JP2008126940A - 発車時事故防止装置及び発車時事故防止方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】停車時進行方向判定部20は、車両が停車する際の前後進の別(停車時進行方向)を判定し、停車時進行方向記憶部30がその判定結果を記憶する。一方、発車時進行方向判定部40は、発車の際の前後進の別(発車時進行方向)を判定するとともに、その発車時進行方向と、停車時進行方向記憶部30に記憶された停車時進行方向とを比較する。両者が一致すれば、発車時進行方向は安全な方向でないと判定し、この場合、警報部50がその旨を警報するとともに、車両制御部60が、車両の進行を禁止する制御を実行して、事故を未然に防止する。
【選択図】図2
Description
例えば、車両の前方に障害物が存在する場合に、シフトがD(ドライブ)に入った状態で車両を発進させると、車両が前方に進行して障害物に衝突してしまう。この場合、上記特許文献1、2では、アクセルペダルが例えばゆっくり踏み込まれた場合には、車両を停止させるための制御(アクセルペダル操作の無効化、ブレーキの作動、燃料供給の停止)は行われないため、衝突を防止することはできない。
本発明は、こうした問題に鑑みなされたもので、停車の際の車両の進行方向と同じ方向に車両を発進させることができない停車場所からの発進時に、シフトの入れ間違いにより生じる事故を効果的に防止することができる装置を提供することを目的とする。
そこで、請求項2の装置は、請求項1の装置において、停車時進行方向判定手段により判定された停車時進行方向を不揮発性のメモリに記憶する記憶手段を備えている。
請求項3の装置では、請求項1、2の装置において、停車時進行方向判定手段は、車両の走行状態と、車両における運転のための各種装置の操作状態との双方又は一方を検出対象として検出するとともに、その検出値を用いて、停車時進行方向を判定するようになっている。
そして、請求項6の装置では、例えば請求項7のように構成することができる。
さらに、請求項7の装置では、停車目的以外の通常の運行時における前進距離或いは後進距離は無視されるようにすることが好ましい。例えば駐車場に到着するまでの前進距離を考慮すると、停車時の前後進の別にかかわらず、ほとんどの場合停車時進行方向は前進と判定されるようになってしまうためである。
つまり、請求項9の装置では、停車の際、前進距離及び後進距離の差分を検出して、その差分に基づき前進距離及び後進距離の何れが大きいかを判断する。これによれば、前進距離及び後進距離の両方をわざわざ記憶しておかなくてもよくなり有利である。
そこで、請求項10の装置では、請求項9の装置において、停車時進行方向判定手段は、差分の絶対値が予め定めた第2のリセット閾値以上であれば、その差分をリセットするようになっている。
次に、請求項11の装置は、請求項6〜10の装置において、停車時進行方向判定手段は、車両のシフト位置が前進の位置から後進の位置に切り替わった際に車両の進行方向が前進から後進に切り替わったと判断し、シフト位置が後進の位置から前進の位置に切り替わった際に車両の進行方向が後進から前進に切り替わったと判断するようになっている。
また特に、請求項8、10においては、請求項12、13のように構成すると良い。
また例えば、シフト位置がパーキングの位置から遷移した場合、まさに発車しようとしている状態である蓋然性が高い。さらに、パーキングの位置から遷移した位置は、これから車両が進行しようとしている方向に合った位置であると考えられる。
次に、請求項17の装置は、請求項1〜14の装置において、発車時進行方向判定手段は、車両の走行状態と、車両における運転のための各種装置の操作状態との双方又は一方を検出対象として検出するとともに、その検出値を用いて、車両が発進するか否か及び発車時進行方向を判定するようになっている。
次に、請求項18の装置は、請求項1〜17の装置において、警報手段は、車両の運転手にその車両の進行方向の確認を促す警報を発するようになっている。
ところで、車両の進行を禁止するには、具体的に、請求項20のように構成すればよい。
また、請求項22の発明は、請求項21の方法において、判定した停車時進行方向を不揮発性のメモリに一旦記憶するようになっている。
請求項23の発明は、請求項21、22の方法において、発車時進行方向が安全な方向でないと判定すると、車両の進行を禁止するようになっている。
[第1実施形態]
まず、図1は、本発明が適用された発車時事故防止装置1の構成図である。尚、以下において、ECUとは、電子制御装置のことである。
図2に示すように、発車時事故防止装置1は、停車時進行方向判定部20、停車時進行方向記憶部30、発車時進行方向判定部40、警報部50、車両制御部60の各機能を備えている。以下、各機能について、図1との対応をとりながら説明する。
