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JP2008270541A - 熱処理板の温度設定方法、熱処理板の温度設定装置及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体 - Google Patents

熱処理板の温度設定方法、熱処理板の温度設定装置及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】エッチングパターンの線幅がウェハ面内で均一に形成されるように、熱板の温度設定を行う。
【解決手段】露光後ベーク装置の熱板は、複数の熱板領域に分割されており、各熱板領域毎に温度設定できる。熱板の各熱板領域には、熱板面内の温度を調整するための温度補正値がそれぞれ設定できる。先ず、フォトリソグラフィー処理が終了し、その後エッチング処理が終了したウェハのエッチングパターンの線幅を測定する。そのウェハ面内の線幅測定結果から、線幅の面内ばらつきを示す多項式関数の係数を算出する。次に、線幅補正量と温度補正値との関数である関係モデルFを用いて、前記多項式関数の係数が零に近づくような熱板の各領域の温度補正値を算出する。算出された各温度補正値に熱板の各領域の温度を設定する。
【選択図】図9

Description

本発明は、熱処理板の温度設定方法、熱処理板の温度設定装置及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に関する。
例えば半導体デバイスの製造におけるフォトリソグラフィー工程では、例えばウェハの加工膜上にレジスト液を塗布しレジスト膜を形成するレジスト塗布処理、レジスト膜を所定のパターンに露光する露光処理、露光後にレジスト膜内の化学反応を促進させる加熱処理(露光後ベーク)、露光されたレジスト膜を現像する現像処理などが順次行われ、この一連のフォトリソグラフィー処理によりウェハ上に所定のレジストパターンが形成される。その後、ウェハはエッチング処理され、加工膜に所定のエッチングパターンが形成される。
例えば上述の露光後ベークなどの加熱処理は、通常加熱処理装置で行われている。加熱処理装置は、ウェハを載置して加熱する熱板を備えている。熱板には、例えば給電により発熱するヒータが内蔵されており、このヒータによる発熱により熱板は所定温度に調整されている。
上述の加熱処理における熱処理温度は、例えばウェハ上に形成されるレジストパターンの線幅に大きな影響を与える。そこで、加熱時のウェハ面内の温度を厳格に制御するために、上述の加熱処理装置の熱板は、複数の領域に分割され、各領域毎に独立したヒータが内蔵され、各領域毎に温度調整されている。
また、上記熱板の各領域の温度調整を、総て同じ設定温度で行うと、例えば各領域の熱抵抗などの相違により、熱板上のウェハ面内の温度がばらつき、この結果、レジストパターンの線幅がばらつくことが知られている。このため、熱板の各領域の設定温度は、温度補正(温度オフセット)され、この各領域の温度補正値は、熱板に載置されたウェハの面内温度が均一になるように設定されていた(特許文献1参照)。
しかし、従来のようにウェハの面内温度が揃うように温度補正値を設定しても、実際には、十分にレジストパターンの線幅が均一に形成されなかった。そこで、実際に形成されるレジストパターンの線幅のウェハ面内の平均値が所定の目標線幅値に近づくように熱板の温度補正を行うことが提案されている(特許文献2参照)。
特開2001−143850号公報 特開2006−222354号公報
しかしながら、上述のようにレジストパターンの線幅のウェハ面内の平均値を所定の目標線幅に近づけるようにしても、エッチング処理後の最終的な加工膜の線幅がウェハ面内でばらつく場合がある。最終的な加工膜の線幅がばらつくと、結局所望の回路パターンが形成されない。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、エッチング処理後のエッチングパターンの線幅などの状態を基板面内で均一にすることをその目的とする。
