JP2004330618A - 卓上丸鋸 - Google Patents
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Abstract
【課題】卓上丸鋸において、ブレードを覆う後側セーフティカバーにつき、コンパクト化を図るとともに、形状や位置に関して合理的に構成することができる技術を提供する。
【解決手段】ブレード131の下部後側を覆う後側セーフティカバー135の一端部を、ブレードケース132の後側の丸鋸本体130の揺動中心130aの近傍に設けた回動中心を中心にして回動可能に取り付け、ブレード131による被加工材Wの切断時に被加工材Wに接触して上方へ回動する構成とした。後側セーフティカバー135は、リンクアーム136に対する取付部からブレード131の外周縁の接線方向に延在されており、その延在部を覆蓋部135eとしてブレード131の下部後側を覆っている。
【選択図】 図1
【解決手段】ブレード131の下部後側を覆う後側セーフティカバー135の一端部を、ブレードケース132の後側の丸鋸本体130の揺動中心130aの近傍に設けた回動中心を中心にして回動可能に取り付け、ブレード131による被加工材Wの切断時に被加工材Wに接触して上方へ回動する構成とした。後側セーフティカバー135は、リンクアーム136に対する取付部からブレード131の外周縁の接線方向に延在されており、その延在部を覆蓋部135eとしてブレード131の下部後側を覆っている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、テーブル上に載置された被加工材を、該テーブルの上方に配置された丸鋸本体を上下に移動させることにより該丸鋸本体のブレードにより切断することができる卓上丸鋸に関し、詳しくはブレードの下部側を覆うために備えられるセーフティカバーに関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の卓上丸鋸では、被加工材を切断するためのブレードを有する丸鋸本体は、被加工材の切断作業に用いられていない状態では、上昇端位置に保持されている。丸鋸本体が上昇端位置にあるとき、ブレードは、その下部側をセーフティカバーによって覆われている。
上記のセーフティカバーとしては、前後に分割された形式のものとして、双方が回動するタイプと、前側セーフティカバーのみが回動し、後側セーフティカバーが固定されたタイプとが知られている。前後双方のセーフティカバーが回動するタイプのものは、被加工材を加工するために丸鋸本体を下方へ揺動(下降)させたとき、例えば被加工材に接触して上方へ回動するように構成されている(特許文献1参照。)。また、後側セーフティカバーが固定された後者のものは、丸鋸本体を下方へ揺動(下降)させたときに、後側セーフティカバーが被加工材に干渉しないように設定されている(特許文献2参照。)。
【0003】
【特許文献1】
実開平03−108401号公報
【特許文献2】
特公平06−98601号公報
【0004】
【発明が解決しょうとする課題】
上記特許文献1に記載の双方回動タイプの場合、前後のセーフティカバーは、丸鋸本体側において、ブレードの回転中心線上に設定された共通の回動軸を中心にして個別的に回動するように取り付けられている。そして、後側のセーフティカバーは、被加工材の切断時に被加工材に接触することによって上方へ回動される構造である。したがって、後側セーフティカバーは、丸鋸本体に対する取付部からブレードの外周縁まで延在させて形成しなければならない。その結果、後側セーフティカバーとしては、ブレードの側面から外周部を含む広い面積のものが必要になり、後側セーフティカバーが大型化してしまうという問題がある。
他方、後者の後側セーフティカバーが固定タイプの場合、丸鋸本体を下側へ揺動させたとき、後側セーフティカバーについて被加工材との干渉問題を考慮して位置や形状等を設計しなければならず、設計上の自由度に制約を受けるという問題がある。
【0005】
本発明は、上述した従来の問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、卓上丸鋸において、ブレードを覆う後側セーフティカバーにつき、コンパクト化を図るとともに、形状や位置に関して合理的に構成することができる技術を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するため、本発明に係る卓上丸鋸は、請求項1および2に記載のとおりに構成される。各請求項に記載の発明は、被加工材を載置可能なテーブルを有するベースと、当該ベースの上方に配置された付設物として、被加工材を切断するためのブレードを有する丸鋸本体、および丸鋸本体を上下方向に揺動可能に支持する本体支持部を備えた卓上丸鋸において、ブレードを覆う後側セーフティカバーにつき、コンパクト化を図るとともに、形状や位置に関して合理的に構成することができるようにしたことに特徴を有する。
【0007】
請求項1に記載の卓上丸鋸は、ブレードの下部を覆う前後に分割されたセーフティカバーを備えている。なお、本明細書における「前後」とは、ブレードの回転中心線を挟んで、丸鋸本体の揺動中心側を後側といい、その反対側(作業者による操作側)を前側という。後側セーフティカバーは、付設物におけるブレードの回転中心を通る水平線よりも下方の領域であってかつ当該回転中心を通る垂直線よりも後方の領域に支持され、丸鋸本体による被加工材の切断時に上方へ変位可能とされている。かかる付設物としては、典型的には丸鋸本体支持用としてベースに一体的に突設される本体支持部、本体支持部と丸鋸本体との間に介在される傾動部、および丸鋸本体を構成するブレードケース等がこれに該当するが、これらのほか、前側セーフティカバーを回動動作させるために備えられるリンクアーム等が含まれる。
