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JP2006133518A - 画像形成装置及びそのプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】 スキャナモータの起動時に温度検出手段によらずにその温度に応じて適切な処理を行う。
【解決手段】 スキャナモータ25が第1期間T1内に目標とする回転速度Spdより小さい第1基準速度Sp1に達した場合(S100:Yes)には、スキャナモータ25が常温で動作していると判断できるため、直ちに用紙3の搬送や画像形成処理を開始する。また、スキャナモータ25が第1期間T1内に第1基準速度Sp1に到達せず(S100:No)、かつ第1期間T1より後の第2期間T2内に第2基準速度Sp2に到達した場合(S104:Yes)にはスキャナモータ25が低温のため低加速状態になっていると判断できる。この場合には、スキャナモータ25が目標とする回転速度Spdに到達したか否かを判断して、到達したと判断されてから(S105:Yes)画像形成処理を開始する。
【選択図】 図6

Description

本発明は、ポリゴンミラーを回転させるスキャナモータを備えた画像形成装置及びそのプログラムに関する。
従来よりレーザプリンタ等の画像形成装置として、光走査用のポリゴンミラーを回転させるスキャナモータを備えたものが知られている。スキャナモータは、その軸受部に通常油等の流体が使用されている。この流体は温度依存性が高いため、低温時には常温時に比べてスキャナモータの起動から所定の回転速度に到達するまでの時間が長くなりやすい。このため、低温時には、スキャナモータが正常な状態であっても、定められた期間内に基準速度に到達できずに、スキャナモータの故障として誤検知されてしまうことがある。
これに対し、特許文献1には、装置温度を検出する温度検出手段を設けて、この温度検出手段により低温状態であると判断された場合には、スキャナモータが実使用できる回転数まで上がったと判断する所定期間を温度に応じて通常時よりも延長することで、スキャナモータ故障の誤検知を防止する技術が開示されている。これにより、スキャナモータ故障の誤検知を抑えることができる。
特開2001−83451公報
しかしながら、上記従来技術においては、部品点数が増えるとともに、構成が複雑化し、コストかかる。
また、近年ではファーストプリントアウトタイム(最初の一枚のプリントを完了するまでの時間)の短縮が要望されているが、スキャナモータをレディ状態と判断する時間を温度によって一律に決めた場合、機体差や条件によっては、(1)その時間内にレディとならなかったり、逆に(2)その時間が終了する前にレディ状態となったりすることがあり、(1)の場合には正常にプリントできなかったり、(2)の場合にはレディ状態から実際にプリントを開始するまでに無駄な時間が経過してしまうことがある。さらには、一定時間後に強制的にレディ状態と判断するので、スキャナモータが実際に故障しているのか否かを判断することができない。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、スキャナモータの起動時に温度検出手段によらずにその温度に応じて適切な処理を行うことを可能とする画像形成装置及びそのプログラムを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するための手段として、請求項1の発明に係る画像形成装置は、光走査用のポリゴンミラーを回転させるためのスキャナモータを備えた画像形成装置において、前記スキャナモータの回転速度と対応する速度情報を検出する速度情報検出手段と、前記速度情報に基づいて、前記スキャナモータが駆動開始から第1期間内に光走査時における回転速度よりも低い第1基準速度に到達したか否かを判断する第1判断手段と、前記第1判断手段により前記スキャナモータが前記第1期間内に前記第1基準速度に到達していないと判断された場合に、前記速度情報に基づいて、前記スキャナモータが前記第1期間より後に前記第1基準速度以上の第2基準速度に到達したか否かを判断する第2判断手段と、前記第1判断手段により前記スキャナモータが前記第1期間内に前記第1基準速度に到達したと判断された場合、及び前記第2判断手段により前記スキャナモータが前記第2基準速度に到達したと判断された場合に、画像形成処理を開始する画像形成手段と、を備えたところに特徴を有する。
請求項2の発明は、請求項1に記載のものにおいて、前記第2判断手段は、前記スキャナモータが前記第2基準速度に到達したか否かを判断するにあたって、前記第1期間より後の第2期間内に到達したか否かを判断するところに特徴を有する。
請求項3の発明は、請求項2に記載のものにおいて、前記第2判断手段により前記スキャナモータが前記第2期間内に前記第2基準速度に到達していないと判断された場合に、前記スキャナモータの故障と判定する故障判定手段を備えたところに特徴を有する。
請求項4の発明は、請求項2または請求項3に記載のものにおいて、前記第1基準速度は、前記第2基準速度と等しい値に設定され、前記第2判断手段により前記スキャナモータが前記第2期間内に前記第2基準速度に到達したと判断された場合に、前記速度情報に基づいて、前記スキャナモータが前記第1期間より後の第3期間に前記第2基準速度よりも大きな第3基準速度に到達したか否かを判断する第3判断手段を備え、前記画像形成手段は、前記第3判断手段により前記スキャナモータが前記第3期間内に第3基準速度に到達したと判断された場合に、画像形成処理を開始するところに特徴を有する。
請求項5の発明は、請求項4に記載のものにおいて、前記故障判定手段は、前記第3判断手段により前記スキャナモータが前記第3期間内に前記第3基準速度に到達していないと判断された場合に、前記スキャナモータの故障と判定するところに特徴を有する。
請求項6の発明に係る画像形成装置のプログラムは、光走査用のポリゴンミラーを回転させるためのスキャナモータを備えた画像形成装置に設けられたコンピュータに、前記スキャナモータの回転速度と対応する速度情報を検出する速度情報検出処理と、前記速度情報に基づいて、前記スキャナモータが駆動開始から第1期間内に光走査時における回転速度よりも低い第1基準速度に到達したか否かを判断する第1判断処理と、前記第1判断手段により前記スキャナモータが前記第1期間内に前記第1基準速度に到達していないと判断された場合に、前記速度情報に基づいて、前記スキャナモータが前記第1期間より後に前記第1基準速度以上の第2基準速度に到達したか否かを判断する第2判断処理と、を実行させるところに特徴を有する。
