JP2004009360A - 活性光線硬化型インクジェット記録方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】インクジェットヘッドからの射出性に優れ、低エネルギーの活性エネルギー線で硬化が可能であり、かつ画像の仕上がり品質が良好なインクジェット記録方法を提供することにある。
【解決手段】活性光線によって硬化するインクを印字媒体に射出し、次いで活性光線を照射する活性光線硬化型インクジェット記録方法において、前記インクが重合性アクリレート不飽和化合物及び酸素増感剤を含有することを特徴とする活性光線硬化型インクジェット記録方法。
【選択図】 なし
【解決手段】活性光線によって硬化するインクを印字媒体に射出し、次いで活性光線を照射する活性光線硬化型インクジェット記録方法において、前記インクが重合性アクリレート不飽和化合物及び酸素増感剤を含有することを特徴とする活性光線硬化型インクジェット記録方法。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は活性光線硬化型インクジェット記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、インクジェット記録方式は簡便・安価に画像を作成できるため、写真、各種印刷、マーキング、カラーフィルター等の特殊印刷など、様々な印刷分野に応用されてきている。特に、微細なドットを出射、制御する記録装置や、色再現域、耐久性、出射適性等を改善したインク及びインクの吸収性、色材の発色性、表面光沢などを飛躍的に向上させた専用紙を用い、銀塩写真に匹敵する画質を得ることも可能となっている。今日のインクジェット記録方式の画質向上は、記録装置、インク、専用紙の全てが揃って初めて達成されている。
【0003】
紫外線等を用いた活性光線硬化型インクジェットによる画像形成方法と活性光線硬化型インクについては、例えば以下のようなものが知られている。
【0004】
1.アクリレート不飽和化合物及び活性水素を有する有機化合物を含有する活性光線硬化型レジストインク組成物(特開平6−157965号)
同時にプリント配線基板のレジストパターン形成法が開示されている。
【0005】
2.アクリレート不飽和化合物及びチオール化合物を含有する紫外線硬化性インキ組成物(特開平7−126561号)
3.アクリレート不飽和化合物及び光分解によりカルボン酸を発生する光酸発生剤を含有するインク組成物(特開平11−116611号)
4.アクリレート不飽和化合物及びカルボン酸を含有する活性光線硬化型インクジェットインク組成物、及びインクジェット記録方法(特開2000−336295)
5.アクリレート不飽和化合物及びエーテル化合物を含有する活性光線硬化型インクジェットインク組成物、及びインクジェット記録方法(特開平9−183927号)
ここに開示されている一連のインクジェットインク組成物及び記録方法では、描画されたインク画像の十分な硬化性を得るには多大なエネルギーの活性エネルギー線を必要とし、又インクジェットヘッドからのインクの直進性が悪かったり、多くのサテライトの発生等、射出性が悪く、更に印字媒体に着弾された画像の仕上がり品質に問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記課題を鑑みてなされたものであり、その目的はインクジェットヘッドからの射出性に優れ、低エネルギーの活性エネルギー線で硬化が可能であり、かつ画像の仕上がり品質が良好なインクジェット記録方法を提供することにある。具体的には、インクジェットヘッドからのインクの直進性に優れ、サテライトの発生が少なく、記録された画像の仕上がり品質に優れるインクジェット記録方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、以下の構成により達成された。
【0008】
1.活性光線によって硬化するインクを印字媒体に射出し、次いで活性光線を照射する活性光線硬化型インクジェット記録方法において、前記インクが重合性アクリレート不飽和化合物及び酸素増感剤を含有することを特徴とする活性光線硬化型インクジェット記録方法。
【0009】
2.酸素増感剤が活性水素含有化合物であることを特徴とする前記1に記載の活性光線硬化型インクジェット記録方法。
【0010】
3.活性水素含有化合物がチオール化合物であることを特徴とする前記2に記載の活性光線硬化型インクジェット記録方法。
【0011】
4.活性水素含有化合物がエーテル化合物であることを特徴とする前記2に記載の活性光線硬化型インクジェット記録方法。
【0012】
5.活性水素含有化合物がリン酸化合物、ホスホン酸化合物、スルホン酸化合物の何れか一つを含む有機酸であることを特徴とする前記2に記載の活性光線硬化型インクジェット記録方法。
【0013】
6.酸素増感剤が光酸発生剤であることを特徴とする前記1に記載の活性光線硬化型インクジェット記録方法。
【0014】
7.酸素増感剤が重合性非アクリレート不飽和化合物であることを特徴とする前記1に記載の活性光線硬化型インクジェット記録方法。
【0015】
8.重合性非アクリレート不飽和化合物がアリール基を有する化合物であることを特徴とする前記7に記載の活性光線硬化型インクジェット記録方法。
【0016】
9.活性光線により硬化するインクの50℃おける粘度が5〜30mPa・sであることを特徴とする前記1〜8の何れか1項に記載の活性光線硬化型インクジェット記録方法。
【0017】
10.印字媒体に着弾し、活性光線を照射して硬化した後の総インク膜厚が2〜20μmであることを特徴とする前記1〜9の何れか1項に記載の活性光線硬化型インクジェット記録方法。
【0018】
11.射出されるインク液滴量が2〜15plであることを特徴とする前記1〜10の何れか1項に記載の活性光線硬化型インクジェット記録方法。
【0019】
12.印字媒体が非吸収性メディアであることを特徴とする前記1〜11の何れか1項に記載の活性光線硬化型インクジェット記録方法。
【0020】
13.印字媒体の80℃における熱収縮率が0.5〜50%であることを特徴とする前記1〜12の何れか1項に記載の活性光線硬化型インクジェット記録方法。
【0021】
14.印字媒体の表面エネルギー(濡れ性)が25〜60dyn/cmであることを特徴とする前記1〜13の何れか1項に記載の活性光線硬化型インクジェット記録方法。
【0022】
15.インク滴を吐出制御可能なノズルを少なくとも1つ有する記録ヘッドで記録媒体上に吐出するに際し、インクジェットヘッドを40〜100℃に加熱することを特徴とする前記1〜14の何れか1項に記載の活性光線硬化型インクジェット記録方法。
【0023】
16.インクの吸収波長におけるピーク照度が1〜2000mW/cm2であることを特徴とする前記1〜15の何れか1項に記載の活性光線硬化型インクジェット記録方法。
【0024】
本発明者らは上記実状に鑑みて鋭意検討した結果、重合性アクリレート不飽和化合物と共に、酸素増感剤を含有する活性エネルギー線硬化性組成物をインクジェットインク組成物として用いてインクジェット記録を行うことにより、上記の欠点が解決され、インクジェットヘッドからのインクの直進性に優れ、サテライトの発生が少なく、記録された画像の仕上がり品質に優れるインクジェット記録が可能となることを見い出し、本発明を完成するに至ったものである。
【0025】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、活性光線を照射する活性光線硬化型インクジェット記録に採用される活性光線によって硬化するインクについて言及したものであり、重合性アクリレート不飽和化合物と共に酸素増感剤を含有することを特徴とする。
【0026】
重合性アクリレート不飽和化合物としては公知の化合物が使用できる。例としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸及びそれらの塩、エステル、ウレタン、アミドや無水物、アクリロニトリル、スチレン、更に種々の不飽和ポリエステル、不飽和ポリエーテル、不飽和ポリアミド、不飽和ウレタン等の化合物が挙げられる。
【0027】
具体的には、2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、カルビトールアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、ベンジルアクリレート、ビス(4−アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリレート、N−メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、エポキシアクリレート等のアクリル酸誘導体、メチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、アリルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、ジメチルアミノメチルメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、2,2−ビス(4−メタクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン等のメタクリル誘導体、その他、アリルグリシジルエーテル、ジアリルフタレート、トリアリルトリメリテート等のアリル化合物の誘導体が挙げられ、更に具体的には、山下晋三編、「架橋剤ハンドブック」、(1981年大成社);加藤清視編、「UV・EB硬化ハンドブック(原料編)」(1985年、高分子刊行会);ラドテック研究会編、「UV・EB硬化技術の応用と市場」、79頁、(1989年、シーエムシー);滝山栄一郎著、「ポリエステル樹脂ハンドブック」、(1988年、日刊工業新聞社)等に記載の市販品もしくは業界で公知のラジカル重合性乃至架橋性のモノマー、オリゴマー及びポリマーを用いることができる。