【0008】
請求項1の発明によれば、上記のような構成を採用したことにより、丸鋸本体を下方へ揺動させてテーブル上に置かれた被加工材をブレードにより切断するとき、後側セーフティカバーは、例えば被加工材に接触して上方へ変位される。これにより丸鋸本体の下方への揺動を許容する。このときの後側セーフティカバーの変位の形態としては、例えば一つの軸線周りに回動する、いわゆる回動(揺動)形式あるいはガイドに沿って直線的に移動する形式等が考えられる。
このように、後側セーフティカバーが上方へ変位することで、ブレードによる被加工材の切断作業を支障なく実施することができる。このため、被加工材との干渉問題を考慮する必要がなく、固定式の場合に見受けられるような形状あるいは位置に関する制約を受けることが少なくなり、設計上の自由度を得ることができる。また、コンパクト化を合理的になすことが可能となる。
【0009】
(請求項2に記載の発明)
請求項2の発明では、請求項1に記載の卓上丸鋸において、前側セーフティカバーが丸鋸本体の上下方向の揺動に対応して回動可能に備えられている。そして、前側セーフティカバーは、ブレードを覆う位置にあるとき、後側セーフティカバーに係合して該後側セーフティカバーの上方への変位を規制する構成としている。これにより、後側セーフティカバーが常には前側セーフティカバーによってブレードの刃先を覆う位置にロックされることになる。
【0010】
なお、上記各請求項に記載の卓上丸鋸は、例えば丸鋸本体に上部テーブルを備えた態様の、いわゆるテーブルソーとしても使用できる上部テーブル付卓上丸鋸に適用することが特に有効である。この上部テーブル付卓上丸鋸は、被加工材を切断するブレードの上部を丸鋸本体に備えられた上部テーブルの下方からスリットを通してテーブル上面に突出させた構成であり、被加工材を上部テーブルの上面に載せて滑らせることにより切断することができる。すなわち、丸鋸本体を下方に揺動させつつブレードの下縁部を用いて、いわゆる卓上丸鋸として使用するとともに、上部テーブルを概ね水平状態にするために、丸鋸本体を下方位置で固定した上で、当該上部テーブルの上面へと突出したブレードの上縁部を用いてテーブルソーとして併用することが可能とされる。このような上部テーブル付卓上丸鋸では、上部テーブルを丸鋸本体に付設する関係で、例えばセーフティカバーの移動範囲に制約を受ける等の理由から、セーフティカバーを前後に分割して配置する場合が生じ易く、特にセーフティカバーの合理的配置の要請が高く、本件発明を一層良好に適用することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図1〜図5に基づいて説明する。本実施の形態に係る卓上丸鋸100は、丸鋸本体130に上部テーブル140が付設された、いわゆる上部テーブル付卓上丸鋸である。図1〜図3は上部テーブル付卓上丸鋸100を示す側面図であり、図1は丸鋸本体130が上昇端に位置した通常状態を示し、図2および図3は丸鋸本体130の下方への揺動状態を段階的に示している。
図示のように、上部テーブル付卓上丸鋸100は、丸鋸本体130、ベース110および丸鋸本体130とベース110とを結合する本体支持部150とを主体として構成される。
【0012】
丸鋸本体130は、図示省略の電動モータによって回転駆動されるブレード131と、当該ブレード131を覆うブレードケース132、セーフティカバー133、上部テーブル140、さらに図示省略のハンドグリップやそのハンドグリップに設けられたトリガースイッチ等を有し、揺動中心130aを中心として上下方向に揺動可能に構成される。
また、丸鋸本体130は、本体支持部150に設けられた傾動部151を介して左右方向(図1〜図3における紙面に直交する方向)に傾動自在に支持され、止着ネジ152により所定の傾動角にて固定されるように構成される。これにより、ブレード131による被加工材Wの垂直切りのみならず、傾斜切りが可能とされる。
なお、本体支持部150は、ベース110に一体的に突設された支持部150aと、その支持部150aに傾動可能とされる傾動部151とによって構成されている。
【0013】
ベース110は、本体支持部150を介して丸鋸本体130に結合されるとともに、上部にターンテーブル111を有する。ターンテーブル111の上面側には切断すべき被加工材Wが載置される。ターンテーブル111は、被加工材Wをブレード131による切断線に対して直角に突き当てるためのフェンス状の位置決め部材112を有するとともに、ベース110に対して適宜水平面内で回転可能に支持されており、ターンレバー113を回動操作することで水平回転できるように構成される。これにより、ブレード131による前後方向(水平方向)に傾斜した角度切りが可能となる。ここで、「前後」とは、ブレード131の回転中心131aを挟んで、丸鋸本体130の揺動中心130a側を後側といい、その反対側(作業者による操作側)を前側という。
【0014】
また、丸鋸本体130には、上面を被加工材の載置面とする上部テーブル140が備えられている。上部テーブル140は、ブレードケース132に固定的に設けられており、ブレード131の上縁部が、上部テーブル140の下方からスリット(図示省略)を通してテーブル上面側へ所定高さで突出される。テーブル上面に突出されたブレード131の突出部は、上部カバー141によって覆われる。上部カバー141は、後部側において、ブレードケース132に対し回動中心141aを中心にして上下方向に回動可能とされ、丸鋸本体130が上昇端位置に保持されている状態では、下縁部が上部テーブル140の上面に当接した位置に保持されてブレード131のテーブル上面からの突出部を覆っている。
