JP2005307114A - 水性エマルジョン型粘着剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】有機溶剤型粘着剤の代替品を水性エマルジョン型粘着剤で提供し、接着性に優れるとともに、タック、軟化点、曲面保持力のバランスに優れ、かつ高温、高湿雰囲気下における接着保持力に優れるとともに、TVOCの極めて低い水性エマルジョン型粘着剤を提供する。
【解決手段】(A)(メタ)アクリル酸アルキルエステル系共重合体エマルジョンを固形分換算で100重量部に対し、(B)粘着付与樹脂1〜50重量部を含有し、かつJIS A1901法(小形チャンバー法)で測定したTVOC(総揮発性有機化合物)が3,000μg/m3以下である、水性エマルジョン型粘着剤。
【選択図】なし
【解決手段】(A)(メタ)アクリル酸アルキルエステル系共重合体エマルジョンを固形分換算で100重量部に対し、(B)粘着付与樹脂1〜50重量部を含有し、かつJIS A1901法(小形チャンバー法)で測定したTVOC(総揮発性有機化合物)が3,000μg/m3以下である、水性エマルジョン型粘着剤。
【選択図】なし
Description
本発明は、水性エマルジョン型粘着剤に関し、さらに詳細には、種々の加工品に使用される粘着剤で、総揮発性有機化合物(TVOC)含量が極めて少ない水性エマルジョン型粘着剤に関する。
従来、加工品に使用される粘着剤は、有機溶剤型粘着剤を使用している。これに対し、大気汚染、現場作業環境の改善、火災の危険性などの観点から、水性エマルジョン型粘着剤の開発が検討されている。しかしながら、ここで用いられる粘着付与樹脂は、通常、ロジン樹脂などをトルエン、キシレンなどの法規制の対象となっている有機溶剤に溶かし、さらに界面活性剤を用いて水性エマルジョン化したのち、有機溶剤を脱溶剤して用いられている。このため、粘着付与樹脂の水性エマルジョン中には、トルエン、キシレンなどの有機溶剤が2,000〜10,000μg/m3程度残存することになる。ところが、これらの有機溶剤の残存量は、平成14年に厚生労働省が設定したガイドラインに含まれる化学物質(ホルムアルデヒド、トルエン、キシレン、パラジクロロベンゼン、エチルベンゼン、スチレン、クロルピリホス、フタル酸ジ−n−ブチル、テトラデカン、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、ダイアジノン、アセトアルデヒド、フェノブカブル)の室内濃度の指針値を大きく上回っており(室内濃度指針値は、トルエンが260μg/m3以下、キシレンが870μg/m3以下)、シックハウス(室内空気汚染)などの大きな環境問題となっている。
本発明は、有機溶剤型粘着剤の代替品を水性エマルジョン型粘着剤で提供し、接着性に優れるとともに、タック、軟化点、曲面保持力のバランスに優れ、かつ高温、高湿雰囲気下における接着保持力に優れるとともに、TVOCの極めて低い水性エマルジョン型粘着剤を提供することを目的とする。
本発明は、(A)(メタ)アクリル酸アルキルエステル系共重合体エマルジョンを固形分換算で100重量部に対し、
(B)粘着付与樹脂1〜50重量部
を含有し、かつJIS A1901法(小形チャンバー法)で測定したTVOC(総揮発性有機化合物)が3,000μg/m3以下であることを特徴とする水性エマルジョン型粘着剤に関する。
ここで、(A)(メタ)アクリル酸アルキルエステル系共重合体エマルジョンは、(メタ)アクリル酸アルキルエステル70〜99.9重量%および官能基モノマー30〜0.1重量%〔ただし、(メタ)アクリル酸アルキルエステル+官能基モノマー=100重量%〕を乳化重合して得られるものが挙げられる。
また、(B)粘着付与樹脂は、該粘着付与樹脂が、無溶剤型粘着付与樹脂であり、厚生労働省が平成14年1月に設定したガイドラインに含まれ、シックハウス指定化学物質である、ホルムアルデヒド、トルエン、キシレン、パラジクロロベンゼン、エチルベンゼン、スチレン、クロルピリホス、フタル酸ジ−n−ブチル、テトラデカン、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、ダイアジノン、アセトアルデヒド、フェノブカブル以外の溶剤を使用して乳化した軟化温度が95℃以上のロジン系粘着付与樹脂が挙げられる。
(B)粘着付与樹脂1〜50重量部
を含有し、かつJIS A1901法(小形チャンバー法)で測定したTVOC(総揮発性有機化合物)が3,000μg/m3以下であることを特徴とする水性エマルジョン型粘着剤に関する。
ここで、(A)(メタ)アクリル酸アルキルエステル系共重合体エマルジョンは、(メタ)アクリル酸アルキルエステル70〜99.9重量%および官能基モノマー30〜0.1重量%〔ただし、(メタ)アクリル酸アルキルエステル+官能基モノマー=100重量%〕を乳化重合して得られるものが挙げられる。
また、(B)粘着付与樹脂は、該粘着付与樹脂が、無溶剤型粘着付与樹脂であり、厚生労働省が平成14年1月に設定したガイドラインに含まれ、シックハウス指定化学物質である、ホルムアルデヒド、トルエン、キシレン、パラジクロロベンゼン、エチルベンゼン、スチレン、クロルピリホス、フタル酸ジ−n−ブチル、テトラデカン、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、ダイアジノン、アセトアルデヒド、フェノブカブル以外の溶剤を使用して乳化した軟化温度が95℃以上のロジン系粘着付与樹脂が挙げられる。
