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JP2004164817A - 光ピックアップ装置に用いる対物光学素子、光ピックアップ装置 - Google Patents

光ピックアップ装置に用いる対物光学素子、光ピックアップ装置 Download PDF

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Abstract

【課題】3つのフォーマットに対して互換を達成可能であると共に、要求される性能・スペックを満たしかつコンパクトな対物光学素子、あるいは光ピックアップ装置を提供する。
【解決手段】保護基板厚t1の第1光情報記録媒体に対して、波長λ1の第1光源LD1から出射される光束を用い、保護基板厚t2(t1≦t2)の第2光情報記録媒体に対して、波長λ2(λ1<λ2)の光束を用い、保護基板厚t3(t2<t3)の第3光情報記録媒体に対して、波長λ3(λ2<λ3)の光束を用いる。対物光学素子OBLに対して無限平行光の光束を入射させるとともに、共通光路に配置される回折光学素子DPを備え、前記第1光情報記録媒体に対してm(mは自然数)次の回折光による集光スポットが形成され、前記第2光情報記録媒体に対してn(nはn≠mである自然数)次の回折光による集光スポットが形成されるように構成される光ピックアップ装置。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ピックアップ装置、及び光ピックアップ装置に用いる対物光学素子に関するものであり、より詳しくは、複数の光情報記録媒体(光ディスク)の規格に対応できる光ピックアップ装置、及び光ピックアップ装置に用いる対物光学素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から現在にかけて、CD(コンパクト・ディスク)、DVD(ディジタル・ビデオ・ディスク、あるいはディジタル・バーサタイル・ディスク)などの光情報記録媒体(光ディスク、あるいはメディアともいう)に対して情報の再生・記録を行うための光ピックアップ装置(光ヘッド、光ヘッド装置などともいわれる)が開発・製造され、一般に普及している。
【0003】
また最近では、より高密度の情報記録を可能とした光情報記録媒体の規格についても研究開発が行われている。
そしてこのような光ピックアップ装置は、光源(主にレーザーダイオードが用いられる)から出射された光束を、ビーム整形プリズム、コリメータ、ビームスプリッタ、対物光学素子等の光学素子からなる光学系を介して光ディスクの情報記録面に集光させてスポットを形成し、記録面上の情報記録孔(ピットともいう)からの反射光を、再度光学系を介して今度はセンサー上に集光させ、電気信号に変換することにより情報を再生する。この際、情報記録孔の形状によって反射光の光束も変化するため、これを利用して、「0」「1」の情報を区別する。なお、光ディスクの情報記録面の上には保護基板(プラスティック製の保護層。カバーガラスともいう)が設けられている。
【0004】
またCD−R、CD−RW等の記録型メディアに情報の記録を行う場合、記録面上にレーザー光束によるスポットを形成し、記録面上の記録材に熱化学変化を生ぜしめる。これによってたとえばCD−Rの場合は熱拡散性色素が不可逆変化することにより、情報記録孔と同様の形状が形成される。CD−RWの場合は相変化型材料を用いているため、熱化学変化によって結晶状態と非晶質状態との間で可逆変化するので、情報の書き換えが可能である。
【0005】
そしてCD規格の光ディスクから情報を再生するための光ピックアップ装置は、対物レンズのNAが0.45前後であり、用いられる光源の波長は785nm前後である。また記録用としては、0.50程度のものが用いられることが多い。なお、CD規格の光ディスクの保護基板厚さは1.2mmである。
【0006】
さて光情報記録媒体としてCDが広く普及しているが、ここ数年、DVDが普及している。これはCDに比べて保護基板厚を薄くし、さらに情報記録孔を小さくすることにより、情報記録量を多くしたもので、CDが約600〜700MB(メガバイト)程度であるのに対し、約4.7GB(ギガバイト)という大容量の記録容量を有し、映画等の動画像を記録した頒布媒体として用いられることが多い。
【0007】
またDVD規格の光ディスクから情報を再生するための光ピックアップ装置は、原理的にはCD用のそれと同じであるが、前述のように情報記録孔が小さくなっていること等から、対物レンズのNAが0.60前後であり、用いられる光源の波長は655nm前後のものが用いられている。また記録用としては、0.65程度のものが用いられることが多い。なお、DVD規格の光ディスクの保護基板厚さは0.6mmである。
【0008】
またDVD規格の光ディスクについても記録型のものが既に実用化されており、DVD−RAM、DVD−RW/R、DVD+RW/Rなどの各規格がある。これらに関する技術的原理もまた、CD規格の場合と同じである。
【0009】
そして上述の通り、さらに高密度・高容量の光ディスクが提案されつつある。
これは主に光源として波長が405nm前後の、いわゆる青紫光のレーザー光源を用いるものである。
【0010】
このような「高密度な光ディスク」については、使用される波長が決まったとしても、保護基板厚、記憶容量、NA等は一律には決まらない。
記録密度を大幅に向上させる方向を選択すると、光ディスクの保護基板厚を薄くし、それにともなってNAを大きくすることになる。逆に保護基板厚・NAについて、DVDなどの従来の光ディスクの規格と同じにすることもできる。この際は物理的な記録密度は大幅には増大しないが、光学系として要求される性能が比較的緩やかになる。
【0011】
具体的には、保護基板の厚さについて、0.1mmと、さらに薄くしたものや、DVDと同じ0.6mmにしたものなどが提案されている。
このような「高密度な光ディスク」の複数の規格は、原理的にはCD、DVDと同じであるが、保護基板厚の厚さが異なると、情報記録孔の大きさも異なることになり、たとえ同じ波長の光源を用いたとしても単純に同じ光ピックアップ装置を用いて情報の再生・記録を行うことはできない。
【0012】
そこで、対物光学素子も含めた単一の光ピックアップ装置によって「高密度な光ディスク」と、在来の複数規格に対して情報の再生・記録が可能な「互換」を達成しようとすると、いくつかの問題点を解決しなければならない。
(1)それぞれの光ディスクに対して、好適なNAが異なるため、各々のNAをメディアに応じて選択的に用いるための「絞り」機能が必要になる。
(2)保護基板厚が異なる光ディスク間では、その差によって球面収差が発生するため、これを解消する必要がある。特にDVDでは0.6mm、CDでは1.2mmであるため、非常に顕著な球面収差が発生する。また「高密度な光ディスク」の保護基板厚を0.1mmにした場合、さらに球面収差を補正する必要がある。
【0013】
これらの課題については、波長選択性のあるダイクロイックフィルターを用いる方法や、対物光学素子に回折構造あるいは光路差付与構造を設けることによって波長選択性を与える方法が提案され、実現されている。また対物光学素子を特殊な輪帯構造に分割する方法も提案されている。
【0014】
また次のような課題もある。
(3)保護基板厚・NAが同じ(ほぼ同じ場合を含む)で、使用波長が異なる光ディスクの規格の間で「互換」を達成しようとする場合(例えば655nmと405nmとを使用する場合)、保護基板厚の差による球面収差は生じないが、波長差による球面収差(=色収差分の球面収差)の発生は避けられず、これを解消する必要がある。
(4)対物光学素子に入射させる光束について、波長が異なっていても、すべてコリメートされた無限平行光である場合、倍率の差に基づく球面収差は発生しないが、有限光(発散光・収束光)である場合、倍率差が生じ、これに基づく球面収差が発生してしまう。
(5)CD、DVD、「高密度な光ディスク」の3つのフォーマットに対して、単一の光ピックアップ装置によって「互換」を達成しようとすると、2つのフォーマット間の「互換」を行う場合よりも複雑な球面収差補正を行わなければならない。つまりCDとDVDとの間の補正を行うだけでよかったのが、「CDとDVDとの間」「CDと『高密度な光ディスク』との間」「DVDと『高密度な光ディスク』との間」の補正を行う必要が生じる。
【0015】
特許文献1には、本願発明でいうところの、「高密度な光ディスク」とDVDとの互換光ピックアップ装置であって、回折構造を有する光学素子を光路中に有し、「高密度な光ディスク」に対して2次回折・DVDに対して1次回折、あるいは「高密度な光ディスク」に対して3次回折・DVDに対して2次回折という異なった次数の回折光による集光スポットを形成するようにしている。
【0016】
しかし本願発明のような、3種類のフォーマットに対応する技術については開示・示唆がない。
【0017】
【特許文献1】
特開2001−93179号公報
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
