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JP2003118621A - 操舵制御装置 - Google Patents

操舵制御装置

Info

Publication number
JP2003118621A
JP2003118621A JP2001315535A JP2001315535A JP2003118621A JP 2003118621 A JP2003118621 A JP 2003118621A JP 2001315535 A JP2001315535 A JP 2001315535A JP 2001315535 A JP2001315535 A JP 2001315535A JP 2003118621 A JP2003118621 A JP 2003118621A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
steering
angle
target
reaction force
corrected
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001315535A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideo Tohata
秀夫 戸畑
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP2001315535A priority Critical patent/JP2003118621A/ja
Publication of JP2003118621A publication Critical patent/JP2003118621A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Steering Control In Accordance With Driving Conditions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 適切な補正操舵をするとともに、運転者の明
確な操舵意思に基づく操舵操作の抽出を可能にする。 【解決手段】 操舵制御装置は、補正舵角に基づいて目
標操舵反力を補正する目標操舵反力補正機能、及び補正
舵角に基づいて操舵ゲインを補正する目標転舵角演算内
容補正機能を有するコントローラ30を備える。このコ
ントローラ30は、補正前の目標転舵角の変化方向と補
正舵角の変化方向とが一致していることを検出した場合
には、目標操舵反力を増加方向に補正し、さらに、操舵
ゲインを通常のものよりも小さくする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車輪を操舵する操
舵制御装置に関し、特に、ステアリングホイールを車輪
に機械的に連結することなく舵角を変更可能な操舵制御
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、右側と左側とで路面摩擦係数が
異なる路面上で制動を行った場合、右側輪で発生する制
動力と左側輪で発生する制動力とに差が発生し、ヨーモ
ーメントが発生する。このような場面において、各輪の
ブレーキを制御し、車両挙動変化を抑制する技術があ
る。例えば、この技術では、車両挙動変化を抑制するた
めに、摩擦係数が最も低い車輪での制動力で全ての車輪
を制動しているが、これでは、十分な制動力が得られ
ず、制動距離が延びてしまうという問題があった。
【0003】一方、従来の技術として、特開2000−
43747号公報や特開2001−30931号公報に
開示されている車両の操舵装置がある。特開2000−
43737号公報の操舵装置は、目標横加速度、目標ヨ
ーレートに実際の横加速度、ヨーレートが一致するよう
に操舵アクチュエータを制御することにより、左右制動
力の差によるヨーモーメントを打ち消すように補正操舵
を実行している。これにより、各輪で最大の制動力を発
生させることができ、制動距離が延びてしまうことが防
止される。
【0004】また、持開2001−30931号公報の
操舵装置は、補正操舵をした場合に、操舵反力に補正操
舵分が含まれないようにし、操舵フィーリングの低下を
防いでいる。このような操舵装置によっても、各輪で最
大の制動力を発生させることができるので、制動距離が
延びてしまうことを防止することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、左右輪で路
面摩擦係数が異なる路面での制動のような場合には、車
両が進行方向に対して車体スリップ角がついた状態で直
進する、すなわち、斜行することになる。このような状
態にあっては、車体のスリップ角が小さくつくものの、
車両の進行方向は変化しないため、運転者は安心して運
転できるが、熟練した運転者になると、車体スリップ角
がつくと、車両姿勢を修正するための修正操舵を行うこ
とがある。
【0006】しかし、上述した特開2000−4374
7号公報や特開2001−30931号公報の操舵装置
は、前記補正操舵の方向が修正操舵の方向に一致するの
で、操舵操作があったときに、その操舵操作が運転者の
旋回意思に基づくものなのか、車両姿勢を修正するため
にした修正操舵によるものなのかを判別できず、これに
より、運転者が修正操舵のつもりで操舵したにも関わら
ず、旋回運動するように操舵アクチュエータが制御され
たり、或いは、運転者が旋回するつもりで操舵したの
に、修正操舵と判断されて、その結果、旋回開始が遅れ
てしまう、という問題が発生していた。これでは、適切
な補正操舵がなされているとはいえず、さらには、運転
者の操舵意思も車両挙動に反映されていないことにな
る。
【0007】そこで、本発明は、このような従来の問題
点に着目してなされたもので、適切な補正操舵をすると
ともに、運転者の明確な操舵意思に基づく操舵操作の抽
出を可能にする操舵制御方法及び操舵装置の提供の目的
としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】以上の問題点を解決する
ために、請求項1記載の操舵制御装置は、ステアリング
ホイールを含む操舵入力装置と、この操舵入力装置とは
機械的には非結合であり且つ転舵輪を転舵する転舵装置
と、前記転舵装置に駆動力を付与する転舵アクチュエー
タと、前記ステアリングホイールの操舵角を検出する操
舵角検出手段と、前記転舵輪の転舵角を検出する転舵角
検出手段と、前記操舵角に基づいて目標転舵角を演算す
る目標転舵角演算手段と、前記転舵角が前記目標転舵角
に近づくように前記転舵アクチュエータを駆動させる転
舵制御手段と、前記操舵入力装置に操舵反力を付与する
操舵反力アクチュエータと、実際の車両状態を検出する
