JP2004335864A - 露光装置及び露光方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】継ぎ露光する際、感光基板に形成されるパターンの大きさを任意に設定できる露光装置を提供する。
【解決手段】露光装置は、マスクと感光基板とをX軸方向に同期移動しつつマスクを露光光で照明し、先に基板上に転写されたマスクのパターン像に対して次に転写するマスクのパターン像の一部を重複するように露光する露光装置であって、感光基板上に転写されるパターン像のX軸方向における幅を設定する視野絞り20と、パターン像のY軸方向における幅を設定する遮光板40と、パターン像の重複領域を設定するとともに、パターン像の重複領域の積算露光量をパターン像の周辺に向かうに従い漸次減衰させる2つの減光部30A、30Bを有するブラインド30とを有している。
【選択図】 図2
【解決手段】露光装置は、マスクと感光基板とをX軸方向に同期移動しつつマスクを露光光で照明し、先に基板上に転写されたマスクのパターン像に対して次に転写するマスクのパターン像の一部を重複するように露光する露光装置であって、感光基板上に転写されるパターン像のX軸方向における幅を設定する視野絞り20と、パターン像のY軸方向における幅を設定する遮光板40と、パターン像の重複領域を設定するとともに、パターン像の重複領域の積算露光量をパターン像の周辺に向かうに従い漸次減衰させる2つの減光部30A、30Bを有するブラインド30とを有している。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マスクと基板とを同期移動しつつマスクのパターンを基板に露光する露光装置及び露光方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示デバイスや半導体デバイスは、マスク上に形成されたパターンを感光基板上に転写する、いわゆるフォトリソグラフィの手法により製造される。このフォトリソグラフィ工程で使用される露光装置は、感光基板を載置して2次元移動する基板ステージとパターンを有するマスクを載置して2次元移動するマスクステージとを有し、マスク上に形成されたパターンをマスクステージ及び基板ステージを逐次移動しながら投影光学系を介して感光基板に転写するものである。そして、露光装置としては、感光基板上にマスクのパターン全体を同時に転写する一括型露光装置と、マスクステージと基板ステージとを同期走査しつつマスクのパターンを連続的に感光基板上に転写する走査型露光装置との2種類が主に知られている。このうち、液晶表示デバイスを製造する際には、表示領域の大型化の要求から走査型露光装置が主に用いられている(特許文献1参照)。
【0003】
走査型露光装置には、複数の投影光学系を、隣り合う投影領域が走査方向で所定量変位するように、且つ隣り合う投影領域の端部どうしが走査方向と直交する方向に重複するように配置した、いわゆるマルチレンズ方式の走査型露光装置(マルチレンズスキャン型露光装置)がある。マルチレンズ方式の走査型露光装置は、良好な結像特性を維持しつつ、装置を大型化せずに大きな露光領域を得ることができる。上記走査型露光装置における各投影光学系の視野絞りは、例えば台形形状で、走査方向の視野絞りの開口幅の合計は常に等しくなるように設定されている。そのため、隣り合う投影光学系の継ぎ部が重複して露光されるので、上記走査型露光装置は、投影光学系の光学収差や露光照度が滑らかに変化するという利点を有している。
【0004】
そして、走査型露光装置においては、マスクと感光基板とを同期移動して走査露光を行った後に、これらマスクと感光基板とを走査方向と直交する方向にステップ移動し、複数回の走査露光を行ってパターンの一部を重複させて露光し、これらパターンを継ぎ合わせて合成することにより、大きな表示領域を有する液晶表示デバイスを製造している。
【0005】
走査露光とステップ移動とを繰り返すことにより感光基板上でパターン合成を行う方法としては、例えば、マスクに複数の分割パターンを形成しておき、これら分割パターンを感光基板上で継ぎ合わせる方法や、マスクのパターン像を複数の投影領域に分割し、これら分割した投影領域を感光基板上で継ぎ合わせる方法などがある。前者の方法は、例えば図31に示すように、マスクMに3つの分割パターンPa、Pb、Pcを形成しておき、これら各分割パターンPa、Pb、Pcを感光基板Pに順次露光し、感光基板P上で継ぎ合わせる方法である。
【0006】
一方、後者の方法は、例えば図32に示すように、マスクMに形成されているパターンに対する露光光の照射領域を走査露光毎に変更し、これら照射領域に対応する投影領域で感光基板P上に順次走査露光し、パターン合成を行うものである。ここで、投影光学系は5つ設けられ、図32(a)に示すように、それぞれの投影領域100a〜100eは台形形状に設定されており、走査方向(X軸方向)の積算露光量が常に等しくなるように、それぞれの端部をY軸方向に重ね合わせるように配置され、X軸方向の投影領域の幅の総計が等しくなるように設定されている。そして、感光基板Pにパターンを露光する際には、複数の投影領域100a〜100eのうち、所定の投影領域に対応する光路をシャッタで遮光してマスクMの所定の領域のみが露光光で照射されるようにし、複数回の走査露光において投影領域の端部どうしが重複するように露光する。具体的には、図32(b)に示すように、一回目の走査露光における投影領域100dの−Y側の端部a1と、二回目の走査露光における投影領域100bの+Y側の端部a2とが重複するように露光される。同様に、二回目の走査露光における投影領域100cの−Y側の端部a3と、三回目の走査露光における投影領域100bの+Y側の端部a4とが重複するように露光される。このとき、一回目の走査露光においては投影領域100eが遮光され、二回目の走査露光においては投影領域100a、100d、100eが遮光され、三回目の走査露光においては投影領域100aが遮光される。
【0007】
ここで、一回目の走査露光によって感光基板P上に形成される分割パターンのY軸方向の長さL12は、投影領域100aの短辺の+Y方向端点と投影領域100dの長辺の−Y方向端点との間のY軸方向における距離である。二回目の走査露光によって感光基板P上に形成される分割パターンのY軸方向の長さL13は、投影領域100bの長辺の+Y方向端点と投影領域100cの長辺の−Y方向端点との間のY軸方向における距離である。三回目の走査露光によって感光基板P上に形成される分割パターンのY軸方向の長さL14は、投影領域100bの長辺の+Y方向端点と投影領域100eの短辺の−Y方向端点との間のY軸方向における距離である。このように、それぞれの分割パターンのサイズ(Y軸方向の長さL12、L13、L14)は、台形形状の投影領域の長辺及び短辺のサイズに基づくものである。
【0008】
【特許文献1】
特開2001−296667号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したような従来の走査型露光方法及び走査型露光装置には、以下のような問題が存在する。
図31に示した方法では、マスクM上に複数の独立した分割パターンを形成するため、マスクM上におけるパターン構成に制約がある。更に、分割パターン毎に走査露光を行うため、走査露光回数が増加し、スループットが低下する。
【0010】
また、図32に示した方法では、複数回の走査露光によってパターン合成を行う際、上述したように、それぞれの分割パターンのサイズ(Y軸方向の長さL12、L13、L14)は、台形形状の投影領域の長辺及び短辺のサイズに基づくものである。すなわち、図32に示した方法では、感光基板P上に形成されるパターンの大きさは投影領域の大きさ、ひいては視野絞りの大きさ(形状)によって限定されてしまう。更に、分割パターンの継ぎ合わせは、台形形状の投影領域の端部のみにおいて行われるので、パターンの分割位置も限定される。このように、従来の方法では、パターンの分割位置や、感光基板P上に形成されるパターンの大きさが限定されてしまい、任意のデバイス作成が困難となる。
【0011】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、分割パターンの一部を重複させつつ感光基板上で継ぎ合わせて露光する際、感光基板に形成されるパターンの大きさを任意に設定できるとともに、マスク上におけるパターンの分割位置を任意に設定でき、効率良いデバイス製造を実現できる露光装置及び露光方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため本発明は、実施の形態に示す図1〜図30に対応付けした以下の構成を採用している。
本発明の露光装置(EX)は、マスク(M)と基板(P)とを第1の方向(X)に同期移動しつつマスク(M)を露光光(EL)で照明し、先に基板(P)上に転写されたマスク(M)のパターン像(50a〜50g、62)に対して次に転写するマスク(M)のパターン像(50a〜50g、63)の一部を重複するように露光する露光装置において、基板(P)上に転写されるパターン像(50a〜50g)の第1の方向(X)における幅(Lx)を設定する視野絞り(20)と、パターン像(50a〜50g)の第1の方向(X)と直交する第2の方向(Y)における幅(Ly)を設定する第1遮光部材(40)と、パターン像(50a〜50g)の重複領域(48、49、64)を設定するとともに、パターン像(50a〜50g)の重複領域(48、49、64)の積算露光量をパターン像(50a〜50g)の周辺に向かうに従い漸次減衰させる減光部(30A、30B)を有する第2遮光部材(30)とを有し、減光部(30A、30B)は、第2遮光部材(30)の少なくとも2箇所に設けられていることを特徴とする。
本発明の露光方法は、マスク(M)と基板(P)とを第1の方向(X)に同期移動しつつマスク(M)を露光光(EL)で照明し、先に基板(P)上に転写されたマスク(M)のパターン像(50a〜50g、62)に対して次に転写するマスク(M)のパターン像(50a〜50g、63)の一部を重複するように露光する露光方法において、基板(P)上に転写されるパターン像(50a〜50g)の第1の方向(X)における幅(Lx)を視野絞り(20)で設定し、パターン像(50a〜50g)の第1の方向(X)と直交する第2の方向(Y)における幅(Ly)を第1遮光部材(40)で設定し、パターン像(50a〜50g)の重複領域(48、49、64)の積算露光量をパターン像(50a〜50g)の周辺に向かうに従い漸次減衰させる減光部(30A、30B)を少なくとも2箇所に有する第2遮光部材(30)でパターン像(50a〜50g)の重複領域(48、49、64)を設定することを特徴とする。
【0013】
本発明によれば、視野絞り及び第1遮光部材によって、基板(感光基板)上におけるパターン像の第1の方向及び第1の方向と直交する第2の方向の幅を設定し、この設定されたパターン像を基板上で継ぎ合わせる際、第2遮光部材を所定の位置に配置することにより、基板に対して露光光が照射される領域(投影光学系を備えた露光装置の場合は基板上での投影領域)を任意に設定できる。したがって、パターン像の継ぎ部分である重複領域を任意に設定でき、基板に形成されるパターンの大きさを任意に設定できる。また、第2遮光部材には、パターン像の重複領域の積算露光量をパターン像の周辺に向かうに従い漸次減衰させる減光部が少なくとも2箇所に設けられているので、2箇所の減光部のうちいずれか一方の減光部を使って重複領域の位置や露光量を所望の状態に設定でき、重複領域と重複領域以外との露光量を一致させることができる。したがって、精度良い露光処理を行うことができる。そして、第2遮光部材を任意の位置に移動することにより、基板に対する露光光の照射領域の大きさや形状を任意に設定でき、継ぎ露光する際の継ぎ合わせ精度の向上や、露光量の均一化を実現できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の露光装置について図面を参照しながら説明する。図1は本発明の露光装置の一実施形態を示す概略斜視図である。
図1において、露光装置EXは、マスクMを支持するマスクステージMSTと、感光基板(基板)Pを支持する基板ステージPSTと、マスクステージMSTに支持されているマスクMを露光光ELで照明する照明光学系ILと、露光光ELで照明されたマスクMのパターン像を基板ステージPSTに支持されている感光基板Pに投影露光する投影光学系PLと、露光装置EXの動作を統括制御する制御装置CONTとを備えている。感光基板Pはガラスプレート(ガラス基板)に感光剤(フォトレジスト)を塗布したものである。投影光学系PLは複数(7つ)の投影光学モジュールPLa〜PLgにより構成され、本実施形態における露光装置EXは、この投影光学系PL(PLa〜PLg)に対してマスクMと感光基板Pとを所定方向(第1の方向)に同期移動しつつマスクMを露光光ELで照明し、マスクMのパターン像を感光基板Pに露光する、所謂マルチレンズスキャン型露光装置である。
【0015】
ここで、以下の説明において、マスクMと感光基板Pとの同期移動方向(走査方向、第1の方向)をX軸方向、水平面内において前記走査方向と直交する方向をY軸方向(非走査方向、第2の方向)、X軸方向及びY軸方向に直交する方向をZ軸方向とする。また、X軸、Y軸、及びZ軸の軸線まわり方向を、それぞれθX、θY、及びθZ方向とする。
【0016】
マスクMを支持するマスクステージMSTは、一次元の走査露光を行うべくX軸方向に長いストロークと、走査方向と直交するY軸方向に所定距離のストロークとを有している。また、マスクステージMSTはZ軸方向及びθZ方向にも微動可能である。マスクステージMSTは、このマスクステージMSTを移動するリニアモータ等により構成されるマスクステージ駆動部MSTDを備えている。マスクステージ駆動部MSTDは制御装置CONTにより制御される。マスクステージMST上のX軸及びY軸方向のそれぞれの端縁には、直交する方向に移動鏡32a、32bがそれぞれ設置されている。移動鏡32aにはレーザ干渉計33aが対向して配置され、移動鏡32bにはレーザ干渉計33bが対向して配置されている。これらレーザ干渉計33a、33bは移動鏡32a、32bのそれぞれにレーザ光を照射し、移動鏡32a、32bとの間の距離を計測することにより、マスクステージMSTのX軸及びY軸方向の位置、すなわちマスクMの位置を高分解能、高精度に検出可能となっている。レーザ干渉計33a、33bの検出結果は制御装置CONTに出力される。制御装置CONTはレーザ干渉計33a、33bの出力からマスクステージMSTの位置をモニタし、マスクステージ駆動部MSTDを制御することでマスクステージMSTを所望の位置へ移動する。
【0017】
マスクMを透過した露光光ELは、投影光学系PL(投影光学モジュールPLa〜PLg)にそれぞれ入射する。この投影光学モジュールPLa〜PLgは、マスクMの照射範囲に存在するパターン像を感光基板Pに結像させ、感光基板Pの特定領域にパターン像を投影露光するものである。投影光学モジュールPLa〜PLgのそれぞれは定盤150に支持されており、定盤150は不図示のコラムに支持されている。複数の投影光学モジュールPLa〜PLgのうち、投影光学モジュールPLa、PLc、PLe、PLgと投影光学モジュールPLb、PLd、PLfとが2列に千鳥状に配列されている。各投影光学モジュールPLa〜PLgを透過した露光光ELは、感光基板P上の異なる投影領域50a〜50gにマスクMの照射領域に対応したパターン像を所定の結像特性で結像する。
【0018】
感光基板Pを支持する基板ステージPSTは基板ホルダPHを有しており、この基板ホルダPHを介して感光基板Pを保持する。基板ステージPSTは、マスクステージMSTと同様に、一次元の走査露光を行うべくX軸方向に長いストロークと、走査方向と直交するY軸方向にステップ移動するための長いストロークとを有している。また、基板ステージ駆動部PSTDは制御装置CONTによって制御される。基板ステージPSTはZ軸方向にも移動可能であり、更に、θX、θY、及びθZ方向にも移動可能である。そして、基板ステージPSTは、この基板ステージPSTを移動するリニアモータ等により構成される基板ステージ駆動部PSTDを備えている。
【0019】
基板ステージPST上のX軸及びY軸方向のそれぞれの端縁には、直交する方向に移動鏡34a、34bがそれぞれ設置されている。移動鏡34aにはレーザ干渉計35aが対向して配置され、移動鏡34bにはレーザ干渉計35bが対向して配置されている。これらレーザ干渉計35a、35bのそれぞれは、移動鏡34a、34bにレーザ光を照射してこれら移動鏡34a、34bとの間の距離を計測することにより、基板ステージPSTのX軸及びY軸方向の位置、すなわち感光基板Pの位置を高分解能、高精度に検出可能となっている。レーザ干渉計35a、35bの検出結果は制御装置CONTに出力される。制御装置CONTは、レーザ干渉計35a、35bの出力から基板ステージPSTの位置をモニターし、基板ステージ駆動部PSTDを制御することで基板ステージPSTを所望の位置へ移動可能となっている。
【0020】
また、−X側の投影光学モジュールPLa、PLc、PLe、PLgと、+X側の投影光学モジュールPLb、PLd、PLfとの間には、マスクMのパターン面及び感光基板Pの露光面のZ軸方向における位置を検出するフォーカス検出系110が設けられている。フォーカス検出系110を構成する光学素子はハウジング内部に配置されており、これら光学素子及びハウジングによりオートフォーカスユニット(AFユニット)Uが形成されている。フォーカス検出系110は、例えば、斜入射方式の焦点検出系の1つである多点フォーカス位置検出系によって構成される。フォーカス検出系110の検出結果は制御装置CONTに出力され、制御装置CONTは、フォーカス検出系110の検出結果に基づいて、マスクMのパターン面と感光基板Pの露光面とが常に所定の間隔になるように位置制御する。
【0021】
マスクステージ駆動部MSTD及び基板ステージ駆動部PSTDは制御装置CONTによりそれぞれ独立して制御され、マスクステージMST及び基板ステージPSTは、マスクステージ駆動部MSTD及び基板ステージ駆動部PSTDのそれぞれの駆動のもとでそれぞれ独立して移動可能となっている。そして、制御装置CONTは、マスクステージMST及び基板ステージPSTの位置をモニタしながら、両駆動部PSTD、MSTDを制御することにより、マスクMと感光基板Pとを投影光学系PLに対して、任意の走査速度(同期移動速度)でX軸方向に同期移動するようになっている。ここで、マスクステージMSTに支持されているマスクMと、基板ステージPSTに支持されている感光基板Pとは、投影光学系PLを介して共役な位置関係に配置される。
【0022】
図2(a)は定盤150に支持されている投影光学系PL(PLa〜PLg)を示す側面図である。
図2(a)に示すように、投影光学系PLを構成する複数の投影光学モジュールPLa〜PLgは定盤150に支持されている。定盤150は、不図示のコラム(支持構造体)にキネマティックに支持されている。複数の投影光学モジュールPLa〜PLgのうち投影光学モジュールPLa、PLc、PLe、PLgがY軸方向に並んで配置され、投影光学モジュールPLb、PLd、PLfがY軸方向に並んで配置されている。また、Y軸方向に並んだ投影光学モジュールPLa、PLc、PLe、PLgと、Y軸方向に並んだ投影光学モジュールPLb、PLd、PLfとはX軸方向において対向するように配置されており、全体で千鳥状に配置されている。千鳥状に配置されている投影光学モジュールPLa〜PLgのそれぞれは、隣合う投影光学モジュールどうし(例えば投影光学モジュールPLaとPLb、PLbとPLc)をY軸方向に所定量変位させて配置されている。
【0023】
定盤150は、例えばメタルマトリクス複合材(MMC:Metal Matrix Composites)により形成されている。メタルマトリクス複合材は金属をマトリクス材としてその中にセラミックス強化材を複合した複合材であり、ここでは金属としてアルミニウムを含むものが用いられている。定盤150の中央部には開口部150Aが形成されており、この開口部150Aにより投影光学モジュールPLa〜PLgそれぞれの露光光ELの光路が確保されている。ここで、定盤150は平面視において左右対称な六角形状(ホームベース状)に形成されており(図1参照)、Y軸方向に4つ並んだ投影光学モジュールPLa、PLc、PLe、PLgは定盤150の幅の広い部分で支持され、Y軸方向に3つ並んだ投影光学モジュールPLb、PLd、PLfは定盤150の幅の狭い部分で支持されている。すなわち、複数並んだ投影光学モジュールの数に応じて定盤150の形状が設定されており、これにより、投影光学モジュールPLa〜PLgを支持するのに十分な強度を得られる範囲において、使用材料が最小限に抑えられている。
【0024】
投影光学モジュールPLa〜PLgのそれぞれは、鏡筒PKと、鏡筒PKの内部に配置されている複数の光学素子(レンズ)とを有している。そして、投影光学モジュールPLa〜PLgのそれぞれは、定盤150に対して互いに独立して接続されており、又分離可能である。これにより、投影光学モジュールをモジュール単位で増減させることが可能となり、その場合において、投影光学モジュールの定盤150に対する取り付け・取り外し作業を容易に行うことができる。更に、投影光学モジュールPLa〜PLgのそれぞれを定盤150に対して互いに独立して接続及び分離可能としたことにより、定盤150の所定の基準位置(例えば開口部150Aの中心位置)に対してそれぞれ独立して位置決め可能であり、各投影光学モジュールPLa〜PLgの互いの相対位置を任意に設定することができる。
【0025】
投影光学系PLは、感光基板P上に転写されるマスクMのパターン像の走査方向(X軸方向)の幅を設定する視野絞り20と、視野絞り20とほぼ同じ位置に設けられ感光基板P上に転写されるマスクMのパターン像の非走査方向(Y軸方向)の幅を設定する遮光板(第1遮光部材)40と、感光基板P上に転写されるパターン像の重複領域を設定するブラインド(第2遮光部材)30とを備えている。これら視野絞り20、遮光板40、及びブラインド30は、マスクM及び感光基板Pに対してほぼ共役な位置に配置されており、定盤150に取り付けられたブラインドユニット120内に配置されている。ここで、ブラインドユニット120は、−X側の投影光学モジュールPLa、PLc、PLe、PLgと、+X側の投影光学モジュールPLb、PLd、PLfとのそれぞれに対応するように1つずつ、合計2つ設けられている。
【0026】
視野絞り20及び遮光板40は、各投影光学モジュールPLa〜PLgのそれぞれに設けられており、これら視野絞り20及び遮光板40により形成される開口Kによって、感光基板P上における投影領域50a〜50gのそれぞれの大きさ及び形状が設定される。本実施形態において、視野絞り20及び遮光板40により形成される投影領域50a〜50g(開口K)のそれぞれは平面視台形形状に設定される。一方、ブラインド30は、2つのブラインドユニット120のそれぞれに1つずつ設けられている。すなわち、ブラインド30は、−X側の投影光学モジュールPLa、PLc、PLe、PLgと、+X側の投影光学モジュールPLb、PLd、PLfとのそれぞれに対応するように1つずつ、合計2つ設けられている。
【0027】
図2(b)は、ブラインドユニット120を示す平面図である。ブラインドユニット120内において、各投影光学モジュールPLa〜PLgのそれぞれに設けられた視野絞り20遮光板40により、複数の開口Kが形成されている。ブラインド30は各ブラインドユニット120のそれぞれに1つずつ設けられている。ブラインドユニット120には、ブラインド30を、パターン像の像面と平行な平面内、本実施形態ではXY平面内で移動するブラインド駆動装置31が設けられている。ブラインド駆動装置31はリニアモータ等により構成されており、ガイド部31Aに沿ってブラインド30をY軸方向に長いストロークで移動可能であるとともに、X軸方向に関しても移動可能である。更に、ブラインド駆動装置31は回転機構31Bを有しており、ブラインド30はパターン像の像面と平行な平面内(XY平面内)で回転可能、つまりθZ方向に回転可能である。そして、ブラインド30はブラインド駆動装置31によりY軸方向に移動されることにより、複数の投影光学モジュールPLa〜PLgの間を移動可能となっている。本実施形態では、2つのブラインド30のうち一方(−X側)のブラインド30が投影光学モジュールPLa、PLc、PLe、PLgの間を移動可能であり、他方(+X側)のブラインド30が投影光学モジュールPLb、PLd、PLfの間を移動可能である。
【0028】
図3は露光装置EX全体の概略構成図である。図3に示すように、照明光学系ILは、超高圧水銀ランプ等からなる光源1と、光源1から射出された光束を集光する楕円鏡1aと、この楕円鏡1aによって集光された光束のうち露光に必要な波長の光束を反射し、その他の波長の光束を透過させるダイクロイックミラー2と、ダイクロイックミラー2で反射した光束のうち更に露光に必要な波長(通常は、g、h、i線のうち少なくとも1つの帯域)のみを通過させる波長選択フィルタ3と、波長選択フィルタ3からの光束を複数本(本実施形態では7本)に分岐して、反射ミラー5を介して各照明系モジュールIMa〜IMgに入射させるライトガイド4とを備えている。ここで、照明系モジュールIM(IMa〜IMg)は、複数設けられており、本実施形態では、投影光学モジュールPLa〜PLgに対応して7つ設けられている。但し、図3においては、便宜上照明系モジュールIMfに対応するもののみが示されている。そして、照明光学系IMa〜IMgのそれぞれは、X軸方向とY軸方向とに一定の間隔を持って、投影光学モジュールPLa〜PLgのそれぞれに対応して配置されている。これら複数の照明系モジュールIMa〜IMgのそれぞれから射出した露光光ELは、マスクM上の異なる小領域(照明光学系ILの照明領域)をそれぞれ照明する。
【0029】
照明系モジュールIMa〜IMgのそれぞれは、照明シャッタ6と、リレーレンズ7と、オプティカルインテグレータとしてのフライアイレンズ8と、コンデンサレンズ9とを備えている。照明シャッタ6は、ライトガイド4の光路下流側に、光路に対して進退自在に配置されている。照明シャッタ6は、光路に配置されたときに光束を遮光し、光路から退避したときに遮光を解除する。照明シャッタ6には、この照明シャッタ6を光束の光路に対して進退移動させるシャッタ駆動部6aが接続されている。シャッタ駆動部6aは制御装置CONTによって制御される。
