Nothing Special   »   [go: up one dir, main page]

JP2003181826A - 分断装置および分断方法 - Google Patents

分断装置および分断方法

Info

Publication number
JP2003181826A
JP2003181826A JP2001386013A JP2001386013A JP2003181826A JP 2003181826 A JP2003181826 A JP 2003181826A JP 2001386013 A JP2001386013 A JP 2001386013A JP 2001386013 A JP2001386013 A JP 2001386013A JP 2003181826 A JP2003181826 A JP 2003181826A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
crack
substrate
heating
dividing
cutting
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2001386013A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenji Yasutake
健司 安武
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
Priority to JP2001386013A priority Critical patent/JP2003181826A/ja
Publication of JP2003181826A publication Critical patent/JP2003181826A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B33/00Severing cooled glass
    • C03B33/07Cutting armoured, multi-layered, coated or laminated, glass products
    • C03B33/076Laminated glass comprising interlayers
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B33/00Severing cooled glass
    • C03B33/07Cutting armoured, multi-layered, coated or laminated, glass products
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B33/00Severing cooled glass
    • C03B33/09Severing cooled glass by thermal shock

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Thermal Sciences (AREA)
  • Perforating, Stamping-Out Or Severing By Means Other Than Cutting (AREA)
  • Processing Of Stones Or Stones Resemblance Materials (AREA)
  • Re-Forming, After-Treatment, Cutting And Transporting Of Glass Products (AREA)
  • Dicing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 所望の位置で基板を分断することができる分
断装置および分断方法を提供する。 【解決手段】 分断装置101は、一方向に伸びる亀裂
を基板10の表面に形成する亀裂形成部1と、亀裂形成
部1が形成した亀裂に対してほぼ直交するように配置さ
れて基板10を加熱する加熱部3とを備える。加熱部3
は、亀裂の伸びる方向に対して直交するように延びる。
基板10は脆性材料である。基板10は、2枚の脆性材
料を貼り合わせたパネルであってもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、分断装置および
分断方法に関し、特に、電子工業などで使用されるガラ
ス基板、セラミックス基板、半導体ウェハなどの脆い非
金属材料を、熱応力を利用して分断する装置および方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、液晶ディスプレイ(LCD)、プ
ラズマディスプレイパネル(PDP)、太陽電池などガ
ラス基板を使用する電子工業の部分では、製造コストを
低減するために、大型かつ平坦なガラス基板に複数の素
子のパターンを形成した後、ガラス基板を分断して個々
のパネルを形成する方法が用いられる。この場合、微小