車両状態検出手段と、前記操舵角と前記実際の車両状態
とに基づいて目標操舵反力を演算する目標操舵反力演算
手段と、前記目標操舵反力に基づいて前記操舵反力アク
チュエータを駆動させる操舵反力制御手段と、前記操舵
角に基づいて運転者の期待する車両状態を検出する車両
状態期待値検出手段と、前記実際の車両状態が前記運転
者の期待する車両状態に近づくような補正転舵角を求め
る補正転舵角演算手段と、前記補正転舵角に基づいて前
記目標転舵角を補正する目標転舵角補正手段と、を備え
た操舵制御装置において、前記補正転舵角に基づいて前
記目標操舵反力を補正する目標操舵反力補正手段を設け
たことを特徴としている。
【0009】また、請求項2記載の操舵制御装置は、ス
テアリングホイールを含む操舵入力装置と、この操舵入
力装置とは機械的には非結合であり且つ転舵輪を転舵す
る転舵装置と、前記転舵装置に駆動力を付与する転舵ア
クチュエータと、前記ステアリングホイールの操舵角を
検出する操舵角検出手段と、前記転舵輪の転舵角を検出
する転舵角検出手段と、前記操舵角に基づいて目標転舵
角を演算する目標転舵角演算手段と、前記転舵角が前記
目標転舵角に近づくように前記転舵アクチュエータを駆
動させる転舵制御手段と、前記操舵入力装置に操舵反力
を付与する操舵反力アクチュエータと、実際の車両状態
を検出する車両状態検出手段と、前記操舵角と前記実際
の車両状態とに基づいて目標操舵反力を演算する目標操
舵反力演算手段と、前記目標操舵反力に基づいて前記操
舵反力アクチュエータを駆動させる操舵反力制御手段
と、前記操舵角に基づいて運転者の期待する車両状態を
検出する車両状態期待値検出手段と、前記実際の車両状
態が前記運転者の期待する車両状態に近づくような補正
転舵角を求める補正転舵角演算手段と、前記補正転舵角
に基づいて前記目標転舵角を補正する目標転舵角補正手
段と、を備えた操舵制御装置において、前記補正転舵角
に基づいて前記目標転舵角演算手段の演算内容を補正す
る目標転舵角演算内容補正手段を設けたことを特徴とし
ている。
【0010】また、請求項3記載の操舵制御装置は、ス
テアリングホイールを含む操舵入力装置と、この操舵入
力装置とは機械的には非結合であり且つ転舵輪を転舵す
る転舵装置と、前記転舵装置に駆動力を付与する転舵ア
クチュエータと、前記ステアリングホイールの操舵角を
検出する操舵角検出手段と、前記転舵輪の転舵角を検出
する転舵角検出手段と、前記操舵角に基づいて目標転舵
角を演算する目標転舵角演算手段と、前記転舵角が前記
目標転舵角に近づくように前記転舵アクチュエータを駆
動させる転舵制御手段と、前記操舵入力装置に操舵反力
を付与する操舵反力アクチュエータと、実際の車両状態
を検出する車両状態検出手段と、前記操舵角と前記実際
の車両状態とに基づいて目標操舵反力を演算する目標操
舵反力演算手段と、前記目標操舵反力に基づいて前記操
舵反力アクチュエータを駆動させる操舵反力制御手段
と、前記操舵角に基づいて運転者の期待する車両状態を
検出する車両状態期待値検出手段と、前記実際の車両状
態が前記運転者の期待する車両状態に近づくような補正
転舵角を求める補正転舵角演算手段と、前記補正転舵角
に基づいて前記目標転舵角を補正する目標転舵角補正手
段と、を備えた操舵制御装置において、前記補正転舵角
に基づいて前記目標操舵反力を補正する目標操舵反力補
正手段と、前記補正転舵角に基づいて前記目標転舵角演
算手段の演算内容を補正する目標転舵角演算内容補正手
段と、を設けたことを特徴としている。
【0011】また、請求項4記載の操舵制御装置は、請
求項1又は3記載の操舵制御装置において、補正前の前
記目標転舵角の変化方向と前記補正転舵角の変化方向と
が一致していることを検出する変化方向一致検出手段を
備えるとともに、前記目標操舵反力補正手段が、前記変
化方向一致検出手段によって前記変化方向同士が一致し
ていることが検出された場合には、前記目標操舵反力を
増加方向に補正するようになっていることを特徴として
いる。
【0012】また、請求項5記載の操舵制御装置は、請
求項2又は3記載の操舵制御装置において、補正前の前
記目標転舵角の変化方向と前記補正転舵角の変化方向と
が一致していることを検出する変化方向一致検出手段を
備えるとともに、前記目標転舵角演算内容補正手段は、
前記変化方向一致検出手段によって前記変化方向同士が
一致していることが検出された場合には、それ以外の場
合に比べて、前記操舵角の変化に対する前記目標転舵角
の変化が小さくなるように前記演算内容を補正するよう
になっていることを特徴としている。
【0013】また、請求項6記載の操舵制御装置は、請
求項1、3又は4記載の操舵制御装置において、前記目
標操舵反力補正手段が、前記目標操舵反力の補正量を、
操舵角速度に基づいて決定するようになっていることを
特徴としている。また、請求項7記載の操舵制御装置
は、請求項1、3、4又は6記載の操舵制御装置におい
て、前記目標操舵反力補正手段が、補正の度合いを車速
に応じて変化させるようになっていることを特徴として
いる。
【0014】また、請求項8記載の操舵制御装置は、請
求項2、3又は5記載の操舵制御装置において、前記目
標転舵角演算内容補正手段が、補正の度合いを車速に応
じて変化させるようになっていることを特徴としてい
る。また、請求項9記載の操舵制御装置は、請求項1乃
至請求項8のいずれかに記載の操舵制御装置において、
前記車両状態が、ヨーレートであることを特徴としてい
る。
【0015】また、請求項10記載の操舵制御装置は、
請求項1乃至8のいずれかに記載の操舵制御装置におい
て、前記車両状態が、車両の横方向加速度であることを
特徴としている。また、請求項11記載の操舵制御装置
は、請求項1乃至8のいずれかに記載の操舵制御装置に
おいて、前記車両状態が、ヨーレートと車両の横方向加
速度との両方であることを特徴としている。
【0016】
【発明の効果】請求項1記載の操舵制御装置は、目標操
舵反力補正手段により、補正転舵角に基づいて目標操舵
反力を補正するので、補正転舵角により車両状態の修正
がなされている場合には、ステアリングホイールに付与
される操舵反力が変化するので、これにより、運転者に
ステアリング操作を介してその意図に沿うように車両状
態が修正されていることを知らせることが可能になる。
よって、適切な補正操舵をするとともに、運転者の明確
な操舵意思に基づく操舵操作の抽出が可能になる。
【0017】また、請求項2記載の操舵制御装置は、目
標転舵角演算内容補正手段により、補正転舵角に基づい
て目標転舵角演算手段の演算内容を補正するので、補正
転舵角により車両状態の修正がなされている場合には、
転舵角に対する転舵輪の反応を変化させることができ
る。これにより、操舵制御装置は、運転者にステアリン
グ操作に対する転舵輪の反応を介してその意図に沿うよ
