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JP2005214575A - 冷凍装置 - Google Patents

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JP2005214575A JP2004025120A JP2004025120A JP2005214575A JP 2005214575 A JP2005214575 A JP 2005214575A JP 2004025120 A JP2004025120 A JP 2004025120A JP 2004025120 A JP2004025120 A JP 2004025120A JP 2005214575 A JP2005214575 A JP 2005214575A
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千明 式地
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実 杉本
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Abstract

【課題】 デフロスト回路に設ける開閉弁に作用する圧力を低くすることにより、開閉弁の耐久性の向上、コストの低減を図った2段圧縮冷凍サイクル装置を備えた冷凍装置を提供すること。
【解決手段】 本冷凍装置は、圧縮機、高圧側ガス冷媒を冷却する高圧ガス冷却器、絞り装置、低圧液冷媒を蒸発させる蒸発器を順次接続してなる2段圧縮冷凍サイクル装置を備え、さらに、この2段圧縮冷凍サイクル装置は、冷凍サイクル内の中間圧力ガス部と蒸発器入口側との間に開閉弁を介して接続するデフロスト回路を有する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、冷凍装置に関し、特に、2段圧縮冷凍サイクル装置を備えた冷凍装置における蒸発器のデフロストに関する。
近年、オゾン層破壊の問題及び給湯装置における給湯の高温化ニーズへの対応のために、二酸化炭素などの超臨界冷凍サイクルで冷凍運転される自然冷媒が注目を浴びている。また、このような超臨界サイクル冷凍運転を行う冷凍装置では高低圧力差が大きくなることから2段圧縮冷凍サイクル装置が用いられるようになってきている。
ところで、従来、2段圧縮冷凍サイクル装置における蒸発器のデフロスト回路は、例えば特許文献1のように、2段圧縮機の吐出側を開閉弁を介して蒸発器の入口側に接続するホットガスデフロスト流路を設けている。このようなホットガスデフロスト流路を、2段圧縮機の高低圧力差が大きくなるような冷凍サイクル装置に適用すると、ホットガスデフロスト流路に設置しなければならない開閉弁のシール部材の破損、弁箱の強度等の耐久性が問題となる。また、このような耐久性を解決しようとすると、コストが著しく上昇するという問題が発生する。
特開平11−294906号公報
本発明は、このような従来技術の課題を解決するためになされたものであって、デフロスト回路に設ける開閉弁に作用する圧力を低くすることにより、開閉弁の耐久性の向上、コストの低減を図った2段圧縮冷凍サイクル装置を備えた冷凍装置を提供することを目的とする。
本発明に係る第1の解決手段に係る冷凍装置は、圧縮機、高圧側ガス冷媒を冷却する高圧ガス冷却器、絞り装置、低圧液冷媒を蒸発させる蒸発器を順次接続してなる2段圧縮冷凍サイクル装置を備え、さらに、この2段圧縮冷凍サイクル装置は、冷凍サイクル内の中間圧力ガス部と蒸発器入口側との間に開閉弁を介して接続するデフロスト回路を設けてなることを特徴とする。