【0030】
また、照明系モジュールIMa〜IMgのそれぞれには光量調整機構10が設けられている。この光量調整機構10は、光路毎に光束の照度を設定することによって各光路の露光量を調整するものであって、ハーフミラー11と、ディテクタ12と、フィルタ13と、フィルタ駆動部14とを備えている。ハーフミラー11は、フィルタ13とリレーレンズ7との間の光路中に配置され、フィルタ13を透過した光束の一部をディテクタ12へ入射させる。それぞれのディテクタ12は、常時、入射した光束の照度を独立して検出し、検出した照度信号を制御装置CONTへ出力する。
【0031】
図4に示すように、フィルタ13は、ガラス板13a上にCr等ですだれ状にパターンニングされたものであって、透過率がX軸方向に沿ってある範囲で線形に漸次変化するように形成されており、各光路中の照明シャッタ6とハーフミラー11との間に配置されている。
【0032】
図3に戻って、これらハーフミラー11、ディテクタ12及びフィルタ13は、複数の光路毎にそれぞれ配設されている。フィルタ駆動部14は、制御装置CONTの指示に基づいてフィルタ13をX軸方向に沿って移動する。そして、フィルタ13をフィルタ駆動部14によって移動することにより、各光路毎の光量が調整される。
【0033】
光量調整機構10を透過した光束はリレーレンズ7を介してフライアイレンズ8に達する。フライアイレンズ8は射出面側に二次光源を形成し、コンデンサレンズ9を介してマスクMの照射領域を均一な照度で照射することができる。そして、コンデンサレンズ9を通過した露光光ELは、照明系モジュールのうち、直角プリズム16と、レンズ系17と、凹面鏡18とを備えた反射屈折型光学系15を通過した後、マスクMを所定の照明領域で照明する。マスクMは、照明系モジュールIMa〜IMgを透過した各露光光ELによって異なる照明領域でそれぞれ照明される。
【0034】
投影光学モジュールPLa〜PLgのそれぞれは、像シフト機構19と、2組の反射屈折型光学系21、22と、視野絞り20と、視野絞り20とほぼ同じ位置に設けられた遮光板(第1遮光部材)40及びブラインド(第2遮光部材)30と、倍率調整機構23とを備えている。像シフト機構19は、例えば、2枚の平行平面板ガラスがそれぞれθY方向もしくはθX方向に回転することで、マスクMのパターン像をX軸方向もしくはY軸方向にシフトさせる。マスクMを透過した露光光ELは像シフト機構19を透過した後、1組目の反射屈折型光学系21に入射する。
【0035】
反射屈折型光学系21は、マスクMのパターンの中間像を形成するものであって、直角プリズム24とレンズ系25と凹面鏡26とを備えている。直角プリズム24はθZ方向に回転自在となっており、マスクMのパターン像を回転可能となっている。
【0036】
この中間像位置に視野絞り20が配置されている。視野絞り20は、感光基板P上での投影領域50a〜50gを設定するものであって、特に、感光基板P上におけるパターン像の走査方向(X軸方向)の幅を設定する。視野絞り20を透過した光束は、2組目の反射屈折型光学系22に入射する。反射屈折型光学系22は、反射屈折型光学系21と同様に、直角プリズム27とレンズ系28と凹面鏡29とを備えている。直角プリズム27もθZ方向に回転自在となっており、マスクMのパターン像を回転可能となっている。つまり、直角プリズム24、27により像ローテーション機構が構成されている。
【0037】
反射屈折型光学系22から射出した露光光ELは、倍率調整機構23を通過し、感光基板P上にマスクMのパターン像を正立等倍で結像する。倍率調整機構23は、例えば、平凸レンズ、両凸レンズ、平凸レンズの3枚のレンズから構成され、平凸レンズと平凹レンズとの間に位置する両凸レンズをZ軸方向に移動させることにより、マスクMのパターン像の倍率を変化させる。
【0038】
次に、視野絞り20、遮光板(第1遮光部材)40及びブラインド(第2遮光部材)30について、図5及び図6を参照しながら説明する。図5及び図6は、視野絞り20、遮光板40、ブラインド30のそれぞれと、投影光学系PL、マスクM、感光基板Pのそれぞれとの位置関係を示した模式図である。
図5には投影光学モジュールPLeが代表して示されており、視野絞り20は投影光学モジュールPLeに配置されており、スリット状の開口を有している。この視野絞り20は、感光基板P上における投影領域50(50e)の形状を設定するものであって、特に、パターン像としての投影領域50の走査方向(X軸方向)の幅Lxを設定するものである。視野絞り20は、投影光学系PL(PLe)のうち、マスクMと感光基板Pとに対してほぼ共役な位置関係に配置されている。
【0039】
遮光板(第1遮光部材)40も、感光基板P上における投影領域50の形状を設定するものであって、特に、パターン像としての投影領域50の非走査方向(Y軸方向)の幅Lyを設定するものである。遮光板40も投影光学モジュールPLeに設けられ、視野絞り20と重なり合うように配置されており、視野絞り20と遮光板40とによって形成される開口Kによって、感光基板P上における投影領域50の大きさ及び形状が設定される。本実施形態において、視野絞り20及び遮光板40によって形成される投影領域50は、平面視台形形状に設定される。ここで、視野絞り20に重なり合うように配置されている遮光板40も、投影光学系PL(PLe)のうち、マスクMと感光基板Pとに対してほぼ共役な位置関係に配置されている。
【0040】
遮光板40には遮光板用駆動機構(不図示)が設けられており、遮光板40は、遮光板用駆動機構の駆動のもとで、非走査方向(Y軸方向)に移動可能となっている。そして、遮光板40をY軸方向に移動することにより、例えば投影領域50eのY軸方向の幅Lyが任意に設定可能となっている。なお、遮光板40は固定されていてもよいが、移動することにより、投影領域50の設定の自由度が増す。
【0041】
ブラインド(第2遮光部材)30は、図2等に示したように、定盤150(投影光学系PL)に取り付けられたブラインドユニット120に設けられており、ブラインド駆動装置31によって複数の投影光学モジュールの間を移動可能となっている。ブラインド駆動装置31の駆動は制御装置CONTにより制御され、制御装置CONTはブラインド30を任意の位置に移動する。そして、ブラインド30は、図6に示すように、Y軸方向に移動することによって、視野絞り20と遮光板40とで形成される開口Kの一部を遮光し(なお、図6では、見やすいように開口Kのみが図示されており、視野絞り20及び遮光板40は図示されていない)、投影領域50の大きさ及び形状を任意に設定する。
【0042】
ブラインド30は、平面視台形状の板部材であって、そのY軸方向両端部30A、30BにおけるX軸方向の幅がY軸方向に向かって漸次縮小するように斜めに形成されている。換言すれば、ブラインド部30のY軸方向の互いに対向する辺が斜めになるように形成されている。そして、この斜め部(減光部)30A、30Bによって露光光ELを遮光することにより、投影領域50の形状が設定される。本実施形態において、視野絞り20と遮光板40とブラインド30とによって形成される投影領域50は、台形形状(平行四辺形形状)に設定される。
【0043】
ブラインド30は、投影光学PLのうち、マスクMと感光基板Pとに対してほぼ共役な位置関係に配置されている。すなわち、本実施形態において、視野絞り20と遮光板40とブラインド30とは、投影光学系PLを介して共役な位置関係に配置されているマスクMと感光基板Pとに対して、ほぼ共役な位置関係に配置されている。
【0044】
本実施形態において、ブラインド30は投影光学系PLの中間像位置に配置されており、図6に示すように、ブラインド30により中間像の−Y側を遮光することで、感光基板P上でのパターン像はその+Y側を遮光される。
【0045】
なお、視野絞り20と遮光板40とブラインド30とは、マスクMと感光基板Pとに対して、共役な位置関係に配置されていればよく、したがって、例えば図7に示すように、遮光板(第1遮光部材)40を照明光学系ILに配置してもよい。あるいは、ブラインド30を照明光学系ILに配置してもよい。あるいは、これら各部材20,30,40をマスクM又は感光基板Pに近接する位置に配置してもよい。すなわち、視野絞り20、遮光板40、ブラインド30のそれぞれは、マスクMと感光基板Pとに対して共役な位置(図3の符号A、B参照)であれば、露光光ELの光路上のいずれの位置に配置してもよい。また、ブラインド30は、共役面に対してデフォーカスした位置に配置しても光量和は一定になるので、フォーカス方向にずれた位置でも構わない。
【0046】
なお、図8に示すように、ブラインド30をθZ方向に回転することにより、投影領域50の形状を変更可能である。同様に、遮光板40をθZ方向に回転移動可能に設け、遮光板40をθZ方向に回転することでも投影領域50の形状を変更可能である。
【0047】
図9は、感光基板P上での投影光学モジュールPLa〜PLgの投影領域50a〜50gの平面図である。各投影領域50a〜50gは、視野絞り20及び遮光板40によって所定の形状(本実施形態では台形形状)に設定される。投影領域50a、50c、50e、50gと、投影領域50b、50d、50fとは、X軸方向に対向して配置されている。さらに、投影領域50a〜50gは、隣り合う投影領域の端部(境界部)どうし(51aと51b、51cと51d、51eと51f、51gと51h、51iと51j、51kと51l)が二点鎖線で示すように、Y軸方向に重なり合うように並列配置され、重複領域(継ぎ部)52a〜52fを形成する。そして、投影領域50a〜50gの境界部どうしをY軸方向に重なり合うように並列配置することにより、X軸方向の投影領域の幅の総計がほぼ等しくなるように設定されている。こうすることにより、X軸方向に走査露光したときの露光量が等しくなるようになっている。
【0048】
このように、各投影光学モジュールPLa〜PLgによる投影領域50a〜50gのそれぞれが重なり合う重複領域(継ぎ部)52a〜52fを設けることにより、継ぎ部52a〜52fにおける光学収差の変化や照度変化を滑らかにすることができる。ここで、継ぎ部52a〜52fのY軸方向における位置や幅は、遮光板40を移動することによって任意に設定可能である。
【0049】
また、図9の破線で示すように、2つのブラインド30のうち、一方(−X側)のブラインド30は±Y方向に移動して−X側の投影領域50a、50c、50e、50gの大きさ、形状を設定可能であるとともに、これら投影領域に対応する光路を遮光可能である。一方、他方(+X側)のブラインドの30も±Y方向に移動してマスクMに対する照射領域を設定することによって+Xの投影領域50b、50d、50fの大きさ、形状を設定可能であるとともに、これら投影領域に対応する光路を遮光可能である。
【0050】
また、−X側のブラインド30は、移動することによって、投影領域の境界部51a、51d、51e、51h、51i、51lのそれぞれの大きさを設定可能である。同様に、+X側のブラインド30は、移動することによって、投影領域の境界部51b、51c、51f、51g、51j、51kのそれぞれの大きさを設定可能である。そして、ブラインド30は、非走査方向(Y軸方向)に移動して投影領域の境界部の大きさ、形状を設定することにより、投影領域(パターン像)の重複領域52a〜52fを設定可能となっている。そして、ブラインド30はその両端部(減光部)30A、30BにおけるX軸方向の幅がY軸方向に向かって漸次縮小するように斜めに形成されているため、投影領域の境界部のそれぞれに対応する光路の一部を遮光することにより、投影領域(パターン像)の周辺に向かうに従い重複領域での積算露光量をほぼ連続的に減衰可能となっている。つまり、ブラインド30のうち、Y軸方向の互いに対向する辺である斜め部30A、30Bが、パターン像(投影領域)の重複領域を設定するとともに、パターン像の重複領域の積算露光量をパターン像の周辺に向かうに従い漸次減衰させる減光部となっている。
【0051】
ここで、図9において、投影領域の境界部51a、51e、51iの平面視における傾斜角度と、−X側のブラインド30の減光部30Aにおける傾斜角度とが一致するように設定されており、投影領域の境界部51d、51h、51lの平面視における傾斜角度と、−X側のブラインド30の減光部30Bにおける傾斜角度とが一致するように設定されている。同様に、投影領域の境界部51b、51f、51jの平面視における傾斜角度と、+X側のブラインド30の減光部30Aにおける傾斜角度とが一致するように設定されており、投影領域の境界部51c、51g、51kの平面視における傾斜角度と、+X側のブラインド30の減光部30Bにおける傾斜角度とが一致するように設定されている。
【0052】
そして、ブラインド30は、その減光部30A、30Bを各投影領域に対応する光路の一部に配置することにより重複領域52a〜52fを設定し、走査露光時においては、重複領域における積算露光量がY軸方向に関してほぼ連続的に減衰するように設定する。
【0053】
このように、視野絞り20と遮光板40とブラインド30とによって投影領域は複数に分割され、それぞれの大きさ、形状が任意に設定される。そして、ブラインド30の位置を設定することにより、走査露光時において、投影領域50の周辺に向かうに従い積算露光量をほぼ連続的に減衰させ、重複領域52a〜52fのY軸方向の積算露光量をほぼ連続的に変化させる。
【0054】
図3に戻って、基板ステージPST上には、ディテクタ(光検出装置)41が配設されている。ディテクタ41は、感光基板Pに照射されるべき露光光ELの光量に関する情報を検出するものであって、検出した検出信号を制御装置CONTへ出力する。
なお、露光光ELの光量に関する情報とは、物体面上に単位面積あたりに照らされる露光光ELの量(照度)、あるいは、単位時間あたりに放射される露光光ELの量を含む。本実施形態においては、この露光光ELの光量に関する情報を、照度として説明する。
【0055】
このディテクタ41は、感光基板P上の各投影光学モジュールPLa〜PLgに対応する位置の露光光ELの照射量を計測する照度センサであって、撮像素子であるCCDセンサによって構成されている。ディテクタ41は、基板ステージPST上にY軸方向に配設されたガイド軸(不図示)によって、感光基板Pと同一平面の高さに設置可能となっており、ディテクタ駆動部によって走査方向(X軸方向)と直交する方向(Y軸方向)に移動可能に設けられている。
【0056】
このディテクタ41は、1回又は複数回の露光に先立ち、基板ステージPSTのX軸方向への移動とディテクタ駆動部によるY軸方向への移動とによって、投影光学モジュールPLa〜PLgに対応する各投影領域50a〜50gの下で走査される。したがって、感光基板P上の投影領域50a〜50g及びこれら各投影領域50a〜50gの各境界部51a〜51lにおける露光光ELの光量に関する情報はディテクタ41によって2次元的に検出されるようになっている。ディテクタ41によって検出された露光光ELの光量に関する情報は制御装置CONTに出力される。このとき、制御装置CONTは、基板ステージ駆動部PSTD及びディテクタ駆動部の各駆動量によって、ディテクタ41の位置を検出可能となっている。
【0057】
図10に示すように、マスクMのパターン領域には、画素パターン44と、この画素パターン44のY軸方向両端に位置する周辺回路パターン45a、45bとが形成されている。画素パターン44には、複数のピクセルに応じた複数の電極が規則正しく配列されたパターンが形成されている。周辺回路パターン45a、45bには、画素パターン44の電極を駆動するためのドライバ回路等が形成されている。
【0058】
それぞれの投影領域50a〜50gは所定の大きさに設定されており、この場合、図9に示すように、長辺の長さはL1、短辺の長さはL2、隣り合う投影領域どうしの間隔(投影領域のY軸方向のピッチ)はL3に設定される。
【0059】
また、図10に示すマスクMの周辺回路パターン45a、45bは、図11に示す感光基板Pの周辺回路パターン61a、61bと同一寸法、同一形状にそれぞれ形成し、両端外側の投影光学モジュール50a、50gで露光されるようにマスクM上に配置される。マスクMの画素パターン44は、感光基板Pの画素パターン60に対してX軸方向の長さが同一で、Y軸方向の長さが異なっている。
【0060】
次に、上述した構成を有する露光装置EXを用いて、露光光ELに対してマスクMと感光基板Pとを同期移動して走査露光し、マスクMのパターン像の一部が重複して露光されるように複数回の走査露光に分けて感光基板Pにパターンの継ぎ露光を行う方法について説明する。
ここで、以下の説明においては、マスクステージMST及び基板ステージPSTの移動は、マスクステージ駆動部MSTD及び基板ステージ駆動部PSTDを介して全て制御装置CONTの制御に基づいて行われるものとする。
【0061】
また、以下の説明においては、図10に示すように、マスクM上に形成されているパターンを、Y軸方向に長さLAを有し周辺回路パターン45a及び画素パターン44の一部を含む分割パターン46と、Y軸方向に長さLBを有し周辺回路パターン45b及び画素パターン44の一部を含む分割パターン47との2つの領域に分割し、これら分割パターン46,47のそれぞれの一部を重複して露光されるように2回の走査露光に分けて感光基板P上でパターン合成を行うものとする。そして、感光基板P上の全体の露光パターンは、図11に示すように、2回の走査露光によって、Y軸方向に長さLAを有し周辺回路パターン61a及び画素パターン60の一部を含む分割パターン(露光領域、第1のパターン像)62と、Y軸方向に長さLBを有し周辺回路パターン61b及び画素パターン60の一部を含む分割パターン(露光領域、第2のパターン像)63との2つの領域に分割された分割パターンを合成したものとする。
【0062】
ここで、長さLAは、投影領域50aの短辺の+Y方向端点と、投影領域50eの短辺と投影領域50eに対応する光路上に配置されたブラインド30との交点との間のY軸方向における距離である。長さLBは、投影領域50cの短辺と投影領域50cに対応する光路上に配置されたブラインド30との交点と、投影領域50gの短辺の−Y方向端点との間のY軸方向における距離である。
【0063】
また、分割パターン62と分割パターン63とは、感光基板P上において重複領域(継ぎ部)64で重ね合わせるものとする。また、重複領域64のY軸方向の長さLKは、投影領域50a〜50gの重複領域52a〜52fと同一距離とする。
【0064】
そして、重複領域64のY軸方向の距離である長さLKは、図10に示すように、ブラインド30のY軸方向における位置と投影領域50eとによって設定され、投影領域50eのうち+Y側に向かうに従い積算露光量がほぼ連続的に減衰する継ぎ部48のY軸方向の距離に一致する。同様に、長さLKは、ブラインド30のY軸方向における位置と投影領域50cとによって設定され、投影領域50cのうち−Y側に向かうに従い積算露光量がほぼ連続的に減衰する継ぎ部49のY軸方向の距離に一致する。つまり、継ぎ部48と継ぎ部49とのY軸方向の距離が一致するように、ブラインド30の減光部30A、30Bそれぞれの形状(傾斜角度)が設定される。
【0065】
そして、マスクMにおいて、ブラインド30により継ぎ部48、49を形成すべき位置、つまり継ぎ露光を行うべき領域は予め設定されており、この継ぎ部48、49を設定しようとする位置(継ぎ露光を行う領域)に相当して、マスクMのパターン近傍に、ブラインド30を位置合わせるため位置合わせマーク60(60A、60B)が形成されている。
【0066】
以下、図12を参照しながら、露光手順について説明する。本実施形態においては、マスクMの分割パターン46、47の継ぎ部48、49を感光基板(ガラス基板)Pで継ぎ合わせて合成して、マスクMの連続したパターン領域45a、44、45bよりも大きい液晶デバイスを製造するものとする。また、本実施形態では、2つのブラインド30(−X側のブラインド30、+X側のブラインド30)のうち、一方のブラインド30(−X側のブラインド30)が用いられ、他方のブラインド30(+X側のブラインド30)は露光光ELの光路から退避しているものとする。
【0067】
まず、制御装置CONTが分割パターンの継ぎ露光の開始を指令する(ステップS1)。
ここで、制御装置CONTには、感光基板Pに対するマスクMのパターンの配置位置に関する情報、及びマスクMにおけるパターンの継ぎ合わせ位置に関する情報が予めレシピとして設定されている。すなわち、感光基板P上においてマスクMの分割パターン46、47のそれぞれを露光すべき位置が予め設定されているとともに、マスクM上において継ぎ部48,49を設けるべき位置も予め設定されている。
【0068】
制御装置CONTは、実際の露光処理を行うに際し、装置のキャリブレーションを開始する。
まず、制御装置CONTは、視野絞り20及び遮光板40を駆動するとともにマスクステージMSTを駆動して、マスクMのパターンに合わせて露光光ELを照射するための照射領域を設定する。また、制御装置CONTは、投影光学モジュールPLa〜PLgのそれぞれに設けられている視野絞り20及び遮光板40を用いて開口Kの大きさ及び形状を調整し、感光基板P上に投影される投影領域50a〜50gの走査方向(X軸方向)の幅及び非走査方向(Y軸方向)の幅を設定する。
【0069】
そして、制御装置CONTは、レシピとして予め設定されている露光処理に関する情報に基づいて、継ぎ露光を行う際のブラインド30の位置の設定を行う。ここで本実施形態では、図11に示すように、一回目の走査露光において、2つのブラインド30のうち、−X側のブラインド30の減光部30Bが投影領域50eの一部を遮光するように配置され、+X側のブラインド30は光路上から退避するように設定される。また、二回目の走査露光において、−X側のブラインド30の減光部30Aが投影領域50cの一部を遮光するように配置される。
【0070】
制御装置CONTは、一回目の走査露光を行う際のブラインド30の減光部30Bの位置の設定を行う(ステップS2)。
すなわち、制御装置CONTは、マスクMに対する露光光ELの照射領域(すなわち分割パターン46)の一辺に位置する継ぎ部48に設けられたマスクMのパターンに対して、継ぎ露光するためのブラインド30の減光部30Bを位置合わせする。
【0071】
具体的には、制御装置CONTは、継ぎ部(重複領域)48に対応してマスクM上に設けられている位置合わせマーク60Bと、ブラインド30の減光部30Bとを位置合わせする。マスクMの位置合わせマーク60Bと減光部30Bとを位置合わせする際には、図13の模式図に示すように、基板ステージPSTに設けられているアライメント用発光部70からアライメント光を射出し、投影光学系PLを介してマスクMの位置合わせマーク60Bに照射する。マスクMの位置合わせマーク60Bに照射されたアライメント光は、マスクMを透過した後、ブラインド30の減光部30Bのエッジ部(先端部)近傍を通過して、アライメント用受光部71に受光される。ここで、アライメント光を位置合わせマーク60Bに照射しつつブラインド30(減光部30B)をY軸方向に移動することにより、受光部71に受光されていたアライメント光が減光部30Bのエッジ部に遮光されて例えば50%光量の状態が生じる。このときの受光部71の検出信号は制御装置CONTに出力され、制御装置CONTは、受光部71がアライメント光を受光していた状態から受光しなくなった状態に変わったときのブラインド30の減光部30Bの位置を、位置合わせマーク60Bに対して減光部30Bが位置合わせされた位置と判断する。ブラインド30の減光部30Bは位置合わせマーク60Bに位置合わせされることにより、継ぎ部48に対しても位置合わせされる。
【0072】
ここで、位置合わせマーク60BはマスクMの−X側端部及び+X側端部の2箇所に形成されている。そして、これら2つの位置合わせマーク60Bのそれぞれとブラインド30の減光部30Bとの位置合わせを予め行っておき、これら位置情報に基づいてブラインド30の減光部30Bの位置を設定しつつ走査露光することにより、ブラインド30の減光部30Bによって所望の継ぎ部48を設定できる。走査露光する際のブラインド30の減光部30Bの位置合わせは、例えば前記位置合わせマーク60Bと位置合わせした際のブラインド駆動装置31の基準位置に対する駆動量に基づいて行うことができる。
【0073】
以上のようにしてブラインド30の減光部30Bとマスク位置合わせマーク60Bとの位置合わせを行ったら、制御装置CONTは、このときのブラインド30の減光部30B及びマスクステージMST(マスクM)の位置に関する情報を記憶装置(不図示)に記憶する(ステップS3)。
なお、この記憶される情報は、マスクMを位置合わせした際のブラインド駆動装置31の基準位置に対する駆動量に関する情報を含む。
【0074】
次いで、制御装置CONTは、二回目の走査露光を行う際のブラインド30の減光部30Aの位置の設定を行う(ステップS4)。
すなわち、制御装置CONTは、マスクMに対する露光光ELの照射領域(すなわち分割パターン47)の一辺に位置する継ぎ部49に設けられたマスクMのパターンに対して、継ぎ露光するためのブラインド30の減光部30Aを位置合わせする。
【0075】
具体的には、制御装置CONTは、継ぎ部(重複領域)49に対応してマスクM上に設けられている位置合わせマーク60Aと、ブラインド30の減光部30Aのエッジ部(先端部)とを位置合わせする。マスクMの位置合わせマーク60Aとブラインド30の減光部30Aとの位置合わせは、図13を参照して説明した方法と同様の手順で行うことができる。ブラインド30の減光部30Aは位置合わせマーク60Aに位置合わせされることにより、継ぎ部49に対しても位置合わせされる。
【0076】
ここで、位置合わせマーク60AもマスクMの−X側端部及び+X側端部の2箇所に形成されている。そして、これら2つの位置合わせマーク60Aのそれぞれとブラインド30の減光部30Aとの位置合わせを予め行っておき、これらの位置情報に基づいてブラインド30の減光部30Aの位置を設定しつつ走査露光することにより、ブラインド30の減光部30Aによって所望の継ぎ部49を設定できる。
【0077】
以上のようにしてブラインド30Aとマスク位置合わせマーク60Aとの位置合わせを行ったら、制御装置CONTは、このときのブラインド30の減光部30A及びマスクステージMST(マスクM)の位置に関する情報を記憶装置(不図示)に記憶する(ステップS5)。
