JP2004099700A - 艶消し塗料組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】溶剤、多孔性(メタ)アクリル酸エステル系重合体粒子及び溶剤に可溶な1種類以上の塗料用樹脂とからなり、多孔性(メタ)アクリル酸エステル系重合体粒子が、該粒子に荷重を加えて粒子径を10%変形させたとき、0.05〜0.6kgf/mm2の粒子強度を有することを特徴とする艶消し塗料組成物により上記課題を解決する。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、艶消し塗料組成物に関する。更に詳しくは、本発明は、なめらかな触感であり、スエード調の外観の塗膜を呈する塗料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車内装部品には、艶消し塗装仕上げが施されている場合が見られる。このような艶消し塗装仕上げは、シリカやタルクに代表される光沢調整用の体質顔料を加えた塗料を塗装することによって達成されていた。
しかしながら、上記塗料により得られた塗膜を触ると硬質な感触であり、また塗膜に外部から衝撃が加わったときに傷が付きやすいという問題がある。この問題を解決し、より天然の皮革に近いなめらかな風合いの塗膜を得ることが求められている。
【0003】
これら塗膜に独特な模様や軟らかな風合いを付与したり、耐傷付性等を向上させたりするために、塗料中にスリップ剤、例えば、アクリル樹脂粒子、ウレタン樹脂粒子、ナイロン樹脂粒子、シリコン樹脂粒子、ポリエチレン樹脂粒子等を加えることが一般に知られている。
本発明者らは、特開2000−186017号公報にて、無機粉体が表面に付着してなる平均粒子径0.5〜30μm、圧縮強度0.05〜0.6kg/mm2である非多孔性の真球状架橋(メタ)アクリル酸エステル系樹脂粒子が化粧品等の外用剤や塗料の触感改良に優れた特性を示すことを提案している。
【0004】
特開平10−36761号公報には、硬質の多孔性状又は表面形状が凹凸である樹脂粒子を塗料組成物に添加することで、塗膜の傷付性を向上させ、独特な触感や模様を付与する方法が提案されている。
特開2002−20691号公報によれば、種々の家電製品や自動車内装仕上げ等で用いられる艶消し塗料組成物を、重量平均分子量が大きな塗料用樹脂と硬質の多孔性粒子とで構成することにより、軟らかな触感で優れた艶消し塗膜を形成する方法が開示されている。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−186017号公報
【特許文献2】
特開平10−36761号公報
【特許文献3】
特開2002−20691号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、これらの従来の技術ではなめらかな触感やスエード調の独特の模様を付与し、傷付性を改善する効果は充分ではなかった。
そのため、なめらかな触感でざらつきがなく、更に耐傷付性に優れたスエード調の艶消し塗膜を与えうる種々の家電製品や自動車内装仕上げ等で用いることの可能な艶消し塗料組成物を提供することが望まれていた。
【0007】
【課題を解決するための手段】
かくして本発明によれば、溶剤、多孔性(メタ)アクリル酸エステル系重合体粒子及び溶剤に可溶な1種類以上の塗料用樹脂とからなり、多孔性(メタ)アクリル酸エステル系重合体粒子が、該粒子に荷重を加えて粒子径を10%変形させたとき、0.05〜0.6kgf/mm2の粒子強度を有することを特徴とする艶消し塗料組成物が提供される。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明は、塗料成分中に特定の粒子強度を有する多孔性(メタ)アクリル酸エステル系重合体粒子(以下、多孔性粒子)を使用することにより、柔軟で艶消し効果が大きい塗膜を形成しうる塗料組成物を提供するものである。具体的には、樹脂自身が軟質で、多孔性(メタ)アクリル酸エステル系重合体粒子を塗料組成物の一部に配合することによって、大きな艶消し効果と柔らかな触感で、更にスエード調の外観の塗膜を提供しうる塗料組成物が得られる。
【0009】
本発明でいう粒子強度とは、粒子に荷重を加えて粒子径を10%変形させたときの強度(S10強度)を意味する。具体的なS10強度の測定法は、実施例の欄で説明する。本発明で使用できる多孔性粒子のS10強度は、0.05〜0.6kgf/mm2の範囲であり、好ましくは0.1〜0.4kgf/mm2の範囲である。S10強度が0.05kgf/mm2を下回ると、例えば塗料組成物を作製する際の混練時に多孔性粒子が崩壊するおそれがある。また、S10強度が0.6kgf/mm2を越えると塗膜の触感が硬く感じられ好ましくない。以下、本明細書で用いる用語「軟質」は、S10強度が0.05〜0.6kgf/mm2の範囲にあることを、「硬質」は、S10強度が0.6kgf/mm2より大きいことを意味する。
