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JP2008231029A - 苦味遮蔽製剤 - Google Patents

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JP2008231029A JP2007073139A JP2007073139A JP2008231029A JP 2008231029 A JP2008231029 A JP 2008231029A JP 2007073139 A JP2007073139 A JP 2007073139A JP 2007073139 A JP2007073139 A JP 2007073139A JP 2008231029 A JP2008231029 A JP 2008231029A
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granulation
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Hiroto Terada
浩人 寺田
Toshiya Taniguchi
俊哉 谷口
Yuuki Tsushima
勇禧 対馬
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Ohara Pharmaceutical Co Ltd
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Ohara Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

【課題】不快味を有する医薬の不快味を効果的に遮蔽して服用し易く、かつ溶出性に優れた散剤、細粒剤又は顆粒剤を提供すること。
【解決手段】平均粒子径が1μm〜200μmの不快味を有する医薬を含有する粉末に、胃溶性ポリマー含有組成物の皮膜を被覆し、造粒してなる散剤、細粒剤又は顆粒剤を提供する。使用する胃溶性ポリマーとしては、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、アミノアルキルメタクリレートコポリマーE又はこれらの混合物等が好適に用いられる。
【選択図】なし

Description

本発明は、医薬の苦味等の不快な味が有効に遮蔽され、かつその溶出性に優れた散剤、細粒剤及び顆粒剤に関する。
医薬はその適正量を適時に投薬されることによって、予定の効果が期待できる。したがって固形製剤の場合、服用し易い製剤であることが、その薬物コンプライアンスの観点から、重要である。
そこで、例えば錠剤の飲み込みが困難な小児や高齢者に対しては、散剤、細粒剤又は顆粒剤等が提供されている。
しかし、強い苦味等の不快な味を有する医薬を散剤、細粒剤又は顆粒剤とする場合は、不快味遮断のために必要な具体的手段が、しばしば医薬溶出の遅延を招くこととなり、問題となる。
従来より、細粒剤等の主薬の不快味を遮蔽する手段として、主薬含有粉末を種々の高分子基剤で被覆する技術が開示されている(特許文献1〜6)。その中には、主薬の苦味の遮蔽とその速放性を両立することを課題とした細粒剤に関するものがある(特許文献1及び2)
特開平5−163163号公報 特開2000−53563号公報 特公平7−74151号公報 特開2002−29964号公報 特許第3317444号公報 特許第3466921号公報
本発明の課題は、医薬の苦味等の不快な味が有効に遮蔽され、したがって服用し易い組成物であって、かつその溶出性に優れた散剤、細粒剤及び顆粒剤を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を解決するため、予備的検討として、強力な苦味を有するレバミピド(一般的名称)を用い、従来技術について種々追試をしたところ、苦みの遮蔽効果とその溶出速度の両方において満足といえる結果が得られなかった。
そこで、鋭意検討した結果、レバミピドを含有する粉末組成物に対し、胃溶性ポリマー含有組成物の皮膜を被覆することにより前記課題を解決することができることを見出した。
本発明者らは、前記知見に基づいてさらに検討を加え、本発明を完成することができた。
すなわち、本発明によれば、