【0015】
したがって、上部テーブル140を概ね水平状に固定(例えば、丸鋸本体130を下降端へ揺動した状態で、図示省略のロック装置にて固定)した状態で、その前側上面(図1〜図3における右側上部)に被加工材(図示省略)を載せて後方へ滑らせることにより、ブレード131の上縁部を用いて被加工材を切断することが可能とされる。なお、上部カバー141は、切断加工される被加工材の後方への送り込みに伴い当該被加工材によって上方へ押し退けられる。
【0016】
このように、丸鋸本体130に上部テーブル140が備えられた上部テーブル付卓上丸鋸100は、ブレード131の下縁部を用いて被加工材Wを切断する、いわゆる卓上丸鋸としての使用のほか、ブレード131の上縁部を用いて被加工材を切断する、いわゆるテーブルソーとしての併用が可能とされる。
【0017】
上記のような上部テーブル付卓上丸鋸100において、ブレード131の下部側を覆うセーフティカバー133は、前後に分割された前側セーフティカバー134と後側セーフティカバー135とから構成されている。前側セーフティカバー134は、ブレード131の下部前側Aを覆い、後側セーフティカバー135は、ブレード131の下部後側Bを覆うように配置される。
【0018】
前側セーフティカバー134は、概ね断面U字形に形成されており、ブレード131およびブレードケース132に被さるように配置されるとともに、ブレード131の回転中心131aの近傍においてブレードケース132に回動可能に取り付けられている。すなわち、前側セーフティカバー134は、ブレード131の周方向に回動される構成とされる。そして、丸鋸本体130が上昇端位置にある状態では、自重によりあるいはスプリングにより下方(図1〜図3において右回り方向)に付勢されるとともに、突片部134aがリンクアーム136の先端に係合することでブレード131の下部前側Aを覆う閉じ位置(図1参照)に保持されている。リンクアーム136は本体支持部150の傾動部151に回動中心136aを中心にして回動可能に取り付けられるとともに、アーム長さ方向に延びる円弧状の長孔136bに有し、その長孔136bにブレードケース132に取り付けられたガイドピン137が嵌め込まれている。
【0019】
これにより、丸鋸本体130を下方へ揺動させたとき、その揺動に伴いリンクアーム136の先端で突片部134aを介して前側セーフティカバー134が上方へ回動される。すなわち、前側セーフティカバー134は、丸鋸本体130の揺動に連動して上下方向に回動され、ブレード131の下部前側Aを覆う閉じ位置と、下部前側Aを露出する開き位置(図3参照)との間で回動される構成となっている。
【0020】
一方、後側セーフティカバー135は、図5に示すように、ブレード131を左右両側から挟むように配置される2枚のプレート135a,135bを平行に配置させたコの字型の一体形状になっている。後側セーフティカバー135は、一端部がブレードケース132の後側の丸鋸本体130の揺動中心130aの近傍において、回動中心135cを中心として上下方向に回動可能に取り付けられるとともに、その取付部を起点にしてブレード131の後側下部における外周縁を覆うように概ね水平状に延在されている。そして、その延在部によってブレード131の下部後側を覆う覆蓋部135eを形成している。
【0021】
すなわち、後側セーフティカバー135は、ブレード131の回転中心を通る水平線よりも下方の領域であってかつ当該回転中心を通る垂直線よりも後方の領域において、丸鋸本体130の構成部材であるブレードケース132に取り付けられ、ブレード131の径方向に回動される構成となっている。上記のブレードケース132が本発明でいう「付設物」に対応する。そして、後側セーフティカバー135は、丸鋸本体130が上昇端位置にある状態では、ブレードケース132に形成した図示省略のストッパーによってブレード131の後側下部Bを覆う閉じ位置(図1に示す位置)に保持され、上向きの外力(押上力)を受けたときには、上方(ブレード131の回転中心側)へ回動され、ブレード131の後側下部Bを露出する開き位置(図3に示す位置)へ変位される構成となっている。
【0022】
また、図1および図4に示すように、後側セーフティカバー135は、閉じ位置にあるとき、その覆蓋部135eの延出方向端部が同じく閉じ位置にある前側セーフティカバー134の一端部と側面方向において相互に重なり合うように位置する。これによりブレード131の下部を隙間なく覆っている。そして、この位置では、前側セーフティカバー134は、図4に示すように、下縁端部134bが後側セーフティカバー135の延在端部に形成された係合片135dの上面に係合し、これにより後側セーフティカバー135の上方への変位を規制する構成となっている。
【0023】
次に、本実施の形態の作用を説明する。本実施の形態に係る卓上丸鋸100を用いて被加工材Wを切断するときは、作業者は図示省略のハンドグリップを保持するとともに、当該ハンドグリップに設けられたトリガースイッチを投入してブレード131を回転駆動させる。その後、丸鋸本体130を下方へ押圧し、揺動中心130aを中心にして下方へ揺動させる。これにより、ターンテーブル111上面にセットされた被加工材Wを切断することができる。この切断作業時において、ブレード131が被加工材Wに近づくに伴い前側セーフティカバー134が丸鋸本体130の下方への揺動動作に連動してリンクアーム136を介して上方へ順次回動され、ブレード131の下部前側Aを露出させる(図3参照)。
【0024】