また、本発明に係る第2の解決手段に係る冷凍装置は、低段側圧縮機部と高段側圧縮機部とを有し、低段側圧縮機部の吐出ガスが密閉ケーシング内に吐出されるとともに、密閉ケーシング内の冷媒が高段側圧縮機部に吸入されるように構成された2段圧縮機、高圧側ガス冷媒を冷却する高圧ガス冷却器、第1絞り装置、冷凍サイクル内の冷媒量を調節する中間圧レシーバ、第2絞り装置、蒸発器、気液分離器を順次直列に接続するとともに、超臨界冷凍サイクルで運転されるように構成された2段圧縮冷凍サイクル装置を備え、さらに、この冷凍サイクル装置は、中間圧レシーバ内の中間圧のガス冷媒を2段圧縮機のケーシング内にバイパスする中間圧冷媒バイパス回路と、低段側圧縮機部の吐出側と蒸発器の入口側とを開閉弁を開始して接続するデフロスト回路とを備えてなることを特徴とする。
また、本発明に係る第3の解決手段に係る冷凍装置は、圧縮工程の中間部にガスインジェクションポートを有する圧縮機、高圧側ガス冷媒を冷却する高圧ガス冷却器、第1絞り装置、冷凍サイクル内の冷媒量を調節する中間圧レシーバ、第2絞り装置、蒸発器、気液分離器を順次直列に接続するとともに、超臨界冷凍サイクルで運転されるように構成された2段圧縮冷凍サイクル装置を備え、さらに、この2段圧縮冷凍サイクル装置は、中間圧レシーバのガス部とガスインジェクションポートとを接続する中間圧冷媒バイパス回路と、中間圧レシーバのガス部と蒸発器の入口側とを開閉弁を介して接続するデフロスト回路を備えてなることを特徴とする。
上記の各解決手段において、冷凍サイクル装置の構成機器である中間圧レシーバは、運転条件の変化による余剰冷媒を貯留し得る容積を有することが好ましい。
また、前記冷凍サイクル装置は、二酸化炭素が冷媒として充填されているものとしてもよい。
また、前記冷凍サイクル装置は、冷凍サイクル装置は、高圧ガス冷却器により水を加熱するように構成されたものとしてもよい。
本発明に係る第1の課題解決手段に係る冷凍装置は、2段圧縮冷凍サイクル装置における冷凍サイクル内の中間圧力ガス部と蒸発器入口側との間に開閉弁を介して接続するデフロスト回路を設けているので、デフロスト運転時、開閉弁を開くことにより、中間圧の高温のガス冷媒が蒸発器に導かれて短時間でデフロストが行われる。また、デフロスト運転時は、開閉弁の入口に2段圧縮冷凍サイクルにおける吐出ガスが作用せず、中間ガス圧力が作用するので、開閉弁に作用する圧力は従来に比し低くなる。このため、開閉弁の耐圧性能を低くすることが可能となり、信頼性の向上及びコストの軽減を図ることが可能となる。
また、本発明に係る第3の課題解決手段に係る冷凍装置は、低段側圧縮機部と高段側圧縮機部とを有し、低段側圧縮機部の吐出ガスが密閉ケーシング内に吐出されるとともに、密閉ケーシング内の冷媒が高段側圧縮機部に吸入されるように構成された2段圧縮機を備え、第1絞り装置と第2絞り装置との間の中間圧レシーバにおいて気液分離された中間圧のガス冷媒を2段圧縮機のケーシング内にバイパスする2段圧縮冷凍サイクルにおいて、低段側圧縮機部の吐出側と蒸発器の入口側とを開閉弁を介して接続するデフロスト回路とを設けているので、デフロスト運転時、開閉弁を開くことにより、圧縮機内で中間圧に圧縮された高温ガス冷媒が蒸発器に導かれて短時間でデフロストが行われる。また、デフロスト運転時は、開閉弁の入口には2段圧縮冷凍サイクルにおける吐出ガスが作用せず、低段側圧縮機部から吐出された中間ガス圧力が作用する。したがって、開閉弁に作用する圧力は従来に比し低くなり、開閉弁の耐圧性能を低くすることが可能となり、信頼性の向上及びコストの軽減を図ることができる。
また、本発明に係る第3の課題解決手段に係る冷凍装置は、圧縮工程の中間部にガスインジェクションポートを有する圧縮機を備え、第1絞り装置と第2絞り装置との間の中間圧レシーバで気液分離された中間圧のガス冷媒を圧縮機のガスインジェクションポートにバイパスする2段圧縮冷凍サイクルにおいて、中間圧レシーバのガス部と蒸発器の入口側とを開閉弁を介して接続するデフロスト回路を備えているので、デフロスト運転時、開閉弁を開くことにより、中間圧レシーバから中間圧の高温のガス冷媒が蒸発器に導かれて短時間でデフロストが行われる。また、デフロスト運転時は、開閉弁の入口には2段圧縮冷凍サイクルにおける吐出ガスが作用せず、第1絞り装置で減圧された中間ガス圧力が作用する。したがって、開閉弁に作用する圧力は従来に比し低くなり、開閉弁の耐圧性能を低くすることが可能となり、信頼性の向上及びコストの軽減を図ることができる。