本発明の水性エマルジョン型粘着剤は、基材に転写塗布した場合でも、ポリオレフィン系樹脂などの難接着性の被着体に対し、優れた接着性を有し、かつ高温、高湿雰囲気下での接着保持力に優れる。従って、本発明の粘着剤は、有機溶剤型粘着剤の代替品として満足できる水性エマルジョン型粘着剤である。また、有機溶剤を用いず、TVOCが極めて少ないことから、シックハウスが生起せず安全性に優れ、かつ大気汚染の問題を生じることがない。
本発明に用いられる(A)(メタ)アクリル酸アルキルエステル系共重合体エマルジョンは、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とする樹脂エマルジョンであれば特に制限はないが、好ましくは(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とし、これに官能基モノマーを共重合して得られる樹脂エマルジョンである。
このうち、(A)(メタ)アクリル酸アルキルエステル系共重合体エマルジョンの主成分となる(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。好ましくは、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートである。上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、1種単独で使用することも、あるいは2種以上を混合して用いることもできる。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルの使用量は、(A)成分中に70〜99.9重量%、好ましくは75〜98重量%である。70重量%未満では、タックと軟化点、曲面保持力のバランスが損なわれ、一方、99.9重量%を超えると、水性エマルジョンの貯蔵安定性、機械的安定性が損なわれる。
このうち、(A)(メタ)アクリル酸アルキルエステル系共重合体エマルジョンの主成分となる(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。好ましくは、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートである。上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、1種単独で使用することも、あるいは2種以上を混合して用いることもできる。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルの使用量は、(A)成分中に70〜99.9重量%、好ましくは75〜98重量%である。70重量%未満では、タックと軟化点、曲面保持力のバランスが損なわれ、一方、99.9重量%を超えると、水性エマルジョンの貯蔵安定性、機械的安定性が損なわれる。
また、(A)(メタ)アクリル酸アルキルエステル系共重合体エマルジョンに用いられる官能基モノマーは、例えばアミド基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、酸無水物基、エポキシ基、オキサゾリン基、マレイミド基、エーテル基などを有するモノマーである。
このうち、アミド基を有するモノマーとしては、(メタ)アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミドなどが挙げられる。
ヒドロキシル基を有するモノマーとしては、ヒドロキシスチレン、3−ヒドロキシ−1−プロペン、4−ヒドロキシ−1−ブテン、シス−4−ヒドロキシ−2−ブテン、トランス−4−ヒドロキシ−2−ブテン、3−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロペン、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレートなどが挙げられる。
このうち、アミド基を有するモノマーとしては、(メタ)アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミドなどが挙げられる。
ヒドロキシル基を有するモノマーとしては、ヒドロキシスチレン、3−ヒドロキシ−1−プロペン、4−ヒドロキシ−1−ブテン、シス−4−ヒドロキシ−2−ブテン、トランス−4−ヒドロキシ−2−ブテン、3−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロペン、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレートなどが挙げられる。
カルボキシル基を有するモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸、シトラコン酸などが挙げられる。