なガラスのかけら(カレット)またはゴミなどが発生し
ないような分断技術の開発が望まれている。また、基板
の強度を低下させる原因となるマイクロクラックが分断
面に発生しないような分断技術の開発が望まれている。
【0003】このような分断方法として、レーザによる
熱応力を利用した技術が、たとえば特開平9−1370
号公報または特開平11−104868号公報に開示さ
れている。これらの公報に開示された方法について、以
下に説明する。
【0004】図15は、従来の分断方法を示す斜視図で
ある。図15を参照して、脆性材料からなる被加工材と
しての基板10の端面に、硬質工具などで亀裂2(切
欠)を形成する。次に、亀裂2の先端近傍をレーザなど
の点熱源で局所的に加熱する。これにより基板10に熱
応力歪みを発生させて亀裂先端2tから亀裂2を進展さ
せる。以後、レーザ熱源を分断予定線に沿って移動させ
ることにより、矢印120で示すレーザを用いて矢印8
で示す方向に亀裂を進展させて基板10を分断する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述のような従来の分
断方法では、以下のような問題点があった。
【0006】まず、亀裂の進展ラインは移動するレーザ
熱源に従って延びていくが、亀裂の先端が基板10の終
端面に近づくに従って亀裂を閉じようとする閉口モーメ
ントが作用する。これにより、亀裂進展速度が低下し、
亀裂が終端まで到達せずに切り残しが発生するという問
題があった。
【0007】また、基板10の端部の幅の狭い部分を切
り落とす場合には、レーザ熱源を分断予定線上に沿って
移動させていくと、亀裂の進展ラインが分断予定線に対
し幅の狭い側に曲がるという問題があった。
【0008】さらに、液晶ディスプレイなどのように2
枚の基板10を接着剤で上下に貼り合わせたパネルを分
断する際に、たとえば上側の基板10を加熱して亀裂を
進展させようとしても、上側の基板10は、接着剤を介
して下側の基板10に拘束される。その結果、亀裂の先
端を閉じようとするモーメントが作用し、亀裂が進展し
ないという問題があった。
【0009】また、亀裂を進展させる際にレーザ熱源を
分断予定ラインに沿って移動させるための駆動装置が必
要となる。さらに、レーザ熱源の移動速度およびレーザ
出力を最適化するためには、亀裂の進展速度、進展方向
をモニタする監視カメラ、AE(アコースティックエミ
ッション)センサ、画像処理装置、フィードバック機構
などが必要となる。さらに、レーザ装置を冷却する機構
等の多数の周辺器具が必要となり、装置が大型化すると
いう問題があった。
【0010】そこで、この発明は上述のような問題点を
解決するためになされたものである。
【0011】この発明の1つの目的は、被加工材を所望
の位置で確実に分断することができる分断装置および分
断方法を提供することである。
【0012】また、この発明の別の目的は、簡単な構成
で被加工材を分断することができる分断装置および分断
方法を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】この発明に従った分断装
置は、一方向に延びる亀裂を被加工材の表面に形成する
亀裂形成部と、亀裂形成部が形成した亀裂に対してほぼ
直交するように配置されて被加工材を加熱する加熱部と
を備える。
【0014】このように構成された分断装置では、亀裂
に対してほぼ直交するように配置された加熱部が被加工
材を加熱することにより、被加工材に熱応力が生じる。
この熱応力を利用して亀裂に沿って被加工材を分断する
ことができる。そのため、所望の部分(亀裂の部分)で
確実に被加工材を分断することができる。
【0015】さらに、加熱部を駆動させる必要がないた
め従来に比べて簡単な装置構成で分断装置を構成するこ
とができる。
【0016】また好ましくは、加熱部は、亀裂の延びる
方向に対して直交するように延びる部分を有する。
【0017】また好ましくは、被加工材は脆性材料であ
る。また好ましくは、分断装置は、被加工材を支持する
支持部と、支持部を所定の温度に保つ保温部とをさらに
備える。
【0018】また好ましくは、被加工材は、2枚の脆性
材料を接着剤で貼り合わせたパネルである。
【0019】この発明に従った分断方法は、被加工材の
表面に一方向に延びる亀裂を形成する工程と、亀裂の延
びる方向とほぼ直交して帯状に延びる被加工材の部分を
加熱することにより、亀裂に沿って被加工材を分断する
工程とを備える。
【0020】このような分断方法では、亀裂の延びる方
向とほぼ直交して帯状に延びる被加工材の部分が加熱さ
れるため、被加工材に熱応力が生じる。この熱応力を利
用して亀裂に沿って被加工材を分断することができるた
め、被加工材を所望の位置(亀裂の位置)で確実に分断
することができる。
【0021】また好ましくは、被加工材を分断する工程
は、亀裂を被加工材の厚み方向に進展させて被加工材を
分断する工程を含む。この場合、被加工材の厚み方向に
亀裂を進展させるために、亀裂の終端部での切り残しが
発生しない。また、分断のラインが屈曲せずに直線的に