【0078】
次に、各投影領域50a〜50gの照度キャリブレーション及び位置検出を行う。
まず、基板ステージPSTに感光基板Pを載置しない状態で、感光基板P上における分割パターン62(長さLAの部分)に対応する領域に対して露光動作を開始する(ステップS6)。
具体的には、まず制御装置CONTがフィルタ駆動部14を駆動し、光源1からの光束が最大透過率でフィルタ13を透過するようにフィルタ13を移動させる。フィルタ13が移動すると、光源1から楕円鏡1aを介して光束が照射される。照射された光束は、フィルタ13、ハーフミラー11、マスクM、投影光学モジュールPLa〜PLg等を透過した後、基板ステージPST上に到達する。このとき、露光光ELの照射領域にパターン等が形成されていない位置になるようにマスクMを移動しておく。
ここで、各投影領域50a〜50gのそれぞれは視野絞り20及び遮光板40によって設定されており、ブラインド30は光路から退避している。
【0079】
これと同時に、制御装置CONTは、ディテクタ41を分割パターン62に対応する領域内においてX軸及びY軸方向に移動して、投影光学モジュールPLa〜PLgに対応した投影領域50a〜50gで走査させる。走査するディテクタ41によって、各投影領域50a〜50gにおける照度及び境界部51a〜51lにおける照度Wa〜Wlが順次計測される(ステップS7)。
【0080】
ディテクタ41の検出信号は制御装置CONTに出力される。制御装置CONTは、ディテクタ41からの検出信号に基づいて画像処理を行い、各投影領域50a〜50g及び境界部51a〜51lの形状及び照度を検出する。そして、制御装置CONTは、この境界部51a〜51lの照度Wa〜Wlを記憶装置に記憶する。
【0081】
次いで、制御装置CONTは、ディテクタ41が計測した境界部51a〜51lの照度Wa〜Wlに基づいて、この照度Wa〜Wlが略所定値で、且つ(|Wa−Wb|、|Wc−Wd|、|We−Wf|、|Wg−Wh|、|Wi−Wj|、|Wk−Wl|)が最小になるように、ディテクタ41により照度を計測しつつ各照明系モジュールIMa〜IMg毎にフィルタ13を駆動する(ステップS8)。
これにより、各光路毎の光束の光量が補正される。
【0082】
なお、このとき、光源1から照射された光束は、ハーフミラー11によりその一部がディテクタ12へ入射されており、ディテクタ12は、入射した光束の照度を計測し、検出した照度信号を制御装置CONTへ出力している。したがって、制御装置CONTは、ディテクタ12が検出した光束の照度に基づいて、この照度が所定値になるようにフィルタ駆動部14を制御することで、各光路毎の光量を調整してもよい。
【0083】
制御装置CONTは、走査するディテクタ41によって検出された露光光ELの光量に関する情報に基づいて、それぞれの境界部51a〜51lの位置を求める(ステップS9)。
すなわち、走査するディテクタ41の検出信号に基づいて、制御装置CONTは、所定の座標系に対する各境界部51a〜51lの形状を求め、この求めた形状に基づいて、所定の座標系に対する各境界部51a〜51lの位置を求める。具体的には、三角形形状の境界部51a〜51lのうち、例えば先端位置や図心位置など、代表される所定位置を求める。
【0084】
このとき、ディテクタ41の位置は、基準位置に対する各駆動部の駆動量に基づいて求めることができる。つまり、ディテクタ41の初期位置(待機位置)等を基準位置に設定し、この基準位置に対して、走査するディテクタ41の位置を求めることができる。制御装置CONTは、基準位置に対するディテクタ41の位置に基づいて、各境界部51a〜51lの基準位置に対する位置を求める。
【0085】
そして、制御装置CONTは、境界部51a〜51lの所定の座標系に対する位置を記憶装置に記憶する。このとき、それぞれの投影領域50a〜50g(境界部51a〜51l)の相対的な位置も記憶することになる。
【0086】
ブラインド30を光路から退避した状態で各投影領域50a〜50gの光量調整及び位置検出を行ったら、制御装置CONTは記憶装置の情報に基づいて、ブラインド30の減光部30BをステップS2で設定した位置に配置し、この状態で露光動作を行う。そして、制御装置CONTは継ぎ部48に相当する投影領域50eの小領域KBの照度をディテクタ41で検出する(ステップS10)。
ここで、小領域KBはブラインド30の減光部30Bにより、−Y方向に向かうに従い感光基板P上における重複領域64での積算露光量をほぼ連続的に減衰されている。
【0087】
ディテクタ41の検出信号は制御装置CONTに出力され、制御装置CONTは、ディテクタ41からの検出信号に基づいて画像処理を行い、小領域KBの形状及び照度を検出する。そして、制御装置CONTは、この小領域KBの形状及び照度Wkbを記憶装置に記憶する。更に、制御装置CONTは、ディテクタ41によって検出された露光光ELの光量に関する情報に基づいて小領域KBの位置及び形状を求める。小領域KBの位置は、三角形形状の小領域KBのうち、例えば先端位置や図心位置など、代表される所定位置である。
【0088】
小領域KBの照度、位置及び形状を求めたら、制御装置CONTはブラインド30の減光部30AをステップS4で設定した位置に配置し、この状態で露光動作を行う。そして、制御装置CONTは継ぎ部49に相当する投影領域50cの小領域KAの照度をディテクタ41で検出する(ステップS11)。
ここで、小領域KAはブラインド30の減光部30Aにより、+Y方向に向かうに従い感光基板P上における重複領域64での積算露光量をほぼ連続的に減衰されている。
【0089】
ディテクタ41の検出信号は制御装置CONTに出力され、制御装置CONTは、ディテクタ41からの検出信号に基づいて画像処理を行い、小領域KAの形状及び照度を検出する。そして、制御装置CONTは、この小領域KAの形状及び照度Wkaを記憶装置に記憶する。更に、制御装置CONTは、ディテクタ41によって検出された露光光ELの光量に関する情報に基づいて小領域KAの位置及び形状を求める。小領域KAの位置は、三角形形状の小領域KAのうち、例えば先端位置や図心位置など、代表される所定位置である。
【0090】
制御装置CONTは、ステップS10で求めた小領域KBの照度Wkbと、ステップS11で求めた小領域KAの照度Wkaとに基づいて、この照度Wkaと照度Wkbが略所定値で、且つ(|Wa−Wb|、|Wc−Wd|、|We−Wf|、|Wg−Wh|、|Wi−Wj|、|Wk−Wl|、|Wka−Wkb|)が最小になるように、ディテクタ41により照度を計測しつつ各照明系モジュールIMc、IMeにフィルタ13を駆動させる(ステップS12)。
つまり、継ぎ部における光量調整を行うとともに、この継ぎ部における光量の検出結果に応じて、他の投影領域における露光量の再調整を行う。
【0091】
また、制御装置CONTは、ステップS10及びステップS11で検出した小領域KA及び小領域KBの形状検出結果に基づいて、これら各小領域KA、KBの形状補正を行う(ステップS13)。
例えば、先に検出した小領域KBの形状に対して、後に検出した小領域KAの形状が所望の形状を有していない場合、例えば、走査露光することによって均一に重複しない場合や、小領域KA及びKBによって形成される重複領域64の幅LKが各重複領域52a〜52fの幅と大きく異なる場合などにおいては、投影領域50eあるいは投影領域50cに対応する投影光学モジュールPLeあるいは投影光学モジュールPLcの像シフト機構19、倍率調整機構23、直角プリズム24,27を駆動し、シフト、スケーリング、ローテーションなどの像特性を補正(レンズキャリブレーション)する。
【0092】
更に、制御装置CONTは、投影領域50a〜50gのそれぞれの形状が所定の形状を有していなかったり、隣接する投影領域50a〜50gどうしの重複領域52a〜52fの幅が走査露光することによって変化してしまう場合などにおいても、各投影光学モジュールPLa〜PLgの像シフト機構19、倍率調整機構23、直角プリズム24,27を駆動して像特性を補正できる。制御装置CONTはこれら補正値を記憶装置に記憶する。
【0093】
以上のようにして、継ぎ部を含む投影領域50a〜50gのキャリブレーション(照度キャリブレーション、レンズキャリブレーション)を行ったら、実際に露光処理を行うべく、制御装置CONTはマスクMを露光光ELの光路上に配置するとともに、不図示のローダを介して基板ステージPSTの基板ホルダPHに感光基板Pを載置する(ステップS14)。
【0094】
一回目の走査露光を行うべく、制御装置CONTは、上記各キャリブレーション工程で設定した設定値や補正値に基づき、視野絞り20及び遮光板40によって走査方向及び非走査方向に所定の幅を有する投影領域を設定するとともに、マスクステージMSTを駆動して、マスクMのパターンに合わせて露光光ELを照射するための照射領域を設定する。そして、マスクMのパターン領域のうち、少なくとも一回目の走査露光で用いる分割パターン46に露光光ELが照射されるようにマスクステージMSTの位置を制御するとともに、図13を参照して説明したように、マスクMに形成されている位置合わせマーク60Bを用いて、ブラインド30の減光部30Bが投影領域50eの一部を遮光するように、ブラインド30の減光部30Bの位置調整を行う(ステップS15)。
このとき、投影領域50f、50gに対応する光路は、照明系モジュールの照明シャッタ6により遮断される。
【0095】
更に、マスクMの位置合わせマーク60Bを用いて、基板ステージPSTに載置されている感光基板PとマスクMとを位置合わせする(ステップS16)。
ここで、感光基板Pには、継ぎ露光を行う領域、すなわち感光基板Pの重複領域64に相当してパターン領域近傍に基板位置合わせマーク72が予め形成されている。制御装置CONTは、マスクステージMSTに載置されているマスクMの位置合わせマーク60Bと、基板ステージPSTに載置されている感光基板Pの位置合わせマーク72とを位置合わせすることにより、感光基板Pの露光領域62にマスクMの分割パターン46を位置合わせして露光する。
【0096】
なお、マスクMの位置合わせマーク60Bと感光基板Pの位置合わせマーク72とを位置合わせする際には、例えば図14の模式図に示すように、マスクMの上方に設けられた発光部75からマスク位置合わせマーク60Bに対してアライメント光を照射する。位置合わせマーク60Bに照射されたアライメント光はマスクMを透過し、投影光学系PLを介して感光基板Pの基板位置合わせマーク72に照射される。そして、基板位置合わせマーク72で反射した反射光を、投影光学系PL及びマスクMの位置合わせマーク60Bを介してマスクMの上方に設けられている受光部76で検出し、マスク位置合わせマーク60Bにおける反射光と、基板位置合わせマーク72における反射光とに基づいて、マスク位置合わせマーク60Bと基板位置合わせマーク72とが一致するように、基板ステージPSTを位置調整すればよい。
なお、感光基板Pはガラス基板であるため、基板位置合わせマークにおける反射光を検出せずに、例えば基板ステージ側に受光部76’を設けておき、マスク位置合わせマーク60Bを通過した光と基板位置合わせマーク72を通過した光とに基づいてマスクMと感光基板Pとの位置合わせを行ってもよい。
【0097】
ここで、基板位置合わせマーク72は、マスク位置合わせマーク60B同様、感光基板Pの−X側端部及び+X側端部の2箇所に形成されている。そして、これら+X側及び−X側のマスク位置合わせマーク60Bのそれぞれと、+X側及び−X側の基板位置合わせマーク72のそれぞれとを予め位置合わせしておき、これらの位置情報に基づいて走査露光を行うことにより露光精度を向上できる。
【0098】
こうして、マスクMと感光基板Pとの位置合わせ、及びマスクMとブラインド30の減光部30Bとの位置合わせを行ったら、制御装置CONTは感光基板Pに対して一回目の走査露光処理を行う(ステップS17)。
初めに、分割パターン62(長さLAの部分)に対応する部分を露光する。この場合、投影光学モジュールPLf、PLgに対応する照明系モジュールIMf、IMgの照明シャッタ6がシャッタ駆動部6aの駆動により光路中に挿入され、図11に示すように、投影領域50f、50gに対応する光路の照明光を遮光する。このとき、照明系モジュールIMa〜IMeの照明シャッタ6は各光路を開放している。そして、ブラインド30及びこのブラインド30の減光部30Bが、投影領域50eの一部を遮光する。ブラインド30の減光部30Bにより、投影領域50eにはY軸方向に減光特性を有する小領域KBが形成され、感光基板Pに対しては、周辺回路61aと画素パターン60の一部を含むY軸方向の長さLAの露光領域が設定される。
【0099】
そして、マスクMと感光基板PとをX軸方向に同期移動して一回目の走査露光を行う。これにより、図11に示すように、感光基板P上には、投影領域50a、50b、50c、50d、及び投影領域50eの一部によって設定された分割パターン62が露光される。そして、2箇所の減光部のうちの一方の減光部30Bによって設定された小領域KBに基づいて、走査露光することにより分割パターン(露光領域、第1のパターン像)62の−Y側の一辺に形成された重複領域64は、この分割パターン62の−Y側に向かうに従い露光量をほぼ連続的に減衰される。
【0100】
次に、二回目の走査露光を行うため、基板ステージPSTの所定位置に対する位置合わせを行う(ステップS18)。
具体的には、基板ステージPSTを+Y方向に所定距離ステップ移動させるとともに、基板ステージPSTの位置の微調整を行う。
二回目の走査露光を行うための基板ステージPSTの位置合わせは、マスクMのうち継ぎ部49に対応して形成されているマスク位置合わせマーク60Aと、感光基板Pのうち重複領域64に対応して形成されている基板位置合わせマーク72とを位置合わせすることにより行われる。制御装置CONTは、図14を参照して説明した手順と同様、発光部75からマスク位置合わせマーク60Aに対してアライメント光を照射し、投影光学系PLを介して感光基板Pの基板位置合わせマーク72に照射されたアライメント光の反射光と、マスク位置合わせマーク60Aにおける反射光とに基づいて、マスク位置合わせマーク60Aと基板位置合わせマーク72とが一致するように、基板ステージPSTを位置調整する。このように、マスクMに形成されているマスク位置合わせマーク60と、感光基板Pに形成されている基板位置合わせマーク72とを用いて、継ぎ露光する際の継ぎ部の位置合わせをすることにより、継ぎ部の位置決め精度を向上できる。
【0101】
マスクMと感光基板Pとの位置合わせをしたら、制御装置CONTは、ブラインド30をY軸方向に駆動し、ブラインド30及びこのブラインド30の減光部30Aで投影領域50cの一部を遮光する(ステップS19)。
このとき、投影領域50a、50bに対応する光路は、照明系モジュールの照明シャッタ6により遮断される。ブラインド30の減光部30AのマスクMに対する位置合わせも、図13を参照して説明したように、マスク位置合わせマーク60Aを用いて行われ、マスク位置合わせマーク60Aに対してブラインド30の減光部30Aが位置合わせされる。所定の位置に位置合わせされたブラインド30の減光部30Aは、投影領域50cの一部に、Y軸方向に減光特性を有する小領域KAを形成する。また、投影光学モジュールPLa、PLbに対応する照明系モジュールIMa、IMbの照明シャッタ6がシャッタ駆動部6aの駆動により光路中に挿入され、図11に示すように、投影領域50a、50bに対応する光路の照明光を遮光する。このとき、照明系モジュールIMc〜IMgの照明シャッタ6は各光路を開放している。そして、ブラインド30の減光部30Aが、投影領域50cの一部を遮光し、感光基板Pに対しては、周辺回路61bと画素パターン60の一部を含むY軸方向の長さLBの露光領域63が設定される。
【0102】
こうして、制御装置CONTは、一回目の走査露光で投影露光された小領域KBに基づく重複領域64(継ぎ部48)に、二回目の走査露光で投影露光される小領域KAに基づく継ぎ部49が重ね合わせられるように、基板ステージPSTを+Y方向に移動し、位置合わせする。
【0103】
ここで、二回目の走査露光を行うためのステップ移動時、あるいはブラインド30(減光部30A)の光路上への配置時において、制御装置CONTはキャリブレーション時において記憶装置に記憶しておいた各設定値、補正値に基づいて、感光基板Pに対する像特性の補正や、ブラインド30の微調整が可能である。すなわち、小領域KAに基づく重複領域64と小領域KBに基づく重複領域64とが一致するように像特性(シフト、スケーリング、ローテーション)の調整が可能である。
【0104】
また、パターンの重複領域64と重複領域以外とのそれぞれの露光光ELの照射量が略一致するように、基板ステージPSTの位置調整を行うことができる。すなわち、各小領域KA及びKBのそれぞれの形状や光量はステップS10〜S13において予め検出、調整されており、制御装置CONTは、記憶したそれぞれの小領域KA、KBの形状又は光量に基づいて、パターンの重複領域64と重複領域以外(すなわち領域62,63)とのそれぞれの照度が略一致するように、基板ステージPSTの位置の微調整を行う。具体的には、一回目の走査露光による小領域KBと二回目の走査露光による小領域KAとのそれぞれに基づく重複領域64の露光光ELの照射量が図15に示すような照度分布において、例えば、図15(a)に示すように、一回目の走査露光の小領域KBと二回目の走査露光による小領域KAとに基づく重複領域64の露光光ELの合計の照射量が、重複領域64以外の露光光ELの照射量より低い場合には、基板ステージPSTの位置を調整して重ね合わせ範囲を大きくし、図15(b)に示すように、全ての位置において露光光ELの照射量を略一致させる(ステップS20)。
【0105】
あるいは、重複領域64の露光光ELの照射量と重複領域64以外の露光光ELの照射量とが略一致するように、ブラインド30を駆動し、重複領域64における露光光ELの照射量を調整してもよい。これにより、各光路の光束の光量が補正することができる。
【0106】
なお、二回目の走査露光時におけるブラインド30(減光部30A)の光路上への配置は、キャリブレーション時において基準位置に対する所望の位置が予め設定されているので、この設定値に基づいて、ブラインド30(減光部30A)を移動させてもよい。
【0107】
また、二回目の走査露光時における基板ステージPSTのステップ移動は、基板位置合わせマーク72及びマスク位置合わせマーク60Aを用いずに行ってもよい。この場合、基板ステージPSTのステップ移動は、キャリブレーション時において予め求めておき、この求めておいた情報に基づいてステップ移動すればよい。更に、キャリブレーション時に求めておいた各小領域KA、KBの位置に基づいて行ってもよい。すなわち、一回目の走査露光で投影露光された基準位置に対する重複領域64(継ぎ部48)の位置は求められており、この重複領域64に、次に投影露光される継ぎ部49が所定の位置関係になるように、基板ステージPSTの位置を設定すればよい。
【0108】
そして、マスクMと感光基板PとをX軸方向に同期移動して二回目の走査露光を行う(ステップS21)。
これにより、図11に示すように、感光基板P上には、投影領域50cの一部、50d、50e、50f、50gによって設定された分割パターン63が露光される。そして、2箇所の減光部のうちの他方の減光部30Aによって設定された小領域KAにより、走査露光することにより分割パターン(露光領域、第2のパターン像)63の+Y側の一辺に形成された重複領域64は、この分割パターン63の+Y側に向かうに従い露光量をほぼ連続的に減衰される光量分布を有し、第一回目の走査露光時に形成された重複領域64と重複することにより、所定の合成露光量が得られる。
【0109】
このようにして、一枚のマスクMを用いて、このマスクMよりも大きな感光基板Pに対する継ぎ露光が完了する(ステップ22)。
【0110】
以上説明したように、視野絞り20及び遮光板40によって設定されたパターン像(投影領域)に対して、2つの減光部30A、30Bを有し、複数の投影光学モジュール(投影領域)の間で移動可能なブラインド30を配置することにより、マスクMにおけるパターンの継ぎ部(分割位置)48,49を任意に設定できる。したがって、感光基板Pに形成されるパターンの大きさを任意に設定でき、任意の大きさのデバイスを効率良く製造できる。
【0111】
また、ブラインド30は、投影領域(パターン像)の周辺に向かうに従いパターンの継ぎ部(重複領域)での積算露光量をほぼ連続的に減衰させる減光特性を有する減光部30A、30Bを有するので、継ぎ部における露光量を所望の値に設定でき、重複領域64と重複領域64以外との露光量を一致させることができる。したがって、精度良い露光処理を行うことができる。そして、減光部30A、30Bは1つのブラインド30に対して少なくとも2つ設けられており、Y軸方向の互いに対向する辺に設けられているので、ブラインド30をY軸方向に移動するだけで、2つの減光部30A、30Bのうちいずれか一方を用いて、Y軸方向に並んだ複数の投影領域のうち任意の投影領域を所望の状態で遮光することができる。
【0112】
また、視野絞り20に対して遮光板40及びブラインド30のそれぞれを移動可能としたことにより、感光基板Pに対する露光光ELの投影領域50a〜50gの大きさや形状を任意に設定できるので、継ぎ露光する際の継ぎ合わせ精度の向上や、露光量の均一化を実現できる。
【0113】
視野絞り20と遮光板40とブラインド30とで投影領域を50a〜50gの複数に分割し、これらを継ぎ合わせて露光する、いわゆるマルチレンズスキャン型露光装置としたことにより、良好な結像特性を維持しつつ、装置を大型化せずに大きなパターンを形成できる。そして、投影光学系PLは、走査方向に対して直交する方向に並ぶ複数の投影光学モジュールPLa〜PLgからなり、複数の投影光学モジュールPLa〜PLgのうち、所定の投影光学モジュールPLa〜PLgの光路を遮光することにより、走査露光毎に投影領域を容易に調整できる。そして、分割パターン62,63の継ぎ合わせを行う際に、大型のマスクMを用いることなく、大型の感光基板Pに対して均一なパターンを形成できる。したがって、装置の大型化及びコストの増大を防ぐことができる。
【0114】
複数に分割された投影領域50a〜50gの形状は、台形形状であるので、継ぎ露光を行う際、継ぎ部と継ぎ部以外との露光量を容易に一致させることができる。
【0115】
マスクM上において、継ぎ露光を行う領域である継ぎ部48、49に相当して、ブラインド30との位置合わせをするための位置合わせマーク60A、60Bを設けたことにより、この位置合わせマークを用いてブラインド30の位置合わせを精度良く行うことができる。したがって、重複領域64を所望の露光量で露光できる。
【0116】
また、感光基板Pにも、継ぎ露光を行う領域64に相当して、マスク位置合わせマーク60A、60Bとの位置合わせを行うための基板位置合わせマーク72を設けたので、マスクMと感光基板Pとの位置合わせを精度良く行って露光精度を向上できるとともに、複数の走査露光を行うために基板ステージPSTをステップ移動する際にも、位置合わせマーク60A、60B、72を用いて位置合わせすればよいので、位置合わせ精度は向上する。
【0117】
また、本実施形態においては、投影領域50a〜50gが重複する境界部51a〜51lの照度が略一致するように照度を計測、補正しており、継ぎ部52a〜52fにおける照度も均一にできる。そして、ブラインド30や遮光板40のY軸方向の位置を変更して、分割パターン62、63における重複領域64における照度も他の領域の照度と同一にでき、パターン全体を均一な露光量で露光することができ、パターン線幅をパターン全面にわたって均一にできる。そのため、露光後の液晶デバイスの品質は向上する。
【0118】
なお、図10、図11では、重複領域64のY軸方向の長さLKは、投影領域50a〜50gの重複領域52a〜52fと同一距離に設定されているが、斜めブラインドである減光部30A(30B)の先端部の傾斜角度を変更することによって、分割パターン62及び63どうしの重複領域64のY軸方向の長さと、投影領域50a〜50gどうしの重複領域52a〜52fのY軸方向の長さとを異なるように設定してもよい。
【0119】
なお、本実施形態において、分割パターン(第1のパターン像)62と分割パターン(第2のパターン像)63とをつなぎ合わせる際、一回目の走査露光においては2つの減光部のうち一方の減光部30Bで投影領域50eの一部を遮光して小領域KBを形成し、二回目の走査露光においては他方の減光部30Aで投影領域50cの一部を遮光して小領域KAを形成し、これら小領域KA、KBを重ね合わせるようにしているが、小領域KA、KBを形成する投影領域は、投影領域50a〜50gのいずれでもよい。すなわち、複数の走査露光において任意の投影領域に、Y軸方向に減光特性を有する小領域を形成し、これらを重ね合わせることができる。さらに、照明シャッタ6による光路の遮光は、任意の光路に対して行うことができる。
【0120】
上記実施形態では、ブラインド30(減光部30A、30B)を位置合わせする際、図13を参照して説明したように、ブラインド30をY軸方向に移動しつつ、受光部71で受光されるアライメント光の受光量が例えば50%になった位置を検出することでブラインド30(減光部30A、30B)の位置合わせを行っているが、本実施形態のブラインド30はY軸方向に移動可能であるとともに、X軸方向及びθZ方向にも移動可能である。したがって、図16に示すように、制御装置CONTは発光部70より複数(図16では3つ)のアライメント用光束をブラインド30(減光部30A、30B)のエッジ部に対して照射し、このブラインド30のエッジ部を介した複数のアライメント光束を受光部71で受光し、受光部71による複数のアライメント用光束それぞれの検出結果に基づいて、ブラインド30の位置情報を求めることにより、XY方向及びθZ方向に移動可能なブラインド30の位置情報をより精度良く求めることができる。ここで、制御装置CONTは、複数のアライメント光束それぞれの受光部71での受光量が例えば50%受光量になるように、ブラインド30の位置をブラインド駆動装置31を用いて調整し、この検出した位置情報に基づいて、ブラインド30を所定の位置に位置合わせするための補正量を求め、求めた補正量に基づいてブラインド30(減光部30A、30B)を位置合わせすればよい。このように、発光部70、受光部71、ブラインド駆動装置31、及び制御装置CONTにより、ブラインド30のエッジの複数点を検出し、この検出結果に基づいてブラインド30の位置情報を求める位置検出装置の一部が構成される。
