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JP2008141683A - 画像処理装置および方法、プログラム、並びに記憶媒体 - Google Patents

画像処理装置および方法、プログラム、並びに記憶媒体 Download PDF

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JP2008141683A JP2006328526A JP2006328526A JP2008141683A JP 2008141683 A JP2008141683 A JP 2008141683A JP 2006328526 A JP2006328526 A JP 2006328526A JP 2006328526 A JP2006328526 A JP 2006328526A JP 2008141683 A JP2008141683 A JP 2008141683A
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Abstract

【課題】精度の良い原本情報を使用して、誤判定がなく信頼性の高い原本保証を実現できるようにする。
【解決手段】スキャナ部により用紙をスキャンして得られた画像の第1の画像データを取得する(S1501,S1502)。スキャナ部により用紙を別の方向にスキャンして得られた画像の第2の画像データを取得する(S1503,S1504)。スキャナ部が発生するノイズであって第1および第2の画像データが含むノイズをマスクするためのマスクデータを第1および第2の画像データに基づいて作成する(S1505)。マスクデータを登録しおよびスキャンして得られた画像を原本として登録する(S1506)。
【選択図】図15

Description

本発明は画像処理装置および方法、プログラム、並びに記憶媒体に関する。詳細には本発明は、紙指紋(以下では、紙指紋のことを紙紋とも称する)情報を取り扱うことができる画像処理装置および画像処理方法、該方法を実行させるプログラム、並びに該プログラムを記憶した記憶媒体に関する。
近年、複写機のカラー化や高解像度化により複写物の印刷品位が向上し、原本と複写物とを肉眼で区別することが難しくなってきており、紙の持つ繊維の特徴により紙文書の原本性を保証する技術が考案されている。これらの従来技術は、例えば特許文献1〜3で見ることができる
その場合、原本として管理したい紙文書をスキャナでスキャンし、紙の繊維による僅かな影のパターンをその紙固有の特徴としてデータベースに登録したり、その紙自体に書き込む。
このような装置ではまず何も印刷されていない空白領域を検出し、その領域に対して紙の繊維パターンを読み取るのが一般的である。
特開2004−102562号公報 特開2004−112644号公報 特開2006−245949号公報
先に説明したように紙の繊維のパターンを読み取るには高感度のスキャナを用いるか、スキャナの光量を低く抑えてスキャンする必要がある。いずれの場合においても原稿台の僅かな汚れ、キズ、小さなゴミ等が読み取られてしまい、それらはノイズとなって紙紋の一部として取り込まれてしまう。
そして紙紋として取り込まれてしまったノイズは紙紋の照合時に誤判定の要因となる。
本発明は、紙紋を読み取る際に、スキャナの僅かな汚れ、傷、塵等によるノイズを除去し、精度の良い原本情報を採取することによって高信頼性の原本保証を実現できる画像処理装置および方法、プログラム、並びに記憶媒体を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る画像処理装置の一態様は、用紙のスキャン画像が含む該用紙を構成する繊維の特徴を基に該用紙の原本性保証のための画像処理を行う画像処理装置において、画像スキャン手段により用紙をスキャンして得られた画像の第1の画像データを取得する手段、前記画像スキャン手段により前記用紙を別の向きでスキャンして得られた画像の第2の画像データを取得する手段、前記画像スキャン手段が発生するノイズであって前記第1および第2の画像データが含むノイズをマスクするためのマスクデータを前記第1および第2の画像データに基づいて作成する手段、および、該マスクデータを登録しおよび前記スキャンして得られた画像を原本として登録する登録手段を備えた。
上記本発明装置において、前記第1および第2の画像データは、前記用紙の紙指紋情報取得領域のスキャン画像により得られるデータであり、前記マスクデータは、前記画像スキャン手段の前記紙指紋情報取得領域に対応する部位において発生されるノイズをマスクするものであって良い。
上記目的を達成するために、本発明に係る画像処理装置の別の態様は、用紙のスキャン画像が含む該用紙を構成する繊維の特徴を基に該用紙の原本性を調べるための画像処理を行う画像処理装置において、画像スキャン手段により用紙をスキャンして得られた画像の画像データを取得する手段、上記態様とされた画像処理装置に備えられた登録手段に登録されたマスクデータおよび原本画像を取得する手段、および、前記取得したマスクデータを用いることで上記態様とされた画像処理装置に備えられた画像スキャン手段が発生するノイズを対象から除外して、前記用紙のスキャン画像を前記原本画像と照合する手段を備えた。
上記目的を達成するために、本発明に係る画像処理方法の一態様は、用紙のスキャン画像が含む該用紙を構成する繊維の特徴を基に該用紙の原本性保証のための画像処理を行う画像処理方法において、画像スキャン手段により用紙をスキャンして得られた画像の第1の画像データを取得するステップ、前記画像スキャン手段により前記用紙を別の向きでスキャンして得られた画像の第2の画像データを取得するステップ、前記画像スキャン手段が発生するノイズであって前記第1および第2の画像データが含むノイズをマスクするためのマスクデータを前記第1および第2の画像データに基づいて作成するステップ、および、該マスクデータを登録しおよび前記スキャンして得られた画像を原本として登録する登録ステップを含む。
上記本発明方法において、前記第1および第2の画像データは、前記用紙の紙指紋情報取得領域のスキャン画像により得られるデータであり、前記マスクデータは、前記画像スキャン手段の前記紙指紋情報取得領域に対応する部位において発生されるノイズをマスクするものであって良い。
上記目的を達成するために、本発明に係る画像処理方法の別の態様は、用紙のスキャン画像が含む該用紙を構成する繊維の特徴を基に該用紙の原本性を調べるための画像処理を行う画像処理方法において、画像スキャン手段により用紙をスキャンして得られた画像の画像データ、および、上記本発明方法によって登録されたマスクデータおよび原本画像を取得するステップ、並びに、前記取得したマスクデータを用いることで上記本発明方法を実行することによって画像スキャン手段が発生するノイズを対象から除外して、前記用紙のスキャン画像を前記原本画像と照合するステップを含む。
