を擬似的な正弦波に変換する第1のフィルタと、前記第2のD/Aコンバータから出力される矩形波の信号を擬似的な正弦波に変換する第2のフィルタと有する。
上記の発明の他の態様は、前記第1及び第2のフィルタは、カットオフ周波数を超音波モータの共振周波数の1.18倍以上、1.4倍以下に設定したローパスフィルタである。
上記の発明の他の態様は、前記第1及び第2の信号の周波数または位相差を決める信号またはデータを前記信号生成回路に出力すると共に、前記第1及び第2の駆動信号の振幅値を決める前記デジタルデータを前記D/Aコンバータ制御回路に出力する制御部を有する。
上記の発明の他の態様は、前記超音波モータの弾性体の振動を検出する振動検出器と、前記振動検出器で検出される信号と前記第1または第2の信号との位相差を検出する位相差検出器と、前記位相差検出器で検出される位相差に基づいて前記第1及び第2の信号の周波数、位相差または前記D/Aコンバータ制御回路に出力する前記デジタルデータの値を制御する制御部とを備える。
上記の発明の他の態様は、前記超音波モータの弾性体と接触する移動体の位置を検出する位置検出器と、前記位置検出器により検出される位置情報と目的とする位置とに基づいて前記第1及び第2の信号の周波数、位相差または前記D/Aコンバータに出力する前記デジタルデータを変化させて前記移動体の位置または速度を制御する制御部とを備える。
本発明の超音波モータの駆動信号生成方法は、周期的に変化し所望の位相差を有する第1及び第2の信号を生成し、前記第1の信号と前記第2の信号の立ち上がりまたは立ち下がりに同期したタイミングに、超音波モータを駆動する第1及び第2の駆動信号の振幅値を決めるデジタルデータを第1及び第2のD/Aコンバータにそれぞれ供給して、前記第1及び第2のD/Aコンバータから超音波モータを駆動するための信号を出力させる。
本発明によれば、動作速度の比較的遅いD/Aコンバータを用いて安価な超音波モータ駆動回路を実現できる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、超音波モータ12を含む第1の実施の形態の超音波モータ駆動回路11のブロック図である。
超音波モータ12は、屈曲振動と縦振動を発生させる複数の振動子からなる弾性体と、その弾性体に接触させた移動体とからなる。
超音波モータ12は、屈曲振動と縦振動を発生させる複数の振動子からなる弾性体と、その弾性体に接触させた移動体とからなる。
制御部(CPU)14は、発振周波数と位相差を指示する信号またはデータを矩形波発生回路13に出力すると共に、超音波モータ12を駆動する駆動信号の振幅値を決めるデジタルデータをD/Aコンバータ制御回路15に出力する。制御部14は、矩形波発生回路13に出力するデータを変更することで矩形波A、Bの周波数、位相差を制御することができる。
矩形波発生回路13(信号生成回路)は、制御部14からの指示に従って所望の周波数の所望の位相差を持った2種類の矩形波A、B(第1及び第2の信号)を生成してD/Aコンバータ制御回路15に出力する。
D/Aコンバータ制御回路15は、矩形波A、Bの立ち上がりまたは立ち下がりに同期したタイミングに、制御部14から出力されるデジタルデータを第1及び第2のD/Aコンバータ16及び17に出力する。
第1のD/Aコンバータ16は、D/Aコンバータ制御回路15から出力されるデジタルデータDATA−Aをアナログ信号DAC−Aに変換してローパスフィルタ18(第1のフィルタ)に出力する。ローパスフィルタ18は、第1のD/Aコンバータ16から出力される矩形波の信号DAC−Aを平滑し擬似的な正弦波に変換して増幅器20に出力する。増幅器20は、増幅した正弦波の第1の駆動信号OUT−Aを超音波モータ12に出力する。