【0028】
このような重合性アクリレート不飽和化合物の添加量は通常活性光線硬化型インク組成物(以下、単にインク又はインク組成物ともいう)の1〜97質量%程度、好ましくは30〜95質量%である。
【0029】
一方、酸素増感剤は酸素の存在下で、光照射により重合性アクリレート不飽和化合物の重合反応を促進する化合物であれば、特に制限されるものではない。このような酸素増感剤は、分子中に活性水素を含有する化合物(活性水素含有化合物という)が好ましく用いられる。このような活性水素含有化合物としては、例えば、チオール化合物、エーテル化合物、有機酸、光酸発生剤等である。
【0030】
有機酸としては、特にリン酸化合物、ホスホン酸化合物、スルホン酸化合物の何れか1つを有し、低分子量の有機酸が好ましく用いられる。光酸発生剤としては重合性非アクリレート不飽和化合物が用いられ、そのうちアリール基を有する化合物が好ましく用いられる。更に、光照射により活性水素を発生する光酸発生剤も好ましく用いられる。その際、酸増殖剤も併用することができる。
【0031】
チオール化合物は、−SH基を有するものであれば特に限定されない。チオール化合物の具体例としては、チオグリコール酸メチル、チオグリコール酸オクチル、チオグリコール酸メトキシブチル、ブタンジオールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、メルカプトプロピオン酸メチル、メルカプトプロピオン酸オクチル、メルカプトプロピオン酸メトキシブチル、ブタンジオールビス(3−メルカプトプロピオネート)、エチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、2,4,6−トリオキソ−1,3,5−トリアジン−1,3,5−トリイルトリエチルトリス(3−メルカプトプロピオネート)などが挙げられる。これらの中で効果の点から、特にペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)及びペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレートが好適である。
【0032】
エーテル化合物の具体例としては、−o−基を有するものであれば特に限定されない。その具体例としては、メチルアリルエーテル、メチルプロパギルエーテル、エチルプロパギルアルコール、メトキシ−2−ブチン、エトキシ−2−ブチン、n−ブトキシ−2−ブチン、ビス(2−ブチニル)エーテル、n−ペンチルオキシ−2−ブチン、n−ヘプチルオキシ−2−ブチン、エトキシ−2−ブテン、n−ペンチルオキシ−2−ブテン、メトキシ−2又は3−ペンチン、エトキシ−2又は3−ペンチン、n−ブトキシ−2又は3−ペンチン、ビス(2又は3−ペンチニル)エーテル、n−ヘキシルオキシ−2又は3−ペンチン、メトキシ−2又は3−ペンテン、エトキシ−2又は3−ペンテン、n−ブトキシ−2又は3−ペンテン、ビス(2又は3−ペンテニル)エーテル、n−ヘキシルオキシ−2又は3−ペンテン、メトキシ−3−ヘキシン、エトキシ−3−ヘキシン、n−プロポキシ−3−ヘキシン、n−ブトキシ−3−ヘキシン、メトキシ−3−ヘキセン、エトキシ−3−ヘキセン、n−プロポキシ−3−ヘキセン、n−ブトキシ−3−ヘキセンなどが挙げられる。
【0033】
更に、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、1,4−ブタンジオールモノビニルエーテル、1,9−ノナンジオールモノビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、トリエチレングリコールモノビニルエーテル、シクロヘキシル−1,4−ジメチロールモノビニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテル、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルビニルエーテル、トリエチレングリコールビニルエーテル、テトラエチレングリコールジビニルエーテル、ポリテトラメチレングリコールジビニルエーテル、1,4−ブタンジオールジビニルエーテル、1,9−ノナンジオールビニルエーテル,シクロヘキシル−1,4−ジメチロールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル等の反応性ビニルエーテル単量体、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ポリプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール等のポリオール類とトリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の有機ポリイソシアネート類と水酸基含有ビニルエーテル類(例えば、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、1,4−ブタンジオールモノビニルエーテル、シクロヘキシル−1,4−ジメチロールモノビニルエーテル等)の反応物であるウレタンビニルエーテル、前記、水酸基含有ビニルエーテル類とポリカルボン酸クロライド類(例えば、フタル酸ジクロライド、イソフタル酸ジクロライド、テトラヒドロフタル酸ジクロライド等)の反応物であるポリエステルポリビニルエーテル等の反応性ビニルエーテルオリゴマー等を挙げることができるが、非重合性の化合物が好ましく用いられる。
【0034】
リン酸化合物、ホスホン酸化合物、スルホン酸化合物の何れか1つを含有する有機酸としては、アデノシン5′−二リン酸一ナトリウム、アデノシン5′−三リン酸二ナトリウム、リン酸二水素アンモニウム、リン酸一アンモニウム、ヘキサフルオロリン酸アンモニウム、ホスフィン酸アンモニウム、アミノエチルホスホン酸、アミノメチルホスホン酸、ブチルホスホン酸、ジメチルホスホン酸、エチルホスホン酸、フェニルホスホン酸、ホスホン酸、N−(2−アセトアミド)−2−アミノエタンスルホン酸、アリザリンスルホン酸、o−アミノベンゼンスルホン酸、オルタニル酸、m−アミノベンゼンスルホン酸、メタニル酸、1−アミノベンズイミダゾール−2−スルホン酸、アミノメタンスルホン酸、2−アミノ−1,5−ナフタレンジスルホン酸、8−アミノ−1−ナフトール−3,6−ジスルホン酸、1−アミノ−2−ナフトール−4−スルホン酸、1−アミノ−2−ヒドロキシ−4−ナフタレンスルホン酸、8−アミノ−1−ナフトール−5−スルホン酸等が用いられる。
【0035】
重合性非アクリレート不飽和化合物としては、スチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、β−メチルスチレン、p−メチル−β−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−メトキシ−β−メチルスチレン等のスチレン誘導体、2−ビニルナフタレン、α−メチル−2−ビニルナフタレン、β−メチル−2−ビニルナフタレン、4−メチル−2−ビニルナフタレン、4−メトキシ−2−ビニルナフタレン等のビニルナフタレン誘導体、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルピロリドン、N−ビニルインドール、N−ビニルピロール、N−ビニルフェノチアジン、N−ビニルアセトアニリド、N−ビニルエチルアセトアミド、N−ビニルスクシンイミド、N−ビニルフタルイミド、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルイミダゾール等のN−ビニル化合物類等が用いられる。特にアリール基を有する化合物が好ましく用いられる。
【0036】
光酸発生剤としては、例えば、化学増幅型フォトレジストや光カチオン重合に利用される化合物が用いられる(有機エレクトロニクス材料研究会編、「イメージング用有機材料」、ぶんしん出版(1993年)、187〜192頁参照)。特にジアゾニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、鉄アレーン錯体及び有機ポリハロゲン化合物を好ましく使用することができる。ジアゾニウム塩、ヨードニウム塩及びスルホニウム塩としては、特公昭54−14277号、同54−14278号、特開昭51−56885号、米国特許第3,708,296号、同第3,853,002号等に記載された化合物が挙げられる。
