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JP2004025421A - 塊状野菜の切断器およびその切断方法 - Google Patents

塊状野菜の切断器およびその切断方法 Download PDF

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JP2004025421A
JP2004025421A JP2002215862A JP2002215862A JP2004025421A JP 2004025421 A JP2004025421 A JP 2004025421A JP 2002215862 A JP2002215862 A JP 2002215862A JP 2002215862 A JP2002215862 A JP 2002215862A JP 2004025421 A JP2004025421 A JP 2004025421A
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blade
cutting
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vegetables
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Tsugitoshi Hirano
平野 次敏
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HIRANO SEISAKUSHO KK
Original Assignee
HIRANO SEISAKUSHO KK
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Publication date
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Abstract

【課題】塊状野菜を均一かつ容易にシャトー切りや飾り切り可能とする。
【解決手段】同一線上に沿って同心状に刃物ユニット1,2,3を複数段配置し、これらの刃物ユニット1,2,3には、それぞれ塊状野菜の可食部と不可食部を分断する分断刃と、前記塊状野菜の可食部を径方向に複数に分割する分割刃と、前記径方向に複数に分割された可食部の角部を切断する角部切断刃とが形成され、前記塊状野菜の供給側から排出側に、少なくとも前記分断刃と前記分割刃のいずれかと前記角部切断刃を順次配置した。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、じゃがいも,人参,里芋,大根などの塊状野菜(以下、被切断物ともいう。)を切断する塊状野菜の切断器およびその切断方法に係り、特に塊状野菜をシャトー切りや飾り切りすることの可能な塊状野菜の切断器およびその切断方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、じゃがいも,人参などの塊状野菜は、煮込み料理などに用いる場合、煮崩れを防止するためにシャトー切りされている。このシャトー切りは、塊状野菜を卵形に切断する切断方法であり、例えば人参をシャトー切りする場合には、調理者が包丁を用いて人参を軸方向に分割した後、この分割した円柱状の人参をくし形に切り、次いでくし形に切断した人参を面取りしつつ不可食部である皮を剥いて卵形に仕上げている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のように調理者が包丁を用いて人参をシャトー切りする場合には、人参を軸方向に分割した後、この分割した円柱状の人参をくし形に切り、次いでくし形に切断した人参を面取りしつつ不可食部である皮を剥く作業が必要になり、人参の切断および切削作業を多数回に亘り行わなければならず、面倒で手間がかかり、極めて作業効率が低いという課題がある。
【0004】
また、従来では調理者が包丁を用いてシャトー切りしているので、シャトー切りされた人参の形状および大きさにバラツキが生じ、商品としての価値を著しく損ねてしまうという課題がある。加えて、野菜を飾り切りする場合にも、上記シャトー切りと同様の課題がある。
【0005】