第2のD/Aコンバータ17は、D/Aコンバータ制御回路15から出力されるデジタルデータDATA−Bをアナログ信号DAC−Bに変換してローパスフィルタ19(第2のフィルタ)に出力する。ローパスフィルタ19は、第2のD/Aコンバータ17から出力される矩形波の信号を平滑し疑似的な正弦波に変換して増幅器21に出力する。増幅器21は、増幅した正弦波の第2の駆動信号OUT−Bを超音波モータ12に出力する。
図2は、ローパスフィルタ18、19の一例を示す図である。この実施の形態では、演算増幅器を用いたフィルタの中で構成が簡素な正帰還型フィルタであるサレン・キー回路を用いた。演算増幅器を用いたアクティブフィルタを用いることで、出力信号の線形性を確保し、安定した超音波モータ12の制御を可能としている。なお、アクティブフィルタに限らず、抵抗とキャパシタからなるパッシブフィルタを用いても良い。
図2において、入力信号は、直列に接続された抵抗R1、R2を介して、演算増幅器31の非反転入力端子に入力する。非反転入力端子にはキャパシタC1の一端が接続され、キャパシタC1の他端は電源電圧に接続されている。演算増幅器31の出力は反転入力端子に帰還され、その反転入力端子に帰還される信号は、キャパシタC2を介して非反転入力端子にも帰還されている。キャパシタC2の容量とキャパシタC1の容量比は1:2に設定されている。抵抗R1、R2の抵抗値をR、キャパシタC1の容量値をCとすると、ローパスフィルタ18、19のカットオフ周波数fcは、fc=1/(2・21/2・πRC)で表せる。カットオフ周波数fcは、超音波モータ12の共振周波数の1.18倍以上、1.4倍以下に設定するのが好ましい。
図1に戻り、振動検出器22は、超音波モータ12の弾性体の振動を検出し、検出結果の信号を位相差測定器23に出力する。位相差測定器23は、振動検出器22で検出される超音波モータ12の振動を示す信号と矩形波Bとの位相差を測定し、測定結果を制御部14に出力する。制御部14は、この位相差の測定結果に基づいて駆動信号の周波数、位相差または振幅の制御を行う。
また、超音波モータ12の弾性体と接触する移動体の位置を検出する位置検出器(図示せず)を設け、位置検出器の検出情報を制御部14に出力するようにしても良い。そして、制御部14が、位置検出器により検出される移動体の位置と目的とする位置との差を算出し、その差が小さくなるように矩形波A、Bの周波数、位相差、あるいは駆動信号の振幅値を制御しても良い。
次に、上記の超音波モータ駆動回路11の動作を、図3のタイミングチャートを参照して説明する。
制御部14により矩形波の周波数と位相差が指示され、駆動信号の振幅を決めるデジタルデータX、a1、b1、a2、b2、a3、b3・・が順に出力され、矩形波発生回路13から、例えば、周波数が100kHzで、90°の位相差を持った矩形波A、Bが出力されたものとする。
制御部14により矩形波の周波数と位相差が指示され、駆動信号の振幅を決めるデジタルデータX、a1、b1、a2、b2、a3、b3・・が順に出力され、矩形波発生回路13から、例えば、周波数が100kHzで、90°の位相差を持った矩形波A、Bが出力されたものとする。
D/Aコンバータ制御回路15は、制御部14から出力されたデジタルデータ「a1」をラッチし、ラッチしたデータ「a1」を矩形波Aの立ち上がりのタイミングに、デジタルデータDAT−Aとして第1のD/Aコンバータ16に出力する。また、D/Aコンバータ制御回路15は、制御部14から出力されたデジタルデータ「b1」をラッチし、ラッチしたデータ「b1」を矩形波Bの立ち上がりのタイミングに、デジタルデータDAT−Bとして第2のD/Aコンバータ17に出力する。
第1のD/Aコンバータ16は、図3に示すように、デジタルデータ「a1」を振幅値a1の矩形波の信号DAC−Aに変換して出力する。また、第2のD/Aコンバータ17は、デジタルデータ「b1」を振幅値b1の矩形波の信号DAC−Bに変換して出力する。
