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JP2003508054A - チャンネル形成性タンパク質の製造方法 - Google Patents

チャンネル形成性タンパク質の製造方法

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Publication number
JP2003508054A
JP2003508054A JP2001520873A JP2001520873A JP2003508054A JP 2003508054 A JP2003508054 A JP 2003508054A JP 2001520873 A JP2001520873 A JP 2001520873A JP 2001520873 A JP2001520873 A JP 2001520873A JP 2003508054 A JP2003508054 A JP 2003508054A
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JP
Japan
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gene
channel
mspa
protein
forming protein
Prior art date
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Pending
Application number
JP2001520873A
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English (en)
Inventor
ニーデルバイス,ミヒャエル
ボッスマン,シュテファン
Original Assignee
ニーデルバイス,ミヒャエル
ボッスマン,シュテファン
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Filing date
Publication date
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Application filed by ニーデルバイス,ミヒャエル, ボッスマン,シュテファン filed Critical ニーデルバイス,ミヒャエル
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/195Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from bacteria
    • C07K14/35Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from bacteria from Mycobacteriaceae (F)

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  • Peptides Or Proteins (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、グラム陽性細菌で見出されるチャンネル形成性タンパク質の製造方法であって、チャンネル形成性タンパク質が以下の:a)異種過剰発現、またはb)ミコバクテリアからの精製により得られ、抽出温度が50℃より高い方法に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、チャンネル形成性タンパク質の製造方法、チャンネル形成性タンパ
ク質、このようなタンパク質をコードする遺伝子、ならびにmspA、mspC
またはmspD遺伝子、プラスミドベクター、そして過剰発現系に関する。
【0002】 本発明は概して、ナノ構造の製造の技術分野に関する。今日まで、最良の特性
化ナノ構造は、カーボンナノチャンネルである(Yakobson, B.I. and Smalley,
R.E. Fullerene nanotubes:C1,000,000 and beyond.「Am Sci」85, 324, 1997)
。カーボンナノチャンネルの電子特性は、それらの構造的詳細により制御し得る
ということが示された。カーボンナノチャンネルは、CVD(化学気相蒸着)法(
Fan, S., Chapline, M.G., Franklin, N.R., Tombler, T.W., Cassell, A.M. an
d Dai, H. Self-oriented regular arrays of carbon nanotubes and their fie
ld emission properties.「Science」283、512-4、1999)の異なる変法を用いて
合成され、これはしたがって非常に経費がかかる。
【0003】 Johnson, S.A.、Ollivier, P.J.及びMallouk, T.E.『Ordered mesoporous pol
ymers of tuneable pore size from colloidal silica templates.』、「Scienc
e」 283、963-965(1999)から、鋳型に基づいて有機ナノチャンネルを作製するた
めの技術が報告されている。この方法を用いて、5〜35nmの直径を有するナノ
チャンネルを生成させ得る。
【0004】 ミコバクテリアはグラム陽性細菌の亜群に属するが、この亜群はミコール酸を
含有し、それらの例としては、コリネバクテリウム属、ノカルジア属、ロドコッ
カス属、ゴルドナ属、ツカムレラ属、ジエチア属が挙げられる。 Trias, J.及びBenz, R. 『Permeability of the cell wall of Mycobacterium
smegmatis.』 「Mol Microbiol」、14、283-290(1994)は、ミコバクテリアのミ
コール酸層中のポーリンと呼ばれるチャンネル形成性タンパク質を記載する。こ
れらのポーリンの生化学的または分子遺伝学的データは、未だ発表されていない
【0005】 Lichtinger, T.、Burkovski, A.、Niederweis, M.、Kramer, R.及びBenz, R.
