JP2004026988A - 水系インク - Google Patents
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Abstract
【解決手段】着色剤及び末端に2以上の水酸基を有する水不溶性ポリマーを含有してなる水系インク。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、水系インクに関する。更に詳しくは、インクジェット記録用プリンターに好適に使用しうる水系インクに関する。
【0002】
【従来の技術】
水系インクの色材には、水溶性染料や顔料の水分散体が使用されている。水溶性染料は、色調の範囲が広く、色再現性に優れていることから、写真印刷に適した色材として用いられている。一方、顔料水分散体は、耐候性に優れていることから、印字物の長時間保存や屋外での使用に適した色材として用いられている。
【0003】
しかしながら、水溶性染料には、耐水性及び耐光性に劣り、普通紙に印字した時ににじみやすいという欠点がある。また、顔料水分散体には、顔料の分散安定性を高めるために、分散剤として界面活性剤や水溶性ポリマーを用いた場合、紙面での定着性が悪く、耐水性、耐擦過性及び耐マーカー性に劣るという欠点がある。更に、顔料水分散体には、水溶性染料ほどではないが、普通紙に印字した際ににじみやすいという欠点もある。
【0004】
そこで、近年、インク中に水不溶性ポリマーのポリマーエマルジョンを含有させる技術や、染料又は顔料をポリマーエマルジョン中に内包させる技術が提案されている。
【0005】
例えば、特開昭54−058504号公報、特開平7−258591号公報及び特開平7−268260号公報には、耐水性を向上させるために、疎水性染料を内包したポリマー微粒子を用いることが記載されている。また、特開2000−239591号公報には、耐擦過性を向上させるために、インク中にポリマーラテックスを配合することが記載されている。更に、特開平03−056573号公報及び特開平03−160069号公報には、耐にじみ性及び定着性の向上を目的として、インク中にポリマー微粒子を配合させることが記載されている。
【0006】
しかし、これらの技術には、耐水性、耐擦過性、耐にじみ性等にそれなりの効果が認められるものの、インクジェットプリンターで吐出させた際の吐出性が十分でないため、かすれた印字物になりやすいという欠点がある。
【0007】
また、特開2000−239591号公報には、吐出性を改善するために、更に特殊な溶剤をインク中に配合することが記載されている。しかし、この溶剤をインク中に配合した場合、所望する印字濃度が得られないことがあるため、印字品質の面においては、必ずしも有効な方法でない。
【0008】
特開平03−056573号公報は、ノズルの目詰まりを防止するために、ポリマー微粒子を架橋させることが記載されている。しかし、ノズルの目詰まりを十分に改善させるには、ある程度、ポリマー微粒子の架橋度を高める必要があるが、耐擦過性等の定着性が不十分となるという欠点がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、耐水性、耐マーカー性及び耐擦過性に優れるとともに、インクジェットプリンターで印字した際の吐出性及び耐にじみ性に優れた水系インクを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、着色剤及び末端に2以上の水酸基を有する水不溶性ポリマーを含有してなる水系インクに関する。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の水系インクにおいては、2以上の水酸基を有する水不溶性ポリマーが用いられているので、耐水性、耐マーカー性及び耐擦過性が優れるとともに、インクジェットプリンターで印字した際の吐出性及び耐にじみ性にも優れる。
【0012】
本明細書にいう水不溶性ポリマーの「末端」とは、水不溶性ポリマーの主鎖における末端を意味し、側鎖における末端を意味しない。但し、水不溶性ポリマーがグラフトコポリマーである場合には、水不溶性ポリマーの「末端」には、グラフト鎖の末端も含まれる。
【0013】
水不溶性ポリマーの末端には、 開始剤や連鎖移動剤由来の末端及びモノマー由来の末端がある。
【0014】
末端に2以上の水酸基を有する水不溶性ポリマーは、例えば、ポリマーを重合する際に、2以上の水酸基を有する連鎖移動剤、重合開始剤及び連鎖移動剤と開始剤の両方の機能をもつイニファーターを使用することによって製造することができる。このように2以上の水酸基を有する連鎖移動剤を用いた場合、インクジェットプリンターで吐出させた際の吐出性が良好となるという利点がある。
【0015】
2以上の水酸基を有する連鎖移動剤の代表例としては、式(II):
【0016】
【化1】
【0017】
