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JP2006032121A - 高電圧大容量遮断器 - Google Patents

高電圧大容量遮断器 Download PDF

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JP2006032121A
JP2006032121A JP2004209421A JP2004209421A JP2006032121A JP 2006032121 A JP2006032121 A JP 2006032121A JP 2004209421 A JP2004209421 A JP 2004209421A JP 2004209421 A JP2004209421 A JP 2004209421A JP 2006032121 A JP2006032121 A JP 2006032121A
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正範 筑紫
Takuji Fuji
卓司 富士
Shigetoshi Ouchi
茂俊 大内
Tokio Yamagiwa
時生 山極
Toyoichi Tanaka
豊一 田中
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Abstract

【課題】こうした近年の電力系統の要求に応えて定格電流を増大し、小型で高電圧大容量化が可能な高電圧大容量遮断器を提供する。
【解決手段】先ず第三開閉部3を開路して遮断すべき電流が第一開閉部1と第二開閉部2の直列接続部を流れるようにし、次いで、第一開閉部1を構成する真空遮断部の電極間を所定距離開離して電流遮断を行うと共に極間に現れる過渡振動電圧に耐圧するようにし、その後、例えば第一開閉部1の電極間が所定の開離距離となってからその最大アーク時間後に、第二開閉部2を開路してこの第二開閉部2でより過酷なインパルス電圧に耐圧するようにする。
【選択図】図1

Description

本発明は、真空遮断部を使用した高電圧大容量遮断器に関する。
現在、電力系統の高電圧大容量遮断器は、SF6ガス遮断器が独占している。その他の用途で真空遮断器も多用されているが、遮断特性上、真空中での電極間開離距離をあまり大きくすることができないため、電流遮断後の雷インパルスなどに対する耐圧を大きくすることが出来ず高電圧化には限界があり、また定常状態で通電を行う電極が真空中に設けられて突き合わせ接触となるため、通電による発熱は熱伝導のみで放熱することになり、通電容量が小さく中小定格電流用として知られている。
また真空遮断器との組合せから成る遮断器として、アーク発生開閉器と真空遮断器を電気的直列に接続し、これらと並列に主通電路を形成する通電開閉器を接続し、通電開閉器を開路した後、先ずアーク発生開閉器を開いてアークを発生させ、このアーク電気抵抗により直流成分を含む事故電流を減衰させ、その後、真空遮断器を開極するようにしたものが知られている(特許文献1)。
特開2001−195960号公報
しかしながら、最近、SF6ガス遮断器の周囲環境が大きく変化してきている。例えば、SF6ガスは温暖化係数がCO2の24000倍であり、COP3京都議定書の温暖化ガスとして指定され、今後、その使用が制限される可能性もある。また新規ANSI規格によれば、系統条件では電源側の電圧上昇苛酷度が従来の1.73倍になっており、ガス遮断器で対応するためには2定格上の遮断器、例えばこれまで40kA遮断器であれば63kA遮断器へ交換したり、または、数十nFの大容量コンデンサの付加が必要になる。さらに線路の低損失化が進んだり、海外では送電線の長距離化により系統事故時の直流分電流減衰時定数が増大する傾向にあり、現在標準値は45msであるが、海外では385msの例もある。通常、遮断に必要なアーク時間幅は0.5サイクル程度で良いが、385msでは1.0サイクル必要になる。こうした要求に対して、現状のガス遮断器では対応難しい状況となってきている。
本発明の目的は、こうした近年の電力系統の要求に応えて定格電流を増大し、小型で高電圧大容量化が可能な高電圧大容量遮断器を提供することにある。
本発明は上記目的を達成するために、真空遮断部を用いた第一開閉部と、この第一開閉部に電気的直列に接続された第二開閉部とを備えた高電圧大容量遮断器において、上記第一開閉部を開極して上記第一開閉部で電流遮断後の過渡振動電圧に耐圧するようにし、その後に上記第二開閉部を開路して上記第二開閉部でインパルス電圧に耐圧して遮断完了するようにしたことを特徴とする。
また請求項2に記載の本発明は、真空遮断部を用いた第一開閉部と、この第一開閉部に電気的直列に接続されて第二開閉部とを備えた高電圧大容量遮断器において、トリップ信号に基づいて上記第一開閉部を開極して上記第一開閉部で電流遮断後の過渡振動電圧に耐圧し、その後、上記トリップ信号に基づいて上記第二開閉部を開路して上記第二開閉部でインパルス電圧に耐圧して遮断完了するように構成したことを特徴とする。
さらに請求項3に記載の本発明は、真空遮断部を用いた第一開閉部と、この第一開閉部に電気的直列に接続された第二開閉部とを備えた高電圧大容量遮断器において、トリップ信号に基づいて上記第一開閉部を開極し、上記第一開閉部の電極間が所定の開離距離となってからその最大アーク時間後に、上記トリップ信号に基づいて上記第二開閉部を開路するように構成したことを特徴とする。
