JP2004327042A - 電池ケース用シート - Google Patents
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Abstract
【課題】軽くて薄く、強度、その他、電池ケース用シートとしての性能に優れると共に、電池ケースに加工した際、電極端子がケースに積層されている金属箔層でショートすることもなく安全性にも優れた電池ケース用シートを提供する。
【解決手段】電池ケース用シート30を、例えば、外側から、第1の基材フィルム層1a、金属箔層2、第2の基材フィルム層1b、そして、ポリオレフィン系樹脂層3a 、酸変性ポリオレフィン系樹脂層3b を順に積層して構成とすると共に、少なくとも電池ケース用シート30の一端の端縁部において、金属箔層2が、他の層よりも小さく、端部に露出しないように積層して電池ケース用シート30を構成する。尚、第1、第2の基材フィルム層1a、1bには、ポリエチレンテレフタレート又はナイロン又はポリプロピレンの2軸延伸フィルムを用いることが好ましい。
【選択図】 図3
【解決手段】電池ケース用シート30を、例えば、外側から、第1の基材フィルム層1a、金属箔層2、第2の基材フィルム層1b、そして、ポリオレフィン系樹脂層3a 、酸変性ポリオレフィン系樹脂層3b を順に積層して構成とすると共に、少なくとも電池ケース用シート30の一端の端縁部において、金属箔層2が、他の層よりも小さく、端部に露出しないように積層して電池ケース用シート30を構成する。尚、第1、第2の基材フィルム層1a、1bには、ポリエチレンテレフタレート又はナイロン又はポリプロピレンの2軸延伸フィルムを用いることが好ましい。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電池の構成材料を収納する電池ケース用シートに係り、特にシート状電池などのケースに好適に用い得るシートに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電池の構成材料を収納する電池ケースには、大抵の場合、金属製のケースが用いられていた。しかし、ノート型パソコン、携帯電話など各種の電子機器の発達、普及に伴い、その軽量化、薄型化が進められると共に、これらに使用される電池についても、その重量をできるだけ軽くし、また、使用機器における電池用スペースを少なくできるよう軽量化、薄型化が求められている。
【0003】
このような要望に応えるために、例えば、電池の電極や電解質などに、高分子材料を導入し、シート状などに軽量、薄型化した種々のシート状電池が研究開発されている。このようなシート状電池に用いる電池ケースには、その軽さおよび薄さと共に、各種の強度、水蒸気その他のガスバリヤー性、耐久性、熱封緘性、電極端子との熱接着性など様々な性能、耐性に関する要求がある。
【0004】
このような要求に応えるためには、内面側に熱接着性樹脂層を積層したプラスチックフィルムを主とする積層シートで電池ケースを形成することが早道と考えられ、種々研究しているが、例えば、水分の遮断性についても、電解液への水分の侵入を極力少なくするためには、外部からの水分の侵入を防ぐと同時に、電池ケースの材料、特にその内面側の材料は、それ自体、吸湿性、水分吸着性が低く、水分含有量の少ないことが好ましい。
【0005】
ここで、外部からの水分の侵入を防ぐためには、積層シートの中間層にアルミニウムなどの金属箔を積層することが簡単で確実な方法である。
しかし、アルミニウムなどの金属箔を積層した場合、それが中間層であっても、積層シートの端面には金属箔が露出する。従って、この積層シートを袋状に加工して電池ケースにすると、その開口部の端面において、内部から外側に延長された電極端子と、露出したケースの金属箔とが接近した位置にあり、電極端子が折れ曲がると、金属箔と接触し、ショートする恐れがあり、安全性の点では問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、軽くて薄く、且つ、各種の強度や耐性、およびその耐久性のほか、水蒸気その他のガスバリヤー性、熱封緘性、電極端子との熱接着性などの性能に優れると共に、電極端子が電池ケースとショートするようなことがなく、安全性にも優れた電池ケース用シートを生産性よく提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題は、以下の本発明により解決することができる。
即ち、請求項1に記載した発明は、内部に電池の構成材料を収納し、電池を形成するために用いられる電池ケース用シートであって、該シートが、下記(1)〜(4)のいずれかの構成の積層体で形成され、且つ、該積層体の第1の基材フィルム層、第2の基材フィルム層、第3の基材フィルム層が、それぞれ2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムまたは2軸延伸ナイロンフィルムまたは2軸延伸ポリプロピレンフィルムのいずれかで形成され、また、熱接着性樹脂層が酸変性ポリオレフィン系樹脂単独の層、またはポリオレフィン系樹脂層と酸変性ポリオレフィン系樹脂層との積層体で形成され、更に、該積層体の金属箔層が、少なくとも電池ケース用シートの一端の端縁部において、他の層よりも小さく、積層体の端部に露出しないように形成されていることを特徴とする電池ケース用シートからなる。
(1)第1の基材フィルム層/金属箔層/熱接着性樹脂層
(2)第1の基材フィルム層/第2の基材フィルム層/金属箔層/熱接着性樹脂層
(3)第1の基材フィルム層/金属箔層/第2の基材フィルム層/熱接着性樹脂層
(4)第1の基材フィルム層/第2の基材フィルム層/金属箔層/第3の基材フィルム層/熱接着性樹脂層
【0008】
上記構成の電池ケース用シートは、その熱接着性樹脂層同士が内側に接するように重ね合わせ、周囲の端縁部をヒートシールして一端が開口する袋状の電池ケースとし、内部に正負の電極や電解質などの電池の構成材料を収納すると共に、電極端子を内部からケースの外側に延長し、開口部をシートの熱接着性樹脂層同士、および熱接着性樹脂層と電極端子とをヒートシールにより熱接着させて封止し、電池を形成するものである。
【0009】
従って、前記のような構成を採ることにより、電池ケース用シートは、少なくともその一端の端縁部において、中間層の金属箔層が、他の層よりも小さく、積層体の端部に露出しないように形成されているので、この部分を電池ケースの開口部、即ち、電極端子を内部からケースの外側に延長し封止する部分に用い、また、金属箔層の寸法を、例えば開口部を封止するヒートシール幅の一部に金属箔層の端部が入る程度とすることにより、電極端子が折れ曲がった場合でも電池ケースとショートすることがなく、安全性を向上できると同時に、金属箔層による優れた水蒸気その他のガスバリヤー性なども得られるようになる。
【0010】
そして、金属箔層の両側には第1、第2、第3の基材フィルム層、熱接着性樹脂層のいずれかが積層されているため、金属箔層は保護され、ひび割れやピンホールの発生が防止されるので優れたバリヤー性が維持される。
