JP2004330906A - 車両用前照灯 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】主用ランプユニット5、6、22と別個の補助用ランプユニット7を回転させるものであるから、主用ランプユニット5、6、22の配光パターン(たとえば、すれ違い用配光パターンP)を変化させずに補助用ランプユニット7の配光パターンLP、RPを変化させることができる。この結果、主用ランプユニット5、6、22の本来の配光パターンの機能を損なわすことなく補助用ランプユニット7の配光パターンLP、RPを広い範囲に亘って変化させることができる。これにより、道路環境や車両走行環境などに応じて配光パターンを広い範囲に亘って変えることができる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、道路環境や車両走行環境などに応じて配光パターンを変える車両用前照灯に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
道路環境や車両走行環境に応じて配光パターンを変える車両用前照灯は、従来からある(たとえば、特許文献1参照)。この車両用前照灯は、車両の前部の左右両側にそれぞれ装備されたヘッドランプ灯体(2)と、このヘッドランプ灯体(2)を回動させる回動装置(3)と、この回動装置(3)にステアリング装置の操作量に応じる回動信号(H)を与える制御装置(4)とを備えるものである。この車両用前照灯は、カーブ走行時において、制御装置(4)がステアリング装置の操作量に応じて回動装置(3)を介してヘッドランプ灯体(2)を左右に回動させることにより、カーブ方向の先を照明することができるものである。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−234383号公報(段落番号「0008」〜「0024」、図1)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前記の車両用前照灯は、ヘッドランプ灯体(2)を回動させるものであるから、ヘッドランプ灯体(2)の配光パターンが変化する。このために、前記の車両用前照灯においては、ヘッドランプ灯体(2)の本来の配光パターン機能を損なわない程度にヘッドランプ灯体(2)の配光パターンを変化させる必要があり、ヘッドランプ灯体(2)の配光パターンを変化させる範囲に限界があるなどの課題がある。
【0005】
この発明は、上記の課題を解決することができる車両用前照灯を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、請求項1にかかる発明は、車両の前部の左右両側に、それぞれ装備された主用ランプユニットおよびそれぞれほぼ垂直な回転軸回りに回転可能に装備された補助用ランプユニットと、道路環境や車両走行環境などを検知して検知信号として出力する環境検知手段と、前記環境検知手段からの検知信号に基づいて道路環境や車両走行環境などに適応する配光パターンの駆動制御信号を出力する制御装置と、前記制御装置からの駆動制御信号に基づいて前記左右の補助用ランプユニットをそれぞれ個別に前記回転軸回りに回転させる左右の駆動手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
この結果、請求項1にかかる発明は、主用ランプユニットと別個の補助用ランプユニットを回転させるものであるから、主用ランプユニットの配光パターンを変化させずに補助用ランプユニットの配光パターンを変化させることができる。このために、請求項1にかかる発明は、主用ランプユニットの本来の配光パターンの機能を損なわすことなく補助用ランプユニットの配光パターンを広い範囲に亘って変化させることができる。これにより、請求項1にかかる発明は、道路環境や車両走行環境などに応じて配光パターンを広い範囲に亘って変えることができる。
【0008】
しかも、請求項1にかかる発明は、補助用ランプユニットのみを回転させるものであるから、ヘッドランプ灯体(2)を回転させる車両用前照灯と比較して、補助用ランプユニットを回転させる駆動手段が小型小駆動力で良く、さらに、駆動力伝達手段も小型で良く、その分、車両用前照灯を小型化することができ、かつ、コストを安価にできる。
【0009】
また、請求項2にかかる発明は、環境検知手段がハンドルの操舵角度およびまたは操舵速度を検知して操舵信号を出力する操舵センサーであり、制御装置が、カーブ走行時における操舵センサーからの操舵信号に基づいてカーブ方向側の駆動手段に、カーブ方向側の補助用ランプユニットをカーブ線形に応じて回転軸回りに回転させる駆動制御信号を出力する、ことを特徴とする。
【0010】
この結果、請求項2にかかる発明は、カーブ走行時において、カーブ方向側の補助用ランプユニットをカーブ線形に応じて回転させることができるので、カーブ方向の先を照明することができ、カーブ方向の先の視認性が向上される。また、請求項2にかかる発明は、ハンドルの操舵角度およびまたは操舵速度に応じて補助用ランプユニットを回転させるものであるから、車速に関係なくカーブ線形に応じた配光パターンが得られ、カーブ線形の視界情報が確実に得られる。
【0011】
また、請求項3にかかる発明は、環境検知手段が車速を検知して車速信号を出力する車速センサーであり、制御装置が、停止時および低速走行時における車速センサーからの車速信号に基づいて左右の駆動手段に、左右の補助用ランプユニットをそれぞれ外側に回転軸回りに回転させて外側に向ける駆動制御信号を出力し、かつ、車速が上がるに伴なって車速センサーからの車速信号に基づいて左右の駆動手段に、左右の補助用ランプユニットをそれぞれ内側に回転軸回りに回転させて内側に向ける駆動制御信号を出力する、こと特徴とする。