次に、D/Aコンバータ制御回路15は、矩形波Aの立ち下がりのタイミングに、データ「a1」を反転させた「−a1」を、デジタルデータDAT−Aとして第1のD/Aコンバータ16に出力する。また、D/Aコンバータ制御回路15は、矩形波Bの立ち下がりのタイミングに、データ「b1」を反転させた「−b1」をデジタルデータDAT−Bとして第2のD/Aコンバータ17に出力する。
この結果、第1のD/Aコンバータ16からは、図3に示すように、矩形波Aの前半の半周期の期間、振幅値a1となり、後半の半周期の期間、振幅値−a1となる矩形波の信号DAC−Aが出力される。また、第2のD/Aコンバータ17からは、矩形波Bの前半の半周期の期間、振幅値b1となり、後半の半周期の期間、振幅値−b1となる矩形波の信号DAC−Bが出力される。
次に、D/Aコンバータ制御回路15は、矩形波Aの次の立ち上がりのタイミングで、デジタルデータDAT−Aとして「a2」を第1のD/Aコンバータ16に出力すると共に、矩形波Bの次の立ち上がりのタイミングに、デジタルデータDATA−Bとして「b2」を第2のD/Aコンバータ17に出力する。
次に、D/Aコンバータ制御回路15は、矩形波Aの立ち下がりのタイミングに、デジタルデータDAT−Aとして「−a2」を第1のD/Aコンバータ16に出力すると共に、矩形波Bの立ち下がりのタイミングに、デジタルデータDAT−Bとして「−b2」を第2のD/Aコンバータ17に出力する。
この結果、第1のD/Aコンバータ16からは、図3に示すように、矩形波Aの2番目の周期の前半の半周期の期間、振幅値a2となり、後半の半周期の期間、振幅値−a2となる矩形波の信号DAC−Aが出力される。また、第2のD/Aコンバータ17からは、矩形波Bの2番目の周期の前半の半周期の期間、振幅値b2となり、後半の半周期の期間、振幅値−b2となる矩形波の信号DAC−Bが出力される。
そして、ローパスフィルタ18において、矩形波の正負の信号DAC−Aが平滑され、増幅器20で増幅され、図3に示すような擬似的な正弦波の第1の駆動信号OUT−Aが超音波モータ12に供給される。同時に、ローパスフィルタ19において、矩形波の正負の信号DAC−Bが平滑され、擬似的な正弦波の第2の駆動信号OUT−Bが超音波モータ12に供給される。
図4は、D/Aコンバータ制御回路15の回路の一例である。図4において、制御部14から出力されるデジタルデータXの内の7ビットのデータは、ライト信号WEがイネーブルになったとき、入力レジスタ41、42にラッチされる。これらの入力レジスタ41、42は、例えば7ビットのレジスタである。
レジスタ43のクロック端子CKには矩形波Aが入力しており、矩形波Aの立ち上がりに同期したタイミングで、入力レジスタ41にラッチされたデジタルデータXがレジスタ43にラッチされる。
レジスタ44のクロック端子CKには矩形波Bが入力しており、矩形波Bの立ち上がりに同期したタイミングで、入力レジスタ42にラッチされたデジタルデータXがレジスタ44にラッチされる。
排他的論理和否定回路(XNOR)45は、矩形波AとデジタルデータXの内の7ビットのデータとの排他的論理和否定演算を行う回路であり、7ビットのXNORからなる。例えば、矩形波Aが「1」で、1ビットのXNORに入力するデジタルデータXの該当するビットが「1」のときには、そのXNORからは「1」が出力され、デジタルデータの該当するビットが「0」のときには「0」が出力される。他方、矩形波Aが「0」で、デジタルデータXの該当するビットが「1」のときには、そのXNORからは「0」が出力され、ビットが「0」のときには「1」が出力される。
すなわち、排他的論理和否定回路45からは、矩形波Aが「1」の期間はデジタルデータXの正の値が出力され、矩形波Aが「0」の期間はデジタルデータXの負の値が出力される。