【0121】
また、図17に示すように、ブラインド30の位置情報を、位置検出装置の一部を構成する基板ステージPST上に設けられた撮像素子からなるディテクタ41により検出することもできる。ディテクタ41を使ってブラインド30の位置情報を検出する際には、制御装置CONTは、ディテクタ41の位置を固定した状態で、照明光学系ILより露光光ELを投影光学系PLに入射する。ディテクタ41は、開口Kに配置されたブラインド30の像を検出し、制御装置CONTは、ディテクタ41の像検出結果に基づいて、ブラインド30の位置情報を求めることができる。
【0122】
ところで、視野絞り20及び遮光板40により形成された開口Kに対応する投影領域50が、投影光学系PLの結像特性の変化により、感光基板P上において投影領域50がシフトする等、その位置を変化させる場合がある。例えば、図18(a)及び図18(b)に示すように、基準位置Oに対して投影領域50の位置が変化した場合、ブラインド30で遮光される領域が異なる可能性が生じる。そこで、図18(a)、(b)に示すように投影領域50の位置が変化(シフト)した際にも、ブラインド30で遮光される領域AB1、AB2が一致するように、制御装置CONTは、補正装置の一部を構成するディテクタ41で投影領域(パターン像)50の位置情報を検出し、この検出結果に基づいて、領域AB1、AB2を一致させるための補正量を求める。そして、制御装置CONTは、求めた補正量に基づいて、ブラインド駆動装置31を使ってブラインド30の位置を補正する。これにより、継ぎ部を継ぎ合わせる精度や、感光基板P上で所望の積算露光量を得ることができる。
【0123】
本実施形態では、一回目の走査露光には一方の減光部30Bを用い、二回目の走査露光には他方の減光部30Aを用いているが、図19に示すように、一回目の走査露光にはブラインド30の減光部30Bを用い、二回目の走査露光にはブラインド30を用いずに照明シャッタ6を用いて所定の投影領域に対応する光路を遮光するようにしてもよい。なお、図19において、一回目の走査露光では投影領域50f、50gに対応する光路が照明シャッタ6によって遮光されており、二回目の走査露光では投影領域50a、50bに対応する光路が照明シャッタ6によって遮光されている。
【0124】
上記実施形態においては、並列する複数の光路を7カ所とし、これに対応して照明系モジュールIMa〜IMg及び投影光学モジュールPLa〜PLgを設ける構成としたが、光路を1カ所とし、照明系モジュール及び投影光学モジュールを1つずつ有する構成であってもよい。すなわち、マスクのパターン像の一部が重複して露光されるように複数回の走査露光に分けて継ぎ露光を行う露光方法及び露光装置に対して適用することができる。
一方、並列する複数の光路は7カ所に限らず、例えば6カ所以下や8カ所以上とする構成であってもよい。
【0125】
上記実施形態において、投影領域における露光光ELの光量に関する情報を検出するために設けられたディテクタ41は1つであるが、基準位置に対する位置が予め分かっているディテクタを複数設ける構成とすることも可能である。そして、この複数設けられたディテクタを用いて、各境界部51a〜51lにおける照度Wa〜Wlを同時に検出する構成とすることが可能である。この場合、各投影領域50a〜50g及び境界部51a〜51lの照度計測や、境界部51a〜51lの位置検出を高速に行うことができ、作業性が向上する。
【0126】
上記実施形態において、キャリブレーションを行う際、ディテクタ41によって照度検出を行い、この検出結果に基づいてキャリブレーションを行う構成であるが、キャリブレーション時に実際にテスト用感光基板に対して露光処理を行い、形成されたパターンの形状を計測し、この計測結果に基づいてキャリブレーションを行うようにしてもよい。
【0127】
なお、上記実施形態において、一回目の走査露光終了後、二回目の走査露光をするためのステップ移動後の感光基板Pの位置合わせは、マスクMに形成されているマスク位置合わせマーク60と、感光基板Pに形成されている基板位置合わせマーク72とを用いて行われるが、キャリブレーション時において、ステップ移動距離を予め設定し、この設定した結果に基づいてステップ移動するようにいしてもよい。
【0128】
また、液晶デバイス(半導体デバイス)は複数の材料層を積層することにより形成されるが、例えば第2層目以降を露光処理するに際し、現象処理や各熱処理によって感光基板Pが変形する場合がある。この場合は、キャリブレーション時において感光基板Pのスケーリングなど像特性の変化分を求めて補正値(オフセット値)を算出し、この補正値に基づいてステップ移動すればよい。更に、この場合も、上述したように、ローテーション、シフトなどの各像特性の変化分に応じて、ブラインド30や遮光板40の位置を駆動して投影領域を設定し、継ぎ露光の制御を行うことができる。
【0129】
なお、上記実施形態おける光源1は一つであるが、光源1を一つではなく、各光路毎に設けたり、複数の光源を設け、ライトガイド等を用いて複数の光源(または一つ)からの光束を一つに合成し、再び各光路毎に光を分配させる構成であってもよい。この場合、光源の光量のばらつきによる悪影響を排除できるとともに、光源の一つが消えても全体の光量が低下するだけであり、露光されたデバイスが使用不能になってしまうことを防止できる。また、光源1を複数設けて光束を合成して分配する際、照射される露光光ELの照射量は、NDフィルタなどの透過する光量を変えるフィルタを光路中に挿入することにより所望の照射量となるように調整し、各投影領域50a〜50gにおける露光光ELの照射量を制御するようにしてもよい。
【0130】
上記実施形態では、二回の走査露光により感光基板P上に画面を合成する構成としたが、これに限られるものではなく、例えば、三回以上の走査露光により感光基板P上に画面を合成するような構成であってもよい。
【0131】
なお、上記実施形態では、投影光学系PLが複数(PLa〜PLg)に分かれたものについて説明したが、図7より容易に分かるように、視野絞り20と第1の遮光板40とで形成される矩形のスリットを持つシングルレンズの投影光学系PLを持つ露光装置や、矩形ではなく円弧スリットの露光領域を持つ露光装置に対しても適用可能で、ブラインド30を露光領域に対して移動させることにより、任意の位置で継ぎが可能となる。
【0132】
上記実施形態では、ブラインド30は、+X側及び−X側のそれぞれに1つずつ(合計2つ)設けられている構成であるが、複数の投影光学モジュールPLa〜PLgの間を1つのブラインド30が移動する構成とすることも可能である。例えば、図20(a)に示すように、−X側の投影光学モジュールPLa、PLc、PLe、PLgと、+X側の投影光学モジュールPLb、PLd、PLfとの間に、フォーカス検出系110(AFユニットU)が配置されない構成である場合、+X側の投影光学モジュールと−X側の投影光学モジュールとがブラインドユニット120を共有し、これら複数の投影光学モジュールPLa〜PLgが1つのブラインド30を共用する構成とすることができる。この場合、図20(b)に示すように、ブラインド駆動装置31の一部を構成するガイド部31Aは、ブラインドユニット120内部において、−X側の投影光学モジュールと+X側の投影光学モジュールとの間に配置されており、ブラインド30はこのガイド部31Aに沿ってY軸方向に移動可能であるとともに、回転機構31Bにより、パターン像の像面と平行な平面であるXY平面内で180度回転可能であり、+X側及び−X側それぞれの投影光学モジュールに配置可能である。
【0133】
図21は、図20を参照して説明したブラインド30を使って三回の走査露光でマスクM上のパターンを3つの分割パターンPa、Pb、Pcに分割して感光基板P上で合成した例を示す図である。
図21(a)に示すように、パターンPaを露光するには、ブラインド30及びこのブラインド30の減光部30Aが投影光学モジュールPLfに対応する開口Kに配置されて継ぎ部80aが形成され、投影領域50fの一部が遮光されつつパターンPaが感光基板P上に露光される。このとき、投影領域50gに対応する光路は照明系モジュールIMgの照明シャッタ6で遮光されている。次いで、図21(b)に示すように、パターンPbを露光する際には、投影領域50aに対応する光路が照明系モジュールIMaの照明シャッタ6で遮光されて継ぎ部80bが形成されるとともに、ブラインド30及びこのブラインド30の減光部30Aが投影光学モジュールPLfに対応する開口Kに配置されて継ぎ部80cが形成され、投影領域50fの一部を遮光しつつパターンPbが感光基板P上に露光される。このとき、投影領域50gに対応する光路は照明シャッタ6で遮光されている。次いで、図21(c)に示すように、パターンPcを露光する際には、ブラインド30がXY平面内で180度回転される。そして、ブラインド30及びこのブラインド30の減光部30Bが投影光学モジュール50eに対応する開口部Kに配置されて継ぎ部80dが形成され、投影領域50eの一部が遮光されつつパターンPcが感光基板P上に露光される。このとき、投影領域50a、50b、50c、50dに対応する光路は照明系モジュールIMa、IMb、IMc、IMdの照明シャッタ6で遮光されている。なお、マスクMのパターンの周辺には、特定の形状周期を有する回路パターンとしての周期パターン81が形成されている。このような周期パターン81を継ぎ露光する場合において、従来では、各投影領域に応じて継ぎ部が設定されていたので継ぎ部の位置を任意に設定できず、周期パターン81を継ぎ露光するのに困難であったが、本発明では、移動可能なブラインド30によって継ぎ部の位置を任意に設定できる。そして、ブラインド30を台形状の板部材により構成し、Y軸方向の互いに対向する辺に減光部30A、30Bが設けられている構成であるので、ブラインド30をXY平面内において180度回転することで、+X側及び−X側の投影光学モジュールに対応する投影領域を所望の状態で遮光することができる。
【0134】
図22は、1つのマスクM上のパターンを適宜分割及び合成することで、1つの感光基板P上に異なる大きさのパターンを複数形成する例を示す図である。ここでは、感光基板P上に、第1の大きさを有するパターンPdを3つ、第2の大きさを有するパターンPeを3つ形成する場合について説明する。なお、パターンPdは、例えば縦横比が4:3の30インチ液晶ディスプレイパネルを製造するためのパターンであり、パターンPeは、例えば縦横比が16:9の37インチ液晶ディスプレイパネルを製造するためのパターンである。
まず、図22(a)に示すように、マスクM上のパターンの全てが感光基板P上に露光される。このとき、ブラインド30は露光光ELの光路上より退避している。そして、このマスクMのパターンが感光基板P上に露光され、感光基板P上には、第1の大きさを有するパターンPdが3つ形成される。
【0135】
次いで、図22(b)に示すように、投影領域50eに対応する光路上にブラインド30が配置され、投影領域50eの一部がブラインド30及びこの減光部30Bにより遮光される。このとき、投影領域50f、50gに対応する光路は照明シャッタ6で遮光されている。そして、この状態でマスクM上のパターンを感光基板Pに露光することにより、感光基板P上にはパターンPaが転写される。次いで、図22(c)に示すように、投影領域50cに対応する光路上にブラインド30が配置され、投影領域50cの一部がブラインド30及びこの減光部30Aにより遮光される。このとき、投影領域50a、50bに対応する光路は照明シャッタ6で遮光されている。そして、この状態でマスクM上のパターンを感光基板Pに露光することにより、感光基板P上には、先に感光基板P上に転写されたパターンPaに対して、次のパターンPbが継ぎ合わされるように露光され、パターンPa、Pbが感光基板P上で合成されることにより、パターンPeが形成される。
以上説明したように、ブラインド30を使って継ぎ部を任意に設定しつつ露光することにより、1つの感光基板P上に互いに大きさが異なるパターンPd、Peを形成することができる。
【0136】
なお、上記実施形態では、ブラインド30は1つ(あるいは2つ)設けられた構成であるが、もちろん、3つ以上の任意の数だけ設けることができる。例えば、各投影光学モジュールPLa〜PLgのそれぞれに対応するように複数(7つ)のブラインド30を設け、図23に示すように、各ブラインド30で投影領域50a〜50gそれぞれのX軸方向の幅を任意の値に設定できる。例えば、投影領域50a〜50gそれぞれのX軸方向の幅をブラインド30を使って狭くすることで、感光基板P上で所定の露光量(積算露光量)を得るための感光基板P(基板ステージPST)の走査速度を低減することができる。したがって、感光基板Pの移動に伴う振動の発生を抑えることができる。逆に、投影領域50a〜50gそれぞれのX軸方向の幅をブラインド30を使って広くすることで、走査速度を高速化でき、スループットを向上することができる。
【0137】
なお、上記実施形態では、ブラインド30を台形状の板部材とし、このブラインド30をXY平面内においてほぼ180度回転することで、−X側の投影光学モジュールと+X側の投影光学モジュールとのそれぞれに配置可能となっているが、上記実施形態の台形状のブラインド30の長辺どうしを接続して、図24に示すように、平面視六角形状の板部材からなるブラインド30Tとすることにより、XY平面内において回転させなくても、この六角形状のブラインド30TをXY方向に並進移動するだけで、−X側及び+X側それぞれの投影光学モジュールに対応する投影領域を所望の状態で遮光できる。ここで、図24に示すブラインド30Tは、減光部を4箇所に設けられた構成となっている。このように、減光部は4箇所でもよく、任意の複数箇所に設けることができる。
【0138】
上記実施形態において、ブラインド30の減光部30A、30Bは、その端部におけるX軸方向の幅がY軸方向に向かって漸次縮小するように斜めに形成された斜めブラインドであるが、走査することにより重複領域でのY軸方向における積算露光量をほぼ連続的に減衰させるものであればいいので、例えば、図25に示すように、X軸方向の幅がY軸方向に向かって漸次縮小するように斜めに形成された複数の鋸歯状としてもよい。この場合、鋸歯部分のY軸方向における形成範囲が、重複領域のY軸方向における長さLKである。なお、図25は、投影領域50f、50gに対応する照明シャッタ6が光路を遮光している状態を示している。
【0139】
図26は、第2遮光部材としてのブラインドの他の実施形態を示す図である。図26に示すブラインド30Gは、ガラス基板に遮光のためのパターンであるクロムのドットパターンを設けた遮光する部分と、透過する部分との間で連続的に透過率を変えた部材である。ブラインド30Gは少なくともY軸方向に移動可能となっており、光を遮光する遮光部77と、光を所定の透過率分布で透過可能な透過部であるフィルタ部(減光部)78とを有している。遮光部77は、ガラス基板に遮光性材料であるクロム膜を設け、透過率をほぼ0%に設定した領域である。フィルタ部78は、遮光性材料であるクロムのドットを密度を変化させながらガラス基板に蒸着することにより、遮光部77との境界部からブラインド30Gの周囲(先端部)に向かうに従い、透過率を0〜100%に連続的に漸次変化させた領域である。ここで、フィルタ部78におけるクロムのドットは露光装置EXの解像限界以下の大きさに設定されている。
【0140】
このように、ブラインド30Gに、光量分布調整用のフィルタ部78を設けることによっても、パターン像の重複領域での積算露光量をほぼ連続的に減衰させることができる。そして、フィルタ部78を、ガラス基板にクロムのドットパターンを蒸着によって形成することにより、光量分布の調整を分子レベルで精度良く行うことができるので、継ぎ露光を行うに際し、重複領域における露光量調整を精度良く行うことができる。
【0141】
図27は、ブラインド30G(フィルタ部78)を位置合わせする動作の一例を説明するための模式図である。図27(a)に示すように、フィルタ部78に対して光束(例えば露光光EL)を照射し、このフィルタ部78を通過した光束を照度検出可能な撮像素子からなるディテクタ41で受光する。ディテクタ41は、図27(b)に示すように、フィルタ部78に応じた光量分布の検出信号を制御装置CONTに出力する。このときディテクタ41の位置は所定位置に対して固定されており、制御装置CONTは、ディテクタ41の検出信号に基づいて、所定位置に対する例えば50%光量に相当するフィルタ部78の位置を求める。こうして、制御装置CONTは、所定位置に対するフィルタ部78(ブラインド30G)の位置を求め、このフィルタ部78を有するブラインド30Gを所定位置に対して位置合わせする。
【0142】
上記各実施形態において、重複領域の露光量分布を調整するために、斜めブラインドや鋸歯状ブラインドあるいは所定の透過率分布を有するフィルタ部78を備えたブラインドを用いているが、ブラインドの光路方向における位置を調整することによって、重複領域の露光量分布を調整することもできる。すなわち、図28(a)に示すように、ブラインド30を、マスクMに対して共役な位置から若干ずれた位置に配置する(デフォーカスさせる)ことにより、ブラインド30のエッジ部を通過した露光光ELは拡散し、マスクMを所定の光量分布で照射する。ここで、このときの拡散光のマスクM上における幅(すなわち、重複領域となるべき幅)LKは、照明光学系ILの開口数をNAとし、マスクM上αの位置にブラインド30を配置した場合において、LK=2×α×NA となる。そして、図28(b)に示すように、幅LKにおける光量分布はY軸方向に連続的に減衰する光量分布を有する。このように、ブラインド30の光路方向(Z軸方向)における位置を調整することによっても、所望の幅LKを有する重複領域を形成できる。
【0143】
なお、上記実施形態において、視野絞り20と遮光板40とによって形成される開口K(投影領域50)の形状は台形状であるが、六角形や菱形、あるいは図29に示すように平行四辺形状であっても構わない。この場合、ブラインド30は、この平行四辺形状の開口Kに応じた平行四辺形状の板部材とすることができる。一方、開口Kを台形状とすることにより、継ぎ露光を容易に円滑に行うことができる。
【0144】
本実施形態の露光装置EXとして、投影光学系を用いることなくマスクMと感光基板Pとを密接させてマスクMのパターンを露光するプロキシミティ露光装置にも適用することができる。
【0145】
露光装置EXの用途としては、角型のガラスプレートに液晶表示素子パターンを露光する液晶用の露光装置に限定されることなく、例えば、半導体ウエハに回路パターンを露光する半導体製造用の露光装置や、薄膜磁気ヘッドを製造するための露光装置にも広く適当できる。
【0146】
本実施形態の露光装置EXの光源は、g線(436nm)、h線(405nm)、i線(365nm)のみならず、KrFエキシマレーザ(248nm)、ArFエキシマレーザ(193nm)、F2レーザ(157nm)などを用いることもできる。
【0147】
投影光学系PLの倍率は等倍系のみならず縮小系および拡大系のいずれでもよい。
【0148】
投影光学系PLとしては、エキシマレーザなどの遠紫外線を用いる場合は硝材として石英や蛍石などの遠紫外線を透過する材料を用い、F2レーザやX線を用いる場合は反射屈折系または屈折系の光学系にする。
【0149】
基板ステージPSTやマスクステージMSTにリニアモータを用いる場合は、エアベアリングを用いたエア浮上型およびローレンツ力またはリアクタンス力を用いた磁気浮上型のどちらを用いてもいい。また、ステージは、ガイドに沿って移動するタイプでもいいし、ガイドを設けないガイドレスタイプでもよい。
【0150】
ステージの駆動装置として平面モ−タを用いる場合、磁石ユニット(永久磁石)と電機子ユニットのいずれか一方をステージに接続し、磁石ユニットと電機子ユニットの他方をステージの移動面側(ベース)に設ければよい。
【0151】
基板ステージPSTの移動により発生する反力は、特開平8−166475号公報に記載されているように、フレーム部材を用いて機械的に床(大地)に逃がしてもよい。本発明は、このような構造を備えた露光装置においても適用可能である。
【0152】
マスクステージMSTの移動により発生する反力は、特開平8−330224号公報に記載されているように、フレーム部材を用いて機械的に床(大地)に逃がしてもよい。本発明は、このような構造を備えた露光装置においても適用可能である。
【0153】
以上のように、本願実施形態の露光装置は、本願特許請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
【0154】
半導体デバイスは、図30に示すように、デバイスの機能・性能設計を行うステップ201、この設計ステップに基づいたマスクを製作するステップ202、デバイスの基材である基板を製造するステップ203、前述した実施形態の露光装置によりマスクのパターンを基板に露光する基板処理ステップ204、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程を含む)205、検査ステップ206等を経て製造される。
【0155】
【発明の効果】
本発明によれば、第2遮光部材によりパターン像の継ぎ部分である重複領域を任意に設定でき、基板に形成されるパターンの大きさを任意に設定できる。また、第2遮光部材により重複領域における露光量を所望の値に設定でき、重複領域と重複領域以外との露光量を一致させることができる。したがって、基板上に様々な大きさのパターンを効率良く且つ精度良く形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の露光装置の一実施形態を示す概略斜視図である。
【図2】投影光学系とブラインドユニットとの位置関係を示す模式図である。
【図3】本発明の露光装置の一実施形態を示す概略構成図である。
【図4】フィルタを説明するための平面図である。
【図5】視野絞りと第1遮光部材と第2遮光部材とを説明するための模式図である。
【図6】視野絞りと第1遮光部材と第2遮光部材とを説明するための模式図である。
【図7】視野絞りと第1遮光部材と第2遮光部材とを説明するための模式図である。
【図8】第2遮光部材が回転することにより投影領域が変化する様子を説明するための模式図である。
【図9】投影光学系で設定される投影領域を示す図である。
【図10】マスクと投影領域との関係を示す平面図である。
【図11】感光基板と投影領域との関係を示す平面図である。
【図12】露光動作のシーケンスを示すフローチャート図である。
【図13】マスク位置合わせマークと第2遮光部材とを位置合わせする様子を説明する模式図である。
【図14】マスク位置合わせマークと基板位置合わせマークとを位置合わせする様子を説明する模式図である。
【図15】重複領域において露光量が制御される様子を説明するための図である。
【図16】第2遮光部材の位置を検出する動作の一例を示す模式図である。
【図17】第2遮光部材の位置を検出する動作の一例を示す模式図である。
【図18】位置変化した投影領域に対する第2遮光部材の位置関係を説明するための図である。
【図19】継ぎ露光を行う際の他の実施形態を示す平面図である。
【図20】ブラインドユニットの他の実施形態を示す模式図である。
【図21】継ぎ露光を行う際の他の実施形態を示す平面図である。
【図22】継ぎ露光を行う際の他の実施形態を示す平面図である。
【図23】第2遮光部材が第1の方向に移動する様子を示す図である。
【図24】第2遮光部材の他の実施形態を示す図である。
【図25】第2遮光部材の他の実施形態を示す図である。
【図26】第2遮光部材の他の実施形態を示す図である。
【図27】フィルタ部を有する第2遮光部材の位置検出動作を説明するための模式図である。
【図28】重複領域を設定する際の他の実施形態を示す図である。
【図29】第2遮光部材の他の実施形態を示す図である。
【図30】半導体デバイス製造工程の一例を示すフローチャート図である。
【図31】従来の継ぎ露光方法を示す図である。
【図32】従来の継ぎ露光方法を示す図である。
【符号の説明】
20…視野絞り、30…ブラインド(第2遮光部材)、
30A、30B…減光部、31…ブラインド駆動装置(補正装置)、
40…遮光板(第1遮光部材)、
41…ディテクタ(位置検出装置、補正装置)、46,47…分割パターン、
48,49…重複領域、50a〜50g…投影領域(パターン像)、
52a〜52f…重複領域(継ぎ部)、
60A,60B…マスク位置合わせマーク、62,63…分割パターン、
64…重複領域(継ぎ部)、70…発光部(位置検出装置)、
71…受光部(位置検出装置)、72…基板位置合わせマーク、
78…フィルタ部(減光部)、
CONT…制御装置(位置検出装置、補正装置)、EL…露光光、
EX…露光装置、IL…照明光学系、IMa〜IMg…照明系モジュール、
Lx…パターン像の走査方向の幅、
Ly…パターン像の走査方向と直交する方向の幅、M…マスク、
MST…マスクステージ、P…感光基板(基板)、PL…投影光学系、
PLa〜PLg…投影光学モジュール(投影光学系)、
PST…基板ステージ、X…走査方向、Y…非走査方向
【発明の属する技術分野】
本発明は、マスクと基板とを同期移動しつつマスクのパターンを基板に露光する露光装置及び露光方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示デバイスや半導体デバイスは、マスク上に形成されたパターンを感光基板上に転写する、いわゆるフォトリソグラフィの手法により製造される。このフォトリソグラフィ工程で使用される露光装置は、感光基板を載置して2次元移動する基板ステージとパターンを有するマスクを載置して2次元移動するマスクステージとを有し、マスク上に形成されたパターンをマスクステージ及び基板ステージを逐次移動しながら投影光学系を介して感光基板に転写するものである。そして、露光装置としては、感光基板上にマスクのパターン全体を同時に転写する一括型露光装置と、マスクステージと基板ステージとを同期走査しつつマスクのパターンを連続的に感光基板上に転写する走査型露光装置との2種類が主に知られている。このうち、液晶表示デバイスを製造する際には、表示領域の大型化の要求から走査型露光装置が主に用いられている(特許文献1参照)。
【0003】