上述の通り、従来、異なる光ディスク間の「互換」については、波長選択性のあるダイクロイックフィルタを用いる方法や、対物光学素子に回折構造を設けることによって波長選択性を与える方法が提案され、実現されてきた。
【0019】
しかし様々な光学的機能を、対物光学素子に持たせることは、部品点数を減らし、低コスト化、小型化するために好適であるが、光学的性能を達成できなくなるおそれもある。
【0020】
そして今回解決しようとしているような、3つのフォーマットに対して互換を行う場合は、補正する対象が多くなるため、上記のような方法を単純に採用するだけでは解決できない。
【0021】
さらに対物光学素子に入射する光束の倍率によっても、球面収差が発生することがあり、それを解消する必要もある。
また光ピックアップ装置自体も小型化、軽量化、特に薄型化が要望されているため、要素部品、特に光学素子について、非常に厳しい性能が要求されている。
【0022】
特に薄型化することにより、作動距離(対物光学素子と光ディスクとの距離のこと。ワーキングディスタンスともいう)が短くなる。倍率をあげて、ワーキングディスタンスを大きくしても、像高特性を悪化させるので好ましくない。またワーキングディスタンスの差が大きくなると、アクチュエーターへの負担が大きくなり、消費電力も増大してしまう。
【0023】
そこで本願発明は、3つのフォーマットに対して互換を達成可能であると共に、要求される性能・スペックを満たしかつコンパクトな対物光学素子、あるいは光ピックアップ装置を提供することを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】
(1)保護基板厚t1の第1光情報記録媒体に対して、波長λ1の第1光源から出射される光束を用いて情報の再生及び/又は記録を行ない、保護基板厚t2(t1≦t2)の第2光情報記録媒体に対して、波長λ2(λ1<λ2)の第2光源から出射される光束を用いて情報の再生及び/又は記録を行ない、保護基板厚t3(t2<t3)の第3光情報記録媒体に対して、波長λ3(λ2<λ3)の第3光源から出射される光束を用いて情報の再生及び/又は記録を行なう光ピックアップ装置であって、前記第1光情報記録媒体、前記第2光情報記録媒体及び前記第3光情報記録媒体に対して情報の再生及び/又は記録を行う場合、前記光ピックアップ装置に含まれる対物光学素子に対して無限平行光の光束を入射させるとともに、前記光ピックアップ装置は、前記第1光源、前記第2光源及び前記第3光源の共通光路に配置され、回折構造を有する回折光学素子を備え、前記第1光情報記録媒体に対して前記回折光学素子によって生じるm(mは自然数)次の回折光による集光スポットが形成され、前記第2光情報記録媒体に対して前記回折光学素子によって生じるn(nはn≠mである自然数)次の回折光による集光スポットが形成されるように構成されることを特徴とする光ピックアップ装置。
(2)前記回折光学素子は、前記対物光学素子であることを特徴とする(1)に記載の光ピックアップ装置。
(3)前記回折光学素子は、コリメータであることを特徴とする(1)に記載の光ピックアップ装置。
(4)前記回折光学素子は、前記対物光学素子及びコリメータとは別に設けられた光学素子であることを特徴とする(1)に記載の光ピックアップ装置。
(5)保護基板厚t1の第1光情報記録媒体に対して、波長λ1の第1光源から出射される光束を用いて情報の再生及び/又は記録を行ない、保護基板厚t2(t1≦t2)の第2光情報記録媒体に対して、波長λ2(λ1<λ2)の第2光源から出射される光束を用いて情報の再生及び/又は記録を行ない、保護基板厚t3(t2<t3)の第3光情報記録媒体に対して、波長λ3(λ2<λ3)の第3光源から出射される光束を用いて情報の再生及び/又は記録を行う光ピックアップ装置であって、前記光ピックアップ装置は、前記第1光源、前記第2光源及び前記第3光源の共通光路に配置される第1互換光学素子と、前記第1光源、前記第2光源及び前記第3光源のうちのある1つの光源のみの光路か、又はある2つの光源の共通光路に配置される第2互換光学素子とを備え、前記第1互換光学素子は、前記第1光情報記録媒体、前記第2光情報記録媒体及び前記第3光情報記録媒体のうちの、少なくとも1つの光情報記録媒体に対して、情報の再生及び/又は記録に必要な集光スポットを形成する第1互換機能を有し、前記第2互換光学素子は、前記第1互換光学素子と組み合わされる事により、前記第1光情報記録媒体、前記第2光情報記録媒体及び前記第3光情報記録媒体のうちの、他の光情報記録媒体に対して、情報の再生及び/又は記録に必要な集光スポットを形成する第2互換機能を有し、かつ、前記光ピックアップ装置は、前記第1光源、前記第2光源及び前記第3光源の共通光路に配置され、回折構造を有する回折光学素子を備え、前記第1光情報記録媒体に対して前記回折光学素子によって生じるm(mは自然数)次の回折光による集光スポットが形成され、前記第2光情報記録媒体に対して前記回折光学素子によって生じるn(nはn≠mである自然数)次の回折光による集光スポットが形成されるように構成されることを特徴とする光ピックアップ装置。
(6)前記第1互換光学素子は対物光学素子であることを特徴とする(5)に記載の光ピックアップ装置。
(7)前記第2互換光学素子はダイクロイックフィルタであることを特徴とする(5)に記載の光ピックアップ装置。
(8)前記第2互換光学素子は液晶素子であることを特徴とする(5)乃至(6)のいずれか1つに記載の光ピックアップ装置。
(9)前記第2互換光学素子は回折光学素子であることを特徴とする(5)乃至(6)のいずれか1つに記載の光ピックアップ装置。
(10)光情報記録媒体に対して情報の再生及び/又は記録を行う場合、前記第1光情報記録媒体、前記第2光情報記録媒体及び前記第3光情報記録媒体のすべてに対して、等しい倍率の光束を対物光学素子に入射させるとともに、前記第1互換機能及び前記第2互換機能は、波長差に基づく球面収差及び光情報記録体間の保護基板厚差に基づく球面収差を補正することを特徴とする(5)乃至(9)のいずれか1つに記載の光ピックアップ装置。
(11)光情報記録媒体に対して情報の再生及び/又は記録を行う場合、前記第1光情報記録媒体、前記第2光情報記録媒体及び前記第3光情報記録媒体に対して、異なる倍率の光束を前記対物光学素子に入射させるとともに、
前記第1互換機能及び前記第2互換機能は、波長差に基づく球面収差、光情報記録媒体間の保護基板厚差に基づく球面収差及び前記対物光学素子に入射する光束の倍率差に基づく球面収差を補正することを特徴とする(5)乃至(9)のいずれか1つに記載の光ピックアップ装置。
(12)m=2であることを特徴とする(1)乃至(11)のいずれか1つに記載の光ピックアップ装置。
(13)n=1であることを特徴とする(1)乃至(12)のいずれか1つに記載の光ピックアップ。
(14)前記第3光情報記録媒体に対して、前記回折光学素子によって生じるn次の回折光による集光スポットが形成されることを特徴とする(1)乃至(13)のいずれか1つに記載の光ピックアップ装置。
(15)温度補償及び/又は色収差補償を行うための光学的補正構造を有することを特徴とする(1)乃至(14)のいずれか1つに記載の光ピックアップ装置。
(16)保護基板厚t1の第1光情報記録媒体に対して、波長λ1の第1光源から出射される光束を用いて情報の再生及び/又は記録を行ない、保護基板厚t2(t1=t2)の第2光情報記録媒体に対して、波長λ2(λ1<λ2)の第2光源から出射される光束を用いて情報の再生及び/又は記録を行ない、保護基板厚t3(t2<t3)の第3光情報記録媒体に対して、波長λ3(λ2<λ3)の第3光源から出射される光束を用いて情報の再生及び/又は記録を行う光ピックアップ装置であって、前記光ピックアップ装置は、前記第1光源、前記第2光源及び前記第3光源の共通光路に配置される回折光学素子及び、該回折光学素子よりも光源側に配置され、波長毎に光学的作用を切り替え可能な互換光学素子を備え、前記第1光情報記録媒体、前記第2光情報記録媒体及び前記第3光情報記録媒体に対して情報の再生及び/又は記録を行う場合、前記互換光学素子に対して無限平行光の光束を入射させ、前記回折光学素子は、少なくとも前記第1光情報記録媒体に対して、情報の再生及び/又は記録を行うのに十分な集光スポットを形成するとともに、前記λ2の光束または前記λ3の光束に対して、前記λ1の光束とは異なった次数の回折光を発生させ、前記互換光学素子は、前記第2光情報記録媒体及び前記第3光情報記録媒体に対して、前記λ1の光束に対する光学的作用とは異なった光学的作用を生じるとともに、前記回折光学素子の光学的作用と組み合わされる事により、前記第2光情報記録媒体及び前記第3光情報記録媒体に対して、情報の再生及び/又は記録を行うのに十分な集光スポットを形成することを特徴とする光ピックアップ装置。