【0012】
この結果、請求項3にかかる発明は、停止時および低速走行時において、左右の補助用ランプユニットがそれぞれ外側に向くので、左右の側方を照明することができ、停止時および低速走行時における左右の側方の視認性が向上される。しかも、請求項3にかかる発明は、車速が上がって高速走行となると、左右の補助用ランプユニットがそれぞれ内側に向くので、進行方向の遠方を照明することができ、遠方の視認性が向上され、交通安全上好ましい。
【0013】
また、請求項4にかかる発明は、環境検知手段が車両の周囲の明るさを検知して照度信号を出力する照度センサーであり、制御装置が、市街地走行時における照度センサーからの照度信号に基づいて左右の駆動手段に、左右の補助用ランプユニットをそれぞれ外側に回転軸回りに回転させて外側に向ける駆動制御信号を出力する、こと特徴とする。
【0014】
この結果、請求項4にかかる発明は、市街地走行時において、左右の補助用ランプユニットがそれぞれ外側に向くので、左右の路肩側を照明することができ、路肩側の歩行者や自転車などを早く視認することができ、交通安全上好ましい。
【0015】
また、請求項5にかかる発明は、左右の主用ランプユニットおよび左右の補助用ランプユニットおよび左右の駆動手段が左右の取付手段にそれぞれ個別に一体に取り付けられており、この左右の取付手段をそれぞれ個別にほぼ水平軸回りに上下方向に回動させる左右の回動手段が設けられており、環境検知手段が車速を検知して車速信号を出力する車速センサーであり、制御装置が、高速走行時における車速センサーからの車速信号に基づいて左右の駆動手段に、左右の補助用ランプユニットをそれぞれ内側に回転軸回りに回転させて内側に向ける駆動制御信号を出力し、かつ、左右の回動手段に、左右の取付手段を上側にほぼ水平軸回りに回転させて上側に向ける駆動制御信号を出力する、こと特徴とする。
【0016】
この結果、請求項5にかかる発明は、高速走行時において、左右の補助用ランプユニットがそれぞれ内側に向き、かつ、左右の主用ランプユニットおよび左右の補助用ランプユニットがそれぞれ上側に向くので、進行方向の遠方をさらに明るく照明することができ、遠方の視認性が向上され、交通安全に貢献することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、この発明にかかる車両用前照灯の実施の形態の2例について添付図面を参照して説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0018】
(実施の形態1の構成の説明)
図1〜図6は、この発明にかかる車両用灯具の実施の形態1を示す。図5および図6において、1Lおよび1Rは、車両Cの前部の左右両側にそれぞれ搭載されている車両用前照灯としてのヘッドランプである。以下、左側のヘッドランプ1Lについて詳細に説明する。なお、右側のヘッドランプ1Rは、左側のヘッドランプ1Lに対してほぼ左右対称(左右逆)となる。
【0019】
前記ヘッドランプ1Lは、灯室2を区画するランプハウジング3およびランプレンズ(もしくはアウターカバー)4と、この灯室2内に配置された走行用ランプユニット5(主用ランプユニット)およびすれ違い用ランプユニット6(主用ランプユニット)および補助用ランプユニット7とから構成されている。前記補助用ランプユニット7は、たとえば、コーナリングランプ、カーブランプ、ベンディングランプなどの車両用前照灯である。
【0020】
前記走行用ランプユニット5は、走行用光源8と、この走行用光源8からの光を前方のランプレンズ4側に反射させる走行用リフレクタ(走行用反射面)9とを有し、所定の走行用配光パターンで路面Aおよびその路面A上の人(歩行者など)や物(先行車や対向車や道路標識や建物など)など(以下、単に路面Aなど、と言う)を照明する。
【0021】
前記すれ違い用ランプユニット6は、すれ違い用光源10と、このすれ違い用光源10からの光を前方のランプレンズ4側に反射させるすれ違い用リフレクタ(すれ違い用反射面)11とを有し、図4〜図6に示すように、所定のすれ違い用配光パターンPで路面Aなどを照明する。
【0022】
前記補助用ランプユニット7は、フレーム、ブラケット、カバーからなる支持手段12と、この支持手段12に取り付けられた駆動手段としてのステッピングモータなどのモータ13Lおよび13Rと、前記支持手段12に回転可能に支持された前記モータ13Lおよび13Rの駆動シャフト(図示せず)およびウォーム、ウォームホイール、シャフトからなる駆動力伝達手段(図示せず)と、このシャフトに固定された光照射手段14と、から構成されている。この光照射手段14は、リフレクタと、このリフレクタに取り付けられた光源(図示せず)とから構成されている。
【0023】
この結果、前記光照射手段14は、車両Cに搭載した際に、ほぼ垂直な回転軸D回りに回転可能に構成されることとなる。すなわち、前記光照射手段14の光照射方向(光軸方向)Z−Zが回転軸D回りに左右に回転することとなる。この光照射手段14の回転範囲θは、車両Cのカーラインの前後方向F−Bに対して外側に、すなわち、左側の光照射手段14においては左側に、また、右側の光照射手段14においては右側に、約40°〜45°の範囲である。
【0024】
なお、前記ヘッドランプ1Lの灯室2内のうち、ランプレンズ4と走行用ランプユニット5との間、走行用ランプユニット5とすれ違い用ランプユニット6との間、すれ違い用ランプユニット6と補助用ランプユニット7との間には、インナーパネル15がそれぞれは位置固定されている。このインナーパネル15は、前記各間から前記各ランプユニット5、6、7の後側の構造物が見えないように覆い隠すものである。