レベル変換回路48は、信号の電圧レベルを変換する回路であり、排他的論理和否定回路45の出力信号と矩形波Aを所望の電圧レベルに変換して第1のD/Aコンバータ16に出力する。レベル変換回路48は、例えば、3.3Vの信号を5Vの信号に変換する回路である。第1の実施の形態においては、D/Aコンバータ制御回路15の出力信号の電圧レベルと、D/Aコンバータ16の信号の電圧レベルが異なるためにレベル変換回路48を設けてあるが、両者の電圧レベルが同じ場合には不要である。
排他的論理和回路47には、矩形波Bと超音波モータ12の回転方向を切り換えるためのDIR信号が入力している。なお、図4のDIRの上の線は、DIR信号が「0」のときアクティブとなる信号であることを示している。
DIR信号を「0」から「1」、あるいは「1」から「0」に切り換えることで、排他的論理和回路47の出力信号の極性を反転させ、排他的論理和否定回路46から出力されるデータを反転させることができる。これにより、超音波モータ12の第1の駆動信号(増幅器20の出力信号)に対する第2の駆動信号(増幅器21の出力信号)の位相の進み、遅れを切り換えて超音波モータ12の回転方向を切り換えることができる。
排他的論理和否定回路(XNOR)46は、排他的論理和回路47の出力信号と、デジタルデータXの内の7ビットのデータの排他的論理和否定演算を行う回路であり、7ビットのXNORからなる。
例えば、矩形波Bが「1」で、DIR信号が「0」のとき、排他的論理和回路47の出力信号は「1」となる。このとき、排他的論理和否定回路46の1ビットのXNORに入力する信号(排他的論理和回路47の出力信号)は「1」となり、デジタルデータXの該当するビットが「1」のときには、1ビットのXNORの出力は「1」となる。また、デジタルデータXの該当するビットが「0」のときには、XNORの出力は「0」となる。
他方、矩形波Bが「0」かつDIR信号が「0」で、デジタルデータXの該当するビットが「1」のときには、1ビットのXNORの出力は「0」となり、デジタルデータXの該当するビットが「0」のときには、XNORの出力は「1」となる。
すなわち、排他的論理和否定回路46からは、DIR信号が「0」で、矩形波Bが「1」の期間はデジタルデータXの正の値が出力され、矩形波Bが「0」の期間はデジタルデータXの負の値が出力される。
レベル変換回路49は、信号の電圧レベルを変換する回路であり、排他的論理和否定回路46の出力信号と排他的論理和回路47の出力信号を、所望の電圧レベルに変換して第2のD/Aコンバータ17に出力する。
なお、上記の例では、矩形波信号A、Bの立ち上がりに同期したタイミングに、D/Aコンバータ制御回路15から第1及び第2のD/Aコンバータ16,17にデジタルデータを出力しているが、矩形波A、Bの立ち下がりに同期したタイミングにデジタルデータを出力するようにしても良い。
上述した第1の実施の形態は、矩形波A、Bの立ち上がり(または立ち下がり)に同期したタイミングに、D/Aコンバータ制御回路15から第1及び第2のD/Aコンバータ16及び17にそれぞれ第1及び第2の駆動信号の振幅値を決めるデジタルデータXを出力するようにした。従って、第1及び第2のD/Aコンバータ16及び17は、矩形波A、Bの周波数(例えば、数100kHz程度)で動作できる程度の動作速度を有すれば良いので、高速(例えば、100×100kHz以上)で動作するD/Aコンバータを使用する必要が無い。これにより、安価なD/Aコンバータを用いて超音波モータ駆動回路11を構成することができる。
また、D/Aコンバータ制御回路15に供給するデジタルデータXの値、矩形波A、Bの周波数または位相差を変化させることで、超音波モータ12に供給する駆動信号の周波数、振幅または位相差を任意に制御することができる。
さらに、D/Aコンバータ16及び17の出力信号をローパスフィルタ18、19で平滑することで擬似的な正弦波の駆動信号を生成することができる。擬似的な正弦波の駆動信号で超音波モータ12を駆動することで、超音波モータ12をより安定に、かつ効率的に制御することができる。