(17)保護基板厚t1の第1光情報記録媒体に対して、波長λ1の第1光源から出射される光束を用いて情報の再生及び/又は記録を行ない、保護基板厚t2(t1=t2)の第2光情報記録媒体に対して、波長λ2(λ1<λ2)の第2光源から出射される光束を用いて情報の再生及び/又は記録を行ない、保護基板厚t3(t2<t3)の第3光情報記録媒体に対して、波長λ3(λ2<λ3)の第3光源から出射される光束を用いて情報の再生及び/又は記録を行う光ピックアップ装置であって、前記光ピックアップ装置は、前記第1光源、前記第2光源及び前記第3光源の共通光路に配置される回折光学素子及び、該回折光学素子よりも光源側に配置され、波長毎に光学的作用を切り替え可能な互換光学素子を備え、前記第1光情報記録媒体、前記第2光情報記録媒体及び前記第3光情報記録媒体に対して情報の再生及び/又は記録を行う場合、前記互換光学素子に対して無限平行光の光束を入射させ、前記回折光学素子は、前記第1光情報記録媒体と、前記第2光情報記録媒体及び前記第3光情報記録媒体のうちの一方の、2つの光情報記録媒体に対して、各々異なった次数の回折光によって情報の再生及び/又は記録に必要な集光スポットを形成し、前記互換光学素子は、前記第2光情報記録媒体及び前記第3光情報記録媒体に対して、前記λ1の光束に対する光学的作用とは異なった光学的作用を生じるとともに、前記回折光学素子の光学的作用と組み合わされる事により、前記第2光情報記録媒体及び前記第3光情報記録媒体のうちの、他方の光情報記録媒体に対して情報の再生及び/又は記録に必要な集光スポットを形成することを特徴とする光ピックアップ装置。
(18)前記回折光学素子は、対物光学素子であることを特徴とする(16)乃至(17)のいずれか1つに記載の光ピックアップ装置。
(19)前記対物光学素子は単玉であることを特徴とする(18)に記載の光ピックアップ装置。
(20)前記対物光学素子は複数玉であることを特徴とする(18)に記載の光ピックアップ装置。
(21)前記互換光学素子は、前記λ1の光束に対して、光学的作用を生じないことを特徴とする(16)乃至(20)のいずれか1つに記載の光ピックアップ装置。
(22)前記互換光学素子は液晶素子であることを特徴とする(16)乃至(20)のいずれか1つに記載の光ピックアップ装置。
(23)前記液晶素子に対して、入射する光束の波長によって通電状態を異ならしめ、光学的作用を切り替えることを特徴とする(22)に記載の光ピックアップ装置。
(24)前記互換光学素子は可動型のビームエキスパンダーであることを特徴とする(16)乃至(20)のいずれか1つに記載の光ピックアップ装置。
(25)前記ビームエキスパンダーに対して、入射する光束の波長によって光軸方向に移動させ、光学的作用を切り替えることを特徴とする(24)に記載の光ピックアップ装置。
(26)前記回折光学素子と前記互換光学素子とが一体化して保持され、一の駆動手段によって駆動されることを特徴とする(16)乃至(25)のいずれか1つに記載の光ピックアップ装置。
(27)前記回折面はマルチレベル構造であることを特徴とする(16)乃至(26)のいずれか1つに記載の光ピックアップ装置。
(28)前記回折光学素子は、前記第2光情報記録媒体及び前記第3光情報記録媒体に対して、情報の再生及び/又は記録を行うのに不十分な集光スポットを形成することを特徴とする(16)、および(18)乃至(27)のいずれか1つに記載の光ピックアップ装置。
(29)前記回折光学素子によって、前記λ1の光束に対してk(kは自然数)次の回折光が生じ、前記λ2の光束に対してm(mはm≠kである自然数)次の回折光が生じ、前記λ1の光束に対してn(nはn≠kである自然数)次の回折光が生じることを特徴とする(16)に記載の光ピックアップ装置。
(30)m≠nであることを特徴とする(18)に記載の光ピックアップ装置。
(31)m=nであることを特徴とする(18)に記載の光ピックアップ装置。
(32)k=1、m=0、n=2であることを特徴とする(30)に記載の光ピックアップ装置。
(33)k=2、m=1、n=1であることを特徴とする(31)に記載の光ピックアップ装置。
(34)k=2、m=1、n=0であることを特徴とする(30)に記載の光ピックアップ装置。
(35)k=2、m=2、n=1であることを特徴とする(30)に記載の光ピックアップ装置。
(36)k=3、m=2、n=2であることを特徴とする(31)に記載の光ピックアップ装置。
(37)k=4、m=3、n=2であることを特徴とする(30)に記載の光ピックアップ装置。
(38)k=5、m=3、n=2であることを特徴とする(30)に記載の光ピックアップ装置。
(39)k=5、m=3、n=3であることを特徴とする(31)に記載の光ピックアップ装置。
(40)k=6、m=4、n=3であることを特徴とする(30)に記載の光ピックアップ装置。
(41)k=7、m=4、n=4であることを特徴とする(31)に記載の光ピックアップ装置。
(42)k=8、m=5、n=4であることを特徴とする(30)に記載の光ピックアップ装置。
(43)前記回折光学素子は、前記第1光情報記録媒体と、前記第2光情報記録媒体に対して、各々異なった次数の回折光によって情報の再生及び/又は記録に必要な集光スポットを形成する回折面を有することを特徴とする(17)に記載の光ピックアップ装置。
(44)回折面は、回折光学素子の光学機能面の全面に設けられてなり、前記波長λ1と前記波長λ2との波長差に基づく球面収差を補正する回折面であることを特徴とする(43)に記載の光ピックアップ装置。
(45)前記互換光学素子は、基板厚t1と基板厚t3との基板厚差によって発生する球面収差および、前記波長λ1と前記波長λ3との波長差に基づく球面収差を補正する(43)乃至(44)のいずれか1つに記載の光ピックアップ装置。
(46)前記回折光学素子によって、前記λ1の光束に対してk(kは自然数)次の回折光が生じ、前記λ2の光束に対してm(mはm≠kである自然数)次の回折光が生じ、前記λ1の光束に対してn(nはn≠kである自然数)次の回折光が生じることを特徴とする(43)乃至(45)のいずれか1つに記載の光ピックアップ装置。
(47)m≠nであることを特徴とする(46)に記載の光ピックアップ装置。
(48)m=nであることを特徴とする(46)に記載の光ピックアップ装置。
(49)k=1、m=0、n=2であることを特徴とする(47)に記載の光ピックアップ装置。
(50)k=2、m=1、n=1であることを特徴とする(48)に記載の光ピックアップ装置。
(51)k=2、m=1、n=0であることを特徴とする(47)に記載の光ピックアップ装置。
(52)k=2、m=2、n=1であることを特徴とする(47)に記載の光ピックアップ装置。
(53)k=3、m=2、n=2であることを特徴とする(48)に記載の光ピックアップ装置。
(54)k=4、m=3、n=2であることを特徴とする(47)に記載の光ピックアップ装置。
(55)k=5、m=3、n=2であることを特徴とする(47)に記載の光ピックアップ装置。
(56)k=5、m=3、n=3であることを特徴とする(48)に記載の光ピックアップ装置。
(57)k=6、m=4、n=3であることを特徴とする(47)に記載の光ピックアップ装置。
(58)k=7、m=4、n=4であることを特徴とする(48)に記載の光ピックアップ装置。
(59)k=8、m=5、n=4であることを特徴とする(47)に記載の光ピックアップ装置。
(60)回折光学素子は、前記第1光情報記録媒体と、前記第3光情報記録媒体に対して、各々異なった次数の回折光によって情報の再生及び/又は記録に必要な集光スポットを形成する回折面を有することを特徴とする(17)に記載の光ピックアップ装置。
(61)回折面は、回折光学素子の光学機能面の所定の領域に設けられてなり、基板厚t1と基板厚t3との基板厚差によって発生する球面収差および、前記波長λ1と前記波長λ3との波長差に基づく球面収差を補正する回折面である(60)に記載の光ピックアップ装置。
(62)前記互換光学素子は、前記波長λ1と前記波長λ2との波長差に基づく球面収差を補正する(60)乃至(61)のいずれか1つに記載の光ピックアップ装置。
(63)前記回折光学素子によって、前記λ1の光束に対してk(kは自然数)次の回折光が生じ、前記λ2の光束に対してm(mはm≠kである自然数)次の回折光が生じ、前記λ1の光束に対してn(nはn≠kである自然数)次の回折光が生じることを特徴とする(60)乃至(62)のいずれか1つに記載の光ピックアップ装置。
(64)m≠nであることを特徴とする(63)に記載の光ピックアップ装置。
(65)m=nであることを特徴とする(63)に記載の光ピックアップ装置。
(66)k=1、m=0、n=2であることを特徴とする(64)に記載の光ピックアップ装置。
(67)k=2、m=1、n=0であることを特徴とする(64)に記載の光ピックアップ装置。
(68)k=3、m=2、n=2であることを特徴とする(65)に記載の光ピックアップ装置。
(69)k=5、m=3、n=2であることを特徴とする(64)に記載の光ピックアップ装置。
(70)k=5、m=3、n=3であることを特徴とする(65)に記載の光ピックアップ装置。
(71)k=7、m=4、n=4であることを特徴とする(65)に記載の光ピックアップ装置。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下図面に基づいて本発明の内容を詳細に説明するが、本発明の実施形態はこれらに限定されるものではない。