うに車両状態が修正されていることを知らせることが可
能になる。よって、適切な補正操舵をするとともに、運
転者の明確な操舵意思に基づく操舵操作の抽出が可能に
なる。
【0018】また、請求項3記載の操舵制御装置は、目
標操舵反力補正手段により、補正転舵角に基づいて目標
操舵反力を補正するとともに、目標転舵角演算内容補正
手段により、補正転舵角に基づいて目標転舵角演算手段
の演算内容を補正することで、補正転舵角により車両状
態の修正がなされている場合には、ステアリングホイー
ルに付与される操舵反力が変化し、さらに、転舵角に対
する転舵輪の反応が変化するので、これにより、運転者
にステアリング操作及びその操作に対する転舵輪の反応
を介してその意図に沿うように車両状態が修正されてい
ることを知らせることが可能になる。よって、適切な補
正操舵をするとともに、運転者の明確な操舵意思に基づ
く操舵操作の抽出が可能になる。
【0019】また、請求項4記載の操舵制御装置は、補
正前の目標転舵角の変化方向と補正転舵角の変化方向と
が変化方向同士が一致していることが検出された場合に
は、運転者による修正操舵がなされているとして、目標
操舵反力を増加方向に補正することで、ステアリング操
作を重くして、運転者にその意図に沿うように車両状態
が修正されていることを知らせることが可能になる。
【0020】また、請求項5記載の操舵制御装置は、補
正前の前記目標転舵角の変化方向と前記補正転舵角の変
化方向とが一致していることが検出された場合には、運
転者による修正操舵がなされているとして、それ以外の
場合に比べて、操舵角の変化に対する目標転舵角の変化
が小さくなるようにすることで、ステアリング操作に対
する転舵輪の反応を遅くして、運転者にその意図に沿う
ように車両状態が修正されていることを知らせることが
可能になる。
【0021】また、請求項6記載の操舵制御装置は、操
舵角速度に基づいて目標操舵反力の補正を行い、操舵角
速度に応じて操舵反力を補正しているので、運転者に違
和感を与えないような操舵反力の補正が可能になる。例
えば、保舵中には、補正分の操舵反力が発生しないの
で、運転者に違和感は生じない。また、請求項7記載の
操舵制御装置は、目標操舵反力の補正の度合いを車速に
応じて変化させることで、目標操舵反力の補正が車速を
反映されて、より自然なものになっている。
【0022】また、請求項8記載の操舵制御装置は、目
標転舵角の補正の度合いを車速に応じて変化させること
で、目標転舵角の補正が車速を反映されて、より自然な
ものになっている。また、請求項9記載の操舵制御装置
は、車両状態がヨーレートであるので、車両状態の検出
を簡単にすることができる。さらに、請求項10記載の
操舵制御装置は、車両状態が車両の横方向加速度である
ので、車両状態の検出を簡単にすることができる。そし
て、請求項11記載の操舵制御装置は、車両状態がヨー
レートと車両の横方向加速度との両方であるので、車両
状態の検出を簡単にすることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の複数の実施の形態
について図面を参照して詳細に説明する。 (1)第1の実施の形態 図1は、第1の実施の形態は本発明を適用した操舵制御
装置の構成を示す。操舵制御装置は、転舵輪である左右
の前輪1a,1bがアクスル2a,2bによって、車体
に対して操舵軸回りに回転可能に支持されている。
【0024】左右各車輪1a,1bのアクスル2a,2
bには、タイロッド3a,3bの一端部がそれぞれ揺動
可能に連結されている。そして、各タイロッド3a,3
bの他方の端部は、ステアリングラック4のラック軸5
の各端部に揺動可能に連結されている。ラック軸5に
は、ピニオンギア6が噛合しており、ピニオンギア6
は、減速ギアを介して転舵モーター7に取り付けられて
いるピニオン軸8の一端側に取り付けられている。
【0025】ピニオン軸8の先端には、実舵角をピニオ
ン軸8の回転として検出する転舵角センサ21が取り付
けられている。また、ラック軸5には、ピニオン軸8の
回転が変換されて移動するラック軸5のラックストロー
クを検出するラックストロークセンサ22が取り付けら
れている。ここで、アクスル2a,2b、タイロッド3
a,3b、ステアリングラック4、ピニオン軸8は、左
右の車輪1a,1bを転舵する転舵装置を構成してお
り、一般的な車両のように、後述のステアリングホイー
ル13に機械的に接続されておらず、すなわち、ステア
リングホイール13を含む操舵入力装置とは機械的には
非結合とされた構成になっている。また、前記転舵モー
ター7は、この転舵装置に駆動力を付与する転舵アクチ
ュエータを構成している。
【0026】コラムシャフト11は、上述したように、
転舵装置と操舵入力装置とが機械的には非結合とされた
構成されているところ、前記ピニオン軸8とは非連結と
されて備えられている。コラムシャフト11には、ステ
アリングホイール13による操舵角をコラムシャフト1
1の回転角として検出する第1の操舵角センサ23が取
り付けられている。また、コラムシャフト11には、反
力モータ12が減速ギアを介して取り付けられている。
コラムシャフト11がピニオン軸8と非連結とされてい
ることから、通常のステアリングホイールで発生する路
面からの反力がステアリング13に発生しないため、反
力モータ12は、操舵反力を発生させるために備えられ
ている。また、反力モータ12には、コラムシャフト1
1の回転角を当該反力モータ12の回転角として検出す
る第2の操舵角センサ24が取り付けられている。ここ
で、反力モータ12は、前記操舵入力装置に操舵反力を
付与する操舵反力アクチュエータを構成している。
【0027】また、操舵制御装置は、車両にかかる横加
速度を検出する横加速センサ26及び車両のヨーレート
を検出するヨーレートセンサ27、及び車速を検出する
ための車輪速センサ28を備えている。そして、操舵制
御装置は、各部をコントローラ30により制御してい
る。図2は、コントローラ30の具体的な構成を示す。
コントローラ30は、処理部31及びドライバ34,3
5を備えている。
【0028】処理部31は、各種信号処理をするように
構成されており、具体的には、UPP(Universal Puls
e Processor)32、A/D変換回路33及びCPU3
4を備えている。CPU34には、UPP32を介し
て、転舵角センサ21、第1の操舵角センサ23、第2
の操舵角センサ24及び車速速センサ28からのセンサ
入力がなされている。また、CPUに34には、A/D
変換回路33を介して、ラックストロークセンサ2、操
舵トルクセンサ25、横加速センサ26及びヨーレート
センサ27からのセンサ入力がなされている。
【0029】第1のドライバ35は、反力モータ12を
駆動するものであり、また、前記第2のドライバ36