【0025】
また、前記各ランプユニット5、6、7の光源8、10としては、たとえば、放電灯やハロゲンバルブや白熱バルブなどを使用する。さらに、走行用ランプユニット5とすれ違い用ランプユニット6とをそれぞれ上下左右に光軸調整可能に構成しても良い。さらにまた、補助用ランプユニット7を走行用ランプユニット5とすれ違い用ランプユニット6と共に、自動的に上下に光軸調整可能に構成しても良い。
【0026】
そして、前記補助用ランプユニット7は、図3のブロック図に示すように、前記光照射手段14と、制御装置16と、駆動手段としてのモータ13Lおよび13Rと、操舵センサー17と、車速センサー18とを備えるものである。なお、モータ13Lは、左側のヘッドランプ1Lの補助用ランプユニット7に搭載されたモータであって、以下、左側のモータ13Lと称する。また、モータ13Rは、右側のヘッドランプ1Rの補助用ランプユニット7に搭載されたモータであって、以下、右側のモータ13Rと称する。
【0027】
前記制御装置16は、外部信号入力装置としてのインターフェイス回路19と、中央演算処理装置・CPU20と、制御信号出力装置としてのモータドライバー回路21とからなる。この制御装置16は、インターフェイス回路19に入力された前記操舵センサー17からの操舵信号や前記車速センサー18からの車速信号に基づいて、中央演算処理装置・CPU20で道路環境や車両走行環境などに適応する配光パターン(たとえば、左側の光照射手段14、右側の光照射手段14の点灯や最適な回転角度など)の駆動制御信号をモータドライブ回路21を介して前記左側モータ13L、右側モータ13Rに出力するものである。前記制御装置16は、車両に搭載されているコンピュータ、たとえば、カーナビゲーション(ナビゲーションシステム)のコンピュータを使用する。
【0028】
前記左側モータ13L、右側モータ13Rは、前記制御装置16からの駆動制御信号に基づいて、左側のヘッドランプ1Lの補助用ランプユニット7の前記光照射手段14、右側のヘッドランプ1Rの補助用ランプユニット7の前記光照射手段14を前記回転軸D回りにそれぞれ回転させるものである。
【0029】
前記操舵センサー17は、車両の操舵方向を検知して操舵方向信号を出力する(たとえば、ハンドルの操舵角度およびまたは操舵速度を検知して操舵信号を出力する)ものである。また、前記車速センサー18は、車速を検知して車速信号を出力するものである。
【0030】
(実施の形態1の作用効果の説明)
この実施の形態1にかかる車両用前照灯は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用効果について図4〜図6を参照して説明する。なお、この図4〜図6中においては、すれ違い用配光パターンP(図4〜図6中、実線にて示す)が照射されている。
【0031】
まず、図4に示すように、車両Cが右曲線道路に入る直前に、ドライバーがハンドルを右に操舵する。すると、操舵センサー17は、ハンドルの操舵角度およびまたは操舵速度を検知して操舵信号を制御装置16に出力する。この制御装置16は、カーブ走行時における操舵センサー17からの操舵信号に基づいてカーブ方向側、この例では、右側モータ13Rに、右側の補助用ランプユニット7の光照射手段14をカーブ線形に応じて回転軸D回りに回転させる駆動制御信号を出力する。すなわち、この制御装置16は、操舵センサー17からの操舵信号に基づいて、右側の光照射手段14の最適な回転角度を演算し、この演算された回転角度に応じた駆動制御信号(右曲線道路の曲がり方向の部分を照明する配光パターンRPの駆動制御信号)を右側モータ13Rに出力する。この右側モータ13Rは、制御装置16からの駆動制御信号に基づいて、右側の光照射手段14を回転軸D回りに所定の角度分外側に回転させる。
【0032】
この結果、右側の光照射手段14は、点灯すると共に車両Cのカーラインの前後方向F−Bに対して外側に、すなわち、右側に所定の角度向くこととなる。すると、図4に示すように、補助用配光パターンRP(図4中、点線にて示す)が右曲線道路の曲がり方向の部分(カーブの先)を照明する。これにより、右曲線道路の曲がり方向の部分を照明して視認することができ、交通安全上好ましい。なお、図4は、右曲線道路の曲がり方向の部分の照明状態を示す。左曲線道路の曲がり方向の部分を照明する場合は、左側の光照射手段14が左側に所定角度回転して左曲線道路の曲がり方向の部分を照明する。また、光照射手段14の回転角度は、曲線道路の曲線半径に対応して決定される。
【0033】
このように、この実施の形態1にかかる車両用前照灯は、カーブ走行時において、カーブ方向側の補助用ランプユニット7の光照射手段14をカーブ線形に応じて回転させることができるので、カーブ方向の先を照明することができ、カーブ方向の先の視認性が向上される。また、この実施の形態1にかかる車両用前照灯は、ハンドルの操舵角度およびまたは操舵速度に応じて補助用ランプユニット7の光照射手段14を回転させるものであるから、車速に関係なくカーブ線形に応じた補助用配光パターンRPが得られ、カーブ線形の視界情報が確実に得られる。
【0034】
前記補助用ランプユニット7の光照射手段14の点灯は、カーブ走行時のみの場合と、走行用光源8やすれ違い用光源10の点灯時の場合と、サイドランプ(図示せず)やテールランプ(図示せず)の点灯時の場合と、車両Cの使用中常時の場合(デイタイムランニングランプとしての機能をも有する)となどがある。
【0035】
