JP2003190276A - ウイルス及び白血球選択除去方法、除去材および除去装置 - Google Patents
ウイルス及び白血球選択除去方法、除去材および除去装置Info
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Abstract
時に除去し、かつ血小板の高回収率を達成することがで
きる方法、そのための材料及び装置を提供すること。 【解決手段】血液中のウイルス及び白血球を捕捉し血小
板を通過させる表面を有する水不溶性の担体をウイルス
含有血液と接触させることによって、血液からウイルス
と白血球を同時に除去し、かつ血小板は高回収率で回収
した。水不溶性の担体は、末端親水基を表面に有するこ
とが望ましい。
Description
及び白血球を同時に選択的に除去する方法、そのための
選択除去材及び装置に関する。
や遠心分離装置を用いて、血漿成分と血球成分とを分離
した後、血漿成分を免疫吸着材や低密度リポ蛋白質吸着
材等と直接接触させ、不要物質を吸着除去するシステム
であった(例えば、特許文献1〜3)。これらのシステ
ムでは、血漿成分から赤血球、白血球、血小板などの血
球成分をまとめて分離するために、ウイルスなどの不要
物質と白血球とを同時に除去することは困難であった。
さらに、これらのシステムでは、荷電を有する材料を使
用するため、血小板の活性化をきたし、不要物質や白血
球を除去するのと同時に、血小板を高回収率で回収する
ことはできない。
いて、免疫系疾患患者の血液中から白血球と免疫グロブ
リンなどの悪性物質を同時に除去し、血液を浄化する方
法が記載されているが、白血球とウイルスを同時に除去
することも、また同時に血小板を回収することも開示さ
れていない。
凝固剤とを表面に有する担体で血液を処理することによ
って、抗凝固剤なしに血液からウイルスなどの標的物質
を除去する血液処理装置及び方法が開示されているが、
表面に多量のアミンを有するため十分な血小板の回収は
困難であり、かつ白血球除去も十分なものではなかっ
た。
特許文献6に、カチオン性化合物を表面に有する材料が
開示されているが、この公報には血液からウイルスを除
去することについては一切記載がない。また、特許文献
7には、表面が弱酸性または弱塩基性を示す固体物質か
らなる、HIVおよび関連物質除去剤が開示されてい
る。この除去材は、表面に−COOHや−SO3H等を
有し、表面のpHが2.5〜6.9または7.4〜1
0.5であることが特徴であり、表面に存在する−CO
OHや−SO3H等が塩を形成している場合には、ウイ
ルスを除去できないと記載されている。さらに、特許文
献7に記載されている方法では、血液を除去材に接触さ
せると血液のpHが変化してしまうため、成分蛋白質の
変性等が生じ、血液にとって好ましい条件ではない。こ
れらの技術に共通する問題として、除去材料と血液が接
触した際の血液蛋白質の変性により、血液凝固の危険性
を有することが挙げられる。
の従来技術の問題点を解決することにあり、特に、ウイ
ルス含有血液よりウイルス及び白血球を同時に除去し、
かつ血小板の高回収率を達成することができる方法、そ
のための材料及び装置を提供することにある。
題を解決するため鋭意研究した結果、血液中のウイルス
及び白血球を除去する表面を有する水不溶性の担体をウ
イルス含有血液と接触させることによって、血液からウ
イルスと白血球を同時に除去し、かつ血小板は高回収率
で回収することができることを見出し、本発明に至っ
た。更に、本発明では接触後血液中の活性化補体C3a
濃度が接触前血液濃度の5倍以上となる材料を用いた場
合、白血球と共にウイルスが効率よく除去できることを
見出し、本発明を成した。
び白血球を吸着または除去する表面を有する水不溶性の
担体からなるウイルス及び白血球選択除去材と、ウイル
ス含有血液とを接触させる工程を含むことを特徴とする
血液中からウイルス及び白血球を同時に選択的に除去す
る方法に関する。
血球を吸着または除去する表面を有する水不溶性の担体
からなることを特徴とする、血液中からウイルスおよび
白血球を選択的に同時に除去するための、血小板通過型
のウイルス及び白血球選択除去材にも関する。
択除去材が、血液の血液導入部および血液導出部を有す
る容器内に含まれており、さらにウイルスおよび白血球
選択除去材の容器外への流出防止手段が備えられている
ことを特徴とするウイルスおよび白血球選択除去装置を
も提供する。
にC型肝炎ウイルスが含まれるときに、特に有用であ
