JP2007099741A - フルオレン骨格を有する化合物およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】酸触媒の存在下で、フルオレノン類と、ヒドロキシル基を有する縮合多環式炭化水素とを反応させ、下記式(1)で表されるフルオレン骨格を有する化合物を得る。
(式中、環Z1およびZ2は縮合多環式炭化水素環、R1a、R1bおよびR2は同一又は異なって置換基を示す。k1およびk2は同一又は異なって0〜4の整数を示し、mは0又は1以上の整数、nは1以上の整数を示す。)
上記式(1)で表される代表的な化合物には、9,9−ビス[(ポリ)ヒドロキシナフチル]フルオレン類などが含まれる。
【選択図】なし
Description
上記式(1)において、環Z1およびZ2は、縮合芳香族炭化水素環であってもよく、特に、前記式(1)で表される化合物は、環Z1およびZ2がナフタレン環である化合物、例えば、下記式(1a)で表される化合物であってもよい。
上記式(1a)において、n1は1以上であってもよい。特に、上記式(1a)において、n1が1であり、n2が0であってもよい。
上記式(3)で表される化合物は、ナフトール類(例えば、2−ナフトールなど)であってもよい。
上記式(1)において、環Z1および環Z2で表される縮合多環式炭化水素環に対応する縮合多環式炭化水素としては、縮合二環式炭化水素(例えば、インデン、ナフタレンなどのC8-20縮合二環式炭化水素、好ましくはC10-16縮合二環式炭化水素)、縮合三環式炭化水素(アントラセン、フェナントレンなど)などの縮合2乃至4環式炭化水素などが挙げられる。好ましい縮合多環式炭化水素としては、縮合多環式芳香族炭化水素(ナフタレン、アントラセンなど)が挙げられ、特にナフタレンが好ましい。なお、環Z1およびZ2はそれぞれ同一の又は異なる環であってもよく、通常、同一の環であってもよい。
上記式(1a)において、m1およびm2は、それぞれ、前記mに対応しており、m1は、0〜4(例えば、1〜3)であればよく、好ましくは0〜2、さらに好ましくは0〜1である。また、m2は、0〜3(例えば、1〜3)であればよく、好ましくは0〜2、さらに好ましくは0〜1である。なお、m1およびm2は、それぞれのナフタレン環において、同一又は異なる数であってもよく、また、異なるナフタレン環において同一又は異なる数であってもよい。また、置換基R2は、前記と同じであり、同一のナフタレン環及び異なるナフタレン環においてそれぞれ、同一又は異なる置換基であってもよい。
前記式(1)で表されるフルオレン骨格を有する化合物は、特に限定されないが、通常、酸触媒の存在下で、下記式(2)で表されるフルオレノン類(9−フルオレノン類)と、下記式(3)で表されるアルコール類とを反応させることにより製造できる。
上記式(2)で表されるフルオレノン類(以下、単にフルオレノン類という場合がある)は、前記式(1)で表される化合物のフルオレン骨格に対応しており、代表的なフルオレノン類は、9−フルオレノンである。なお、使用するフルオレノン類の純度は、特に限定されないが、通常、95重量%以上、好ましくは99重量%以上である。
撹拌器、冷却器、および温度計を備えた1Lのガラス容器に純度99%のフルオレノン36gとβ−ナフトール138.40g、β−メルカプトプロピオン酸7ml、トルエン180gを仕込んだのち、さらに98%硫酸17.3mlを仕込み、60℃で6時間攪拌することにより反応を行った。6時間攪拌後の反応生成物(反応液)を、HPLCで確認した結果、フルオレノンの残存量は0.1%以下であった。
実施例1で得られた化合物[6,6−(9−フルオレニリデン)−ジ(2−ナフトール)]に、フェノールノボラック樹脂(大日本インキ(株)製、商品名「PD2131」)を混合して硬化させることにより、ガラス転移温度(Tg)185℃、線膨張係数5.8×10-5K-1の硬化物を得た。
ビスフェノールAに、フェノールノボラック樹脂(大日本インキ(株)製、商品名「PD2131」)を混合して硬化させることに硬化物を得た。硬化物のガラス転移温度(Tg)は119℃、線膨張係数は6.7×10-5K-1であった。
9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンに、フェノールノボラック樹脂(大日本インキ(株)製、商品名「PD2131」)を混合して硬化させることに硬化物を得た。硬化物のガラス転移温度(Tg)は150℃、線膨張係数は6.3×10-5K-1であった。
実施例1において、β−ナフトール138.40gに代えて、α−ナフトール138.40gを用いる以外は実施例1と同様にして反応および精製を行った。その結果、目的生成物である5,5−(9−フルオレニリデン)−ジ(1−ナフトール)33.0g(収率36.6%)が得られた。
撹拌器、冷却器、温度計及び塩化水素ガス導入管を備えた1Lのガラス容器に純度99%のフルオレノン36gとβ−ナフトール138.40g及びβ−メルカプトプロピオン酸25mlを仕込み、50℃で加熱撹拌し、フルオレノンを完全に溶解させた。塩化水素ガスを200ml/分で吹き込むことにより反応を開始し、反応温度を70℃に保ち、10時間反応を継続した。反応終了後、窒素ガスを5L/分で30分間吹き込み、反応器内に残留する塩化水素ガスを追い出した。
実施例4において、β−ナフトール138.40gに代えてα−ナフトール138.40gを用いる以外は実施例4と同様にして反応および精製を行った。その結果、目的生成物である5,5−(9−フルオレニリデン)−ジ(1−ナフトール)26.4gを収率29%で得た。
Claims (10)
- 式(1a)において、n1が1以上である請求項2記載の化合物。
- 式(1a)において、n1が1であり、n2が0である請求項2記載の化合物。
- 式(3)で表される化合物がナフトール類である請求項5記載の製造方法。
- 酸触媒およびチオール類の存在下で反応させる請求項5記載の製造方法。
- チオール類がメルカプトC2-6カルボン酸である請求項7記載の製造方法。
- 酸触媒が硫酸であり、チオール類を、フルオレノン類1重量部に対して0.05〜0.5重量部および硫酸1重量部に対して0.05〜0.5重量部の割合で使用する請求項7記載の製造方法。
- 熱硬化性樹脂の原料に用いる請求項1記載の化合物。
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