(1)平均粒子径が1μm〜200μmの不快味を有する医薬を含有する粉末に、胃溶性ポリマー含有組成物mを被覆し、造粒してなる散剤、細粒剤又は顆粒剤、
(2)胃溶性ポリマーが、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、アミノアルキルメタクリレートコポリマーE又はこれらの混合物である前記
(1)に記載の散剤、細粒剤又は顆粒剤、
(3)胃溶性ポリマー含有組成物が、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート及び滑沢剤を含有する前記(2)に記載の散剤、細粒剤又は顆粒剤、
(4)医薬がレバミピド、レボフロキサシン又はファモチジンである前記(1)
、(2)又は(3)に記載の散剤、細粒剤又は顆粒剤を提供することができる。
本発明によれば、不快味を有する医薬の不快味を効果的に遮蔽するとともに、一方でその溶出の遅延を来さない散剤、細粒剤又は顆粒剤を提供することができる。
本発明は、不快味を有する医薬、例えば強い苦味を有するレバミピド、レボフロキサシン、ファモチジン等の医薬に対して有効に適用できる。その医薬の平均粒子径は、1μm〜200μmが好ましく、より好ましくは2μm〜100μmである。
なお、本発明において「平均粒子径」とは、レーザー回折式粒度分布測定法によるD50値を意味する。
本発明の粉末組成物の芯部を構成する医薬とともに使用してもよい添加剤としては、賦形剤として、あるいは流動化助剤としての機能を有するものであればよく、例えば、乳糖、D−マンニトール、結晶セルロース、部分アルファ化デンプン、トウモロコシデンプン、軽質無水ケイ酸等が挙げることができる。それらの平均粒子径としては0.5μm〜300μm程度が好ましい。
本発明の散剤、細粒剤又は顆粒剤中の製剤基剤と、それらの適性割合は、芯部を構成する医薬の種類、目標とする不快味遮蔽の度合、あるいは溶出制御の度合等によって変動するが、好ましい様態を示せば以下のごとくである。
被膜を構成する胃溶性ポリマーとしては、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、アミノアルキルメタクリレートコポリマーE又はこれらの混合物等が挙げられるが、好ましくはポリビニルアセタールジエチルアミノアセテートである。その重量割合としては、散剤、細粒剤又は顆粒剤の1%〜20%が好ましく、より好ましくは2%〜10%である。
被膜の構成成分である胃溶性ポリマーとともに使用してよい滑沢剤としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、軽質無水ケイ酸、含水二酸化ケイ素タルク等が挙げられるが中でもステアリン酸マグネシウムが好ましい。その重量割合としては、散剤、細粒剤又は顆粒剤の0.5%〜20%が好ましく、より好ましくは1%〜10%である。
被膜重量としては、本発明散剤、細粒剤又は顆粒剤の5%〜50%が好ましい。
被膜を構成する胃溶性ポリマーとともに使用しても良い前記例示の添加剤の使用重量は、被膜重量の50%程度までが好ましい。
本発明粉末組成物にD−マンニトール等の多価アルコール、乳糖、結晶セルロース、トウモロコシデンプン、部分アルファ化デンプン、軽質無水ケイ酸、含水二酸化ケイ素等の賦形剤や、ヒドロキシプロピルセルロース等の結合剤を用いて造粒し、散剤、細粒剤又は顆粒剤とすることができる。
これらの製剤は、必要に応じ、着色剤、矯味剤等の製剤上の添加物を使用して製造しても良い。
本発明の散剤、細粒剤及び顆粒剤は通常の方法、例えば第十五改正日本薬局方の製剤総則に記載されている方法により、容易に製造することができる。
以下に、不快味を有する医薬としてレバミピド(一般名:胃炎・胃潰瘍治療薬)を使用した実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、以下の実施例及び参考例の製剤基剤として下記(市販品)を使用した。