<請求項1及び請求項6の発明>
スキャナモータが第1期間内に第1基準速度に達した場合には、スキャナモータが常温で動作していると判断できる。通常、画像形成開始から実際に露光を開始するまでには、用紙の搬送時間等がかかり例えば数秒は遅れる。そのため、第1基準速度に到達してからその数秒内に光走査時の速度に加速できるようにその第1基準速度を設定すれば、ファーストプリントアウトタイムを短縮できる。また、スキャナモータが第1期間内に第1基準速度に到達せず、かつ第1期間より後に第2基準速度に到達した場合にはスキャナモータが低温のため低加速状態になっていると判断できる。これにより、スキャナモータの温度に応じて適切な時期に画像形成処理を開始することが可能となる。従って、温度検出手段を別に設ける必要がないので、構成が簡単であり、コストを抑えることができる。
<請求項2の発明>
第2判断手段において、スキャナモータが第2基準速度に到達したか否かを判断する第2期間を定めることで、スキャナモータが低加速状態なのかそうでないのかを判断できるため、スキャナモータの状態に応じた処理を行うことができる。
<請求項3の発明>
スキャナモータが第1期間内に第1基準速度に到達しなかった場合には、スキャナモータが第2期間内に第2基準速度に到達するか否かでスキャナモータが低加速状態なのかあるいは故障なのかを判定できるため、スキャナモータが低加速状態であるのに故障と誤検知することを防止できる。
<請求項4の発明>
各基準速度と光走査時の回転速度との差を大きく設定すれば、より早い段階でスキャナモータが基準速度に到達したか否かが判断でき、ファーストプリントアウトタイムを短くすることが可能となる。しかし、特にスキャナモータが低加速状態の場合に、基準速度と光走査時の回転速度との差が大きくなると、スキャナモータがその基準速度に到達してから光走査時の回転速度に至るまでにかかる時間が環境条件によってばらつき易くなる。このため、スキャナモータが基準速度に到達したと判断されてから実際に画像形成を開始するまでの時間設定が難しくなり、その時間設定が短すぎるとスキャナモータが目標の回転速度に至る前に画像形成が始まって形成される画像に悪影響を与えるおそれがあり、反対に、同時間設定を長く取ると無駄な待ち時間が増えてファーストプリントアウトタイムが長くなってしまうという問題が生じる。これに対し、本構成では、第1基準速度(及び第2基準速度)を比較的小さい値に設定して、第3基準速度をそれより大きい値に設定することで、通常時には、スキャナモータが第1基準速度に到達したか否かを早期に判断してファーストプリントアウトタイムの短縮を図り、低温時には、スキャナモータが第1基準速度より大きな第3基準速度に到達するのを待ってから画像形成を行うことで、確実に画像形成を行うことができる。ここで、第3基準速度を光走査時の速度と等しく設定すれば、より確実に画像形成を行うことができる。
<請求項5の発明>
スキャナモータが第3時間内に第3基準速度に到達しない場合には、スキャナモータの故障と判定するため、適切に対処することができる。
本発明の一実施形態を図1ないし図8を参照しつつ説明する。
まず、図1及び図2を参照し、全体構成について説明する。図1は、画像形成装置の一例たるレーザプリンタ1(以下、単にプリンタ1ともいう)を例示する斜視図である。また、図2は、プリンタ1の要部側断面図である。なお、図2においては、プリンタ1を後述する各種ローラの軸方向から見た図となっており、この図における右側を手前側、左側を奥側と呼ぶこととする。
(全体構成)
図1に示すように、プリンタ1には本体ケーシング2が設けられており、その本体ケーシング2の内部には、図2に示すように、用紙3を給紙するためのフィーダ部4や、給紙された用紙3に所定の画像を形成するための画像形成部5などを備えている。また、図1、図2に示すように、プリンタ1の上部には、プリンタ1により画像形成され、排出された用紙3を保持するために用いられる排紙トレイ46を備えている。
本体ケーシング2の一方側の側壁には、プロセスユニット17を着脱するための着脱口48が形成されており、その着脱口48を開閉するためのフロントカバー49が設けられている。このフロントカバー49は、その下端部に挿通されたカバー軸(図示せず)に回動自在に支持されている。これによって、フロントカバー49をカバー軸を中心として閉じると、図1、図2に示すように、フロントカバー49によって着脱口48が閉鎖され、フロントカバー49をカバー軸を支点として開くと(傾倒させると)、着脱口48が開放され、この着脱口48を介して、プロセスユニット17を本体ケーシング2に対して着脱させることができるようになっている。
図2に示すように、フィーダ部4は、給紙トレイ6と、給紙トレイ6内に設けられた用紙押圧板7と、給紙トレイ6の一端側端部の上方に設けられるピックアップローラ11、給紙ローラ8および分離パッド9と、給紙ローラ8に対向するピンチローラ10と、紙粉取りローラ50と、紙粉取りローラ50に対し用紙3の搬送方向の下流側に設けられるレジストローラ12とを備えている。
給紙トレイ6は、本体ケーシング2内の底部に着脱可能に装着されており、この中に用紙3を積層して収納するために用いられる。この給紙トレイ6は、内部に用紙3を補給する際等に、プリンタ1の手前側(図2においては右側)に引き出される。このとき、フィーダ部4は、給紙ローラ8と分離パッド9との間で分離され、ピンチローラ10と分離パッド9と分離パッド9の裏側に配設されるバネ13とが、給紙トレイ6と一体となって引き出される。
用紙押圧板7は、給紙ローラ8に対して遠い方の端部において揺動可能に支持されることによって、給紙ローラ8に対して近い方の端部が上下方向に移動可能とされ、図示しないバネにより上方向に付勢されている。このため、用紙押圧板7は、用紙3の積層量が増えるに従って、給紙ローラ8に対して遠い方の端部を支点として、バネの付勢力に抗して下向きに揺動される。
ピックアップローラ11は、用紙押圧板7により給紙トレイ6内の最上位に積層された用紙3に当接するよう設定されており、給紙ローラ8により用紙3を搬送可能な位置(給紙ローラ8と分離パッド9の間の位置)まで送る。なお、ピックアップローラ11及び給紙ローラ8は、メインモータ118(図3)からの動力によって回転駆動され、CPU230(図4)から用紙ピックアップ信号P3が出力されたときにその駆動が開始されるように構成されている。