〔式中、R4 、R5 、R6 、R8 、R10及びR11は、それぞれ独立して水素原子、−Cn H2n+1(nは1〜18の整数) 又は−Cn H2nO(CH2 CHYO)q H(Yは水素原子又はメチル基、qは0〜20の数、nは前記と同じ) ;R7 及びR9 はそれぞれ独立してヘテロ原子、−Cn H2n−(nは前記と同じ)又はヘテロ原子を含んでいてもよい2価の炭化水素基;Xはメルカプト基;a、d、f及びjはそれぞれ独立して0〜12;b、g及びkはそれぞれ独立して0〜30の数;c、h及びmはそれぞれ独立して1〜5の整数、e及びiはそれぞれ独立して0又は1を示す。但し、1分子中における水酸基の総数は2以上である〕
で表されるメルカプト基含有連鎖移動剤、式(III):
【0018】
【化2】
【0019】
〔式中、R12は水素原子又は−Cn H2n+1(nは前記と同じ) ;Yは前記と同じ;Xは前記と同じ;r、s及びtはそれぞれ独立して0〜30の数を示す。但し、1分子中における水酸基の総数は2以上である〕
で表されるメルカプト基含有連鎖移動剤等が挙げられ、これらは、それぞれ単独で又は混合して用いることができる。
【0020】
式(II)で表されるメルカプト基含有連鎖移動剤としては、例えば、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、1,2,6−ヘキサントリオール、2−エチル−2− (ヒドロキシメチル)−1,3− プロパンジオール、2−メチル−2− (ヒドロキシメチル)−1,3− プロパンジオール、ペンタエリスリトール、エリスリトール、D−、L−及びDL− トレイトール、アドニトール、D−及びL−アラビトール、キシリトール、ズルシトール、L−イジトール、D−マンニトール及びD−ソルビトール等のモノメルカプト化物が挙げられる。これらの中では、優れた吐出性を有する水系インクを得る観点から、グリセリンのモノメルカプト化物である3−メルカプト−1,2− プロパンジオール、ジグリセリンのモノメルカプト化物である6−メルカプトジグリセロール及びペンタエリスリトールのモノメルカプト化物が好ましく、3−メルカプト−1,2− プロパンジオールがより好ましい。
【0021】
式(III) で表されるメルカプト基含有連鎖移動剤としては、例えば、グルコースのモノメルカプト化物、α− メチルグルコシドのモノメルカプト化物、β− メチル−D− アロシドのモノメルカプト化物等が挙げられる。これらの中では、優れた吐出性を有する水系インクを得る観点から、グルコースのモノメルカプト化物が好ましく、具体的には1−チオ− β−D− グルコースがより好ましい。
【0022】
2以上の水酸基を有する連鎖移動剤の量は、優れた吐出性を有する水系インクを得る観点及び分散安定性の観点から、重合に供される全モノマー100 重量部に対して、0.001 〜10重量部であることが好ましい。また、耐水性、耐擦過性、吐出性及び耐にじみ性の兼合いから、2以上の水酸基を有する連鎖移動剤の量は、重合に供される全モノマー100 重量部に対して、好ましくは0.01〜7重量部、より好ましくは0.1 〜5重量部である。
【0023】
着色剤としては、顔料及び/又は染料を用いることができる。
顔料は、無機顔料及び有機顔料のいずれであってもよい。必要により、それらの顔料と体質顔料とを併用してもよい。
【0024】
無機顔料としては、例えば、カーボンブラック、金属酸化物、金属硫化物等が挙げられる。カーボンブラックとしては、ファーネスブラック、サーマルランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック、ガスブラック等が挙げられる。
【0025】
有機顔料としては、例えば、アゾ顔料、ジアゾ顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、イソインドリノン顔料、ジオキサジン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、チオインジゴ顔料、アンソラキノン顔料、キノフタロン顔料等が挙げられる。
【0026】
顔料は、水系インクに使用する場合には、界面活性剤、水溶性ポリマー又は後述する水に不溶なポリマーを用いて、インク中で安定な微粒子にする必要がある。特に、耐水性、耐擦過性、耐マーカー性及び耐にじみ性の観点から、後述する水不溶性ポリマーの粒子中に顔料を含有させることが好ましい。
【0027】
染料としては、耐水性の観点から、疎水性染料が好ましい。その例としては、油性染料、分散染料、塩基性染料等が挙げられる。これらの中では、油性染料及び分散染料が発色性の観点から好ましい。
【0028】
油性染料としては、特に限定されるものではないが、例えば、C.I.ソルベント・ブラック3、7、27、29、34;C.I.ソルベント・イエロー14、16、29、56、82;C.I.ソルベント・レッド1、3、8、18、24、27、43、51、72、73;C.I.ソルベント・バイオレット 3;C.I.ソルベント・ブルー2、11、70;C.I.ソルベント・グリーン3、7;C.I.ソルベント・オレンジ2等が挙げられる。