この回動初期段階で、前側セーフティカバー134の下縁端部134bが後側セーフティカバー135の係合片135dから外れ、回動規制を解除する(図2参照)。したがって、その後において、後側セーフティカバー135は、被加工材Wの上面に接触するに伴い上方へ回動する(図3参照)。したがって、ブレード131による被加工材Wの切断作業を支障なく行うことができる。このため、後側セーフティカバーが固定構造の固定式の場合に見受けられるような形状あるいは位置に関する制約を受けることが少なくなり、設計上の自由度を得ることができる。
【0025】
また、本実施の形態においては、後側セーフティカバー135をブレードケース132の後側に取り付け、そして、リンクアーム136に対する取付部を起点としてブレード131の外周縁を覆うように延在する構成としている。換言すれば、後側セーフティカバー135は、ブレード131の下部後側の外周縁を覆う覆蓋部135eが設定され、その覆蓋部135eをブレード131の外周縁の接線方向に沿って延長させるとともに、延長端部に本体支持部150に対する取付部が形成された構成である。そのため、回動式の後側セーフティカバーを構成する場合において、例えば後側セーフティカバー135の回動中心を、ブレード131の回転中心131aと同軸線上または回転中心130aの近傍に設定する場合に比べて、後側セーフティカバー135を必要最小限の領域でブレード131の下縁部を覆うことが可能なコンパクトな形状に形成することが可能となる。
【0026】
一方、切断作業を行っていない状態では、丸鋸本体130は図1に示す上昇端位置にあり、その位置では後側セーフティカバー135は前側セーフティカバー134によって上方への回動を規制、すなわち、ロックされている。これにより、後側セーフティカバー135の固定状態を安定的に維持することができる。
【0027】
本実施の形態は、丸鋸本体130に上部テーブル140を備えた上部テーブル付卓上丸鋸100に適用している。本実施の形態では、ブレード131の下部を覆うセーフティカバー133を前後に分割して配置する構成を採用することで、丸鋸本体130を下降端まで揺動させたときの、前後の各セーフティカバー134,135の上方への変位量(逃がし量)を少なくでき、しかも上述した如く後側セーフティカバー135をコンパクト化している。このことは、丸鋸本体130に上部テーブル140が備えられている関係で、セーフティカバーの配置スペースに制約を受ける上部テーブル付卓上丸鋸100に適用した場合において、特に有効となる。
【0028】
なお、本発明の趣旨により、下記の態様が構成可能である。
(態様1) 「請求項1または2に記載の卓上丸鋸であって、前記前側セーフティカバーは、前記付設物に対する取付部を起点にして前記ブレードの外周縁を覆うように延在することを特徴とする卓上丸鋸。」
この態様1によれば、後側セーフティカバーは、例えばブレードの外周縁を覆う部位を覆蓋部とし、その覆蓋部をブレードの外周縁の接線方向に沿って延長させるとともに、その延長端部を取付部とするといった設定が可能であり、これによりブレードを確実に覆いつつも、後側セーフティカバーによる覆蓋面積を最小限に維持し、コンパクト化を合理的になすことが可能となる。
【0029】
(態様2) 「請求項1または2に記載の卓上丸鋸であって、前記丸鋸本体には、被加工材を載置可能な上部テーブルが備えられ、その上部テーブルの上面側に前記ブレードの上部が貫通して突出されていることを特徴とする卓上丸鋸。」
この態様2によれば、上部テーブルを丸鋸本体に付設する関係で、例えばセーフティカバーの移動範囲に制約を受ける等の理由から、セーフティカバーを前後に分割して配置する場合が生じ易く、特にセーフティカバーの合理的配置の要請が高く、本件発明を一層良好に適用することができる。
【0030】
本実施の形態では、後側セーフティカバー135をブレードケース132に回動可能に取り付けて上方へ変位できる構成としたが、この回動による上方への変位形式に変えて、例えば本体支持部150の支持部150aあるいは傾動部151に上下方向に延在するガイド部材を設け、そのガイド部材を用いて直線的に変位する構成としてもよい。また、後側セーフティカバー135をブレードケース132に変えてリンクアーム136に回動可能に取り付けてもよい。したがって、このときの支持部150a、傾動部151およびリンクアーム136が、本発明でいう「付設物」に対応する。
また、本実施の形態は、上部テーブル付卓上丸鋸100で説明したが、テーブルソーを併用しない構成の卓上丸鋸に適用することは何ら差し支えない。
【0031】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、卓上丸鋸において、ブレードを覆う後側セーフティカバーにつき、コンパクト化を図るとともに、形状や位置に関して合理的に構成することができる技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係る上部テーブル付卓上丸鋸を示す側面図であり、丸鋸本体が上端に位置している状態を示す。
【図2】本実施の形態に係る上部テーブル付卓上丸鋸を示す側面図であり、丸鋸本体の下降途中を示す。
【図3】本実施の形態に係る上部テーブル付卓上丸鋸を示す側面図であり、ブレードによる切断途中状態を示す。
【図4】前側セーフティカバーによる後側セーフティカバーの回動ロックを示す一部切断拡大図である。
【図5】図1のV−V線断面図である。
【符号の説明】
100 卓上丸鋸
110 ベース
111 ターンテーブル
130 丸鋸本体
131 ブレード
132 ブレードケース
133 セーフティカバー
134 前側セーフティカバー
134b 下縁端部
135 後側セーフティカバー
135d 係合片
136 リンクアーム
140 上部テーブル
150 本体支持部