また、上記冷凍サイクル装置の構成機器である中間圧レシーバは、運転条件の変化による余剰冷媒を貯留し得る容積を有するようにすれば、低圧が低くなるデフロスト運転時に中間圧レシーバに十分な液冷媒が貯留されているので、所定中間圧力のガス冷媒を蒸発器の入口側に安定的に供給することができ、効率よくデフロスト運転を行うことができる。
また、上記冷凍サイクル装置に、冷媒として二酸化炭素を充填している場合は、高圧ガス冷却器で高温高圧のガス冷媒を熱源として高温の温水、給湯水などを供給可能としながら、デフロスト回路に設ける開閉弁の耐久性、信頼性を向上させることができる。
以下、各実施例について図面に基づき説明する。
図1〜図3に基づき本発明の実施例1を説明する。
図1は実施例1に係る冷凍装置の冷媒回路図である。図2は同冷凍装置における超臨界冷凍サイクルのモリエル線図である。図3は同冷凍装置の蒸発器及び気液分離器周りの構成図である。
図1に示すように、実施例1に係る冷凍サイクル装置は、圧縮機1、高温の高圧側ガス冷媒を冷却するとともに室内空気、暖房用温水、給湯水などの被加熱流体を加熱する高圧ガス冷却器2、第1絞り装置3、冷凍サイクル内の冷媒量を調節する中間圧レシーバ4、第2絞り装置5、外気から熱を汲み上げる蒸発器6、気液分離器7を順次直列に接続して冷凍サイクル装置を形成している。また、この冷凍サイクル装置は、冷媒回路内に二酸化炭素が冷媒として充填され、2段圧縮の超臨界冷凍サイクルで運転される装置として構成されている。
圧縮機1は、密閉ケーシング11内に低段側圧縮機部12、高段側圧縮機部13、電動機などを収納し、密閉ケーシング11内に低段側圧縮機部12の吐出ガスを吐出し、高段側圧縮機部13にこの中間圧ガス冷媒を吸入させるように形成した所謂内部中間圧ドーム型2段圧縮機である。また、この2段圧縮機1はインバータにより回転数可変に形成されている。
高圧ガス冷却器2は、高段側圧縮機部13から吐出された吐出ガスを冷却する熱交換器である。なお、この冷凍サイクル装置は超臨界冷凍サイクル装置を形成しているので、この高圧ガス冷却器2では冷媒は凝縮されない。また、高圧ガス冷却器2は、温水暖房装置の場合暖房用温水を加熱し、温風暖房装置の場合室内空気を加熱し、給湯装置の場合給湯水を加熱するように構成される。
第1絞り装置3及び第2絞り装置5としてはそれぞれ電動膨張弁が用いられている。
中間圧レシーバ4は、冷凍サイクル装置内の冷媒量を調節するものであって、第1絞り装置3及び第2絞り装置5の開度制御により圧力が臨界点以下となるように制御される。これにより中間圧レシーバ4内に超臨界冷凍サイクルの余剰冷媒が液冷媒として貯留される。
蒸発器6は、外気を熱源として熱交換する熱交換器であって、低圧液冷媒が蒸発することにより外気から熱を汲み上げて冷媒自身が蒸発する。また、この蒸発器6は、蒸発器6中間の冷媒温度を検出する冷媒温度センサー61と、蒸発器6出口の冷媒温度を検出する冷媒温度センサー62とを有している。なお、この両冷媒温度センサー61、62が検出する冷媒温度の温度差により、蒸発器6出口における冷媒の過熱度が検出される。また、前記第1絞り装置3及び第2絞り装置5の少なくとも一方は、蒸発器6出口の冷媒が過熱状態となるように開度制御される。
また、この蒸発器6は、冷媒が上部から下方に向かって流れるように、熱交換パイプ65が上方から下方に向かって蛇行するように形成されている(図3参照)。なお、図1及び図3において、符号63は冷媒入口であり、符号64は冷媒出口である。
また、上記超臨界冷凍サイクルには、中間圧レシーバ4のガス部41と圧縮機1の密閉ケーシング11内とを接続する中間圧冷媒バイパス回路8が設けられている。これにより、中間圧レシーバ4内の中間圧のガス冷媒が、圧縮工程の中間圧力部である、圧縮機1の密閉ケーシング11内にバイパスされる。なお、この中間圧冷媒バイパス回路8には流量調整用のキャピラリーチューブ81と圧縮機1から中間圧レシーバ4への冷媒流れを阻止する逆止弁82とが設けられている。
