JP2004165612A - Variable inductor, oscillator including same inductor, radio terminal with the oscillator, amplifier including the inductor, and radio terminal provided with the amplifier - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、可変インダクタに係り、特に能動素子で構成される回路と相互に結合した複数のインダクタを用いてインダクタンスを変化させる可変インダクタに関する。
【0002】
また、この発明は、インダクタを用いた発振器及び無線端末に係るとともに、増幅器及び無線端末の回路設計技術及び増幅器の利得可変方法の改良にも関する。
【0003】
【従来の技術】
一般に、電子回路の特性を可変にするために、回路に含まれる能動素子の特性或いは受動素子の値を変化させている。能動素子に関しては、能動素子に与えられるバイアス電圧を変化させてその能動素子の特性を変化させることができる。また、受動素子に関しては、受動素子、例えば、MOSFETのオン抵抗を利用すれば可変抵抗素子を容易に実現でき、PN接合を利用すれば可変容量素子を容易に実現することができる。
【0004】
受動素子としてのインダクタに関しては、一般的に良好な特性を維持しつつインダクタンスを可変とすることが困難であるとされている。能動素子を用いてインダクタを構成し、インダクタンスを可変にする方法が非特許文献1(ELECTRONICS LETTERS 2nd January, Vol 28, No.1, pp 78-80, 1992)に開示されている。しかし、インダクタに能動素子が用いられてことから、雑音や歪みの特性が悪いという問題がある。
【0005】
そこで、インダクタを能動素子により構成せずに、インダクタンスを可変にする技術が種々提案されている。しかし、何れの提案も実用化には問題がある。例えば、特許文献1(特開平8−162331号公報)には、インダクタの途中にスイッチを挿入し、スイッチのオン・オフによりインダクタンスを変える手法が開示されている。この手法では、スイッチのオン抵抗により可変インダクタの性能が劣化してしまうというという問題がある。
【0006】
特許文献2(特開2000−223317公報)には、レーザビームにより物理的にインダクタの形状を変化させる方法が開示されている。この方法は、インダクタの製造後に物理的に調整する必要があるため、製造コストが高くなり、回路が動作している状況でインダクタンスを変化させることが困難であるという問題がある。
【0007】
特許文献3(特開平7−320942号公報)には、複数のインダクタの相互結合を利用して可変インダクタを構成する技術が提案されている。この方法では相互結合係数を変化させるためにインダクタの形状を物理的に変化させている。従って、可変インダクタを構成する回路の小型化並びに低コスト化という点で問題点がある。
【0008】
さらに、D.R.Pehlkeらは、特許文献4(米国特許第5,994,985号明細書)において、方向性結合器を用いて入力信号を2つに分離し、相互に結合した2つのインダクタに流れる信号の振幅と位相を制御してインダクタンスを変化させる技術を提案している。しかしながら、方向性結合器は、一般に集積化に適さないため、可変インダクタを集積回路により実現することが困難であるという問題がある。
【0009】
可変インダクタを実現することでLC共振回路(インダクタ:インダクタンスL,コンデンサ:容量C)を含む電圧制御発振器(VCO:Voltage ControlledOscillator)の発振周波数(f)をも制御することができる。このLC共振回路を含む電圧制御発振器の発振周波数(f)は、一般的に、f=1/[2π(LC)1/2]で表われ、インダクタンスL或いは容量Cが制御されれば、発振周波数(f)が制御される。しかしながら、従来のLC共振回路では、上述したように可変インダクタを実現することが困難であることから、一般的に、容量Cを可変とし、例えば、PN接合ダーオードへの逆バイアス印加電圧を変化させて容量Cを可変とし、この容量を変えることで発振周波数を変化させている。
【0010】
このような電圧制御発振器を集積回路として半導体基板上に作りこんだ場合、即ち、IC化した場合には、寄生容量、例えば、インダクタの寄生容量、MOSトランジスタのドレイン寄生容量及びMOSトランジスタのゲート寄生容量等が生じ、このような寄生容量が生ずることは避けられず、これら寄生容量がLC共振回路の可変容量Cの変動幅を小さくしてしまう問題がある。例えば、容量C変動分をΔCとすると、設計上の変動率としてはΔC/Cを想定しているが、寄生容量分が分母に非変動部分として加算される。従って、実際には、ΔC/(C+寄生容量)と変動率が小さくなってしまう問題がある。回路設計などに依存はするが、容量Cと寄生容量が同程度であると、変化率は、1/2程度にまで縮小されてしまう。
【0011】
このような寄生容量の存在で可変容量CがLC共振回路の容量値に占める比率が低くならざるを得ない。従って、可変容量Cの変化率に比較し、LC共振回路における容量値の変化は縮小されたものとなり、結果として発振周波数の可変範囲が狭くなってしまう。
【0012】
しかしながら、今日、携帯電話,無線LAN機器などで使用する周波数帯域は拡大し、また、複数周波数帯域をひとつの機器で対応する場合もあり、発振周波数の変化幅の拡大への要求は大きくなっている。このような観点からも、可変インダクタの実現が望まれている。
【0013】
また、可変インダクタは、インダクタを備えた増幅器にも適用可能である。例えば、ディジェネレーション用のインダクタを備えた増幅器では、そのインダクタンスを小さくすると、増幅器の利得及び雑音特性は向上するものの歪特性は劣化する。逆に、インダクタンスを大きくすると歪特性は向上するが、利得及び雑音特性は劣化する。このようにトレードオフの関係にあることから増幅器設計の際には所望の特性となるようにインダクタンスの値が決定される。
【0014】
高利得及び低雑音特性を維持して低歪特性を実現するためには電流量を多くして対応するのが一般的である。また、無線端末の受信機で用いられる増幅器では、受信信号の大きさによって増幅器に必要とされる特性が変化される。一般に受信信号が小さい場合は低雑音で増幅することが重視されるため、増幅器には利得と雑音特性が良好なことが要求される。これに対し受信信号が大きい場合には歪特性が良好なことが要求される。
【0015】
従来のディジェネレーション用のインダクタを備えた増幅器においては、インダクタンスは固定であるので、この増幅器の特性を変化させる為に、供給電流量が制御されている。即ち、歪特性を良好にしたい場合には、供給電流量が多くなるように電流が制御される。しかしながら、増幅器の特性を変化する為に電流量が上げられることは、消費電力の増大となる問題点がある。
【0016】
更に、非特許文献4には、可変利得増幅器の回路例が開示されている。この可変利得増幅器では、第1のトランジスタQ1で構成される初段のエミッタ接地回路は常に動作され、利得切り替えは次段のベース接地回路を構成する第2〜第4のトランジスタQ2〜Q4を切り替えることによって実現されている。第1のトランジスタQ1が動作しているため、利得を切り替えても入力インピーダンスに大きな変化はないが、常に一定の電流を消費し、歪み特性もほぼ一定となる。
【0017】
しかし、非特許文献4に開示された従来の回路では、利得が低い場合にも大きな電流を消費し、歪み特性も利得が高い場合と同程度となってしまうという問題がある。基本的に高い利得と良好な歪み特性の増幅段を実現しようとすると、ある程度の消費電流が必要となるが、利得がそれほど高くない場合や信号を減衰させる場合は、それほど多くの電流を消費せずに歪み特性が良好な増幅段を実現することが可能である。しかし、複数の異なる増幅段を切り替えて用いる場合には入力インピーダンスが変化するという問題がある。
【0018】
【特許文献1】
特開平8−162331号公報
【0019】
【特許文献2】
特開2000−223317公報
【0020】
【特許文献3】
特開平7−320942号公報
【0021】
【特許文献4】
米国特許第5,994,985号明細書
【0022】
【非特許文献1】
ELECTRONICS LETTERS 2nd January, Vol 28, No.1, pp 78-80, 1992
【0023】
【非特許文献2】
M.T.Murphy, "Applying the Series Feedback Technique to LNA Design," MICROWAVE JOURNAL, Nov., pp.143-152, 1989
【0024】
【非特許文献3】
J.C.Rudell, et al., "A 1.9GHzWide-Band IF Double Conversion CMOS Integrated Receiver for Cordless Telephone Applications," ISSCC97, pp.304-305, 1997
【0025】
【非特許文献4】
Dual-Band High-Linearity Variable-Gain Low-Noise Amplifier for Wireless Applications K.L.Fong, “Dual-Band High-Linearity Variable-Gain Low-Noise Amplifier for Wireless Applications,” IEEE ISSCC99, pp224-225, 1999
【0026】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、従来の技術による可変インダクタは、電気的特性に問題があり、小型化、低コスト化及び集積回路化が難しいという問題点がある。
【0027】
携帯電話などの無線端末では、受信信号レベルに応じた増幅器特性の適応型の特性変化への要求は強く、一方では低消費電力化は同様に強く要望されている。固定インダクタをディジェネレーション用に用いた増幅器では、歪特性を向上せしめるためには電流量をあげるしかなく、消費電力増大を招いてしまう。
【0028】
非特許文献4に開示された従来の回路では、利得が低い場合にも大きな電流を消費し、歪み特性も利得が高い場合と同程度となってしまうという問題がある。基本的に高い利得と良好な歪み特性の増幅段を実現しようとすると、ある程度の消費電流が必要となるが、利得がそれほど高くない場合や信号を減衰させる場合は、それほど多くの電流を消費せずに歪み特性が良好な増幅段を実現することが可能である。しかし、複数の異なる増幅段を切り替えて用いる場合には入力インピーダンスが変化するという問題がある。
【0029】
この発明は、上述したような事情に鑑みなされたものであって、その目的は、電気的特性が良好であって、小型化、低コスト化が容易であり、集積回路化に適した可変インダクタを提供することにある。
【0030】
また、この発明の目的は、寄生容量による発振周波数の可変範囲への影響を抑えた発振器を提供することにある。
【0031】
更に、この発明の目的は、消費電力を増大せしめることなく、増幅器の特性を変更が可能な増幅器を提供することにある。
【0032】
更にまた、この発明の目的は、所望の利得が高い場合には、ある程度の消費電流を流して高い利得と良好な歪み特性を有する増幅段を動作させ、所望の利得が低い場合には、少ない消費電流で良好な歪み特性を有する増幅段を動作させ、増幅段を切り替えた際の入力インピーダンスの変化を小さくすることができる可変利得増幅器を提供するにある。
【0033】
【課題を解決するための手段】
この発明によれば、
入力信号が入力される信号入力端子と、
第1及び第2の能動素子を含み、この第1及び第2の能動素子を流れる第1及び第2の電流の分配比を可変する分配器と、
前記第1及び第2の電流が出力される出力端子と、
前記第1の電流が流れる第1のインダクタと、及び
前記第2の電流が流れる第2のインダクタであって、前記第1のインダクタに相互結合される第2のインダクタと、
を具備する可変インダクタが提供される。
【0034】
また、この発明によれば、
第1のインダクタを有する電圧制御発振回路と、
この第1のインダクタと電磁的に相互に結合する第2のインダクタとを有し、この第2のインダクタに制御電流を供給する周波数制御回路であって、前記制御電流を変化させて第1のインダクタのインダクタンス値を変化させて前記電圧制御発振回路の発振周波数を制御する周波数制御回路と、
を具備する発振器が提供される。
【0035】
更に、この発明によれば、
第1のインダクタを備えた増幅回路と、
この第1のインダクタと電磁的に相互に結合する第2のインダクタを有し、この第2のインダクタに制御電流を供給する制御部であって、この制御電流を変化させて第1のインダクタのインダクタンス値を変化させ、前記増幅回路の増幅特性を変化させる制御部と、
具備したことを特徴とする増幅器。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照してこの発明の実施の形態に係る可変インダクタ及び可変インダクタをその回路中に組み込んだ発振器及びこの発振器を備えた無線端末並びに可変インダクタをその回路中に組み込んだ増幅器及びこの増幅器を備えた無線端末について詳細に説明する。
【0037】
尚、以下の説明において、可変インダクタ回路の分配器に用いる能動素子であるトランジスタとしてFETを用いた例について説明するが、FETに代えてバイポーラトランジスタを用いても可変インダクタ回路を実現することもできる。
【0038】
<可変インダクタ>
(第1の実施形態)
初めに、この発明の基本的な実施形態に係る可変インダクタついて説明する。図1及び図2は、この発明の一実施形態に従う可変インダクタの回路構成を示している。信号入力端子11に入力された入力信号(Input)は、能動素子を用いて構成された分配器12によって、複数の信号経路13a,13b,…,13nに分配される。信号経路13a,13b,…,13nには、インダクタ14a,14b,…14nがそれぞれ挿入されている。インダクタ14a,14b,…14nは、例えばスパイラル状に形成された導線により作られ、互いに相互結合されるように近接して配置されている。
【0039】
インダクタ14a,14b,…14nは、夫々入力された信号の大きさに依存した磁束を発生し、その磁束は、近接する他のインダクタにも作用して、その他のインダクタとの間で相互結合を生じる。従って、インダクタ14a,14b,…14nは、夫々それ自身で発生する磁束に起因する自己インダクタンスと、各々に相互結合している他のインダクタが発生する磁束によって定まる相互インダクタンスを有する。例えば、インダクタ14aのインダクタンス、即ち、インダクタ14aの両端の端子15,16(可変インダクタ端子と称する。)間のインダクタンスは、インダクタ14aの自己インダクタンスLsa、及びインダクタ14aと他のインダクタ14b,…14nとの間の相互インダクタンスMab,…,Manによって決まる。ここで、相互に結合したインダクタの向き(電流及び巻き線方向の両者を考慮した向き)に依存して、相互結合しているインダクタは、そのインダクタから発生される磁束を互いに強め合う関係にも、互いに弱め合うの関係にも設定できる。従って、可変インダクタ端子15,16間のインダクタンスLaは、自己インダクタンスLsaに対して大きくすることも、小さくすることもできる。
【0040】
インダクタ14a,14b,…14nには、分配器12から信号経路13a,13b,…,13nに分配される信号が供給される。ここで、分配器12から夫々インダクタ14a,14b,…14nに分配される信号レベルの分配比を調整することによって、相互インダクタンスMab,…,Man、即ち、インダクタ14a,14b,…14nの相互結合による磁束の量を制御できる。従って、可変インダクタ端子15,16間のインダクタンスを所望の値に設定することができる。
【0041】
分配器12は、後述するようにトランジスタなどの能動素子により構成される。従って、方向性結合器を利用した従来の可変インダクタ回路とは、異なり、図1及び図2に示される分配器12は、容易に集積回路化することができる。分配器12は、図1に示される回路では、信号入力端子11とインダクタ14a,14b,…14nの一端との間に接続されている。図2に示す回路では、分配器12にインダクタ14a,14b,…14nの一端及び他端が接続されている。
【0042】
次に、図1及び図2に示した可変インダクタのより具体的な幾つかの実施形態について説明する。
【0043】
(第2の実施形態)
図3及び図4は、ソースが接地されたトランジスタ回路を分配器12が含む実施形態に係る可変インダクタを示している。この実施形態に係る回路は、図1に示した基本回路構成の具体的回路例に相当している。信号入力端子11からの入力信号は、ソースが接地されているFET、例えば、MOSFET(以下、単にトランジスタという)21a,21bにより増幅されて二つの信号経路に分配され、この信号経路に挿入されたインダクタ14a,14bに供給される。トランジスタ21a,21bのゲート端子は、信号入力端子11に接続され、ソース端子は、インダクタ14a,14bの一端に接続され、ドレイン端子が可変インダクタの出力端子22a、22bに接続されている。この可変インダクタでは、MOSFET21a、21bで増幅された信号電流が可変インダクタの出力端子22a、22bから出力される。
【0044】
インダクタ14a,14bの他端は、電流源23a,23bの一端及びキャパシタ24a,24bの一端に接続されて交流成分(高周波成分)に対しては、接地される。電流源23a,23bの他端及びキャパシタ24a,24bの他端はグラウンドに接続される。インダクタ14a,14bを流れる電流のうち、直流成分は電流源23a,23bを流れ、交流成分(高周波成分)はキャパシタ24a,24bによってバイパスされる。
【0045】
図3及び図4に示す可変インダクタにおいては、インダクタ14a,14bを表すシンボルの近くに付されている黒い点は、インダクタの巻き始めの位置を表し、この位置が同一のインダクタは、何れも巻線の向きが同一で発生する磁束が同位相であるとする。
【0046】
図3に示すようにインダクタ14a,14bが同一の向きの場合には、インダクタ14a,14bは、磁束が互いに強め合う向きに発生される。従って、インダクタ14a単体の自己インダクタンスをLsa、インダクタ14b単体の自己インダクタンスをLsbとし、インダクタ14a,14b間の相互結合係数をkabとすると、相互結合を考慮したインダクタ14aの実効的なインダクタンス、即ち、可変インダクタ端子15,16間のインダクタンスLaは、下記式(1)で表される。
【0047】
La=Lsa+kab・Lsb (1)
インダクタ14a,14b間の相互インダクタンスをMabとすると、この式(1)は、式(2)で表される。
【0048】
La=Lsa+Mab (2)
一方、図4に示すようにインダクタ14a,14bが逆向きの場合には、インダクタ14a,14bは、互いに磁束を弱め合う関係に発生される。このインダクタンスLaは、式(3)或いは(4)で表される。
【0049】
La=Lsa−kab・Lsb (3)
或いは
La=Lsa−Mab (4)
ここで、相互結合係数kab、即ち、相互インダクタンスMabは、インダクタ14a,14bの物理的な配置、トランジスタ21a,21bの大きさ、及び電流源23a,23bの電流値Ia,Ib等によって定まる。従って、インダクタ14a,14bの物理的な配置を変化させなくとも、電流値Ia,Ibやトランジスタ21a,21bの大きさを調整することなどによって、インダクタンスLaの値を可変とすることができる。
【0050】
例えば、電流源23bを外部からの制御信号によって電流値Ibを制御できる可変電流源とし、この電流値Ibを連続的に変化させれば、これに伴い相互インダクタンスMabが変化される。これにより、可変インダクタ端子15,16間のインダクタンスLaは、連続的に変化される。電流源23bがオン/オフされると、インダクタンスLaを(Lsa+Mab)或いは(Lsa−Mab)と、Lsaとの間で2値的に切り替えることが可能となる。
【0051】
図3及び図4に示す実施形態では、分配器12にFETによるソース接地回路を用いたが、バイポーラトランジスタによるエミッタ接地回路を用いることもできる。エミッタ接地回路の場合、FETのゲート端子、ドレイン端子及びソース端子をバイポーラトランジスタのベース端子、コレクタ端子及びエミッタ端子にそれぞれ置き換えて考えればよい。また、図3及び図4に示す回路では、二つのインダクタを用いているが、3つ以上のインダクタを用いた回路にあっても本実施形態と同様の構成を適用できる。
【0052】
更に、この実施形態の変形例として、分配各々のゲート端子又はベース端子が複数のインダクタの少なくとも一つのインダクタを介して信号入力端子11に共通に接続された複数のトランジスタにより分配器12が構成されても良い。本実施形態の他の変形例として、各々のゲート端子又はベース端子が信号入力端子11に共通に接続され、そのドレイン端子又はコレクタ端子が夫々複数のインダクタの一端に接続された複数のトランジスタにより分配器12が構成されても良い。
【0053】
(第3の実施形態)