また、超音波モータ12の実際の振動を振動検出器22で検出し、検出した振動と矩形波Aまたは矩形波Bとの位相差を計測し、例えば、位相差が所望の値となるように駆動信号の周波数、位相差を制御することで超音波モータ12をより安定に制御することができる。
また、超音波モータ12の弾性体に接触させた移動体の位置を検出する位置検出器を設け、その位置検出器により検出された移動体の位置と目的とする位置との差を計算し、その差が小さくなるように駆動信号の周波数、位相差または振幅を制御することで、移動体の位置、あるいは速度を適正に制御することができる。
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態は、D/Aコンバータ16、17を単電源で駆動して、駆動信号として正の信号のみを供給する例を示している。
この第2の実施の形態の超音波モータ駆動回路11とD/Aコンバータ制御回路15の構成は、基本的には第1の実施の形態と同様である。異なる点は、負のデジタルデータXを生成する必要が無いので、図4の回路において、排他的論理和否定回路45と46等が不要となる点である。
以下、第2の実施の形態の超音波モータ駆動回路の動作を、図5のタイミングチャートを参照して説明する。
第2の実施の形態においては、制御部14からデジタルデータXとして、データa1、b1、0、a2、b2、0・・・が順に出力される。
第2の実施の形態においては、制御部14からデジタルデータXとして、データa1、b1、0、a2、b2、0・・・が順に出力される。
図1のD/Aコンバータ制御回路15は、制御部14からデジタルデータ「a1」が出力され、ライト信号WEがイネーブルになったときデータ「a1」をラッチし、矩形波Aの立ち上がりに同期したタイミングに、そのデータ「a1」をDATA−Aとして第1のD/Aコンバータ16に出力する。
次に、D/Aコンバータ制御回路15は、制御部14から出力されるデジタルデータ「b1」をラッチし、矩形波Bの立ち上がりに同期したタイミングに、そのデータ「b1」をDATA−Bとして第2のD/Aコンバータ17に出力する。
次に、D/Aコンバータ制御回路15は、制御部14から出力されるデジタルデータ「0」をラッチし、矩形波Aの立ち下がりに同期したタイミングに、そのデータ「0」をDATA−Aとして第1のD/Aコンバータ16に出力する。
次に、D/Aコンバータ制御回路15は、矩形波Bの立ち下がりに同期したタイミングに、データ「0」をDATA−Bとして第2のD/Aコンバータ17に出力する。
その結果、第1のD/Aコンバータ16からは、図5に示すように、矩形波Aが「1」となる前半の半周期の期間は、振幅a1の矩形波の信号DAC−Aが出力され、矩形波Aが「0」となる後半の半周期の期間は、振幅0の矩形波の信号DAC−Aが出力される。そして、その矩形波の信号がローパスフィルタ18(図1)で平滑され擬似的な正の正弦波の信号に変換され、その信号が増幅器で増幅されて第1の駆動信号OUT−Aとして超音波モータ12に供給される。
その結果、第1のD/Aコンバータ16からは、図5に示すように、矩形波Aが「1」となる前半の半周期の期間は、振幅a1の矩形波の信号DAC−Aが出力され、矩形波Aが「0」となる後半の半周期の期間は、振幅0の矩形波の信号DAC−Aが出力される。そして、その矩形波の信号がローパスフィルタ18(図1)で平滑され擬似的な正の正弦波の信号に変換され、その信号が増幅器で増幅されて第1の駆動信号OUT−Aとして超音波モータ12に供給される。
同様に、第2のD/Aコンバータ17からは、図5に示すように、矩形波Bが「1」となる前半の半周期の期間は、振幅b1の矩形波の信号DAC−Bが出力され、矩形波Bが「0」となる後半の半周期の期間は、振幅0の矩形波の信号DAC−Bが出力される。そして、その矩形波の信号DAC−Bがローパスフィルタ19で平滑され擬似的な正の正弦波の信号に変換され、その信号が増幅器で増幅されて第2の駆動信号OUT−Bとして超音波モータ12に供給される。
