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JP2005071545A - 光ディスク装置及びトラッキングバランス調整方法 - Google Patents

光ディスク装置及びトラッキングバランス調整方法 Download PDF

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JP2005071545A
JP2005071545A JP2003303692A JP2003303692A JP2005071545A JP 2005071545 A JP2005071545 A JP 2005071545A JP 2003303692 A JP2003303692 A JP 2003303692A JP 2003303692 A JP2003303692 A JP 2003303692A JP 2005071545 A JP2005071545 A JP 2005071545A
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Hiroshi Nakane
博 中根
Takahisa Hagiwara
孝久 萩原
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Abstract

【課題】簡単な構成でトラッキングバランスの調整を可能にする。
【解決手段】 トラッキングエラー信号生成手段は、位相差法を採用して、ディスクからの再生信号に基づいてトラッキングずれに応じたトラッキングエラー信号を生成する。位相差法を採用していることから、トラッキングエラー信号は再生信号の振幅変動に影響を受けない。トラッキングバランス制御手段は、トラッキングエラー信号の直流分を制御してトラッキングバランスを制御する。直流分の制御は簡単な回路構成によって実現することができ、装置規模を縮小することが可能である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、光ディスク上のトラックに対して光ビームを適切に追従させるためにトラッキングバランスを調整する光ディスク装置に関する。また、この発明は、光ディスク上のトラックに対して光ビームを適切に追従させるためにトラッキングバランスを調整するトラッキングバランス調整方法に関する。
近年、大容量で且つランダムアクセスに優れた記憶媒体として光ディスクが採用されてきている。光ディスク記録再生装置においては、レーザ光を回転中のディスクに照射するピックアップを採用する。ピックアップは、レーザ光を集光して集光スポットをディスク面に照射して情報を記録すると共に、ディスクからの反射光を電気信号に変換して再生を行う。
ディスク面には渦巻き状又は同心円上にピットが配列されたトラックが形成されており、ピックアップはこのトラックに沿って集光スポットを照射するようになっている。しかし、光ディスクの中心穴の偏心、トラックの偏心又はターンテーブルの回転軸の軸振れ等によって、ピックアップから放射されるレーザビームによる集光スポット位置に偏心が生じる。そこで、トラッキングサーボ用のエラー信号を検出して、このエラー信号に基づく制御によって、集光スポットがトラックを正確にトレースするようにトラッキング制御を行っている。
トラッキングエラー信号の検出方法としては、プッシュプル法、3ビーム法及び位相差法(DPD(Differential Phase Ditection))等がある。これらの方法によって取得されたトラッキングエラー信号をアクチュエータに与える。トラッキングエラー信号は、トラッキングずれ方向に応じた極性で基準となる電位の上又は下に変化する信号である。アクチュエータは、トラッキングエラー信号の極性に応じてレーザビームの集光スポット位置を変化させることで、集光スポットをオントラックさせるようになっている。
ところで、トラッキングエラー信号は、トラックのウォブル(wobble)等によって、時間と共に基準となる電位に対して上下に変動する。基準となる電位に対して正,負極性側の振幅が対称なトラッキングエラー信号を用いることが望ましい。しかしながら、集光スポット形状の歪、トラック形状の歪等によって、検出されたトラッキングエラー信号は、基準となる電位に対して非対称な波形となって、正極性側の振幅と負極性側の振幅との比(トラッキングバランス)が適正とならないことがある。
近年の光ディスクの高密化の要求から、トラック線密度の増加及びトラックピッチの縮小が進んでいる。このような光ディスクの高密度化に伴って、トラッキングバランスのずれが、記録再生に大きな影響を与えてしまう。トラッキングバランスが適切でないことによって、記録再生精度が低下してしまうことがある。