『Biochemical and biophysical characterization of the cell wall porin of
Corynebacterium glutamicum: the channel is formed by a low molecular ma
ss polypeptide.』、「Biochemistry」37、15024-32(1998)により、コリネバク
テリアからポーリンを調製するための方法が既知である。この技法は、相対的に
非効率的である。
【0006】 Mukhopadhyay, S.、Basu, D.及びChakrabarti, P. 『Characterization of a
porin from Mycobacterium smegmatis.』、「J Bacteriol」179、6205-6207(199
7)は、1%ツビッタージェントを含有する緩衝液を用いた室温で1時間のインキュ
ベーションによるミコバクテリウム・スメグマティス(M. smegmatis)からのポ
ーリンの抽出を記載する。収量は乏しく、ポーリンには多数のその他のタンパク
質が夾雑していた。
【0007】 Harth, G.他『High-level heterologous expression and secretion in rapid
ly growing nonpathogenic mycobacterium of four major Mycobacterium tuber
culosis extracellular proteins considered to be leading vaccine candidat
es and drug tatgets.』、「Infection and Immunity」65、2321-2328(1997)か
ら、大腸菌におけるミコバクテリア特異的タンパク質の強い発現は可能であると
は思われないことが知られている。
【0008】 Senaratne, R.H.他『Expression of a Gene for a Porin-Like Protein of th
e OmoA Family from Mycobacterium tuberculosis H37Rv.』、「J Bacteriol」1
80、3541-3547(1998)は、大腸菌におけるミコバクテリウム・ツベルクロシス(M
ycobacterium tuberculosis)H37Rvからのポーリン様タンパク質のための遺伝子
の発現を記載する。遺伝子の発現は、明らかに発現タンパク質が大腸菌に対して
有毒であるために、細菌の増殖の不連続性を生じる。大腸菌からの極少量のタン
パク質は、細胞の死の直前に単離し得た。
【0009】 チャンネル形成性タンパク質の製造方法改良を提供することが、本発明の一目
的である。 この目的は、請求項1、26、27、28、30、32、36、37、38、
40および41の特徴により解決される。さらに適切な実施態様は、請求項2〜
25、29、31、33、34、35、39ならびに任意に37および38の特
徴に由来する。
【0010】 本発明によれば、グラム陽性細菌中に見出されるチャンネル形成性タンパク質
の製造方法であって、チャンネル形成性タンパク質が以下の: a)異種過剰発現、または b)ミコバクテリアからの精製 により得られ、抽出温度が50℃より高い方法が提供される。
【0011】 チャンネル形成性タンパク質とは、水充填チャンネルまたは水充填チャンネル
様構造を形成し得るタンパク質を意味する。このようなタンパク質は、天然に、
特に細菌の細胞壁中に生じる。それらは、直径3nmまたはそれ以上でさえある
チャンネル様構造を形成し得る。チャンネル様構造またはチャンネルは、多数の
亜構造、特に4または8の亜構造から作り得る。
【0012】 本発明のこの構造は、従来の手法と比較してより効率的であり、クロマトグラ
フィー的精製の広範囲の自動化の可能性を提供し、収量の激烈な増大を可能にす
る。 グラム陽性細菌は、少なくとも1つのミコール酸を含有する細菌であり得る。
一実施態様では、本細菌はミコバクテリア、好ましくはミコバクテリウム・スメ
グマティス(Mycobacterium smegmatis)である。
【0013】 チャンネル形成性タンパク質は、ポーリンであり得る。好ましいのは、有機溶
液中で化学的に安定であるか、および/または80℃まで、さらに好ましくは100
℃までの温度に熱安定性であるポーリンである。安定であるとは、当該タンパク
質のチャンネル様構造が無傷のままで、本質的にタンパク質の変性が生じないこ
とを意味する。
【0014】 好ましいのは、ポーリンMspA、MspC、MspD、これらのポーリンの
断片、これらのポーリンと相同のタンパク質またはこれらのポーリンから得られ
る配列のタンパク質である。MspAは配列3のアミノ酸28〜211に対応し(下記
参照)、MspCは配列7に対応し、そしてMspDは配列9に対応する。前記
のポーリンまたはそれらの断片の相同タンパク質は、前記のポーリンまたはそれ
らの断片と類似の構造を示す。アミノ酸の少なくとも20%は、これらのポーリン
または断片のアミノ酸と同一または相同である。タンパク質中のアミノ酸は、そ
れがタンパク質の機能または構造に影響を及ぼすことなく、他のアミノ酸と置換
され得る場合には、別のアミノ酸と相同である。ポーリンの構造から推測された
タンパク質は、その配列と比較して単一のまたは数個のアミノ酸を失い得るし、
あるいは他のアミノ酸またはアミノ酸類似体を含有する。
【0015】 前記のタンパク質は、それらの意外に高い化学的および熱安定性のために、ナ
ノ構造の生成に特に適している。 異種過剰発現が大腸菌で、またはミコバクテリアで実施される場合には、良好