走査型露光装置には、複数の投影光学系を、隣り合う投影領域が走査方向で所定量変位するように、且つ隣り合う投影領域の端部どうしが走査方向と直交する方向に重複するように配置した、いわゆるマルチレンズ方式の走査型露光装置(マルチレンズスキャン型露光装置)がある。マルチレンズ方式の走査型露光装置は、良好な結像特性を維持しつつ、装置を大型化せずに大きな露光領域を得ることができる。上記走査型露光装置における各投影光学系の視野絞りは、例えば台形形状で、走査方向の視野絞りの開口幅の合計は常に等しくなるように設定されている。そのため、隣り合う投影光学系の継ぎ部が重複して露光されるので、上記走査型露光装置は、投影光学系の光学収差や露光照度が滑らかに変化するという利点を有している。
【0004】
そして、走査型露光装置においては、マスクと感光基板とを同期移動して走査露光を行った後に、これらマスクと感光基板とを走査方向と直交する方向にステップ移動し、複数回の走査露光を行ってパターンの一部を重複させて露光し、これらパターンを継ぎ合わせて合成することにより、大きな表示領域を有する液晶表示デバイスを製造している。
【0005】
走査露光とステップ移動とを繰り返すことにより感光基板上でパターン合成を行う方法としては、例えば、マスクに複数の分割パターンを形成しておき、これら分割パターンを感光基板上で継ぎ合わせる方法や、マスクのパターン像を複数の投影領域に分割し、これら分割した投影領域を感光基板上で継ぎ合わせる方法などがある。前者の方法は、例えば図31に示すように、マスクMに3つの分割パターンPa、Pb、Pcを形成しておき、これら各分割パターンPa、Pb、Pcを感光基板Pに順次露光し、感光基板P上で継ぎ合わせる方法である。
【0006】
一方、後者の方法は、例えば図32に示すように、マスクMに形成されているパターンに対する露光光の照射領域を走査露光毎に変更し、これら照射領域に対応する投影領域で感光基板P上に順次走査露光し、パターン合成を行うものである。ここで、投影光学系は5つ設けられ、図32(a)に示すように、それぞれの投影領域100a〜100eは台形形状に設定されており、走査方向(X軸方向)の積算露光量が常に等しくなるように、それぞれの端部をY軸方向に重ね合わせるように配置され、X軸方向の投影領域の幅の総計が等しくなるように設定されている。そして、感光基板Pにパターンを露光する際には、複数の投影領域100a〜100eのうち、所定の投影領域に対応する光路をシャッタで遮光してマスクMの所定の領域のみが露光光で照射されるようにし、複数回の走査露光において投影領域の端部どうしが重複するように露光する。具体的には、図32(b)に示すように、一回目の走査露光における投影領域100dの−Y側の端部a1と、二回目の走査露光における投影領域100bの+Y側の端部a2とが重複するように露光される。同様に、二回目の走査露光における投影領域100cの−Y側の端部a3と、三回目の走査露光における投影領域100bの+Y側の端部a4とが重複するように露光される。このとき、一回目の走査露光においては投影領域100eが遮光され、二回目の走査露光においては投影領域100a、100d、100eが遮光され、三回目の走査露光においては投影領域100aが遮光される。
【0007】
ここで、一回目の走査露光によって感光基板P上に形成される分割パターンのY軸方向の長さL12は、投影領域100aの短辺の+Y方向端点と投影領域100dの長辺の−Y方向端点との間のY軸方向における距離である。二回目の走査露光によって感光基板P上に形成される分割パターンのY軸方向の長さL13は、投影領域100bの長辺の+Y方向端点と投影領域100cの長辺の−Y方向端点との間のY軸方向における距離である。三回目の走査露光によって感光基板P上に形成される分割パターンのY軸方向の長さL14は、投影領域100bの長辺の+Y方向端点と投影領域100eの短辺の−Y方向端点との間のY軸方向における距離である。このように、それぞれの分割パターンのサイズ(Y軸方向の長さL12、L13、L14)は、台形形状の投影領域の長辺及び短辺のサイズに基づくものである。
【0008】
【特許文献1】
特開2001−296667号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したような従来の走査型露光方法及び走査型露光装置には、以下のような問題が存在する。
図31に示した方法では、マスクM上に複数の独立した分割パターンを形成するため、マスクM上におけるパターン構成に制約がある。更に、分割パターン毎に走査露光を行うため、走査露光回数が増加し、スループットが低下する。
【0010】
また、図32に示した方法では、複数回の走査露光によってパターン合成を行う際、上述したように、それぞれの分割パターンのサイズ(Y軸方向の長さL12、L13、L14)は、台形形状の投影領域の長辺及び短辺のサイズに基づくものである。すなわち、図32に示した方法では、感光基板P上に形成されるパターンの大きさは投影領域の大きさ、ひいては視野絞りの大きさ(形状)によって限定されてしまう。更に、分割パターンの継ぎ合わせは、台形形状の投影領域の端部のみにおいて行われるので、パターンの分割位置も限定される。このように、従来の方法では、パターンの分割位置や、感光基板P上に形成されるパターンの大きさが限定されてしまい、任意のデバイス作成が困難となる。
【0011】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、分割パターンの一部を重複させつつ感光基板上で継ぎ合わせて露光する際、感光基板に形成されるパターンの大きさを任意に設定できるとともに、マスク上におけるパターンの分割位置を任意に設定でき、効率良いデバイス製造を実現できる露光装置及び露光方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため本発明は、実施の形態に示す図1〜図30に対応付けした以下の構成を採用している。
本発明の露光装置(EX)は、マスク(M)と基板(P)とを第1の方向(X)に同期移動しつつマスク(M)を露光光(EL)で照明し、先に基板(P)上に転写されたマスク(M)のパターン像(50a〜50g、62)に対して次に転写するマスク(M)のパターン像(50a〜50g、63)の一部を重複するように露光する露光装置において、基板(P)上に転写されるパターン像(50a〜50g)の第1の方向(X)における幅(Lx)を設定する視野絞り(20)と、パターン像(50a〜50g)の第1の方向(X)と直交する第2の方向(Y)における幅(Ly)を設定する第1遮光部材(40)と、パターン像(50a〜50g)の重複領域(48、49、64)を設定するとともに、パターン像(50a〜50g)の重複領域(48、49、64)の積算露光量をパターン像(50a〜50g)の周辺に向かうに従い漸次減衰させる減光部(30A、30B)を有する第2遮光部材(30)とを有し、減光部(30A、30B)は、第2遮光部材(30)の少なくとも2箇所に設けられていることを特徴とする。
本発明の露光方法は、マスク(M)と基板(P)とを第1の方向(X)に同期移動しつつマスク(M)を露光光(EL)で照明し、先に基板(P)上に転写されたマスク(M)のパターン像(50a〜50g、62)に対して次に転写するマスク(M)のパターン像(50a〜50g、63)の一部を重複するように露光する露光方法において、基板(P)上に転写されるパターン像(50a〜50g)の第1の方向(X)における幅(Lx)を視野絞り(20)で設定し、パターン像(50a〜50g)の第1の方向(X)と直交する第2の方向(Y)における幅(Ly)を第1遮光部材(40)で設定し、パターン像(50a〜50g)の重複領域(48、49、64)の積算露光量をパターン像(50a〜50g)の周辺に向かうに従い漸次減衰させる減光部(30A、30B)を少なくとも2箇所に有する第2遮光部材(30)でパターン像(50a〜50g)の重複領域(48、49、64)を設定することを特徴とする。
【0013】
本発明によれば、視野絞り及び第1遮光部材によって、基板(感光基板)上におけるパターン像の第1の方向及び第1の方向と直交する第2の方向の幅を設定し、この設定されたパターン像を基板上で継ぎ合わせる際、第2遮光部材を所定の位置に配置することにより、基板に対して露光光が照射される領域(投影光学系を備えた露光装置の場合は基板上での投影領域)を任意に設定できる。したがって、パターン像の継ぎ部分である重複領域を任意に設定でき、基板に形成されるパターンの大きさを任意に設定できる。また、第2遮光部材には、パターン像の重複領域の積算露光量をパターン像の周辺に向かうに従い漸次減衰させる減光部が少なくとも2箇所に設けられているので、2箇所の減光部のうちいずれか一方の減光部を使って重複領域の位置や露光量を所望の状態に設定でき、重複領域と重複領域以外との露光量を一致させることができる。したがって、精度良い露光処理を行うことができる。そして、第2遮光部材を任意の位置に移動することにより、基板に対する露光光の照射領域の大きさや形状を任意に設定でき、継ぎ露光する際の継ぎ合わせ精度の向上や、露光量の均一化を実現できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の露光装置について図面を参照しながら説明する。図1は本発明の露光装置の一実施形態を示す概略斜視図である。
図1において、露光装置EXは、マスクMを支持するマスクステージMSTと、感光基板(基板)Pを支持する基板ステージPSTと、マスクステージMSTに支持されているマスクMを露光光ELで照明する照明光学系ILと、露光光ELで照明されたマスクMのパターン像を基板ステージPSTに支持されている感光基板Pに投影露光する投影光学系PLと、露光装置EXの動作を統括制御する制御装置CONTとを備えている。感光基板Pはガラスプレート(ガラス基板)に感光剤(フォトレジスト)を塗布したものである。投影光学系PLは複数(7つ)の投影光学モジュールPLa〜PLgにより構成され、本実施形態における露光装置EXは、この投影光学系PL(PLa〜PLg)に対してマスクMと感光基板Pとを所定方向(第1の方向)に同期移動しつつマスクMを露光光ELで照明し、マスクMのパターン像を感光基板Pに露光する、所謂マルチレンズスキャン型露光装置である。
【0015】
ここで、以下の説明において、マスクMと感光基板Pとの同期移動方向(走査方向、第1の方向)をX軸方向、水平面内において前記走査方向と直交する方向をY軸方向(非走査方向、第2の方向)、X軸方向及びY軸方向に直交する方向をZ軸方向とする。また、X軸、Y軸、及びZ軸の軸線まわり方向を、それぞれθX、θY、及びθZ方向とする。
【0016】
マスクMを支持するマスクステージMSTは、一次元の走査露光を行うべくX軸方向に長いストロークと、走査方向と直交するY軸方向に所定距離のストロークとを有している。また、マスクステージMSTはZ軸方向及びθZ方向にも微動可能である。マスクステージMSTは、このマスクステージMSTを移動するリニアモータ等により構成されるマスクステージ駆動部MSTDを備えている。マスクステージ駆動部MSTDは制御装置CONTにより制御される。マスクステージMST上のX軸及びY軸方向のそれぞれの端縁には、直交する方向に移動鏡32a、32bがそれぞれ設置されている。移動鏡32aにはレーザ干渉計33aが対向して配置され、移動鏡32bにはレーザ干渉計33bが対向して配置されている。これらレーザ干渉計33a、33bは移動鏡32a、32bのそれぞれにレーザ光を照射し、移動鏡32a、32bとの間の距離を計測することにより、マスクステージMSTのX軸及びY軸方向の位置、すなわちマスクMの位置を高分解能、高精度に検出可能となっている。レーザ干渉計33a、33bの検出結果は制御装置CONTに出力される。制御装置CONTはレーザ干渉計33a、33bの出力からマスクステージMSTの位置をモニタし、マスクステージ駆動部MSTDを制御することでマスクステージMSTを所望の位置へ移動する。
【0017】
マスクMを透過した露光光ELは、投影光学系PL(投影光学モジュールPLa〜PLg)にそれぞれ入射する。この投影光学モジュールPLa〜PLgは、マスクMの照射範囲に存在するパターン像を感光基板Pに結像させ、感光基板Pの特定領域にパターン像を投影露光するものである。投影光学モジュールPLa〜PLgのそれぞれは定盤150に支持されており、定盤150は不図示のコラムに支持されている。複数の投影光学モジュールPLa〜PLgのうち、投影光学モジュールPLa、PLc、PLe、PLgと投影光学モジュールPLb、PLd、PLfとが2列に千鳥状に配列されている。各投影光学モジュールPLa〜PLgを透過した露光光ELは、感光基板P上の異なる投影領域50a〜50gにマスクMの照射領域に対応したパターン像を所定の結像特性で結像する。
【0018】
感光基板Pを支持する基板ステージPSTは基板ホルダPHを有しており、この基板ホルダPHを介して感光基板Pを保持する。基板ステージPSTは、マスクステージMSTと同様に、一次元の走査露光を行うべくX軸方向に長いストロークと、走査方向と直交するY軸方向にステップ移動するための長いストロークとを有している。また、基板ステージ駆動部PSTDは制御装置CONTによって制御される。基板ステージPSTはZ軸方向にも移動可能であり、更に、θX、θY、及びθZ方向にも移動可能である。そして、基板ステージPSTは、この基板ステージPSTを移動するリニアモータ等により構成される基板ステージ駆動部PSTDを備えている。
【0019】
基板ステージPST上のX軸及びY軸方向のそれぞれの端縁には、直交する方向に移動鏡34a、34bがそれぞれ設置されている。移動鏡34aにはレーザ干渉計35aが対向して配置され、移動鏡34bにはレーザ干渉計35bが対向して配置されている。これらレーザ干渉計35a、35bのそれぞれは、移動鏡34a、34bにレーザ光を照射してこれら移動鏡34a、34bとの間の距離を計測することにより、基板ステージPSTのX軸及びY軸方向の位置、すなわち感光基板Pの位置を高分解能、高精度に検出可能となっている。レーザ干渉計35a、35bの検出結果は制御装置CONTに出力される。制御装置CONTは、レーザ干渉計35a、35bの出力から基板ステージPSTの位置をモニターし、基板ステージ駆動部PSTDを制御することで基板ステージPSTを所望の位置へ移動可能となっている。
【0020】
また、−X側の投影光学モジュールPLa、PLc、PLe、PLgと、+X側の投影光学モジュールPLb、PLd、PLfとの間には、マスクMのパターン面及び感光基板Pの露光面のZ軸方向における位置を検出するフォーカス検出系110が設けられている。フォーカス検出系110を構成する光学素子はハウジング内部に配置されており、これら光学素子及びハウジングによりオートフォーカスユニット(AFユニット)Uが形成されている。フォーカス検出系110は、例えば、斜入射方式の焦点検出系の1つである多点フォーカス位置検出系によって構成される。フォーカス検出系110の検出結果は制御装置CONTに出力され、制御装置CONTは、フォーカス検出系110の検出結果に基づいて、マスクMのパターン面と感光基板Pの露光面とが常に所定の間隔になるように位置制御する。
【0021】
マスクステージ駆動部MSTD及び基板ステージ駆動部PSTDは制御装置CONTによりそれぞれ独立して制御され、マスクステージMST及び基板ステージPSTは、マスクステージ駆動部MSTD及び基板ステージ駆動部PSTDのそれぞれの駆動のもとでそれぞれ独立して移動可能となっている。そして、制御装置CONTは、マスクステージMST及び基板ステージPSTの位置をモニタしながら、両駆動部PSTD、MSTDを制御することにより、マスクMと感光基板Pとを投影光学系PLに対して、任意の走査速度(同期移動速度)でX軸方向に同期移動するようになっている。ここで、マスクステージMSTに支持されているマスクMと、基板ステージPSTに支持されている感光基板Pとは、投影光学系PLを介して共役な位置関係に配置される。
【0022】
図2(a)は定盤150に支持されている投影光学系PL(PLa〜PLg)を示す側面図である。
図2(a)に示すように、投影光学系PLを構成する複数の投影光学モジュールPLa〜PLgは定盤150に支持されている。定盤150は、不図示のコラム(支持構造体)にキネマティックに支持されている。複数の投影光学モジュールPLa〜PLgのうち投影光学モジュールPLa、PLc、PLe、PLgがY軸方向に並んで配置され、投影光学モジュールPLb、PLd、PLfがY軸方向に並んで配置されている。また、Y軸方向に並んだ投影光学モジュールPLa、PLc、PLe、PLgと、Y軸方向に並んだ投影光学モジュールPLb、PLd、PLfとはX軸方向において対向するように配置されており、全体で千鳥状に配置されている。千鳥状に配置されている投影光学モジュールPLa〜PLgのそれぞれは、隣合う投影光学モジュールどうし(例えば投影光学モジュールPLaとPLb、PLbとPLc)をY軸方向に所定量変位させて配置されている。
【0023】
定盤150は、例えばメタルマトリクス複合材(MMC:Metal Matrix Composites)により形成されている。メタルマトリクス複合材は金属をマトリクス材としてその中にセラミックス強化材を複合した複合材であり、ここでは金属としてアルミニウムを含むものが用いられている。定盤150の中央部には開口部150Aが形成されており、この開口部150Aにより投影光学モジュールPLa〜PLgそれぞれの露光光ELの光路が確保されている。ここで、定盤150は平面視において左右対称な六角形状(ホームベース状)に形成されており(図1参照)、Y軸方向に4つ並んだ投影光学モジュールPLa、PLc、PLe、PLgは定盤150の幅の広い部分で支持され、Y軸方向に3つ並んだ投影光学モジュールPLb、PLd、PLfは定盤150の幅の狭い部分で支持されている。すなわち、複数並んだ投影光学モジュールの数に応じて定盤150の形状が設定されており、これにより、投影光学モジュールPLa〜PLgを支持するのに十分な強度を得られる範囲において、使用材料が最小限に抑えられている。
【0024】
投影光学モジュールPLa〜PLgのそれぞれは、鏡筒PKと、鏡筒PKの内部に配置されている複数の光学素子(レンズ)とを有している。そして、投影光学モジュールPLa〜PLgのそれぞれは、定盤150に対して互いに独立して接続されており、又分離可能である。これにより、投影光学モジュールをモジュール単位で増減させることが可能となり、その場合において、投影光学モジュールの定盤150に対する取り付け・取り外し作業を容易に行うことができる。更に、投影光学モジュールPLa〜PLgのそれぞれを定盤150に対して互いに独立して接続及び分離可能としたことにより、定盤150の所定の基準位置(例えば開口部150Aの中心位置)に対してそれぞれ独立して位置決め可能であり、各投影光学モジュールPLa〜PLgの互いの相対位置を任意に設定することができる。
【0025】
投影光学系PLは、感光基板P上に転写されるマスクMのパターン像の走査方向(X軸方向)の幅を設定する視野絞り20と、視野絞り20とほぼ同じ位置に設けられ感光基板P上に転写されるマスクMのパターン像の非走査方向(Y軸方向)の幅を設定する遮光板(第1遮光部材)40と、感光基板P上に転写されるパターン像の重複領域を設定するブラインド(第2遮光部材)30とを備えている。これら視野絞り20、遮光板40、及びブラインド30は、マスクM及び感光基板Pに対してほぼ共役な位置に配置されており、定盤150に取り付けられたブラインドユニット120内に配置されている。ここで、ブラインドユニット120は、−X側の投影光学モジュールPLa、PLc、PLe、PLgと、+X側の投影光学モジュールPLb、PLd、PLfとのそれぞれに対応するように1つずつ、合計2つ設けられている。
【0026】
視野絞り20及び遮光板40は、各投影光学モジュールPLa〜PLgのそれぞれに設けられており、これら視野絞り20及び遮光板40により形成される開口Kによって、感光基板P上における投影領域50a〜50gのそれぞれの大きさ及び形状が設定される。本実施形態において、視野絞り20及び遮光板40により形成される投影領域50a〜50g(開口K)のそれぞれは平面視台形形状に設定される。一方、ブラインド30は、2つのブラインドユニット120のそれぞれに1つずつ設けられている。すなわち、ブラインド30は、−X側の投影光学モジュールPLa、PLc、PLe、PLgと、+X側の投影光学モジュールPLb、PLd、PLfとのそれぞれに対応するように1つずつ、合計2つ設けられている。
【0027】
図2(b)は、ブラインドユニット120を示す平面図である。ブラインドユニット120内において、各投影光学モジュールPLa〜PLgのそれぞれに設けられた視野絞り20遮光板40により、複数の開口Kが形成されている。ブラインド30は各ブラインドユニット120のそれぞれに1つずつ設けられている。ブラインドユニット120には、ブラインド30を、パターン像の像面と平行な平面内、本実施形態ではXY平面内で移動するブラインド駆動装置31が設けられている。ブラインド駆動装置31はリニアモータ等により構成されており、ガイド部31Aに沿ってブラインド30をY軸方向に長いストロークで移動可能であるとともに、X軸方向に関しても移動可能である。更に、ブラインド駆動装置31は回転機構31Bを有しており、ブラインド30はパターン像の像面と平行な平面内(XY平面内)で回転可能、つまりθZ方向に回転可能である。そして、ブラインド30はブラインド駆動装置31によりY軸方向に移動されることにより、複数の投影光学モジュールPLa〜PLgの間を移動可能となっている。本実施形態では、2つのブラインド30のうち一方(−X側)のブラインド30が投影光学モジュールPLa、PLc、PLe、PLgの間を移動可能であり、他方(+X側)のブラインド30が投影光学モジュールPLb、PLd、PLfの間を移動可能である。
【0028】
図3は露光装置EX全体の概略構成図である。図3に示すように、照明光学系ILは、超高圧水銀ランプ等からなる光源1と、光源1から射出された光束を集光する楕円鏡1aと、この楕円鏡1aによって集光された光束のうち露光に必要な波長の光束を反射し、その他の波長の光束を透過させるダイクロイックミラー2と、ダイクロイックミラー2で反射した光束のうち更に露光に必要な波長(通常は、g、h、i線のうち少なくとも1つの帯域)のみを通過させる波長選択フィルタ3と、波長選択フィルタ3からの光束を複数本(本実施形態では7本)に分岐して、反射ミラー5を介して各照明系モジュールIMa〜IMgに入射させるライトガイド4とを備えている。ここで、照明系モジュールIM(IMa〜IMg)は、複数設けられており、本実施形態では、投影光学モジュールPLa〜PLgに対応して7つ設けられている。但し、図3においては、便宜上照明系モジュールIMfに対応するもののみが示されている。そして、照明光学系IMa〜IMgのそれぞれは、X軸方向とY軸方向とに一定の間隔を持って、投影光学モジュールPLa〜PLgのそれぞれに対応して配置されている。これら複数の照明系モジュールIMa〜IMgのそれぞれから射出した露光光ELは、マスクM上の異なる小領域(照明光学系ILの照明領域)をそれぞれ照明する。
【0029】
照明系モジュールIMa〜IMgのそれぞれは、照明シャッタ6と、リレーレンズ7と、オプティカルインテグレータとしてのフライアイレンズ8と、コンデンサレンズ9とを備えている。照明シャッタ6は、ライトガイド4の光路下流側に、光路に対して進退自在に配置されている。照明シャッタ6は、光路に配置されたときに光束を遮光し、光路から退避したときに遮光を解除する。照明シャッタ6には、この照明シャッタ6を光束の光路に対して進退移動させるシャッタ駆動部6aが接続されている。シャッタ駆動部6aは制御装置CONTによって制御される。
【0030】
また、照明系モジュールIMa〜IMgのそれぞれには光量調整機構10が設けられている。この光量調整機構10は、光路毎に光束の照度を設定することによって各光路の露光量を調整するものであって、ハーフミラー11と、ディテクタ12と、フィルタ13と、フィルタ駆動部14とを備えている。ハーフミラー11は、フィルタ13とリレーレンズ7との間の光路中に配置され、フィルタ13を透過した光束の一部をディテクタ12へ入射させる。それぞれのディテクタ12は、常時、入射した光束の照度を独立して検出し、検出した照度信号を制御装置CONTへ出力する。
【0031】
図4に示すように、フィルタ13は、ガラス板13a上にCr等ですだれ状にパターンニングされたものであって、透過率がX軸方向に沿ってある範囲で線形に漸次変化するように形成されており、各光路中の照明シャッタ6とハーフミラー11との間に配置されている。
【0032】
図3に戻って、これらハーフミラー11、ディテクタ12及びフィルタ13は、複数の光路毎にそれぞれ配設されている。フィルタ駆動部14は、制御装置CONTの指示に基づいてフィルタ13をX軸方向に沿って移動する。そして、フィルタ13をフィルタ駆動部14によって移動することにより、各光路毎の光量が調整される。
【0033】
光量調整機構10を透過した光束はリレーレンズ7を介してフライアイレンズ8に達する。フライアイレンズ8は射出面側に二次光源を形成し、コンデンサレンズ9を介してマスクMの照射領域を均一な照度で照射することができる。そして、コンデンサレンズ9を通過した露光光ELは、照明系モジュールのうち、直角プリズム16と、レンズ系17と、凹面鏡18とを備えた反射屈折型光学系15を通過した後、マスクMを所定の照明領域で照明する。マスクMは、照明系モジュールIMa〜IMgを透過した各露光光ELによって異なる照明領域でそれぞれ照明される。
【0034】
投影光学モジュールPLa〜PLgのそれぞれは、像シフト機構19と、2組の反射屈折型光学系21、22と、視野絞り20と、視野絞り20とほぼ同じ位置に設けられた遮光板(第1遮光部材)40及びブラインド(第2遮光部材)30と、倍率調整機構23とを備えている。像シフト機構19は、例えば、2枚の平行平面板ガラスがそれぞれθY方向もしくはθX方向に回転することで、マスクMのパターン像をX軸方向もしくはY軸方向にシフトさせる。マスクMを透過した露光光ELは像シフト機構19を透過した後、1組目の反射屈折型光学系21に入射する。
【0035】
反射屈折型光学系21は、マスクMのパターンの中間像を形成するものであって、直角プリズム24とレンズ系25と凹面鏡26とを備えている。直角プリズム24はθZ方向に回転自在となっており、マスクMのパターン像を回転可能となっている。