は、第2の転舵モータ7を駆動するものである。そし
て、第1及び第2のドライバ35,36は、前記CPU
34からのPWM(Plus Width Modulation)信号によ
り制御されている。ここで、転舵モータ7に第2のドラ
イバ34から出力される電流値(或いは電圧値)や反力
モータ12に第1のドライバ35から出力される電流値
(或いは電圧値)がCPU34に検出されるように構成
され、すなわちCPU34により電流センサによる検出
ができるように構成されている。
【0030】なお、このような操舵制御装置の構成にお
いて、第1及び第2の操舵角センサ23,24は、ステ
アリングホイール13の操舵角を検出する操舵角検出手
段を構成し、ラックストロークセンサ2は、左右輪1
a,1bの転舵角を検出する転舵角検出手段を構成し、
横加速度センサ26及びヨーレートセンサ17の少なく
とも一方は、実際の車両状態を検出する車両状態検出手
段を構成している。また、第1のドライバ35は、目標
操舵反力に基づいて反力モータ12を駆動させる操舵反
力制御手段を構成し、第2のドライバ34は、舵角が目
標舵角に近づくように転舵モータ7を駆動させる転舵制
御手段を構成している。
【0031】次に、前記コントローラ30の処理内容に
ついて具体的に説明する。先ず図3に示すフローチャー
トを用いて、転舵モータ7を駆動する処理手順を説明す
る。先ず、ステップS1において、走行中にステアリン
グホイール13が操作されると、第1の操舵角センサ2
3によりステアリングホイール13の回転角に応じた検
出値をUPP32を介してCPU34に読み込む。
【0032】次に、ステップS2において、CPU34
がステアリングホイール13の回転角に対応する目標転
舵角である目標舵角(1)を求める。すなわち、コント
ローラ30における目標舵角演算機能により、操舵角に
基づいて目標舵角を演算する。ここで、目標舵角(1)
は、車輪1a,1bが目標舵角に転舵するためのピニオ
ン回転角に相当する。また、目標舵角(1)の演算は、
具体的には、ステアリングホイール13の操舵角に操舵
ゲインを乗算して目標舵角(1)を求める。
【0033】操舵ゲインとしては、例えば、ヨーレート
補正係数を用いる。ヨーレート補正係数は、図4に示す
ように、操舵角に対するヨーレート応答ゲインを車速を
パラメータとして表したものであり、操舵角と車速の関
数として求められ、同じ操舵角に対するヨーレート応答
を車速の違いで求めたものである。このヨーレート補正
係数を操舵ゲインとすることで、異なる車速において
も、同じ操舵角に対して、同じヨーレート応答が得られ
るようになる。
【0034】次に、ステップS3において、CPU34
により、操舵角から運転者の意図するヨーレートの目標
値を演算する。すなわち、コントローラ30における車
両状態期待値検出手段により、操舵角に基づいて運転者
の期待する車両状態を検出する。ヨーレートの目標値
は、例えば、コントローラ30内部に車両の数学的モデ
ルを記述し(所定のプログラムを使用し)、この車両モ
デルに操舵角と車速とを入力して演算により得られるヨ
ーレートを目標ヨーレートとして得る。ヨーレートは車
両の状態を示すものであり、目標ヨーレートは、操舵角
に基づいて運転者の期待する車両状態を示すものにな
る。
【0035】次に、ステップS4において実際の車両の
ヨーレートをヨーレートセンサ27からA/D変換回路
33を介してCPU34に読み込み、続くステップS5
において、CPU34により、この実際のヨーレートと
前記目標ヨーレートとを比較し、目標ヨーレートとの偏
差に応じた補正舵角を演算により求める。すなわち、コ
ントローラ30における補正舵角演算手段により、実際
の車両状態が運転者の期待する車両状態に近づくような
補正舵角(補正転舵角)を求める。
【0036】次に、CPU34により、ステップS6に
おいて、目標舵角を前記目標舵角(1)と補正舵角との
和として求める。すなわち、コントローラ30における
目標転舵角補正機能により、補正舵角に基づいて目標転
舵角を補正する。次に、ステップS7において、転舵角
センサ21により検出されたピニオン回転角をCPU3
4に読み込む。続いて、ステップS8において、CPU
34により、前記ステップS6において求めた目標舵角
と、前記転舵角センサ21からの実際の転舵角との偏差
に応じて転舵モータ7への指令電流値を決定する。
【0037】次に、ステップS9において、CPU34
により、前記電流センサにより検出した転舵モータ7に
出力する電流値(検出電流値)と前記決定した指令電流
値とが一致するよう、指令電流値と前記検出電流値との
偏差に応じたPWMデューティを決定する。次に、ステ
ップS10において、第2のドライバ36が、前記PW
MデューティによりON/OFFされて、転舵モータ7
を駆動する。すなわち、目標舵角と実舵角との偏差を求
め、偏差を小さくするように、転舵モータ7が駆動され
る。
【0038】そして、これらステップS1〜ステップS
10の処理を、所定のタイムステップにより繰り返して
実行する。以上のような処理手順によりコントローラ3
0が転舵モータ7を駆動している。 次に、図5に示す
フローチャートを用いて、反力モータ12を駆動する処
理手順を説明する。
【0039】先ず、ステップS11〜ステップS16に
おいて、車速センサ28、第1の操舵角センサ23、横
加速度センサ26、ヨーレートセンサ27の検出値を、
UPP32或いはA/D変換回路33を介してCPU3
4に読み込み、CPU34により、それぞれの値に応じ
た操舵反力を演算し、続くステップS17において、操
舵反力を、それぞれの操舵反力の総和を求める。すなわ
ち、コントローラ30における目標操舵反力演算機能に
より、操舵角と実際の車両状態とに基づいて目標操舵反
力を演算する。
【0040】次に、ステップS18において、CPU3
4により、前記目標舵角(1)の変化方向と前記補正舵
角の方向とを比較する。目標舵角(1)の変化方向と補
正舵角の変化方向とが同じ場合、ステップS19に進
み、一方、目標舵角(1)の変化方向と補正舵角の方向
とが異なる場合、ステップS20に進む。ステップS1
9では、操舵反力を補正するための補正値を求める。操
舵反力の補正は、補正舵角に応じて行っており、例えば
図7に示すように、補正舵角に応じて変化する補正係数
(1)を用いて行う。ここで、補正係数(1)は、補正
舵角が小さい領域では、当該補正舵角とともに増加し、
補正舵角が大きい領域では、当該補正舵角の変化にかか
わらず略一定値(例えば、略0.5)を示す。下記
(1)式に示すように、このような補正係数(1)に操
舵角速度を乗じて、操舵反力の補正値を決定している。
【0041】 操舵反力補正分(補正値)=操舵角速度×補正係数(1) ・・・(1) 次に、ステップS21において、CPU34により、こ
の操舵反力補正分の値を前記ステップS17で求めた操