さらに請求項4に記載の本発明は、真空遮断部を用いた第一開閉部と、この第一開閉部に電気的直列に接続された第二開閉部とを備えた高電圧大容量遮断器において、トリップ信号に基づいて上記第一開閉部を開極し、その後、上記トリップ信号に基づいて定格遮断時間内に上記第二開閉部を開路するように構成したことを特徴とする。
さらに、請求項5に記載の本発明は、真空遮断部を用いた第一開閉部と、この第一開閉部に電気的直列に接続された第二開閉部とを備えた高電圧大容量遮断器において、上記第一開閉部を開極した後、0.3秒以内に上記第二開閉部を完全開路状態となるように構成したことを特徴とする。
さらに、請求項6に記載の本発明は、真空遮断部を用いた第一開閉部と、この第一開閉部に電気的直列に接続された第二開閉部とを備えた高電圧大容量遮断器において、上記第一開閉部開極した後、8.3ms〜10msまでに上記第二開閉部を完全開路状態となるように構成したことを特徴とする。
さらに、請求項7に記載の本発明は、請求項1〜6のいずれか一つに記載のものにおいて、上記第一開閉部に電気的並列に接続されて主通電路を形成する第三開閉部を設け、この第三開閉部を開路後に上記第一開閉部を開極するようにしたことを特徴とする。
さらに、請求項8に記載の本発明は、真空遮断部を用いた第一開閉部と、この第一開閉部に電気的直列に接続された第二開閉部と、少なくとも上記第一開閉部に電気的並列に接続して主通電路を形成する第三開閉部とを備えた高電圧大容量遮断器において、トリップ信号に基づいて遮断操作を行う操作器を設け、上記第三開閉部を上記操作器によって開路操作するように連結し、上記第一開閉部と上記操作器間に上記第三開閉部を開路した後に開極する操作力を伝達する第一遅延機構を設け、上記第二開閉部と上記操作器間に上記第一開閉部の開極後に上記第二開閉部を開路する操作力を伝達する第二遅延機構を設けたことを特徴とする。
さらに、請求項9に記載の本発明は、請求項1〜8のいずれか一つに記載のものにおいて、上記第二開閉部は、絶縁性ガスを封入した密閉容器内で開閉可能な固定接触子および可動接触子を有して構成したことを特徴とする。
さらに、請求項10に記載の本発明は、請求項1〜8のいずれか一つに記載のものにおいて、上記第二開閉部は、SF6ガスよりも温暖化係数の小さな絶縁性ガスを封入した密閉容器内で開閉可能な固定接触子および可動接触子を有して構成したことを特徴とする。
本発明の高電圧大容量遮断器によれば、電流遮断後に極間に印加される過渡振動電圧に耐圧した後に、第二開閉部が開路するようにしているため、第二開閉部の接触子間の開離距離を真空遮断部に比べて十分大きくして高い絶縁耐圧を得ることができ、多重雷インパルス等に対して良好な絶縁保持を行って簡単な構成で高電圧大容量が可能となる。
また、請求項2に記載の本発明の高電圧大容量遮断器によれば、同一のトリップ信号に基づいて電流遮断後に極間に印加される過渡振動電圧に耐圧した後に、第二開閉部が開路するようにしているため、第二開閉部の接触子間の開離距離を真空遮断部に比べて十分大きくして高い絶縁耐圧を得ることができ、多重雷インパルス等に対して良好な絶縁保持を行って簡単な構成で高電圧大容量が可能となる。
さらに、請求項3に記載の本発明の高電圧大容量遮断器によれば、同一のトリップ信号に基づいて第一開閉部の電極間が所定の開離距離となってからその最大アーク時間後に第二開閉部が開路するようにしているため、第一開閉部で過渡振動電圧に耐圧してから、その後に遮断器を系統から切り離す通常の断路器とは異なる第二開閉部を確実に開路して第二開閉部でインパルス電圧に耐圧するようにすることができる。
さらに、請求項4に記載の本発明の高電圧大容量遮断器によれば、同一のトリップ信号に基づいて定格遮断時間内に第二開閉部が開路するようにしているため、第一開閉部で過渡振動電圧に耐圧してから、遮断器を系統から切り離す通常の断路器とは異なる第二開閉部を確実に開路して第二開閉部でインパルス電圧に耐圧するようにすることができる。
さらに、請求項5に記載の本発明の高電圧大容量遮断器によれば、真空遮断部によって構成した第一開閉部は2〜3サイクルで電流遮断が行われ、第一開閉部を開極した後、0.3秒以内に第二開閉部を完全開路状態となるようにしており、高電圧大容量遮断器では系統安定度確保のために高速度再投入が要求され、遮断後、0.3秒経過したら再投入動作を開始しなければならないが、この責務を満足することができる。
さらに、請求項6に記載の本発明の高電圧大容量遮断器によれば、遮断器は事故電流遮断後0.5サイクルで、つまり60Hzで8.3msまた50Hzで10msで系統電圧は最大値となり、このとき、逆極性の雷インパルスが加わって最も絶縁責務が厳しい状態となるが、第一開閉部を開極した後、8.3ms〜10msまでに上記第二開閉部を完全開路状態となるようにしているため、この厳しい絶縁責務を容易に満足することができる。
さらに、請求項7に記載の本発明の高電圧大容量遮断器によれば、第一開閉部に電気的並列に接続されて主通電路を形成する第三開閉部を設け、この第三開閉部を開路後に第一開閉部を開極するようにしたため、主回路の定格電流は第一開閉部ではなく、この第一開閉部と電気的に並列に接続された第三開閉部を主に流れるため、真空遮断部によって構成した第一開閉部での発熱を抑制しながら主回路の通電電流を大きくすることが可能となる。
さらに、請求項8に記載の本発明の高電圧大容量遮断器によれば、操作器へのトリップ信号に基づいて第三開閉部を開路すると、同じ操作器の操作力が第一遅延機構を介して第一開閉部に伝達されてこれを開極し、その後、同じ操作器の操作力が第二遅延機構を介して第二開閉部に伝達され、共通の操作器によって各開閉部を適切な関係で開閉制御することができ、全体の構成を簡略化することができる。
