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JP2003165944A - プライマー用組成物 - Google Patents

プライマー用組成物

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JP2003165944A
JP2003165944A JP2001367092A JP2001367092A JP2003165944A JP 2003165944 A JP2003165944 A JP 2003165944A JP 2001367092 A JP2001367092 A JP 2001367092A JP 2001367092 A JP2001367092 A JP 2001367092A JP 2003165944 A JP2003165944 A JP 2003165944A
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resin
primer
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覚 吉川
Yoshifumi Masuda
敬文 増田
Shoji Maekawa
昭二 前川
Takumi Okazaki
巧 岡崎
Tsukasa Ishimoto
司 石本
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Toyo Kasei Kogyo Co Ltd
Arakawa Chemical Industries Ltd
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Toyo Kasei Kogyo Co Ltd
Arakawa Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリオレフィン系樹脂やメラミン系塗料に対
する密着性に優れ、低温貯蔵安定性と耐ガソホール性の
改良されたプライマー用樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 (a)塩素含有率が5〜50重量%で、
重量平均分子量が30,000〜120,000の塩素
化ポリオレフィン100重量部:および(b)水酸基含
有石油樹脂15〜80重量部を含有するプライマー用樹
脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリプロピレン等
のポリオレフィン系樹脂との密着性、メラミン系塗料等
の各種塗料との密着性、低温貯蔵安定性に優れたプライ
マー組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】プラスチックは、高生産性でデザインの
自由度が広く、軽量、防錆、耐衝撃性などの多くの利点
があるため、近年、自動車部品、電気部品、建築資材等
の材料として多く用いられている。とりわけポリオレフ
ィン系樹脂は、価格が安く、成形性、耐薬品性、耐水
性、耐衝撃性に優れ、良好な電気特性をも有するため、
工業材料として広範囲に利用されており、将来的にも需
要の伸びが期待されている材料の一つである。
【0003】しかしながら、ポリオレフィン系樹脂は、
アクリル樹脂等の極性を有する合成樹脂とは異なり、結
晶性で且つ非極性のため、塗装や接着が困難であるとい
う欠点を有する。このような難付着性のポリオレフィン
系樹脂の塗装や接着には、従来より、10〜40重量%
まで塩素化された低塩素化ポリオレフィンがバインダー
として含まれるプライマーが使用されている。
【0004】一方、輸送面でのコストや溶剤使用量を考
慮すると、プライマーの高固形分化が望まれる。しかし
ながら、高固形分化すると、低温での流動性の低下や粘
度の増加により、他の塗料との相溶性やスプレー塗装時
のハンドリング性が低下するなどの、実用面における弊
害が生じる。また、低温での貯蔵安定性も低下する。そ
こで、粘度を下げるために減成等で樹脂の分子量の引き
下げを行ったり、低分子量のロジン系エステル樹脂を配
合すると、初期密着性や耐ガソホール性が著しく低下す
る問題があった。
【0005】また、近年、塗装ラインの縮小やコストを
削減するために、プライマーおよび塗料を次々と塗り重
ねた後に1回のみの焼付けを行う(wet on wet)塗装が
主流になっている。しかしながら、そのような塗装にお
いては、特にメラミン系塗料を使用する際に充分な密着
性を得ることができなかった。これは、メラミン樹脂の
高い極性に対して現行のプライマーの極性が低いため、
プライマーとメラミン系塗料との間に層が生じているた
めであると考えられる。そこで、極性の高いプライマー
用樹脂組成物が期待されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
のような従来技術の問題を解決し得て、ポリオレフィン
系樹脂やメラミン系塗料に対する密着性に優れ、低温貯
蔵安定性と耐ガソホール性の改良されたプライマー用樹