舵反力に加えて、最終的な目標操舵反力を求め、続くス
テップS22に進む。ここで、ステアリングホイール1
3の操作速度である操舵角速度に応じて操舵反力の補正
を行っており、このようにすることで、保舵中は操舵反
力が変化しないようにして、一方、修正操舵しようとし
たときに操舵反力の補正による効果を得るようにしてい
る。よって、修正操舵を行わない場合には、運転者は、
違和感が生じることはない。
【0042】なお、前記ステップS18の処理は、コン
トローラ30における変化方向一致検出機能により、補
正前の目標舵角の変化方向と前記補正舵角の変化方向と
が一致していることを検出することでなされたものであ
り、ステップS19及びステップS21における処理
は、コントローラ30が有する補正舵角に基づいて目標
操舵反力を補正する目標操舵反力補正機能により、前記
変化方向一致検出機能にて変化方向同士が一致している
ことが検出された場合に、目標操舵反力を増加方向に補
正するようことでなされたものである。
【0043】一方、ステップS20では、操舵反力を補
正しない処理として、前記操舵反力補正分の値を0とお
くことで、続くステップS21にてなされる操舵反力へ
の加算分をなくして、実質的に補正がなされていない最
終的な目標操舵反力を求め、続くステップS22に進
む。ステップS22では、目標操舵反力に基づいて、反
力モータ12への指令電流値を決定する。次に、ステッ
プS23において、CPU34により、前記電流センサ
により検出した反力モータ12に出力する電流値(検出
電流値)が前記決定した指令電流値と一致するよう、指
令電流値と前記検出電流値との偏差に応じたPWMデュ
ーティを決定する。例えば、操舵反方ゲインについては
所定の値を用いる。
【0044】そして、第2のドライバ36が、決定され
たPWMデューティによりON/OFFされて、転舵モ
ータ7を駆動する。すなわち、目標舵角と実測の転舵角
との偏差を求め、偏差を小さくするように、反力モータ
12が駆動される。そして、これらステップS11〜ス
テップS24の処理を、所定のタイムステップにより繰
り返して実行する。
【0045】以上のような処理手順によりコントローラ
30が反力モータ12を駆動している。前記図3に示す
転舵モータ7の駆動制御の処理では、ステアリングホイ
ール13の操舵角に応じたヨーレートを目標ヨーレート
として演算し(前記ステップS3)、目標ヨーレートに
一致するよう目標舵角を決め(前記ステップS6)、そ
れに基づいて転舵モータ7を駆動している(前記ステッ
プS7〜ステップS10)。これにより、運転者がステ
アリング操作により旋回運動を意図した方向に車両が旋
回するようになる。
【0046】このような制御では、前後タイヤがグリッ
プして走行している場合、目標舵角は単なる操舵角の関
数となり、転舵角は常に操舵角と対応したものになる。
しかしながら、前或いは後又は前後ともタイヤがグリッ
プ状態からスリップ状態に変化すると、舵角が一定であ
っても、ヨーレートが変化する。このため、前記図3に
示す処理では、ヨーレートの変化を抑制するように、補
正操舵しており(ステップS5及びステップS6)、す
なわち、ヨーレートフィードバックによる補正操作を
し、これにより、タイヤがグリップ状態からスリップ状
態へと変化しても、運転者に修正操舵を要求することな
く、車両挙動を安定にすることができる。
【0047】一方、前記図5に示す反力モータ12の駆
動の処理では、補正操舵をした場合において、その補正
舵角の方向と前記目標舵角(1)の方向とが一致してい
るときは、操舵反力(ステップS11〜ステップS17
において求めた操舵反力)に補正舵角分の反力を加えて
おり(ステップS18〜ステップS21)、操舵反力に
補正舵角に応じた操舵反力分を加えて、補正操舵がされ
ない場合よりも操舵反力を大きくし、ステアリングホイ
ール13の回転操作が重くなるようにしている。すなわ
ち、補正舵角の方向と、目標舵角(1)の方向とが一致
しているときには、運転者による修正操舵がなされてい
るものとして、ステアリングホイール13の回転操作が
重くなるようにしている。
【0048】これにより、例えば、運転者が明確な意図
を持たずに習慣的に修正操舵されてしまうことが抑制さ
れる。さらに、車両姿勢が変化しても車両が意図した方
向に進もうとすることを、運転者はステアリング操作が
重くなっていることで感知でできるため、これにより、
修正操舵が不要であることを察知した運転者が修正操舵
を止める、という作用もある。
【0049】また、その一方で、車両挙動が発生した場
合に、熟練した運転者が習慣的に車両挙動を修正しよう
として修正操舵をしようとした場合、すなわち、明確な
旋回意図を持って操舵操作が行われたときには、ステア
リング操作が重めではあるがステアリングホイール13
の回転操作は可能になっているので、運転者は、それに
打ち勝つだけの力でステアリング操作することで旋回運
動を変化させることはできる。
【0050】一方、補正舵角と逆方向に操舵された場
合、操舵反力の補正を行わないようにしている(ステッ
プS18からステップS20に進む処理)。これは、明
らかに修正操舵ではないので、運転者の明確な意図によ
る操舵であると判断できるからである。以上のように、
第1の実施の形態の操舵制御装置は、適切な補正操舵を
するとともに、運転者の明確な操舵意図に基づく操舵操
作のみを抽出する一方で、不要な操舵操作を排除するこ
とができる。
【0051】(2)第2の実施の形態 次に、第2の実施の形態の操舵制御装置について説明す
る。この第2の実施の形態の操舵制御装置は、その構成
については、言及しない限り前記第1の実施の形態の操
舵制御装置の構成と同一であり、コントローラ30で処
理制御内容が前記第1の実施の形態の操舵制御装置のも
のと異っている。
【0052】すなわち、前記第1の実施の形態の操舵制
御装置は、補正操舵をする場合に、操作反力を重くして
いるところ(前記ステップS18〜ステップS21)、
第2の実施の形態の操舵制御装置は、その代わりに、補
正操舵をする場合に操舵ゲインを低めにしている。以
下、コントローラ30の処理内容を、図7及び図8を用
いて具体的に説明する。先ず、図7に示すフローチャー
トを用いて、転舵モータ7を駆動する処理手順を説明す
る。
【0053】先ず、ステップS31において、前記ステ
ップS1における処理と同様に、走行中にステアリング
ホイール13が操作されると、第1の操舵角センサ23
によりステアリングホイール13の回転角に応じた検出
値をUPP32を介してCPU34に読み込む。次に、
ステップS2において、CPU34により、操舵角から
運転者の意図するヨーレートの目標値を演算する。ヨー
レートの目標値は、前記第1の実施の形態の操舵制御装
置の場合と同様に、例えば、コントローラ30内部に車
両の数学的モデルを記述し(所定のプログラムを使用