分離パッド9は、給紙ローラ8に対向する位置に配設されている。そして分離パッド9の裏側に配設されるバネ13によって、給紙ローラ8に向かって押圧されている。また、この分離パッド9は、複数の用紙3が重なった状態で搬送経路内に供給されることを防止するための機能を備えている。即ち、ピックアップローラ11により送られてきた用紙3は、給紙ローラ8と分離パッド9とに接触する。このとき、分離パッド9と用紙3との間には、適度な摩擦力が加えられるので、ピックアップローラ11により複数の用紙3が分離パッド9まで送られてきたとしても、最上位に位置する用紙3以外の用紙3は分離パッド9により係止される。このため、給紙ローラ8からは1枚毎に用紙3が供給される。そして、給紙ローラ8により給紙された用紙3は、紙粉取りローラ50によって、紙粉が取り除かれた後、レジストローラ12に送られる。
レジストローラ12は、1対のローラから構成されており、給紙ローラ8の近傍に配置された用紙位置センサ64による検知タイミングに基づいて、駆動および停止の動作が基板内に配置された制御装置(図示省略)により制御される。そして、この制御により用紙3の斜行が修正される。即ち、制御装置は、給紙ローラ8による用紙3の搬送時において、レジストローラ12は駆動している状態とし、用紙位置センサ64が用紙3の先端を検知すると、レジストローラ12を停止させる。そして、用紙3がレジストローラ12に接触し、弛んだ状態になった頃に、制御装置は再びレジストローラ12を駆動し、用紙3を画像形成部5による画像形成位置Pへ送るようにしている。なお、用紙位置センサ64は、機械式のものであり、用紙3の搬送経路内に突出した検知部が用紙3との接触により変位されると、用紙検知信号P4を出力するように構成されている。
また、給紙ローラ8のやや上方には、プリンタ1の手前側からレジストローラ12の位置に直接用紙3を給紙するための手差給紙口14が形成されており、給紙トレイ6に用紙3を収納することなく搬送経路に用紙3を供給することができる。
次に、画像形成部5は、画像形成手段に相当し、スキャナユニット16、プロセスユニット17、定着ユニット18などを備えている。
スキャナユニット16は、本体ケーシング2内の上部に設けられ、レーザ発光部(図示省略)、スキャナモータ25により回転駆動されるポリゴンミラー19、レンズ20および21、反射鏡22および23などを備えており、レーザ発光部から発光される所定の画像データに基づくレーザビームを、図2における一点鎖線で示すように、ポリゴンミラー19、レンズ20、反射鏡22、レンズ21、反射鏡23の順に通過あるいは反射させて、プロセスユニット17における感光体ドラム27の表面上に高速走査にて照射させている。なお、レーザ発光部は、CPU230(図4)により印字信号P5が出力されたときに前述のレーザビームを発光するように構成されている。
プロセスユニット17は、スキャナユニット16の下方に配設され、本体ケーシング2に対して略水平方向且つ前後方向(図2では左右方向)に着脱自在に装着されている。また、このプロセスユニット17は、ドラムカートリッジ26と、現像カートリッジ28とから構成されている。
ドラムカートリッジ26は、感光体ドラム27、スコロトロン型帯電器29、転写ローラ30を備えている。
現像カートリッジ28は、現像ローラ31、層厚規制ブレード32、トナー供給ローラ33およびトナーボックス34などを備えている。そして、この現像カートリッジ28は、ドラムカートリッジ26に対して着脱自在に装着されている。
また、トナーボックス34内には、トナー(現像剤)が充填されている。そして、トナーボックス34内のトナーは、トナーボックス34の中心に設けられる回転軸35に支持されるアジテータ36の矢印方向(時計回り方向)への回転により、攪拌されて、トナーボックス34に設けられたトナー供給口37から放出される。
トナー供給口37の側方位置には、トナー供給ローラ33が反時計回り方向に回転可能に配設されており、また、このトナー供給ローラ33に対向して、現像ローラ31が反時計回り方向に回転可能に配設されている。そして、これらトナー供給ローラ33と現像ローラ31とは、そのそれぞれがある程度圧縮するような状態で互いに当接されている。
トナー供給ローラ33は、金属製のローラ軸に、導電性の発泡材料からなるローラが被覆されている。また、現像ローラ31は、金属製のローラ軸に、磁気特性を持たない導電性のゴム材料からなるローラが被覆されている。より具体的には、現像ローラ31のローラ部分は、カーボン微粒子などを含む導電性のウレタンゴムまたはシリコーンゴムからなるローラ本体の表面に、フッ素が含有されているウレタンゴムまたはシリコーンゴムのコート層が被覆されている。なお、現像ローラ31には、現像バイアスが印加される。
また、現像ローラ31の近傍には、層厚規制ブレード32が配設されている。この層厚規制ブレード32は、金属の板バネ材からなるブレード本体の先端部に、絶縁性のシリコーンゴムからなる断面半円形状の押圧部40を備えており、現像ローラ31の近くにおいて現像カートリッジ28に支持されて、押圧部40がブレード本体の弾性力によって現像ローラ31上に圧接されるように構成されている。
そして、トナー供給口37から放出されるトナーは、トナー供給ローラ33の回転により、現像ローラ31に供給され、この時、トナー供給ローラ33と現像ローラ31との間で正に摩擦帯電され、さらに、現像ローラ31上に供給されたトナーは、現像ローラ31の回転に伴って、層厚規制ブレード32の押圧部40と現像ローラ31との間に進入し、ここでさらに十分に摩擦帯電されて、一定厚さの薄層として現像ローラ31上に担持される。
感光体ドラム27は、現像ローラ31の側方位置において、その現像ローラ31と対向するような状態で時計方向に回転可能に配設されている。この感光体ドラム27は、ドラム本体が接地されるとともに、その表面部分が、ポリカーボネートなどから構成される正帯電性の感光層により形成されている。この感光体ドラム27は、CPU230(図4)により印字信号P5が出力されたときに、メインモータ118(図3)からの動力によって回転駆動されるように構成されている。
スコロトロン型帯電器29は、感光体ドラム27に接触しないように、所定の間隔を隔てて配設されている。このスコロトロン型帯電器29は、感光体ドラム27の半径方向において、水平方向から約30度上方に配置されている。また、このスコロトロン型帯電器29は、このタングステンなどの帯電用ワイヤからコロナ放電を発生させる正帯電用のスコロトロン型の帯電器であり、感光体ドラム27の表面を一様に正極性に帯電させるように構成されている。