さらに、請求項9に記載の本発明の高電圧大容量遮断器によれば、第二開閉部を絶縁性ガス中に構成することによって、絶縁性ガスの絶縁特性や、開離距離によって容易にインパルス電圧に耐圧するような第二開閉部を得ることができる。
さらに、請求項10に記載の本発明の高電圧大容量遮断器によれば、絶縁性ガスとしてSF6ガスよりも温暖化係数の小さな絶縁性ガスを用いることにより、環境に調和しながらも、定格通電流が大きく高電圧大容量とすることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施の形態による高電圧大容量遮断器の単線結線図である。
第一開閉部1と、この第一開閉部1と電気的直列に接続された第二開閉部2と、第一開閉部1と電気的並列に接続された第三開閉部3とを有して高電圧大容量遮断器を構成している。第一開閉部1は、真空中で電極間を開離して電流遮断を行う電流遮断特性に優れた真空遮断部で構成している。これに対して、第二開閉部2は真空以外の絶縁媒体、例えば絶縁性ガス中で接触子間を開離する構成であり、第一開閉部1による電流遮断後に接触子間を開離して高い耐圧特性を得ると共に、真空遮断部に比べて大きな開離距離を比較的容易に得られるガス開閉部によって構成している。第三開閉部3は、投入状態において定格電流の大部分を通電して主通電路を形成するもので、第一開閉部1および第二開閉部2の開路に先行して開路される。
第一開閉部1を構成する真空遮断部は、通常、真空遮断器として知られる構成を使用することができ、例えば、所定距離開離した電極間にアークを発生させ、電極に形成した溝などによって発生する電磁駆動力を利用してアークを電極間対向部で回転しながら電流零点を迎えて電流遮断を行うものである。この第一開閉部1は、系統で生じる全ての事故電流を遮断する電流遮断性能を有し、所定距離開離した電極間でアークが消滅してから電極間に過渡振動電圧が現れるが、これに耐圧する遮断性能を有して構成している。これに対して第二開閉部2を構成するガス開閉部は、上述した真空遮断部のように電極間開離距離が制限されずに比較的大きな開離距離を取ることができるので、遮断器としての定格遮断時間内で過渡振動電圧よりも過酷な多重雷インパルスなどのインパルス電圧に耐圧するように構成している。
投入状態で第一開閉部1、第二開閉部2および第三開閉部3は共に閉路され、主回路の定格電流は第二開閉部2と主に第三開閉部3を流れている。遮断動作は、トリップ信号を受けた図示しない操作器によって行われ、先ず第三開閉部3を開路して遮断すべき電流が第一開閉部1と第二開閉部2の直列接続部を流れるようにし、次いで、第一開閉部1を開極して電流遮断を行った後、後述する所定のタイミングで第二開閉部2を開路する。一方、投入時は、先ず第二開閉部2が閉路され、次いで第一開閉部1が閉路され、最後に第三開閉部3が閉路される。
この遮断動作をより詳細に説明すると、トリップ信号が与えられ、図3に示したストローク特性4のように先ず時刻t1で第三開閉部3が開路され、遮断電流は直ちに第一開閉部1と第二開閉部2を流れることになる。次いで、第三開閉部3の極間絶縁耐圧が第一開閉部1の極間絶縁耐圧を上回るようになったとき、ストローク特性5に示すように時刻t2で第一開閉部1が開路されて、真空遮断部である故に短いストロークで開極位置に達し、電極間に発生したアークは電磁駆動力を受けて電極間対向部で回転しながら電流零点を迎えて電流遮断が行われ、電流遮断直後に極間に過渡振動電圧が印加されるがこれに耐圧して遮断が完了する。その後、ストローク特性6に示すように時刻t3で同じトリップ信号に基づいて電気的あるいは機械的遅延機構を介して第二開閉部2が開路し、この第二開閉部2では上述したように高い絶縁耐圧が得られるので、過渡振動電圧よりも過酷な多重雷インパルス等のインパルス電圧に対する絶縁保持が行われる。
第一開閉部1が開極した後、第二開閉部2を開路するタイミングは、種々設定することができる。例えば、第三開閉部3を開路後に、第一開閉部1を開極してこの第一開閉部1で過渡振動電圧に耐圧し、その後に第二開閉部2を開路してこの第二開閉部2でインパルス電圧に耐圧するようにすることができる。これを実現するためには、トリップ信号に基づいて第三開閉部3を開路し、その後、トリップ信号に対し遅延して操作力を伝達して第一開閉部1を開極してこの第一開閉部1で過渡振動電圧に耐圧するようにし、その後、同じトリップ信号に対しさらに遅延して操作力を伝達して第二開閉部2を開路してこの第二開閉部でインパルス電圧に耐圧するように構成したりすれば良い。
また、第二開閉部2を開路するタイミングは、トリップ信号に基づいて第三開閉部3を開路後に第一開閉部1を開極し、この第一開閉部1の電極間が所定の開離距離となってからその最大アーク時間後に、同じトリップ信号に基づいて第二開閉部2を開路するように構成しても良い。より具体的な第二開閉部2を開路するタイミングは、上述した遮断動作において、真空遮断部である第一開閉部1が開極し電極間が所定の開離距離に達してから少なくとも0.6サイクル後に開路する。真空遮断部である第一開閉部1の最大アーク時間は50サイクルベースで0.6サイクルつまり12msである。これらの説明からも分かるように、第一開閉部1と第二開閉部2の直列接続体によって一つの遮断器を構成しており、この第二開閉部2は、定格遮断時間後に遮断器を系統から切り離すために主回路を開く断路器とは異なる。