150a 支持部
151 傾動部
【発明の属する技術分野】
本発明は、テーブル上に載置された被加工材を、該テーブルの上方に配置された丸鋸本体を上下に移動させることにより該丸鋸本体のブレードにより切断することができる卓上丸鋸に関し、詳しくはブレードの下部側を覆うために備えられるセーフティカバーに関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の卓上丸鋸では、被加工材を切断するためのブレードを有する丸鋸本体は、被加工材の切断作業に用いられていない状態では、上昇端位置に保持されている。丸鋸本体が上昇端位置にあるとき、ブレードは、その下部側をセーフティカバーによって覆われている。
上記のセーフティカバーとしては、前後に分割された形式のものとして、双方が回動するタイプと、前側セーフティカバーのみが回動し、後側セーフティカバーが固定されたタイプとが知られている。前後双方のセーフティカバーが回動するタイプのものは、被加工材を加工するために丸鋸本体を下方へ揺動(下降)させたとき、例えば被加工材に接触して上方へ回動するように構成されている(特許文献1参照。)。また、後側セーフティカバーが固定された後者のものは、丸鋸本体を下方へ揺動(下降)させたときに、後側セーフティカバーが被加工材に干渉しないように設定されている(特許文献2参照。)。
【0003】
【特許文献1】
実開平03−108401号公報
【特許文献2】
特公平06−98601号公報
【0004】
【発明が解決しょうとする課題】
上記特許文献1に記載の双方回動タイプの場合、前後のセーフティカバーは、丸鋸本体側において、ブレードの回転中心線上に設定された共通の回動軸を中心にして個別的に回動するように取り付けられている。そして、後側のセーフティカバーは、被加工材の切断時に被加工材に接触することによって上方へ回動される構造である。したがって、後側セーフティカバーは、丸鋸本体に対する取付部からブレードの外周縁まで延在させて形成しなければならない。その結果、後側セーフティカバーとしては、ブレードの側面から外周部を含む広い面積のものが必要になり、後側セーフティカバーが大型化してしまうという問題がある。
他方、後者の後側セーフティカバーが固定タイプの場合、丸鋸本体を下側へ揺動させたとき、後側セーフティカバーについて被加工材との干渉問題を考慮して位置や形状等を設計しなければならず、設計上の自由度に制約を受けるという問題がある。
【0005】
本発明は、上述した従来の問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、卓上丸鋸において、ブレードを覆う後側セーフティカバーにつき、コンパクト化を図るとともに、形状や位置に関して合理的に構成することができる技術を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するため、本発明に係る卓上丸鋸は、請求項1および2に記載のとおりに構成される。各請求項に記載の発明は、被加工材を載置可能なテーブルを有するベースと、当該ベースの上方に配置された付設物として、被加工材を切断するためのブレードを有する丸鋸本体、および丸鋸本体を上下方向に揺動可能に支持する本体支持部を備えた卓上丸鋸において、ブレードを覆う後側セーフティカバーにつき、コンパクト化を図るとともに、形状や位置に関して合理的に構成することができるようにしたことに特徴を有する。
【0007】
請求項1に記載の卓上丸鋸は、ブレードの下部を覆う前後に分割されたセーフティカバーを備えている。なお、本明細書における「前後」とは、ブレードの回転中心線を挟んで、丸鋸本体の揺動中心側を後側といい、その反対側(作業者による操作側)を前側という。後側セーフティカバーは、付設物におけるブレードの回転中心を通る水平線よりも下方の領域であってかつ当該回転中心を通る垂直線よりも後方の領域に支持され、丸鋸本体による被加工材の切断時に上方へ変位可能とされている。かかる付設物としては、典型的には丸鋸本体支持用としてベースに一体的に突設される本体支持部、本体支持部と丸鋸本体との間に介在される傾動部、および丸鋸本体を構成するブレードケース等がこれに該当するが、これらのほか、前側セーフティカバーを回動動作させるために備えられるリンクアーム等が含まれる。
【0008】
請求項1の発明によれば、上記のような構成を採用したことにより、丸鋸本体を下方へ揺動させてテーブル上に置かれた被加工材をブレードにより切断するとき、後側セーフティカバーは、例えば被加工材に接触して上方へ変位される。これにより丸鋸本体の下方への揺動を許容する。このときの後側セーフティカバーの変位の形態としては、例えば一つの軸線周りに回動する、いわゆる回動(揺動)形式あるいはガイドに沿って直線的に移動する形式等が考えられる。
このように、後側セーフティカバーが上方へ変位することで、ブレードによる被加工材の切断作業を支障なく実施することができる。このため、被加工材との干渉問題を考慮する必要がなく、固定式の場合に見受けられるような形状あるいは位置に関する制約を受けることが少なくなり、設計上の自由度を得ることができる。また、コンパクト化を合理的になすことが可能となる。
【0009】
(請求項2に記載の発明)
請求項2の発明では、請求項1に記載の卓上丸鋸において、前側セーフティカバーが丸鋸本体の上下方向の揺動に対応して回動可能に備えられている。そして、前側セーフティカバーは、ブレードを覆う位置にあるとき、後側セーフティカバーに係合して該後側セーフティカバーの上方への変位を規制する構成としている。これにより、後側セーフティカバーが常には前側セーフティカバーによってブレードの刃先を覆う位置にロックされることになる。
【0010】