そして、感光体ドラム27の表面は、その感光体ドラム27の回転に伴って、まず、スコロトロン型帯電器29により一様に正帯電された後、外部から入力された画像データに基づきスキャナユニット16からのレーザビームの点灯、消灯を伴う高速走査により露光され、その画像データに基づく静電潜像が形成される。
次いで、現像ローラ31の回転により、現像ローラ31上に担持されかつ正帯電されているトナーが、感光体ドラム27に対向して接触する時に、感光体ドラム27の表面上に形成される静電潜像、即ち、一様に正帯電されている感光体ドラム27の表面のうち、レーザビームによって露光され電位が下がっている露光部分に供給され、選択的に担持されることによって可視像化され、これによって反転現像が達成される。
転写ローラ30は、感光体ドラム27の下方において、この感光体ドラム27に対向するように配置され、ドラムカートリッジ26に反時計方向に回転可能に支持されている。この転写ローラ30は、金属製のローラ軸に、イオン導電性のゴム材料からなるローラが被覆されており、転写時には、転写バイアス(転写順バイアス)が印加されるように構成されている。そのため、感光体ドラム27の表面上に担持された可視像は、用紙3が感光体ドラム27と転写ローラ30との間を通る間に用紙3に転写される。
定着ユニット18は、プロセスユニット17よりも用紙搬送方向下流側(奥側)に配設され、ギヤが形成された加熱ローラ41、加熱ローラ41を押圧する押圧ローラ42、および、サーモスタット18aを備えている。また、これらの加熱ローラ41、およびサーモスタット18aは、カバー18bにより覆われている。
加熱ローラ41は、金属からなる筒状体であり、その内部に加熱のためのハロゲンランプを備えている。
押圧ローラ42の下方には、この押圧ローラ42を下方から加熱ローラ41の中心軸方向に回転可能に押圧(付勢)するバネ42aが設けられている。また、この押圧ローラ42は、加熱ローラ41または用紙3と密着し、加熱ローラ41の回転駆動に従動して回転するよう構成されている。
サーモスタット18aは、例えばバイメタルからなり、加熱ローラ41から発生される熱に応じて、加熱ローラ41を加熱するためのヒータの電源をON・OFFし、加熱ローラ41が異常な高温に加熱されないようにしている。
カバー18bは、加熱ローラ41から発生される熱が定着ユニット18から定着ユニット18外に放出され、本体ケーシング2内の他の機器(例えば、スキャナユニット16等)に悪影響を与えることがないように、加熱ローラ41の側方および上方を覆うような形状を有している。ここで、このカバー18bは、押圧ローラ42については、その中心軸(図示省略)のみをバネ42aの付勢方向に移動可能、且つ回転可能に支持しているのみであり、この押圧ローラ42の下半分は、カバー18bから露出した状態になっている。
このような定着ユニット18において、加熱ローラ41は、プロセスユニット17において用紙3上に転写されたトナーを、用紙3が加熱ローラ41と押圧ローラ42との間を通過する間に加熱および加圧することにより用紙3に定着させる。さらに、加熱ローラ41は、画像定着後の用紙3を、ガイド部材52、53により形成される排紙パスを介して、排出ローラ45まで搬送する。そして、排出ローラ45は、送られてきた用紙3を排紙トレイ46上に排紙する。
また、このプリンタ1において、前述の各種ローラ、ポリゴンミラー19等を駆動制御するための制御装置が搭載された基板は、用紙3が搬送される搬送経路の両側面(プロセスユニット17を側面から挟むような位置)に配置されている。
(モータ駆動装置の構成)
1.全体構成
次に、上述のスキャナモータ25やメインモータ118を駆動するモータ駆動装置について説明する。図3は、モータ駆動装置の全体的構成を概念的に説明するブロック図である。また、図4は、モータ駆動装置のうち、主としてスキャナモータ25を駆動する部分を説明するためのフィードバック制御部201a(201)の構成を示すブロック図である。なお、図4では、スキャナモータ25に対応したもの(速度検出部236a、フィードバック制御部201a、PWM信号生成部240a、相切替部234等)のみを例示しているが、メインモータ118についても同様の速度検出部236b、相切替部(図示略)、フィードバック制御部201b、PWM信号生成部240bが設けられている。
図3に示すように、モータ駆動装置は、ASIC200と、2つのモータドライバ250a、250bとを備えた構成をなしている。ASIC200とモータドライバ250a、250bとはそれぞれ別々の基板に設けられている。ASIC200は制御回路に相当するものであり、デジタル入出力が可能に構成され、デジタル処理を行うように構成されている。また、モータドライバ250a,250bは、ASIC200からのデジタル信号出力に基づいて、それぞれスキャナモータ25、メインモータ118の駆動を行うように構成されている。また、ASIC200内には図4のようにCPU230が設けられており、外部にはROM260、RAM262等の記憶手段が接続されている。なお、ROM260には、このプリンタ1で実行される各種プログラム(スキャナモータ25の起動後処理を実行するプログラムを含む)が記憶されている。
また、図3及び図4に示すように、ASIC200には各モータに対応して速度検出部236a,236b、相切換部234、フィードバック制御部201a,201b、PWM信号生成部240a,240bが設けられている。なお、各速度検出部236a、236bを速度検出部236とも総称するものとし、フィードバック制御部201a、201bを、フィードバック制御部201とも総称するものとする。
2.速度検出部
スキャナモータ25には、速度情報検出手段として、FG(Frequency Generator)信号生成部252が設けられている。FG信号生成部252は、基板上にパターニングされたFGパターンと、スキャナモータ25のロータ基板側に設けられた磁石とを備えて構成されており、これらFGパターンと磁石とにより回転周波数に応じた波形をなす信号がモータドライバ250aに入力されるようになっている。モータドライバ250aは、このFG信号生成部252からの信号を増幅し、かつデジタル信号に変換し、回転速度に応じた波形のFG(Frequency Generator)信号(速度情報に相当)としてASIC200に出力する。一方、ASIC200における速度検出部236では、このFG信号に基づいてスキャナモータ25の回転速度が検出できるように構成されている。