分断できる。しかも同時に複数枚の基板に分断できる。
さらに、加熱部を移動させる時間や機構を省略でき、製
造時間を短縮することができる。
【0022】また好ましくは、被加工材は脆性材料であ
る。また好ましくは、被加工材を分断する工程は、亀裂
が形成された面と反対側の面の被加工材の面を所定の温
度に保った状態で被加工材を分断する工程を含む。
【0023】また好ましくは、被加工材は、2枚の脆性
材料を接着剤で貼り合わせたパネルである。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態につ
いて、図面を参照して説明する。
【0025】(実施の形態1)図1は、この発明の実施
の形態1に従った分断装置の平面図である。図2は、図
1中の矢印IIで示す方向から見た分断装置の正面図で
ある。図1および図2を参照して、この発明の実施の形
態1に従った分断装置101は、一方向に延びる亀裂を
被加工材としての基板10の表面に形成する亀裂形成部
1と、亀裂形成部1が形成した亀裂に対してほぼ直交す
るように配置されて被加工材としての基板10を加熱す
る加熱部3とを備える。加熱部3は、亀裂の延びる方向
に対して直交するように延びる。
【0026】被加工材としての基板10は脆性材料によ
り構成される。さらに、分断装置101は、基板10を
保持する支持部11を備える。
【0027】支持部11の上方に亀裂形成部1が位置決
めされており、亀裂形成部1は矢印1aで示す方向に移
動することが可能である。これにより、亀裂形成部1は
基板10の端から端までに亀裂を形成することが可能で
ある。亀裂形成部1は、超硬ホィール、ダイヤモンドカ
ッタなどの硬質工具で構成される。また、亀裂形成部1
は、ダイヤペンシル(ガラスにマーキングを施すための
ペンシルタイプのマーカ)によって構成されてもよい。
【0028】亀裂形成部1の上方には加熱部3が設けら
れる。加熱部3は、たとえばハロゲンランプなどのヒー
タにより構成される。さらに、レーザやニクロム線によ
り加熱部3を構成してもよい。
【0029】図3〜図9は、この発明に従った分断方法
を説明するための図である。まず、図2および3を参照
して、ガラスからなる基板10を支持部11上に載置す
る。基板10の寸法は、長さが880mmであり、幅が
680mmであり、厚みが0.7mmである。基板10
は、真空吸着などにより支持部11に固定される。この
基板10に、たとえばダイヤモンドカッタにより構成さ
れる亀裂形成部1を用いて亀裂2を形成する。その際、
微小なガラスのかけら(カレット)またはマイクロクラ
ックが発生しないように、亀裂2の深さは10〜20μ
mとする。この亀裂は、基板10の厚み(0.7mm)
と比べて浅い。
【0030】図4を参照して、基板10の上方に、ヒー
タにより構成される加熱部3を位置決めする。加熱部3
は亀裂2が延びる方向とほぼ直交するように配置され
る。加熱部3は、たとえばハロゲンランプにより構成さ
れる。加熱部3の長さは880mmであり、消費電力は
2000Wである。加熱部3と基板10の表面との距離
を、ハロゲンランプの焦点距離(たとえば50mm)と
する。これにより、加熱部3は亀裂2に対してほぼ直交
するように延びる基板10の帯状部分4を加熱する。な
お、この発明での分断方法を「垂直加熱法」と呼ぶ。上
述のように加熱部3をセットした後に、加熱部3の電源
を入れて、亀裂2を中心とした帯状部分4をある一定時
間(たとえば3秒)加熱する。これにより、帯状部分4
の温度は室温(たとえば20℃)から急激に高温(たと
えば100℃)に達する。
【0031】図5は、図4中の亀裂と帯状領域との関係
を説明するために示す基板の平面図である。図6は、圧
縮領域と引張領域とを説明するために示す基板の平面図
である。図5および6を参照して、この垂直加熱によ
り、帯状部分4は熱膨張して帯状部分4に圧縮領域5が
作用する。帯状部分4は、圧縮応力が加わる圧縮領域5
となる。圧縮領域5からある程度の距離(たとえば10
mm)離れた位置に、この圧縮応力と釣り合うための引
張応力が作用する引張領域6が発生する。この引張領域
は、圧縮領域5の作用領域を挟むように平行に2箇所に
発生する。
【0032】図7および8を参照して、圧縮領域5で
は、圧縮応力が加わり、引張領域6では引張応力が加わ
る。曲線31は、基板10上での応力分布を示す。上述
のように、亀裂2の延びる方向に対して垂直な帯状部分
4を加熱することにより、引張領域6と亀裂2とが交わ
る2箇所が応力集中位置7となる。応力集中位置7で
は、亀裂2の先端(底)に引張応力が作用するため、亀
裂2の先端に正の値の応力拡大係数K(>0)が発生す
る。応力拡大係数Kがある限界値(破壊靭性Kc)に到
達すると、2箇所の応力集中位置7から矢印8で示す方
向に亀裂が進展する。その際に、亀裂は、板厚方向に進
展すると同時に亀裂2に沿って矢印8で示すように進展
する。そのため図9で示すように基板10の中央部から
両端に向かって分断されて、基板10は2つに分断され
る。なお、図9では、亀裂2を大きく記載しているが、