酸無水物基を有するモノマーとしては、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸などが挙げられる。
エポキシ基を有するモノマーとしては、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテルなどが挙げられる。
オキサゾリン基を有するモノマーとしては、ビニルオキサゾリンなどが挙げられる。
マレイミド基を有するモノマーとしては、マレイミド、N−フェニルマレイミド、N−ブチルマレイミド、N−(p−メチルフェニル)マレイミド、N−シクロヘキシルマレイミドなどのα,β−不飽和ジカルボン酸のマレイミド系化合物が挙げられる。
エーテル基を有するモノマーとしては、下記の一般式で表されるモノマーが用いられる。
CH2 =CH−COO−(CH2 O)n−OH
(式中、nは1〜10の整数を示す。)
酸無水物基を有するモノマーとしては、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸などが挙げられる。
エポキシ基を有するモノマーとしては、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテルなどが挙げられる。
オキサゾリン基を有するモノマーとしては、ビニルオキサゾリンなどが挙げられる。
マレイミド基を有するモノマーとしては、マレイミド、N−フェニルマレイミド、N−ブチルマレイミド、N−(p−メチルフェニル)マレイミド、N−シクロヘキシルマレイミドなどのα,β−不飽和ジカルボン酸のマレイミド系化合物が挙げられる。
エーテル基を有するモノマーとしては、下記の一般式で表されるモノマーが用いられる。
CH2 =CH−COO−(CH2 O)n−OH
(式中、nは1〜10の整数を示す。)
その他の官能基を有するモノマーとしては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレンジ(メタ)アクリレートなどの(ポリ)アルキレングリコールジ(メタ)アクリレート化合物、2,2'−ビス〔4−(メタ)アクリロキシ−プロピロキシフェニル〕プロパン、2,2'−ビス〔4−(メタ)アクリロキシ−ジエトキシフェニル〕プロパンなどのフェニル基含有ジ(メタ)アクリレート化合物、グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレートなどのトリ(メタ)アクリレート化合物、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートなどのテトラ(メタ)アクリレート、メチレンビス(メタ)アクリルアミド、エチレンビス(メタ)アクリルアミド、トリメチレンビス(メタ)アクリルアミド、テトラメチレンビス(メタ)アクリルアミド、ヘキサメチレンビス(メタ)アクリルアミドなどの(メタ)アクリルアミド化合物、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン、ジイソプロピニルベンゼンなどのポリビニル芳香族化合物などが挙げられる。
好ましくは、カルボキシル基を有する(メタ)アクリル酸、イタコン酸、アミド基を有する(メタ)アクリルアミド、N−メチロール−アクリルアミド、ヒドロキシル基を有する2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、エポキシ基を有するグリシジルメタクリレート、その他の官能基を有するモノマーとして、(ポリ)アルキレングリコールジ(メタ)アクリレート化合物のエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレートなどである。
以上の官能基を有するモノマーは、1種単独で使用することも、あるいは2種以上を混合して用いることもできる。
以上の官能基を有するモノマーは、1種単独で使用することも、あるいは2種以上を混合して用いることもできる。
官能基モノマーの使用量は、(A)成分中に30〜0.1重量%、好ましくは10〜0.3重量%である。30重量%を超えると、粘着性が低下し粘着特性のバランスが損なわれ、一方、0.1重量%未満では、粘着剤の軟化点、曲面保持力が低下し、高温、高湿雰囲気下における接着保持力が劣る。
本発明に用いられる(A)(メタ)アクリル酸アルキルエステル系共重合体エマルジョンは、上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルと官能基モノマーを乳化重合して得られるが、必要に応じて、酢酸ビニル、(メタ)アクリロニトリル、塩化ビニル、スチレンなどの他のモノマーを共重合成分として使用することができる。
(A)(メタ)アクリル酸アルキルエステル系共重合体エマルジョンの乳化重合の方法および条件は、特に制限されず、従来公知の方法および条件を採用することができる。例えば、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルトリメチルアンモニウムクロライドなどのノニオン系、アニオン系、あるいはカチオン系乳化剤、過硫酸塩、アゾビスイソブチロニトリル、過酸化物などの重合開始剤、ブチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、イソプロピルアルコール、メタノール、四塩化炭素などの分子量調整剤、さらに必要に応じて、消泡剤、増粘剤、防腐剤などの添加剤とともに、水系媒体中に乳化分散させて、一般には不活性雰囲気中で共重合させる。