また、この超臨界冷凍サイクルには、圧縮機1の密閉ケーシング11内と蒸発器入口側とを開閉弁91を介し接続するデフロスト回路9が設けられている。この開閉弁91は通常運転中は閉塞され、デフロスト運転時に開放される。
気液分離器7は、円筒状などの適宜形状の密閉容器であって、この容器の下部に冷媒入口71を備え、上部に冷媒出口72を備えている。また、この気液分離器7は、図3に示すように、蒸発器6の冷媒出口64に対し冷媒入口71が所定ヘッド差H1高くなる位置に設けられている。また、気液分離器7の冷媒入口71と蒸発器6の冷媒出口64とをつなぐ配管73、すなわち、気液分離器7から蒸発器6への液冷媒の戻り配管73の断面積を、大径の配管を使用するなどして、圧縮機吸入配管14の断面積より大きく構成している。
以上のように構成された超臨界冷凍サイクルの通常運転時の作動について、図2のモリエル線図に基づいて説明する。このモリエル線図上の各点を表示する符合は、図1の冷媒回路に付された回路上の各符号の位置における冷媒の状態を示すように対応して示している。なお、以下の説明において、モリエル線図の各点を表示する符合を併記する。
2段圧縮機1の低段側圧縮機部12では、気液分離器7出口側の低圧ガス冷媒a1が吸入されて圧縮される。低段側圧縮機部12で圧縮された中間圧ガス冷媒b1が密閉ケーシング11内に吐出される。この密閉ケーシング11内では、中間圧レシーバ4において気液分離された中間圧ガス冷媒g1と低段側圧縮機部12の吐出ガスb1とが混合されてガス冷媒c1となる。高段側圧縮機部13は、この混合冷媒c1を吸入して高圧冷媒d1となって2段圧縮機1から吐出される。
2段圧縮機1から吐出された高圧冷媒d1は高圧ガス冷却器2で室内空気、暖房用温水、給湯水などの被加熱流体を加熱することにより冷却される。冷却された高圧ガス冷媒e1は、第1絞り装置3により膨張され臨界点以下の圧力の気液混合冷媒f1となって中間圧レシーバ4に流入する。この気液混合冷媒f1は中間圧レシーバ4内で気液分離される。中間圧レシーバ4内で気液分離された中間圧ガス冷媒g1は前述のように中間圧冷媒バイパス回路8を通って2段圧縮機1の密閉ケーシング11内に流れ込む。
一方、中間圧レシーバ4で気液分離された液冷媒h1は、第2絞り装置5で減圧され、低圧の気液混合冷媒i1となって、蒸発器6に流入する。蒸発器6に流入した低圧の気液混合冷媒i1は、外気と熱交換して(外気から熱を汲み上げて)蒸発し、低圧ガス冷媒j1となって気液分離器7に流入する。また、気液分離器7を流出した低圧ガス冷媒j1、すなわち、低圧ガス冷媒a1は前述のように低段側圧縮機部12に吸入される。
このような超臨界冷凍サイクルにおいて、第1絞り装置3及び第2絞り装置5の少なくとも一方は、蒸発器6の出口冷媒が過熱状態となるように制御される。また、このとき冷媒の過熱度は、蒸発器6の中間部に設けられた冷媒温度センサー61の検出する冷媒温度と蒸発器6の出口側に設けられた冷媒温度センサー62が検出する冷媒温度との差温が一定となるように制御することにより、蒸発器6出口側の冷媒が一定の過熱度を有するように制御される。
また、上記冷凍サイクル装置において、冬季長時間運転を停止していたときは、外気に触れる蒸発器6や気液分離器7において冷媒が凝縮液化する。しかしながら、気液分離器7で凝縮液化した冷媒は、気液分離器7の冷媒入口71が蒸発器6の冷媒出口64に対し所定高さH1だけ高く形成されていることにより、蒸発器6に戻される。また、気液分離器7内から蒸発器6に戻った液冷媒や蒸発器6で液化した液冷媒は蒸発器6内に貯留される。したがって、この状態で起動した場合、蒸発器6から液冷媒が流出するが、この液冷媒は気液分離器7で気液分離されるので、圧縮機1には液冷媒が戻ることがない。
実施例1に係る冷却装置は、以上のように構成されているので、通常運転時に次のような効果を奏する。