そこで、トラッキングバランスを調整するための技術が種々提案されている。例えば、特許文献1においては、トラッキングエラー信号を監視して必要に応じてトラッキングバランスを再調整する技術が開示されている。
特開2000−99964
しかしながら、上記特許文献1に開示された技術によるトラッキングバランスの調整だけでは、十分な記録再生精度を得ることができない。特に、ディスクの高密度化に伴って、トラッキングバランスのずれによる影響が増大しており、記録再生精度を向上させることが困難になっているという問題点があった。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、記録及び再生精度を向上させるトラッキングバランス調整を可能にすることができる光ディスク装置及びトラッキングバランス調整方法を提供することを目的とする。
本発明に係る光ディスク装置は、ディスクからの再生信号に基づいてトラッキングずれに応じたトラッキングエラー信号を位相差法によって生成するトラッキングエラー信号生成手段と、前記トラッキングエラー信号の直流分を制御してトラッキングバランスを制御するトラッキングバランス制御手段とを具備したことを特徴とする。
本発明において、トラッキングエラー信号生成手段は、位相差法を採用して、ディスクからの再生信号に基づいてトラッキングずれに応じたトラッキングエラー信号を生成する。位相差法を採用していることから、トラッキングエラー信号は再生信号の振幅変動に影響を受けない。トラッキングバランス制御手段は、トラッキングエラー信号の直流分を制御するという簡単な構成によって、トラッキングバランスを制御する。
本発明によれば、記録及び再生精度を向上させるトラッキングバランス調整を可能にすることができるという効果を有する。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。図1は本発明の一実施の形態に係る光ディスク装置の概略構成を示すブロック図である。
本実施の形態においては、光ディスク装置の動作モードに応じてトラッキングバランス調整を行うことにより、高精度のトラッキングを可能にする。具体的には、光ピックアップをディスクのラジアル方向に移動させて集光スポットを目標トラックに移動(シーク)させるジャンプモード時と、通常記録再生を行うフォローイングモード時とで、異なるトラッキングバランス調整を行うようになっている。
更に、本実施の形態においては、トラッキングバランス調整のための回路構成を簡単なものとするために、位相差法(DPD)によるトラッキングエラー信号の検出を採用し、直流分調整によって、トラッキングバランスの調整を行うようになっている。
上述したように、トラッキングエラー信号の検出法としては、DPD法の他に、DPP法、3ビーム法及びプッシュプル法等がある。これらのDPP法、3ビーム法及びプッシュプル法は、いずれも、再生信号の振幅に応じて、トラッキングエラー信号の振幅が変化する。再生信号の振幅は、ディスク表面の傷やフィンガープリント等による反射率の変化に応じて、ディスク面内の各位置毎に変化する。ディスクの反射率が高い位置では、再生信号のレベルも高くなり、トラッキングエラー信号の振幅も大きくなる。一方、ディスクの反射率が低い位置では、トラッキングエラー信号の振幅は比較的小さくなる。振幅が比較的大きいトラッキングエラー信号に対して行う直流分調整は、相対的に調整レベルが比較的大きくなる。従って、調整レベルが一定であるものとすると、反射率が低い位置でのトラッキングエラー信号の振幅が、調整レベルに対して比較的小さくなる可能性が生じ、トラッキングサーボの引き込み範囲を越えてしまうことも考えられる。
これに対し、DPD法においては、トラッキングエラー信号の振幅は、再生信号の振幅には影響を受けない。この理由から、本実施の形態においては、トラッキングエラー信号の検出法として、DPD法を採用する。なお、DPD法においては、従来、検出される2つの位相差信号の遅延量を変化させることで、トラッキングバランスを調整する技術があった。しかし、この手法においては、2つの遅延素子を用いる必要があり、回路規模が増大してしまうという欠点がある。
図1の光ディスク装置は、例えば、CD−R、CD−RW、DVD−R、DVD−RW、DVD−RAM等の光ディスクDに情報を記録すると共に、これら光ディスクDに記録されたデータを再生することができるようになっている。
図1において、光ディスク装置は、光ピックアップ10、変調回路21、記録再生制御部22、レーザ制御回路23、信号処理回路24、復調回路25、アクチュエータ26、フォーカストラッキング制御部30、コントローラ41、メモリ43、ジッタ検出回路44及びエラー検出回路45によって構成されている。なお、後述するように、ジッタ検出回路44及びエラー検出回路45は、省略することも可能である。