「乳糖(Pharmatose200M:五協産業)、軽質無水ケイ酸(アドソリダー101:ワイ・ケイ・エフ)、部分アルファ化デンプン(PCS:旭化成ケミカルズ)、メチルセルロース(メトローズSM−4:信越化学工業)30%エチルセルロース水分散液(アクアコート:大日本製薬)、D−マンニトール(マンニットP:東和化成工業)、トリアセチン(トリアセチン:有機合成薬品工業)、メタクリル酸コポリマーLD(オイドラギットL30D55:樋口商会)、タルク(クラウンタルク:松村産業)、クエン酸トリエチル(シトロフレックス2SC−60:森村商事)、ステアリン酸マグネシウム(ステアリン酸マグネシウム:太平化学産業)、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート(AEA「三共」:三共)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−L:日本曹達)」
実施例1
1.コーティング液及び造粒液の調製
常法に従って下記組成からなるコーティング液及び造粒液を調製した。
造粒液A
レバミピド 200.0g
メチルセルロース 8.0g
水 392.0g
コーティング液X
ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート 60.0g
ステアリン酸マグネシウム 20.0g
水 470.0g
エタノール 470.0g
造粒液B
ヒドロキシプロピルセルロース 35.0g
軽質無水ケイ酸 20.0g
水 665.0g
2.胃溶性被膜を施した細粒剤の製造
部分アルファ化デンプン200gを流動層造粒乾燥・コーティング機(パウレック製:MP01-SPC型)に投入し、流動させながら前記造粒液Aを噴霧して、造粒を行い乾燥させた。乾燥後、次いで、コーティング液Xを噴霧して胃溶性被膜を施して乾燥させた。ここで得られた粉末組成物を流動層造粒乾燥コーティング機(パウレック製:MP01)に移し、乳糖407.0g及び部分アルファ化デンプン50.0gを加え、これら混合物を流動させながら前記造粒液Bを用いて造粒し、下記組成の細粒剤を得た。
[成 分] [細粒剤1000gあたりの重量(mg)]
核部分
レバミピド 200.0
部分アルファ化デンプン 200.0
メチルセルロース 8.0
胃溶性被膜
ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート 60.0
ステアリン酸マグネシウム 20.0
造粒層
乳糖 407.0
部分アルファ化デンプン 50.0
ヒドロキシプロピルセルロース 35.0
軽質無水ケイ酸 20.0
比較例1
1.コーティング液及び造粒液の調製
常法に従って下記組成からなるコーティング液及び造粒液を調製した。
造粒液A(前記と同じ)
レバミピド 200.0g
メチルセルロース 8.0g
水 392.0g
造粒液B(前記と同じ)
ヒドロキシプロピルセルロース 35.0g
軽質無水ケイ酸 20.0g
水 665.0g
2.未被膜の細粒剤の製造
部分アルファ化デンプン200gを流動層造粒乾燥・コーティング機(パウレック製:MP01‐SPC型)に投入し、流動させながら前記造粒液Aを噴霧して、造粒を行い乾燥させた。ここで得られた粉末組成物を流動層造粒乾燥コーティング機(パウレック製:MP01)に移し、乳糖507.0g及び部分アルファ化デンプン50.0gを加え、これら混合物を流動させながら前記造粒液Bを用いて造粒し、下記組成の細粒剤を得た。
[成 分] [細粒剤1000gあたりの重量(mg)]
核部分
レバミピド 200.0
部分アルファ化デンプン 200.0
メチルセルロース 8.0
造粒層
乳糖 507.0
部分アルファ化デンプン 50.0
ヒドロキシプロピルセルロース 35.0
軽質無水ケイ酸 20.0
比較例2
1.コーティング液及び造粒液の調製
常法に従って下記組成からなるコーティング液及び造粒液を調製した。
造粒液A(前記と同じ)
レバミピド 200.0g
メチルセルロース 8.0g
水 392.0g
コーティング液Y
30%メタクリル酸コポリマーLD 120.0g
D−マンニトール 18.0g
タルク 18.0g
クエン酸トリエチル 3.8g
水 225.0g
造粒液B(前記と同じ)
ヒドロキシプロピルセルロース 35.0g
軽質無水ケイ酸 20.0g
水 665.0g
1.腸溶性被膜を施した細粒剤の製造
部分アルファ化デンプン200gを流動層造粒乾燥・コーティング機(パウレック製:MP01-SPC型)に投入し、流動させながら前記造粒液Aを噴霧して、造粒を行い乾燥させた。乾燥後、次いで、コーティング液Yを噴霧して腸溶性被膜を施して乾燥させた。ここで得られた粉末組成物を流動層造粒乾燥コーティング機(パウレック製:MP01)に移し、乳糖411.2g及び部分アルファ化デンプン50.0gを加え、これら混合物を流動させながら前記造粒液Bを用いて造粒し、下記組成の細粒剤を得た。