また、スキャナユニット16(図2)には、FG信号生成部252とは別のスキャナモータ25の速度情報検出手段として用いることができる、ポリゴンミラー19にて反射されるレーザビームを検出可能に構成されたBD(Beam Detector)センサ254が設けられている。このBDセンサ254は、通常レーザの1ライン毎の書き込みタイミングの調整に用いられ、ポリゴンミラーが所定角度となった場合に反射光が検出されるように構成されており、例えば、6面のポリゴンミラーが用いられる場合には、1回転で6回の反射光の検出が行われる。そして、反射光の検出に応じた出力がBDセンサからモータドライバ250aに入力され、モータドライバ250aにおいてデジタル信号に変換され、回転速度に応じた波形のBD信号(速度情報に相当)としてASIC200に出力される。このように構成されることにより、ASIC200における速度検出部236aでは、BD信号に基づいてスキャナモータ25の回転速度を検出できるように構成されている。
上述したように、ASIC200には、FG信号、BD信号がそれぞれ入力されるようになっており、速度検出部236aではこれら信号のうち少なくともいずれかの信号に基づいてスキャナモータ25の回転速度を検出することとなる。ここで、一般にレーザ照射による感光体劣化を防止するため、BD信号の検出(レーザの照射)はスキャナモータ25の回転速度が低い状態では行わない。
そのため、スキャナモータ25の回転速度が所定速度以下の場合(即ちポリゴンミラー19の回転速度が所定速度以下の場合)には、速度検出用の信号としてFG信号が採用され、所定速度を超える場合にはBD信号が採用されるようになっている。所定速度としては、例えば起動状態と定常状態とを区別する基準回転速度を用いることができ、このようにすれば、起動状態ではFG信号が用いられ、定常状態ではBD信号が用いられることとなる。このようにして検出されたスキャナモータ25の回転速度は、後述の処理(フィードバック演算処理部202における速度指令値算出処理、ゲイン切換制御部におけるゲイン切換処理、相切換部における相切換処理、あるいはCPU230における第1、第2判断処理など)に用いられることとなる。また、感光体劣化を考慮しなければBD信号のみを利用することもできるし、FG信号のみを利用しても良い。
なお、上述したように、図4ではスキャナモータ25に対応した速度検出部236aを説明したが、メインモータ118(図3参照)にも対応して速度検出部236bが設けられている。ただし、メインモータ118には同様のFG信号生成部(図示略)が設けられているもののBDセンサが設けられておらず、FG信号によって回転速度を検出するようにしている。
3.相切換部
また、図4に示すように、スキャナモータ25には、3つのホール素子256が設けられている。ホール素子256は、スキャナモータ25のロータの位置に応じて出力する構成をなすものであり、これらホール素子256からの出力はモータドライバ250aに入力されるようになっている。モータドライバ250aでは、ホール素子256からの出力がホール素子信号アンプ257(図3参照)にて増幅され、さらに図示しないA/D変換器にてデジタル信号に変換される。そして、このデジタル化されてなるホール素子信号がASIC200に出力されるようになっている。
ホール素子信号は、スキャナモータ25のロータの回転位置が特定可能となる波形の信号であり、このホール素子信号がモータドライバ250aを介してASIC200に入力されることにより、ASIC200内でロータの回転位置(ステータに対するロータの相対的な回転位置)が把握できるようになっている。
また、図4に示すように、ASIC200では、入力されるホール素子信号に基づいてロータの位置を把握しつつスキャナモータ25の相切替タイミングを決定し、かつ、その決定した相切替タイミングに基づくデジタル信号(相切替信号)をスキャナモータ25を駆動するモータドライバ250aに出力することとなる。
スキャナモータ25は3相モータとして構成されており、モータ巻線は、図示はしていないが3相のスター結線にて構成されている。一方、ホール素子256は、スキャナモータ25のロータの周囲に等間隔(例えば120°おき)に配置されており、各ホール素子256からのホール素子信号がそれぞれASIC200に入力されるようになっている。相切替部234は、ホール素子信号の立ち上がり又は立ち下がりを検出した場合、3相(U相、V相、W相)のうちのいずれか2つの相が互いに逆極に励磁される巻線電流が流れるように相切替信号を生成、出力する。そして、モータドライバ250a(図3)の巻線駆動部258ではその相切換信号に応じたスイッチングが行われる。
4.フィードバック制御部
また、図4に示すように、ASIC200には、スキャナモータ25に対応したフィードバック制御部201aと、メインモータ118に対応したフィードバック制御部201bとが設けられている。各フィードバック制御部201は、双方ともほぼ同様の構成をなし、各モータに対応する制御量(速度指令値)F1,F2を算出するように構成されている。ここでは、スキャナモータ25に対応したフィードバック制御部201aを例に挙げて説明する。
図4に示すように、フィードバック制御部201aは、ゲイン切替部206、ゲイン切替制御部218、フィードバック演算処理部202を有している。ゲイン切替制御部218は、ゲイン切替部206に対して所定の設定条件に応じた切替指令を出力し、ゲイン切替部206は、切替指令に応じたゲインを複数のゲイン設定部204a,204b,204c,及び204dから選択する。ゲイン設定部204a,204b,204c、204dは、ゲインの設定値を選択可能な状態で保持する構成をなしており、ゲイン切替部206によっていずれかのゲイン設定部に保持される設定値が選択されるように構成されている。
ゲイン切替制御部218は、スキャナモータ25の回転状況に基づいて、ゲイン切替部206にいずれかのゲインを選択する選択指令を出力するように構成されている。具体的には、スキャナモータ25が停止した状態から回転を開始した際に、所定の定常状態となるまでの間は起動用ゲインを選択する選択指令を出力し、定常状態となった場合には、起動用ゲインとは異なる定常用ゲインを選択する選択指令を出力する。