(1) 実施例1に係る冷凍装置は、冷凍サイクル装置内の冷媒量を調節する中間圧レシーバ4が中間圧状態となる第1絞り装置3と第2絞り装置5との間に設けられているので、低圧側回路に液冷媒を貯留させることなく冷凍サイクル装置内の冷媒量の調節を行うことができる。したがって、通常運転時においては、蒸発器6出口を湿り状態とする必要がない、また、長期間の停止により冷媒が寝込んでいるような場合における起動時や、デフロスト運転直後の通常運転への切換時のような過渡期を除いて、蒸発器6から液冷媒が流出する運転を防止することが可能になる。また、中間圧力下、中間圧レシーバ4で余剰冷媒を貯留するため、冷媒を貯留する中間圧レシーバ4の容積を小容量化することができる。
(2) また、実施例1においては、蒸発器6出口の冷媒が過熱状態となるように第1絞り装置3及び第2絞り装置5の少なくとも一方を制御することにより、中間圧レシーバ4に余剰冷媒を貯留させながら圧縮機1への液戻りを防止した冷媒制御を行うことができる。
(3) また、蒸発器6中間の冷媒温度を検出する冷媒温度センサー61と蒸発器出口の冷媒温度を検出する冷媒温度センサー62とを有し、両冷媒温度センサー61、62により検出される温度差に基づき蒸発器6出口の過熱度を検出するようにしているので、通常運転時の蒸発器6出口における冷媒の過熱度を確実に検知することができる。
(4) また、中間圧レシーバ4内の中間圧のガス冷媒を圧縮機1の密閉ケーシング11内にバイパスする中間圧冷媒バイパス回路8を設けているので、バイパスされる中間圧ガス冷媒が圧縮機内の圧力を上げる。この結果、圧縮仕事量が軽減され、システムの成績係数が向上する。
(5) この場合において、圧縮機1は、2段圧縮機に構成され、低段側圧縮機部12の吐出ガスを密閉ケーシング11内に吐出する所謂内部中間圧ドーム型圧縮機であるので、中間圧冷媒バイパス回路8を容易に形成することができる。
(6) また、実施例1に係る冷凍装置では、気液分離器7が蒸発器6の出口側に設けられており、特に、気液分離器7で分離された液冷媒が蒸発器6に戻るように形成されているので、前述の運転開始時などの過渡期においても圧縮機1へ液戻りすることがない。
(7) また、気液分離器7の冷媒入口71が蒸発器6の冷媒出口64に比し高い位置となるように、気液分離器7が設けられているので、運転中及び運転停止中において、気液分離器7にガス冷媒とともに流入した液冷媒又は気液分離器7で液化した液冷媒は気液分離され重力により蒸発器6に戻される。したがって、気液分離器7から蒸発器6へ冷媒を戻すための動力が不要となり、その構成が簡略化される。また、運転停止時に何も運転することなく気液分離器7の液冷媒が必ず蒸発器6に戻されているので、起動時等の過渡期における圧縮機1への液戻りを確実に防止することができる。また、気液分離器7に液冷媒がない状態から再起動されるため、吐出温度の上昇が早く、立ち上がり時間が短縮される。
(8) また、蒸発器6の冷媒出口64と気液分離器7の冷媒入口71とをつなぐ配管73、すなわち、気液分離器7から蒸発器6への液冷媒の戻り配管73の断面積を、圧縮機吸入配管14の断面積より大きく構成しているので、戻り配管73を気液分離器7の一部として考えることができ、それだけ気液分離器7の容積を小さくすることができる。
(9) また、中間圧レシーバ4の容積を、運転条件の変化による冷凍サイクル装置内の余剰冷媒を貯留し得る大きさとしているので、常に最適の冷媒量の状態で冷凍サイクル装置を運転することができ、運転成績係数を向上させることができる。
(10) また、上記冷凍サイクル装置に充填する冷媒を二酸化炭素としているので、可燃性、毒性のない安全な冷媒を使用しながら高圧側のガス冷媒温度が高くなる超臨界冷凍サイクルでの運転を行うことができる。
(11) また、高圧ガス冷却器2により暖房用温水、給湯水などの水を加熱する装置として構成した場合は、高温の暖房用温水や高温の給湯水を供給することができる。