実際には、正しい亀裂2の深さは1μm、幅は0.1μ
m程度であり、分断後に亀裂2を目視することは困難で
ある。
【0033】このように構成されたこの発明に従った分
断装置および分断方法では、亀裂形成部と加熱部を用い
るだけで基板10を正確な位置で分断することができ
る。さらに、装置構成も簡単になるという効果がある。
【0034】(実施の形態2)図10は、この発明の実
施の形態2に従った分断方法を説明するために示す基板
の平面図である。図10を参照して、実施の形態2で
は、基板10に3本の亀裂2が形成される。亀裂2の本
数は3本である必要はなく複数本の亀裂2を形成しても
よい。この基板10を実施の形態1と同様に加熱する
と、加熱された領域が圧縮領域5となり、圧縮領域5か
ら離れた位置に、圧縮応力と釣り合いをとるための2箇
所の引張領域6が発生する。この2箇所の引張領域6と
3本の亀裂2の交点(この場合は6箇所の交点)が応力
集中位置7となる。この部分で正の値の応力拡大係数K
(>0)が発生する。応力拡大係数Kがある限界値(破
壊靭性Kc)に到達すると、6箇所の応力集中位置7か
ら同時に亀裂が進展する。これにより、1枚の基板10
が同時に4枚の基板10に分断されることになる。
【0035】本発明者による実験では、幅が230m
m、長さが180mm、厚みが0.7mmの基板10
に、幅方向に3本の亀裂2を形成し、消費電力が200
0Wのハロゲンランプでこれを加熱することにより、亀
裂2に沿って基板10を切断できるという良好な結果を
得た。
【0036】このように構成された、この発明の実施の
形態2に従った分断装置および分断方法では、実施の形
態1に従った分断方法と同様の効果がある。さらに、一
度に複数の亀裂に沿って基板を分断することができ、短
時間で多くの分断を行なうことができる。
【0037】(実施の形態3)図11は、この発明の実
施の形態3に従った分断装置の平面図である。図12
は、図11中の矢印XIIで示す方向から見た分断装置
の正面図である。図11および図12を参照して、この
発明の実施の形態3に従った分断装置102は、実施の
形態1に従った分断装置の構成要素の他に、支持部11
を所定の温度に保つ保温部14をさらに有する。保温部
14は支持部11の温度を所定の温度に保つことができ
ればよい。そのため、保温部14は、図11および図1
2で示すように下から支持部を温めるものでもよい。ま
た、保温部14が支持部11内に内蔵されて支持部11
の温度を所定の温度に保ってもよい。さらに、保温部1
4を用いる場合には、基板10は1枚の基板でもよく、
2枚の基板を接着剤で貼り合わせたものとしてもよい。
【0038】図13は、熱変形に対する拘束を説明する
ために示す分断装置の正面図である。図14は、この発
明の実施の形態3に従った分断方法を説明するために示
す分断装置の正面図である。図13を参照して、この実
施の形態では、上下の基板9および10が接着剤111
で貼り合わされたパネルを分断する。長さが880m
m、幅が680mm、厚みが0.7mmの上下に位置す
る2枚の基板9および10の周辺部が接着剤111(熱
硬化性樹脂)で貼り合わされている。これによりパネル
が構成されている。上下の基板9および10の間隔は
4.5μmである。パネルを支持部11上に載置する。
パネルは支持部11に真空吸着などで固定される。基板
9の上面および基板10の裏面の分断を予定する位置
に、超硬ホィール、ダイヤモンドカッタなどの硬質工具
により構成される亀裂形成部1を用いて予め亀裂2を基
板9および10の長さ方向に形成する。その際、微小な
ガラスのかけら(カレット)またはマイクロクラックが
発生しないように、亀裂2の深さは10μm〜20μm
とする。この亀裂の深さは、板厚(0.7mm)と比較
して浅い。パネルの上方には、亀裂2の延びる方向と垂
直方向に延びるようにハロゲンランプなどにより構成さ
れるヒータとしての加熱部3を位置決めする。加熱部3
の長さは880mmであり、消費電力は2000Wであ
る。加熱部3と、上側の基板9との距離をランプの焦点
距離(たとえば50mm)とする。
【0039】加熱部3を構成するヒータに電力を投入
し、亀裂2の中心を通る領域を垂直方向にある一定時間
(たとえば3秒)加熱する。これにより、加熱された領
域に圧縮領域が作用する。それを挟む2本の領域に引張
応力が作用する。しかしながら、貼り合わせパネルの場
合には、上側の基板9が下側の基板10と接着されてい
るので、上側の基板9が矢印113で示されるように熱
変形に対して拘束される。これにより、圧縮応力が引張
応力よりも優勢となり、亀裂2の先端(底)の応力拡大
係数が破壊靭性Kcに到達しない。これにより亀裂が進
展しない可能性がある。
【0040】そこで、本発明では、図14で示すように
支持部11内に、ヒータにより構成される保温部14を
埋め込む。保温部14は、たとえばニクロム線により構
成される。なお、保温部14はスチーム配管などにより
構成されてもよい。この保温部14を用いて、下側の基
板10の温度を室温よりも少しだけ高い温度としてお
く。たとえば、基板10の温度を室温より5℃高くす