ディスクDは、図示しないディスクモータによって回転自在に支持された光学ディスクである。なお、ディスクDの回転は、後述する復調回路25からの再生データに含まれる信号に基づいて回転速度が制御されるようになっている。
光ピックアップ10はディスクDに対向した位置でレーザビームを出射して、ディスクDの記録面に集光スポットを照射し、ディスクDの記録面からの反射光を光電変換する。即ち、光ピックアップ10のレーザ11は、レーザ制御回路23に制御されて光ビームを照射する。コリメートレンズ12は、レーザ11からの光ビームを平行光に変換して、偏光ビームスプリッタ(以下、PBSという)13に出射する。PBS13はコリメートレンズ12からの入射光とディスクDからの反射光とを分離するもので、コリメートレンズ12からの入射光はそのまま透過させて4分の1波長板14に出射し、ディスクDからの反射光を反射させて集光レンズ16に導く。
4分の1波長板14は、直線偏光と円偏光との変換を行い、PBS13からの直線偏光を円偏光に変換して対物レンズ15に出射する。対物レンズ15は4分の1波長板14の出射光を所定径の集光スポットとしてディスクDに照射すると共に、ディスクDからの反射光を4分の1波長板14に導く。また、4分の1波長板14は、ディスクDからの反射光が対物レンズ15を介して入射し、円偏光から直線偏光への変換を行って、PBS13に出射するようになっている。
なお、対物レンズ15は、後述するアクチュエータ26によって移動されることにより、集光スポットをフォーカシング方向(ディスク面に垂直な方向)及びトラッキング方向(ラジアル方向)に移動させることができるようになっている。また、光ピックアップ10は、図示しない粗動モータによって、ディスクDのラジアル方向に移動可能となっており、集光スポットを目標トラックへ移動(シーク)させることができるようになっている。
集光レンズ16は、PBS13からの反射光を集光させて光検出器17に導く。光検出器17は、ディスクDからの反射光を受ける4分割受光素子である。即ち、光検出器17は受光面が上下左右に4分割されており、各分割受光部17a〜17dの入射光に応じた4つの電気信号を出力する。図2はディスクDからの反射光と4分割受光素子からの4つの出力信号との関係を示す説明図である。
図2はディスクDの記録面を示している。図2では記録面上に形成された3つのトラックが示されており、各トラックには斜線に示すピットが形成されている。円形の領域は集光スポットの照射領域を示しており、この照射領域の反射光が光検出器17の受光面に入射する。図2の照射領域中の4つの部分A〜Dの反射光が夫々光検出器17の4つの分割受光部17a〜17dに入射される。分割受光部17a〜17dの出力はフォーカストラッキング制御部30に出力される。
フォーカストラッキング制御部30は、フォーカスエラー信号生成回路31、フォーカス制御回路32、トラッキングエラー信号生成回路33、トラッキング制御回路34及びバランス制御回路42によって構成されている。フォーカストラッキング制御部30は、図示しないホストからの記録再生指示がコントローラ41を介して与えられて、フォーカスサーボ及びトラッキングサーボ機能を達成する。
即ち、フォーカスエラー信号生成回路31は、光検出器17からの出力を用いて、フォーカスサーボ用のフォーカスエラー信号を生成してフォーカス制御回路32に出力する。フォーカス制御回路32は、フォーカスエラー信号が0となるように、アクチュエータ26を駆動する。
一方、トラッキングエラー信号生成回路33は、光検出器17からの出力を用いて、トラッキングサーボ用のトラッキングエラー信号を生成する。このトラッキングエラー信号はバランス制御回路42に与えられる。バランス制御回路42は、後述するように直流分の制御によってトラッキングバランスを調整した後トラッキングエラー信号をトラッキング制御回路34に出力する。トラッキング制御回路34は、トラッキングエラー信号が0となるように、アクチュエータ26を駆動する。
アクチュエータ26は、フォーカス制御回路32に制御されて、集光スポットをフォーカシング方向に移動させて良好なフォーカスを得るようになっている。また、アクチュエータ26は、トラッキング制御回路34に制御されて、集光スポットをトラッキング方向に移動させて良好なトラッキングを得るようになっている。また、アクチュエータ26は、記録再生制御部22に制御されて(図示省略)、目的の記録位置に光ビームが適切に集光させるように光ピックアップ10を駆動する。