以下、軟質の多孔性粒子の作用を述べる。
【0010】
まず、塗料成分中に従来使用されている硬質の非多孔性の粒子を含む塗料を塗装し、乾燥を行って艶消し塗膜を得た場合には粒子が存在することによって、塗膜表面には非多孔性の粒子の粒子径に対応する凹凸が形成される。このことによって艶消し効果が得られる。しかしながら、得られる塗膜を触った感触や塗膜の外観仕上りは硬質なものでありスエード調とはかけ離れた外観を呈する。また、真球状かつ軟質な非多孔性の樹脂粒子を塗料組成物の艶消し剤に用いた場合、塗膜自体は軟らかな触感になるものの、艶消し効果は不十分でありスエード調の外観は得られない。
【0011】
更に、従来より知られている硬質な多孔性の樹脂粒子を塗料成分中に配合した塗料を塗装し、乾燥を行って艶消し塗膜を得た場合には、非多孔性の樹脂粒子を用いた場合と比較して、艶消し効果に改善は見られるものの、塗膜を触った感触や塗膜の外観仕上りは硬質なものでありスエード調とはかけ離れた外観となる。一方、軟質の多孔性粒子を含む塗料組成物から得られた塗膜は、非常に軟らかな触感を有するとともに、理由は定かでないがスエード調の外観を呈するという新規な効果を奏する。
【0012】
本発明に使用する軟質の多孔性粒子の平均粒子径としては、3〜50μmであることが艶消し及び仕上り外観の面から好ましい。多孔性粒子の平均粒子径が3μm未満の場合には、艶消し塗膜において形成される凹凸が小さくなるために、実質的な艶消し効果が得られないので好ましくない。また、軟質の多孔性粒子の平均粒子径が50μmを越える場合には、艶消し塗膜を形成した場合の外観がざらざらと荒れた状態になり、仕上り外観が悪くなるために好ましくない。なお、平均粒子径の測定法は、以下の実施例の欄で説明する。
【0013】
軟質の多孔性粒子の比表面積は、1〜300g/m2であることが好ましい。比表面積が1g/m2未満だと、塗膜の仕上りや触感が非多孔性粒子を用いたときと変らず、仕上り外観がスエード調にならない場合があるので好ましくない。また多孔性粒子の比表面積が300g/m2を越えると多孔性粒子自体の強度が弱くなりすぎ、塗料組成物を作製する際に多孔性粒子の崩壊が起る場合があり好ましくない。なお、比表面積の測定法は、以下の実施例の欄で説明する。
【0014】
本発明の艶消し塗料組成物に用いる塗料用樹脂は、特に限定されず、当該分野で公知の樹脂から、塗装される基材への塗料の密着性や使用される環境等によって適宜選択できる。例えば、有機溶剤や水に可溶な樹脂や、有機溶剤や水中に分散しうる樹脂や、エマルション型の水性樹脂を使用することができる。具体的には、アクリル樹脂、アルキド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂、アモルフォスポリオレフィン樹脂等を用いることができる。
【0015】
本発明の艶消し塗料組成物は、塗料用樹脂と前記特定の圧縮強度を有する軟質の多孔性粒子とを溶剤に添加することによって作製する。軟質の多孔性粒子の含有量は、多孔性粒子と塗料用樹脂の合計量100重量部に対して、好ましくは5〜50重量部である。より好ましくは10〜50重量部、更に好ましくは20〜40重量部である。多孔性粒子の含有量が5重量部未満では、十分な艶消し効果が得られない。また、50重量部を超える場合には、塗料組成物調整の際に粘度が大きくなりすぎ多孔性粒子の分散不良が起こり、塗装後の塗膜にマイクロクラックが発生する等の外観不良が起るために好ましくない。多孔性粒子の含有量の最適量は、形成される塗膜の膜厚、多孔性粒子の平均粒子径、塗装方法によっても異なるが、適量範囲は上記範囲内である。
【0016】
溶剤としては、油性塗料の場合、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤、ジオキサン、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル等のエーテル系溶剤等の単独もしくは混合溶剤が挙げられ、水性塗料の場合、水、アルコール等の単独もしくは混合溶剤が挙げられる。溶剤の含有量は、塗料組成物全体100重量部に対して、通常20〜60重量部程度である。
【0017】
本発明の塗料組成物は、必要に応じて、公知の塗面調整剤、流動性調整剤、紫外線吸収剤、光安定剤、硬化触媒、体質顔料、着色顔料、金属顔料、マイカ粉顔料、染料等を加えることができる。
本発明の塗料組成物は、例えば、スプレー塗装、ロール塗装、ハケ塗り等の公知の塗装方法に使用することができる。また、必要に応じて、塗布組成物の粘度を調整するために、上記溶剤で希釈してもよい。
