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JP2005154981A - 紙管上巻用未晒片艶クラフト紙、及びその製造方法 - Google Patents

紙管上巻用未晒片艶クラフト紙、及びその製造方法 Download PDF

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JP2005154981A
JP2005154981A JP2003399002A JP2003399002A JP2005154981A JP 2005154981 A JP2005154981 A JP 2005154981A JP 2003399002 A JP2003399002 A JP 2003399002A JP 2003399002 A JP2003399002 A JP 2003399002A JP 2005154981 A JP2005154981 A JP 2005154981A
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JP2003399002A
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Masaki Takei
正樹 武井
Shinya Hayakawa
信也 早川
Shinya Izumi
慎也 和泉
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Daio Paper Corp
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Daio Paper Corp
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Abstract

【課題】優れた湿潤強度と湿潤時の耐磨耗性を兼ね備えた紙管上巻用未晒片艶クラフト紙及びその製造方法を提供する。
【解決手段】紙の縦方向の湿潤紙力が0.4kN/m以上、湿潤紙力残存率が10%以上であり、かつ、緊度が0.5g/cm3 以上である紙管上巻用未晒片艶クラフト紙、並びに、パルプ乾質量基準で湿潤紙力剤を0.3〜1.0質量%添加したパルプスラリーを抄紙し、複数段のプレスでプレス脱水することを特徴とする紙管上巻用未晒片艶クラフト紙の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、紙管上巻用未晒片艶クラフト紙及びその製造方法に関する。更に詳述すれば、優れた湿潤強度と湿潤時の耐磨耗性を兼ね備えた紙管上巻用未晒片艶クラフト紙及びその製造方法に関する。
テープ状製品等を巻き取る筒状紙芯(紙管)には、テープ状の紙を螺旋状に複数層重ね、糊等で重なり部分を接着しながら筒状に巻いた紙芯、或いは紙を平巻きし、糊等で重なり部分を接着しながら筒状に巻いた紙芯等がある。
粘着テープはこの紙芯に粘着フィルムを巻回して製造するが、その製造工程で粘着フィルムを巻き換える際、巻替えの最後段階(粘着フィルムが紙芯から剥ぎ取られる時)で、紙芯表面の紙が破壊を起して紙の一部が製品の粘着フィルム側に着くという問題(商品価値を損じる問題)が発生する。或いは、粘着フィルムの粘着剤が紙芯に付着すると、これが異物となるため使用済の紙芯を再生パルプとして再使用できなくなる問題が発生する。
これらの問題を解決するため、粘着フィルム用の筒状紙芯の表面に樹脂処理を施した片艶クラフト紙を上巻することが提案されている(特許文献1)。
表面に片艶クラフト紙を上巻した筒状紙芯は、粘着フィルム用以外の紙芯としても用いることができる。しかしながら、これら従来の紙芯を製品として保管、或いは運搬する際には、下記のような新たな問題が発生する。
片艶クラフト紙を上巻した紙管を製造するには、筒状紙芯の外周面に沿ってテープ状の片艶クラフト紙を糊で接着しながら螺旋状に巻きつける方法が採られる。片艶クラフト紙の接着には通常、水で流動化状態にした糊が用いられる。従って、片艶クラフト紙を上巻した紙管は、糊の水分を除くため乾燥が必要となる。ところが、糊中の水分除去には長時間を要するため、紙管の乾燥を完結させるには、膨大な規模の乾燥設備が必要となる。実際にはこのような乾燥設備の使用は困難であるため、通常は糊中の水分の一部が残存した状態(湿潤状態)の紙管が製品として扱われ、保管、或いは運搬される。しかしながら、この湿潤状態の紙管製品を運搬すると、紙管同士の擦れにより紙管表面のクラフト紙に破れが発生し、製品としての価値を損なう問題が発生している。
