JP2006100303A - 基板の製造方法及び熱処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】熱処理中に発生する基板の傷発生を少なくし、基板のスリップを抑制し、基板の反りを抑制し、もって高品質な基板を製造する熱処理装置及び基板の製造方法を提供する。
【解決手段】反応管42内に基板54が載置された支持具30を挿入時、ヒータ46の各ヒータゾーンの設定温度をT5<T4<T3<T2<T1とする。反応管42内に支持具30を挿入後、まずT5の設定温度を上昇させ、T4と等しくする(T5=T4<T3<T2<T1)。次に、T5とT4の設定温度を上昇させてT3と等しくする(T5=T4=T3<T2<T1)。更に、T5とT4及びT3の設定温度を上昇させてT2と等しくする(T5=T4=T3=T2<T1)。更に、T5,T4,T3,T2の設定温度を上昇させT1と等しくする(T5=T4=T3=T2=T1)。
【選択図】図4
【解決手段】反応管42内に基板54が載置された支持具30を挿入時、ヒータ46の各ヒータゾーンの設定温度をT5<T4<T3<T2<T1とする。反応管42内に支持具30を挿入後、まずT5の設定温度を上昇させ、T4と等しくする(T5=T4<T3<T2<T1)。次に、T5とT4の設定温度を上昇させてT3と等しくする(T5=T4=T3<T2<T1)。更に、T5とT4及びT3の設定温度を上昇させてT2と等しくする(T5=T4=T3=T2<T1)。更に、T5,T4,T3,T2の設定温度を上昇させT1と等しくする(T5=T4=T3=T2=T1)。
【選択図】図4
Description
本発明は、基板を熱処理する工程を有する基板の製造方法、及び基板を熱処理するための熱処理装置に関するものである。
例えば縦型熱処理炉を用いて、複数枚のシリコン単結晶ウエハ等の基板を熱処理する場合、室温で縦型ボートに所定枚数の基板を装填し、予め、例えば700℃程度の温度に加熱された反応管内へ縦型ボートを搬入する。次に、反応管内の温度を1000℃程度以上の温度まで昇温して熱処理し、その後、反応管内の温度を例えば700℃程度の温度に降温し、基板が載置された縦型ボートを搬出する。
この場合、基板の搬入時には室温の基板の周辺部に短時間に多量の輻射熱が供給される。その場合、基板外周部は温度が高く中心部は温度が低くなる。一方、基板の搬出時には短時間に基板の周辺部から熱が放散される。その場合、基板中心部は温度が高く外周部は温度が低くなる。このように、基板内の周辺部と中央部では温度差が生じ、その温度差により基板内に熱応力が発生し、基板が弾性変形する。この弾性変形により、基板と基板支持具の接触部分でこすれが生じ、基板に傷ができる。単結晶シリコンの傷部においては、転位生成のための降伏応力が著しく低下する(結晶工学と評価技術第145委員会第68研究会(角野、p4)参照)。
このため、その後の昇温過程あるいは高温の熱処理中に、この傷部分で基板に転位が発生し、それがスリップとなり、そのスリップが大きくなるとスリップラインとなり、基板が反る原因の一つとなっていた。また、スリップラインが発生すると、基板の平坦度が低下する。このため、LSI製造工程における重要な工程の一つであるリソグラフィ工程で、マスク合わせずれ(焦点ずれ又は変形によるマスク合わせずれ)が生じ、所望パターンを有するLSIの製造が困難であるという問題が発生していた。
そこで、熱処理プロセス用ヒータと熱的に分離した徐熱用ヒータを炉口付近に備えることにより、比較的自由に温度設定を行うことが可能となり、炉口付近に任意の温度勾配を施すものが公知となっている(例えば特許文献1)。
このため、その後の昇温過程あるいは高温の熱処理中に、この傷部分で基板に転位が発生し、それがスリップとなり、そのスリップが大きくなるとスリップラインとなり、基板が反る原因の一つとなっていた。また、スリップラインが発生すると、基板の平坦度が低下する。このため、LSI製造工程における重要な工程の一つであるリソグラフィ工程で、マスク合わせずれ(焦点ずれ又は変形によるマスク合わせずれ)が生じ、所望パターンを有するLSIの製造が困難であるという問題が発生していた。
そこで、熱処理プロセス用ヒータと熱的に分離した徐熱用ヒータを炉口付近に備えることにより、比較的自由に温度設定を行うことが可能となり、炉口付近に任意の温度勾配を施すものが公知となっている(例えば特許文献1)。
しかしながら、特許文献1の徐熱用ヒータは単独に設置されているため、徐熱用ヒータと熱プロセス用ヒータとの間、又は室温と徐熱用ヒータとの間で温度差が生じてしまう。また、熱処理用ヒータ以外にもう一つヒータを設ける必要があり、さらに、徐熱用ヒータの効果を出すには徐熱用ヒータ部にある程度長さが必要となることで、反応室のスペースが短くなり一度に処理する基板の処理枚数が減るということが考えられる。
本発明の目的は、上記従来の問題点を解消し、熱処理中に発生する基板の傷発生を少なくし、基板のスリップを抑制し、基板の反りを抑制し、もって高品質な基板を製造する熱処理装置及び基板の製造方法を提供する。
上記課題を解決するため、本発明の第1の特徴とするところは、複数のゾーンに分割されたヒータにより加熱された反応炉内に基板を搬入する基板搬入ステップと、基板搬入後前記反応炉内温度を熱処理温度まで昇温させる昇温ステップと、前記反応炉内で基板を熱処理する熱処理ステップと、熱処理後の基板を前記反応炉より搬出する基板搬出ステップとを有し、前記基板搬入ステップまたは前記基板搬出ステップでは前記各ヒータゾーンの設定温度を異ならせて温度傾斜を設けると共に、前記昇温ステップでは前記各ヒータゾーンの設定温度を略等しくして温度傾斜をフラットにする基板の製造方法にある。