上記目的を達成するために、本発明に係るプログラムの一態様は、用紙のスキャン画像が含む該用紙を構成する繊維の特徴を基に該用紙の原本性保証のための画像処理を行う画像処理方法のプログラムであって、処理装置を、画像スキャン手段により用紙をスキャンして得られた画像の第1の画像データを取得する手段、前記画像スキャン手段により前記用紙を別の向きでスキャンして得られた画像の第2の画像データを取得する手段、前記画像スキャン手段が発生するノイズであって前記第1および第2の画像データが含むノイズをマスクするためのマスクデータを前記第1および第2の画像データに基づいて作成する手段、および、該マスクデータを登録しおよび前記スキャンして得られた画像を原本として登録する登録手段として機能させる。
上記目的を達成するために、本発明に係るプログラムの別の態様は、用紙のスキャン画像が含む該用紙を構成する繊維の特徴を基に該用紙の原本性を調べるための画像処理を行う画像処理方法のプログラムであって、処理装置を、画像スキャン手段により用紙をスキャンして得られた画像の画像データ、および、上記本発明プログラムによって登録されたマスクデータおよび原本画像を取得する手段、並びに、前記取得したマスクデータを用いることで上記本発明プログラムを実行することによって画像スキャン手段が発生するノイズを対象から除外して、前記用紙のスキャン画像を前記原本画像と照合する手段として機能させる。
上記目的を達成するために、本発明に係る記憶媒体の一態様は、上記本発明プログラムを記憶した。
上記目的を達成するために、本発明に係る画像処理装置の別の態様は、用紙を構成する繊維の特徴を基に該用紙の原本性保証のための画像処理を行う画像処理装置であって、画像スキャン手段により原稿台上の用紙をスキャンして得られた第1の画像データを取得する手段、前記画像スキャン手段により前記用紙を前記原稿台の異なる位置でスキャンして得られた第2の画像データを取得する手段、および、前記画像スキャン手段の原稿台上のノイズを前記第1および第2の画像データに基づいて除去する手段、前記除去する手段により除去された画像データに基づく前記繊維の情報を登録する登録手段を備えた。
上記本発明によれば、用紙の所定領域について方向の異なる2つ画像データが取得され、画像スキャン手段の所定領域に対応する部位において発生されるノイズをマスクデータがマスクする。したがって、画像スキャン手段の汚れ、キズ、ゴミ等が両画像データにノイズとして影響していても、画像スキャン手段が発生するノイズをマスクデータを用いることで対象から除外して、用紙のスキャン画像を原本画像と照合することができる。したがって、精度の良い原本情報を使用して、誤判定がなく高信頼性の原本性保証を実現することができる。
以下では、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態について説明する。
<画像処理装置(図1)>
図1は本発明に係る画像処理装置の一実施形態の構成を示すブロック図である。この装置ではホストコンピュータ40および3台の画像形成装置(10,20,30)がLAN50に接続されているが、本発明における画像処理装置においては、これらの接続数に限られることはない。また、本実施例では接続方法としてLANを適用しているが、これに限られることはない。例えば、WAN(公衆回線)などの任意のネットワーク、USBなどのシリアル伝送方式、セントロニクスやSCSIなどのパラレル伝送方式なども適用可能である。
ホストコンピュータ(以下、PCと称する)40はパーソナルコンピュータの機能を有する。PC40はLAN50やWANを介してFTPやSMBプロトコルを用いファイルを送受信したり電子メールを送受信したりすることができる。またPC40から画像形成装置10、20、30に対して、プリンタドライバを介した印刷命令を行うことができる。
画像形成装置10と20は同じ構成を有する装置である。画像形成装置30はプリント機能のみの画像形成装置であり、画像形成装置10と20が有するスキャナ部を有していない。以下では、説明の簡単のために、画像形成装置10、20のうちの画像形成装置10に注目して、その構成を詳細に説明する。
画像形成装置10は、画像入力デバイスであるスキャナ部13、画像出力デバイスであるプリンタ部14、装置10全体の動作制御を司るコントローラ(Controller Unit)11、ユーザインターフェース(UI)である操作部12から構成される。
データベース100には、後述の紙紋情報(グレースケール画像データおよびノイズマスク画像データ)を登録することができる。
<画像形成装置10(図2)>
画像形成装置10の外観を図2に示す。スキャナ部13は、複数のCCDを有する。この各CCDの感度が夫々異なっていると、たとえ原稿上の各画素の濃度が同じであったとしても、各画素が夫々違う濃度であると認識されてしまう。そのため、スキャナ部では、最初に白板(一様に白い板)を露光走査し、露光走査して得られた反射光の量を電気信号に変換してコントローラ11に出力している。なお、後述するように、コントローラ11内のシェーディング補正部500は、各CCDから得られた電気信号を元に、各CCDの感度の違いを認識している。そして、この認識された感度の違いを利用して、原稿上の画像をスキャンして得られた電気信号の値を補正している。さらに、シェーディング補正部500は、後述するコントローラ11内のCPU301からゲイン調整の情報を受取ると、当該情報に応じたゲイン調整を行う。ゲイン調整は、原稿を露光走査して得られた電気信号の値を、どのように0〜255の輝度信号値に割り付けるかを調整するために用いられる。このゲイン調整により、原稿を露光走査して得られた電気信号の値を高い輝度信号値に変換したり、低い輝度信号値に変換したりすることができるようになっている。続いて、この原稿上の画像をスキャンする構成について説明する。
スキャナ部は、原稿上の画像を露光走査して得られた反射光をCCDに入力することで画像の情報を電気信号に変換する。さらに電気信号をR,G,B各色からなる輝度信号に変換し、当該輝度信号を画像データとしてコントローラ11に対して出力する。
なお、原稿は原稿フィーダ201のトレイ202にセットされる。ユーザが操作部12から読み取り開始を指示すると、コントローラ11からスキャナ部13に原稿読み取り指示が与えられる。スキャナ部13は、この指示を受けると原稿フィーダ201のトレイ202から原稿を1枚ずつフィードして、原稿の読み取り動作を行う。なお、原稿の読み取り方法は原稿フィーダ201による自動送り方式ではなく、原稿をガラス面(不図示)上に載置し露光部を移動させることで原稿の走査を行う方法であってもよい。