る。血小板通過型のウイルス及び白血球選択除去材は、
担体表面に末端親水基、あるいは末端親水基とポリエチ
レングリコール基、更に加えて末端疎水基を有すること
が最も好ましい。
る。本発明において、ウイルスというとき、血液中のフ
リーのウイルスのみでなく、蛋白結合ウイルス、白血球
内にある感染したウイルス等も含む。具体的に説明する
と、本発明において除去される物質は、血液中のウイル
ス、蛋白結合ウイルス等であり、A型肝炎ウイルス、B
型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、HIV等の何でも
除去可能であるが、特にC型肝炎ウイルスが良く除去可
能である。その理由は明確ではないが、ウイルスの表面
特性とウイルスのサイズの両面より白血球と同様に効率
よく除去できると推定される。C型肝炎ウイルスでは、
血液中のC型肝炎ウイルス、イムノグロブリン等に吸着
したC型肝炎ウイルス、血漿蛋白等に吸着したC型肝炎
ウイルス、及びC型肝炎ウイルスにより活性化されたリ
ンパ球、炎症部位に存在するマクロファージ、顆粒球等
の白血球をあげることができる。中でも、インターフェ
ロン等の薬剤と同時にウイルス除去を行う場合、事前に
本発明にて除去されるのは、C型肝炎ウイルス、血漿蛋
白等に吸着したC型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルスに
感染した白血球、C型肝炎ウイルスに感染したリンパ
球、C型肝炎ウイルスにより活性化された自己反応性T
細胞等をあげることができる。特に、白血球に関して
は、C型肝炎ウイルスがリンパ球に感染していることよ
り、リンパ球を除去することが有用である。
は、血漿、血清などの血液成分も含む。血液を処理する
ときは、血液の抗凝固目的で抗凝固剤を血液中に加える
ことができる。抗凝固剤を例示すると、抗凝固活性を有
する化合物であれば、特に限定されないが、ヘパリン、
フサン、FOY、アルガトロバン、クエン酸等が好適例
として挙げられ、好ましくはヘパリン或いはフサンが良
好に用いられる。
去するとは、それらを吸着及び/またはろ過によって血
液から除去することをいい、除去のための、ウイルス及
び白血球除去材と血液との接触の仕方は、静置法、振と
う法、拡散による吸着法、ろ過法などのいずれでも良
い。さらに、吸着及びろ過法では落差やポンプ等により
血液を流す方法が有用に用いられる。
くべきことに表面に少なくとも末端親水基を有すること
が好ましいことが分かった。ウイルス及び白血球除去材
の担体表面の好ましい末端親水基は、荷電を有さない中
性基の官能基が有用に用いられる。例示すると水酸基、
ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシ
プロピル基、ヒドロキシイソプロピル基、ヒドロキシブ
チル基、ヒドロキシイソブチル基等の水酸基含有アルキ
ル基、メトキシジエチレングリコール、メトキシトリエ
チレングリコール基等のメトキシポリエチレングリコー
ル基等が好ましく用いられる。中でも水酸基、ヒドロキ
シプロピル基、ヒドロキシイソプロピル基、ヒドロキシ
イソブチル基が好ましく用いられる。また、血小板の通
過性を向上する上で、好ましくは、メトキシジエチレン
グリコール、メトキシトリエチレングリコール基が挙げ
られる。ウイルス及び白血球の除去率と血小板の回収率
との両方を向上させるため、水酸基、ヒドロキシプロピ
ル基、ヒドロキシイソプロピル基、ヒドロキシイソブチ
ル基とメトキシジエチレングリコール、メトキシトリエ
チレングリコール基とを併用するのが、最も好ましい。
の末端である。末端基は主鎖に対し直接結合していても
良いし、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合等を
介して結合していても良い。後者の場合、これらの結合
を含まない末端部をいう。
表面の好ましい末端疎水基は、メチル基、エチル基、プ
ロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、
t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、
オクチニル基等の炭素数1以上30未満のアルキル基、
フェニル基等の芳香環、シクロペンチル基、シクロヘキ
シル基等の脂肪族環等が挙げられる。血小板通過性の観
点より好ましくは炭素数10以上30未満のアルキル
基、メチル基、エチル基等のアルキル基、最も好ましく