発車時進行方向判定部40は、例えばパーキングブレーキ情報、シフト位置情報に基づき、発車する際の進行方向(以下、発車時進行方向と記載する)を判定する。また、停車時進行方向と、発車時進行方向とを比較して、発車の際の進行方向が安全であるか否かを判定する。本実施形態では、停車時進行方向及び発車時進行方向の両者が一致した場合、発車時進行方向は安全な方向でないと判定される。この機能は、発車時事故防止ECU2が備えている。
また、車両制御部60は、発車時進行方向が安全な方向でない場合に、車両が進行しないようにその車両の動作を制御する。この機能は、トランスミッション16及びトランスミッション制御ECU4と、車両安定制御ECU3とが相当する。具体的に、トランスミッション制御ECU4がトランスミッション16を制御して、動力を遮断する。また、車両安定制御ECU3がブレーキを作動させる。
一方、S120で進行方向が変化したと判定すると、S130へ移行し、変化前の進行方向の走行距離が予め定めたリセット閾値以上であるか否かを判定する。尚、このリセット閾値は、発車時事故防止ECU2が備えるマイコンのROM等に予め記憶される。
S150では、切り替わった後の進行方向が前か否か、つまり、車両の進行状態が前進か否かを判定する。
そして、算出値が、マイナスの値であり、かつ、予め定めたマイナスの判定閾値以下(算出値(−)≦判定閾値(−))であれば、S190へ移行し、「後進」を、停車時進行方向として不揮発性メモリ2aに記憶させる。その後、S210へ進む。
次に、S320へ進み、車両状態が停車状態か否かを判定する。これは、前述のS210の場合と基本的に同じである。ここでは、パーキングブレーキ15が解除された場合、或いはシフト位置がパーキングから遷移した場合に、停車状態でないと判定する。S320で停車状態であると判定すると、再びS310へ戻る。一方、S320で停車状態でないと判定すると、S330へ移行する。
一方、S330で両者が一致すると判定すると、発車時進行方向は安全な方向でないと判断して、S340及びS350へ移行する。S340及びS350の処理は、同時に実行される。
次に、S370へ進み、S360で取得した車両情報に基づき、事故防止のための制御(具体的に、S340及びS350の処理)を解除するための操作がなされたか否かを判定する。具体的に、シフトレバー17がパーキングに入れられた場合、或いは前進、後進のうち、安全である何れかの位置に入れられた場合、解除操作がなされたと判定する。解除操作がなされていないと判定すると、再びS360へ戻る。
この時、前進距離は、3段目に示すように、予め定めた閾値N1(前述のリセット閾値に相当)よりも大きくなっている(S130:YES)。このため、前進距離(及び後進距離)がリセットされる(S140)。このように、閾値N1を定めておくことで、駐車場に到着するまでの前進距離(及び後進距離)が無視されるようになる。後述する図7、8の例も同様である。
このように、本例では、停車時進行方向は「前進」と判定される。
そして、《2》の位置でシフトレバー17がD(ドライブ)からR(リバース)に切り替わる(S120)。この際、前進距離が閾値N1を超えており(S130:YES)、前進距離(及び後進距離)がリセットされる(S140)。
このように、本例では、停車時進行方向は「後進」と判定される。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明する。
図9の処理は、図3の処理と比較して、S160の処理に代えてS410の処理を実行し、S170の処理に代えてS420の処理を実行し、S180の処理に代えてS430の処理を実行する点が異なっている。
一方、S150で後進であると判定すると、未減算の後進距離分を減算して前後走行距離を算出する(S420)。その後、S430へ進む。
尚、本第2実施形態においては、S150,S410,S420,S430の処理が停車時進行方向判定手段に相当している。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態について説明する。
次に、S620に進み、停車したか否かを、S110で取得した情報に基づき判定する。例えば、パーキングブレーキ15が作動した場合、或いはシフトレバー17がP(パーキング)に入った場合に、停車したと判定する。この場合、S630へ移行する。一方、S610で停車していないと判定すると、当該処理を終了する。
[第4実施形態]
次に、第4実施形態について説明する。