【0037】
本発明に好適な化合物の例を以下に挙げる。第1に、ジアゾニウム、アンモニウム、ヨ−ドニウム、スルホニウム、ホスホニウムなどの芳香族オニウム化合物のB(C6F5)4 −、PF6 −、AsF6 −、SbF6 −、CF3SO3−塩を挙げることができる。対アニオンとしてボレート化合物を有するものが酸発生能力が高く好ましい。オニウム化合物の具体的な例を以下に示す。
【0038】
【化1】
【0039】
第2に、スルホン酸を発生するスルホン化物を挙げることができる。具体的な化合物を以下に例示する。
【0040】
【化2】
【0041】
第3に、ハロゲン化水素を光発生するハロゲン化物も用いることができる。以下に具体的な化合物を例示する。
【0042】
【化3】
【0043】
第4に、鉄アレン錯体を挙げることができる。
【0044】
【化4】
【0045】
光酸発生剤については、その他に津田譲著「超LSLレジストの分子設計」共立出版、1990、pp.55〜78に記載の光酸発生剤化合物を使用することができる。
【0046】
本発明で用いることができる酸増殖剤は、比較的強い酸の残基で置換された化合物であって、比較的容易に脱離反応を引き起こして酸を発生する化合物である。従って、酸触媒反応によりこの脱離反応を大幅に活性化させることができ、酸の不存在下では安定であるが、酸の存在下では容易に熱化学反応によって酸を生成させることが可能となる。このような性質を持つ酸増殖剤を光酸発生剤と組み合わせることによって、飛躍的に感光速度が向上した光反応性組成物が可能となる。酸触媒反応によって分解して再び酸を発生し、一回の反応で1つ以上の酸が増えることによって、反応の進行に伴ってねずみ算式に加速的に反応が進む。発生した酸自体が自己分解を誘起するために、ここで発生する酸の強度は酸解離定数(pKa)として3以下、特に2以下であることが望ましい。これより弱い酸の場合は、自己分解を引き起こすことができない。このような酸として、例えばジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、トリフェニルホスホン酸などを挙げることができる。
【0047】
このような酸増殖剤の具体的なものとしては、特開平8−248561号、同9−34106号、同10−1508号、同11−102066号、同11−180048号、特開2000−34272号、同2000−35665号、同2000−119557号、同2001−22069号、同2001−48905号、同2001−81138号、同2001−83658号、同2001−117196号、同2001−323178号等明細書に記載されている化合物を挙げることができ、酸増殖剤は、単独もしくは2種以上混合して使用することができる。これら酸増殖剤を用いることで、更なる吐出安定性向上を可能とする。
【0048】
このような酸素増感剤の添加量はインク組成物の1〜20質量%が好ましく、更に好ましくは2〜10質量%である。
【0049】
本発明におけるインク組成物は、200〜400nmに固有の分光感度を有しており、波長180〜500nmの紫外線又は可視光線を照射することによって重合させることができ、とりわけ、254nm、308nm、313nm、365nmの波長の光が当該インク組成物の硬化に有効である。又、このインク組成物は、紫外線以外のエネルギー線の照射によって、或いは熱によっても硬化させることができる。更に当該インク組成物は、空気中及び/又は不活性ガス中の何れにおいても硬化させることができるが、とりわけ酸素の存在下で照射するのが好ましい。
【0050】
本発明では、必要に応じて次の化合物を添加してもよい。
硬化反応をより効率的に行なうために、公知の光重合開始剤を添加して硬化させることもできる。光重合開始剤としては、分子内結合開裂型と分子内水素引き抜き型の2種に大別できる。
【0051】
分子内結合開裂型の光重合開始剤としては、例えば、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノンの如きアセトフェノン系;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテルの如きベンゾイン類;2,4,6−トリメチルベンゾインジフェニルホスフィンオキシドの如きアシルホスフィンオキシド系;ベンジル、メチルフェニルグリオキシエステルなどが挙げられる。
【0052】
一方、分子内水素引き抜き型の光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル−4−フェニルベンゾフェノン、4,4′−ジクロロベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4′−メチル−ジフェニルサルファイド、アクリル化ベンゾフェノン、3,3′,4,4′−テトラ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3′−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノンの如きベンゾフェノン系;2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントンの如きチオキサントン系;ミヒラ−ケトン、4,4′−ジエチルアミノベンゾフェノンの如きアミノベンゾフェノン系;10−ブチル−2−クロロアクリドン、2−エチルアンスラキノン、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノンなどが挙げられる。
【0053】
光重合開始剤を使用する場合の配合量は、インク組成物の0.01〜10.00質量%の範囲が好ましい。
【0054】
又、本発明におけるインク組成物は紫外線の照射により硬化するが、硬化反応をより効率的に行なうために、光増感剤を併用することもできる。
【0055】
そのような光増感剤としては、例えば、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸(2−ジメチルアミノ)エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸(n−ブトキシ)エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシルの如きアミン類が挙げられる。
【0056】
光増感剤を使用する場合の配合量は、インク組成物の0.01〜10.00質量%の範囲が好ましい。
【0057】
更に、本発明におけるインク組成物には、用途に応じて、非反応性化合物、無機充填剤、有機充填剤、カップリング剤、粘着付与剤、消泡剤、レベリング剤、可塑剤、酸化防止剤、重合禁止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、顔料、染料などを適宜併用することもできる。
【0058】
該インク組成物に併用可能な粘着付与剤、消泡剤、レベリング剤、可塑剤、酸化防止剤、重合禁止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、顔料及び染料は、公知慣用のものであれば如何なるものも、その硬化性、樹脂特性を損なわない範囲で、特に制限無く使用することができる。
【0059】
本発明におけるインク組成物を得るには、上記した各成分を混合すればよく、混合の順序や方法は特に限定されない。
【0060】
このように混合されたインクの物理的特性としては、50℃における粘度が5〜30mPa・sの範囲にあることが好ましい。
【0061】
又、本発明におけるインク組成物は実質的には溶剤を必要としないが、例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンの如きケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチルの如き酢酸エステル類、ベンゼン、トルエン、キシレンの如き芳香族炭化水素、エチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールジメチルエーテルの如きアルコール類などその他の一般によく用いられる有機溶剤によってインク組成物を希釈して使用することも可能である。
【0062】
本発明の活性光線硬化型インクジェット記録方法は、上記のように調整したインク組成物を用いて印字媒体に印字を行うものであり、良好な画質、良好な印字を得ることができる。
【0063】
インクジェット記録法はインクの微小液滴をノズルから噴射させて、それを紙などの記録媒体面に付着させ印字又は画像の記録を行うものである。色々なインクジェット記録法が提案されており、コンティニアス法と呼ばれる方法は例えばUSP3,298,030及び同3,596,275に開示されている。又ドロップオンデマンド法では、ピエゾ素子の変形をインク噴射の駆動力に応用したものが例えばUSP3,946,398に開示されている。又熱エネルギーを利用してインク滴を噴射するインクジェット記録法は例えぱUSP4,251,824に開示されている。