は炭素数10以上20未満のアルキル基、及びメチル
基、エチル基が挙げられる。
において、親水基は、親水性蛋白吸着ウイルス及び白血
球の吸着/除去に有効であり、また、血小板の回収能向
上のためにも有効である。また、疎水基は、ウイルスや
疎水性蛋白吸着ウイルスの吸着性向上のために有効であ
るが、本発明のウイルス及び白血球除去材で、ウイルス
及び白血球を除去し、血小板の通過性を保持する上で、
末端親水基と末端疎水基とのバランスをとることも重要
である。過剰な疎水性は、血小板の回収に不利である。
100%未満である。末端親水基の存在比率が2%未満
の場合は疎水性が高いため、白血球及びウイルスの吸着
は可能であるが、血小板の通過率が極端に低下するため
好ましくない。一方親水基の存在比率が100%の場
合、ウイルスの吸着性が低下するため好ましくない。以
上の観点より更に好ましい範囲は、3%以上90%未
満、最も好ましくは5%以上80%未満である。
り、0.1%以上70%未満であるとき有用に用いられ
る。末端疎水基が70%以上の場合血小板の回収率が低
下するため好ましくない。一方、0.1%未満の場合、
疎水性が低いために、ウイルス吸着蛋白の吸着性が低下
するので好ましくない。以上の観点より、より好ましく
は、1%以上60%未満,最も好ましくは1%以上55
%未満である。
の存在比率とは、ウイルス及び白血球除去材表面に存在
する親水基及び疎水基の比率であり、担体と血液が接触
できる表面部分での各官能基のモル比をいう。これら末
端基の存在比率は、公知の固体核磁気共鳴スペクトル、
赤外吸収スペクトル、XPMS、ESCA等により求め
ることができる。また、コーティングなどにより担体表
面を修飾する場合、コートしているポリマーでの存在比
率をモル比を用いて示すことも可能である。
触できる表面をいい、ウイルスが接触できない材料内部
は含まない。そして、本発明において、血液中のウイル
スおよび白血球を捕捉し血小板を通過させる表面を有す
るとは、担体表面に末端親水基等を有していさえすれば
よく、末端親水基等をコーティングによって表面に付与
する場合のみでなく、放射線グラフトあるいは共有結合
などにより官能基を担体表面に導入する場合、あるいは
担体材料自体がこれらの官能基を表面に有している場合
等も含む。
を有すればその他に、担体表面に末端陽性基を有してい
ることも可能である。末端陽性基は、特に表面に陰性荷
電を有するウイルスの吸着向上の面では有用に用いられ
る。末端陽性基を例示すると、ジメチルアミノ基、ジエ
チルアミノ基、ジプロピルアミノ基等がポリマー主鎖あ
るいは側鎖の末端に結合して形成される3級アミノ基、
複素環等の芳香環等が挙げられる。中でもジメチルアミ
ノ基、ジエチルアミノ基等が有用に用いられる。末端
が、1級あるいは2級のアミノ基である場合、イオン性
が強く血小板回収率が低下するため好ましくない。末端
陽性基の存在比率は、15%未満が好ましい。15%を
超えると、過剰の陽性基のために、血小板回収率が低下
するので好ましくない。好ましい存在比率は13%未
満、最も好ましくは11%未満である。
は、血液との接触前後で活性化補体C3aの濃度を5倍
以上活性化する材料を用いると最も効率的に白血球とウ
イルスを同時に除去できることが分かった。ウイルスは
活性化補体C3aとのコンプレックス形成等の影響を受
けて吸着され易くなり、一方、過剰の活性化補体C3a
濃度上昇によりウイルス濃度が相対的に低まることで吸
着性が低下することが分かった。即ち、活性化補体C3
aが接触前血液濃度の5倍未満の場合ウイルスと白血球
の除去能が極端に低下するため好ましくない。一方、活
性化補体C3aが接触前血液濃度の5倍以上であれば有
効であるが、活性化補体C3aが接触前血液濃度の10
00倍以上の場合、補体によりアナフィラキシ等の原因
となり実用的ではない。更に500倍以上の濃度変化が
起こると血液の成分変化が顕著であるため好ましくな
い。より好ましい血液との接触前後での活性化補体C3
a濃度は7倍以上、最も好ましくは10倍以上である。
度を5倍以上活性化する材料としては、前述の末端親水
基を表面に5モル%以上有する材料が用いられる。末端
親水基含有モノマーを例示すると、末端親水基モノマー
として、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒ
ドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシイソ
プロピルメタクリレート、2−ヒドロキシブチルメタク
リレート、2−ヒドロキシイソブチルメタクリレート等
のヒドロキシアルキルメタクリレート、メトキシジエチ
レングルコールメタクリレート、メトキシトリエチレン
グルコールメタクリレート、メトキシテトラエチレング
ルコールメタクリレート等のメトキシポリエチレングリ
コールメタクリレート等が挙げられる。
は3元で共重合したポリマーが有効に用いられる。例え
ば、2−ヒドロキシイソブチルメタアクリレート(以下
HBMAと略す)、メトキシジエチレングリコールメタ
アクリレート(以下MDGと略す)及びメチルメタクリ
レート(以下MMAと略す)のランダム共重合体(共重
合モル比、HBMA/MDG/MMA=5〜40:5〜
30:40〜60)、2−ヒドロキシイソプロピルメタ
クリレート(以下HPMAと略す)、メトキシジエチレ
ングリコールメタアクリレート及びメチルメタクリレー
トのランダム共重合体(共重合モル比 HPMA/MD
G/MMA=5〜40:5〜30:40〜70)、HP
MAとジメチルアミノエチルメタクリレート(以下DM
と略す)のランダム共重合体(共重合モル比 HPMA
/DM=80〜93:3〜20)等挙げられる。特に、
2−ヒドロキシイソブチルメタアクリレート(以下HB
MAと略す)、メトキシジエチレングリコールメタアク
リレート(以下MDGと略す)及びメチルメタクリレー
ト(以下MMAと略す)のランダム共重合体(共重合モ
ル比、HBMA/MDG/MMA=5〜40:5〜3
0:40〜60)が最も有用に用いられる。
接触前血液濃度の5倍以上に上昇させる場合も有効に用
いられる。親水性基を表面に有する材料が用いられ、材
料を例示すると、セルロース及び/またはその誘導体等
の天然高分子、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチ
レンテレフタレート等のポリエステル、エチレンビニル
アルコール共重合体、ポリウレタン等の高分子材料が有
用に用いられる。活性化の面より特に好ましくは、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート
等のポリエステル、エチレンビニルアルコール共重合
体、セルロース等が挙げれ、最も好ましくは、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等の
ポリエステルが有用に用いられる。
去材の担体として、粒状、ビーズ状、多孔質体、平膜、
不織布、織布等が例示できる。中でもウイルスと同時に
白血球を除去でき、高い表面積を有することが出来る点
より多孔質体、不織布が好ましく用いられ、最も好まし
くは不織布があげられる。
のであれば、特に限定されず、セルロース及び/または
その誘導体等の天然高分子、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ポ
リエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリ
フッ化ビニリデン、ポリアミド、ポリイミド、ポリウレ
タン、ポリスルホン、ポリアクリロニトリル等の高分子
材料を例示できる。
び白血球に対して親和性を有する場合は、そのまま用い
ることも可能である。また表面修飾なしでそれら機能を
発揮できない場合は、機能発揮を目的としてコーティン
グ等の表面改質をして用いることが好ましい。特に、標
的物質及び白血球の吸着及び/または除去と血小板の回
収性を向上させる目的で、表面にコーティング等の処理
によって改質されているものが好ましく用いられる。
ノフィラメントでもマルチフィラメントでも構わない
し、多孔質フィラメントでも異型フィラメントでも構わ
ない。また不織布では、平均繊維直径が 2.0μm以
上50μm未満の不織布が好ましい。繊維径が大きくな
ると基材の表面積確保が困難となり、ウイルスの吸着面
積が減少するばかりでなく、白血球の除去性能が低下す
るため好ましくない。一方、繊維径が小さくなると除去
材の目詰まりが発生しやすく、かつ血小板の回収が困難
になるため好ましくない。以上の観点より、更に好まし
い平均繊維直径は2.0μm以上30μm未満、最も好
ましくは、2.3μm以上20μm未満である。
小板の通過性を上げる上でその嵩密度が0.10g/c
m3以上0.45g/cm3未満であることも重要であ
る。嵩密度が0.10g/cm3未満の場合白血球の除
去性能が低下するため好ましくない。一方嵩密度が0.