(第1の実施の形態)
図1を用いて、請求項1の発明について説明する。
【0026】
本実施例では、使用波長が405nmのいわゆる青紫色レーザー光源を用いた「高密度な光ディスク」をターゲットとしており、第1光情報記録媒体として保護基板厚t1が0.6mmの「高密度な光ディスク」、第2光情報記録媒体として保護基板厚t2が0.6mmのDVD、第3光情報記録媒体として保護基板厚t3が1.2mmのCDを想定している。
【0027】
図1は、本願発明に関わる光ピックアップ装置を示す模式図である。
レーザーダイオードLD1は、第1光源であり、波長λ1が405nmの青紫色レーザーが用いられるが、波長が390nm〜420nmである範囲のものを適宜採用することができる。LD2は、第2光源であり、波長λ2が655nmの赤色レーザーが用いられるが、波長が630nm〜680nmである範囲のものを適宜採用することができる。LD3は、第3光源であり、波長λ3が780nmの赤外レーザーが用いられるが、波長が750nm〜800nmである範囲のものを適宜採用することができる。
【0028】
ビームスプリッタBS1はLD1から入射する光源を対物光学素子であるOBLの方向へ透過させるが、光ディスク(第1光情報記録媒体)からの反射光(戻り光)について、センサーレンズ群SL1を経て受光センサーS1に集光させる機能を有する。BS2も機能は同様である。
【0029】
BS3はLD1からの光束と、LD2からの光束とを同一の光路に載せるために配置される。またBS4は、LD3からの光束と、BS3からの光束とを同一の光路に載せるために配置される。
【0030】
LD1から投光された光束は、BS1を経て、コリメータCL1に入射し、これによって無限平行光にコリメートされたのち、BS3、BS4を経て対物光学素子である対物レンズOBLに入射する。そして第1光情報記録媒体の保護基板を介して情報記録面上に集光スポットを形成する。情報記録面上で反射したのち、同じ経路をたどって、コリメータCL1を通過してから、BS1によってセンサーレンズSL1を経てセンサーS1に集光する。このセンサーによって光電変換され、電気的な信号となる。
【0031】
LD2から投光された光束も、同様に光ディスク(第2光情報記録媒体)に集光スポットを形成し、反射して最終的にセンサーS2に集光する。
ちなみにLD3から投光された光束についても同様であるが、この例ではビームスプリッタの代わりに回折板DPを設ける事により、センサーS3へ戻り光が集光するようになっている。CDからの情報の再生を行う場合は、DVDや「高密度な光ディスク」に比べて受光する光量が少なくても良いので、このような構成を採用することができる。
【0032】
なお対物光学素子OBLは、この図では単一のレンズであるが、必要に応じて複数の光学素子から構成されるようにしてもよい。また材質はプラスティック樹脂でもよいし、ガラスでも良い。
【0033】
またLD1から投光された光束、LD2から投光された光束が光ディスクD1、D2の保護基板を介して情報記録面に集光する状態が、OBLの光軸左側に描かれており、LD3から投光された光束が光ディスクD3の保護基板を介して情報記録面に集光する状態が、OBLの光軸右側に描かれている。このように、再生/記録する光ディスクによって、基本的な位置が図示しないアクチュエーターによって切り替わり、その基準位置からピント合わせ(フォーカシング)を行う。
【0034】
そして各々の光情報記録媒体の保護基板厚、さらにピットの大きさにより、対物光学素子OBLに要求される開口数も異なる。ここでは、CD用の開口数は0.45、DVDおよび「高密度な光ディスク」の開口数は0.65としている。ただし、CDについては0.43〜0.50、DVDについては0.58〜0.68の範囲で適宜選択可能である。
【0035】
なおIRは不要光をカットするための絞りである。
さて本実施例では、「第1光源、前記第2光源及び前記第3光源の共通光路に配置され、回折構造を有する回折光学素子」の役割を、対物光学素子OBLに持たせている。そのため、対物光学素子に鋸歯状の回折構造を設けている。
【0036】
そしてこの鋸歯のピッチ(回折パワー)や深さ(ブレイズド化波長)を設定することにより、「高密度な光ディスク」に対しては、第1光源からの光束が2次回折光による集光スポットとして形成され、DVDに対しては、第2光源からの光束が1次回折光による集光スポットとして形成されるようになっている。
【0037】
このように、回折次数が異なる光を利用することにより、各々の場合における回折効率を高くすることができ、光量を確保することができる。
まだCDに対しては、第3光源からの光束を、DVDと同じ次数の回折光にすることが好ましいが、これは適宜他の次数になるようにしても良い。この例では、DVDと同じ1次の回折光として集光スポットを形成するようにしている。
【0038】
この例では、回折光学素子として、回折構造を対物光学素子に設けた例を説明したが、請求項3や4のように、このような異次回折光を生じる回折構造をコリメータに設けても良いし、また別の光学素子を光路中に設けることも可能である。
【0039】
また上記した開口の切り替えについても、回折光学素子を始めとして、公知の技術を適用することができる。
なお上記の実施例では、情報の再生について説明してきたが、情報の記録においても基本的な構成・光学的作用は変わらず、光情報記録媒体の記録面に集光スポットを形成することにより、記録層に熱化学変化を生ぜしめて、記録を行う。
【0040】
また、温度補償及び/又は色収差補償を行うための光学的補正構造を有する光学素子を、必要に応じて光路中に設ける事ができるのはいうまでもない。そしてこれらの光学的補正構造は回折構造や位相差付与構造によって実現できるし、対物光学素子、コリメータ及びその他の素子に設けることが出来る。
(第2の実施の形態)
同じく図1を用いて、請求項5の発明について説明する。
【0041】
各光学素子に関して、第1の実施の形態と同じ機能については説明を省略する。
この実施例では、第1互換光学素子の役割を、対物光学素子OBLに持たせている。そして第2互換光学素子の役割をコリメータCL3に持たせている。
【0042】
つまり、第1互換光学素子である対物光学素子OBLは、全ての光源が通過する光路に配置されており、第2互換光学素子であるコリメータCL3は、第3光源のみが通過する光路に配置される。
【0043】
さて第1互換光学素子である対物光学素子OBLは、回折構造を有していて、それによって「高密度な光ディスク」およびDVD間の互換(第1互換機能)を達成する。
【0044】
具体的には、第1光源と第2光源との間の波長差に基づく球面収差を補正する。また、回折構造で無くとも、位相差付与構造を用いても、同様の光学的作用を得る事が出来る。
【0045】
なお、光情報記録媒体について、保護基板の厚さが異なると、その差にもとづく球面収差が発生するが、ここでは「高密度な光ディスク」とDVDとは共に同じ0.6mmの保護基板を用いているので、そのような基板厚差に基づく球面収差は生じない。
【0046】
第2互換光学素子であるコリメータCL3にも回折構造が設けられている。これは先の対物光学素子OBLの回折構造と組み合わされることにより、「高密度な光ディスク」およびCD間の互換、さらにDVDおよびCD間の互換(第2互換機能)を達成する。
【0047】
具体的には、「高密度な光ディスク」およびCD間の互換についてみると、使用波長も保護基板の厚さも異なる事から、第1光源と第3光源との間の波長差に基づく球面収差と、保護基板厚差(0.1mmと1.2mm)に基づく球面収差の両方を補正する。
【0048】
DVDおよびCD間の互換についても同様で、第2光源と第3光源との間の波長差に基づく球面収差と、保護基板厚差(0.6mmと1.2mm)に基づく球面収差の両方を補正する。
【0049】
これにより、各光情報記録媒体に対して、好適な集光スポットを形成することができる。
また先の実施の形態と同様に、異なった回折次数の回折光による集光スポットが形成されるようにしているので、「高密度な光ディスク」、DVDについて、光量を確保し、確実な情報の記録及び/又は再生が可能になる。
【0050】
この実施例では、第2互換光学素子として、コリメータCL3に回折光学素子を設けた例(請求項9)を示したが、他にも、たとえば波長選択性のあるダイクロイックフィルタや、電気的に光学的作用を切り替えることが出来る液晶素子を用いても、同様の光学的作用を得ることが出来る(請求項7、8)。特に液晶素子は、屈折率を変化させることができるという作用があるため、動的な制御が可能である。
【0051】
また他にも、第1互換機能、第2互換機能については、位相差付与構造を設ける事によっても達成できる。
(第3の実施の形態)
この実施例は請求項11の発明に対応するもので、図1の構成から所定のコリメータのかわりにカップリングレンズを設けた光ピックアップ装置である。具体的には、コリメータCL1〜CL3のかわりにカップリングレンズCo1〜3を設ける。
【0052】