次に、上記2段圧縮冷凍サイクル装置におけるデフロスト運転について説明する。
上記2段圧縮冷凍サイクル装置において、外気低温状態で通常の運転が継続されると蒸発器6がフロストを始める。また、フロストが始まることにより蒸発器6の熱交換効率が低下し、低圧圧力及び高圧圧力が次第に低下する。この結果、中間圧レシーバ4内に貯留される液冷媒量が増加し、フロストが所定量になったときにデフロストが行われる。
デフロスト運転は、デフロスト回路9の開閉弁91を開いて、低段側圧縮機部12の吐出ガス冷媒をデフロスト回路9の開閉弁91を介し蒸発器6の入口側にバイパスし、中間圧力のガス冷媒の有する潜熱により蒸発器6を加熱するように行われる。
このとき、高段側圧縮機部13から吐出された一部の冷媒は、高圧ガス冷却器2、第1絞り装置3、中間圧レシーバ4のガス部41、キャピラリーチューブ81、逆止弁82、中間圧冷媒バイパス回路8を介してデフロスト回路9に流れ込むが、第1絞り装置3の開度を調節することにより、中間圧冷媒バイパス回路8を介してデフロスト回路9への冷媒流量が調節される。また、デフロスト運転時、第2絞り装置5の開度を調節することにより、中間圧レシーバ4内の液冷媒が蒸発器6側への流れことが防止される。
したがって、デフロスト運転を行うと、蒸発器6内には中間圧の高温冷媒が供給され、蒸発器6で温度が下がり低圧となる。またデフロスト運転時において、低段側圧縮機部12からデフロスト回路に吐出される吐出量が減少し、低段側圧縮機部12からの吐出圧力が低下すると圧力差で中間圧レシーバ4内の液冷媒が放出される。これにより、中間圧冷媒バイパス回路8からデフロスト回路9への冷媒流量が増加され、蒸発器6への中間圧力のガス冷媒の冷媒流量が安定化される。また、このようにデフロスト運転が行われることにより、開閉弁91には、2段圧縮冷凍サイクルの吐出ガス冷媒が流入せず、中間圧力のガス冷媒が作用することになり、開閉弁91の耐圧性能を低くすることが可能となる。
また、上記冷凍サイクル装置において、蒸発器6をデフロスト運転した後に通常の運転に戻るときは蒸発器6から一部液冷媒が流出するが、気液分離器7により気液分離されるので、圧縮機1に液冷媒の戻る心配がない。
次に実施例2について、図4及び図5に基づき説明する。なお、図4は実施例2に係る冷凍装置の冷媒回路図である。図5は同冷凍サイクル装置による超臨界冷凍サイクルのモリエル線図である。
実施例2は、実施例1において、圧縮機1をガスインジェクションポートを備えた圧縮機300とし、さらに、蒸発器6と気液分離器7との間に高圧ガス冷媒と低圧冷媒とを熱交換する熱交換器303を設けたものである。
圧縮機300は、圧縮工程の中間圧力部にガスインジェクションポート302を有する圧縮機であり、密閉ケーシング301内には高圧ガス冷媒が導入されている。また、中間圧冷媒バイパス回路8が中間圧レシーバ4のガス部41とガスインジェクションポート302との間に設けられている。なお、圧縮機300のガスインジェクションポート302からは中間圧力のガス冷媒が中間圧冷媒バイパス回路8へ流出することがないように構成されている。したがって、この中間圧冷媒バイパス回路8には、実施例1のように逆止弁82が設けられていなくて、冷媒流量調節用のキャピラリーチューブ81のみが設けられている。また、熱交換器303は、蒸発器6出口の低圧冷媒と高圧ガス冷却器2出口側の高圧ガス冷媒とを熱交換させるように構成されている。
なお、その他の構成は、実施例1と同一である。
次に、上記のように構成される実施例2について、図5のモリエル線図に基づいて説明する。このモリエル線図上の各点を表示する符合は、図4の冷媒回路に付された回路上の位置における冷媒の状態を示すように対応して示されている。
まず、通常運転時における冷凍サイクルについて説明する。なお、この説明にはモリエル線図の各点を表示する符合を併記する。