45g/cm3以上の場合、極端に血小板の通過性が低
下するため好ましくない。更に、上記の観点より好まし
くは0.15g/cm3以上0.45g/cm3未満、最
も好ましくは0.15g/cm3以上0.40g/cm3
未満である。
除去及び血小板の通過性を上げる上で、その比表面積が
0.010m2/g以上4.0m2/g未満であることも
重要である。比表面積が0.01m2/g未満の場合、
ウイルス及び白血球除去性能が低下するため好ましくな
い。一方、比表面積が4.0m2/g以上の場合、極端
に血小板の通過性が低下するため好ましくない。さら
に、上記の観点より、好ましくは0.02m2/g以上
3.0m2/g未満、最も好ましくは0.04m2/g以
上2.5m2/g未満である。
率で回収できる表面修飾化合物としては、少なくとも末
端親水基を側鎖に有する高分子化合物、末端親水基及び
末端疎水基を同時に側鎖に有する高分子化合物が挙げら
れる。
ついてそれぞれ例示すると、末端親水基モノマーとし
て、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロ
キシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシイソプロ
ピルメタクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリレ
ート、2−ヒドロキシイソブチルメタクリレート等のヒ
ドロキシアルキルメタクリレート、メトキシジエチレン
グルコールメタクリレート、メトキシトリエチレングル
コールメタクリレート、メトキシテトラエチレングルコ
ールメタクリレート等のメトキシポリエチレングリコー
ルメタクリレート等が挙げられる。
リレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレ
ート、ブチルメタクリレート、オクタデシルメタクリレ
ート等のアルキルメタクリレート、ベンジルメタクリレ
ート、フェニルメタクリレート等の芳香族メタクリレー
ト等が挙げられる。
リレート等であっても有効に用いられる。本発明に用い
る表面コート材は、親水基、疎水基の存在比率に合わせ
てモノマーを2元或いは3元共重合することで有効に得
られる。
ましい例を例示すると、メトキシジエチレングルコール
メタクリレート、2−ヒドロキシイソブチルメタクリレ
ート、及びメチルメタクリレートの共重合体等が挙げら
れる。末端陽性基を導入する場合、末端陽性基モノマー
として、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチ
ルアミノエチルメタクリレート等のジアルキルアミノア
ルキルメタクリレート等が挙げられる。
基材表面にコーティング等して有効に用いられる。ま
た、これらモノマーを直接用いる以外に、グリシジルメ
タクリレート等のモノマーを用いて重合或いは共重合
後、適宜必要な末端基を導入しても有効に用いられる。
基、中性基を担体表面に付与する方法としては、種々の
公知の方法が適用可能である。ここで付与するとは、水
や血液中に溶出しないように担体表面に存在させること
であり、例えば、グラフト重合法、 コーティング法、
エポキシ基、アミノ基、ホルミル基、カルボキシル基、
ヒドロキシル基、酸ハライド基、シアノジェンハライド
基などの官能基を担体表面に導入した後、目的官能基を
有する化合物と直接またはカップリング剤やスペーサー
を介して結合する方法等が例示できる。
本発明の血液処理装置により好適に実施できる。本発明
のウイルス及び白血球除去装置は、血液中よりウイル
ス、蛋白結合ウイルス、 及び白血球を吸着及び/また
は除去を行なうための装置であり、ウイルス及び白血球
選択除去材が血液の血液導入部および血液導出部を有す
る容器内に含まれており、そしてウイルスおよび白血球
選択除去材の容器外への流出防止手段が備えられている
ウイルスおよび白血球選択除去装置である。
しては、血液成分はすべて通過させるが除去材は通過さ
せないいずれの手段も使用可能である。少なくとも容器
の出口側に除去材の材料直径より細かい目のメッシュあ
るいはフィルター等を設けることで実施可能である。ま
た、担体として不織布等の繊維を用いるときは、上記の
ようなメッシュを用いる以外に、不織布を、容器の上端
あるいは下端に接着剤を用いて接着したり、容器間の隙
間に挟み込む等の手段が可能である。特に円筒状のデプ