プリンタ部14は、コントローラ11から受取った画像データを用紙上に形成する画像形成デバイスである。なお、本実施例において画像形成方式は感光体ドラムや感光体ベルトを用いた電子写真方式となっているが、微少ノズルアレイからインクを吐出して用紙上に印刷するインクジェット方式であっても良い。また、プリンタ部14には、異なる用紙サイズ又は異なる用紙向きを選択可能とする複数の用紙カセット203、204、205が設けられている。排紙トレイ206には印刷後の用紙が排出される。
<コントローラ11の詳細説明(図3)>
図3は、画像形成装置10のコントローラ11の構成をより詳細に説明するためのブロック図である。
コントローラ11はスキャナ部13やプリンタ部14と電気的に接続されており、一方ではLAN50やWAN331を介してPC40や外部の装置などと接続されている。これにより画像データやデバイス情報の入出力が可能である。
CPU301は、ROM303に記憶された制御プログラム等に基づいて接続中の各種デバイスとのアクセスを統括的に制御すると共に、コントローラ内部で行われる各種処理についても統括的に制御する。RAM302は、CPU301が動作するためのシステムワークメモリであり、かつ画像データを一時記憶する。RAM302は、記憶した内容を電源off後も保持しておくSRAMおよび電源off後には記憶した内容が消去されてしまうDRAMにより構成されている。ROM303には装置のブートプログラムなどが格納されている。HDD304はハードディスクドライブであり、システムソフトウェアや画像データを格納することができる。
操作部I/F305は、システムバス310と操作部12とを接続するためのインターフェース部である。操作部I/F305は、操作部12に表示するための画像データをシステムバス310から受取り操作部12に出力すると共に、操作部12から入力された情報をシステムバス310へと出力する。
NetworkI/F306はLAN50およびシステムバス310に接続し、情報の入出力を行う。Modem307はWAN331およびシステムバス310に接続しており、情報の入出力を行う。2値画像回転部308は送信前の画像データの方向を変換する。2値画像圧縮・伸張部309は、送信前の画像データの解像度を所定の解像度や相手能力に合わせた解像度に変換する。なお圧縮および伸張にあたってはJBIG、MMR、MR、MHなどの方式が用いられる。画像バス330は画像データをやり取りするための伝送路であり、PCIバス又はIEEE1394で構成されている。
スキャナ画像処理部312は、スキャナ部13からスキャナI/F311を介して受取った画像データに対して、補正、加工、および編集を行う。なお、スキャナ画像処理部312は、受取った画像データがカラー原稿か白黒原稿かや、文字原稿か写真原稿かなどを判定する。そして、その判定結果を画像データに付随させる。こうした付随情報を属性データと称する。スキャナ画像処理部312で行われる処理の詳細については後述する。
圧縮部313は画像データを受取り、この画像データを32画素x32画素のブロック単位に分割する。なお、この32×32画素の画像データをタイルデータと称する。図4は、このタイルデータを概念的に表している。原稿(読み取り前の紙媒体)において、このタイルデータに対応する領域をタイル画像と称する。なおタイルデータには、その32×32画素のブロックにおける平均輝度情報やタイル画像の原稿上の座標位置がヘッダ情報として付加されている。さらに圧縮部313は、複数のタイルデータからなる画像データを圧縮する。伸張部316は、複数のタイルデータからなる画像データを伸張した後にラスタ展開してプリンタ画像処理部315に送る。
プリンタ画像処理部315は、伸張部316から送られた画像データを受取り、この画像データに付随させられている属性データを参照しながら画像データに画像処理を施す。画像処理後の画像データは、プリンタI/F314を介してプリンタ部14に出力される。このプリンタ画像処理部315で行われる処理の詳細については後述する。
画像変換部317は、画像データに対して所定の変換処理を施す。画像変換部317は以下に示すような処理部により構成される。
伸張部318は受取った画像データを伸張する。圧縮部319は受取った画像データを圧縮する。回転部320は受取った画像データを回転する。変倍部321は受取った画像データに対し解像度変換処理(例えば600dpiから200dpi)を行う。色空間変換部322は受取った画像データの色空間を変換する。色空間変換部322は、マトリクス又はテーブルを用いて公知の下地飛ばし処理を行ったり、公知のLOG変換処理(RGB→CMY)を行ったり、公知の出力色補正処理(CMY→CMYK)を行ったりすることができる。2値多値変換部323は受取った2階調の画像データを256階調の画像データに変換する。逆に多値2値変換部324は受取った256階調の画像データを誤差拡散処理などの手法により2階調の画像データに変換する。
合成部327は受取った2つの画像データを合成し1枚の画像データを生成する。なお、2つの画像データを合成する際には、合成対象の画素同士が持つ輝度値の平均値を合成輝度値とする方法や、輝度レベルで明るい方の画素の輝度値を合成後の画素の輝度値とする方法が適用される。また、暗い方を合成後の画素とする方法の利用も可能である。さらに合成対象の画素同士の論理和演算、論理積演算、排他的論理和演算などで合成後の輝度値を決定する方法なども適用可能である。これらの合成方法はいずれも周知の手法である。間引き部326は受取った画像データの画素を間引くことで解像度変換を行い、1/2,1/4,1/8などの画像データを生成する。移動部325は受取った画像データに余白部分をつけたり余白部分を削除する。
RIP328は、PC40などから送信されたPDLコードデータを元に生成された中間データを受取り、ビットマップデータ(多値)を生成する。
<スキャナ画像処理部312の詳細説明(図5)>
図5にスキャナ画像処理部312の内部構成を示す。
スキャナ画像処理部312はRGB各8bitの輝度信号からなる画像データを受取る。
シェーディング補正部500は、この輝度信号に対してシェーディング補正する。シェーディング補正とは、上述したように、CCDの感度のばらつきによって原稿の明るさが誤認識されてしまうことを防止するための処理である。さらに、上述したように、シェーディング補正部500は、CPU301からの指示によりゲイン調整を行う。
続いて、この輝度信号は、マスキング処理部501によりCCDのフィルタ色に依存しない標準的な輝度信号に変換される。