な収量が得られる。過剰発現に関しては、チャンネル形成性タンパク質、好まし
くはポーリンをコードする遺伝子を用いる必要がある。過剰発現のためには、配
列1によるmspA遺伝子(下記参照)、配列6によるmspC遺伝子または配列
8によるmspD遺伝子を用いるのが好ましい。配列番号1、6または8から得
られる突然変異体遺伝子が過剰発現のために用いられ、それにより突然変異は本
質的に、化学的および熱安定性、ならびにチャンネル様構造がMspA、Msp
CまたはMspDのものと本質的に対応するようなものである。突然変異は、m
spA、mspCまたはmspD遺伝子のコドン使用法が大腸菌における高発現
遺伝子の使用法に適応されるようなものである。これらのコドンは、Nakamura,
T.他『Two types of linkage between codon usage and gene-expression level
s.』、「FEBS Lett.」289、123-125(1991)から既知である。
【0016】 突然変体mspA、mspCまたはmspD遺伝子は、突然変異が本質的に、
G+C含量を66%未満に低減される場合には、過剰発現のために用い得る。コド
ン使用法の適応は、大腸菌におけるMspA、MspCおよびMspDの過剰発
現を劇的に改良する。 チャンネル形成性タンパク質MspAの収量は、前記のネイティブタンパク質
の製造方法と比較して、大腸菌における過剰発現を介して因子10〜20によりさら
に増大し得る。
【0017】 過剰発現のために配列4によるsynmspA遺伝子を用いることは有用であ
る。配列4によるsynmspA遺伝子が挿入される大腸菌のための過剰発現ベ
クターがこの目的のために用い得る。適切なベクターは、Hanning, G.及びMakri
des, S.C. による「Trends in Biotechnology」1998、Vol. 16、第54頁に記載さ
れている(この記載内容は、参照により本明細書中に含まれる)。
【0018】 非イオン性または双性イオン性洗剤を用いることにより、グラム陽性細菌の細
胞壁からチャンネル形成性タンパク質を収穫することも有益に見出された。洗剤
は、以下の群から選択し得る:イソトリデシルポリ(エチレングリコールエーテ
ル)n、アルキルグルコシド、特にオクチルグルコシド、アルキルマルトシド、特
にドデシルマルトシド、アルキルチオグルコシド、特にオクチルチオグルコシド
、オクチル−ポリエチレンオキシドおよびラウリルジメチルアミノキシド。リン
酸塩緩衝液(100mMのNa2HPO4/NaH2PO4、pH6.5、150mMのNaCl
)中の2倍以上の臨界ミセル濃度(CMC)が、好ましくは用いられる。双性イオ
ン性および非イオン性洗剤は、ミコバクテリウム・スメグマティス(M. smegmat
is)の細胞壁からのチャンネル形成性タンパク質MspAを非常に有効に溶解し
、良好な収量を生じる。
【0019】 抽出温度は80〜110℃、好ましくは90〜100℃であり、および/または抽出時間
は5〜120分、好ましくは25〜35分であるというのが有用であるとさらに示されて
いる。特に好ましいのは、50 mMNaClまたはNa−リン酸塩より高いイオン
強度を有する緩衝液の使用である。 特に100℃での抽出ならびに高イオン強度を有する緩衝液、または双性イオン
性および非イオン性洗剤の使用の実施は、ミコバクテリウム・スメグマティスか
らのポーリンの抽出方法を改良する。有機溶媒または室温でのそれらの抽出を用
いたこれらのタンパク質の精製のための従来の手法と比較して、それは以下の利
点を提供する: aa)有機溶媒の使用を必要としない bb)他のタンパク質の最小限の夾雑 cc)効率的抽出。
【0020】 50〜110℃の範囲の温度でジメチルスルホキシド中に溶解し、その後、溶液を
室温に冷却して、MspA沈殿物を濾過することにより、MspAを精製するこ
とも可能である。 好ましくは、チャンネル形成性タンパク質は、精製のために、特にアセトンを
用いて、沈殿される。この手法は、他の非沈殿タンパク質に関してMspAのさ
らなる濃縮を生じる。イオン交換クロマトグラフィー法、特に陰イオン交換クロ
マトグラフィー法を用いてタンパク質を精製することも有益である。さらなる精
製は、サイズ排除クロマトグラフィーを用いて成し遂げ得る。
【0021】 異種過剰発現により産生されるチャンネル形成性タンパク質の再生は、タンパ
ク質の局所濃度を増大することにより成し遂げ得る。増大は、電気泳動的濃厚化
により、特にDC電流により、沈降により、または適切な表面(特に膜)での吸
着により成し遂げ得る。有用なのは、50Vで30分間のDC電流である。 本発明の別の局面は、本発明の方法により産生されるグラム陽性細菌からのチ
ャンネル形成性タンパク質である。
【0022】 グラム陽性細菌は、ミコール酸を含有する細菌であり、それによりミコバクテ
リア、好ましくはミコバクテリウム・スメグマティスを用いるのが有益である。 チャンネル形成性タンパク質が有機溶媒に対して化学的安定であるポーリンで
あることは特に有益である。ポーリンは、80℃までの、好ましくは100℃までの
温度で本質的に安定である。この熱安定性は、MspA、MspC、MspD、
これらのポーリンの断片、これらの断片のうちの1つと相同なポーリン、あるい
はポーリンの配列(MspA、MspC、MspD)またはそれらの断片から得
られるポーリンにより示される。化学的および熱安定性、ならびにこのようにし
て得られたタンパク質のチャンネル形成性構造は、概して、MspA、MspC
、MspDタンパク質の安定性に対応する。ここでは言及されていないさらに別
のタンパク質が非常によく似た特性を保有し、したがって本発明の範囲に包含さ
れるということは、さらにあり得る。