スフィルターの場合は、円筒の片側末端を閉塞させ、出
口側末端をノズル等に接着することで実施できる。用い
られる接着剤は、血液等の液体に接触しても膨潤等の影
響で接着力が弱まらないものが好ましく、例えばウレタ
ン、エポキシ系の接着剤が有用であるが、これに限定さ
れるわけではない。
剤の混合手段、返血手段等とチューブで連通されて特に
有用に用いられる。本発明の装置のハウジングは、ポリ
プロピレン、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリス
チレン、ポリメタクリル酸等の合成樹脂、ガラスあるい
はステンレス等の金属からなるのが好ましい。
が、本発明はこれに限定されるものではない。実験例と
して、本発明で担体を表面修飾するために用いるポリマ
ーの製造実験例を示す。
ト(以下HBMAと略す)、メトキシジエチレングリコ
ールメタアクリレート(以下MDGと略す)及びメチル
メタクリレート(以下MMAと略す)のランダム共重合
体を通常のラジカル開始剤を用いて合成した。重合条件
としては、エタノール300mlに対し、MDGモノマ
ー、HEMAモノマー及び、MMAモノマーを(モル比
/MDG:HBMA:MMA=30:20:50)、開
始剤としてアゾビスバレロニトリル(V−65)0.1
g存在下、70℃で6時間重合を行った。得られた重合
溶液は、水10L中に攪拌しながら滴下し、共重合体を
析出させて水不溶分を回収した。得られた共重合体中の
組成比は、モノマー仕込み比と同じであった。よって、
この共重合体の末端親水基の存在比率は50%、末端疎
水基の存在比率は50%になる。
キシイソプロピルメタクリレート(HPMA)とジメチ
ルアミノエチルメタクリレート(DM)の共重合体を作
成した。共重合体のモル比HPMA:DMは、97:3
であり、末端親水基の存在比率97%、末端陽性基の比
率3%であった。
キシエチルメタクリレート(HEMA)とジメチルアミ
ノエチルメタクリレート(DM)、メチルメタクリレー
ト(MMA)の共重合体を作成した。共重合体のモル比
HEMA:MMA:DMは、62:30:8であり、存
在比率は、末端親水基62%、末端疎水基30%、末端
陽性基8%ということになる。
ムの実施例を示すが、本発明はこれに限定されるもので
はない。
%エタノール水溶液99gに溶解し、1%コーティング
液を得た。平均繊維直径2.9μmのポリエチレンテレ
フタレート繊維よりなる不織布(目付90g/m2、厚
み0.40mm、嵩密度0.24g/cm3、比表面積
0.966m2/g)1gを1%コーティング液10m
lに浸した後、25℃で12時間乾燥した。得られた不
織布0.01gを短冊状に裁断し、バイアル中に採取
し、C型肝炎ウイルスを含む患者血液1mLを加え、3
7℃で2時間振盪した。その後、処理後の血液100μ
Lバイアルにサンプリングし、5000rpmで1分間
遠心分離を行い、上清中のC型肝炎ウイルス量をHCV
RNAとして測定した。C型肝炎ウイルス量の測定に
は、日本ロッシュ社製、アンプリコアーHCVモニター
を用いた。また、処理後の血液を自動血球計算装置(シ
スメックス社製、SF−3000型)を用いて白血球
数、血小板数を求めた。また、処理前後の活性化補体C
3aの濃度をネフェロメトリー法により測定し、処理前
値に対する処理後値の増加率を求めた。対照実験とし
て、本発明の除去材を入れずに実施例1と同じ操作を行
った。
除去率(%)、及び血小板回収率(%)は、以下の式に
より算出した。 ウイルス吸着率(%)= [(Vd−Vc)/Vd ]×10
0 Vc:対照実験血液中のウイルス濃度 Vd:吸着実験血液中のウイルス濃度 白血球除去率(%)= [ (Wd−Wc)/Wd ]×100 Wc:対照実験血液中の白血球濃度 Wd:吸着実験血液中の白血球濃度 血小板回収率(%)= Pd/Pc ×100 Pc:対照実験血液中の血小板濃度 Pd:吸着実験血液中の血小板濃度 結果を表1に示す。表1には、除去材を入れない対照実
験例の結果も一緒に示した。対照実験例でも、白血球や
血小板が容器に付着するなどにより若干の減少がみられ
る。
繊維よりなる不織布(目付60g/m2、厚さ0.35
mm、嵩密度0.12g/cm3、比表面積1.768
m2/g)を用いた以外は実施例1とまったく同じ操作
を行った。結果を表1に示す。
レフタレート繊維よりなる不織布(目付90g/m2、