また、金属箔層の外側、または内側に積層される第1、第2、第3の基材フィルム層には、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(以下、PETフィルム)または2軸延伸ナイロンフィルム(以下、ONフィルム)または2軸延伸ポリプロピレンフィルム(以下、OPPフィルム)のいずれかを用いているので、上記のように金属箔層を保護すると同時に、シートの強度その他の性能、各種の耐性を向上させることができる。
【0011】
そして、内面側の熱接着性樹脂層は、酸変性ポリオレフィン系樹脂単独の層、または、ポリオレフィン系樹脂層と酸変性ポリオレフィン系樹脂層との積層体で形成されており、いずれの場合も最内面層が酸変性ポリオレフィン系樹脂層であり、自己同士の熱接着性に優れると同時に、銅やアルミニウムなどの金属に対する熱接着性にも優れているため、前記袋状の電池ケースの形成、および金属箔などで形成される電極端子が介在するその開口部の封止に際して、ヒートシールにより良好に熱接着させ、密封することができる。
【0012】
また、最内層に用いる酸変性ポリオレフィン系樹脂は、ポリエチレンやポリプロピレンのようなポリオレフィンと比較して、金属に対する熱接着性に優れているが、同時に、吸湿性、水分吸着性が高くなる傾向があり、取り扱いによっては、僅かではあるが空気中の水分を吸収することが考えられる。
この程度の水分の吸収は、実用上問題になることは少ないが、更に品質の向上を図るため、本発明では、前記のように、熱接着性樹脂層をポリオレフィン系樹脂層と酸変性ポリオレフィン系樹脂層との積層体で形成する方法も採り、酸変性ポリオレフィン系樹脂層の厚さを薄くできるようにした。
このような構成を採ることにより、仮に水分を吸収するようなことがあっても、その量は僅かであり、良好な熱接着性を維持しつつ、水分の影響をより少なくすることができる。
【0013】
請求項2に記載した発明は、前記熱接着性樹脂層の酸変性ポリオレフィン系樹脂層の酸成分含有量が、0.01〜10重量%であることを特徴とする請求項1記載の電池ケース用シートからなる。
【0014】
このような構成をとることにより、前記請求項1に記載した発明の作用、効果に加えて、酸変性ポリオレフィン系樹脂層は、その製膜性がよく、且つ、自己同士の熱接着性と同時に、銅やアルミニウムなどの金属に対する熱接着性も確実に持つようになる。従って、袋状の電池ケースの形成、および金属箔などで形成される電極端子が介在する開口部の封止に際して、ヒートシールにより確実に熱接着させ、密封することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の電池ケース用シートの製造に用いる材料、およびその加工方法など実施の形態について説明する。
本発明の電池ケース用シートは、前述のように中間層に水蒸気その他のガスバリヤー性に優れた金属箔層を用い、その外側、または両側に各種の強度および耐性に優れた第1、第2、第3の基材フィルム層を適宜積層し、更に、その内面側に、熱接着性樹脂層として、酸変性ポリオレフィン系樹脂単独の層、または、ポリオレフィン系樹脂層と酸変性ポリオレフィン系樹脂層との積層体を積層した構成とし、更に、前記中間層の金属箔層が、少なくとも電池ケース用シートの一端の端縁部において、他の層よりも小さく、積層体の端部に露出しないように積層して構成したものである。
【0016】
上記の構成において、水蒸気その他のガスバリヤー性を付与する中間層の金属箔層にはアルミニウム箔、銅箔などを好適に使用することができる。中でもアルミニウム箔は比較的安価であり、貼り合わせなどの加工性にも優れていることから最も好ましく使用できる。このような金属箔層の厚さは5〜25μmが適当である。
【0017】
そして、前記第1〜第3の基材フィルム層としては、例えばPETフィルム、ONフィルム、OPPフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリイミドフィルム、ポリカーボネートフィルムなどを使用することができるが、各種の強度や耐性、および、その耐久性などを含めた各種性能と共に、加工性、経済性などを加味した場合は、PETフィルム、ONフィルム、OPPフィルムが好適に使用できる。
ここでPETフィルムとONフィルムの特性を比較すると、特別大きな差ではないが、PETフィルムは吸湿性が低く、剛性、引っ張り強度、耐擦傷性、耐熱性などに優れ、ONフィルムは吸湿性はやや高いが、柔軟性、突き刺し強度、折り曲げ強度、耐寒性などに優れている。
このような基材フィルムの厚さは、5〜100μmが好ましく、12〜30μmが更に好ましい。
【0018】
最内層の熱接着性樹脂層は、先にも説明したように、自己同士の熱接着性に加えて電極端子の金属に対しても良好な熱接着性を有すると共に、電解液への水分の侵入を極力少なくするため、それ自体、吸湿性、或いは水分吸着性の低いものが好ましく、更に、電解液により膨潤したり、浸食されることがなく安定なものが好ましい。
【0019】
このような条件を満たすために、熱接着性樹脂層を、酸変性ポリオレフィン系樹脂単独の層、または、ポリオレフィン系樹脂層と酸変性ポリオレフィン系樹脂層との積層体で形成したものである。
また、上記酸変性ポリオレフィン系樹脂は、その酸成分含有量が0.01〜10重量%のものが好ましい。
【0020】
上記熱接着性樹脂層のポリオレフィン系樹脂層には、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンのほか、それらの共重合体であるエチレンとプロピレンその他のα−オレフィンとの共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体、或いは、これらの三元共重合体などを使用することができ、これらは単独で用いてもよく、また、二種以上をブレンドして使用してもよい。
【0021】
そして、熱接着性樹脂層の酸変性ポリオレフィン系樹脂層には、例えば、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体のほか、前記ポリエチレン、ポリプロピレン、そして、それらの共重合体であるエチレンとプロピレンその他のα−オレフィンとの共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体、或いは、これらの三元共重合体などのポリオレフィン系樹脂を、アクリル酸、メタアクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、イタコン酸、無水イタコン酸などの不飽和カルボン酸、或いは、その無水物で、グラフト重合変性した樹脂を使用することができる。
上記において、カルボン酸基を有するものは、Na + 、Zn2+ などの金属イオンで架橋したアイオノマーも良好に使用できる。
【0022】
上記酸変性ポリオレフィン系樹脂は、その酸成分含有量が0.01〜10重量%の樹脂が、製膜性もよく、自己同士の熱接着性のほか、金属に対する熱接着性にも優れており、好適に使用することができる。