【0018】
(軟質の多孔性粒子の作製方法)
軟質の多孔性粒子は、(メタ)アクリル酸エステル系単量体の単官能単量体と非重合性有機溶媒との混合物(油相)を水中(水相)に分散させ、(メタ)アクリル酸エステル系単量体を重合させ、重合反応終了後、反応生成物から非重合性有機溶剤を除去することにより製造できる。ここで、油相には架橋性単量体を添加することが好ましい。
【0019】
上記(メタ)アクリル酸エステル系単量体としては、多孔性粒子に上記粒子強度を付与することができる単量体でありさえすれば特に限定されない。中でも、20℃(293K)以下のガラス転移温度(Tg)を重合物に与える単量体を使用することが好ましい。(メタ)アクリル酸エステル系単量体は、単独で、又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。2種類以上を組み合わせて用いる場合は、次式より算出される共重合物のガラス転移温度の推定値を20℃以下にすることが好ましい。
共重合物のガラス転移温度Tg(K)=1/(Σ(Wn/Tgn))
(式中、Wnは共重合物中のn成分の重量分率であり、Tgnはn成分の単独重合物のガラス転移温度(K)である。)
【0020】
(メタ)アクリル酸エステル系単量体を単独から得られる重合物又は2種類以上の(メタ)アクリル酸エステル系単量体から得られる共重合物のガラス転移温度が20℃を越える場合、多孔性粒子が硬くなる傾向が見られ、作製した塗膜の柔軟な風合いを阻害するので、好ましくない。
20℃以下のガラス転移温度が重合物を与える(メタ)アクリル酸エステル系単量体としては、例えばアクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル等のアクリル酸エステル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のメタクリル酸エステル等が挙げられる。
【0021】
また、上記の(メタ)アクリル酸エステル系単量体と共に用いることができる他の(メタ)アクリル酸エステル単量体としては、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸イソボルニル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−メトキシエチル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸テトラヒドロフルフリル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸トリフルオロエチル、メタクリル酸ヘプタデカフルオロデシル等が挙げられる。
【0022】
なお、得られる多孔性粒子の性能が低下しない範囲内であれば、(メタ)アクリル酸エステル系単量体と共重合可能な他の単官能単量体を併用することも可能である。共重合可能な他の単官能単量体としては、例えばスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、酢酸ビニル等のビニル基を有するものが挙げられる。これらの単官能単量体は単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
【0023】
多孔性粒子の機械的強度の向上、例えば、塗料組成物を調合する際の混練シェアによる多孔性粒子の破壊を十分に防ぐには、全単官能単量体100重量部に対して、炭素数1〜8のアルコールのアクリル酸エステルを50〜100重量部使用するのが好ましく、より好ましくは60〜80重量部使用するのがよい。特に、炭素数1〜4のアルコールのアクリル酸エステルを50〜100重量部使用するのが好ましく、より好ましくは60〜80重量部使用するのがよい。
軟質の多孔性粒子に良好な多孔形状を持たせるために、架橋性単量体の存在下に重合を行うことが好ましい。
【0024】
架橋性単量体としては、ビニル基を複数個有するものであれば特に限定されない。例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、デカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタデカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリストールテトラ(メタ)アクリレート、フタル酸ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスルトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールジアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル系単量体、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン及びこれらの誘導体である芳香族ジビニル系単量体が挙げられる。これらの架橋性単量体は、単独で、又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