【0023】 本発明のチャンネル形成性タンパク質は、以下の利点を有する: aaa)チャンネル形成性タンパク質がミコバクテリウム・スメグマティス(
M. smegmatis)の細胞壁中に見出される場合、それらを、変性を伴わずに有機溶
媒(例えば、CHCl3/MeOH)中に溶解し得る。チャンネル形成性特性は、
有機溶媒中でも残存する。
【0024】 bbb)それらは、変性を伴わずにアセトンを用いて沈降させ得る。 ccc)それらは、変性を伴わずに、洗剤中での煮沸中(例えば、3%SDS中
で10分間)でも生き残る。 化学的および熱変性に対する本発明のタンパク質のこの極安定性は、技術的適
用可能なナノ構造を生成するために、それらを用いるのを可能にする。
【0025】 本発明によれば、本発明のチャンネル形成性タンパク質をコードする遺伝子を
さらに特許請求する。これは、配列1によるmspA遺伝子、配列6によるms
pC遺伝子または配列8によるmspD遺伝子であり得る。 付加的物質として、突然変異化mspA遺伝子、mspC遺伝子またはmsp
D遺伝子が提供され、この場合、前記の遺伝子のコドン使用法は、大腸菌中の高
発現遺伝子のコドン使用法と実際的に同一である。突然変異は、G+C含量が66
%未満に低減されるようなものであり得る。突然変異化遺伝子はさらに、発現タ
ンパク質の化学的および熱安定性、ならびにチャンネル様構造がMspA、Ms
pCまたはMspDのものと本質的に同様であるように、配列1、6または8の
うちの1つから得られる。本明細書に言及されていないさらに別の突然変異を、
当業者は考えることができる。本発明のチャンネル用タンパク質の形成をもたら
す遺伝子、例えば突然変異化mspA遺伝子は、本明細書に添付された、特許請
求の範囲に含まれるが、この場合、突然変異化遺伝子は、配列4によるsynm
spA遺伝子(下記参照)である。
【0026】 本発明のさらに別の目的は、プラスミドベクターpMN501、および大腸菌
が前記のプラスミドベクターを含有する過剰発現系である。 本発明の以下の実施例を、図面を参照しながら説明する。 全てのゲル電気泳動実験において、40mMのトリス(ヒドロキシメチル)アミノメ
タン、pH7.0、3%ドデシル硫酸ナトリウム、8%グリセロール,0.1%セルバブ
ルーGを含有する試料緩衝液中に30分間室温で、タンパク質をインキュベートし
、次にゲル電気泳動によりそれらのサイズによって分離した。
【0027】 図1a〜cは、異なる温度でミコバクテリウム・スメグマティス(M. smegmati
s)から抽出されたタンパク質を示す。 図1aは、クーマシーブルーで染色した10%変性ポリアクリルアミドゲルを示
す。レーンM:分子量マーカー(200、116.3、97.4、66.3、55.4、36.5、31、21
.5および14.4 kDa)。レーン1〜8:30、40、50、60、70、80、90および100℃
で得られた各々12μlの抽出物。
【0028】 図1bは、PVDF膜上にブロットした8%変性ポリアクリルアミドゲルのイム
ノブロット分析を示す。MspA抗血清および化学発光反応を用いて、タンパク
質を可視化した(ECL検出系、AmershamPharmasia, Vienna, Austria)。レーン
M:分子量マーカー(97.4、68、46、31、20.1、14.4 kDa)。レーン1〜3:30
、40または50℃で得られた2 μlの抽出物;レーン4〜8:60、70、80、90ま
たは100℃で得られた1 μlの抽出物;(9)1ngのMspA。
【0029】 図1cは、銀で染色した変性8%ポリアクリルアミドゲルを示す。レーンM:
分子量マーカー(200、116.3、97.4、66.3、55.4、36.5、31、21.5、14.4、6 k
Da)。レーン1および2:それぞれ30および40℃で得られた15μlの抽出物;レー
ン3:50℃で得られた15μlの抽出物;レーン4〜8:60、70、80、90または10
0℃で得られた4μlの抽出物;(9) 270ngの精製MspA。
【0030】 図2は、クーマシーブルーで染色した変性10%ポリアクリルアミドゲルを示す
。 レーンM:分子量マーカー(200、116.3、97.4、66.3、55.4、36.5、31、21.5
、14.4、6 kDa);レーン1:POP05緩衝液(100mMのNa2HPO4/NaH 2 PO4、pH6.5、0.1mMのEDTA、150mMのNaCl、0.5%オクチルポリエチ
レンオキシド(OPOE))を用いて得られたミコバクテリウム・スメグマティス
(M. smegmatis)からの抽出物の40μgのタンパク質;レーン2:アセトンで沈
降後の抽出物の40μgのタンパク質;レーン3:陰イオン交換クロマトグラフィ
ーおよびMspAを含有した分画のプール後の4μgのタンパク質;レーン4:ア
セトンで沈降後のプール化MspA分画の4μgのタンパク質;レーン5:サイズ
排除クロマトグラフィーおよびMspAを含有した分画のプール後の4μgのタ
ンパク質。mspA遺伝子の、mspA遺伝子+プロモーターの、そして推定信
号配列を有するMspAタンパク質の配列は、配列プロトコール中の配列1〜3と
して示される。
【0031】 図3は、大腸菌からのチャンネル形成性タンパク質MspAの精製を示す。10
%変性ポリアクリルアミドゲル中でそれらのサイズによって、タンパク質を分離
した。ゲルをクーマシーブルーで染色した。レーン1:IPTGによる誘導前の
大腸菌BL21(DE3)/pMN501からの溶解物。レーン2:IPTGによ
る誘導後の大腸菌BL21(DE3)/pMN501からの溶解物。レーン3:分
子量マーカー(200、116.3、97.4、66.3、55.4、36.5、31、21.5、14.4、6 kDa
