JP2005523710A - 白血球遊走のモニター装置及び方法 - Google Patents
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Abstract
白血球遊走をモニターする装置が提供される。本発明は、生理的シアーフローの存在下で白血球の遊走モニターし、それゆえin vivoにおける血管の生理的条件をシミュレートする装置の使用方法を提供する。本発明はさらに、複数の試験薬剤をハイスループット・スクリーニングするための装置の使用方法をさらに提供する。本発明は、さらに柔軟性アッセイシステム及び生物学的相互作用を試験するために使用されうる多くのアッセイ及びシステムをさらに提供する。層流勾配は、in vivoにおいて存在する勾配状況を真似するために使用される。
Description
本発明は、細胞又は細胞群と基層との相互作用をモニターする装置及び方法に関する。特に、本発明は、白血球遊走をモニターする装置及び方法に関する。本発明は、一般的に微小溶液系において形成される勾配内で行われる生物学的アッセイに関する。
炎症反応は、感染又は外傷の後に恒常性を回復及び維持するための、体による試みであり、そして体防御の不可欠な要素である。多くの体防御要素は、血液中に位置し、そして炎症は、それらの要素が血液を離れそして外傷又は感染部位の周囲の組織に侵入する手段である。炎症の初期の目標は、外傷又感染の源を限局化及び根絶し、そして外傷又は感染部位の周囲の組織を修復することである。
感染に対する初期の自然免疫応答の結果として、傷害組織におけるマスト細胞などの貪食細胞は、様々なサイトカイン及び炎症メディエーター、例えば、ヒスタミン、ロイコトリエン、ブラジキニン、及びプロスタグランジンを放出する。これらの炎症メディエーターは、内皮として知られる血管での内部表面の薄い繊細細胞(delicate cells)であって、傷害組織を取り巻く細胞間の接合帯を可逆的に開く。炎症メディエーターは増加した血管透過性及び減少された血液流速を引き起こす。血管におけるこれらの変化の別の結果は、通常は血管の中央を移動する白血球が、血管の内表面周辺へと移動し内皮と相互作用することである。貪食細胞により放出されるサイトカイン及び炎症メディエーターはまた、内皮の表面上に接着分子の発現を引き起こし、「活性化」された内皮をもたらす。
白血球と活性化された内皮との最初の接触は、「捕捉」として知られ、そして接着分子P-セレクチン及びL-セレクチンを含むと考えられる。該P-セレクチン及びLセレクチンは、炎症メディエーターにさらされた後に内皮上で発現上昇される。P-セレクチン及びLセレクチンは、セレクチンと呼ばれる接着分子ファミリーに属する。セレクチンは、活性化された内皮及び白血球の表面上で発現される単量体の必須膜グリコプロテインの群である。セレクチンは、カルシウム依存性レクチンに構造的ホモロジーを有するN末端細胞外ドメイン、続いて上皮成長因子に相同なドメイン、及び補体制御タンパク質中に見られる配列に類似の9個のコンセンサス繰り返し(CR)を含む。炎症反応内に含まれると考えられる3個の初期セレクチン;P-セレクチン;E-セレクチン;及びL-セレクチンが存在する。P-セレクチンはまた、CD62P、GMP-140、及びPADGEMとして知られ、最も大きいセレクチンであり、活性化された内皮上で発現される。E-セレクチンはまた、ELAM-1として知られ、化学的又はサイトカイン誘導性炎症で内皮上で発現される。L-セレクチンは、LECAM-1、LAM-1、Mel-14抗原、gp90mel、及びLeu8/TQ-1抗原として知られ、最小のセレクチンであり、多くの白血球上で見られる。全ての3個のセレクチンは、セレクチン結合リガンド、少なくとも部分的には炭化水素要素を通して結合すると考えられる。
捕捉の間、P-セレクチンは、その主要白血球リガンドであるP-セレクチン・グリコプロテイン・リガンド-1(PSGL-1)に結合すると考えられる。P-セレクチンの別のリガンドは、CD24及びまだ特定されていないリガンドを含む。機能的PSGL-1の構造は、シアリル-ルイスX(sialyl-LewisX)要素を含む。さらに、捕捉の間、L-セレクチンは、3つの周知のカウンター受容体又はリガンド、MAdCAM-1、GlyCAM-1、及びCD34と相互作用するが、捕捉に含まれる正確なリガンド又はカウンター受容体は知られていない。
ひとたび白血球が捕捉されると、白血球は、一過的に内皮に接着し、内皮にそって「ローリング」し始める。「ローリング」という用語は、内皮と白血球との間の相対的な動きから生じる流体抵抗力の存在下で活性化された内皮に沿って白血球が文字通り転がることを指す。ローリングは、P-セレクチン、L-セレクチン、及びE-セレクチンを含むと考えられる。P-セレクチンとPSGL-1との間の結合は、内皮を横切る白血球の「ローリング」を最初に媒介すると考えられる。
外傷又は感染部位で細胞によりにより生産される抗炎症性サイトカイン、例えばインターロイキン(IL-1)及び腫瘍壊死因子-a(TNF-a)は、内皮を刺激して、基底ラミナに反対の内皮細胞表面上で、インターロイキン-8(IL-8)などのケモカイン、及び細胞接着因子(ICAMs)、及び血管細胞接着分子(VCAMs)などのインテグリンが結合するリガンドを生産する。ケモカインは、基底ラミナの反対の内皮細胞の表面上に保持され、ここでケモカインは、ローリングする白血球の表面上のケモカイン・受容体と相互作用する。該相互作用は、次に白血球表面上のインテグリンと呼ばれる分子の活性化を引き起こす。インテグリンは、細胞を基底膜の細胞外マトリックスタンパク質又は他の細胞上のリガンドに結合するヘテロ二量体の膜貫通グリコプロテインのファミリーである。インテグリンは、大きいα及び小さいβサブユニットより構成される。哺乳動物インテグリンは、異なるαサブユニットと結合する共通のβサブユニットを共有する幾つかのサブファミリーを形成する。β2インテグリン(「CD-18ファミリー」)は、4つの異なるヘテロ二量体:CD11a/CD18(リンパ球機能関連抗原-1(LFA-1));CD11b/CD18(Mac-1);CD11c/CD18(p150,95)、CD11d/CD18を含む。白血球上の最も重要なβインテグリン・サブファミリーは、最晩期抗原4(VLA-4、CD49d/CD29、α4β1)である。ケモカインによるこれらのインテグリンの活性化は、ゆっくりローリングする白血球が、「停止」することを可能にし、そして内皮のICAMs、VCAMs、及び内皮細胞の別のインテグリン結合性リガンド、例えばコラーゲン、フィブロネクチン、及びフィブリノーゲンに強く結合することを可能にする。ひとたび内皮細胞に結合すると、白血球は次に平板化し、内皮細胞間を圧迫して、血管を離れそして「遊出」と名づけられる過程を通して損傷組織へと侵入する。遊出は、血小板、内皮細胞接着分子(PECAM-1)、接合部接着分子、及びCD99、つまり膜貫通タンパク質により媒介されると考えられる。
感染及び外傷に対抗するその重要性にもかかわらず、白血球はそれ自身組織損傷を促進しうる。異常炎症反応の間、白血球は、血管壁または非外傷組織で毒性物質を放出することにより、重大な組織損傷を引き起こしうる。或いは、内皮がそれらの細胞で詰め込まれる程度まで、白血球は、毛細血管壁に固着し、又は細静脈内で凝集しうる。そうした現象は、「接着(Pavementing)」と名づけられ、動脈硬化症及び関連する疾患を発達に関する。そうした異常な炎症反応は、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、心筋梗塞、心臓ショック、脳卒中、又は組織移植の後の虚血-再灌流傷害;急性及び慢性同種異型移植拒絶;脈肝炎;敗血症、リューマチ様関節炎、及び炎症性肌疾患を含む様々な別の臨床疾患の病因に結び付けられる。
いくつかの方法及び装置が、様々な炎症性疾患に結び付けられる白血球の遊走の過程を研究するために当該技術分野に存在する。例えば、ある方法は、マイクロタイター・プレートの表面上に、単離された内皮細胞を単層で撒き、該細胞を化学遊走物質で活性化し、そして標識された赤血球をプレート内に設置する。試験薬剤、例えば接着阻害剤が、場合によりプレートに加えられうる。内皮細胞単層に接着したままの白血球の数は、次に測定される。該方法の重大な欠点は、白血球がシアーフローの存在下で内皮細胞がさらされないこと及び該方法は、in vivoにおける生理的条件をシミュレートしないということである。
別の方法は、適切な培地中の単離された白血球の懸濁液を、顕微鏡スライド上にマウントされた血管組織試料と接触し、そして回転テーブル上の細胞懸濁液で組織をインキュベーションする事を含む。接着された細胞は、固定され数えられる。細胞は固定されているので、そうした方法は、同時に白血球遊走を観測することを排除する。さらに、そうした方法は、得ることが難しく高価であるヒト血管組織を必要とする。
白血球遊走を研究するための当該技術分野に周知である別の方法は、マイクロスライドと呼ばれる2つのガラス・チューブからなる装置を含み、一方のマイクロスライドは、もう一方のマイクロスライドに挿入されることができる。小さいマイクロスライドは、大きいマイクロスライドに挿入されて、選択された接着分子が存在する平坦表面を有するフロー・チャネルを作る。白血球の懸濁液は、シリンジ・ポンプを使用して、接着分子が不動体化された表面上で、フロー・チャネルを通して灌流される。白血球のローリング及び接着は次に観測される。該装置の大きさ及び配置のため、かなりの取り扱い及び操作を必要とする。
炎症反応の間白血球の移動を研究するための別の装置は、"Device and Method for Analysis of Blood Components and Identifying Inhibitorsand Promoters of the Inflammatory Response. "という題のSpringer et al.,に対する米国特許第5,460,945号に記載される。該装置は、かさばる幾つかの異なる構成要素からなる。例えば、該装置は外部での操作及び配置を必要とし、内皮単層を汚染又は傷害する危険性を作る。該装置はまた、多くの数の細胞の使用を必要とし、結果として多くの量の試薬を必要とする。
それゆえ、内皮にそった白血球遊走を研究するための改良された装置であって、血管の生理的条件をシミュレートする装置に対する必要性が存在する。また、白血球と内皮との相互作用に潜在的に影響する試験薬剤をハイスループット・スクリーニングすることを可能にする装置であって、当該技術分野に周知である装置により必要とされるアッセイ毎の白血球数を必要としない装置への必要性が存在する。本発明はこれらの必要性を満たす。
発明の要約
本発明は、白血球遊走をモニターする装置であって、装置内に複数のチャンバーを定めるハウジングを含む装置を提供する。複数のチャンバーの各々は、少なくとも1の第一ウェルを含む第一ウェル領域、少なくとも1の第二ウェルを含む第二ウェル領域;及び第一ウェル領域及び第二ウェル領域を互いに接続する少なくとも1のチャネルを含むチャネル領域を含む。少なくとも1のチャネルは、その中に配置される少なくとも1の白血球遊走メディエーターを含む。一方において複数のチャンバーの少なくとも1、並びに他方において複数のチャンバーのうちのそれぞれ1における第一ウェル領域及び第二ウェル領域は、標準マイクロタイター・プレートのピッチに適合するように互いに対して配置される。
本発明は、白血球遊走をモニターする装置であって、装置内に複数のチャンバーを定めるハウジングを含む装置を提供する。複数のチャンバーの各々は、少なくとも1の第一ウェルを含む第一ウェル領域、少なくとも1の第二ウェルを含む第二ウェル領域;及び第一ウェル領域及び第二ウェル領域を互いに接続する少なくとも1のチャネルを含むチャネル領域を含む。少なくとも1のチャネルは、その中に配置される少なくとも1の白血球遊走メディエーターを含む。一方において複数のチャンバーの少なくとも1、並びに他方において複数のチャンバーのうちのそれぞれ1における第一ウェル領域及び第二ウェル領域は、標準マイクロタイター・プレートのピッチに適合するように互いに対して配置される。
本発明は、白血球遊走をモニターする装置であって、その中に複数のチャンバーを定めるハウジングを含む装置を提供する。複数のチャンバーの各々は、少なくとも1の第一ウェルを含む第一ウェル領域;少なくとも1の第二ウェルを含む第二ウェル領域;及び該第一ウェル領域及び該第二ウェル領域を互い接続する少なくとも1のチャネルを含むチャネル領域を含む。少なくとも1のチャネルは、その中に配置される内皮細胞を含む。一方においての複数のチャンバーの少なくとも1、並びに他方において複数のチャンバーのうちのそれぞれ1における第一ウェル及び第二ウェル領域は、標準マイクロタイター・プレートのピッチに適合するように互いに対して配置される。
本発明はさらに:支持部材;及び上部部材を含むハウジングを含む白血球遊走メディエーターをモニターする装置を提供し、ここで上部部材は、支持部材との形状一致した接触において配置されることにより支持部材に置かれ、ここで支持部材及び上部部材は、一緒になって少なくとも1のチャンバーを定めるように形成される。少なくとも1のチャンバーは、少なくとも第一ウェルを含む第一ウェル領域;少なくとも1の第二ウェルを含む第二ウェル領域;及び第一ウェル領域と第二ウェル領域互いに接続する少なくとも1のチャネルを含むチャネル領域を含む。少なくとも1のチャネルは、チャネル内に配置される少なくとも1の白血球遊走メディエーター又はチャネル内に配置される内皮細胞を含む。
本発明は白血球遊走をモニターするキットをさらに提供する。該キットは、キット中に複数のチャンバーを定めるハウジングを含む装置を含む。各々の複数のチャンバーは、少なくとも1の第一ウェルを含む第一のウェル領域:少なくとも1の第二ウェルを含む第二ウェル領域;及び第一ウェル領域及び第二ウェル領域を互い接続する少なくとも1のチャネルを含むチャネル領域を含む。一方において複数のチャンバーの少なくとも1、並びに他方において複数のチャンバーのうちのそれぞれ1における第一ウェル領域及び第二ウェル領域は、標準マイクロタイター・プレートのピッチに適合するように互いに配置される。該キットはまた、第一白血球遊走メディエーターを含む。
本発明は、白血球遊走をモニターする装置をさらに提供し、ここで該装置は、ハウジング、ハウジング内の複数のチャンバーを定めるハウジングに付随する手段を含む。複数のチャンバーの各々は、白血球を含む試料を受け取るための入口手段、入口手段から白血球を含む試料を受け取るために入口手段と流れを連絡する出口手段;及び入口手段と出口手段を互いに接続する接続手段を含む。接続手段は、その中に配置される少なくとも1の白血球遊走メディエーター又は内皮細胞を含む。一方においての複数のチャンバーの少なくとも1、並びに他方において入口手段及び出口手段は、標準マイクロタイター・プレートのピッチに適合するように互いに対して配置される。
本発明はさらに白血球遊走をモニターする方法を提供する。該方法は、その中の複数のチャンバーを定めるハウジングを含む装置を提供することを含み、各複数のチャンバーは、少なくとも1の第一ウェルを含む第一ウェル領域、少なくとも1の第二ウェルを含む第二ウェル領域;並びに第一ウェル領域と第二ウェル領域を互いに接続する少なくとも1のチャネルを含むチャネル領域を含む。一方において少なくとも1の複数のチャンバー、及び他方において複数のチャンバーのうちのそれぞれ1における第一ウェル領域及び第二ウェル領域は、標準マイクロタイター・プレートのピッチに適合するように互いに対して配置される。該方法は、少なくとも1のチャネルに少なくとも1の白血球遊走メディエーターを配置するか又は少なくとも1のチャネルに内皮細胞を配置すること、並びに少なくとも1のチャネルに白血球を含む試料を提供することをさらに含む。ある態様において、該方法はさらに、少なくとも1のチャネルに少なくとも1の試験薬剤を配置することを含む。該方法は、白血球と少なくとも1の白血球遊走メディエーター又は内皮細胞との間の相互作用を観測することを含む。試験薬剤が少なくとも1のチャネルに配置される態様においては、該方法は、試験薬剤の存在下で、白血球と少なくとも1の白血球遊走メディエーター又は内皮細胞との相互作用を観測することを含む。
本発明は、さらに、複数の試験薬剤をスクリーニングする方法であって、装置中に複数のチャンバーを定めるハウジングを含む装置を提供することを含む方法を提供し、ここで、各々のチャンバーは、少なくとも1の第一ウェルを含む第一ウェル領域;少なくとも1の第二ウェルを含む第二ウェル領域;及び第一ウェル領域と第二ウェル領域を互いに接続する少なくとも1のチャネルを含むチャネル領域を含む。好ましくは、各々の複数の試験薬剤は、互いに異なる。少なくとも1のチャネルは、チャネル内に配置される少なくとも1の白血球遊走メディエーター又はチャネル内に配置される内皮細胞を含む。一方において複数のチャンバーの少なくとも1、並びに他方の複数のチャンバーのうちのそれぞれ1における第一ウェル領域及び第二ウェル領域は、標準マイクロタイター・プレートのピッチに適合するように互いに対して配置される。該方法は、複数のチャンバーのうちのそれぞれ1における各々のチャネルに白血球を提供し、少なくとも1の複数の試験薬剤を、複数のチンバーのうちのそれぞれ1における各々のチャネルに複数の試験薬剤を配置し、そして試験薬剤の存在下で白血球と少なくとも1の白血球遊走メディエーター又は内皮細胞との間の相互作用を観測することをさらに含む。
本発明は、in vivoの血管の生理的条件を刺激する方法をさらに提供する。該方法は、チャンバーを含む装置を提供することをさらに含み、該チャンバーは、少なくとも1の第一ウェルを含む第一ウェル領域、少なくとも1の第二ウェルを含む第二ウェル領域、及び第一ウェル領域と第二ウェル領域とを互いに接続する少なくとも1のチャネルを含むチャネル領域を含む。該方法は、さらに少なくとも1のチャネル内に白血球のローリングを媒介することができる第一白血球郵送メディエーターを配置し;少なくとも1のチャネル内に白血球の停止を媒介することができる第二白血球遊走メディエーターを配置し;少なくとも1のチャネル内に、約10μl〜約100μlの液体中に白血球を含む懸濁液を提供し;そして、白血球を含む懸濁液が少なくとも1のチャネルにそって流れることを可能にすることをさらに含む。