以下、前記のカーブ走行時における光照射手段14の回転制御の1例について説明する。まず、カーブに入る前の初期状態では、左右の補助用ランプユニット7の光照射手段14は、車両Cのカーラインの前後方向F−Bに対して外側に約40°〜45°の方向に向いている。操舵センサー17がハンドルの操舵角度およびまたは操舵速度を検知すると、カーブ側の補助用ランプユニット7の光照射手段14は、制御装置16を介してカーブ側のモータ13Lまたは13Rの駆動により、車両Cのカーラインの前後方向F−Bに対して外側に約10°の方向に向く。そして、ハンドルの操舵角が増すにつれて、カーブ側の補助用ランプユニット7の光照射手段14は、制御装置16を介してカーブ側のモータ13Lまたは13Rの駆動により、前記約10°野状態から外側に回転する。このような回転制御により、カーブ走行に適した応答性が速い照明が得られる。なお、回転制御としては、前記の1例以外の回転制御でも良い。
【0036】
つぎに、図5および図6に示すように、ハンドルの操舵操作がなく、車両Cが真っ直ぐな状態にあるとき。このとき、車速センサー18は、車速を検知して車速信号を制御装置16に出力する。たとえば、車両Cが停止状態、もしくは、車両Cが低速(たとえば、0〜20km/h)走行状態にあるとき。制御装置16は、停止時および低速走行時における車速センサー18からの車速信号に基づいて左側モータ13Lおよび右側モータ13Rに、左右の補助用ランプユニット7の光照射手段14をそれぞれ外側に回転軸D回りに回転させて外側に向ける駆動制御信号を出力する。また、制御装置16は、車速が上がるに伴なって車速センサー18からの車速信号に基づいて左側モータ13Lおよび右側モータ13Rに、左右の補助用ランプユニット7の光照射手段14をそれぞれ内側に回転軸D回りに回転させて内側に向ける駆動制御信号を出力する。さらに、制御装置16は、車速が下がるに伴なって車速センサー18からの車速信号に基づいて左側モータ13Lおよび右側モータ13Rに、左右の補助用ランプユニット7の光照射手段14をそれぞれ外側に回転軸D回りに回転させて外側に向ける駆動制御信号を出力する。
【0037】
この結果、車両Cが真っ直ぐ停止状態、もしくは、車両Cが直進低速走行状態にあるときには、左右の光照射手段14がそれぞれ左右に外側に向いている状態にある。この状態で左右の光照射手段14が点灯すると、図5に示すように、左右の光照射手段14は、補助用配光パターンLP、RPで車両Cの前方の左右側方を照明する。このために、車両Cの前方の左右側方の視認性が向上されて交通安全上好ましい。また、車両Cが直進高速走行状態にあるときには、左右の光照射手段14がそれぞれ左右に外側に向いている状態にある。この状態で左右の光照射手段14が点灯すると、図6に示すように、左右の光照射手段14は、補助用配光パターンLP、RPで車両Cの前方の遠方を照明する。このために、車両Cの前方の遠方の視認性が向上されて交通安全上好ましい。
【0038】
このように、この実施の形態1にかかる車両用前照灯は、停止時および低速走行時において、左右の補助用ランプユニット7の光照射手段14がそれぞれ外側に向くので、左右の側方を照明することができ、停止時および低速走行時における左右の側方の視認性が向上される。しかも、この実施の形態1にかかる車両用前照灯は、車速が上がって高速走行となると、左右の補助用ランプユニット7の光照射手段14がそれぞれ内側に向くので、進行方向の遠方を照明することができ、遠方の視認性が向上され、交通安全上好ましい。
【0039】
以下、前記の直線走行時における光照射手段14の回転制御の1例について説明する。まず、初期状態では、左右の補助用ランプユニット7の光照射手段14は、それぞれ車両Cのカーラインの前後方向F−Bに対して外側に、すなわち、左側の光照射手段14においては左側に約40°〜45°、また、右側の光照射手段14においては右側に約40°〜45°向いている。車速がたとえば0〜20km/hの場合には、前記の外側に約40°〜45°向いている状態が維持されている。そして、車速がたとえば20km/h以上になりかつ上がると、左右の補助用ランプユニット7の光照射手段14は、制御装置16を介して左側モータ13Lおよび右側13Rの駆動により、前記の外側に約40°〜45°向いている状態から内側に回転する。この状態で、車速が下がると、左右の補助用ランプユニット7の光照射手段14は、制御装置16を介して左側モータ13Lおよび右側13Rの駆動により、前記の状態から外側に回転する。このような回転制御により、直進走行に適した応答性が速い照明が得られる。なお、回転制御としては、前記の1例以外の回転制御でも良い。
【0040】
(実施の形態2の構成の説明)
図7〜図13は、この発明にかかる車両用灯具の実施の形態2を示す。図中、図1〜図6と同符号は、同一のものを示す。以下、右側のヘッドランプ100Rについて詳細に説明する。なお、左側のヘッドランプ100Lは、右側のヘッドランプ100Rに対してほぼ左右対称(左右逆)となる。
【0041】
前記ヘッドランプ100Rは、灯室2を区画するランプハウジング3およびランプレンズ(もしくはアウターカバー)4と、この灯室2内に配置された主用ランプユニット(走行用兼すれ違い用ランプユニット)22および補助用ランプユニット7とから構成されている。前記補助用ランプユニット7は、前記の実施の形態1と同様に、たとえば、コーナリングランプ、カーブランプ、ベンディングランプなどの車両用前照灯である。
【0042】