好ましくは、前記基板搬入ステップ又は前記基板搬出ステップでは前記各ヒータゾーンの設定温度を炉口に近づく程小さくすることを特徴とする。また、好ましくは、前記昇温ステップでは、炉口に最も近いヒータゾーンの温度をそれと隣接するヒータゾーンの設定温度と等しくし、次に、設定温度を等しくしたヒータゾーンの温度を、それらと隣接するヒータゾーンの設定温度と等しくし、これを繰り返すことにより、段階的に前記各ヒータゾーンの設定温度を略等しくして温度傾斜をフラットにする。また、好ましくは、前記昇温ステップで前記各ヒータゾーンの設定温度を等しくして温度傾斜をフラットにした後、段階的に前記ヒータの設定温度を上昇させる。また、好ましくは、基板を反応炉内に搬入する際、基板を支持具により支持した状態で搬入する。また、好ましくは、前記支持具は、複数枚の基板を略水平姿勢で隙間をもって複数段に支持するよう構成される。また、好ましくは、前記支持具は、本体部と、基板と接触する支持部とを有し、支持部は板状部材からなる。さらに、本発明における熱処理は、好ましくは1200℃以上、さらには1350℃以上の高温で行われる。
また、本発明の第2の特徴とするところは、基板を処理する反応炉と、反応炉内を加熱する複数のゾーンに分割されたヒータと、反応炉内に基板を搬入搬出する搬入搬出手段と、反応炉内に基板を搬入または搬出する際は、前記各ヒータゾーンの設定温度を異ならせて温度傾斜を設けると共に、基板搬入後に反応炉内の温度を昇温させる際は前記各ヒータゾーンの設定温度を等しくして温度傾斜をフラットにするよう制御する制御手段と、を有する熱処理装置にある。
本発明によれば、熱処理中に発生する基板の傷発生を少なくし、基板のスリップラインの発生を抑制し、基板の反りを抑制し、もって高品質な基板を提供することができ、歩留まり向上によりコストの低減を実現することができる。
次に本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1には、本発明の実施形態に係る熱処理装置10の一例が示されている。この熱処理装置10は、例えば縦型であり、主要部が配置された筺体12を有する。この筺体12には、ポッドステージ14が接続されており、このポッドステージ14にポッド16が搬送される。ポッド16には、例えば25枚の基板が収納され、図示しない蓋が閉じられた状態でポッドステージ14にセットされる。
図1には、本発明の実施形態に係る熱処理装置10の一例が示されている。この熱処理装置10は、例えば縦型であり、主要部が配置された筺体12を有する。この筺体12には、ポッドステージ14が接続されており、このポッドステージ14にポッド16が搬送される。ポッド16には、例えば25枚の基板が収納され、図示しない蓋が閉じられた状態でポッドステージ14にセットされる。
筺体12内の正面側であって、ポッドステージ14に対向する位置には、ポッド搬送装置18が配置されている。また、このポッド搬送装置18の近傍には、ポッド棚20、ポッドオープナ22及び基板枚数検知器24が配置されている。ポッド棚20はポッドオープナ22の上方に配置され、基板枚数検知器24はポッドオープナ22に隣接して配置される。ポッド搬送装置18は、ポッドステージ14とポッド棚20とポッドオープナ22との間でポッド16を搬送する。ポッドオープナ22は、ポッド16の蓋を開けるものであり、この蓋が開けられたポッド16内の基板枚数が基板枚数検知器24により検知される。
さらに、筺体12内には、基板移載機26、ノッチアライナ28及び支持具30(ボート)が配置されている。基板移載機26は、例えば5枚の基板を取り出すことができるアーム(ツィーザ)32を有し、このアーム32を動かすことにより、ポッドオープナ22の位置に置かれたポッド、ノッチアライナ28及び支持具30間で基板を搬送する。ノッチアライナ28は、基板に形成されたノッチまたはオリフラを検出して基板のノッチまたはオリフラを一定の位置に揃えるものである。さらに筐体12内の背面側上部には反応炉40が配置されている。この反応炉40内に複数枚の基板を装填した支持具30が搬入され熱処理が行われる。
図2において、反応炉40の一例が示されている。この反応炉40は、SiC製の反応管42を有する。この反応管42は、上端部が閉塞され、下端部が開放された円筒状に形成され、開放された下端部がフランジ状に形成されている。この反応管42の下方には石英製のアダプタ44が配置され、このアダプタ44により反応管42が支持されている。アダプタ44は、上端部と下端部が開放された円筒形状をしており、開放された上端部と下端部はフランジ状に形成されている。アダプタ44の上端部フランジの上面に反応管42の下端部フランジの下面が当接している。また、アダプタ44を除いた反応管42の周囲には、後述するヒータ46が配置されている。
反応管42の下部は、支持具30を挿入するために開放され、この開放部分(炉口部)は炉口シールキャップ48がOリングを挟んでアダプタ44の下端部フランジの下面に当接することにより密閉されるようにしてある。炉口シールキャップ48は支持具30を支持し、支持具30と共に昇降可能に設けられている。炉口シールキャップ48と支持具30との間には、第2の断熱部としての石英製の第2のキャップ52と、この第2のキャップ52の上部に配置された第1の断熱部としてのSiC製の第1のキャップ50とが介在されている。支持具30は、多数枚の基板54を略水平状態で隙間をもって多数段に支持し、反応管42内に装填される。
1200℃以上の高温での処理を可能とするため、反応管42はSiC製としてある。このSiC製の反応管42を炉口部まで延ばし、このSiC製の炉口部をOリングを介して炉口シールキャップ48でシールする構造とすると、SiC製の反応管を介して伝達された熱によりシール部まで高温となり、シール材料であるOリングを溶かしてしまうおそれがある。Oリングを溶かさないようSiC製の反応管42のシール部を冷却すると、SiC製の反応管42が温度差による熱膨張差により破損してしまう。そこで、ヒータ46による加熱領域をSiC製の反応管42で構成し、ヒータ46による加熱領域から外れた部分を石英製のアダプタ44で構成することで、SiC製の反応管42からの熱の伝達を和らげ、Oリングを溶かすことなく、また反応管42を破損することなく、炉口部のシールをすることが可能となる。