酸変性ポリオレフィン系樹脂の酸成分含有量が、0.01重量%未満の場合は、金属との熱接着性が不足し、酸成分含有量が10重量%を超える場合は、製膜性が劣るため好ましくない。
【0023】
只、上記のような酸変性ポリオレフィン系樹脂は、その酸変性により金属に対する熱接着性が向上する長所を有する反面、吸湿性、水分吸着性がやや高くなる欠点も有している。
従って、本発明では、熱接着性樹脂層は、酸変性ポリオレフィン系樹脂単独の層で形成したもののほかに、熱接着性樹脂層をポリオレフィン系樹脂層と酸変性ポリオレフィン系樹脂層との積層体で形成し、酸変性ポリオレフィン系樹脂層を最内層に用いると共に、この層をできるだけ薄くし、水分の影響を最小限にしたものを含んでいる。
このような熱接着性樹脂層の厚さは、総厚で10〜100μmの範囲が適当であり、これを前記2層で形成する場合、両者の配分は適宜決めてよいが、酸変性ポリオレフィン系樹脂層の厚さは、1〜50μmが好ましく、5〜25μmが更に好ましい。
【0024】
本発明の電池ケース用シートは、以上のような各層、即ち、第1〜第3の基材フィルム層、金属箔層、そして、熱接着性樹脂層を適宜積層して形成するが、中間層の金属箔層が、電池ケース用シートの少なくとも一端の端縁部において、他の層よりも小さくなるように積層するものである。
このような積層シートの製造方法は、第1〜第3の基材フィルム層および金属箔層の積層は、公知のドライラミネーション法により、例えば2液硬化型のポリウレタン系接着剤などを用いて貼り合わせることができ、また、ポリエチレン、その他の熱接着性樹脂を、貼り合わせを行う層間に溶融押し出しして圧着する押し出しラミネーション法で貼り合わせることもできる。
【0025】
また、熱接着性樹脂層の積層は、前記基材フィルム層と金属箔層との積層シートの積層面に、アンカーコート剤(AC剤、プライマーコートの一種)を塗布した後、その面に酸変性ポリオレフィン系樹脂、または、ポリオレフィン系樹脂と酸変性ポリオレフィン系樹脂とを、所望の厚さで押し出しコートまたは共押し出しコートして積層することもでき、また、熱接着性樹脂層を予め多層インフレーション成形法などで所望の厚さに製膜していおて、これを前記ドライラミネーション法で貼り合わせることもできる。
【0026】
尚、前記第1〜第3の基材フィルムと金属箔との貼り合わせにおいて、所定幅の基材フィルムに対して、それよりも、例えば両側が、各10〜15mm程度幅の狭い金属箔を貼り合わせておいて、これに熱接着性樹脂層を積層した後、両側を例えば、金属箔層の幅よりも1〜2mm程度外側でスリット(トリミング)することにより、端部に金属箔層が露出しない電池ケース用シートを容易に製造することができる。
【0027】
【実施例】
以下、実施例の図面に基づいて本発明を更に具体的に説明する。
但し、本発明はこれらの図面に限定されるものではない。また、図面に付した符号は、異なる図面においても同じ名称の部分には同じ符号を用いた。
【0028】
図1、図2、図3、図4は、それぞれ本発明の電池ケース用シートの一実施例の構成を示す模式断面図である。
図1に示した電池ケース用シート10は、外側から順に、第1の基材フィルム層1a 、金属箔層2、そして、ポリオレフィン系樹脂層3a と酸変性ポリオレフィン系樹脂3b からなる熱接着性樹脂層3が積層された構成であり、金属箔層2は、図において右側の端縁部で他の層よりも小さく形成されていて、電池ケース用シート10の端部に露出しない構成となっている。
従って、この部分が電池ケースの開口部となるように電池ケース用シート10を用いることにより、ケースの内部から外側に延長される電極端子が折れ曲がった場合にも、金属箔層2で電極端子がショートするようなことがなく、安全性が高められる。
【0029】
尚、上記構成において、第1の基材フィルム層1a には、PETフィルム、ONフィルム、OPPフィルムのいずれかが用いられ、金属箔層2には、例えばアルミニウム箔を用いることが好ましく、また、熱接着性樹脂層3の酸変性ポリオレフィン系樹脂層3b (シートの最内層)には、酸成分含有量が0.01〜10重量%の酸変性ポリオレフィン系樹脂を用いることが特に好ましい。
【0030】
このような構成を採ることにより、電池ケース用シート10は、最外層の第1の基材フィルム層1a により、引っ張り強度、突き刺し強度、折り曲げ強度などの機械的強度、および、表面の耐擦傷性、耐水性、耐薬品性や、耐熱性、耐寒性などの耐性が付与され、中間層の金属箔層2(例えばアルミニウム箔層)により、水蒸気その他の優れたガスバリヤー性が付与され、更に、熱接着性樹脂層3のポリオレフィン系樹脂層3a と、酸変性ポリオレフィン系樹脂層3b とにより、先に説明したように、優れた熱封緘性が付与され、且つ、その低水分含有性も維持することができる。
また、バリヤー性に関して、金属箔層に例えば厚さ9μmのアルミニウム箔を用いることにより、水蒸気透過度0.01g/(m2 ・24hrs )、(40℃、90%RH)以下の性能を容易に得られ、更にこれをレベルアップすることも容易である。
【0031】
上記積層構成の代表的な具体例としては、例えば下記のような構成が挙げられる。
▲1▼PETフィルム(厚さ12μm)/アルミニウム箔(厚さ9μm)/ポリエチレン層(厚さ30μm)/酸変性ポリオレフィン系樹脂層(厚さ10μm)
▲2▼ONフィルム(厚さ15μm)/アルミニウム箔(厚さ9μm)/ポリエチレン層(厚さ30μm)/酸変性ポリオレフィン系樹脂層(厚さ10μm)
▲3▼OPPフィルム(厚さ25μm)/アルミニウム箔(厚さ9μm)/ポリエチレン層(厚さ30μm)/酸変性ポリオレフィン系樹脂層(厚さ10μm)
【0032】
図2に示した電池ケース用シート20は、外側から順に、第1の基材フィルム層1a 、第2の基材フィルム層1b 、金属箔層2、そして、ポリオレフィン系樹脂層3a と酸変性ポリオレフィン系樹脂3b からなる熱接着性樹脂層3を積層して構成され、この場合も金属箔層2は、電池ケース用シート20の一端の端縁部、即ち、図において右側の端縁部で他の層よりも小さく形成されていて、電池ケース用シート20の端部に露出しない構成となっている。
【0033】
この構成は、前記図1に示した電池ケース用シート10の構成に対して、中間層の金属箔層2の外側の第1の基材フィルム層1a の性能を向上させるため、第2の基材フィルム層を追加し、第1の基材フィルム層1a と第2の基材フィルム層1b とで外側の基材フィルム層を構成したものである。
【0034】
この場合も、第1の基材フィルム層1a と第2の基材フィルム層1b には、それぞれPETフィルム、ONフィルム、OPPフィルムのいずれかが用いられる。只、この場合、同種のフィルムを2枚積層してもよいが、例えば、第1の基材フィルム層1a にPETフィルムを用いた場合は、第2の基材フィルム層1b にはONフィルムを用いるというように異種のフィルムを組み合わせて積層した方が、両者の弱点を補完でき、長所を兼ね備えさせることができる点でより好ましい。
【0035】