【0025】
中でもエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル系単量体、カプロラクトン変性ジペンタエリスルトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールジアクリレート、ポリエステルアクリレート等が皮膚刺激性が低く取り扱い作業の面から好ましい。
【0026】
架橋性単量体は、単官能単量体100重量部に対して5〜100重量部使用するのが好ましく、より好ましくは30〜100重量部である。架橋性単量体の使用割合が多くなると多孔形状の形成や比表面積に問題は生じないが、多孔性粒子が硬くなり塗膜の柔らかさが損なわれる場合があるので好ましくない。また、架橋性単量体の使用割合が少なくなると多孔形状が形成され難くなったり、溶剤系の塗料組成物を調整する際耐溶剤性が劣ったりする場合があるので好ましくない。この架橋性単量体の使用割合は、所望の圧縮強度、比表面積、溶剤耐性になるように適宜調整できる。
【0027】
軟質の多孔性粒子に良好な多孔形状を持たせるために、非重合性有機溶媒の存在下に重合が行われる。非重合性有機溶媒としては、溶解度パラメーターが好ましくは6〜11であり、より好ましくは7〜11のものが挙げられる。溶解度パラメーターが6未満又は11を越える非重合性有機溶媒を使用すると、粒子形状や多孔形状が良好に形成されず比表面積が減少する場合があるので好ましくない。
なお、上記溶解度パラメーターは、高分子データ・ハンドブック基礎編(発行所;培風館、初版発行日;昭和61年1月30日)の595頁などに示されたパラーメータである。例えば、トルエンは8.9、酢酸エチルは9.1、n−オクタンは7.6の溶解度パラメーターをもつ。
【0028】
非重合性有機溶媒としては、例えば、トルエン、ベンゼン等の芳香族炭化水素、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、n−ヘキサン、n−オクタン、n−ドデカン等の飽和脂肪族炭化水素類等が挙げられる。これらの非重合性有機溶媒は単独で、又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
非重合性有機溶媒の使用割合は、非重合性有機溶媒と全単量体からなる油相100重量部中、30〜90重量部であることが好ましい。油相中の非重合性有機溶媒の使用量が30重量部未満では、得られる多孔性粒子の比表面積が減少する場合があるので好ましくない。また、使用量が90重量部を超えると得られる多孔性粒子内の空隙率が大きくなりすぎて、多孔性粒子を使用したときに粒子の変形、破壊等が起りやすくなり好ましくない。
【0029】
懸濁重合に際しては重合開始剤が適宜使用できる。重合開始剤としては、例えば過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酸化オクタノイル、オルソクロロ過酸化ベンゾイル、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド等の油溶性過酸化物、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等の油溶性アゾ化合物が挙げられる。これらの重合開始剤は、それぞれ単独で、又は2種類以上組み合わせて用いることができる。
【0030】
重合開始剤の使用割合は、油相100重量部に対して0.1〜1重量部程度である。また、懸濁重合では、分散剤及び/又は界面活性剤等を用いてもよい。分散剤としては例えばリン酸カルシウム、ピロリン酸マグネシウム等の難水溶性無機塩、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン等の水溶性高分子等が挙げられる。界面活性剤としては、例えばオレフィン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルリン酸エステル塩等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステル等のノニオン性界面活性剤、ラウリルジメチルアミンオキサイドのような両性界面活性剤等が挙げられる。