次に、S710へ進み、S110で取得した車両情報のうちのシフト情報と、予め発車時事故防止ECU2のROM等に記憶させておいた停車の際のシフト位置の変化パターンとを照合するとともに、後述するような確率手法を用いて、停車時進行方向を判定する。シフト位置の変化パターンとしては、前進での駐車及び後進での駐車の様々な態様に対応したものを用意しておく。
〈変形例〉
次に、本第4実施形態の変形例について説明する。
図12(b)の例にも示すように、ベイジアンネットワークとは、有向非巡回的グラフである。そして、そのノードは事象を表す。ベイジアンネットワークでは、第一のノード(ノードA)から第二のノード(ノードB)への枝は、AがBの原因であることを示す。このようなベイジアンネットワークによれば、多くの互いに異なる(離散的または連続的な)ランダムな変数の複合的な同時確率分布を容易にモデル化できる。
例えば、上記実施形態において、不揮発性メモリ2aには、「前進」を表す情報としてD(ドライブ)という情報を記憶させ、また、「後進」を表す情報としてR(リバース)という情報を記憶させるようにしてもよい。
Claims (23)
- 車両が停止する際に、その車両が停車位置に対して前進で進入したか或いは後進で進入したかの前後進の別(以下、停車時進行方向と言う)を判定する停車時進行方向判定手段と、
前記車両が発進しようとする際の、前進或いは後進の別(以下、発車時進行方向と言う)を検出するとともに、その検出した発車時進行方向と前記停車時進行方向判定手段により判定された停車時進行方向とを比較して、両者が一致するとその発車時進行方向は安全な方向でないと判定する発車時進行方向判定手段と、
前記発車時進行方向判定手段により前記発車時進行方向が安全な方向でないと判定されると警報を発する警報手段とを備えていることを特徴とする発車時事故防止装置。 - 請求項1に記載の発車時事故防止装置において、
前記停車時進行方向判定手段により判定された停車時進行方向を不揮発性のメモリに記憶する記憶手段を備えていることを特徴とする発車時事故防止装置。 - 請求項1又は請求項2に記載の発車時事故防止装置において、
前記停車時進行方向判定手段は、車両の走行状態と、車両における運転のための各種装置の操作状態との双方又は一方を検出対象として検出するとともに、その検出値を用いて、前記停車時進行方向を判定するようになっていることを特徴とする発車時事故防止装置。 - 請求項3に記載の発車時事故防止装置において、
前記停車時進行方向判定手段は、前記検出対象を検出すると、その検出値と、予め前後進の別と対応付けて記憶しておいた停車の際の検出値の変化パターンとを比較して、停車時進行方向を判定するようになっていることを特徴とする発車時事故防止装置。 - 請求項1又は請求項2に記載の発車時事故防止装置において、
前記停車時進行方向判定手段は、車両が停止した際のその車両のシフト位置に基づき、シフト位置が前進の位置であれば停車時進行方向は前進と判定し、シフト位置が後進の位置であれば停車時進行方向は後進と判定するようになっていることを特徴とする発車時事故防止装置。 - 請求項1又は請求項2に記載の発車時事故防止装置において、
前記停車時進行方向判定手段は、停車の際の、前進による進行距離(以下、前進距離と言う)と後進による進行距離(以下、後進距離と言う)とのうちの大きい方を判断して、前進と後進とのうち、進行距離が大きいと判断した何れか一方を前記停車時進行方向と判定するようになっていることを特徴とする発車時事故防止装置。 - 請求項6に記載の発車時事故防止装置において、
前記停車時進行方向判定手段は、停車の際、前記前進距離と前記後進距離とをそれぞれ積算するとともに、その積算した前進距離と後進距離とを停車した時に比較して、停車時進行方向を判定するようになっていることを特徴とする発車時事故防止装置。 - 請求項7に記載の発車時事故防止装置において、
前記停車時進行方向判定手段は、停車の際に、停車までに積算した前進距離或いは後進距離が予め定めた第1のリセット閾値以上であれば、その前進距離及び後進距離をリセットするようになっていることを特徴とする発車時事故防止装置。 - 請求項6に記載の発車時事故防止装置において、
前記停車時進行方向判定手段は、停車の際、前記前進距離及び前記後進距離の差分を常時検出するようになっていることを特徴とする発車時事故防止装置。 - 請求項9に記載の発車時事故防止装置において、
前記停車時進行方向判定手段は、前記差分の絶対値が予め定めた第2のリセット閾値以上であれば、その差分をリセットするようになっていることを特徴とする発車時事故防止装置。 - 請求項6ないし請求項10の何れか1項に記載の発車時事故防止装置において、
前記停車時進行方向判定手段は、前記車両のシフト位置が前進の位置から後進の位置に切り替わった際に車両の進行方向が前進から後進に切り替わったと判断し、シフト位置が後進の位置から前進の位置に切り替わった際に車両の進行方向が後進から前進に切り替わったと判断するようになっていることを特徴とする発車時事故防止装置。 - 請求項8に記載の発車時事故防止装置において、