)。ゲル上に載せる前に、37℃で30分間、試料をインキュベートした。
【0032】 図4は、大腸菌BL21(DE3)の過剰発現のためのベクターpMN501の
構築を模式的に示す。略語の意味を以下に示す: lacI:ラクトースリプレッサーをコードする遺伝子。 nptI:ネオマイシンホスホトランスフェラーゼをコードする遺伝子。この
遺伝子はカナマイシンに対する耐性を付与する。 Ori:複製の起点。 RBS:リボソーム結合部位。
【0033】 図5は、モノマーMspAの再生のための装置を模式的に示す。5cmの長さの
ポリエチレン製の使い捨てピペット先端を、その下方端で2mm短くした。この先
端に、TAE緩衝液中の1.7%アガロースを充填した。鉛筆(ブランド:Eberhard
Faber、3H)の芯鉛を5cmに短くした。蓋なしのポリプロピレン製の管に、5μg
の変性MspAを含有する溶液60μlを充填した。ピペット先端および芯鉛を溶
液中に入れて、それぞれ陰極および陽極として接続した。
【0034】 図6は、変性MspAの再生を示す。Schagger(Schagger, H. and von Jagow,
G. Tricine-sodium dodecyl sulfate-polyacrylamide gel electrophoresis fo
r Anal Biochem 166, 368-79(1987))により記載されたように、10%変性ポリア
クリルアミドゲル中で、タンパク質を分離した。ゲルを銀で染色した。レーンM
:分子量マーカー(116、97、66、55、36.5、31、21.5、14.4 kDa)。レーン1
:800ngの変性MspA。レーン2:再生反応後の800ngのMspA。ゲル上
に載せる前に、37℃で30分間、試料をインキュベートした。
【0035】 図7a〜7cは、ミコバクテリウム・スメグマティス(M. smegmatis)からの
チャンネル形成性タンパク質MspAの修飾の電子顕微鏡写真を示す。試料の調
製は、以下のように実施した: MspAの1mlの溶液(c(MspA)=17.2x10-9 mol/L、100mMのNa2HP
4/NaH2PO4、pH6.5、150mMのNaCl、0.10 g/LのSDS)を、24.5℃
で水浴中で、超音波により分散させた。液体およびHOPG(炭素)表面(1.0 mm2 )間の距離は、5.0 cmであった。分散液体小滴をHOPG表面と20分間接触させ
た。
【0036】 図7aは、単離チャンネル形成性タンパク質を示す。図7bは、直径12nmの
大型孔を示すリボン様構造を明示する。図7cは、リボン様構造中の2種類のチ
ャンネルを示す:即ち、約2.4nmの小直径を有するチャンネルと、約9〜10nm
の大型直径を有するチャンネルである。
【0037】 実施例1:異なる温度でのミコバクテリウム・スメグマティス(M. smegmatis
)からのMspAの抽出 10ミリグラムのミコバクテリウム・スメグマティス(M. smegmatis)のmc2
155細胞(湿重量)をPBS(100mMのリン酸ナトリウム、pH7.0、150mMのN
aCl、0.1mMのEDTA)で洗浄し、150μlのPG05緩衝液(0.5%イソト
リデシルポリエチレングリコールエーテル、100mMのNa2HPO4/NaH2PO 4 、0.1mMのEDTA、150mMのNaCl、pH6.5)中に再懸濁した。再懸濁細
胞を、30、40、50、60、70、80、90または100℃で30分間インキュベートした。
試料を氷上で10分間冷却し、4℃で10分間遠心分離した。蒸発により、上清の容
積を120μlから10μlに減少させた。図1a〜cに示したように、ゲル電気泳
動によりそれらのサイズによってタンパク質を分離した。抽出物中の総タンパク
質と比較したMspAの分画は、50℃より高い温度では有意に増大する。それら
の温度では、その他のタンパク質は少量のみ抽出される。
【0038】 実施例2:ミコバクテリウム・スメグマティス(M. smegmatis)からのMsp
Aの精製 10グラムのミコバクテリウム・スメグマティス(M. smegmatis)細胞をPBS
で洗浄し、35 mLのPOP05中に再懸濁し、水浴中で30分間撹拌しながら沸騰
させた。細胞懸濁液を氷上で10分間冷却し、27000gで4℃で15分間遠心分離した
。42 mLの上清を静かに等容積の氷冷アセトンと混合した。この混合物を氷上に1
時間保持し、8000gで4℃で15分間遠心分離した。沈降タンパク質を10mLの25mM
N−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−N’−2-エタンスルホン酸(HEP
ES)、pH7.5、10mMのNaCl、0.5%OPOE(AOP05)中に溶解し、
1.7 mLの容積を有する陰イオン交換カラム「POROS 20HQ」(Persepti
ve Biosystems, Cambridge, USA)上に載せた。14 mLのAOP05でカラムを洗
浄後、結合タンパク質を100%AOP05から100%BOP05(25 mMHEPES
、pH7.5、2MのNaCl、0.5%OPOE)までの勾配で34 mLに亘って溶離し
た。1 mLの90分画を収集し、ゲル電気泳動により分析した。最高量のMspAを
有する4つの分画をプールし、前記と同様にアセトンで沈殿させた。ペレットを6
00μlのAOP05中に溶解し、氷上でインキュベートして、4℃で5分間遠心分
離して、不溶性物質を除去した。タンパク質溶液を24 mLの容積を有するゲル濾
過カラム「スーパーデックスG200」(Pharmacia, Freiburg, Germany)上に
投入した。タンパク質を48 mLのAOP05で0.2 mL/分の速度で溶離した。1 m