圧縮機300では、気液分離器7出口側の低圧ガス冷媒a2が吸入されて圧縮される。一方中間圧レシーバ4において気液分離された中間圧ガス冷媒h2が圧縮機300のガスインジェクションポート302から圧縮機300内の圧縮工程途中に導入される。したがって、圧縮機300で中間圧まで圧縮されたガス冷媒b2はガスインジェクションポート302から導入される中間圧ガス冷媒h2と混合して混合冷媒c2となる。さらに、この混合冷媒c2は圧縮されて、密閉ケーシング301内に吐出される。この密閉ケーシング301内から高圧ガス冷媒d2となって冷媒回路内に吐出される。
圧縮機300から吐出された高圧ガス冷媒d2は、高圧ガス冷却器2で室内空気、暖房用温水、給湯水などの被加熱流体を加熱することにより冷却される。高圧ガス冷却器2で冷却された高圧ガス冷媒e2は熱交換器303でさらに冷却される。高圧ガス冷却器2で冷却された高圧ガス冷媒f2は、第1絞り装置3により膨張され臨界点以下の圧力の気液混合冷媒g2となって中間圧レシーバ4に流入する。この気液混合冷媒g2は中間圧レシーバ4内で気液分離される。中間圧レシーバ4内で気液分離された中間圧ガス冷媒h2は前述のように中間圧冷媒バイパス回路8を通って圧縮機300の密閉ケーシング301内に流れ込む。
一方、中間圧レシーバ4で気液分離された液冷媒i2は、第2絞り装置5で減圧され、低圧の気液混合冷媒j2となって蒸発器6に流入する。蒸発器6に流入した低圧の気液混合冷媒j2は、外気と熱交換して外気から熱を汲み上げて蒸発し、湿り低圧冷媒k2となって熱交換器303に流入する。熱交換器303に流入した湿り低圧冷媒k2は、高圧ガス冷媒e2と熱交換して加熱され、過熱された低圧ガス冷媒l2となって気液分離器7に流入する。また、気液分離器7に流入した低圧ガス冷媒l2、すなわち、低圧ガス冷媒a2は、気液分離器7を流出して圧縮機300に吸入される。
このような超臨界冷凍サイクルにおいて、第1絞り装置3及び第2絞り装置5の少なくとも一方は、実施例1の場合と同様に、蒸発器6の出口冷媒が過熱状態となるように制御される。また、このとき冷媒の過熱度は、蒸発器6中間部の冷媒温度センサー61の検出する冷媒温度と蒸発器6出口側の冷媒温度センサー62が検出する冷媒温度との差温が一定となるように制御することにより、蒸発器6出口側の冷媒が一定の過熱度を有するように制御される。
また、上記冷凍サイクル装置において、冬季長時間運転を停止していた後に通常の運転を行うときは、蒸発器6から液冷媒が流出するが、実施例1の場合と同様に気液分離器7により気液分離されるので、圧縮機1に液冷媒の戻る心配がない。
実施例2に係る冷却装置は以上のように構成されているので、通常運転時において実施例1の場合と同様に、前述の(1)〜(4)、及び(6)〜(11)の効果を奏することができる。
また、実施例2の場合は、蒸発器6と気液分離器7との間に高圧冷媒と低圧冷媒とを熱交換する熱交換器303を備えるので、蒸発器6の出口冷媒の温度が上昇し、圧縮機300への液戻りをより一層確実に防止することができる。
次に、上記2段圧縮冷凍サイクル装置における蒸発器6のデフロスト運転について説明する。
上記2段圧縮冷凍サイクル装置において、外気低温状態で通常の運転が継続されると蒸発器6がフロストを始める。また、フロストが始まることにより蒸発器6の熱交換効率が低下し、低圧圧力及び高圧圧力が次第に低下する。この結果、中間圧レシーバ4内に貯留される液冷媒量が増加し、フロストが所定量になったときにデフロストが行われる。
デフロスト運転は、デフロスト回路9の開閉弁91を開き、第1絞り装置3を開き第2絞り装置5を閉じることにより、圧縮機300から吐出された高圧ガス冷媒が高圧ガス冷却器2、第1絞り装置3、中間圧レシーバ4のガス部41、キャピラリーチューブ81、中間圧冷媒バイパス回路8及びデフロスト回路9を介し、中間圧力のガス冷媒となって蒸発器6入口側にバイパスされる。これにより中間圧力のガス冷媒の潜熱による蒸発器6のデフロストが行われる。
また、このようにデフロスト運転が行われることにより、開閉弁91には、2段圧縮冷凍サイクルの吐出ガス冷媒が流入せず、中間圧力のガス冷媒が作用することになり、開閉弁91の耐圧性能を低くすることが可能となる。