上記目的を達成するための本発明は、基板を載置して熱処理する熱処理板の温度設定方法であって、前記熱処理板は、複数の領域に区画され、当該領域毎に温度設定可能であり、さらに前記熱処理板の各領域毎に、熱処理板の面内温度を調整するための温度補正値が設定可能であり、前記熱処理板における熱処理を含む一連のフォトリソグラフィー処理と、その後のエッチング処理が終了した基板について基板面内のエッチングパターンの状態を測定する工程と、エッチングパターンの状態の補正量と熱処理板の温度補正値との関数を用いて、前記基板面内のエッチングパターンの状態の測定結果から、熱処理板の各領域の温度補正値を算出する工程と、算出された各温度補正値により前記熱処理板の各領域の温度を設定する工程と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、エッチングパターンの状態の補正量と熱処理板の温度補正値との関数を用いて、熱処理板の各領域の温度補正値が算出されて設定されるので、最終的に形成されるエッチングパターンの基板面内の均一性を向上できる。
上記熱処理板の温度設定方法において、前記熱処理板の一つの領域の温度を1℃変化させた場合の基板面内のエッチングパターンの状態の変化量を各領域毎に求め、それらの結果を行列で表して前記関数が作成されるようにしてもよい。
また、前記熱処理板の一つの領域の温度を1℃変化させた場合の前記各領域の基板面内のエッチングパターンの状態の変化量を多項式関数により表し、その多項式関数の各項の係数を行列で表して前記関数が作成されるようにしてもよい。
前記熱処理は、フォトリソグラフィー処理において露光処理後で現像処理前に行われる加熱処理であってもよい。また、前記エッチングパターンの状態は、エッチングパターンの線幅、膜厚又は側壁角度の少なくともいずれかであってもよい。
別の観点による本発明は、基板を載置して熱処理する熱処理板の温度設定装置であって、前記熱処理板は、複数の領域に区画され、当該領域毎に温度設定可能であり、さらに前記熱処理板の各領域毎に、熱処理板の面内温度を調整するための温度補正値が設定可能であり、前記熱処理板における熱処理を含む一連のフォトリソグラフィー処理と、その後のエッチング処理が終了した基板について測定された基板面内のエッチングパターンの状態から、エッチングパターンの状態の補正量と熱処理板の温度補正値との関数を用いて、熱処理板の各領域の温度補正値を算出し、当該算出された各温度補正値により前記熱処理板の各領域の温度を設定することを特徴とする。
前記熱処理板の温度設定装置において、前記熱処理板の一つの領域の温度を1℃変化させた場合の基板面内のエッチングパターンの状態の変化量を各領域毎に求め、それらの結果を行列で表して前記関数が作成されていてもよい。
また、前記熱処理板の一つの領域の温度を1℃変化させた場合の前記各領域の基板面内のエッチングパターンの状態の変化量を多項式関数により表し、その多項式関数の各項の係数を行列で表して前記関数が作成されていてもよい。
前記熱処理は、フォトリソグラフィー処理において露光処理後で現像処理前に行われる加熱処理であってもよい。また、前記エッチングパターンの状態は、エッチングパターンの線幅、膜厚又は側壁角度の少なくともいずれかであってもよい。
別の観点による本発明は、上記熱処理板の温度設定方法を温度設定装置によって実行させるために、当該温度設定装置を制御する制御部のコンピュータ上で動作するプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体が提供される。
本発明によれば、エッチングパターンの基板面内の均一性が向上するので、歩留まりが向上する。
以下、本発明の好ましい実施の形態について説明する。図1は、本実施の形態にかかる熱処理板の温度設定装置が備えられた塗布現像処理システム1の構成の概略を示す平面図であり、図2は、塗布現像処理システム1の正面図であり、図3は、塗布現像処理システム1の背面図である。
塗布現像処理システム1は、図1に示すように例えば外部から塗布現像処理システム1に対して複数枚のウェハWをカセット単位で搬入出するためのカセットステーション2と、フォトリソグラフィー処理の中で枚葉式に所定の処理を施す複数の各種処理装置を備えた処理ステーション3と、処理ステーション3に隣接する図示しない露光装置との間でウェハWの受け渡しを行うインターフェイスステーション4とを一体に接続した構成を有している。
カセットステーション2には、カセット載置台10が設けられ、当該カセット載置台10には、複数のカセットCをX方向(図1中の上下方向)に一列に載置できる。カセットステーション2には、搬送路11上をX方向に沿って移動可能なウェハ搬送装置12が設けられている。ウェハ搬送装置12は、カセットCに収容されたウェハWの配列方向(Z方向;鉛直方向)にも移動自在であり、カセットC内の複数枚のウェハWに対して選択的にアクセスできる。またウェハ搬送装置12は、鉛直方向の軸周り(θ方向)に回転可能であり、後述する処理ステーション3の第3の処理装置群G3の各処理装置に対してアクセスしてウェハWを搬送できる。