上記積層構成の代表的な具体例としては、例えば下記のような構成が挙げられる。
▲1▼PETフィルム(厚さ12μm)/ONフィルム(厚さ15μm)/アルミニウム箔(厚さ9μm)/ポリエチレン層(厚さ30μm)/酸変性ポリオレフィン系樹脂層(厚さ10μm)
▲2▼ONフィルム(厚さ15μm)/PETフィルム(厚さ12μm)/アルミニウム箔(厚さ9μm)/ポリエチレン層(厚さ30μm)/酸変性ポリオレフィン系樹脂層(厚さ10μm)
▲3▼PETフィルム(厚さ12μm)/OPPフィルム(厚さ25μm)/アルミニウム箔(厚さ9μm)/ポリエチレン層(厚さ30μm)/酸変性ポリオレフィン系樹脂層(厚さ10μm)
▲4▼ONフィルム(厚さ15μm)/OPPフィルム(厚さ25μm)/アルミニウム箔(厚さ9μm)/ポリエチレン層(厚さ30μm)/酸変性ポリオレフィン系樹脂層(厚さ10μm)
【0036】
このような構成を採ることにより、前記図1に示した構成の電池ケース用シート10に記載した作用、効果に加えて、アルミニウム箔層の外側の基材フィルム層が、例えば、PETフィルムとONフィルムなどのように両方の長所を兼ね備えたものとなり、特に外側の各種の機械的強度や耐性が強化され、総合的に優れた性能の電池ケース用シート20を得られる効果を奏する。
【0037】
図3に示した電池ケース用シート30は、外側から順に、第1の基材フィルム層1a 、金属箔層2、第2の基材フィルム層1b 、そして、ポリオレフィン系樹脂層3a と酸変性ポリオレフィン系樹脂層3b からなる熱接着性樹脂層3を積層して構成したものである。
この構成は、前記図1に示した電池ケース用シート10の構成に対して、中間層の金属箔層に対する保護効果を一層高めて、より安定したバリヤー性を得るため、第2の基材フィルム層1b を、中間層の金属箔層2とその内側の熱接着性樹脂層3(直接的にはポリオレフィン系樹脂層3a )との間に追加して積層し、金属箔層2の両側が、第1の基材フィルム層1a と、第2の基材フィルム層1b とで挟み込まれるように構成したものである。
【0038】
この場合も、金属箔層2は、少なくとも電池ケース用シート30の一端の端縁部、即ち、図では右側の端縁部において、他の層よりも小さく、電池ケース用シート30の端部に露出しないように積層されている。
また、第1の基材フィルム層1a と第2の基材フィルム層1b には、それぞれPETフィルム、ONフィルム、OPPフィルムのいずれかが用いられる。
【0039】
上記積層構成の代表的な具体例としては、下記のような構成が挙げられる。
▲1▼PETフィルム(厚さ12μm)/アルミニウム箔(厚さ9μm)/PETフィルム(厚さ12μm)/ポリエチレン層(厚さ30μm)/酸変性ポリオレフィン系樹脂層(厚さ10μm)
▲2▼PETフィルム(厚さ12μm)/アルミニウム箔(厚さ9μm)/ONフィルム(厚さ15μm)/ポリエチレン層(厚さ30μm)/酸変性ポリオレフィン系樹脂層(厚さ10μm)
▲3▼PETフィルム(厚さ12μm)/アルミニウム箔(厚さ9μm)/OPPフィルム(厚さ25μm)/ポリエチレン層(厚さ30μm)/酸変性ポリオレフィン系樹脂層(厚さ10μm)
▲4▼ONフィルム(厚さ15μm)/アルミニウム箔(厚さ9μm)/PETフィルム(厚さ12μm)/ポリエチレン層(厚さ30μm)/酸変性ポリオレフィン系樹脂層(厚さ10μm)
▲5▼ONフィルム(厚さ15μm)/アルミニウム箔(厚さ9μm)/OPPフィルム(厚さ25μm)/ポリエチレン層(厚さ30μm)/酸変性ポリオレフィン系樹脂層(厚さ10μm)
【0040】
このような構成を採ることにより、前記図1に示した構成の電池ケース用シート10に記載した作用、効果に加えて、第2の基材フィルム層1b が追加積層されたことによる各種の機械的強度および耐性の向上と共に、金属箔層2の両側が、第1の基材フィルム層1a と第2の基材フィルム層1b とで挟み込まれるため、外部からの衝撃や摩擦、その他物理的、化学的作用だけでなく、内部からの同様な作用に対しても金属箔層2に対する保護性が向上し、一層安定したバリヤー性を得られる効果を奏する。
【0041】
図4に示した電池ケース用シート40は、外側から順に、第1の基材フィルム層1a 、第2の基材フィルム層1b 、金属箔層2、第3の基材フィルム層1c 、そして、ポリオレフィン系樹脂層3a と酸変性ポリオレフィン系樹脂層3b からなる熱接着性樹脂層3を積層して構成したものである。
この構成は、前記図2に示した電池ケース用シート20の構成に対して、中間層の金属箔層2とその内側の熱接着性樹脂層3(直接的にはポリオレフィン系樹脂層3a )との間に、第3の基材フィルム層1c を追加して積層した構成に相当する。
【0042】
また、この場合も、金属箔層2は、少なくとも電池ケース用シート40の一端の端縁部、即ち、図では右側の端縁部において、他の層よりも小さく、電池ケース用シート40の端部に露出しないように積層されており、第1〜第3の基材フィルム層1a,1b,1c には、それぞれPETフィルム、ONフィルム、OPPフィルムのいずれかが用いられる。
【0043】
このような構成を採ることにより、前記図2に示した構成の電池ケース用シート20に記載した作用、効果に加えて、上記第3の基材フィルム層1c を追加したことによる各種の機械的強度および耐性の向上と共に、金属箔層2の両側が、第1、第2の基材フィルム層1a 、1b と、第3の基材フィルム層1c とで挟み込まれるため、金属箔層2は一層高度に保護され、更に安定したバリヤー性を得られる効果を奏する。
【0044】
以上、図1〜図4に示した構成の電池ケース用シート10、20、30、40において、表面に文字、絵柄などの印刷を施す場合には、最外層の第1の基材フィルム層の内面(積層面)に所謂裏刷り方式で予め印刷し、この面に次の層を積層して、電池ケース用シートを完成させることにより、表面の摩擦などで損なわれることのない耐久性に優れた印刷画像を形成することができる。
【0045】
【発明の効果】
以上詳しく説明したように、本発明によれば、軽量で薄く、柔軟性があり、且つ、各種の機械的強度や耐性のほか、水蒸気その他のガスバリヤー性、熱封緘性、電極端子との熱接着性などの性能および加工性に優れると共に、内部に収納される電池の構成材料に対して水分の影響を与えることがなく、更に、電池ケースに加工した際、電極端子が電池ケースの金属箔層でショートするようなこともなく安全性にも優れた電池ケース用シートを生産性よく提供できる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電池ケース用シートの第1の実施例の構成を示す模式断面図である。
【図2】本発明の電池ケース用シートの第2の実施例の構成を示す模式断面図である。
【図3】本発明の電池ケース用シートの第3の実施例の構成を示す模式断面図である。
【図4】本発明の電池ケース用シートの第4の実施例の構成を示す模式断面図である。
【符号の説明】
1a 第1の基材フィルム層
1b 第2の基材フィルム層
1c 第3の基材フィルム層
2 金属箔層
3 熱接着性樹脂層