[成 分] [細粒剤1000gあたりの重量(mg)]
核部分
レバミピド 200.0
部分アルファ化デンプン 200.0
メチルセルロース 8.0
腸溶性被膜
メタクリル酸コポリマーLD 36.0
D−マンニトール 18.0
タルク 18.0
クエン酸トリエチル 3.8
造粒層
乳糖 411.2
部分アルファ化デンプン 50.0
ヒドロキシプロピルセルロース 35.0
軽質無水ケイ酸 20.0
比較例3
1.コーティング液及び造粒液の調製
常法に従って下記組成からなるコーティング液及び造粒液を調製した。
造粒液A(前記と同じ)
レバミピド 200.0g
メチルセルロース 8.0g
水 392.0g
コーティング液Z
30%エチルセルロース水分散液 135.0g
D−マンニトール 30.0g
トリアセチン 13.5g
水 240.0g
造粒液B(前記と同じ)
ヒドロキシプロピルセルロース 35.0g
軽質無水ケイ酸 20.0g
水 665.0g
2.水不溶性被膜を施した細粒剤の製造
部分アルファ化デンプン200gを流動層造粒乾燥・コーティング機(パウ
レック製:MP01-SPC型)に投入し、流動させながら前記造粒液Aを噴霧して、造粒を行い乾燥させた。乾燥後、次いで、コーティング液Zを噴霧して水不溶性被膜を施して乾燥させた。ここで得られた粉末組成物を流動層造粒乾燥コーティング機(パウレック製:MP01)に移し、乳糖403.0g及び部分アルファ化デンプン50.0gを加え、これら混合物を流動させながら前記造粒液Bを用いて造粒し、下記組成の細粒剤を得た。
[成 分] [細粒剤1000gあたりの重量(mg)]
核部分
レバミピド 200.0
部分アルファ化デンプン 200.0
メチルセルロース 8.0
水不溶性被膜
エチルセルロース水分散液 40.5
D−マンニトール 30.0
トリアセチン 13.5
造粒層
乳糖 403.0
試験例1 苦味遮蔽効果
試験は、被験者5名(A、B、C、D、E)に対し、舌に各試料500mg(レバミピド100mg)を乗せ、20秒間後に口を濯ぎ、感じた苦味の程度により3段階のスコア(1:苦味をかすかに感じた。2:苦味をやや感じた。3:苦味を明らかに感じた。)を記録することにより実施し、下記の結果を得た。
Figure 2008231029
試験例2 溶出試験
実施例1の細粒剤及び比較例1及び比較例2の細粒剤について、各500mg(レバミピドとして100mg)を試料とし、試験液として第十五改正日本薬局方溶出試験第2液(pH6.8)900mlと、0.05mol/lリン酸水素2ナトリウム(NaHO)と0.025mol/Lクエン酸を用いてpH5.0に調整したリン酸水素2ナトリウム−クエン酸緩衝液900mlとを用いて、溶出試験法第2法により、毎分50回転、30分撹拌、の条件にて試験した。その結果、それぞれ下記の溶出率を得た。
Figure 2008231029
以上より、本発明の細粒剤は、レバミピドの速い溶出を保持しつつ、苦味遮蔽効果が明らかに改善されたことが判る。
本発明によれば、医薬の不快味を効果的に遮蔽した服用しやすく、溶出性に優れた散剤、細粒剤又は顆粒剤を医療産業又は医療現場に提供することができる。

Claims (4)

  1. 平均粒子径が1μm〜200μmの不快味を有する医薬を含有する粉末に、胃溶性ポリマー含有組成物を被覆し、造粒してなる散剤、細粒剤又は顆粒剤。
  2. 胃溶性ポリマーが、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、アミノアルキルメタクリレートコポリマーE又はこれらの混合物である請求項1に記載の散剤、細粒剤又は顆粒剤。
  3. 胃溶性ポリマー含有組成物が、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート及び滑沢剤を含有する請求項2に記載の散剤、細粒剤又は顆粒剤。
  4. 医薬がレバミピド、レボフロキサシン又はファモチジンである請求項1、請求項2又は請求項3に記載の散剤、細粒剤又は顆粒剤。
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