本発明は、不動体化された生体分子の静的勾配と組み合わせて使用されうる動的勾配を設立するために、微小溶液装置を使用して行われる生物学的アッセイを提供する。
発明の詳細な説明
定義
本明細書中で使用される用語及び定義は、特定の態様を記載することを目的とするだけであり、限定することを意図しない。
定義
本明細書中で使用される用語及び定義は、特定の態様を記載することを目的とするだけであり、限定することを意図しない。
本明細書中で使用される「白血球」という用語は、好中球、好酸球、好塩基球、単球、及びB細胞及びT細胞を含むリンパ球、並びにほかに特記されないなら、血小板のことを指す。「白血球」という用語は、通常血液試料及び病理血液試料から得られる白血球を含む。
「白血球遊走カスケード」という用語は、血管を裏打ちする内皮に沿って白血球が遊走することを含む連続的な出来事のカスケードのことを指す。白血球遊走カスケードは、内皮上、内皮に沿って、又は内皮を通して、白血球が捕捉、ローリング、停止、及び遊出することを含む。
「白血球遊走メディエーター」の脈絡において使用される「媒介する」という用語は、例えば白血球遊走メディエーターのリガンド又はカウンター-受容体に結合することにより、白血球の遊走に影響することを意味する。特に、「白血球遊走メディエーター」は、白血球遊走カスケードに含まれるいずれの分子を指す。例えば、白血球遊走メディエーターは、白血球捕捉メディエーター、白血球ローリング・メディエーター、白血球停止メディエーター、白血球遊出メディエーター、又はそれらのいずれの組み合わせを含む。
本明細書中で使用される「捕捉」という用語は、白血球と血管内皮との繋ぎ止め又は最初に接触し、そして内皮にそった白血球の動きが、自由に流れる白血球を含む液体の流速に比較して一時的に遅らされることにより特徴付けられる白血球遊走カスケードにおけるステップのことを指す。
本明細書中で使用される「白血球捕捉メディエーター」という用語は、血管内皮上の白血球の捕捉を媒介する白血球遊走メディエーターのことをさす。白血球捕捉メディエーター非制限的な例はP-セレクチン、及びL-セレクチン結合リガンドである。
「捕捉メディエーター結合パートナー」という用語は、白血球捕捉メディエーターを結合するリガンド又はカウンター受容体のことを指す。捕捉メディエーター結合パートナーの非制限的な例は、PSGL-1及びL-セレクチンである。
本明細書中で使用される「ローリング」という用語は、白血球遊走カスケードにおけるステップのことを指し、及び内皮上の受容体から受容体へと血管内皮に沿って白血球が転がることにより特徴付けられ、さらに、白血球が内皮リガンド又はカウンター受容体との隣接結合を形成及び破壊することにより特徴付けられる。
本明細書中で使用される「白血球ローリング・メディエーター」という用語は、血管内皮にそった白血球のローリングを媒介するいずれの白血球遊走メディエーターを指す。白血球ローリング・メディエーターの非制限的な例は、P-セレクチン、E-セレクチン、及びL-セレクチン結合リガンドである。
本明細書中で使用される「ローリング・メディエーター結合パートナー」という用語は、白血球ローリング・メディエーターに結合するいずれのリガンド又はカウンター受容体を指す。ローリング・メディエーター結合パートナーの非制限的な例は、PSGL-1、E-セレクチン結合リガンド、及びL-セレクチンである。
本明細書中で使用される「停止」という用語は、白血球が血管内皮に接着することにより特徴付けられる白血球遊走カスケードにおけるステップを指す。
本明細書中で使用される「白血球停止メディエーター」という用語は、血管内皮上の白血球の停止を媒介するいずれの白血球遊走メディエーターを指す。停止メディエーターの非制限的例は、白血球の表面に発現されるインテグリンに結合するインテグリン結合リガンド、例えば、ICAM-1、ICAM-2、及びVCAM-1である。
本明細書中で使用される「停止メディエーター結合パートナー」という用語は、白血球停止メディエーターに結合するいずれのリガンド又はカウンター受容体を指す。停止メディエーター結合パートナーの非制限的な例は、LFA-1、Mac1、pI50,95、VLA-4、及びVLA-5を含むインテグリンである。
本明細書中で使用される「遊出」という用語は、血管内皮細胞の間を通して、周囲の組織へと血管から白血球が出ることにより特徴付けられる白血球遊走カスケードにおけるステップを指す。
本明細書中で使用される「白血球遊出メディエーター」という用語は、血管内皮をとおして白血球の遊出を媒介するいずれの白血球遊走メディエーターを指す。白血球遊出メディエーターの非制限的例は、PECAM-1及びJAMである。
本明細書中で使用される「遊出結合パートナー」という用語は、白血球遊出メディエーターに結合するいずれのリガンド又はカウンター受容体を指す。
「生理的シアーフロー」という用語は、通常及び病理条件下のシアーフローを含む。通常条件下における生理的シアーフロー割合は、約0.1〜約20dynes/cm2である。
本明細書中で使用される「試験薬剤」という用語は、例えば、捕捉、ローリング、停止、又は遊出を阻害又は促進することによる、白血球遊走を阻害又は促進するいずれの物質を指す。
本明細書中で使用される「ピッチ」という用語は、装置の試験配向における隣接するウェル間の垂直方向のそれぞれの中央線間の距離を指す。
本明細書中で使用される「ウェル領域」という用語は、1又は複数のウェルを含む領域を指す。
本明細書中で使用される「ウェル」という用語は、液体を中に入れることができるいずれの穴を意味する。
本明細書中で使用される「チャネル領域」という用語は、1又は複数のチャネルを中に含む領域を指し、一方「チャネル」は、いずれの通路を指す。
本発明の脈絡において、「形状一致した接触」という用語は、平面又は非平面表面での実質的に液体が密着し、型が適合する接触を指摘することそ意味し、そして「可逆性の形状一致した接触」は、形状一致した接触をする部品の構造的完全性を保証することなく妨害されうる形状一致した接触を指摘することを意味する。
本発明の脈絡において、装置の「試験配向」は、白血球遊走をモニターする間装置の空間的配向を指すことを意味し、「上面」「底面」、「上部」、「側面」という用語は、装置の試験配向に対して定義される。 ある態様では、白血球遊走をモニターする方法における使用のための装置の試験配向は、いずれの細胞のチャネル領域に沿った遊走の道が、実質的に水平面においておこるように装置の配向を企図する。別の態様では、白血球遊走をモニターする際の使用のための装置の試験配向は、いずれのセルにおけるチャネル領域にそった遊走道が、実質的に垂直平面において起こるように、装置の配向を企図する。
本発明は、細胞と基層との相互作用をin vitroでモニターする装置及び方法を一般的に提供する。本発明の該装置及び方法によりモニターされる細胞型の非制限的な例は、白血球、赤血球、血小板、非血液細胞、及び腫瘍細胞を含む。内皮を含む細胞と相互作用しうる基質の非制限的な例は、内皮、固定されたリガンド、物理吸着接着及びローリング分子、並びに基底ラミナ又は基底ラミナ擬似物を含む。特に、本発明は、in vivoの炎症反応に含まれる出来事のカスケードを研究するため、シアーフローの存在下で白血球遊走をin vitroでモニターする装置及び方法を提供する。本発明は、潜在的にそれらの出来事を標的する試験薬剤をハイスループット・スクリーニングするための装置及び方法を提供する。特に、本発明は、捕捉、ローリング、停止、及び内皮上、内皮に沿った、又は内皮を通した遊出(そうした出来事は正しくは白血球遊走カスケードと呼ばれる)を研究及び標的することに向けられる。
図1〜6中に模式的に記載されるように、装置10は、その中に複数のチャンバー14を定めるハウジング12を含み、例えば該チャンバー14の態様は図1〜6に記載される。各チャンバー14は、少なくとも1のウェル18を含む第一ウェル領域16、及び少なくとも1の第二ウェル22を含む第二ウェル領域20を含む。チャンバー14は、第一ウェル領域16と第二ウェル領域20を互いに接続する少なくとも1のチャネル26を含むチャネル領域24をさらに含む。図5及び6に図示されるように、複数のチャンバーのうちのそれぞれ1における第一ウェル領域16及び第二ウェル領域20は、標準のマイクロタイター・プレートのピッチに適合するめに、互いに関して配置される。複数のチャンバーは、標準マイクロタイター・プレートのピッチに合わせるように互いに関して配置されうる。一般的に、第一ウェル18及び第二ウェル22は、白血球を含む試料を受け取るために適用され、そしてチャネル26は、その上に内皮細胞又は白血球遊走メディエーターを適用され、それに沿って生理的シアーフローを支えるように形成される。
本発明のある態様では、チャネル26は、そのなかに配置される内皮細胞を含む。内皮細胞は、チャネル26のいずれの表面に配置されうる。好ましい態様において、内皮細胞は、チャネル26の底面及び側面の表面に存在する。内皮細胞は、チャネル26内に均一に配置され、分散したパッチ状に配置され、又は濃度が第一ウェル18から第二ウェル22にかけて減少するように濃度勾配に従って配列されうる。内皮細胞は、チャネル26に配置される際、チャネル26にさらされる前に活性化されるか、又は基底ラミナの反対表面上に固定化されたケモカインを有しうる。様々な細胞親和性の基質は、チャネル26に配置されて、内皮細胞の接着を助けうる。細胞親和性の基質は、表面に対して細胞接着を促進する細胞又は基質に対する親和性を有する基質であり、例えばゼラチン、コラーゲン、フィブロネクチン、フィブリン、基底ラミナを含み、非限定的にマトリゲル(MATRIGEL)(商標)又は他のヒドロゲルを含む。
本発明の別の態様において、チャネル26は、その中に配置される少なくとも1の白血球遊走メディエーターを含む。好ましくは、少なくとも1の白血球遊走メディエーターは、複数の白血球遊走メディエーターを含む。より好ましくは複数の白血球遊走メディエーターは、少なくとも1の第一白血球遊走メディエーター及び少なくとも1の第二白血球遊走メディエーターを含み、ここで少なくとも1の第一及び少なくとも1の第二白血球遊走メディエーターは、互いに異なる。白血球遊走メディエーターは、第一ウェル20から第二ウェル22へ増加する濃度におけるチャンバー14の縦軸方向にそった表面濃度勾配を形成するように、チャネル26において配置されうる。
本発明のさらに別の態様において、チャネル26は、その中に配置されるケモカインを含み、ローリングする白血球表面上のケモカイン受容体と相互作用する。
本発明はさらに白血球遊走をモニターする方法についても企図する。ある態様において、チャネル26は、その中に配置される内皮細胞を含み、白血球を含む試料は、第一ウェル18(又は第二ウェル22)中に配置され、該試料は、チャネル26に沿って流れることを可能にし、白血球と内皮細胞との相互作用(それらの欠如を含むそうした相互作用)が観測され、そして白血球を含む試料は、チャネル26から出てきた白血球として第二ウェル22(又は第一ウェル18)中に集められた。化学遊走物質は、チャネル26に加えられて、白血球を含む試料が第一ウェル18(又は第二ウェル22)に加えられる前に、内皮細胞を活性化する。ある態様では、試験薬剤は、チャネル26内に配置され、そして試験薬剤の存在下における白血球と内皮細胞との間の相互作用が観測される。
ある態様において、チャネル26がその中に配置される白血球遊走メディエーターを含む場合、白血球を含む試料は、第一ウェル18(又は第二ウェル22)において配置され、該試料は、チャネル26に沿って流れることを可能にされて、白血球と白血球遊走メディエーターとの間の相互作用(それらの欠如を含むそうした相互作用)が観測され、そして白血球を含む試料は、第二ウェル22(又は第一ウェル18)中で、チャネル26を出た白血球として集められる。ある態様において、試験薬剤の存在下で、チャネル26において配置される試験薬剤及び白血球と白血球遊走メディエーターとの間の相互作用は、観測される。
装置10又は装置10の要素が、工業標準マイクロタイター・プレートの足型に適合しうるので、装置10の利点は、装置10が同じ装置内で同時に複数のアッセイ行うために及び様々な試験薬剤をハイスループット・スクリーニングをするために使用されうるということである。ある態様において、図5において図示されるように、複数のチャンバー14のうちそれぞれ1の第一ウェル領域16及び第二ウェル領域20は、標準のマイクロタイター・プレートのピッチに適合するように互いに対して配置される。ウェル18/22のそれぞれの間のピッチを名づけるためにPを使用し、該ウェルは、24ウェル・マイクロタイター・プレート、96ウェル・マイクロタイター・プレート、384ウェルマイクロタイター・プレート、768ウェル・マイクロタイター・プレート、1536ウェル・マイクロタイター・プレートの1のピッチと適合するように互いに対して配置されうる。例として、図5において示されるようにチャンバー14の配置において、ピッチPは、約9mmにセットされるだろう。好ましくは、装置10自身は、工業標準マイクロタイター・プレートの足型に適合する。例えば、装置10は好ましくは、工業標準マイクロプレートと同じ外部の寸法及び全体のサイズを有する。例として、図6において示される装置10の配置において、装置10は、標準96ウェルプレートの型式にデザインされる48のチャンバーを含み、それぞれのウェル18/22は、標準96ウェルのマイクロタイターのピッチに適合するように互いに配置されて、各ウェルがプレートの各ウェルの空間に適合する。この態様において、48の実験を行うことができる。或いは、図6Aにおいて見られるように、チャンバー14は、標準マイクロタイター・プレートのピッチに適合するように互いに対して配置されうる。この別の態様において、チャンバー14は、チャンバー14が、標準マイクロタイター・プレートの一つウェルに通常必要とされる面積に適合するように大きさを決められる。例えば、この態様において、96ウェルマイクロタイター・プレート配置の足型に設計される装置10は、96個のチャンバーを有し、そしてそれゆえ96回の実験を行うことを可能とする。標準マイクロタイター・プレートの正確な寸法及び規格に適合させることにより、装置10の態様は、液体の取り扱い、貯蔵、登録、及び検出の存在する土台に有利に適合するだろう。装置10は、ロボットの液体操作及び自動化検出及びデータ-分析を可能にするので、ハイスループット・スクリーニングの助けになる。ロボットの及び自動化されたシステムの使用は、アッセイを準備し、行う時間及びアッセイの結果を分析する時間を低減する。さらに、自動化されたシステムを使用することにより、装置10の使用は、アッセイの調製及び実行並びにデータ-分析における人為的な間違いの発生を低減する。それ以上に、18/22ウェルの大きさ、又は全体のチャンバー12、装置10の大きさが、マイクロタイター・プレートのウェルの大きさに適合するので、個々のアッセイを行うために必要とされる白血球数は、約103から約106の範囲である。このことは、少ない白血球集団、例えば好塩基球又はあるリンパ球サブセットを研究することを可能にする。さらに、多量の試験薬剤、例えば白血球遊走の阻害剤及び促進剤は、白血球遊走に関するこれらの薬剤の効果をモニターするアッセイを行うために必要とされない。
装置10の配置に基いて、本発明は、複数の試験薬剤をスクリーニングする方法を企図する。この態様において、試験薬剤のスクリーニング方法は、複数のチャンバーを定めるハウジングを含む装置を提供することを含む。各チャンバーは:少なくとも1の第一ウェルを含む第一ウェル領域;少なくとも1の第二ウェルを含む第二ウェル領域;及び第一ウェル領域と第二ウェル領域とを互いに接続する少なくとも1のチャネルを含むチャネル領域を含む。ある態様において、少なくとも1のチャネルは、その中に配置される少なくとも1の白血球遊走メディエーターを含む。別の態様では、少なくとも1のチャネルは、その中に配置される内皮細胞を含む。
両方の態様において、一方において複数のチャンバーの少なくとも1、並びに他方において複数のチャンバーのうちの1に対する第一ウェル領域及び第二ウェル領域は、標準マイクロタイター・プレートのピッチに適合するように互いに対して配置される。
試験薬剤をスクリーニングする方法は、複数のチャンバーのうちのそれぞれ1における各々のチャネルに白血球を提供し、複数のチャンバーのうちのそれぞれ1における各々のチャネルに複数の試験薬剤の少なくとも1を配置し、そして試験薬剤の存在下で白血球と内皮細胞との相互作用又は白血球と少なくとも1の白血球遊走メディエーターとの間の相互作用を観測する。
例えば、試験薬剤が、捕捉され、停止され又は遊出した白血球数に影響を与えるかどうか、或いは、該試験薬剤がチャネル26にそってローリングする白血球の数及び速度に影響を有するかを測定されうる。該試験薬剤は、所望の生物学的、化学的、又は電気的物質のいずれかを含み、非限定的に白血球遊走の阻害剤、白血球遊走の促進剤、又はいずれか他の薬剤を含む。試験薬剤のさらなる例は、タンパク質、核酸、ペプチド、ポリペプチド、炭水化物、脂質、ホルモン、酵素、低分子又は医薬薬剤を含む。該方法は、複数の試験薬剤が、単一の装置10においてスクリーニングされうる場合、薬剤発見の領域において特に有用である。
従って、該試験薬剤の各々が互いに異なり、そして一回の試験薬剤が各チャネルに配置されることが望ましい。もちろん、もし試験薬剤の組み合わせの効果を試験することが例えば、2以上の試験薬剤の相乗的効果が存在するかを決定することが望まれるなら、複数の試験薬剤の2以上の試験薬剤は、複数のチャンバーの各々のチャネルそれぞれにおいて配置されうる。