る。これにより、下側の基板10は僅かに熱膨張して上
側の基板9に追従する。上側の基板9には、矢印113
で示す拘束力は働かない。そのため、1枚の基板10を
分断するときと同様に、亀裂2の先端の応力拡大係数K
が破壊靭性Kcより大きくなる。これにより亀裂が進展
して、まず上側の基板9を分断することができる。その
後、基板10が加熱部3に近くなるように配置する。す
なわち、パネルを反転させる。このとき基板9が支持部
11に接触する。保温部14を用いて基板9を僅かに加
熱する。加熱部3を用いて基板10を加熱する。これに
より、亀裂2が板厚方向に進展して基板10が分断す
る。これによりパネルの分断を行なうことができる。
【0041】なお、上側の基板9は加熱部3の加熱によ
り室温より大幅に高い温度、たとえば室温より80℃高
い温度となる。しかしながら、その影響は局所的なもの
である。たとえば、加熱幅は5mmなので、この部分が
加熱されているだけであり、全体としての熱変形量は小
さい。下側の基板10が全体的に加熱される。たとえ
ば、加熱の幅は680mmである。これにより、小さな
温度差(たとえば5℃)で上側の基板9と同程度の熱変
形をさせることが可能である。
【0042】上下の基板9および10を貼り合わせてい
る接着剤111は、熱伝導率の低い樹脂であり、その幅
は1mmしかない。さらに、上下の基板9および10に
挟まれた空間には熱伝導率の低い空気が充満している。
そのため、本実施の形態のように短時間(たとえば3
秒)で加熱を行なう場合に、上下の基板9および10で
の熱の移動は無視できる。上述のように支持部11を予
備加熱することにより、矢印113で示す熱変形拘束を
コントロールすることは可能である。
【0043】また、上下の基板9および10の厚みは
0.7mmと薄く熱容量が小さい。そのため、貼り合わ
せパネルや加熱部3の位置合わせの間に同時に下側の基
板10も予備加熱される。その結果、生産性が低下する
ことはない。
【0044】なお、上述の方法では、上側の基板9を分
断した後にパネルを反転させて同様の処理を繰返し、下
側の基板10も分断した。しかしながら、上側の基板9
だけを分断し、下側の基板10を分断しないことも可能
である。この場合、下側の基板10に液晶駆動用のドラ
イバIC(integrated circuit)を実装する、いわゆる
端子分断の場合に対応することができる。
【0045】以上、この発明の実施の形態について説明
したが、ここで示した実施の形態はさまざまに変形する
ことが可能である。まず、加熱部は、亀裂2に対して垂
直に設けられているものを示したが、直角からずれて加
熱部が配置されていてもよい。また、加熱部の形状は一
方向に延びるものに限られるものではなく、やや蛇行し
ていてもよい。すなわち、加熱部は加熱により上述のよ
うな作用効果を達成するような形状であればよい。
【0046】また、実施の形態3で示した保温部14を
有する分断装置102では2枚の基板を貼り合わせたパ
ネルを分断する方法について説明したが、実施の形態3
の分断装置102を用いて、1枚の基板を分断してもよ
い。
【0047】今回開示された実施の形態はすべての点で
例示であって制限的なものではないと考えられるべきで
ある。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求
の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味お
よび範囲内でのすべての変更が含まれることが意図され
る。
【0048】
【発明の効果】この発明の「垂直加熱法」によれば、ガ
ラス、セラミックス、半導体などの脆性材料の分断予定
位置に、予め亀裂を形成し、ハロゲンランプなどのヒー
タ1個で亀裂の中心近傍を垂直方向に加熱する。亀裂の
先端に引張応力を集中させ亀裂を進展させて基板を分断
する。これにより加熱位置の精密な位置合わせや冷却機
構が不要となり、装置構成が簡単でメンテナンス性も向
上する。
【0049】また、複数本の亀裂に同時に引張応力を集
中させて亀裂を進展させることで1枚の基板を複数枚の
基板に分断する同時分断が可能である。これにより、ヒ
ータを移動させる時間や手間が節約でき、製造リードタ
イムが短縮できる。
【0050】また、2枚の脆性材料を貼り合わせたパネ
ルの分断においては、支持部を予備加熱して2枚の脆性
材料間に働く熱変形拘束をコントロールする。これによ
り、1枚の脆性材料の場合と同様にパネルを分断するこ
とが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1に従った分断装置の
平面図である。
【図2】 図1中の矢印IIで示す方向から見た分断装
置の正面図である。
【図3】 この発明の実施の形態1に従った分断方法の
第1工程を示す斜視図である。
【図4】 この発明の実施の形態1に従った分断方法の
第2工程を示す斜視図である。
【図5】 図4中の亀裂と帯状領域との関係を説明する
ために示す基板の平面図である。
【図6】 圧縮領域と引張領域を説明するために示す基