アダプタ44には、アダプタ44と一体にガス供給口56とガス排気口58とが形成されている。ガス供給口56にはガス導入管60が、ガス排気口58には排気管62がそれぞれ接続されている。また、アダプタ44の内壁は反応管42の内壁よりも内側にあり(突出しており)、アダプタ44の側壁部(肉厚部)には、ガス供給口56と連通し、垂直方向に向かうガス導入経路64が設けられ、その上部にはノズル取付孔が上方に開口するように形成されている。このノズル取付孔は、ガス供給口56とガス導入経路64とに連通している。また、このノズル取付孔にはノズル66が挿入固定されている。すなわち、アダプタ44の反応管42の内壁よりも内側に突出した部分の上面にノズル66が接続され、この上面によりノズル66が支持されることとなる。この構成により、ノズル接続部は熱で変形しにくく、また破損されにくい。また、ノズル66とアダプタ44の組立て、解体が容易になるというメリットもある。ガス導入管60からガス供給口56に導入された処理ガスは、アダプタ44の側壁部に設けられたガス導入経路64,ノズル66を介して反応管42内に供給される。
ノズル66は、ノズル取付孔の位置から反応管42の内壁に沿って基板配列領域よりも上方(支持具30の頂部よりも上方)まで垂直に延びるように構成される。このノズル66は、例えば内径が10mm、長さが1000mmである。
上述したように、反応炉40において、1200℃以上の高温での処理を可能とするため、反応管42はSiC製としてある。例えば後述するSIMOX(Separation by Implanted Oxygen)ウエハ製造のためのアニール処理温度は、1350℃以上である。一方、基板が支持された支持具30は、反応管42と同様にSiC製としている。また、その下方に位置する第1の断熱部50はSiC製、その下方に位置する第2の断熱部52は石英製としている。第1の断熱部50を石英製とすると、処理温度が1350℃以上である場合、石英がクリープ現象を起こして変形してしまうおそれがある。
石英製の第1の断熱部50が変形すると、第1の断熱部50による断熱効果が低下するので、炉口シールキャップ48が高温になる。炉口シールキャップ48が高温になると、炉口部のシール材料であり耐熱温度が例えば250℃であるOリングが溶けて、炉口シールキャップ48による遮蔽性が失われる。さらに、第1の断熱部50の変形により、支持具30が倒れて破損したり、支持具30に支持された基板が破損する可能性がある。そこで、第1の断熱部50をSiC製にすることにより、反応管42における処理温度が1350℃以上であっても、第1の断熱部50が断熱性を維持するようにされている。
次に、上述した支持具30について説明する。
図3において、支持具30は、本体部68と支持部70とから構成されている。本体部68は、例えば炭化珪素からなり、上部板72、下部板74、及び該上部板72と下部板74とを接続する支柱76を有する。また、この本体部68には、この支柱76から前述した基板移載機26側に延びる載置部78が多数平行に形成されている。
図3において、支持具30は、本体部68と支持部70とから構成されている。本体部68は、例えば炭化珪素からなり、上部板72、下部板74、及び該上部板72と下部板74とを接続する支柱76を有する。また、この本体部68には、この支柱76から前述した基板移載機26側に延びる載置部78が多数平行に形成されている。
支持部70はシリコン製の板状部材からなり、例えば基板54と同心円状の円柱状に形成され、この支持部70の下面が載置部78上面に接触して支持部70が載置部78上に載置され、支持部70の上面に基板54の下面が接触して基板54を載置支持する。支持部70の径は基板54の径より小さく、支持部70は基板54の周縁部とは接触することなく基板54を支持する。
次に、上述したヒータ46について説明する。
図4において、上述した反応炉40における複数のゾーンに分割されたヒータ46が示されている。ヒータ46は反応炉40の上部から順にT1,T2,T3,T4及びT5と5つのヒータゾーンに分割され、各々単独に温度設定が可能であり、これにより反応炉40内に任意に温度傾斜を設定することができる。なお、ヒータ46の温度制御は制御装置100により行なう。
図4において、上述した反応炉40における複数のゾーンに分割されたヒータ46が示されている。ヒータ46は反応炉40の上部から順にT1,T2,T3,T4及びT5と5つのヒータゾーンに分割され、各々単独に温度設定が可能であり、これにより反応炉40内に任意に温度傾斜を設定することができる。なお、ヒータ46の温度制御は制御装置100により行なう。
次に、上述したように構成された熱処理装置10の作用について説明する。
なお、以下の説明において熱処理装置を構成する各部の動作は、制御手段100によりコントロールされる。
まず、ポッドステージ14に複数枚の基板を収容したポッド16がセットされると、ポッド搬送装置18によりポッド16をポッドステージ14からポッド棚20へ搬送し、このポッド棚20にストックする。次に、ポッド搬送装置18により、このポッド棚20にストックされたポッド16をポッドオープナ22に搬送してセットし、このポッドオープナ22によりポッド16の蓋を開き、基板枚数検知器24によりポッド16に収容されている基板の枚数を検知する。
なお、以下の説明において熱処理装置を構成する各部の動作は、制御手段100によりコントロールされる。
まず、ポッドステージ14に複数枚の基板を収容したポッド16がセットされると、ポッド搬送装置18によりポッド16をポッドステージ14からポッド棚20へ搬送し、このポッド棚20にストックする。次に、ポッド搬送装置18により、このポッド棚20にストックされたポッド16をポッドオープナ22に搬送してセットし、このポッドオープナ22によりポッド16の蓋を開き、基板枚数検知器24によりポッド16に収容されている基板の枚数を検知する。
次に、基板移載機26により、ポッドオープナ22の位置にあるポッド16から基板を取り出し、ノッチアライナ28に移載する。このノッチアライナ28においては、基板を回転させながら、ノッチを検出し、検出した情報に基づいて複数枚の基板のノッチを同じ位置に整列させる。次に、基板移載機26により、ノッチアライナ28から基板を取り出し、支持具30に移載する。