光源からの入射光を平行光にコリメートするコリメータを設けないため、有限発散光が対物光学素子に入射する。カップリングレンズはコリメータほどのパワーを有しないので、小型であり、このような構成にすることにより、ピックアップ装置を小型にすることができる。
【0053】
このように、無限平行光でなく、有限発散光を用いることにより、対物光学素子OBLに入射する光束の倍率が変わるので、これによって波長差に基づく球面収差及び基板厚差に基づく球面収差を補正することができることが知られているが、それでも十分な補正が出来ない場合がある。
【0054】
また有限光を用いることにより、温度特性が劣化するという問題もあるし、入射光束の倍率の差に基づく球面収差が発生するため、これを解消する必要がある。
【0055】
そこでこの実施例では、対物光学素子OBLに、波長毎にそれぞれ異なる倍率の光束を入射させるが、第1互換光学素子、第2互換光学素子によって、波長差に基づく球面収差、保護基板厚差に基づく球面収差及び光束の倍率差に基づく球面収差を補正するようにしている。
【0056】
第1互換素子は、第2の実施の形態と同じく、対物光学素子に回折光学素子を設けたものであり、第2互換光学素子は、カップリングレンズCo3に回折光学素子を設けたものである。
【0057】
これによって、第1光源乃至第3光源からの光束は、全て有限発散光で対物光学素子OBLに入射するが、球面収差を全て補正され、好適な集光スポットを形成する。
【0058】
ここではすべての光源について、無限発散光で対物光学素子OBLに入射するようにしてあるが、どれか一つの光源をそのようにしてもよく、また別の光源については無限平行光が入射するようにしてもよい。
(第4の実施の形態)
図2を用いて、請求項1の発明の、別の実施の形態について説明する。同じ符号を付しているものは、基本的には第1の実施の形態と同じ機能を有するが、異なるものについて説明する。なお光学的な作用についても殆ど同じである。
【0059】
この例では、光源を2つのユニットによって構成している。具体的には、図2のLD2'は、第2の光源(DVD用の光源)、第3の光源(CD用の光源)について、同一のパッケージに収めた、いわゆる2レーザー1パッケージの光源ユニットを用いている。
【0060】
このパッケージのうち、第2の光源を光軸上に位置するように調整するので、第3の光源については光軸上からやや離れた処に位置するため、像高が生じてしまうが、この特性を改善するための技術も既に知られており、それらの技術を必要に応じて適用できる。ここでは補正板DPを用いることによりその補正を行っている。補正板DPにはグレーティングが形成されており、それによって光軸からのズレを補正すると共に、センサーS2への集光にも寄与する。
【0061】
なおLD2'から実線で描かれているのがDVD用の光源光束であり、点線で描かれているのがCD用の光源光束である。
BS2はLD1からの光束と、LD2'からの光束とを同一の光路に載せるために配置される。またBS3は、LD2'からの光束をセンサーレンズSL2に入射させるために配置される。
【0062】
LD1から投光された光束は、BS1を経て、コリメータCL1に入射し、これによって無限平行光にコリメートされたのち、BS2を経て対物光学素子である対物レンズOBLに入射する。そして第1光情報記録媒体の保護基板を介して情報記録面上に集光スポットを形成する。情報記録面上で反射したのち、同じ経路をたどって、コリメータCL1を通過してから、BS1によってセンサーレンズSL1を経てセンサーS1に集光する。このセンサーによって光電変換され、電気的な信号となる。
【0063】
LD2'から投光された光束も、同様に光ディスク(第2光情報記録媒体または第3光情報記録媒体)に集光スポットを形成し、反射して最終的にセンサーS2に集光する。
【0064】
さて本実施例では、「第1光源、前記第2光源及び前記第3光源の共通光路に配置され、回折構造を有する回折光学素子」の役割を、対物光学素子OBLに持たせている。そのため、対物光学素子に鋸歯状の回折構造を設けている。
【0065】
そしてこの鋸歯のピッチ(回折パワー)や深さ(ブレイズド化波長)を設定することにより、「高密度な光ディスク」に対しては、第1光源からの光束が2次回折光による集光スポットとして形成され、DVDに対しては、第2光源からの光束が1次回折光による集光スポットとして形成されるようになっている。
【0066】
このように、回折次数が異なる光を利用することにより、各々の場合における回折効率を高くすることができ、光量を確保することができる。
まだCDに対しては、第3光源からの光束を、DVDと同じ次数の回折光にすることが好ましいが、これは適宜他の次数になるようにしても良い。この例では、DVDと同じ1次の回折光として集光スポットを形成するようにしている。
【0067】
この例では、回折光学素子として、回折構造を対物光学素子に設けた例を説明したが、請求項3や4のように、このような異次回折光を生じる回折構造をコリメータCL1に設けても良いし、また別の光学素子を光路中に設けることも可能である。
【0068】
また上記した開口の切り替えについても、回折光学素子を始めとして、公知の技術を適用することができる。
なお上記の実施例では、情報の再生について説明してきたが、情報の記録においても基本的な構成・光学的作用は変わらず、光情報記録媒体の記録面に集光スポットを形成することにより、記録層に熱化学変化を生ぜしめて、記録を行う。
【0069】
また、温度補償及び/又は色収差補償を行うための光学的補正構造を有する光学素子を、必要に応じて光路中に設ける事ができるのはいうまでもない。そしてこれらの光学的補正構造は回折構造や位相差付与構造によって実現できるし、対物光学素子、コリメータ及びその他の素子に設けることが出来る。
(第5の実施の形態)
同じく図2を用いて、請求項5の発明の、別の実施の形態について説明する。
【0070】
各光学素子に関して、第4の実施の形態と同じ機能については説明を省略する。
この実施例では、第1互換光学素子の役割を、対物光学素子OBLに持たせている。そして第2互換光学素子の役割をコリメータCL2に持たせている。
【0071】
つまり、第1互換光学素子である対物光学素子OBLは、全ての光源が通過する光路に配置されており、第2互換光学素子であるコリメータCL2は、第2光源と第3光源とが通過する光路に配置される。
【0072】
さて第1互換光学素子である対物光学素子OBLは、回折構造を有していて、それによって「高密度な光ディスク」に必要な集光スポットの形成に寄与する。
具体的には、第1光源と第2光源との間の波長差に基づく球面収差、第1光源と第3光源との間の波長差に基づく球面収差を補正する。さらに、「高密度な光ディスク」とCDとの保護基板厚差に基づく球面収差を補正する。
【0073】
また、回折構造で無くとも、位相差付与構造を用いても、同様の光学的作用を得る事が出来る。
なお、光情報記録媒体について、保護基板の厚さが異なると、その差にもとづく球面収差が発生するが、ここでは「高密度な光ディスク」とDVDとは共に同じ0.6mmの保護基板を用いているので、基板厚差に基づく球面収差は生じない。
【0074】
第2互換光学素子であるコリメータCL2にも回折構造が設けられている。これは先の対物光学素子OBLの回折構造と組み合わされることにより、DVDおよびCD間の互換(第2互換機能)を達成する。
【0075】
DVDおよびCD間の互換についてみると、使用波長も保護基板の厚さも異なる事から、第2光源と第3光源との間の波長差に基づく球面収差と、保護基板厚差(0.6mmと1.2mm)に基づく球面収差の両方を補正する。
【0076】
これにより、各光情報記録媒体に対して、好適な集光スポットを形成することができる。
また先の実施の形態と同様に、異なった回折次数の回折光による集光スポットが形成されるようにしているので、「高密度な光ディスク」、DVDについて、光量を確保し、確実な情報の記録及び/又は再生が可能になる。
【0077】
この実施例では、第2互換光学素子として、コリメータCL2に回折光学素子を設けた例(請求項9)を示したが、他にも、たとえば波長選択性のあるダイクロイックフィルタや、電気的に光学的作用を切り替えることが出来る液晶素子を用いても、同様の光学的作用を得ることが出来る(請求項7、8)。特に液晶素子は、屈折率を変化させることができるという作用があるため、動的な制御が可能である。
【0078】
また他にも、第1互換機能、第2互換機能については、位相差付与構造を設ける事によっても達成できる。
(第6の実施の形態)
この実施例は請求項11の発明に対応する別の実施例で、図2の構成から所定のコリメータのかわりにカップリングレンズを設けた光ピックアップ装置である。具体的には、コリメータCL1、CL2のかわりにカップリングレンズCo1、2を設ける。
【0079】
光源からの入射光を平行光にコリメートするコリメータを設けないため、有限発散光が対物光学素子に入射する。カップリングレンズはコリメータほどのパワーを有しないので、小型であり、このような構成にすることにより、ピックアップ装置を小型にすることができる。
【0080】