フィルタ処理部502は、受取った画像データの空間周波数を任意に補正する。フィルタ処理部502は、受取った画像データに対して、例えば7×7のマトリクスを用いた演算処理を行う。ところで、複写機や複合機では、後述されるタブ1404(図14に示す)の押し下げによりコピーモードとして文字モードや写真モードや文字/写真モードを選択することができる。ここでユーザにより文字モードが選択された場合には、フィルタ処理部502は文字用のフィルタを画像データ全体にかける。また、写真モードが選択された場合には、写真用のフィルタを画像データ全体にかける。また、文字/写真モードが選択された場合には、後述の文字写真判定信号(属性データの一部)に応じて画素毎に適応的にフィルタを切り替える。つまり、画素毎に写真用のフィルタをかけるか文字用のフィルタをかけるかが決定される。なお、写真用のフィルタには高周波成分のみ平滑化が行われるような係数が設定されている。これは、画像のざらつきを目立たせないためである。また、文字用のフィルタには強めのエッジ強調を行うような係数が設定されている。これは、文字のシャープさを出すためである。
ヒストグラム生成部503は、受取った画像データを構成する各画素の輝度データをサンプリングする。より詳細に説明すると、主走査方向、副走査方向にそれぞれ指定した開始点から終了点で囲まれた矩形領域内の輝度データを、主走査方向、副走査方向に一定のピッチでサンプリングする。そして、サンプリング結果を元にヒストグラムデータを生成する。生成されたヒストグラムデータは、下地飛ばし処理を行う際に下地レベルを推測するために用いられる。入力側ガンマ補正部504は、テーブル等を利用して非線形特性を持つ輝度データに変換する。
カラーモノクロ判定部505は、受取った画像データを構成する各画素が有彩色であるか無彩色であるかを判定し、その判定結果をカラーモノクロ判定信号(属性データの一部)として画像データに付随させる。
文字写真判定部506は、画像データを構成する各画素が文字を構成する画素なのか、網点を構成する画素なのか、網点中の文字を構成する画素なのか、ベタ画像を構成する画素なのかを各画素の画素値と各画素の周辺画素の画素値とに基づいて判定する。なお、どれにもあてはまらない画素は、白領域を構成している画素である。そして、その判定結果を文字写真判定信号(属性データの一部)として画像データに付随させる。
紙指紋情報取得部507は、シェーディング補正部500から入力されたRGBの画像データから、文字写真判定部506による上記判定結果に基づいて所定サイズの空白領域の画像データを取得する。空白領域はトナー等の記録材が載らない領域なので、紙の繊維情報を精度よく抽出できるので、紙指紋情報の抽出領域として適している。また後述するグレイスケール画像の低濃度部分もトナー等の記録材の載る量が少ないので、紙指紋情報の抽出領域として適している。したがって、後述するグレイスケール画像に対し低濃度部判定用の閾値を用意して濃度判定することで、低濃度部分を紙指紋抽出領域としても良い。
図6は、紙指紋情報取得部507が上記空白領域もしくは低濃度領域(紙指紋情報取得領域)について行う紙指紋情報取得処理を示すフローチャートである。
ステップ601では紙指紋情報取得部507において抽出された画像データをグレースケールの画像データに変換する。ステップ602では用紙(原稿)の向きを変えて2回目の紙紋採取を行うためにメッセージを表示し、ユーザが用紙を+180(または+90,+270)度回転してセットし直すように促す。図7は表示するダイアログ700の例を示。
ユーザが図7の再スキャン実行釦701を押下するとステップS603で再度スキャンを実行して用紙上の同一空白領域に対応する画像データを取得し、ステップ604でグレースケールの画像データに変換する。生成された画像はスキャナ画像処理部312内の不図示のメモリを用いて公知の回転処理を行なうことで180(または−90,−270)度回転され、ステップ601で生成された画像と一致した向きとされる。
次にステップ605において、ステップ601およびステップ604で生成されたグレースケール画像をピクセル毎に比較して2値のノイズマスク画像を生成する。即ち、2つのグレースケール画像の各ピクセルを比較し、その差分が所定の閾値以下の場合にはその画素を有効と判断してノイズマスク画像に”1”を、所定の閾値より大きい場合にはノイズが載っていると判断してノイズマスク画像に”0”を設定する。
次にステップ606において、ステップ601で生成されたグレースケール画像データ、およびステップ605で生成されたノイズマスク画像データを紙紋情報として保存する。
紙指紋情報取得部507は、上記の紙指紋情報を原本データとしてデータバス(不図示)を通じてRAM302に送り保存する。この原本データは、NetworkI/F306を通じて外部装置のメモリおよび/または外部データベース100に送って登録することができる。
復号部508は、マスキング処理部501から出力された画像データ内に符号画像データが存在する場合には、その存在を検知する。そして、検知された符号画像データを復号化して情報を取出す。
上記の処理において、1回目及び2回目のスキャンで採取した紙紋パターンにはスキャナ原稿台の汚れ、キズ、ゴミ等によるノイズが載っている。1回目と2回目のスキャンでは用紙の向きが異なるため、指紋採取対象領域に対応するスキャナ原稿台の領域も異なる。従ってもし、原稿台上に汚れ、キズ、ごみ等が原因のノイズが載っていた場合、1回目及び2回目のスキャンで採取した紙紋パターン上の同じ位置にノイズが発生したり発生しなかったりする。そこで、用紙(原稿)の同一領域に対して採取した2つの紙紋パターンを比較することでノイズ部分を判定して上記ノイズマスク画像データを作成し、ノイズが指紋照合の際の誤判定の要因にならないようにした。
<プリンタ画像処理部315の詳細説明(図8)>
図8にプリンタ画像処理部315のブロック図を示し、同図を参照して画像処理部315においてなされる処理について説明する。
下地飛ばし処理部801は、スキャナ画像処理部312で生成されたヒストグラムを用いて画像データの下地色を飛ばす(除去する)。モノクロ生成部802はカラーデータをモノクロデータに変換する。Log変換部803は輝度濃度変換を行う。Log変換部803は、例えば、RGB入力された画像データを、CMYの画像データに変換する。出力色補正部804は出力色補正を行う。例えばCMY入力された画像データを、テーブルやマトリックスを用いてCMYKの画像データに変換する。出力側ガンマ補正部805は、出力側ガンマ補正部805に入力される信号値と、複写出力後の反射濃度値とが比例するように補正を行う。符合画像合成部807は、出力側ガンマ補正部805で補正された(原稿)画像データと、後述する<紙指紋情報符号化処理>で生成された符合画像データとを合成する。中間調補正部806は、出力するプリンタ部の階調数に合わせて中間調処理を行う。例えば、受取った高階調の画像データに対し2値化や32値化などを行う。
なお、スキャナ画像処理部312やプリンタ画像処理部315における各処理部では、受取った画像データに各処理を施さずに出力させることも可能となっている。このような、ある処理部において処理を施さずにデータを通過させることを、以下では「処理部をスルーさせる」と表現する。