し)、この車両モデルに操舵角と車速とを入力して演算
により得られるヨーレートを目標ヨーレートとして得
る。
【0054】次に、ステップS33において、前記ステ
ップS4における処理と同様に、車両の実際のヨーレー
トをヨーレートセンサ27からA/D変換回路33を介
してCPU34に読み込み、続いて、ステップS34に
おいて、前記ステップS5における処理と同様に、CP
U34により、この車両のヨーレートと前記目標ヨーレ
ートとを比較し、目標ヨーレートとの偏差に応じた補正
舵角を演算により求める。
【0055】次に、ステップS35において、CPU3
4により、前記ステップS31において読み込んだ操舵
角の変化方向と前記補正舵角の方向とを比較し、ここ
で、操舵角の変化方向と補正舵角の方向とが同じ場合、
ステップS36に進み、一方、操舵角の変化方向と補正
舵角の方向とが異なる場合、ステップS39に進む。ス
テップS36以降の処理(ステップS36〜ステップS
38)では、CPU34により、操舵ゲインを補正し
て、目標舵角を求める。具体的には、次のようにして目
標舵角を求めている。
【0056】先ず、ステップS36において、目標舵角
(1)を固定して、操舵角の変化と無関係にする。次
に、ステップS37において、補正舵角に応じて操舵ゲ
インを補正する。操舵ゲインの補正は、例えば、下記
(2)式に示すように、前記補正係数(1)を用いて、
1からその補正係数(1)を減じた値を操舵ゲインに乗
じて求める。
【0057】 操舵ゲイン(補正後)=(1−補正係数(1))×操舵ゲイン(補正前) ・・・(2) 例えば、この操舵ゲインの補正により、補正後の操舵ゲ
インは、常に補正前の操舵ゲイン以下になる。次に、ス
テップS38において、補正後の操舵ゲインを用いて、
目標舵角(1)が固定された時点からの操舵角の変化に
補正された操舵ゲインを乗じた値を、前記固定された目
標舵角(1)に加算し、さらに、前記補正舵角を加算し
て、目標舵角を求める。このようにして操舵ゲインを補
正して目標舵角を求めて、ステップS41に進む。この
ステップS38における処理は、目標舵角を求めるため
の操舵角を使用した演算であり、その演算を補正舵角に
応じて変化させる処理を行っている。
【0058】なお、前記ステップS35の処理は、コン
トローラ30における前記変化方向一致検出機能によ
り、補正前の目標舵角の変化方向と前記補正舵角の変化
方向とが一致していることを検出することでなされたも
のであり、ステップS19及びステップS37及びステ
ップS38における処理は、コントローラ30が有する
補正舵角に基づいて前記目標舵角演算機能の演算内容を
補正する目標舵角演算内容補正機能により、前記変化方
向一致検出機能にて変化方向同士が一致していることが
検出された場合に、それ以外の場合に比べて、操舵角の
変化に対する目標舵角の変化が小さくなる演算内容を補
正することでなされたものである。ここで、それ以外の
場合とは、このように演算内容の補正をしていない場合
を言う。
【0059】一方、前記ステップS39以降の処理(ス
テップS39及びステップS40)では、CPU34に
より、補正しない操舵ゲインを用いて目標舵角を求め
る。具体的には、次のようにして目標舵角を求めてい
る。先ず、ステップS39において、前記ステップS2
における処理と同様に、ステアリングホイール13の操
舵角としてのピニオン回転角を求め、この操舵角に操舵
ゲインを乗算して目標舵角(1)を求める。続いて、ス
テップS40において、前記ステップS6における処理
と同様に、この目標舵角(1)に前記補正舵角を加算し
て目標舵角を求める。このようにして、目標舵角を求め
て、ステップS41に進む。
【0060】ステップS41以降の処理では、前記ステ
ップS7〜ステップS10における処理と同様にあり、
すなわち、ステップS41において、転舵角センサ21
により検出したピニオン回転角をCPU34に読み込
み、ステップS42において、CPU34により、その
読み込んだ転舵角と目標舵角との偏差に応じて転舵モー
タ7への指令電流値を決定し、ステップS43におい
て、CPU34により、前記電流センサにより検出した
転舵モータ7に出力する電流値(検出電流値)が前記決
定した指令電流値と一致するよう、指令電流と前記検出
電流との偏差に応じたPWMデューティを決定し、ステ
ップS44において、第2のドライバ36が、前記PW
MデューティによりON/OFFされて、転舵モータ7
を駆動している。
【0061】そして、これらステップS31〜ステップ
S44の処理を、所定のタイムステップにより繰り返し
て実行する。以上のような処理手順によりコントローラ
30が転舵モータ7を駆動している。一方、反力モータ
12を駆動する処理手順は図8に示すようなフローチャ
ートのようになる。反力モータ12の駆動のための処理
では、前記図5に示したステップS18〜ステップS2
0における操舵反力の補正を行わない一方で、他の処理
(ステップS11〜ステップS16、ステップS21〜
ステップS24)において同様な処理を行っている。
【0062】第2の実施の形態の操舵制御装置は、以上
のような処理手順により転舵モータ7及び反力モータ1
2の駆動を制御している。前記図7に示す転舵モータ7
の駆動制御の処理では、操舵角の変化方向が補正舵角の
変化方向と同じである場合、操舵ゲインが補正されて、
補正前の補正ゲイン以下とされて(ステップS37)、
その操舵ゲインを用いて目標舵角を求め(ステップS3
8)、それに基づいて転舵モータ7の駆動制御を行って
いる(前記ステップS41〜ステップS44)。すなわ
ち、補正舵角の変化方向と操舵角の変化方向とが一致し
ているときには、操舵に対するゲインを低下させてい
る。これにより、ステアリング操作に対する車両挙動の
反応が遅くなる。
【0063】よって、運転者が習慣的に修正操舵した程
度では車両挙動が変化することはない。さらに、車両姿
勢が変化しても車両が意図した方向に進もうとすること
を、運転者は車両挙動の反応が遅くなっていることで感
知できるため、これにより、修正操舵が不要であること
を察知した運転者が修正操舵を止める、という作用もあ
る。
【0064】また、その一方で、車両挙動が変化した場
合に、熟練した運転者が習慣的に車両挙動を修正しよう
として修正操舵をしようとした場合、すなわち、明確な
旋回意図を持って操舵操作が行われたときには、操舵ゲ
インが低めではあるがステアリングホイール13の回転
操作が可能になっているので、運転者は、操舵ゲインが
低いことで不足する分を補ってさらにステアリングホイ
ール13を切り増し操舵することで、旋回運動を変化さ
せることはできる。
【0065】このように、第2の実施の形態の操舵制御
装置は、適切な補正操舵をするとともに、運転者の明確
な操舵意図に基づく操舵操作のみを抽出する一方で、不
