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JP2006008055A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

電動パワーステアリング装置 Download PDF

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JP2006008055A JP2004191376A JP2004191376A JP2006008055A JP 2006008055 A JP2006008055 A JP 2006008055A JP 2004191376 A JP2004191376 A JP 2004191376A JP 2004191376 A JP2004191376 A JP 2004191376A JP 2006008055 A JP2006008055 A JP 2006008055A
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Masayuki Tanaka
政行 田中
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Koyo Seiko Co Ltd
Favess Co Ltd
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Abstract

【課題】ロックエンド付近等で必要とされる操舵補助トルクを低い値に抑えて、電動モータの小型化、低出力化を可能にする。
【解決手段】 操舵部材1の操作に応じて電動モータ5を駆動して操舵補助する電動パワーステアリング装置であって、操向用車輪12の操舵角を検出する手段16と、各車輪に対して車体の高さを調整する車高調整手段(アクティブサスペンション13)とを備え、操向用車輪12の操舵角が所定の範囲に含まれる場合には、車高調整制御手段(マイクロコンピュータ14)により、車高調整手段13の一部もしくは全部を駆動して車高を調整する制御を行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、ハンドル等の操舵部材の操作に応じて電動モータを駆動して運転者の操舵力を補助するようにした電動パワーステアリング装置に関する。
電動パワーステアリング装置は、一般に、各種センサ(操舵部材に加わる操舵トルクを検出するトルクセンサや、車速を検出する車速センサ等)と、操舵補助用の電動モータと、この電動モータの回転を減速して操舵軸等に伝達する減速機構と、各種センサからのセンサ信号に基づいてモータ駆動回路へのモータ電流指令値を演算して該電動モータを駆動制御する電子制御ユニット(ECU)とを備え、該ECUの制御指令により電動モータを駆動制御して操舵補助トルクをステアリング機構に付加して運転者の操舵力を軽減するようになっている(特許文献1参照)。
ところで、上記のような電動パワーステアリング装置においては、ハンドルを切って操向用車輪の向きを一方に変えていった場合、ロックエンド(操向車輪の操舵角度の限界)に近いほど、大きな操舵補助トルクをステアリング機構に付加するようになっている。これは、操向用車輪の操舵角が大きくなるほど、操舵に対する抵抗が増すからである。
このことを、図6を参照して説明すると、図6は、操向用車輪の動きを模式的に示す説明図である。
自動車の操向用車輪Wには、通常、上開きのキャンバー角αが設定されていて、これに対して、操向用車輪Wの旋回中心となるべきキングピン軸Pには、前方から見れば下開きのキングピン傾斜(角度β)が設定されている。そして、操向用車輪Wは、操舵に伴い図示の中立位置から、キングピン軸Pを中心軸とする円すいの表面に外接して運動する。図からも分るように、操向用車輪Wの中心Woはキングピン軸Pの周りを旋回移動するから、操向用車輪Wは中立位置から離れるほど、低い位置に移動する。実際には、操向用車輪Wが接する路面Sの高さは変わらないから、操向用車輪Wの高さは変わらず、この操向用車輪Wを介して車体が押し上げられる。このため、操向用車輪Wの接地圧が増大するなどして、操舵に対する抵抗が増える。
また、操向用車輪Wは、中立位置からの操舵角が大きくなるほど、路面Sに向けての傾斜角度が大きくなって倒れ量が増すので、路面Sとの接地面積が増えて、この点からも操舵に対する抵抗が増す。
しかも、左右の操向用車輪W,Wにおいて、旋回内側の車輪の切れ角は、旋回外側の車輪の切れ角より大きいから、旋回内側の車輪の方が旋回外側の車輪よりも大きく傾いて、旋回内側の車輪が同側で車体をより高く押し上げる。したがって、左右の操向用車輪W,Wのうち、旋回内側の車輪で生じる操舵に対する抵抗は、他の側の車輪の操舵に対する抵抗より大きくなる。