本発明の装置は、正常又は病理の生理シアーフロー条件下で白血球遊走カスケードのステップをモニターするために使用されうる。正常の生理的フロー条件は、非病理の状態の間のシアーフロー割合を指し、約0.1dynes/cm2〜約20dynes/cm2の範囲内ある。病理の生理的フロー条件は、炎症反応の間のシアーフロー割合を指し、一般的に疾患状態に依存して変化する。生理的シアーフローが、好ましくは静水圧により、又は毛細管作用により産生され、フローは、当該技術分野に周知である方法によって作られうる。例えば、もし白血球を含む試料が第一ウェル18を通してチャネル26に導入されるなら、次に生理的シアーフローは、第二ウェル22に隣接した吸引をとおした圧力を適用することにより、又は第一ウェル18に隣接するシリンジポンプを通した圧力を適用することにより作られる。シアーフローは、チャネルの寸法を変化するか又は吸引又はシリンジポンプを通して適用される圧力の度合いを調節することにより操作されうる。或いは、白血球は、拍動性の方式においてチャネル16に導入されうる。
装置10の特定の態様及び上述のとおりにこれらの態様を使用する方法に関して、チャネル26は、その中に配置される内皮細胞又はその中に配置される白血球遊走メディエーターを有しうる。内皮細胞は、シアーフローの存在下又は非存在下で、チャネル26上で成長されうる。ある態様において、チャネル26が、その中に配置される内皮細胞を有する場合、幾つもの異なるアッセイが、白血球遊走カスケードの間、白血球と内皮細胞との間における相互作用を観測するために行われた。例えば、ローリングの過程を研究するため、白血球を含む試料は、第一ウェル18又は第二ウェル22をとおしてチャネル26中に導入される。ローリングする白血球の数並びに白血球のローリング速度は、次に測定されうる。ローリングの阻害を計測するアッセイは、チャネル26に、例えば白血球と内皮細胞との間の相互作用を遮断する阻害剤を添加することにより行われうる。同様に、ローリングの亢進を計測するアッセイは、チャネル26に、例えば白血球と内皮細胞との間の相互作用を促進する促進剤を添加することにより行われうる。試験薬剤は、チャネル26に添加され、白血球と内皮細胞との間の相互作用に関する試験薬剤の効果を測定されうる。
停止の過程を研究するために、好ましくは化学遊走物質は、内皮を「活性化」するために、チャネル26へと導入される。化学遊走物質は、内皮がインテグリン結合リガンド、例えばICAMs及びVCAMsを発現することを刺激するために適したいずれの分子でありうる。化学遊走物質の非制限的な例は、IL-1及びTNF-αなどのサイトカインを含む。白血球を含む試料は、次に、第一ウェル18又は第二ウェル22を通してチャネル26に導入される。好ましくは白血球を含む試料は、白血球表面上の停止メディエーター結合パートナー、例えばインテグリンの活性化を引き起こすことができる化学遊走物質と前もってインキュベーションされる。化学遊走物質は、白血球によるインテグリン発現を引き起こすことができるいずれの適切な物質であり、例えばホルミル・ペプチド、インタークリン、IL-8、IL-8、GRO/MGSA、NAP2、ENA-78,MCP-1/MCAF,RANTES、I-309、別のペプチド、血小板活性化因子(PAF)、リンフォカイン、コラーゲン、フィブリン、及びヒスタミンを含む。次に停止された細胞の数が測定されうる。停止の阻害を計測するアッセイは、例えば白血球又は内皮の表面上の化学遊走物質と化学遊走物質受容体との間の相互作用を遮断する阻害剤を添加することにより行われうる。試験薬剤は、チャネル26に添加されて、試験薬剤の存在下で白血球と内皮細胞との間の相互作用を測定されうる。
遊出過程を試験するために向けられる別の態様において、内皮細胞の層は、チャネル26に配置される。in vivo条件をより近くシミュレートする好ましい態様において、チャネル26は、チャネル26に内皮細胞を添加する前に、フィブロネクチン又は他のいずれかの基底膜擬似物の層で最初にコートされうる。好ましくは、内皮細胞は、白血球を含む試料の導入に先立って、RANTES又は単球化学遊走物質タンパク質(MCP-3又はMCP-4)を含むエオタキシン又はケモカインに晒される。白血球を含む試料は、第一ウェル18又は第二ウェル22を通してチャネル26に導入される。好ましくは、白血球は、白血球の表面上停止メディエーター結合パートナー、例えばインテグリンの活性化を引き起こすことができる化学遊走物質で前もってインキュベーションされる。白血球がチャネル26にそって流れることが可能になった後に、内皮を通して遊出する細胞数が計測される。遊出細胞は、顕微鏡下で、平板かつ暗い位相の外見を示すことにより特徴付けられる。平板、暗い位相の細胞は、顕微鏡を使用して白血球及び内皮細胞の焦点平面を観測することにより、内皮細胞単層の下に存在することが確認されうる。もし、例えば50%より多くの細胞が、定量の点において内皮細胞単層の下に存在するなら、細胞は遊出したと考えられうる。遊出は、遊出した細胞の数を計測される全細胞数で割った物として表される。遊出の阻害は、例えば内皮を活性化する原因となる化学遊走物質に結合する内皮細胞上の受容体を遮断し、そして内皮を遊出する細胞数を決定することにより、試験される。試験薬剤は、チャネル26において導入されて、試験薬剤の存在下において白血球と内皮細胞との間の相互作用を測定しうる。
別の態様において、チャネル26において配置される内皮細胞は、分子生物学における周知の技術を通して改変されるか又は修飾された。例えば、細胞は、白血球遊走カスケードに責任のある様々な白血球遊走メディエーターをコードする特定の遺伝子を過剰発現するか又は全く発現しないように改変されうる。そうした態様は、正確な白血球遊走メディエーターの発現の制御を可能にし、白血球遊走カスケードに含まれるメディエーターのさらなる操作を可能にする。
例えば、内皮細胞は、白血球遊走カスケードに含まれるタンパク質をコードすると信じられる遺伝子発現を低減するか、又は阻害するように遺伝的に操作されて、白血球遊走カスケードに含まれるタンパク質の解明を手助けする。細胞を遺伝的に修飾する方法は、当該技術分野に周知である。そうした方法の一つは、Beach et al.,に対する米国特許第6,025,192号において開示され、そして複製欠損レトロウイルス・ベクター、そうしたベクターを含むライブラリー、レトロウイルスを取り込む細胞系列と組み合わせてそうしたベクターにより生産されるレトロウイルス粒子、本発明のレテロウイルス粒子からの遺伝子を組み込まれたプロウイルス配列、及び遺伝子を組み込まれた本発明のプロウイルス配列から切り取られた環状化プロウイルス配列を含む。
別の非制限的な例において、内皮細胞は、ベクターで形質転換されて、内皮細胞により発現されるタンパク質を遺伝的に改変した。哺乳動物細胞を形質転換するための様々な技術に対しては、Keown et al. (1990) Methods in Enzymology 185: 527-537を参照のこと。例えば、内皮細胞は、試験されるタンパク質のバリアントを表現するために修飾されうる。例えば、あるタンパク質が、カスケード内に含まれると信じられるなら、特定のタンパク質を発現する遺伝子は、バリアントを発現するために改変されうる。本発明の装置及びアッセイを使用するとき、カスケードの様々なパート上のバリアントの効果は、モニターされうる。
タンパク質をコードする配列における欠失、付加、又は置換を作ることにより、当該技術分野に周知である技術を使用して作られうる。ポリペプチドの「バリアント」は、1以上のアミノ酸により変化されるアミノ酸配列として定義される。同様の少数のバリアントは、アミノ酸欠失若しくは挿入、又はその両方を含みうる。どの及びどれだけ多くのアミノ酸残基が、生物学的又は免疫学的活性を駄目にすることなく置換、挿入、又は欠失されうるかを決定する手引きは、当該技術分野に周知であるコンピューター・プログラム、例えばDNAStarソフトウェアを使用して見つけられうる。「欠失」は、天然ポリペプチドのアミノ酸配列又は核酸配列に比較したとき、1以上のアミノ酸又は核酸残基がそれぞれ存在しない、アミノ酸又は核酸配列の変化として定義される。「挿入」又は「付加」は、天然ポリペプチドのアミノ酸配列又は核酸配列と比較したとき、1以上のアミノ酸又は核酸残基の付加をもたらすアミノ酸又は核酸配列の変化である。「置換」は、天然ポリペプチドのアミノ酸配列又は核酸配列と比較したとき、異なるアミノ酸又は核酸により1以上のアミノ酸又は核酸を置き換えることが原因である。バリアントは、「保存的」な変化を有しここで、置換されるアミノ酸は、類似の構造又は化学的性質を有する。例えばロイシンをイソロイシンで置換することである。より稀に、バリアントは、「非保存的」変化を有し、ここで、置換されるアミノ酸は、類似の構造又は化学的性質を持たない、例えばグリシンをトリプロファンで置換することである。
関心のタンパク質のバリアントを作ることに加えて、内皮細胞により発現されるタンパク質の発現を低減し又は阻害することは、周知の遺伝的修飾法を使用して達成されうる。例えば、白血球ローリング・メディエーター、例えばP-セレクチンを発現する内皮細胞は、P-セレクチンの発現が、相同組換え遺伝「ノックアウト」法(例えば、Capecchi, Nature, 344: 105 (1990)及びその中で引用される参考文献 、Koller et al., Science, 248: 1227-1230 (1990); Zijlstra et al., Nature, 342: 435-438 (1989)、Zijlstra et al., Nature, 342: 435-438 (1989)を参照のこと。これら各々は本明細書中に援用される。またSena and Zarling, Nat. Genet. , 3: 365-372 (1993)を参照のこと。これも本明細書中に援用される。)を使用して減少されるか又は阻害されるように、遺伝的に修飾されうる。標的遺伝子の「ノックアウト」は、標的遺伝子の機能の減少をもたらす遺伝子の配列の変化を意味して、標的遺伝子の発現が、検出できなくなるか又は取るに足らない量になる。「遺伝子のノックアウトは、遺伝子の機能が実質的に減少して、タンパク質発現が検出できなくなるか又は取るに足らない量でのみ存在するということを意味する。標的遺伝子の「ノック-イン」は、例えば標的遺伝子のさらなる追加のコピーを導入し、又は標的遺伝子の亢進される内在性の発現を提供する制御配列を作用可能な状態で挿入することによって標的遺伝子の発現の変化又は増加をもたらす宿主細胞ゲノムにおける変化を意味する。
内皮細胞による白血球遊走メディエーターの発現は、内皮細胞にアンチセンス核酸配列を提供することにより減少又は阻害されうる。該アンチセンス核酸配列は、白血球遊走メディエーターをコードする核酸配列又は部分的な核酸配列に相補的である。核酸配列の発現を阻害するためのアンチセンス核酸配列を使用する方法は、当該技術分野に周知であり、そして例えばGodson et al., J. Biol. Chem., 268: 11946-11950 (1993)により記述され、該文献は、本明細書中に援用される。
研究される正確な白血球遊走メディエーターの制御をつくり、発現される白血球遊走メディエーターの型及び量の制御を含む別の態様は、装置の中のチャネル26に少なくとも1の白血球遊走メディエーターが配置される装置10の態様を含む。明確にするため、本明細書中で使用される「白血球遊走メディエーター」という用語は、ほかに特記がない限り、少なくとも1の白血球遊走メディエーターを指す。チャネル26に白血球遊走メディエーターを配置することにより、白血球遊走カスケードの根底にあるリガンド/受容体相互作用を試験することが可能であり、該相互作用はカスケードの個々の出来事を含んで該過程の更なる理解を得ることができる。チャネル26に白血球輸送メディエーターを配置することは、白血球遊走カスケードの個々の出来事の根底にあるリガンド/受容体相互作用を正確に標的することを可能にする。
例えば、ある態様において、装置10は、白血球の捕捉を試験するために使用され、ここでチャネル26において配置される白血球遊走メディエーターは、白血球捕捉メディエーターを含みうる。感染に対する初期免疫応答の結果として、炎症性メディエーターは、内皮の表面上の接着分子の発現を誘導し、「活性化される内皮」をもたらす。白血球と活性化内皮との最初の接触は、「捕捉」として知られ、そして捕捉メディエーターP-セレクチン及び捕捉メディエーター結合パートナーL-セレクチンを含むと考えられる。P-セレクチンは、捕捉過程に含まれる初期接着分子として考えられ、そしてP-セレクチンの、その主要捕捉メディエーター結合パートナー、PSGL-1に対する結合は、この過程において強く結び付けられる。L-セレクチンの内皮細胞上における正確なリガンドは未知であるが、L-セレクチンは捕捉に結び付けられた。従って、本発明の態様において、チャネル26において配列される白血球捕捉メディエーターは、例えばP-セレクチン及び/又はLセレクチン結合リガンドを含みうる。
本発明の別の態様において、装置10は、白血球のローリングを試験するために使用されうる。ここで白血球遊走メディエーターは、白血球ローリング・メディエーターを含みうる。一度白血球が捕捉されると、白血球は、一過的に内皮に接着し、そして内皮にそってローリングする。白血球のローリングは、ローリング・メディエーター、P-セレクチン;ローリング・メディエーター結合パートナー、L-セレクチンを、及びローリング・メディエーター、E-セレクチンを含むが、P-セレクチンは、この過程に含まれる初期接着物質と考えられる。従って、本発明の該態様において、チャネル26内に配置される白血球ローリング・メディエーターは、例えばP-セレクチン、E-セレクチン、及び/又はL-セレクチン・リガンドを含みうる。
本発明の別の態様において、装置10は、白血球の停止を試験するために使用され、ここで白血球遊走メディエーターは、白血球停止メディエーターを含みうる。全てではないが多くの白血球は、内皮にそって転がった後にのみ、内皮に接着すると考えられる。該接着又は、内皮最表面上の白血球の「停止」は、外傷部位で細胞により産出されるIL-1及びTNF-αなどの化学遊走物質により開始される。これらの化学遊走物質は、内皮がケモカイン及び停止メディエーターを、基底ラミナの反対の内皮表面上に産生することを刺激する。停止メディエーターは、例えばインテグリン結合リガンド、例えばICAM-1、ICAM-2、又は/及びICAM-3を含むICAMs、並びにVCAM-1及び/又はVCAM-2を含むVCAMsを含む。ケモカインは、ローリングする白血球の表面上のケモカイン受容体に相互作用し、該相互作用は、白血球表面上の停止メディエーター結合パートナーの活性化を引き起こす。停止メディエーターが結合するパートナーは、例えばLFA-1、Mac-1、及びp150,95などのインテグリン、及びVLA-4を含む。該停止メディエーター結合パートナーの活性化は、ゆっくりローリングする白血球を引き起こして、停止しそして内皮上のICAM-1、VCAM1、及び他のインテグリン結合リガンド、例えばコラーゲン、フィブロネクチン、及びフィブリノーゲンなどの停止メディエーターに強く結合する。従って、本発明の態様において、チャネル26において配置される白血球停止メディエーターは、少なくとも1のインテグリン結合リガンドを含みうる。
本発明のさらに別の態様において、装置10は、白血球の遊出を試験するために使用され、ここでチャネル26に配置される白血球遊走メディエーターは、白血球遊出メディエーターを含む。一度内皮に結合すると、白血球は平らになり、そして内皮間を圧搾して、血管を離れて、傷害組織部位に侵入する。白血球は、傷害組織部位における細胞により放出される化学遊走物質の走化作用性勾配に従う。遊出について多くのことがいまだ未知のままであるが、遊出は、血小板及び内皮細胞接着因子1(PECAM-1)によって媒介されると考えられる。他の有望な遊出メディエーターは、接合部接着分子(JAM)、ICAM-1、VE-カドヘリン、LFA-1、IAP、VLA-4、及びおそらくCD99、つまり膜貫通タンパク質でありうる。従って、本発明の該態様において、チャネル26において配置される白血球遊出メディエーターは、少なくとも1の前記接着分子か遊出において関係つけられると決定される別の分子を含みうる。
本発明の装置10は、単離における白血球遊走カスケードの前記ステップ、白血球遊走カスケードにおける2以上のステップの組み合わせ、或いは白血球遊走カスケードの全てを研究するために使用されうる。例えば、ローリングを理解し及び標的することが所望されるならば、好ましくは白血球ローリング・メディエーターは、チャネル26に配置されうる。白血球のローリング及び停止の両方が研究されることを所望されるなら、ローリング及び停止メディエーターは、チャネル26に配置されうる。白血球遊走カスケードの全体が、試験されるならば、捕捉メディエーター、ローリング・メディエーター、停止メディエーター、及び遊出メディエーターが、チャネル26に配置されうる。ある分子が1以上の遊走メディエーターのカテゴリーに属する (例えば、Pセレクチン及び内皮リガンドに結合するL-セレクチンは、捕捉メディエーター及びローリング・メディエーターとして機能する) ので、並びにある複数のメディエーターが、合わせて存在しうる(例えば、自由に流れる白血球からの直接の接着が極度にまれであると考えられるので、停止を研究するために、ローリング及び停止メディエーターが、チャネル26において存在しうる)ので、現在利用できる知識で、あるステップは孤立してモニターされないということを理解される。炎症反応の間起こる出来事のカスケードの特定の詳細について多くのことがいまだ未知であるので、本発明は、これらの出来事を制御する基礎的なメカニズムのさらなる理解を得るために、白血球遊走をモニターする幾つかの方法を企図する。