図5は、分配器12にゲートが接地されたトランジスタ回路を用いたこの発明の第3の実施形態に係る可変インダクタを示している。信号入力端子11には、少なくとも一つの第1のトランジスタ31a,31b,…,31nのソース端子及び複数の第2のトランジスタ32a,32b,…,32nのソース端子が接続されている。第1のトランジスタ31a,31b,…,31nのドレイン端子は第1のインダクタ14aの一端に接続され、ゲート端子は制御信号入力端子33a,33b,…,34nにそれぞれ接続されている。第2のトランジスタ32a,32b,…,32cのドレイン端子は、第2のインダクタ14bの一端に共通に接続され、ゲート端子は、制御信号入力端子34a,34b,…,34nにそれぞれ接続される。
【0054】
制御信号入力端子33a,33b,…,33cには、それぞれ制御信号φ33a,φ33b,…,φ33nが入力される。制御信号入力端子34a,34b,…,34cには、それぞれ制御信号φ34a,φ34b,…,φ34nが入力される。制御信号φ33a,φ33b,…,φ33n及びφ34a,φ34b,…,φ34nを二値的に変化させると、インダクタ14a,14bへの信号レベルの分配比、即ち、インダクタ14a,14bを流れる電流の比が変化される。これによりインダクタ14a,14b間の相互インダクタンスMabが変化され、その結果、インダクタ14aの実効的なインダクタンスLa(端子15,16間のインダクタンス)を変えることができる。
【0055】
インダクタ14aへの信号レベルの分配比は、トランジスタ31a,31b,…,31cのうち制御信号φ33a,φ33b,…,φ33nによりオン状態となるトランジスタの数によって決まる。同様に、インダクタ14bへの信号レベルの分配比は、トランジスタ32a,32b,…,32cのうち制御信号φ34a,φ34b,…,φ34nによりオン状態となるトランジスタの数によって決まる。
【0056】
尚、制御信号φ33a,φ33b,…,φ33n及びφ34a,φ34b,…,φ34nをアナログ信号とし、31a,31b,…,31n及びトランジスタ32a,32b,…,32cを流れる電流を連続的に変化させることによって、端子15,16間のインダクタンスLaを連続的に変化させるようにしても良い。
【0057】
図4では、インダクタ14aに複数の第1のトランジスタ31a,31b,…,31nを接続したが、インダクタンスの可変範囲が小さくてよい場合は、第1のトランジスタが1個でもよい。同様に、インダクタ14bに複数の第2のトランジスタ32a,32b,…,32nを接続したが、インダクタンスの可変範囲が小さくてよい場合は、第2のトランジスタが1個でもよい。
【0058】
この実施形態に係る可変インダクタにおいては、分配器12にFETによるゲート接地回路を用いたが、バイポーラトランジスタによるベース接地回路を用いることもできる。ベース接地回路の場合、FETのゲート端子、ドレイン端子及びソース端子をバイポーラトランジスタのベース端子、コレクタ端子及びエミッタ端子にそれぞれ置き換えて考えれば良い。
【0059】
さらに、本実施形態の変形例として分配器12をソース端子又はエミッタ端子が少なくとも一つの第1のインダクタを介して信号入力端子11に接続され、ゲート端子又はベース端子が制御信号入力端子に接続された少なくとも一つの第1のトランジスタと、ソース端子又はエミッタ端子が第1のインダクタを介して11信号入力端子に接続され、ドレイン端子またはコレクタ端子が第1のインダクタと相互結合する少なくとも一つの第2のインダクタの一端に接続され、ゲート端子又はベース端子が制御信号入力端子に接続された少なくとも一つの第2のトランジスタにより構成としても良い。
【0060】
(第4の実施形態)
図6には、分配器12にソースフォロア回路を用いた本発明の第4の実施形態に係る可変インダクタが示されている。信号入力端子11には、複数(図4の例では2個)のトランジスタ41a,41bのゲート端子が接続される。トランジスタ41a,41bのドレイン端子は、定電位点である電源Vddに接続され、ソース端子は、インダクタ14a,14bの各々の一端にそれぞれ接続される。トランジスタ41a,41bのソース端子には、さらに電流源43a,43bが接続される。従って、トランジスタ41a,41bは、ソースフォロア回路として動作する。
【0061】
ここで、第2の実施形態と同様に電流源43bを外部からの制御信号により電流値Ibを制御できる可変電流源として、この電流値Ibが連続的に変化されれば、これに伴ってインダクタ14a,14b間の相互インダクタンスMabが変化され、端子15,16間のインダクタンスLaは連続的に変化する。電流源43bがオン/オフされると、インダクタンスLaは、インダクタ14aの自己インダクタンスをLsaとして、(Lsa+Mab)或いは(Lsa−Mab)とLsaとの間で2値的に切り替わる。
【0062】
尚、本実施形態では分配器12にFETによるエミッタフォロワ回路を用いているが、バイポーラトランジスタによるエミッタフォロワ回路を用いることもできることは、明らかである。
【0063】
さらに、本実施形態の変形例として各々のゲート端子又はベース端子が夫々インダクタを介して信号入力端子11に接続され、各々のドレイン端子又はコレクタ端子が定電位点に接続された複数のトランジスタにより分配器12が構成されても良い。
【0064】
(第5の実施形態)
図7は、分配器12にカスコード接続回路を用いたこの発明の第5の実施形態に係る可変インダクタを示している。信号入力端子11には、第1及び第2のトランジスタ51,52のゲート端子が接続される。トランジスタ51,52のソース端子は、電流源53,54にそれぞれ接続される。第1のトランジスタ51のドレイン端子は、第3のトランジスタ55のソース端子に接続され、第2のトランジスタ52のドレイン端子は、複数(図5の例では2個)の第4のトランジスタ56a,56bのソース端子に共通に接続される。即ち、トランジスタ51とトランジスタ55は、カスコード接続され、トランジスタ52とトランジスタ56a,56bは、カスコード接続される。
【0065】
第3のトランジスタ55及び第4のトランジスタ56a,56bのドレイン端子は、インダクタ14a,14b,14cの一端にそれぞれ接続される。第3のトランジスタ55のゲート端子は、制御信号入力端子58に接続され、第4のトランジスタ56a,56bのゲート端子は、制御信号入力端子57a,57bにそれぞれ接続される。インダクタ14a,14b,14cを表すシンボルの近傍に付された黒丸に示されるように、インダクタ14aに対して、インダクタ14bは、互いに磁束を強め合う向きに、インダクタ14cは互いに磁束を弱め合う向きにそれぞれ配置される。
【0066】
今、制御信号入力端子58に制御信号φを入力してトランジスタ55がオンされた状態で、制御信号入力端子57aに制御信号φ+が入力され、制御信号入力端子57bに制御信号φ−が入力されることにより、インダクタ14bに接続されたトランジスタ56aがオン、インダクタ14cに接続されたトランジスタ56bがオフされると、インダクタ14aの両端15,16間のインダクタンスLaは、インダクタ14aの自己インダクタンスLsaより大きくなる。これとは逆に、制御信号入力端子57aに制御信号φ−、制御信号入力端子57bに制御信号φ+がそれぞれ入力されて、トランジスタ56aがオフ、トランジスタ56bがオンにされると、インダクタ14aの両端15,16間のインダクタンスLaは、自己インダクタンスLsaに比べて小さくなる。
【0067】
このように分配器12にカスコード接続回路を用いると、第2のトランジスタ52に対してカスコード接続された第4のトランジスタ56a,56bのオン、オフによりインダクタ14b,14cに対して選択的に信号が供給され、その結果、端子15,16間のインダクタンスLaを増減させることができる。
【0068】
尚、この実施形態では、分配器12にFETによるカスコード接続回路を用いているが、バイポーラトランジスタによるカスコード接続回路を用いることもできることは、明らかである。
【0069】
(第6の実施形態)
図8は、この発明の第5の実施形態に係る可変インダクタを示している。信号入力端子11には、増幅器60を構成するトランジスタ61のゲート端子が接続される。トランジスタ61のソース端子には、電流源63及び交流(高周波)バイパス用のキャパシタ64が接続される。トランジスタ61のドレイン端子には、インダクタ14aの一端とバッファ回路62の入力端子が接続され、バッファ回路62の出力端子には、他のインダクタ14bの一端が接続される。
【0070】
バッファ回路62は、例えばソース接地回路或いはソースフォロア回路など、集積回路上に形成できる回路によって構成され、その利得は可変となっている。バッファ回路62の利得を変えると、これまでの実施形態と同様にインダクタ14a,14bへの信号レベルの分配比が変わるので、相互インダクタンスが変化されて可変インダクタ端子15,16間のインダクタンスを変化させることができる。
【0071】
この実施形態においては、分配器12にトランジスタ61にFETを用いたが、バイポーラトランジスタを用いてもよいことは、これまでの実施形態と同様である。
【0072】
(第7の実施形態)
これまで説明した実施形態では、分配器12を全て単相回路構成とした場合について述べたが、分配器12が差動回路で構成されても良い。この発明の第7の実施形態に係る可変インダクタとして、分配器12を差動回路構成とした例が図9に示されている。図9に示される回路では、分配器12にカスコード接続された差動増幅器が用いられている。
【0073】
差動入力端子11a,11bに、差動対トランジスタ71a,71bのゲート端子と差動対トランジスタ72a,72bのゲート端子がそれぞれ接続されている。差動対トランジスタ71a,71bの共通ソース端子は、電流源78に、差動対トランジスタ72a,72bのドレイン端子は、電流源79にそれぞれ接続される。差動対トランジスタ71a,71bのドレイン端子は、トランジスタ73a,73bのソース端子にそれぞれ接続され、差動対トランジスタ72a,72bのドレイン端子は、トランジスタ74a,74bのソース端子及びトランジスタ75a,75bのソース端子にそれぞれ接続される。
【0074】
トランジスタ73a,73b,74a,74b,75a,75bのゲート端子は、制御信号入力端子にそれぞれ接続される。トランジスタ73a,73bのドレイン端子は、差動出力端子22a,22bにそれぞれ接続されると共にインダクタ76a,76bの一端にそれぞれ接続される。トランジスタ74aとトランジスタ75bのドレイン端子は、インダクタ77aの一端に共通に接続され、トランジスタ74bとトランジスタ75aのドレイン端子は、インダクタ77bの一端に共通に接続される。インダクタ76a,76b,77a,77bの他端は、定電位点である電源Vddに接続される。
【0075】
差動入力端子11a,11bには、互いに逆相の信号Input+,Input−が入力される。このように逆相の信号Input+,Input−が入力されることと、インダクタ76a,77a間の相互インダクタンスM12とインダクタ76b,77b間の相互コンダクタンスM13の符号が反転することは、等価である。従って、制御信号φ+及びφ−により、相互コンダクタンスM12及びM13に係わる相互結合を互いに磁束を打ち消し合う向きにも、磁束を強め合う向きにも制御することができ、これによってインダクタを変化させることが可能である。
【0076】
さらに、図10にはバイポーラトランジスタを用いた差動回路を用いて分配器を構成した例を示している。用いるトランジスタの違いはあるが、原理的には図9に示した回路と同様である。
【0077】
以上説明したように、この発明の実施例に係る可変インダクタによれば、集積回路上に形成可能な分配器を用いて電磁的にインダクタを変化させることができる。しかも、このような可変インダクタは、電気的特性が良好であって、小型化、低コスト化が容易であり、集積回路化に適している。
【0078】
<可変インダクタを備えた発振器及びこの発振器を備えた無線端末>
次に、上述したこの発明に係る可変インダクタが組み込まれた発振器及びこの発振器を備えた無線端末について説明する。
【0079】
図11は、この発明の実施例に係る発振器を概略的に示すブロック図である。
【0080】
図11に示す発振器は、インダクタL0を有するLC共振回路を含むコア回路部(VCO core)102と、このインダクタL0と結合係数k1をもって電磁的に結合するインダクタL11を有し、このインダクタL11に供給される電流を制御することが可能な発振周波数制御部104−1(Frequency Controller)を備えている。
【0081】
この発振周波数制御部104−1には、制御信号Control_1が入力され、この制御信号Control_1に従ってインダクタL11に流れる電流の振幅及び位相の少なくとも一方或いは両方が変更される。その結果、このインダクタL11に結合しているコア回路部102のインダクタL0のインダクタンスが変化されて発振周波数が変化される。例えば、インダクタL0で発生する磁界と強め合う向きに磁界を発生する方向の電流がインダクタL11に流れると、インダクタL0のインダクタンスの値は大きくなり、インダクタンスの値の−1/2乗に比例して発振周波数は、小さくなる。また、インダクタL0で発生する磁界を弱めあう方向の電流がインダクタL11に流れると、インダクタL0のインダクタンスの値は小さくなり、結果として発振周波数は、大きくなる。インダクタL0及びインダクタL11に流れる電流方向を同一にして電流振幅を制御すると、インダクタL0の増加分又は減少分を制御することが可能である。
【0082】
一般的に容量Cを可変として得られる周波数の制御範囲は、Cmax/Cmin=2程度である。これに対しインダクタンスを変える方式では、例えば、インダクタLとインダクタL11に流す電流が同じ値とし、k=約0.7と仮定すると、Lmin=(1−k)L,Lmax=(1+k)Lとなり、Lmax/Lmin=約6と大きな変動幅を実現することができる。
【0083】
通常、可変容量で発振周波数を変化させる場合は、発振周波数の5〜10%の範囲での変化しか得られないが、図11に示すように可変インダクタを備える発振器では、発振周波数の50%〜100%の範囲にまで発振周波数を変化させることができる。
【0084】
尚、このインダクタL11は、1つに限らず、図11に示すように、インダクタL11のような複数のインダクタL11〜L1nが設けられても良い。図11に示す回路では、n個の発振周波数制御部104−nが設けられ、夫々の発振周波数制御部のインダクタL11〜L1nがVCO回路102のインダクタンスLと結合係数(k1〜kn)で電磁的に結合されている。
【0085】
1つの発振周波数制御部104−1、即ち、コア回路部102のインダクタLに電磁的に結合するのは唯1つのインダクタL11である場合には、このインダクタL11に流れる電流振幅若しくは位相が変えられることによって、インダクタL0のインダクタンスの値を変更することができる。
【0086】
また、複数個のインダクタL11〜L1nを備える回路では、VCO回路102を種々の態様で制御することが可能である。例えば、インダクタL11と同一の結合係数を有し、インダクタL11に流れる電流と同一の電流がインダクタL1nに流されても、この電流がオン/オフされて電流が流されるインダクタL1nの数を変えてインダクタL0と電磁的に結合する活性化されたL1nを変化させても良い。
【0087】
また、夫々結合係数k1〜knが異なるインダクタL11〜L1nが用意され、これらのインダクタL11〜L1nが切り替えて使うことも可能である。さらに個々のインダクタL11〜L1nに流れる電流が変化されてコア回路部102をより細く制御することができる。
【0088】
図12には、VCOコア回路102に相当する差動LC共振型の電圧制御発振回路106から発振信号(電圧信号)が発振周波数制御回路104に入力され、この発振信号が電圧−電流変換されてコア回路部102のインダクタL01,L02に結合するインダクタL1,L2に供給される回路例が示されている。
【0089】
図12に示される回路においては、電源電圧Vddを有する電流源105に、インダクタL01の一端が接続され、他端は、MOSトランジスタT1のドレイン及びダイオードからなる可変キャパシタVC1に接続されている。このMOSトランジスタT1のソースは、接地されている。
【0090】
同様に、電源電圧Vddを有する電流源105に、インダクタL02の一端が接続され、他端はMOSトランジスタT2のドレイン及びダイオードからなる可変キャパシタVC2に接続されている。このMOSトランジスタT2のソースは接地されている。
【0091】
尚、MOSトランジスタT1のドレインとMOSトランジスタT2のゲートが接続され、同様にMOSトランジスタT2のドレインとMOSトランジスタT1のゲートとが接続されている。
【0092】
可変キャパシタVC1,VC2には、容量制御電圧Vctrlが供給され、可変キャパシタVC1,VC2の容量が決まる。この可変キャパシタVC1,VC2とインダクタL1,L2との並列接続(L1−VC1),(L2−VC2)によって共振周波数が定まる。
【0093】
この図12では、可変容量VC1,VC2が用いられているが、固定容量のキャパシタが用いられても良い。固定容量のキャパシタが用いられる場合には可変容量VC1,VC2に依存する周波数制御の変動分がなくなるだけで、その動作は変わらない。
【0094】
この発振器106からは、MOSトランジスタT1のドレインからの出力1(Output_1)及びMOSトランジスタT2のドレインからの出力2(Output_2)が出力される。
【0095】
この出力信号の発振周波数を変えるために、出力1及び出力2(Output_1, Output_2)は、発振周波数制御回路104の電流―電圧変換回路(V-I Converter )108に入力され、インダクタL01と電磁的に結合係数k1で結合するインダクタL1及びインダクタL02と電磁的に結合係数k2で結合するインダクタL2に流れる電流が制御される。
【0096】
ここで、k1=0.7,k2=0.7,インダクタンスの値は、各インダクタ(L01,L02,L1,L2)ともLで等しく、また、各々に同じ大きさの電流が流れていると仮定する。
【0097】
電磁的に結合するインダクタ間の電流の向きが磁界を強め合う向きである場合には、インダクタL01のインダクタンスの値は、L0から1.7L0に上昇する。
【0098】
また、磁界を弱め合う向きに電流が流れると、インダクタL01のインダクタンスの値は、0.3L0に減少する。
【0099】
従って、発振周波数の低い方がfLo=2GHz付近であれば、発振周波数の高い方は、fHi=(0.3/1.7)−1/2・fLoとなり、4GHz以上の発振周波数を得ることができることが分かる。
【0100】
図13は、図12に示す電圧−電流変換回路108をカスコード接続のトランジスタで構成した具体例である。差動LC共振型の電圧制御発振回路16は、図12に示した回路構成と同一であり、図13中で同一の番号を付与しているため説明を省略する。以下に周波数制御部104について説明する。
【0101】
インダクタL1には、トランジスタT12のドレインが接続され、トランジスタT12のソースは、ゲートに出力1(Output_1)が入力されるトランジスタT11のドレインに接続されている。トランジスタT11のソースは、電流源110を介して接地される。また、トランジスタT11のドレインには、インダクタL2にドレインが接続されたトランジスタT13のソースが接続される。尚、トランジスタT12のゲートには、制御信号φ+が入力され、トランジスタT13のゲートには、制御信号φ−が入力される。即ち、電流源を介してソースが接地され、出力1(Output_1)がゲートに供給されるトランジスタT11とカスコード接続されるトランジスタT12には、インダクタL1が接続され、制御信号φ+がトランジスタT12のゲートに供給される。また、トランジスタT11とカスコード接続されるトランジスタT13には、インダクタL2が接続され、制御信号φ−がトランジスタT13のゲートに供給される。
【0102】
同様に、インダクタL2には、トランジスタT15のドレインが接続され、トランジスタT15のソースは、ゲートに出力2(Output_2)が入力されるトランジスタT14のドレインに接続されている。トランジスタT14のソースは、電流源を介して接地される。また、トランジスタT14のドレインには、インダクタL1にドレインが接続されたトランジスタT16のソースが接続される。尚、トランジスタT15のゲートには、制御信号φ+が入力され、トランジスタT16には、制御信号φ−が入力される。即ち、電流源を介してソースが接地され出力2(Output_2)がゲートに供給されるトランジスタT14とカスコード接続されるT15には、インダクタL2が接続され、制御信号φ+がトランジスタT15のゲートに供給される。またトランジスタT14とカスコード接続されるトランジスタT16には、インダクタL1が接続され、制御信号φ−がトランジスタT16のゲートに供給される。
【0103】
この制御信号φ+,φ−を変化させることで、例えば、インダクタL1,L2に流れる電流の向きを反転させることができる。また、制御信号φ+,φ−の電位を適当に設定することでインダクタL1,L2に流れる電流の振幅を変更することもできる。
【0104】