<紙指紋情報符号化処理>
CPU301は、RAM302に保存された所定領域の紙指紋情報(原本データ)を読出し、または外部装置等からインタフェースを通じて受け取り、当該紙指紋情報を符号化処理して符号画像データを生成するように制御することができる。
なお、本明細書において符号画像とは、二次元コード画像やバーコード画像といった画像のことを示す。
さらに、CPU301は、生成された符号画像データをデータバス(不図示)を通じて、プリンタ画像処理部315内の符号画像合成部807に送信するように制御することができる。
なお、上記制御(符号画像の生成制御および送信制御)は、RAM302内にロードされたプログラムを実行することによって行われる。このプログラムは外部記憶媒体から読み出してRAM302にロードすること、またはNetworkI/F306を通じてネットワークからロードすることができる。
<紙指紋情報照合処理>
CPU301は、用紙をスキャンして得られた所定領域の紙指紋情報をRAM302から読出し、当該紙指紋情報とNetworkI/F306を通じて受け取った他の紙指紋情報との照合を行うように制御することができる。なお、他の紙指紋情報とは、符号画像データ内に含まれる紙指紋情報や外部装置、データベース等に原本として登録されている紙指紋情報のことを意味する。
図9は、上記紙指紋情報照合処理を示すフローチャートである。本フローチャートの各ステップは、CPU301により統括的に制御される。
ステップ901では、上記他の紙指紋情報である既登録紙指紋情報をRAM302または外部装置、データベース等からから取得する。
ステップ902では、後述のステップ1601,1602(図16)の処理により用紙をスキャンして得られた所定領域の紙指紋情報を、原本画像として既登録の紙指紋情報と照合する。即ち、ステップ901において取得した他の紙指紋情報である既登録紙指紋情報と上記所定領域の紙指紋情報を照合するために、式(1)を用いて2つの紙指紋情報のマッチング度合いを算出する。2つの紙指紋情報が同一用紙のものであれば一方の紙指紋情報はもう一方の紙指紋情報をずらしたものであると仮定して、2つの紙指紋情報の誤差イメージを求める。すなわち、式(1)に示す関数において、1画素毎にずらし、式(1)の関数により求まる値が最小になるところ(2つの紙指紋情報の差が最も小さくなるところ)で、2つの紙指紋情報の誤差イメージ(E)を次式に従って求める。
Figure 2008141683
式(1)においてαはステップ901で取出された既登録紙指紋情報中のマスクデータである。fはステップ901で取出された既登録紙指紋情報中のグレースケール画像データである。αはステップ902で紙指紋情報取得部507から送られてきた(今回得られた)紙指紋情報中のマスクデータである。fはステップ902で紙指紋情報取得部507から送られてきた(今回得られた)紙指紋情報中のグレースケール画像データである。
具体的な方法を図10乃至図13を参照して説明する。図10はそれぞれ、既登録紙指紋情報と今回得られた紙指紋情報のイメージ図を表す。それぞれ、横n画素、縦m画素から構成されているものとする。
式(1)に示した関数において、i,jをそれぞれ−n+1〜n−1、−m+1〜m−1の範囲でそれぞれ1画素毎にずらし、既登録紙指紋情報と今回得られた紙指紋情報の誤差値E(i,j)を(2n−1)×(2m−1)個求める。即ち、E(−n+1,−m+1)〜E(n−1,m−1)を求める。
図11(A)は、既登録紙指紋情報の左上1画素に対して、今回得られた紙指紋情報の右下1画素だけ重なっているイメージ図を表す。この状態において、式(1)の関数により求まる値をE(−n+1,−m+1)とする。図11(B)は、図11(A)よりも今回得られた紙指紋情報を右に1画素分だけ移動したイメージを表す。この状態において、式(1)の関数により求まる値をE(−n+2,−m+1)とする。同様に今回得られた紙指紋情報を移動させながら演算を行う。図11(C)では、今回得られた紙指紋情報を、既登録紙指紋情報と重なるところまで移動させており、これによりE(0,−(m−1))が求まる。さらに、図11(D)では、今回得られた紙指紋情報を右端まで移動して、E(n−1,−m+1)を求める。このように、横方向にずらすと、E(i,j)のうちのiが1づつ加算される。
同様に図12(A)では、図11(A)よりも、縦方向である下に1画素だけ今回得られた紙指紋情報を移動して、E(−n+1,−m+2)の値を求める。
さらに図12(B)は、図12(A)に対して、今回得られた紙指紋情報を右端まで移動してE(n−1,−m+2)の値を求める。
図13(A)は、既登録紙指紋情報と今回得られた紙指紋情報が,同じ位置の場合を表し、このときのE(i,j)の値をE(0,0)とする。
同様に、それぞれの紙指紋情報が少なくとも1画素以上重なるように画像をずらしながら演算を行う。最後に図13(B)のように、E(n−1,m−1)を求める。
このようにして、(2n−1)×(2m−1)個の誤差値E(i,j)の集合を求める。
ここで、式(1)の意味を考えるために、i=0,j=0であり、かつ、α(x,y)=1(ただし、x=0〜n,y=0〜m)であり、かつ、α(x−i,y−j)=1(ただし、x=0〜n,y=0〜m)の場合を考えてみることにする。つまり、α(x,y)=1(ただし、x=0〜n,y=0〜m)であり、かつ、α(x−i,y−j)=1(ただし、x=0〜n,y=0〜m)の場合のE(0,0)を求めることにする。
なお、i=0,j=0とは、図13(A)のように、既登録紙指紋情報と今回得られた紙指紋情報が同じ位置であることを示す。
ここで、α(x,y)=1(ただし、x=0〜n,y=0〜m)は、既登録紙指紋情報の全ての画素が明るいことを示す。換言すると、既登録紙指紋情報が取得された際には、紙指紋取得領域上には一切トナーやインクなどの色材やゴミがのっていなかったことを示す。
また、α(x−i,y−j)=1(ただし、x=0〜n,y=0〜m)は、今回得られた紙指紋情報の全ての画素が明るいことを示す。換言すると、今回得られた紙指紋情報が取得された際には、紙指紋取得領域上には一切トナーやインクなどの色材やゴミがのっていなかったことを示す。
このように、α(x,y)=1とα(x−i,y−j)=1とが全ての画素において成り立つとき、式(1)は次式で表される。
Figure 2008141683
式(1)'における{f(x,y)−f(x,y)}は、既登録紙指紋情報中のグレースケール画像データと、今回得られた紙指紋情報中のグレースケール画像データとの差の二乗値を示す。従って、式(1)'は、二つの紙指紋情報同士の各画素における差の二乗を合計したものを表す。つまり、f(x,y)とf(x,y)とが似ている画素が多ければ多いほど、E(0,0)は、小さな値を取ることになる。