厚み0.40mm)をそのまま用いた以外は実施例1と
同じ操作を行った。結果を表2に示す。
繊維よりなる不織布(目付60g/m2、厚さ0.35
mm)をそのまま用いた以外は実施例1と同じ操作を行
った。結果を表2に示す。
に切断し、5枚をカラムにセットし、C型肝炎ウイルス
吸着率、白血球除去率、血小板回収率の評価を行った。
それぞれのカラムに抗凝固剤としてACD−Aを添加し
たヒト新鮮血液(ウイルス量:100000個/ml、
白血球数:4,500〜8,400/μL、血小板数:
150,000〜440,000/μL)(血液:AC
D−A=8:1)1.5mLをシリンジポンプを用いて
0.5mL/分の一定流速で室温にて流し、不織布通過
前後の血液中のウイルス濃度、白血球濃度及び血小板の
濃度を測定し、ウイルス吸着率、白血球除去率及び血小
板回収率を実施例1と同様にして求めた。結果を表3に
示す。
と全く同様の操作を行った。結果を表3に示す。
全く同様の操作を行った。結果を表4に示す。
全く同様の操作を行った。結果を表4に示す。
グに用いた以外は、実施例1と同じ不織布を用いて同じ
操作によって除去材を得て、実施例1と全く同じ操作で
血液を処理してC型肝炎ウイルス吸着率、白血球除去
率、血小板回収率を評価した。結果を表5に示す。
グに用いた以外は、実施例1と全く同じ不織布、操作に
よって除去材を得て、実施例1と全く同じ操作で血液を
処理してC型肝炎ウイルス吸着率、白血球除去率、血小
板回収率を評価した。結果を表5に示す。
さ300mmに切断し、直径3.4mmのポリエチレン
製の円筒状メッシュの周囲に巻いた。次いで平均繊維直
径12μmのポリエステル繊維からなる不織布(30g
/m2目付)を第1プレフィルターとし、幅150mm
で巻いた。更に平均繊維直径33μmのポリエステル繊
維からなる不織布(50g/m2目付)を第2プレフィ
ルターとし、幅150mmで巻いた。外側にポリエチレ
ン製のメッシュを150mm巻いた。この円筒直径は3
9mmであった。この円筒の両端をウレタンで閉塞し,
天井部と底部にそれぞれ血液の入口と出口を有する内径
41mmの円筒状ポリカーボネート容器に、円筒の外周
面が容器の血液入口に、内周面が血液の出口にそれぞれ
通じるように納め、白血球除去装置を作成した。抗凝固
剤としてヘパリンを添加した牛新鮮血液(白血球数:
4,500〜6,400/μL、血小板数:150,0
00〜320,000/μL)(ヘパリン濃度:100
0IU/L)2000mLにC型肝炎ウイルス含有血漿
50mlを添加した後(ウイルス量:2500000個
/l)、血液ポンプにて50mL/分の一定流速で室温
にて流し、白血球を除去した。白血球除去装置通過20
00ml処理前後の血液中のウイルス濃度、白血球濃度
及び血小板の濃度を測定し、ウイルス吸着率、白血球除
去率及び血小板回収率を実施例1と同様にして求めた。
結果を表6に示す。
によれば、血液中に存在するウイルス及び白血球を選択
的に吸着及び/又は除去することができるウイルス及び
白血球除去材を提供することができる。また、上記除去
材を充填してなる血液処理装置を用いることによって、
血液、血漿、血清等の被処理液中のC型肝炎ウイルス及
び白血球を選択的に除去し、血小板を高率に回収するこ
とが可能である。
Claims (25)
- 【請求項1】 血液中からウイルス及び白血球を同時に
選択的に除去する方法であって、ウイルス含有血液と、
血液中のウイルス及び白血球を捕捉し、血小板を通過さ
せる表面を有する水不溶性の担体からなるウイルス及び
白血球選択除去材とを接触させる工程を含むことを特徴
とする方法。 - 【請求項2】 ウイルス及び白血球選択除去材とウイル
ス含有血液とを、吸着法及び/またはろ過法によって接
触させる請求項1記載の方法。 - 【請求項3】 ウイルス含有血液に抗凝固剤を混合する
工程、該抗凝固剤と混合されたウイルス含有血液をウイ
ルス及び白血球選択除去材に10ml/min以上10
0ml/min未満の流速で接触させる工程を含むこと
を特徴とする請求項1または2に記載の方法。 - 【請求項4】 除去される白血球が少なくともリンパ球
を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載
の方法。 - 【請求項5】 除去される白血球が少なくとも自己反応
性T細胞を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれ
かに記載の方法。 - 【請求項6】 ウイルス及び白血球選択除去材が表面に
少なくとも水酸基及びポリエチレングルコール基を有す
ることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の方
法。 - 【請求項7】 前記ウイルス及び白血球選択除去材が、
接触前後で血液中の活性化補体C3aの濃度を5倍以上
に活性化する能力を有する請求項1〜6のいずれかに記
載の方法。 - 【請求項8】 前記水不溶性の担体が繊維状であること
を特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の方法。 - 【請求項9】 前記白血球除去担体が不織布であること
を特徴とする請求項8記載の方法。 - 【請求項10】 ウイルスがC型肝炎ウイルスである請
求項1〜9のいずれかに記載の方法。 - 【請求項11】 血液中のウイルス及び白血球を捕捉し
血小板を通過させる表面を有する水不溶性の担体からな
ることを特徴とする、血液中からウイルスおよび白血球
を選択的に同時に除去するための血小板透過型のウイル
ス及び白血球選択除去材。 - 【請求項12】 担体が、末端親水基を少なくとも表面
に有することを特徴とする請求項11記載の血小板透過
型のウイルス及び白血球選択除去材。 - 【請求項13】 末端親水基が水酸基及び/またはポリ
エチレングリコール基であることを特徴とする請求項1
2記載の血小板透過型のウイルス及び白血球選択除去
材。 - 【請求項14】 担体が、末端疎水基を少なくとも表面
に有することを特徴とする請求項12または13記載の
血小板透過型のウイルス及び白血球選択除去材。 - 【請求項15】 末端疎水基がアルキル基であることを
特徴とする請求項14記載の血小板通過型のウイルス及
び白血球選択除去材。 - 【請求項16】 担体表面における末端親水基の存在比
率が2%以上100%未満でありかつ末端疎水基の存在
比率が0.1%以上70%未満であることを特徴とする
請求項13または14記載の血小板通過型のウイルス及
び白血球選択除去材。 - 【請求項17】 担体表面における末端親水基がメトキ
シジエチレングリコール基5%以上30%未満、2−ヒ
ドロキシイソブチル基5%以上40%未満でありかつ末
端疎水基がメチル基40%以上60%未満であることを
特徴とする請求項16記載の血小板通過型のウイルス及
び白血球選択除去材。 - 【請求項18】 血液接触後の活性化補体C3aの濃度
が血液接触前の5倍以上であることを特徴とする請求項
11〜17のいずれかに記載の血小板通過型のウイルス
及び白血球選択除去材。 - 【請求項19】 担体が不織布であることを特徴とする
請求項11〜18のいずれかに記載の血小板通過型のウ
イルス及び白血球選択除去材。 - 【請求項20】 担体が平均繊維直径2.0μm以上5
0.0μm未満の不織布であることを特徴とする請求項
19に記載の血小板通過型のウイルス及び白血球選択除
去材。 - 【請求項21】 不織布の嵩密度が0.10g/cm3
以上0.45g/cm3未満であることを特徴とする請
求項19または20記載の血小板通過型のウイルス及び
白血球選択除去材。 - 【請求項22】 不織布の比表面積が0.01m2/g
以上4.0m2/g未満であることを特徴とする請求項
19〜21のいずれかに記載の血小板通過型のウイルス
及び白血球選択除去材。 - 【請求項23】 ウイルスがC型肝炎ウイルスである請
求項11〜22のいずれかに記載の血小板通過型のウイ
ルス及び白血球選択除去材。 - 【請求項24】 請求項11〜23のいずれかに記載の
ウイルス及び白血球選択除去材が、血液導入部および血
液導出部を有する容器内に含まれており、さらにウイル
スおよび白血球選択除去材の容器外への流出防止手段が
備えられていることを特徴とするウイルスおよび白血球
選択除去装置。 - 【請求項25】 ウイルスがC型肝炎ウイルスである請
求項24記載のウイルスおよび白血球選択除去装置。
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- 2002-10-16 JP JP2002301672A patent/JP2003190276A/ja active Pending
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