このようにして、1バッチ分の基板を支持具30に移載すると、予めヒータ46の各ヒータゾーンの設定温度を異ならせて温度傾斜を設けておいた反応炉40内に複数枚の基板を装填した支持具30を装入し(基板搬入ステップ)、炉口シールキャップ48により反応管42内を密閉する。次に、ヒータ46の各ヒータゾーンの設定温度を略等しくして温度傾斜をフラットにして炉内温度を熱処理温度まで昇温させて(昇温ステップ)、ガス導入管60からガス導入口56、アダプタ44側壁部に設けたガス導入経路64、及びノズル66を介して反応管42内に処理ガスを導入する(熱処理ステップ)。処理ガスには、窒素、アルゴン、水素、酸素等が含まれる。基板を熱処理する際、基板は例えば1350℃程度以上の温度に加熱される。
基板の熱処理が終了すると、ヒータ46の各ヒータゾーンの設定温度を略等しくして温度傾斜をフラットにした状態を維持して降温し(降温ステップ)、その後、ヒータ46の各ヒータゾーンの設定温度を異ならせて温度傾斜を設け、この状態で熱処理後の基板を支持した支持具30を反応炉40から搬出する(基板搬出ステップ)。支持具30に支持された全ての基板が冷えるまで、支持具30を所定位置で待機させる。次に、待機させた支持具30の基板が所定温度まで冷却されると、基板移載機26により、支持具30から基板を取り出し、ポッドオープナ22にセットされている空のポッド16に搬送して収容する。次に、ポッド搬送装置18により、基板が収容されたポッド16をポッド棚20に搬送し、さらにポッドステージ14に搬送して完了する。
本発明においては、基板搬入ステップまたは基板搬出ステップではヒータ46の各ヒータゾーンの設定温度を異ならせて反応炉40内に温度傾斜を設けると共に、昇温ステップでは各ヒータゾーンの設定温度を略等しくして反応炉40内の温度傾斜をフラットにする制御を行う。
温度傾斜(温度勾配)を実現する方法としては、ヒータ構造が同一であるとの前提とすると、(a)電流値を一定にしてサイリスタにより電力を制御する方法、(b)供給電力は一定としてサイリスタにより電力を制御する方法の2通りあるが、どちらを用いてもよい。
温度傾斜(温度勾配)を実現する方法としては、ヒータ構造が同一であるとの前提とすると、(a)電流値を一定にしてサイリスタにより電力を制御する方法、(b)供給電力は一定としてサイリスタにより電力を制御する方法の2通りあるが、どちらを用いてもよい。
次に、上述した支持具30の搬入時及び搬出時のヒータ46の温度制御について詳述する。
上述のように、支持具30の搬入時及び搬出時にヒータ46の各ヒータゾーン(上部からT1,T2,...T5)に対応する反応管42内の上部から下部に温度傾斜(温度勾配)を作る。例えば、各ヒータゾーンに対応する反応管42内の温度範囲:T1を800℃〜600℃,T2を700℃〜500℃,T3を600℃〜400℃,T4を500℃〜300℃,T5を400℃〜200℃に設定する(T1≧T2≧T3≧T4≧T5)。
各ヒータゾーンの温度範囲を上記のように設定することにより、支持具30が反応管42内に挿入開始される初期段階において、支持具30に載置された室温の基板54がヒータゾーンT5から受ける輻射熱量を少なくすることができる。よって、支持具30が反応管42内に挿入開始される初期段階において、基板54の周辺部と中央部での過渡的な温度差を低減することができる。
上述のように、支持具30の搬入時及び搬出時にヒータ46の各ヒータゾーン(上部からT1,T2,...T5)に対応する反応管42内の上部から下部に温度傾斜(温度勾配)を作る。例えば、各ヒータゾーンに対応する反応管42内の温度範囲:T1を800℃〜600℃,T2を700℃〜500℃,T3を600℃〜400℃,T4を500℃〜300℃,T5を400℃〜200℃に設定する(T1≧T2≧T3≧T4≧T5)。
各ヒータゾーンの温度範囲を上記のように設定することにより、支持具30が反応管42内に挿入開始される初期段階において、支持具30に載置された室温の基板54がヒータゾーンT5から受ける輻射熱量を少なくすることができる。よって、支持具30が反応管42内に挿入開始される初期段階において、基板54の周辺部と中央部での過渡的な温度差を低減することができる。
支持具30が反応管42内に挿入開始されてから一定時間経過し、ヒータゾーンT4に支持具30が近づくと、基板54の周辺部が受けるヒータゾーンT4からの輻射熱量が大きくなる。ところが、この段階までにそれ以前(ヒータゾーンT5)に受けた輻射熱の一部は、基板54内の熱伝導により、基板54の周辺部から中央部に向かって流れるため、基板54の中央部の温度はある程度上昇している。このため、基板54の周辺部と中心部との温度差は低減される。したがって、従来法に比べ、ヒータゾーンT4から受ける輻射熱の増大分(ヒータゾーンT4から受ける熱量とヒータゾーンT5から受ける熱量の差又は、ヒータゾーンT4から受ける熱量と基板が放出する熱量との差)による基板54の周辺部の過渡的な温度上昇は少なくなる。よって、支持具30が反応管42内に挿入開始されてから一定時間経過後においても、基板54の周辺部と中央部での過渡的な温度差を低減することができる。
同様に、支持具30が反応管42内に挿入開始されてから更に一定時間経過後、ヒータゾーンT3に支持具30が近づくと、基板54の周辺部が受けるヒータゾーンT3からの輻射熱量が大きくなる。ところが、この段階までにそれ以前(ヒータゾーンT5及びヒータゾーンT4)に受けた輻射熱の一部は、基板54内の熱伝導により、基板54の周辺部から中央部に向かって流れるため、基板54の中央部の温度はある程度上昇し、基板周辺部と中央部での過渡的な温度差は低減される。この現象を繰り返すことにより、各基板54内の温度差は低減されることになる。
また、支持具30が反応管42内に挿入完了した後は、一例として、各ヒータゾーンを同一の昇温レートで、同一の温度にしてもよい。例えば、支持具30の挿入時における各ヒータゾーンの設定をT1=700℃,T2=600℃,T3=500℃,T4=400℃,T5=300℃とし、支持具30の挿入完了後、目標温度を700℃として、各ヒータゾーンの全ての昇温レートを例えば20℃/分とした場合(ただしヒータゾーンT1は除く)、20分経過後各ヒータゾーンは同一の温度となる。