【0031】
これらの分散剤及び界面活性剤は、それぞれ単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。中でも、分散安定性の点から、リン酸カルシウム、ピロリン酸マグネシウム等の難水溶性リン酸塩の分散剤と、アルキル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩等のアニオン性界面活性剤とを組み合わせて用いるのが好ましい。
【0032】
分散剤の添加割合は油相100重量部に対して0.5〜10重量部程度が好ましく、界面活性剤の使用割合は、水相100重量部に対して0.01〜0.2重量部程度が好ましい。
重合反応は、油相(例えば単量体、重合開始剤、非重合性有機溶媒等)と水相(例えば水、分散剤、界面活性剤等)とを混合した後、攪拌しながら昇温することにより開始させる。水相は油相100重量部に対して100〜1000重量部用いることが好ましい。重合開始温度は40〜90℃程度が好ましい。反応混合物を重合開始温度に保持しながら重合させる時間は、通常、1〜10時間程度である。多孔性粒子の平均粒子径は油相と水相との混合割合や分散剤、界面活性剤の使用量及び攪拌条件、分散条件を調整することにより適宜制御することができる。
【0033】
油相を水相中に微細な液滴で分散させるには、例えばプロペラ翼等の攪拌力によったり、ホモジナイザー、回転羽根と器壁あるいは回転羽根同士のギャップにかかる高シェアを利用した乳化分散機を使用したり、超音波分散機、高圧噴射型分散機を用いる等の方法を適宜選択することにより行うことができる。例えばホモジナイザーの場合、回転数が大きく、分散時間が長いと得られる液滴径が小さくなる傾向が見られる。重合反応終了後、所望により分散剤を酸等で分解除去し、濾過、洗浄、脱水、乾燥、粉砕、分級を行うことによって目的とする多孔性粒子が得られる。なお、得られる多孔性粒子の乾燥後の合着を防止するために多孔性粒子の表面に無機粉体を付着させたり、多孔性粒子と適量の無機粉体を混合して用いてもよい。このような無機粉体としては、例えば、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、セリア、酸化鉄、酸化亜鉛等が挙げられる。
【0034】
【実施例】
以下、本発明を実施例及び比較例を用いて説明するが、これによって本発明が限定されるものではない。
実施例1;
[軟質の多孔性粒子の製造]
(油相)
アクリル酸ブチル 33重量部
1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート 17重量部
n−ヘキサン 50重量部
過酸化ベンゾイル 0.3重量部
(水相)
脱イオン水 400重量部
ポリビニルアルコール(鹸化度85%) 8重量部
ラウリル硫酸ナトリウム 0.04重量部
【0035】
ホモミキサー(特殊機化工業社製、卓上型TKホモミキサー)により、回転数5000rpmで、上記の油相を水相に分散させた。この後、得られた分散液を、攪拌機及び温度計を備えた重合反応器に入れ、60℃で6時間攪拌を続けて懸濁重合を行った。懸濁液をろ過し、得られた反応生成物を洗浄、乾燥、粉砕して、平均粒子径8.2μmの球状で軟質の多孔性粒子を得た。多孔性粒子は、S10強度が0.20kgf/mm2、比表面積が45m2/gであった。なお、平均粒子径、S10強度及び比表面積の測定方法を下記する。
【0036】
(1)平均粒子径
平均粒子径は、ベックマンコールター社製のコールターマルチザイザーIIによって測定した体積平均粒子径である。なお、測定に際してはCoulter Electronics Limited発行のReference MANUAL FOR THE COULTER MULTISIZER(1987)に従って、測定する多孔性粒子の粒子径に適合たアパチャーを用いてキャリブレーションを行い測定した。
【0037】
具体的には、多孔性粒子0.1gを0.1%ノニオン系界面活性剤溶液10ml中にタッチミキサー及び超音波を用いて予備分散させ、これを本体備え付けの、ISOTON II(ベックマンコールター社製:測定用電解液)を満たしたビーカー中に、緩く攪拌しながらスポイドで滴下して、本体画面の濃度計の示度を10%前後に合わせた。次にマルチサイザーII本体にアパチャーサイズ、Current、Gain、PolarityをCoulter Electronics Limited発行のReference MANUAL FOR THE COULTER MULTISIZER(1987)に従って入力し、manualで測定を行った。測定中はビーカー内を気泡が入らない程度に緩く攪拌しておき、多孔性粒子を10万個測定した点で測定を終了し、測定値の平均値を平均粒子径とする。