例えば、捕捉の過程を研究するために、捕捉メディエーターを含む白血球遊走メディエーターは、チャネル26において配置される。白血球を含む試料は、第一ウェル18又は第二ウェル22を通してチャネル26に導入される。捕捉の出来事は、捕捉メディエーターを含むチャネル26の表面の近くを自由に流れる白血球の接着性相互作用として定義され、該白血球は次にチャネル26の捕捉メディエーターと潜在的に相互作用できる唯一の白血球である。最初の白血球捕捉の異なるタイプは、特徴付けられ、観測され、そしてモニターされうる。例えば、ローリング動作を開始しないで簡単にチャネル26に結合するだけの白血球を含む一過性の捕捉、及びチャネル26上をローリングしつづける白血球を含むローリング捕捉は、測定されうる。白血球捕捉の各型の数は、自由に流れる白血球の全数で割られて、白血球の初期捕捉頻度を決定する。
白血球は、当該技術分野に周知であるいずれの方法を通して及び共係属している「Test Device and Method of Making Same」という名称の出願において開示される方法をとおして観測されうる。該出願はその全てを本明細書中に援用される。簡潔にいうと、位相差顕微鏡、蛍光顕微鏡、発光顕微鏡、微分干渉顕微鏡、暗視野顕微鏡、共焦点レーザー顕微鏡、デジタル・デコンボリューション顕微鏡、及びビデオ顕微鏡を含む顕微鏡、高速ビデオカメラ;及び個々のセンサーの配列を使用することにより観測されうる。例えば、デジタル・ムービー・カメラは、連続流れ条件下で白血球活性をモニターするために使用されうるか、又は特定時間点における写真を得るために使用されうる。そうした観測は、白血球により発現される捕捉メディエーター結合パートナーと、内皮により発現される捕捉メディエーターとの間の相互作用を明らかにする。そうした相互作用を検出するために、細胞は、染色試薬でインキュベーションし、そして適切な顕微鏡技術を使用して、色又は強度のコントラストに基いて検出される。或いは、蛍光標識は、捕捉メディエーター結合パートナーが、捕捉メディエーターに結合するかを検出するために使用されうる。
別の態様において、非標識細胞は、遊走を検出するために使用されうる。例えば、複数の細胞型の異種性の混合体は、チャネル26に導入され、単一の細胞型だけが、チャネル26における捕捉メディエーターと相互作用できる。細胞がチャネル26に導入された後に、細胞型の表面上のいずれかの抗原に特異的な抗体が、この細胞型を標識するために使用されうる。複数の細胞型が、捕捉メディエーターと相互作用できるなら、特異的フルオロフォアで標識された抗体が、異なる細胞型を区別するために使用されうる。
ローリング過程を試験するために向けられる別の態様において、ローリング・メディエーターを含む白血球遊走メディエーターは、チャネル26に配置される。白血球を含む試料は、第一ウェル又は第二ウェルを通してチャネル26に導入される。ローリングする白血球の数及白血球のローリング速度は、測定されうる。ある態様において、カメラは、装置10に結合されて、あらかじめ決められた時間に渡ったあらかじめ決められたインターバルの間、チャネル26に沿った白血球のローリングの画像を獲得する。該態様において、該細胞のローリング速度は、カメラによりえられた画像において細胞が移動した長さ(lフレーム)を計測し、かつ画像の露光時間(t露光)を測定することにより、決定される。ローリング速度(V)を決定するために、以下の式:
V=c(lフレーム/t露光)
[式中、cは、細胞が移動した実際の距離を測定するための変換因子である。cは画像間で変わりうる。]
が使用される。
V=c(lフレーム/t露光)
[式中、cは、細胞が移動した実際の距離を測定するための変換因子である。cは画像間で変わりうる。]
が使用される。
別の態様において、白血球の異なる型を利用する幾つかの異なるアッセイは、異なる細胞型に関するローリング速度を特徴づけそして比較するために行われうる。別の態様において、異なるローリング・メディエーターを利用する幾つかの異なるアッセイは、異なるローリング・メディエーターに関する細胞のローリング速度を特徴づけ及び比較するために行われる。停止の過程を試験するために向けられる別の態様において、第一白血球遊走メディエーター及び第二白血球遊走メディエーターを含む白血球遊走メディエーター、ここで第一白血球遊走メディエーターと第二白血球遊走メディエーターは互いに異なる、が利用される。明確にするため、本明細書中で使用される「第一白血球遊走メディエーター」という用語は、少なくとも1の白血球メディエーターのことを指し、そして本明細書中で使用される「第二白血球遊走メディエーター」という用語は、少なくとも1の第二白血球遊走メディエーターのことを必ず指す。この態様において、ローリング・メディエーターを含む第一白血球遊走メディエーターと、停止メディエーターを含む第二白血球遊走メディエーターは、チャネル26に配置される。白血球を含む液体試料は、白血球表面上の停止メディエーター結合パートナー、例えばインテグリンの活性化を引き起こすことができる化学遊走物質と前もってインキュベーションされる。該化学遊走物質は、白血球によるインテグリンの発現を引き起こすことができるいずれかの適切な分子であり、例えばホルミル・ペプチド、インタークリン、IL-8GRO/MGSA、NAP-2、ENA-78、MCP-1/MCAF、RANTES、I-309、別のペプチド、血小板活性化因子(PAF)、リンホカイン、コラーゲン、フィブリン及びヒスタミンを含む。停止される細胞数は、次に決定されうるし、そしてローリング・メディエーターのみで行われるアッセイと類似のアッセイは、行われうる。
白血球遊走カスケードの根底にある生物学的影響、特に白血球と内皮上のそのカウンター受容体との相互作用をさらに理解するために、装置10は、白血球遊走カスケードに関して様々な試験薬剤の効果を分析するために使用されうる。該試験薬剤は、白血球遊走メディエーターの潜在的な阻害剤、又は白血球遊走メディエーターにより媒介される遊走の潜在的な促進剤を含む。そうした試験薬剤の更なる例は、タンパク質、ペプチド、ポリペプチド、酵素、ホルモン、脂質、炭化水素、低分子、及び医薬を含む。例えば、該装置は、捕捉メディエーターと捕捉メディエーター結合パートナーとの相互作用;ローリング・メディエーターとローリング・メディエーター結合パートナーとの相互作用;停止メディエーターと停止メディエーター結合パートナーとの相互作用;及び/又は遊出メディエーターと遊出メディエーター結合パートナーとの相互作用を競合的に又は非競合的に阻害又は促進する阻害剤又は促進剤を同定するために使用されうる。前に述べたように、好ましい白血球遊走メディエーターは、第一白血球遊走メディエーター及び第二白血球遊走メディエーターを含み、ここで第一及び第二白血球遊走メディエーターは互いに異なる。そのように、ある態様において、試験薬剤は、第一白血球遊走メディエーター、第二白血球遊走メディエーター、又はその両方を含む。別の態様において、試験薬剤は、第一白血球遊走メディエーター、第二白血球遊走メディエーター、又はその両方により媒介される潜在的な遊走の促進剤を含む。白血球遊走カスケードの阻害剤及び促進剤を同定後、これらの阻害剤及び促進剤は、in vivoにおける効力を試験され、究極的には治療薬剤として利用されうる。
捕捉の潜在的な阻害剤である試験薬剤を選別するために、捕捉メディエーターを含む白血球遊走メディエーターは、チャネル26に配置される。潜在的阻害性試験薬剤は、白血球を含む液体試料とインキュベーションされた後、試料は、第一ウェル18又は第二ウェル22をとおしてチャネル26に導入される。捕捉の出来事は、捕捉メディエーターを含むチャネル26の表面の近くを移動する自由に流れ、及びつまりそれゆえチャネル26上の捕捉メディエーターと潜在的に相互作用できる唯一の白血球の接着性相互作用として定義される。例えば、ローリング動作を開始せずチャネル26に簡潔に結合するだけの白血球を含む一過性の捕捉、及びチャネル26上でローリングつづける白血球を含むローリング捕捉は決定されうる。捕捉される白血球の各々の型の数が、自由に流れる白血球の全数で割られて、潜在的阻害性試験薬剤とインキュベーションされる白血球の初期捕捉頻度を決定し、そして該頻度は、潜在性阻害試験薬剤の非存在下での初期白血球捕捉頻度と比較されうる。初期白血球捕捉の頻度が、試験薬剤の非存在下における初期白血球捕捉頻度に対して、試験薬剤の存在下で低いなら、該試験薬剤は、白血球捕捉の阻害剤であるだろう。
ローリングの潜在的阻害剤である試験薬剤を選別するため、ローリング・メディエーターを含む白血球遊走メディエーターは、チャネル26に配置される。潜在的阻害試験薬剤が、白血球を含む液体試料とインキュベーションされた後、試料は第一ウェル18又は第二ウェル22を通してチャネル26に導入される。或いは、潜在的阻害試験薬剤は、白血球がローリング始めたとき、チャネル26における液体試料の通過の間、液体試料中へ導入される。試験薬剤の非存在下で観測されるローリングに比較して、試験薬剤の存在下においてローリング(例えば、その速度の減少又は体積当たりのローリングする白血球の数の減少によって計測される)の減少は、該分子が捕捉及び/又はローリングの阻害剤であることを指しうる。
停止の潜在的阻害試験薬剤を試験するために、第一白血球遊走メディエーター及び第二白血球遊走メディエーターを含む白血球遊走メディエーターが利用され、ここで第一及び第二白血球遊走メディエーターは互いに異なる。この態様において、ローリング・メディエーターを含む第一白血球遊走メディエーター及び停止メディエーターを含む第二白血球遊走メディエーターは、チャネル26に配置される。白血球を含む液体試料は、白血球表面上の停止メディエーター結合パートナー、例えばインテグリンの活性化を引き起こすことができる化学遊走物質と前もってインキュベーションされる。液体試料が潜在的阻害試験薬剤と前もってインキュベーションされた後、該試料は、第一ウェル18又は第二ウェル22をとおしてチャネル26に導入される。或いは、潜在的阻害試験薬剤は、白血球がローリング始めるとき、チャネル26における液体試料の通過の間、液体試料に導入される。試験薬剤の非存在下において観測される白血球の停止に比較して、試験薬剤の存在下で白血球の停止が減少すること(例えば、停止される白血球の割合の減少、又は体積あたりの停止される白血球数の減少により計測される)は、試験薬剤が白血球停止の阻害剤でありうるということを示す。
装置10は、試験薬剤が、白血球遊走カスケードの効率を増加することにより又はその機能的な構成要素(例えば、捕捉メディエーター、ローリング・メディエーター、停止メディエーター、又は遊出メディエーター)として作用することにより、炎症性反応の促進剤として作用するかを同定するために使用されうる。そうした機能的な構成要素は、捕捉、ローリング、停止、又は白血球の遊出を促進する能力によって検出され、ここでそうした作用は、(チャンバー14のチャネル26においてあらかじめ存在したローリング・メディエーターまたは停止メディエーターの適切な細胞特異性を欠如することのため、又はローリング・メディエーター又は停止メディエーターの欠如のため)あらかじめ失われた。例えば、チャネル26に配置されるローリング・メディエーターを含む第一白血球遊走メディエーター及び停止メディエーターを含む第二白血球遊走メディエーターを含む装置10は、白血球遊走において機能的な停止メディエーターを同定するために使用されうる。さらに、チャネル26に配置される停止メディエーター及び/又はローリング・メディエーターを含む装置10は、白血球遊走において機能するローリング・メディエーターを同定するために使用されうる。
停止メディエーターを同定するために、ローリング・メディエーターは、液体試料中の白血球の表面上に存在するローリング結合パートナーを有するチャネル26に配置され、第一ウェル18又は第二ウェル22をとおしてチャネル26に導入される。白血球が停止メディエーター結合パートナーを発現することを活性化することができる1以上の化学遊走物質は、白血球を含む液体試料と前もってインキュベーションされる。停止を媒介する機能を試験するための試験薬剤は、チャネル26に配置される。白血球を含む液体試料が、第一ウェル18又は第二ウェル22を通してチャネル26に導入され、そして試料がチャネル26を通過した後、白血球がチャネル26上に停止されたかを決定される。白血球の停止は、試験薬剤が、ローリング・メディエーター結合パートナーを発現する同一の白血球の表面上で、停止メディエーター結合パートナーを認識する停止メディエーターでありうることを示す。
ローリング・メディエーターを同定するために、ローリング・メディエーター機能を試験される試験薬剤は、チャネル26において配置され、白血球を含む液体試料は、第一ウェル18又は第二ウェル22を通してチャネル26に導入され、そして試料は、チャネル26にそって流れることを可能にされる。チャネル26にそった白血球のローリングは、試験薬剤がローリング・メディエーター機能を有すること、及び白血球がローリング・メディエーターに対する結合パートナーを発現するということを示す。ローリング・メディエーターは、ローリング・メディエーター機能を試験される試験薬剤をチャネル26に配置することにより、及び停止メディエーターをチャネル26に配置することにより同定される。白血球が停止メディエーター結合パートナー、例えばインテグリンを発現する白血球を活性化することを可能とする1以上の化学遊走物質は、白血球を含む液体試料と前もってインキュベーションされる。白血球を含む液体試料は、次に第一ウェル18又は第二ウェル22をとおしてチャネル26に導入され、そして試料は、チャネル26にそって流れることを可能にされる。白血球の停止は、試験薬剤が、ローリング・メディエーター機能を有すること、並びに停止メディエーター結合パートナー及び化学遊走物質受容体を発現する白血球が、試験薬剤に対する結合パートナーも発現することを示す。
試験薬剤の非存在下におけるローリングする又は停止される白血球の数又は割合と比較して、白血球の数又は割合の増加が検出される前述の方法によって、試験薬剤は、白血球ローリング又はローリング及び停止の過程における機能的な要素として、或いはそのエンハンサーとして同定される。白血球の該遊走は、当該技術分野に周知である方法により、及び共係属中の出願、つまり上で参照される「Test Device and Method of Making Same」において開示される方法を通して、観測され、モニターされ、記録され、及び分析される。
本発明は、前述のアッセイを行うキットを提供する。例えば、該キットは、複数のチャンバー14を定めるハウジング12を含む装置を含む。複数のチャンバー14の各々は、少なくとも1の第一ウェル領域18を含む第一ウェル領域16;少なくとも1の第二ウェル22を含む第二ウェル領域20;及び第一ウェル領域16と第二ウェル領域20とを互いに接続する少なくとも1のチャネル26を含むチャネル領域24を含む。複数のチャンバー14の各々1における第一ウェル領域16及び第二ウェル領域20は、標準マイクロタイター・プレートのピッチに合わせるため互いに対して配置されて、試験薬剤のハイスループット・スクリーニングを可能にする。該キットは、さらに第一白血球遊走メディエーターを含む。該キットは、白血球を含む試料を含みうる。該第一白血球遊走メディエーター及び白血球を含む試料は、当該技術分野に周知であるいずれの方法において、キットにパッケージされうる。例えば、第一白血球遊走メディエーターは、バイアル又は容器中に含まれうる。そして白血球を含む試料は、分離バイアル又は容器内に同様に含まれうる。該キットは、さらに第一白血球遊走メディエーターとは異なる第二白血球遊走メディエーターを含みうる。該キットは、第一白血球遊走メディエーター、第二白血球遊走メディエーター、又はその両方を阻害するために適応される阻害剤を含みうる。該キットは、装置及び特定のアッセイでの使用に必要ないずれの培地及び緩衝液を含みうる。
装置10の特定の詳細に関して、好ましくは、図1及び6における例によって示されるとき、装置10のハウジング12は、支持部材28、及び支持部材28の置かれた上部部材30を含む。ここで支持部材28及び上部部材30は、複数のチャンバー14を一緒に定めるように、形成される。好ましくは、ハウジングは、標準マイクロタイター・プレートの寸法、例えば24ウェルマイクロタイター・プレート、96ウェルマイクロタイター・プレート、384ウェルマイクロタイター・プレート、768ウェルマイクロタイター・プレート、及び1536ウェルマイクロタイター・プレートの寸法に大きさを合わせられる。上部部材は、ガラス、プラスチック、又はエラストマー製材料、例えばポリジメチルシロキサンを含む当該技術分野に周知であるいずれの適切な材料から作られうる。支持部材は、ガラス、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリメチル・メタクリレート(PMMA)、PDMS及び別のプラスチックから作られうる。好ましくは、上部部材30は、支持部材28と形状一致して接触する。