前記停車時進行方向判定手段は、前記車両のシフト位置が前進の位置から後進の位置に切り替わった際に車両の進行方向が前進から後進に切り替わったと判断し、シフト位置が後進の位置から前進の位置に切り替わった際に車両の進行方向が後進から前進に切り替わったと判断するとともに、車両の進行方向が切り替わったと判断した際に、前進距離或いは後進距離が前記第1のリセット閾値以上であれば、その前進距離及び後進距離をリセットするようになっていることを特徴とする発車時事故防止装置。 - 請求項10に記載の発車時事故防止装置において、
前記停車時進行方向判定手段は、前記車両のシフト位置が前進の位置から後進の位置に切り替わった際に車両の進行方向が前進から後進に切り替わったと判断し、シフト位置が後進の位置から前進の位置に切り替わった際に車両の進行方向が後進から前進に切り替わったと判断するとともに、車両の進行方向が切り替わったと判断した際に、前記差分の絶対値が前記第2のリセット閾値以上であれば、その差分をリセットするようになっていることを特徴とする発車時事故防止装置。 - 請求項12又は請求項13に記載の発車時事故防止装置において、
前記停車時進行方向判定手段は、前進距離と後進距離との差の絶対値が予め定めた有効値よりも大きい場合に、前記停車時進行方向についての判定結果を有効とするようになっていることを特徴とする発車時事故防止装置。 - 請求項1ないし請求項14の何れか1項に記載の発車時事故防止装置において、
前記発車時進行方向判定手段は、前記車両のパーキングブレーキが解除された際に、その車両が発進すると判断するとともに、そのパーキングブレーキが解除された際のシフト位置が前進の位置であれば発車時進行方向は前進と判定し、シフト位置が後進の位置であれば発車時進行方向は後進と判定するようになっていることを特徴とする発車時事故防止装置。 - 請求項1ないし請求項14の何れか1項に記載の発車時事故防止装置において、
前記発車時進行方向判定手段は、前記車両のシフト位置がパーキングの位置から遷移した際に、その車両が発進すると判断するとともに、そのシフト位置がパーキングの位置から前進の位置に遷移した場合には発車時進行方向は前進と判定し、シフト位置がパーキングの位置から後進の位置に遷移した場合には発車時進行方向は後進と判定するようになっていることを特徴とする発車時事故防止装置。 - 請求項1ないし請求項14の何れか1項に記載の発車時事故防止装置において、
前記発車時進行方向判定手段は、車両の走行状態と、車両における運転のための各種装置の操作状態との双方又は一方を検出対象として検出するとともに、その検出値を用いて、車両が発進するか否か及び発車時進行方向を判定するようになっていることを特徴とする発車時事故防止装置。 - 請求項1ないし請求項17の何れか1項に記載の発車時事故防止装置において、
前記警報手段は、前記車両の運転手にその車両の進行方向の確認を促す警報を発するようになっていることを特徴とする発車時事故防止装置。 - 請求項1ないし請求項18の何れか1項に記載の発車時事故防止装置において、
前記発車時進行方向判定手段により前記発車時進行方向が安全な方向でないと判定されると、車両の進行を禁止する車両停止制御手段を備えていることを特徴とする発車時事故防止装置。 - 請求項19に記載の発車時事故防止装置において、
前記車両停止制御手段は、
前記車両のブレーキを作動させるブレーキ制御手段と、
前記車両のトランスミッションを制御して動力を遮断するトランスミッション制御手段とのうちの少なくとも何れかを備えていることを特徴とする発車時事故防止装置。 - 車両が停止する際に、その車両が停車位置に対して前進で進入したか或いは後進で進入したかの前後進の別(以下、停車時進行方向と言う)を判定し、
前記車両が発進しようとする際の、前進或いは後進の別(以下、発車時進行方向と言う)を検出するとともに、その検出した発車時進行方向と前記停車時進行方向とを比較して、両者が一致する場合にその発車時進行方向は安全な方向でないと判定し、
前記発車時進行方向が安全な方向でないと判定すると、警報を発することを特徴とする発車時事故防止方法。 - 請求項21に記載の発車時事故防止方法において、
前記判定した停車時進行方向を不揮発性のメモリに一旦記憶するようになっていることを特徴とする発車時事故防止方法。 - 請求項21又は請求項22に記載の発車時事故防止方法において、
前記発車時進行方向が安全な方向でないと判定すると、車両の進行を禁止することを特徴とする発車時事故防止方法。
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