要な操舵操作を排除することができる。また、上述の処
理では、操舵角の変化方向が補正舵角の方向と一致した
時点で、操舵角で決まる目標舵角(1)を固定し(前記
ステップS36)、その時点からの操舵角の変化に操舵
ゲインを乗じた値を、固定した目標舵角(1)に加算し
ている。このようにすることで、操舵ゲインが変化しな
ければ、目標舵角は変化しない。その一方、操舵ゲイン
が変化すると、ゲインが変化した時点からの偏差に対し
てのみゲインが変化するので、補正舵角の範囲のみに限
って、操舵ゲインを変化させることができる。これによ
り、単に操舵ゲインを小さく設定することで、全体の操
舵ゲインが低下してしまい、その時点での転舵角が変化
してしまうことを防止している。
【0066】また、前記(2)式では、1から補正舵角
との間で図6に示すような関係を有する補正係数(1)
を減じた値を操舵ゲインに乗じて補正後の操舵ゲインを
求めている。これにより、補正舵角が小さい場合、操舵
ゲイン補正係数が0となり、1から補正係数を減じた値
は1のままであるので、操舵ゲインは変化しない。そし
て、補正舵角が0から大きくなると、操舵ゲイン補正係
数が増加するため、操舵ゲインは減少する。しかし、あ
る一定以上の補正舵角に達すると、操舵ゲイン補正係数
は一定値となり、それ以下の補正係数にはならない。
【0067】このように、補正舵角が生じると、操舵ゲ
インを減少させて、これにより、操舵角に対する車両応
答ゲインを低下させることができる。さらに、補正舵角
が小さい領域では、操舵ゲインの補正量を小さくし、補
正舵角が大きい領域では、ある限界をもって操舵ゲイン
を補正量を大きくすることで、補正舵角が大きくなるに
従って、操舵に対する反応を鈍くすることを可能にしな
がらも、その反応が極端に鈍くなることを防止すること
ができる。
【0068】以上、本発明が適用される実施の形態につ
いて説明した。しかし、本発明が上述の実施の形態に適
用されることに限定されるものではない。上述の第1の
実施の形態では、前記(1)式に示すように、操舵反力
の補正分を、操舵角速度に、補正操舵に応じて定まる補
正係数(1)に乗算して求めている。しかし、これに限
定されるものではなく、下記(3)式に示すように、車
速に応じて定まる補正係数(2)を乗算して、操舵反力
の補正分を求めてもよい。
【0069】 操舵反力補正分=補正係数(1)×補正係数(2)×操舵角速度 ・・・(3) 例えば、補正係数(2)は、図9に示すように、車速が
小さい領域では、当該車速に反比例し、車速が大きい領
域では、当該車速の変化にかかわらず略一定の値を示し
ている。このように、操舵反力の補正に車速を因子とし
て採り入れることで、車速を加味した操舵反力の補正に
なるので、より自然な補正が行われるようになる。
【0070】また、上述の第2の実施の形態では、前記
(2)式に示すように、操舵ゲインの補正を、補正操舵
に応じて定まる補正係数(1)を用いて求めている。し
かし、これに限定されるものではなく、下記(4)式に
示すように、車速に応じて定まる補正係数を用いて操舵
ゲインの補正分をしてもよい。例えば、車速に応じて定
まる補正係数は、前記図10に示した補正係数(2)を
用いる。
【0071】 操舵ゲイン(補正後)=(1−補正係数(1)×補正係数(2)) ×操舵ゲイン(補正前) ・・・(4) このように、操舵ゲインの補正に車速を因子として採り
入れることで、車速を加味した操舵ゲインの補正になる
ので、より自然な補正が行われるようになる。また、上
述の実施の形態では、補正舵角に基づいて目標転舵角演
算機能の演算内容を補正する例として、演算内容の補正
により操舵ゲインを補正する場合について説明した。し
かし、これに限定されるものではなく、演算内容の補正
により他の変数を補正するようにしても良い。すなわち
例えば、運転者の修正操舵の反応に対する転舵を鈍くす
るとともに、同時に補正操舵がなされていることを運転
者に知らせることが可能な変数を補正するといったよう
にである。
【0072】また、上述の第1の実施の形態と第2の実
施の形態とを組み合わせた処理をしてもよい。すなわ
ち、操舵反力を重めに設定するとともに、操舵ゲインを
低めに設定するというようにである。また、上述の実施
の形態では、補正舵角をヨーレートに基づいて求めてい
るが、横加速度を代わりに用いたり、或いはヨーレート
及び横加速度の両方を用いて補正舵角を求めてもよい。
【0073】また、上述の実施の形態では、目標操舵反
力を操作量であるステアリングホイール13の操舵角並
びに車両状態を示す情報であるヨーレート及び横加速度
を用いて求めているが、操作量又は車両状態のいずれか
一方を用いて求めてもよく、或いはヨーレートや横加速
度以外の車両状態を示す情報を用いて求めてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の操舵制御装置の構成を示
す図である。
【図2】前記操舵制御装置のコントローラの構成を示す
ブロック図である。
【図3】第1の実施の形態における前記コントローラが
する転舵モータの駆動のための処理手順を示すフローチ
ャートである。
【図4】車速とヨーレート補正係数との関係を示す特性
図である。
【図5】第1の実施の形態における前記コントローラが
する反力モータの駆動のための処理手順を示すフローチ
ャートである。
【図6】補正舵角と補正係数(1)との関係を示す特性
図である。
【図7】第2の実施の形態における前記コントローラが
する転舵モータの駆動のための処理手順を示すフローチ
ャートである。
【図8】第2の実施の形態における前記コントローラが
する反力モータの駆動のための処理手順を示すフローチ
ャートである。
【図9】車速と補正係数(2)との関係を示す特性図で
ある。
【符号の説明】
1a,1b 車輪 7 転舵モータ 12 反力モータ 13 ステアリングホイール 21 転舵角センサ 22 ラックストロークセンサ 23,24 操舵角センサ 25 転舵トルクセンサ 26 横加速度センサ 30 コントローラ 31 処理部 32 UPP 33 A/D変換回路 34 CPU 35,36 ドライバ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B62D 137:00 B62D 137:00

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステアリングホイールを含む操舵入力装
    置と、この操舵入力装置とは機械的には非結合であり且
    つ転舵輪を転舵する転舵装置と、前記転舵装置に駆動力
    を付与する転舵アクチュエータと、前記ステアリングホ
    イールの操舵角を検出する操舵角検出手段と、前記転舵
    輪の転舵角を検出する転舵角検出手段と、前記操舵角に
    基づいて目標転舵角を演算する目標転舵角演算手段と、