本発明は上述した事情を考慮してなされたもので、塊状野菜を均一かつ容易にシャトー切りや飾り切り可能な塊状野菜の切断器およびその切断方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1記載の発明は、同一線上に沿って同心状に刃物ユニットを複数段配置し、これらの刃物ユニットには、それぞれ塊状野菜の可食部と不可食部を分断する分断刃と、前記塊状野菜の可食部を径方向に複数に分割する分割刃と、前記径方向に複数に分割された可食部の角部を切断する角部切断刃とが形成され、前記塊状野菜の供給側から排出側に、少なくとも前記分断刃と前記分割刃のいずれかと前記角部切断刃を順次配置したことを特徴とする。
【0007】
ここで、本発明のいう塊状野菜とは、じゃがいも,人参,里芋,大根などの被切断物である。
【0008】
請求項1記載の発明によれば、各刃物ユニットに、それぞれ被切断物の可食部と不可食部を分断する分断刃と、塊状野菜の可食部を径方向に複数に分割する分割刃と、径方向に複数に分割された可食部の角部を切断する角部切断刃とが形成され、塊状野菜の供給側から排出側に、少なくとも分断刃と分割刃のいずれかと角部切断刃を順次配置したことにより、塊状野菜を一回の押出し操作で容易にシャトー切りや飾り切りすることが可能となるため、作業効率を著しく向上させることができる。
【0009】
また、本発明の切断器では、塊状野菜を押し出してシャトー切りや飾り切りするため、シャトー切りや飾り切りされた塊状野菜の形状および大きさにバラツキがなく、商品価値を著しく高めることができる。
【0010】
因みに、被切断物の供給側から排出側に、少なくとも分断刃と分割刃のいずれかと角部切断刃を順次配置した理由は、塊状野菜が人参のように堅くて組織の稠密な材料の場合、供給側に一つの刃物ユニットで一回の操作で大まかな形状から細かい形状までの全体形状を切断しようとすると、切断抵抗が大きすぎて塊状野菜を排出側に押し込むことが極めて困難である。塊状野菜を無理に押し込むと、塊状野菜が圧潰したり、切断する刃に無理な力が加わり、その刃物の本来の形状を保持することができなくなり、切断された面に凹凸などが形成されて商品価値を著しく損ねることになる。
【0011】
そこで、本発明は、塊状野菜の供給側から排出側に、少なくとも分断刃と分割刃のいずれかと角部切断刃を順次配置することで、大まかな部分を切断する分断刃と分割刃のいずれかを供給側に配置し、角部切断刃で細かい部分を切断する前に大まかな部分を予め切断しておくことにより、塊状野菜が人参のように堅くて組織の稠密な材料の場合でも、各刃物を段階的に配置することによって切断抵抗を小さくし、角部切断刃に無理な力が作用することなく、塊状野菜を排出側に容易に押し込んで切断することが可能となり、切断された面が滑らかになる。
【0012】
請求項2記載の発明は、同一線上に沿って同心状に刃物ユニットを複数段配置し、これらの刃物ユニットは、塊状野菜の可食部と不可食部とを分断し、かつ前記不可食部を縦切りする分断刃が形成された第1刃物ユニットと、前記塊状野菜の可食部を径方向に複数に分割する分割刃が形成された第2刃物ユニットと、前記第1刃物ユニットおよび前記第2刃物ユニットの前記塊状野菜の排出側に配置され、前記径方向に複数に分割された可食部の角部を切断する角部切断刃が形成された第3刃物ユニットとを備えたことを特徴とする。
【0013】
請求項2記載の発明によれば、各刃物ユニットは、塊状野菜の可食部と不可食部とを分断し、かつ不可食部を縦切りする分断刃が形成された第1刃物ユニットと、塊状野菜の可食部を径方向に複数に分割する分割刃が形成された第2刃物ユニットと、第1刃物ユニットおよび第2刃物ユニットの塊状野菜の排出側に配置され、径方向に複数に分割された可食部の角部を切断する角部切断刃が形成された第3刃物ユニットとを備えたことにより、請求項1と同様に塊状野菜を一回の押出し操作で容易にシャトー切りや飾り切りすることが可能となるため、作業効率を著しく向上させることができる。また、本発明の切断器により塊状野菜を押し出してシャトー切りや飾り切りするため、シャトー切りや飾り切りされた塊状野菜の形状および大きさにバラツキがなく、商品価値を著しく高めることができる。
【0014】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の塊状野菜の切断器において、第2刃物ユニットは、前記第1刃物ユニットの前記塊状野菜の排出側に配置されたことを特徴とする。
【0015】