本発明の別の態様において、装置10は、支持部材28;上部部材30を含む。ここで上部部材30は、支持部材28と形状一致して接触することにより支持部材28に置かれる。支持部材28及び上部部材30は、少なくとも1のチャンバー14を一緒に定めるように形成される。少なくとも1のチャンバー14は、少なくとも1の第一ウェル18を含む第一ウェル領域16;少なくとも1の第二ウェル22を含む第二ウェル領域20;及び第一ウェル領域16と第二ウェル領域20とを互いに接続する少なくとも1のチャネル26を含むチャネル領域24を含む。ある態様において、少なくとも1のチャネル26は、そこに配置される少なくとも1の白血球遊走メディエーターを含む。別の態様において、少なくとも1のチャネル26は、そこに配置される内皮細胞を含む。好ましくは、上部部材30は、可逆性で、支持部材28と形状一致して接触して配置されるように形成される。こうして、上部部材30は、好ましくは、形状一致する接触、好ましくは可逆性の形状一致する接触で支持部材28をもたらすように適応される材料から作られる。該態様に従って、他の物の間で、そうした材料の柔軟性は、上部部材30が、その間で実質的に液体と強く密着を形成する様式で、支持部材28にぴったりと接着することを可能にする。形状一致した接触は、好ましくは、支持部材28上の上部部材30のすべりを防ぐために十分な強さであるべきである。形状一致した接触が可逆性である場合、上部部材30は、構造的な完全性を有して、単純な剥がす過程により、上部部材30を取り外すことを可能にする材料から作られうる。このことは、実験の後上部部材30が支持部材28から取り外され、適切に洗浄され、そして後のアッセイに再利用されることを可能にする。好ましくは、剥がし過程は、支持部材28上の処置した表面、例えば白血球遊走メディエーター又は内皮細胞を全く乱さない。さらに、上部部材30と、支持部材28の形状一致した接触の効力により、上部部材30と、支持部材28との間にもたらされる実質的な液体の強い接着は、液体が、チャンバーから隣接するチャンバーへと漏れることを防ぎ、そしてまた汚染物質がウェルに侵入することを防ぐ。密着は、好ましくは、外部からの圧力を維持する必要なく、実質的に即時に起こる。形状一致した接着は、上部部材30を支持部材28に密着する密着薬剤の使用の必要性を取り除く。しかしながら、本発明の態様は、試薬剤密着試薬の使用を包含するが、そうした使用は、好ましい態様に従って除去されるという事実は、費用の削減、時間の削減を提供し、そしてさらに密着薬剤による各チャンバー14の汚染の危険性を除去する。好ましくは、上部部材30は、分解しないかつ複数回の試験において使用される効力により簡単に傷害されない材料、及び同じ物を製造する間、上部部材の外形に考えられる多様性を与える材料から作られる。より好ましくは、材料は、上部部材30が、フォトリソグラフを使用して作られることを可能にするように選ばれうる。好ましい態様において、材料は、シリコン、天然又は合成ゴム、又はポリウレタンなどのエラストマーを含む。より好ましい態様において、材料は、PDMSである。支持部材28は、上部部材30が置かれる支えを提供し、該機能に適切ないずれの材料からなりうる。適切な材料は、当該技術分野に周知であり、例えばガラス、ポリスチレン、ポリカーボネート、PMMA、ポリアクリレート、PDMS、及び別のプラスチックである。
ある態様において、チャンバー14の部分に関して、ウェル領域16及び20は、装置10の試験配向において互いに関して垂直に並置される。好ましい態様において、ウェル領域16及び20は、装置10の試験配向において互いに関して水平に配置される。各チャンバー14のウェル領域16及び20それぞれにおける各々のウェル18及び22は、その外形を特定の3次元輪郭に制限されない。それらは液体、好ましくは白血球を含む試料をその中に受けるように適用されるということのみが必要とされる。好ましくは、ウェル18及び22は、図1〜6における例の形態で示されるように、上面図においてそれらが実質的に円と規定されるように形成される。しかしながら、与えられるウェルの上面図の他の輪郭は、本発明の範囲内であり、当業者により容易に認識される。ウェルが上面図において円を定める場合、及びウェル領域が、互いに関して配置されて、標準96ウェルマイクロタイター・プレートのピッチに適合する場合、ピッチPは、約9mmに等しくなるように設定され、そしてウェルの上面輪郭の直径Dwは、約6mmに等しくなるように設定される。そうした場合において、各チャネル26の長さLは、約3mmに等しい。図2において特に示されるように、ウェル18及びウェル22は、部分的には、上部部材30におけるそれぞれの貫通穴18及び22により規定され、そして部分的には、支持部材28の上部表面Uにより規定される。特に、各々のウェル18及び22の側面は、それぞれ上部部材30における貫通穴18及び22のそれぞれの壁によって規定され、そしてウェル18及び22の底面は、支持部材28の上部表面Uの対応する部分により規定される。
チャンバー12のチャネル領域24に関して、図2〜4においてまとめて見られるように、チャネル26の長さLは、その縦軸の方向に規定される。さらに、チャネル26の深さDは、通常ハウジング12の上部表面に対する方向において規定され;チャネル26において規定されるチャネル26の幅Wは、通常長さL及び深さDに対する方向において規定される。好ましくは、チャネル領域24は、複数の直線、平衡チャネル26であって、ウェル領域16及び20の間に伸びるチャネル26を含む。好ましくは、チャネル26は、図4の例の様式により模式的に示されるように、実質的に同一である長さLを有する。より好ましくは、複数のチャネル26は、8個のチャネルから構成される。複数のチャネルを使用することにより、複数のアッセイを白血球を含む1つの試料を使用して同時に行うことができる。そうした態様において、全てのアッセイは、統一され、かつ一致した条件下で行われ、そしてそれゆえ、統計的により正確な結果を提供する。チャネル26は、好ましくは各々、50μm〜5mmの幅W;約1〜10mmの長さL;及び約10〜約100μmの高さHを有する。より好ましくは、チャネル26は、約100ミクロンの幅Wを有し、約3mmの長さL及び約50μm〜約80μmの高さを有する。チャネル領域24のチャネル26の寸法は、炎症反応の間のそうした遊走を刺激する条件下で、白血球の遊走を支持するように形成されるべきである。そうして、チャネル領域は、シアーフローの下で白血球遊走を支持するため、及びそこに配置される少なくとも1の白血球遊走メディエーターを支持するように適用されるべきである。図1〜6に関して記述される装置10の態様は、単に例であり、そして様々な別の形は、本発明の範囲内であるということを注目されるべきである。装置10の形のほかの例は、上で参照される、共係属中の特許出願であって、「Test Device and Method of Making Same」と名づけられる特許出願において提供される。
本発明の装置10は、標準フォトリソグラフ手順によって、本発明の方法の好ましい態様に従って製作されうる。フォトリソグラフ手順は、上部部材30の所望の外形のネガティブ・イメージである原板を生産するために使用されうる。例えば、チャンバー14の寸法、たとえば、ウェル領域16及び18の大きさ、又はチャネル領域24の長さは、いずれの利点のある設計に適合するように変えられうる。一度、原板に対する適切な設計が選ばれ、そして原板がそうした設計に従って製作されるなら、上部部材の材料は、型を取られ、注射され、原板に注がれ、そして硬化された。ひとたび型が創作されると、該過程は、必要がある限り繰り返されうる。該過程は、上部部材の設計に柔軟性を与えるばかりでなく、上部部材が大量に複製されることを可能にする。
装置が製作されると、白血球遊走メディエーターは、チャネル26に配置されうる。白血球遊走メディエーターは、それらを直接支持部材28の上面U上に直接固定化又は生理的吸着することにより、又は、該メディエーターが、上表面Uにより白血球の流れに接近可能な限り、白血球遊走メディエーターを含む溶液または懸濁液を支持部材28の上面U上にコートすることによって、チャネル26に配置されうる。ある態様において、白血球遊走メディエーターは、例えばアミド、エステル又はリジン側鎖の結合を通した共有結合か或いは吸着の技術によって、共有又は非共有結合で直接上面Uに固定化される。支持部材28の上面U上に白血球遊走メディエーターを不動体化することを含む白血球遊走メディエーターを配置する別の方法は、上で参照される「Test Device and Method of Making Same」と名づけられる共係属中の特許出願において提供される。
本発明は、ハウジング12を含む装置を提供する。該ハウジング12は、ハウジング12における複数のチャンバー14を定めるハウジングと関連することを意味する。複数のチャンバー14の各々は:白血球を含む試料を受け取る入口手段;入口手段から白血球を含む試料を受け取るため、入口手段と流れを連絡する出口手段;及び、入口手段と出口手段を互いに接続する接続手段を含み、該接続手段は、その中に配置される少なくとも1の白血球遊走メディエーターを含む。図6において示されるように、ハウジング内に複数のチャンバーを定めるハウジングに付随する手段の例は、支持部材に置かれた上部部材を含む。上記手段は、図1〜6の態様に関して実質的に示され、かつ記述された。別のそうした手段は、当業者の知識の範囲内である。
本発明は、ハウジング12を含む装置を提供する。該ハウジング12は、ハウジング12における複数のチャンバー14を定めるハウジングと関連することを意味する。複数のチャンバー14の各々は:白血球を含む試料を受け取る入口手段;入口手段から白血球を含む試料を受け取るため、入口手段と流れを連絡する出口手段;及び、入口手段と出口手段を互いに接続する接続手段を含み、該接続手段は、その中に配置される少なくとも1の白血球遊走メディエーターを含む。図6において示されるように、ハウジング内に複数のチャンバーを定めるハウジングに付随する手段の例は、支持部材に置かれた上部部材を含む。上記手段は、図1〜6の態様に関して実質的に示され、かつ記述された。別のそうした手段は、当業者の知識の範囲内である。
本特許出願を通して、様々な刊行物、特許、及び特許出願に対して参照をした。これらの刊行物、特許、及び特許出願の教示及び開示は、本発明が属する技術の状態をより十分に記述するために、その全てを本出願に援用される。
別の態様において、本発明は、勾配の形成及び/又は流れの条件に依存するか又は反応する生物学的現象をアッセイしそして研究する方法を提供する。 そうした生物学的現象は、体内の多くの過程、例えば白血球接着及びローリングの間起こる細胞表面相互作用などを含む。さらに、走化性、走触性、及び細胞遊走を含む研究は、勾配及び/又は流れ条件の存在下でのそうした細胞の動きを研究することができるアッセイを供給されるだろう。
様々な濃度勾配の型が、生物学的システムを研究するのに有用である。 そうした有用な勾配は、固定された又は設定された、或いは実質的に固定又は設定された濃度を有する静的勾配を含む。静的勾配の一つの例は、表面上に不動体化された分子の勾配である。静的勾配の非制限的な例は、不動体化された生物分子(タンパク質、抗体、核酸、など)、或いは不動体化された化学分子(薬剤及び低分子)の異なる濃度の使用を含む。別の有用な勾配は、変化しうる濃度を有する動的勾配を含む。動的勾配の一つの例は、様々な濃度における分子を有する液体の流れの勾配である。液体勾配の非制限的な例は、様々な濃度における成長因子、毒素、酵素、タンパク質、抗体、炭化水素、薬剤、又は他の化学及び低分子などの生体分子を含む液体の流れの使用を含む。
本発明のある態様において、勾配に基く動的/溶液 は、層流技術によって作られうる。層流技術は、典型的には、2以上の異なった原料からの2以上の液体の流れを含む。これらの液体流れは、一つの流れにまとめられて、そして互いに乱流混合することなく互いに平衡に流れるように作られうる。異なる特性、例えば低いレイノルド数を変える異なる特性を有する液体は、平衡して流れ、そして乱流の非存在下では混合しない。液体は混合しないので、液体は偽チャネルを作り出す(液体の間の物理的分離がない事実により偽と呼ばれる。)。溶液の創作及び表面勾配は、米国特許出願第2002/0113095号及びJeon, Noo Li, et al., Langmuir, 16,8311-8316 (2000)の論文において開示される。該参考文献は、本明細書中にその全てを援用される。これらの参考文献中で、PDMS微小溶液装置は、キャピラリーの微小溶液ネットワークを通して、勾配を作るために使用された。異なる化学物質を含む溶液は、3つの分離された入口内に導入され、そしてキャピラリーのネットワークを通して流れることを可能にされる。液体の流れは、繰り返し混ぜられ、混合され、そして分割されて、分枝状チャネルの各々における目だった組成を有する別々の混合液を産出する。図13に例示されるように、全ての枝が再混合されたとき、濃度勾配は、流れの方向に対して垂直に、出口チャネルを通して達成された。
本発明の装置を、動的勾配の形成と組み合わせることにより、莫大な数のアッセイパラメーターが、装置のいずれかの部位を変える事により、作成されうる。例えば、動的勾配の支持に沿って、本明細書中で記述される装置を細胞パターン化技術と組み合わせることにより、様々な条件が多くの生物学的相互作用を試験するために創作されうる。さらに、該装置及びアッセイは、薬剤発見及び薬剤試験において有用である。なぜなら、多くの細胞及び生物学的材料は、細胞又は生物学的材料がin vivoで存在し、こうして勾配及び流れの条件に晒されるときに比較して、ex vivoにおいて勾配に晒されたときと、異なって行動するからである。
従って、本発明のある態様において、セルはチャネル26に対し型取りされうる。セルの型取りは、当該技術分野に周知であり、並びに本発明で開示される方法(例えば、非限定的にマイクロコンタクト・プリンティング、又はエラストマー製のステンシルの使用によって)によって達成されうる。いずれかの所望の生体分子又は化学物質/薬剤を含む溶液は、型取りされたセル上を流されうる。さらに、該細胞は、生体分子、例えばアクチベーターによって最初に処理されて、より厳密に生体システムを再構築し、次に化学物質又は薬剤に晒される。勾配を作ることによって、例えば層流によって、異なる量の生体分子又は化学物質/薬剤は、型取ったセルに対し運搬され、そして各生体分子又は化学物質/薬剤の濃度の効果は、互いに同時に試験される。これと平衡で、同時の比較は、条件をアッセイするためのアッセイの多様性を減じる。
層流で動的勾配を作ることは、本発明の装置と組み合わせて、多くのアッセイ形態を提供する。例えば、表面上の細胞、チャネル26における生体分子、及びチャネル26における化合物の組み合わせを変化させることにより、非常に多数のアッセイを作ることができる。
不動体化した細胞又は他の不動体化された生体分子、たとえばタンパク質、抗体、核酸などに関して、異なるアッセイの形が可能である。 ある態様において、1つの型の細胞がチャネル領域24全体をとおして不動体化される。別の態様において、細胞型の混合体は、領域24ごとにつき1の細胞型で不動体化される。別の態様では、細胞型の混合体は、チャネル領域24全体を通して不動体化される。これは、細胞-細胞相互作用をモニターする際に利点でありうる。さらに別の態様において、異なる細胞型は、各異なる領域24において不動体化される。
様々な不動体化スキームに加えて、さらなるアッセイデザインの柔軟性は、チャネル24において存在する白血球遊走メディエーター又は他の生体分子に依存する。例えば、ある態様において、白血球遊走メディエーターのある型は、同じ濃度で各々のチャネル24に存在する。別の態様において、白血球遊走メディエーターの一つの型は、異なった濃度で各チャネル24に存在する。ある態様において、異なる白血球遊走メディエーターは、各チャネル24に存在する。ある別の態様において、各チャネル24において白血球遊走メディエーターの混合体が存在する。各チャネル24は、同じ混合体か又は異なる混合体を有しうる。混合体が同じであるとき、異なる白血球遊走メディエーターの比率又は濃度は、各チャネル24において異なりうる。
薬剤又は試験物質などの化合物に関して同様に、本発明は、アッセイ設計における柔軟性を提供する。例えば、ある態様において、単一の化合物は、全てのチャネル24を通して、同じ濃度で存在する。別の態様において、同じ化合物が全てのチャネル24において存在するが、各々のチャネル24は、該化合物の異なる濃度を有する。別の態様において、各々のチャネル24は、異なる化合物を有する。別の態様において、1以上の化合物が存在する。1以上の化合物が存在するとき、各チャネル24は、化合物の同じ混合体を有するか又は化合物の異なる混合体を有しうる。さらに、化合物の混合体が同じであるとき、各々のチャンバー24は、その混合体の異なる濃度を受けうる。さらに、各チャネル24は、化合物の混合体を受ける。ここで各チャネル24は、互いの化合物の異なる割合を有しうる。
そうしたアッセイシステムは、多数の生物的相互作用、化学物質又は薬剤の細胞又は他の生体分子に対する効果を試験するために使用されうる。 例えば、本発明の装置及びアッセイを使用して、不動体化される生体分子上の低濃度から高濃度までの化合物の層流勾配を使用して化合物のIC50を計測しうる。
白血球遊走をモニターする装置の制作方法
本発明に従った装置の原板をフォトリソグラフを使用して作る。シリコン基質は、適切なフォトレジストを使用して上部部材の原板パターンに基いて型取られる。その後、ポリジメチル・シロキサン(PDMS)を原板の上部に注ぎ、そしてそこから気泡を抜き取るために、吸引下に置く。こうして注がれたPDMS層を約30℃で約17時間オーブン中で硬化する。その後、装置を2%マイクロ90(International Products Corp.の製品)で徹底的に洗浄し、70℃の「超音波浴槽」中で10分間濯ぎ、そして脱イオン水で濯ぎ、その後100%エタノールで濯ぐ。PDMS層を次に窒素気中で乾燥する。同時に前もって洗浄されるガラス・スライド、例えば約12.479+/-0.010cm×約8.247+/‐0.10cm、かつ厚さ約1.75mmの大きさを有する四角形のガラススライドをエタノールで3回洗浄し、そしてメタノールで2回洗浄する。好ましくは、PDMS層の表面及び互いに結合されるガラススライドを両方とも、約84秒間プラズマ酸化した。PDMS層及びガラススライドをピンセットを使用して圧力をかけ、そしてその間の気泡を絞り除く。この方式において、液体密着、形状一致した接触は、上部部材のPDMS層とガラススライドと支持部材とのあいだで作られる。さらに、上部部材の材料として使用されたPDMSの効能により、PDMS層とガラススライドとの間の形状一致した接触は、可逆性である。