乳化重合時のモノマー混合物の添加方法としては、例えばモノマー混合物をそのままで、あるいはあらかじめ水系媒体中に乳化剤とともに乳化分散したプレエマルジョンとして、一括添加するか、またはモノマー混合物あるいはプレエマルジョンの一部もしくは全量を連続的もしくは間欠的に添加する方法などを用いることができる。また、あらかじめ、モノマー混合物の一部から製造した共重合体エマルジョンをシードにしたシード乳化重合法を採用することができる。さらに、この乳化重合終了後に、例えば、ベンゾイルパーオキサイドなどの有機過酸化物を(メタ)アクリル酸アルキルエステル系共重合体エマルジョン固形分換算で100重量部に対し0.2重量部以下で添加する操作や、共重合体エマルジョンにスチームなどを吹き込み、加温後、減圧蒸留する操作を行うことにより、残留モノマー量を低減させることができ、その結果、TVOCを減らすことが可能となる。
なお、上記乳化重合条件は、例えば全単量体成分100重量部に対し、水100〜900重量部を使用し、乳化剤、重合開始剤、さらに必要に応じて、分子量調整剤、キレート化剤、電解質、pH調整剤などを適量使用して、一般に、10〜90℃、好ましくは40〜80℃の重合温度で、通常、3〜15時間重合される。
なお、(A)(メタ)アクリル酸アルキルエステル系共重合体エマルジョンの平均粒径は、好ましくは75〜250nm、さらに好ましくは90〜200nmである。平均粒径が75nm未満では、エマルジョンの粘度が高くなりすぎ、粘着剤としてのロール塗工性が悪く、一方、250nmを超えると、粘着剤の耐水性が低下し、また被着体に対する粘着力が低下する。なお、この共重合体エマルジョンの平均粒径は、電子顕微鏡や動的光散乱法により、公知の方法で求めることができる。また、この平均粒径は、例えば乳化剤の量と重合温度で調整することができる。
また、(A)(メタ)アクリル酸アルキルエステル系共重合体エマルジョンは、この共重合体のガラス転移点(Tg)が、好ましくは−70℃〜−10℃、さらに好ましくは−70℃〜−30℃である。ガラス転移点が−70℃未満では、粘着剤の軟化点、曲面保持力が低下し、高温、高湿雰囲気下における接着保持力が低下する。一方、−10℃を超えると、被着体に対する粘着力が低下する。なお、上記ガラス転移点は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、官能基モノマーの種類、量などにより、容易に調整することができる。
ここで、(A)(メタ)アクリル酸アルキルエステル系共重合体エマルジョンのガラス転移点は、理学電気社製の示差走査熱量分析計(DSC)を用い、次の条件で測定した値である。
(1)(A)アクリル系共重合体エマルジョンの約5g(固形分換算)を、ガラス板に薄く引き伸ばし、25℃で7日間乾燥させ、ポリマーフィルムを得る。
(2)得られた乾燥フィルムのガラス転移点を測定する。
条件:昇温速度 20℃/分
雰囲気 チッ素
サンプル量 20mg
(1)(A)アクリル系共重合体エマルジョンの約5g(固形分換算)を、ガラス板に薄く引き伸ばし、25℃で7日間乾燥させ、ポリマーフィルムを得る。
(2)得られた乾燥フィルムのガラス転移点を測定する。
条件:昇温速度 20℃/分
雰囲気 チッ素
サンプル量 20mg
なお、本発明において、(A)アクリル系共重合体エマルジョンの固形分濃度は、通常、45〜60重量%、好ましくは48〜55重量%である。
本発明の水性エマルジョン型粘着剤は、上記(A)(メタ)アクリル酸アルキルエステル系共重合体エマルジョンに、(B)粘着付与樹脂を配合することによって製造される。
ここで、(B)粘着付与樹脂は、水系乳化分散の状態で配合することができる。
本発明に用いられる(B)粘着付与樹脂としては、ロジンまたはロジン誘導体を、水添、不均化、重合などの変性手段で安定化し、これをグリセリンやペンタエリスリトールなどの各種ポリアルコールでエステル化して得られるロジン系樹脂が好ましい。
ここで、(B)粘着付与樹脂は、水系乳化分散の状態で配合することができる。
本発明に用いられる(B)粘着付与樹脂としては、ロジンまたはロジン誘導体を、水添、不均化、重合などの変性手段で安定化し、これをグリセリンやペンタエリスリトールなどの各種ポリアルコールでエステル化して得られるロジン系樹脂が好ましい。
なお、(B)粘着付与樹脂の軟化温度は、95℃以上、好ましくは100℃以上、さらに好ましくは120〜200℃、特に好ましくは140〜180℃である。軟化温度が95℃未満であると、粘着付与樹脂の軟化点、凝集力が向上せず、高温時の接着保持力が維持できない。一方、軟化温度が200℃を超えるものは、現在のところ、エステル化反応時に粘度が上昇し、作製できない。