請求項3記載の発明によれば、第2刃物ユニットを第1刃物ユニットの塊状野菜の排出側に配置したことにより、塊状野菜の可食部と不可食部とを分断した後、可食部を径方向に複数に分割することができるので、大まかな部分を効率的に切断することができる。
【0016】
請求項4記載の発明は、請求項1または2記載の塊状野菜の切断器において、前記複数段の刃物ユニットを固定する基板と、この基板を支持する脚部と、前記複数段の刃物ユニットの供給側に配置された前記塊状野菜を押圧する押圧手段とを備えたことを特徴とする。
【0017】
請求項4記載の発明によれば、脚部で支持された基板に複数段の刃物ユニットを固定し、この複数段の刃物ユニットの供給側に塊状野菜を配置し、その塊状野菜を押圧手段にて押圧することにより、塊状野菜の切断作業を確実かつ容易に行うことができる。
【0018】
請求項5記載の発明は、同一線上に沿って同心状に配置された複数段の刃物ユニットの供給側から塊状野菜を供給して前記塊状野菜の可食部と不可食部を分断する分断工程と、前記塊状野菜の可食部を径方向に複数に分割する分割工程と、前記径方向に複数に分割された可食部の角部を切断する角部切断工程とを備え、前記分断工程および前記分割工程の後に前記角部切断工程を実行し、前記複数段の刃物ユニットの排出側から切断された塊状野菜を排出することを特徴とする。
【0019】
請求項5記載の発明によれば、分断工程および分割工程の後に角部切断工程を実行し、複数段の刃物ユニットの排出側から切断された塊状野菜を排出することにより、塊状野菜を供給側から排出側に容易に押し込んで切断することが可能となり、作業効率を著しく向上させることができる。また、本発明の切断方法により塊状野菜を押し出してシャトー切りや飾り切りするため、シャトー切りや飾り切りされた塊状野菜の形状および大きさにバラツキがなく、商品価値を著しく高めることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
【0021】
図1は本発明に係る塊状野菜の切断器の一実施形態を示す斜視図、図2は図1の第1刃物ユニットを示す斜視図、図3は図1の第2刃物ユニットを示す斜視図、図4は図1の第3刃物ユニットを示す斜視図、図5は図1の排出部を示す斜視図である。なお、図1〜図5においては、上側を被切断部である塊状野菜の供給側とし、下側を切断された塊状野菜の排出側とし、塊状野菜としての人参を切断する場合について説明する。
【0022】
図1に示すように、本実施形態における塊状野菜の切断器は、切断器本体Cを有し、この切断器本体Cは、同一直線上に沿って同心状に第1、第2、第3刃物ユニットである複数段の刃物ユニット1,2,3が上側から順次2枚一組で重ね合わされて積層して配置されている。また、これらの刃物ユニット1,2,3の下側には、同一直線上に沿って同心状に接続板4および排出部5が配置され、接続板4に排出部5の上端が溶着されている。
【0023】
さらに、各刃物ユニット1,2,3および接続板4は、図2〜図5に示すようにそれぞれ同一外形をなし正方形状のステンレス鋼薄板から形成され、各隅角部に通孔6がそれぞれ穿設され、図1に示すように各刃物ユニット1,2,3および接続板4の各通孔6にそれぞれ通しボルト7を挿通し、これらの通しボルト7にそれぞれナット8を螺合することで、各刃物ユニット1,2,3および接続板4が互いに重ね合わされて積層して固定されると同時に、各刃物ユニット1,2,3は接続板4を介して排出部5と一体に固定される。
【0024】
次に、図2および図6〜図8に基づいて刃物ユニット1の構成を説明する。図6は図2の平面図、図7は図6のA−A線断面図、図8は図6のB−B線断面図である。
【0025】
図2および図6〜図8に示すように、刃物ユニット1は上板11と下板12とが重ね合わせて積層され、これら上板11および下板12は、それぞれ塊状野菜の可食部と不可食部とを分断する略八角形の角形抜き部13,14が形成されているとともに、これら角形抜き部13,14の外周から放射状に可食部を縦切りする4本の縦切り部15,16がそれぞれ形成されている。なお、縦切り部15,16は、被切断物である塊状野菜の直径より長く延びるように形成されている。
【0026】
そして、4本の縦切り部15,16の間は、それぞれ円弧状に切り欠かれて円弧部17が形成され、これらの円弧部17、4本の縦切り部15,16および角形抜き部13,14により、分断および縦切りされた不可食部を導く略扇形状の4つの導孔18が形成されている。