処理ステーション3は、複数の処理装置が多段に配置された、例えば5つの処理装置群G1〜G5を備えている。処理ステーション3のX方向負方向(図1中の下方向)側には、カセットステーション2側からインターフェイスステーション4側に向けて第1の処理装置群G1と、第2の処理装置群G2が順に配置されている。処理ステーション3のX方向正方向(図1中の上方向)側には、カセットステーション2側からインターフェイスステーション4側に向けて第3の処理装置群G3、第4の処理装置群G4及び第5の処理装置群G5が順に配置されている。第3の処理装置群G3と第4の処理装置群G4の間には、第1の搬送装置20が設けられている。第1の搬送装置20は、第1の処理装置群G1、第3の処理装置群G3及び第4の処理装置群G4内の各処理装置に対し選択的にアクセスしてウェハWを搬送できる。第4の処理装置群G4と第5の処理装置群G5の間には、第2の搬送装置21が設けられている。第2の搬送装置21は、第2の処理装置群G2、第4の処理装置群G4及び第5の処理装置群G5内の各処理装置に対して選択的にアクセスしてウェハWを搬送できる。
図2に示すように第1の処理装置群G1には、ウェハWに所定の液体を供給して処理を行う液処理装置、例えばウェハW上にレジスト液を塗布するレジスト塗布装置30〜34が下から順に5段に重ねられている。第2の処理装置群G2には、液処理装置、例えばウェハWに現像液を供給して現像処理する現像処理装置40〜44が下から順に5段に重ねられている。また、第1の処理装置群G1及び第2の処理装置群G2の最下段には、各処理装置群G1、G2内の前記液処理装置に各種処理液を供給するためのケミカル室50、51がそれぞれ設けられている。
例えば図3に示すように第3の処理装置群G3には、ウェハWの加熱と冷却を行う熱処理装置60、ウェハWの受け渡しを行うためのトランジション装置61、及びウェハWの加熱と冷却を行う熱処理装置62〜68が下から順に9段に重ねられている。
第4の処理装置群G4では、ウェハWを熱処理する複数の熱処理装置、例えばレジスト塗布処理後にウェハWを加熱処理するプリベーク装置70〜74及び現像処理後にウェハWを加熱処理するポストベーク装置75〜79が下から順に10段に重ねられている。なお、上記プリベーク装置70〜74及びポストベーク装置75〜79は、例えばウェハWを載置する加熱板と冷却板を有し、加熱と冷却の両方を行うことができる。
第5の処理装置群G5では、ウェハWを熱処理する複数の熱処理装置、例えば露光後にウェハWを加熱処理する露光後ベーク装置80〜89が下から順に10段に重ねられている。
図1に示すように第1の搬送装置20のX方向正方向側には、複数の処理装置が配置されており、例えば図3に示すようにウェハWを疎水化処理するためのアドヒージョン装置90、91が下から順に2段に重ねられている。図1に示すように第2の搬送装置21のX方向正方向側には、例えばウェハWのエッジ部のみを選択的に露光する周辺露光処理装置92が配置されている。
インターフェイスステーション4には、例えば図1に示すようにX方向に延伸する搬送路100上を移動するウェハ搬送装置101と、バッファカセット102が設けられている。ウェハ搬送装置101は、Z方向に移動可能でかつθ方向にも回転可能であり、インターフェイスステーション4に隣接した露光装置と、バッファカセット102及び第5の処理装置群G5の各処理装置に対してアクセスしてウェハWを搬送できる。
次に、上述した露光後ベーク装置80〜89の構成について説明する。例えば露光後ベーク装置80は、図4に示すようにケーシング80a内に、上側に位置して上下動自在な蓋体130と、下側に位置して蓋体130と一体となって処理室Kを形成する熱板収容部131を有している。
蓋体130は、下面が開口した略円筒形状を有している。蓋体130の上面中央部には、排気部130aが設けられている。処理室K内の雰囲気は、排気部130aから均一に排気される。
熱板収容部131の中央部には、熱処理板としての熱板140が設けられている。熱板140は、例えば略円盤状に形成されている。熱板140は、図5に示すように複数、例えば5つの熱板領域R、R、R、R、Rに区画されている。熱板140は、例えば平面から見て中心部に位置して円形の熱板領域Rと、その周囲を円弧状に4等分した熱板領域R〜Rに区画されている。