【0064】
何れのインクジェット記録法においても、インクは微細なノズルのオリフィスから微小液滴として高速度で吐出されるため、インク滴の吐出安定性はインクの特性に大きく左右される。上記したインク組成物を用いることにより、インクジェットヘッドからのインクの直進性に優れ、サテライトの発生が少なく、記録された画像の仕上がり品質に優れることが判明した。
【0065】
本発明によるインクジェット記録方法にあっては、インク組成物を印字媒体に付着させた後に、光照射を行う。照射された光によってインク組成物は重合反応を開始してインク組成物を印字媒体に固着する。
【0066】
この光照射に用いられる光源としては、波長180〜500nmの紫外線又は可視光線を発生する光源が有効である。例えば、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、水銀−キセノンランプ、エキシマーランプ、ショートアーク灯、ヘリウム・カドミニウムレーザー、アルゴンレーザー、エキシマーレーザー、太陽光が挙げられる。
【0067】
本発明の好ましい態様によれば、インクの吸収波長におけるピーク照度が1〜2000mW/cm2の紫外線照射を行うことが好ましい。かかる程度の範囲内における紫外線照射量で十分な硬化反応を行うことができるため、紫外線照射によって着色剤が退色してしまうことも防止できるので有利である。
【0068】
本発明に用いられる印字媒体は特に限定はない。好ましい基材は、いわゆる非吸収性メディアであり、紙等の繊維状のものでインクを吸収させたり、フィルム上にインク吸収層として、インクを吸収して膨潤する樹脂を用いたり、フィラーや、樹脂粒子を用いて層内に空隙を設けたりしたインク吸収層を持たないことを言う。具体的には、表面に樹脂をコートした紙や、プラスチックフィルム、プラスチックシート、金属、セラミック、ガラス、等が挙げられる。
【0069】
プラスチックシート/フィルムの材質としては、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステルアミド、ポリエーテル、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリ−p−フェニレンスルフィド、ポリエーテルエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロンが好ましい。又、これらの共重合体やブレンド物、更には架橋したものを用いることもできる。
【0070】
本発明に用いる熱収縮性の支持体は、熱によって縦方向もしくは横方向に収縮する支持体であり、通常の各種プラスチック及びそのフィルムを用いることが出来る。プラスチックフィルムとしては、PETフィルム、OPS(延伸ポリスチレン)フィルム、OPP(延伸ポリプロピレン)フィルム、ONy(延伸ナイロン)フィルム、PVC(ポリ塩化ビニル)フィルム、PEフィルム、TACフィルムが使用出来る。その他のプラスチックとしては、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ABS、ポリアセタール、PVA、ゴム類などが使用出来る。又、金属類や、ガラス類にも適用可能である。
【0071】
これらの支持体の中でも、80℃における熱収縮率が0.5〜50%であるフィルムが好ましい。熱収縮率は、フィルムを70℃の温水に10秒間浸漬時の縦方向もしくは横方向の収縮率である。
【0072】
インクを着弾させる印字媒体表面の表面エネルギー(濡れ性)は35〜60dyn/cmであることが好ましい。表面エネルギーの評価はJIS規格K 6768のプラスチックフィルム及びシートのぬれ張力試験方法を用いて評価する。
【0073】
このような表面エネルギーを得るために、基材に前処理を行うことが出来る。前処理は、表面エネルギーを向上させるための易接層を設けてもよいし、コロナ処理、プラズマ処理等を行うことが出来る。コロナ処理、プラズマ処理は処理後、印字までの時間が短いほうが好ましい。
【0074】
本発明の好ましい態様として、インクジェットヘッドを40℃以上に加熱し、間接的にインク組成物を温めて射出するインクジェト記録方法が挙げられる。加熱の好ましい温度は40〜100℃程度である。
【0075】
又、本発明が目的とする高精細な画像を得るためには射出されるインク液滴量を2〜15plとすることが好ましい。本発明におけるインクは射出特性が良好なため、液滴量が小さくてもノズルのつまりやドットの曲がり、サテライト等を生じることなく良好な画像を得ることが出来る。
【0076】
更に、本発明の目的とする光沢感のある高画質の画像を得るには、印字媒体に着弾し、活性光線を照射して硬化した後の総インク膜厚が2〜20μmであることが好ましい。
【0077】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下の「部」は「質量部」を表す。尚、ここではインクの各構成要素をインク組成物と表現し、インクと区別して説明する。
【0078】
実施例1
(1)インクの作製
下記のインク組成物を混合攪拌した後、得られた液体をフィルターでろ過しインク1〜5を得た。
又、酸素増感剤の代替として比較化合物(パラフィンワックス(融点60℃))を用いた以外は同様にしてインク6を得た。
(インク粘度の測定)
得られたインク1〜6を振動型粘度計(ビスコメイトVM−1G 山一電気(株)製)を用いて、50℃でのインク粘度を測定した。結果を表1に示す。
(2)インクジェット記録
インクジェットプリンタ PHASER860(PHASER PRINTING JAPAN社製)を部分的に改造し、ヘッドを50℃で加熱した状態で熱収縮率3.5%、表面エネルギー30dyn/cmの印字媒体であるPETフィルム(コロナ処理済み、シュリンクラベル用)上に得られたインク1〜6を射出して画像形成した。ヘッドは、2〜15plのマルチサイズドットを720×720dpi(dpiとは1インチ、即ち2.54cm当たりのドット数を表す)の解像度で吐出できるよう駆動し、吐出した。
【0079】
インク射出直後に照度10mW/cm2の低圧水銀灯(殺菌灯)を用いて空気中で光照射を行い、記録媒体上にインクを固着した。得られたインク画像の膜厚を表1に示す。
【0080】
【表1】
【0081】
・酸素増感剤1(チオール化合物):ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)
・酸素増感剤2(エーテル化合物):2−ヒドロキシエチルビニルエーテル
・酸素増感剤3(有機酸):1−アミノ−2−ナフトール−4−スルホン酸
・酸素増感剤4(光酸発生剤):トリアリールスルホニウムヘキサフルオロリン酸塩
・酸素増感剤5(重合性非アクリレート不飽和化合物):N−ビニルピロリドン
・酸増殖剤:2,4,6−トリス〔2−(p−トルエンスルホニロキシ)エチル〕−1,3,5−トリオキサン
(3)インクジェット記録画像の評価
インクジェット記録画像について以下のように評価を行い、その結果を表2に示す。
(硬化性)
硬化性は、印字媒体上に形成されたインクの表面に粘着性がなくなり、セロテープ(R)により記録画像が剥がれなくなる程度に印字媒体との接着が得られるのに必要な最低限の露光エネルギーを露光量(mJ/cm2)で表した。
(インク射出性)
インク射出性は、ヘッドと印字媒体の距離を1mmに設定し、記録媒体上に形成された着弾インクを直進性、サテライトの2面で評価した。直進性については、着弾予定位置からのずれを、サテライトについては主ドロップの周辺に着弾した副ドロップの状況を目視で評価した。
【0082】
【表2】
【0083】
表2から明らかなように、本発明に係るインクを使用した場合にはインクジェットヘッドからの射出性に優れ、低エネルギーの活性エネルギー線で硬化が可能であり、かつ画像の仕上がり品質が良好となることが判る。
【0084】
【発明の効果】
本発明によれば、インクジェットヘッドからの射出性に優れ、低エネルギーの活性エネルギー線で硬化が可能であり、かつ画像の仕上がり品質が良好なインクジェット記録が行えるという顕著に優れた効果を奏する。
【発明の属する技術分野】
本発明は活性光線硬化型インクジェット記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、インクジェット記録方式は簡便・安価に画像を作成できるため、写真、各種印刷、マーキング、カラーフィルター等の特殊印刷など、様々な印刷分野に応用されてきている。特に、微細なドットを出射、制御する記録装置や、色再現域、耐久性、出射適性等を改善したインク及びインクの吸収性、色材の発色性、表面光沢などを飛躍的に向上させた専用紙を用い、銀塩写真に匹敵する画質を得ることも可能となっている。今日のインクジェット記録方式の画質向上は、記録装置、インク、専用紙の全てが揃って初めて達成されている。
【0003】
紫外線等を用いた活性光線硬化型インクジェットによる画像形成方法と活性光線硬化型インクについては、例えば以下のようなものが知られている。
【0004】