図5は、フィードバック演算処理部202の内部構成、及びフィードバック演算処理部202と他の部分との接続状態を概念的に示すブロック図である。フィードバック演算処理部202(フィードバック演算部202はフィードバック演算手段に相当する)では、ゲイン切換部206にて選択されたゲインと、速度検出部236によって検出されるスキャナモータ25の現在の回転速度とに基づいて、スキャナモータ25の制御量(速度指令値)が定められるようになっている。
本実施形態では、速度検出部236にて検出された現在の回転速度と目標速度との速度偏差を求める減算器271を備え、その速度偏差に対してそれぞれ積分ゲインを乗算する積分演算器275と、その積分演算器275による演算値の積分値を求めて積分制御値を算出する積分器273とを備えている。また、速度偏差に比例ゲインを乗算して比例制御値を算出する比例演算器277を有している。そして、積分制御値と比例制御値との和が制御量(速度指令値)として算出されるようになっている。この制御量(速度指令値)は電流制御部232に入力されることとなる。なお、比例演算器277で用いる比例ゲイン及び積分演算器275で用いる積分ゲインは、上述のゲイン切換部206によって選択される、起動用の比例ゲイン、定常用の比例ゲイン、起動用の積分ゲイン、定常用の積分ゲインが状況に応じて用いられるようになっている。
そして、算出された制御量(速度指令値)は、電流制御部232に入力され、条件に応じて抑制がなされる。この電流制御部232は、スキャナモータ25に供給される電流値をA2とし、メインモータ118に供給される電流値をB2とした場合に、それらA2とB2とを加算した加算電流値Eが、電源手段からの最大供給電流値D以下となるように供給電流の制御(具体的には、各PWM信号生成部に出力する速度指令値の制御)を行う。具体的には、スキャナモータ25に大電流を供給している場合(例えば起動開始後の期間)に、メインモータ118に供給される電流値B2が、メインモータ118に対し供給可能となる最大電流値B1よりも小さく抑えるように行われる。
その後、上記制御量(速度指令値)は、PWM信号生成部240aに入力される。そして、速度指令値に基づくPWM信号、或いは電流制御部232によって抑制された速度指令値に基づくPWM信号が、PWM信号生成部240aにて生成されて速度制御信号(デジタル信号)としてモータドライバ250aに対して出力されることとなる。モータドライバ250aは、このPWM信号(速度制御信号)に従ってスキャナモータ25を駆動することとなる。
(スキャナモータ起動後処理)
次に、例えば印刷指示を受けた場合などに、スキャナモータ25が停止した状態から駆動を開始したときのCPU230における処理(スキャナモータ起動後処理という)の流れについて説明する。なお、以下に述べるようにCPU230は、本発明の第1判断手段、第2判断手段、第3判断手段、及び故障判定手段として機能し、さらにスキャナモータ25の起動開始からの経過時間を計測するためのタイマとしても機能する。
図6は、CPU230がROM260に記録されているプログラムに従って行うスキャナモータ起動後処理の制御の流れを説明するフローチャートの一例である。また、図7及び図8は、それぞれスキャナモータ25の回転速度(rpm)と各信号の入出力タイミングとの関係を説明するタイミングチャートの一例であり、横軸は時間を示し、縦軸は回転速度若しくは信号の有無を示している。図7は、スキャナモータ25が常温で起動された場合のタイミングチャートであり、図8は、低温で起動された場合のタイミングチャートである。両図で示されるように、スキャナモータ25は、低温時に起動された場合には常温時に起動された場合に比べて緩やかに加速する。
スキャナモータ25の駆動が開始されると、CPU230においてタイマによる計時が開始される。そして、図6に示すように、S100にて駆動開始より第1期間T1内に第1速度検出信号P1を検出したか否かをタイマによる計時に基づいて判断する(第1判断処理)。ここで、第1速度検出信号P1は、スキャナモータ25の回転速度が第1基準速度Sp1(図7,8)に到達したときに生成されるものである。本実施形態では、CPU230において速度検出部236aからの速度検出信号N1に基づいてスキャナモータ25の回転速度を監視しており、その回転速度が第1基準速度Sp1と一致するかそれを上回る場合に第1速度検出信号P1が生成されたものとみなすようにしている。なお、この第1速度検出信号P1は、速度検出部236aで生成してCPU230へ出力するようにしても良い。また、第1基準速度Sp1は、目標となる光走査時におけるスキャナモータ25の回転速度Spdよりも小さい値に設定されている。本実施形態では、第1基準速度Sp1が回転速度Spdの92%の値に設定されており、一例としては、光走査時の回転速度Spdが30000ppmである場合に、第1基準速度Sp1は26600ppmに設定される。この第1基準速度Sp1は、その速度になったときに用紙ピックアップを開始しても感光体ドラム27に露光を開始するまでにはスキャナモータ25が光走査時の速度になっていると考えられる速度である。これは図7に示すように、常温であれば直線的に加速されるのでその速度をある程度予想しやすいことに基づいている。また、第1期間T1は、常温であればスキャナモータ25が第1基準速度Sp1に到達すると考えられる期間であり、これをスキャナモータ25が常温で正常に駆動されているか否かを判断するために用いており、例えば3.5秒に設定される。
第1期間T1内に第1速度検出信号P1が検出された場合(即ちスキャナモータ25の回転速度が第1期間T1内に第1基準速度Sp1に到達した場合)には、スキャナモータ25が常温で駆動されたと判断される。この場合は、S100にてYesに進み、その後、S101にて用紙ピックアップ信号P3を出力する。用紙ピックアップ信号P3が出力されると、メインモータ118によりピックアップローラ11及び給紙ローラ8の駆動が開始され、これにより給紙トレイ6内の用紙3の分離及び搬送が開始される。続いて、S102にて用紙位置センサ64からの用紙検知信号P4があるか否かが判断される。そして、用紙検知信号P4があった場合、即ち用紙位置センサ64により用紙3の先端が検知された場合には、続いてS103にて予め定められたタイミングで印字信号P5が出力される。印字信号P5が出力されると、レーザ発光部によるレーザビームの照射や感光体ドラム27の駆動等が開始され、用紙3上に画像形成が行われる。なお、スキャナモータ25が常温で起動された場合には、図7に示すように、スキャナモータ25の回転速度が光走査時の回転速度Spdより小さい第1基準速度Sp1に到達した時点で用紙3の搬送を開始しても、印字信号P5によってレーザビームの照射を開始する頃にはスキャナモータ25は既に目標とする回転速度Spdに到達している。こうして、画像形成処理が終了すると、再びスキャナモータ25が起動されるまで待機する。