【0038】
(2)S10強度
島津製作所製微小圧縮試験機MCTM200を用いて多孔性粒子1個を一定の負荷速度で1gfの荷重まで圧縮試験を行った場合に、粒子径が10%変形した時の荷重と圧縮前の粒子径とを次式に導入して得られる値である。
S10強度(kgf/mm2)
=2.8×荷重(kgf)/[π×粒子径(mm)×粒子径(mm)]
S10強度の測定条件
・試料調製;エタノール中に粒子を分散させた後、試料台に塗布乾燥し、測定用試料を調製した。
・試験温度;常温
・試験用圧子;平面50(直径50μmの平面圧子)
・試験種類;圧縮試験(MODE1)
・試験荷重;1.00(gf)
・負荷速度;0.072500(gf/sec)
・変位フルスケール;10(μm)
【0039】
(3)比表面積
比表面積は、気体吸着による粉体(固体)の比表面積測定方法であるJIS Z 8830:2001のBET多点定容量法に基づき、自動比表面積/細孔分布測定装置(島津製作所社製トライスター3000/バキュプレップ061LBを)により、窒素ガスを用いて測定した。
【0040】
[塗料組成物の作製]
上記方法で得た多孔性粒子を塗料用樹脂としての市販のアルキド樹脂(大日本インキ化学社製オイルフリーアルキド樹脂、商品名ベッコライトM−6402−50(溶剤量50重量%)100重量部、上記多孔性粒子25重量部、キシレン30重量部、カーボンブラック5重量部を、攪拌脱泡装置であるシンキー社製「泡取り錬太郎」を用いて10分間混合、1分間脱泡することによって塗料組成物を得た。得られた塗料組成物をクリアランス100μmのブレードをセットした塗工装置を用いてポリステルフィルム上に塗布後乾燥することによって塗膜を得た。得られた塗膜のグロス値、触感評価、外観評価、塗膜のS10強度及び耐傷付性を測定し、結果を表1に示した。グロス値、触感評価、外観評価、塗膜のS10強度及び耐傷付性の測定法を下記する。
得られた塗膜のグロス値(Gs85°)は4.67であり十分な艶消し効果を示した。また、塗膜表面を触手すると軟らかな風合いであり塗膜の外観はスエード調の仕上りを呈した。
【0041】
〔塗膜評価方法〕
塗料組成物をクリアランス100μmのブレードをセットした塗工装置を用いてポリエステルフィルム上に塗布後乾燥することによって塗膜を得た。得られた塗膜の各種試験を行った。
(1)グロス値
鏡面光沢度測定方法であるグロスメーター NIPPON DENSHOKUIND.CO., LTD VGS−300Aを用いてJIS−Z8742に準拠して塗膜の表面のグロス値を測定した。具体的には、方法3により60°光沢(Gs60°)を測定し、その数値が10以下の場合には、方法1により85°光沢(Gs85°)を測定し、その数値を記載した。
【0042】
(2)触感評価
摩擦感テスター(カトーテック社製KES−SE−DC FRICTION TESTER)を用いて、塗膜表面の摩擦特性を測定した。
試料調製;塗膜を20℃×60%RH下に48時間放置した後、テスターの試料台に塗膜を装着した。
測定条件;テスターの各部▲1▼と▲2▼を下記のように設定した後、▲3▼の設定のカトーテック社製KES−FB SYSTEMデータ計測プログラムver6.46WJを用いて操作した。操作終了後、前記プログラムにより算出されたMIU値とMMD値を摩擦係数の実測値とした。ここで、MIUは平均摩擦係数、MMDは摩擦係数の平均偏差であり、MIUは表面のすべり性、MMDは表面のザラツキ感をあらわしており、その数値が小さいほど表面が滑らかで、ザラツキが少なく、触感が良好なことを示している。
【0043】
▲1▼KES−SE−STP SURFACE TESTERの設定
・SENS;H
・SPEED;0.5mm/sec
▲2▼KES−SE−STP FRICTION TESTERの設定
・摩擦子;シリコーンゴム製摩擦子
・摩擦子の荷重;25gf
▲3▼KES−FB SYSTEMデータ計測プログラムver6.46WJの設定
・摩擦SENS;H
・SPEED;0.5mm/sec
・摩擦荷重;25g
・方向選択;WARP
【0044】
(3)塗膜のS10強度
島津製作所社製微小圧縮試験機MCTM200の試料台に塗膜の切片をセットした。次に、塗膜表面に露出した多孔性粒子の中で試験用圧子の面積範囲内で独立して存在する1個の粒子を選び出し、前述の粒子のS10強度測定と同じ条件で塗膜のS10強度を測定した。この測定で得られるS10強度は、ベースフィルム(ポリエステルフィルム、厚み125μm)、樹脂粒子、塗料用樹脂の複合物のS10強度であり、この数値が小さいほど塗膜自体が小さな圧縮力で撓むことから、触感の軟らかさを評価する尺度とした。
【0045】
(4)外観評価