前記主用ランプユニット22は、プロジェクタタイプのランプユニットである。このプロジェクタタイプの主用ランプユニット22は、放電灯などの光源34と、前記光源34からの光を反射させるリフレクタ35と、前記リフレクタ35からの反射光を所定の光照射方向(光軸(図示せず)に沿った前方方向)に投影して路面Aなどを照明する投影レンズ(たとえば、凸レンズなどの集光レンズ)23と、前記リフレクタ35に固定されかつ前記投影レンズ23を支持するレンズホルダ24と、から構成されている。
【0043】
前記補助用ランプユニット7は、前記の実施の形態1と同様に、フレーム、ブラケット、カバーからなる支持手段12と、この支持手段12に取り付けられた駆動手段としてのステッピングモータなどのモータ13Lおよび13Rと、前記支持手段12に回転可能に支持された前記モータ13Lおよび13Rの駆動シャフト25およびウォーム26、ウォームホイール(扇形状のヘリカルギア)27、シャフト28からなる駆動力伝達手段と、このシャフト28に固定された光照射手段14と、から構成されている。この光照射手段14は、リフレクタ29と、このリフレクタ29に取り付けられたハロゲンランプなどの光源30とから構成されている。
【0044】
前記プロジェクタタイプの主用ランプユニット22は、取付手段としてのブラケット31にほぼ垂直軸回りに左右に回転可能に取り付けられている。このプロジェクタタイプの主用ランプユニット22とブラケット31との間には、主用ランプユニット22を左右に回転させる左右方向用の光軸調整装置(図示せず)が配置されている。また、前記補助用ランプユニット7および駆動手段としてのステッピングモータなどのモータ13Lおよび13Rなども前記ブラケット31に取り付けられている。
【0045】
前記主用ランプユニット22と前記補助用ランプユニット7とは、図8に示すように、ブラケット31を介して前記ランプハウジング3に水平軸E回りに回転可能に取り付けられている。すなわち、ブラケット31の上部とランプハウジング3の上部とは、ピボット機構32を介して取り付けられており、また、ブラケット31の下部とランプハウジング3の下部とは、アクチュエータ(いわゆる、オートレベラー)33Lおよび33Rを介して取り付けられている。前記アクチュエータ33Lおよび33Rは、たとえば、ステッピングモータ、シリンダー、ソレノイドなどから構成されている。
【0046】
前記アクチュエータ33Lおよび33Rは、図11に示すように、制御装置16を介してハイトセンサー36(特開平10−250463号公報を参照)に接続されている。このハイトセンサー36が車両Cの前後方向の傾きを検知すると、制御装置16を介して、前記アクチュエータ33Lおよび33Rが駆動し、前記ブラケット31と共に前記主用ランプユニット22と前記補助用ランプユニット7とが水平軸E回りに上下に自動的に回転する。これにより、車両Cの前後方向の傾きに対応して、前記主用ランプユニット22の光軸と前記補助用ランプユニット7の光軸Z−Zとが自動的に上下することとなる。
【0047】
なお、図11および図12に示すように左右の主用ランプユニット22および左右の補助用ランプユニット7および左右のモータ13Lおよび13Rは、左右のブラケット31にそれぞれ個別に一体に取り付けられている。この左右のブラケット31には、それぞれ個別にほぼ水平軸E回りに上下方向に回動させる左右のアクチュエータ33Lおよび33Rが設けられている。
【0048】
そして、前記左右の主用ランプユニット22の光源34と、前記左右の補助用ランプユニット7の光源30と、前記左右のモータ13Lおよび13Rと、前記左右のアクチュエータ33Lおよび33Rは、図11に示すように、制御装置16を介して、操舵センサー17と、車速センサー18と、ハイトセンサー36と、照度センサー37と、ランプスイッチ38とに接続されている。前記照度センサー37は、車両Cの周囲の照度を検知してその検知信号を制御装置16に出力するものである。この照度センサー37は、主に、車両Cが市街地の中を走行しているか否かを検知するセンサーである。また、前記ランプスイッチ38は、前記主用ランプユニット22の光源34の点灯と消灯との切替と、前記主用ランプユニット22の光源34の走行用配光パターンとすれ違い用配光パターンPとの切替と、前記補助用ランプユニット7の光源30の点灯と消灯との切替と、サイドランプ(図示せず)やテールランプ(図示せず)の点灯と消灯との切替などに使用される。
【0049】
(実施の形態2の作用効果の説明)
この実施の形態2にかかる車両用前照灯は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用効果について図12および図13を参照して説明する。なお、この図12および図13中においては、すれ違い用配光パターンPが照射されている。また、図13において、符号「H−H」は、スクリーンの左右の水平線を示す。符号「V−V」は、同じく、スクリーンの上下の垂直線を示す。
【0050】
まず、図12(A)に示すように、車両Cが直線走行時においては、左右の補助放ランプユニット7の光照射手段14の光軸Z−Zが車両Cのカーラインの前後方向F−Bとほぼ並行の位置にあり、また、光照射手段14の光源30が消灯状態にあり、一方、主用ランプユニット22の光源34が点灯状態にある。このために、図13(A)に示すように、すれ違い用配光パターンPのみが得られる。このときのすれ違い用配光パターンPの水平カットラインCLは、水平線H−Hに対して下に約0.57°の位置に位置する。なお、ランプスイッチ38の操作により、走行用の配光パターンに切り替えることができ、また、サイドランプやテールランプなどを点灯することができ、さらに、全ランプを消灯することができ、さらにまた、左右の補助放ランプユニット7の光照射手段14の光源30を点灯することができる。