なお、上記各請求項に記載の卓上丸鋸は、例えば丸鋸本体に上部テーブルを備えた態様の、いわゆるテーブルソーとしても使用できる上部テーブル付卓上丸鋸に適用することが特に有効である。この上部テーブル付卓上丸鋸は、被加工材を切断するブレードの上部を丸鋸本体に備えられた上部テーブルの下方からスリットを通してテーブル上面に突出させた構成であり、被加工材を上部テーブルの上面に載せて滑らせることにより切断することができる。すなわち、丸鋸本体を下方に揺動させつつブレードの下縁部を用いて、いわゆる卓上丸鋸として使用するとともに、上部テーブルを概ね水平状態にするために、丸鋸本体を下方位置で固定した上で、当該上部テーブルの上面へと突出したブレードの上縁部を用いてテーブルソーとして併用することが可能とされる。このような上部テーブル付卓上丸鋸では、上部テーブルを丸鋸本体に付設する関係で、例えばセーフティカバーの移動範囲に制約を受ける等の理由から、セーフティカバーを前後に分割して配置する場合が生じ易く、特にセーフティカバーの合理的配置の要請が高く、本件発明を一層良好に適用することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図1〜図5に基づいて説明する。本実施の形態に係る卓上丸鋸100は、丸鋸本体130に上部テーブル140が付設された、いわゆる上部テーブル付卓上丸鋸である。図1〜図3は上部テーブル付卓上丸鋸100を示す側面図であり、図1は丸鋸本体130が上昇端に位置した通常状態を示し、図2および図3は丸鋸本体130の下方への揺動状態を段階的に示している。
図示のように、上部テーブル付卓上丸鋸100は、丸鋸本体130、ベース110および丸鋸本体130とベース110とを結合する本体支持部150とを主体として構成される。
【0012】
丸鋸本体130は、図示省略の電動モータによって回転駆動されるブレード131と、当該ブレード131を覆うブレードケース132、セーフティカバー133、上部テーブル140、さらに図示省略のハンドグリップやそのハンドグリップに設けられたトリガースイッチ等を有し、揺動中心130aを中心として上下方向に揺動可能に構成される。
また、丸鋸本体130は、本体支持部150に設けられた傾動部151を介して左右方向(図1〜図3における紙面に直交する方向)に傾動自在に支持され、止着ネジ152により所定の傾動角にて固定されるように構成される。これにより、ブレード131による被加工材Wの垂直切りのみならず、傾斜切りが可能とされる。
なお、本体支持部150は、ベース110に一体的に突設された支持部150aと、その支持部150aに傾動可能とされる傾動部151とによって構成されている。
【0013】
ベース110は、本体支持部150を介して丸鋸本体130に結合されるとともに、上部にターンテーブル111を有する。ターンテーブル111の上面側には切断すべき被加工材Wが載置される。ターンテーブル111は、被加工材Wをブレード131による切断線に対して直角に突き当てるためのフェンス状の位置決め部材112を有するとともに、ベース110に対して適宜水平面内で回転可能に支持されており、ターンレバー113を回動操作することで水平回転できるように構成される。これにより、ブレード131による前後方向(水平方向)に傾斜した角度切りが可能となる。ここで、「前後」とは、ブレード131の回転中心131aを挟んで、丸鋸本体130の揺動中心130a側を後側といい、その反対側(作業者による操作側)を前側という。
【0014】
また、丸鋸本体130には、上面を被加工材の載置面とする上部テーブル140が備えられている。上部テーブル140は、ブレードケース132に固定的に設けられており、ブレード131の上縁部が、上部テーブル140の下方からスリット(図示省略)を通してテーブル上面側へ所定高さで突出される。テーブル上面に突出されたブレード131の突出部は、上部カバー141によって覆われる。上部カバー141は、後部側において、ブレードケース132に対し回動中心141aを中心にして上下方向に回動可能とされ、丸鋸本体130が上昇端位置に保持されている状態では、下縁部が上部テーブル140の上面に当接した位置に保持されてブレード131のテーブル上面からの突出部を覆っている。
【0015】
したがって、上部テーブル140を概ね水平状に固定(例えば、丸鋸本体130を下降端へ揺動した状態で、図示省略のロック装置にて固定)した状態で、その前側上面(図1〜図3における右側上部)に被加工材(図示省略)を載せて後方へ滑らせることにより、ブレード131の上縁部を用いて被加工材を切断することが可能とされる。なお、上部カバー141は、切断加工される被加工材の後方への送り込みに伴い当該被加工材によって上方へ押し退けられる。
【0016】
このように、丸鋸本体130に上部テーブル140が備えられた上部テーブル付卓上丸鋸100は、ブレード131の下縁部を用いて被加工材Wを切断する、いわゆる卓上丸鋸としての使用のほか、ブレード131の上縁部を用いて被加工材を切断する、いわゆるテーブルソーとしての併用が可能とされる。
【0017】
上記のような上部テーブル付卓上丸鋸100において、ブレード131の下部側を覆うセーフティカバー133は、前後に分割された前側セーフティカバー134と後側セーフティカバー135とから構成されている。前側セーフティカバー134は、ブレード131の下部前側Aを覆い、後側セーフティカバー135は、ブレード131の下部後側Bを覆うように配置される。
【0018】