    前記転舵角が前記目標転舵角に近づくように前記転舵ア
    クチュエータを駆動させる転舵制御手段と、前記操舵入
    力装置に操舵反力を付与する操舵反力アクチュエータ
    と、実際の車両状態を検出する車両状態検出手段と、前
    記操舵角と前記実際の車両状態とに基づいて目標操舵反
    力を演算する目標操舵反力演算手段と、前記目標操舵反
    力に基づいて前記操舵反力アクチュエータを駆動させる
    操舵反力制御手段と、前記操舵角に基づいて運転者の期
    待する車両状態を検出する車両状態期待値検出手段と、
    前記実際の車両状態が前記運転者の期待する車両状態に
    近づくような補正転舵角を求める補正転舵角演算手段
    と、前記補正転舵角に基づいて前記目標転舵角を補正す
    る目標転舵角補正手段と、を備えた操舵制御装置におい
    て、前記補正転舵角に基づいて前記目標操舵反力を補正
    する目標操舵反力補正手段を設けたことを特徴とする操
    舵制御装置。
  2. 【請求項2】 ステアリングホイールを含む操舵入力装
    置と、この操舵入力装置とは機械的には非結合であり且
    つ転舵輪を転舵する転舵装置と、前記転舵装置に駆動力
    を付与する転舵アクチュエータと、前記ステアリングホ
    イールの操舵角を検出する操舵角検出手段と、前記転舵
    輪の転舵角を検出する転舵角検出手段と、前記操舵角に
    基づいて目標転舵角を演算する目標転舵角演算手段と、
    前記転舵角が前記目標転舵角に近づくように前記転舵ア
    クチュエータを駆動させる転舵制御手段と、前記操舵入
    力装置に操舵反力を付与する操舵反力アクチュエータ
    と、実際の車両状態を検出する車両状態検出手段と、前
    記操舵角と前記実際の車両状態とに基づいて目標操舵反
    力を演算する目標操舵反力演算手段と、前記目標操舵反
    力に基づいて前記操舵反力アクチュエータを駆動させる
    操舵反力制御手段と、前記操舵角に基づいて運転者の期
    待する車両状態を検出する車両状態期待値検出手段と、
    前記実際の車両状態が前記運転者の期待する車両状態に
    近づくような補正転舵角を求める補正転舵角演算手段
    と、前記補正転舵角に基づいて前記目標転舵角を補正す
    る目標転舵角補正手段と、を備えた操舵制御装置におい
    て、 前記補正転舵角に基づいて前記目標転舵角演算手段の演
    算内容を補正する目標転舵角演算内容補正手段を設けた
    ことを特徴とする操舵制御装置。
  3. 【請求項3】 ステアリングホイールを含む操舵入力装
    置と、この操舵入力装置とは機械的には非結合であり且
    つ転舵輪を転舵する転舵装置と、前記転舵装置に駆動力
    を付与する転舵アクチュエータと、前記ステアリングホ
    イールの操舵角を検出する操舵角検出手段と、前記転舵
    輪の転舵角を検出する転舵角検出手段と、前記操舵角に
    基づいて目標転舵角を演算する目標転舵角演算手段と、
    前記転舵角が前記目標転舵角に近づくように前記転舵ア
    クチュエータを駆動させる転舵制御手段と、前記操舵入
    力装置に操舵反力を付与する操舵反力アクチュエータ
    と、実際の車両状態を検出する車両状態検出手段と、前
    記操舵角と前記実際の車両状態とに基づいて目標操舵反
    力を演算する目標操舵反力演算手段と、前記目標操舵反
    力に基づいて前記操舵反力アクチュエータを駆動させる
    操舵反力制御手段と、前記操舵角に基づいて運転者の期
    待する車両状態を検出する車両状態期待値検出手段と、
    前記実際の車両状態が前記運転者の期待する車両状態に
    近づくような補正転舵角を求める補正転舵角演算手段
    と、前記補正転舵角に基づいて前記目標転舵角を補正す
    る目標転舵角補正手段と、を備えた操舵制御装置におい
    て、 前記補正転舵角に基づいて前記目標操舵反力を補正する
    目標操舵反力補正手段と、前記補正転舵角に基づいて前
    記目標転舵角演算手段の演算内容を補正する目標転舵角
    演算内容補正手段と、を設けたことを特徴とする操舵制
    御装置。
  4. 【請求項4】 補正前の前記目標転舵角の変化方向と前
    記補正転舵角の変化方向とが一致していることを検出す
    る変化方向一致検出手段を備えるとともに、 前記目標操舵反力補正手段は、前記変化方向一致検出手
    段によって前記変化方向同士が一致していることが検出
    された場合には、前記目標操舵反力を増加方向に補正す
    るようになっていることを特徴とする請求項1又は3記
    載の操舵制御装置。
  5. 【請求項5】 補正前の前記目標転舵角の変化方向と前
    記補正転舵角の変化方向とが一致していることを検出す
    る変化方向一致検出手段を備えるとともに、 前記目標転舵角演算内容補正手段は、前記変化方向一致
    検出手段によって前記変化方向同士が一致していること
    が検出された場合には、それ以外の場合に比べて、前記
    操舵角の変化に対する前記目標転舵角の変化が小さくな
    るように前記演算内容を補正するようになっていること
    を特徴とする請求項2又は3記載の操舵制御装置。
  6. 【請求項6】 前記目標操舵反力補正手段は、前記目標
    操舵反力の補正量を、操舵角速度に基づいて決定するよ
    うになっていることを特徴とする請求項1、3又は4記
    載の操舵制御装置。
  7. 【請求項7】 前記目標操舵反力補正手段は、補正の度
    合いを車速に応じて変化させるようになっていることを
    特徴とする請求項1、3、4又は6記載の操舵制御装
    置。
  8. 【請求項8】 前記目標転舵角演算内容補正手段は、補
    正の度合いを車速に応じて変化させるようになっている
    ことを特徴とする請求項2、3又は5記載の操舵制御装
    置。
  9. 【請求項9】 前記車両状態は、ヨーレートであること
    を特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の
    操舵制御装置。
  10. 【請求項10】 前記車両状態は、車両の横方向加速度
    であることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれ
    かに記載の操舵制御装置。
  11. 【請求項11】 前記車両状態は、ヨーレートと車両の
    横方向加速度との両方であることを特徴とする請求項1
    乃至請求項8のいずれかに記載の操舵制御装置。
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