本発明に従った装置の原板をフォトリソグラフを使用して作る。シリコン基質は、適切なフォトレジストを使用して上部部材の原板パターンに基いて型取られる。その後、ポリジメチル・シロキサン(PDMS)を原板の上部に注ぎ、そしてそこから気泡を抜き取るために、吸引下に置く。こうして注がれたPDMS層を約30℃で約17時間オーブン中で硬化する。その後、装置を2%マイクロ90(International Products Corp.の製品)で徹底的に洗浄し、70℃の「超音波浴槽」中で10分間濯ぎ、そして脱イオン水で濯ぎ、その後100%エタノールで濯ぐ。PDMS層を次に窒素気中で乾燥する。同時に前もって洗浄されるガラス・スライド、例えば約12.479+/-0.010cm×約8.247+/‐0.10cm、かつ厚さ約1.75mmの大きさを有する四角形のガラススライドをエタノールで3回洗浄し、そしてメタノールで2回洗浄する。好ましくは、PDMS層の表面及び互いに結合されるガラススライドを両方とも、約84秒間プラズマ酸化した。PDMS層及びガラススライドをピンセットを使用して圧力をかけ、そしてその間の気泡を絞り除く。この方式において、液体密着、形状一致した接触は、上部部材のPDMS層とガラススライドと支持部材とのあいだで作られる。さらに、上部部材の材料として使用されたPDMSの効能により、PDMS層とガラススライドとの間の形状一致した接触は、可逆性である。
上記の本発明の装置の製造方法は、単に例であるということを注意されるべきである。装置の製造方法に対する別の実施例は、上で参照される「Test Device and Method of Making Same 」と名づけられる共係属中の出願において提供される。
II. 本発明の装置中のチャネルにおいて配置されるローリング・メディエーターを有する装置を使用する白血球遊走アッセイ
白血球の単離
好中球を健常ボランティアからのヒト血液5mlから単離する。5mlの血液を、ハンクスのバランスの取れた塩溶液(HBSS)で、1:2の割合で希釈し、それにより15ml相当まで血液の体積を増加する。全血液希釈液を10mlのフィコル--パキュー・プラス(Ficoll-Paque Plus)( Amersham Pharmacia Biotech ABから購入、カタログ番号17-1440-02)上に積層する。該血液を次に室温、400gで30分間遠心する。ペレットを乱すことなく上清を吸引で取り除く。ペレットをHBSS及び150μlの6%デキストランで再懸濁し、1%溶液を作る。赤血球を少なくとも1時間室温で定着させる。赤血球の多くが定着してペレットを形成する一方で、好中球は上清内に留まる。上清をピペッティングで取り、そしてHBSSを使用して1:2の割合で希釈する。該懸濁液を速度800gで10分間遠心する。上清を吸引して取り除き、ペレットを19mlの脱イオン水で溶解する。1分経過後、ペレットを1mlの10×PBSで再懸濁する。該懸濁液を400gで10分間遠心する。赤血球細胞をこの過程で溶解し、そして残りの細胞はほとんどが好中球である。室温で延長される期間の後に細胞の凝集を避けるために、残ったペレットをBSAを含む培地中に溶解しうる。細胞密度は、血球計数器を使用して細胞数を計測することにより決定される。
白血球の単離
好中球を健常ボランティアからのヒト血液5mlから単離する。5mlの血液を、ハンクスのバランスの取れた塩溶液(HBSS)で、1:2の割合で希釈し、それにより15ml相当まで血液の体積を増加する。全血液希釈液を10mlのフィコル--パキュー・プラス(Ficoll-Paque Plus)( Amersham Pharmacia Biotech ABから購入、カタログ番号17-1440-02)上に積層する。該血液を次に室温、400gで30分間遠心する。ペレットを乱すことなく上清を吸引で取り除く。ペレットをHBSS及び150μlの6%デキストランで再懸濁し、1%溶液を作る。赤血球を少なくとも1時間室温で定着させる。赤血球の多くが定着してペレットを形成する一方で、好中球は上清内に留まる。上清をピペッティングで取り、そしてHBSSを使用して1:2の割合で希釈する。該懸濁液を速度800gで10分間遠心する。上清を吸引して取り除き、ペレットを19mlの脱イオン水で溶解する。1分経過後、ペレットを1mlの10×PBSで再懸濁する。該懸濁液を400gで10分間遠心する。赤血球細胞をこの過程で溶解し、そして残りの細胞はほとんどが好中球である。室温で延長される期間の後に細胞の凝集を避けるために、残ったペレットをBSAを含む培地中に溶解しうる。細胞密度は、血球計数器を使用して細胞数を計測することにより決定される。
B.チャンバー内への白血球及び白血球遊走メディエーターの設置
20μlの水をセクション1で開示される方法に従って製作される装置のチャンバーの第一ウェル内にピペットで移し、毛細管作用が水をチャネル内へ引き込む。チャネル内に気泡がないことを保証した後に、さらに10μlの水がチャンバーの第二ウェルにピペットで移される。15分経過しかつ静水圧が同等化した後、50μg/mlの濃度の10μlのP-セレクチン(R&D Systemsから購入、カタログ#ADP3)をピペットで両方のウェルに移す。該装置を、ウェルを乾燥から守るためにカバーを有するディッシュ内で室温で2時間インキュベーションした。インキュベーションの後、PBS中の0.1%ウシ血清アルブミン(BSA)を使用してチャネルを4回洗浄した。最後の洗浄の後、ウェル内の全ての液体をピペットで取り除き、チャネル内にのみ液体を残した。PBS中の0.1%BSA20μlを第一ウェルに加え、そしてPBS中のBSA10μlを第二ウェルへと加えた。15分経過し、そして静水圧が同等化したのち、60μlの培地中のパートAにおいて記述される方法から獲得される好中球を各チャンバーの第一ウェル(24ウェルプレートのウェルあたり約103〜106細胞、ウェルあたり60μlの培地体積において)に加えられる。非標識及び蛍光標識された単球細胞系列-U937(ATCCから購入、カタログ#TIB-202)及びTHP-1(ATCCから購入、カタログ#CRL-1593.2)並びにほかの初期白血球が使用されうる。図7において見られるように、40μl〜60μlの培地が、通常の生理条件下の流速の範囲を作るために使用されうる(約0.1dynes/cm2〜約20dynes/cm2)。
20μlの水をセクション1で開示される方法に従って製作される装置のチャンバーの第一ウェル内にピペットで移し、毛細管作用が水をチャネル内へ引き込む。チャネル内に気泡がないことを保証した後に、さらに10μlの水がチャンバーの第二ウェルにピペットで移される。15分経過しかつ静水圧が同等化した後、50μg/mlの濃度の10μlのP-セレクチン(R&D Systemsから購入、カタログ#ADP3)をピペットで両方のウェルに移す。該装置を、ウェルを乾燥から守るためにカバーを有するディッシュ内で室温で2時間インキュベーションした。インキュベーションの後、PBS中の0.1%ウシ血清アルブミン(BSA)を使用してチャネルを4回洗浄した。最後の洗浄の後、ウェル内の全ての液体をピペットで取り除き、チャネル内にのみ液体を残した。PBS中の0.1%BSA20μlを第一ウェルに加え、そしてPBS中のBSA10μlを第二ウェルへと加えた。15分経過し、そして静水圧が同等化したのち、60μlの培地中のパートAにおいて記述される方法から獲得される好中球を各チャンバーの第一ウェル(24ウェルプレートのウェルあたり約103〜106細胞、ウェルあたり60μlの培地体積において)に加えられる。非標識及び蛍光標識された単球細胞系列-U937(ATCCから購入、カタログ#TIB-202)及びTHP-1(ATCCから購入、カタログ#CRL-1593.2)並びにほかの初期白血球が使用されうる。図7において見られるように、40μl〜60μlの培地が、通常の生理条件下の流速の範囲を作るために使用されうる(約0.1dynes/cm2〜約20dynes/cm2)。
C.データー取得
白血球を含む試料が第一ウェルに加えられた後、最初は15秒で、デジタル画像は、アキシオカム(AXIOCAM)(商標)を使用してZeiss社倒立顕微鏡上で撮られた。データーは、アキシオビジョン(AXIOVISION)(商標)ソフトウェア上で分析される。時間経過画像は、30秒ごとに5分間、及び15秒ごとに撮られる。10×の対物レンズを使用し、チャネルにそってローリングする細胞の数を観測し記録した。
白血球のローリング速度の決定
ある時間における白血球のローリング速度を特徴付けるために、パートCにおいて記述される方法を使用して獲得される画像を使用して、画像の露光時間の間白血球が移動する距離を計測した。ローリング速度(V)を決定するために、以下の式
V=c(l時間/t露光)
[式中、
c:細胞が移動する実際の距離を決定するための変換因子
l時間:捕捉時間における白血球の移動距離
t露光:画像の露光時間]
が使用される。
流速割合が約0.1dynes/cm2〜約20dynes/cm2であるとき、好ましくはt露光は、100ミリ秒(ms)である。
III. 本発明の装置内のチャネル内に配置されるローリング・メディエーター及び停止メディエーターを有する装置を利用する白血球遊走アッセイ
A.白血球の単離
好中球は、セクションII、パートAにおいて記述される方法に従って単離される。
B.チャンバー内に白血球及び白血球遊走メディエーターの設置
20μlの水は、セクション1において開示される方法に従って製作された装置のチャンバーの第一ウェルにピペットで移される。毛細管作用が水をチャネル内へ引き込む。チャネル内に気泡が存在しないことを保証した後に、更なる10μlの水をチャンバーの第二ウェル内に移す。15分が経過し、そして静水圧が同等化した後、50μg/mlの濃度を有する10μlのP-セレクチン(R&D Systemsから購入、カタログ#ADP3)を、第一ウェル内にピペットで移し、そして50μg/mlの濃度を有する10μlのICAM-1(R&D Systemsから購入)を同時にピペットで第二ウェルに移した。ウェルを乾燥から守るためにカバーを有するディシュにおいて、該装置を室温で2時間インキュベーションした。インキュベーションの後、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)中の0.1%ウシ血清アルブミン(BSA)を使用して4回洗浄される。最後の洗浄の後、ウェル内の全ての液体をピペットで取り除き、チャネル内にのみ液体を残した。PBS中の0.1%BSA20μlを第一ウェルに加え、そしてPBS中のBSA10μlを第二ウェルへと加えた。15分が経過し、そして静水圧が同等化したのち、パートAにおいて記述される方法から獲得される好中球であって、60μlの培地中の好中球を各チャンバーの第一ウェル(24ウェルプレートのウェルあたり約103〜106細胞、ウェルあたり60μlの培地体積において)(非標識及び蛍光標識された単球細胞系列-U937及びTHP-1並びにほかの初期白血球が使用されうる) に加えられる。図7において見られるように、40μl〜60μlの培地が、通常の生理条件下の流速の範囲(約0.1dynes/cm2〜約20dynes/cm2)を作るために使用されうる。
データー取得
白血球を含む試料が第一ウェルに加えられた後、最初は15秒で、デジタル画像は、アキシオカム(商標)を使用してZeiss社倒立顕微鏡上で撮られた。データーは、アキシオビジョン(商標)ソフトウェア上で分析される。時間経過画像は、30秒ごとに5分間、及び15秒ごとに撮られる。10×の対物レンズを使用し、チャネルにそってローリングする細胞の数及びチャネルに接着する細胞の数を観測し記録した。
IV. 内皮細胞の集密的層を使用した白血球遊走アッセイ
白血球の単離
好中球は、セクションI、パートAで開示される方法に従って、単離される。
チャンバー内への白血球及び内皮細胞の設置
マトリゲル (商標)(BD バイオサイエンスから購入、カタログ#356231)の10倍希釈液10μlをセクション1において配置される方法に従って製造される装置の第一ウェルに加えられる。10μlは、第一ウェルに加えられ、毛細管作用が、チャネル内へ溶液を引き込む。マトリゲル(商標)は、室温で15分間ゲル化させる。別の選択肢は、チャネルを、1mg/mlの濃度のフィブロネクチン(GibcoBRLから購入、カタログ#33016-015)であって、ストック濃度のフィブロネクチンを、0.1%BSA溶液を使用して希釈することにより獲得されるフィブロネクチンでチャネルをコートすることである。1mg/mlの濃度の5μlのフィブロネクチンを第一ウェルにピペットで加えて、そして毛細管作用が、チャネル内に溶液を引き込む。一度チャネルが、マトリゲル(商標)又はフィブロネクチンでコートされたなら、内皮細胞を播種のため調製する。細胞をBio-Whinttaker社のClontics社から低温貯蔵バイアルで購入する。細胞は、0.025%トリプシン/EDTAを使用して分割する用意ができるまでT75フラスコ内で育てられる。細胞をチャネル上に、アッセイごとに5μlの培地あたり1×105細胞で約二日間播種して、内皮細胞の集密単層を形成する。これらの2日間の間、内皮細胞は、各々のウェルに加えられた40μlの新鮮な培地で補充された。おおよそ2日間の後、内皮細胞は、37℃で4時間、1ng/mlのTNF-α(別のケモカインは、代わりに使用されうる)の濃度に晒される。4時間の終わりで、TNF-αは、60μlの新鮮な培地を使用して2回洗浄される。各々のウェルの内部培地の体積は、60μlの新鮮な培地で2回洗浄される。各々のウェル内の培地の体積は、15μlの新鮮培地で置き換えられる。セクションII、パートAから単離される60μlの培地中の好中球をチャンバーの第一ウェル(24ウェルプレートのウェルあたり約103〜106細胞、ウェルあたり60μlの培地体積において)(非標識及び蛍光標識された単球細胞系列-U937及びTHP-1並びに初期白血球が使用されうる) に加えられる。単球細胞系列が使用されるなら、細胞は、細胞追跡プローブ(Molecular Probes、カタログ#C-2925及びC-2927)を使用して蛍光標識される。細胞を1μmの濃度のプローブと37℃で30分間インキュベートする。培地を変え、そして細胞をさらに30分間、インキュベーター内に置く。
白血球を含む試料が第一ウェルに加えられた後、最初は15秒で、デジタル画像は、アキシオカム(AXIOCAM)(商標)を使用してZeiss社倒立顕微鏡上で撮られた。データーは、アキシオビジョン(AXIOVISION)(商標)ソフトウェア上で分析される。時間経過画像は、30秒ごとに5分間、及び15秒ごとに撮られる。10×の対物レンズを使用し、チャネルにそってローリングする細胞の数を観測し記録した。
白血球のローリング速度の決定
ある時間における白血球のローリング速度を特徴付けるために、パートCにおいて記述される方法を使用して獲得される画像を使用して、画像の露光時間の間白血球が移動する距離を計測した。ローリング速度(V)を決定するために、以下の式
V=c(l時間/t露光)
[式中、
c:細胞が移動する実際の距離を決定するための変換因子
l時間:捕捉時間における白血球の移動距離
t露光:画像の露光時間]
が使用される。
流速割合が約0.1dynes/cm2〜約20dynes/cm2であるとき、好ましくはt露光は、100ミリ秒(ms)である。
III. 本発明の装置内のチャネル内に配置されるローリング・メディエーター及び停止メディエーターを有する装置を利用する白血球遊走アッセイ
A.白血球の単離
好中球は、セクションII、パートAにおいて記述される方法に従って単離される。
B.チャンバー内に白血球及び白血球遊走メディエーターの設置
20μlの水は、セクション1において開示される方法に従って製作された装置のチャンバーの第一ウェルにピペットで移される。毛細管作用が水をチャネル内へ引き込む。チャネル内に気泡が存在しないことを保証した後に、更なる10μlの水をチャンバーの第二ウェル内に移す。15分が経過し、そして静水圧が同等化した後、50μg/mlの濃度を有する10μlのP-セレクチン(R&D Systemsから購入、カタログ#ADP3)を、第一ウェル内にピペットで移し、そして50μg/mlの濃度を有する10μlのICAM-1(R&D Systemsから購入)を同時にピペットで第二ウェルに移した。ウェルを乾燥から守るためにカバーを有するディシュにおいて、該装置を室温で2時間インキュベーションした。インキュベーションの後、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)中の0.1%ウシ血清アルブミン(BSA)を使用して4回洗浄される。最後の洗浄の後、ウェル内の全ての液体をピペットで取り除き、チャネル内にのみ液体を残した。PBS中の0.1%BSA20μlを第一ウェルに加え、そしてPBS中のBSA10μlを第二ウェルへと加えた。15分が経過し、そして静水圧が同等化したのち、パートAにおいて記述される方法から獲得される好中球であって、60μlの培地中の好中球を各チャンバーの第一ウェル(24ウェルプレートのウェルあたり約103〜106細胞、ウェルあたり60μlの培地体積において)(非標識及び蛍光標識された単球細胞系列-U937及びTHP-1並びにほかの初期白血球が使用されうる) に加えられる。図7において見られるように、40μl〜60μlの培地が、通常の生理条件下の流速の範囲(約0.1dynes/cm2〜約20dynes/cm2)を作るために使用されうる。
データー取得
白血球を含む試料が第一ウェルに加えられた後、最初は15秒で、デジタル画像は、アキシオカム(商標)を使用してZeiss社倒立顕微鏡上で撮られた。データーは、アキシオビジョン(商標)ソフトウェア上で分析される。時間経過画像は、30秒ごとに5分間、及び15秒ごとに撮られる。10×の対物レンズを使用し、チャネルにそってローリングする細胞の数及びチャネルに接着する細胞の数を観測し記録した。
IV. 内皮細胞の集密的層を使用した白血球遊走アッセイ
白血球の単離
好中球は、セクションI、パートAで開示される方法に従って、単離される。
チャンバー内への白血球及び内皮細胞の設置