塗膜を三次元光度計(村上色彩研究所社製ゴニオフォトメーターGP−200)にて、図1に示すように入射角−45°の際の反射角0°〜90°における反射光度分布を測定する。
正反射方向におけるピーク光度(I45)を100したときの、角度0°における光度(I0)の値を測定し、この値が100に近いほど、すなわち反射光の光度が正反射方向においても拡散反射方向においても変化がないものほど、艶消し効果が大きく、スエード調の外観であると定義した。
【0046】
(5)耐傷付性
塗膜形成1週間後に爪で引っかき、スジが残らないものを○、白くスジが残るものを×とした。
【0047】
実施例2
(油相)
アクリル酸2−エチルヘキシル 24重量部
ジエチレングリコールジメタクリレート 16重量部
酢酸エチル 60重量部
過酸化ベンゾイル 0.3重量部
(水相)
脱イオン水 400重量部
複分解ピロリン酸マグネシウム 6重量部
ラウリル硫酸ナトリウム 0.04重量部
【0048】
上記油相及び水相を用い、回転数を6000rpmとすること以外は実施例1と同様にして球状で軟質の多孔性粒子を得た。多孔性粒子の平均粒子径は5.3μmであり、S10強度は0.35kgf/mm2であり、比表面積は62m2/gであった。
上記多孔性粒子を20重量部添加すること以外は実施例1と同様にして塗膜を得た。得られた塗膜のグロス値、触感評価、外観評価、塗膜のS10強度及び耐傷付性を実施例1と同様にして測定し、結果を表1に示した。得られた塗膜のグロス値(Gs85°)は4.95であり十分な艶消し効果を示した。また、塗膜表面を触手すると軟らかな風合いであり塗膜の外観はスエード調 の仕上りを呈した。また、耐傷付性評価においてもつめによる傷が残らなかった。
【0049】
比較例1
アクリル酸ブチルをメタクリル酸メチルに代えたこと以外は実施例1と同様にして球状の多孔性粒子を得た。多孔性粒子の平均粒子径は8.5μmであり、S10強度は1.30kgf/mm2であり、比表面積は58m2/gであった。この多孔性粒子を用いたこと以外は実施例1同様に塗膜を得た。得られた塗膜のグロス値、触感評価、外観評価、塗膜のS10強度及び耐傷付性を実施例1と同様にして測定し、結果を表1に示した。
得られた塗膜のグロス値(Gs85°)は2.2であり十分な艶消し効果を示した。しかし、塗膜表面を触手すると触感は硬く、塗膜の外観はスエード調の仕上りには程遠いものであった。また、耐傷付性評価においてもつめによる傷が残っていた。
なお、本比較例は粒子の強度が高く、硬質な多孔性粒子を用いた場合の比較例である。
【0050】
比較例2
アクリル酸ブチルの量を67重量部に、1,6−ヘキサンジオールメタクリレートの量を33重量部に変え、n−ヘキサンを配合しなかったこと以外は実施例1と同様にして球状の粒子を得た。粒子の平均粒子径は9.4μmであり、S10強度は0.36kgf/mm2であり、比表面積は0.8m2/gであった。この粒子を用いたこと以外は実施例1と同様にして塗膜を得た。得られた塗膜のグロス値、触感評価、外観評価、塗膜のS10強度及び耐傷付性を実施例1と同様にして測定し、結果を表1に示した。
得られた塗膜のグロス値(Gs85°)は18.2であり艶消し効果が実施例1に比べ劣っていた。しかし、塗膜表面を触手すると触感は柔らかいものの、塗膜の外観はスエード調の仕上りには程遠いものであった。耐傷付性評価においては、つめによる傷は残らなかった。
なお、本比較例は粒子は軟質であるものの、粒子表面及び内部に孔を有さない非多孔性粒子を用いた場合の比較例である。
【0051】
比較例3
特開2002−20691号公報の実施例1の多孔性粒子の合成をもとに以下のように粒子を得た。
窒素導入管、温度計、冷却管、滴下ロート、撹拌装置を備えた2リットルの丸底四つ口フラスコに、メトローズ60SH50(信越化学社製の水溶性セルロース)2.5%含有水溶液800gとニューコール707SF(日本乳化剤社製のアニオン系乳化剤水溶液)の10%含有水溶液2.0gを加えて強く攪拌しながら、メタクリル酸イソブチル75g、エチレングリコールジメタクリレート30g、ハードレンB−13(東洋化成社製の塩素化ポリオレフィン系樹脂溶液)25g、トリゴノックス23−C70(化薬アクゾ社製の過酸化物溶液)3gからなるアクリルモノマー、ポリオレフィン系ポリマー、過酸化物、溶剤からなる混合物を30分かけて滴下した。滴下終了後フラスコ内を強力に攪拌しながら温度を60℃に昇温し、6時間温度を一定に保った。その後冷却してフラスコ内容物を別の容器に移し、デカンテーションをくり返すことにより十分に水洗を行った。得られた粒子を乾燥して粉砕を行い、更に分級することによって平均粒子径10μmの球状アクリル樹脂粒子を得た。得られた粒子のS10強度は1.72kgf/mm2であり、比表面積は2.11m2/gであった。
【0052】