ここで、(B)粘着付与樹脂の軟化温度は、JIS K5903に準じた環球法を用いて測定する。すなわち、(B)粘着付与樹脂を蒸発皿の中で、なるべく低温で溶解させ、あらかじめ適温に加熱したリングの中に満たし、放冷後、少し加熱した小刀でリングの上端を含む平面から盛り上がった部分を切り取る。次に、上記粘着付与樹脂を詰め込んだリングを、支持器の所定の孔にはめ込み、ガラス容器(径85mm、高さ127mm以上)に入れる。ガラス容器中の熱媒体であるグリセリンの液温は、所定の軟化点より、45℃以上低くならないように15分保つ。次に、リングの中の上記粘着付与樹脂の中央に鋼球を載せ、支持器の上の定位置に置く。リングの上端より、グリセリン液までの距離を50mm以上に保ちながら加熱する。加熱が始まって所定の軟化点よりも45℃前より、1分間につき5.0±0.5℃で昇温させ、粘着付与樹脂が軟化して底板に接触したときの温度を軟化温度とする。
以上の(B)粘着付与樹脂は、1種単独で使用することも、あるいは2種以上を混合して用いることもできる。
なお、(B)粘着付与樹脂としては、ロジン系樹脂のほかに、必要に応じて、テルペン樹脂系、石油樹脂系、クマロン・インデン樹脂などを配合することもできる。
なお、(B)粘着付与樹脂としては、ロジン系樹脂のほかに、必要に応じて、テルペン樹脂系、石油樹脂系、クマロン・インデン樹脂などを配合することもできる。
本発明では、(B)粘着付与樹脂も(A)成分と同様に水性エマルジョンとして用いるが、その際、平成14年に厚生労働省が設定したガイドラインに含まれる物質(シックハウス指定化学物質となる有機溶剤)、すなわちホルムアルデヒド、トルエン、キシレン、パラジクロロベンゼン、エチルベンゼン、スチレン、クロルピリホス、フタル酸ジ−n−ブチル、テトラデカン、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、ダイアジノン、アセトアルデヒド、フェノブカブル)などの溶剤を用いずに乳化することにより、得られる水性エマルジョン型粘着剤のTVOC値を3,000μg/m3以下にすることができる。
例えば、粘着付与剤樹脂、乳化剤および水からなる粘着付与剤樹脂エマルジョンにおいて、揮発性有機化合物を用いずに乳化する。
乳化剤の使用量は特に限定されないが、粘着付与剤樹脂100重量部に対し、通常は固形分換算で1〜10重量部程度、好ましくは2〜7重量部である。10重量部を超える場合には得られる水系粘・接着剤組成物の耐水性が低下し、また1重量部に満たない場合には乳化時の樹脂エマルジョンの貯蔵安定性が悪くなる。
粘着付与剤樹脂の乳化方法は特に制限されず、公知の乳化方法である高圧乳化法、反転乳化法、超音波乳化法、溶剤乳化法などのいずれの方法を採用してもよい。例えば、高圧乳化法を採用する場合は、上記粘着付与剤樹脂をトルエン、キシレン、スチレン、フタル酸ジn−ブチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシルなどの厚生労働省が設定したシックハウス指定化学物質に該当せず、かつロジン樹脂などの粘着付与樹脂を溶解する、例えば酢酸エチル、メチルシクロヘキサンなどの溶剤に溶解したのち上記乳化剤および軟水を添加し、10〜50MPa程度の圧力条件にて高圧乳化機を用いて乳化した後、減圧下に溶剤を除去すればよい。
かくして得られた粘着付与剤樹脂エマルジョンの固形分濃度は特に限定されないが、通常、20〜70重量%程度となるように適宜に調整して用いる。
(B)粘着付与樹脂の配合量は、(B)(メタ)アクリル酸アルキルエステル系共重合体エマルジョン100重量部(固形分換算)に対し、好ましくは1〜50重量部、さらに好ましくは3〜40重量部、特に好ましくは5〜30重量部である。配合量が、1重量部未満では、被着体に貼付した場合、その被着体との接着性が悪い。一方、50重量部を超えると、タックと軟化点、曲面保持力のバランスが損なわれ、満足する性能が得られず好ましくない。
(B)粘着付与樹脂をこの範囲で配合することにより、得られる粘着剤は、タックと軟化点、曲面保持力などの粘着特性のバランスが優れ、被着体に対する接着性が向上し、かつ高温、高湿雰囲気下での接着保持力が向上する。
(B)粘着付与樹脂をこの範囲で配合することにより、得られる粘着剤は、タックと軟化点、曲面保持力などの粘着特性のバランスが優れ、被着体に対する接着性が向上し、かつ高温、高湿雰囲気下での接着保持力が向上する。
本発明の水性エマルジョン型粘着剤は、全成分中にTVOCが3,000μg/m3以下、好ましくは2,000μg/m3以下、特に好ましくは1,000μg/m3以下である。
3,000μg/m3を超えると、シックハウス症候群など健康問題に対してよくない。
ここで、本発明の粘着剤におけるTVOCの含有量は、配合する粘着付与樹脂や造膜助剤、アクリル酸エステル共重合体エマルジョンに残留するモノマー量によって調整することができる。
なお、TVOC中のトルエンとキシレンの合計濃度が高いとシックハウス症候群や健康問題に対してよくない。また、PRTR法の対象物質であり法規制面からもTVOC中のトルエンとキシレンの合計濃度、50μg/m3以下であることが好ましい。
ここで、TVOCとは、Total Volatile Organic Compounds(総揮発性有機化合物)の総称であり、下記のように、JIS A1901法「建築材料の揮発性有機化合物(VOC)、ホルムアルデヒドおよび他のカルボニル化合物放散測定法―小形チャンバー法」により測定された値である。