上記第1期間T1内に第1速度検出信号P1が検出されない場合(即ちスキャナモータ25の回転速度が第1期間T1内に第1基準速度Sp1に到達しなかった場合)には、S100にてNoに進み、続いてS104にて第2期間T2内に第1速度検出信号P1が検出されたか否かをタイマによる計時に基づいて判断する(第2判断処理)。ここで、この第2判断処理は、スキャナモータ25が第2期間T2内に第2基準速度Sp2に到達したか否かを判断するものである。本実施形態では第2基準速度Sp2が第1基準速度Sp1と等しく設定されているため、第1速度検出信号P1の検出をもって第2基準速度Sp2に到達したと判断しているが、両基準速度Sp1,Sp2を異なる値に設定することもでき、この場合は第2基準速度Sp2に対応する別の速度検出信号の検出によって判断するようにすればよい。また、第2期間T2は、第1期間T1の終了時から開始される期間であって、例えば6.5秒に設定される。
第2期間T2内に第1速度検出信号P1が検出された場合(即ち、スキャナモータ25が第2期間T2内に第1基準速度Sp1(=第2基準速度Sp2)に到達した場合)には、スキャナモータ25が低温で起動されたために、低加速状態になっていると判断される。ここで常温であればスキャナモータ25は直線的に速度が上がるが(図7参照)、低温であれば曲線的となり、温度によりその曲率が変化するので、スキャナモータ25が第1基準速度Sp1に到達してから目標とする光走査時の回転速度Spdに到達するまでの時間t(図8参照)はばらつきやすい。このため、常温時のように直ちに用紙3の搬送や画像形成を始めると、レーザ発光部からレーザビームの照射が開始されるまでにスキャナモータ25が回転速度Spdに到達しないおそれがある。そこで、この場合には、S104にてYesに進み、続いてS105にて第3期間T3内に第2速度検出信号P2を検出したか否かをタイマによる計時に基づいて判断する(第3判断処理)。ここで、第2速度検出信号P2は、上記第1速度検出信号P1と同様にして、スキャナモータ25の回転速度が第3基準速度Sp3に到達したときに生成されるものである。第3基準速度Sp3は、第1基準速度Sp1よりも大きく、かつ光走査時の回転速度Spdと同じかそれよりも小さい値(即ち、「第1基準速度Sp1<第3基準速度Sp3≦光走査時の回転速度Spd」の関係)に設定され、本実施形態ではSpdと等しい値に設定されている。また、第3期間T3は、本実施形態では、第1速度検出信号P1が検出された時点から開始され、例えば10秒に設定される。
第3期間T3内に第2速度検出信号P2が検出された場合(即ちスキャナモータ25の回転速度が第3期間T3内に第3基準速度Sp3に到達した場合)には、スキャナモータ25が十分な回転速度に到達していると判断されるため、S105にてYesに進み、S101〜S103において常温時と同様に用紙の搬送や画像形成を行う。
上記第2期間T2内に第1速度検出信号P1が検出されない場合、及び第3期間T3内に第2速度検出信号P2が検出されない場合には、スキャナモータ25の故障と判定される。この場合には、S104若しくはS105にてNoに進み、例えばエラー情報の表示やスキャナモータ25の停止等のエラー処理を行う。
(本実施形態の効果)
以上のように本実施形態によれば、スキャナモータ25が第1期間T1内に第1基準速度Sp1に達した場合(S100:Yes)には、スキャナモータ25が常温で動作していると判断でき、また、スキャナモータ25が第1期間T1内に第1基準速度Sp1に到達せず(S100:No)、かつ第1期間T1より後に第2基準速度Sp2に到達した場合(S104:Yes)にはスキャナモータ25が低温のため低加速状態になっていると判断できる。これにより、スキャナモータ25の温度に応じて適切な時期に画像形成処理を開始することが可能となる。従って、温度検出手段を別に設ける必要がないので、構成が簡単であり、コストを抑えることができる。
また、第2判断処理(S104)において、スキャナモータ25が第2基準速度Sp2に到達したか否かを判断する第2期間T2を定めることで、スキャナモータ25が低加速状態なのかそうでないのかを判断できるため、スキャナモータ25の状態に応じた処理を行うことができる。
また、スキャナモータ25が第1期間T1内に第1基準速度Sp1に到達しなかった場合(S100:No)には、スキャナモータ25が第2期間T2内に第2基準速度Sp2に到達するか否かでスキャナモータ25が低加速状態なのかあるいは故障なのかを判定できる(S104)ため、スキャナモータが低加速状態であるのに故障と誤検知することを防止できる。
また、スキャナモータ25が光走査時の回転速度Spdに到達するよりも早い段階で、第1基準速度Sp1に到達したか否かが判断される(S100)ため、その分画像形成のプロセス(用紙3の搬送等)を早めることができ、ファーストプリントアウトタイム(最初の一枚のプリントを完了するまでの時間)を短くすることができる。
また、各基準速度と光走査時の回転速度Spdとの差を大きく設定すれば、より早い段階でスキャナモータ25がその基準速度に到達したか否かが判断でき、ファーストプリントアウトタイムを短くすることが可能となる。しかし、特にスキャナモータ25が低加速状態の場合に、基準速度と光走査時の回転速度Spdとの差が大きくなると、スキャナモータ25がその基準速度に到達してから光走査時の回転速度Spdに至るまでにかかる時間が環境条件によってばらつき易くなる。このため、スキャナモータ25が基準速度に到達したと判断されてから実際に画像形成を開始するまでの時間設定が難しくなり、その時間設定が短すぎるとスキャナモータ25が目標の回転速度Spdに至る前に画像形成が始まって形成される画像に悪影響を与えるおそれがあり、反対に、同時間設定を長く取ると無駄な待ち時間が増えてファーストプリントアウトタイムが長くなってしまうという問題が生じる。これに対し、本実施形態では、第1基準速度Sp1(及び第2基準速度)を比較的小さい値に設定して、第3基準速度Sp3をそれより大きい値に設定することで、通常時には、スキャナモータ25が第1基準速度Sp1に到達したか否かを早期に判断してファーストプリントアウトタイムの短縮を図り、低温時には、スキャナモータ25が第1基準速度Sp1より大きな第3基準速度Sp3に到達するのを待ってから画像形成を行うことで、確実に画像形成を行うことができる。