板の平面図である。
【図7】 図6中のVII−VII線に沿った断面図で
ある。
【図8】 亀裂の進展を説明するために示す基板の平面
図である。
【図9】 分断された基板を示す平面図である。
【図10】 この発明の実施の形態2に従った分断方法
を説明するために示す基板の平面図である。
【図11】 この発明の実施の形態3に従った分断装置
の平面図である。
【図12】 図11中の矢印XIIで示す方向から見た
分断装置の正面図である。
【図13】 熱変形に対する拘束を説明するために示す
分断装置の正面図である。
【図14】 この発明の実施の形態3に従った分断方法
を説明するために示す分断装置の正面図である。
【図15】 従来の分断方法を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 亀裂形成部、2 亀裂、3 加熱部、4 帯状部
分、10 基板、11支持部、14 保温部、101,
102 分断装置。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一方向に延びる亀裂を被加工材の表面に
    形成する亀裂形成部と、 前記亀裂形成部が形成した亀裂に対してほぼ直交するよ
    うに配置されて被加工材を加熱する加熱部とを備えた、
    分断装置。
  2. 【請求項2】 前記加熱部は、前記亀裂の延びる方向に
    対して直交するように延びる部分を有する、請求項1に
    記載の分断装置。
  3. 【請求項3】 被加工材は脆性材料である、請求項1ま
    たは2に記載の分断装置。
  4. 【請求項4】 被加工材を支持する支持部と、前記支持
    部を所定の温度に保つ保温部とをさらに備えた、請求項
    1から3のいずれか1項に記載の分断装置。
  5. 【請求項5】 前記被加工材は2枚の脆性材料を接着剤
    で貼り合わせたパネルである、請求項4に記載の分断装
    置。
  6. 【請求項6】 被加工材の表面に一方向に延びる亀裂を
    形成する工程と、 亀裂の延びる方向とほぼ直交して帯状に延びる被加工材
    の部分を加熱することにより、亀裂に沿って被加工材を
    分断する工程とを備えた、分断方法。
  7. 【請求項7】 被加工材を分断する工程は、亀裂を被加
    工材の厚み方向に進展させて被加工材を分断する工程を
    含む、請求項6に記載の分断方法。
  8. 【請求項8】 被加工材は脆性材料である、請求項6ま
    たは7に記載の分断方法。
  9. 【請求項9】 被加工材を分断する工程は、亀裂が形成
    された面と反対側の被加工材の面を所定の温度に保った
    状態で被加工材を分断する工程を含む、請求項6から8
    のいずれか1項に記載の分断方法。
  10. 【請求項10】 被加工材は2枚の脆性材料を接着剤で
    貼り合わせたパネルである、請求項9に記載の分断方
    法。
JP2001386013A 2001-12-19 2001-12-19 分断装置および分断方法 Withdrawn JP2003181826A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001386013A JP2003181826A (ja) 2001-12-19 2001-12-19 分断装置および分断方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001386013A JP2003181826A (ja) 2001-12-19 2001-12-19 分断装置および分断方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003181826A true JP2003181826A (ja) 2003-07-02

Family

ID=27595279

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001386013A Withdrawn JP2003181826A (ja) 2001-12-19 2001-12-19 分断装置および分断方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003181826A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010017864A (ja) * 2008-07-08 2010-01-28 Japan Drilling Co Ltd レーザを用いた岩石の加工方法及びその装置
JP2011178575A (ja) * 2010-02-26 2011-09-15 Hightech Engineering Kk 板ガラスをミラー形状に切断する方法
JP2011204850A (ja) * 2010-03-25 2011-10-13 Disco Corp 半導体デバイスの製造方法
EP2783785A1 (en) * 2013-03-27 2014-10-01 Bottero S.p.A. Method for shape cutting a glass sheet