また、他の一例として、各ヒータゾーンの昇温レートを各ヒータゾーン毎に変化させ、全てのヒータゾーンの温度を同一にしてもよい。例えば、支持具30の挿入時における各ヒータゾーンの設定をT1=700℃,T2=600℃,T3=500℃,T4=400℃,T5=300℃とし、支持具30の挿入完了後、各ヒータゾーンの昇温レートを例えばT1=0℃/分,T2=5℃/分,T3=10℃/分,T4=15℃/分,T5=20℃/分とすると、20分経過後に全てのヒータゾーンの温度が同一となる。
ところで、支持具30を反応管42内に挿入する際に、支持具30の上段と比較し下段の基板54ほど反応管42内に入るのが遅いため、支持具30挿入後、下段の基板54の温度と反応管42内の温度との温度差が大きい。この下段の基板54と反応管42内の温度差を緩和させて、ヒータ64の温度傾斜をフラットにする方法として、各ヒータゾーンT1,T2,...T5の温度を段階的に(徐々に)等しくしていく方法がある。即ち、炉口に最も近いヒータゾーンの温度をそれと隣接する1つのヒータゾーンの設定温度と等しくし、次に設定温度を等しくした複数のヒータゾーンの温度をそれらと隣接する1つのヒータゾーンの設定温度と等しくし、これを繰り返すことにより、段階的に各ヒータゾーンの設定温度を等しくして温度傾斜をフラットにする。
具体的には、反応管42内に支持具30を挿入する際、各ヒータゾーンの設定温度をT5<T4<T3<T2<T1とする。反応管42内に支持具30を挿入後、まずT5の設定温度を上昇させ、T4と等しくする(T5=T4<T3<T2<T1)。次に、T5とT4の設定温度を上昇をさせてT3と等しくする(T5=T4=T3<T2<T1)。更に、T5,T4及びT3の設定温度を上昇させてT2と等しくする(T5=T4=T3=T2<T1)。更に、T5,T4,T3及びT2の設定温度を上昇させT1と等しくする(T5=T4=T3=T2=T1)。このように、各ヒータゾーンT1,T2,...T5の温度を段階的に(徐々に)等しくすることにより、支持具30の下段の基板54においても周辺部と中央部とで過渡的な温度差が発生するのを抑制することができる。
なお、各ヒータゾーンT1,T2,...T5の設定温度を段階的に(徐々に)等しくすることにより、反応管42内の温度は徐々に上昇することとなる。また、各ヒータゾーンの設定温度を等しくして温度傾斜をフラットにした後は、段階的に全てのヒータゾーンの設定温度を上昇させ、反応管42内の温度を処理温度まで上昇させる。
以上により、支持具30の反応管42内への挿入開始時から反応管42の昇温完了時にかけて、基板54内の周辺部と中央部での温度差が発生しにくくなり、基板54の弾性変形を防止することができる。これにより基板54と支持具30の接触部分でこすれが生じるおそれが少なくなり、傷の発生を抑制することができる。さらに、基板54内に局所的な応力集中を低減できるだけでなく、傷の存在による転位発生のための降伏応力の低下を防止し、スリップの発生を抑制することにより、基板54の反りも抑制することが可能となる。
なお、支持具30を反応管42内から搬出する場合においては、支持具30を反応管42内に挿入する場合と逆の動作を行なうようにする。この場合、支持具30の反応管42内への挿入時と、熱の流れの方向を除いて、基板42内の温度差を低減する作用は同様である。即ち、支持具30を反応管42内へ挿入する際は、熱伝導により基板42内の周辺部から中央部へ輻射熱の一部が流れるのに対し、支持具30を反応管42内から搬出する際は、基板42内の中央部から周辺部へ熱が流れることにより基板42内の過渡的な温度差を発生を抑制する。
次に、実施例と比較例について説明する。
図4に示す反応炉を有する縦型熱処理装置を用いて、炭化珪素製の支持具30に基板54を50枚載置し、反応管42内で熱処理を実施した。この基板54は、直径300mmのシリコン基板とした。ヒータ46の各ヒータゾーンの供給電力を制御し、各ヒータゾーンの設定温度を、T1:700℃,T2:600℃,T3:500℃,T4:400℃,T5:300℃として温度傾斜を設け、反応管42内に支持具30を速度100mm/分で挿入した。支持具30の挿入完了後、まず、ヒータゾーンT5の設定温度を300℃から400℃まで上昇させてヒータゾーンT4の設定温度と等しくし(昇温時間5分)、その後、ヒータゾーンT5及びT4の設定温度を400℃から500℃まで上昇させてヒータゾーンT3の設定温度と等しくし(昇温時間5分)、さらにその後ヒータゾーンT5,T4及びT3の設定温度を500℃から600℃まで上昇させてヒータゾーンT2の設定温度と等しくし(昇温時間5分)、さらにその後ヒータゾーンT5,T4,T3及びT2の設定温度を600℃から700℃まで上昇させてヒータゾーンT1の設定温度と等しくして(昇温時間5分)、温度傾斜をフラットにした。
次に、各ヒータゾーンの昇温レートを10℃/分とし、1000℃まで昇温し、1000℃〜1200℃の温度範囲を昇温レート1℃/分で昇温した。1200℃で1時間保持して基板54に対して熱処理を行なった後、1200℃〜1000℃の温度範囲を降温レート1℃/分で降温し、1000℃〜700℃の温度範囲を降温レート10℃/分で降温した。
次に、降温レート10〜20℃/分で各ヒータゾーンの温度をT2:600℃,T3:500℃,T4:400℃,T5:300℃に降温して温度傾斜を設け、支持具30を反応管42から搬出した。
その後、熱処理後の基板54の裏面を光学顕微鏡で観察した結果、基板54の裏面には傷の発生は僅か(傷の高さ1μm以下)であり、スリップの発生は見られなかった。反り計で基板54の反りを測定した結果、反り量は10μm以下であり、熱処理前後で大きな反りの変化は見られなかった。なお、この工程中での基板54内の温度差は最大約80℃以下であった。