上記粒子を用いたこと以外は実施例1と同様にして塗膜を得た。得られた塗膜のグロス値、触感評価、外観評価、塗膜のS10強度及び耐傷付性を実施例1と同様にして測定し、結果を表1に示した。
得られた塗膜のグロス値(Gs60°)は22.6であり艶消し効果は低いものであった。また、塗膜表面を触手すると触感は硬く、塗膜の外観はスエード調の仕上りには程遠いものであった。また、耐傷付性評価においてもつめによる傷が残っていた。
なお、本比較例は粒子の強度が高く、硬質な多孔性粒子を用いた場合の比較例である。
【0053】
比較例4
特開平10−36761号公報の実施例1の多孔性の粒子の合成をもとに以下のように粒子を得た。
分散剤溶液として信越化学社製のメトローズ60SH50の2.5%含有水溶液を用い、樹脂粒子形成用モノマー混合物としてメタクリル酸ブチル/トリメチロールプロパントリメタクリレート/ハードレンB−4000/TX23−C75(重量比50/30/20/2)を用いた。
【0054】
ここで、ハードレンB−4000は、東洋化成工業社製の塩素化ポリオレフィン樹脂であり、トルエンで希釈された30%溶液である。また、TX23−C75は化薬アクゾ社製の過酸化物系重合開始剤であり、飽和脂肪族炭化水素で希釈された75%希釈品である。したがって、粒子形成成分の一部に有機溶剤を含んでいる例である。
【0055】
合成手法として、撹拌機、冷却管、窒素導入管を備えたガラス製500mlの四口丸底フラスコに上記分散剤溶液300gを仕込み、常温(25℃程度)でステンレス製の撹拌翼で強く(300rpm程度)撹拌しながら、上記モノマー混合物75gを少しずつ添加した。15分間撹拌した後、徐々に昇温して50℃で一定に保った。50℃で30分間保った後に63℃に昇温し、4時間保った。その後、室温近くまで冷却して反応を終了した。
【0056】
反応物を大量の水で洗浄し、乾燥器を用い80℃で2時間乾燥した。乾燥物を指で解して粉末を得た。
得られた粉末を分級して、平均粒子径10μmの球状アクリル樹脂粒子を得た。得られた樹脂粒子のS10強度は1.14kgf/mm2であり、比表面積は5.48m2/gであった。
【0057】
この球状樹脂粒子を用いた以外は実施例1と同様にして塗膜を得た。得られた塗膜のグロス値、触感評価、外観評価、塗膜のS10強度及び耐傷付性を実施例1と同様にして測定し、結果を表1に示した。
得られた塗膜のグロス値(Gs60°)は14.2であり艶消し効果は低いものであった。また、塗膜表面を触手すると触感は硬く、塗膜の外観はスエード調の仕上りには程遠いものであった。また、耐傷付性評価においてもつめによる傷が残っていた。
なお、本比較例は粒子の強度が高く、硬質な多孔性粒子を用いた場合の比較例である。
【0058】
【表1】
【0059】
実施例3
多孔性粒子を5重量部とすること以外は実施例1と同様にして塗料組成物を得ることができた。
【0060】
実施例4
多孔性粒子を10重量部とすること以外は実施例1と同様にして塗料組成物を得ることができた。
【0061】
実施例5
多孔性粒子を50重量部とすること以外は実施例1と同様にして塗料組成物を得ることができた。
【0062】
【発明の効果】
以上述べたように、微小圧縮強度試験により測定されるS10強度が0.05〜0.6kgf/mm2である多孔性粒子を含む本発明の塗料組成物によれば、軟らかな触感で、スエード調の外観を持つ艶消し塗膜を各種の家電製品や自動車内装品等に付与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】反射光度分布の測定方法の原理図である。
Claims (4)
- 溶剤、多孔性(メタ)アクリル酸エステル系重合体粒子及び溶剤に可溶な1種類以上の塗料用樹脂とからなり、多孔性(メタ)アクリル酸エステル系重合体粒子が、該粒子に荷重を加えて粒子径を10%変形させたとき、0.05〜0.6kgf/mm2の粒子強度を有することを特徴とする艶消し塗料組成物。
- 多孔性(メタ)アクリル酸エステル系重合体粒子が、アクリル酸エステル単量体100重量部と、架橋性単量体5〜100重量部との重合体からなる請求項1に記載の組成物。
- 多孔性(メタ)アクリル酸エステル系重合体粒子が、炭素数1〜8のアルコールのアクリル酸エステル単量体を50〜95重量部含む単官能単量体100重量部と、架橋性単量体5〜100重量部を含む単量体の重合体からなる請求項1又は2に記載の組成物。
- 多孔性(メタ)アクリル酸エステル系重合体粒子が、多孔性(メタ)アクリル酸エステル系重合体粒子及び塗料用樹脂の合計100重量部に対して、5〜50重量部含まれる請求項1〜3のいずれか1つに記載の組成物。
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