以上説明したのは、E(0,0)の求め方であるが、同じようにして他のE(i,j)を求める。ちなみに、f(x,y)とf(x,y)とが似ている画素が多ければ多いほどE(i,j)が小さな値を取る。よって、E(k,l)=min{E(i,j)}である場合、既登録紙指紋情報を取得した際の位置と、今回得られた紙指紋情報を取得した際の位置とは、互いにk,lずれていたことがわかる。
<αの意義>
式(1)の分子は、{f(x,y)−f(x−i,y−j)}に対してαとαとがかけられた結果を意味する(正確には、さらにシグマ演算により合計値が求められている)。αとαは、濃い色の画素は0、薄い色の画素は1を示す。
従って、αとαとのうちどちらか一方(又は両方)が0の場合には、αα{f(x,y)−f(x−i,y−j)}は0になることになる。
即ち、どちらか一方(または両方)の紙指紋情報において対象とする画素が濃い色であった場合には、その画素における濃度差は考慮しないことを示している。これは、ゴミや色材がのってしまった画素を無視するためである。
この処理により、シグマ演算により合計する数が増減するため、総数Σα(x,y)α(x−i,y−j)で割ることで正規化を行う。なお、式(1)の分母にあるΣα(x,y)α(x−i,y−j)が0になる誤差値E(i,j)は、後述の誤差値の集合(E(−(n−1),−(m−1))〜E(n−1,m−1))には含めないものとする。
<マッチング度合いの決定方法>
上述したように、E(k,l)=min{E(i,j)}である場合、既登録紙指紋情報を取得した際の位置と、今回得られた紙指紋情報を取得した際の位置とは互いにk,lずれていたことがわかる。
続いて、二つの紙指紋情報がどれだけ似ているのかを示す値(この値を、マッチング度合いと称する)を、そのE(k,l)および他のE(i,j)を使って求める。
まず、式の関数により求まった誤差値の集合(例えば、E(0,0)=10※,E(0,1)=50,E(1,0)=50,E(1,1)=50)から平均値(40)を求める。・・・(A)
なお、※は値とは関係がなく、注目が必要なために付したものである。注目が必要な理由は後述する。
次に、平均値(40)から各誤差値(10※,50,50,50)を引いて、新たな集合(30※,−10,−10,−10)を求める。・・・・(B)
そして、この新たな集合から標準偏差(30×30+10×10+10×10+10×10=1200,1200/4=300,√300=10√3=約17)を求める。そして、上記新たな集合を17で割り、商を求める(1※,−1,−1,−1)。・・・・(C)
そして、求められた値のうちの最大値をマッチング度合い(1※)とする。なお、この1※という値は、E(0,0)=10※という値と対応した値である。E(0,0)というのは、今回の場合、E(0,0)=min{E(i,j)}を満たす値である。
<マッチング度合いの決定方法の概念的な説明>
上記マッチング度合いの決定方法を行う処理は、結局、複数の誤差値集合の中で最も小さな誤差値が、平均的な誤差値とどれだけ離れているかを計算する(AおよびB)。
そして、その離れ具合を標準偏差で割ることでマッチング度合いを求める(C)。
最後にマッチング度合いを閾値と比較することで、照合結果を得る(D)。
なお、標準偏差は、「各誤差値と平均値との差」の平均的な値を意味する。換言すると、標準偏差値は集合の中で大体どれくらいのばらつきが全体的に生じているかを示す。
このような全体的なばらつき値で上記離れ具合を割ることで、min{E(i,j)}が集合E(i,j)の中でどれだけ小さいか(突出して小さいか、ちょっと小さいか)がわかることになる。
そして、min{E(i,j)}が集合E(i,j)の中で非常に突出して小さい場合に有効と判断し、それ以外の場合に無効と判断する(D)。
<min{E(i,j)}が集合E(i,j)の中で非常に突出して小さい場合のみ有効と判断する理由>
ここで、既登録紙指紋情報と今回得られたが、同じ紙から取得されたと仮定する。
すると、既登録紙指紋情報と今回得られた紙指紋情報とが極めてよく一致する場所(ずれ位置)があるはずである。このとき、このずれ位置では、既登録紙指紋情報と今回得られた紙指紋情報が極めてよく一致するため、E(i,j)は非常に小さくなるはずである。
一方、このずれ位置から少しでもずらすと、既登録紙指紋情報と今回得られた紙指紋情報には何ら関連性がなくなる。従って、E(i,j)は通常の大きな値になるはずである。
そのため、「二つの紙指紋情報が同じ紙から取得された」という条件は、「最も小さなE(i,j)が集合E(i,j)の中で突出して小さい」という条件と一致する。
ここで、図9の<紙指紋情報照合処理>に戻って説明する。
ステップ903では、ステップ902において求められた2つの紙指紋情報のマッチング度合いと所定の閾値との比較を行って、「有効」「無効」を決定する。なお、マッチング度合いのことを類似度と称することもある。また、マッチング度合いと所定の閾値との比較結果のことを、照合結果と称することもある。
コントローラ11の説明は以上である。
<操作画面の説明>
図14は画像形成装置10における初期画面である。
領域1401は、画像形成装置10がコピーできる状態にあるか否かを示し、かつ設定したコピー部数を示す。原稿選択タブ1404はコピーする原稿のタイプを選択するためのタブであり、タブ1404が押し下げられると文字、写真、文字/写真モードの3種類の選択メニューをポップアップ表示される。フィニッシングタブ1406は各種フィニッシングに関わる設定を行うためのタブである。両面設定タブ1407は両面読込みおよび両面印刷に関する設定を行うためのタブである。読み取りモードタブ1402は原稿の読み取りモードを選択するためのタブである。タブ1402が押し下げられるとカラー/ブラック/自動(ACS)の3種類の選択メニューがポップアップ表示される。なお、カラーが選択された場合にはカラーコピーが、ブラックが選択された場合にはモノクロコピーが行われる。また、ACSが選択された場合には、上述したモノクロカラー判定信号によりコピーモードが決定される。
領域1408は、紙指紋情報登録処理を選択するためのタブである。領域1409は、紙指紋情報照合処理を選択するためのタブである。領域1408が押下されたときに実行される紙指紋情報(原本データ)登録処理および領域1409が押下されたときに実行される紙指紋情報照合処理について、以下で説明する。
<紙指紋情報登録処理のタブが押下された際の動作>
次に、図14に示す紙指紋情報登録タブ1408がユーザにより押下された後にスタートキーが押下された際に実行される紙指紋情報登録処理(原本の登録)について図15を参照して説明する。
ステップ1501では、CPU301の制御により、スキャナ部13で読み取られた原稿を画像データとしてスキャナI/F311を介してスキャナ画像処理部312に送る。