【0051】
つぎに、車両Cが右曲線道路に入る直前に、ドライバーがハンドルを右に操舵する。すると、操舵センサー17は、ハンドルの操舵角度およびまたは操舵速度を検知して操舵信号を制御装置16に出力する。この制御装置16は、カーブ走行時における操舵センサー17からの操舵信号に基づいてカーブ方向側、この例では、右側モータ13Rに、右側の補助用ランプユニット7の光照射手段14をカーブ線形に応じて回転軸D回りに回転させる駆動制御信号を出力する。それと同時に、制御装置16は、右側の光照射手段14の光源30に点灯信号を出力する。このために、図12(B)に示すように、右側の光照射手段14は、カーブ線形に応じて回転軸D回りに左右(外側内側)に回転する。これにより、図13(B)に示すように、すれ違い用配光パターンPの右側に補助用配光パターンRPが照射される。この補助用配光パターンRPは、図13(B)中の実線両矢印に示すように、カーブ線形に応じて左右に振られる。なお、この光照射手段14の回転の範囲は、車両Cのカーラインの前後方向F−Bに対して、0°から外側にθ1(約30°)間での範囲である。ただし、この回転範囲は、この数値には限定されない。
【0052】
また、車両Cが市街地の中を走行すると、照度センサー37が車両Cの周囲の照度を検知して照度信号を制御装置16に出力する。この制御装置16は、市街地中走行時における照度センサー37からの照度信号に基づいて、左側モータ13Lおよび右側モータ13Rに、左右の補助用ランプユニット7の光照射手段14を最外側に回転軸D回りに回転させかつその最外側の位置を維持する駆動制御信号を出力する。それと同時に、制御装置16は、左右の光照射手段14の光源30に点灯信号を出力する。このために、図12(C)に示すように、左右の光照射手段14は、最外側に回転軸D回りに回転してその最外側の位置を維持する。これにより、図13(C)に示すように、すれ違い用配光パターンPの左右に補助用配光パターンLP、RPが照射される。なお、図13(C)において、左側の補助用配光パターンLPの図示は、省略されている。また、前記の最外側は、車両Cのカーラインの前後方向F−Bに対して、外側に約30°の位置である。ただし、最外側の位置は、この数値には限定されない。
【0053】
このように、この実施の形態2にかかる車両用前照灯は、市街地走行時において、左右の補助用ランプユニット7がそれぞれ外側に向くので、左右の路肩側を照明することができ、路肩側の歩行者や自転車などを早く視認することができ、交通安全上好ましい。なお、市街地走行時の判断の対象とされる環境は、前記の車両Cの周囲の照度に、車両Cの車速を加えても良い。
【0054】
さらに、車両Cがたとえば、80km/h以上の高速で走行すると、車速センサー18が車両Cの車速を検知して車速信号を制御装置16に出力する。この制御装置16は、高速走行時における車速センサー18からの車速信号に基づいて、左側モータ13Lおよび右側モータ13Rに、左右の補助用ランプユニット7の光照射手段14を最内側に回転軸D回りに回転させかつその最内側の位置を維持する駆動制御信号を出力する。また、制御装置16は、左右のアクチュエータ33Lおよび33Rに、左右の主用ランプユニット22および左右の補助用ランプユニット7を上に水平軸E回りに回転させかつその上の位置を維持する駆動制御信号を出力する。それと同時に、制御装置16は、左右の光照射手段14の光源30に点灯信号を出力する。このために、図12(D)に示すように、左右の光照射手段14は、最内側に回転軸D回りに回転してその最内側の位置を維持する。また、左右の主用ランプユニット22および左右の補助用ランプユニット7は、上に水平軸E回りに回転してその上の位置を維持する。これにより、図13(D)に示すように、すれ違い用配光パターンPに補助用配光パターンLP、RPが重なって照射される。また、このすれ違い用配光パターンPおよび補助用配光パターンLP、RPは、たとえば、すれ違い用配光パターンPの水平カットラインCLが水平線H−Hにほぼ位置する程度に上に向く。なお、図13(D)において、左側の補助用配光パターンLPの図示は、省略されている。また、前記の最内側は、車両Cのカーラインの前後方向F−Bに対して、内側にθ2(約5°)の位置である。ただし、最内側の位置は、この数値には限定されない。
【0055】
このように、この実施の形態2にかかる車両用前照灯は、高速走行時において、左右の補助用ランプユニット7がそれぞれ内側に向き、かつ、左右の主用ランプユニット22および左右の補助用ランプユニット7がそれぞれ上側に向くので、進行方向の遠方をさらに明るく照明することができ、遠方の視認性が向上され、交通安全に貢献することができる。
【0056】
なお、この実施の形態2にかかる車両用前照灯においては、ランプスイッチ38の操作により、前記補助用ランプユニット7の光照射手段14を車両Cの使用中常時点灯する場合がある。この場合には、デイタイムランニングランプとしての機能をも有することとなる。
【0057】
前記実施の形態1、2にかかる車両用前照灯は、主用ランプユニット5、6、22と別個の補助用ランプユニット7を回転させるものであるから、主用ランプユニット5、6、22の配光パターン(たとえば、すれ違い用配光パターンP)を変化させずに補助用ランプユニット7の配光パターンLP、RPを変化させることができる。このために、前記実施の形態1、2にかかる車両用前照灯は、主用ランプユニット5、6、22の本来の配光パターンの機能を損なわすことなく補助用ランプユニット7の配光パターンLP、RPを広い範囲に亘って変化させることができる。これにより、前記実施の形態1、2にかかる車両用前照灯は、道路環境や車両走行環境などに応じて配光パターンを広い範囲に亘って変えることができる。しかも、前記実施の形態1、2にかかる車両用前照灯は、補助用ランプユニット7のみを回転させるものであるから、ヘッドランプ灯体(2)を回転させる車両用前照灯と比較して、補助用ランプユニット7を回転させる左側モータ13L、右側モータ13Rが小型小駆動力で良く、さらに、駆動力伝達手段も小型で良く、その分、車両用前照灯を小型化することができ、かつ、コストを安価にできる。