このように制御信号φ+,φ−を制御することでインダクタL1,L2に流れる電流を制御し、結果としてこのインダクタL1,L2に結合するインダクタL01,L02のインダクタンスの値を制御することが可能になる。例えば、インダクタL01(L02)に流れる電流とインダクタL1(L2)に流れる電流が同相のときには、インダクタL01(L02)のインダクタンスの値は、大きくなり、結果として、発振周波数は低くなる。また、インダクタL01(L02)に流れる電流とインダクタL1(L2)に流れる電流が逆相のときには、インダクタL01(L02)のインダクタンス値は、小さくなり、結果として、発振周波数は高くなる。
【0105】
図14には、複数の差動対が配置された実施例に係る発振器が示されている。
【0106】
電源電圧Vddを有する電流源に、インダクタL01の一端が接続され、他端は、MOSトランジスタT1のドレイン及びキャパシタC1に接続されている。このMOSトランジスタT1のソースは、電流源I0を介して接地されている。
【0107】
同様に電源電圧Vddを有する電流源に、インダクタL02の一端が接続され、その他端は、MOSトランジスタT2のドレイン及びダイオードからなるキャパシタC2に接続されている。このトランジスタT2のソースは、電流源I0を介して接地されている。
【0108】
トランジスタT1のドレインとトランジスタT2のゲートが接続され、同様にトランジスタT2のドレインとトランジスタT1のゲートとが接続されている。
【0109】
図14に示す回路では、キャパシタC1,C2のキャパシタンスが固定であるが、図12と同様に可変キャパシタが用いられても良い。
【0110】
図14に示す回路では、発振周波数制御部が複数の差動対から構成されている。一端が電源電圧Vddに接続されたインダクタL1n、例えば、インダクタL11は、VCO回路106のインダクタL01と結合係数k1n、例えば、結合係数k11で電磁的に結合され、他端がMOSトランジスタT1n、例えば、トランジスタT11のドレインに接続されている。トランジスタT1nのドレインとインダクタL1nとの間には、キャパシタC1(n)、例えば、キャパシタC11が分岐されて接続されている。このトランジスタT1nのゲートには、VCO回路の出力1(Output_1)が供給され、トランジスタT1nのソースは、可変電流源In、例えば、可変電流源I1を介して接地されている。
【0111】
同様に、一端が電源電圧Vddに接続されたインダクタL2n、例えば、インダクタL21は、VCO回路のインダクタL02と結合係数k2n、例えば、結合係数k21で電磁的に結合され、他端をMOSトランジスタT2n、例えば、MOSトランジスタT21のドレインに接続されている。尚、トランジスタT2nのドレインとインダクタL1nとの間には、キャパシタC2n、例えば、キャパシタC21が分岐されて接続されている。
【0112】
このトランジスタT2nのゲートには、VCO回路106の出力2(Output_2)が供給され、トランジスタT2nのソースは、可変電流源Inを介して接地されている。
【0113】
キャパシタC1nとキャパシタC2n、例えば、キャパシタC11とキャパシタC21は、インダクタと接続されている他端が接続されている。
【0114】
このような差動対が複数個用意され、個々の可変電流源I0〜Inの電流値を変化若しくはON/OFFせしめることでVCO回路106のインダクタL01,L02のインダクタンスを変化させ、発振周波数を制御することができる。
【0115】
図15には、可変位相器と可変利得増幅器を用いた実施例に係る発振器が示されている。
【0116】
VCO回路106は、図12に示す回路構成と同一であり、同一番号を付与してその説明を省略する。尚、出力端子には、外部から見たインピーダンスの大きいバッファ回路112、114が接続されている。
【0117】
この発振器からの出力信号(Output_1,Output_2)は、発振周波数制御回路104の可変位相回路116、118に入力される。発振回路の信号は、可変移相器120,122により適宜制御されてその移相がシフトされ、続いて可変利得増幅器124、126を介して電流が制御され、インダクタL01と結合係数k1で電磁的に結合しているインダクタL1に位相/電流振幅値が制御された電流が供給される。
【0118】
同様に、インダクタL02と結合係数k2で結合されるインダクタL2に流れる電流も同様に制御される。
【0119】
この移相及び電流値を適宜制御することでVCO回路106のインダクタL01,L02のインダクタンスを可変とすることができ、もって発振周波数を変更制御することができる。
【0120】
上述したの回路例では、差動タイプについて説明したが、単相でも同様に適用することができる。図16を参照してコルピッツ発振回路に可変インダクタを適用した回路例を説明する。
【0121】
電源電圧Vddに一端が接続されたインダクタLは、他端がMOSトランジスタTのドレインに接続され、トランジスタTのソースは抵抗Rを介して接地されている。トランジスタTのゲートは接地されている。インダクタL0とトランジスタTとが接続点から分岐され、キャパシタC1,C2が直列に接続され、接地されている。キャパシタC1とキャパシタC2の接続点には、トランジスタT1のソースが接続されている。
【0122】
インダクタL0とキャパシタC1との接続点からの出力は、周波数制御部128(Frequency Control)に入力され、電源電圧Vddに接続され、インダクタL0と結合係数kで電磁的に結合しているインダクタL1に流れる電流を制御し、発振周波数を変更制御することが可能となる。
【0123】
以上説明した実施態様では、MOSトランジスタを用いたものを説明したが、バイポーラトランジスタなどでも同様の機能を有する回路を実現できることは言うまでも無い。
【0124】
また以上説明したインダクタ可変型の発振器を構成するインダクタ、即ち、LC共振回路側のインダクタL0と、電磁的に結合係数kで結合するインダクタL1は、各種の構成をもって実現することができる。例えば、図17に示すように、インダクタLを構成するスパイラル導体がインダクタL1を構成するスパイラル導体とが左右対称となるような配置で構成することができる。この場合は、図17の中央部にて夫々の導体が交差するが、この交差部分が絶縁膜を介して導体が重なり合うように構成することで交差領域以外は1層の配線で実現することができる。
【0125】
また図18に示すようにインダクタL01と電磁的に結合する複数のインダクタL11・・・L1nを実現する際には、1ターンのL01の内周側に同じく1ターンのL11・・・L1nを配置する構成を採ることができる。
【0126】
導体パターンは、同一平面上に配置する必要性はなく、例えば、図19に示すように多層配線を利用して、L01,L11・・・L1nを積層することも可能である。図19において、各インダクタL01、L11・・・L1nを構成するコイル導体間には絶縁層が存在することになるが、図19においては、絶縁層は、図面を簡略化するために省略されている。
【0127】
このように可変周波数範囲の広い発振器を用いることで、周波数帯域が異なる複数の通信システムに適合する無線端末を小型化することができる。即ち、従来の無線端末においては、各通信システムに対応した発振周波数を供給するために個々の発振周波数に対応した発振器を搭載する必要がある。しかしながら、この発明の実施の形態にかかる発振器では、可変周波数範囲がひろいので、1個の発振器で種々の発振周波数が用いられている通信システムに対応することができる。図20には、異なる通信周波数、例えば、2GHz,2.4GHz,5GHzの通信周波数を利用する種々の通信システムをサポートする無線端末のブロックが示されている。個々の通信システムの信号は、アンテナ130−1,130−2,130−3、低雑音増幅器(Low Noise Amplifier)132−1,132−2,132−3、ミキサ(MIX)134−1,134−2,134−3を経由して中間周波数処理部(IF)136−1,136−2,136−3に供給される。中間周波数処理部(IF)136−1,136−2,136−3からの出力は、ベースバンド処理部に供給される。尚、個々のミキサ(MIX)134−1,134−2,134−3には、通信システムに対応した発振周波数の信号が供給される。この回路例では、発振器138から各々の無線システムに対して好適な周波数を持つローカル信号が供給される。発振周波数を供給する発振器138は、上述したこの発明の実施例に係る発振器が用いられる。インダクタンスを変更させることで得られた所望の周波数の信号がスイッチで切り替えられて各通信システムのミキサMIXに供給される。
【0128】
以上のように、この発明の実施の形態に係る無線端末によれば、複数の発振器を備えることなく、周波数帯域の異なる複数の通信システム,例えば、携帯電話(PDC,W−CDMAなど),Bluetooth(登録商標),無線LAN(2.4GHz,5GHz)等を1台の無線端末でサポートすることができる。この発明の実施例に係る発振器によれば、広い可変周波数範囲を実現でき、その結果、1つの発振器で複数の通信システムに対し発振周波数を供給することができる。
【0129】
<可変インダクタを備えた増幅器及びこの増幅器を有する無線端末>
次に、この発明の実施形態に係る可変インダクタを備えた増幅器を説明する。
【0130】
図21は、本発明の一実施形態に係る増幅器を概略的に示すブロック図である。
【0131】
図21に示される増幅器は、インダクタLaを含む増幅回路140と、このインダクタLと結合係数kで電磁的に結合したインダクタLcを備えた制御部142とを備えている。
【0132】
制御部142は、増幅回路140への入力信号Input_1を受け、インダクタLcに信号電流を供給する。増幅器の出力Output_1は、インダクタLcに供給される信号電流によって変化するインダクタLaのインダクタンスの値に応じて特性が変化される。
【0133】
図21に示す回路では、1つのインダクタLcのみが示されているが、1つに限らず、複数のインダクタLc−1〜Lc−nが設けられても良い。また、複数個のインダクタLc−1〜Lc−nを備える場合には、各種の制御が実現できる。例えば、同一の結合係数を有し、流れる電流が同一のインダクタLc−nを用意し、この電流をオン/オフすることで電流を流すLc−1〜Lc−nの数を変えてインダクタLと電磁的に結合する活性化されたLc−nを変化させることでも対応が可能である。
【0134】
また、結合係数k1〜knが異なるインダクタLc−1〜Lc−nを用意し、切り替えて使うことも可能である。さらに個々のインダクタLc−1〜Lc−nに流れる電流を変化させより細かい制御を行うことも可能である。
【0135】
ON/OFF制御を含めた電流量の制御と同様に位相を変えるによっても、インダクタLaのインダクタンスを見かけ上変更することができる。
【0136】
またもっとも単純な制御は、インダクタLcが1個用意され、これに流れる電流がON/OFFの2値制御されるシステムでも良い。この制御システムにおいても、増幅特性可変の効果を十分に発揮することができる。
【0137】
図22を参照して差動増幅器の具体例を説明する。
【0138】
図22に示すように、ゲートに入力信号Input_1が入力されるMOSトランジスタM1のソースは、ディジェネレーション用のインダクタL1を介して電流源I1に接続されている。この電流源I1の他端は、接地されている。また、MOSトランジスタM1のドレインにインダクタL3が接続され、インダクタL3の他端は、電源電位Vddに接続されている。
【0139】
差動対を構成するMOSトランジスタM2のゲートには、入力信号Input_2が入力され、インダクタL1、MOSトランジスタM1及びインダクタL3の接続と同様に、MOSトランジスタM2のソースには、ディジェネレーション用のインダクタL2が接続され、ドレインには、インダクタL4が接続され、インダクタL2は、電流源I1に接続され、インダクタL4は、電源電位Vddに接続されている。
【0140】
このMOSトランジスタM1、M2のドレインからそれぞれ出力信号Output_1、Output_2が出力される。制御部は、差動増幅器の入力信号Input_1、Input_2をそれぞれゲートに入力するMOSトランジスタM3及びM4を備えている。MOSトランジスタM3のソースには、インダクタL1と結合係数k1で結合されるインダクタL5が接続され、可変電流源I2を介して接地されている。同様に、MOSトランジスタM4のソースは、インダクタL2と結合係数k2で結合されるインダクタL6を介して可変電流源I2に接続されている。MOSトランジスタM3,M4のドレインは、電源電位Vddに接続されている。
【0141】
この差動増幅器からの出力信号の特性、例えば、歪特性等を変えるには、可変電流源I2の電流値を変えることになる。可変電流源I2の電流変化を電流ON/OFFの2値と仮定する。可変電流源I2がONの際には、互いに電磁的に結合したインダクタL1、L5の対及びインダクタL2、L6の対は、互いに磁界を弱め合う向きに構成されていると仮定する。このような回路では、可変電流源I2がONの場合はディジェネレーション用のインダクタのインダクタンスは、小さく見えるため、高利得で低雑音を実現できる。即ち、高利得・低雑音モードとすることができる。また、可変電流源I2がOFFの場合は、インダクタL1,L2で発生する磁界を打ち消す方向の磁界は、発生しないので、可変電流源I2がONの場合に比べ、ディジェネレーション用のインダクタンスは大きく見えることになる。この場合は良好な歪特性を得ることができる。即ち、歪特性重視のモードとすることができる。
【0142】
従って、差動増幅器を構成する際に、ディジェネレーション用のインダクタを比較的大きいインダクタンスを有するもので設計しておけば良いことになる。
【0143】
上述の説明では可変電流源I2の電流値をOn/OFFの2値で制御するとしているが、ステップ状若しくは連続変化させることで所望の増幅器の特性を得ることもできる。
【0144】
図23は、この発明の他の実施形態を概略的に示すブロック図である。
【0145】
図23に示される増幅器は、インダクタLaを含む第1の増幅回路150と、このインダクタLaと結合係数kで電磁的に結合されるインダクタLcを備えた第2の増幅器152とを備えている。
【0146】
第2の増幅器152は、第1の増幅器150と同一の入力信号Input1が入力され、第1の増幅器150の増幅器特性、例えば、歪特性等を制御する制御部の機能を果たすとともに、第2の増幅器152の出力は、第1の増幅器150の出力に加えられて出力信号Output_1として出力される。
【0147】
上述の実施態様と同様に、制御部に相当する第2の増幅器152は、増幅回路150への入力信号Input_1を受け、インダクタLcへ信号電流を供給する。第1の増幅器150の出力Output_1は、インダクタLCへ供給される信号電流によって変化するインダクタLのインダクタンス値に応じて特性が変化することになる。このとき第2の増幅器152の出力も出力Output_1に戻すことにより、入力信号Input_1に対する増幅率を大きくしている。
図24には、図23に示される差動増幅器の具体的な回路例を示されている。
【0148】
ゲートに入力信号Input_1が入力されるMOSトランジスタM1のソースは、ディジェネレーション用のインダクタL1を介して電流源I1に接続されている。電流源I1の他端は、接地されている。また、MOSトランジスタM1のドレインにインダクタL3が接続され、インダクタL3の他端は電源電位Vddに接続されている。
【0149】
差動対を構成するMOSトランジスタM2のゲートには、入力信号Input_2が入力され、インダクタL1、トランジスタM1及びインダクタL3の接続と同様に、MOSトランジスタM2のソースには、ディジェネレーション用のインダクタL2が接続され、ドレインには、インダクタL4が接続され、インダクタL2は、電流源I1に接続され、インダクタL4は、電源電位Vddに接続されている。
【0150】
このMOSトランジスタM1、M2のドレインからそれぞれ出力信号Output_1、Output_2が出力される。制御部に相当する第2の増幅器152は、差動増幅器の入力信号Input_1、Input_2をそれぞれゲートに入力するMOSトランジスタM3及びMOSトランジスタM4を備えている。
【0151】
MOSトランジスタM3のソースには、インダクタL1と結合係数k1で結合されるインダクタL5が接続され、可変電流源I2を介して接地されている。同様に、MOSトランジスタM4のソースは、インダクタL2と結合係数k2で結合されるインダクタL6を介して可変電流源I2に接続されている。
【0152】
MOSトランジスタM3のドレインは、MOSトランジスタM1のドレインに接続され、MOSトランジスタM3を介して流れる可変電流源I2からの電流が出力信号Output_1中に加えられている。同様にMOSトランジスタM4のドレインは、MOSトランジスタM2のドレインに接続され、MOSトランジスタM4を介して流れる可変電流源I2からの電流が出力信号Output_2中に加えられている。
【0153】
このような回路構成を採ることにより、制御部に流れる電流を増幅回路の出力として利用することができ、増幅器全体としての電流利用効率が上がることになる。
【0154】
設計にもよるが、例えば、通常の増幅器に流れる電流を5mA程度とすると、低歪特性を実現するためには場合によっては、10mA程度まで電流を流す必要が生じる。これに対し、図24に示される回路では、高利得・低雑音を実現する際は、I1=I2=2.5mAとなるように設定すると、通常の増幅器において5mA流した場合と同等の特性を得ることが期待できる。一方、低歪特性を実現する際は、電流源I2がオフにされて電流源I1に2.5mA流すだけでも大きなディジェネレーションのインダクタの効果で低歪特性を実現することができる。
【0155】
上述の回路において増幅器の特性を可変とすることができるが、これに伴い増幅器の入力インピーダンスも変化する。一般に増幅器の入力インピーダンスが変化することは望ましくない。そこで増幅器の入力部に入力インピーダンス制御部を設けることが好ましい。
【0156】
図25を参照して、入力インピーダンス制御部として可変抵抗を備えた回路を説明する。
【0157】
図25に示す回路においては、入力端子Input_1と入力端子Input_2との間に可変抵抗Rvが挿入されている。図25に示される回路は、可変抵抗Rvを除く他の回路構成が図24と同一の構成を有している。
【0158】
この可変抵抗Rvは、図26(a)に示すようにFETを用いて構成しても良く、図26(b)に示すように固定抵抗とスイッチとの組み合わせても良い。
【0159】
図25に示される回路においては、図27に示すように増幅段の入力インピーダンスは、下記式(5)で表される。
【0160】
Zin = L gm/C+j(ωL−1/ωC) ...(5)
この式(5)において、バイアス電流が流れている場合は、式(5)の第1項で規定される実部が存在するが、バイアス電流をOFFした場合は、gm=0となるため、入力インピーダンスは実部を持たない。このためバイアス電流をOFFした場合の入力インピーダンスを、バイアス電流を流した場合の入力インピーダンスに近づけるためには、インピーダンスの実部を補償する必要がある。このために前述の可変抵抗Rvが用いられてインピーダンスの実部が補償される。
【0161】
説明を簡略化するため可変抵抗Rvの抵抗値を2値、即ち、オープン/ONとする。図25に示す回路において、インダクタL1とインダクタL5、インダクタL2とインダクタL6が互いに磁束を打ち消し合う向きに配置されていると仮定する。この仮定で、電流源I1と電流源I2が共にONの場合、トータルのディジェネレーションのインダクタンスは、小さくなり高利得・低雑音で動作する。ここでは、可変抵抗Rvはオープンの状態にあるとする。一方、電流源I1のみをONにして電流源I2をOFFにした場合、トータルのディジェネレーションのインダクタンスは、大きくなり、低歪で動作するが、トランジスタM3およびトランジスタM4にはバイアス電流が流れないため、インピーダンスの実部が消えてしまう。このインピーダンスの実部を補償するために可変抵抗Rvの抵抗値をONとして可変抵抗Rvに適当な抵抗値を設定すると、高利得・低雑音モードで動作したときと近い入力インピーダンスとすることができる。
【0162】
可変電流源I2による電流制御をステップ状、連続など2値以上で制御する場合には、可変抵抗Rvの抵抗値もステップ状,連続変化などで制御しても良い。このような場合には、図26(a)に示すようなFETを用いるタイプでゲートにかける電圧φを変化せしめれば良い。
【0163】
図25に示す回路において後段にゲート接地回路でも利得を可変とすることができるようにした回路構成が図28に示されている。
【0164】
図24におけるMOSトランジスタM1とインダクタL3との間にゲート接地されたMOSトランジスタM11a、M11bを介在させ、トランジスタM11aは、ゲート信号φ2でON/OFFされ、トランジスタM11bのゲートは、例えば電源に接続されて常にONとされる。
【0165】
このインダクタL3とMOSトランジスタM11aを迂回してMOSトランジスタM1のドレインが電源電位Vddに接続されるようにMOSトランジスタM12が配置されている。このMOSトランジスタM12は、ゲート信号φ1で駆動される。
【0166】
同様に、MOSトランジスタM2とインダクタL4との間にMOSトランジスタM21aおよびM21bを介在させ、トランジスタM21はゲート信号φ2でON/OFFされ、トランジスタM21bは常にONとする。このインダクタL4とMOSトランジスタM21を迂回してMOSトランジスタM2のドレインが電源電位Vddに接続するようにMOSトランジスタM22が配置されている。このMOSトランジスタM22はゲート信号φ1で駆動される。