【0029】
分散染料としては、特に限定されるものではないが、好ましい例としては、C.I.ディスパーズ・イエロー5、42、54、64、79、82、83、93、99、100 、119 、122 、124 、126 、160 、184:1 、186 、198 、199 、204 、224 、237 ;C.I.ディスパーズ・オレンジ13、29、31:1、33、49、54、55、66、73、118 、119 、163 ;C.I.ディスパーズ・レッド54、60、72、73、86、88、91、93、111 、126 、127 、134 、135 、143 、145 、152 、153 、154 、159 、164 、167:1 、177 、181 、204 、206 、207 、221 、239 、240 、258 、277 、278 、283 、311 、323 、343 、348 、356 、362 ;C.I.ディスパーズ・バイオレット33;C.I.ディスパーズ・ブルー56、60、73、87、113 、128 、143 、148 、154 、158 、165 、165:1 、165:2 、176 、183 、185 、197 、198 、201 、214 、224 、225 、257 、266 、267 、287 、354 、358 、365 、368 ;C.I.ディスパーズ・グリーン6:1 等が挙げられる。
【0030】
疎水性染料は、水系インクに使用する場合、界面活性剤、水溶性樹脂又は後述する水に不溶なポリマーを用いて、インク中で安定な微粒子にする必要がある。特に、耐水性、耐擦過性、耐マーカー性及び耐にじみ性の観点から、水不溶性ポリマーの粒子中に含有させることが好ましい。疎水性染料は、水不溶性ポリマー中に効率的に封入させる観点から、25℃において水不溶性ポリマーを製造する際に使用する有機溶媒に2g/L 以上、好ましくは20〜500 g/L 溶解するものが望ましい。
【0031】
水不溶性ポリマーは、有機溶媒に溶解させ、水不溶性ポリマーを水分散体とする際の中和度に塩生成基を中和し、105 ℃で2時間乾燥させた後、25℃の水100gに溶解させたときに、その溶解度が2g未満であるポリマーを意味する。
【0032】
なお、水不溶性ポリマーの水分散体に含まれている水不溶性ポリマーの溶解度は、水分散体を105 ℃で2時間乾燥することによって水分散体に含まれている固形分を取り出し、該固形分を25℃の水100gに溶解させることによって求められる。
【0033】
水不溶性ポリマーとしては、水不溶性ビニルポリマーが好ましい。水不溶性ビニルポリマーとしては、(A)塩生成基含有モノマー〔以下、(A)成分という〕と、(B)マクロマー〔以下、(B)成分という〕と、(C)塩生成基含有モノマー及びマクロマーと共重合可能なモノマー〔以下、(C)成分という〕を含むモノマー混合物を共重合させてなる水不溶性ビニルポリマーが好ましい。
【0034】
(A)成分としては、カチオン性モノマー、アニオン性モノマー等が挙げられる。その例として、特開平9−286939号公報5頁7欄24行〜8欄29行に記載されているもの等が挙げられる。
【0035】
カチオン性モノマーの代表例としては、不飽和アミン含有モノマー、不飽和アンモニウム塩含有モノマー等が挙げられる。これらの中では、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、 N−(N’,N’−ジメチルアミノプロピル)(メタ)アクリルアミド及びビニルピロリドンが好ましい。
【0036】
アニオン性モノマーの代表例としては、不飽和カルボン酸モノマー、不飽和スルホン酸モノマー、不飽和リン酸モノマー等が挙げられる。これらの中では、アクリル酸、メタクリル酸等の不飽和カルボン酸モノマーが好ましい。
【0037】
(B)成分としては、数平均分子量500 〜100000、好ましくは1000〜10000 の重合可能な不飽和基を有するモノマーであるマクロマーが挙げられる。その中では、片末端に重合性官能基を有するスチレン系マクロマーが着色剤との親和性が高いことから好ましい。
【0038】
なお、(B)成分の数平均分子量は、溶媒として1mmol/Lのドデシルジメチルアミン含有クロロホルムを用いたゲルクロマトグラフィーにより、標準物質としてポリスチレンを用いて測定される。
【0039】
スチレン系マクロマーとしては、片末端に重合性官能基を有するスチレン単独重合体又はスチレンと他のモノマーとの共重合体が挙げられる。これらの中では、片末端に重合性官能基としてアクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を有するものが好ましい。マクロマー中におけるスチレン含量は、着色剤との親和性を高くさせる観点から、好ましくは50重量%以上、より好ましくは70重量%以上である。前記他のモノマーとしては、アクリロニトリル等が挙げられる。