光検出器17からの信号は信号処理回路24にも与えられる。信号処理回路24は入力された信号を波形等化した後2値化する。信号処理回路24からの2値化信号は復調回路25に出力される。復調回路25は、入力された2値化信号に対して記録時の変調方式に対応した復調処理を施して再生データを出力するようになっている。
変調回路21は、図示しないホストから提供される記録情報(データシンボル)を、所定の変調方式に従ってチャネルビット系列に変調する。変調回路21からの記録情報に対応したチャネルビット系列は、記録再生制御部22に入力される。記録再生制御部22には、ホストからの記録再生指示がコントローラ41を介して入力される。
記録再生制御部22は、コントローラ41に制御されて、チャネルビット系列をレーザ制御回路23に供給する。レーザ制御回路23は、チャネルビット系列をレーザ駆動波形に変換してレーザ11に与えて、レーザ11をパルス駆動する。これにより、レーザ11は、所望のビット系列に対応した記録用の光ビームを出射することができるようになっている。
本実施の形態においては、光検出器17の出力はジッタ検出回路44にも供給されるようになっている。光検出器17の出力(再生信号)は、ピットの規則性に従った周波数エンベロープを有する。ジッタ検出回路44は、例えば、光検出器17からの再生信号の周波数エンベロープのずれから、再生信号に生じるジッタを検出して、コントローラ41に出力する。また、復調回路25の出力はエラー検出回路45に与えられる。エラー検出回路45は、再生データに含まれるエラーを検出して検出結果をコントローラ41に出力するようになっている。
コントローラ41は、ジッタ検出回路44からのジッタの検出結果及びエラー検出回路45のエラー検出結果の少なくとも一方の情報を用いて、最適トラッキングバランス値を算出する。コントローラ41は、算出したトラッキングバランス値をメモリ43に与えて記憶させると共に、メモリ43から読み出したトラッキングバランス値を用いてバランス制御回路42を制御するためのDCオフセット制御信号を発生するようになっている。
例えば、コントローラ41は、トラッキング制御回路34を制御してトラッキングオフとする。そして、コントローラ41はトラッキングオフ時のトラッキングエラー信号生成回路33の出力のピーク及びボトムの値を検出する。コントローラ41は、検出したピークとボトムとの電位、及び設定するトラッキングバランス値に基づいて、設定すべき基準の電位を計算する。そして、この電位をDCオフセット制御信号としてバランス制御回路42に与えるようになっている。
なお、再生信号に生じるジッタと再生データのエラーレートとは密接な関係を有しており、コントローラ41がジッタの発生を最小にするトラッキングバランス制御を実施することによって、エラーレートを最小にすることができるものと考えられる。
例えば、コントローラ41は、ディスクDが挿入された時点、或いは装置の電源が投入された時点において、ジッタ等の検出結果に基づいてトラッキングバランス値を算出してメモリ43に記憶させる。なお、コントローラ41は、任意のタイミングで検出したジッタ等を用いて任意のタイミングでトラッキングバランス値を算出してメモリ43に記憶させるようにしてもよい。
なお、ジッタは、光ピックアップ、回路系及びディスク並びに装置温度等の環境に応じたものとなる。従って、工場出荷時においてジッタをある程度予測することができる。そこで、メモリ43をROMで構成し、予測したジッタに応じて算出したトラッキングバランス値を工場出荷段階でメモリ43に記憶させておくようにしてもよい。この場合には、ジッタ検出回路44及びエラー検出回路45は省略可能である。
図3は図1のトラッキングサーボ系の一部を示すブロック図である。図3はDPD法によるトラッキングエラー信号の検出を行うものである。
光検出器17の分割受光部17a,17cの出力は増幅器51に与えられ、分割受光部17b,17dの出力は増幅器52に与えられる。増幅器51,52は入力された信号を増幅する。増幅器51の出力端はコンデンサ及び抵抗からなるハイパスフィルタ53を介して比較器55に与えられる。また、増幅器52の出力端はコンデンサ及び抵抗からなるハイパスフィルタ54を介して比較器56に与えられる。
分割受光部17a,17cの和信号は増幅器51によって増幅され、ハイパスフィルタ53によって変調成分のみが取り出される。また、分割受光部17b,17dの和信号は増幅器52によって増幅され、ハイパスフィルタ54によって変調成分のみが取り出される。比較器55,56によって、分割受光部17a,17cの和信号及び分割受光部17b,17dの和信号が夫々2値化されて、位相差信号として位相比較器57に与えられる。