Lの50分画を収集し、銀で染色した変性ポリアクリルアミドゲルを用いて分析し
た。見かけ上純粋なMspAを含有する分画をプールした。精製段階を図2に示
す。収量は700μgであった。この試料プローブ1μgは、銀染色変性ポリアクリ
ルアミドゲル中で他のタンパク質のいかなる夾雑も示さなかった(データは示さ
れていない)。したがって、MspAは、見かけ上均質に精製した。
【0039】 実施例3:大腸菌からのチャンネル形成性タンパク質MspAの精製戦略 MspAの収量をさらに増大するためには、大腸菌中でのmspA遺伝子の過
剰発現が示唆される。mspA遺伝子は、ミコバクテリウム・スメグマティス(
M. smegmatis)からのチャンネル形成性MspAをコードする。mspA遺伝子
の過剰発現のために、T7発現系を選択する。PCRにより、プラスミドpPO
R6からmspA遺伝子を増幅した。高発現化遺伝子においてはめったに生じな
いネイティブmspA配列の全コドンを交換した。全突然変異を、配列プロトコ
ールの配列4に列挙する(下記参照)。Stemmer(Stemmer, W.P., Cameri, A., Ha,
K.D., Brennan, T.M. and Heyneker, H.L. Single-step assembly of a gene a
nd entire plasmid from large numbers of oligodeoxyribonucleotides. Gene
164, 49-53(1995))により記載されたようにオリゴヌクレオチドのアセンブリー
によりこの遺伝子を合成し、synmspAと名づけた。synmspA遺伝子
は、ベクターpMN500中でmspA遺伝子を置換するが、その使用が大腸菌
中のMspAの量を検出可能にしてベクターpMN501に提供することはなか
った(図4)。ベクターpMN501は、IPTGによる誘導後に、大腸菌BL2
1(DE3)中でのMspAモノマー(20 kDa)の強い発現を起こした。このタンパ
ク質は組換え体MspA(rMspA)と呼ばれ、配列プロトコールの配列5を保
有する(下記参照)。
【0040】 実施例4:大腸菌からのチャンネル形成性タンパク質MspAの精製手法 30μg/mLのカナマイシンを含有する1リットルのLB培地にmit大腸菌B
L21(DE3)/pMM501を接種し、培養を37℃で0.6のOD600に増殖させ
た。次に、細胞を1 mMのIPTGで誘導して、培養が2.2のOD600に達するまで
、37℃でさらに6時間インキュベートした。遠心分離により細胞を収穫し、40 mL
のA−緩衝液(25 mMのHepes、pH7.5、10 mMのNaCl)中に再懸濁し、
水中で10分間煮沸することにより溶解した。細胞溶解物を氷上に10分間保持し、
細胞屑および不溶性タンパク質を10000gで10分間の遠心分離により沈殿させた
。陰イオン交換クロマトグラフィー(POROS HQ20、Perseptive Biosys
tems, Cambridge, USA)、ならびに10 mM〜2 M塩化ナトリウムの線状勾配を用い
て上清を分別した。モノマーMspAは、350 mMのNaClで溶離する。Msp
Aを含有する分画をプールした。サイズ排除クロマトグラフィー(スーパーデッ
クスG200、Pharmacia, Freiburg, Germany)を用いて、大分子量を有するタ
ンパク質からMspAを精製する。収量は10 mgMspAで、純度は95%を超え
る(データは示されていない)。
【0041】 実施例5:チャンネル形成性タンパク質MspAの電気化学的アセンブリー 大腸菌中でのMspAの過剰発現は、MspAを良好な収量で容易に産生させ
る。しかしながら、精製タンパク質の大分画は不活性である。その活性形態への
MspAの再生は、以下のプロトコールを用いて成し遂げ得る: 再生は、この目的のために特に設計された装置中で起こり得る(図5)。50Vの
電圧を30分間適用することにより、前記の装置中で5μgのモノマーMspAを
用いて、再生反応を実施する。次に適用電圧の符号を5秒間逆にして、鉛の表面
に吸着されたポーリンを除去する。再生反応後に変性ポリアクリルアミドゲルで
ポーリンを分析する(図6)。このゲルは、タンパク質の大分画がオリゴマーに
組み立てられることを示す。この集合MspAは、高チャンネル形成性活性を有
することが脂質二層実験において再構築することにより実証される。この実験は
、モノマーMspAの再生が小DC電圧を用いて可能であることを実証する。こ
の再生反応は非常に容易に実施され、そして大腸菌の過剰発現による機能性Ms
pAの精製の重要な構成成分である。
【0042】 配列リスト: 1. mspA遺伝子(翻訳済) 2. mspA遺伝子+プロモーター(翻訳済) 3. 推定信号配列を有するMspAタンパク質 4. synmspA遺伝子(翻訳済) 5. rMspAタンパク質 6. mspC遺伝子 7. MspCタンパク質 8. mspD遺伝子 9. MspDタンパク質
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1a】 ゲル電気泳動により示した場合のミコバクテリウム・スメグマティス(M. sme
gmatis)からのMspAの温度依存性抽出。
【図1b】 ゲル電気泳動により示した場合のミコバクテリウム・スメグマティス(M. sme
gmatis)からのMspAの温度依存性抽出。
【図1c】 ゲル電気泳動により示した場合のミコバクテリウム・スメグマティス(M. sme
gmatis)からのMspAの温度依存性抽出。
【図2】 ゲル電気泳動により示した場合のミコバクテリウム・スメグマティス(M. sme
gmatis)からのMspAの精製。
【図3】 ゲル電気泳動により示した場合の大腸菌からのMspAの精製。