【0058】
(実施の形態1、2以外の例の説明)
なお、この実施の形態1、2において、環境検知手段としては、操舵センサー17、車速センサー18、ハイトセンサー36、照度センサー37を使用しているが、この発明置いては、その他の環境検知手段を使用しても良い。たとえば、カーナビゲーションシステム(GPSや地上局(電子基準点など)から出力される位置情報信号を受信するGPSレシーバーや自車位置や自車姿勢を検知するジャイロセンサーなど空構成されている)を使用しても良い。この場合は、車両Cの進行方向の先の状況が把握でき、前方にカーブがある場合は、あらかじめ補助用ランプユニット7の光源30を点灯し、カーブ線形に合わせて補助用ランプユニット7の光照射手段14の向きを変えることもできる。また、CCDカメラや画像処理手段などから構成されている撮像装置を使用すれば、車両Cの前方の環境情報を画像情報として検知することができる。さらに、ターンシグナルスイッチのON信号を検知してターン信号を出力するターンセンサーを使用しても良い。
【0059】
また、上記の実施の形態1、2においては、走行状況に応じて自動的に各種の照射範囲に変更しているが、この発明においては、ランプスイッチ38に上記の作用をするモードと、通常走行時の照射のみのモードとを設けても良い。これにより、必要に応じて上記の作用をするモードを使用することができ、通常走行時の照射範囲のみでよい場合は、そのモードを選択することによって照射範囲を通常走行時の照射範囲に固定できる。この結果、必要に応じて照射範囲が固定、若しくは自動的に変化させることができるので、より実用的な車両用前照灯とすることができる。また、上記の実施の形態1、2は、日本のように左側通行で使用する車両に取り付けられる車両用前照灯について説明しているが、外国などで使用する場合に、法律で右側通行となることなどにより照射範囲が上記と異なる場合には、その法律に合わせた照射範囲にすることにより、そのような場合においてもこの発明にかかる車両用前照灯は使用することができる。
【0060】
【発明の効果】
以上から明らかように、この発明にかかる車両用前照灯(請求項1)によれば、主用ランプユニットと別個の補助用ランプユニットを回転させるものであるから、主用ランプユニットの配光パターンを変化させずに補助用ランプユニットの配光パターンを変化させることができる。このために、この発明にかかる車両用前照灯(請求項1)は、主用ランプユニットの本来の配光パターンの機能を損なわすことなく補助用ランプユニットの配光パターンを広い範囲に亘って変化させることができる。これにより、この発明にかかる車両用前照灯(請求項1)は、道路環境や車両走行環境などに応じて配光パターンを広い範囲に亘って変えることができる。しかも、この発明にかかる車両用前照灯(請求項1)は、補助用ランプユニットのみを回転させるものであるから、ヘッドランプ灯体(2)を回転させる車両用前照灯と比較して、補助用ランプユニットを回転させる駆動手段が小型小駆動力で良く、さらに、駆動力伝達手段も小型で良く、その分、車両用前照灯を小型化することができ、かつ、コストを安価にできる。
【0061】
また、この発明にかかる車両用前照灯(請求項2)よれば、カーブ走行時において、カーブ方向側の補助用ランプユニットをカーブ線形に応じて回転させることができるので、カーブ方向の先を照明することができ、カーブ方向の先の視認性が向上される。また、この発明にかかる車両用前照灯(請求項2)は、ハンドルの操舵角度およびまたは操舵速度に応じて補助用ランプユニットを回転させるものであるから、車速に関係なくカーブ線形に応じた配光パターンが得られ、カーブ線形の視界情報が確実に得られる。
【0062】
また、この発明にかかる車両用前照灯(請求項3)によれば、停止時および低速走行時において、左右の補助用ランプユニットがそれぞれ外側に向くので、左右の側方を照明することができ、停止時および低速走行時における左右の側方の視認性が向上される。しかも、この発明にかかる車両用前照灯(請求項3)は、車速が上がって高速走行となると、左右の補助用ランプユニットがそれぞれ内側に向くので、進行方向の遠方を照明することができ、遠方の視認性が向上され、交通安全上好ましい。
【0063】
また、この発明にかかる車両用前照灯(請求項4)よれば、市街地走行時において、左右の補助用ランプユニットがそれぞれ外側に向くので、左右の路肩側を照明することができ、路肩側の歩行者や自転車などを早く視認することができ、交通安全上好ましい。
【0064】
また、この発明にかかる車両用前照灯(請求項5)によれば、高速走行時において、左右の補助用ランプユニットがそれぞれ内側に向き、かつ、左右の主用ランプユニットおよび左右の補助用ランプユニットがそれぞれ上側に向くので、進行方向の遠方をさらに明るく照明することができ、遠方の視認性が向上され、交通安全に貢献することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかる車両用前照灯の実施の形態1を示す横断面図である。
【図2】光照射手段の光軸が車両のカーラインの前後方向とが一致する状態を示す横断面図である。