特開2003−81535号公報(特許請求の範囲)
本発明の課題は、上記問題の解消であり、本発明の目的とするところは、湿潤状態での耐摩擦性に優れた紙管上巻用未晒片艶クラフト紙及びその製造方法を提供することにある。
上記課題を解決する本発明は以下に記載するものである。
〔1〕 紙の縦方向の湿潤紙力が0.4kN/m以上、湿潤紙力残存率が10%以上であり、かつ、緊度が0.5g/cm3 以上である紙管上巻用未晒片艶クラフト紙。
〔2〕 パルプ乾質量基準で湿潤紙力剤を0.3〜1.0質量%添加したパルプスラリーを抄紙し、複数段のプレスでプレス脱水することを特徴とする〔1〕請求項に記載の紙管上巻用未晒片艶クラフト紙の製造方法。
本発明の紙管上巻用未晒片艶クラフト紙は、湿潤紙力剤が配合されている。更に、抄造の過程で紙の緊度が高められている。その結果、本発明の紙管上巻用未晒片艶クラフト紙を上巻に用いた紙管は紙湿潤状態での耐磨耗性に優れる。従って、紙管を製造した後、糊が未乾燥の状態(湿潤状態)で紙管同士を擦り合わせても、表面クラフト紙の破損が少ない。そして、湿潤状態の紙管の破損を有効に防止して運搬することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
[紙管上巻用未晒片艶クラフト紙]
本発明の紙管上巻用未晒片艶クラフト紙は、湿潤時の引張強度残存率が10%以上であること及び緊度が0.5g/cm3 以上であることを必要とする。湿潤時の引張強度残存率及び緊度を上記範囲にすることにより、紙管上巻用未晒片艶クラフト紙を上巻した湿潤状態の紙管の耐摩擦性を向上できる。
尚、本発明においてクラフト紙の縦方向とは、抄紙する際の抄紙方向のことであり、クラフト紙を構成するパルプの配向主軸の方向と一致する。
本発明にける湿潤紙力剤は、耐水紙力剤とも言われ、公知のものが何ら制限なく使用できる。例えば、ポリアミド・エピクロルヒドリン樹脂、尿素樹脂、酸コロイド・メラミン樹脂、熱架橋性付与PAMを挙げることができる。これらの紙力剤のうち、ポリアミド・エピクロルヒドリン樹脂がホルムアルデヒド等の有害物質を発生させない点で特に好ましい。
本発明において、湿潤紙力剤は紙中に0.3〜1.0質量%の範囲で含有されることが好ましい。湿潤紙力剤がこの範囲で含有されると、紙管上巻用未晒片艶クラフト紙を上巻した湿潤状態の紙管の耐摩擦性が特に優れたものとなる。紙中の湿潤紙力剤の含有割合が0.3質量%未満の場合、紙管上巻用未晒片艶クラフト紙を上巻した湿潤状態の紙管の耐摩擦性が不十分となることがある。一方、紙中の湿潤紙力剤の含有割合が1.0質量%を超える場合は、強度が過剰でコストアップとなる。
本発明において、紙管上巻用未晒片艶クラフト紙を抄造する際に用いる原料パルプは、セルロース繊維を80質量%以上含む紙料であって、未晒のものである。またはセルロース繊維を主成分とした紙料に用いる原料パルプとしては、例えば、針葉樹漂白クラフトパルプ、広葉樹漂白クラフトパルプを挙げることができる。
[紙管上巻用未晒片艶クラフト紙の製造方法]
本発明の紙管上巻用未晒片艶クラフト紙の製造は、公知の抄紙製造方法により実施することができる。例えば、公知の単層抄き抄紙機を用いて以下のような工程を経て製造される。
(1)原料工程
原料用パルプを水に分散させてスラリーを作成する。得られたスラリーに、湿潤紙力剤を添加し混合する。湿潤紙力剤は、紙中に固形物換算で0.3〜1.0質量%となるよう添加する。
(2)抄紙工程
得られたパルプの水スラリーをワイヤー上で抄紙する。抄紙機には、ヤンキー抄紙機を用いることが、片艶クラフトを容易に製造することができるので好ましい。
(3)圧縮工程
得られた抄紙を加圧ロールにより圧縮(プレス)し、水分を除去する。加圧プレスは2段以上の多段プレスで脱水することが好ましい。この2段以上の多段プレスにより得られる紙管上巻用未晒片艶クラフト紙の緊度が高まり、湿潤状態での耐磨耗性が特に良好となる。