熱板140の各熱板領域R〜Rには、給電により発熱するヒータ141が個別に内蔵され、各熱板領域R〜R毎に加熱できる。各熱板領域R〜Rのヒータ141の発熱量は、例えば温度制御装置142により調整されている。温度制御装置142は、各ヒータ141の発熱量を調整して、各熱板領域R〜Rの温度を所定の設定温度に制御できる。温度制御装置142における温度設定は、例えば後述する温度設定装置190により行われる。
図4に示すように例えば熱板140の下方には、ウェハWを下方から支持し昇降させるための昇降ピン150が設けられている。昇降ピン150は、昇降駆動機構151により上下動できる。熱板140の中央部付近には、熱板140を厚み方向に貫通する貫通孔152が形成されており、昇降ピン150は、熱板140の下方から上昇して貫通孔152を通過して、熱板140の上方に突出できる。
熱板収容部131は、例えば熱板140を収容して熱板140の外周部を支持する環状の支持部材160と、その支持部材160の外周を囲む略筒状のサポートリング161を備えている。
なお、露光後ベーク装置80は、例えば熱板140の隣に図示しない冷却板を有し、この冷却板上にウェハWを載置して冷却できる。したがって、露光後ベーク装置80は、加熱と冷却の両方を行うことができる。
露光後ベーク装置81〜89の構成については、露光後ベーク装置80と同様であるので説明を省略する。
例えば図1に示すように塗布現像処理システム1と同じクリーンルーム内には、フォトリソグラフィー処理後に加工膜をエッチング処理するエッチング処理装置170が設けられている。
さらに、クリーンルーム内には、ウェハWの加工膜に形成されたエッチングパターンの線幅を測定する線幅測定装置171が設けられている。
上記塗布現像処理システム1では、次のようなフォトリソグラフィー処理が行われている。先ず、図1に示すウェハ搬送装置12によって、カセット載置台10上のカセットC内から未処理のウェハWが一枚ずつ取り出され、処理ステーション3に搬送される。ウェハWは、処理ステーション3の第3の処理装置群G3に属する熱処理装置60に搬送され、所定温度に温度調節される。その後ウェハWは、第1の搬送装置20によって例えばアドヒージョン装置90に搬送され、アドヒージョン処理される。その後ウェハWは、第1の搬送装置20によって例えばレジスト塗布装置30に搬送され、ウェハWの加工膜上にレジスト液が塗布されて、レジスト膜が形成される。
レジスト塗布処理後、ウェハWは、第1の搬送装置20によって例えばプリベーク装置71に搬送され、プリベーク処理される。続いてウェハWは、第2の搬送装置21によって周辺露光装置92に搬送されて、周辺露光処理が施される。その後、ウェハWは、インターフェイスステーション4のウェハ搬送装置101によって図示しない露光装置に搬送され、露光される。その後ウェハWは、ウェハ搬送装置101によって処理ステーション3の例えば露光後ベーク装置80に搬送される。
露光後ベーク装置80に搬入後、ウェハWは、予め上昇して待機していた第1の昇降ピン150に受け渡される。その後、昇降ピン150が下降して、図4に示すようにウェハWが熱板140上に載置されて加熱される。このとき、熱板140の各熱板領域R〜Rは、各々所定の温度に設定されており、ウェハ面内が所定の温度で加熱される。こうして、ウェハWが所定時間加熱処理される。所定時間経過後、ウェハWが熱板140から昇降ピン150により上昇され、ウェハWの加熱処理が終了する。
露光後ベーク装置80の加熱処理が終了した後、ウェハWは、第2の搬送装置21によって現像処理装置40に搬送され、ウェハW上のレジスト膜が現像される。現像後、ウェハWは、第2の搬送装置21によってポストベーク装置75に搬送されポストベークされる。その後ウェハWは、第1の搬送装置20によってトランジション装置61に搬送され、ウェハ搬送装置12によってカセットCに戻されて、一連のフォトリソグラフィー処理が終了する。
その後、ウェハWは、エッチング処理装置170に搬送され、レジストパターンをマスクとして下地の加工膜がエッチングされる。こうして、ウェハWの加工膜にエッチングパターンが形成される。
ここで、上記露光後ベーク装置80の熱板140の温度設定を行う温度設定装置190の構成について説明する。例えば温度設定装置190は、例えばCPUやメモリなどを備えた汎用コンピュータにより構成され、例えば図1に示すように塗布現像処理システム1のカセットステーション2に設けられている。