このように、無限平行光でなく、有限発散光を用いることにより、対物光学素子OBLに入射する光束の倍率が変わるので、これによって波長差に基づく球面収差及び基板厚差に基づく球面収差を補正することができることが知られているが、それでも十分な補正が出来ない場合がある。
【0081】
また有限光を用いることにより、温度特性が劣化するという問題もあるし、入射光束の倍率の差に基づく球面収差が発生するため、これを解消する必要がある。
【0082】
そこでこの実施例では、対物光学素子OBLに、波長毎にそれぞれ異なる倍率の光束を入射させるが、第1互換光学素子、第2互換光学素子によって、波長差に基づく球面収差、保護基板厚差に基づく球面収差及び光束の倍率差に基づく球面収差を補正するようにしている。
【0083】
第1互換素子は、第5の実施の形態と同じく、対物光学素子に回折光学素子を設けたものであり、第2互換光学素子は、カップリングレンズCo2に回折光学素子を設けたものである。
【0084】
これによって、第1光源乃至第3光源からの光束は、全て有限発散光で対物光学素子OBLに入射するが、球面収差を全て補正され、好適な集光スポットを形成する。
【0085】
ここではすべての光源について、無限発散光で対物光学素子OBLに入射するようにしてあるが、どれか一つの光源をそのようにしてもよく、また別の光源については無限平行光が入射するようにしてもよい。
(第6の実施の形態)
次に図3を用いて、請求項16または17の発明について説明する。
【0086】
各光学素子に関して、第1〜第5の実施の形態と同じ機能については説明を省略する。
対物光学素子である単玉プラスチックレンズOBLは、レンズホルダLHによって液晶素子LCDと一体化されている。ACはアクチュエータであり、レンズホルダLHを保持して、フォーカシングなどのために、光軸方向に移動させることが可能である。
【0087】
なお単玉プラスチックレンズOBLの光学機能面には回折構造が設けられており、請求項でいうところの回折光学素子に相当する。
またここではプラスチック製の単玉レンズであるが、2枚以上の複数玉を組み合わせたものでも良いし、ガラス製のレンズであっても良い。
【0088】
液晶素子LCDには、光軸対称なパターンが設けられており、電気的な通電状態を変化させることにより、入射する光束に対する光学的作用を切り替える事ができるようになっている。これは請求項でいうところの互換光学素子に相当する。
【0089】
この液晶素子に、各コリメータによって無限平行光とされた光束が入射するように構成されている。
無限平行光を利用する光学系には、様々な利点があるが、反面、集光スポット形成に影響する低次の収差が生じるという欠点がある。そのため、対物光学素子のみで3種類の光情報記録媒体に対応することは難しい。
【0090】
そこで請求項16の発明では、回折面をそなえた対物光学素子は、第1光情報記録媒体である「高密度な光ディスク」に対して、対物光学素子単独で使用可能であるかわりに、他の情報記録媒体に対しては不十分な性能(情報の再生および/または記録のために十分な集光スポットの形成ができない性能)であるように回折構造や非球面を設計する。
【0091】
そしてこれとは別の互換光学素子(液晶素子)を用意し、これと対物光学素子とを組み合わせる事により、対物光学素子において不十分であった点を補い、第2光情報記録媒体(DVD)及び第3光情報記録媒体(CD)に対して情報の再生および/または記録のために十分な集光スポットの形成ができるようにする。
【0092】
なお、対物光学素子は、第2光情報記録媒体(DVD)に用いる波長λ2(655nm)の光束、第3光情報記録媒体(CD)に用いる波長λ3(780nm)の光束に対しては、不十分な性能とはいえ、出来る限り回折光率が高く、液晶素子による補正の負荷を低減するためにも、波長λ1(405nm)の光束とは別の次数の回折光を利用する。
【0093】
また請求項17の発明では、回折面をそなえた対物光学素子の設計を工夫し、第1光情報記録媒体(高密度な光ディスク)の他、第2光情報記録媒体(DVD)又は第3光情報記録媒体(CD)のいずれか一方の、2種類の光情報記録媒体に対して、対物光学素子単独で使用可能であるように、回折構造や非球面を設計する。そして、残りの1種類の光情報記録媒体に対して、対物光学素子の光学的作用に別の互換光学素子(液晶素子)の光学的作用を重畳することにより、情報の再生および/または記録のために十分な集光スポットの形成ができるようにする。
【0094】
以上の通り、液晶素子である互換光学素子は、波長λ1の光束に対しては光学的作用を生じず、必要に応じて波長λ2の光束および/または波長λ3の光束に対して光学的作用を生じる。
【0095】
なお、レンズホルダLHによって一体に保持された対物光学素子と液晶素子とをまとめて、対物光学素子としてみなすことも可能であり、本実施の形態は請求項1の発明の応用例であるともいえる。
【0096】
ここで述べてきた回折構造としては、鋸歯状のものの他、所定段数の階段形状を周期的に繰り返した形状である、いわゆるマルチレベル構造のものを採用することもできる。
【0097】
また回折構造によって発生する回折光の次数については、必要に応じて様々な組合せを用いることが可能である。
請求項16の発明の場合は、以下のような次数の組合せを選択することが好ましい。なおkは波長λ1の光束に対して生じる回折光の次数、mは波長λ2の光束に対して生じる回折光の次数、nは波長λ3の光束に対して生じる回折光の次数である。
【0098】
イ)k=1、m=0、n=2
ロ)k=2、m=1、n=1
ハ)k=2、m=1、n=0
ニ)k=2、m=2、n=1
ホ)k=3、m=2、n=2
ヘ)k=4、m=3、n=2
ト)k=5、m=3、n=2
チ)k=5、m=3、n=3
リ)k=6、m=4、n=3
ヌ)k=7、m=4、n=4
ル)k=8、m=5、n=4
請求項17の発明の場合であって、対物光学素子で第1光情報記録媒体と第2光情報記録媒体との互換を行ない、液晶素子を組み合わせて第3光情報記録媒体との互換を図る場合も、上記と同じ次数の組合せが好ましい。
【0099】
また、請求項17の発明の場合であって、対物光学素子で第1光情報記録媒体と第2光情報記録媒体との互換を行ない、液晶素子を組み合わせて第3光情報記録媒体との互換を図る場合は、λ1とλ3の波長がほぼ2倍の関係となっていることから、k:nが2:1となっている場合は、ほぼ同じ回折作用を生じてしまうため、採用できない。したがって上記の(イ)から(ル)の組合せのうち、k:nが2:1となっている場合を除外した、次の組合せを採用することが好ましい。
【0100】
イ)k=1、m=0、n=2
ハ)k=2、m=1、n=0
ホ)k=3、m=2、n=2
ト)k=5、m=3、n=2
チ)k=5、m=3、n=3
ヌ)k=7、m=4、n=4
(第7の実施の形態)
次に図4を用いて、請求項16または17の発明の別の実施の形態について説明する。
【0101】
これは液晶素子LCDのかわりに、光軸方向に移動可能なビームエキスパンダーBEを備えたものである。
このビームエキスパンダーは独自のアクチュエータを備えており、光軸方向に移動することが可能になっている。これによって球面収差補正を行なう。
【0102】
実際に使用する場合は、使用する光源光束に応じて、光軸方向に進退させることにより球面収差補正を行ない、対応する光情報記録媒体に対して良好な集光スポットを形成する。
【0103】
回折光学素子である対物レンズとその作用については、第6の実施の形態と同じであり、少なくとも第1光情報記録媒体に対しては単独で良好な集光スポットを形成することができる。第2光情報記録媒体、第3光情報記録媒体に対しては十分な集光スポット形成性能を有しないか、あるいは片方についてのみ、集光スポットの形成が可能である。
【0104】
またそのために、波長毎に異なった次数の回折光が生じるようにされている。
互換光学素子であるビームエキスパンダーは、上述の通り光軸方向に進退可能であるので、これによって球面収差の補正が可能である。そこで、対物光学素子で不十分な点を補い、第2光情報記録媒体および/または第3光情報記録媒体に対して良好な集光スポット形成が可能になる。
【0105】
なお、光学要素の大型化につながるが、ビームエキスパンダーと対物光学素子とを一体化させる構成もありうる。この場合は、第3光情報記録媒体に対する収差補正の観点からは好ましい。
【0106】
【発明の効果】
以上、本発明に関わる光ピックアップ装置によれば、3つのフォーマットの光ディスクに対して互換の光ピックアップ装置を実現することができる。またコンパクトな構成であり、光量も確保されるので、性能上も好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に関わる光ピックアップ装置の図である。
【図2】本発明に関わる、別の態様の光ピックアップ装置の図である。
【図3】本発明に関わる、別の態様の光ピックアップ装置の図である。
【図4】本発明に関わる、別の態様の光ピックアップ装置の図である。
【符号の説明】
LD1 第1光源
LD2 第2光源
LD3 第3光源
LD2' 第2光源(2波長1パッケージ)
S1 センサー
S2 センサー
S3 センサー
S2' センサー