【0167】
トランジスタM11a、M12及びトランジスタM21、M22は、同一サイズのMOSトランジスタで構成し、トランジスタM11bおよびトランジスタM21bは、小さいサイズのMOSトランジスタで構成したとする。ゲート信号φ1がOFFされ、ゲート信号φ2がONされると、出力には、トランジスタM11a、トランジスタM11b、トランジスタM21a、トランジスタM21bを介して供給される信号が出力される。一方ゲート信号φ1がONされ、ゲート信号φ2がOFFされると、出力には、トランジスタM11b、トランジスタM21bを介して供給される信号のみが出力され、他の信号は、トランジスタM12、トランジスタM22を介して捨てられてしまうため、利得が低くなる。この利得切り替え動作と、前述したディジェネレーションのインダクタを変化させる利得切り替えを併用することにより、さらに広い利得切り替え幅を実現することができる。
【0168】
図29には、入力インピーダンス調整用にインダクタンス可変回路を応用した回路例が示されている。
【0169】
図25に示した回路に示した可変抵抗Rvに代えてトランジスタM1及びインダクタL1,トランジスタM2及びインダクタL2,トランジスタM3及びインダクタL5,トランジスタM4及びインダクタL6と同様の回路構成を有するインピーダンス調整用回路160が設けられている。即ち、MOSトランジスタM5のドレインは、電源電位Vddに接続され、ソースは、インダクタL7を介して電流源I3に接続され、ゲートには、入力信号Input_1が供給されている。
また、MOSトランジスタM5と差動対をなすMOSトランジスタM6のドレインは、電源電位Vddに接続され、ソースはインダクタL8を介して電流源I3に接続され、ゲートには入力信号Input_2が供給されている。
このインダクタL7,L8のインダクタンスを制御する回路として、差動増幅器162の入力信号Input_1、Input2をそれぞれゲートに入力するMOSトランジスタM7及びM8を備えている。MOSトランジスタM7のソースには、インダクタL7と結合係数k3を有するインダクタL9が接続され、可変電流源I4を介して接地されている。同様にMOSトランジスタM8のソースは、インダクタL8と結合係数k4を有するインダクタL10を介して可変電流源I4に接続されている。尚、MOSトランジスタM7,M8のドレインは、電源電位Vddに接続されている。
【0170】
説明を簡略化するために、インダクタL1〜L10のインダクタンスは同じ値とし、結合係数k1=k3=k2=k4とする。可変電流源I2,I4は。電流ON/OFFの2値で変化し、結合するインダクタは、相互に磁界を弱めあうように接続されているものとする。
【0171】
可変電流源I2をONとした場合は、ディジェネレーション用のインダクタL1及びL2のインダクタンスの値は小さく見え高利得・低雑音モードで動作する。このとき可変電流源I4をOFFにしておくと、インピーダンス調整用回路は、擬似的に低歪モードで動作し、トータルの入力インピーダンスは、高利得・低雑音モードの回路と低歪モードの回路が並列に接続された値になる。
【0172】
一方、可変電流源I2をOFFとした場合は、ディジェネレーション用のインダクタL1及びL2のインダクタンスの値は大きく見え低歪モードで動作する。このとき可変電流源I4をONにしておくと、インピーダンス調整用回路は、疑似的に高利得・低雑音モードで動作し、トータルの入力インピーダンスは。高利得・低雑音モードの回路と低歪モードの回路が並列に接続された値になり、動作モードを切り替えても変化しないこととなる。
【0173】
更に、上述の実施態様では差動対の回路例を説明したが、単相の回路でも同様の効果を得ることができる。図30は、単相の増幅回路に適用した実施態様を示す回路図である。
【0174】
図30に示すようにゲートに入力信号Input_1が入力されるMOSトランジスタM1のソースは、ディジェネレーション用のインダクタLを介して電流源I1に接続されている。電流源I1の他端は、接地されている。また、MOSトランジスタM1のドレインにインダクタL3が接続され、インダクタL3の他端は電源電位Vddに接続されている。このMOSトランジスタM1のドレインから出力信号Output_1が出力される。
制御部は、入力信号Input_1をゲートに入力するMOSトランジスタM2を備えており、MOSトランジスタM2のソースには、インダクタLと結合係数kを有するインダクタLCが接続され、可変電流源I2を介して接地されている。尚、MOSトランジスタM3のドレインはMOSトランジスタM1のドレインに接続され、MOSトランジスタM2を介して流れる可変電流源I2からの電流は出力信号Output_1中に加えられる。
【0175】
可変電流源I2の電源が、例えば、ON/OFF制御されることで、ディジェネレーション用インダクタLのインダクタンスの値を制御することができる。
【0176】
以上説明したディジェネレーション用のインダクタと、結合係数kで電磁的に結合する制御用のインダクタ、例えば、図21に示されるインダクタL1、L2等は各種の構成をもって実現することができる。例えば、図17に示すように、ディジェネレーション用インダクタLを構成するスパイラル導体と制御用インダクタLCを構成するスパイラル導体とが左右対称となるような配置で構成することができる。この場合は、図面中央部にて夫々の導体が交差することになり、この部分が絶縁膜を介して形成することで交差領域以外は1層の配線で実現することができる。インダクタは、図17に示す構成に限らず電磁的に結合できる状態であればいかなる構成でも良く、図18或いは図19に示したような導体パターンで構成されても良い。
【0177】
以上説明した本発明の実施態様の回路ではMOSトランジスタを用いたが、他のトランジスタなどの能動素子を用いても良いことは言うまでもない。
【0178】
この発明の実施例に係る増幅器は、携帯電話などの無線通信端末に利用することができる。図31にその一例が示されている。図31は、無線通信端末のブロック図を示している。
【0179】
アンテナ(ANT)からのRF入力信号は、RF信号処理部(RF)に供給される。即ち、RF信号処理部(RF)において、スイッチ(T/R)を介してRFバンドパスフィルタ1(RF−BPF1)、低雑音増幅器(LNA)及びRFバンドパスフィルタ2(RF−BPF2)に供給され、乗算器(DC)にてローカル信号(RF−VCO)と乗算されて中間周波数信号に周波数変換される。この中間周波数信号は、中間周波数処理部(IF−Stage)及びベースバンド信号処理部(BB−Stage)に供給される。
【0180】
低雑音増幅器(LNA)には、ベースバンド信号処理部(BB−Stage)内の受信電界強度判定部(RSSI)からゲイン制御信号(Gain Control)が供給されている。
【0181】
送信される信号は、上述とは逆に処理される。即ち、ベースバンド信号処理部(BB−Stage)及び中間周波数処理部(IF−Stage)から供給された信号は、RF信号処理部(RF)にて処理される。RF信号処理部では、中間周波数信号が乗算器(UC)にてローカル信号(RF−VCO)と乗算されて周波数変換され、この変換された信号がRFバンドパスフィルタ(BP−BPF)を介してパワーアンプ(PA)に供給され、スイッチ(T/R)を介してアンテナ(ANT)に供給される。
【0182】
このような無線端末の低雑音増幅器(LNA)に上述した増幅器が用いられる。
【0183】
無線端末には、各種の規格・標準が存在するが、入力するRF信号のレベルが小さい場合は、低雑音増幅器(LNA)には、低雑音で信号を増幅する増幅器特性が要求される場合がある。このような場合には、LNAのディジェネレーション用のインダクタンス値を小さくなるように制御する。逆にRF信号が十分大きい場合は、RF信号を歪ませないことが重要になるので、LNAのディジェネレーション用のインダクタンス値を大きくなるように制御することになる。
【0184】
このような低雑音増幅器(LNA)の特性制御は、例えば、ゲイン制御信号(Gain Control)を用いて行うことができる。尚、増幅器の特性制御はRSSI以外の基準をもとに行っても良い。
【0185】
このように無線端末のRF処理部のLNAに本発明の増幅特性可変の増幅器を用いることにより、消費電流を増加せしめることなく、適応的に所望のLNAの増幅特性を実現することができる。
【0186】
図21〜図31を参照して説明した増幅器においては、少なくとも一対のインダクタンスLa、Lc、L1,L5、L2,L6、L7,L9,L8,L10は、
互いに結合係数k1,k2,k3,k4で互いに結合され、相互インダクタンスを有するものとして説明している。しかし、増幅器は、一対のインダクタンスは、互いに結合されず、相互インダクタンスを有しなくとも実現可能である。相互インダクタンスを用いる増幅器は、大きなディジェネレーションが実現でき、より少ない電流で、良好な歪特性が実現できる利点がある。これに対して、相互インダクタンスを有しないインダクタンスを備えた増幅器は、複雑な形状のインダクタを用いる必要がないため、設計が容易になる利点がある。
【0187】
以下、図32〜図39を参照してこの発明の他の実施の形態に係る相互インダクタンスを有しないインダクタを備えた増幅器について詳細に説明する。
【0188】
以下の説明では全てバイポーラトランジスタを用いた例について説明するが、FETなど他の能動素子を用いて構成することも可能である。
【0189】
図32には、この発明の他の実施形態に係る増幅器の基本回路構成を示している。この図32に示されるように複数の増幅段A1〜Anは、入力側Inputに対して並列に接続され、増幅段A1〜Anが選択的に動作されることによって、利得切り替え機能が実現される。ここで、増幅段A1〜Anは、その増幅特性が同一でも良く、或いは、増幅特性が異なってもよく、又は、同一及び異なる増幅特性のものが組み合わされても良い。利得が切り替えられると入力インピーダンスは、変化されるが、この入力インピーダンスZinの変化は、可変抵抗Rxで補償される。即ち、いずれの増幅段A1〜Anが動作している場合も、増幅器全体の入力インピーダンスZinが大きく変化しないように、可変抵抗Rxの値が適切な値に設定される。ここで、例えば、増幅段A1は、ある程度の消費電流で、高利得かつ良好な歪み特性を有する増幅段とし、増幅段A2は、少ない消費電流で低い利得と良好な歪み特性を有する増幅段とすると、高い利得が要求される場合は、増幅段A1を動作させ、低い利得が要求される場合は増幅段A2を動作させることにより、所望の利得および歪み特性を実現するとともに、消費電流を必要最小限に抑えることが出来る。可変抵抗Rxを適切な値に設定することにより、増幅段A1と増幅段A2の動作を切り替えて利得を変化させた際の入力インピーダンスZinの変化を小さく抑えることが可能である。
【0190】
図33は、図32の回路の可変抵抗Rxを実現する第1の実施例に係る回路を示している。入力インピーダンスを調整する可変抵抗Rxは、固定の抵抗R1、〜RmとスイッチSW1〜SWmを用いて実現される。スイッチSW1〜SWmが適切に切り替えられることによって、固定抵抗R1〜Rmが選択されて入力側の抵抗Rxに所望の抵抗値が与えられる。
【0191】
図34は、図32の回路の可変抵抗Rxを実現する第2の実施例に係る回路を示している。入力インピーダンスを調整する可変抵抗Rxは、FET172で構成してあり、FET172の制御ゲートVctrlに適切な制御電圧を印加することによって、所望の抵抗値を実現することができる。
【0192】
図35は、図32の回路の可変抵抗Rxを実現する第3の実施例に係る回路を示している。図35に示す回路においては、2つのエミッタ接地された増幅段A1およびA2が並列に接続され、入力インピーダンスを調整するためにMOSFETが入力段に接続されている。増幅段A1のディジェネレーションのインダクタL1は、高利得が実現出来るように小さいインダクタンスの値を有している。また、増幅段A2のディジェネレーションのインダクタL2は、低利得と良好な歪み特性を実現するように大きいインダクタンスの値を有している。図35に示される回路において、入力部のMOSFET172を除いた部分の入力インピーダンス(アドミタンス)をシミュレーションした結果が図36に示されている。図36は、回路定数や動作点を適切に設定して、増幅段A1がON、且つ、増幅段A2がOFFにされて高利得を実現した第1の場合及び増幅段A1がOFF、且つ、増幅段A2がONされて低利得を実現した第2の場合における反射係数をアドミタンス上に示したものである。図36から明らかなように、適切な抵抗が並列に接続されること、即ち、入力部に接続したMOSFET172がONされることにより、図36に示した第1及び第2の場合のインピーダンスをほぼ同じにすることが可能である。高利得を実現する際の消費電流は、3mA程度で、低利得を実現する際の消費電流は、1.5mA程度となり、低利得時には消費電流も削減されている。低利得時は、消費電流は少なくなっているが、ディジェネレーションのインダクタL2の値が大きいため、良好な歪み特性を実現できる。
【0193】
図37は、図32の回路の可変抵抗Rxを実現する第4の実施例に係る回路を示している。図37に示される回路では、2つの差動増幅段A1、A2が並列に接続され、入力インピーダンスを調整するためにMOSFET172が入力段に接続されている。ここで、高利得を実現する際は、増幅段A1、A2の両方がONされる。2つの増幅器A1、A2が動作される場合には、ディジェネレーションのインダクタも小さく見えるため、高利得を実現することが出来る。また、低利得を実現する場合は、増幅段A1のみがONされ、増幅段A2がOFFされることにより、ディジェネレーションのインダクタは、インダクタL1のみが見えるようになるため、大きなディジェネレーションとなり、良好な歪み特性を実現することができる。
【0194】
図38は、図33の回路の可変抵抗Rxを実現する第5の実施例に係る回路を示している。図38の回路においては、入力Input_1,Input_2の間に固定抵抗R1〜R3及びスイッチSW1〜SWmの直列回路が並列に接続されている。この回路では、スイッチSW1〜SWmを選択的にON-OFFすることによって入力側の抵抗Rxを適切に設定することができる。即ち、スイッチSW1〜SWmが適切に切り替えられることによって、固定抵抗R1〜Rmが選択されて入力側の抵抗Rxに所望の抵抗値が与えられる。
【0195】
図39は、図32に示す増幅回路を無線機の低雑音増幅器に適用した回路例を示している。この図39に示す無線端末の回路においては、アンテナ(ANT)からのRF入力信号は、RF信号処理部(RF)に入力され、このRF信号処理部(RF)の図32を参照して説明した低雑音増幅器(LNA)に供給される。低雑音増幅器(LNA)からの出力信号は、乗算器(DC)にてローカル信号(RF−VCO)と乗算されて中間周波数信号に周波数変換される。この中間周波数信号は、バンドパスフィルタ(BPF)を介して中間周波数処理部(IF−Stage)の中間周波数アンプ(IF−AMP)に供給される。中間周波数アンプ(IF−AMP)からの出力は、直交復調器(QDEM)を介してベースバンド信号処理部(BB−Stage)に供給されて処理される。
【0196】
この無線端末の回路においては、図32に示す増幅回路が低雑音増幅器に適用され、利得切り替えを実現するとともに入力インピーダンスを一定にしている。利得切り替え機能により、無線機のダイナミックレンジは広がり、低雑音増幅器の入力インピーダンスが変化しないため、単一の入力整合回路を用いて容易に50Ωなど所望のインピーダンスに常に整合させることが可能である。また、無線機に用いる回路には、低消費電力であることが求められるが、本発明を適用した低雑音増幅器は、必要最小限の電流で動作させることが可能であるため、無線機の低消費電力化にもつながるものである。
【0197】
尚、この発明は、上記実施形態そのままに限定されるものでなく、実施段階では、その要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。
【0198】
また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0199】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば集積回路上に形成可能な分配器を用いて電磁的な手段によりインダクタを変化させることにより、電気的特性が良好であって、小型化、低コスト化が容易であり、集積回路化に適した可変インダクタを提供することができる。
【0200】
また、この発明によれば、インダクタンス値の変更により発振周波数の制御を行う発振器を得ることができる。
【0201】
更に、本発明によれば、インダクタンス値の変更により増幅特性を制御することができる増幅器を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態に係る可変インダクタを概略的に示す回路図である。
【図2】図1に示される可変インダクタの変形例を概略的に示す回路図である。
【図3】この発明の第2の実施形態に係る可変インダクタを概略的に示す回路図である。
【図4】図3に示す可変インダクタの変形例を概略的に示す回路図である。
【図5】この発明の第3の実施形態に係る可変インダクタを概略的に示す回路図である。
【図6】この発明の第4の実施形態に係る可変インダクタを概略的に示す回路図である。
【図7】この発明の第5の実施形態に係る可変インダクタを概略的に示す回路図である。
【図8】この発明の第6の実施形態に係る可変インダクタを概略的に示す回路図である。
【図9】この発明の第7の実施形態に係る可変インダクタを概略的に示す回路図である。
【図10】この発明の第7の実施形態に係る可変インダクタを概略的に示す回路図である。
【図11】この発明の実施例に係る発振器を概略的に示すブロック図である。
【図12】この発明の他の実施例に係る発振器を概略的に示すブロック図である。
【図13】図12に示す電圧−電流変換回路をカスコード接続のトランジスタで構成した回路を概略的に示すブロック図である。
【図14】複数の差動対が配置されたこの発明の更に他の実施例に係る発信器を概略的に示すブロック図である。
【図15】可変位相器と可変利得増幅器を用いたこの発明のまた更に他の実施例に係る発振器を概略的に示すブロック図である。
【図16】この発明のまた更に他の実施例に係るコルピッツ発振回路を概略的に示すブロック図である。
【図17】図1から図16に示されたインダクタの回路パターンを概略的に示す平面図である。
【図18】図1から図16に示されたインダクタの他の回路パターンを概略的に示す平面図である。
【図19】図1から図16に示されたインダクタの他の回路パターンを概略的に示す平面図である。
【図20】図1から図16に示された発振器を備える無線端末を概略的に示すブロック図である。
【図21】この発明の一実施形態に係る増幅器を概略的に示すブロック図である。
【図22】図21に示された差動増幅器の具体的回路を示す回路図である。
【図23】この発明の他の実施形態に係る差動増幅器を示すブロック図である。
【図24】図23に示される差動増幅器の具体的回路を示す回路図である。
【図25】図23に示される差動増幅器の他の具体的回路を示す回路図である。
【図26】(a)及び(b)は、図23に示される可変抵抗の回路例を示す。
【図27】図24及び図25に示される増幅段の入力インピーダンスを示す等価回路図である。
【図28】図25に示す回路の変形例に係る回路を示す回路図である。
【図29】図23に示される差動増幅器の更に他の具体的回路を示す回路図である。
【図30】図23に示される差動増幅器の変形例に係る回路を示す回路図である。
【図31】図23から図30を参照して説明した増幅器を組み込んだ無線端末を概略的に示すブロック図である。
【図32】この発明の他の実施形態に係る増幅器の基本回路構成を示すブロック図である。
【図33】図32に示される可変抵抗を実現する回路を示すブロック図である。
【図34】図32に示される可変抵抗を実現する他の回路を示すブロック図である。
【図35】図32に示される可変抵抗を実現する更に他の回路を示すブロック図である。
【図36】図35に示される回路において、入力部のMOSFETを除いた部分の入力インピーダンスをシミュレーションした結果を示すグラフである。
【図37】図32に示される可変抵抗を実現する更にまた他の回路を示すブロック図である。
【図38】図33に示される可変抵抗を実現するより他の回路を示すブロック図である。
【図39】図32に示す増幅回路を無線機の低雑音増幅器に適用した無線端末の回路例を示すブロック図である。
【符号の説明】
11…信号入力端子
12…分配器
13a〜13n…信号経路
14a〜14c,76a,76b,77a,77b…インダクタ
15,16…可変インダクタ端子
21a,21b…ソース接地トランジスタ
22…負荷回路
23a,23b…電流源
24a,24b…高周波バイパス用キャパシタ
31a〜31n…第1のトランジスタ(ゲート接地トランジスタ)
32a〜32n…第2のトランジスタ(ゲート接地トランジスタ)
34a〜34n…制御信号入力端子
41a,41b…ソースフォロア回路のトランジスタ
43a,43b…電流源
51…第1のトランジスタ
52…第2のトランジスタ
53、54…電流源
55…第3のトランジスタ(カスコードトランジスタ)