次に、各ヒータゾーンの昇温レートを10℃/分とし、1000℃まで昇温し、1000℃〜1200℃の温度範囲を昇温レート1℃/分で昇温した。1200℃で1時間保持して基板54に対して熱処理を行なった後、1200℃〜1000℃の温度範囲を降温レート1℃/分で降温し、1000℃〜700℃の温度範囲を降温レート10℃/分で降温した。
次に、降温レート10〜20℃/分で各ヒータゾーンの温度をT2:600℃,T3:500℃,T4:400℃,T5:300℃に降温して温度傾斜を設け、支持具30を反応管42から搬出した。
その後、熱処理後の基板54の裏面を光学顕微鏡で観察した結果、基板54の裏面には傷の発生は僅か(傷の高さ1μm以下)であり、スリップの発生は見られなかった。反り計で基板54の反りを測定した結果、反り量は10μm以下であり、熱処理前後で大きな反りの変化は見られなかった。なお、この工程中での基板54内の温度差は最大約80℃以下であった。
図4に示す反応炉を有する縦型熱処理装置を用いて、炭化珪素製の支持具30に基板54を50枚載置し、反応炉42内で熱処理を実施した。この基板54は、直径300mmのシリコン基板とした。ヒータ46の各ヒータゾーンの供給電力を制御し、各ヒータゾーンの設定温度を、T1:800℃,T2:600℃,T3:500℃,T4:400℃,T5:300℃として温度傾斜を設け、反応管42内に支持具30を挿入した。支持具30の挿入完了後、まず、ヒータゾーンT5の設定温度を300℃から400℃まで上昇させてヒータゾーンT4の設定温度と等しくし(昇温時間5分)、その後、ヒータゾーンT5及びT4の設定温度を400℃から500℃まで上昇させてヒータゾーンT3の設定温度と等しくし(昇温時間5分)、さらにその後ヒータゾーンT5,T4及びT3の設定温度を500℃から600℃まで上昇させてヒータゾーンT2の設定温度と等しくし(昇温時間5分)、さらにその後ヒータゾーンT5,T4,T3及びT2の設定温度を600℃から800℃まで上昇させて、ヒータゾーンT1の設定温度と等しくして(昇温時間10分)、温度傾斜をフラットにした。
次に、各ヒータゾーンの昇温レートを10℃/分とし、1000℃まで昇温し、1000℃〜1200℃の温度範囲を昇温レート1℃/分で昇温した。1200℃で1時間保持して基板54に対して熱処理を行なった後、1200℃〜1000℃の温度範囲を降温レート1℃/分で降温し、1000℃〜700℃の温度範囲を降温レート10℃/分で降温した。
次に、降温レート10〜20℃/分で各ヒータゾーンの温度をT2:600℃,T3:500℃,T4:400℃,T5:300℃に降温して温度傾斜を設け、支持具30を反応管42から搬出した。
その後、熱処理後の基板54の裏面を光学顕微鏡で観察した結果、基板54の裏面には傷の発生は僅か(傷の高さ1μm以下)であり、スリップの発生は見られなかった。なお、この工程中での基板54内の温度差は最大約95℃以下であった。
次に、各ヒータゾーンの昇温レートを10℃/分とし、1000℃まで昇温し、1000℃〜1200℃の温度範囲を昇温レート1℃/分で昇温した。1200℃で1時間保持して基板54に対して熱処理を行なった後、1200℃〜1000℃の温度範囲を降温レート1℃/分で降温し、1000℃〜700℃の温度範囲を降温レート10℃/分で降温した。
次に、降温レート10〜20℃/分で各ヒータゾーンの温度をT2:600℃,T3:500℃,T4:400℃,T5:300℃に降温して温度傾斜を設け、支持具30を反応管42から搬出した。
その後、熱処理後の基板54の裏面を光学顕微鏡で観察した結果、基板54の裏面には傷の発生は僅か(傷の高さ1μm以下)であり、スリップの発生は見られなかった。なお、この工程中での基板54内の温度差は最大約95℃以下であった。
図4に示す反応炉を有する縦型熱処理装置を用いて、炭化珪素製の支持具30に基板54を50枚載置し、反応管42内で熱処理を実施した。この基板54は、直径300mmのシリコン基板とした。ヒータ46の各ヒータゾーンの供給電力を制御し、各ヒータゾーンの設定温度を、T1:700℃,T2:600℃,T3:600℃,T4:400℃,T5:200℃として温度傾斜を設け、反応管42内に支持具30を挿入した。支持具30の挿入完了後、まず、ヒータゾーンT5の設定温度を200℃から400℃まで上昇させてヒータゾーンT4の設定温度と等しくし(昇温時間5分)、その後、ヒータゾーンT5及びT4の設定温度を400℃から600℃まで上昇させてヒータゾーンT3及びT2の設定温度と等しくし(昇温時間5分)、さらにその後ヒータゾーンT5,T4,T3及びT2の設定温度を600℃から700℃まで上昇させてヒータゾーンT1の設定温度と等しくして(昇温時間5分)、温度傾斜をフラットにした。
次に、各ヒータゾーンの昇温レートを10℃/分とし、1000℃まで昇温し、1000℃〜1350℃の温度範囲を昇温レート1℃/分で昇温した。1350℃で数時間保持して基板54に対して熱処理を行なった後、1350℃〜1000℃の温度範囲を降温レート1℃/分で降温し、1000℃〜700℃の温度範囲を降温レート10℃/分で降温した。
次に、降温レート10〜20℃/分で各ヒータゾーンの温度をT2:600℃,T3:400℃,T4:400℃,T5:300℃に降温して温度傾斜を設け、支持具30を反応管42から搬出した。
その後、熱処理後の基板54の裏面を光学顕微鏡で観察した結果、基板54の裏面には傷の発生は僅か(傷の高さ1μm以下)であり、スリップの発生は見られなかった。なお、この工程中での基板54内の温度差は最大約80℃以下であった。
次に、各ヒータゾーンの昇温レートを10℃/分とし、1000℃まで昇温し、1000℃〜1350℃の温度範囲を昇温レート1℃/分で昇温した。1350℃で数時間保持して基板54に対して熱処理を行なった後、1350℃〜1000℃の温度範囲を降温レート1℃/分で降温し、1000℃〜700℃の温度範囲を降温レート10℃/分で降温した。
次に、降温レート10〜20℃/分で各ヒータゾーンの温度をT2:600℃,T3:400℃,T4:400℃,T5:300℃に降温して温度傾斜を設け、支持具30を反応管42から搬出した。