上記したように、ロックエンド付近で生じる操舵に対する抵抗が大きければ、これに合わせて、必要とする操舵補助トルクを大きな値に設定しなければならず、大型で高出力の電動モータや、減速比の大きい減速機が必要となる。これではコストが嵩み、装置も大型化する。また、高出力の電動モータを使用すれば発熱量が増し、その発熱量に応じた熱設計が必要となり、設計に対する負担が増す。
特開平6−56045号公報
本発明は、ロックエンド付近等で必要とされる操舵補助トルクを低い値に抑えて、電動モータの小型化、低出力化を可能にすることを課題とする。
本発明による電動パワーステアリング装置は、操舵部材の操作に応じて電動モータを駆動して操舵補助する電動パワーステアリング装置であって、操向用車輪の操舵角を検出する手段と、各車輪に対して車体の高さを調整する車高調整手段と、操向用車輪の操舵角が所定の範囲に含まれる場合に一部もしくは全部の車高調整手段を駆動して車高を調整する制御を行う車高調整制御手段とを備えたことを特徴とするものである。
上記構成の電動パワーステアリング装置では、操向用車輪の操舵角度が所定の範囲、たとえばロックエンド(操舵角度の限界)に近い角度範囲に含まれるようになると、各車輪に設けられている車高調整手段の一部もしくは全部が駆動されて、車体の各部の高さが調整される。
本発明では、上記のように操向用車輪の操舵に関連して車高調整がなされるが、このような車高調整がなされない従来の場合では、操舵された操向用車輪により車体の当該車輪に対応する部分が押し上げられることになって、操向用車輪の操舵に対する抵抗が増大する。これに対して、本発明では、操向用車輪に対応する個所で車体の高さが低く調整される等して、操向用車輪の接地圧の増大が抑制され、操向用車輪の操舵に対する抵抗が低い値に抑えられる。そのため、必要とする操舵補助トルクは少なくて済む。
なお、車高調整は、車体の前部と後部とで行うようにしてもよいが、操向用車輪が設けられている車体の前部において、操向用車輪の操舵の向きに応じて旋回内側の車輪の側に設けられている車高調整手段は、旋回外側の車輪の側に設けられている車高調整手段よりも相対的に車高を低く調整するよう設定されていることが望ましい。なお、上記相対的な車高調整は、左右の車高調整手段のうち、少なくとも一方を調整するようにして行ってもよい。
左右の操向用車輪において、旋回内側の車輪の切れ角は、旋回外側の車輪の切れ角より大きいから、旋回内側の車輪は、旋回外側の車輪よりも車体を高く押し上げることになるが、上記のように設定されていると、車体の旋回内側の部分は低く、車体の旋回外側の部分は高く、それぞれ車高調整される。これで、旋回内側の操向用車輪にのみ過大な接地圧が作用することがなくなり、左右の操向用車輪にかかる操舵に対する抵抗を均等化して、必要とする操舵補助トルクを減少させることができる。
本発明によれば、ロックエンド付近等で必要とされる操舵補助トルクが低い値に抑えられ、電動モータの小型化、低出力化が可能となり、また、電動モータの小型化に伴い、発生熱量が減少し、熱設計の負担が減少する。
以下、添付図面を参照して、本発明の最良の形態に係る電動パワーステアリング装置を詳細に説明する。図1は、同電動パワーステアリング装置を、それに関連する車両構成とともに示す構成図である。
図1を参照して、本形態の電動パワーステアリング装置は、ステアリングホイール(ハンドル)等の操舵部材1に一端が固着された操舵軸2と、この操舵軸2に加えられる運転者の操舵トルクを検出するトルクセンサ3と、操舵軸2の他端に連結された、ラックピニオン機構等からなるステアリング機構4と、操舵部材1の操作(操舵操作)による運転者の負荷を軽減するための操舵補助トルクを発生する電動モータ5と、電動モータ5が発生する操舵補助トルクを互いに噛み合うギヤにより減速して操舵軸2に伝達する減速機構6と、車載バッテリ7からイグニッションスイッチ8を介して電源の供給を受け、電動モータ5の駆動を制御する電動パワーステアリング用電子制御ユニット(EPS用ECU)10とを備えている。
上記の操舵軸2は、少なくとも操舵部材1側の部分と、ステアリング機構4側の部分とに分割されて、両部分はトーションバー9により連結されており、このトーションバー9の外周にトルクセンサ3が配置されている。ステアリング機構4の出力側には、タイロッドおよびナックルアーム等からなる連結部材11を介して操向用の車輪12が連結されている。
本実施形態では、各車輪に車高調整手段としてアクティブサスペンションが設けられており、このうち、図1には、操向用車輪12,12の側に設けられたアクティブサスペンション13fa,13fbを図示している。