56a,56b…第4のトランジスタ(カスコードトランジスタ)
57a,57b…制御信号入力端子
61…トランジスタ
62…バッファ回路
63…電流源
64…高周波バイパス用キャパシタ
71a,71b…第1の差動対トランジスタ
72a,72b…第2の差動対トランジスタ
73a,73b,74a,74b,75a,75b…カスコードトランジスタ
L0,L11,L1n,L01,L02,L1,L2,L2n…インダクタ
k,k1,kn,k1n,k2n…結合係数
VC1,VC2…可変キャパシタ
C1,C2,C11,C21,C1n,C2n…キャパシタ
L,L1,L2…ディジェネレーション用インダクタ(第1のインダクタ)
L’,L5,L6…第2のインダクタ
102…コア回路部(VCO core)
104,104−1〜104−n…発振周波数制御部
105…電流源
106…電圧制御発振回路
VC1,VC2…可変容量
T1、T2…MOSトランジスタ
T11〜T16…トランジスタ
T11〜T1n…トランジスタ
T21〜T2n…トランジスタ
I0〜In…可変電流源
116、118…可変位相回路
120,122…可変移相器
130−1,130−2,130−3…アンテナ
132−1,132−2,132−3…低雑音増幅器(Low Noise Amplifier)
134−1,134−2,134−3…ミキサ(MIX)
136−1,136−2,136−3…中間周波数処理部(IF)
M1、M2、M11a、M11b、M21a、M21b、M22…MOSトランジスタ[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a variable inductor, and more particularly to a variable inductor that changes inductance by using a plurality of inductors mutually coupled to a circuit including active elements.
[0002]
In addition, the present invention relates to an oscillator and a radio terminal using an inductor, and also relates to an improvement in a circuit design technique of the amplifier and the radio terminal and a method of varying the gain of the amplifier.
[0003]
[Prior art]
Generally, in order to change the characteristics of an electronic circuit, the characteristics of active elements or the values of passive elements included in the circuit are changed. Regarding the active element, the characteristics of the active element can be changed by changing the bias voltage applied to the active element. As for passive elements, a variable resistance element can be easily realized by using a passive element, for example, an on-resistance of a MOSFET, and a variable capacitance element can be easily realized by using a PN junction.
[0004]
Regarding inductors as passive elements, it is generally considered difficult to vary inductance while maintaining good characteristics. Non-Patent Document 1 (ELECTRONICS LETTERS 2nd January, Vol. 28, No. 1, pp. 78-80, 1992) discloses a method of configuring an inductor using an active element and making the inductance variable. However, since an active element is used for the inductor, there is a problem that noise and distortion characteristics are poor.
[0005]
Therefore, various techniques have been proposed in which the inductance is made variable without forming the inductor with an active element. However, both proposals have problems in practical use. For example, Patent Literature 1 (Japanese Patent Laid-Open No. 8-162331) discloses a method of inserting a switch in the middle of an inductor and changing the inductance by turning the switch on and off. In this method, there is a problem that the performance of the variable inductor deteriorates due to the on-resistance of the switch.
[0006]
Japanese Patent Laid-Open No. 2000-223317 discloses a method of physically changing the shape of an inductor by a laser beam. This method has a problem in that since it is necessary to physically adjust the inductor after it is manufactured, the manufacturing cost increases, and it is difficult to change the inductance while the circuit is operating.
[0007]
Patent Literature 3 (Japanese Patent Application Laid-Open No. 7-320942) proposes a technique for forming a variable inductor by using mutual coupling of a plurality of inductors. In this method, the shape of the inductor is physically changed in order to change the mutual coupling coefficient. Therefore, there is a problem in that the circuit constituting the variable inductor is reduced in size and cost.
[0008]
Further, DRPehlke et al., In US Pat. No. 5,994,985, use a directional coupler to separate an input signal into two and use a signal flowing through two mutually coupled inductors. We have proposed a technique to control the amplitude and phase of the to change the inductance. However, since the directional coupler is generally not suitable for integration, there is a problem that it is difficult to realize a variable inductor by an integrated circuit.
[0009]
By realizing a variable inductor, the oscillation frequency (f) of a voltage controlled oscillator (VCO: Voltage Controlled Oscillator) including an LC resonance circuit (inductor: inductance L, capacitor: capacitance C) can also be controlled. The oscillation frequency (f) of the voltage controlled oscillator including the LC resonance circuit is generally expressed by f = 1 / [2π (LC) 1/2]. The frequency (f) is controlled. However, in the conventional LC resonance circuit, since it is difficult to realize a variable inductor as described above, generally, the capacitance C is made variable, for example, by changing the reverse bias application voltage to the PN junction diode. The capacitance C is made variable, and the oscillation frequency is changed by changing the capacitance.
[0010]
When such a voltage controlled oscillator is formed on a semiconductor substrate as an integrated circuit, that is, when it is formed into an IC, parasitic capacitances, for example, a parasitic capacitance of an inductor, a drain parasitic capacitance of a MOS transistor, and a gate parasitic of a MOS transistor. It is unavoidable that such a parasitic capacitance occurs due to the occurrence of capacitance and the like, and there is a problem that the parasitic capacitance reduces the fluctuation width of the variable capacitance C of the LC resonance circuit. For example, assuming that the capacitance C variation is ΔC, the design variation rate is assumed to be ΔC / C, but the parasitic capacitance is added to the denominator as a non-variable part. Therefore, in practice, there is a problem that the variation rate is reduced to ΔC / (C + parasitic capacitance). Although it depends on the circuit design, if the capacitance C and the parasitic capacitance are approximately the same, the rate of change will be reduced to about 1/2.
[0011]
Due to the existence of such parasitic capacitance, the ratio of the variable capacitance C to the capacitance value of the LC resonance circuit must be reduced. Therefore, as compared with the change rate of the variable capacitor C, the change in the capacitance value in the LC resonance circuit is reduced, and as a result, the variable range of the oscillation frequency is narrowed.
[0012]
However, today, the frequency bands used in mobile phones, wireless LAN devices, and the like are expanding, and a plurality of frequency bands may be handled by a single device. I have. From such a viewpoint, realization of a variable inductor is desired.
[0013]
Further, the variable inductor is also applicable to an amplifier having an inductor. For example, in an amplifier including a degeneration inductor, when the inductance is reduced, the gain and noise characteristics of the amplifier are improved, but the distortion characteristics are deteriorated. Conversely, increasing the inductance improves the distortion characteristics, but degrades the gain and noise characteristics. Since there is a trade-off relationship in this way, the value of the inductance is determined so that desired characteristics are obtained when designing the amplifier.
[0014]
In order to realize low distortion characteristics while maintaining high gain and low noise characteristics, it is common to increase the amount of current. In an amplifier used in a receiver of a wireless terminal, characteristics required for the amplifier vary depending on the magnitude of a received signal. In general, when the received signal is small, it is important to amplify the signal with low noise. Therefore, the amplifier is required to have good gain and noise characteristics. On the other hand, when the received signal is large, good distortion characteristics are required.
[0015]
In a conventional amplifier having a degeneration inductor, the inductance is fixed, and the amount of supplied current is controlled in order to change the characteristics of the amplifier. That is, when it is desired to improve the distortion characteristics, the current is controlled so as to increase the amount of supplied current. However, increasing the amount of current to change the characteristics of the amplifier has the problem of increasing power consumption.
[0016]
Further, Non-Patent Document 4 discloses a circuit example of a variable gain amplifier. In this variable gain amplifier, the first-stage grounded emitter circuit constituted by the first transistor Q1 is always operated, and the gain is switched by switching the second to fourth transistors Q2 to Q4 constituting the next-stage grounded base circuit. Has been realized. Since the first transistor Q1 operates, there is no large change in the input impedance even when the gain is switched, but a constant current is always consumed, and the distortion characteristics are almost constant.
[0017]
However, the conventional circuit disclosed in Non-Patent Document 4 has a problem that a large current is consumed even when the gain is low, and the distortion characteristics are almost the same as those when the gain is high. Basically, an amplifier stage with high gain and good distortion characteristics requires a certain amount of current consumption, but if the gain is not so high or the signal is attenuated, a large amount of current is consumed. Thus, it is possible to realize an amplification stage having good distortion characteristics. However, when a plurality of different amplification stages are switched and used, there is a problem that the input impedance changes.