EP2783786A1 (en) * 2013-03-27 2014-10-01 Bottero S.p.A. Method and machine for cutting a glass sheet
JP2018182078A (ja) * 2017-04-13 2018-11-15 株式会社ディスコ 分割方法
WO2020129913A1 (ja) * 2018-12-21 2020-06-25 浜松ホトニクス株式会社 半導体対象物加熱装置

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010017864A (ja) * 2008-07-08 2010-01-28 Japan Drilling Co Ltd レーザを用いた岩石の加工方法及びその装置
JP2011178575A (ja) * 2010-02-26 2011-09-15 Hightech Engineering Kk 板ガラスをミラー形状に切断する方法
JP2011204850A (ja) * 2010-03-25 2011-10-13 Disco Corp 半導体デバイスの製造方法
EP2783785A1 (en) * 2013-03-27 2014-10-01 Bottero S.p.A. Method for shape cutting a glass sheet
EP2783786A1 (en) * 2013-03-27 2014-10-01 Bottero S.p.A. Method and machine for cutting a glass sheet
JP2018182078A (ja) * 2017-04-13 2018-11-15 株式会社ディスコ 分割方法
WO2020129913A1 (ja) * 2018-12-21 2020-06-25 浜松ホトニクス株式会社 半導体対象物加熱装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4414473B2 (ja) 切断方法
JP4847513B2 (ja) 脆性材料基板のブレイク方法
JP5864988B2 (ja) 強化ガラス板切断方法
JP3719904B2 (ja) 液晶表示装置のガラス基板の面取り方法およびその方法に用いる加熱器
US6653210B2 (en) Method and apparatus for cutting a non-metallic substrate using a laser beam
US6713720B2 (en) Method for cutting a non-metallic substrate
KR100849696B1 (ko) 취성재료의 스크라이브 방법 및 스크라이브 장치
TW200816300A (en) Method of scribing stuck mother substrate and method of dividing stuck mother substrate
WO2007094160A1 (ja) ガラス基板の面取り方法および装置
EP1158343A2 (en) Liquid crystal display apparatus and production method
WO2012132974A1 (ja) 脆性板の切断装置および脆性板の切断方法
JP2003181826A (ja) 分断装置および分断方法
JP2013157545A (ja) 加工対象物切断方法
EP2835361A1 (en) Glass film fracturing method and glass film laminate body
JP2003089538A (ja) 脆性材料基板のブレイク装置及びブレイク方法
Cai et al. Laser cutting sandwich structure glass–silicon–glass wafer with laser induced thermal–crack propagation
JP2010023071A (ja) 貼り合わせ基板の端子加工方法
JP2007230818A (ja) ワークの分割方法および貼合せ基板の分割方法
TW200951085A (en) Method of step-scribing bonded substrate and control system thereof
WO2008010457A1 (fr) appareil de découpe
JP2001127369A (ja) 半導体レーザー素子の製造方法および劈開装置
JP4197513B2 (ja) レーザ割断方法及びその装置
CN116867749A (zh) 玻璃基板热倒角方法和装置
JP6860831B2 (ja) 円盤状ガラス及びその製造方法
WO2019138990A1 (ja) ガラス物品の製造方法及び製造装置並びにガラス物品

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20050301