SL1 センサーレンズ
SL2 センサーレンズ
SL3 センサーレンズ
DP 回折板
BS1 ビームスプリッタ
BS2 ビームスプリッタ
BS3 ビームスプリッタ
BS4 ビームスプリッタ
CL1 コリメータ
CL2 コリメータ
CL3 コリメータ
IR 絞り
OBL 対物光学素子
D1 光ディスク(「高密度な光ディスク」)
D2 光ディスク(DVD)
D3 光ディスク(CD)
AC アクチュエータ
LH レンズホルダ
LCD 液晶素子
BE ビームエキスパンダー

Claims (71)

  1. 保護基板厚t1の第1光情報記録媒体に対して、波長λ1の第1光源から出射される光束を用いて情報の再生及び/又は記録を行ない、保護基板厚t2(t1≦t2)の第2光情報記録媒体に対して、波長λ2(λ1<λ2)の第2光源から出射される光束を用いて情報の再生及び/又は記録を行ない、保護基板厚t3(t2<t3)の第3光情報記録媒体に対して、波長λ3(λ2<λ3)の第3光源から出射される光束を用いて情報の再生及び/又は記録を行う光ピックアップ装置であって、
    前記第1光情報記録媒体、前記第2光情報記録媒体及び前記第3光情報記録媒体に対して情報の再生及び/又は記録を行う場合、前記光ピックアップ装置に含まれる対物光学素子に対して無限平行光の光束を入射させるとともに、
    前記光ピックアップ装置は、前記第1光源、前記第2光源及び前記第3光源の共通光路に配置され、回折構造を有する回折光学素子を備え、
    前記第1光情報記録媒体に対して前記回折光学素子によって生じるm(mは自然数)次の回折光による集光スポットが形成され、前記第2光情報記録媒体に対して前記回折光学素子によって生じるn(nはn≠mである自然数)次の回折光による集光スポットが形成されるように構成されることを特徴とする光ピックアップ装置。
  2. 前記回折光学素子は、前記対物光学素子であることを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ装置。
  3. 前記回折光学素子は、コリメータであることを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ装置。
  4. 前記回折光学素子は、前記対物光学素子及びコリメータとは別に設けられた光学素子であることを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ装置。
  5. 保護基板厚t1の第1光情報記録媒体に対して、波長λ1の第1光源から出射される光束を用いて情報の再生及び/又は記録を行ない、保護基板厚t2(t1≦t2)の第2光情報記録媒体に対して、波長λ2(λ1<λ2)の第2光源から出射される光束を用いて情報の再生及び/又は記録を行ない、保護基板厚t3(t2<t3)の第3光情報記録媒体に対して、波長λ3(λ2<λ3)の第3光源から出射される光束を用いて情報の再生及び/又は記録を行う光ピックアップ装置であって、
    前記光ピックアップ装置は、前記第1光源、前記第2光源及び前記第3光源の共通光路に配置される第1互換光学素子と、
    前記第1光源、前記第2光源及び前記第3光源のうちのある1つの光源のみの光路か、又はある2つの光源の共通光路に配置される第2互換光学素子とを備え、
    前記第1互換光学素子は、前記第1光情報記録媒体、前記第2光情報記録媒体及び前記第3光情報記録媒体のうちの、少なくとも1つの光情報記録媒体に対して、情報の再生及び/又は記録に必要な集光スポットを形成する第1互換機能を有し、
    前記第2互換光学素子は、前記第1互換光学素子と組み合わされる事により、前記第1光情報記録媒体、前記第2光情報記録媒体及び前記第3光情報記録媒体のうちの、他の光情報記録媒体に対して、情報の再生及び/又は記録に必要な集光スポットを形成する第2互換機能を有し、
    かつ、前記光ピックアップ装置は、前記第1光源、前記第2光源及び前記第3光源の共通光路に配置され、回折構造を有する回折光学素子を備え、
    前記第1光情報記録媒体に対して前記回折光学素子によって生じるm(mは自然数)次の回折光による集光スポットが形成され、前記第2光情報記録媒体に対して前記回折光学素子によって生じるn(nはn≠mである自然数)次の回折光による集光スポットが形成されるように構成されることを特徴とする光ピックアップ装置。
  6. 前記第1互換光学素子は対物光学素子であることを特徴とする請求項5に記載の光ピックアップ装置。
  7. 前記第2互換光学素子はダイクロイックフィルタであることを特徴とする請求項5乃至6のいずれか1つに記載の光ピックアップ装置。
  8. 前記第2互換光学素子は液晶素子であることを特徴とする請求項5乃至6のいずれか1つに記載の光ピックアップ装置。
  9. 前記第2互換光学素子は回折光学素子であることを特徴とする請求項5乃至6のいずれか1つに記載の光ピックアップ装置。
  10. 光情報記録媒体に対して情報の再生及び/又は記録を行う場合、前記第1光情報記録媒体、前記第2光情報記録媒体及び前記第3光情報記録媒体のすべてに対して、等しい倍率の光束を対物光学素子に入射させるとともに、
    前記第1互換機能及び前記第2互換機能は、波長差に基づく球面収差及び光情報記録媒体間の保護基板厚差に基づく球面収差を補正することを特徴とする請求項5乃至9いずれか1つに記載の光ピックアップ装置。
  11. 光情報記録媒体に対して情報の再生及び/又は記録を行う場合、前記第1光情報記録媒体、前記第2光情報記録媒体及び前記第3光情報記録媒体に対して、異なる倍率の光束を前記対物光学素子に入射させるとともに、
    前記第1互換機能及び前記第2互換機能は、波長差に基づく球面収差、光情報記録媒体間の保護基板厚差に基づく球面収差及び前記対物光学素子に入射する光束の倍率差に基づく球面収差を補正することを特徴とする請求項5乃至9のいずれか1つに記載の光ピックアップ装置。
  12. m=2であることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1つに記載の光ピックアップ装置。
  13. n=1であることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1つに記載の光ピックアップ装置。
  14. 前記第3光情報記録媒体に対して、前記回折光学素子によって生じるn次の回折光による集光スポットが形成されることを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1つに記載の光ピックアップ装置。
  15. 温度補償及び/又は色収差補償を行うための光学的補正構造を有することを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1つに記載の光ピックアップ装置。
  16. 保護基板厚t1の第1光情報記録媒体に対して、波長λ1の第1光源から出射される光束を用いて情報の再生及び/又は記録を行ない、保護基板厚t2(t1=t2)の第2光情報記録媒体に対して、波長λ2(λ1<λ2)の第2光源から出射される光束を用いて情報の再生及び/又は記録を行ない、保護基板厚t3(t2<t3)の第3光情報記録媒体に対して、波長λ3(λ2<λ3)の第3光源から出射される光束を用いて情報の再生及び/又は記録を行う光ピックアップ装置であって、
    前記光ピックアップ装置は、前記第1光源、前記第2光源及び前記第3光源の共通光路に配置される回折光学素子及び、該回折光学素子よりも光源側に配置され、波長毎に光学的作用を切り替え可能な互換光学素子を備え、
    前記第1光情報記録媒体、前記第2光情報記録媒体及び前記第3光情報記録媒体に対して情報の再生及び/又は記録を行う場合、前記互換光学素子に対して無限平行光の光束を入射させ、
    前記回折光学素子は、少なくとも前記第1光情報記録媒体に対して、情報の再生及び/又は記録を行うのに十分な集光スポットを形成するとともに、前記λ2の光束または前記λ3の光束に対して、前記λ1の光束とは異なった次数の回折光を発生させ、
    前記互換光学素子は、前記第2光情報記録媒体及び前記第3光情報記録媒体に対して、前記λ1の光束に対する光学的作用とは異なった光学的作用を生じるとともに、前記回折光学素子の光学的作用と組み合わされる事により、前記第2光情報記録媒体及び前記第3光情報記録媒体に対して、情報の再生及び/又は記録を行うのに十分な集光スポットを形成することを特徴とする光ピックアップ装置。
  17. 保護基板厚t1の第1光情報記録媒体に対して、波長λ1の第1光源から出射される光束を用いて情報の再生及び/又は記録を行ない、保護基板厚t2(t1=t2)の第2光情報記録媒体に対して、波長λ2(λ1<λ2)の第2光源から出射される光束を用いて情報の再生及び/又は記録を行ない、保護基板厚t3(t2<t3)の第3光情報記録媒体に対して、波長λ3(λ2<λ3)の第3光源から出射される光束を用いて情報の再生及び/又は記録を行う光ピックアップ装置であって、