1.アクリレート不飽和化合物及び活性水素を有する有機化合物を含有する活性光線硬化型レジストインク組成物(特開平6−157965号)
同時にプリント配線基板のレジストパターン形成法が開示されている。
【0005】
2.アクリレート不飽和化合物及びチオール化合物を含有する紫外線硬化性インキ組成物(特開平7−126561号)
3.アクリレート不飽和化合物及び光分解によりカルボン酸を発生する光酸発生剤を含有するインク組成物(特開平11−116611号)
4.アクリレート不飽和化合物及びカルボン酸を含有する活性光線硬化型インクジェットインク組成物、及びインクジェット記録方法(特開2000−336295)
5.アクリレート不飽和化合物及びエーテル化合物を含有する活性光線硬化型インクジェットインク組成物、及びインクジェット記録方法(特開平9−183927号)
ここに開示されている一連のインクジェットインク組成物及び記録方法では、描画されたインク画像の十分な硬化性を得るには多大なエネルギーの活性エネルギー線を必要とし、又インクジェットヘッドからのインクの直進性が悪かったり、多くのサテライトの発生等、射出性が悪く、更に印字媒体に着弾された画像の仕上がり品質に問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記課題を鑑みてなされたものであり、その目的はインクジェットヘッドからの射出性に優れ、低エネルギーの活性エネルギー線で硬化が可能であり、かつ画像の仕上がり品質が良好なインクジェット記録方法を提供することにある。具体的には、インクジェットヘッドからのインクの直進性に優れ、サテライトの発生が少なく、記録された画像の仕上がり品質に優れるインクジェット記録方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、以下の構成により達成された。
【0008】
1.活性光線によって硬化するインクを印字媒体に射出し、次いで活性光線を照射する活性光線硬化型インクジェット記録方法において、前記インクが重合性アクリレート不飽和化合物及び酸素増感剤を含有することを特徴とする活性光線硬化型インクジェット記録方法。
【0009】
2.酸素増感剤が活性水素含有化合物であることを特徴とする前記1に記載の活性光線硬化型インクジェット記録方法。
【0010】
3.活性水素含有化合物がチオール化合物であることを特徴とする前記2に記載の活性光線硬化型インクジェット記録方法。
【0011】
4.活性水素含有化合物がエーテル化合物であることを特徴とする前記2に記載の活性光線硬化型インクジェット記録方法。
【0012】
5.活性水素含有化合物がリン酸化合物、ホスホン酸化合物、スルホン酸化合物の何れか一つを含む有機酸であることを特徴とする前記2に記載の活性光線硬化型インクジェット記録方法。
【0013】
6.酸素増感剤が光酸発生剤であることを特徴とする前記1に記載の活性光線硬化型インクジェット記録方法。
【0014】
7.酸素増感剤が重合性非アクリレート不飽和化合物であることを特徴とする前記1に記載の活性光線硬化型インクジェット記録方法。
【0015】
8.重合性非アクリレート不飽和化合物がアリール基を有する化合物であることを特徴とする前記7に記載の活性光線硬化型インクジェット記録方法。
【0016】
9.活性光線により硬化するインクの50℃おける粘度が5〜30mPa・sであることを特徴とする前記1〜8の何れか1項に記載の活性光線硬化型インクジェット記録方法。
【0017】
10.印字媒体に着弾し、活性光線を照射して硬化した後の総インク膜厚が2〜20μmであることを特徴とする前記1〜9の何れか1項に記載の活性光線硬化型インクジェット記録方法。
【0018】
11.射出されるインク液滴量が2〜15plであることを特徴とする前記1〜10の何れか1項に記載の活性光線硬化型インクジェット記録方法。
【0019】
12.印字媒体が非吸収性メディアであることを特徴とする前記1〜11の何れか1項に記載の活性光線硬化型インクジェット記録方法。
【0020】
13.印字媒体の80℃における熱収縮率が0.5〜50%であることを特徴とする前記1〜12の何れか1項に記載の活性光線硬化型インクジェット記録方法。
【0021】
14.印字媒体の表面エネルギー(濡れ性)が25〜60dyn/cmであることを特徴とする前記1〜13の何れか1項に記載の活性光線硬化型インクジェット記録方法。
【0022】
15.インク滴を吐出制御可能なノズルを少なくとも1つ有する記録ヘッドで記録媒体上に吐出するに際し、インクジェットヘッドを40〜100℃に加熱することを特徴とする前記1〜14の何れか1項に記載の活性光線硬化型インクジェット記録方法。
【0023】
16.インクの吸収波長におけるピーク照度が1〜2000mW/cm2であることを特徴とする前記1〜15の何れか1項に記載の活性光線硬化型インクジェット記録方法。
【0024】
本発明者らは上記実状に鑑みて鋭意検討した結果、重合性アクリレート不飽和化合物と共に、酸素増感剤を含有する活性エネルギー線硬化性組成物をインクジェットインク組成物として用いてインクジェット記録を行うことにより、上記の欠点が解決され、インクジェットヘッドからのインクの直進性に優れ、サテライトの発生が少なく、記録された画像の仕上がり品質に優れるインクジェット記録が可能となることを見い出し、本発明を完成するに至ったものである。
【0025】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、活性光線を照射する活性光線硬化型インクジェット記録に採用される活性光線によって硬化するインクについて言及したものであり、重合性アクリレート不飽和化合物と共に酸素増感剤を含有することを特徴とする。
【0026】
重合性アクリレート不飽和化合物としては公知の化合物が使用できる。例としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸及びそれらの塩、エステル、ウレタン、アミドや無水物、アクリロニトリル、スチレン、更に種々の不飽和ポリエステル、不飽和ポリエーテル、不飽和ポリアミド、不飽和ウレタン等の化合物が挙げられる。
【0027】
具体的には、2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、カルビトールアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、ベンジルアクリレート、ビス(4−アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリレート、N−メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、エポキシアクリレート等のアクリル酸誘導体、メチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、アリルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、ジメチルアミノメチルメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、2,2−ビス(4−メタクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン等のメタクリル誘導体、その他、アリルグリシジルエーテル、ジアリルフタレート、トリアリルトリメリテート等のアリル化合物の誘導体が挙げられ、更に具体的には、山下晋三編、「架橋剤ハンドブック」、(1981年大成社);加藤清視編、「UV・EB硬化ハンドブック(原料編)」(1985年、高分子刊行会);ラドテック研究会編、「UV・EB硬化技術の応用と市場」、79頁、(1989年、シーエムシー);滝山栄一郎著、「ポリエステル樹脂ハンドブック」、(1988年、日刊工業新聞社)等に記載の市販品もしくは業界で公知のラジカル重合性乃至架橋性のモノマー、オリゴマー及びポリマーを用いることができる。
【0028】
このような重合性アクリレート不飽和化合物の添加量は通常活性光線硬化型インク組成物(以下、単にインク又はインク組成物ともいう)の1〜97質量%程度、好ましくは30〜95質量%である。
【0029】
一方、酸素増感剤は酸素の存在下で、光照射により重合性アクリレート不飽和化合物の重合反応を促進する化合物であれば、特に制限されるものではない。このような酸素増感剤は、分子中に活性水素を含有する化合物(活性水素含有化合物という)が好ましく用いられる。このような活性水素含有化合物としては、例えば、チオール化合物、エーテル化合物、有機酸、光酸発生剤等である。
【0030】
有機酸としては、特にリン酸化合物、ホスホン酸化合物、スルホン酸化合物の何れか1つを有し、低分子量の有機酸が好ましく用いられる。光酸発生剤としては重合性非アクリレート不飽和化合物が用いられ、そのうちアリール基を有する化合物が好ましく用いられる。更に、光照射により活性水素を発生する光酸発生剤も好ましく用いられる。その際、酸増殖剤も併用することができる。
【0031】