【図4】 プラスミドベクターpMN501の構築。
【図5】 モノマーMspAを再生するための装置を示す略図である。
【図6】 ゲル電気泳動により示した場合の再生MspA。
【図7a】 電子顕微鏡により示した場合のチャンネル形成性タンパク質MspAの修飾。
【図7b】 電子顕微鏡により示した場合のチャンネル形成性タンパク質MspAの修飾。
【図7c】 電子顕微鏡により示した場合のチャンネル形成性タンパク質MspAの修飾。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG ,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD, RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT, AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,BZ,C A,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK,DM ,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH, GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,K E,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS ,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN, MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,RO,R U,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM ,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VN, YU,ZA,ZW Fターム(参考) 4B024 AA03 CA02 EA04 GA25 HA01 4B064 AG01 CA02 CC24 CE07 CE11 CE15 DA16 4H045 AA10 AA20 CA11 EA34 EA45 FA74 GA05 GA10 GA22 GA23 GA30

Claims (41)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 グラム陽性細菌に見出されるチャンネル形成性タンパク質の
    製造方法であって、チャンネル形成性タンパク質が以下の: a)異種過剰発現、または b)ミコバクテリアからの精製 により得られ、抽出温度が50℃より高い方法。
  2. 【請求項2】 グラム陽性細菌が少なくとも1つのミコール酸を含有するも
    のである請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 細菌がミコバクテリア、好ましくはミコバクテリウム・スメ
    グマティス(Mycobacterium smegmatis)である請求項1〜2のいずれかに記載
    の方法。
  4. 【請求項4】 チャンネル形成性タンパク質がポーリンである請求項1〜3
    のいずれかに記載の方法。
  5. 【請求項5】 ポーリンが有機溶媒に対して本質的に化学的に安定である請
    求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 【請求項6】 ポーリンが80℃、好ましくは100℃までの温度に本質的に熱
    安定性である請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  7. 【請求項7】 ポーリンがポーリンMspA、MspC、MspD、これら
    のポーリンのうちの1つの断片、これらのポーリンのうちの1つからの相同タン
    パク質またはこれらのポーリンのうちの1つの配列から得られるタンパク質であ
    る請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
  8. 【請求項8】 異種過剰発現が大腸菌またはミコバクテリアにおいて実現さ
    れる請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
  9. 【請求項9】 チャンネル形成性タンパク質、好ましくはポーリンをコード
    する遺伝子が過剰発現のために用いられる請求項1〜8のいずれかに記載の方法
  10. 【請求項10】 配列1に記載のmspA遺伝子、配列6に記載のmspC
    遺伝子または配列8に記載のmspD遺伝子が過剰発現のために用いられる請求
    項1〜9のいずれかに記載の方法。
  11. 【請求項11】 配列番号1、6または8から得られる突然変異体遺伝子が
    過剰発現のために用いられ、突然変異は本質的に、化学的および熱安定性、なら
    びにチャンネル様構造がMspA、MspCまたはMspDのものと本質的に対
    応するようなものである請求項1〜10のいずれかに記載の方法。
  12. 【請求項12】 突然変異が本質的に、mspA、mspCまたはmspD
    遺伝子のコドン使用法が大腸菌における高発現遺伝子の使用法に適応されるもの
    である請求項1〜11のいずれかに記載の方法。
  13. 【請求項13】 mspA、mspCまたはmspD遺伝子が過剰発現のた
    めに用いられ、突然変異が本質的に、G+C含量が66%未満に低減されるもので
    ある請求項1〜12のいずれかに記載の方法。