【0040】
(C)成分としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、(イソ)プロピル(メタ)アクリレート、(イソ又はターシャリー)ブチル(メタ)アクリレート、(イソ)アミル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、(イソ)オクチル(メタ)アクリレート、(イソ)デシル(メタ)アクリレート、(イソ)ドデシル(メタ)アクリレート、(イソ)ステアリル(メタ)アクリレート等のエステル部の炭素数が1〜30である(メタ)アクリル酸エステル;スチレン、ビニルトルエン、2−メチルスチレン、クロロスチレン等のスチレン系モノマー等が挙げられ、これらは、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
【0041】
なお、本明細書にいう「(イソ又はターシャリー)」及び「(イソ)」は、これらの基が存在している場合とそうでない場合の双方を意味し、これらの基が存在していない場合には、ノルマルを示す。また、「(メタ)アクリレート」は、アクリレート又はメタクリレートを示す。
【0042】
(C)成分には、印字濃度及び耐マーカー性向上の観点から、スチレン系モノマーが含まれていることが好ましい。スチレン系モノマーとしては、スチレン及び2−メチルスチレンが好ましく、これらは単独で用いてもよく、併用してもよい。この場合、(C)成分におけるスチレン系モノマーの含有量は、印字濃度及び耐マーカー性向上の観点から、好ましくは10〜100 重量%、より好ましくは40〜100 重量%である。
【0043】
また、モノマー混合物には、(D)水酸基含有モノマー〔以下、(D)成分という〕及び(E)式(I):
CH2 C=C(R1 )COO(R2 O)p R3 (I)
(式中、R1 は水素原子又は低級アルキル基;R2 はヘテロ原子を有していてもよい炭素数1〜30の2価の炭化水素基;R3 は水素原子、又はヘテロ原子を有していてもよい炭素数1〜30の1価の炭化水素基;pは1〜60の数を示す)
で表されるモノマー〔以下、(E)成分という〕からなる群より選ばれた1種以上が含有されていてもよい。
【0044】
(D)成分は、分散安定性を高め、また印字した際に短時間で耐マーカー性を向上させるという優れた効果を発現するものである。
【0045】
(D)成分としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(n=2〜30)(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール(n=1〜15)・プロピレングリコール(n=1〜15))(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの中では、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートが好ましい。
【0046】
(E)成分は、水性インクの吐出安定性を高め、連続印字してもヨレの発生を抑制するという優れた効果を発現するものである。
【0047】
式(I) において、R1 は水素原子又は炭素数1〜5の低級アルキル基である。
【0048】
R2 は、ヘテロ原子を有していてもよい炭素数1〜30の2価の炭化水素基である。ヘテロ原子としては、例えば、窒素原子、酸素原子、ハロゲン原子及び硫黄原子が挙げられる。
【0049】
R2 の代表例としては、置換基を有していてもよい炭素数6〜30の芳香族環、置換基を有していてもよい炭素数3〜30のヘテロ環及び置換基を有していてもよい炭素数1〜30のアルキレン基が挙げられ、これらの環又は基は2種以上を組合わせたものであってもよい。置換基としては、炭素数6〜29の芳香族環、炭素数3〜29のヘテロ環、炭素数1〜29のアルキル基、ハロゲン原子、アミノ基等が挙げられる。
【0050】
R2 の好適な例としては、炭素数1〜24の置換基を有していてもよいフェニレン基、炭素数1〜30、好ましくは炭素数1〜20の脂肪族アルキレン基、芳香族環を有する炭素数7〜30のアルキレン基及びヘテロ環を有する炭素数4〜30のアルキレン基が挙げられる。
【0051】
また、R2 O基の好適な例としては、オキシエチレン基、オキシ(イソ)プロピレン基、オキシテトラメチレン基、オキシヘプタメチレン基、オキシヘキサメチレン基及びこれらオキシアルキレンの1種以上の組合せからなる炭素数2〜7のオキシアルキレン基やオキシフェニレン基が挙げられる。
【0052】
R3 は、ヘテロ原子を有していてもよい炭素数1〜30の1価の炭化水素基である。ヘテロ原子としては、例えば、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子が挙げられる。