マトリゲル (商標)(BD バイオサイエンスから購入、カタログ#356231)の10倍希釈液10μlをセクション1において配置される方法に従って製造される装置の第一ウェルに加えられる。10μlは、第一ウェルに加えられ、毛細管作用が、チャネル内へ溶液を引き込む。マトリゲル(商標)は、室温で15分間ゲル化させる。別の選択肢は、チャネルを、1mg/mlの濃度のフィブロネクチン(GibcoBRLから購入、カタログ#33016-015)であって、ストック濃度のフィブロネクチンを、0.1%BSA溶液を使用して希釈することにより獲得されるフィブロネクチンでチャネルをコートすることである。1mg/mlの濃度の5μlのフィブロネクチンを第一ウェルにピペットで加えて、そして毛細管作用が、チャネル内に溶液を引き込む。一度チャネルが、マトリゲル(商標)又はフィブロネクチンでコートされたなら、内皮細胞を播種のため調製する。細胞をBio-Whinttaker社のClontics社から低温貯蔵バイアルで購入する。細胞は、0.025%トリプシン/EDTAを使用して分割する用意ができるまでT75フラスコ内で育てられる。細胞をチャネル上に、アッセイごとに5μlの培地あたり1×105細胞で約二日間播種して、内皮細胞の集密単層を形成する。これらの2日間の間、内皮細胞は、各々のウェルに加えられた40μlの新鮮な培地で補充された。おおよそ2日間の後、内皮細胞は、37℃で4時間、1ng/mlのTNF-α(別のケモカインは、代わりに使用されうる)の濃度に晒される。4時間の終わりで、TNF-αは、60μlの新鮮な培地を使用して2回洗浄される。各々のウェルの内部培地の体積は、60μlの新鮮な培地で2回洗浄される。各々のウェル内の培地の体積は、15μlの新鮮培地で置き換えられる。セクションII、パートAから単離される60μlの培地中の好中球をチャンバーの第一ウェル(24ウェルプレートのウェルあたり約103〜106細胞、ウェルあたり60μlの培地体積において)(非標識及び蛍光標識された単球細胞系列-U937及びTHP-1並びに初期白血球が使用されうる) に加えられる。単球細胞系列が使用されるなら、細胞は、細胞追跡プローブ(Molecular Probes、カタログ#C-2925及びC-2927)を使用して蛍光標識される。細胞を1μmの濃度のプローブと37℃で30分間インキュベートする。培地を変え、そして細胞をさらに30分間、インキュベーター内に置く。
図7において見られるように、40μl〜60μlの培地が、通常の生理条件下の流速の範囲(約0.1dynes/cm2〜約20dynes/Cm2を作るために使用されることが好ましい。
データー取得
白血球を含む試料が第一ウェルに加えられた後、最初は15秒で、デジタル画像は、アキシオカム(商標)を使用してZeiss社倒立顕微鏡上で撮られた。データーは、アキシオビジョン(商標)ソフトウェア上で分析される。時間経過画像は、30秒ごとに5分間、及び15秒ごとに撮られる。10×の対物レンズを使用し、チャネルにそってローリングする細胞の数を観測し記録した。
白血球のローリング速度の決定
ある時間における白血球のローリング速度を特徴付けるために、パートCにおいて記述される方法から獲得される画像を使用して、画像の露光時間の間白血球が移動する距離を計測した。ローリング速度(V)を決定するために、以下の式
V=c(l時間/t露光)
[式中、
c:細胞が移動する実際の距離を決定するための変換因子
該因子は画像から画像において変わりうる。
l時間:捕捉画像における白血球の移動距離
t露光:画像の露光時間]
が使用される。
流速割合が約0.1dynes/cm2〜約20dynes/cm2であるとき、好ましくはt露光は、100msである。
データー取得
白血球を含む試料が第一ウェルに加えられた後、最初は15秒で、デジタル画像は、アキシオカム(商標)を使用してZeiss社倒立顕微鏡上で撮られた。データーは、アキシオビジョン(商標)ソフトウェア上で分析される。時間経過画像は、30秒ごとに5分間、及び15秒ごとに撮られる。10×の対物レンズを使用し、チャネルにそってローリングする細胞の数を観測し記録した。
白血球のローリング速度の決定
ある時間における白血球のローリング速度を特徴付けるために、パートCにおいて記述される方法から獲得される画像を使用して、画像の露光時間の間白血球が移動する距離を計測した。ローリング速度(V)を決定するために、以下の式
V=c(l時間/t露光)
[式中、
c:細胞が移動する実際の距離を決定するための変換因子
該因子は画像から画像において変わりうる。
l時間:捕捉画像における白血球の移動距離
t露光:画像の露光時間]
が使用される。
流速割合が約0.1dynes/cm2〜約20dynes/cm2であるとき、好ましくはt露光は、100msである。
V. 本発明の装置内のチャネルにおいて配置されるローリング・メディエーター及び停止メディエーターを有する装置を利用する白血球遊走アッセイの阻害
白血球の単離
好中球は、セクションII、パートAにおいて開示される方法に従って単離される。
チャンバー内への白血球、P-セレクチン、及びP-セレクチン抗体の配置
5個のチャンバーに関して、20μlの0.1%BSAをピペットで、セクション1で記述される方法に従って製造される装置1の各々のチャンバーの第一ウェルに移される。毛細管作用がチャネル内へ水を引く。気泡がチャネル内にないことを保証したのち、さらに10μlのBSAを各チャンバーの第二ウェル内にピペットで移した。15分が経過し、静水圧が同化した後、マルチピペッターを使用して、10μlのP-セレクチン(50μg/ml)を第一ウェル内へピペットで移し、そして10μlのICAM-1(50μg/ml)を第二ウェルへピペットで移した。ウェルを乾燥から守るために、カバーを有するディシュ内で室温で、装置を2時間インキュベートした。インキュベーションの後、各ウェルのチャネルは、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)中の0.1%ウシ血清アルブミン(BSA)を使用して4回洗浄される。5個の異なるチャンバーに関して、100ng/mlのP-セレクチン抗体を、チャンバー#1の第一ウェルにピペットで移し;10ng/mlのP-セレクチン抗体を、チャンバー#2の第一ウェルにピペットで移し;そして1ng/mlのP-セレクチン抗体を、チャンバー#3の第一ウェルにピペットで移し;100μg/mlのPセレクチン抗体を、チャンバー#4の第一ウェルにピペットで移し、;そしてPBS中の0.1%BSAを、チャンバー#5の第一ウェルへピペットで移した。該ウェルを乾燥から守るため、カバーを有するディシュ中で該装置を、室温で30分間インキュベーションする。インキュベーションの後、該チャネルを20μlのBSAで最初に洗浄し、続いて10μlのBSA、続いてPBS中の0.1%のBSAで洗浄した。20μlの培地中の好中球を各チャンバーの第一ウェルに加える(24ウェル・プレートのウェルあたり約103〜約106細胞、ウェルあたり20μlの培地体積において)(非標識及び蛍光標識された単球細胞系列-U937及びTHP-1並びに初期白血球が使用されうる)。白血球を含む試料が第一ウェルに加えられた後、最初は15秒で、デジタル画像は、アキシオカム(商標)を使用してZeiss社倒立顕微鏡上で撮られた。データーは、アキシオビジョン(商標)ソフトウェア上で分析される。時間経過画像は、30秒ごとに5分間、及び15秒ごとに撮られる。P-セレクチン抗体で処理した後、10×の対物レンズを使用し、ローリングする細胞の数を観測し記録した。図8及び図9から見られるように、抗体の100ng/ml希釈液は、細胞のローリングを阻害するための好ましい濃度である。図9の静止写真画像から見られるように、ローリングそして内皮に接着する白血球の数は、抗P-セレクチンの存在下では減少される。
白血球の単離
好中球は、セクションII、パートAにおいて開示される方法に従って単離される。
チャンバー内への白血球、P-セレクチン、及びP-セレクチン抗体の配置
5個のチャンバーに関して、20μlの0.1%BSAをピペットで、セクション1で記述される方法に従って製造される装置1の各々のチャンバーの第一ウェルに移される。毛細管作用がチャネル内へ水を引く。気泡がチャネル内にないことを保証したのち、さらに10μlのBSAを各チャンバーの第二ウェル内にピペットで移した。15分が経過し、静水圧が同化した後、マルチピペッターを使用して、10μlのP-セレクチン(50μg/ml)を第一ウェル内へピペットで移し、そして10μlのICAM-1(50μg/ml)を第二ウェルへピペットで移した。ウェルを乾燥から守るために、カバーを有するディシュ内で室温で、装置を2時間インキュベートした。インキュベーションの後、各ウェルのチャネルは、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)中の0.1%ウシ血清アルブミン(BSA)を使用して4回洗浄される。5個の異なるチャンバーに関して、100ng/mlのP-セレクチン抗体を、チャンバー#1の第一ウェルにピペットで移し;10ng/mlのP-セレクチン抗体を、チャンバー#2の第一ウェルにピペットで移し;そして1ng/mlのP-セレクチン抗体を、チャンバー#3の第一ウェルにピペットで移し;100μg/mlのPセレクチン抗体を、チャンバー#4の第一ウェルにピペットで移し、;そしてPBS中の0.1%BSAを、チャンバー#5の第一ウェルへピペットで移した。該ウェルを乾燥から守るため、カバーを有するディシュ中で該装置を、室温で30分間インキュベーションする。インキュベーションの後、該チャネルを20μlのBSAで最初に洗浄し、続いて10μlのBSA、続いてPBS中の0.1%のBSAで洗浄した。20μlの培地中の好中球を各チャンバーの第一ウェルに加える(24ウェル・プレートのウェルあたり約103〜約106細胞、ウェルあたり20μlの培地体積において)(非標識及び蛍光標識された単球細胞系列-U937及びTHP-1並びに初期白血球が使用されうる)。白血球を含む試料が第一ウェルに加えられた後、最初は15秒で、デジタル画像は、アキシオカム(商標)を使用してZeiss社倒立顕微鏡上で撮られた。データーは、アキシオビジョン(商標)ソフトウェア上で分析される。時間経過画像は、30秒ごとに5分間、及び15秒ごとに撮られる。P-セレクチン抗体で処理した後、10×の対物レンズを使用し、ローリングする細胞の数を観測し記録した。図8及び図9から見られるように、抗体の100ng/ml希釈液は、細胞のローリングを阻害するための好ましい濃度である。図9の静止写真画像から見られるように、ローリングそして内皮に接着する白血球の数は、抗P-セレクチンの存在下では減少される。
チャンバー内への白血球、E-セレクチン、及びE-セレクチン抗体の設置
5個のチャンバーに関して、20μlの0.1%BSAをピペットで、セクション1で記述される方法に従って製造される装置の各々のチャンバーの第一ウェルに移される。毛細管作用がチャネル内へBSAを引く。気泡がチャネル内にないことを保証したのち、さらに10μlの0.1%BSAを各チャンバーの第二ウェル内にピペットで移した。15分が経過し、静水圧が同化した後、マルチピペッターを使用して、10μlのE-セレクチン(50μg/ml)を第一ウェル内にピペットで移し、そして10μlのICAM-1(50μg/ml)を第二ウェルにピペットで移した。ウェルを乾燥から守るために、カバーを有するディシュ内で室温で、装置を2時間インキュベートした。インキュベーションの後、各ウェルのチャネルは、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)中の0.1%ウシ血清アルブミン(BSA)を使用して4回洗浄される。5個の異なるチャンバーに関して、100ng/mlのE-セレクチン抗体を、チャンバー#1の第一ウェルにピペットで移し;10ng/mlのE-セレクチン抗体を、チャンバー#2の第一ウェルにピペットで移し;そして1ng/mlのE-セレクチン抗体を、チャンバー#3の第一ウェルにピペットで移し;100μg/mlのE-セレクチン抗体を、チャンバー#4の第一ウェルにピペットで移し、;そしてPBS中の0.1%BSAを、チャンバー#5の第一ウェルへピペットで移した。該ウェルを乾燥から守るため、カバーを有するディシュ中で該装置を、室温で30分間インキュベーションする。インキュベーションの後、該チャネルをPBS中の0.1%BSAで4回洗浄する。20μlの培地中の好中球を各チャンバーの第一ウェルに加える(24ウェル・プレートのウェルあたり約103〜約106細胞、ウェルあたり20μlの培地体積において)(非標識及び蛍光標識された単球細胞系列-U937及びTHP-1並びに初期白血球が使用されうる)。白血球を含む試料が第一ウェルに加えられた後、最初は15秒で、デジタル画像は、アキシオカム(商標)を使用してZeiss社倒立顕微鏡上で撮られた。データーは、アキシオビジョン(商標)ソフトウェア上で分析される。時間経過画像は、30秒ごとに5分間、及び15秒ごとに撮られる。E-セレクチン抗体で処理した後、10×の対物レンズを使用し、ローリングする細胞の数を観測し記録した。図10から見られるように、抗体の100ng/ml希釈液は、細胞のローリングを阻害するための好ましい濃度である。図10の静止写真画像から見られるように、ローリングそして内皮に接着する白血球の数は、抗E-セレクチンの存在下では減少される。
5個のチャンバーに関して、20μlの0.1%BSAをピペットで、セクション1で記述される方法に従って製造される装置の各々のチャンバーの第一ウェルに移される。毛細管作用がチャネル内へBSAを引く。気泡がチャネル内にないことを保証したのち、さらに10μlの0.1%BSAを各チャンバーの第二ウェル内にピペットで移した。15分が経過し、静水圧が同化した後、マルチピペッターを使用して、10μlのE-セレクチン(50μg/ml)を第一ウェル内にピペットで移し、そして10μlのICAM-1(50μg/ml)を第二ウェルにピペットで移した。ウェルを乾燥から守るために、カバーを有するディシュ内で室温で、装置を2時間インキュベートした。インキュベーションの後、各ウェルのチャネルは、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)中の0.1%ウシ血清アルブミン(BSA)を使用して4回洗浄される。5個の異なるチャンバーに関して、100ng/mlのE-セレクチン抗体を、チャンバー#1の第一ウェルにピペットで移し;10ng/mlのE-セレクチン抗体を、チャンバー#2の第一ウェルにピペットで移し;そして1ng/mlのE-セレクチン抗体を、チャンバー#3の第一ウェルにピペットで移し;100μg/mlのE-セレクチン抗体を、チャンバー#4の第一ウェルにピペットで移し、;そしてPBS中の0.1%BSAを、チャンバー#5の第一ウェルへピペットで移した。該ウェルを乾燥から守るため、カバーを有するディシュ中で該装置を、室温で30分間インキュベーションする。インキュベーションの後、該チャネルをPBS中の0.1%BSAで4回洗浄する。20μlの培地中の好中球を各チャンバーの第一ウェルに加える(24ウェル・プレートのウェルあたり約103〜約106細胞、ウェルあたり20μlの培地体積において)(非標識及び蛍光標識された単球細胞系列-U937及びTHP-1並びに初期白血球が使用されうる)。白血球を含む試料が第一ウェルに加えられた後、最初は15秒で、デジタル画像は、アキシオカム(商標)を使用してZeiss社倒立顕微鏡上で撮られた。データーは、アキシオビジョン(商標)ソフトウェア上で分析される。時間経過画像は、30秒ごとに5分間、及び15秒ごとに撮られる。E-セレクチン抗体で処理した後、10×の対物レンズを使用し、ローリングする細胞の数を観測し記録した。図10から見られるように、抗体の100ng/ml希釈液は、細胞のローリングを阻害するための好ましい濃度である。図10の静止写真画像から見られるように、ローリングそして内皮に接着する白血球の数は、抗E-セレクチンの存在下では減少される。
VI.本発明の装置内のチャネル内に配置される内皮細胞の集密層を有する本発明の装置を利用する白血球遊走アッセイの阻害
白血球の単離
好中球は、セクションIV、パートAにおいて開示される方法に従って単離される。
チャンバー内への白血球及び内皮細胞の設置
内皮細胞は、セクションIV、パートBで記述される方法に従った4個のチャンバー(#1〜#4)の4つの異なるチャネル内に設置され、かつ活性化される。5番目のチャンバー(#5)に関して、内皮細胞はチャネル内に設置されるが、活性化されない。これらの5個の異なるチャンバーに関して、100μg/mlのP-セレクチン抗体を、チャンバー#1の第一ウェルにピペットで移し;100μg/mlのE-セレクチン抗体を、チャンバー#2の第一ウェルにピペットで移し;100μg/mlのVCAM1抗体を、チャンバー#3の第一ウェルにピペットで移し;そして100μg/mlのPBS中のBSAを、チャンバー#4の第一ウェルにピペットで移した。該ウェルを乾燥から守るため、カバーを有するディシュ中で該装置を、室温で30分間インキュベーションする。インキュベーションの後、該チャネルをPBS中の0.1%のBSAで4回洗浄した。20μlの培地中の好中球を各チャンバーの第一ウェルに加える(24ウェル・プレートのウェルあたり約103〜約106細胞、ウェルあたり20μlの培地体積において)(非標識及び蛍光標識された単球細胞系列-U937及びTHP-1並びに初期白血球が使用されうる)。白血球を含む試料が第一ウェルに加えられた後、最初は15秒で、デジタル画像は、アキシオカム(商標)を使用してZeiss社倒立顕微鏡上で撮られた。データーは、アキシオビジョン(商標)ソフトウェア上で分析される。時間経過画像は、30秒ごとに5分間、及び15秒ごとに撮られる。図10において見られる抗体で処理した後、10×の対物レンズを使用し、ローリングする細胞の数を観測し記録する。
白血球の単離
好中球は、セクションIV、パートAにおいて開示される方法に従って単離される。
チャンバー内への白血球及び内皮細胞の設置