    前記光ピックアップ装置は、前記第1光源、前記第2光源及び前記第3光源の共通光路に配置される回折光学素子及び、該回折光学素子よりも光源側に配置され、波長毎に光学的作用を切り替え可能な互換光学素子を備え、
    前記第1光情報記録媒体、前記第2光情報記録媒体及び前記第3光情報記録媒体に対して情報の再生及び/又は記録を行う場合、前記互換光学素子に対して無限平行光の光束を入射させ、
    前記回折光学素子は、前記第1光情報記録媒体と、前記第2光情報記録媒体及び前記第3光情報記録媒体のうちの一方の、2つの光情報記録媒体に対して、各々異なった次数の回折光によって情報の再生及び/又は記録に必要な集光スポットを形成し、
    前記互換光学素子は、前記第2光情報記録媒体及び前記第3光情報記録媒体に対して、前記λ1の光束に対する光学的作用とは異なった光学的作用を生じるとともに、前記回折光学素子の光学的作用と組み合わされる事により、前記第2光情報記録媒体及び前記第3光情報記録媒体のうちの、他方の光情報記録媒体に対して情報の再生及び/又は記録に必要な集光スポットを形成することを特徴とする光ピックアップ装置。
  18. 前記回折光学素子は、対物光学素子であることを特徴とする請求項16乃至17のいずれか1つに記載の光ピックアップ装置。
  19. 前記対物光学素子は単玉であることを特徴とする請求項18に記載の光ピックアップ装置。
  20. 前記対物光学素子は複数玉であることを特徴とする請求項18に記載の光ピックアップ装置。
  21. 前記互換光学素子は、前記λ1の光束に対して、光学的作用を生じないことを特徴とする請求項16乃至20のいずれか1つに記載の光ピックアップ装置。
  22. 前記互換光学素子は液晶素子であることを特徴とする請求項16乃至20のいずれか1つに記載の光ピックアップ装置。
  23. 前記液晶素子に対して、入射する光束の波長によって通電状態を異ならしめ、光学的作用を切り替えることを特徴とする請求項22に記載の光ピックアップ装置。
  24. 前記互換光学素子は可動型のビームエキスパンダーであることを特徴とする請求項16乃至20のいずれか1つに記載の光ピックアップ装置。
  25. 前記ビームエキスパンダーに対して、入射する光束の波長によって光軸方向に移動させ、光学的作用を切り替えることを特徴とする請求項24に記載の光ピックアップ装置。
  26. 前記回折光学素子と前記互換光学素子とが一体化して保持され、一の駆動手段によって駆動されることを特徴とする請求項16乃至25のいずれか1つに記載の光ピックアップ装置。
  27. 前記回折面はマルチレベル構造であることを特徴とする請求項16乃至26のいずれか1つに記載の光ピックアップ装置。
  28. 前記回折光学素子は、前記第2光情報記録媒体及び前記第3光情報記録媒体に対して、情報の再生及び/又は記録を行うのに不十分な集光スポットを形成することを特徴とする請求項16、および18乃至27のいずれか1つに記載の光ピックアップ装置。
  29. 前記回折光学素子によって、前記λ1の光束に対してk(kは自然数)次の回折光が生じ、前記λ2の光束に対してm(mはm≠kである自然数)次の回折光が生じ、前記λ1の光束に対してn(nはn≠kである自然数)次の回折光が生じることを特徴とする請求項16に記載の光ピックアップ装置。
  30. m≠nであることを特徴とする請求項18に記載の光ピックアップ装置。
  31. m=nであることを特徴とする請求項18に記載の光ピックアップ装置。
  32. k=1、m=0、n=2であることを特徴とする請求項30に記載の光ピックアップ装置。
  33. k=2、m=1、n=1であることを特徴とする請求項31に記載の光ピックアップ装置。
  34. k=2、m=1、n=0であることを特徴とする請求項30に記載の光ピックアップ装置。
  35. k=2、m=2、n=1であることを特徴とする請求項30に記載の光ピックアップ装置。
  36. k=3、m=2、n=2であることを特徴とする請求項31に記載の光ピックアップ装置。
  37. k=4、m=3、n=2であることを特徴とする請求項30に記載の光ピックアップ装置。
  38. k=5、m=3、n=2であることを特徴とする請求項30に記載の光ピックアップ装置。
  39. k=5、m=3、n=3であることを特徴とする請求項31に記載の光ピックアップ装置。
  40. k=6、m=4、n=3であることを特徴とする請求項30に記載の光ピックアップ装置。
  41. k=7、m=4、n=4であることを特徴とする請求項31に記載の光ピックアップ装置。
  42. k=8、m=5、n=4であることを特徴とする請求項30に記載の光ピックアップ装置。
  43. 前記回折光学素子は、前記第1光情報記録媒体と、前記第2光情報記録媒体に対して、各々異なった次数の回折光によって情報の再生及び/又は記録に必要な集光スポットを形成する回折面を有することを特徴とする請求項17に記載の光ピックアップ装置。
  44. 回折面は、回折光学素子の光学機能面の全面に設けられてなり、前記波長λ1と前記波長λ2との波長差に基づく球面収差を補正する回折面であることを特徴とする請求項43に記載の光ピックアップ装置。
  45. 前記互換光学素子は、基板厚t1と基板厚t3との基板厚差によって発生する球面収差および、前記波長λ1と前記波長λ3との波長差に基づく球面収差を補正する請求項43乃至44のいずれか1つに記載の光ピックアップ装置。
  46. 前記回折光学素子によって、前記λ1の光束に対してk(kは自然数)次の回折光が生じ、前記λ2の光束に対してm(mはm≠kである自然数)次の回折光が生じ、前記λ1の光束に対してn(nはn≠kである自然数)次の回折光が生じることを特徴とする請求項43乃至45のいずれか1つに記載の光ピックアップ装置。
  47. m≠nであることを特徴とする請求項46に記載の光ピックアップ装置。
  48. m=nであることを特徴とする請求項46に記載の光ピックアップ装置。
  49. k=1、m=0、n=2であることを特徴とする請求項47に記載の光ピックアップ装置。
  50. k=2、m=1、n=1であることを特徴とする請求項48に記載の光ピックアップ装置。
  51. k=2、m=1、n=0であることを特徴とする請求項47に記載の光ピックアップ装置。
  52. k=2、m=2、n=1であることを特徴とする請求項47に記載の光ピックアップ装置。
  53. k=3、m=2、n=2であることを特徴とする請求項48に記載の光ピックアップ装置。
  54. k=4、m=3、n=2であることを特徴とする請求項47に記載の光ピックアップ装置。
  55. k=5、m=3、n=2であることを特徴とする請求項47に記載の光ピックアップ装置。
  56. k=5、m=3、n=3であることを特徴とする請求項48に記載の光ピックアップ装置。
  57. k=6、m=4、n=3であることを特徴とする請求項47に記載の光ピックアップ装置。
  58. k=7、m=4、n=4であることを特徴とする請求項48に記載の光ピックアップ装置。
  59. k=8、m=5、n=4であることを特徴とする請求項47に記載の光ピックアップ装置。
  60. 回折光学素子は、前記第1光情報記録媒体と、前記第3光情報記録媒体に対して、各々異なった次数の回折光によって情報の再生及び/又は記録に必要な集光スポットを形成する回折面を有することを特徴とする請求項17に記載の光ピックアップ装置。
  61. 回折面は、回折光学素子の光学機能面の所定の領域に設けられてなり、基板厚t1と基板厚t3との基板厚差によって発生する球面収差および、前記波長λ1と前記波長λ3との波長差に基づく球面収差を補正する回折面である請求項60に記載の光ピックアップ装置。
  62. 前記互換光学素子は、前記波長λ1と前記波長λ2との波長差に基づく球面収差を補正する請求項60乃至61のいずれか1つに記載の光ピックアップ装置。
  63. 前記回折光学素子によって、前記λ1の光束に対してk(kは自然数)次の回折光が生じ、前記λ2の光束に対してm(mはm≠kである自然数)次の回折光が生じ、前記λ1の光束に対してn(nはn≠kである自然数)次の回折光が生じることを特徴とする請求項60乃至62のいずれか1つに記載の光ピックアップ装置。
  64. m≠nであることを特徴とする請求項63に記載の光ピックアップ装置。
  65. m=nであることを特徴とする請求項63に記載の光ピックアップ装置。
  66. k=1、m=0、n=2であることを特徴とする請求項64に記載の光ピックアップ装置。
  67. k=2、m=1、n=0であることを特徴とする請求項64に記載の光ピックアップ装置。
  68. k=3、m=2、n=2であることを特徴とする請求項65に記載の光ピックアップ装置。
  69. k=5、m=3、n=2であることを特徴とする請求項64に記載の光ピックアップ装置。
  70. k=5、m=3、n=3であることを特徴とする請求項65に記載の光ピックアップ装置。
  71. k=7、m=4、n=4であることを特徴とする請求項65に記載の光ピックアップ装置。
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