その後、熱処理後の基板54の裏面を光学顕微鏡で観察した結果、基板54の裏面には傷の発生は僅か(傷の高さ1μm以下)であり、スリップの発生は見られなかった。なお、この工程中での基板54内の温度差は最大約80℃以下であった。
図4に示す反応炉を有する縦型熱処理装置を用いて、炭化珪素製の支持具30に基板54を50枚載置し、反応炉42内で熱処理を実施した。この基板54は、直径300mmのシリコン基板とした。ヒータ46の各ヒータゾーンの供給電力を制御し、各ヒータゾーンの設定温度を、T1:700℃,T2:600℃,T3:500℃,T4:400℃,T5:200℃として温度傾斜を設け、反応管42内に支持具30を挿入した。支持具30の挿入完了後、まず、ヒータゾーンT5の設定温度を200℃から400℃まで上昇させてヒータゾーンT4の設定温度と等しくし(昇温時間10分)、その後、ヒータゾーンT5及びT4の設定温度を400℃から500℃まで上昇させてヒータゾーンT3の設定温度と等しくし(昇温時間5分)、さらにその後ヒータゾーンT5,T4及びT3の設定温度を500℃から600℃まで上昇させてヒータゾーンT2の設定温度と等しくし(昇温時間5分)、さらにその後ヒータゾーンT5,T4,T3及びT2の設定温度を600℃から700℃まで上昇させてヒータゾーンT1の設定温度と等しくして(昇温時間5分)、温度傾斜をフラットにした。
次に、各ヒータゾーンの昇温レートを10℃/分とし、1000℃まで昇温し、1000℃〜1350℃の温度範囲を昇温レート1℃/分で昇温した。1350℃で数時間保持して基板54に対して熱処理を行なった後、1350℃〜1000℃の温度範囲を降温レート1℃/分で降温し、1000℃〜800℃の温度範囲を降温レート10℃/分で降温した。
次に、降温レート10〜20℃/分で各ヒータゾーンの温度をT2:600℃,T3:500℃,T4:400℃,T5:300℃に降温して温度傾斜を設け、支持具30を反応管42から搬出した。
その後、熱処理後の基板54の裏面を光学顕微鏡で観察した結果、基板54の裏面には傷の発生は僅か(傷の高さ1μm以下)であり、スリップの発生は見られなかった。なお、この工程中での基板54内の温度差は最大約95℃以下であった。
次に、各ヒータゾーンの昇温レートを10℃/分とし、1000℃まで昇温し、1000℃〜1350℃の温度範囲を昇温レート1℃/分で昇温した。1350℃で数時間保持して基板54に対して熱処理を行なった後、1350℃〜1000℃の温度範囲を降温レート1℃/分で降温し、1000℃〜800℃の温度範囲を降温レート10℃/分で降温した。
次に、降温レート10〜20℃/分で各ヒータゾーンの温度をT2:600℃,T3:500℃,T4:400℃,T5:300℃に降温して温度傾斜を設け、支持具30を反応管42から搬出した。
その後、熱処理後の基板54の裏面を光学顕微鏡で観察した結果、基板54の裏面には傷の発生は僅か(傷の高さ1μm以下)であり、スリップの発生は見られなかった。なお、この工程中での基板54内の温度差は最大約95℃以下であった。
図4に示す反応炉を有する縦型熱処理装置を用いて、炭化珪素製の支持具30に基板54を50枚載置し、熱処理を実施した。この基板54は、直径300mm,厚さ1mmの石英基板とした。熱処理温度の最高温度を1050℃とし、その他の条件は、実施例4と同一とした。
実施例4と同様に熱処理を実施し、熱処理後の基板54の裏面を光学顕微鏡で観察した結果、基板54の裏面には傷の発生は僅か(傷の高さ2μm以下)であった。なお、この工程中での基板54内の温度差は最大約110℃以下であった。
実施例4と同様に熱処理を実施し、熱処理後の基板54の裏面を光学顕微鏡で観察した結果、基板54の裏面には傷の発生は僅か(傷の高さ2μm以下)であった。なお、この工程中での基板54内の温度差は最大約110℃以下であった。
比較例1
図4に示す反応炉を有する縦型熱処理装置を用いて、炭化珪素製の支持具30に基板54を50枚載置し、熱処理を実施した。この基板54は、直径300mmのシリコン基板とした。ヒータ46の設定温度は700℃とし、反応管42内に支持具30を速度100mm/分で挿入した。
支持具30の挿入完了後、ヒータの昇温レートを10℃/分とし、1000℃まで昇温し、1000℃〜1200℃の温度範囲を昇温レート1℃/分で昇温した。1200℃で1時間保持して熱処理を行なった後、1200℃〜1000℃の温度範囲を降温レート1℃/分で降温し、1000℃〜700℃の温度範囲を降温レート10℃/分で降温し、支持具30を反応管42から搬出した。
その後、熱処理後の基板54の裏面を光学顕微鏡で観察した結果、基板54の裏面には傷(最大長さ約250μm,最大高さ約7μm)の発生が見られた。また傷発生付近には多数のスリップライン(長さ3〜30mm)が見られた。反り計で基板54の反りを測定した結果、反り量は60〜70μmであった。なお、この工程中での基板54内の温度差は最大約180℃であった。
図4に示す反応炉を有する縦型熱処理装置を用いて、炭化珪素製の支持具30に基板54を50枚載置し、熱処理を実施した。この基板54は、直径300mmのシリコン基板とした。ヒータ46の設定温度は700℃とし、反応管42内に支持具30を速度100mm/分で挿入した。
支持具30の挿入完了後、ヒータの昇温レートを10℃/分とし、1000℃まで昇温し、1000℃〜1200℃の温度範囲を昇温レート1℃/分で昇温した。1200℃で1時間保持して熱処理を行なった後、1200℃〜1000℃の温度範囲を降温レート1℃/分で降温し、1000℃〜700℃の温度範囲を降温レート10℃/分で降温し、支持具30を反応管42から搬出した。
その後、熱処理後の基板54の裏面を光学顕微鏡で観察した結果、基板54の裏面には傷(最大長さ約250μm,最大高さ約7μm)の発生が見られた。また傷発生付近には多数のスリップライン(長さ3〜30mm)が見られた。反り計で基板54の反りを測定した結果、反り量は60〜70μmであった。なお、この工程中での基板54内の温度差は最大約180℃であった。
比較例2