チオール化合物は、−SH基を有するものであれば特に限定されない。チオール化合物の具体例としては、チオグリコール酸メチル、チオグリコール酸オクチル、チオグリコール酸メトキシブチル、ブタンジオールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、メルカプトプロピオン酸メチル、メルカプトプロピオン酸オクチル、メルカプトプロピオン酸メトキシブチル、ブタンジオールビス(3−メルカプトプロピオネート)、エチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、2,4,6−トリオキソ−1,3,5−トリアジン−1,3,5−トリイルトリエチルトリス(3−メルカプトプロピオネート)などが挙げられる。これらの中で効果の点から、特にペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)及びペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレートが好適である。
【0032】
エーテル化合物の具体例としては、−o−基を有するものであれば特に限定されない。その具体例としては、メチルアリルエーテル、メチルプロパギルエーテル、エチルプロパギルアルコール、メトキシ−2−ブチン、エトキシ−2−ブチン、n−ブトキシ−2−ブチン、ビス(2−ブチニル)エーテル、n−ペンチルオキシ−2−ブチン、n−ヘプチルオキシ−2−ブチン、エトキシ−2−ブテン、n−ペンチルオキシ−2−ブテン、メトキシ−2又は3−ペンチン、エトキシ−2又は3−ペンチン、n−ブトキシ−2又は3−ペンチン、ビス(2又は3−ペンチニル)エーテル、n−ヘキシルオキシ−2又は3−ペンチン、メトキシ−2又は3−ペンテン、エトキシ−2又は3−ペンテン、n−ブトキシ−2又は3−ペンテン、ビス(2又は3−ペンテニル)エーテル、n−ヘキシルオキシ−2又は3−ペンテン、メトキシ−3−ヘキシン、エトキシ−3−ヘキシン、n−プロポキシ−3−ヘキシン、n−ブトキシ−3−ヘキシン、メトキシ−3−ヘキセン、エトキシ−3−ヘキセン、n−プロポキシ−3−ヘキセン、n−ブトキシ−3−ヘキセンなどが挙げられる。
【0033】
更に、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、1,4−ブタンジオールモノビニルエーテル、1,9−ノナンジオールモノビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、トリエチレングリコールモノビニルエーテル、シクロヘキシル−1,4−ジメチロールモノビニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテル、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルビニルエーテル、トリエチレングリコールビニルエーテル、テトラエチレングリコールジビニルエーテル、ポリテトラメチレングリコールジビニルエーテル、1,4−ブタンジオールジビニルエーテル、1,9−ノナンジオールビニルエーテル,シクロヘキシル−1,4−ジメチロールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル等の反応性ビニルエーテル単量体、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ポリプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール等のポリオール類とトリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の有機ポリイソシアネート類と水酸基含有ビニルエーテル類(例えば、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、1,4−ブタンジオールモノビニルエーテル、シクロヘキシル−1,4−ジメチロールモノビニルエーテル等)の反応物であるウレタンビニルエーテル、前記、水酸基含有ビニルエーテル類とポリカルボン酸クロライド類(例えば、フタル酸ジクロライド、イソフタル酸ジクロライド、テトラヒドロフタル酸ジクロライド等)の反応物であるポリエステルポリビニルエーテル等の反応性ビニルエーテルオリゴマー等を挙げることができるが、非重合性の化合物が好ましく用いられる。
【0034】
リン酸化合物、ホスホン酸化合物、スルホン酸化合物の何れか1つを含有する有機酸としては、アデノシン5′−二リン酸一ナトリウム、アデノシン5′−三リン酸二ナトリウム、リン酸二水素アンモニウム、リン酸一アンモニウム、ヘキサフルオロリン酸アンモニウム、ホスフィン酸アンモニウム、アミノエチルホスホン酸、アミノメチルホスホン酸、ブチルホスホン酸、ジメチルホスホン酸、エチルホスホン酸、フェニルホスホン酸、ホスホン酸、N−(2−アセトアミド)−2−アミノエタンスルホン酸、アリザリンスルホン酸、o−アミノベンゼンスルホン酸、オルタニル酸、m−アミノベンゼンスルホン酸、メタニル酸、1−アミノベンズイミダゾール−2−スルホン酸、アミノメタンスルホン酸、2−アミノ−1,5−ナフタレンジスルホン酸、8−アミノ−1−ナフトール−3,6−ジスルホン酸、1−アミノ−2−ナフトール−4−スルホン酸、1−アミノ−2−ヒドロキシ−4−ナフタレンスルホン酸、8−アミノ−1−ナフトール−5−スルホン酸等が用いられる。
【0035】
重合性非アクリレート不飽和化合物としては、スチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、β−メチルスチレン、p−メチル−β−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−メトキシ−β−メチルスチレン等のスチレン誘導体、2−ビニルナフタレン、α−メチル−2−ビニルナフタレン、β−メチル−2−ビニルナフタレン、4−メチル−2−ビニルナフタレン、4−メトキシ−2−ビニルナフタレン等のビニルナフタレン誘導体、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルピロリドン、N−ビニルインドール、N−ビニルピロール、N−ビニルフェノチアジン、N−ビニルアセトアニリド、N−ビニルエチルアセトアミド、N−ビニルスクシンイミド、N−ビニルフタルイミド、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルイミダゾール等のN−ビニル化合物類等が用いられる。特にアリール基を有する化合物が好ましく用いられる。
【0036】
光酸発生剤としては、例えば、化学増幅型フォトレジストや光カチオン重合に利用される化合物が用いられる(有機エレクトロニクス材料研究会編、「イメージング用有機材料」、ぶんしん出版(1993年)、187〜192頁参照)。特にジアゾニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、鉄アレーン錯体及び有機ポリハロゲン化合物を好ましく使用することができる。ジアゾニウム塩、ヨードニウム塩及びスルホニウム塩としては、特公昭54−14277号、同54−14278号、特開昭51−56885号、米国特許第3,708,296号、同第3,853,002号等に記載された化合物が挙げられる。
【0037】
本発明に好適な化合物の例を以下に挙げる。第1に、ジアゾニウム、アンモニウム、ヨ−ドニウム、スルホニウム、ホスホニウムなどの芳香族オニウム化合物のB(C6F5)4 −、PF6 −、AsF6 −、SbF6 −、CF3SO3−塩を挙げることができる。対アニオンとしてボレート化合物を有するものが酸発生能力が高く好ましい。オニウム化合物の具体的な例を以下に示す。
【0038】
【化1】
【0039】
第2に、スルホン酸を発生するスルホン化物を挙げることができる。具体的な化合物を以下に例示する。
【0040】
【化2】
【0041】
第3に、ハロゲン化水素を光発生するハロゲン化物も用いることができる。以下に具体的な化合物を例示する。
【0042】
【化3】
【0043】
第4に、鉄アレン錯体を挙げることができる。
【0044】
【化4】
【0045】
光酸発生剤については、その他に津田譲著「超LSLレジストの分子設計」共立出版、1990、pp.55〜78に記載の光酸発生剤化合物を使用することができる。
【0046】
本発明で用いることができる酸増殖剤は、比較的強い酸の残基で置換された化合物であって、比較的容易に脱離反応を引き起こして酸を発生する化合物である。従って、酸触媒反応によりこの脱離反応を大幅に活性化させることができ、酸の不存在下では安定であるが、酸の存在下では容易に熱化学反応によって酸を生成させることが可能となる。このような性質を持つ酸増殖剤を光酸発生剤と組み合わせることによって、飛躍的に感光速度が向上した光反応性組成物が可能となる。酸触媒反応によって分解して再び酸を発生し、一回の反応で1つ以上の酸が増えることによって、反応の進行に伴ってねずみ算式に加速的に反応が進む。発生した酸自体が自己分解を誘起するために、ここで発生する酸の強度は酸解離定数(pKa)として3以下、特に2以下であることが望ましい。これより弱い酸の場合は、自己分解を引き起こすことができない。このような酸として、例えばジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、トリフェニルホスホン酸などを挙げることができる。