内皮細胞は、セクションIV、パートBで記述される方法に従った4個のチャンバー(#1〜#4)の4つの異なるチャネル内に設置され、かつ活性化される。5番目のチャンバー(#5)に関して、内皮細胞はチャネル内に設置されるが、活性化されない。これらの5個の異なるチャンバーに関して、100μg/mlのP-セレクチン抗体を、チャンバー#1の第一ウェルにピペットで移し;100μg/mlのE-セレクチン抗体を、チャンバー#2の第一ウェルにピペットで移し;100μg/mlのVCAM1抗体を、チャンバー#3の第一ウェルにピペットで移し;そして100μg/mlのPBS中のBSAを、チャンバー#4の第一ウェルにピペットで移した。該ウェルを乾燥から守るため、カバーを有するディシュ中で該装置を、室温で30分間インキュベーションする。インキュベーションの後、該チャネルをPBS中の0.1%のBSAで4回洗浄した。20μlの培地中の好中球を各チャンバーの第一ウェルに加える(24ウェル・プレートのウェルあたり約103〜約106細胞、ウェルあたり20μlの培地体積において)(非標識及び蛍光標識された単球細胞系列-U937及びTHP-1並びに初期白血球が使用されうる)。白血球を含む試料が第一ウェルに加えられた後、最初は15秒で、デジタル画像は、アキシオカム(商標)を使用してZeiss社倒立顕微鏡上で撮られた。データーは、アキシオビジョン(商標)ソフトウェア上で分析される。時間経過画像は、30秒ごとに5分間、及び15秒ごとに撮られる。図10において見られる抗体で処理した後、10×の対物レンズを使用し、ローリングする細胞の数を観測し記録する。
前の記述及び例は、単に本発明を例示するために示され、そして限定を意図されない。本発明の範囲及び物質を包含する開示される態様の改変を当業者が思いつくので、本発明は、全てを添付の特許請求の範囲及びその同等物の中に含むように解釈されるべきである。
実施例VII:層流により作られる勾配中のTNF-αの運搬による内皮細胞の選択的活性化
本発明の装置は、内皮細胞で覆われ、そして集密まで成長する(細胞の「細胞叢(lawn)」を作る)ことを可能にする。TNF-αを層流をとおして内皮細胞の細胞叢に運搬して、内皮細胞を「活性化」する。TNF-αを含む溶液の各々の流れは、異なる濃度であり、チャネルに対する垂直勾配を作る。該勾配は、効果的にTNFαを細胞の細胞叢上の異なる位置で、異なる濃度で内皮細胞の細胞叢へ届ける。白血球を、活性化された内皮細胞の細胞叢上を流れさせる。図12を指すとき、TNF-αにより活性化される内皮細胞のみは、白血球に適切な「結合」部位を与える。白血球は、細胞叢全体に対し同等には結合しなかったが、高濃度のTNF-αに晒された内皮細胞細胞叢部位に結合し、そして低い濃度のTNF-αにさらされたか又は全くTNF-αに晒されなかった細胞叢部位には結合しなかった。これらの結果は、層流によるTNF-αの濃度勾配の創造が実際あったということを指す。
本発明の装置は、内皮細胞で覆われ、そして集密まで成長する(細胞の「細胞叢(lawn)」を作る)ことを可能にする。TNF-αを層流をとおして内皮細胞の細胞叢に運搬して、内皮細胞を「活性化」する。TNF-αを含む溶液の各々の流れは、異なる濃度であり、チャネルに対する垂直勾配を作る。該勾配は、効果的にTNFαを細胞の細胞叢上の異なる位置で、異なる濃度で内皮細胞の細胞叢へ届ける。白血球を、活性化された内皮細胞の細胞叢上を流れさせる。図12を指すとき、TNF-αにより活性化される内皮細胞のみは、白血球に適切な「結合」部位を与える。白血球は、細胞叢全体に対し同等には結合しなかったが、高濃度のTNF-αに晒された内皮細胞細胞叢部位に結合し、そして低い濃度のTNF-αにさらされたか又は全くTNF-αに晒されなかった細胞叢部位には結合しなかった。これらの結果は、層流によるTNF-αの濃度勾配の創造が実際あったということを指す。
本発明は以下に与えられる詳細な記載及び付随する図面からより十分に理解される。これらは図解の方法によりのみ与えられるが、本発明を制限しない。
Claims (55)
- その中に複数のチャンバーを定めるハウジングを含む白血球遊走をモニターする装置であって、当該複数のチャンバーの各々が、
少なくとも1の第一ウェルを含む第一ウェル領域;
少なくとも1の第二ウェルを含む第二ウェル領域;及び
当該第一ウェル領域と第二ウェル領域を互いに接続する少なくとも1のチャネルを含むチャネル領域を含み、ここで、当該少なくとも1のチャネルは、その中に配置される少なくとも1の白血球遊走メディエーター又は内皮細胞を含み、
ここで一方において当該複数のチャンバーの少なくとも1、並びに他方において当該複数のチャンバーのそれぞれ1における第一ウェル領域及び第二ウェル領域は、標準マイクロタイター・プレートのピッチに適合するように互いに対して配置される、前記装置。 - 前記少なくとも1の白血球遊走メディエーターが、白血球捕捉メディエーター、白血球ローリング・メディエーター、白血球停止メディエーター、白血球遊出メディエーター、又はそれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の装置。
- 前記白血球捕捉メディエーターがセレクチン又はセレクチン結合リガンドである、請求項2に記載の装置。
- 前記白血球ローリング・メディエーターがセレクチン又はセレクチン結合リガンドである、請求項2に記載の装置。
- 前記白血球停止メディエーターが、インテグリン結合リガンドである、請求項2に記載の装置。
- 前記白血球遊出メディエーターがPECAM-1又はJAMである、請求項2に記載の装置。
- 前記少なくとも1の白血球遊走メディエーターが、第一白血球遊走メディエーター及び第二白血球遊走メディエーターを含み、ここで上記第一白血球遊走メディエーターと上記第二白血球遊走メディエーターとが互いに異なる、請求項1に記載の装置。
- 前記第一白血球遊走メディエーターが、白血球ローリング・メディエーターを含み、かつ前記第二白血球遊走メディエーターが、白血球停止メディエーターを含む、請求項7に記載の装置。
- 少なくとも1のチャネルに配置されるケモカインをさらに含む、請求項1に記載の装置。
- 前記ハウジングが以下の:
支持部材;及び
上記支持部材に置かれた上部部材を含み、
ここで上記支持部材及び上部部材が、それらが一緒に複数のチャンバーを定めるように形成される、請求項1に記載の装置。 - 前記上部部材が前記支持部材と形状一致して接触する、請求項10に記載の装置。
- 一方において前記複数のチャンバーの少なくとも1、並びに他方において前記複数のチャンバーのそれぞれ1における前記第一ウェル領域及び前記第二ウェル領域は、24ウェル・マイクロタイター・プレート、96ウェル・マイクロタイター・プレート、384ウェル・マイクロタイター・プレート、768ウェル・マイクロタイター・プレート、又は1536ウェル・マイクロタイター・プレートのピッチに適合するように互いに対して配置される請求項1に記載の装置。
- 前記少なくとも1のチャネルが、複数の直線で平衡なチャネルを含む、請求項1に記載の装置。
- 前記第二ウェル領域が、装置の試験配向において前記第一ウェル領域に対して水平に並置される、請求項1に記載の装置。
- 前記チャネル領域が、それに沿った生理的シアーフローを支持するように形成される、請求項1に記載の装置。
- 前記チャネル領域が、静水圧による生理的シアーフローを支持するように形成される、請求項15に記載の装置。
- 前記少なくとも1のチャネルを観測するため、前記装置に働きうるように接続されるビデオカメラをさらに含む、請求項1に記載の装置を含むシステム。
- 前記少なくとも1の白血球遊走メディエーターが、複数の白血球遊走メディエーターを含み、そして上記複数の白血球遊走メディエーターの濃度が、前記複数のチャンバーの各々におけるチャネル領域の各々において異なる、請求項1に記載の装置。
- 白血球遊走をモニターするためのキットであって、
その中に複数のチャンバーを定めるハウジングを含む装置、ここで当該複数のチャンバー各々は、
少なくとも1の第一ウェルを含む第一ウェル領域;
少なくとも1の第二ウェルを含む第二ウェル領域;及び
当該第一ウェル領域と第二ウェル領域を互いに接続する少なくとも1のチャネルを含むチャネル領域
を含み、ここで、一方において当該複数のチャンバーの少なくとも1、並びに他方において当該複数のチャンバーのそれぞれ1における上記第一ウェル領域及び第二ウェル領域は、標準マイクロタイター・プレートのピッチに適合するように互いに対して配置され;並びに
第一白血球遊走メディエーター又は内皮細胞を含む、前記キット。 - 白血球遊走の阻害剤又は促進剤をさらに含む、請求項19に記載のキット。
- 第二白血球遊走メディエーターをさらに含む請求項19のキットであって、前記第一白血球遊走メディエーターと上記第二白血球遊走メディエーターが互いに異なる上記キット。
- 白血球遊走をモニターする装置であって、
ハウジング;
上記ハウジング内の複数のチャンバーを定める当該ハウジングに付随する手段、ここで当該複数のチャンバーの各々は、
白血球を含む試料を受け取る入口手段;
上記入口手段から上記白血球を含む試料を受け取るため、当該入口手段と流れを連絡する出口手段;及び
上記入口手段と上記出口手段を互いに接続する接続手段、
ここで当該接続手段が、少なくとも1の白血球遊走メディエーター又はその中に配置された内皮細胞を含む、
を含み、ここで、一方において上記複数のチャンバーの少なくとも1、並びに他方において上記入口手段及び上記出口手段は、標準マイクロタイター・プレートのピッチに適合するように互いに対し配置される、前記装置。 - 前記支持手段が、支持部材を含み;
前記規定のための手段が、支持部材及び上部部材を含む、請求項22に記載の装置であって、ここで上記支持部材及び上記上部部材が、それらが一緒に前記複数のチャンバーを定めるように形成される前記装置。 - 前記入口手段が、少なくとも1の第一ウェルを含み;及び
前記出口手段が、少なくとも1の第二ウェルを含む、請求項22に記載の装置。 - 白血球遊走をモニターする方法であって、その中に複数のチャンバーを定めるハウジングを含む装置を提供し、ここで当該複数のチャンバー各々は、以下:
少なくとも1の第一ウェルを含む第一ウェル領域
少なくとも1の第二ウェルを含む第二ウェル領域;及び
当該第一ウェル領域と第二ウェル領域を互いに接続する少なくとも1のチャネルを含むチャネル領域
を含み、ここで、一方において当該複数のチャンバーの少なくとも1、当該複数のチャンバーのそれぞれ1の上記第一ウェル領域及び第二ウェル領域は、標準マイクロタイター・プレートのピッチに適合するように互いに対して配置され;
少なくとも1の白血球遊走メディエーター、又は内皮細胞を上記少なくとも1のチャネル内に配置し;
当該少なくとも1のチャネル内に白血球を含む試料を提供し;そして
当該白血球と上記少なくとも1の白血球遊走メディエーターとの間の相互作用、又は当該白血球と上記内皮細胞との間の相互作用を観測することを含む、前記モニター方法。 - 前記少なくとも1の白血球遊走メディエーターが、白血球捕捉メディエーター、白血球ローリング・メディエーター、白血球停止メディエーター、白血球遊出メディエーター、又はそれらのいずれかの組み合わせを含む、請求項25に記載の方法。
- 前記白血球捕捉メディエーターが、セレクチン又はセレクチン結合リガンドである、請求項26の方法。
- 前記白血球ローリング・メディエーターが、セレクチン又はセレクチン結合リガンドである、請求項26に記載の方法。
- 前記白血球停止メディエーターが、インテグリン結合リガンドである、請求項26に記載の方法。
- 前記少なくとも1の白血球遊走メディエーターが、第一白血球遊走メディエーター及び第二白血球遊走メディエーターを含み、ここで当該第一白血球遊走メディエーターと当該第二白血球遊走メディエーターとが、互いに異なる、請求項25に記載の方法。
- 前記第一白血球遊走メディエーターが、白血球ローリング・メディエーターを含み、かつ前記第二白血球遊走メディエーターが、白血球停止メディエーターを含む、請求項30に記載の方法。
- 前記第一白血球遊走メディエーター、前記第二白血球遊走メディエーター、又はその両者を阻害するために適用される少なくとも1の阻害剤を添加することをさらに含む、請求項30に記載の方法。
- 前記第一白血球遊走メディエーター、前記第二白血球遊走メディエーター、又はその両者により媒介される白血球遊走を促進するために適用される少なくとも1の促進剤を添加することをさらに含む、請求項30に記載の方法。
- 試験薬剤を白血球を含む前記試料に加えることをさらに含む、請求項25に記載の方法。
- 前記試験薬剤が、白血球遊走の阻害剤又は遊走の促進剤を含む、請求項34に記載の方法。
- 前記少なくとも1のチャネルにおいて白血球を含む試料を提供することが、拍動性の様式で当該少なくとも1のチャネルに当該試料を導入することを含む、請求項25に記載の方法。
- 前記少なくとも1のチャネルの縦軸にそって生理的シアーフロー提供することをさらに含む、請求項25に記載の方法。
- 前記シアーフローが、静水圧により提供される、請求項37に記載の方法。
- 前記シアーフローが、約0.1dynes/cm2〜約20dynes/cm2の範囲内の速度を有する、請求項37に記載の方法。
- 前記少なくとも1のチャネルを観測するために、前記装置に働くように結合されるビデオカメラを提供することをさらに含む、請求項25に記載の方法。
- 前記ビデオカメラが、前もって決められた期間にわたって前もって決められた間隔の間画像を補足するように適用される、請求項25に記載の方法。
- 白血球のローリング速度を決定することをさらに含む、請求項25に記載の方法。
- 白血球の前記試料が、約10μl〜約100μlの培地中に存在する、請求項25に記載の方法。
- 白血球を含む前記試料における白血球数が、約103〜106の範囲内である、請求項25に記載の方法。
- 試料を提供することが、層流により前記少なくとも1のチャネルに白血球を運搬することを含む、請求項25に記載の方法。
- 前記白血球が、毛細管の微小溶液ネットワークを通して運搬される、請求項45に記載の方法。
- 前記少なくとも1の白血球遊走メディエーターは、複数の白血球遊走メディエーターを含み、少なくとも1の白血球遊走メディエーター又は内皮細胞を前記少なくとも1のチャネルに配置することは、複数の白血球遊走メディエーター又は内皮細胞を当該少なくとも1のチャネルに配置することを含む、請求項25に記載の方法。
- 前記少なくとも1のチャネルに、複数の白血球遊走メディエーター又は内皮細胞を配置することは、前記少なくとも1の第一ウェルから前記少なくとも1の第二ウェルまで、前記複数の白血球遊走メディエーター又は内皮細胞の濃度を減少することにより、少なくとも1の前記複数のチャンバーの長軸にそって表面濃度勾配を形成することを含む、請求項47に記載の方法。
- in vivoにおける血管の生理条件を刺激する方法であって、
チャンバーを定めるハウジングを含む装置を提供し、ここで当該チャンバーは、以下:
少なくとも1の第一ウェルを含む第一ウェル領域;
少なくとも1の第二ウェルを含む第二ウェル領域;及び
当該第一ウェル領域と第二ウェル領域を互いに接続する少なくとも1のチャネルを含むチャネル領域を含み、
当該少なくとも1のチャネルに白血球のローリングを媒介するように適用される第一白血球遊走メディエーターを配置し;
当該少なくとも1のチャネルに白血球停止を適用させる第二白血球遊走メディエーターを配置し;
当該少なくとも1のチャネルに、約10μl〜約100μlの培地に白血球を含む懸濁液を提供し;そして
白血球を含む当該懸濁液が当該少なくとも1のチャネルにそって流れることを許容することを含む、前記方法。 - 前記第一白血球遊走メディエーターが、白血球ローリング・メディエーターであり、前記第二白血球遊走メディエーターが、白血球停止メディエーターである、請求項49に記載の方法。
- 静水圧下で、前記白血球が前記少なくとも1のチャネルにそって流れる、請求項49に記載の方法。
- 試験薬剤をスクリーニングする方法であって、
複数のチャンバーを定めるハウジングを含む装置を提供し、ここで各々のチャンバーは、以下:
少なくとも1の第一ウェルを含む第一ウェル領域;
少なくとも1の第二ウェルを含む第二ウェル領域;及び
当該第一ウェル領域と第二ウェル領域を互いに接続する少なくとも1のチャネルを含むチャネル領域
を含み、ここで、当該少なくとも1のチャネルは、少なくとも1の白血球遊走メディエーター、又はその中に配置される内皮細胞を含み、当該複数のチャンバーのそれぞれ1における上記第一ウェル及び第二ウェル領域は、標準マイクロタイター・プレートのピッチに適合するように互いに対して配置され、
当該複数のチャンバーのそれぞれ1における上記第一ウェル領域の各々に白血球を提供し;
当該複数のチャンバーのそれぞれ1における上記第一ウェル領域の各々に、少なくとも1の複数の試験薬剤を配置し;
当該少なくとも1の複数の試験薬剤の存在下で、上記白血球と少なくとも1の白血球遊走メディエーターとの間の相互作用を観測することを含む、前記方法。 - 前記少なくとも1の複数の試験薬剤の濃度が、前記複数のチャンバーのそれぞれ1の前記第一ウェル領域各々で異なる、請求項52に記載の方法。
- ハウジングを含む白血球遊走をモニターする装置であって、
支持部材;及び
上部部材を含み、ここで、当該上部部材が、上記支持部材と形状一致して接触して配置されることにより、当該支持部材に置かれ、ここで当該支持部材及び上部部材は、それらが一緒になって少なくとも1のチャンバーを定めるように形成され、ここで当該少なくとも1のチャンバーは、以下:
少なくとも1の第一ウェルを含む第一ウェル領域;
少なくとも1の第二ウェルを含む第二ウェル領域;及び
当該第一ウェル領域と第二ウェル領域を互いに接続する少なくとも1のチャネルを含むチャネル領域を含み、ここで当該少なくとも1のチャネルは、その中に配置される少なくとも1の白血球遊走メディエーターを含む、前記装置。 - 前記少なくとも1のチャンバーが、複数のチャンバーを含む、請求項54に記載の装置。
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