3,000μg/m3を超えると、シックハウス症候群など健康問題に対してよくない。
ここで、本発明の粘着剤におけるTVOCの含有量は、配合する粘着付与樹脂や造膜助剤、アクリル酸エステル共重合体エマルジョンに残留するモノマー量によって調整することができる。
なお、TVOC中のトルエンとキシレンの合計濃度が高いとシックハウス症候群や健康問題に対してよくない。また、PRTR法の対象物質であり法規制面からもTVOC中のトルエンとキシレンの合計濃度、50μg/m3以下であることが好ましい。
ここで、TVOCとは、Total Volatile Organic Compounds(総揮発性有機化合物)の総称であり、下記のように、JIS A1901法「建築材料の揮発性有機化合物(VOC)、ホルムアルデヒドおよび他のカルボニル化合物放散測定法―小形チャンバー法」により測定された値である。
平成14年に厚生労働省により規制の対象となっている揮発性有機化合物(VOC)としては、上記のように、ホルムアルデヒド〔100μg/m3(0.08ppm)〕、トルエン〔260μg/m3(0.07ppm)〕、キシレン〔870μg/m3(0.20ppm)〕、p−ジクロルベンゼン〔240μg/m3(0.04ppm)〕、エチルベンゼン〔3,800μg/m3(0.88ppm)〕、スチレン〔220μg/m3(0.05ppm)〕、フタル酸ジ−n−ブチル〔220μg/m3(0.02ppm)〕、テトラデカン〔330μg/m3(0.04ppm)〕、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル〔120μg/m3(7.6ppb)〕、アセトアルデヒド〔48μg/m3(0.03ppm)〕クロルピリホス(1μg/m3(0.07ppb)、ダイアジノン(0.29μg/m3(0.02ppb)などが挙げられる。
本発明の水性エマルジョン型粘着剤は、必要に応じて、一般の水性粘着剤に使用される種々の添加剤、例えば消泡剤、湿潤剤、アルカリ性化合物、着色顔料、増粘剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、防腐剤などを配合することができる。
なお、本発明の水性エマルジョン型粘着剤は、固形分濃度が、通常、43〜58重量%、好ましくは45〜55重量%、粘度が、通常、8,000〜20,000mPa・s、好ましくは10,000〜15,000mPa・sに調整される。
なお、本発明の水性エマルジョン型粘着剤は、固形分濃度が、通常、43〜58重量%、好ましくは45〜55重量%、粘度が、通常、8,000〜20,000mPa・s、好ましくは10,000〜15,000mPa・sに調整される。
本発明の水性エマルジョン型粘着剤の適用対象となる被着体としては、特に制限はなく任意のものが用いられる。このような被着体としては、例えば、SUS、アルミニウムなどの金属類;ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニルなどからなるプラスチック製フィルム、シート、テープ;アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂などの各種塗装膜、化粧膜;木材などが挙げられる。
本発明の水性エマルジョン型粘着剤を調製するには、例えば(A)(メタ)アクリル酸アルキルエステル系共重合体エマルジョンに(B)粘着付与樹脂を添加したのち、増粘剤を添加し、所定の粘度とする。
本発明の水性エマルジョン型粘着剤を上記被着体に貼付するには、例えば離型紙に本発明の粘着剤を塗工したのち、80〜120℃で1〜5分程度の熱処理を行い、乾燥後、上記被着体に転写する。
本発明の水性エマルジョン型粘着剤は、特に自動車用のウレタンフォームやポリエチレンフォームの発泡体用粘着剤として有用であり、自動車用空調ダクトの継ぎ手、シール材、家電用品の断熱材、緩衝材、防音材、などに用いられる。
本発明の水性エマルジョン型粘着剤を上記被着体に貼付するには、例えば離型紙に本発明の粘着剤を塗工したのち、80〜120℃で1〜5分程度の熱処理を行い、乾燥後、上記被着体に転写する。
本発明の水性エマルジョン型粘着剤は、特に自動車用のウレタンフォームやポリエチレンフォームの発泡体用粘着剤として有用であり、自動車用空調ダクトの継ぎ手、シール材、家電用品の断熱材、緩衝材、防音材、などに用いられる。
以下、実施例を挙げ、本発明をさらに具体的に説明するが、以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例中、部および%は、特に断らない限り重量基準である。また、実施例中における粘着性の性能評価は、次のようにして測定した。
TVOCの測定
JIS A1901「建築材料の揮発性有機化合物(VOC)、ホルムアルデヒドおよび他のカルボニル化合物放散測定法―小形チャンバー法」に準じた。
試料の作成は80cm2のSUS板に粘着剤を1.2g(乾燥皮膜として)を塗布し、試料を100℃×4分乾燥後、上記JIS A―1901に準拠した方法で測定した。
なお、TVOCの測定値は、チャンバー内に試料を設定後、試料からVOCが放散する3日目の値を測定値とした。