【0027】
さらに、図7および図8に示すように、下板12の角形抜き部14および4本の縦切り部16の上面は、刃が形成されずに水平面に形成されているものの、上板11は角形抜き部13が外周側に傾斜面を有する分断刃としての片刃13aが形成されるとともに、縦切り部15の上面に両刃15aが形成されている。
【0028】
したがって、刃物ユニット1の上面に塊状野菜を載置して押し込むと、略八角形の角形抜き部13の片刃13aにより可食部と不可食部とが分断されると同時に、4本の縦切り部15の両刃15aにより不可食部が4つに縦切りされる。
【0029】
ここで、角形抜き部13の片刃13aにより分断された不可食部は、片刃13aが角形抜き部13が外周側に傾斜面を有して形成されていることから、角形抜き部13の外周側に導かれ、4本の縦切り部15の両刃15aにより4つに縦切りされて縦切り部15間の導孔18に導かれる。
【0030】
なお、刃物ユニット1は、上板11の角形抜き部13および縦切り部15の上面にそれぞれ刃先を形成し、下板12の角形抜き部14および4本の縦切り部16の上面に刃を形成せずに水平面に形成したのは、本実施形態はレーザ加工機によって角形抜き部13,14、縦切り部15,16、円弧部17および導孔18を形成するため、厚さが薄いと成形し易い反面、強度上懸念があるため、刃先が形成された上板11と刃が形成されていない下板12とを重ね合わせて積層して望ましい強度を得ている。これは、以下に説明する各刃物ユニット2,3についても同様である。しかしながら、被切断物である塊状野菜の堅さの程度によっては、刃先が形成されている上板11のみで十分対応可能である。
【0031】
次に、図3および図9〜図11に基づいて刃物ユニット2の構成を説明する。図9は図3の平面図、図10は図9のC−C線断面図、図11は図9のD−D線断面図である。
【0032】
図3および図9〜図11に示すように、刃物ユニット2は、刃物ユニット1と同様に上板21と下板22とが重ね合わせて積層され、これら上板21および下板22には、それぞれ中心から放射して延び、刃物ユニット1により分断された可食部を径方向に4分割するための十字状部23,24がそれぞれ形成されているとともに、各十字状部23,24の交差部は、それぞれ4つのアール部25,26が形成されている。
【0033】
そして、各十字状部23,24の間は、それぞれ円弧状に切り欠かれて円弧部27が形成され、これらの円弧部27、十字状部23,24および4つのアール部25,26により、十字状部23,24により分割された可食部を導く扇形状の4つの導孔28が形成されている。
【0034】
また、図10および図11に示すように、下板22の十字状部24およびアール部26の上面は、刃が形成されずに水平面に形成されているものの、上板21は十字状部23に分割刃としての両刃23aが形成されるとともに、各アール部25に外周側に傾斜面を有する分割刃としての片刃25aが形成されている。
【0035】
したがって、刃物ユニット1により分断された可食部をさらに押し込むと、その可食部は、刃物ユニット2の上板21における各アール部25の片刃25aにより中心部分がアール状に切り欠かれて面取りされると同時に、径方向に十字状に切断されて4つに分割される。
【0036】
ここで、各アール部25の片刃25aにより中心部分がアール状に切り欠かれた可食部は、片刃25aが外周側に傾斜面を有することから各アール部25の外周側に形成された4つの導孔28に導かれる。
【0037】
次に、図4および図12〜図15に基づいて刃物ユニット3の構成を説明する。図12は図4の平面図、図13は図12のE−E線断面図、図14は図12のF−F線断面図、図15は図12のG−G線断面図である。
【0038】
図4および図12〜図15に示すように、刃物ユニット3は、刃物ユニット1と同様に上板31と下板32とが重ね合わせて積層され、これら上板31および下板32には、積層時における刃物ユニット2の4つのアール部25,26と同位置にそれぞれ4つのアール部33,34が同一形状に形成されているとともに、これらのアール部33,34の外周方向に刃物ユニット2の十字状部23,24と同位置にそれぞれ十字状部35,36が同一形状に形成されている。
【0039】
また、上板31および下板32には、積層時における刃物ユニット1の角形抜き部13,14と同位置に、それぞれ八角形の4辺を除く4辺に角形抜き部37,38が同一形状に形成されているとともに、他の4辺にそれぞれ4つのアール部39,40が形成されている。