前側セーフティカバー134は、概ね断面U字形に形成されており、ブレード131およびブレードケース132に被さるように配置されるとともに、ブレード131の回転中心131aの近傍においてブレードケース132に回動可能に取り付けられている。すなわち、前側セーフティカバー134は、ブレード131の周方向に回動される構成とされる。そして、丸鋸本体130が上昇端位置にある状態では、自重によりあるいはスプリングにより下方(図1〜図3において右回り方向)に付勢されるとともに、突片部134aがリンクアーム136の先端に係合することでブレード131の下部前側Aを覆う閉じ位置(図1参照)に保持されている。リンクアーム136は本体支持部150の傾動部151に回動中心136aを中心にして回動可能に取り付けられるとともに、アーム長さ方向に延びる円弧状の長孔136bに有し、その長孔136bにブレードケース132に取り付けられたガイドピン137が嵌め込まれている。
【0019】
これにより、丸鋸本体130を下方へ揺動させたとき、その揺動に伴いリンクアーム136の先端で突片部134aを介して前側セーフティカバー134が上方へ回動される。すなわち、前側セーフティカバー134は、丸鋸本体130の揺動に連動して上下方向に回動され、ブレード131の下部前側Aを覆う閉じ位置と、下部前側Aを露出する開き位置(図3参照)との間で回動される構成となっている。
【0020】
一方、後側セーフティカバー135は、図5に示すように、ブレード131を左右両側から挟むように配置される2枚のプレート135a,135bを平行に配置させたコの字型の一体形状になっている。後側セーフティカバー135は、一端部がブレードケース132の後側の丸鋸本体130の揺動中心130aの近傍において、回動中心135cを中心として上下方向に回動可能に取り付けられるとともに、その取付部を起点にしてブレード131の後側下部における外周縁を覆うように概ね水平状に延在されている。そして、その延在部によってブレード131の下部後側を覆う覆蓋部135eを形成している。
【0021】
すなわち、後側セーフティカバー135は、ブレード131の回転中心を通る水平線よりも下方の領域であってかつ当該回転中心を通る垂直線よりも後方の領域において、丸鋸本体130の構成部材であるブレードケース132に取り付けられ、ブレード131の径方向に回動される構成となっている。上記のブレードケース132が本発明でいう「付設物」に対応する。そして、後側セーフティカバー135は、丸鋸本体130が上昇端位置にある状態では、ブレードケース132に形成した図示省略のストッパーによってブレード131の後側下部Bを覆う閉じ位置(図1に示す位置)に保持され、上向きの外力(押上力)を受けたときには、上方(ブレード131の回転中心側)へ回動され、ブレード131の後側下部Bを露出する開き位置(図3に示す位置)へ変位される構成となっている。
【0022】
また、図1および図4に示すように、後側セーフティカバー135は、閉じ位置にあるとき、その覆蓋部135eの延出方向端部が同じく閉じ位置にある前側セーフティカバー134の一端部と側面方向において相互に重なり合うように位置する。これによりブレード131の下部を隙間なく覆っている。そして、この位置では、前側セーフティカバー134は、図4に示すように、下縁端部134bが後側セーフティカバー135の延在端部に形成された係合片135dの上面に係合し、これにより後側セーフティカバー135の上方への変位を規制する構成となっている。
【0023】
次に、本実施の形態の作用を説明する。本実施の形態に係る卓上丸鋸100を用いて被加工材Wを切断するときは、作業者は図示省略のハンドグリップを保持するとともに、当該ハンドグリップに設けられたトリガースイッチを投入してブレード131を回転駆動させる。その後、丸鋸本体130を下方へ押圧し、揺動中心130aを中心にして下方へ揺動させる。これにより、ターンテーブル111上面にセットされた被加工材Wを切断することができる。この切断作業時において、ブレード131が被加工材Wに近づくに伴い前側セーフティカバー134が丸鋸本体130の下方への揺動動作に連動してリンクアーム136を介して上方へ順次回動され、ブレード131の下部前側Aを露出させる(図3参照)。
【0024】
この回動初期段階で、前側セーフティカバー134の下縁端部134bが後側セーフティカバー135の係合片135dから外れ、回動規制を解除する(図2参照)。したがって、その後において、後側セーフティカバー135は、被加工材Wの上面に接触するに伴い上方へ回動する(図3参照)。したがって、ブレード131による被加工材Wの切断作業を支障なく行うことができる。このため、後側セーフティカバーが固定構造の固定式の場合に見受けられるような形状あるいは位置に関する制約を受けることが少なくなり、設計上の自由度を得ることができる。
【0025】
また、本実施の形態においては、後側セーフティカバー135をブレードケース132の後側に取り付け、そして、リンクアーム136に対する取付部を起点としてブレード131の外周縁を覆うように延在する構成としている。換言すれば、後側セーフティカバー135は、ブレード131の下部後側の外周縁を覆う覆蓋部135eが設定され、その覆蓋部135eをブレード131の外周縁の接線方向に沿って延長させるとともに、延長端部に本体支持部150に対する取付部が形成された構成である。そのため、回動式の後側セーフティカバーを構成する場合において、例えば後側セーフティカバー135の回動中心を、ブレード131の回転中心131aと同軸線上または回転中心130aの近傍に設定する場合に比べて、後側セーフティカバー135を必要最小限の領域でブレード131の下縁部を覆うことが可能なコンパクトな形状に形成することが可能となる。
【0026】