また、スキャナモータ25が第3期間T3内に第3基準速度Sp3に到達しない場合(S105:No)には、スキャナモータ25の故障と判定するため、適切に対処することができる。
<他の実施形態>
以上、本発明の一実施例について説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、例えば以下に示すような種々の態様を採ることができる。
(1)上記実施形態においては、レーザプリンタ1に本発明の画像形成装置としての構成を適用したものを例示した。しかし、本発明の画像形成装置としての構成を適用する装置は、画像形成の機能を有していれば、コピー機,ファクシミリ等についても同様に適用可能である。
(2)上記実施形態では、第2判断処理(S104)においてスキャナモータが第2基準速度に到達したと判断された場合(S104:Yes)に、スキャナモータが第3基準速度に到達したか否かを判断する第3判断処理(S105)を行うが、この第3判断処理を省略して、第2判断処理で第2基準速度に到達したと判断された場合(S104:Yes)に直接、用紙の搬送(S101)から画像形成処理を開始するようにしても良い。このとき、第2基準速度を光走査時の速度と等しい値に設定すれば、スキャナモータ25が実際に光走査時の速度になった時点で画像形成を行うことができるので、低温時においても確実に画像形成を行うことができる。
(3)上記実施形態では、第2判断処理においてスキャナモータが第2期間内に第2基準速度に到達したか否かを判断するようにしたが、本発明によれば、特に第2期間を定めなくても良く、第2基準速度に到達した時点で画像形成を開始するようにすれば良い。
本発明の一実施形態に係るレーザプリンタを例示する斜視図。 レーザプリンタの概略側断面図。 実施形態1に係るモータ駆動装置の構成を概念的に例示するブロック図 モータ駆動装置においてスキャナモータを駆動する部分について主に説明する説明図 フィードバック制御部の内部構成及び接続部分について説明する説明図 スキャナモータの起動後処理の流れを示すフローチャート 常温時におけるスキャナモータの回転速度と各信号の入出力タイミングとの関係を説明するタイミングチャート 低温時におけるスキャナモータの回転速度と各信号の入出力タイミングとの関係を説明するタイミングチャート
符号の説明
1…レーザプリンタ(画像形成装置)
5…画像形成部(画像形成手段)
19…ポリゴンミラー
25…スキャナモータ
230…CPU(第1判断手段、第2判断手段、第3判断手段、故障判定手段)
252…FG信号生成部(速度情報検出手段)
254…BDセンサ(速度情報検出手段)

Claims (6)

  1. 光走査用のポリゴンミラーを回転させるためのスキャナモータを備えた画像形成装置において、
    前記スキャナモータの回転速度と対応する速度情報を検出する速度情報検出手段と、
    前記速度情報に基づいて、前記スキャナモータが駆動開始から第1期間内に光走査時における回転速度よりも低い第1基準速度に到達したか否かを判断する第1判断手段と、
    前記第1判断手段により前記スキャナモータが前記第1期間内に前記第1基準速度に到達していないと判断された場合に、前記速度情報に基づいて、前記スキャナモータが前記第1期間より後に前記第1基準速度以上の第2基準速度に到達したか否かを判断する第2判断手段と、
    前記第1判断手段により前記スキャナモータが前記第1期間内に前記第1基準速度に到達したと判断された場合、及び前記第2判断手段により前記スキャナモータが前記第2基準速度に到達したと判断された場合に、画像形成処理を開始する画像形成手段と、
    を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記第2判断手段は、前記スキャナモータが前記第2基準速度に到達したか否かを判断するにあたって、前記第1期間より後の第2期間内に到達したか否かを判断することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記第2判断手段により前記スキャナモータが前記第2期間内に前記第2基準速度に到達していないと判断された場合に、前記スキャナモータの故障と判定する故障判定手段を備えたことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記第1基準速度は、前記第2基準速度と等しい値に設定され、
    前記第2判断手段により前記スキャナモータが前記第2期間内に前記第2基準速度に到達したと判断された場合に、前記速度情報に基づいて、前記スキャナモータが前記第1期間より後の第3期間に前記第2基準速度よりも大きな第3基準速度に到達したか否かを判断する第3判断手段を備え、
    前記画像形成手段は、前記第3判断手段により前記スキャナモータが前記第3期間内に第3基準速度に到達したと判断された場合に、画像形成処理を開始することを特徴とする請求項2または請求項3に記載の画像形成装置。
  5. 前記故障判定手段は、前記第3判断手段により前記スキャナモータが前記第3期間内に前記第3基準速度に到達していないと判断された場合に、前記スキャナモータの故障と判定することを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
  6. 光走査用のポリゴンミラーを回転させるためのスキャナモータを備えた画像形成装置に設けられたコンピュータに、
    前記スキャナモータの回転速度と対応する速度情報を検出する速度情報検出処理と、
    前記速度情報に基づいて、前記スキャナモータが駆動開始から第1期間内に光走査時における回転速度よりも低い第1基準速度に到達したか否かを判断する第1判断処理と、
    前記第1判断手段により前記スキャナモータが前記第1期間内に前記第1基準速度に到達していないと判断された場合に、前記速度情報に基づいて、前記スキャナモータが前記第1期間より後に前記第1基準速度以上の第2基準速度に到達したか否かを判断する第2判断処理と、
    を実行させるための画像形成装置のプログラム。
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