【図3】制御装置、左側モータ、右側モータ、各種のセンサーを示すブロック図である。
【図4】カーブ走行時における照明状態を示す説明図である。
【図5】直線路の停止時や低速走行時における照明状態を示す説明図である。
【図6】直線路の高速走行時における照明状態を示す説明図である。
【図7】この発明にかかる車両用前照灯の実施の形態2を示す一部斜視図である。
【図8】図7におけるVIII−VIII線断面図である。
【図9】図7におけるIX−IX線断面図である。
【図10】図9におけるX−X線矢視図である。
【図11】制御装置、左側のヘッドランプ、右側のヘッドランプ、各種のセンサーを示すブロック図である。
【図12】(A)は、直線路の通常走行時の状態を示す説明図、(B)は、カーブ走行時の状態を示す説明図、(C)は、市街地中走行時の状態を示す説明図、(D)は、高速走行時の状態を示す説明図である。
【図13】(A)は、図12の(A)の場合の配光パターンを示す説明図、(B)は、図12の(B)の場合の配光パターンを示す説明図、(C)は、図12の(C)の場合の配光パターンを示す説明図、(D)は、図12の(D)の場合の配光パターンを示す説明図である。
【符号の説明】
A 路面
C 車両
D 回転軸
E 水平軸
P すれ違い用配光パターン
CL 水平カットライン
LP、RP 補助用配光パターン
F−B 車両のカーラインの前後方向
Z−Z 光軸
H−H 水平線
V−V 垂直線
θ、θ1、θ2 補助用ランプユニットの回転範囲
1L、100L 左側のヘッドランプ
1R、100R 右側のヘッドランプ
2 灯室
3 ランプハウジング
4 ランプレンズ(アウターカバー)
5 走行用ランプユニット
6 すれ違い用ランプユニット
7 補助用ランプユニット
8 走行用光源
9 走行用リフレクタ(走行用反射面)
10 すれ違い用光源
11 すれ違い用リフレクタ(すれ違い用反射面)
12 支持手段
13L 左側モータ(駆動手段)
13R 右側モータ(駆動手段)
14 光照射手段
15 インナーパネル
16 制御装置
17 操舵センサー
18 車速センサー
19 インターフェイス回路
20 中央演算装置・CPU
21 モータドライブ回路
22 主用ランプユニット
23 投影レンズ
24 レンズホルダ
25 駆動シャフト
26 ウォーム
27 ウォームホイール
28 シャフト
29、35 リフレクタ
30、34 光源
31 ブラケット(取付手段)
32 ピボット機構
33L、33R アクチュエータ
36 ハイトセンサー
37 照度センサー
38 ライトスイッチ
Claims (5)
- 道路環境や車両走行環境などに応じて配光パターンを変える車両用前照灯において、
車両の前部の左右両側にそれぞれ装備された主用ランプユニットと、
車両の前部の左右両側にそれぞれほぼ垂直な回転軸回りに回転可能に装備された補助用ランプユニットと、
道路環境や車両走行環境などを検知して検知信号として出力する環境検知手段と、
前記環境検知手段からの検知信号に基づいて道路環境や車両走行環境などに適応する配光パターンの駆動制御信号を出力する制御装置と、
前記制御装置からの駆動制御信号に基づいて前記左右の補助用ランプユニットをそれぞれ個別に前記回転軸回りに回転させる左右の駆動手段と、
を備えたことを特徴とする車両用前照灯。 - 前記環境検知手段は、ハンドルの操舵角度およびまたは操舵速度を検知して操舵信号を出力する操舵センサーであり、
前記制御装置は、カーブ走行時における前記操舵センサーからの操舵信号に基づいてカーブ方向側の前記駆動手段に、カーブ方向側の前記補助用ランプユニットをカーブ線形に応じて前記回転軸回りに回転させる駆動制御信号を出力する、ことを特徴とする請求項1に記載の車両用前照灯。 - 前記環境検知手段は、車速を検知して車速信号を出力する車速センサーであり、
前記制御装置は、停止時および低速走行時における前記車速センサーからの車速信号に基づいて前記左右の駆動手段に、前記左右の補助用ランプユニットをそれぞれ外側に前記回転軸回りに回転させて外側に向ける駆動制御信号を出力し、かつ、車速が上がるに伴なって前記車速センサーからの車速信号に基づいて前記左右の駆動手段に、前記左右の補助用ランプユニットをそれぞれ内側に前記回転軸回りに回転させて内側に向ける駆動制御信号を出力する、こと特徴とする請求項1に記載の車両用前照灯。 - 前記環境検知手段は、車両の周囲の明るさを検知して照度信号を出力する照度センサーであり、
前記制御装置は、市街地走行時における前記照度センサーからの照度信号に基づいて前記左右の駆動手段に、前記左右の補助用ランプユニットをそれぞれ外側に前記回転軸回りに回転させて外側に向ける駆動制御信号を出力する、こと特徴とする請求項1に記載の車両用前照灯。 - 前記左右の主用ランプユニットおよび前記左右の補助用ランプユニットおよび前記左右の駆動手段がそれぞれ左右に個別に一体に取り付けられている左右の取付手段と、
前記左右の取付手段をそれぞれ個別にほぼ水平軸回りに上下方向に回動させる左右の回動手段と、
を有し、
前記環境検知手段は、車速を検知して車速信号を出力する車速センサーであり、
前記制御装置は、高速走行時における前記車速センサーからの車速信号に基づいて前記左右の駆動手段に、前記左右の補助用ランプユニットをそれぞれ内側に前記回転軸回りに回転させて内側に向ける駆動制御信号を出力し、かつ、前記左右の回動手段に、前記左右の取付手段を上側に前記ほぼ水平軸回りに回転させて上側に向ける駆動制御信号を出力する、こと特徴とする請求項1に記載の車両用前照灯。
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