【0053】
R3 の代表例としては、置換基を有していてもよい炭素数6〜30の芳香族環、置換基を有していてもよい炭素数3〜30のヘテロ環、又は置換基を有していてもよい炭素数1〜30のアルキル基が挙げられる。置換基としては、炭素数6〜29の芳香族環、炭素数4〜29のヘテロ環、ハロゲン原子、アミノ基等が挙げられる。
【0054】
R3 の好適な例としては、フェニル基、炭素数1〜30、好ましくは炭素数1〜20の脂肪族アルキル基、芳香族環を有する炭素数7〜30のアルキル基及びヘテロ環を有する炭素数4〜30のアルキル基が挙げられる。
【0055】
R3 のより好適な例としては、メチル基、エチル基、(イソ)プロピル基、(イソ)ブチル基、(イソ)ペンチル基、(イソ)ヘキシル基等の炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基等が挙げられる。
tは1〜60の数であるが、中でも1〜30の数が好ましい。
【0056】
(E)成分の具体例としては、メトキシポリエチレングリコール(1〜30:式(I) 中のpの値を示す。以下同じ)(メタ)アクリレート、メトキシポリテトラメチレングリコール(1〜30)(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコール(1〜30)(メタ)アクリレート、(イソ)プロポキシポリエチレングリコール(1〜30)(メタ)アクリレート、ブトキシポリエチレングリコール(1〜30)(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(1〜30)(メタ)アクリレート、メトキシ(エチレングリコール・プロピレングリコール共重合)(1〜30、その中のエチレングリコール:1〜29)(メタ)アクリレート等が挙げられ、これらはそれぞれ単独で又は2種以上を混合して使用することができる。これらの中では、メトキシポリエチレングリコール(1〜30)(メタ)アクリレートが好ましい。
【0057】
水不溶性ビニルポリマーにおける(A)成分の含量は、得られる分散体の分散安定性の観点から、好ましくは1〜50重量%、より好ましくは2〜40重量%である。
【0058】
水不溶性ビニルポリマーにおける(B)成分の含量は、特に着色剤を含有したポリマー微粒子の分散安定性の観点から、好ましくは1〜25重量%、より好ましくは5〜20重量%である。
【0059】
水不溶性ビニルポリマーにおける(C)成分の含量は、耐水性、耐擦過性、耐マーカー性及び耐ブリード性の観点から、好ましくは5〜98重量%、より好ましくは10〜60重量%である。
【0060】
水不溶性ビニルポリマーにおける(D)成分の含量は、吐出安定性、印字濃度及び耐マーカー性との観点から、好ましくは5〜40重量%、より好ましくは7〜20重量%である。
【0061】
水不溶性ポリマーにおける(A)成分と(D)成分との合計含量は、水中での安定性及び耐水性の観点から、好ましくは6〜60重量%、より好ましくは10〜50重量%である。
【0062】
水不溶性ビニルポリマーにおける(E)成分の含量は、吐出安定性及び分散安定性の観点から、好ましくは5〜50重量%、より好ましくは10〜40重量%である。
【0063】
また、水不溶性ビニルポリマーにおける(A)成分と(E)成分との合計含量は、水中での分散安定性及び吐出安定性の観点から、好ましくは6〜75重量%、より好ましくは13〜50重量%である。
【0064】
また、水不溶性ビニルポリマーにおける(A)成分と(D)成分と(E)成分との合計含量は、水中での分散安定性及び吐出安定性の観点から、好ましくは6〜60重量%、より好ましくは7〜50重量%である。
【0065】
水不溶性ビニルポリマーは、塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法等の公知の重合法により、モノマー混合物を共重合させることによって製造される。これらの重合法の中では、溶液重合法が好ましい。
【0066】
溶液重合法で用いる溶媒としては、特に限定されないが、極性有機溶媒が好ましい。また、極性有機溶媒を水と混合して用いることもできる。極性有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール等の炭素数1〜3の脂肪族アルコール;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;酢酸エチル等のエステル類等が挙げられる。これらの中では、メタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン又はこれらと水との混合液が好ましい。
【0067】