この遮断動作中における各開閉部1〜3の絶縁耐圧特性は図4に示す通りである。第三開閉部3は、絶縁耐圧特性曲線7に示すように時刻t1で開路し始めて徐々に絶縁耐圧を向上させる。第一開閉部1は、第三開閉部3の極間絶縁耐圧が第一開閉部1の極間絶縁耐圧を上回るようになったとき、絶縁耐圧特性曲線8に示すように時刻t2で開極し始め比較的短い所定の電極間開離距離に達して電流遮断を行う。そのとき、一定の絶縁耐圧を示すが、第一開閉部1は真空遮断部で構成されているため、電極間開離距離が小さくインパルス電圧のような過酷な過電圧に対して十分な耐圧を得ることができない。そこで、遮断器としての定格遮断時間内の時刻t3で第二開閉部2を開路し始めるが、この第二開閉部2はガス開閉部で構成しているため、絶縁耐圧特性曲線9に示すように時刻t3で開路し始め比較的高速度で大きなストロークをとることができ、その他の各開閉部に比べて急速に絶縁耐圧を向上させ最も絶縁耐圧の高い位置まで動作するようにしている。従って、高電圧大容量遮断器全体としては、耐圧の低い真空遮断部を用いながらも、この第二開閉部2との組合せによって高耐圧の遮断器が実現されている。
真空遮断部を用いた真空遮断器では、真空容器内の開離可能な一対の電極を有して構成され、この両電極は突き合わせ接触となっているため、同部での通電による発熱は熱伝導のみで真空バルブ外に放熱されることになり、一般的には十分な冷却効果が期待できないことから通電容量が小さく抑えられてしまう。しかし、上述した高電圧大容量遮断器では、主回路の定格電流は第一開閉部1ではなく、この第一開閉部1と電気的に並列に接続された第三開閉部3を主に流れるため、真空遮断部によって構成した第一開閉部1での発熱を抑制しながら、主回路の通電電流を大きくすることが可能となる。また、極間に印加される過渡振動電圧に耐圧して電流遮断が完了した後に、既に与えられていたトリップ信号に基づいて第二開閉部2が開路するようにしている。この第二開閉部2は真空遮断部とは異なる絶縁媒体、例えば絶縁性ガス中で接触子間を開離する構成とすることができるので、絶縁性ガスの大きな絶縁耐力を利用し、また真空遮断部に比べて接触子間の開離距離を十分大きくして大きな絶縁耐圧を得ることができ、多重雷インパルス等に対して良好な絶縁保持が行われる。
図5は、本発明の一実施の形態による高電圧大容量遮断器の具体構成を示す断面図である。
図示しない密閉容器内には絶縁性ガスが封入され、この密閉容器から電気的に絶縁した状態で一方の端子10が支持固定されている。この端子10にはガス開閉部の固定接触子11が固定され、この固定接触子11に対向する可動接触子12はシリンダ14に固定されている。後述する真空バルブ17の上部端板およびこれに固定された固定主接触部16によってシリンダ14は案内され、また簡易なパッファー室15を形成している。可動接触子12およびシリンダ14の下方への動作によってパッファー室15内の絶縁性ガスは圧力上昇し、固定接触子11と可動接触子12間に絶縁筒13によって案内しながら吹き付けられる。真空バルブ17の下部端板31は、真空バルブ17を構成する絶縁容器によって上部端板と共に固定部材として位置固定されており、この真空バルブ17の下部端板31に対して可摺動的に可動主接触子20が配置され、絶縁ロッド30を介して操作器に連結されている。真空バルブ17等によって図1に示した第一開閉部1が構成され、固定接触子11および可動接触子12等によって図1に示した第二開閉部2が構成され、また固定主接触子16および可動主接触子20等によって図1に示した第三開閉部3が構成されている。
図1に示した第一開閉部1を構成した真空バルブ17は、開離可能な一対の固定電極18と可動電極19を有し、ベローズ22によって真空を保持しながら可動電極19の開極動作を許す構成で、可動電極19が開離して固定電極18との間に一定の開極距離が保持されると、両電極18,19間にアークが発生すると共に、電極構造による電磁駆動力を受けて電極18,19間の対向部でアークを回転しながら電流零点を迎えて電流遮断が行われ、電流遮断直後に極間に過渡振動電圧が現れるがこれに耐圧して電流遮断が完了する。このような構成は、真空遮断器として知られた構成である。可動電極19に連結したホルダ23は可動主接触子20の下部から導出され、その導出部に設けた集電子24によって可動主接触子20および図示しない他方の端子に接続されている。
この第一開閉部1は、詳細を後述する第一遅延機構26を介して操作器により開極操作される。この第一遅延機構26は、少なくとも可動電極19と固定電極18との間に一定の開極距離を保持したとき、先行して開路した第三開閉部3の固定主接触子16と可動主接触子20間の耐圧よりも高い耐圧が保持されるように、トリップ信号による第三開閉部3の開路に遅れて第一開閉部1を開極させるための遅延機構である。
この第一遅延機構26は、絶縁ロッド30における対向部に形成された係合部25によって作動開始するように構成されている。この第一遅延機構26は、図6に示すように真空バルブ17のホルダ23に一端を連結した第一レバー32と、この第一レバー32の他端に遊びを有して一端を連結した第二レバー33と、この第二レバー33の他端に反時計方向の回転力を与える投入ばね34とを有して構成している。図示の閉路状態で、投入ばね34は第二レバー33に反時計方向の回転力を与え、また第一レバー32に対しては時計方向の回転力を与えて可動電極19を固定電極18に圧接している。