温度設定装置190は、例えば図6に示すように各種プログラムを実行する演算部200と、例えば温度設定のための各種情報を入力する入力部201と、温度補正値を算出するための関数としての関係モデルFなどの各種情報を格納するデータ格納部202と、温度設定のための各種プログラムを格納するプログラム格納部203と、熱板140の温度設定を変更するために温度制御装置142と通信する通信部204などを備えている。
データ格納部202には、例えばエッチングパターンの線幅の補正量と熱板140の温度補正値(温度オフセット値)との関数である関係モデルFが記憶されている。関係モデルFは、例えばウェハ面内の線幅の目標補正量ΔCDと各熱板領域R〜Rの温度補正値ΔTとの相関を示し、次の関係式(1)
ΔCD=F・ΔT (1)
を満たしている。
具体的には、関係モデルFは、例えば1℃あたりに変動する線幅の面内ばらつきを示す所定の係数を用いて表された、図7に示すようなn行×m列の行列である。
関係モデルFは、例えば次のように作成されている。例えばウェハWについて、熱板140の一つの熱板領域の温度設定を現状の設定から1℃上昇させた状態でフォトリソグラフィー処理とエッチング処理が行われ、その結果形成されたウェハ面内のエッチングパターンの線幅が測定される。この線幅測定は、各熱板領域R〜Rについてそれぞれ行われ、全部で6回の線幅測定が行われる。これらの線幅測定により、各熱板領域の温度設定を1℃上昇させた場合の、ウェハ面内のエッチングパターンの線幅変動量が検出される。このウェハ面内の線幅変動量は、例えば図8に示すようにx、yの2次元面内の等高線状の曲面として捉えられ、この曲面を多項式関数で表し、その多項式関数の係数fkを関係モデルFの行列の要素とする。
プログラム格納部203には、例えば関係モデルFを用いて、エッチングパターンのウェハ面内の線幅測定結果から、熱板140の各熱板領域R〜Rの温度補正値ΔTを算出する算出プログラムP1や、算出された温度補正値ΔTに基づいて、温度制御装置142の既存の温度設定を変更する設定変更プログラムP2などが格納されている。なお、これらの温度設定プロセスを実現するための各種プログラムは、コンピュータ読み取り可能なCDなどの記録媒体に記録されていたものであって、その記録媒体から温度設定装置190にインストールされたものであってもよい。
例えば算出プログラムP1は、例えば線幅測定結果から、必要な線幅補正量ΔCDを求める。例えばウェハ面内の測定線幅を多項式関数で表し、その多項式関数の係数fkを求め、その係数fkが零になるように係数fkに−1を掛けたものを線幅補正量ΔCDとする。そして、算出プログラムP1は、線幅補正量ΔCDから、関係モデルFを用いて各熱板領域R〜Rの補正温度値ΔTを算出できる。この際、補正温度値ΔTは、関係式(1)を変形した次式(2)
ΔT=F−1・ΔCD (2)
により、線幅補正量ΔCDから補正温度値ΔTを算出できる。
次に、以上のように構成された温度設定装置190による温度設定プロセスについて説明する。図9は、かかる温度設定プロセスの主な工程を示すフロー図である。
先ず、塗布現像処理システム1において一連のフォトリソグラフィー処理が行われ、その後エッチング処理装置170においてエッチング処理が行われたウェハWが、線幅測定装置171に搬入される。その線幅測定装置171では、ウェハWの加工膜に形成されているエッチングパターンの線幅が測定される(図9の工程S1)。この際、例えば図10に示すようにウェハ面内の複数の測定点Qの線幅が測定され、例えば熱板140の各熱板領域R〜Rに対応するウェハWの全面に亘る線幅が求められる。
続いて、エッチングパターンのウェハ面内の線幅の測定結果が温度設定装置190に出力される。温度設定装置190では、例えばウェハ面内の線幅測定結果から、ウェハ面内の線幅のばらつきを多項式関数で表したときの係数fkが算出される(図9の工程S2)。この係数fkを零にすることによりウェハ面内の線幅のばらつきをなくすことができる。それ故、係数fkに−1を掛けた線幅補正量ΔCDが算出される。そして、これらの線幅補正量ΔCDが、関係式(2)に代入され、関係モデルFを用いて、各熱板領域R〜Rの温度補正値ΔT(ΔT〜ΔT)が算出される(図9の工程S3)。この計算により、例えば測定線幅における係数fkが零になって線幅の面内ばらつきがなくなるような温度補正値ΔT〜ΔTが算出される。
その後、各温度補正値ΔT〜ΔTの情報が通信部204から温度制御装置142に出力され、温度制御装置142における熱板140の各熱板領域R〜Rの温度補正値が変更され、新たな設定温度に設定される(図9の工程S4)。
なお、これらの温度設定プロセスは、例えば温度設定装置190のプログラム格納部203に格納された各種プログラムを実行することにより実現される。