3a ポリオレフィン系樹脂層
3b 酸変性ポリオレフィン系樹脂層
10、20、30、40 電池ケース用シート
【発明の属する技術分野】
本発明は、電池の構成材料を収納する電池ケース用シートに係り、特にシート状電池などのケースに好適に用い得るシートに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電池の構成材料を収納する電池ケースには、大抵の場合、金属製のケースが用いられていた。しかし、ノート型パソコン、携帯電話など各種の電子機器の発達、普及に伴い、その軽量化、薄型化が進められると共に、これらに使用される電池についても、その重量をできるだけ軽くし、また、使用機器における電池用スペースを少なくできるよう軽量化、薄型化が求められている。
【0003】
このような要望に応えるために、例えば、電池の電極や電解質などに、高分子材料を導入し、シート状などに軽量、薄型化した種々のシート状電池が研究開発されている。このようなシート状電池に用いる電池ケースには、その軽さおよび薄さと共に、各種の強度、水蒸気その他のガスバリヤー性、耐久性、熱封緘性、電極端子との熱接着性など様々な性能、耐性に関する要求がある。
【0004】
このような要求に応えるためには、内面側に熱接着性樹脂層を積層したプラスチックフィルムを主とする積層シートで電池ケースを形成することが早道と考えられ、種々研究しているが、例えば、水分の遮断性についても、電解液への水分の侵入を極力少なくするためには、外部からの水分の侵入を防ぐと同時に、電池ケースの材料、特にその内面側の材料は、それ自体、吸湿性、水分吸着性が低く、水分含有量の少ないことが好ましい。
【0005】
ここで、外部からの水分の侵入を防ぐためには、積層シートの中間層にアルミニウムなどの金属箔を積層することが簡単で確実な方法である。
しかし、アルミニウムなどの金属箔を積層した場合、それが中間層であっても、積層シートの端面には金属箔が露出する。従って、この積層シートを袋状に加工して電池ケースにすると、その開口部の端面において、内部から外側に延長された電極端子と、露出したケースの金属箔とが接近した位置にあり、電極端子が折れ曲がると、金属箔と接触し、ショートする恐れがあり、安全性の点では問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、軽くて薄く、且つ、各種の強度や耐性、およびその耐久性のほか、水蒸気その他のガスバリヤー性、熱封緘性、電極端子との熱接着性などの性能に優れると共に、電極端子が電池ケースとショートするようなことがなく、安全性にも優れた電池ケース用シートを生産性よく提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題は、以下の本発明により解決することができる。
即ち、請求項1に記載した発明は、内部に電池の構成材料を収納し、電池を形成するために用いられる電池ケース用シートであって、該シートが、下記(1)〜(4)のいずれかの構成の積層体で形成され、且つ、該積層体の第1の基材フィルム層、第2の基材フィルム層、第3の基材フィルム層が、それぞれ2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムまたは2軸延伸ナイロンフィルムまたは2軸延伸ポリプロピレンフィルムのいずれかで形成され、また、熱接着性樹脂層が酸変性ポリオレフィン系樹脂単独の層、またはポリオレフィン系樹脂層と酸変性ポリオレフィン系樹脂層との積層体で形成され、更に、該積層体の金属箔層が、少なくとも電池ケース用シートの一端の端縁部において、他の層よりも小さく、積層体の端部に露出しないように形成されていることを特徴とする電池ケース用シートからなる。
(1)第1の基材フィルム層/金属箔層/熱接着性樹脂層
(2)第1の基材フィルム層/第2の基材フィルム層/金属箔層/熱接着性樹脂層
(3)第1の基材フィルム層/金属箔層/第2の基材フィルム層/熱接着性樹脂層
(4)第1の基材フィルム層/第2の基材フィルム層/金属箔層/第3の基材フィルム層/熱接着性樹脂層
【0008】
上記構成の電池ケース用シートは、その熱接着性樹脂層同士が内側に接するように重ね合わせ、周囲の端縁部をヒートシールして一端が開口する袋状の電池ケースとし、内部に正負の電極や電解質などの電池の構成材料を収納すると共に、電極端子を内部からケースの外側に延長し、開口部をシートの熱接着性樹脂層同士、および熱接着性樹脂層と電極端子とをヒートシールにより熱接着させて封止し、電池を形成するものである。
【0009】
従って、前記のような構成を採ることにより、電池ケース用シートは、少なくともその一端の端縁部において、中間層の金属箔層が、他の層よりも小さく、積層体の端部に露出しないように形成されているので、この部分を電池ケースの開口部、即ち、電極端子を内部からケースの外側に延長し封止する部分に用い、また、金属箔層の寸法を、例えば開口部を封止するヒートシール幅の一部に金属箔層の端部が入る程度とすることにより、電極端子が折れ曲がった場合でも電池ケースとショートすることがなく、安全性を向上できると同時に、金属箔層による優れた水蒸気その他のガスバリヤー性なども得られるようになる。
【0010】
そして、金属箔層の両側には第1、第2、第3の基材フィルム層、熱接着性樹脂層のいずれかが積層されているため、金属箔層は保護され、ひび割れやピンホールの発生が防止されるので優れたバリヤー性が維持される。
また、金属箔層の外側、または内側に積層される第1、第2、第3の基材フィルム層には、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(以下、PETフィルム)または2軸延伸ナイロンフィルム(以下、ONフィルム)または2軸延伸ポリプロピレンフィルム(以下、OPPフィルム)のいずれかを用いているので、上記のように金属箔層を保護すると同時に、シートの強度その他の性能、各種の耐性を向上させることができる。
【0011】
そして、内面側の熱接着性樹脂層は、酸変性ポリオレフィン系樹脂単独の層、または、ポリオレフィン系樹脂層と酸変性ポリオレフィン系樹脂層との積層体で形成されており、いずれの場合も最内面層が酸変性ポリオレフィン系樹脂層であり、自己同士の熱接着性に優れると同時に、銅やアルミニウムなどの金属に対する熱接着性にも優れているため、前記袋状の電池ケースの形成、および金属箔などで形成される電極端子が介在するその開口部の封止に際して、ヒートシールにより良好に熱接着させ、密封することができる。
【0012】
また、最内層に用いる酸変性ポリオレフィン系樹脂は、ポリエチレンやポリプロピレンのようなポリオレフィンと比較して、金属に対する熱接着性に優れているが、同時に、吸湿性、水分吸着性が高くなる傾向があり、取り扱いによっては、僅かではあるが空気中の水分を吸収することが考えられる。
この程度の水分の吸収は、実用上問題になることは少ないが、更に品質の向上を図るため、本発明では、前記のように、熱接着性樹脂層をポリオレフィン系樹脂層と酸変性ポリオレフィン系樹脂層との積層体で形成する方法も採り、酸変性ポリオレフィン系樹脂層の厚さを薄くできるようにした。