また、上記冷凍サイクル装置において、蒸発器6をデフロスト運転した後に通常の運転に戻るときは蒸発器6から液冷媒が流出するが、気液分離器7により気液分離されるので、圧縮機1に液冷媒の戻る心配がない。さらに、蒸発器6と気液分離器7との間に高圧冷媒と低圧冷媒とを熱交換する熱交換器303を備えるので、蒸発器6の出口冷媒の温度が上昇し、圧縮機300への液戻りをより一層確実に防止することができる。
以上詳述した冷凍装置は、広く一般の冷凍装置に利用できるが、特に、外気を熱源とするヒートポンプ式家庭用エアコン、業務用エアコン(パッケージエアコン)、外気熱源のヒートポンプ式温水装置、外気熱源のヒートポンプ式給湯装置などに利用されるものである。
本発明の実施例1に係る冷凍装置の冷媒回路図である。 同冷凍装置における超臨界冷凍サイクルのモリエル線図である。 同冷凍装置の蒸発器及び気液分離器周りの構成図である。 本発明の実施例2に係る冷凍装置の冷媒回路図である。 同冷凍装置における超臨界冷凍サイクルのモリエル線図である。
符号の説明
1 圧縮機
2 高圧ガス冷却器
3 第1絞り装置
4 中間圧レシーバ
5 第2絞り装置
6 蒸発器
7 気液分離器
8 中間圧冷媒バイパス回路
9 デフロスト回路
11 密閉ケーシング
12 低段側圧縮機部
13 高段側圧縮機部
41 ガス部
91 開閉弁
300 圧縮機
302 ガスインジェクションポート
303 熱交換器

Claims (6)

  1. 2段圧縮型の圧縮機、高圧側ガス冷媒を冷却する高圧ガス冷却器、絞り装置、低圧液冷媒を蒸発させる蒸発器を順次接続してなる2段圧縮冷凍サイクル装置を備え、さらに、この2段圧縮冷凍サイクル装置は、冷凍サイクル内の中間圧力部と蒸発器入口側との間に開閉弁を介して接続するデフロスト回路を設けてなることを特徴とする冷凍装置。
  2. 低段側圧縮機部と高段側圧縮機部とを有し、低段側圧縮機部の吐出ガスが密閉ケーシング内に吐出されるとともに、密閉ケーシング内の冷媒が高段側圧縮機部に吸入されるように構成された2段圧縮機、高圧側ガス冷媒を冷却する高圧ガス冷却器、第1絞り装置、冷凍サイクル内の冷媒量を調節する中間圧レシーバ、第2絞り装置、蒸発器、気液分離器を順次直列に接続するとともに、超臨界冷凍サイクルで運転されるように構成された2段圧縮冷凍サイクル装置を備え、さらに、この冷凍サイクル装置は、中間圧レシーバ内の中間圧のガス冷媒を2段圧縮機のケーシング内にバイパスする中間圧冷媒バイパス回路と、低段側圧縮機部の吐出側と蒸発器の入口側とを開閉弁を開始して接続するデフロスト回路とを備えてなることを特徴とする冷凍装置。
  3. 圧縮工程の中間部にガスインジェクションポートを有する圧縮機、高圧側ガス冷媒を冷却する高圧ガス冷却器、第1絞り装置、冷凍サイクル内の冷媒量を調節する中間圧レシーバ、第2絞り装置、蒸発器、気液分離器を順次直列に接続するとともに、超臨界冷凍サイクルで運転されるように構成された2段圧縮冷凍サイクル装置を備え、さらに、この2段圧縮冷凍サイクル装置は、中間圧レシーバのガス部とガスインジェクションポートとを接続する中間圧冷媒バイパス回路と、中間圧レシーバのガス部と蒸発器の入口側とを開閉弁を介して接続するデフロスト回路を備えてなることを特徴とする冷凍装置。
  4. 冷凍サイクル装置の構成機器である中間圧レシーバは、運転条件の変化による余剰冷媒を貯留し得る容積を有することを特徴とする請求項2又は3記載の冷凍装置。
  5. 冷凍サイクル装置は、二酸化炭素が冷媒として充填されていることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の冷凍装置。
  6. 冷凍サイクル装置は、高圧ガス冷却器により水を加熱するように構成されていることを特徴とする請求項5記載の冷凍装置。
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