この第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態の効果に加え、D/Aコンバータ16、17の出力の極性が単極であるので、負の電源電圧をD/Aコンバータ16、17に供給する必要が無く電源回路が簡素になる。
本発明は上述した実施の形態に限らず、例えば、以下のように構成しても良い。
(1)矩形波Aと矩形波Bの位相差は90°に限らず、90°未満、あるいは90°より大きくても良い。
(2)実施の形態は、D/Aコンバータ16、17の出力信号をローパスフィルタ18、19により擬似的な正弦波に変換しているが、矩形波の信号を駆動信号として用いても良い。
(3)上記の実施の形態では、第1の駆動信号と第2の駆動信号の振幅値を異なる値として説明したが同一の振幅値であっても良い。
(4)上記の実施の形態では、D/Aコンバータ制御回路15の内部でデジタルデータXの反転データを生成しているが、制御部14からデジタルデータXの反転データをD/Aコンバータ制御回路15に出力しても良い。
(1)矩形波Aと矩形波Bの位相差は90°に限らず、90°未満、あるいは90°より大きくても良い。
(2)実施の形態は、D/Aコンバータ16、17の出力信号をローパスフィルタ18、19により擬似的な正弦波に変換しているが、矩形波の信号を駆動信号として用いても良い。
(3)上記の実施の形態では、第1の駆動信号と第2の駆動信号の振幅値を異なる値として説明したが同一の振幅値であっても良い。
(4)上記の実施の形態では、D/Aコンバータ制御回路15の内部でデジタルデータXの反転データを生成しているが、制御部14からデジタルデータXの反転データをD/Aコンバータ制御回路15に出力しても良い。
11 超音波モータ駆動回路
12 超音波モータ
13 矩形波生成回路
14 制御部
15 D/Aコンバータ制御回路
16、17 D/Aコンバータ
18、19 ローパスフィルタ
20、21 増幅器
22 振動検出器
23 位相差検出器
12 超音波モータ
13 矩形波生成回路
14 制御部
15 D/Aコンバータ制御回路
16、17 D/Aコンバータ
18、19 ローパスフィルタ
20、21 増幅器
22 振動検出器
23 位相差検出器
Claims (12)
- 周期的に変化し所望の位相差を有する第1及び第2の信号を生成する信号生成回路と、
第1のD/Aコンバータと、
第2のD/Aコンバータと、
前記第1の信号と前記第2の信号の立ち上がりまたは立ち下がりに同期したタイミングに、超音波モータを駆動する第1及び第2の駆動信号の振幅値を決めるデジタルデータを前記第1及び第2のD/Aコンバータにそれぞれ出力するD/Aコンバータ制御回路とを備える超音波モータ駆動回路。 - 前記D/Aコンバータ制御回路は、前記第1及び第2の信号の立ち上がりと立ち下がりにそれぞれ同期したタイミングに、前記第1及び第2の駆動信号の振幅値を決める前記デジタルデータを前記第1及び第2のD/Aコンバータに出力する請求項1記載の超音波モータ駆動回路。
- 前記D/Aコンバータ制御回路は、前記第1及び第2の信号の立ち上がりと立ち下がりの一方に同期したタイミングに、前記超音波モータの第1及び第2の駆動信号の振幅値を決める前記デジタルデータを前記第1及び第2のD/Aコンバータにそれぞれ出力し、前記第1及び第2の信号の立ち上がりと立ち下がりの他方に同期したタイミングに、前記第1及び第2の駆動信号の振幅値ゼロに対応する前記デジタルデータを前記第1及び第2のD/Aコンバータにそれぞれ出力する請求項1記載の超音波モータ駆動回路。
- 前記第1のD/Aコンバータから出力される矩形波の信号を擬似的な正弦波に変換する第1のフィルタと、前記第2のD/Aコンバータから出力される矩形波の信号を擬似的な正弦波に変換する第2のフィルタとを有する請求項1または2記載の超音波モータ駆動回路。