またシリンダ14には絶縁ロッド21の一端が連結され、絶縁ロッド21の他端にはレバー27の一端が連結されている。このレバー27の他端にはリンク28を介し、また遊びを有する連結部である第二遅延機構51を介してレバー29の一端に連結され、このレバー29の他端は絶縁ロッド30に連結されている。この第二遅延機構51は、トリップ信号によって第一開閉部1の可動電極19と固定電極18との間に一定の開極距離を保持してから例えば0.6サイクル後に第二開閉部2の開路動作を行わせる遅延機構である。従って、図示しない操作器によって絶縁ロッド30を図示の下方に駆動すると、先ず固定主接触子16から可動主接触子20が開離し、次いで、第一遅延機構26を介して真空バルブ17が開極し、その後、第二遅延機構51等を介してシリンダ14および可動接触子12を駆動し、可動接触子12を固定接触子11から開離することになる。
次に、上述した高電圧大容量遮断器の遮断動作について説明する。
図示の閉路状態で定格電流は、一方の端子10……固定接触子11……可動接触子12……シリンダ14……可動主接触子6……固定主接触子20……集電子24……他方の端子への回路で流れている。図示しない操作器にトリップ信号が与えられて絶縁ロッド30を下方へ駆動すると、先ず、可動主接触子20が固定主接触子16から開離する。すると、通電電流は、一方の端子10……固定接触子11……可動接触子12……シリンダ14……可動主接触子6……固定電極18……可動電極19……集電子24……他方の端子への回路で流れるようになる。
次に、絶縁ロッド30が所定距離下方へ駆動され、可動主接触子20と固定主接触子16間に所定の絶縁耐圧が得られると、係合部25によって第一遅延機構26が作動することになる。第一遅延機構は、図6に示したように投入ばね34によって第二レバー33に反時計方向の回転力を与え、また第一レバー32に対しては時計方向の回転力を与えて可動電極19を固定電極18に圧接して図示の状態を保持している。しかし、図7に示したように係合部25が第二レバー33の他端に接触し投入ばね34に抗して第二レバー33を時計方向に回転すると、遊びを有する連結によって第一レバー32を反時計方向に回転することになる。その後の第二レバー33は、係合部25を過ぎた絶縁ロッド30の対向面によって図8に示したように状態が保持され、投入ばね34によって投入されることはない。
こうして可動電極19は遮断方向に駆動され、固定電極18との間に一定の開極距離が保持され、両電極18,19間にアークが発生すると共に、電極構造による電磁駆動力を受けて電極18,19間の対向部でアークを回転しながら電流零点を迎えて電流遮断が行われ、電流遮断直後に極間に過渡振動電圧が印加されるがこれに耐圧して電流遮断が完了する。可動電極19と固定電極18間が一定の開極距離になってから最大アーク時間、つまり0.6サイクル後、今度は第二遅延機構51が作動して固定接触子11から可動接触子12が開離する。
この動作タイミングは、図5に示した可動電極19と固定電極18間が一定の開極距離になったとき、ロッド30の遮断方向への動作によってレバー29が時計方向に回転して、第二遅延機構51によるリンク28との間の遊びが吸収されるように設定することによって実現できる。この第二遅延機構51の遊びが吸収されるとレバー29は、リンク28を介してレバー27が反時計方向に回転することになり、絶縁ロッド21を介してシリンダー14および可動接触子12を下方に駆動してガス開閉部を遮断状態にする。ガス開閉部の密閉容器内には絶縁耐力の高い絶縁性ガスが封入されており、またレバー27などのレバー比を適切に設定することによって大きな開離距離を確保することができ、多重雷インパルス電圧が印加されても、これに十分に耐圧して遮断動作を終了する。
このような構成の高電圧大容量遮断器は、通電性能や多重雷のようなインパルス耐圧に弱い真空遮断部を使用しながらも、固定主接触子16と可動主接触子20による第三開閉部3によって定格電流の大部分を流し、真空遮断部での発熱を防止して定格電流を大きくすることができる。しかも、絶縁ガス中で開路する固定接触子11と可動接触子12とから第二開閉部2を構成したため、ここでの絶縁性ガスを利用したり真空遮断部に比べて開離距離を大きくしてインパルス耐圧を高めることができる。
また、このような高電圧大容量遮断器によれば、特に、第二開閉部2を真空以外の絶縁媒体中の開閉部として構成して真空遮断部よりも開離ストロークを大きくし、また絶縁性ガスの絶縁特性を利用して耐圧性能を高め、雷インパルスに耐圧することができる。この第二開閉部2としては、密閉容器内に封入する絶縁性ガスとしてはSF6ガス、乾燥空気、CO2ガス、N2ガス、CF3Iの少なくとも一つ、またはこれらの複数の混合ガス、もしくは絶縁油などを用いることもできる。いずれにしても電流遮断を真空遮断部で行うため遮断性能に優れたガスとする必要がないので、SF6ガスの使用量を減らしたり、全くSF6を使用せずに第二開閉部2を構成するなら、環境調和型の高電圧大容量遮断器とすることができる。
一般に、温暖化現象は、一様に気温が上昇するのでなく激しい気候変動が伴う。従って、今後、既に要求ある−50℃仕様はさらに要求が拡大すると思われるが、全くSF6を使用せずにこれらの条件を満たすガス密度で封入して構成することにより、これに十分対応する高電圧大容量遮断器が得られる。また環境問題も含めて、操作器は油圧操作器から油不使用、構造簡潔、なばね操作器へのシフトが大きな流れである。しかし、パッファー形ガス遮断器で63kAをはね操作器で構成するのは難しいが、上述したように構成することによって、簡単なばね操作器を使用して高電圧大容量遮断器が得られる。