JIS A1901「建築材料の揮発性有機化合物(VOC)、ホルムアルデヒドおよび他のカルボニル化合物放散測定法―小形チャンバー法」に準じた。
試料の作成は80cm2のSUS板に粘着剤を1.2g(乾燥皮膜として)を塗布し、試料を100℃×4分乾燥後、上記JIS A―1901に準拠した方法で測定した。
なお、TVOCの測定値は、チャンバー内に試料を設定後、試料からVOCが放散する3日目の値を測定値とした。
粘着剤性能評価
(a)軟化点の測定
幅25mm、長さ60mmの粘着加工試料の粘着剤面の25mm×25mmの面積を、ポリプロピレン(PP)樹脂板に貼り付け、5kgゴムローラーで圧着したのち、常態で24時間放置し、試験体とした。試験体の一端を止め、試験体が垂直に垂れ下がるようにした。その下端に500gの重りを取り付け、40℃で30分間保持し、その後、3℃/5分の割合で昇温し、試料が落下したときの温度を測定した。それ以外は、JIS Z0237の接着保持力の測定に準じて測定した。
(a)軟化点の測定
幅25mm、長さ60mmの粘着加工試料の粘着剤面の25mm×25mmの面積を、ポリプロピレン(PP)樹脂板に貼り付け、5kgゴムローラーで圧着したのち、常態で24時間放置し、試験体とした。試験体の一端を止め、試験体が垂直に垂れ下がるようにした。その下端に500gの重りを取り付け、40℃で30分間保持し、その後、3℃/5分の割合で昇温し、試料が落下したときの温度を測定した。それ以外は、JIS Z0237の接着保持力の測定に準じて測定した。
(b)接着力の測定(90度剥離法)
幅25mm、長さ180mmの粘着加工試料をPP樹脂板に貼り付け、3kgゴムローラーで圧着し、常態で20分間放置したのち測定した。それ以外は、JIS Z0237の接着保持力の測定に準じて測定した。
幅25mm、長さ180mmの粘着加工試料をPP樹脂板に貼り付け、3kgゴムローラーで圧着し、常態で20分間放置したのち測定した。それ以外は、JIS Z0237の接着保持力の測定に準じて測定した。
(c)曲面接着力の測定
幅25mm、長さ180mmの粘着加工試料を、80mmφのPP樹脂円筒の曲面に貼り付け、2kgゴムローラーで圧着し、常態で20分放置した。その後、さらに高温80℃で24時間および高温・高湿70℃で95%RH中で24時間放置後、末端部分の剥がれ状態を目視で観察し、下記基準で評価した。
○;粘着加工試料とPP樹脂との貼り合わせ部分に浮きが認められない。
△;粘着加工試料とPP樹脂との貼り合わせ部分に5mm以下の浮きが認められる。
×;粘着加工試料とPP樹脂との貼り合わせ部分に5mmを超える浮きが認められる。
幅25mm、長さ180mmの粘着加工試料を、80mmφのPP樹脂円筒の曲面に貼り付け、2kgゴムローラーで圧着し、常態で20分放置した。その後、さらに高温80℃で24時間および高温・高湿70℃で95%RH中で24時間放置後、末端部分の剥がれ状態を目視で観察し、下記基準で評価した。
○;粘着加工試料とPP樹脂との貼り合わせ部分に浮きが認められない。
△;粘着加工試料とPP樹脂との貼り合わせ部分に5mm以下の浮きが認められる。
×;粘着加工試料とPP樹脂との貼り合わせ部分に5mmを超える浮きが認められる。
実施例1〜3、比較例1〜8
<アクリル系共重合体エマルジョンの製造>
反応容器に脱イオン水40部、乳化剤としてアルキルジフェニルエーテルジスルフォン酸ナトリウム2.0部と重合開始剤として過硫酸アンモニウム0.6部を仕込み、窒素ガスにて置換したのち、攪拌しながら70℃に昇温した。また、別容器中に表1に示すモノマー組成100部、脱イオン水50部と乳化剤を充分に攪拌してプレエマルジョンを調製した。
このプレエマルジョンの全量を80℃に保持した上記反応容器に3時間かけて連続的に滴下し攪拌下で乳化重合を完結させた。乳化重合完了後、TVOC値を減少させるため、共重合体エマルジョンに過酸化ベンゾイルを0.05部を添加する操作を加えた。その後冷却し、表1に示すアクリル系共重合体エマルジョンA〜Gを得た。
<アクリル系共重合体エマルジョンの製造>
反応容器に脱イオン水40部、乳化剤としてアルキルジフェニルエーテルジスルフォン酸ナトリウム2.0部と重合開始剤として過硫酸アンモニウム0.6部を仕込み、窒素ガスにて置換したのち、攪拌しながら70℃に昇温した。また、別容器中に表1に示すモノマー組成100部、脱イオン水50部と乳化剤を充分に攪拌してプレエマルジョンを調製した。
このプレエマルジョンの全量を80℃に保持した上記反応容器に3時間かけて連続的に滴下し攪拌下で乳化重合を完結させた。乳化重合完了後、TVOC値を減少させるため、共重合体エマルジョンに過酸化ベンゾイルを0.05部を添加する操作を加えた。その後冷却し、表1に示すアクリル系共重合体エマルジョンA〜Gを得た。
<粘着剤の調製と評価>
表1に示すアクリル系共重合体エマルジョンA〜Gを100部(固形分換算)に対し、表2〜3に示す粘着付与樹脂を配合しポリアクリル酸ナトリウムとアンモニアで粘度が12,000mPa・sになるように攪拌調整し、実施例、比較例の水性エマルジョン型粘着剤を得た。