このような構成を採ることにより、仮に水分を吸収するようなことがあっても、その量は僅かであり、良好な熱接着性を維持しつつ、水分の影響をより少なくすることができる。
【0013】
請求項2に記載した発明は、前記熱接着性樹脂層の酸変性ポリオレフィン系樹脂層の酸成分含有量が、0.01〜10重量%であることを特徴とする請求項1記載の電池ケース用シートからなる。
【0014】
このような構成をとることにより、前記請求項1に記載した発明の作用、効果に加えて、酸変性ポリオレフィン系樹脂層は、その製膜性がよく、且つ、自己同士の熱接着性と同時に、銅やアルミニウムなどの金属に対する熱接着性も確実に持つようになる。従って、袋状の電池ケースの形成、および金属箔などで形成される電極端子が介在する開口部の封止に際して、ヒートシールにより確実に熱接着させ、密封することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の電池ケース用シートの製造に用いる材料、およびその加工方法など実施の形態について説明する。
本発明の電池ケース用シートは、前述のように中間層に水蒸気その他のガスバリヤー性に優れた金属箔層を用い、その外側、または両側に各種の強度および耐性に優れた第1、第2、第3の基材フィルム層を適宜積層し、更に、その内面側に、熱接着性樹脂層として、酸変性ポリオレフィン系樹脂単独の層、または、ポリオレフィン系樹脂層と酸変性ポリオレフィン系樹脂層との積層体を積層した構成とし、更に、前記中間層の金属箔層が、少なくとも電池ケース用シートの一端の端縁部において、他の層よりも小さく、積層体の端部に露出しないように積層して構成したものである。
【0016】
上記の構成において、水蒸気その他のガスバリヤー性を付与する中間層の金属箔層にはアルミニウム箔、銅箔などを好適に使用することができる。中でもアルミニウム箔は比較的安価であり、貼り合わせなどの加工性にも優れていることから最も好ましく使用できる。このような金属箔層の厚さは5〜25μmが適当である。
【0017】
そして、前記第1〜第3の基材フィルム層としては、例えばPETフィルム、ONフィルム、OPPフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリイミドフィルム、ポリカーボネートフィルムなどを使用することができるが、各種の強度や耐性、および、その耐久性などを含めた各種性能と共に、加工性、経済性などを加味した場合は、PETフィルム、ONフィルム、OPPフィルムが好適に使用できる。
ここでPETフィルムとONフィルムの特性を比較すると、特別大きな差ではないが、PETフィルムは吸湿性が低く、剛性、引っ張り強度、耐擦傷性、耐熱性などに優れ、ONフィルムは吸湿性はやや高いが、柔軟性、突き刺し強度、折り曲げ強度、耐寒性などに優れている。
このような基材フィルムの厚さは、5〜100μmが好ましく、12〜30μmが更に好ましい。
【0018】
最内層の熱接着性樹脂層は、先にも説明したように、自己同士の熱接着性に加えて電極端子の金属に対しても良好な熱接着性を有すると共に、電解液への水分の侵入を極力少なくするため、それ自体、吸湿性、或いは水分吸着性の低いものが好ましく、更に、電解液により膨潤したり、浸食されることがなく安定なものが好ましい。
【0019】
このような条件を満たすために、熱接着性樹脂層を、酸変性ポリオレフィン系樹脂単独の層、または、ポリオレフィン系樹脂層と酸変性ポリオレフィン系樹脂層との積層体で形成したものである。
また、上記酸変性ポリオレフィン系樹脂は、その酸成分含有量が0.01〜10重量%のものが好ましい。
【0020】
上記熱接着性樹脂層のポリオレフィン系樹脂層には、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンのほか、それらの共重合体であるエチレンとプロピレンその他のα−オレフィンとの共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体、或いは、これらの三元共重合体などを使用することができ、これらは単独で用いてもよく、また、二種以上をブレンドして使用してもよい。
【0021】
そして、熱接着性樹脂層の酸変性ポリオレフィン系樹脂層には、例えば、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体のほか、前記ポリエチレン、ポリプロピレン、そして、それらの共重合体であるエチレンとプロピレンその他のα−オレフィンとの共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体、或いは、これらの三元共重合体などのポリオレフィン系樹脂を、アクリル酸、メタアクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、イタコン酸、無水イタコン酸などの不飽和カルボン酸、或いは、その無水物で、グラフト重合変性した樹脂を使用することができる。
上記において、カルボン酸基を有するものは、Na + 、Zn2+ などの金属イオンで架橋したアイオノマーも良好に使用できる。
【0022】
上記酸変性ポリオレフィン系樹脂は、その酸成分含有量が0.01〜10重量%の樹脂が、製膜性もよく、自己同士の熱接着性のほか、金属に対する熱接着性にも優れており、好適に使用することができる。
酸変性ポリオレフィン系樹脂の酸成分含有量が、0.01重量%未満の場合は、金属との熱接着性が不足し、酸成分含有量が10重量%を超える場合は、製膜性が劣るため好ましくない。
【0023】
只、上記のような酸変性ポリオレフィン系樹脂は、その酸変性により金属に対する熱接着性が向上する長所を有する反面、吸湿性、水分吸着性がやや高くなる欠点も有している。
従って、本発明では、熱接着性樹脂層は、酸変性ポリオレフィン系樹脂単独の層で形成したもののほかに、熱接着性樹脂層をポリオレフィン系樹脂層と酸変性ポリオレフィン系樹脂層との積層体で形成し、酸変性ポリオレフィン系樹脂層を最内層に用いると共に、この層をできるだけ薄くし、水分の影響を最小限にしたものを含んでいる。
このような熱接着性樹脂層の厚さは、総厚で10〜100μmの範囲が適当であり、これを前記2層で形成する場合、両者の配分は適宜決めてよいが、酸変性ポリオレフィン系樹脂層の厚さは、1〜50μmが好ましく、5〜25μmが更に好ましい。
【0024】
本発明の電池ケース用シートは、以上のような各層、即ち、第1〜第3の基材フィルム層、金属箔層、そして、熱接着性樹脂層を適宜積層して形成するが、中間層の金属箔層が、電池ケース用シートの少なくとも一端の端縁部において、他の層よりも小さくなるように積層するものである。
このような積層シートの製造方法は、第1〜第3の基材フィルム層および金属箔層の積層は、公知のドライラミネーション法により、例えば2液硬化型のポリウレタン系接着剤などを用いて貼り合わせることができ、また、ポリエチレン、その他の熱接着性樹脂を、貼り合わせを行う層間に溶融押し出しして圧着する押し出しラミネーション法で貼り合わせることもできる。