以上の実施の形態によれば、一連のフォトリソグラフィー処理とエッチング処理が終了したウェハWについて、ウェハ面内のエッチングパターンの線幅が測定され、関係モデルFを用いて、ウェハ面内の線幅測定結果から、露光後ベーク装置80の各熱板領域R〜Rの温度補正値ΔTが算出される。そして、当該温度補正値ΔTにより、熱板140の各領域R〜Rの温度設定が変更される。かかる場合、予め求められているエッチングパターンの線幅補正量ΔCDと温度補正値ΔTの関数を用いて、最終的なエッチング結果に基づいて露光後ベークの温度設定が行われるので、最終的なエッチングパターンの線幅をウェハ面内で均一にすることができる。
以上の実施の形態では、熱板140の一つの領域の温度を1℃変化させた場合のウェハ面内のエッチングパターンの線幅変化量を各熱板領域R〜R毎に求め、それらの結果を行列で表して関係モデルFが作成されている。また、その各熱板領域R〜Rのウェハ面内のエッチングパターンの線幅変化量を多項式関数により表し、その多項式関数の各項の係数を行列で表して関係モデルFが作成されている。この結果、比較的簡単で、精度の高い関係モデルFを作成できる。
また、フォトリソグラフィー処理の露光後ベークの温度は、最終的なエッチングパターンの線幅に大きな影響を与えるので、露光後ベーク装置80の熱板140の温度をかかる方法により設定することにより、エッチングパターンの線幅を厳密に制御してウェハ面内の均一性を向上できる。
以上の実施の形態では、温度設定装置190において、エッチングパターンの線幅測定結果から線幅補正量ΔCDを算出していたが、その算出を他のコンピュータで行い、その線幅補正量ΔCDの算出結果を温度設定装置190に入力してもよい。かかる場合、温度設定装置190では、線幅補正量ΔCDから温度補正値ΔTが算出され、その新たな温度補正値ΔTの設定が行われる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に相到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば以上の実施の形態では、関係モデルFの関数を用いて温度補正値ΔTを算出していたが、エッチングパターンの線幅補正量ΔCDと熱板140の温度補正値ΔTとの関数であれば、他の関数であってもよい。
また、上記実施の形態において、温度設定された熱板140は、5つの領域に分割されていたが、その数は任意に選択できる。また、熱板140の分割領域の形状も任意に選択できる。
上記実施の形態では、エッチングパターンのウェハ面内の線幅に基づいて、露光後ベーク装置80の熱板140の温度設定を行う例であったが、プリベークやポストベークなどの他の熱処理を行う熱板の温度設定や、ウェハWを冷却する冷却処理装置の冷却板の温度設定を行う場合にも本発明は適用できる。
また、以上の実施の形態では、エッチングパターンのウェハ面内の線幅が均一になるように熱板の温度設定を行っていたが、線幅以外の他の状態、例えばエッチングパターンの溝の側壁角度(サイドウォールアングル)やエッチングパターンの膜厚がウェハ面内で均一になるように熱処理板の温度設定を行うようにしてもよい。この場合、例えば線幅測定装置171に、スキャトロメトリ(Scatterometry)法を用いてエッチングパターンの寸法を測定する光学式表面形状測定計を用いる。そして、当該光学式表面形状測定計により、エッチングパターンのウェハ面内のサイドウォールアングルや膜厚を測定し、それらがウェハ面内で均一になるようにプリベーク装置の熱板の温度設定を行うようにしてもよい。また、エッチングパターンの測定結果から、線幅が均一になるように露光後ベーク装置の熱板の温度設定を行いつつ、さらにサイドウォールアングルや膜厚が均一になるようにプリベーク装置の熱板の温度設定を行うようにしてもよい。さらに、本発明は、ウェハ以外の例えばFPD(フラットパネルディスプレイ)、フォトマスク用のマスクレチクルなどの他の基板を熱処理する熱処理板の温度設定にも適用できる。
本発明は、基板を載置して熱処理する熱処理板の温度設定を行う際に有用である。
塗布現像処理システムの構成の概略を示す平面図である。 図1の塗布現像処理システムの正面図である。 図1の塗布現像処理システムの背面図である。 露光後ベーク装置の構成の概略を示す縦断面の説明図である。 露光後ベーク装置の熱板の構成を示す平面図である。 温度設定装置の構成を示すブロック図である。 関係モデルの一般式を示す説明図である。 ウェハ面内の線幅のばらつきを等高線状に示す模式図である。 温度設定プロセスを示すフロー図である。 ウェハ面内の線幅の測定点を示す説明図である。