【0040】
さらに、4つのアール部39,40の外周側には、積層時における刃物ユニット1の4本の縦切り部15,16と同位置に、4本の縦切り部41,42がそれぞれ同一厚さで形成されている。
【0041】
そして、4本の縦切り部41,42の間は、積層時における刃物ユニット1の円弧部17と同位置に、それぞれ円弧状に切り欠かれて円弧部43が同一形状に形成され、これらの円弧部43、4本の縦切り部41,42および角形抜き部37,38により、刃物ユニット1の導孔18と同位置に、4つの導孔44が略同一形状に形成されている。これにより、4つの導孔44は、刃物ユニット1〜3を積層した時、刃物ユニット1の4つの導孔18および刃物ユニット2の4つの導孔28に対して連通状態となる。
【0042】
また、図13〜図15に示すように、下板32の上面、上板31のアール部33、十字状部35および4本の縦切り部41には、刃が形成されずに水平面に形成されているものの、上板31の各辺に4つ形成されたアール部39の内、外側アール部39Aには、外周側に傾斜面を有する角部切断刃としての片刃39aが形成される一方、内側アール部39Bには、内周側に傾斜面を有する角部切断刃としての片刃39bが形成されている。
【0043】
したがって、刃物ユニット2の上板21における各アール部25の片刃25aにより中心部分がアール状に切り欠かれて面取りされると同時に、径方向に十字状に切断されて4つに分割された可食部は、刃物ユニット3の上板31におけるアール部39の片刃39bにより径方向両端の角部が面取りされる。
【0044】
次に、図5に基づいて接続板4および排出部5の構成を説明する。
【0045】
図5に示すように、接続板4は刃物ユニット3の下板32と略同一の構成である。すなわち、接続板4は、積層時における刃物ユニット3の4つのアール部33,34と同位置にそれぞれ4つのアール部47が同一形状に形成されているとともに、このアール部47の外周方向に刃物ユニット3の十字状部36と同位置に十字状部48が同一形状に形成されている。
【0046】
また、接続板4には、積層時における刃物ユニット3の角形抜き部37,38と同位置に若干小さく、それぞれ八角形の4辺を除く4辺に角形抜き部49が同一形状に形成されているとともに、他の4辺にそれぞれ4つのアール部50が形成されている。
【0047】
さらに、4つのアール部50の外周側には、積層時における刃物ユニット3の4本の縦切り部41,42と同位置に、4本の縦切り部51がそれぞれ同一厚さで形成されている。
【0048】
そして、4本の縦切り部51の間は、積層時における刃物ユニット3の円弧部43と同位置に、それぞれ円弧状に切り欠かれて円弧部52が同一形状に形成され、この円弧部52、4本の縦切り部51、アール部50および角形抜き部49により、刃物ユニット3の導孔44と同位置に、4つの導孔53が同一形状に形成されている。これにより、4つの導孔53は、接続板4を刃物ユニット1〜3と積層した時、刃物ユニット1の4つの導孔18、刃物ユニット2の4つの導孔27、刃物ユニット3の導孔44に対して連通状態となる。
【0049】
また、アール部50を除いた角形抜き部49の4つの外周面には、それぞれ排出部5の分離板54の上端が溶接により固着されている。これら4枚の分離板54は長尺に形成されるとともに、その横断面形状がアール部50を除いた角形抜き部49の外周面の形状と同一形状に形成され、分離板54間には長手方向にスリット55が形成されている。そして、4枚の分離板54の下部は、それぞれ4枚の矩形状に形成された連結板56により連結されて一体化されている。
【0050】
したがって、接続板4に排出部5の分離板54を固着したことにより、切断された可食部と縦切りされた不可食部とを適確に分離し、また分離板54間にスリット55を形成したことにより、分離板54の内壁に接着した可食部を容易に除去することができる。
【0051】
次に、本実施形態における塊状野菜の切断方法を説明する。
【0052】
まず、塊状野菜の可食部と不可食部を分断する分断工程では、刃物ユニット1の上面に塊状野菜である人参を載置して押し込むと、略八角形の角形抜き部13の片刃13aにより可食部と不可食部とが分断されると同時に、4本の縦切り部15の両刃15aにより不可食部が4つに縦切りされる。ここで、角形抜き部13の片刃13aは、外周側に傾斜面を有するので、分断され4つに縦切りされた不可食部は4つの導孔18に円滑に案内される。