【0036】
この中間像位置に視野絞り20が配置されている。視野絞り20は、感光基板P上での投影領域50a〜50gを設定するものであって、特に、感光基板P上におけるパターン像の走査方向(X軸方向)の幅を設定する。視野絞り20を透過した光束は、2組目の反射屈折型光学系22に入射する。反射屈折型光学系22は、反射屈折型光学系21と同様に、直角プリズム27とレンズ系28と凹面鏡29とを備えている。直角プリズム27もθZ方向に回転自在となっており、マスクMのパターン像を回転可能となっている。つまり、直角プリズム24、27により像ローテーション機構が構成されている。
【0037】
反射屈折型光学系22から射出した露光光ELは、倍率調整機構23を通過し、感光基板P上にマスクMのパターン像を正立等倍で結像する。倍率調整機構23は、例えば、平凸レンズ、両凸レンズ、平凸レンズの3枚のレンズから構成され、平凸レンズと平凹レンズとの間に位置する両凸レンズをZ軸方向に移動させることにより、マスクMのパターン像の倍率を変化させる。
【0038】
次に、視野絞り20、遮光板(第1遮光部材)40及びブラインド(第2遮光部材)30について、図5及び図6を参照しながら説明する。図5及び図6は、視野絞り20、遮光板40、ブラインド30のそれぞれと、投影光学系PL、マスクM、感光基板Pのそれぞれとの位置関係を示した模式図である。
図5には投影光学モジュールPLeが代表して示されており、視野絞り20は投影光学モジュールPLeに配置されており、スリット状の開口を有している。この視野絞り20は、感光基板P上における投影領域50(50e)の形状を設定するものであって、特に、パターン像としての投影領域50の走査方向(X軸方向)の幅Lxを設定するものである。視野絞り20は、投影光学系PL(PLe)のうち、マスクMと感光基板Pとに対してほぼ共役な位置関係に配置されている。
【0039】
遮光板(第1遮光部材)40も、感光基板P上における投影領域50の形状を設定するものであって、特に、パターン像としての投影領域50の非走査方向(Y軸方向)の幅Lyを設定するものである。遮光板40も投影光学モジュールPLeに設けられ、視野絞り20と重なり合うように配置されており、視野絞り20と遮光板40とによって形成される開口Kによって、感光基板P上における投影領域50の大きさ及び形状が設定される。本実施形態において、視野絞り20及び遮光板40によって形成される投影領域50は、平面視台形形状に設定される。ここで、視野絞り20に重なり合うように配置されている遮光板40も、投影光学系PL(PLe)のうち、マスクMと感光基板Pとに対してほぼ共役な位置関係に配置されている。
【0040】
遮光板40には遮光板用駆動機構(不図示)が設けられており、遮光板40は、遮光板用駆動機構の駆動のもとで、非走査方向(Y軸方向)に移動可能となっている。そして、遮光板40をY軸方向に移動することにより、例えば投影領域50eのY軸方向の幅Lyが任意に設定可能となっている。なお、遮光板40は固定されていてもよいが、移動することにより、投影領域50の設定の自由度が増す。
【0041】
ブラインド(第2遮光部材)30は、図2等に示したように、定盤150(投影光学系PL)に取り付けられたブラインドユニット120に設けられており、ブラインド駆動装置31によって複数の投影光学モジュールの間を移動可能となっている。ブラインド駆動装置31の駆動は制御装置CONTにより制御され、制御装置CONTはブラインド30を任意の位置に移動する。そして、ブラインド30は、図6に示すように、Y軸方向に移動することによって、視野絞り20と遮光板40とで形成される開口Kの一部を遮光し(なお、図6では、見やすいように開口Kのみが図示されており、視野絞り20及び遮光板40は図示されていない)、投影領域50の大きさ及び形状を任意に設定する。
【0042】
ブラインド30は、平面視台形状の板部材であって、そのY軸方向両端部30A、30BにおけるX軸方向の幅がY軸方向に向かって漸次縮小するように斜めに形成されている。換言すれば、ブラインド部30のY軸方向の互いに対向する辺が斜めになるように形成されている。そして、この斜め部(減光部)30A、30Bによって露光光ELを遮光することにより、投影領域50の形状が設定される。本実施形態において、視野絞り20と遮光板40とブラインド30とによって形成される投影領域50は、台形形状(平行四辺形形状)に設定される。
【0043】
ブラインド30は、投影光学PLのうち、マスクMと感光基板Pとに対してほぼ共役な位置関係に配置されている。すなわち、本実施形態において、視野絞り20と遮光板40とブラインド30とは、投影光学系PLを介して共役な位置関係に配置されているマスクMと感光基板Pとに対して、ほぼ共役な位置関係に配置されている。
【0044】
本実施形態において、ブラインド30は投影光学系PLの中間像位置に配置されており、図6に示すように、ブラインド30により中間像の−Y側を遮光することで、感光基板P上でのパターン像はその+Y側を遮光される。
【0045】
なお、視野絞り20と遮光板40とブラインド30とは、マスクMと感光基板Pとに対して、共役な位置関係に配置されていればよく、したがって、例えば図7に示すように、遮光板(第1遮光部材)40を照明光学系ILに配置してもよい。あるいは、ブラインド30を照明光学系ILに配置してもよい。あるいは、これら各部材20,30,40をマスクM又は感光基板Pに近接する位置に配置してもよい。すなわち、視野絞り20、遮光板40、ブラインド30のそれぞれは、マスクMと感光基板Pとに対して共役な位置(図3の符号A、B参照)であれば、露光光ELの光路上のいずれの位置に配置してもよい。また、ブラインド30は、共役面に対してデフォーカスした位置に配置しても光量和は一定になるので、フォーカス方向にずれた位置でも構わない。
【0046】
なお、図8に示すように、ブラインド30をθZ方向に回転することにより、投影領域50の形状を変更可能である。同様に、遮光板40をθZ方向に回転移動可能に設け、遮光板40をθZ方向に回転することでも投影領域50の形状を変更可能である。
【0047】
図9は、感光基板P上での投影光学モジュールPLa〜PLgの投影領域50a〜50gの平面図である。各投影領域50a〜50gは、視野絞り20及び遮光板40によって所定の形状(本実施形態では台形形状)に設定される。投影領域50a、50c、50e、50gと、投影領域50b、50d、50fとは、X軸方向に対向して配置されている。さらに、投影領域50a〜50gは、隣り合う投影領域の端部(境界部)どうし(51aと51b、51cと51d、51eと51f、51gと51h、51iと51j、51kと51l)が二点鎖線で示すように、Y軸方向に重なり合うように並列配置され、重複領域(継ぎ部)52a〜52fを形成する。そして、投影領域50a〜50gの境界部どうしをY軸方向に重なり合うように並列配置することにより、X軸方向の投影領域の幅の総計がほぼ等しくなるように設定されている。こうすることにより、X軸方向に走査露光したときの露光量が等しくなるようになっている。
【0048】
このように、各投影光学モジュールPLa〜PLgによる投影領域50a〜50gのそれぞれが重なり合う重複領域(継ぎ部)52a〜52fを設けることにより、継ぎ部52a〜52fにおける光学収差の変化や照度変化を滑らかにすることができる。ここで、継ぎ部52a〜52fのY軸方向における位置や幅は、遮光板40を移動することによって任意に設定可能である。
【0049】
また、図9の破線で示すように、2つのブラインド30のうち、一方(−X側)のブラインド30は±Y方向に移動して−X側の投影領域50a、50c、50e、50gの大きさ、形状を設定可能であるとともに、これら投影領域に対応する光路を遮光可能である。一方、他方(+X側)のブラインドの30も±Y方向に移動してマスクMに対する照射領域を設定することによって+Xの投影領域50b、50d、50fの大きさ、形状を設定可能であるとともに、これら投影領域に対応する光路を遮光可能である。
【0050】
また、−X側のブラインド30は、移動することによって、投影領域の境界部51a、51d、51e、51h、51i、51lのそれぞれの大きさを設定可能である。同様に、+X側のブラインド30は、移動することによって、投影領域の境界部51b、51c、51f、51g、51j、51kのそれぞれの大きさを設定可能である。そして、ブラインド30は、非走査方向(Y軸方向)に移動して投影領域の境界部の大きさ、形状を設定することにより、投影領域(パターン像)の重複領域52a〜52fを設定可能となっている。そして、ブラインド30はその両端部(減光部)30A、30BにおけるX軸方向の幅がY軸方向に向かって漸次縮小するように斜めに形成されているため、投影領域の境界部のそれぞれに対応する光路の一部を遮光することにより、投影領域(パターン像)の周辺に向かうに従い重複領域での積算露光量をほぼ連続的に減衰可能となっている。つまり、ブラインド30のうち、Y軸方向の互いに対向する辺である斜め部30A、30Bが、パターン像(投影領域)の重複領域を設定するとともに、パターン像の重複領域の積算露光量をパターン像の周辺に向かうに従い漸次減衰させる減光部となっている。
【0051】
ここで、図9において、投影領域の境界部51a、51e、51iの平面視における傾斜角度と、−X側のブラインド30の減光部30Aにおける傾斜角度とが一致するように設定されており、投影領域の境界部51d、51h、51lの平面視における傾斜角度と、−X側のブラインド30の減光部30Bにおける傾斜角度とが一致するように設定されている。同様に、投影領域の境界部51b、51f、51jの平面視における傾斜角度と、+X側のブラインド30の減光部30Aにおける傾斜角度とが一致するように設定されており、投影領域の境界部51c、51g、51kの平面視における傾斜角度と、+X側のブラインド30の減光部30Bにおける傾斜角度とが一致するように設定されている。
【0052】
そして、ブラインド30は、その減光部30A、30Bを各投影領域に対応する光路の一部に配置することにより重複領域52a〜52fを設定し、走査露光時においては、重複領域における積算露光量がY軸方向に関してほぼ連続的に減衰するように設定する。
【0053】
このように、視野絞り20と遮光板40とブラインド30とによって投影領域は複数に分割され、それぞれの大きさ、形状が任意に設定される。そして、ブラインド30の位置を設定することにより、走査露光時において、投影領域50の周辺に向かうに従い積算露光量をほぼ連続的に減衰させ、重複領域52a〜52fのY軸方向の積算露光量をほぼ連続的に変化させる。
【0054】
図3に戻って、基板ステージPST上には、ディテクタ(光検出装置)41が配設されている。ディテクタ41は、感光基板Pに照射されるべき露光光ELの光量に関する情報を検出するものであって、検出した検出信号を制御装置CONTへ出力する。
なお、露光光ELの光量に関する情報とは、物体面上に単位面積あたりに照らされる露光光ELの量(照度)、あるいは、単位時間あたりに放射される露光光ELの量を含む。本実施形態においては、この露光光ELの光量に関する情報を、照度として説明する。
【0055】
このディテクタ41は、感光基板P上の各投影光学モジュールPLa〜PLgに対応する位置の露光光ELの照射量を計測する照度センサであって、撮像素子であるCCDセンサによって構成されている。ディテクタ41は、基板ステージPST上にY軸方向に配設されたガイド軸(不図示)によって、感光基板Pと同一平面の高さに設置可能となっており、ディテクタ駆動部によって走査方向(X軸方向)と直交する方向(Y軸方向)に移動可能に設けられている。
【0056】
このディテクタ41は、1回又は複数回の露光に先立ち、基板ステージPSTのX軸方向への移動とディテクタ駆動部によるY軸方向への移動とによって、投影光学モジュールPLa〜PLgに対応する各投影領域50a〜50gの下で走査される。したがって、感光基板P上の投影領域50a〜50g及びこれら各投影領域50a〜50gの各境界部51a〜51lにおける露光光ELの光量に関する情報はディテクタ41によって2次元的に検出されるようになっている。ディテクタ41によって検出された露光光ELの光量に関する情報は制御装置CONTに出力される。このとき、制御装置CONTは、基板ステージ駆動部PSTD及びディテクタ駆動部の各駆動量によって、ディテクタ41の位置を検出可能となっている。
【0057】
図10に示すように、マスクMのパターン領域には、画素パターン44と、この画素パターン44のY軸方向両端に位置する周辺回路パターン45a、45bとが形成されている。画素パターン44には、複数のピクセルに応じた複数の電極が規則正しく配列されたパターンが形成されている。周辺回路パターン45a、45bには、画素パターン44の電極を駆動するためのドライバ回路等が形成されている。
【0058】
それぞれの投影領域50a〜50gは所定の大きさに設定されており、この場合、図9に示すように、長辺の長さはL1、短辺の長さはL2、隣り合う投影領域どうしの間隔(投影領域のY軸方向のピッチ)はL3に設定される。
【0059】
また、図10に示すマスクMの周辺回路パターン45a、45bは、図11に示す感光基板Pの周辺回路パターン61a、61bと同一寸法、同一形状にそれぞれ形成し、両端外側の投影光学モジュール50a、50gで露光されるようにマスクM上に配置される。マスクMの画素パターン44は、感光基板Pの画素パターン60に対してX軸方向の長さが同一で、Y軸方向の長さが異なっている。
【0060】
次に、上述した構成を有する露光装置EXを用いて、露光光ELに対してマスクMと感光基板Pとを同期移動して走査露光し、マスクMのパターン像の一部が重複して露光されるように複数回の走査露光に分けて感光基板Pにパターンの継ぎ露光を行う方法について説明する。
ここで、以下の説明においては、マスクステージMST及び基板ステージPSTの移動は、マスクステージ駆動部MSTD及び基板ステージ駆動部PSTDを介して全て制御装置CONTの制御に基づいて行われるものとする。
【0061】
また、以下の説明においては、図10に示すように、マスクM上に形成されているパターンを、Y軸方向に長さLAを有し周辺回路パターン45a及び画素パターン44の一部を含む分割パターン46と、Y軸方向に長さLBを有し周辺回路パターン45b及び画素パターン44の一部を含む分割パターン47との2つの領域に分割し、これら分割パターン46,47のそれぞれの一部を重複して露光されるように2回の走査露光に分けて感光基板P上でパターン合成を行うものとする。そして、感光基板P上の全体の露光パターンは、図11に示すように、2回の走査露光によって、Y軸方向に長さLAを有し周辺回路パターン61a及び画素パターン60の一部を含む分割パターン(露光領域、第1のパターン像)62と、Y軸方向に長さLBを有し周辺回路パターン61b及び画素パターン60の一部を含む分割パターン(露光領域、第2のパターン像)63との2つの領域に分割された分割パターンを合成したものとする。
【0062】
ここで、長さLAは、投影領域50aの短辺の+Y方向端点と、投影領域50eの短辺と投影領域50eに対応する光路上に配置されたブラインド30との交点との間のY軸方向における距離である。長さLBは、投影領域50cの短辺と投影領域50cに対応する光路上に配置されたブラインド30との交点と、投影領域50gの短辺の−Y方向端点との間のY軸方向における距離である。
【0063】
また、分割パターン62と分割パターン63とは、感光基板P上において重複領域(継ぎ部)64で重ね合わせるものとする。また、重複領域64のY軸方向の長さLKは、投影領域50a〜50gの重複領域52a〜52fと同一距離とする。
【0064】
そして、重複領域64のY軸方向の距離である長さLKは、図10に示すように、ブラインド30のY軸方向における位置と投影領域50eとによって設定され、投影領域50eのうち+Y側に向かうに従い積算露光量がほぼ連続的に減衰する継ぎ部48のY軸方向の距離に一致する。同様に、長さLKは、ブラインド30のY軸方向における位置と投影領域50cとによって設定され、投影領域50cのうち−Y側に向かうに従い積算露光量がほぼ連続的に減衰する継ぎ部49のY軸方向の距離に一致する。つまり、継ぎ部48と継ぎ部49とのY軸方向の距離が一致するように、ブラインド30の減光部30A、30Bそれぞれの形状(傾斜角度)が設定される。
【0065】
そして、マスクMにおいて、ブラインド30により継ぎ部48、49を形成すべき位置、つまり継ぎ露光を行うべき領域は予め設定されており、この継ぎ部48、49を設定しようとする位置(継ぎ露光を行う領域)に相当して、マスクMのパターン近傍に、ブラインド30を位置合わせるため位置合わせマーク60(60A、60B)が形成されている。
【0066】
以下、図12を参照しながら、露光手順について説明する。本実施形態においては、マスクMの分割パターン46、47の継ぎ部48、49を感光基板(ガラス基板)Pで継ぎ合わせて合成して、マスクMの連続したパターン領域45a、44、45bよりも大きい液晶デバイスを製造するものとする。また、本実施形態では、2つのブラインド30(−X側のブラインド30、+X側のブラインド30)のうち、一方のブラインド30(−X側のブラインド30)が用いられ、他方のブラインド30(+X側のブラインド30)は露光光ELの光路から退避しているものとする。
【0067】
まず、制御装置CONTが分割パターンの継ぎ露光の開始を指令する(ステップS1)。
ここで、制御装置CONTには、感光基板Pに対するマスクMのパターンの配置位置に関する情報、及びマスクMにおけるパターンの継ぎ合わせ位置に関する情報が予めレシピとして設定されている。すなわち、感光基板P上においてマスクMの分割パターン46、47のそれぞれを露光すべき位置が予め設定されているとともに、マスクM上において継ぎ部48,49を設けるべき位置も予め設定されている。
【0068】
制御装置CONTは、実際の露光処理を行うに際し、装置のキャリブレーションを開始する。
まず、制御装置CONTは、視野絞り20及び遮光板40を駆動するとともにマスクステージMSTを駆動して、マスクMのパターンに合わせて露光光ELを照射するための照射領域を設定する。また、制御装置CONTは、投影光学モジュールPLa〜PLgのそれぞれに設けられている視野絞り20及び遮光板40を用いて開口Kの大きさ及び形状を調整し、感光基板P上に投影される投影領域50a〜50gの走査方向(X軸方向)の幅及び非走査方向(Y軸方向)の幅を設定する。
【0069】
そして、制御装置CONTは、レシピとして予め設定されている露光処理に関する情報に基づいて、継ぎ露光を行う際のブラインド30の位置の設定を行う。ここで本実施形態では、図11に示すように、一回目の走査露光において、2つのブラインド30のうち、−X側のブラインド30の減光部30Bが投影領域50eの一部を遮光するように配置され、+X側のブラインド30は光路上から退避するように設定される。また、二回目の走査露光において、−X側のブラインド30の減光部30Aが投影領域50cの一部を遮光するように配置される。
【0070】
制御装置CONTは、一回目の走査露光を行う際のブラインド30の減光部30Bの位置の設定を行う(ステップS2)。
すなわち、制御装置CONTは、マスクMに対する露光光ELの照射領域(すなわち分割パターン46)の一辺に位置する継ぎ部48に設けられたマスクMのパターンに対して、継ぎ露光するためのブラインド30の減光部30Bを位置合わせする。
【0071】
具体的には、制御装置CONTは、継ぎ部(重複領域)48に対応してマスクM上に設けられている位置合わせマーク60Bと、ブラインド30の減光部30Bとを位置合わせする。マスクMの位置合わせマーク60Bと減光部30Bとを位置合わせする際には、図13の模式図に示すように、基板ステージPSTに設けられているアライメント用発光部70からアライメント光を射出し、投影光学系PLを介してマスクMの位置合わせマーク60Bに照射する。マスクMの位置合わせマーク60Bに照射されたアライメント光は、マスクMを透過した後、ブラインド30の減光部30Bのエッジ部(先端部)近傍を通過して、アライメント用受光部71に受光される。ここで、アライメント光を位置合わせマーク60Bに照射しつつブラインド30(減光部30B)をY軸方向に移動することにより、受光部71に受光されていたアライメント光が減光部30Bのエッジ部に遮光されて例えば50%光量の状態が生じる。このときの受光部71の検出信号は制御装置CONTに出力され、制御装置CONTは、受光部71がアライメント光を受光していた状態から受光しなくなった状態に変わったときのブラインド30の減光部30Bの位置を、位置合わせマーク60Bに対して減光部30Bが位置合わせされた位置と判断する。ブラインド30の減光部30Bは位置合わせマーク60Bに位置合わせされることにより、継ぎ部48に対しても位置合わせされる。
【0072】
ここで、位置合わせマーク60BはマスクMの−X側端部及び+X側端部の2箇所に形成されている。そして、これら2つの位置合わせマーク60Bのそれぞれとブラインド30の減光部30Bとの位置合わせを予め行っておき、これら位置情報に基づいてブラインド30の減光部30Bの位置を設定しつつ走査露光することにより、ブラインド30の減光部30Bによって所望の継ぎ部48を設定できる。走査露光する際のブラインド30の減光部30Bの位置合わせは、例えば前記位置合わせマーク60Bと位置合わせした際のブラインド駆動装置31の基準位置に対する駆動量に基づいて行うことができる。
【0073】
以上のようにしてブラインド30の減光部30Bとマスク位置合わせマーク60Bとの位置合わせを行ったら、制御装置CONTは、このときのブラインド30の減光部30B及びマスクステージMST(マスクM)の位置に関する情報を記憶装置(不図示)に記憶する(ステップS3)。
なお、この記憶される情報は、マスクMを位置合わせした際のブラインド駆動装置31の基準位置に対する駆動量に関する情報を含む。
【0074】
次いで、制御装置CONTは、二回目の走査露光を行う際のブラインド30の減光部30Aの位置の設定を行う(ステップS4)。
すなわち、制御装置CONTは、マスクMに対する露光光ELの照射領域(すなわち分割パターン47)の一辺に位置する継ぎ部49に設けられたマスクMのパターンに対して、継ぎ露光するためのブラインド30の減光部30Aを位置合わせする。
【0075】
具体的には、制御装置CONTは、継ぎ部(重複領域)49に対応してマスクM上に設けられている位置合わせマーク60Aと、ブラインド30の減光部30Aのエッジ部(先端部)とを位置合わせする。マスクMの位置合わせマーク60Aとブラインド30の減光部30Aとの位置合わせは、図13を参照して説明した方法と同様の手順で行うことができる。ブラインド30の減光部30Aは位置合わせマーク60Aに位置合わせされることにより、継ぎ部49に対しても位置合わせされる。
【0076】
ここで、位置合わせマーク60AもマスクMの−X側端部及び+X側端部の2箇所に形成されている。そして、これら2つの位置合わせマーク60Aのそれぞれとブラインド30の減光部30Aとの位置合わせを予め行っておき、これらの位置情報に基づいてブラインド30の減光部30Aの位置を設定しつつ走査露光することにより、ブラインド30の減光部30Aによって所望の継ぎ部49を設定できる。
【0077】
以上のようにしてブラインド30Aとマスク位置合わせマーク60Aとの位置合わせを行ったら、制御装置CONTは、このときのブラインド30の減光部30A及びマスクステージMST(マスクM)の位置に関する情報を記憶装置(不図示)に記憶する(ステップS5)。
【0078】
次に、各投影領域50a〜50gの照度キャリブレーション及び位置検出を行う。
まず、基板ステージPSTに感光基板Pを載置しない状態で、感光基板P上における分割パターン62(長さLAの部分)に対応する領域に対して露光動作を開始する(ステップS6)。
具体的には、まず制御装置CONTがフィルタ駆動部14を駆動し、光源1からの光束が最大透過率でフィルタ13を透過するようにフィルタ13を移動させる。フィルタ13が移動すると、光源1から楕円鏡1aを介して光束が照射される。照射された光束は、フィルタ13、ハーフミラー11、マスクM、投影光学モジュールPLa〜PLg等を透過した後、基板ステージPST上に到達する。このとき、露光光ELの照射領域にパターン等が形成されていない位置になるようにマスクMを移動しておく。
ここで、各投影領域50a〜50gのそれぞれは視野絞り20及び遮光板40によって設定されており、ブラインド30は光路から退避している。
【0079】
これと同時に、制御装置CONTは、ディテクタ41を分割パターン62に対応する領域内においてX軸及びY軸方向に移動して、投影光学モジュールPLa〜PLgに対応した投影領域50a〜50gで走査させる。走査するディテクタ41によって、各投影領域50a〜50gにおける照度及び境界部51a〜51lにおける照度Wa〜Wlが順次計測される(ステップS7)。
【0080】
ディテクタ41の検出信号は制御装置CONTに出力される。制御装置CONTは、ディテクタ41からの検出信号に基づいて画像処理を行い、各投影領域50a〜50g及び境界部51a〜51lの形状及び照度を検出する。そして、制御装置CONTは、この境界部51a〜51lの照度Wa〜Wlを記憶装置に記憶する。
【0081】
次いで、制御装置CONTは、ディテクタ41が計測した境界部51a〜51lの照度Wa〜Wlに基づいて、この照度Wa〜Wlが略所定値で、且つ(|Wa−Wb|、|Wc−Wd|、|We−Wf|、|Wg−Wh|、|Wi−Wj|、|Wk−Wl|)が最小になるように、ディテクタ41により照度を計測しつつ各照明系モジュールIMa〜IMg毎にフィルタ13を駆動する(ステップS8)。
これにより、各光路毎の光束の光量が補正される。
【0082】
なお、このとき、光源1から照射された光束は、ハーフミラー11によりその一部がディテクタ12へ入射されており、ディテクタ12は、入射した光束の照度を計測し、検出した照度信号を制御装置CONTへ出力している。したがって、制御装置CONTは、ディテクタ12が検出した光束の照度に基づいて、この照度が所定値になるようにフィルタ駆動部14を制御することで、各光路毎の光量を調整してもよい。
【0083】
