JP2007168013A - 工具刃先位置演算方法及び工作機械 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】工具主軸13にテストバー37を装着し、刃先位置を演算すべき使用工具が加工に用いられるときと同じ角度位置に傾斜送り軸を割出し、刃先位置測定手段の測定センサ19によりテストバー37の長短2つの基準点39、41の位置を測定する。傾斜送り軸の割出し角度、工具主軸13の前端面23から使用工具の刃先までの距離、工具主軸13の前端面23からテストバー37の2つの基準点39、41までの各距離及びテストバー37の2つの基準点39、41の測定した位置のデータに基づき、使用工具の刃先位置を演算する。
【選択図】図1
Description
特許文献1は、門形マシニングセンタのユニバーサルアタッチメント、すなわちA軸とC軸を有する主軸頭の工具主軸に工具(ボールエンドミル)を装着し、工具がワークの加工すべき傾斜面に垂直となるようにA軸、C軸を傾け、その状態で刃先位置測定装置により工具の刃先位置を測定し、設計上の刃先位置と比較して、両者のずれ量ΔX、ΔY、ΔZを算出し、このずれ量ΔX、ΔY、ΔZに基づいて刃先位置を補正する刃先位置測定装置及び刃先位置補正方法を開示している。
特許文献2は、複合加工旋盤のB軸を有する工具主軸台の工具主軸に工具を装着し、傾斜加工を行う際、工具主軸台を傾斜させ、工具刃先がツールプリセッタ(工具刃先位置測定手段)のタッチセンサに接触するようにし、その時の刃先位置測定値から工具主軸台が水平のときの基準工具補正量Lx、Lzを算出するツールプリセッタ及び工具補正量算出方法を開示している。
特許文献2は、工具の刃先がタッチセンサに接触できる角度にB軸を傾斜させ、その状態で工具の刃先位置を測定し、B軸が水平のときの基準工具補正量Lx、Lzを算出しているものの、工具を本当に測定すべき角度に位置決めして刃先位置を求めていないので、依然として傾斜送り軸の製作誤差や歯車のバックラッシ等の影響を含んだ実際の傾斜割出し角度における刃先位置を求めることはできない問題点がある。
使用工具が加工に用いられるときと同じ角度位置に工具主軸が傾斜しているときのテストバーの複数の基準点の位置を測定するので、工具主軸の中心軸線がX、Y、Z軸座標における関数として認識される。この関数に使用工具の工具主軸の前端面から刃先までの距離、すなわち工具長を当てはめることにより工具主軸傾斜時の使用工具の刃先位置を演算することができる。
工具主軸を複数の角度位置に割出し、その割出し角度位置においてテストバーの複数の基準点の位置を測定して記憶するので、結局、複数の角度位置で工具主軸の中心軸線がX、Y、Z軸座標における関数として認識される。ある傾斜角度位置における工具主軸の中心軸線の関数に、使用工具の工具主軸の前端面から刃先までの距離、すなわち工具長を当てはめることにより、その傾斜角度位置における使用工具の刃先位置を演算することができる。記憶していない主軸傾斜角度位置における工具主軸の中心軸線の関数は、記憶した前後の値から内挿して求めればよい。
工具主軸の前端面から球部中心又は球部先端までの距離が既知の長短複数本の先端が球部に形成されたテストバー又はボールエンドミルをそれぞれ工具主軸に装着し、刃先位置測定手段によりテストバー又はボールエンドミルの球部中心位置又は球部先端位置を測定する。テストバー又はボールエンドミルの先端部は球状になっているので、傾斜送り軸がどのような角度位置に割出されていてもその球部中心位置又は球部先端位置を刃先位置測定手段で必ず測定することができる。
上記の第1番目に述べた工具刃先位置演算方法によって工具主軸傾斜時の使用工具の刃先位置を演算することができ、演算した使用工具の刃先位置のデータを用いて加工プログラム等で指令される刃先位置を補正してワークを加工する。
上記の第2番目に述べた工具刃先位置演算方法によって工具主軸傾斜時の使用工具の刃先位置を演算することができ、演算した使用工具の刃先位置のデータを用いて加工プログラム等で指令される刃先位置を補正してワークを加工する。
工具主軸13にテストバー37を装着し、A軸、C軸を所定の角度毎、例えば10度毎に割出して、テストバー37の軸線上の少なくとも2ヶ所に設けた基準点39、41の位置を測定してデータテーブルを作り、記憶する。この記憶したデータテーブルには、工具主軸13の前端面23からテストバー37の各基準点39、41までの距離及びA軸、C軸の角度位置も関連付けて格納されている。A軸、C軸の角度位置の情報は、オペレータが都度入力してもよいが、A軸、C軸の現在位置検出手段(図示せず)の出力又はNC装置のA軸、C軸の指令値を用いることができる。
本発明は、ドリル、フラットエンドミル、ラジアスエンドミル、フェースミル等先端部が球形状をしていない工具に限らず、先端部が球形状をしているボールエンドミルに適用することはもちろんできる。
また、本発明の工具刃先位置演算方法を実施する工作機械は、本実施の形態の横形マシニングセンタに限らず、立形マシニングセンタでも、傾斜送り軸付きのミーリングヘッドを備えた複合加工旋盤でもよい。
3 テーブル
7 旋回台
11 主軸頭
13 工具主軸
19 測定センサ
35 工具刃先位置測定手段