【0053】
次いで、塊状野菜の可食部を径方向に複数に分割する分割工程では、刃物ユニット1により分断された可食部をさらに押し込むと、その可食部は、刃物ユニット2の上板21における各アール部25の片刃25aにより中心部分がアール状に切り欠かれて面取りされると同時に、径方向に十字状に切断されて4つに分割される。ここで、十字状部23には、両刃23aが形成されているものの、各アール部25の片刃25aが外周側に傾斜面を有しているので、径方向に4つに分割された可食部は4つの導孔27の外周方向に案内される。
【0054】
さらに、可食部の角部を切断する角部切断工程では、径方向に十字状に切断されて4つに分割された可食部が刃物ユニット3の上板31におけるアール部39の内側アール部39Bの片刃39bにより径方向両端の角部が面取りされてシャトー切りされる。ここで、内側アール部39Bの片刃39bは、内周側に傾斜面を有しているので、面取りされてシャトー切りされた可食部は、角形抜き部37,38内に確実に案内される。
【0055】
そして、シャトー切りされた可食部と縦切りされた不可食部は、接続板4および排出部5により適確に分離して排出される。なお、本実施形態によりシャトー切りされた可食部は、卵形ではないものの、別途刃物によって両端部を面取りすることで、容易に卵形に成形することができる。
【0056】
このように本実施形態の切断器によれば、各刃物ユニット1,2,3は、塊状野菜の可食部と不可食部とを分断し、かつ不可食部を縦切りするために角形抜き部13に片刃13aが形成された第1刃物ユニット1と、塊状野菜の可食部を径方向に複数に分割するために十字状部23に両刃23aが形成された第2刃物ユニット2と、第1刃物ユニット1および第2刃物ユニット2の塊状野菜の排出側に配置され、径方向に複数に分割された可食部の角部分を切断するためにアール部39に39a,39bが形成された第3刃物ユニット3とを備えたことにより、塊状野菜を一回の押出し操作で容易にシャトー切りすることが可能となるため、作業効率を著しく向上させることができる。
【0057】
また、本実施形態の切断器本体Cでは、塊状野菜を押し出してシャトー切りするため、シャトー切りされた塊状野菜の形状および大きさにバラツキがなく、商品価値を著しく高めることができる。
【0058】
さらに、第2刃物ユニット2を第1刃物ユニット1の塊状野菜の排出側に配置したことにより、塊状野菜の可食部と不可食部とを分断した後、可食部を径方向に複数に分割することができるので、大まかな部分を効率的に切断することができる。
【0059】
本実施形態における塊状野菜の切断方法によれば、分断工程および分割工程の後に角部切断工程を実行し、複数段の刃物ユニット1,2,3の排出側から切断された塊状野菜を排出することにより、塊状野菜を排出側に容易に押し込んで切断することが可能となり、作業効率を著しく向上させることができる。また、本発明の切断方法により塊状野菜を押し出してシャトー切りするため、シャトー切りされた塊状野菜の形状および大きさにバラツキがなく、商品価値を著しく高めることができる。
【0060】
なお、本実施形態では、刃物ユニット1と刃物ユニット2を上下逆に配置してもよく、要するに刃物ユニット3で細かい部分を切断する前に大まかな部分を予め切断しておけばよい。しかしながら、最初に刃物ユニット2で塊状野菜を分割すると、被切断物によっては分割した可食部が外周方向に開いてしまい、次の刃物ユニット1で分断しにくくなるため、上記実施形態のように刃物ユニット1で分断した後に刃物ユニット2で分割することが望ましい。
【0061】
また、本実施形態では、複数段の刃物ユニット1,2,3をそれぞれ2枚一組で重ね合わせて積層したが、これに限らず2枚一組に重ね合わせた刃物ユニット1,2,3を互いに一定間隔をおいて配置してもよい。
【0062】
次に、本実施形態による切断器本体Cを装備した切断装置を図16および図17に基づいて説明する。図16は本実施形態による切断器本体を装備した切断装置を示す斜視図、図17は本実施形態による切断器本体を装備した切断装置の切断状態を示す斜視図である。
【0063】
図16および図17に示すように、切断装置60は、角形パイプを折曲形成した脚部フレーム61,61を有し、これら脚部フレーム61,61はフレーム固定具62を介してねじにより固着されて一体化されるとともに、脚部フレーム61,61の上部に門形の案内フレーム63が鉛直方向にねじにより固定されている。