制御装置CONTは、走査するディテクタ41によって検出された露光光ELの光量に関する情報に基づいて、それぞれの境界部51a〜51lの位置を求める(ステップS9)。
すなわち、走査するディテクタ41の検出信号に基づいて、制御装置CONTは、所定の座標系に対する各境界部51a〜51lの形状を求め、この求めた形状に基づいて、所定の座標系に対する各境界部51a〜51lの位置を求める。具体的には、三角形形状の境界部51a〜51lのうち、例えば先端位置や図心位置など、代表される所定位置を求める。
【0084】
このとき、ディテクタ41の位置は、基準位置に対する各駆動部の駆動量に基づいて求めることができる。つまり、ディテクタ41の初期位置(待機位置)等を基準位置に設定し、この基準位置に対して、走査するディテクタ41の位置を求めることができる。制御装置CONTは、基準位置に対するディテクタ41の位置に基づいて、各境界部51a〜51lの基準位置に対する位置を求める。
【0085】
そして、制御装置CONTは、境界部51a〜51lの所定の座標系に対する位置を記憶装置に記憶する。このとき、それぞれの投影領域50a〜50g(境界部51a〜51l)の相対的な位置も記憶することになる。
【0086】
ブラインド30を光路から退避した状態で各投影領域50a〜50gの光量調整及び位置検出を行ったら、制御装置CONTは記憶装置の情報に基づいて、ブラインド30の減光部30BをステップS2で設定した位置に配置し、この状態で露光動作を行う。そして、制御装置CONTは継ぎ部48に相当する投影領域50eの小領域KBの照度をディテクタ41で検出する(ステップS10)。
ここで、小領域KBはブラインド30の減光部30Bにより、−Y方向に向かうに従い感光基板P上における重複領域64での積算露光量をほぼ連続的に減衰されている。
【0087】
ディテクタ41の検出信号は制御装置CONTに出力され、制御装置CONTは、ディテクタ41からの検出信号に基づいて画像処理を行い、小領域KBの形状及び照度を検出する。そして、制御装置CONTは、この小領域KBの形状及び照度Wkbを記憶装置に記憶する。更に、制御装置CONTは、ディテクタ41によって検出された露光光ELの光量に関する情報に基づいて小領域KBの位置及び形状を求める。小領域KBの位置は、三角形形状の小領域KBのうち、例えば先端位置や図心位置など、代表される所定位置である。
【0088】
小領域KBの照度、位置及び形状を求めたら、制御装置CONTはブラインド30の減光部30AをステップS4で設定した位置に配置し、この状態で露光動作を行う。そして、制御装置CONTは継ぎ部49に相当する投影領域50cの小領域KAの照度をディテクタ41で検出する(ステップS11)。
ここで、小領域KAはブラインド30の減光部30Aにより、+Y方向に向かうに従い感光基板P上における重複領域64での積算露光量をほぼ連続的に減衰されている。
【0089】
ディテクタ41の検出信号は制御装置CONTに出力され、制御装置CONTは、ディテクタ41からの検出信号に基づいて画像処理を行い、小領域KAの形状及び照度を検出する。そして、制御装置CONTは、この小領域KAの形状及び照度Wkaを記憶装置に記憶する。更に、制御装置CONTは、ディテクタ41によって検出された露光光ELの光量に関する情報に基づいて小領域KAの位置及び形状を求める。小領域KAの位置は、三角形形状の小領域KAのうち、例えば先端位置や図心位置など、代表される所定位置である。
【0090】
制御装置CONTは、ステップS10で求めた小領域KBの照度Wkbと、ステップS11で求めた小領域KAの照度Wkaとに基づいて、この照度Wkaと照度Wkbが略所定値で、且つ(|Wa−Wb|、|Wc−Wd|、|We−Wf|、|Wg−Wh|、|Wi−Wj|、|Wk−Wl|、|Wka−Wkb|)が最小になるように、ディテクタ41により照度を計測しつつ各照明系モジュールIMc、IMeにフィルタ13を駆動させる(ステップS12)。
つまり、継ぎ部における光量調整を行うとともに、この継ぎ部における光量の検出結果に応じて、他の投影領域における露光量の再調整を行う。
【0091】
また、制御装置CONTは、ステップS10及びステップS11で検出した小領域KA及び小領域KBの形状検出結果に基づいて、これら各小領域KA、KBの形状補正を行う(ステップS13)。
例えば、先に検出した小領域KBの形状に対して、後に検出した小領域KAの形状が所望の形状を有していない場合、例えば、走査露光することによって均一に重複しない場合や、小領域KA及びKBによって形成される重複領域64の幅LKが各重複領域52a〜52fの幅と大きく異なる場合などにおいては、投影領域50eあるいは投影領域50cに対応する投影光学モジュールPLeあるいは投影光学モジュールPLcの像シフト機構19、倍率調整機構23、直角プリズム24,27を駆動し、シフト、スケーリング、ローテーションなどの像特性を補正(レンズキャリブレーション)する。
【0092】
更に、制御装置CONTは、投影領域50a〜50gのそれぞれの形状が所定の形状を有していなかったり、隣接する投影領域50a〜50gどうしの重複領域52a〜52fの幅が走査露光することによって変化してしまう場合などにおいても、各投影光学モジュールPLa〜PLgの像シフト機構19、倍率調整機構23、直角プリズム24,27を駆動して像特性を補正できる。制御装置CONTはこれら補正値を記憶装置に記憶する。
【0093】
以上のようにして、継ぎ部を含む投影領域50a〜50gのキャリブレーション(照度キャリブレーション、レンズキャリブレーション)を行ったら、実際に露光処理を行うべく、制御装置CONTはマスクMを露光光ELの光路上に配置するとともに、不図示のローダを介して基板ステージPSTの基板ホルダPHに感光基板Pを載置する(ステップS14)。
【0094】
一回目の走査露光を行うべく、制御装置CONTは、上記各キャリブレーション工程で設定した設定値や補正値に基づき、視野絞り20及び遮光板40によって走査方向及び非走査方向に所定の幅を有する投影領域を設定するとともに、マスクステージMSTを駆動して、マスクMのパターンに合わせて露光光ELを照射するための照射領域を設定する。そして、マスクMのパターン領域のうち、少なくとも一回目の走査露光で用いる分割パターン46に露光光ELが照射されるようにマスクステージMSTの位置を制御するとともに、図13を参照して説明したように、マスクMに形成されている位置合わせマーク60Bを用いて、ブラインド30の減光部30Bが投影領域50eの一部を遮光するように、ブラインド30の減光部30Bの位置調整を行う(ステップS15)。
このとき、投影領域50f、50gに対応する光路は、照明系モジュールの照明シャッタ6により遮断される。
【0095】
更に、マスクMの位置合わせマーク60Bを用いて、基板ステージPSTに載置されている感光基板PとマスクMとを位置合わせする(ステップS16)。
ここで、感光基板Pには、継ぎ露光を行う領域、すなわち感光基板Pの重複領域64に相当してパターン領域近傍に基板位置合わせマーク72が予め形成されている。制御装置CONTは、マスクステージMSTに載置されているマスクMの位置合わせマーク60Bと、基板ステージPSTに載置されている感光基板Pの位置合わせマーク72とを位置合わせすることにより、感光基板Pの露光領域62にマスクMの分割パターン46を位置合わせして露光する。
【0096】
なお、マスクMの位置合わせマーク60Bと感光基板Pの位置合わせマーク72とを位置合わせする際には、例えば図14の模式図に示すように、マスクMの上方に設けられた発光部75からマスク位置合わせマーク60Bに対してアライメント光を照射する。位置合わせマーク60Bに照射されたアライメント光はマスクMを透過し、投影光学系PLを介して感光基板Pの基板位置合わせマーク72に照射される。そして、基板位置合わせマーク72で反射した反射光を、投影光学系PL及びマスクMの位置合わせマーク60Bを介してマスクMの上方に設けられている受光部76で検出し、マスク位置合わせマーク60Bにおける反射光と、基板位置合わせマーク72における反射光とに基づいて、マスク位置合わせマーク60Bと基板位置合わせマーク72とが一致するように、基板ステージPSTを位置調整すればよい。
なお、感光基板Pはガラス基板であるため、基板位置合わせマークにおける反射光を検出せずに、例えば基板ステージ側に受光部76’を設けておき、マスク位置合わせマーク60Bを通過した光と基板位置合わせマーク72を通過した光とに基づいてマスクMと感光基板Pとの位置合わせを行ってもよい。
【0097】
ここで、基板位置合わせマーク72は、マスク位置合わせマーク60B同様、感光基板Pの−X側端部及び+X側端部の2箇所に形成されている。そして、これら+X側及び−X側のマスク位置合わせマーク60Bのそれぞれと、+X側及び−X側の基板位置合わせマーク72のそれぞれとを予め位置合わせしておき、これらの位置情報に基づいて走査露光を行うことにより露光精度を向上できる。
【0098】
こうして、マスクMと感光基板Pとの位置合わせ、及びマスクMとブラインド30の減光部30Bとの位置合わせを行ったら、制御装置CONTは感光基板Pに対して一回目の走査露光処理を行う(ステップS17)。
初めに、分割パターン62(長さLAの部分)に対応する部分を露光する。この場合、投影光学モジュールPLf、PLgに対応する照明系モジュールIMf、IMgの照明シャッタ6がシャッタ駆動部6aの駆動により光路中に挿入され、図11に示すように、投影領域50f、50gに対応する光路の照明光を遮光する。このとき、照明系モジュールIMa〜IMeの照明シャッタ6は各光路を開放している。そして、ブラインド30及びこのブラインド30の減光部30Bが、投影領域50eの一部を遮光する。ブラインド30の減光部30Bにより、投影領域50eにはY軸方向に減光特性を有する小領域KBが形成され、感光基板Pに対しては、周辺回路61aと画素パターン60の一部を含むY軸方向の長さLAの露光領域が設定される。
【0099】
そして、マスクMと感光基板PとをX軸方向に同期移動して一回目の走査露光を行う。これにより、図11に示すように、感光基板P上には、投影領域50a、50b、50c、50d、及び投影領域50eの一部によって設定された分割パターン62が露光される。そして、2箇所の減光部のうちの一方の減光部30Bによって設定された小領域KBに基づいて、走査露光することにより分割パターン(露光領域、第1のパターン像)62の−Y側の一辺に形成された重複領域64は、この分割パターン62の−Y側に向かうに従い露光量をほぼ連続的に減衰される。
【0100】
次に、二回目の走査露光を行うため、基板ステージPSTの所定位置に対する位置合わせを行う(ステップS18)。
具体的には、基板ステージPSTを+Y方向に所定距離ステップ移動させるとともに、基板ステージPSTの位置の微調整を行う。
二回目の走査露光を行うための基板ステージPSTの位置合わせは、マスクMのうち継ぎ部49に対応して形成されているマスク位置合わせマーク60Aと、感光基板Pのうち重複領域64に対応して形成されている基板位置合わせマーク72とを位置合わせすることにより行われる。制御装置CONTは、図14を参照して説明した手順と同様、発光部75からマスク位置合わせマーク60Aに対してアライメント光を照射し、投影光学系PLを介して感光基板Pの基板位置合わせマーク72に照射されたアライメント光の反射光と、マスク位置合わせマーク60Aにおける反射光とに基づいて、マスク位置合わせマーク60Aと基板位置合わせマーク72とが一致するように、基板ステージPSTを位置調整する。このように、マスクMに形成されているマスク位置合わせマーク60と、感光基板Pに形成されている基板位置合わせマーク72とを用いて、継ぎ露光する際の継ぎ部の位置合わせをすることにより、継ぎ部の位置決め精度を向上できる。
【0101】
マスクMと感光基板Pとの位置合わせをしたら、制御装置CONTは、ブラインド30をY軸方向に駆動し、ブラインド30及びこのブラインド30の減光部30Aで投影領域50cの一部を遮光する(ステップS19)。
このとき、投影領域50a、50bに対応する光路は、照明系モジュールの照明シャッタ6により遮断される。ブラインド30の減光部30AのマスクMに対する位置合わせも、図13を参照して説明したように、マスク位置合わせマーク60Aを用いて行われ、マスク位置合わせマーク60Aに対してブラインド30の減光部30Aが位置合わせされる。所定の位置に位置合わせされたブラインド30の減光部30Aは、投影領域50cの一部に、Y軸方向に減光特性を有する小領域KAを形成する。また、投影光学モジュールPLa、PLbに対応する照明系モジュールIMa、IMbの照明シャッタ6がシャッタ駆動部6aの駆動により光路中に挿入され、図11に示すように、投影領域50a、50bに対応する光路の照明光を遮光する。このとき、照明系モジュールIMc〜IMgの照明シャッタ6は各光路を開放している。そして、ブラインド30の減光部30Aが、投影領域50cの一部を遮光し、感光基板Pに対しては、周辺回路61bと画素パターン60の一部を含むY軸方向の長さLBの露光領域63が設定される。
【0102】
こうして、制御装置CONTは、一回目の走査露光で投影露光された小領域KBに基づく重複領域64(継ぎ部48)に、二回目の走査露光で投影露光される小領域KAに基づく継ぎ部49が重ね合わせられるように、基板ステージPSTを+Y方向に移動し、位置合わせする。
【0103】
ここで、二回目の走査露光を行うためのステップ移動時、あるいはブラインド30(減光部30A)の光路上への配置時において、制御装置CONTはキャリブレーション時において記憶装置に記憶しておいた各設定値、補正値に基づいて、感光基板Pに対する像特性の補正や、ブラインド30の微調整が可能である。すなわち、小領域KAに基づく重複領域64と小領域KBに基づく重複領域64とが一致するように像特性(シフト、スケーリング、ローテーション)の調整が可能である。
【0104】
また、パターンの重複領域64と重複領域以外とのそれぞれの露光光ELの照射量が略一致するように、基板ステージPSTの位置調整を行うことができる。すなわち、各小領域KA及びKBのそれぞれの形状や光量はステップS10〜S13において予め検出、調整されており、制御装置CONTは、記憶したそれぞれの小領域KA、KBの形状又は光量に基づいて、パターンの重複領域64と重複領域以外(すなわち領域62,63)とのそれぞれの照度が略一致するように、基板ステージPSTの位置の微調整を行う。具体的には、一回目の走査露光による小領域KBと二回目の走査露光による小領域KAとのそれぞれに基づく重複領域64の露光光ELの照射量が図15に示すような照度分布において、例えば、図15(a)に示すように、一回目の走査露光の小領域KBと二回目の走査露光による小領域KAとに基づく重複領域64の露光光ELの合計の照射量が、重複領域64以外の露光光ELの照射量より低い場合には、基板ステージPSTの位置を調整して重ね合わせ範囲を大きくし、図15(b)に示すように、全ての位置において露光光ELの照射量を略一致させる(ステップS20)。
【0105】
あるいは、重複領域64の露光光ELの照射量と重複領域64以外の露光光ELの照射量とが略一致するように、ブラインド30を駆動し、重複領域64における露光光ELの照射量を調整してもよい。これにより、各光路の光束の光量が補正することができる。
【0106】
なお、二回目の走査露光時におけるブラインド30(減光部30A)の光路上への配置は、キャリブレーション時において基準位置に対する所望の位置が予め設定されているので、この設定値に基づいて、ブラインド30(減光部30A)を移動させてもよい。
【0107】
また、二回目の走査露光時における基板ステージPSTのステップ移動は、基板位置合わせマーク72及びマスク位置合わせマーク60Aを用いずに行ってもよい。この場合、基板ステージPSTのステップ移動は、キャリブレーション時において予め求めておき、この求めておいた情報に基づいてステップ移動すればよい。更に、キャリブレーション時に求めておいた各小領域KA、KBの位置に基づいて行ってもよい。すなわち、一回目の走査露光で投影露光された基準位置に対する重複領域64(継ぎ部48)の位置は求められており、この重複領域64に、次に投影露光される継ぎ部49が所定の位置関係になるように、基板ステージPSTの位置を設定すればよい。
【0108】
そして、マスクMと感光基板PとをX軸方向に同期移動して二回目の走査露光を行う(ステップS21)。
これにより、図11に示すように、感光基板P上には、投影領域50cの一部、50d、50e、50f、50gによって設定された分割パターン63が露光される。そして、2箇所の減光部のうちの他方の減光部30Aによって設定された小領域KAにより、走査露光することにより分割パターン(露光領域、第2のパターン像)63の+Y側の一辺に形成された重複領域64は、この分割パターン63の+Y側に向かうに従い露光量をほぼ連続的に減衰される光量分布を有し、第一回目の走査露光時に形成された重複領域64と重複することにより、所定の合成露光量が得られる。
【0109】
このようにして、一枚のマスクMを用いて、このマスクMよりも大きな感光基板Pに対する継ぎ露光が完了する(ステップ22)。
【0110】
以上説明したように、視野絞り20及び遮光板40によって設定されたパターン像(投影領域)に対して、2つの減光部30A、30Bを有し、複数の投影光学モジュール(投影領域)の間で移動可能なブラインド30を配置することにより、マスクMにおけるパターンの継ぎ部(分割位置)48,49を任意に設定できる。したがって、感光基板Pに形成されるパターンの大きさを任意に設定でき、任意の大きさのデバイスを効率良く製造できる。
【0111】
また、ブラインド30は、投影領域(パターン像)の周辺に向かうに従いパターンの継ぎ部(重複領域)での積算露光量をほぼ連続的に減衰させる減光特性を有する減光部30A、30Bを有するので、継ぎ部における露光量を所望の値に設定でき、重複領域64と重複領域64以外との露光量を一致させることができる。したがって、精度良い露光処理を行うことができる。そして、減光部30A、30Bは1つのブラインド30に対して少なくとも2つ設けられており、Y軸方向の互いに対向する辺に設けられているので、ブラインド30をY軸方向に移動するだけで、2つの減光部30A、30Bのうちいずれか一方を用いて、Y軸方向に並んだ複数の投影領域のうち任意の投影領域を所望の状態で遮光することができる。
【0112】
また、視野絞り20に対して遮光板40及びブラインド30のそれぞれを移動可能としたことにより、感光基板Pに対する露光光ELの投影領域50a〜50gの大きさや形状を任意に設定できるので、継ぎ露光する際の継ぎ合わせ精度の向上や、露光量の均一化を実現できる。
【0113】
視野絞り20と遮光板40とブラインド30とで投影領域を50a〜50gの複数に分割し、これらを継ぎ合わせて露光する、いわゆるマルチレンズスキャン型露光装置としたことにより、良好な結像特性を維持しつつ、装置を大型化せずに大きなパターンを形成できる。そして、投影光学系PLは、走査方向に対して直交する方向に並ぶ複数の投影光学モジュールPLa〜PLgからなり、複数の投影光学モジュールPLa〜PLgのうち、所定の投影光学モジュールPLa〜PLgの光路を遮光することにより、走査露光毎に投影領域を容易に調整できる。そして、分割パターン62,63の継ぎ合わせを行う際に、大型のマスクMを用いることなく、大型の感光基板Pに対して均一なパターンを形成できる。したがって、装置の大型化及びコストの増大を防ぐことができる。
【0114】
複数に分割された投影領域50a〜50gの形状は、台形形状であるので、継ぎ露光を行う際、継ぎ部と継ぎ部以外との露光量を容易に一致させることができる。
【0115】
マスクM上において、継ぎ露光を行う領域である継ぎ部48、49に相当して、ブラインド30との位置合わせをするための位置合わせマーク60A、60Bを設けたことにより、この位置合わせマークを用いてブラインド30の位置合わせを精度良く行うことができる。したがって、重複領域64を所望の露光量で露光できる。
【0116】
また、感光基板Pにも、継ぎ露光を行う領域64に相当して、マスク位置合わせマーク60A、60Bとの位置合わせを行うための基板位置合わせマーク72を設けたので、マスクMと感光基板Pとの位置合わせを精度良く行って露光精度を向上できるとともに、複数の走査露光を行うために基板ステージPSTをステップ移動する際にも、位置合わせマーク60A、60B、72を用いて位置合わせすればよいので、位置合わせ精度は向上する。
【0117】
また、本実施形態においては、投影領域50a〜50gが重複する境界部51a〜51lの照度が略一致するように照度を計測、補正しており、継ぎ部52a〜52fにおける照度も均一にできる。そして、ブラインド30や遮光板40のY軸方向の位置を変更して、分割パターン62、63における重複領域64における照度も他の領域の照度と同一にでき、パターン全体を均一な露光量で露光することができ、パターン線幅をパターン全面にわたって均一にできる。そのため、露光後の液晶デバイスの品質は向上する。
【0118】
なお、図10、図11では、重複領域64のY軸方向の長さLKは、投影領域50a〜50gの重複領域52a〜52fと同一距離に設定されているが、斜めブラインドである減光部30A(30B)の先端部の傾斜角度を変更することによって、分割パターン62及び63どうしの重複領域64のY軸方向の長さと、投影領域50a〜50gどうしの重複領域52a〜52fのY軸方向の長さとを異なるように設定してもよい。
【0119】
なお、本実施形態において、分割パターン(第1のパターン像)62と分割パターン(第2のパターン像)63とをつなぎ合わせる際、一回目の走査露光においては2つの減光部のうち一方の減光部30Bで投影領域50eの一部を遮光して小領域KBを形成し、二回目の走査露光においては他方の減光部30Aで投影領域50cの一部を遮光して小領域KAを形成し、これら小領域KA、KBを重ね合わせるようにしているが、小領域KA、KBを形成する投影領域は、投影領域50a〜50gのいずれでもよい。すなわち、複数の走査露光において任意の投影領域に、Y軸方向に減光特性を有する小領域を形成し、これらを重ね合わせることができる。さらに、照明シャッタ6による光路の遮光は、任意の光路に対して行うことができる。
【0120】
上記実施形態では、ブラインド30(減光部30A、30B)を位置合わせする際、図13を参照して説明したように、ブラインド30をY軸方向に移動しつつ、受光部71で受光されるアライメント光の受光量が例えば50%になった位置を検出することでブラインド30(減光部30A、30B)の位置合わせを行っているが、本実施形態のブラインド30はY軸方向に移動可能であるとともに、X軸方向及びθZ方向にも移動可能である。したがって、図16に示すように、制御装置CONTは発光部70より複数(図16では3つ)のアライメント用光束をブラインド30(減光部30A、30B)のエッジ部に対して照射し、このブラインド30のエッジ部を介した複数のアライメント光束を受光部71で受光し、受光部71による複数のアライメント用光束それぞれの検出結果に基づいて、ブラインド30の位置情報を求めることにより、XY方向及びθZ方向に移動可能なブラインド30の位置情報をより精度良く求めることができる。ここで、制御装置CONTは、複数のアライメント光束それぞれの受光部71での受光量が例えば50%受光量になるように、ブラインド30の位置をブラインド駆動装置31を用いて調整し、この検出した位置情報に基づいて、ブラインド30を所定の位置に位置合わせするための補正量を求め、求めた補正量に基づいてブラインド30(減光部30A、30B)を位置合わせすればよい。このように、発光部70、受光部71、ブラインド駆動装置31、及び制御装置CONTにより、ブラインド30のエッジの複数点を検出し、この検出結果に基づいてブラインド30の位置情報を求める位置検出装置の一部が構成される。
【0121】
また、図17に示すように、ブラインド30の位置情報を、位置検出装置の一部を構成する基板ステージPST上に設けられた撮像素子からなるディテクタ41により検出することもできる。ディテクタ41を使ってブラインド30の位置情報を検出する際には、制御装置CONTは、ディテクタ41の位置を固定した状態で、照明光学系ILより露光光ELを投影光学系PLに入射する。ディテクタ41は、開口Kに配置されたブラインド30の像を検出し、制御装置CONTは、ディテクタ41の像検出結果に基づいて、ブラインド30の位置情報を求めることができる。
【0122】
ところで、視野絞り20及び遮光板40により形成された開口Kに対応する投影領域50が、投影光学系PLの結像特性の変化により、感光基板P上において投影領域50がシフトする等、その位置を変化させる場合がある。例えば、図18(a)及び図18(b)に示すように、基準位置Oに対して投影領域50の位置が変化した場合、ブラインド30で遮光される領域が異なる可能性が生じる。そこで、図18(a)、(b)に示すように投影領域50の位置が変化(シフト)した際にも、ブラインド30で遮光される領域AB1、AB2が一致するように、制御装置CONTは、補正装置の一部を構成するディテクタ41で投影領域(パターン像)50の位置情報を検出し、この検出結果に基づいて、領域AB1、AB2を一致させるための補正量を求める。そして、制御装置CONTは、求めた補正量に基づいて、ブラインド駆動装置31を使ってブラインド30の位置を補正する。これにより、継ぎ部を継ぎ合わせる精度や、感光基板P上で所望の積算露光量を得ることができる。
【0123】
本実施形態では、一回目の走査露光には一方の減光部30Bを用い、二回目の走査露光には他方の減光部30Aを用いているが、図19に示すように、一回目の走査露光にはブラインド30の減光部30Bを用い、二回目の走査露光にはブラインド30を用いずに照明シャッタ6を用いて所定の投影領域に対応する光路を遮光するようにしてもよい。なお、図19において、一回目の走査露光では投影領域50f、50gに対応する光路が照明シャッタ6によって遮光されており、二回目の走査露光では投影領域50a、50bに対応する光路が照明シャッタ6によって遮光されている。
【0124】
上記実施形態においては、並列する複数の光路を7カ所とし、これに対応して照明系モジュールIMa〜IMg及び投影光学モジュールPLa〜PLgを設ける構成としたが、光路を1カ所とし、照明系モジュール及び投影光学モジュールを1つずつ有する構成であってもよい。すなわち、マスクのパターン像の一部が重複して露光されるように複数回の走査露光に分けて継ぎ露光を行う露光方法及び露光装置に対して適用することができる。