さらに、図5に示した高電圧大容量遮断器では、パッファー室15を有する第二開閉部2としているが、このパッファー室15は省略しても良いし、バッファー形ガス遮断器に比べて非常に小型簡易なバッファー室15とすることもでき、全体としても小型な高電圧大容量遮断器とすることができる。さらに、開閉サージ、突入電流抑制など電力品質向上のため、制御開閉は今後晋及していくと思われるが、パッファー形ガス遮断器はストロークが長く投入時間も長いため、制御投入が難しいが、上述した高電圧大容量遮断器によれば、これらの制御開閉を比較的容易に行うことができる。
図2は、本発明の他の実施の形態による高電圧大容量遮断器を示す回路図である。
この実施の形態における高電圧大容量遮断器は、真空遮断部である第一開閉部1と、ガス中に構成した第二開閉部2とを電気的に直列に接続し、第一開閉部1および第二開閉部2と電気的に並列に主電流通路を形成する第三開閉部3を接続している。
上述した実施の形態では、第三開閉部3に続いて第一開閉部1を開極し、第一開閉部1の電極間が所定の開離距離となってからその最大アーク時間後に、トリップ信号に基づいて第二開閉部2を開路するように構成したり、トリップ信号に基づいて第三開閉部3に続いて第一開閉部1を開極し、その後、同じトリップ信号に基づいて定格遮断時間内に第二開閉部2を開路するように構成したが、これに限定するものではない。つまり第三開閉部3に続いて第一開閉部1を開極した後、0.3秒以内に第二開閉部2を完全開路状態となるように構成したり、第一開閉部1を開極した後、8.3ms〜10msまでに上記第二開閉部2を完全開路状態となるように構成することもできる。
このようなタイミングで第二開閉部2を開路するように構成すると、一般に真空遮断部によって構成した第一開閉部1は2〜3サイクルで電流遮断が行われ、第一開閉部1を開極した後、0.3秒以内に第二開閉部2を完全開路状態となるようにしているため、高電圧大容量遮断器では系統安定度確保のために高速度再投入が要求され、遮断後、0.3秒経過したら再投入動作を開始しなければならないが、この責務を満足することができる。また、遮断器は事故電流遮断後0.5サイクルで、つまり60Hzで8.3msまた50Hzで10ms後に系統電圧は最大値となり、このとき、逆極性の雷インパルスが加わって最も絶縁責務が厳しい状態となるが、第一開閉部1を開極した後、8.3ms〜10msまでに第二開閉部2を完全開路状態となるようにしているため、この厳しい絶縁責務を容易に満足することができる。
図9は、上述した高電圧大容量遮断器の具体的な構成例を示す概略正面図である。
密閉容器44内には絶縁性ガスを封入し、この密閉容器44から絶縁物35によって電気的に絶縁した状態で一方の端子10が支持固定されている。この端子10には固定導体43を介してガス開閉部の固定接触子11が固定され、この固定接触子11に対向する可動接触子12は集電子45と常時接触状態を保持しながら上下動可能に絶縁ロッド21に連結されている。真空バルブ17は絶縁容器の両端部に上部端板36および下部端板31を有し、下部端板31は固定導体37を介して絶縁物39で支持固定され、他方の端子40に接続されている。上部端板36には可動接触子12と常時電気的に接続した集電子45が支持されており、下部端板31には集電子38が支持されている。
この集電子38と常時電気的に接続した可動主接触子20が設けられ、この可動主接触子20は固定導体43に取り付けた固定主接触子16に対して接離可能に配置されている。また可動主接触子20は絶縁ロッド30を介して図示しない操作器に連結されている。真空バルブ17等によって図1に示した第一開閉部1が構成され、また固定接触子11および可動接触子12等によって第二開閉部2が構成され、また固定主接触部16および可動主接触子20等によって第三開閉部3が構成されている。
図9に示した第一開閉部1を構成した真空バルブ17は、開離可能な一対の固定電極18と可動電極19を有し、ベローズ22によって真空を保持しながら可動電極19の開極動作を許す構成で、真空遮断器として使用されている構成である。可動電極19に連結したホルダ23は下部端板31から導出されている。このホルダ23には、上述した第一遅延機構26が連結され、この第一遅延機構26は絶縁ロッド30における対向部に形成した係合部25によって作動開始するように構成されている。この第一遅延機構は、図6に示した先の実施の形態と同一構成である。
また可動接触子12に連結した絶縁ロッド21の下端には、レバー27の一端が連結されている。このレバー27の他端にはリンク28を介してレバー29の一端に構成した遊びを有する連結部である第二遅延機構51に連結され、レバー29の他端はロッド30に連結されている。従って、操作器によってロッド30を図示の下方に駆動すると、先ず固定主接触子16から可動主接触子20が開離して第三開閉部3が開路し、次いで、第一遅延機構26を介して真空バルブ17である第一開閉部1が開極し、その後、第二遅延機構29や絶縁ロッド21を介してシリンダ14および可動接触子12を駆動し、可動接触子12を固定接触子11から開離して第二開閉部2を開路することになる。
このような構成の高電圧大容量遮断器は、先の実施の形態の場合と同様に動作させることができ、通電性能や多重雷のようなインパルス耐圧に弱い真空遮断部を使用しながら、固定主接触子16と可動主接触子20による第三開閉部3によって定格電流の大部分を流し、真空遮断部での発熱を防止して定格電流を大きくすることができる。しかも、絶縁ガス中で開路する固定接触子11と可動接触子12とから第二開閉部2を構成したため、ここでの絶縁性ガスを利用したり真空遮断部に比べて開離距離を大きくしてインパルス耐圧を高めることができる。