37 テストバー
39 基準点
41 基準点
Claims (5)
- 傾斜送り軸により工具主軸が傾斜したときに前記工具主軸に装着した工具の刃先位置を演算する工具刃先位置演算方法において、
前記工具主軸にテストバーを装着し、刃先位置を演算すべき使用工具が加工に用いられるときと同じ角度位置に前記傾斜送り軸を割出し、
刃先位置測定手段により前記テストバーの前記工具主軸の前端面からの距離が既知の長短複数の基準点の位置を測定し、
前記傾斜送り軸の割出し角度、予め測定した前記工具主軸の前端面から前記使用工具の刃先までの距離、前記工具主軸の前端面から前記テストバーの複数の基準点までの各距離及び測定した前記テストバーの各基準点の位置のデータに基づいて前記傾斜送り軸を加工に用いる角度位置に割出したときの前記工具主軸に装着した前記使用工具の刃先位置を演算することを特徴とした工具刃先位置演算方法。 - 傾斜送り軸により工具主軸が傾斜したときに前記工具主軸に装着した工具の刃先位置を演算する工具刃先位置演算方法において、
前記工具主軸にテストバーを装着し、
前記傾斜送り軸を予め定めた複数の角度位置に割出し、各割出し角度位置において刃先位置測定手段により前記テストバーの前記工具主軸の前端面からの距離が既知の長短複数の基準点の位置を測定し、
前記傾斜送り軸の複数の割出し角度、前記工具主軸の前端面から前記テストバーの複数の基準点までの各距離及び前記傾斜送り軸の各割出し角度位置における前記テストバーの各基準点の位置を基準データとして記憶し、
刃先位置を演算すべき使用工具が加工に用いられるときの前記傾斜送り軸の角度位置、予め測定した前記工具主軸の前端面から前記使用工具の刃先までの距離及び前記記憶した基準データに基づいて前記使用工具が加工に用いられるときの前記傾斜送り軸の角度位置における刃先位置を演算することを特徴とした工具刃先位置演算方法。 - 前記テストバーの前記工具主軸の前端面からの距離が既知の長短複数の基準点の位置の測定は、前記工具主軸の前端面から球部中心又は球部先端までの距離が既知の長短複数本の先端が球部に形成されたテストバー又はボールエンドミルをそれぞれ前記工具主軸に装着し、前記刃先位置測定手段により前記各テストバー又は前記各ボールエンドミルの球部の中心位置又は球部の先端位置を測定することである請求項1又は2に記載の工具刃先位置演算方法。
- 傾斜送り軸により工具主軸が傾斜したときに前記工具主軸に装着した工具の刃先位置を演算可能にした工作機械において、
A軸、B軸又はC軸の傾斜送り軸により工具主軸を傾斜可能にした主軸頭と、
前記主軸頭に対してX、Y、Z軸方向に相対移動する部位に設けられた接触式又は非接触式のセンサとX、Y、Z軸の現在位置検出手段とを用いて前記工具主軸に装着した工具の刃先位置を測定する刃先位置測定手段と、
前記工具主軸にテストバーを装着して、刃先位置を演算すべき使用工具が加工に用いられるときと同じ角度位置に前記主軸頭の傾斜送り軸を割出し、前記刃先位置測定手段により前記テストバーの前記工具主軸の前端面からの距離が既知の長短複数の基準点の位置を測定し、前記傾斜送り軸の割出し角度、前記工具主軸の前端面から前記テストバーの複数の基準点までの各距離及び前記テストバーの各基準点の位置のデータを記憶する記憶手段と、
予め測定した前記工具主軸の前端面から前記使用工具の刃先までの距離及び前記記憶手段に記憶したデータに基づき前記傾斜送り軸を加工に用いる角度位置に割出したときの前記工具主軸に装着した前記使用工具の刃先位置を演算する刃先位置演算手段と、
を具備し、前記刃先位置演算手段で演算した前記使用工具の刃先位置のデータを用いて加工のために指令される刃先位置を補正してワークを加工する工作機械。 - 傾斜送り軸により工具主軸が傾斜したときに前記工具主軸に装着した工具の刃先位置を演算可能にした工作機械において、
A軸、B軸又はC軸の傾斜送り軸により工具主軸を傾斜可能にした主軸頭と、
前記主軸頭に対してX、Y、Z軸方向に相対移動する部位に設けられた接触式又は非接触式のセンサとX、Y、Z軸の現在位置検出手段とを用いて前記工具主軸に装着した工具の刃先位置を測定する刃先位置測定手段と、
前記工具主軸にテストバーを装着して、前記主軸頭の傾斜送り軸を予め定めた複数の角度位置に割出し、各割出し角度位置において前記刃先位置測定手段により前記テストバーの前記工具主軸の前端面からの距離が既知の長短複数の基準点の位置を測定し、前記傾斜送り軸の複数の割出し角度、前記工具主軸の前端面から前記テストバーの複数の基準点までの各距離及び前記傾斜送り軸の各割出し角度位置における前記テストバーの各基準点の位置を基準データとして記憶する記憶手段と、
刃先位置を演算すべき使用工具が加工に用いられるときの前記傾斜送り軸の角度位置、予め測定した前記工具主軸の前端面から前記使用工具の刃先までの距離及び前記記憶手段に記憶した基準データに基づいて前記使用工具が加工に用いられるときの傾斜角度における刃先位置を演算する刃先位置演算手段と、
を具備し、前記刃先位置演算手段で演算した前記使用工具の刃先位置のデータを用いて加工のために指令される刃先位置を補正してワークを加工する工作機械。
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