一方、切断作業を行っていない状態では、丸鋸本体130は図1に示す上昇端位置にあり、その位置では後側セーフティカバー135は前側セーフティカバー134によって上方への回動を規制、すなわち、ロックされている。これにより、後側セーフティカバー135の固定状態を安定的に維持することができる。
【0027】
本実施の形態は、丸鋸本体130に上部テーブル140を備えた上部テーブル付卓上丸鋸100に適用している。本実施の形態では、ブレード131の下部を覆うセーフティカバー133を前後に分割して配置する構成を採用することで、丸鋸本体130を下降端まで揺動させたときの、前後の各セーフティカバー134,135の上方への変位量(逃がし量)を少なくでき、しかも上述した如く後側セーフティカバー135をコンパクト化している。このことは、丸鋸本体130に上部テーブル140が備えられている関係で、セーフティカバーの配置スペースに制約を受ける上部テーブル付卓上丸鋸100に適用した場合において、特に有効となる。
【0028】
なお、本発明の趣旨により、下記の態様が構成可能である。
(態様1) 「請求項1または2に記載の卓上丸鋸であって、前記前側セーフティカバーは、前記付設物に対する取付部を起点にして前記ブレードの外周縁を覆うように延在することを特徴とする卓上丸鋸。」
この態様1によれば、後側セーフティカバーは、例えばブレードの外周縁を覆う部位を覆蓋部とし、その覆蓋部をブレードの外周縁の接線方向に沿って延長させるとともに、その延長端部を取付部とするといった設定が可能であり、これによりブレードを確実に覆いつつも、後側セーフティカバーによる覆蓋面積を最小限に維持し、コンパクト化を合理的になすことが可能となる。
【0029】
(態様2) 「請求項1または2に記載の卓上丸鋸であって、前記丸鋸本体には、被加工材を載置可能な上部テーブルが備えられ、その上部テーブルの上面側に前記ブレードの上部が貫通して突出されていることを特徴とする卓上丸鋸。」
この態様2によれば、上部テーブルを丸鋸本体に付設する関係で、例えばセーフティカバーの移動範囲に制約を受ける等の理由から、セーフティカバーを前後に分割して配置する場合が生じ易く、特にセーフティカバーの合理的配置の要請が高く、本件発明を一層良好に適用することができる。
【0030】
本実施の形態では、後側セーフティカバー135をブレードケース132に回動可能に取り付けて上方へ変位できる構成としたが、この回動による上方への変位形式に変えて、例えば本体支持部150の支持部150aあるいは傾動部151に上下方向に延在するガイド部材を設け、そのガイド部材を用いて直線的に変位する構成としてもよい。また、後側セーフティカバー135をブレードケース132に変えてリンクアーム136に回動可能に取り付けてもよい。したがって、このときの支持部150a、傾動部151およびリンクアーム136が、本発明でいう「付設物」に対応する。
また、本実施の形態は、上部テーブル付卓上丸鋸100で説明したが、テーブルソーを併用しない構成の卓上丸鋸に適用することは何ら差し支えない。
【0031】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、卓上丸鋸において、ブレードを覆う後側セーフティカバーにつき、コンパクト化を図るとともに、形状や位置に関して合理的に構成することができる技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係る上部テーブル付卓上丸鋸を示す側面図であり、丸鋸本体が上端に位置している状態を示す。
【図2】本実施の形態に係る上部テーブル付卓上丸鋸を示す側面図であり、丸鋸本体の下降途中を示す。
【図3】本実施の形態に係る上部テーブル付卓上丸鋸を示す側面図であり、ブレードによる切断途中状態を示す。
【図4】前側セーフティカバーによる後側セーフティカバーの回動ロックを示す一部切断拡大図である。
【図5】図1のV−V線断面図である。
【符号の説明】
100 卓上丸鋸
110 ベース
111 ターンテーブル
130 丸鋸本体
131 ブレード
132 ブレードケース
133 セーフティカバー
134 前側セーフティカバー
134b 下縁端部
135 後側セーフティカバー
135d 係合片
136 リンクアーム
140 上部テーブル
150 本体支持部
150a 支持部
151 傾動部
Claims (2)
- 被加工材を載置可能なテーブルを有するベースと、当該ベースの上方に配置された付設物として、前記被加工材を切断するブレードを有する丸鋸本体、および前記丸鋸本体を上下方向に揺動可能に支持する本体支持部を備えた卓上丸鋸であって、
前記ブレードの下部前側を覆う前側セーフティカバーと、前記ブレードの下部後側を覆う後側セーフティカバーとを有しており、前記後側セーフティカバーは、前記付設物における前記ブレードの回転中心を通る水平線よりも下方の領域であってかつ当該回転中心を通る垂直線よりも後方の領域に支持され、前記丸鋸本体による前記被加工材の切断時に上方へ変位可能とされていることを特徴とする卓上丸鋸。 - 請求項1に記載の卓上丸鋸であって、前記前側セーフティカバーが前記丸鋸本体の上下方向の揺動に対応して回動可能に備えられており、該前側セーフティカバーは、前記ブレードを覆う位置にあるとき、前記後側セーフティカバーに係合して該後側セーフティカバーの上方への変位を規制する構成としたことを特徴とする卓上丸鋸。
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US10406717B2 (en) | 2008-03-21 | 2019-09-10 | Makita Corporation | Table cutting machine |
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