なお、重合の際には、ラジカル重合開始剤を用いることができる。ラジカル重合開始剤としては、2, 2’ − アゾビスイソブチロニトリル、2, 2’ − アゾビス(2, 4− ジメチルバレロニトリル)、ジメチル−2, 2’ −アゾビスブチレート、2, 2’ − アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1, 1’ − アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)等のアゾ化合物が好適である。また、t−ブチルペルオキシオクトエート、ジ−t− ブチルペルオキシド、ジベンゾイルオキシド等の有機過酸化物を使用することもできる。
【0068】
ラジカル重合開始剤の量は、モノマー混合物に対して、好ましくは0.001 〜5モル%、より好ましくは0.01〜2モル%である。
【0069】
モノマー混合物の重合条件は、使用するラジカル重合開始剤、モノマー、溶媒の種類等によって異なるが、通常、重合温度は30〜100 ℃、好ましくは50〜80℃であり、重合時間は1〜20時間である。また、重合雰囲気は、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気であることが好ましい。
【0070】
重合反応の終了後、再沈澱、溶媒留去等の公知の方法により、反応溶液から水不溶性ビニルポリマーを単離することができる。また、得られた水不溶性ビニルポリマーは、再沈澱を繰り返したり、膜分離、クロマトグラフ法、抽出法等により、未反応のモノマー等を除去して精製することができる。
【0071】
水不溶性ビニルポリマーの重量平均分子量は、3000〜100000であることが、印刷後の耐水性、耐擦過性、耐マーカー性及び分散安定性の点から好ましい。
【0072】
水不溶性ビニルポリマーの中和剤としては、塩生成基の種類に応じて酸又は塩基を使用することができる。酸としては、塩酸、硫酸等の無機酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸、コハク酸、グリコール酸、グルコン酸、グリセリン酸等の有機酸が挙げられる。塩基としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミン類、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物等が挙げられる。
【0073】
中和度には、特に限定がない。通常、得られる水分散液の液性が中性、例えば、pHが4.5 〜9.5 であることが好ましい。
【0074】
水不溶性ビニルポリマーを中和させた後に、インク中にそれ単独で配合してもよく、あるいは着色剤を含有させた水不溶性ビニルポリマーの粒子をインク中に配合してもよい。これらの中では、着色剤を含有させた水不溶性ビニルポリマーの粒子は、耐水性、耐マーカー性、耐擦過性、吐出性及び耐にじみ性の全てを満足させる観点から好ましい。
【0075】
インク中における水不溶性ポリマーの含有量は、耐水性、耐擦過性、耐マーカー性、吐出性及び耐ブリード性の観点からインク100 重量部に対して0.05〜20重量部、好ましくは0.1 〜10重量部、更に好ましくは0.5 〜5重量部である。
【0076】
顔料を含有させた水不溶性ポリマーの粒子の水分散体を得る方法としては、水不溶性ポリマーを有機溶媒に溶解させ、顔料、水、中和剤及び必要に応じ界面活性剤を加えて混練しペーストとした後、該ペーストを必要に応じて水で希釈し、有機溶媒を留去して水系にする方法が好ましい。
【0077】
また、疎水性染料を含有する水不溶性ポリマーの粒子の水分散体は、公知の乳化法によって製造することができる。例えば、水不溶性ポリマー及び疎水性染料を有機溶媒に溶解させ、必要に応じて中和剤を加えてポリマー中の塩生成基をイオン化し、これに水を添加した後、必要に応じて分散機又は超音波乳化機を用いて分散を行ない、その有機溶媒を留去して水系に転相することによって得ることができる。
【0078】
水不溶性ポリマーの粒子中の着色剤の量は、印字濃度を高め、ポリマー粒子に着色剤を含有のさせやすくし、耐水性、耐擦過性及び耐マーカー性を向上させる観点から、水不溶性ポリマーの固形分100 重量部に対して、好ましくは20〜1000重量部、より好ましくは40〜800 重量部、更に好ましくは60〜600 重量部である。
【0079】
水不溶性ポリマーの粒子及び着色剤を含有する水不溶性ポリマーの粒子の平均粒径は、製造例に示す方法で測定される。かかる平均粒径は、分散安定性の観点から、10〜500nm であることが好ましい。
【0080】
インク中における着色剤の含有量は、十分な印字濃度が得られるのであればよく、特に限定がない。通常、該含有量は、十分な吐出安定性及び印字濃度を付与する観点から、好ましくは1〜30重量%、より好ましくは2〜10重量%、さらに好ましくは4〜8重量%である。
【0081】
本発明の水性インクには、各種添加剤、例えば、多価アルコール等の湿潤剤、分散剤、消泡剤、防黴剤、キレート剤、pH調整剤等を添加することができる。