図10は、本発明の他の実施の形態による高電圧大容量遮断器の具体的な構成例を示す概略正面図である。
図示しない操作器に連結した絶縁ロッド48にはそれぞれリンク47,49を介してレバー46,50の一端が連結されている。レバー46の他端にはロッド30の一端が連結され、このロッド30には集電子38と常時接触した可動主接触子20が連結されている。可動主接触子20に対向する固定主接触子16は、真空バルブ17の上部端板36と一体的に連結した一方の端子に固定されている。真空バルブ17はその絶縁容器の両端部に固定した上部端板36と下部端板31を有して機械的な構造物としても利用され、下部端板31に集電子38を取り付けている。真空バルブ17の構成は先の実施の形態の場合と同じであり、可動電極19を固定したホルダ23はベローズによって真空を保持しながら開閉動作することができる。このホルダ23の端部には、上述した第一遅延機構26が連結されており、この第一遅延機構26はロッド30の対向面に形成した係合部25によって作動開始する。固定主接触子16と可動主接触子20等から構成した第三開閉部3と、真空バルブ17等によって構成した第一開閉部1の動作特性は先の実施の形態と同様である。
一方、レバー50の他端には第二遅延機構部51が構成され、この第二遅延機構部51を介して第二開閉部2の可動接触子12が連結されている。この可動接触子12に対向する固定接触子11は他方の端子10に取り付けられている。この他方の端子10と上述した一方の端子36は、それぞれ図示を省略した絶縁物によって密閉容器から電気的に絶縁された状態で支持されている。
遮断動作は、図示しない操作器によって絶縁ロッド48を右方に駆動して行う。レバー46は反時計方向に回転し、ロッド30を介して可動主接触子20を固定主接触子16から開離する。このときレバー50も時計方向に回転するが、第二遅延機構51によって操作力はまだ可動接触子12に伝達されない。可動主接触子20と固定主接触子16間の絶縁耐圧が高まると、ロッド30の係合部25が第一遅延機構26を作動させて図6から図8に示すように真空遮断部を開極する。可動電極19が固定電極19から所定距離開離してから例えば0.6サイクル経過すると、第二遅延機構29による空動きが止み可動接触子12を上方部へ駆動して固定接触子11から開路する。この状態で、固定接触子11と可動接触子12から成るガス開閉部は、十分な開離距離を有すると共に絶縁性ガスの絶縁体力により、より過酷な多重雷インパルスに耐圧することができる。
この説明から分かるように、本発明による高電圧大容量遮断器は、三つの開閉部1〜3を必ずしも同方向に開閉駆動する構成に限らず、通常の二点切り遮断器のような基本構成を利用したり、その他の構成を利用して構成することもできる。
図11は、本発明のさらに異なる他の実施の形態による高電圧大容量遮断器を示す概略構成図である。
電気的直列に接続した二点の第一開閉部1a,1bを真空遮断部で構成して密閉容器44内に並置し、主回路を略U字状に形成し、これら第一開閉部1a,1bの上部を橋絡する形で主通電路を形成する第三開閉部3を接続している。またガス開閉部で構成した第二開閉部2は一方の第一開閉部1bの上部にのみ直列接続している。各開閉部1a〜3は、それぞれ密閉容器44の下部に配置した操作器51によって開閉操作するようにしており、それぞれの開路タイミングは先に実施の形態の場合と同様である。先ず、第三開閉部3が開路し、次いで第一遅延機構を介して二点の第一開閉部1a,1bが開極し、その所定時間後に第二遅延機構を介して第二開閉部2を開路する。
図12は、本発明のさらに異なる他の実施の形態による高電圧大容量遮断器を示す概略構成図である。
この実施の形態では、真空遮断部で構成した第一開閉部1aと、この第一開閉部1aに電気的直列に接続したガス開閉部で構成した第二開閉部2と、第一開閉部1aと電気的並列に接続すると共に、第一開閉部1aの真空遮断部と同一定格品の真空遮断部で構成した第一開閉部1bと、第一開閉部1aと第一開閉部1bとに流れる電流の分流比を調整するためにそれぞれ接続したインピーダンス調整用リアクトル52a,52bとから高電圧大容量遮断器を構成している。ここでは第一開閉部1a,1bは、第1図に示した第三開閉部3を兼用しており、遮断動作は第一開閉部1a,1bを同時に開極し、その後、先の実施の形態の場合と同じタイミングで第二開閉部2を開路する。
このような構成の高電圧大容量遮断器によれば、並列接続した真空遮断部で成る第一開閉部1a,1bとで主通電路を形成し、それぞれの分流比をインピーダンス調整用リアクトル52a,52bで調整しているため、多重雷のようなインパルス耐圧に弱い真空遮断部を使用しても、絶縁ガス中で開路する第二開閉部2によって真空遮断部に比べて開離距離を大きくして耐圧を高めてインパルス耐圧を高めることができという先の実施の形態と同様の効果を奏し、しかも、各真空遮断部には例えば定格電流の1/2を流すことになるため、真空遮断部での発熱を防止して定格電流を大きくすることができる。
また、図5、図9および図10に示した実施の形態を組み合わせて、図5および図9に示した第一開閉部1、第二開閉部2および第三開閉部3の構成を、レバー29で代表するような機構部を中央にして上下に一対構成し、中央部に位置した機構部を図10に示したような絶縁ロッドで一括操作するようにすれば、通常の遮断器での二点切り構成を実現することができる。二点切り構成の第一開閉部1にはそれぞれ分圧用コンデンサを並列接続して分担電圧を均等化するが、この各分圧用コンデンサは、それぞれの第一開閉部1を構成する真空遮断部の電極の外周部に中間シールドが配置されるので、この中間シールドを利用して中間の電位を与えるようにすると良い。