次に、これらの水性エマルジョン型粘着剤を乾燥後の塗工量が75g/m2になるように剥離紙上にアプリケータを用いて塗布し、100℃×4分間乾燥後、6mm厚のポリエステル系ウレタンフォーム発泡体に転写し、2日間養生して粘着加工試料を得た。
得られた粘着加工試料の粘着剤性能評価結果を表2に示す。
表2で明らかなように、本発明の範囲内のアクリル系共重合体エマルジョンA〜Gを用いた実施例1〜3は、良好な粘着性能を示している。
一方、共重合体エマルジョンが本発明の範囲外、および共重合体エマルジョンは本発明の範囲内でありながら粘着付与樹脂が本発明の範囲外である比較例1〜3、アクリル系共重合体エマルジョンが本発明の範囲外である比較例4〜8は、目標とする粘着性能が得られていない。
表1に示すアクリル系共重合体エマルジョンA〜Gを100部(固形分換算)に対し、表2〜3に示す粘着付与樹脂を配合しポリアクリル酸ナトリウムとアンモニアで粘度が12,000mPa・sになるように攪拌調整し、実施例、比較例の水性エマルジョン型粘着剤を得た。
次に、これらの水性エマルジョン型粘着剤を乾燥後の塗工量が75g/m2になるように剥離紙上にアプリケータを用いて塗布し、100℃×4分間乾燥後、6mm厚のポリエステル系ウレタンフォーム発泡体に転写し、2日間養生して粘着加工試料を得た。
得られた粘着加工試料の粘着剤性能評価結果を表2に示す。
表2で明らかなように、本発明の範囲内のアクリル系共重合体エマルジョンA〜Gを用いた実施例1〜3は、良好な粘着性能を示している。
一方、共重合体エマルジョンが本発明の範囲外、および共重合体エマルジョンは本発明の範囲内でありながら粘着付与樹脂が本発明の範囲外である比較例1〜3、アクリル系共重合体エマルジョンが本発明の範囲外である比較例4〜8は、目標とする粘着性能が得られていない。
2EHA;2−エチルヘキシルアクリレート
n−BA;n−ブチルアクリレート
MMA ;メチルメタアクリレート
AN ;アクリロニトリル
ST ;スチレン
PEGDMA;ポリエチレングリコールジメタクリレート
乳化剤 ;ジフェニルエーテルジスルフォン酸ナトリウム
E650;ロジン系粘着付与樹脂(軟化点160℃)荒川化学工業社製
SK−218NS;ロジン系粘着付与樹脂(軟化点100℃)ハリマ化成社製
E865−NT;ロジン系粘着付与樹脂(軟化点160℃) 荒川化学工業社製
SK−385NS;ロジン系粘着付与樹脂(軟化点80℃) ハリマ化成社製
DBS;セバシン酸ジブチルエステル 大八化学社製
TPnB;トリプロピレングリコールモノブチルエーテル ダウケミカル社製
n−BA;n−ブチルアクリレート
MMA ;メチルメタアクリレート
AN ;アクリロニトリル
ST ;スチレン
PEGDMA;ポリエチレングリコールジメタクリレート
乳化剤 ;ジフェニルエーテルジスルフォン酸ナトリウム
E650;ロジン系粘着付与樹脂(軟化点160℃)荒川化学工業社製
SK−218NS;ロジン系粘着付与樹脂(軟化点100℃)ハリマ化成社製
E865−NT;ロジン系粘着付与樹脂(軟化点160℃) 荒川化学工業社製
SK−385NS;ロジン系粘着付与樹脂(軟化点80℃) ハリマ化成社製
DBS;セバシン酸ジブチルエステル 大八化学社製
TPnB;トリプロピレングリコールモノブチルエーテル ダウケミカル社製
本発明の水性エマルジョン型粘着剤は、接着保持力に優れるとともに、TVOCが低いので、大気を汚染せず、シックハウスが生起せず環境にやさしいので、自動車用の空調ダクトの継ぎ手、シール材、家電用品の断熱材、緩衝材、防音材に用いられるウレタンフォーム、ポリエチレンフォーム用粘着剤などに用いられる。
Claims (4)
- (A)(メタ)アクリル酸アルキルエステル系共重合体エマルジョンを固形分換算で100重量部に対し、
(B)粘着付与樹脂 1〜50重量部
を含有し、かつJIS A1901法(小形チャンバー法)で測定したTVOC(総揮発性有機化合物)が3,000μg/m3以下である、ことを特徴とする水性エマルジョン型粘着剤。 - (A)(メタ)アクリル酸アルキルエステル系共重合体エマルジョンが、(メタ)アクリル酸アルキルエステル70〜99.9重量%および官能基モノマー30〜0.1重量%〔ただし、(メタ)アクリル酸アルキルエステル+官能基モノマー=100重量%〕を乳化重合して得られる請求項1記載の水性エマルジョン型粘着剤。
- (B)粘着付与樹脂が、無溶剤型粘着付与樹脂であり、厚生労働省が平成14年1月に設定したシックハウス指定ガイドラインに含まれる化学物質である、ホルムアルデヒド、トルエン、キシレン、パラジクロロベンゼン、エチルベンゼン、スチレン、クロルピリホス、フタル酸ジ−n−ブチル、テトラデカン、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、ダイアジノン、アセトアルデヒド、フェノブカブル以外の溶剤を使用して乳化した軟化温度が95℃以上のロジン系粘着付与樹脂である請求項1または2記載の水性エマルジョン型粘着剤。
- JIS A1901法(小形チャンバー法)で測定したTVOC中のトルエンとキシレンの合計濃度が50μg/m3以下である請求項1〜3いずれかに記載の水性エマルジョン型接着剤。
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