【0082】
【実施例】
製造例1〜5(ポリマー溶液の調製)
反応容器内に、メチルエチルケトン30重量部、表1の「初期仕込みモノマー」の欄に示す種類及び量のモノマー、並びに連鎖移動剤を仕込み、窒素ガス置換を十分に行った。
【0083】
一方、滴下ロートに、表1の「滴下モノマー」の欄に示す種類及び量のモノマー及び連鎖移動剤、メチルエチルケトン70重量部、並びに2,2’−アゾビス(2,4 −ジメチルバレロニトリル)0.1 重量部をメチルエチルケトン5重量部に溶解した溶液を加え、滴下ロートから反応容器内に滴下し、70℃で5時間重合、75℃で10時間熟成させ、ポリマー溶液を得た。
【0084】
得られたポリマー溶液の一部を、減圧下、105 ℃で2時間乾燥させ、溶媒を除去することによって単離し、標準物質としてポリスチレン、溶媒として1mmol/Lのドデシルジメチルアミン含有クロロホルムを用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより重量平均分子量を測定したところ、表1に示す重量平均分子量を有していた。
【0085】
なお、表1に示す各名称は、以下のことを意味する。
・スチレンマクロマー:東亜合成(株)製、商品名::AS−6〔スチレン単独重合マクロマー、片末端重合性官能基:メタクリロイルオキシ基、数平均分子量:6000〕
・ モノフェノキシポリエチレングリコール(n=6) メタクリレート:新中村化学(株)製、商品名:NKエステルPHE−6G
・モノメトキシポリエチレングリコール(n=4) メタクリレート:新中村化学(株)製、商品名:NKエステルM−40G
【0086】
【表1】
【0087】
製造例6(疎水性染料を含有する水不溶性ポリマー粒子の水分散体の調製)
製造例1で得られたポリマー溶液28重量部(ポリマー固形分量:50重量%)に、表2に記載の疎水性染料とトルエン100gを加え、疎水性染料を完全に溶解させた後、表2に示す中和剤を加えてポリマーの塩生成基を中和し、更にイオン交換水200 重量部を加えて攪拌した後、マイクロフルイタイザー(マイクロフルイタイザー社製)を用いて、30分間分散させた。
【0088】
得られた分散体を、エバポレーターを用いてメチルエチルケトン、トルエン及び一部の水を留去し、固形分量が20重量%の疎水性染料を含有する水不溶性ポリマー粒子の水分散体を得た。得られた水分散体に含まれている水不溶性ポリマーの粒子の平均粒径を以下の方法に基づいて測定した。その結果を表2に示す。
【0089】
なお、製造例6で得られた色材は、含有されているポリマーのメタクリル酸が70モル%中和されており、水不溶性を呈するため、疎水性染料を含有する水不溶性ポリマー粒子の水分散体である。
【0090】
〔水不溶性ポリマーの粒子の平均粒径の測定法〕
大塚電子(株)製のELS−8000を用いて測定した。測定条件は、温度が25℃、入射光と検出器との角度が90°、積算回数が100 回であり、分散溶媒の屈折率として水の屈折率(1.333) を入力した。また標準物質としてセラディン(Seradyn) 社製のユニフォーム・マイクロパーティクルズ (平均粒径204nm)を用いた。
【0091】
製造例7〜10(顔料を含有する水不溶性ポリマー粒子の水分散体の調製)
製造例2〜5で得られたポリマー溶液28重量部(ポリマー固形分:50重量%)に、表2に示す顔料、メチルエチルケトン、イオン交換水及び中和剤を加えて十分に攪拌した後、3本ロール〔(株)ノリタケカンパニー製、商品名:NR−84A )を用いて20回混練した。
【0092】
得られたペーストをイオン交換水250 重量部に投入し、十分に攪拌した後、エバポレーターを用いてメチルエチルケトン及び水を留去し、固形分量が20重量%の顔料を含有する水不溶性ポリマー粒子の水分散体を得た。得られた水不溶性ポリマー粒子の水分散体の平均粒径の測定結果を表2に示す。
【0093】
なお、表2に記載の各名称は、以下のことを意味する。
・マゼンタ染料:オリエント化学(株)製、商品名:オイルピンク312
・カーボンブラック:デグサ社製、商品名:Color Black FW18
・シアン顔料:大日本インキ工業(株)、商品名:Fastogen Blue TGR−SD
【0094】
【表2】
【0095】
実施例1〜4
製造例6〜9で得られた着色剤含有ビニルポリマー粒子の水分散体20重量部、グリセリン8重量部、ポリエチレングリコール(分子量:800)5重量部、アセチレングリコール・ポリエチレンオキサイド付加物(川研ファインケミカル(株)製、商品名:アセチレノールEH)0. 2部及びイオン交換水66.8重量部を混合し、得られた混合液を1.2 μmのメンブランフィルター(富士写真フィルム(株)製、商品名:ディスクカプセル CALC120 2.5CMD 50)で濾過し、水系インクを得た。
【0096】
実施例5