[0018]
[Patent Document 1]
JP-A-8-162331
[0019]
[Patent Document 2]
JP 2000-223317 A
[0020]
[Patent Document 3]
JP-A-7-320942
[0021]
[Patent Document 4]
U.S. Pat. No. 5,994,985
[0022]
[Non-patent document 1]
ELECTRONICS LETTERS 2nd January, Vol 28, No.1, pp 78-80, 1992
[0023]
[Non-patent document 2]
MTMurphy, "Applying the Series Feedback Technique to LNA Design," MICROWAVE JOURNAL, Nov., pp.143-152, 1989
[0024]
[Non-Patent Document 3]
JCRudell, et al., "A 1.9GHz Wide-Band IF Double Conversion CMOS Integrated Receiver for Cordless Telephone Applications," ISSCC97, pp.304-305, 1997
[0025]
[Non-patent document 4]
Dual-Band High-Linearity Variable-Gain Low-Noise Amplifier for Wireless Applications KLFong, “Dual-Band High-Linearity Variable-Gain Low-Noise Amplifier for Wireless Applications,” IEEE ISSCC99, pp224-225, 1999
[0026]
[Problems to be solved by the invention]
As described above, the variable inductor according to the related art has a problem in electrical characteristics, and has a problem that miniaturization, cost reduction, and integration into an integrated circuit are difficult.
[0027]
In wireless terminals such as mobile phones, there is a strong demand for adaptive characteristic changes in amplifier characteristics according to received signal levels, while low power consumption is also strongly demanded. In an amplifier using a fixed inductor for degeneration, the only way to improve the distortion characteristics is to increase the amount of current, resulting in an increase in power consumption.
[0028]
The conventional circuit disclosed in Non-Patent Document 4 has a problem that a large current is consumed even when the gain is low, and the distortion characteristics are almost the same as those when the gain is high. Basically, an amplifier stage with high gain and good distortion characteristics requires a certain amount of current consumption, but if the gain is not so high or the signal is attenuated, a large amount of current is consumed. Thus, it is possible to realize an amplification stage having good distortion characteristics. However, when a plurality of different amplification stages are switched and used, there is a problem that the input impedance changes.
[0029]
SUMMARY OF THE INVENTION The present invention has been made in view of the circumstances described above, and has as its object to provide a variable inductor suitable for an integrated circuit, which has good electric characteristics, is easy to reduce in size and costs, and is easy to reduce. Is to provide.
[0030]
Another object of the present invention is to provide an oscillator that suppresses the influence of the parasitic capacitance on the variable range of the oscillation frequency.
[0031]
Another object of the present invention is to provide an amplifier capable of changing the characteristics of the amplifier without increasing power consumption.
[0032]
Still further, an object of the present invention is to allow a certain amount of current to flow to operate an amplification stage having high gain and good distortion characteristics when the desired gain is high, and to reduce the amplification when the desired gain is low. It is an object of the present invention to provide a variable gain amplifier that can operate an amplification stage having good distortion characteristics with current consumption and reduce a change in input impedance when the amplification stage is switched.
[0033]
[Means for Solving the Problems]
According to the invention,
A signal input terminal to which an input signal is input,
A distributor that includes first and second active elements, and that changes a distribution ratio of first and second currents flowing through the first and second active elements;
An output terminal from which the first and second currents are output;
A first inductor through which the first current flows; and
A second inductor through which the second current flows, the second inductor being interconnected to the first inductor;
There is provided a variable inductor comprising:
[0034]
According to the invention,
A voltage controlled oscillation circuit having a first inductor;
A frequency control circuit having a first inductor and a second inductor that is electromagnetically coupled to each other, and supplies a control current to the second inductor. A frequency control circuit that controls the oscillation frequency of the voltage-controlled oscillation circuit by changing the inductance value of the inductor;
An oscillator comprising:
[0035]
Further, according to the present invention,
An amplifier circuit having a first inductor;
A control unit that includes a second inductor that is electromagnetically coupled to the first inductor and supplies a control current to the second inductor. The control unit changes the control current to change the control current of the first inductor. A control unit that changes an inductance value and changes an amplification characteristic of the amplification circuit;
An amplifier, comprising:
[0036]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
A variable inductor according to an embodiment of the present invention, an oscillator having the variable inductor incorporated in the circuit thereof, a radio terminal having the oscillator, an amplifier having the variable inductor incorporated in the circuit, and the amplifier with reference to the drawings. A wireless terminal provided with is described in detail.
[0037]
In the following description, an example will be described in which an FET is used as a transistor which is an active element used in a distributor of a variable inductor circuit. However, a variable inductor circuit can be realized by using a bipolar transistor instead of an FET. .
[0038]
<Variable inductor>
(1st Embodiment)
First, a variable inductor according to a basic embodiment of the present invention will be described. 1 and 2 show a circuit configuration of a variable inductor according to one embodiment of the present invention. An input signal (Input) input to the
[0039]
Each of the
[0040]
.., 13n are supplied from the
[0041]
The
[0042]
Next, some more specific embodiments of the variable inductor shown in FIGS. 1 and 2 will be described.
[0043]
(Second embodiment)
3 and 4 show a variable inductor according to an embodiment in which the
[0044]
The other ends of the
[0045]
In the variable inductors shown in FIGS. 3 and 4, the black dots near the symbols representing the
[0046]
When the
[0047]
La = Lsa + kab · Lsb (1)
Assuming that the mutual inductance between the
[0048]
La = Lsa + Mab (2)
On the other hand, when the
[0049]
La = Lsa-kab · Lsb (3)
Or
La = Lsa-Mab (4)
Here, the mutual coupling coefficient kab, that is, the mutual inductance Mab is determined by the physical arrangement of the
[0050]
For example, if the
[0051]
In the embodiment shown in FIGS. 3 and 4, the common source circuit using FETs is used for the
[0052]
Further, as a modified example of this embodiment, the
[0053]
(Third embodiment)
FIG. 5 shows a variable inductor according to a third embodiment of the present invention using a transistor circuit having a gate grounded to a
[0054]
The control signals φ33a, φ33b,..., Φ33n are input to the control
[0055]
The distribution ratio of the signal level to the
[0056]
The control signals φ33a, φ33b,..., Φ33n and φ34a, φ34b,..., Φ34n are analog signals, and the current flowing through the
[0057]
In FIG. 4, a plurality of
[0058]
In the variable inductor according to this embodiment, a common gate circuit using FETs is used for the
[0059]
Further, as a modification of the present embodiment, the
[0060]
(Fourth embodiment)
FIG. 6 shows a variable inductor according to a fourth embodiment of the present invention using a source follower circuit for the
[0061]
Here, similarly to the second embodiment, the
[0062]
In this embodiment, an emitter follower circuit using FETs is used for the
[0063]
Further, as a modification of the present embodiment, each gate terminal or base terminal is connected to the
[0064]
(Fifth embodiment)
FIG. 7 shows a variable inductor according to a fifth embodiment of the present invention in which a cascode connection circuit is used for the
[0065]
The drain terminals of the
[0066]
Now, in a state where the control signal φ is input to the control signal input terminal 58 and the
[0067]
When the cascode connection circuit is used for the
[0068]
In this embodiment, a cascode connection circuit using FETs is used for the
[0069]
(Sixth embodiment)
FIG. 8 shows a variable inductor according to a fifth embodiment of the present invention. The
[0070]
The
[0071]
In this embodiment, an FET is used for the
[0072]
(Seventh embodiment)
In the embodiments described so far, a case has been described in which all of the
[0073]
The gate terminals of the
[0074]
Gate terminals of the
[0075]
The
[0076]
FIG. 10 shows an example in which a distributor is formed using a differential circuit using bipolar transistors. Although there are differences in the transistors used, they are similar in principle to the circuit shown in FIG.
[0077]
As described above, according to the variable inductor according to the embodiment of the present invention, the inductor can be electromagnetically changed using the distributor that can be formed on the integrated circuit. In addition, such a variable inductor has good electrical characteristics, is easily reduced in size and cost, and is suitable for integration into an integrated circuit.
[0078]
<Oscillator with Variable Inductor and Wireless Terminal with This Oscillator>
Next, an oscillator incorporating the above-described variable inductor according to the present invention and a wireless terminal including the oscillator will be described.
[0079]
FIG. 11 is a block diagram schematically showing an oscillator according to an embodiment of the present invention.
[0080]
The oscillator shown in FIG. 11 has a core circuit unit (VCO core) 102 including an LC resonance circuit having an inductor L0, and an inductor L11 electromagnetically coupled to the inductor L0 with a coupling coefficient k1, and supplies the inductor L11. An oscillation frequency control unit 104-1 (Frequency Controller) capable of controlling the current to be supplied is provided.
[0081]
A control signal Control_1 is input to the oscillation frequency control unit 104-1, and at least one or both of the amplitude and the phase of the current flowing through the inductor L11 are changed according to the control signal Control_1. As a result, the inductance of the inductor L0 of the
[0082]
Generally, the control range of the frequency obtained by making the capacitance C variable is about Cmax / Cmin = 2. On the other hand, in the method of changing the inductance, for example, assuming that the current flowing through the inductor L and the current flowing through the inductor L11 are the same and k = about 0.7, Lmin = (1-k) L and Lmax = (1 + k) L , Lmax / Lmin = about 6.
[0083]
Normally, when the oscillation frequency is changed by a variable capacitor, only a change in the range of 5 to 10% of the oscillation frequency can be obtained. However, in an oscillator including a variable inductor as shown in FIG. The oscillation frequency can be changed to a range of 100%.
[0084]
The inductor L11 is not limited to one, and a plurality of inductors L11 to L1n such as the inductor L11 may be provided as shown in FIG. In the circuit shown in FIG. 11, n oscillation frequency control units 104-n are provided, and the inductors L11 to L1n of the respective oscillation frequency control units are electromagnetically coupled with the inductance L of the
[0085]
When only one inductor L11 is electromagnetically coupled to one oscillation frequency control unit 104-1, that is, the inductor L of the
[0086]
In a circuit including a plurality of inductors L11 to L1n, the
[0087]
Further, inductors L11 to L1n having different coupling coefficients k1 to kn are prepared, and these inductors L11 to L1n can be switched and used. Further, the current flowing through each of the inductors L11 to L1n is changed, so that the
[0088]
In FIG. 12, an oscillation signal (voltage signal) is input to an oscillation
[0089]
In the circuit shown in FIG. 12, one end of an inductor L01 is connected to a current source 105 having a power supply voltage Vdd, and the other end is connected to a variable capacitor VC1 including a drain of a MOS transistor T1 and a diode. The source of the MOS transistor T1 is grounded.
[0090]
Similarly, one end of an inductor L02 is connected to a current source 105 having a power supply voltage Vdd, and the other end is connected to a drain of a MOS transistor T2 and a variable capacitor VC2 including a diode. The source of the MOS transistor T2 is grounded.
[0091]
Note that the drain of the MOS transistor T1 is connected to the gate of the MOS transistor T2, and similarly, the drain of the MOS transistor T2 is connected to the gate of the MOS transistor T1.
[0092]
The capacitance control voltage Vctrl is supplied to the variable capacitors VC1 and VC2, and the capacitance of the variable capacitors VC1 and VC2 is determined. The resonance frequency is determined by the parallel connection (L1-VC1) and (L2-VC2) of the variable capacitors VC1, VC2 and the inductors L1, L2.
[0093]
Although variable capacitances VC1 and VC2 are used in FIG. 12, fixed capacitance capacitors may be used. When a fixed-capacitance capacitor is used, only the variation of the frequency control depending on the variable capacitors VC1 and VC2 disappears, and the operation does not change.
[0094]
This
[0095]
In order to change the oscillation frequency of the output signal, the
[0096]
Here, k1 = 0.7, k2 = 0.7, and the inductance value is equal to L for each of the inductors (L01, L02, L1, L2), and a current of the same magnitude flows in each inductor. Assume.
[0097]
When the direction of the current between the electromagnetically coupled inductors is a direction that reinforces the magnetic field, the value of the inductance of the inductor L01 increases from L0 to 1.7L0.
[0098]
When a current flows in a direction to weaken the magnetic field, the inductance value of the inductor L01 decreases to 0.3L0.
[0099]
Therefore, if the lower oscillation frequency is near fLo = 2 GHz, the higher oscillation frequency is fHi = (0.3 / 1.7) − / · fLo, and an oscillation frequency of 4 GHz or more is obtained. You can see that you can do it.
[0100]
FIG. 13 is a specific example in which the voltage-
[0101]
The drain of the transistor T12 is connected to the inductor L1, and the source of the transistor T12 is connected to the drain of the transistor T11 whose output receives the output 1 (Output_1). The source of the transistor T11 is grounded via the
[0102]
Similarly, the drain of the transistor T15 is connected to the inductor L2, and the source of the transistor T15 is connected to the drain of the transistor T14 whose gate receives the output 2 (Output_2). The source of the transistor T14 is grounded via a current source. The source of the transistor T16 whose drain is connected to the inductor L1 is connected to the drain of the transistor T14. The control signal φ + is input to the gate of the transistor T15, and the control signal φ− is input to the transistor T16. That is, the inductor L2 is connected to T15, which is cascode-connected to the transistor T14 whose source is grounded and the output 2 (Output_2) is supplied to the gate via the current source, and the control signal φ + is supplied to the gate of the transistor T15. You. An inductor L1 is connected to the transistor T16 that is cascode-connected to the transistor T14, and the control signal φ− is supplied to the gate of the transistor T16.
[0103]
By changing the control signals φ + and φ−, for example, the directions of the currents flowing through the inductors L1 and L2 can be reversed. The amplitude of the current flowing through inductors L1 and L2 can be changed by appropriately setting the potentials of control signals φ + and φ−.
[0104]
By controlling the control signals φ + and φ− in this manner, the current flowing through the inductors L1 and L2 can be controlled, and as a result, the inductance values of the inductors L01 and L02 coupled to the inductors L1 and L2 can be controlled. Become. For example, when the current flowing through the inductor L01 (L02) and the current flowing through the inductor L1 (L2) are in phase, the value of the inductance of the inductor L01 (L02) increases, and as a result, the oscillation frequency decreases. When the current flowing through the inductor L01 (L02) and the current flowing through the inductor L1 (L2) are in opposite phases, the inductance value of the inductor L01 (L02) decreases, and as a result, the oscillation frequency increases.
[0105]
FIG. 14 shows an oscillator according to an embodiment in which a plurality of differential pairs are arranged.
[0106]
One end of the inductor L01 is connected to a current source having the power supply voltage Vdd, and the other end is connected to the drain of the MOS transistor T1 and the capacitor C1. The source of the MOS transistor T1 is grounded via the current source I0.
[0107]
Similarly, one end of the inductor L02 is connected to a current source having the power supply voltage Vdd, and the other end is connected to the drain of the MOS transistor T2 and the capacitor C2 including a diode. The source of the transistor T2 is grounded via the current source I0.
[0108]
The drain of the transistor T1 is connected to the gate of the transistor T2, and similarly, the drain of the transistor T2 is connected to the gate of the transistor T1.
[0109]
In the circuit shown in FIG. 14, the capacitances of the capacitors C1 and C2 are fixed, but variable capacitors may be used as in FIG.
[0110]
In the circuit shown in FIG. 14, the oscillation frequency control unit includes a plurality of differential pairs. An inductor L1n, for example, an inductor L11, having one end connected to the power supply voltage Vdd, is electromagnetically coupled to the inductor L01 of the
[0111]
Similarly, an inductor L2n having one end connected to the power supply voltage Vdd, for example, the inductor L21, is electromagnetically coupled to the inductor L02 of the VCO circuit with a coupling coefficient k2n, for example, a coupling coefficient k21, and the other end has a MOS transistor T2n. For example, it is connected to the drain of the MOS transistor T21. Note that a capacitor C2n, for example, a capacitor C21 is branched and connected between the drain of the transistor T2n and the inductor L1n.
[0112]
The output 2 (Output_2) of the
[0113]
The other ends of the capacitors C1n and C2n, for example, the capacitors C11 and C21, which are connected to the inductors, are connected.
[0114]
A plurality of such differential pairs are prepared, and the current values of the respective variable current sources I0 to In are changed or turned on / off to change the inductances of the inductors L01 and L02 of the
[0115]
FIG. 15 shows an oscillator according to an embodiment using a variable phase shifter and a variable gain amplifier.
[0116]
[0117]
Output signals (Output_1, Output_2) from the oscillator are input to
[0118]
Similarly, the current flowing through the inductor L2 coupled to the inductor L02 by the coupling coefficient k2 is similarly controlled.
[0119]
By appropriately controlling the phase shift and the current value, the inductances of the inductors L01 and L02 of the
[0120]
In the circuit example described above, the differential type has been described, but a single phase can be similarly applied. A circuit example in which a variable inductor is applied to a Colpitts oscillation circuit will be described with reference to FIG.
[0121]
The inductor L having one end connected to the power supply voltage Vdd has the other end connected to the drain of the MOS transistor T, and the source of the transistor T is grounded via the resistor R. The gate of the transistor T is grounded. An inductor L0 and a transistor T are branched from a connection point, and capacitors C1 and C2 are connected in series and grounded. The source of the transistor T1 is connected to the connection point between the capacitors C1 and C2.
[0122]
An output from a connection point between the inductor L0 and the capacitor C1 is input to a frequency control unit 128 (Frequency Control), connected to the power supply voltage Vdd, and coupled to the inductor L1 electromagnetically coupled to the inductor L0 with a coupling coefficient k. By controlling the flowing current, the oscillation frequency can be changed and controlled.