【0064】
また、脚部フレーム61,61の下端近傍には、カラー64を装着したねじロッドがそれぞれく字状に折曲形成された揺動フレーム65,65の下端に挿通することで、揺動フレーム65,65が脚部フレーム61,61に揺動可能に取り付けられている。揺動フレーム65,65の長手方向略中間部には、図17に示すように補強用およびばね取付軸66が架設されているとともに、長手方向上端部にカラー67を装着したねじロッドが取り付けられ、このカラー67を装着したねじロッドを中心として操作フレーム68,68が揺動可能に構成される。
【0065】
さらに、操作フレーム68,68の一側には、操作ロッド69が架設される一方、操作フレーム68,68の長手方向略中間部には、案内フレーム63の長手方向に沿って上下方向にスライド可能なスライダー70の上端が軸支されている。このスライダー70の下端には、押圧手段としての合成樹脂製の押圧ブロック71が固着されている。そして、脚部フレーム61,61上における案内フレーム63間で、押圧ブロック71の移動方向下部には、上述した切断器本体Cを固定するための基板72が固着されている。この基板72の中央には、図示しない円形の孔が穿設され、この孔内に切断器本体Cが位置決め固定される。
【0066】
一方、操作フレーム68,68の他側には、図17に示すようにばね取付軸73が架設され、このばね取付軸73にコイルばね74の一端が固定されるとともに、このコイルばね74の他端がばね取付軸66に固定されている。
【0067】
本実施形態による切断装置60の作用を説明する。
【0068】
まず、複数段の刃物ユニット1,2,3を有する切断器本体Cにおいて、その塊状野菜の供給側である上端に軸方向に分断した円柱状の塊状野菜を載置し、図17に示すように操作ロッド69をコイルばね74の付勢力に抗して押し下げると、操作フレーム68,68がカラー67を装着したねじロッドを中心として回動する。
【0069】
この時、揺動フレーム65,65は、カラー64を装着したねじロッドを中心として揺動する一方、スライダー70が案内フレーム63に沿って下方にスライドすることで、押圧ブロック71が塊状野菜を押圧する。これにより、塊状野菜は上述したような工程を経てシャトー切りされる。
【0070】
そして、切断後の操作フレーム68,68は、コイルばね74の付勢力によりカラー67を装着したねじロッドを中心として上記と逆方向に回動し、スライダー70が案内フレーム63に沿って上方にスライドして押圧ブロック71が元の位置に戻る。
【0071】
このような切断装置60を用いて塊状野菜を切断することで、塊状野菜の切断作業を確実かつ容易に行うことができる。
【0072】
なお、本発明は上記実施形態に限定されることなく、種々の変更が可能である。例えば、上記実施形態は本発明をシャトー切りする切断器に適用した例について説明したが、これ以外に飾り切りする切断器についても適用可能である。
【0073】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る塊状野菜の切断器によれば、各刃物ユニットに、それぞれ被切断物の可食部と不可食部を分断する分断刃と、塊状野菜の可食部を径方向に複数に分割する分割刃と、径方向に複数に分割された可食部の角部を切断する角部切断刃とが形成され、塊状野菜の供給側から排出側に、少なくとも分断刃と分割刃のいずれかと角部切断刃を順次配置したことにより、塊状野菜を一回の押出し操作で容易にシャトー切りや飾り切りすることが可能となるため、作業効率を著しく向上させることができる。
【0074】
また、本発明の切断器によれば、塊状野菜を押し出してシャトー切りや飾り切りするため、シャトー切りや飾り切りされた塊状野菜の形状および大きさにバラツキがなく、商品価値を著しく高めることができる。
【0075】
さらに、本発明の切断方法によれば、分断工程および分割工程の後に角部切断工程を実行し、複数段の刃物ユニットの排出側から切断された塊状野菜を排出することにより、塊状野菜を排出側に容易に押し込んで切断することが可能となり、作業効率を著しく向上させることができる。また、本発明の切断方法により塊状野菜を押し出してシャトー切りや飾り切りするため、シャトー切りや飾り切りされた塊状野菜の形状および大きさにバラツキがなく、商品価値を著しく高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る塊状野菜の切断器の一実施形態を示す斜視図。