ステップ1502では、スキャナ画像処理部312は、一般的なゲイン調整値をシェーディング補正部500に設定した上で、この画像データに対して図5に示す処理を行い、新たな画像データと共に属性データを生成する。また、この属性データを画像データに付随させる。さらに、スキャナ画像処理部312は、上記一般的なゲイン調整値よりも小さいゲイン調整値を、シェーディング補正部500に設定する。そして、画像データに対して上記小さいゲイン調整値を適用することで得られた各輝度信号値を紙指紋情報取得部507に対して出力し、グレースケール画像を生成する。
次に、ステップ1503で再度原稿の読み取りを行う。このとき、原稿は180度回転されてセットされていて、原稿が別の向きにスキャンされる。そしてステップ1504でグレースケール画像を生成し、同時にその画像を180度回転して画像の向きをステップ1502で得られたものと合わせる。ステップ1505で2つのグレースケール画像を比較し、ノイズマスク画像を生成する。最後にステップ1506でステップ1502で生成されたグレースケール画像データと、ステップ1505で生成されたノイズマスク画像データが紙指紋情報として外部データベースに登録される。
なお、紙指紋情報としては、グレースケール画像データからノイズマスク画像データを削除したデータとしてRAM302に記憶させても良い。その場合、原稿台上の用紙をスキャンして得られた第1の画像データと、前記原稿台の異なる位置でスキャンして得られた第2の画像データから、原稿台上のノイズを除去し、このノイズが除外された線維情報(紙指紋情報)をRAM302に登録する。このノイズ除去は、画像上の同じ位置の第1の画像データと第2の画像データのANDを取ることで、いずれかの画像データにしか含まれていない情報は除去され実現できる。
<紙指紋情報照合処理のタブが押下された際の動作>
続いて、図14に示す紙指紋情報照合タブ609がユーザにより押下された後にスタートキーが押下された際の動作(用紙のスキャンおよび原本との照合)について図16を参照して説明する。
ステップ1601では、CPU301の制御により、スキャナ部13で読み取られた原稿を、画像データとしてスキャナI/F311を介してスキャナ画像処理部312に送る。
ステップ1602では、スキャナ画像処理部312は、この画像データに対して図5に示す処理を行い、新たな画像データと共に属性データを生成する。また、この属性データを画像データに付随させる。
さらに、ステップ1602では、スキャナ画像処理部312内の紙指紋情報取得部507は、紙指紋情報を取得する(紙指紋情報を取得するために、シェーディング補正部500のゲイン調整を行うなどの構成は上述した通りである)。そして、当該今回取得された紙指紋情報をデータバス(不図示)を通じてRAM302に送る。
さらに、ステップ1602では、スキャナ画像処理部312内の復号部508は、符号画像が存在する場合に、当該符号画像を復号して情報を取得する。そして、当該今回取得された紙指紋情報をデータバス(不図示)を通じてRAM302に送る。
ステップ1603では、CPU301の制御演算により、ステップ1602において今回取得された紙指紋情報とステップ1506において登録された既登録紙指紋情報について、<紙指紋情報照合処理>の項で図9と共に説明した通りに紙指紋情報照合処理を行う。ここで、ステップ1601,1602により今回取得した所定領域の画像と<紙指紋情報登録処理>により既に登録されている原本を、上で詳述した通りに照合し、今回スキャンした用紙の原本性が検証され、原本性保証を行える。
ステップ1604では、<紙指紋情報照合処理>により得られた検証結果(有効か無効か)を、CPU301の制御により操作部12の表示画面上に表示することができる。
上記実施例では用紙(原稿)を原稿台上で、+90、+180、+270度回転して原稿をスキャンする例を説明した。しかしながら、原稿代の異なる位置に用紙(原稿)を配置して、スキャンを行う構成を適用するものであれば、上述した回転処理以外の原稿の配置置き換えでもよいことはいうまでもない。
(その他の実施例)
さらに本発明は、複数の機器(例えばコンピュータ、インターフェース機器、リーダ、プリンタなど)から構成されるシステムに適用することも、一つの機器からなる装置(複合機、プリンタ、ファクシミリ装置など)に適用することも可能である。
また本発明の目的は、上述した実施例で示したフローチャートの手順を実現するプログラムコードを記憶した記憶媒体から、システムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が、そのプログラムコードを読出し実行することによっても達成される。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が上述した実施形態の機能を実現することになる。そのため、このプログラムコードおよびプログラムコードを記憶した記憶媒体も本発明の一つを構成することになる。
プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROMなどを用いることができる。
またコンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、上述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づきコンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって上述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。
更に、記憶媒体から読出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込みまれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって上述した実施形態の機能が実現される。
本発明に係る画像形成装置の全体構成を示すブロック図である。 本発明に用いられる画像形成装置の入出力デバイス外観図である。 本発明に用いられる画像形成装置の全体構成を示すブロック図である。 タイルデータを概念的に示す説明図である。 本発明に用いられる画像形成装置が備えるスキャナ画像処理部のブロック図である。 本発明における紙指紋情報取得処理を示すフローチャートである。 本発明における紙指紋情報取得処理における再スキャン実行のためのダイアログを示す図である。 本発明に用いられる画像形成装置が備えるプリンタ画像処理部のブロック図である。 本発明における紙指紋情報照合処理を示すフローチャートである。 本発明により登録された紙指紋情報と今回得られた紙指紋情報とを示す図である。 本発明における原本との照合処理について説明する説明図である。 本発明における原本との照合処理について説明する説明図である。 本発明における原本との照合処理について説明する説明図である。 操作部のコピー画面の説明図である。 本発明における紙指紋情報登録処理を示すフローチャートである。 本発明における紙指紋情報照合処理を示すフローチャートである。