いま、集光スポットが図2の矢印方向に移動するものとすると、ピットの反射光は、先に分割受光部17a,17bに入射し、ピットの反射光が最後に入射しなくなるのは分割受光部17c,17d側である。これにより、分割受光部17a,17bからの信号に基づいて例えば立上がり、分割受光部17c,17dからの信号に基づいて例えば立下がる2つの位相差信号が位相比較器57に入力される。
この場合に、集光スポットがトラックからずれると、分割受光部17a,17bからの信号に基づく2つの位相差信号(2値化信号)同士の立上がりタイミングがずれ、分割受光部17c,17dからの信号に基づく2つの位相差信号同士の立下がりタイミングがずれる。位相比較器57は、これらの立上がりタイミング及び立下がりタイミングのずれで生じるパルス信号を発生する。位相比較器57からのパルス信号は、D/A変換器58に与えられる。D/A変換器58は位相比較器57からのパルス信号をアナログ信号に変換して、トラッキングエラー信号として出力する。
図4はD/A変換器58からのトラッキングエラー信号を示す波形図である。トラッキングエラー信号は、基準となる電圧に対して正極性側及び負極性側にそれぞれ所定の振幅を有する。(トラッキングエラー信号のピーク電圧−基準電圧)/(基準電圧−トラッキングエラー信号のボトム電圧)がトラッキングバランス値である。なお、光検出器17から出力された信号が、各回路から受ける電気的オフセットは全てキャンセルされているものとする。
本実施の形態においては、位相比較器57からのトラッキングエラー信号はバランス制御回路42の比較器60に供給される。バランス制御回路42は比較器60及びD/A変換器61によって構成される。D/A変換器61は、コントローラ41からDCオフセット制御信号が与えられる。D/A変換器61は、ディジタルのDCオフセット制御信号をアナログ信号に変換して比較器60に与える。比較器60は、位相比較器57からのトラッキングエラー信号とDCオフセット制御信号との差分を求めることで、トラッキングエラー信号の直流分を調整する。例えば、図4に示すように、DCオフセット制御信号に基づいて、トラッキングエラー信号の直流分を実線から破線に変化させる。なお、図4の破線はトラッキングバランス値が1の場合の直流分を示している。DCオフセットが調整されたトラッキングエラー信号は、トラッキング制御回路34に与えられる。
次に、このように構成された実施の形態の動作について説明する。
まず、光ディスクDに対する情報の記録について説明する。変調回路21は、所定の変調方式に従ってホストから提供される記録情報(データシンボル)をチャネルビット系列に変調する。記録情報に対応したチャネルビット系列は、記録再生制御部22に入力される。さらに、この記録再生制御部22には、ホストからの記録再生指示(この場合、記録指示)が入力される。記録再生制御部22は、アクチュエータ26に制御信号を出力し、目的の記録位置に光ビームが適切に集光されるように光ピックアップを駆動させる。さらに、記録再生制御部22は、チャネルビット系列をレーザ制御回路23に供給する。レーザ制御回路23は、チャネルビット系列をレーザ駆動波形に変換し、レーザ11を駆動させる。つまり、レーザ制御回路23は、レーザ11をパルス駆動させる。これに伴い、レーザ11は、所望のビット系列に対応した記録用の光ビームを照射する。レーザ11から照射された記録用の光ビームは、コリメートレンズ12で平行光となり、PBS 1 3に入射し、透過する。 PBS 1 3を透過したビームは、4分の1波長板14を透過し、対物レンズ15により光ディスクDの情報記録面に集光される。集光された記録用の光ビームは、フォーカス制御回路32並びにアクチュエータ26によるフォーカス制御、及びにトラッキング制御回路34並びにアクチュエータ26によるトラッキング制御により、記録面上に最良の微小スポットが得られる状態で維持される。トラッキング制御方法については後述する。
次に、光ディスク装置による光ディスクDからのデータの再生について説明する。