着色剤を含まない製造例4で得られたポリマーエマルジョン(ポリマー中のメタクリル酸の70モル%が中和。固形分量が20重量%の水分散体。平均粒子径:140nm)10重量部、自己分散型カーボンブラック(固形分量が15重量%の水分散体、キャボット社製、商品名:CAB−O−JET TM300 )26重量部、グリセリン8重量部、ポリエチレングリコール(分子量:800)5重量部、アセチレングリコール・ポリエチレンオキサイド付加物〔川研ファインケミカル(株)製、商品名:アセチレノールEH〕0.2 部及びイオン交換水50.8重量部を混合し、得られた混合液を1.2 μmのメンブランフィルター〔富士写真フィルム(株)製、商品名:ディスクカプセル CALC120 2.5CMD 50〕で濾過し、水系インクを得た。
【0097】
比較例1
実施例1において、着色剤含有ビニルポリマー粒子の水分散体を製造例10で得られた水不溶性ポリマー粒子の水分散体に変更した以外は、実施例1と同様にして水系インクを得た。
【0098】
次に、各実施例及び比較例で得られた水系インクの物性を以下の方法に基づいて測定した。その結果を表3に示す。
【0099】
(1) 水系インクの吐出性及び耐にじみ性
市販のキャノン(株)製のバブルジェットプリンター(登録商標)(F870)を用いて、キャノンPB紙に2000文字/枚を10枚連続印刷した後、文字、ベタパターン及び罫線を含むテスト文書を印字し、吐出性を評価した。その評価基準は、以下のとおりである。
【0100】
〔評価基準〕
◎:シャープでハッキリとした文字、均一なベタ印刷、及びよれのない罫線印刷の3項目をいずれも満足する場合(実使用上問題なし)
○:シャープでハッキリとした文字、均一なベタ印刷、及びよれのない罫線印刷の3項目をいずれもほぼ満足する場合(実使用上問題なし)
×:シャープでハッキリとした文字、均一なベタ印刷、及びよれのない罫線印刷のうち、1項目以上を満足しない場合(実使用上問題あり)
【0101】
(2) 耐水性
上記プリンターと紙を用い、ベタ印字し、25℃下に1時間放置させた後、静水中に垂直に10秒間浸漬し、そのまま垂直に引き上げた。25℃にて自然乾燥させた後印字濃度を測定した。ベタ印字した直後の印字濃度に対する浸漬後の印字濃度の残存率を求め、下記基準で耐水性を評価した。
【0102】
〔評価基準〕
◎:残存率95%以上
○:残存率90%以上95%未満
△:残存率70%以上90%未満
×:残存率70%未満。
【0103】
(3) 耐マーカー性
上記プリンターと紙を用い、テキスト印字し、6時間後、市販の水性蛍光ペン(PILOT 社製、商品名:スポットライターV OA SGV−15SL )でなぞった場合の印字サンプルの汚れ度合いを目視により下記基準で評価した。
【0104】
〔評価基準〕
◎:蛍光ペンでなぞっても尾引き等汚れがない。
○:蛍光ペンでなぞると尾引きするが、実用上問題がないレベル。
×:蛍光ペンでなぞると尾引きが発生し、汚れがひどい。
【0105】
(4) 耐擦過性
上記プリンターを用い、光沢紙(エプソン社製、商品名:MC光沢紙)にベタ印字し、6時間後、指で強く印字面を擦った。その印字のとれ具合を下記基準で評価した。
【0106】
〔評価基準〕
◎:ほとんど印字はとれず、周りが黒くならない。
○:印字が擦りとられ、少し周りが黒くなるが、実用上問題ないレベル。
×:かなり印字が擦りとられ、周りがひどく黒くなり、指も相当汚れる。
【0107】
【表3】
【0108】
表3に示された結果から、各実施例で得られた水系インクは、吐出性、耐にじみ性、耐水性、耐マーカー性及び耐擦過性に優れたものであることがわかる。
【0109】
【発明の効果】
本発明の水系インクは、耐水性、耐マーカー性及び耐擦過性に優れるとともに、インクジェットプリンターで印字した際の吐出性及び耐にじみ性に優れたものである。
Claims (8)
- 着色剤及び末端に2以上の水酸基を有する水不溶性ポリマーを含有してなる水系インク。
- 水不溶性ポリマーが有する水酸基が、2以上の水酸基を有する連鎖移動剤に由来する請求項1記載の水系インク。
- 連鎖移動剤が、メルカプト基含有連鎖移動剤である請求項2記載の水系インク。
- 着色剤が、顔料及び/又は染料である請求項1〜3いずれか記載の水系インク。
- 水不溶性ポリマーが、(A)塩生成基含有モノマーと、(B)マクロマーと、(C)塩生成基含有モノマー及びマクロマーと共重合可能なモノマーを含むモノマー混合物を共重合させてなる水不溶性ビニルポリマーである請求項1〜4いずれか記載の水系インク。
- 連鎖移動剤が、3−メルカプト−1,2− プロパンジオール又は1−チオ− β−D− グルコースである請求項2〜6いずれか記載の水系インク。
- 水不溶性ポリマーの粒子に、着色剤が含有されてなる請求項1〜7いずれか記載の水系インク。
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