- 前記第1及び第2のフィルタは、カットオフ周波数を超音波モータの共振周波数の1.18倍以上、1.4倍以下に設定したローパスフィルタである請求項4記載の超音波モータ駆動回路。
- 前記第1及び第2の信号の周波数または位相差を決める信号またはデータを前記信号生成回路に出力すると共に、前記第1及び第2の駆動信号の振幅値を決める前記デジタルデータを前記D/Aコンバータ制御回路に出力する制御部を有する請求項1または2記載の超音波モータ駆動回路。
- 前記超音波モータの弾性体の振動を検出する振動検出器と、前記振動検出器で検出される信号と前記第1または第2の信号との位相差を検出する位相差検出器と、前記位相差検出器で検出される位相差に基づいて前記第1及び第2の信号の周波数、位相差または前記D/Aコンバータ制御回路に出力する前記デジタルデータの値を制御する制御部とを備える請求項1または2記載の超音波モータ駆動回路。
- 前記超音波モータの弾性体と接触する移動体の位置を検出する位置検出器と、前記位置検出器により検出される位置情報と目的とする位置とに基づいて前記第1及び第2の信号の周波数、位相差または前記D/Aコンバータに出力する前記デジタルデータを変化させて前記移動体の位置または速度を制御する制御部とを備える請求項1または2記載の超音波モータ駆動回路。
- 周期的に変化し所望の位相差を有する第1及び第2の信号を生成し、
前記第1の信号と前記第2の信号の立ち上がりまたは立ち下がりに同期したタイミングに、超音波モータを駆動する第1及び第2の駆動信号の振幅値を決めるデジタルデータを第1及び第2のD/Aコンバータにそれぞれ供給して、前記第1及び第2のD/Aコンバータから超音波モータを駆動する信号を出力させる超音波モータの駆動信号生成方法。 - 前記第1及び第2の信号の立ち上がりと立ち下がりにそれぞれ同期したタイミングに、前記第1及び第2駆動信号の振幅値を決める前記デジタルデータを前記第1及び第2のD/Aコンバータに出力する請求項9記載の超音波モータの駆動信号生成方法。
- 前記第1及び第2の信号の立ち上がりと立ち下がりの一方に同期したタイミングに、前記第1及び第2の駆動信号の振幅値を決める前記デジタルデータを前記第1及び第2のD/Aコンバータに出力し、前記第1及び第2の信号の立ち上がりと立ち下がりの他方に同期したタイミングに、前記第1及び第2の駆動信号の振幅値ゼロに対応するデジタルデータを前記第1及び第2のD/Aコンバータに出力する請求項9記載の超音波モータの駆動信号生成方法。
- 前記第1のD/Aコンバータから出力される矩形波の信号を第1のフィルタにより擬似的な正弦波に変換し、前記第2のD/Aコンバータから出力される矩形波の信号を第2のフィルタにより擬似的な正弦波に変換する請求項9記載の超音波モータの駆動信号生成方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007141946A JP2008301563A (ja) | 2007-05-29 | 2007-05-29 | 超音波モータ駆動回路及び超音波モータの駆動信号生成方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2011152191A1 (ja) | 2010-06-02 | 2011-12-08 | 船井電機株式会社 | 超音波モータの駆動装置および超音波モータユニット |
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- 2007-05-29 JP JP2007141946A patent/JP2008301563A/ja active Pending
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