記録再生制御部22には、ホストからの記録再生指示(この場合、再生指示)が入力される。記録再生制御部22は、ホストからの再生指示に従い、レーザ制御回路23に再生制御信号を出力する。レーザ制御回路23は、再生制御信号に基づきレーザ11を駆動させる。これに伴いレーザ11は、再生用の光ビームを照射する。レーザ11から照射された再生用の光ビームは、コリメートレンズ12で平行光となり、PBS 1 3に入射し、透過する。 PBS 1 3を透過した光ビームは4分の1波長板14を透過し、対物レンズ15により光ディスクDの情報記録面に集光される。集光された再生用の光ビームは、フォーカス制御回路32並びにアクチュエータ26によるフォーカス制御、及びトラッキング制御回路34並びにアクチュエータ26によるトラッキング制御により、記録面上に最良の微小スポットが得られる状態で維持される。なお、トラッキング制御の詳細については後に詳しく説明する。このとき、光ディスクD上に照射された再生用の光ビームは、情報記録面内の反射膜あるいは反射性記録膜により反射される。反射光は対物レンズ15を逆方向に透過し、再度平行光となる。反射光は4分の1波長板14を透過し、入射光に対して垂直な偏光を持ち、PBS 1 3では反射される。PBS 1 3で反射されたビームは集光レンズ16により収東光となり、光検出器17に入射される。光検出器17に入射した光は光電変換されて電気信号となり増幅される。増幅された信号は信号処理回路24にて等化され2値化され、復調回路25に送られる。復調回路25では所定変調方式に対応した復調動作が施されて、再生データが出力される。
また、光検出器17から出力される電気信号の一部に基づき、フォーカスエラー信号生成回路31によりフォーカスエラー信号が生成される。同様に、光検出器17から出力される電気信号の一部に基づき、トラッキングエラー信号生成回路33によりトラッキングエラー信号が生成される。フォーカス制御回路32は、フォーカスエラー信号に基づきアクチュエータ26を制御し、ビームスポットのフォーカスを制御する。トラッキング制御回路34は、トラッキングエラー信号に基づきアクチュエータ26を制御し、ビームスポットのトラッキングを制御する。
従来の手法では、トラッキングバランスの対称性を重視してトラッキングバランス値が1となるように、光検出器から出力された信号に対して電気的補正が行なわれていた。これは、トラッキングサーボの安定性を向上させるためである。ただし、このような補正はサーボ性能に限定された調整法であるため、必ずしも再生・記録の品位を向上させる手段になるとは限らない。
ここで、トラッキングバランスずれが発生する要因を考える。トラッキングバランスずれには、次のような要因が挙げられる。
・要因1:光検出器の感度バランスずれ
・要因2:レンズシフト等による光学的オフセット
・要因3:集光スポットの品位
要因1の場合、光検出器17上のボールパターンが均等であれば、本来、分割受光部17a,17cで検出される信号の和信号と、分割受光部17b,17dで検出される信号の和信号とは、同一の信号になるはずである。しかしながら、光検出器17上のボールパターンが均等であっても、分割受光部17a〜17d相互間の感度の相違(感度の誤差)により、分割受光部17a,17cで検出される信号の和信号と、分割受光部17b,17dで検出される信号の和信号とが、同一の信号にならないことがある。このような例では、トラッキングバランスがずれていたとしても、実際に対物レンズは正しくトラックをトレースしているため、従来どおりの電気的補正が効果的である。
また、要因2の場合は、ディスク上に結像される集光スポット自体が、レンズシフト等により正しくトラックをトレースすることができないケースである。このようなケースでは、トラッキングエラー信号を電気的に補正しただけでは正しくトラックをトレースすることができない。トラッキングアクチュエーターにバイアスを加え、対物レンズ15を正しい位置に動かした上でトラッキングエラー信号をモニタしなければならない。
上記した要因1及び要因2は、集光スポットに収差が無い理想的なスポットの場合である。しかしながら、実際には理想的ではない集光スポットも存在する。要因3は、このようなケースを想定したものである。光学系に収差が存在する場合は、スポット形状が安定しないため光検出器17上に形成されるボールパターンも様々である。それによって得られるトラッキングエラー信号をもとにトラッキングの理想サーボ点を探すことは難しい。また、例え全てが理想的な集光スポットであったとしても、トラッキングバランスずれの要因を切り分けることは、対物レンズ15の絶対位置を知る手段が無い現状では極めて困難である。そのため、サーボエラー信号のみで調整する従来法に替わる新しい指標が必要とされる。
そこで、本実施の形態においては、モードに応じてトラッキングバランス調整方法を変更する。即ち、ジャンプモード時には、トラッキングエラー信号が基準となる電圧に対して対称になるように、即ち、トラッキングバランス値が1となるようにトラッキングバランスを調整する。また、フォローイングモード時には、再生信号のジッタ及び再生データのエラーが最小となるように、トラッキングバランスを調整する。
図5は横軸にトラッキングバランス値をとり縦軸に再生信号のジッタ量又は再生データのエラーレートをとって、トラッキングバランス値とジッタ量又はエラーレートとの関係を示すグラフである。また、図6はトラッキングバランスの調整方法を示すフローチャートである。