符号の説明
10,20,30 画像形成装置
11,21,31 コントローラ(Controller Unit)
12,22,32 操作部(ユーザインターフェース)
13,23 スキャナ部
40 ホストコンピュータ(PC)
100 データベース
301 コントローラ11内のCPU
302 RAM
306 NetworkI/F
312 スキャナ画像処理部
501 マスキング処理部
506 文字写真判定部
507 紙指紋情報取得部
701 再スキャン実行釦
1404 原稿選択タブ
1408,1409 領域(紙指紋情報登録処理および紙指紋情報照合処理を選択するタブ)

Claims (10)

  1. 用紙のスキャン画像が含む該用紙を構成する繊維の特徴を基に該用紙の原本性保証のための画像処理を行う画像処理装置において、
    画像スキャン手段により用紙をスキャンして得られた画像の第1の画像データを取得する手段、
    前記画像スキャン手段により前記用紙を別の向きでスキャンして得られた画像の第2の画像データを取得する手段、
    前記画像スキャン手段が発生するノイズであって前記第1および第2の画像データが含むノイズをマスクするためのマスクデータを前記第1および第2の画像データに基づいて作成する手段、および、
    該マスクデータを登録しおよび前記スキャンして得られた画像を原本として登録する登録手段
    を備えたことを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記第1および第2の画像データは、前記用紙の紙指紋情報取得領域のスキャン画像により得られるデータであり、
    前記マスクデータは、前記画像スキャン手段の前記紙指紋情報取得領域に対応する部位において発生されるノイズをマスクする
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 用紙のスキャン画像が含む該用紙を構成する繊維の特徴を基に該用紙の原本性を調べるための画像処理を行う画像処理装置において、
    画像スキャン手段により用紙をスキャンして得られた画像の画像データを取得する手段、
    請求項1または2の画像処理装置に備えられた登録手段に登録されたマスクデータおよび原本画像を取得する手段、および、
    前記取得したマスクデータを用いることで請求項1または2の画像処理装置に備えられた画像スキャン手段が発生するノイズを対象から除外して、前記用紙のスキャン画像を前記原本画像と照合する手段
    を備えたことを特徴とする画像処理装置。
  4. 用紙のスキャン画像が含む該用紙を構成する繊維の特徴を基に該用紙の原本性保証のための画像処理を行う画像処理方法において、
    画像スキャン手段により用紙をスキャンして得られた画像の第1の画像データを取得するステップ、
    前記画像スキャン手段により前記用紙を別の向きでスキャンして得られた画像の第2の画像データを取得するステップ、
    前記画像スキャン手段が発生するノイズであって前記第1および第2の画像データが含むノイズをマスクするためのマスクデータを前記第1および第2の画像データに基づいて作成するステップ、および、
    該マスクデータを登録しおよび前記スキャンして得られた画像を原本として登録する登録ステップ
    を含むことを特徴とする画像処理方法。
  5. 前記第1および第2の画像データは、前記用紙の紙指紋情報取得領域のスキャン画像により得られるデータであり、
    前記マスクデータは、前記画像スキャン手段の前記紙指紋情報取得領域に対応する部位において発生されるノイズをマスクする
    ことを特徴とする請求項4に記載の方法。
  6. 用紙のスキャン画像が含む該用紙を構成する繊維の特徴を基に該用紙の原本性を調べるための画像処理を行う画像処理方法において、
    画像スキャン手段により用紙をスキャンして得られた画像の画像データ、および、請求項4または5の画像処理方法によって登録されたマスクデータおよび原本画像を取得するステップ、並びに、
    前記取得したマスクデータを用いることで請求項4または5の画像処理方法を実行することによって画像スキャン手段が発生するノイズを対象から除外して、前記用紙のスキャン画像を前記原本画像と照合するステップ
    を含むことを特徴とする画像処理方法。
  7. 用紙のスキャン画像が含む該用紙を構成する繊維の特徴を基に該用紙の原本性保証のための画像処理を行う画像処理方法のプログラムであって、処理装置を、
    画像スキャン手段により用紙をスキャンして得られた画像の第1の画像データを取得する手段、
    前記画像スキャン手段により前記用紙を別の向きでスキャンして得られた画像の第2の画像データを取得する手段、
    前記画像スキャン手段が発生するノイズであって前記第1および第2の画像データが含むノイズをマスクするためのマスクデータを前記第1および第2の画像データに基づいて作成する手段、および、
    該マスクデータを登録しおよび前記スキャンして得られた画像を原本として登録する登録手段
    として機能させることを特徴とするプログラム。
  8. 用紙のスキャン画像が含む該用紙を構成する繊維の特徴を基に該用紙の原本性を調べるための画像処理を行う画像処理方法のプログラムであって、処理装置を、
    画像スキャン手段により用紙をスキャンして得られた画像の画像データ、および、請求項7の画像処理方法のプログラムによって登録されたマスクデータおよび原本画像を取得する手段、並びに、
    前記取得したマスクデータを用いることで請求項7の画像処理方法のプログラムを実行することによって画像スキャン手段が発生するノイズを対象から除外して、前記用紙のスキャン画像を前記原本画像と照合する手段
    として機能させることを特徴とするプログラム。
  9. 請求項7および/または請求項8のプログラムを記憶したことを特徴とする記憶媒体。
  10. 用紙を構成する繊維の特徴を基に該用紙の原本性保証のための画像処理を行う画像処理装置であって、
    画像スキャン手段により原稿台上の用紙をスキャンして得られた第1の画像データを取得する手段、
    前記画像スキャン手段により前記用紙を前記原稿台の異なる位置でスキャンして得られた第2の画像データを取得する手段、および、
    前記画像スキャン手段の原稿台上のノイズを前記第1および第2の画像データに基づいて除去する手段、
    前記除去する手段により除去された画像データに基づく前記繊維の情報を登録する登録手段を備えたことを特徴とする画像処理装置。
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