【0025】
また、熱接着性樹脂層の積層は、前記基材フィルム層と金属箔層との積層シートの積層面に、アンカーコート剤(AC剤、プライマーコートの一種)を塗布した後、その面に酸変性ポリオレフィン系樹脂、または、ポリオレフィン系樹脂と酸変性ポリオレフィン系樹脂とを、所望の厚さで押し出しコートまたは共押し出しコートして積層することもでき、また、熱接着性樹脂層を予め多層インフレーション成形法などで所望の厚さに製膜していおて、これを前記ドライラミネーション法で貼り合わせることもできる。
【0026】
尚、前記第1〜第3の基材フィルムと金属箔との貼り合わせにおいて、所定幅の基材フィルムに対して、それよりも、例えば両側が、各10〜15mm程度幅の狭い金属箔を貼り合わせておいて、これに熱接着性樹脂層を積層した後、両側を例えば、金属箔層の幅よりも1〜2mm程度外側でスリット(トリミング)することにより、端部に金属箔層が露出しない電池ケース用シートを容易に製造することができる。
【0027】
【実施例】
以下、実施例の図面に基づいて本発明を更に具体的に説明する。
但し、本発明はこれらの図面に限定されるものではない。また、図面に付した符号は、異なる図面においても同じ名称の部分には同じ符号を用いた。
【0028】
図1、図2、図3、図4は、それぞれ本発明の電池ケース用シートの一実施例の構成を示す模式断面図である。
図1に示した電池ケース用シート10は、外側から順に、第1の基材フィルム層1a 、金属箔層2、そして、ポリオレフィン系樹脂層3a と酸変性ポリオレフィン系樹脂3b からなる熱接着性樹脂層3が積層された構成であり、金属箔層2は、図において右側の端縁部で他の層よりも小さく形成されていて、電池ケース用シート10の端部に露出しない構成となっている。
従って、この部分が電池ケースの開口部となるように電池ケース用シート10を用いることにより、ケースの内部から外側に延長される電極端子が折れ曲がった場合にも、金属箔層2で電極端子がショートするようなことがなく、安全性が高められる。
【0029】
尚、上記構成において、第1の基材フィルム層1a には、PETフィルム、ONフィルム、OPPフィルムのいずれかが用いられ、金属箔層2には、例えばアルミニウム箔を用いることが好ましく、また、熱接着性樹脂層3の酸変性ポリオレフィン系樹脂層3b (シートの最内層)には、酸成分含有量が0.01〜10重量%の酸変性ポリオレフィン系樹脂を用いることが特に好ましい。
【0030】
このような構成を採ることにより、電池ケース用シート10は、最外層の第1の基材フィルム層1a により、引っ張り強度、突き刺し強度、折り曲げ強度などの機械的強度、および、表面の耐擦傷性、耐水性、耐薬品性や、耐熱性、耐寒性などの耐性が付与され、中間層の金属箔層2(例えばアルミニウム箔層)により、水蒸気その他の優れたガスバリヤー性が付与され、更に、熱接着性樹脂層3のポリオレフィン系樹脂層3a と、酸変性ポリオレフィン系樹脂層3b とにより、先に説明したように、優れた熱封緘性が付与され、且つ、その低水分含有性も維持することができる。
また、バリヤー性に関して、金属箔層に例えば厚さ9μmのアルミニウム箔を用いることにより、水蒸気透過度0.01g/(m2 ・24hrs )、(40℃、90%RH)以下の性能を容易に得られ、更にこれをレベルアップすることも容易である。
【0031】
上記積層構成の代表的な具体例としては、例えば下記のような構成が挙げられる。
▲1▼PETフィルム(厚さ12μm)/アルミニウム箔(厚さ9μm)/ポリエチレン層(厚さ30μm)/酸変性ポリオレフィン系樹脂層(厚さ10μm)
▲2▼ONフィルム(厚さ15μm)/アルミニウム箔(厚さ9μm)/ポリエチレン層(厚さ30μm)/酸変性ポリオレフィン系樹脂層(厚さ10μm)
▲3▼OPPフィルム(厚さ25μm)/アルミニウム箔(厚さ9μm)/ポリエチレン層(厚さ30μm)/酸変性ポリオレフィン系樹脂層(厚さ10μm)
【0032】
図2に示した電池ケース用シート20は、外側から順に、第1の基材フィルム層1a 、第2の基材フィルム層1b 、金属箔層2、そして、ポリオレフィン系樹脂層3a と酸変性ポリオレフィン系樹脂3b からなる熱接着性樹脂層3を積層して構成され、この場合も金属箔層2は、電池ケース用シート20の一端の端縁部、即ち、図において右側の端縁部で他の層よりも小さく形成されていて、電池ケース用シート20の端部に露出しない構成となっている。
【0033】
この構成は、前記図1に示した電池ケース用シート10の構成に対して、中間層の金属箔層2の外側の第1の基材フィルム層1a の性能を向上させるため、第2の基材フィルム層を追加し、第1の基材フィルム層1a と第2の基材フィルム層1b とで外側の基材フィルム層を構成したものである。
【0034】
この場合も、第1の基材フィルム層1a と第2の基材フィルム層1b には、それぞれPETフィルム、ONフィルム、OPPフィルムのいずれかが用いられる。只、この場合、同種のフィルムを2枚積層してもよいが、例えば、第1の基材フィルム層1a にPETフィルムを用いた場合は、第2の基材フィルム層1b にはONフィルムを用いるというように異種のフィルムを組み合わせて積層した方が、両者の弱点を補完でき、長所を兼ね備えさせることができる点でより好ましい。
【0035】
上記積層構成の代表的な具体例としては、例えば下記のような構成が挙げられる。
▲1▼PETフィルム(厚さ12μm)/ONフィルム(厚さ15μm)/アルミニウム箔(厚さ9μm)/ポリエチレン層(厚さ30μm)/酸変性ポリオレフィン系樹脂層(厚さ10μm)
▲2▼ONフィルム(厚さ15μm)/PETフィルム(厚さ12μm)/アルミニウム箔(厚さ9μm)/ポリエチレン層(厚さ30μm)/酸変性ポリオレフィン系樹脂層(厚さ10μm)
▲3▼PETフィルム(厚さ12μm)/OPPフィルム(厚さ25μm)/アルミニウム箔(厚さ9μm)/ポリエチレン層(厚さ30μm)/酸変性ポリオレフィン系樹脂層(厚さ10μm)
▲4▼ONフィルム(厚さ15μm)/OPPフィルム(厚さ25μm)/アルミニウム箔(厚さ9μm)/ポリエチレン層(厚さ30μm)/酸変性ポリオレフィン系樹脂層(厚さ10μm)
【0036】
このような構成を採ることにより、前記図1に示した構成の電池ケース用シート10に記載した作用、効果に加えて、アルミニウム箔層の外側の基材フィルム層が、例えば、PETフィルムとONフィルムなどのように両方の長所を兼ね備えたものとなり、特に外側の各種の機械的強度や耐性が強化され、総合的に優れた性能の電池ケース用シート20を得られる効果を奏する。
【0037】
図3に示した電池ケース用シート30は、外側から順に、第1の基材フィルム層1a 、金属箔層2、第2の基材フィルム層1b 、そして、ポリオレフィン系樹脂層3a と酸変性ポリオレフィン系樹脂層3b からなる熱接着性樹脂層3を積層して構成したものである。