いま、装置の電源が投入されたものとする。コントローラ41は、記録済みのディスクDが挿入されると(ステップS1 )、先ず、ジャンプモード時及びフォローイングモード時において設定すべきトラッキングバランス値を夫々求める。即ち、コントローラ41は、ステップS2 において、記録再生制御部22に再生指示を与える。
光検出器17からの信号はトラッキングエラー信号生成回路33に与えられる。なお、フォーカスサーボの作用によって、ディスクDに対して光ピックアップ10からの集光スポットがジャストフォーカスしているものとする。トラッキングエラー信号生成回路33は、DPD法によってトラッキングエラー信号を発生して、バランス制御回路42に与えられる。コントローラ41は、ステップS3 において、トラッキングバランス値を1(TB1)にするためのDCオフセット制御信号を算出する。
次に、コントローラ41は、バランス制御回路42にDCオフセット制御信号の初期値を出力して、トラッキングエラー信号のDCオフセットを初期値とする。トラッキングバランスが初期値に調整されたトラッキングエラー信号はトラッキング制御回路34に与えられ、トラッキング制御回路34は、トラッキングエラー信号に基づいてアクチュエータ26を制御する。これにより、対物レンズ15がトラッキング方向に移動してオントラックが維持される。
光検出器17からの再生信号はジッタ検出回路44にも与えられている。ジッタ検出回路44は再生信号のジッタを検出して(ステップS5 )、検出結果をコントローラ41に出力する。更に、コントローラ41は、DCオフセット制御信号を所定の範囲で変化させて、トラッキングバランス値を順次シフトさせると共に、各トラッキングバランス値に応じたジッタ検出結果を取得する。ステップS6 において全範囲についてジッタを検出すると、コントローラ41はジッタの発生が最小となるトラッキングバランス値TBmを算出する(ステップS7 )。
図5に示すように、ジッタの発生が最小となるトラッキングバランス値は、正極性と負極性との振幅が対称となるTB1とは異なる値となる。コントローラ41は、求めたトラッキングバランス値をメモリ43に記憶させる(ステップS8 )。これにより、各モードにおけるトラッキングバランス値の算出が終了する。
以後、コントローラ41は、モードに応じてトラッキングバランス値を設定する(ステップS9 〜)。例えば、ホストからの記録再生指示に対応して目標のトラックがサーチされるものとする。この場合には、コントローラ41はステップS9 においてジャンプモードを設定する。即ち、コントローラ41は、トラッキングバランス値を1にするためのDCオフセット制御信号を発生してバランス制御回路42に出力する(ステップS10)。バランス制御回路42は、入力されたトラッキングエラー信号の直流成分を調整してトラッキングバランスを正極性と負極性とで振幅を対称にする(ステップS12)。トラッキング制御回路34は、トラッキングバランス値が1のトラッキングエラー信号に基づいてアクチュエータ26を制御して、オントラックを達成する。ジャンプモード時には、比較的離れた位置から光ピックアップ10が高速にシークされて目標のトラックに近づくことから、集光スポットは目標のトラックに収束しにくい。この場合に、トラッキングバランスがシンメトリに設定されていることから、集光スポットは比較的短時間で目標トラックにオントラックする。
次に、通常の記録再生時等のフォローイングモードになると(ステップS9 )、コントローラ41は、ステップS11においてメモリ43に保持されたトラッキングバランス値を読み出し、このトラッキングバランス値を得るためのDCオフセット制御信号を発生する。バランス制御回路42はコントローラ41からのDCオフセット制御信号に基づいて、トラッキングエラー信号の直流成分を制御する(ステップS12)。これにより、トラッキングエラー信号は、直流成分が変化して、メモリ43に保持されたトラッキングバランス値となる。このトラッキングエラー信号を用いてトラッキングサーボがかけられる。これにより、光ピックアップ10からの再生信号は、発生するジッタが最小となる。
このように本実施の形態においては、DPD法によって検出するトラッキングエラー信号のトラッキングバランスをトラッキングエラー信号の直流成分を調整することで制御しており、簡単な構成で効果的なトラッキング制御が可能である。
なお、上記実施の形態においては、フォローイングモード時にはジッタが最小となるようにDCオフセット制御信号を発生したが、再生データに生じているエラーが最小となるようにDCオフセット制御信号を発生してもよい。