上記のEPS用ECU10は、内部に、電動パワーステアリング制御の中心を司るマイクロコンピュータ14と、CAN(コントローラ・エリア・ネットワーク)コントローラ101を有している。EPS用ECU10は、CANコントローラ101を介してCANバス15に接続され、このCANバス15に接続されている他のECU20,30,40,50とともに、車載用のCAN通信システムを構成している。
CANコントローラ101は、データ受信処理、応答データ作成処理、データ送信処理の機能を具備したものであり、他のECU20,30,40,50に含まれるCANコントローラ201,301,401,501とCAN通信し、当該他のECU20〜50に含まれるセンサのセンサ信号を受信したり、自己のECU10に含まれるセンサのセンサ信号を他のECU20〜50に送信することができる。CANバス15は、2本の通信線からなり、差動のシリアル通信が可能である。
一般に、CAN通信システムは、車載の機器や、家電製品のような複数の機器を接続するネットワークシステムとして知られており、その伝送レートが最高1Мbpsであり、従来から使用されている通信方式に比べ、非常に高速である、という特徴を備えている。また、デジタル信号を二線間の差動電圧に置き換えるシリアル通信であるため、耐ノイズ性に優れている、という特徴も備えている。
このCAN通信システムにおいて、ノードとしての各ECU10〜50は、CANバス15が空いている限り、CANバス15上にセンサ信号等のデータをパケットとして通信することができる。CANバス15が他のECU10〜50によるパケットに占有されている場合は、送出されるべきパケットは、当該ECU10〜50に設けられているCANコントローラ101,201,301,401,501で待機する。また、複数のECU10〜50が、CANバス15上のパケットを同時に受信することができる。
本実施形態において、EPS用ECU10とともに車載用のCAN通信システムを構成している他のECUとしては、車両の旋回挙動を安定化させるVSC(登録商標)用ECU20や、車両の加速性、直進性、旋回安定性を確保するTRC(登録商標)用ECU30、車輪のロックを防止するABS(アンチロック・ブレーキ・システム)用ECU40、サスペンション制御用ECU50等がある。このうち、VSC用ECU20には、操向用車輪12の操舵角を検出する検出手段としての舵角センサ16が、また、ABS用ECU40には各車輪の回転速度を検出する車速センサ17が、それぞれ含まれている。上記した操向用車輪12用のアクティブサスペンション13fa,13fbを含む各車輪のアクティブサスペンション(13と総称)は、サスペンション制御用ECU50に制御されるようになっている。
上記電動パワーステアリング装置を搭載した車両において、通常は、運転者が操舵部材1を操作すると、その操作による操舵トルクはトルクセンサ3により検出される。EPS用ECU10は、トルクセンサ3により検出された操舵トルクの情報と、CAN通信により取り込んだ車速センサ17の車速情報とに基づいて、電動モータ5を駆動制御する。これにより、電動モータ5は操舵補助トルクを発生し、この操舵補助トルクが減速機構6を介して操舵軸2に加えられることにより、操舵操作を行う運転者の負担が軽減される。
ところで、一般の電動パワーステアリング装置では、操舵部材1を操作して操向用車輪12の向きをいずれか一方に変えていった場合、操向用車輪12は、そのジオメトリー(幾何学的な配置)により、ロックエンド(操舵角度の限界)に近いほど、操舵に対する抵抗が増し、大きな操舵補助トルクを必要とするようになっているが、本発明では、操向用車輪12のロックエンド付近での操舵に対する抵抗の増大を抑え、必要とする操舵補助トルクを低い値に抑制しうるようになっている。
そのための構成と機能とを、図2ないし図4を参照して説明する。図2は、EPS用ECU10内部の構成を、関係する部分の構成とともに示すブロック回路図、図3は、EPS用ECU10のマイクロコンピュータ14の機能を示す機能ブロック図、図4は、車高調整手段であるアクティブサスペンションの断面図で、関係する回路部分を併せて示している。
図2を参照して、EPS用ECU10は、前記したマイクロコンピュータ14とCANコントローラ101とのほかに、トルクセンサ3のセンサ信号を処理する入力インタフェース18と、マイクロコンピュータ14からの制御信号に応答して電動モータ5を駆動するモータ駆動回路19と、モータ駆動回路19以外の回路、例えばマイクロコンピュータ14等に電源を供給する電源回路21とを備えている。
上記モータ駆動回路19の周辺には、当該モータ駆動回路19への電流をオン・オフするフェイルセーフリレー22と、このフェイルセーフリレー22のリレー駆動回路23とが設けられている。