一方、並列する複数の光路は7カ所に限らず、例えば6カ所以下や8カ所以上とする構成であってもよい。
【0125】
上記実施形態において、投影領域における露光光ELの光量に関する情報を検出するために設けられたディテクタ41は1つであるが、基準位置に対する位置が予め分かっているディテクタを複数設ける構成とすることも可能である。そして、この複数設けられたディテクタを用いて、各境界部51a〜51lにおける照度Wa〜Wlを同時に検出する構成とすることが可能である。この場合、各投影領域50a〜50g及び境界部51a〜51lの照度計測や、境界部51a〜51lの位置検出を高速に行うことができ、作業性が向上する。
【0126】
上記実施形態において、キャリブレーションを行う際、ディテクタ41によって照度検出を行い、この検出結果に基づいてキャリブレーションを行う構成であるが、キャリブレーション時に実際にテスト用感光基板に対して露光処理を行い、形成されたパターンの形状を計測し、この計測結果に基づいてキャリブレーションを行うようにしてもよい。
【0127】
なお、上記実施形態において、一回目の走査露光終了後、二回目の走査露光をするためのステップ移動後の感光基板Pの位置合わせは、マスクMに形成されているマスク位置合わせマーク60と、感光基板Pに形成されている基板位置合わせマーク72とを用いて行われるが、キャリブレーション時において、ステップ移動距離を予め設定し、この設定した結果に基づいてステップ移動するようにいしてもよい。
【0128】
また、液晶デバイス(半導体デバイス)は複数の材料層を積層することにより形成されるが、例えば第2層目以降を露光処理するに際し、現象処理や各熱処理によって感光基板Pが変形する場合がある。この場合は、キャリブレーション時において感光基板Pのスケーリングなど像特性の変化分を求めて補正値(オフセット値)を算出し、この補正値に基づいてステップ移動すればよい。更に、この場合も、上述したように、ローテーション、シフトなどの各像特性の変化分に応じて、ブラインド30や遮光板40の位置を駆動して投影領域を設定し、継ぎ露光の制御を行うことができる。
【0129】
なお、上記実施形態おける光源1は一つであるが、光源1を一つではなく、各光路毎に設けたり、複数の光源を設け、ライトガイド等を用いて複数の光源(または一つ)からの光束を一つに合成し、再び各光路毎に光を分配させる構成であってもよい。この場合、光源の光量のばらつきによる悪影響を排除できるとともに、光源の一つが消えても全体の光量が低下するだけであり、露光されたデバイスが使用不能になってしまうことを防止できる。また、光源1を複数設けて光束を合成して分配する際、照射される露光光ELの照射量は、NDフィルタなどの透過する光量を変えるフィルタを光路中に挿入することにより所望の照射量となるように調整し、各投影領域50a〜50gにおける露光光ELの照射量を制御するようにしてもよい。
【0130】
上記実施形態では、二回の走査露光により感光基板P上に画面を合成する構成としたが、これに限られるものではなく、例えば、三回以上の走査露光により感光基板P上に画面を合成するような構成であってもよい。
【0131】
なお、上記実施形態では、投影光学系PLが複数(PLa〜PLg)に分かれたものについて説明したが、図7より容易に分かるように、視野絞り20と第1の遮光板40とで形成される矩形のスリットを持つシングルレンズの投影光学系PLを持つ露光装置や、矩形ではなく円弧スリットの露光領域を持つ露光装置に対しても適用可能で、ブラインド30を露光領域に対して移動させることにより、任意の位置で継ぎが可能となる。
【0132】
上記実施形態では、ブラインド30は、+X側及び−X側のそれぞれに1つずつ(合計2つ)設けられている構成であるが、複数の投影光学モジュールPLa〜PLgの間を1つのブラインド30が移動する構成とすることも可能である。例えば、図20(a)に示すように、−X側の投影光学モジュールPLa、PLc、PLe、PLgと、+X側の投影光学モジュールPLb、PLd、PLfとの間に、フォーカス検出系110(AFユニットU)が配置されない構成である場合、+X側の投影光学モジュールと−X側の投影光学モジュールとがブラインドユニット120を共有し、これら複数の投影光学モジュールPLa〜PLgが1つのブラインド30を共用する構成とすることができる。この場合、図20(b)に示すように、ブラインド駆動装置31の一部を構成するガイド部31Aは、ブラインドユニット120内部において、−X側の投影光学モジュールと+X側の投影光学モジュールとの間に配置されており、ブラインド30はこのガイド部31Aに沿ってY軸方向に移動可能であるとともに、回転機構31Bにより、パターン像の像面と平行な平面であるXY平面内で180度回転可能であり、+X側及び−X側それぞれの投影光学モジュールに配置可能である。
【0133】
図21は、図20を参照して説明したブラインド30を使って三回の走査露光でマスクM上のパターンを3つの分割パターンPa、Pb、Pcに分割して感光基板P上で合成した例を示す図である。
図21(a)に示すように、パターンPaを露光するには、ブラインド30及びこのブラインド30の減光部30Aが投影光学モジュールPLfに対応する開口Kに配置されて継ぎ部80aが形成され、投影領域50fの一部が遮光されつつパターンPaが感光基板P上に露光される。このとき、投影領域50gに対応する光路は照明系モジュールIMgの照明シャッタ6で遮光されている。次いで、図21(b)に示すように、パターンPbを露光する際には、投影領域50aに対応する光路が照明系モジュールIMaの照明シャッタ6で遮光されて継ぎ部80bが形成されるとともに、ブラインド30及びこのブラインド30の減光部30Aが投影光学モジュールPLfに対応する開口Kに配置されて継ぎ部80cが形成され、投影領域50fの一部を遮光しつつパターンPbが感光基板P上に露光される。このとき、投影領域50gに対応する光路は照明シャッタ6で遮光されている。次いで、図21(c)に示すように、パターンPcを露光する際には、ブラインド30がXY平面内で180度回転される。そして、ブラインド30及びこのブラインド30の減光部30Bが投影光学モジュール50eに対応する開口部Kに配置されて継ぎ部80dが形成され、投影領域50eの一部が遮光されつつパターンPcが感光基板P上に露光される。このとき、投影領域50a、50b、50c、50dに対応する光路は照明系モジュールIMa、IMb、IMc、IMdの照明シャッタ6で遮光されている。なお、マスクMのパターンの周辺には、特定の形状周期を有する回路パターンとしての周期パターン81が形成されている。このような周期パターン81を継ぎ露光する場合において、従来では、各投影領域に応じて継ぎ部が設定されていたので継ぎ部の位置を任意に設定できず、周期パターン81を継ぎ露光するのに困難であったが、本発明では、移動可能なブラインド30によって継ぎ部の位置を任意に設定できる。そして、ブラインド30を台形状の板部材により構成し、Y軸方向の互いに対向する辺に減光部30A、30Bが設けられている構成であるので、ブラインド30をXY平面内において180度回転することで、+X側及び−X側の投影光学モジュールに対応する投影領域を所望の状態で遮光することができる。
【0134】
図22は、1つのマスクM上のパターンを適宜分割及び合成することで、1つの感光基板P上に異なる大きさのパターンを複数形成する例を示す図である。ここでは、感光基板P上に、第1の大きさを有するパターンPdを3つ、第2の大きさを有するパターンPeを3つ形成する場合について説明する。なお、パターンPdは、例えば縦横比が4:3の30インチ液晶ディスプレイパネルを製造するためのパターンであり、パターンPeは、例えば縦横比が16:9の37インチ液晶ディスプレイパネルを製造するためのパターンである。
まず、図22(a)に示すように、マスクM上のパターンの全てが感光基板P上に露光される。このとき、ブラインド30は露光光ELの光路上より退避している。そして、このマスクMのパターンが感光基板P上に露光され、感光基板P上には、第1の大きさを有するパターンPdが3つ形成される。
【0135】
次いで、図22(b)に示すように、投影領域50eに対応する光路上にブラインド30が配置され、投影領域50eの一部がブラインド30及びこの減光部30Bにより遮光される。このとき、投影領域50f、50gに対応する光路は照明シャッタ6で遮光されている。そして、この状態でマスクM上のパターンを感光基板Pに露光することにより、感光基板P上にはパターンPaが転写される。次いで、図22(c)に示すように、投影領域50cに対応する光路上にブラインド30が配置され、投影領域50cの一部がブラインド30及びこの減光部30Aにより遮光される。このとき、投影領域50a、50bに対応する光路は照明シャッタ6で遮光されている。そして、この状態でマスクM上のパターンを感光基板Pに露光することにより、感光基板P上には、先に感光基板P上に転写されたパターンPaに対して、次のパターンPbが継ぎ合わされるように露光され、パターンPa、Pbが感光基板P上で合成されることにより、パターンPeが形成される。
以上説明したように、ブラインド30を使って継ぎ部を任意に設定しつつ露光することにより、1つの感光基板P上に互いに大きさが異なるパターンPd、Peを形成することができる。
【0136】
なお、上記実施形態では、ブラインド30は1つ(あるいは2つ)設けられた構成であるが、もちろん、3つ以上の任意の数だけ設けることができる。例えば、各投影光学モジュールPLa〜PLgのそれぞれに対応するように複数(7つ)のブラインド30を設け、図23に示すように、各ブラインド30で投影領域50a〜50gそれぞれのX軸方向の幅を任意の値に設定できる。例えば、投影領域50a〜50gそれぞれのX軸方向の幅をブラインド30を使って狭くすることで、感光基板P上で所定の露光量(積算露光量)を得るための感光基板P(基板ステージPST)の走査速度を低減することができる。したがって、感光基板Pの移動に伴う振動の発生を抑えることができる。逆に、投影領域50a〜50gそれぞれのX軸方向の幅をブラインド30を使って広くすることで、走査速度を高速化でき、スループットを向上することができる。
【0137】
なお、上記実施形態では、ブラインド30を台形状の板部材とし、このブラインド30をXY平面内においてほぼ180度回転することで、−X側の投影光学モジュールと+X側の投影光学モジュールとのそれぞれに配置可能となっているが、上記実施形態の台形状のブラインド30の長辺どうしを接続して、図24に示すように、平面視六角形状の板部材からなるブラインド30Tとすることにより、XY平面内において回転させなくても、この六角形状のブラインド30TをXY方向に並進移動するだけで、−X側及び+X側それぞれの投影光学モジュールに対応する投影領域を所望の状態で遮光できる。ここで、図24に示すブラインド30Tは、減光部を4箇所に設けられた構成となっている。このように、減光部は4箇所でもよく、任意の複数箇所に設けることができる。
【0138】
上記実施形態において、ブラインド30の減光部30A、30Bは、その端部におけるX軸方向の幅がY軸方向に向かって漸次縮小するように斜めに形成された斜めブラインドであるが、走査することにより重複領域でのY軸方向における積算露光量をほぼ連続的に減衰させるものであればいいので、例えば、図25に示すように、X軸方向の幅がY軸方向に向かって漸次縮小するように斜めに形成された複数の鋸歯状としてもよい。この場合、鋸歯部分のY軸方向における形成範囲が、重複領域のY軸方向における長さLKである。なお、図25は、投影領域50f、50gに対応する照明シャッタ6が光路を遮光している状態を示している。
【0139】
図26は、第2遮光部材としてのブラインドの他の実施形態を示す図である。図26に示すブラインド30Gは、ガラス基板に遮光のためのパターンであるクロムのドットパターンを設けた遮光する部分と、透過する部分との間で連続的に透過率を変えた部材である。ブラインド30Gは少なくともY軸方向に移動可能となっており、光を遮光する遮光部77と、光を所定の透過率分布で透過可能な透過部であるフィルタ部(減光部)78とを有している。遮光部77は、ガラス基板に遮光性材料であるクロム膜を設け、透過率をほぼ0%に設定した領域である。フィルタ部78は、遮光性材料であるクロムのドットを密度を変化させながらガラス基板に蒸着することにより、遮光部77との境界部からブラインド30Gの周囲(先端部)に向かうに従い、透過率を0〜100%に連続的に漸次変化させた領域である。ここで、フィルタ部78におけるクロムのドットは露光装置EXの解像限界以下の大きさに設定されている。
【0140】
このように、ブラインド30Gに、光量分布調整用のフィルタ部78を設けることによっても、パターン像の重複領域での積算露光量をほぼ連続的に減衰させることができる。そして、フィルタ部78を、ガラス基板にクロムのドットパターンを蒸着によって形成することにより、光量分布の調整を分子レベルで精度良く行うことができるので、継ぎ露光を行うに際し、重複領域における露光量調整を精度良く行うことができる。
【0141】
図27は、ブラインド30G(フィルタ部78)を位置合わせする動作の一例を説明するための模式図である。図27(a)に示すように、フィルタ部78に対して光束(例えば露光光EL)を照射し、このフィルタ部78を通過した光束を照度検出可能な撮像素子からなるディテクタ41で受光する。ディテクタ41は、図27(b)に示すように、フィルタ部78に応じた光量分布の検出信号を制御装置CONTに出力する。このときディテクタ41の位置は所定位置に対して固定されており、制御装置CONTは、ディテクタ41の検出信号に基づいて、所定位置に対する例えば50%光量に相当するフィルタ部78の位置を求める。こうして、制御装置CONTは、所定位置に対するフィルタ部78(ブラインド30G)の位置を求め、このフィルタ部78を有するブラインド30Gを所定位置に対して位置合わせする。
【0142】
上記各実施形態において、重複領域の露光量分布を調整するために、斜めブラインドや鋸歯状ブラインドあるいは所定の透過率分布を有するフィルタ部78を備えたブラインドを用いているが、ブラインドの光路方向における位置を調整することによって、重複領域の露光量分布を調整することもできる。すなわち、図28(a)に示すように、ブラインド30を、マスクMに対して共役な位置から若干ずれた位置に配置する(デフォーカスさせる)ことにより、ブラインド30のエッジ部を通過した露光光ELは拡散し、マスクMを所定の光量分布で照射する。ここで、このときの拡散光のマスクM上における幅(すなわち、重複領域となるべき幅)LKは、照明光学系ILの開口数をNAとし、マスクM上αの位置にブラインド30を配置した場合において、LK=2×α×NA となる。そして、図28(b)に示すように、幅LKにおける光量分布はY軸方向に連続的に減衰する光量分布を有する。このように、ブラインド30の光路方向(Z軸方向)における位置を調整することによっても、所望の幅LKを有する重複領域を形成できる。
【0143】
なお、上記実施形態において、視野絞り20と遮光板40とによって形成される開口K(投影領域50)の形状は台形状であるが、六角形や菱形、あるいは図29に示すように平行四辺形状であっても構わない。この場合、ブラインド30は、この平行四辺形状の開口Kに応じた平行四辺形状の板部材とすることができる。一方、開口Kを台形状とすることにより、継ぎ露光を容易に円滑に行うことができる。
【0144】
本実施形態の露光装置EXとして、投影光学系を用いることなくマスクMと感光基板Pとを密接させてマスクMのパターンを露光するプロキシミティ露光装置にも適用することができる。
【0145】
露光装置EXの用途としては、角型のガラスプレートに液晶表示素子パターンを露光する液晶用の露光装置に限定されることなく、例えば、半導体ウエハに回路パターンを露光する半導体製造用の露光装置や、薄膜磁気ヘッドを製造するための露光装置にも広く適当できる。
【0146】
本実施形態の露光装置EXの光源は、g線(436nm)、h線(405nm)、i線(365nm)のみならず、KrFエキシマレーザ(248nm)、ArFエキシマレーザ(193nm)、F2レーザ(157nm)などを用いることもできる。
【0147】
投影光学系PLの倍率は等倍系のみならず縮小系および拡大系のいずれでもよい。
【0148】
投影光学系PLとしては、エキシマレーザなどの遠紫外線を用いる場合は硝材として石英や蛍石などの遠紫外線を透過する材料を用い、F2レーザやX線を用いる場合は反射屈折系または屈折系の光学系にする。
【0149】
基板ステージPSTやマスクステージMSTにリニアモータを用いる場合は、エアベアリングを用いたエア浮上型およびローレンツ力またはリアクタンス力を用いた磁気浮上型のどちらを用いてもいい。また、ステージは、ガイドに沿って移動するタイプでもいいし、ガイドを設けないガイドレスタイプでもよい。
【0150】
ステージの駆動装置として平面モ−タを用いる場合、磁石ユニット(永久磁石)と電機子ユニットのいずれか一方をステージに接続し、磁石ユニットと電機子ユニットの他方をステージの移動面側(ベース)に設ければよい。
【0151】
基板ステージPSTの移動により発生する反力は、特開平8−166475号公報に記載されているように、フレーム部材を用いて機械的に床(大地)に逃がしてもよい。本発明は、このような構造を備えた露光装置においても適用可能である。
【0152】
マスクステージMSTの移動により発生する反力は、特開平8−330224号公報に記載されているように、フレーム部材を用いて機械的に床(大地)に逃がしてもよい。本発明は、このような構造を備えた露光装置においても適用可能である。
【0153】
以上のように、本願実施形態の露光装置は、本願特許請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
【0154】
半導体デバイスは、図30に示すように、デバイスの機能・性能設計を行うステップ201、この設計ステップに基づいたマスクを製作するステップ202、デバイスの基材である基板を製造するステップ203、前述した実施形態の露光装置によりマスクのパターンを基板に露光する基板処理ステップ204、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程を含む)205、検査ステップ206等を経て製造される。
【0155】
【発明の効果】
本発明によれば、第2遮光部材によりパターン像の継ぎ部分である重複領域を任意に設定でき、基板に形成されるパターンの大きさを任意に設定できる。また、第2遮光部材により重複領域における露光量を所望の値に設定でき、重複領域と重複領域以外との露光量を一致させることができる。したがって、基板上に様々な大きさのパターンを効率良く且つ精度良く形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の露光装置の一実施形態を示す概略斜視図である。
【図2】投影光学系とブラインドユニットとの位置関係を示す模式図である。
【図3】本発明の露光装置の一実施形態を示す概略構成図である。
【図4】フィルタを説明するための平面図である。
【図5】視野絞りと第1遮光部材と第2遮光部材とを説明するための模式図である。
【図6】視野絞りと第1遮光部材と第2遮光部材とを説明するための模式図である。
【図7】視野絞りと第1遮光部材と第2遮光部材とを説明するための模式図である。
【図8】第2遮光部材が回転することにより投影領域が変化する様子を説明するための模式図である。
【図9】投影光学系で設定される投影領域を示す図である。
【図10】マスクと投影領域との関係を示す平面図である。
【図11】感光基板と投影領域との関係を示す平面図である。
【図12】露光動作のシーケンスを示すフローチャート図である。
【図13】マスク位置合わせマークと第2遮光部材とを位置合わせする様子を説明する模式図である。
【図14】マスク位置合わせマークと基板位置合わせマークとを位置合わせする様子を説明する模式図である。
【図15】重複領域において露光量が制御される様子を説明するための図である。
【図16】第2遮光部材の位置を検出する動作の一例を示す模式図である。
【図17】第2遮光部材の位置を検出する動作の一例を示す模式図である。
【図18】位置変化した投影領域に対する第2遮光部材の位置関係を説明するための図である。
【図19】継ぎ露光を行う際の他の実施形態を示す平面図である。
【図20】ブラインドユニットの他の実施形態を示す模式図である。
【図21】継ぎ露光を行う際の他の実施形態を示す平面図である。
【図22】継ぎ露光を行う際の他の実施形態を示す平面図である。
【図23】第2遮光部材が第1の方向に移動する様子を示す図である。
【図24】第2遮光部材の他の実施形態を示す図である。
【図25】第2遮光部材の他の実施形態を示す図である。
【図26】第2遮光部材の他の実施形態を示す図である。
【図27】フィルタ部を有する第2遮光部材の位置検出動作を説明するための模式図である。
【図28】重複領域を設定する際の他の実施形態を示す図である。
【図29】第2遮光部材の他の実施形態を示す図である。
【図30】半導体デバイス製造工程の一例を示すフローチャート図である。
【図31】従来の継ぎ露光方法を示す図である。
【図32】従来の継ぎ露光方法を示す図である。
【符号の説明】
20…視野絞り、30…ブラインド(第2遮光部材)、
30A、30B…減光部、31…ブラインド駆動装置(補正装置)、
40…遮光板(第1遮光部材)、
41…ディテクタ(位置検出装置、補正装置)、46,47…分割パターン、
48,49…重複領域、50a〜50g…投影領域(パターン像)、
52a〜52f…重複領域(継ぎ部)、
60A,60B…マスク位置合わせマーク、62,63…分割パターン、
64…重複領域(継ぎ部)、70…発光部(位置検出装置)、
71…受光部(位置検出装置)、72…基板位置合わせマーク、
78…フィルタ部(減光部)、
CONT…制御装置(位置検出装置、補正装置)、EL…露光光、
EX…露光装置、IL…照明光学系、IMa〜IMg…照明系モジュール、
Lx…パターン像の走査方向の幅、
Ly…パターン像の走査方向と直交する方向の幅、M…マスク、
MST…マスクステージ、P…感光基板(基板)、PL…投影光学系、
PLa〜PLg…投影光学モジュール(投影光学系)、
PST…基板ステージ、X…走査方向、Y…非走査方向
Claims (13)
- マスクと基板とを第1の方向に同期移動しつつ前記マスクを露光光で照明し、先に基板上に転写されたマスクのパターン像に対して次に転写するマスクのパターン像の一部を重複するように露光する露光装置において、
前記基板上に転写される前記パターン像の前記第1の方向における幅を設定する視野絞りと、
前記パターン像の前記第1の方向と直交する第2の方向における幅を設定する第1遮光部材と、
前記パターン像の前記重複領域を設定するとともに、前記パターン像の前記重複領域の積算露光量を前記パターン像の周辺に向かうに従い漸次減衰させる減光部を有する第2遮光部材とを有し、
前記減光部は、前記第2遮光部材の少なくとも2箇所に設けられていることを特徴とする露光装置。 - 前記減光部は、前記第2遮光部材の前記第2の方向の互いに対向する辺に設けられていることを特徴とする請求項1記載の露光装置。
- 前記第2遮光部材は、台形状の板部材であることを特徴とする請求項1又は2記載の露光装置。
- 前記第2遮光部材の減光部は、該第2遮光部材の周囲に向かうに従い光透過率を漸次変化させるフィルタ部であることを特徴とする請求項1又は2記載の露光装置。
- 前記第2遮光部材は、前記パターン像の像面と略平行な平面内で移動可能であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項記載の露光装置。
- 前記第2遮光部材は、前記パターン像の像面と略平行な平面内で回転可能であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項記載の露光装置。
- 前記視野絞り、前記第1遮光部材、及び前記第2遮光部材は、前記マスク及び前記基板に対してほぼ共役な位置に配置されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項記載の露光装置。
- 前記マスクのパターン像を前記基板上に投影する投影光学系を備え、前記第2遮光部材は前記投影光学系に設けられていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項記載の露光装置。
- 前記投影光学系は複数並んで設けられ、
前記第2遮光部材は、前記複数の投影光学系の間を移動することを特徴とする請求項8記載の露光装置。 - 前記第2遮光部材のエッジの複数点を検出し、該検出結果に基づいて前記第2遮光部材の位置情報を求める位置検出装置を備えたことを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項記載の露光装置。
- 前記パターン像の位置情報を検出し、該検出結果に基づいて前記第2遮光部材の位置を補正する補正装置を備えたことを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項記載の露光装置。
- マスクと基板とを第1の方向に同期移動しつつ前記マスクを露光光で照明し、先に基板上に転写されたマスクのパターン像に対して次に転写するマスクのパターン像の一部を重複するように露光する露光方法において、前記基板上に転写される前記パターン像の前記第1の方向における幅を視野絞りで設定し、
前記パターン像の前記第1の方向と直交する第2の方向における幅を第1遮光部材で設定し、
前記パターン像の重複領域の積算露光量を前記パターン像の周辺に向かうに従い漸次減衰させる減光部を少なくとも2箇所に有する第2遮光部材で前記パターン像の前記重複領域を設定することを特徴とする露光方法。 - 第1のパターン像を前記基板上に転写する際に、前記2箇所の減光部のうち一方の減光部を用いて重複領域を設定し、前記第1のパターン像の次の第2のパターン像を前記基板上に転写する際、他方の減光部を用いて重複領域を設定することを特徴とする請求項12記載の露光方法。
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