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JP2004101833A - 液晶ディスプレイの製造装置および製造方法 - Google Patents

液晶ディスプレイの製造装置および製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の目的は、液晶ディスプレイの薄型化をおこなうときに、カラーフィルターやドライバー搭載部の角が丸くなること、及びアレイ基板の端部の厚みが不均一になることを防ぐ製造装置および製造方法を提供することにある。
【解決手段】本発明の製造装置10は、モジュール32にスラリーを吹き付ける手段と、段部34の角に沿って設けられた保護膜16と、保護膜16に重なり、かつ、アレイ基板20の端部を覆う段部用ジグ12と、を含む。また、アレイ基板20とカラーフィルター基板22との側縁が揃っているモジュール32の側部およびアレイ基板20の裏面の端部に側部用ジグ14を設ける。
【選択図】  図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶ディスプレイを薄型化するときに、液晶ディスプレイのカラーフィルターやアレイ基板のドライバー搭載部の角が丸くなったり、端部の厚みが不均一になることを防ぐための製造装置および製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶ディスプレイのモジュールを薄型化する方法として、機械研磨と化学エッチングがあった。なお、本明細書でモジュールは、アレイ基板上にカラーフィルター基板が配置されたものをいう。このモジュールを薄型化することによって液晶ディスプレイの薄型化が可能になる。化学エッチングではアレイ基板やカラーフィルター基板を構成するガラス基板の側縁が研磨される問題がある。また、機械研磨では、基板の割れ、欠けなどで薄型化は、0.6mmくらいが限界であった。
【0003】
機械研磨や化学エッチング以外の方法としてブラスト工法がある。ブラスト工法は、図3に示すようにアレイ基板20やカラーフィルター基板22にスラリー30を高圧で吹き付け、研磨する工法である。スラリー30は、水の中にアルミナや炭化ケイ素の微粉末が混入したものである。図4(a)に示すように、スラリー30を吹き付けるときにドライバー搭載部に樹脂保護膜16を設ける。これはドライバー搭載部の電極パッドが水に含まれる塩素などによって腐食するのを防ぐため、及び、スラリー30による電極パッドへの物理的ダメージを防ぐためである。ブラスト工法後のドライバー搭載部の厚みを厚くするのは、ドライバーを搭載するときの強度を保つためである。また、ドライバー搭載部以外でアレイ基板の端部周辺の厚みを、ドライバー搭載部の厚みにあわせることによって、液晶ディスプレイの製造工程の自動化をし易くする。したがって、アレイ基板20の裏面の端部にはスラリー30が当たらないように保護膜などで守る。
【0004】
ブラスト工法による薄型化は、基板に割れ、欠けを発生させずに0.4mm厚のモジュール32を製造可能である。しかし、図4(b)に示すように、ドライバー搭載部などの角が丸くなったり、端部の厚みが不均一となる欠点がある。角が丸くなることによって、液晶ディスプレイの自動製造時に、正確な位置あわせができない場合が発生する。また、ドライバーを実装するときに、端部から割れ、欠けが発生しやすい。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、ブラスト工法で液晶ディスプレイの薄型化をおこなうときに、カラーフィルターやドライバー搭載部の角が丸くなったり、アレイ基板端部の厚みが不均一になるのを防ぐ製造装置および製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の製造装置の要旨は、アレイ基板と、前記アレイ基板の端部に段部を形成して、該アレイ基板上に設けられるカラーフィルター基板と、で構成されるモジュールを含む液晶ディスプレイの製造装置であって、前記モジュールにスラリーを吹き付ける手段と、前記段部の角に沿って設けられた保護膜と、前記保護膜に重なり、かつ、アレイ基板の端部を覆う段部用ジグと、を含む。段部の角は、アレイ基板とカラーフィルター基板とで、L字型を形成する部分である。
【0007】
前記アレイ基板とカラーフィルター基板との側縁が揃っているモジュールの側部およびアレイ基板の裏面の端部に側部用ジグを設けた。
【0008】
アレイ基板と、前記アレイ基板の端部に段部を形成して、該アレイ基板上に設けられるカラーフィルター基板と、で構成されるモジュールを含む液晶ディスプレイの製造装置であって、前記モジュールにスラリーを吹き付ける手段と、前記段部の角に沿って設けられた保護膜と、前記保護膜に重なり、かつ、アレイ基板の側部を覆う段部用ジグと、を含む。
【0009】
本発明の製造方法の要旨は、アレイ基板と、前記アレイ基板の端部に段部を形成して、該アレイ基板上に設けられるカラーフィルター基板と、で構成されるモジュールを含む液晶ディスプレイの製造方法であって、前記段部の角に沿って保護膜を設けるステップと、前記保護膜に重なり、かつ、アレイ基板の端部または側部を覆う段部用ジグを設けるステップと、前記モジュールにスラリーを吹き付けるステップと、を含む。
【0010】