なお、本実施の形態においては、コントローラからのDCオフセット制御信号をD/A変換器61によってアナログ信号に変換して比較器60に与えることで、トラッキングエラー信号の直流成分を制御したが、トラッキングエラー信号の直流分を制御する方法としては種々の方法を採用することができる。
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。上記実施の形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適当な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施の形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
以上のように、本発明に係る光ディスク装置及びトラッキングバランス調整方法は、記録及び再生が可能なディスク装置に有用であり、例えばDVD規格の光ディスク装置のトラッキング制御に適している。
本発明の一実施の形態に係る光ディスク装置の概略構成を示すブロック図。 ディスクDからの反射光と4分割受光素子からの4つの出力信号との関係を示す説明図。 図1のトラッキングサーボ系を示すブロック図。 D/A変換器からのトラッキングエラー信号を示す波形図。 トラッキングバランス値とジッタ量又はエラーレートとの関係を示すグラフ。 トラッキングバランスの調整方法を示すフローチャート。
符号の説明
10…光ピックアップ、11…レーザ、12…コリメートレンズ、13…偏光ビームスプリッタ(PBS)、14…4分の1波長板、15…対物レンズ、16…集光レンズ、17…光検出器、21…変調回路、22…記録再生制御部、23…レーザ制御回路、24…信号処理回路、25…復調回路、26…アクチュエータ、30…フォーカストラッキング制御部、31…フォーカスエラー信号生成回路、32…フォーカス制御回路、33…トラッキングエラー信号生成回路、34…トラッキング制御回路、41…コントローラ、42…バランス制御回路、43…メモリ、44…ジッタ検出回路、45…エラー検出回路。
代理人 弁理士 伊 藤 進

Claims (8)

  1. ディスクからの再生信号に基づいてトラッキングずれに応じたトラッキングエラー信号を位相差法によって生成するトラッキングエラー信号生成手段と、
    前記トラッキングエラー信号の直流分を制御してトラッキングバランスを制御するトラッキングバランス制御手段とを具備したことを特徴とする光ディスク装置。
  2. 前記トラッキングバランス制御手段を制御して、ジャンプモード時に前記トラッキングバランス値を1にすると共に、フォローイングモード時に前記再生信号に対するエラーレートを最低とするトラッキングバランス値に設定するコントローラを更に具備したことを特徴とする光ディスク装置。
  3. 前記コントローラは、前記再生信号のジッタを検出し、フォローイングモード時には検出したジッタを最低とするトラッキングバランス値に設定することを特徴とする光ディスク装置。
  4. フォローイングモード時に前記トラッキングバランス制御手段を制御するための情報を記憶する記憶手段を更に具備したことを特徴とする請求項1に記載の光ディスク装置。
  5. 前記記憶手段は、フォローイングモード時に前記トラッキングバランス制御手段を制御するための情報がプリセットされていることを特徴とする請求項4に記載の光ディスク装置。
  6. 前記コントローラは、電源投入時又はディスク挿入時に、フォローイングモード時に前記トラッキングバランス制御手段を制御するための情報を求めて前記記憶手段に記憶させることを特徴とする請求項4に記載の光ディスク装置。
  7. ディスクからの再生信号に基づいてトラッキングずれに応じたトラッキングエラー信号を位相差法によって生成する手順と、
    前記トラッキングエラー信号の直流分を制御してトラッキングバランスを制御する手順とを具備したことを特徴とするトラッキングバランス調整方法。
  8. ディスクからの反射光を4分割された受光素子によって光電変換する光検出手段と、
    前記光検出手段の各受光素子からの信号の位相ずれを検出してトラッキングずれに応じた位相差を有する2つの位相差信号を発生すると共に、前記2つの位相差信号の位相ずれに応じた振幅及び極性のトラッキングエラー信号を生成するトラッキングエラー信号生成手段と、
    前記トラッキングエラー信号の直流分を制御してトラッキングバランスを制御するトラッキングバランス制御手段とを具備したことを特徴とする光ディスク装置。
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