  14. 【請求項14】 配列4に記載のsynmspA遺伝子が過剰発現のために
    用いられる請求項1〜13のいずれかに記載の方法。
  15. 【請求項15】 配列4に記載のsynmspA遺伝子を含有する大腸菌に
    おける過剰発現のための適切なベクターが用いられる請求項1〜14のいずれか
    に記載の方法。
  16. 【請求項16】 非イオン性または双性イオン性洗剤を用いてグラム陽性細
    菌からの細胞壁からチャンネル形成性タンパク質が製造される請求項1〜15の
    いずれかに記載の方法。
  17. 【請求項17】 用いられる洗剤が以下に列挙したもの:イソトリデシルポ
    リ(エチレングリコールエーテル)n、アルキルグルコシド、特にオクチルグルコ
    シド、アルキルマルトシド、特にドデシルマルトシド、アルキルチオグルコシド
    、特にオクチルチオグルコシド、オクチル−ポリエチレンオキシドおよびラウリ
    ルジメチルアミノキシドから得られる請求項1〜16のいずれかに記載の方法。
  18. 【請求項18】 抽出温度が80〜110℃、好ましくは90〜100℃である請求項
    1〜17のいずれかに記載の方法。
  19. 【請求項19】 抽出時間が5〜120分、特に25〜35分である請求項1〜18
    のいずれかに記載の方法。
  20. 【請求項20】 50 mMNaClまたはNa−リン酸塩より高いイオン強度
    を有する緩衝液が用いられる請求項1〜19のいずれかに記載の方法。
  21. 【請求項21】 チャンネル形成性タンパク質が沈殿により、特にアセトン
    を用いて精製される請求項1〜20のいずれかに記載の方法。
  22. 【請求項22】 チャンネル形成性タンパク質がイオン交換クロマトグラフ
    ィーにより、特に陰イオン交換クロマトグラフィーにより精製される請求項1〜
    21のいずれかに記載の方法。
  23. 【請求項23】 チャンネル形成性タンパク質がサイズ排除クロマトグラフ
    ィーを用いて精製される請求項1〜22のいずれかに記載の方法。
  24. 【請求項24】 局所濃度を上げることによる異種過剰発現により産生され
    るチャンネル形成性タンパク質が再生される請求項1〜23のいずれかに記載の
    方法。
  25. 【請求項25】 局所濃度の上昇が、電気泳動的濃厚化により、特にDC電
    流により、沈降により、または適切な表面での、特に膜での吸着により実現され
    る請求項24記載の方法。
  26. 【請求項26】 請求項1〜25のいずれかに記載の方法により産生される
    グラム陽性細菌からのチャンネル形成性タンパク質。
  27. 【請求項27】 チャンネル形成性タンパク質が有機溶媒に対して本質的に
    化学的に安定であるポーリンであるグラム陽性細菌からのチャンネル形成性タン
    パク質。
  28. 【請求項28】 チャンネル形成性タンパク質が80℃までの温度で本質的に
    安定であるポーリンであるグラム陽性細菌からのチャンネル形成性タンパク質。
  29. 【請求項29】 チャンネル形成性タンパク質が100℃までの温度で本質的
    に安定であるポーリンである請求項28記載のチャンネル形成性タンパク質。
  30. 【請求項30】 チャンネル形成性タンパク質がポーリンMspA、Msp
    C、MspD、これらのポーリンのうちの1つの断片、これらのポーリンまたは
    それらの断片と相同なタンパク質、あるいはこれらのポーリンから得られるタン
    パク質であるグラム陽性細菌からのチャンネル形成性タンパク質。
  31. 【請求項31】 化学的および熱安定性、ならびに推定タンパク質のチャン
    ネル様構造が本質的にタンパク質MspA、MspCまたはMspDのものであ
    る請求項30記載のチャンネル形成性タンパク質。
  32. 【請求項32】 請求項26〜31のいずれかに記載のチャンネル形成性タ
    ンパク質をコードする遺伝子。
  33. 【請求項33】 遺伝子が配列1に記載のmspA遺伝子である請求項32
    記載の遺伝子。
  34. 【請求項34】 遺伝子が配列6に記載のmspC遺伝子である請求項32
    記載の遺伝子。
  35. 【請求項35】 遺伝子が配列8に記載のmspD遺伝子である請求項32
    記載の遺伝子。
  36. 【請求項36】 突然変異が本質的に、mspA、mspCまたはmspD
    遺伝子のコドン使用法が大腸菌中の高発現遺伝子のものに適応されるようなもの
    である突然変異化mspA、mspCまたはmspD遺伝子。
  37. 【請求項37】 特に請求項36に記載の突然変異化mspA遺伝子、ms
    pC遺伝子またはmspD遺伝子であって、突然変異が本質的に66%未満へのG
    +C含量低減から成る遺伝子。
  38. 【請求項38】 配列1、6または8のうちの1つから得られる特に請求項
    36または37記載の突然変異化mspA、mspCまたはmspD遺伝子であ
    って、突然変異が、タンパク質の化学的および熱安定性、ならびにチャンネル様
    構造が全ての実際目的に関してMspA、MspCまたはMspDのものである
    ような遺伝子。
  39. 【請求項39】 突然変異化遺伝子が配列4によるsynmspA遺伝子で
    ある請求項36〜38記載の突然変異化mspA遺伝子。
  40. 【請求項40】 プラスミドベクターpMN501。
  41. 【請求項41】 大腸菌がプラスミドベクターpMN501を含有する過剰
    発現系。
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