マイクロコンピュータ14は、CPU141と、プログラムメモリ142と、マップメモリ143と、バッファメモリ144とを含んでおり、電動モータ5の駆動量を示す制御信号Saを出力するほか、車高調整のためのアクティブサスペンション13の伸縮駆動量を示す車高調整信号Sbを出力する。車高調整信号Sbは、CANコントローラ101を介してサスペンション制御用ECU50に与えられる。サスペンション制御用ECU50は、車高調整信号Sbに応答して、各車輪のアクティブサスペンション13(13fa,13fb,13ra,13rb)の伸縮動作を制御する。
上記のマイクロコンピュータ14のCPU141の機能と、マップメモリ143の記憶内容とを、図3を参照して説明すると、CPU141は、本実施形態では、トルクセンサ3からの操舵トルクの情報と、車速センサ17からの車速情報とに基づいて電動モータ5の駆動量を決定する制御手段141aとして機能するほか、操舵操作に関連してアクティブサスペンション13の一部もしくは全部を駆動して車高調整を行う車高調整制御手段141bとしても機能する。
プログラムメモリ142は、CPU141の動作の実行のための基本プログラムや、本形態の電動モータ5の駆動制御の実行に必要なプログラムを格納している。バッファメモリ144は、CPU141の作業の実行時にデータの一時的な格納に用いる。
マップメモリ143は、本形態の電動モータ5の駆動制御の実行に必要な制御マップ143aと、操舵操作に関連して行うアクティブサスペンション13による車高調整制御に必要な車高調整マップ143bとを格納している。
制御マップ143aは、操舵軸2に加わる操舵トルクと電動モータ5の駆動量との関係を示すもので、車速(km/h)をパラメータとして、各車速毎に(たとえば、0km/h、10km/h、60km/h、100km/h、180km/h等の各車速毎に)、操舵トルクに対する電動モータ5の駆動量が割り出せるようになっている。
車高調整マップ143bは、操向用車輪12の操舵角と、アクティブサスペンション13の伸縮駆動量との関係を示すもので、車速をパラメータとして、各車速毎に、操向用車輪12の操舵角に対するアクティブサスペンション13の伸縮駆動量が割り出せるようになっている。この伸縮駆動量を示す車高調整信号Sbは、CPU141の車高調整制御手段141bから、EPS用ECU10のCANコントローラ101を介してサスペンション制御用ECU50に送られるほか、減算手段141cに与えられ、この減算手段141cにおいて、制御手段141aにより制御マップ143aを参照して決定された駆動量から減算される。したがって、操舵操作に関連してアクティブサスペンション13により車高調整が行われた場合、その車高調整に応じて電動モータ5の駆動量が減少するようになっている。
図4を参照して、車高調整手段であるアクティブサスペンション13の構成を説明する。本実施形態のアクティブサスペンション13は油圧式で、パワーシリンダ131と、このパワーシリンダ131のピストンロッド132の周りに設けられたコイルバネ134とを含んでいる。パワーシリンダ131の内部でピストン133との間に形成される油圧室135には、パワーシリンダ131の圧油孔131aを通じて、ソレノイド24fa駆動の切換え弁25faを介して圧油が供給される。切換え弁25faには、オイルポンプ26とリザーバ27とを含む油圧供給回路28が接続されている。
図4では、各車輪に設けられている4つのアクティブサスペンション13(13fa,13fb,13ra,13rb)のうち、1個のアクティブサスペンション13faの断面構造を示しているが、この構造は、他のアクティブサスペンション13fb,13ra,13rbでも同一である。他のアクティブサスペンション13fb,13ra,13rbについても、それぞれソレノイド24fb,24ra,24rb駆動の切換え弁25fb,25ra,25rbを有する管路が接続されており、各管路の切換え弁25fb,25ra,25rbには、上記した油圧供給回路28が接続されている。各アクティブサスペンション13(13fa,13fb,13ra,13rb)は、それに付設された切換え弁25fa,25fb,25ra,25rb(25と総称)のソレノイド24fa,24fb,24ra,24rb(24と総称)が、サスペンション制御用ECU50の制御により駆動することで、各別に伸縮する。
上記のアクティブサスペンション13に圧油を供給するオイルポンプ26は、エンジンによって駆動されるものでも、操舵補助用の電動モータ5とは別の電動モータで駆動されるものであってもよく、また、操舵補助用の電動モータ5の動力を利用することも可能で、駆動源は特に問わない。本実施形態の油圧式のアクティブサスペンション13に替えて、エアもしくはその他のガスで伸縮駆動するアクティブサスペンションを用いることができる。
次に、図5のフローチャートを参照して、EPS用ECU10のマイクロコンピュータ32が、操舵操作に関連して車高調整を行う場合の動作を説明する。