[0123]
In the embodiment described above, the MOS transistor is used. However, it goes without saying that a circuit having the same function can be realized by a bipolar transistor or the like.
[0124]
Further, the inductor constituting the variable inductor type oscillator described above, that is, the inductor L1 electromagnetically coupled with the coupling coefficient k to the inductor L0 on the LC resonance circuit side can be realized by various configurations. For example, as shown in FIG. 17, the spiral conductor forming the inductor L can be configured to be symmetrical with the spiral conductor forming the inductor L1. In this case, the respective conductors intersect at the center of FIG. 17, but the intersections are configured so that the conductors overlap with an insulating film interposed therebetween. it can.
[0125]
In order to realize a plurality of inductors L11... L1n that are electromagnetically coupled to the inductor L01 as shown in FIG. 18, one turn of L11. A configuration can be adopted.
[0126]
It is not necessary to arrange the conductor patterns on the same plane. For example, as shown in FIG. 19, L01, L11,... L1n can be stacked using a multilayer wiring. In FIG. 19, an insulating layer exists between the coil conductors constituting each of the inductors L01, L11... L1n. However, in FIG. 19, the insulating layer is omitted for simplification of the drawing. I have.
[0127]
By using an oscillator having a wide variable frequency range, a wireless terminal suitable for a plurality of communication systems having different frequency bands can be reduced in size. That is, in a conventional wireless terminal, it is necessary to mount an oscillator corresponding to each oscillation frequency in order to supply an oscillation frequency corresponding to each communication system. However, since the oscillator according to the embodiment of the present invention has a wide variable frequency range, it is possible to cope with a communication system in which one oscillator uses various oscillation frequencies. FIG. 20 shows a block diagram of a wireless terminal supporting various communication systems using communication frequencies of different communication frequencies, for example, 2 GHz, 2.4 GHz, and 5 GHz. Signals of the individual communication systems include antennas 130-1, 130-2, and 130-3, low noise amplifiers (Low Noise Amplifiers) 132-1, 132-2, and 132-3, and mixers (MIXs) 134-1 and 134. -2, 134-3, and is supplied to intermediate frequency processing units (IF) 136-1, 136-2, 136-3. Outputs from the intermediate frequency processing units (IFs) 136-1, 136-2, and 136-3 are supplied to a baseband processing unit. Note that signals of oscillation frequencies corresponding to the communication system are supplied to the individual mixers (MIX) 134-1, 134-2, and 134-3. In this example circuit, a local signal having a suitable frequency is supplied from the
[0128]
As described above, according to the radio terminal according to the embodiment of the present invention, a plurality of communication systems having different frequency bands, for example, a mobile phone (PDC, W-CDMA, etc.), Bluetooth, without having a plurality of oscillators. (Registered trademark), wireless LAN (2.4 GHz, 5 GHz) and the like can be supported by one wireless terminal. According to the oscillator according to the embodiment of the present invention, a wide variable frequency range can be realized, and as a result, one oscillator can supply an oscillation frequency to a plurality of communication systems.
[0129]
<Amplifier Having Variable Inductor and Wireless Terminal Having This Amplifier>
Next, an amplifier including the variable inductor according to the embodiment of the present invention will be described.
[0130]
FIG. 21 is a block diagram schematically illustrating an amplifier according to an embodiment of the present invention.
[0131]
The amplifier shown in FIG. 21 includes an
[0132]
The
[0133]
In the circuit shown in FIG. 21, only one inductor Lc is shown, but the number is not limited to one, and a plurality of inductors Lc-1 to Lc-n may be provided. When a plurality of inductors Lc-1 to Lc-n are provided, various controls can be realized. For example, an inductor Lc-n having the same coupling coefficient and the same flowing current is prepared, and the current is turned on / off to change the number of Lc-1 to Lc-n through which the current flows, thereby changing the inductor Lc-n. It is also possible to respond by changing the activated Lc-n that is electromagnetically coupled.
[0134]
In addition, it is also possible to prepare inductors Lc-1 to Lc-n having different coupling coefficients k1 to kn and use them by switching. Further, it is also possible to change the current flowing through each of the inductors Lc-1 to Lc-n to perform finer control.
[0135]
The inductance of the inductor La can be apparently changed by changing the phase in the same manner as the control of the current amount including the ON / OFF control.
[0136]
The simplest control may be a system in which one inductor Lc is prepared and the current flowing through the inductor Lc is binary-controlled between ON and OFF. Also in this control system, the effect of varying the amplification characteristics can be sufficiently exhibited.
[0137]
A specific example of the differential amplifier will be described with reference to FIG.
[0138]
As shown in FIG. 22, the source of the MOS transistor M1 whose gate receives the input signal Input_1 is connected to the current source I1 via the degeneration inductor L1. The other end of the current source I1 is grounded. Further, an inductor L3 is connected to the drain of the MOS transistor M1, and the other end of the inductor L3 is connected to the power supply potential Vdd.
[0139]
The input signal Input_2 is input to the gate of the MOS transistor M2 forming the differential pair, and the source of the MOS transistor M2 is connected to the degeneration inductor L2 in the same manner as the connection of the inductor L1, the MOS transistor M1, and the inductor L3. Is connected to the drain, the inductor L4 is connected, the inductor L2 is connected to the current source I1, and the inductor L4 is connected to the power supply potential Vdd.
[0140]
Output signals Output_1 and Output_2 are output from the drains of the MOS transistors M1 and M2, respectively. The control unit includes MOS transistors M3 and M4 for inputting input signals Input_1 and Input_2 of the differential amplifier to respective gates. An inductor L5 coupled to the inductor L1 by a coupling coefficient k1 is connected to a source of the MOS transistor M3, and is grounded via a variable current source I2. Similarly, the source of the MOS transistor M4 is connected to the variable current source I2 via an inductor L6 coupled to the inductor L2 by a coupling coefficient k2. The drains of the MOS transistors M3 and M4 are connected to the power supply potential Vdd.
[0141]
To change the characteristics of the output signal from the differential amplifier, for example, the distortion characteristics, the current value of the variable current source I2 is changed. It is assumed that the current change of the variable current source I2 is a binary value of current ON / OFF. When the variable current source I2 is ON, it is assumed that the pair of inductors L1 and L5 and the pair of inductors L2 and L6, which are electromagnetically coupled to each other, are configured so as to be oriented so as to mutually weaken the magnetic field. In such a circuit, when the variable current source I2 is ON, the inductance of the degeneration inductor looks small, so that high gain and low noise can be realized. That is, a high gain and low noise mode can be set. Further, when the variable current source I2 is OFF, a magnetic field in a direction to cancel the magnetic field generated in the inductors L1 and L2 is not generated, so that the degeneration inductance looks larger than when the variable current source I2 is ON. Will be. In this case, good distortion characteristics can be obtained. That is, it is possible to set the mode in which the distortion characteristic is emphasized.
[0142]
Therefore, when configuring the differential amplifier, the degeneration inductor may be designed with a relatively large inductance.
[0143]
In the above description, the current value of the variable current source I2 is controlled by two values, On / OFF. However, a desired amplifier characteristic can be obtained by changing the current value stepwise or continuously.
[0144]
FIG. 23 is a block diagram schematically showing another embodiment of the present invention.
[0145]
The amplifier shown in FIG. 23 includes a
[0146]
The
[0147]
Similarly to the above embodiment, the
FIG. 24 shows a specific circuit example of the differential amplifier shown in FIG.
[0148]
The source of the MOS transistor M1 whose gate receives the input signal Input_1 is connected to the current source I1 via the degeneration inductor L1. The other end of the current source I1 is grounded. Further, an inductor L3 is connected to the drain of the MOS transistor M1, and the other end of the inductor L3 is connected to the power supply potential Vdd.
[0149]
The input signal Input_2 is input to the gate of the MOS transistor M2 forming the differential pair, and the degeneration inductor L2 is connected to the source of the MOS transistor M2 in the same manner as the connection of the inductor L1, the transistor M1, and the inductor L3. The drain is connected to an inductor L4, the inductor L2 is connected to a current source I1, and the inductor L4 is connected to a power supply potential Vdd.
[0150]
Output signals Output_1 and Output_2 are output from the drains of the MOS transistors M1 and M2, respectively. The
[0151]
An inductor L5 coupled to the inductor L1 by a coupling coefficient k1 is connected to a source of the MOS transistor M3, and is grounded via a variable current source I2. Similarly, the source of the MOS transistor M4 is connected to the variable current source I2 via an inductor L6 coupled to the inductor L2 by a coupling coefficient k2.
[0152]
The drain of the MOS transistor M3 is connected to the drain of the MOS transistor M1, and the current from the variable current source I2 flowing through the MOS transistor M3 is added to the output signal Output_1. Similarly, the drain of the MOS transistor M4 is connected to the drain of the MOS transistor M2, and the current from the variable current source I2 flowing through the MOS transistor M4 is added to the output signal Output_2.
[0153]
By employing such a circuit configuration, the current flowing through the control unit can be used as the output of the amplifier circuit, and the current utilization efficiency of the amplifier as a whole increases.
[0154]
For example, if the current flowing through a normal amplifier is about 5 mA, depending on the design, it may be necessary to flow a current up to about 10 mA in some cases in order to realize low distortion characteristics. On the other hand, in the circuit shown in FIG. 24, when realizing high gain and low noise, when setting such that I1 = I2 = 2.5 mA, a characteristic equivalent to a case where 5 mA flows in a normal amplifier is obtained. We can expect to get. On the other hand, when realizing low distortion characteristics, low distortion characteristics can be realized by the effect of a large degeneration inductor even when the current source I2 is turned off and 2.5 mA flows to the current source I1.
[0155]
In the above-described circuit, the characteristics of the amplifier can be made variable, but the input impedance of the amplifier also changes accordingly. It is generally undesirable for the input impedance of the amplifier to change. Therefore, it is preferable to provide an input impedance control section at the input section of the amplifier.
[0156]
A circuit including a variable resistor as an input impedance control unit will be described with reference to FIG.
[0157]
In the circuit shown in FIG. 25, a variable resistor Rv is inserted between the input terminal Input_1 and the input terminal Input_2. The circuit shown in FIG. 25 has the same configuration as that of FIG. 24 except for the variable resistor Rv.
[0158]
The variable resistor Rv may be configured using an FET as shown in FIG. 26A, or may be a combination of a fixed resistor and a switch as shown in FIG.
[0159]
In the circuit shown in FIG. 25, as shown in FIG. 27, the input impedance of the amplification stage is represented by the following equation (5).
[0160]
Zin = L gm / C + j (ωL−1 / ωC). . . (5)
In this equation (5), when a bias current is flowing, there is a real part defined by the first term of the equation (5). However, when the bias current is turned off, gm = 0, so gm = 0. The input impedance has no real part. Therefore, in order to make the input impedance when the bias current is turned off close to the input impedance when the bias current flows, it is necessary to compensate the real part of the impedance. For this purpose, the real part of the impedance is compensated by using the aforementioned variable resistor Rv.
[0161]
To simplify the description, the resistance value of the variable resistor Rv is binary, that is, open / ON. In the circuit shown in FIG. 25, it is assumed that the inductor L1 and the inductor L5 and the inductor L2 and the inductor L6 are arranged in directions in which magnetic fluxes cancel each other. Under this assumption, when both the current sources I1 and I2 are ON, the total degeneration inductance becomes small and the device operates with high gain and low noise. Here, it is assumed that the variable resistor Rv is in an open state. On the other hand, when only the current source I1 is turned on and the current source I2 is turned off, the total degeneration inductance increases and operates with low distortion, but no bias current flows through the transistors M3 and M4. , The real part of the impedance disappears. When the resistance value of the variable resistor Rv is set to ON and an appropriate resistance value is set for the variable resistor Rv in order to compensate for the real part of the impedance, the input impedance can be made close to that when operating in the high gain and low noise mode. .
[0162]
When the current control by the variable current source I2 is controlled by two or more values, such as stepwise or continuous, the resistance value of the variable resistor Rv may be controlled by stepwise or continuous change. In such a case, the voltage φ applied to the gate may be changed in a type using an FET as shown in FIG.
[0163]
FIG. 28 shows a circuit configuration in which the gain can be made variable even in the circuit shown in FIG.
[0164]
The MOS transistors M11a and M11b whose gates are grounded are interposed between the MOS transistor M1 and the inductor L3 in FIG. 24. The transistor M11a is turned ON / OFF by a gate signal φ2, and the gate of the transistor M11b is connected to, for example, a power supply. Is always ON.
[0165]
The MOS transistor M12 is arranged so that the drain of the MOS transistor M1 is connected to the power supply potential Vdd, bypassing the inductor L3 and the MOS transistor M11a. This MOS transistor M12 is driven by a gate signal φ1.
[0166]
Similarly, the MOS transistors M21a and M21b are interposed between the MOS transistor M2 and the inductor L4, the transistor M21 is turned on / off by the gate signal φ2, and the transistor M21b is always turned on. The MOS transistor M22 is arranged such that the drain of the MOS transistor M2 is connected to the power supply potential Vdd, bypassing the inductor L4 and the MOS transistor M21. This MOS transistor M22 is driven by a gate signal φ1.
[0167]
It is assumed that the transistors M11a and M12 and the transistors M21 and M22 are constituted by MOS transistors of the same size, and the transistors M11b and M21b are constituted by MOS transistors of a small size. When the gate signal φ1 is turned off and the gate signal φ2 is turned on, a signal supplied via the transistor M11a, the transistor M11b, the transistor M21a, and the transistor M21b is output. On the other hand, when the gate signal φ1 is turned on and the gate signal φ2 is turned off, only the signal supplied through the transistors M11b and M21b is output, and the other signals are output through the transistors M12 and M22. The gain is low because it is thrown away. By using this gain switching operation together with the above-described gain switching for changing the degeneration inductor, a wider gain switching width can be realized.
[0168]
FIG. 29 shows a circuit example in which an inductance variable circuit is applied for input impedance adjustment.
[0169]
25. An
The drain of the MOS transistor M6 forming a differential pair with the MOS transistor M5 is connected to the power supply potential Vdd, the source is connected to the current source I3 via the inductor L8, and the input signal Input_2 is supplied to the gate. .
As circuits for controlling the inductances of the inductors L7 and L8, there are provided MOS transistors M7 and M8 for inputting the input signals Input_1 and Input2 of the
[0170]
To simplify the description, the inductances of the inductors L1 to L10 are set to the same value, and the coupling coefficients are set as k1 = k3 = k2 = k4. The variable current sources I2 and I4. It is assumed that inductors that change and couple in two values of current ON / OFF are connected so as to mutually weaken a magnetic field.
[0171]
When the variable current source I2 is turned on, the inductance values of the degeneration inductors L1 and L2 appear to be small, and operate in a high gain and low noise mode. At this time, if the variable current source I4 is turned off, the impedance adjustment circuit operates in a pseudo low distortion mode, and the total input impedance of the high gain / low noise mode circuit and the low distortion mode circuit is reduced. It becomes the value connected in parallel.
[0172]
On the other hand, when the variable current source I2 is turned off, the inductance values of the degeneration inductors L1 and L2 appear large and operate in the low distortion mode. If the variable current source I4 is turned on at this time, the impedance adjustment circuit operates in a pseudo high-gain, low-noise mode, and the total input impedance is low. The circuit in the high gain / low noise mode and the circuit in the low distortion mode have a value connected in parallel, and do not change even when the operation mode is switched.
[0173]
Further, in the above-described embodiment, a circuit example of a differential pair has been described, but a similar effect can be obtained with a single-phase circuit. FIG. 30 is a circuit diagram showing an embodiment applied to a single-phase amplifier circuit.
[0174]
As shown in FIG. 30, the source of the MOS transistor M1 whose gate receives the input signal Input_1 is connected to the current source I1 via the degeneration inductor L. The other end of the current source I1 is grounded. Further, an inductor L3 is connected to the drain of the MOS transistor M1, and the other end of the inductor L3 is connected to the power supply potential Vdd. An output signal Output_1 is output from the drain of the MOS transistor M1.
The control unit includes a MOS transistor M2 for inputting an input signal Input_1 to a gate. The source of the MOS transistor M2 is connected to an inductor LC having an inductor L and a coupling coefficient k, and is grounded via a variable current source I2. Have been. The drain of the MOS transistor M3 is connected to the drain of the MOS transistor M1, and the current flowing from the variable current source I2 via the MOS transistor M2 is added to the output signal Output_1.
[0175]
The value of the inductance of the degeneration inductor L can be controlled by, for example, ON / OFF control of the power supply of the variable current source I2.
[0176]
The degeneration inductor described above and a control inductor electromagnetically coupled with the coupling coefficient k, for example, the inductors L1 and L2 shown in FIG. 21 can be realized by various configurations. For example, as shown in FIG. 17, the spiral conductor forming the degeneration inductor L and the spiral conductor forming the control inductor LC can be configured to be symmetrical. In this case, the respective conductors intersect at the center of the drawing, and by forming this portion via an insulating film, it is possible to realize a single-layer wiring except for the intersection region. The inductor is not limited to the configuration shown in FIG. 17, but may have any configuration as long as it can be electromagnetically coupled, and may be formed of a conductor pattern as shown in FIG. 18 or FIG.
[0177]
Although the MOS transistor is used in the circuit of the embodiment of the present invention described above, it goes without saying that an active element such as another transistor may be used.
[0178]
The amplifier according to the embodiment of the present invention can be used for a wireless communication terminal such as a mobile phone. FIG. 31 shows an example thereof. FIG. 31 shows a block diagram of the wireless communication terminal.