符号の説明
1 塗布現像処理システム
80 露光後ベーク装置
170 エッチング処理装置
171 線幅測定装置
140 熱板
142 温度制御装置
190 温度設定装置
〜R 熱板領域
F 関係モデル
W ウェハ

Claims (11)

  1. 基板を載置して熱処理する熱処理板の温度設定方法であって、
    前記熱処理板は、複数の領域に区画され、当該領域毎に温度設定可能であり、
    さらに前記熱処理板の各領域毎に、熱処理板の面内温度を調整するための温度補正値が設定可能であり、
    前記熱処理板における熱処理を含む一連のフォトリソグラフィー処理と、その後のエッチング処理が終了した基板について基板面内のエッチングパターンの状態を測定する工程と、
    エッチングパターンの状態の補正量と熱処理板の温度補正値との関数を用いて、前記基板面内のエッチングパターンの状態の測定結果から、熱処理板の各領域の温度補正値を算出する工程と、
    算出された各温度補正値により前記熱処理板の各領域の温度を設定する工程と、を有することを特徴とする、熱処理板の温度設定方法。
  2. 前記熱処理板の一つの領域の温度を1℃変化させた場合の基板面内のエッチングパターンの状態の変化量を各領域毎に求め、それらの結果を行列で表して前記関数が作成されていることを特徴とする、請求項1に記載の熱処理板の温度設定方法。
  3. 前記熱処理板の一つの領域の温度を1℃変化させた場合の前記各領域の基板面内のエッチングパターンの状態の変化量を多項式関数により表し、その多項式関数の各項の係数を行列で表して前記関数が作成されていることを特徴とする、請求項2に記載の熱処理板の温度設定方法。
  4. 前記熱処理は、フォトリソグラフィー処理において露光処理後で現像処理前に行われる加熱処理であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の熱処理板の温度設定方法。
  5. 前記エッチングパターンの状態は、エッチングパターンの線幅、膜厚又は側壁角度の少なくともいずれかであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の熱処理板の温度設定方法。
  6. 基板を載置して熱処理する熱処理板の温度設定装置であって、
    前記熱処理板は、複数の領域に区画され、当該領域毎に温度設定可能であり、
    さらに前記熱処理板の各領域毎に、熱処理板の面内温度を調整するための温度補正値が設定可能であり、
    前記熱処理板における熱処理を含む一連のフォトリソグラフィー処理と、その後のエッチング処理が終了した基板について測定された基板面内のエッチングパターンの状態から、エッチングパターンの状態の補正量と熱処理板の温度補正値との関数を用いて、熱処理板の各領域の温度補正値を算出し、当該算出された各温度補正値により前記熱処理板の各領域の温度を設定することを特徴とする、熱処理板の温度設定装置。
  7. 前記熱処理板の一つの領域の温度を1℃変化させた場合の基板面内のエッチングパターンの状態の変化量を各領域毎に求め、それらの結果を行列で表して前記関数が作成されていることを特徴とする、請求項6に記載の熱処理板の温度設定装置。
  8. 前記熱処理板の一つの領域の温度を1℃変化させた場合の前記各領域の基板面内のエッチングパターンの状態の変化量を多項式関数により表し、その多項式関数の各項の係数を行列で表して前記関数が作成されていることを特徴とする、請求項7に記載の熱処理板の温度設定装置。
  9. 前記熱処理は、フォトリソグラフィー処理において露光処理後で現像処理前に行われる加熱処理であることを特徴とする、請求項6〜8のいずれかに記載の熱処理板の温度設定装置。
  10. 前記エッチングパターンの状態は、エッチングパターンの線幅、膜厚又は側壁角度の少なくともいずれかであることを特徴とする、請求項6〜9のいずれかに記載の熱処理板の温度設定装置。
  11. 請求項1〜5のいずれかに記載の熱処理板の温度設定方法を温度設定装置によって実行させるために、当該温度設定装置を制御する制御部のコンピュータ上で動作するプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
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