ステップS1からステップS3までのルーチンは、操舵補助のための電動モータ5の駆動量を決定するルーチンである。ステップS1において、CPU141は、トルクセンサ3から操舵トルクの情報を取り込み、次のステップS2では、車速センサ17から得られる車速の情報を取り込み、ステップS3で、操舵トルクの情報と車速の情報とにより、マップメモリ143の制御マップ143aを参照して、電動モータ5の駆動量を決定する。
ステップS4以降のステップは、主として車高調整に関与するステップで、ステップS4では、舵角センサ16から操向用車輪12の操舵角の情報を取り込む。そして、次のステップS5では、操向用車輪12の操舵角が所定の範囲、具体的には、ロックエンドに近い所定の角度範囲に含まれるか否かを判断する。
操向用車輪12の操舵角が所定の範囲に含まれていない場合(S5でNO)、操向用車輪12はいずれか一方に大きく切られているわけではなく、車体の対応する部分を押し上げる量も少ないから、特に車高調整を行う必要がない。そこで、この場合は、ステップS5からステップS6に移り、ステップS6においては、ステップS3で既に決定された電動モータ5の駆動量に対応する制御信号Saをモータ駆動回路19に出力し、これにより電動モータ5を駆動して所要の操舵補助を行う。
操向用車輪12の操舵角が所定の範囲に含まれている場合(S5でYES)、操向用車輪12はロックエンドに近づいていて、車体の対応する部分を押し上げる量も多くなっている。そこで、この場合は、ステップS5からステップS7に進み、ステップS7において、車速センサ17からの車速情報等、他の必要な情報を取り込む。
次のステップS8において、操向用車輪12の操舵角の情報と、車速等の他の情報とにより、マップメモリ143の車高調整マップ143bを参照して、各アクティブサスペンション13の伸縮駆動量を決定して、その伸縮駆動量を示す車高調整信号Sbを出力する。この車高調整信号Sbは、CANコントローラ101を介してサスペンション制御用ECU50に与えられる。サスペンション制御用ECU50は、車高調整信号Sbに応答して、各アクティブサスペンション13に付設されている切換え弁25のソレノイド24を駆動することで、各アクティブサスペンション13を所要量伸縮駆動させる。
具体的には、たとえば、操向用車輪12が左に大きく切られている場合は、旋回内側である左側の車輪の切れ角は、右側の車輪の切れ角より大きく、左側の車輪は、右側の車輪よりも車体を高く押し上げることになるので、これに対応して、左側の操向用車輪12に設けられているアクティブサスペンション13faは大幅に短縮させ、右側のアクティブサスペンション13fbは小幅に短縮させる。これで、車体の旋回内側の左側部分は、旋回外側の部分より低く車高調整されて、旋回内側の操向用車輪12にのみ過大な接地圧が作用することがなくなる。
ステップS8に続くステップS9では、ステップS3で既に決定された電動モータ5の駆動量から、車高調整信号Sbに対応する分を差し引いて、車高調整を考慮した電動モータ5の駆動量を算出して、その駆動量に対応する制御信号をモータ駆動回路19に出力し、これにより電動モータ5を駆動して所要の操舵補助を行う。これは、車高調整により、必要とする操舵補助トルクが減少することに対応した処理である。
本発明の最良の形態に係る電動パワーステアリング装置を、それに関連する車両構成とともに示す構成図 図1の装置のEPS用ECU10の内部の構成を、関係する部分の構成とともに示すブロック回路図 図2のEPS用ECU10のマイクロコンピュータの機能を示す機能ブロック図 図1の装置のアクティブサスペンションの断面図で、関係する回路部分を併せて示している。 図2のEPS用ECU10のマイクロコンピュータの動作を示すフローチャート 操向用車輪の動きを模式的に示す説明図
符号の説明
1 操舵部材
2 操舵軸
3 トルクセンサ
5 電動モータ
10 EPS用ECU
101 CANコントローラ
12 操向用車輪
13(13fa,13fb,13ra,13rb)
アクティブサスペンション(車高調整手段)
14 マイクロコンピュータ(車高調整制御手段)
16 舵角センサ(操舵角検出手段)
17 車速センサ


Claims (1)

  1. 操舵部材の操作に応じて電動モータを駆動して操舵補助する電動パワーステアリング装置であって、
    操向用車輪の操舵角を検出する手段と、
    各車輪に対して車体の高さを調整する車高調整手段と、
    操向用車輪の操舵角が所定の範囲に含まれる場合に一部もしくは全部の車高調整手段を駆動して車高を調整する制御を行う車高調整制御手段と、
    を備えたことを特徴とする電動パワーステアリング装置。

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