[0179]
An RF input signal from the antenna (ANT) is supplied to an RF signal processing unit (RF). That is, in the RF signal processing unit (RF), the signal is supplied to the RF bandpass filter 1 (RF-BPF1), the low noise amplifier (LNA), and the RF bandpass filter 2 (RF-BPF2) via the switch (T / R). Then, the signal is multiplied by a local signal (RF-VCO) by a multiplier (DC) and frequency-converted into an intermediate frequency signal. This intermediate frequency signal is supplied to an intermediate frequency processing unit (IF-Stage) and a baseband signal processing unit (BB-Stage).
[0180]
The low noise amplifier (LNA) is supplied with a gain control signal (Gain Control) from a reception field strength determination unit (RSSI) in a baseband signal processing unit (BB-Stage).
[0181]
The transmitted signal is processed in the reverse of the above. That is, the signals supplied from the baseband signal processing unit (BB-Stage) and the intermediate frequency processing unit (IF-Stage) are processed by the RF signal processing unit (RF). In the RF signal processing unit, the intermediate frequency signal is multiplied by a local signal (RF-VCO) in a multiplier (UC) and frequency-converted, and the converted signal is passed through an RF band-pass filter (BP-BPF). The power is supplied to a power amplifier (PA) and supplied to an antenna (ANT) via a switch (T / R).
[0182]
The above-described amplifier is used for a low noise amplifier (LNA) of such a wireless terminal.
[0183]
There are various standards for wireless terminals, but when the level of an input RF signal is low, a low-noise amplifier (LNA) may be required to have amplifier characteristics for amplifying signals with low noise. is there. In such a case, control is performed to reduce the inductance value for degeneration of the LNA. Conversely, if the RF signal is sufficiently large, it is important not to distort the RF signal, so that the LNA degeneration inductance value is controlled to be large.
[0184]
Such characteristic control of the low noise amplifier (LNA) can be performed using, for example, a gain control signal (Gain Control). The amplifier characteristic control may be performed based on criteria other than RSSI.
[0185]
As described above, by using the amplifier having the variable amplification characteristic of the present invention for the LNA of the RF processing unit of the wireless terminal, it is possible to adaptively realize the desired LNA amplification characteristic without increasing current consumption.
[0186]
In the amplifier described with reference to FIGS. 21 to 31, at least a pair of inductances La, Lc, L1, L5, L2, L6, L7, L9, L8, and L10 are:
The description is given assuming that they are mutually coupled by coupling coefficients k1, k2, k3, and k4 and have mutual inductance. However, the amplifier can be realized without the pair of inductances being coupled to each other and having no mutual inductance. An amplifier using mutual inductance has an advantage that a large degeneration can be realized and a good distortion characteristic can be realized with a smaller current. On the other hand, an amplifier having an inductance having no mutual inductance does not need to use an inductor having a complicated shape, and thus has an advantage that the design becomes easy.
[0187]
Hereinafter, an amplifier including an inductor having no mutual inductance according to another embodiment of the present invention will be described in detail with reference to FIGS.
[0188]
In the following description, an example using a bipolar transistor will be described, but it is also possible to use another active element such as an FET.
[0189]
FIG. 32 shows a basic circuit configuration of an amplifier according to another embodiment of the present invention. As shown in FIG. 32, the plurality of amplification stages A1 to An are connected in parallel to the input side Input, and a gain switching function is realized by selectively operating the amplification stages A1 to An. . Here, the amplification stages A1 to An may have the same amplification characteristics, may have different amplification characteristics, or may have the same and different amplification characteristics. When the gain is switched, the input impedance changes, but the change in the input impedance Zin is compensated by the variable resistor Rx. That is, the value of the variable resistor Rx is set to an appropriate value so that the input impedance Zin of the entire amplifier does not greatly change when any of the amplification stages A1 to An is operating. Here, for example, the amplification stage A1 is an amplification stage having high gain and good distortion characteristics with a certain amount of current consumption, and the amplification stage A2 is an amplification stage having low gain and good distortion characteristics with small current consumption. Then, by operating the amplification stage A1 when a high gain is required, and by operating the amplification stage A2 when a low gain is required, desired gain and distortion characteristics can be realized and current consumption is required. Can be minimized. By setting the variable resistance Rx to an appropriate value, it is possible to suppress a change in the input impedance Zin when the gain is changed by switching the operation of the amplification stages A1 and A2.
[0190]
FIG. 33 shows a circuit according to a first embodiment for realizing the variable resistor Rx of the circuit of FIG. The variable resistor Rx for adjusting the input impedance is realized using fixed resistors R1 to Rm and switches SW1 to SWm. By appropriately switching the switches SW1 to SWm, the fixed resistors R1 to Rm are selected, and a desired resistance value is given to the input-side resistor Rx.
[0191]
FIG. 34 shows a circuit according to a second embodiment for realizing the variable resistor Rx of the circuit of FIG. The variable resistor Rx for adjusting the input impedance is constituted by the
[0192]
FIG. 35 shows a circuit according to a third embodiment for realizing the variable resistor Rx of the circuit of FIG. In the circuit shown in FIG. 35, two grounded emitter stages A1 and A2 are connected in parallel, and a MOSFET is connected to the input stage to adjust the input impedance. The degeneration inductor L1 of the amplification stage A1 has a small inductance value so that a high gain can be realized. Further, the degeneration inductor L2 of the amplification stage A2 has a large inductance value so as to realize low gain and good distortion characteristics. FIG. 36 shows the result of simulating the input impedance (admittance) of the circuit shown in FIG. 35 except for the
[0193]
FIG. 37 shows a circuit according to a fourth embodiment for realizing the variable resistor Rx of the circuit of FIG. In the circuit shown in FIG. 37, two differential amplifier stages A1 and A2 are connected in parallel, and a
[0194]
FIG. 38 shows a circuit according to a fifth embodiment for realizing the variable resistor Rx of the circuit of FIG. In the circuit of FIG. 38, a series circuit of fixed resistors R1 to R3 and switches SW1 to SWm is connected in parallel between inputs Input_1 and Input_2. In this circuit, the input side resistor Rx can be appropriately set by selectively turning on and off the switches SW1 to SWm. That is, by appropriately switching the switches SW1 to SWm, the fixed resistors R1 to Rm are selected, and a desired resistance value is given to the resistor Rx on the input side.
[0195]
FIG. 39 shows a circuit example in which the amplifier circuit shown in FIG. 32 is applied to a low-noise amplifier of a wireless device. In the wireless terminal circuit shown in FIG. 39, an RF input signal from an antenna (ANT) is input to an RF signal processing unit (RF), and the RF signal processing unit (RF) will be described with reference to FIG. Supplied to the low noise amplifier (LNA). An output signal from the low noise amplifier (LNA) is multiplied by a local signal (RF-VCO) in a multiplier (DC) and frequency-converted to an intermediate frequency signal. This intermediate frequency signal is supplied to an intermediate frequency amplifier (IF-AMP) of an intermediate frequency processing unit (IF-Stage) via a band pass filter (BPF). The output from the intermediate frequency amplifier (IF-AMP) is supplied to a baseband signal processing unit (BB-Stage) via a quadrature demodulator (QDEM) and processed.
[0196]
In this wireless terminal circuit, the amplifier circuit shown in FIG. 32 is applied to a low-noise amplifier to realize gain switching and to keep input impedance constant. The gain switching function widens the dynamic range of the wireless device and does not change the input impedance of the low-noise amplifier. Therefore, it is possible to always easily match a desired impedance such as 50Ω using a single input matching circuit. Further, a circuit used for a wireless device is required to have low power consumption. However, since a low-noise amplifier to which the present invention is applied can be operated with a minimum necessary current, the low noise This also leads to power consumption.
[0197]
It should be noted that the present invention is not limited to the above-described embodiment as it is, and can be embodied by modifying constituent elements in an implementation stage without departing from the scope of the invention.
[0198]
Various inventions can be formed by appropriately combining a plurality of constituent elements disclosed in the above embodiments. For example, some components may be deleted from all the components shown in the embodiment. Further, components of different embodiments may be appropriately combined.
[0199]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, by using a distributor that can be formed on an integrated circuit to change the inductor by electromagnetic means, the electrical characteristics are good, and miniaturization and cost reduction are achieved. And a variable inductor suitable for integration into an integrated circuit can be provided.
[0200]
Further, according to the present invention, it is possible to obtain an oscillator that controls the oscillation frequency by changing the inductance value.
[0201]
Further, according to the present invention, it is possible to obtain an amplifier whose amplification characteristic can be controlled by changing the inductance value.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a circuit diagram schematically showing a variable inductor according to a first embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a circuit diagram schematically showing a modification of the variable inductor shown in FIG.
FIG. 3 is a circuit diagram schematically showing a variable inductor according to a second embodiment of the present invention.
FIG. 4 is a circuit diagram schematically showing a modification of the variable inductor shown in FIG. 3;
FIG. 5 is a circuit diagram schematically showing a variable inductor according to a third embodiment of the present invention.
FIG. 6 is a circuit diagram schematically showing a variable inductor according to a fourth embodiment of the present invention.
FIG. 7 is a circuit diagram schematically showing a variable inductor according to a fifth embodiment of the present invention.
FIG. 8 is a circuit diagram schematically showing a variable inductor according to a sixth embodiment of the present invention.
FIG. 9 is a circuit diagram schematically showing a variable inductor according to a seventh embodiment of the present invention.
FIG. 10 is a circuit diagram schematically showing a variable inductor according to a seventh embodiment of the present invention.
FIG. 11 is a block diagram schematically showing an oscillator according to an embodiment of the present invention.
FIG. 12 is a block diagram schematically showing an oscillator according to another embodiment of the present invention.
13 is a block diagram schematically showing a circuit in which the voltage-current conversion circuit shown in FIG. 12 is configured by cascode-connected transistors.
FIG. 14 is a block diagram schematically showing a transmitter according to still another embodiment of the present invention in which a plurality of differential pairs are arranged.
FIG. 15 is a block diagram schematically showing an oscillator using a variable phase shifter and a variable gain amplifier according to still another embodiment of the present invention.
FIG. 16 is a block diagram schematically showing a Colpitts oscillation circuit according to still another embodiment of the present invention.
FIG. 17 is a plan view schematically showing a circuit pattern of the inductor shown in FIGS. 1 to 16;
FIG. 18 is a plan view schematically showing another circuit pattern of the inductor shown in FIGS. 1 to 16;
FIG. 19 is a plan view schematically showing another circuit pattern of the inductor shown in FIGS. 1 to 16;
FIG. 20 is a block diagram schematically illustrating a wireless terminal including the oscillator illustrated in FIGS. 1 to 16;
FIG. 21 is a block diagram schematically showing an amplifier according to an embodiment of the present invention.
FIG. 22 is a circuit diagram showing a specific circuit of the differential amplifier shown in FIG.
FIG. 23 is a block diagram showing a differential amplifier according to another embodiment of the present invention.
FIG. 24 is a circuit diagram showing a specific circuit of the differential amplifier shown in FIG.
25 is a circuit diagram showing another specific circuit of the differential amplifier shown in FIG.
26 (a) and (b) show circuit examples of the variable resistor shown in FIG. 23.
FIG. 27 is an equivalent circuit diagram showing the input impedance of the amplification stage shown in FIGS. 24 and 25.
FIG. 28 is a circuit diagram showing a circuit according to a modification of the circuit shown in FIG. 25.
FIG. 29 is a circuit diagram showing still another specific circuit of the differential amplifier shown in FIG.
FIG. 30 is a circuit diagram showing a circuit according to a modified example of the differential amplifier shown in FIG.
FIG. 31 is a block diagram schematically showing a wireless terminal incorporating the amplifier described with reference to FIGS. 23 to 30;
FIG. 32 is a block diagram showing a basic circuit configuration of an amplifier according to another embodiment of the present invention.
FIG. 33 is a block diagram showing a circuit for realizing the variable resistor shown in FIG. 32;
FIG. 34 is a block diagram showing another circuit for realizing the variable resistor shown in FIG. 32;
FIG. 35 is a block diagram showing still another circuit for realizing the variable resistor shown in FIG. 32;
36 is a graph showing the result of simulating the input impedance of the circuit shown in FIG. 35 excluding the MOSFET of the input section.
FIG. 37 is a block diagram showing still another circuit for realizing the variable resistor shown in FIG. 32;
FIG. 38 is a block diagram showing another circuit for realizing the variable resistor shown in FIG. 33;
39 is a block diagram illustrating a circuit example of a wireless terminal in which the amplifier circuit illustrated in FIG. 32 is applied to a low-noise amplifier of a wireless device.
[Explanation of symbols]
11 ... Signal input terminal
12 ... Distributor
13a to 13n: signal path
14a to 14c, 76a, 76b, 77a, 77b ... inductor
15, 16 ... variable inductor terminals
21a, 21b: Common source transistor
22 ... Load circuit
23a, 23b ... current sources
24a, 24b: High frequency bypass capacitor
31a to 31n: First transistor (common-gate transistor)
32a to 32n: second transistor (gate-grounded transistor)
34a to 34n: control signal input terminals
41a, 41b... Transistors of source follower circuit
43a, 43b ... current sources
51: first transistor
52 ... second transistor
53, 54 ... current sources
55... Third transistor (cascode transistor)
56a, 56b... Fourth transistor (cascode transistor)
57a, 57b ... control signal input terminals
61 ... transistor
62 ... Buffer circuit
63… Current source
64: High frequency bypass capacitor
71a, 71b... First differential pair transistors
72a, 72b... Second differential pair transistors
73a, 73b, 74a, 74b, 75a, 75b... Cascode transistors
L0, L11, L1n, L01, L02, L1, L2, L2n ... inductor
k, k1, kn, k1n, k2n ... coupling coefficient
VC1, VC2 ... variable capacitor
C1, C2, C11, C21, C1n, C2n ... capacitors
L, L1, L2 ... degeneration inductor (first inductor)
L ', L5, L6 ... second inductor
102: Core circuit (VCO core)
104, 104-1 to 104 -n: oscillation frequency control unit
105 ... current source
106 ... voltage controlled oscillator circuit
VC1, VC2 ... variable capacity
T1, T2 ... MOS transistors
T11 to T16: Transistor
T11 to T1n: transistors
T21 to T2n: transistors
I0-In ... Variable current source
116, 118: Variable phase circuit
120, 122: Variable phase shifter
130-1, 130-2, 130-3 ... antenna
132-1, 132-2, 132-3 ... Low Noise Amplifier
134-1, 134-2, 134-3 ... mixer (MIX)
136-1, 136-2, 136-3 ... Intermediate frequency processing unit (IF)
M1, M2, M11a, M11b, M21a, M21b, M22... MOS transistors
Claims (25)
第1及び第2の能動素子を含み、この第1及び第2の能動素子を流れる第1及び第2の電流の分配比を可変する分配器と、
前記第1及び第2の電流が出力される出力端子と、
前記第1の電流が流れる第1のインダクタと、及び
前記第2の電流が流れる第2のインダクタであって、前記第1のインダクタに相互結合される第2のインダクタと、
を具備する可変インダクタ。A signal input terminal to which an input signal is input,
A distributor that includes first and second active elements, and that changes a distribution ratio of first and second currents flowing through the first and second active elements;
An output terminal from which the first and second currents are output;
A first inductor through which the first current flows, and a second inductor through which the second current flows, the second inductor being mutually coupled to the first inductor;
A variable inductor comprising:
該増幅器の入力端子または出力端子に入力端子が接続され、出力端子が前記第2のインダクタに接続された利得可変のバッファ回路とを有する請求項1に記載の可変インダクタ。An amplifier having an input terminal connected to the signal input terminal and an output terminal connected to the first inductor;
2. The variable inductor according to claim 1, further comprising a variable gain buffer circuit having an input terminal connected to an input terminal or an output terminal of the amplifier, and an output terminal connected to the second inductor.
この第1のインダクタと電磁的に相互に結合する第2のインダクタとを有し、この第2のインダクタに制御電流を供給する周波数制御回路であって、前記制御電流を変化させて第1のインダクタのインダクタンス値を変化させて前記電圧制御発振回路の発振周波数を制御する周波数制御回路と、
を具備する発振器。A voltage controlled oscillation circuit having a first inductor;
A frequency control circuit having a first inductor and a second inductor that is electromagnetically coupled to each other, and supplies a control current to the second inductor. A frequency control circuit that controls the oscillation frequency of the voltage-controlled oscillation circuit by changing the inductance value of the inductor;
An oscillator comprising:
この第1のインダクタと電磁的に相互に結合する第2のインダクタを有し、この第2のインダクタに制御電流を供給する制御部であって、この制御電流を変化させて第1のインダクタのインダクタンス値を変化させ、前記増幅回路の増幅特性を変化させる制御部と、
を具備したことを特徴とする増幅器。An amplifier circuit having a first inductor;
A control unit that includes a second inductor that is electromagnetically coupled to the first inductor and supplies a control current to the second inductor. The control unit changes the control current to change the control current of the first inductor. A control unit that changes an inductance value and changes an amplification characteristic of the amplification circuit;
An amplifier comprising:
入力部に接続した可変抵抗を含み、利得を切り替えた際に生じる入力インピーダンスの変化をこの可変抵抗の抵抗値を調整して補償する入力インピーダンス調整回路と、
を具備することを特徴とする増幅器。A variable gain amplification stage in which a plurality of amplification stages are connected in parallel;
An input impedance adjustment circuit that includes a variable resistor connected to the input unit and adjusts a change in input impedance that occurs when the gain is switched by adjusting the resistance value of the variable resistor;
An amplifier comprising:
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