図4に示す反応炉を有する縦型熱処理装置を用いて、炭化珪素製の支持具30に基板54を50枚載置し、熱処理を実施した。この基板54は、直径300mmのシリコン基板とした。ヒータ46の設定温度は700℃とし、反応管42内に支持具30を速度100mm/分で挿入した。また、支持具30の搬出時におけるヒータ46の設定温度を800℃とし、その他の条件は、比較例1と同一とした。
比較例1と同様に熱処理を実施し、処理後の基板54の裏面を光学顕微鏡で観察した結果、基板54の裏面には3箇所に傷の発生が見られた。また傷発生付近には多数のスリップライン(長さ3〜35mm)が見られた。反り計で基板54の反りを測定した結果、反り量は80〜100μmであった。なお、この工程中での基板54内の温度差は最大約190℃であった。
図4に示す反応炉を有する縦型熱処理装置を用いて、炭化珪素製の支持具30に基板54を50枚載置し、熱処理を実施した。この基板54は、直径300mmのシリコン基板とした。ヒータ46の設定温度は700℃とし、反応管42内に支持具30を速度100mm/分で挿入した。また、支持具30の搬出時におけるヒータ46の設定温度を800℃とし、その他の条件は、比較例1と同一とした。
比較例1と同様に熱処理を実施し、処理後の基板54の裏面を光学顕微鏡で観察した結果、基板54の裏面には3箇所に傷の発生が見られた。また傷発生付近には多数のスリップライン(長さ3〜35mm)が見られた。反り計で基板54の反りを測定した結果、反り量は80〜100μmであった。なお、この工程中での基板54内の温度差は最大約190℃であった。
比較例3
図4に示す反応炉を有する縦型熱処理装置を用いて、炭化珪素製の支持具30に基板54を50枚載置し、熱処理を実施した。この基板54は、直径300mm,厚さ1mmの石英基板とした。熱処理温度の最高温度を1050℃とし、その他の条件は、比較例1と同一とした。
比較例1と同様に熱処理を実施し、熱処理後の基板54の裏面を光学顕微鏡で観察した結果、基板54の裏面には3箇所に傷(最大長さ約80μm,最大高さ約10μm)の発生が見られた。
図4に示す反応炉を有する縦型熱処理装置を用いて、炭化珪素製の支持具30に基板54を50枚載置し、熱処理を実施した。この基板54は、直径300mm,厚さ1mmの石英基板とした。熱処理温度の最高温度を1050℃とし、その他の条件は、比較例1と同一とした。
比較例1と同様に熱処理を実施し、熱処理後の基板54の裏面を光学顕微鏡で観察した結果、基板54の裏面には3箇所に傷(最大長さ約80μm,最大高さ約10μm)の発生が見られた。
なお、上記実施形態及び実施例の説明にあっては、熱処理装置として、複数の基板を熱処理するバッチ式のものを用いたが、これに限定するものではなく、枚葉式のものであってもよい。
本発明の熱処理装置は、基板の製造工程にも適用することができる。
SOI(Silicon On Insulator)ウエハの一種であるSIMOXウエハの製造工程の一工程に本発明の熱処理装置を適用する例について説明する。
まずイオン注入装置等により単結晶シリコンウエハ内へ酸素イオンをイオン注入する。その後、酸素イオンが注入されたウエハを上記実施形態の熱処理装置を用いて、例えばAr、O2雰囲気のもと、1300℃〜1400℃、例えば1350℃以上の高温でアニールする。これらの処理により、ウエハ内部にSiO2層が形成された(SiO2層が埋め込まれた)SIMOXウエハが作製される。
また、SIMOXウエハの他、水素アニールウエハとArアニールウエハの製造工程の一工程に本発明の熱処理装置を適用することも可能である。この場合、ウエハを本発明の熱処理装置を用いて、水素雰囲気中もしくはAr雰囲気中で1200℃程度以上の高温でアニールすることとなる。これによりIC(集積回路)が作られるウエハ表面層の結晶欠陥を低減することができ、結晶の完全性を高めることができる。
また、この他、エピタキシャルウエハの製造工程の一工程に本発明の熱処理装置を適用することも可能である。
本発明の熱処理装置は、半導体装置の製造工程にも適用することも可能である。
特に、比較的高い温度で行う熱処理工程、例えば、ウェット酸化、ドライ酸化、水素燃焼酸化(パイロジェニック酸化)、HCl酸化等の熱酸化工程や、硼素(B)、リン(P)、砒素(As)、アンチモン(Sb)等の不純物(ドーパント)を半導体薄膜に拡散する熱拡散工程等に適用するのが好ましい。
特に、比較的高い温度で行う熱処理工程、例えば、ウェット酸化、ドライ酸化、水素燃焼酸化(パイロジェニック酸化)、HCl酸化等の熱酸化工程や、硼素(B)、リン(P)、砒素(As)、アンチモン(Sb)等の不純物(ドーパント)を半導体薄膜に拡散する熱拡散工程等に適用するのが好ましい。
10 熱処理装置
26 基板移載機
30 支持具
40 反応炉
42 反応管
46 ヒータ
54 基板
100 制御手段
26 基板移載機
30 支持具
40 反応炉
42 反応管
46 ヒータ
54 基板
100 制御手段
Claims (2)
- 複数のゾーンに分割されたヒータにより加熱された反応炉内に基板を搬入する基板搬入ステップと、
基板搬入後前記反応炉内温度を熱処理温度まで昇温させる昇温ステップと、
前記反応炉内で基板を熱処理する熱処理ステップと、
熱処理後の基板を前記反応炉より搬出する基板搬出ステップとを有し、
前記基板搬入ステップまたは前記基板搬出ステップでは前記各ヒータゾーンの設定温度を異ならせて温度傾斜を設けると共に、前記昇温ステップでは前記各ヒータゾーンの設定温度を略等しくして温度傾斜をフラットにすることを特徴とする基板の製造方法。 - 基板を処理する反応炉と、
反応炉内を加熱する複数のゾーンに分割されたヒータと、
反応炉内に基板を搬入搬出する搬入搬出手段と、
反応炉内に基板を搬入または搬出する際は、前記各ヒータゾーンの設定温度を異ならせて温度傾斜を設けると共に、基板搬入後に反応炉内の温度を昇温させる際は前記各ヒータゾーンの設定温度を略等しくして温度傾斜をフラットにするよう制御する制御手段と、
を有することを特徴とする熱処理装置。
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