本発明による高電圧大容量遮断器は、上述した実施の形態以外の構成の高電圧大容量遮断器にも適用することができる。例えば、第一開閉部1と並列に第三開閉部3を設けているが、定格電流に応じてこの第三開閉部3を省略した高電圧大容量遮断器とすることもできる。
本発明の一実施の形態による高電圧大容量遮断器を示す単線結線図である。 本発明の他の実施の形態による高電圧大容量遮断器を示す単線結線図である。 図1に示した高電圧大容量遮断器における各開閉部のストローク特性図である。 図1に示した高電圧大容量遮断器における各開閉部の絶縁耐圧特性図である。 図1に示した高電圧大容量遮断器の具体構成例を示す断面図である。 図5に示した高電圧大容量遮断器における第一遅延機構を示す平面図である。 図6に示した第一遅延機構の動作途中状態を示す平面図である。 図6に示した第一遅延機構の動作完了状態を示す平面図である。 本発明の他の実施の形態による高電圧大容量遮断器の具体構成例を示す断面図である。 本発明のさらに他の実施の形態による高電圧大容量遮断器の具体構成例を示す断面図である。 本発明のさらに他の実施の形態による高電圧大容量遮断器の具体構成例を示す断面図である。 本発明のさらに他の実施の形態による高電圧大容量遮断器を示す単線結線図である。
符号の説明
1 第一開閉部
2 第二開閉部
3 第三開閉部
11 固定接触子
12 可動接触子
15 パッファー室
16 固定主接触子
17 真空バルブ
18 固定電極
19 可動電極
20 可動主接触子
21 絶縁ロッド
22 ベローズ
23 ホルダ
25 係合部
26 第一遅延機構
29 第二遅延機構

Claims (10)

  1. 真空遮断部を用いた第一開閉部と、この第一開閉部に電気的直列に接続された第二開閉部とを備えた高電圧大容量遮断器において、上記第一開閉部を開極して上記第一開閉部で電流遮断後の過渡振動電圧に耐圧するようにし、その後に上記第二開閉部を開路して上記第二開閉部でインパルス電圧に耐圧して遮断完了するようにしたことを特徴とする高電圧大容量遮断器。
  2. 真空遮断部を用いた第一開閉部と、この第一開閉部に電気的直列に接続されて第二開閉部とを備えた高電圧大容量遮断器において、トリップ信号に基づいて上記第一開閉部を開極して上記第一開閉部で電流遮断後の過渡振動電圧に耐圧し、その後、上記トリップ信号に基づいて上記第二開閉部を開路して上記第二開閉部でインパルス電圧に耐圧して遮断完了するように構成したことを特徴とする高電圧大容量遮断器。
  3. 真空遮断部を用いた第一開閉部と、この第一開閉部に電気的直列に接続された第二開閉部とを備えた高電圧大容量遮断器において、トリップ信号に基づいて上記第一開閉部を開極し、上記第一開閉部の電極間が所定の開離距離となってからその最大アーク時間後に、上記トリップ信号に基づいて上記第二開閉部を開路するように構成したことを特徴とする高電圧大容量遮断器。
  4. 真空遮断部を用いた第一開閉部と、この第一開閉部に電気的直列に接続された第二開閉部とを備えた高電圧大容量遮断器において、トリップ信号に基づいて上記第一開閉部を開極し、その後、上記トリップ信号に基づいて定格遮断時間内に上記第二開閉部を開路するように構成したことを特徴とする高電圧大容量遮断器。
  5. 真空遮断部を用いた第一開閉部と、この第一開閉部に電気的直列に接続された第二開閉部とを備えた高電圧大容量遮断器において、上記第一開閉部を開極した後、0.3秒以内に上記第二開閉部を完全開路状態となるように構成したことを特徴とする高電圧大容量遮断器。
  6. 真空遮断部を用いた第一開閉部と、この第一開閉部に電気的直列に接続された第二開閉部とを備えた高電圧大容量遮断器において、上記第一開閉部を開極した後、8.3ms〜10msまでに上記第二開閉部を完全開路状態となるように構成したことを特徴とする高電圧大容量遮断器。
  7. 請求項1〜6のいずれか一つに記載のものにおいて、上記第一開閉部に電気的並列に接続されて主通電路を形成する第三開閉部を設け、この第三開閉部を開路後に上記第一開閉部を開極するようにしたことを特徴とする高電圧大容量遮断器。
  8. 真空遮断部を用いた第一開閉部と、この第一開閉部に電気的直列に接続された第二開閉部と、少なくとも上記第一開閉部に電気的並列に接続して主通電路を形成する第三開閉部とを備えた高電圧大容量遮断器において、トリップ信号に基づいて遮断操作を行う操作器を設け、上記第三開閉部を上記操作器によって開路操作するように連結し、上記第一開閉部と上記操作器間に上記第三開閉部を開路した後に開極する操作力を伝達する第一遅延機構を設け、上記第二開閉部と上記操作器間に上記第一開閉部の開極後に上記第二開閉部を開路する操作力を伝達する第二遅延機構を設けたことを特徴とする高電圧大容量遮断器。
  9. 請求項1〜8のいずれか一つに記載のものにおいて、上記第二開閉部は、絶縁性ガスを封入した密閉容器内で開閉可能な固定接触子および可動接触子を有して構成したことを特徴とする高電圧大容量遮断器。
  10. 請求項1〜8のいずれか一つに記載のものにおいて、上記第二開閉部は、SF6ガスよりも温暖化係数の小さな絶縁性ガスを封入した密閉容器内で開閉可能な固定接触子および可動接触子を有して構成したことを特徴とする高電圧大容量遮断器。
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