【0047】
このような酸増殖剤の具体的なものとしては、特開平8−248561号、同9−34106号、同10−1508号、同11−102066号、同11−180048号、特開2000−34272号、同2000−35665号、同2000−119557号、同2001−22069号、同2001−48905号、同2001−81138号、同2001−83658号、同2001−117196号、同2001−323178号等明細書に記載されている化合物を挙げることができ、酸増殖剤は、単独もしくは2種以上混合して使用することができる。これら酸増殖剤を用いることで、更なる吐出安定性向上を可能とする。
【0048】
このような酸素増感剤の添加量はインク組成物の1〜20質量%が好ましく、更に好ましくは2〜10質量%である。
【0049】
本発明におけるインク組成物は、200〜400nmに固有の分光感度を有しており、波長180〜500nmの紫外線又は可視光線を照射することによって重合させることができ、とりわけ、254nm、308nm、313nm、365nmの波長の光が当該インク組成物の硬化に有効である。又、このインク組成物は、紫外線以外のエネルギー線の照射によって、或いは熱によっても硬化させることができる。更に当該インク組成物は、空気中及び/又は不活性ガス中の何れにおいても硬化させることができるが、とりわけ酸素の存在下で照射するのが好ましい。
【0050】
本発明では、必要に応じて次の化合物を添加してもよい。
硬化反応をより効率的に行なうために、公知の光重合開始剤を添加して硬化させることもできる。光重合開始剤としては、分子内結合開裂型と分子内水素引き抜き型の2種に大別できる。
【0051】
分子内結合開裂型の光重合開始剤としては、例えば、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノンの如きアセトフェノン系;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテルの如きベンゾイン類;2,4,6−トリメチルベンゾインジフェニルホスフィンオキシドの如きアシルホスフィンオキシド系;ベンジル、メチルフェニルグリオキシエステルなどが挙げられる。
【0052】
一方、分子内水素引き抜き型の光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル−4−フェニルベンゾフェノン、4,4′−ジクロロベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4′−メチル−ジフェニルサルファイド、アクリル化ベンゾフェノン、3,3′,4,4′−テトラ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3′−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノンの如きベンゾフェノン系;2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントンの如きチオキサントン系;ミヒラ−ケトン、4,4′−ジエチルアミノベンゾフェノンの如きアミノベンゾフェノン系;10−ブチル−2−クロロアクリドン、2−エチルアンスラキノン、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノンなどが挙げられる。
【0053】
光重合開始剤を使用する場合の配合量は、インク組成物の0.01〜10.00質量%の範囲が好ましい。
【0054】
又、本発明におけるインク組成物は紫外線の照射により硬化するが、硬化反応をより効率的に行なうために、光増感剤を併用することもできる。
【0055】
そのような光増感剤としては、例えば、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸(2−ジメチルアミノ)エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸(n−ブトキシ)エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシルの如きアミン類が挙げられる。
【0056】
光増感剤を使用する場合の配合量は、インク組成物の0.01〜10.00質量%の範囲が好ましい。
【0057】
更に、本発明におけるインク組成物には、用途に応じて、非反応性化合物、無機充填剤、有機充填剤、カップリング剤、粘着付与剤、消泡剤、レベリング剤、可塑剤、酸化防止剤、重合禁止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、顔料、染料などを適宜併用することもできる。
【0058】
該インク組成物に併用可能な粘着付与剤、消泡剤、レベリング剤、可塑剤、酸化防止剤、重合禁止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、顔料及び染料は、公知慣用のものであれば如何なるものも、その硬化性、樹脂特性を損なわない範囲で、特に制限無く使用することができる。
【0059】
本発明におけるインク組成物を得るには、上記した各成分を混合すればよく、混合の順序や方法は特に限定されない。
【0060】
このように混合されたインクの物理的特性としては、50℃における粘度が5〜30mPa・sの範囲にあることが好ましい。
【0061】
又、本発明におけるインク組成物は実質的には溶剤を必要としないが、例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンの如きケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチルの如き酢酸エステル類、ベンゼン、トルエン、キシレンの如き芳香族炭化水素、エチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールジメチルエーテルの如きアルコール類などその他の一般によく用いられる有機溶剤によってインク組成物を希釈して使用することも可能である。
【0062】
本発明の活性光線硬化型インクジェット記録方法は、上記のように調整したインク組成物を用いて印字媒体に印字を行うものであり、良好な画質、良好な印字を得ることができる。
【0063】
インクジェット記録法はインクの微小液滴をノズルから噴射させて、それを紙などの記録媒体面に付着させ印字又は画像の記録を行うものである。色々なインクジェット記録法が提案されており、コンティニアス法と呼ばれる方法は例えばUSP3,298,030及び同3,596,275に開示されている。又ドロップオンデマンド法では、ピエゾ素子の変形をインク噴射の駆動力に応用したものが例えばUSP3,946,398に開示されている。又熱エネルギーを利用してインク滴を噴射するインクジェット記録法は例えぱUSP4,251,824に開示されている。
【0064】
何れのインクジェット記録法においても、インクは微細なノズルのオリフィスから微小液滴として高速度で吐出されるため、インク滴の吐出安定性はインクの特性に大きく左右される。上記したインク組成物を用いることにより、インクジェットヘッドからのインクの直進性に優れ、サテライトの発生が少なく、記録された画像の仕上がり品質に優れることが判明した。
【0065】
本発明によるインクジェット記録方法にあっては、インク組成物を印字媒体に付着させた後に、光照射を行う。照射された光によってインク組成物は重合反応を開始してインク組成物を印字媒体に固着する。
【0066】
この光照射に用いられる光源としては、波長180〜500nmの紫外線又は可視光線を発生する光源が有効である。例えば、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、水銀−キセノンランプ、エキシマーランプ、ショートアーク灯、ヘリウム・カドミニウムレーザー、アルゴンレーザー、エキシマーレーザー、太陽光が挙げられる。
【0067】
本発明の好ましい態様によれば、インクの吸収波長におけるピーク照度が1〜2000mW/cm2の紫外線照射を行うことが好ましい。かかる程度の範囲内における紫外線照射量で十分な硬化反応を行うことができるため、紫外線照射によって着色剤が退色してしまうことも防止できるので有利である。
【0068】
本発明に用いられる印字媒体は特に限定はない。好ましい基材は、いわゆる非吸収性メディアであり、紙等の繊維状のものでインクを吸収させたり、フィルム上にインク吸収層として、インクを吸収して膨潤する樹脂を用いたり、フィラーや、樹脂粒子を用いて層内に空隙を設けたりしたインク吸収層を持たないことを言う。具体的には、表面に樹脂をコートした紙や、プラスチックフィルム、プラスチックシート、金属、セラミック、ガラス、等が挙げられる。
【0069】