【図2】図1の第1刃物ユニットを示す斜視図。
【図3】図1の第2刃物ユニットを示す斜視図。
【図4】図1の第3刃物ユニットを示す斜視図。
【図5】図1の排出部を示す斜視図。
【図6】図2の平面図。
【図7】図6のA−A線断面図。
【図8】図6のB−B線断面図。
【図9】図3の平面図。
【図10】図9のC−C線断面図。
【図11】図9のD−D線断面図。
【図12】図4の平面図。
【図13】図12のE−E線断面図。
【図14】図12のF−F線断面図。
【図15】図12のG−G線断面図。
【図16】本実施形態による切断器本体を装備した切断装置を示す斜視図。
【図17】本実施形態による切断器本体を装備した切断装置の切断状態を示す斜視図。
【符号の説明】
1 刃物ユニット(第1刃物ユニット)
2 刃物ユニット(第2刃物ユニット)
3 刃物ユニット(第3刃物ユニット)
4 接続板
5 排出部
6 通孔
7 通しボルト
8 ナット
11 上板
12 下板
13 角形抜き部
13a 片刃(分断刃)
14 角形抜き部
15 縦切り部
15a 両刃
16 縦切り部
17 円弧部
18 導孔
21 上板
22 下板
23 十字状部
23a 両刃(分割刃)
24 十字状部
25 アール部
25a 片刃(分割刃)
26 アール部
27 円弧部
28 導孔
31 上板
32 下板
33 アール部
34 アール部
35 十字状部
36 十字状部
37 角形抜き部
38 角形抜き部
39 アール部
39A 外側アール部
39B 内側アール部
39a 片刃(角部切断刃)
39b 片刃(角部切断刃)
40 アール部
41 縦切り部
42 縦切り部
43 円弧部
44 導孔
47 アール部
48 十字状部
49 角形抜き部
50 アール部
51 縦切り部
52 円弧部
53 導孔
54 分離板
55 スリット
56 連結板
60 切断装置
61 脚部フレーム(脚部)
63 案内フレーム
65 揺動フレーム
66 ばね取付軸
68 操作フレーム
69 操作ロッド
70 スライダー
71 押圧ブロック(押圧手段)
72 基板
73 ばね取付軸
74 コイルばね
C 切断器本体

Claims (5)

  1. 同一線上に沿って同心状に刃物ユニットを複数段配置し、これらの刃物ユニットには、それぞれ塊状野菜の可食部と不可食部を分断する分断刃と、前記塊状野菜の可食部を径方向に複数に分割する分割刃と、前記径方向に複数に分割された可食部の角部を切断する角部切断刃とが形成され、前記塊状野菜の供給側から排出側に、少なくとも前記分断刃と前記分割刃のいずれかと前記角部切断刃を順次配置したことを特徴とする塊状野菜の切断器。
  2. 同一線上に沿って同心状に刃物ユニットを複数段配置し、これらの刃物ユニットは、塊状野菜の可食部と不可食部とを分断し、かつ前記不可食部を縦切りする分断刃が形成された第1刃物ユニットと、前記塊状野菜の可食部を径方向に複数に分割する分割刃が形成された第2刃物ユニットと、前記第1刃物ユニットおよび前記第2刃物ユニットの前記塊状野菜の排出側に配置され、前記径方向に複数に分割された可食部の角部を切断する角部切断刃が形成された第3刃物ユニットとを備えたことを特徴とする塊状野菜の切断器。
  3. 請求項2記載の塊状野菜の切断器において、第2刃物ユニットは、前記第1刃物ユニットの前記塊状野菜の排出側に配置されたことを特徴とする塊状野菜の切断器。
  4. 請求項1または2記載の塊状野菜の切断器において、前記複数段の刃物ユニットを固定する基板と、この基板を支持する脚部と、前記複数段の刃物ユニットの供給側に配置された前記塊状野菜を押圧する押圧手段とを備えたことを特徴とする塊状野菜の切断器。
  5. 同一線上に沿って同心状に配置された複数段の刃物ユニットの供給側から塊状野菜を供給して前記塊状野菜の可食部と不可食部を分断する分断工程と、前記塊状野菜の可食部を径方向に複数に分割する分割工程と、前記径方向に複数に分割された可食部の角部を切断する角部切断工程とを備え、前記分断工程および前記分割工程の後に前記角部切断工程を実行し、前記複数段の刃物ユニットの排出側から切断された塊状野菜を排出することを特徴とする塊状野菜の切断方法。
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