(4)乾燥工程
ドライヤーシリンダーにて乾燥する。
(5)カレンダー工程
カレンダー加工する。
(6)巻取り工程
製品をリールに巻き取り、本紙管上巻用未晒片艶クラフト紙を得る。
次に実施例をあげて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。尚、実施例における各評価特性は、以下の方法で測定した。
[湿潤時の引張強度残存率]
JIS P 8113の試験方法を準用して、紙の乾燥時と湿潤時における縦方向および横方向の引張強度を測定した。紙の乾燥時の縦方向および横方向の引張強度平均値を乾燥時引張強度、紙の湿潤時の縦方向および横方向の引張強度平均値を湿潤時引張強度とし、下記式より湿潤強度残存率を測定した。
湿潤強度残存率=(湿潤時引張強度/乾燥時引張強度)×100(%)
[紙管上巻用未晒片艶クラフト紙の評価]
内径76.2mm、肉厚12mm、長さ2mの紙芯の表面に紙管上巻用未晒片艶クラフト紙を上巻した。この時に接着剤として、敷島スターチ株式会社製の品番C−50の糊を用いた。このように上巻した紙管を100本作製し、10列×10段に積み重ね、23℃×50%RHの雰囲気にて2時間保持した後、紙管を取出して、各紙管の表面を目視観察し、下記の基準で紙芯への上巻時紙の破れを評価した。
○:上巻した紙の破れが認められない。(良好)
×:上巻した紙の破れが1本以上の紙管で認められた。(不良)
更に、上記紙管100本を貨物用自動車の荷台上に10列×10段に積み重ね、約50km の距離を走行後、紙管を取出して、各紙管の表面を目視観察し、下記の基準で紙管のハンドリング時紙の破れを評価した。
○:上巻した紙の破れが認められない。(良好)
×:上巻した紙の破れが1本以上の紙管で認められた。(不良)
[実施例1]
原料パルプとしてNUKP(70質量%)、LUKP(30質量%)を用い、原料工程において、このパルプの3質量%水スラリーを調製した。次いで、水スラリー中に、湿潤紙力剤としてポリアミド・エピクロルヒドリン樹脂(星光PMC株式会社製、品番WS547)を、紙中に0.5質量%となるよう添加した。次いで、この水スラリーを、ヤンキー抄紙機に供給して抄紙し、更にプレス工程で2段の圧縮を行ない、乾燥、カレンダー加工の後紙管上巻用未晒片艶クラフト紙(米坪50g/m2 )を製造した。得られたクラフト紙の特性を表1に示す。また、得られたクラフト紙を内径76.2mm、肉厚12mm、長さ2mの紙芯の表面に上巻し紙管を作製した。この時に接着剤として、敷島スターチ株式会社製の品番C−50の糊を用いた。このように上巻した紙管を100本作製し、上巻時の紙の破れとハンドリング時の紙の破れを評価した。評価結果を表1に示す。
[実施例2〜3及び比較例1〜3]
湿潤紙力剤の配合割合を表1に示す通り変更し、プレス工程でのプレス段数を表1に示した通りに変更した以外は実施例1と同様に紙管上巻用未晒片艶クラフト紙を製造した。得られた紙管上巻用未晒片艶クラフト紙の評価結果を表1に示す。
Figure 2005154981
表1に示した結果から明らかなように、本実施例の紙管上巻用未晒片艶クラフト紙は、湿潤紙力、湿潤紙力残存率及び緊度の値が良好であり、紙管上巻用未晒片艶クラフト紙としての性能に優れるものであった。

Claims (2)

  1. 紙の縦方向の湿潤紙力が0.4kN/m以上、湿潤紙力残存率が10%以上であり、かつ、緊度が0.5g/cm3 以上である紙管上巻用未晒片艶クラフト紙。
  2. パルプ乾質量基準で湿潤紙力剤を0.3〜1.0質量%添加したパルプスラリーを抄紙し、複数段のプレスでプレス脱水することを特徴とする請求項1に記載の紙管上巻用未晒片艶クラフト紙の製造方法。
JP2003399002A 2003-11-28 2003-11-28 紙管上巻用未晒片艶クラフト紙、及びその製造方法 Pending JP2005154981A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011105340A (ja) * 2009-11-17 2011-06-02 Marusumi Paper Co Ltd スパイラル紙管

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