この構成は、前記図1に示した電池ケース用シート10の構成に対して、中間層の金属箔層に対する保護効果を一層高めて、より安定したバリヤー性を得るため、第2の基材フィルム層1b を、中間層の金属箔層2とその内側の熱接着性樹脂層3(直接的にはポリオレフィン系樹脂層3a )との間に追加して積層し、金属箔層2の両側が、第1の基材フィルム層1a と、第2の基材フィルム層1b とで挟み込まれるように構成したものである。
【0038】
この場合も、金属箔層2は、少なくとも電池ケース用シート30の一端の端縁部、即ち、図では右側の端縁部において、他の層よりも小さく、電池ケース用シート30の端部に露出しないように積層されている。
また、第1の基材フィルム層1a と第2の基材フィルム層1b には、それぞれPETフィルム、ONフィルム、OPPフィルムのいずれかが用いられる。
【0039】
上記積層構成の代表的な具体例としては、下記のような構成が挙げられる。
▲1▼PETフィルム(厚さ12μm)/アルミニウム箔(厚さ9μm)/PETフィルム(厚さ12μm)/ポリエチレン層(厚さ30μm)/酸変性ポリオレフィン系樹脂層(厚さ10μm)
▲2▼PETフィルム(厚さ12μm)/アルミニウム箔(厚さ9μm)/ONフィルム(厚さ15μm)/ポリエチレン層(厚さ30μm)/酸変性ポリオレフィン系樹脂層(厚さ10μm)
▲3▼PETフィルム(厚さ12μm)/アルミニウム箔(厚さ9μm)/OPPフィルム(厚さ25μm)/ポリエチレン層(厚さ30μm)/酸変性ポリオレフィン系樹脂層(厚さ10μm)
▲4▼ONフィルム(厚さ15μm)/アルミニウム箔(厚さ9μm)/PETフィルム(厚さ12μm)/ポリエチレン層(厚さ30μm)/酸変性ポリオレフィン系樹脂層(厚さ10μm)
▲5▼ONフィルム(厚さ15μm)/アルミニウム箔(厚さ9μm)/OPPフィルム(厚さ25μm)/ポリエチレン層(厚さ30μm)/酸変性ポリオレフィン系樹脂層(厚さ10μm)
【0040】
このような構成を採ることにより、前記図1に示した構成の電池ケース用シート10に記載した作用、効果に加えて、第2の基材フィルム層1b が追加積層されたことによる各種の機械的強度および耐性の向上と共に、金属箔層2の両側が、第1の基材フィルム層1a と第2の基材フィルム層1b とで挟み込まれるため、外部からの衝撃や摩擦、その他物理的、化学的作用だけでなく、内部からの同様な作用に対しても金属箔層2に対する保護性が向上し、一層安定したバリヤー性を得られる効果を奏する。
【0041】
図4に示した電池ケース用シート40は、外側から順に、第1の基材フィルム層1a 、第2の基材フィルム層1b 、金属箔層2、第3の基材フィルム層1c 、そして、ポリオレフィン系樹脂層3a と酸変性ポリオレフィン系樹脂層3b からなる熱接着性樹脂層3を積層して構成したものである。
この構成は、前記図2に示した電池ケース用シート20の構成に対して、中間層の金属箔層2とその内側の熱接着性樹脂層3(直接的にはポリオレフィン系樹脂層3a )との間に、第3の基材フィルム層1c を追加して積層した構成に相当する。
【0042】
また、この場合も、金属箔層2は、少なくとも電池ケース用シート40の一端の端縁部、即ち、図では右側の端縁部において、他の層よりも小さく、電池ケース用シート40の端部に露出しないように積層されており、第1〜第3の基材フィルム層1a,1b,1c には、それぞれPETフィルム、ONフィルム、OPPフィルムのいずれかが用いられる。
【0043】
このような構成を採ることにより、前記図2に示した構成の電池ケース用シート20に記載した作用、効果に加えて、上記第3の基材フィルム層1c を追加したことによる各種の機械的強度および耐性の向上と共に、金属箔層2の両側が、第1、第2の基材フィルム層1a 、1b と、第3の基材フィルム層1c とで挟み込まれるため、金属箔層2は一層高度に保護され、更に安定したバリヤー性を得られる効果を奏する。
【0044】
以上、図1〜図4に示した構成の電池ケース用シート10、20、30、40において、表面に文字、絵柄などの印刷を施す場合には、最外層の第1の基材フィルム層の内面(積層面)に所謂裏刷り方式で予め印刷し、この面に次の層を積層して、電池ケース用シートを完成させることにより、表面の摩擦などで損なわれることのない耐久性に優れた印刷画像を形成することができる。
【0045】
【発明の効果】
以上詳しく説明したように、本発明によれば、軽量で薄く、柔軟性があり、且つ、各種の機械的強度や耐性のほか、水蒸気その他のガスバリヤー性、熱封緘性、電極端子との熱接着性などの性能および加工性に優れると共に、内部に収納される電池の構成材料に対して水分の影響を与えることがなく、更に、電池ケースに加工した際、電極端子が電池ケースの金属箔層でショートするようなこともなく安全性にも優れた電池ケース用シートを生産性よく提供できる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電池ケース用シートの第1の実施例の構成を示す模式断面図である。
【図2】本発明の電池ケース用シートの第2の実施例の構成を示す模式断面図である。
【図3】本発明の電池ケース用シートの第3の実施例の構成を示す模式断面図である。
【図4】本発明の電池ケース用シートの第4の実施例の構成を示す模式断面図である。
【符号の説明】
1a 第1の基材フィルム層
1b 第2の基材フィルム層
1c 第3の基材フィルム層
2 金属箔層
3 熱接着性樹脂層
3a ポリオレフィン系樹脂層
3b 酸変性ポリオレフィン系樹脂層
10、20、30、40 電池ケース用シート
Claims (2)
- 内部に電池の構成材料を収納し、電池を形成するために用いられる電池ケース用シートであって、該シートが、下記(1)〜(4)のいずれかの構成の積層体で形成され、且つ、該積層体の第1の基材フィルム層、第2の基材フィルム層、第3の基材フィルム層が、それぞれ2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムまたは2軸延伸ナイロンフィルムまたは2軸延伸ポリプロピレンフィルムのいずれかで形成され、また、熱接着性樹脂層が酸変性ポリオレフィン系樹脂単独の層、またはポリオレフィン系樹脂層と酸変性ポリオレフィン系樹脂層との積層体で形成され、更に、該積層体の金属箔層が、少なくとも電池ケース用シートの一端の端縁部において、他の層よりも小さく、積層体の端部に露出しないように形成されていることを特徴とする電池ケース用シート。
(1)第1の基材フィルム層/金属箔層/熱接着性樹脂層
(2)第1の基材フィルム層/第2の基材フィルム層/金属箔層/熱接着性樹脂層
(3)第1の基材フィルム層/金属箔層/第2の基材フィルム層/熱接着性樹脂層
(4)第1の基材フィルム層/第2の基材フィルム層/金属箔層/第3の基材フィルム層/熱接着性樹脂層 - 前記熱接着性樹脂層の酸変性ポリオレフィン系樹脂層の酸成分含有量が、0.01〜10重量%であることを特徴とする請求項1記載の電池ケース用シート。
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