前記アレイ基板とカラーフィルター基板との側縁が揃っているモジュールの側部、またはモジュールの側部およびアレイ基板の裏面の端部に側部用ジグを設けるステップを含む。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の液晶ディスプレイの製造装置および製造方法の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0012】
図1(a)に示すように、本発明の製造装置10は、モジュール32にスラリーを吹き付ける手段と、段部34の角に沿って設けられた保護膜16と、保護膜16に重なり、かつ、アレイ基板20の端部を覆う段部用ジグ12と、を含む。モジュール32は、アレイ基板20上にカラーフィルター基板22が配置されたものである。アレイ基板20、カラーフィルター基板22は周知の基板を使用する。一般にアレイ基板20は、ガラス基板上にゲート線や信号線が縦横に配線されたり、絶縁層が積層されたりしたものである。一般にカラーフィルター基板22は、ガラス基板上に顔料などが配置されたものである。アレイ基板20はカラーフィルター基板22よりも面積が大きく、2つの基板20,22を対向させるとモジュール32の1辺または2辺で段部34が形成される。段部34の数は、製造するアレイ基板20の使用によって変更する。アレイ基板20における段部32を形成する部分はドライバー搭載部に相当する。
【0013】
スラリーを吹き付ける手段は図3の手段18を用いる。スラリー30は、水の中にアルミナや炭化ケイ素の微粉末が混入されたものである。スラリー30を吹き付ける手段18によって、高圧でスラリー30がモジュール32に吹き付けられる。
【0014】
保護膜16は弾力性のある樹脂保護膜を使用する。例えば、塩化ビニル系の樹脂を使用する。保護膜16によって、ドライバー搭載部の電極パッドの腐食を防止する。
【0015】
段部用ジグ12は、断面がコの字型(溝型)である。段部用ジグ12は例えばウレタンゴムなどの硬質樹脂である。図1(a)に示すように、段部用ジグ12は、アレイ基板20のドライバー搭載部を覆う。また、段部用ジグ12は保護膜16も同時に覆う。保護膜16があるため、段部用ジグ12を取り付けるとき、ドライバー搭載部の電極パッドの破壊を防いでいる。弾力性のある保護膜16は、ブラスト加工中に段部用ジグ12が振動で脱落しないように、ドライバー搭載部に段部用ジグ12を固定する役目もある。
【0016】
図1(a)における高さH1、言い換えると段部用ジグ12の保護膜16上の部分と保護膜16をあわせた厚みは、ブラスト工法により薄くなったカラーフィルター基板22の厚みより厚め、例えば0.2mmくらい厚くする。これは、スラリー30を吹き付けたときの流体の流れから実験的に求めた値である。
【0017】
上記の構成でドライバー搭載部を保護しながら、モジュール32の薄型化が可能であるが、製造装置に自動製造を考慮した手段を設ける。すなわち、図1(a)に示すように、アレイ基板20とカラーフィルター基板22との側縁が揃っているモジュール32の側部およびアレイ基板20の裏面の端部に側部用ジグ14を設ける。
【0018】
側部用ジグ14は断面がL字型である。アレイ基板20の裏面にスラリー30を吹き付けると、側部用ジグ14によってドライバー搭載部以外でもアレイ基板20の厚みが厚くなる。この厚みは、ドライバー搭載部と同じ厚みにする。モジュール32をアレイ基板20を下にして置いたときに、アレイ基板20が水平に保つことができる。したがって、液晶ディスプレイの製造の自動化がし易くなる。また、段部用ジグ12と側部用ジグ14とでモジュール32の各辺を覆うことによって、モジュール32の破損も防いでいる。
【0019】
製造装置10を用いた液晶ディスプレイのモジュール32の製造方法について説明する。アレイ基板20上にカラーフィルター基板22を配置する。なお、説明の便宜上図示していないが、アレイ基板20とカラーフィルター基板22との間には液晶やスペーサーなどが配置される。アレイ基板20とカラーフィルター基板22とを対向させて配置したときに、アレイ基板20のドライバー搭載部とカラーフィルター基板22とで段部34を形成する。
【0020】
段部34の角に沿って樹脂を塗布し、乾燥させて、保護膜16を形成する。塗布するとき、ドライバー搭載部の電極パッドを覆うように塗布する。
【0021】
モジュール32の各辺に段部用ジグ12または側部用ジグ14を取り付ける。モジュール32の辺が段部34であれば段部用ジグ12、アレイ基板20とカラーフィルター基板22の側縁が揃っていれば側部用ジグ14である。モジュール32にジグ12,14を取り付けた状態でスラリー30を吹き付ける。スラリー30の吹き付けは、モジュール32のカラーフィルター基板22側、アレイ基板20側の両方におこなう。両方の基板20,22に対して同時にスラリー30を吹き付けても良いし、片方の基板20,22ごとにスラリー30を吹き付けても良い。
【0022】
モジュール32がブラスト加工されて、所望の厚さになったところでスラリー30の吹き付けを終了する。モジュール32の各辺に取り付けられたジグ12,14を取り外す。段部34に設けられた保護膜16をはがす。以上の工程で、図1(b)に示すような所望の厚さで、角が丸まっていない、かつ、周辺の厚みが一定のモジュール32が完成する。
【0023】