プラスチックシート/フィルムの材質としては、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステルアミド、ポリエーテル、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリ−p−フェニレンスルフィド、ポリエーテルエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロンが好ましい。又、これらの共重合体やブレンド物、更には架橋したものを用いることもできる。
【0070】
本発明に用いる熱収縮性の支持体は、熱によって縦方向もしくは横方向に収縮する支持体であり、通常の各種プラスチック及びそのフィルムを用いることが出来る。プラスチックフィルムとしては、PETフィルム、OPS(延伸ポリスチレン)フィルム、OPP(延伸ポリプロピレン)フィルム、ONy(延伸ナイロン)フィルム、PVC(ポリ塩化ビニル)フィルム、PEフィルム、TACフィルムが使用出来る。その他のプラスチックとしては、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ABS、ポリアセタール、PVA、ゴム類などが使用出来る。又、金属類や、ガラス類にも適用可能である。
【0071】
これらの支持体の中でも、80℃における熱収縮率が0.5〜50%であるフィルムが好ましい。熱収縮率は、フィルムを70℃の温水に10秒間浸漬時の縦方向もしくは横方向の収縮率である。
【0072】
インクを着弾させる印字媒体表面の表面エネルギー(濡れ性)は35〜60dyn/cmであることが好ましい。表面エネルギーの評価はJIS規格K 6768のプラスチックフィルム及びシートのぬれ張力試験方法を用いて評価する。
【0073】
このような表面エネルギーを得るために、基材に前処理を行うことが出来る。前処理は、表面エネルギーを向上させるための易接層を設けてもよいし、コロナ処理、プラズマ処理等を行うことが出来る。コロナ処理、プラズマ処理は処理後、印字までの時間が短いほうが好ましい。
【0074】
本発明の好ましい態様として、インクジェットヘッドを40℃以上に加熱し、間接的にインク組成物を温めて射出するインクジェト記録方法が挙げられる。加熱の好ましい温度は40〜100℃程度である。
【0075】
又、本発明が目的とする高精細な画像を得るためには射出されるインク液滴量を2〜15plとすることが好ましい。本発明におけるインクは射出特性が良好なため、液滴量が小さくてもノズルのつまりやドットの曲がり、サテライト等を生じることなく良好な画像を得ることが出来る。
【0076】
更に、本発明の目的とする光沢感のある高画質の画像を得るには、印字媒体に着弾し、活性光線を照射して硬化した後の総インク膜厚が2〜20μmであることが好ましい。
【0077】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下の「部」は「質量部」を表す。尚、ここではインクの各構成要素をインク組成物と表現し、インクと区別して説明する。
【0078】
実施例1
(1)インクの作製
下記のインク組成物を混合攪拌した後、得られた液体をフィルターでろ過しインク1〜5を得た。
又、酸素増感剤の代替として比較化合物(パラフィンワックス(融点60℃))を用いた以外は同様にしてインク6を得た。
(インク粘度の測定)
得られたインク1〜6を振動型粘度計(ビスコメイトVM−1G 山一電気(株)製)を用いて、50℃でのインク粘度を測定した。結果を表1に示す。
(2)インクジェット記録
インクジェットプリンタ PHASER860(PHASER PRINTING JAPAN社製)を部分的に改造し、ヘッドを50℃で加熱した状態で熱収縮率3.5%、表面エネルギー30dyn/cmの印字媒体であるPETフィルム(コロナ処理済み、シュリンクラベル用)上に得られたインク1〜6を射出して画像形成した。ヘッドは、2〜15plのマルチサイズドットを720×720dpi(dpiとは1インチ、即ち2.54cm当たりのドット数を表す)の解像度で吐出できるよう駆動し、吐出した。
【0079】
インク射出直後に照度10mW/cm2の低圧水銀灯(殺菌灯)を用いて空気中で光照射を行い、記録媒体上にインクを固着した。得られたインク画像の膜厚を表1に示す。
【0080】
【表1】
【0081】
・酸素増感剤1(チオール化合物):ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)
・酸素増感剤2(エーテル化合物):2−ヒドロキシエチルビニルエーテル
・酸素増感剤3(有機酸):1−アミノ−2−ナフトール−4−スルホン酸
・酸素増感剤4(光酸発生剤):トリアリールスルホニウムヘキサフルオロリン酸塩
・酸素増感剤5(重合性非アクリレート不飽和化合物):N−ビニルピロリドン
・酸増殖剤:2,4,6−トリス〔2−(p−トルエンスルホニロキシ)エチル〕−1,3,5−トリオキサン
(3)インクジェット記録画像の評価
インクジェット記録画像について以下のように評価を行い、その結果を表2に示す。
(硬化性)
硬化性は、印字媒体上に形成されたインクの表面に粘着性がなくなり、セロテープ(R)により記録画像が剥がれなくなる程度に印字媒体との接着が得られるのに必要な最低限の露光エネルギーを露光量(mJ/cm2)で表した。
(インク射出性)
インク射出性は、ヘッドと印字媒体の距離を1mmに設定し、記録媒体上に形成された着弾インクを直進性、サテライトの2面で評価した。直進性については、着弾予定位置からのずれを、サテライトについては主ドロップの周辺に着弾した副ドロップの状況を目視で評価した。
【0082】
【表2】
【0083】
表2から明らかなように、本発明に係るインクを使用した場合にはインクジェットヘッドからの射出性に優れ、低エネルギーの活性エネルギー線で硬化が可能であり、かつ画像の仕上がり品質が良好となることが判る。
【0084】
【発明の効果】
本発明によれば、インクジェットヘッドからの射出性に優れ、低エネルギーの活性エネルギー線で硬化が可能であり、かつ画像の仕上がり品質が良好なインクジェット記録が行えるという顕著に優れた効果を奏する。
Claims (16)
- 活性光線によって硬化するインクを印字媒体に射出し、次いで活性光線を照射する活性光線硬化型インクジェット記録方法において、前記インクが重合性アクリレート不飽和化合物及び酸素増感剤を含有することを特徴とする活性光線硬化型インクジェット記録方法。
- 酸素増感剤が活性水素含有化合物であることを特徴とする請求項1に記載の活性光線硬化型インクジェット記録方法。
- 活性水素含有化合物がチオール化合物であることを特徴とする請求項2に記載の活性光線硬化型インクジェット記録方法。
- 活性水素含有化合物がエーテル化合物であることを特徴とする請求項2に記載の活性光線硬化型インクジェット記録方法。
- 活性水素含有化合物がリン酸化合物、ホスホン酸化合物、スルホン酸化合物の何れか一つを含む有機酸であることを特徴とする請求項2に記載の活性光線硬化型インクジェット記録方法。
- 酸素増感剤が光酸発生剤であることを特徴とする請求項1に記載の活性光線硬化型インクジェット記録方法。
- 酸素増感剤が重合性非アクリレート不飽和化合物であることを特徴とする請求項1に記載の活性光線硬化型インクジェット記録方法。
- 重合性非アクリレート不飽和化合物がアリール基を有する化合物であることを特徴とする請求項7に記載の活性光線硬化型インクジェット記録方法。
- 活性光線により硬化するインクの50℃おける粘度が5〜30mPa・sであることを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載の活性光線硬化型インクジェット記録方法。
- 印字媒体に着弾し、活性光線を照射して硬化した後の総インク膜厚が2〜20μmであることを特徴とする請求項1〜9の何れか1項に記載の活性光線硬化型インクジェット記録方法。
- 射出されるインク液滴量が2〜15plであることを特徴とする請求項1〜10の何れか1項に記載の活性光線硬化型インクジェット記録方法。
- 印字媒体が非吸収性メディアであることを特徴とする請求項1〜11の何れか1項に記載の活性光線硬化型インクジェット記録方法。
- 印字媒体の80℃における熱収縮率が0.5〜50%であることを特徴とする請求項1〜12の何れか1項に記載の活性光線硬化型インクジェット記録方法。
- 印字媒体の表面エネルギー(濡れ性)が25〜60dyn/cmであることを特徴とする請求項1〜13の何れか1項に記載の活性光線硬化型インクジェット記録方法。
- インク滴を吐出制御可能なノズルを少なくとも1つ有する記録ヘッドで記録媒体上に吐出するに際し、インクジェットヘッドを40〜100℃に加熱することを特徴とする請求項1〜14の何れか1項に記載の活性光線硬化型インクジェット記録方法。
- インクの吸収波長におけるピーク照度が1〜2000mW/cm2であることを特徴とする請求項1〜15の何れか1項に記載の活性光線硬化型インクジェット記録方法。
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