以上のように、本発明は、ブラスト工法におけるスラリー30吹き付けによって起こるカラーフィルター基板22やドライバー搭載部の角が丸くなったり端部の厚みが不均一になるのを防ぐことができる。したがって、液晶ディスプレイのドライバー実装を正確に、かつ高い歩留まりで達成できる。
【0024】
ドライバー搭載部などアレイ基板20の4辺の厚みを厚くしたが、ドライバー搭載部の強度が充分に得られるのであれば、アレイ基板20の裏面を全てスラリー30で薄くしても良い。
【0025】
図2(a)に示すように、段部用ジグ24は、保護膜16とアレイ基板20の側部を覆う断面L字型にする。側部用ジグ26は、アレイ基板20とカラーフィルター基板22の側部を覆う断面I字型にする。
【0026】
段部用ジグ24および側部用ジグ26の高H2さは、ブラスト工法によって薄型化されたモジュール32の高さよりも高くする。例えば、薄型化されたモジュール32よりも0.4mm高くする。すなわち、スラリー30吹き付け後、ジグ24,26を取り外す前は、ジグ24,26よりもアレイ基板20およびカラーフィルター基板22がそれぞれ0.2mm低くなる。これは、スラリーを吹き付けたときのスラリーの流れなどから求めたものである。
【0027】
以上のジグ24,26を有する製造装置11を用いて、モジュール32にスラリー30を吹き付け、モジュール32を薄型化する。アレイ基板20の裏面が全て削れ、平坦になる。ジグ24,26を用いているため、カラーフィルター基板22やドライバー搭載部の角が丸くならず、製造の自動化がし易くなる。
【0028】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は上記の形態に限定されることはない。その他、本発明は、主旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づき種々の改良、修正、変更を加えた態様で実施できるものである。
【0029】
【発明の効果】
本発明によると、ブラスト工法におけるスラリー吹き付けによって起こるカラーフィルター基板やドライバー搭載部の角が丸くなるのを防ぐことができ、かつ、アレイ基板端部の厚みが一定となる。液晶ディスプレイの自動製造時に位置を正確にすることができる。また、ドライバー実装時のアレイ基板やカラーフィルター基板のガラス基板の割れ、欠けが無くなり、歩留まりが向上する。
【0030】
ドライバー搭載部だけでなく、アレイ基板の裏面の4辺を同じ高さにするので、自動製造時にモジュールの搬送が容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造装置の図であり、(a)はモジュールにジグを設置した断面図であり、(b)はブラスト工法後のモジュールの断面図である。
【図2】本発明の他の製造装置の図であり、(a)はモジュールにジグを設置した断面図であり、(b)はブラスト工法後のモジュールの断面図である。
【図3】スラリーを吹き付けるブラスト工法を示す斜視図である。
【図4】従来の製造装置の図であり、(a)はブラスト工法前のモジュールの断面図であり、(b)はブラスト工法後のモジュールの断面図である。
【符号の説明】
10,11:製造装置
12,24:段部用ジグ
14,26:側部用ジグ
16:保護膜
18:スラリーを吹き付ける手段
20:アレイ基板
22:カラーフィルター基板
30:スラリー
32:モジュール
34:段部

Claims (6)

  1. アレイ基板と、
    前記アレイ基板上に設けられ、該アレイ基板の端部とで段部を形成するカラーフィルター基板と、
    で構成されるモジュールを含む液晶ディスプレイの製造装置であって、
    前記モジュールにスラリーを吹き付ける手段と、
    前記段部の角に沿って設けられた保護膜と、
    前記保護膜に重なり、かつ、アレイ基板の端部を覆う段部用ジグと、
    を含む製造装置。
  2. 前記アレイ基板とカラーフィルター基板との側縁が揃っているモジュールの側部およびアレイ基板の裏面の端部を覆う側部用ジグを設けた請求項1に記載の製造装置。
  3. アレイ基板と、
    前記アレイ基板の端部に段部を形成して、該アレイ基板上に設けられるカラーフィルター基板と、
    で構成されるモジュールを含む液晶ディスプレイの製造装置であって、
    前記モジュールにスラリーを吹き付ける手段と、
    前記段部の角に沿って設けられた保護膜と、
    前記保護膜に重なり、かつ、アレイ基板の側部を覆う段部用ジグと、
    を含む製造装置。
  4. 前記アレイ基板とカラーフィルター基板との側縁が揃っているモジュールの側部に側部用ジグを設けた請求項3に記載の製造装置。
  5. アレイ基板と、
    前記アレイ基板の端部に段部を形成して、該アレイ基板上に設けられるカラーフィルター基板と、
    で構成されるモジュールを含む液晶ディスプレイの製造方法であって、
    前記段部の角に沿って保護膜を設けるステップと、
    前記保護膜に重なり、かつ、アレイ基板の端部または側部を覆う段部用ジグを設けるステップと、
    前記モジュールにスラリーを吹き付けるステップと、
    を含む製造方法。
  6. 前記アレイ基板とカラーフィルター基板との側縁が揃っているモジュールの側部、またはモジュールの側部およびアレイ基板の裏面の端部に側部用ジグを設けるステップを含む請求項5に記載の製造方法。
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