脂組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、種々検討
を重ねた結果、特定の塩素化ポリオレフィンと特定の水
酸基含有石油樹脂とを組み合わせることにより、上記目
的が達成されることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0008】すなわち、本発明は、下記に示すとおりの
プライマー用樹脂組成物を提供するものである。 項1. (a)塩素含有率が5〜50重量%で、重量平
均分子量が30,000〜120,000の塩素化ポリ
オレフィン100重量部:および(b)水酸基含有石油
樹脂15〜80重量部を含有するプライマー用樹脂組成
物。 項2. さらに(c)有機溶剤を含有する項1に記載の
プライマー用樹脂組成物。 項3. 塩素化ポリオレフィンが、α,β−不飽和カル
ボン酸およびその酸無水物から選ばれる少なくとも1種
を1〜10重量%グラフト共重合してなる酸変性塩素化
ポリオレフィンである項1または2に記載のプライマー
用樹脂組成物。 項4. 水酸基含有石油樹脂の水酸基価が10〜250
mgKOH/gである項1〜3のいずれかに記載のプラ
イマー用樹脂組成物。 項5. 水酸基含有石油樹脂の軟化点が60〜200℃
であり、重量平均分子量が200〜3,000である項
1〜4のいずれかに記載のプライマー用樹脂組成物。 項6. 水酸基含有石油樹脂が水素化物である項1〜5
のいずれかに記載のプライマー用樹脂組成物。 項7. 有機溶剤が、芳香族炭化水素、脂環式炭化水
素、エステルおよびケトンから選ばれる少なくとも1種
である項2〜6のいずれかに記載のプライマー用樹脂組
成物。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明に用いる塩素化ポリオレフ
ィンは、ポリオレフィンを塩素化したものであるが、酸
変性によりカルボキシル基を含有するものも含まれる。
これらの塩素化ポリオレフィンは、公知の方法により容
易に製造できる。例えば、酸変性塩素化ポリオレフィン
は、原料ポリオレフィンに、α,β−不飽和カルボン酸
およびその酸無水物から選ばれる少なくとも1種をグラ
フト共重合した後に、溶媒中で塩素ガスを吹き込んで得
ることができる。また、原料ポリオレフィンを塩素化し
た後に、α,β−不飽和カルボン酸およびその酸無水物
から選ばれる少なくとも1種をグラフト共重合して得る
こともできる。
【0010】原料ポリオレフィンとしては、結晶性ポリ
プロピレン、非晶性ポリプロピレンおよびプロピレン−
エチレン共重合体等のプロピレン系ポリオレフィンを例
示することができ、これらを1種単独でまたは2種以上
を組み合わせて使用できる。これらの中では、アイソタ
クチックポリプロピレン、シンジオタクチックポリプロ
ピレン等の結晶性ポリプロピレンが好ましく、アイソタ
クチックポリプロピレンがより好ましい。
【0011】原料ポリオレフィンまたは塩素化ポリオレ
フィンにグラフト共重合するα,β−不飽和カルボン酸
またはその酸無水物としては、例えば、マレイン酸、無
水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、フマル酸
等が挙げられる。これらの中でも酸無水物が好ましく、
無水マレイン酸がより好ましい。グラフト共重合する量
は、1〜10重量%が好ましく、1〜6重量%がより好
ましい。
【0012】グラフト共重合するには、原料ポリオレフ
ィンまたは塩素化ポリオレフィンを、トルエン、キシレ
ン等の芳香族有機溶媒に溶解するか、または溶媒を用い
ずに熱溶融した後に、ラジカル発生剤の存在下に、α,
β−不飽和カルボン酸およびその酸無水物から選ばれる
少なくとも1種を反応させる。
【0013】グラフト共重合反応に用いられるラジカル
発生剤としては、例えば、ジ−tert−ブチルパーオキサ
イド、tert−ブチルヒドロパーオキサイド、ジクミルパ
ーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチ
ルケトンパーオキサイドのようなパーオキサイド類が挙
げられる。
【0014】塩素化して塩素化ポリオレフィンを得るに
は、原料ポリオレフィンまたは酸変性ポリオレフィン
を、クロロホルム、四塩化炭素、テトラクロロエチレン
等の塩素系溶媒中に分散または溶解させ、触媒の存在下
に、加圧下または常圧下で、80〜120℃の温度で塩
素ガスを吹き込んで反応させる。
【0015】塩素化ポリオレフィン(酸変性塩素化ポリ
オレフィンを含む)の塩素含有率は5〜50重量%であ
り、10〜40重量%が好ましい。
【0016】また、塩素化ポリオレフィン(酸変性塩素
化ポリオレフィンを含む)の重量平均分子量は30,0
00〜120,000であり、40,000〜80,0
00が好ましい。
【0017】本発明に用いる水酸基含有石油樹脂とは、
当該石油樹脂分子が何らかの化学結合により水酸基を有
しているものであり、その製法に関しては特に限定され
ない。当該石油樹脂としては、工業的簡便さの観点か
ら、通常は石油留分中に含まれる重合性モノマーと水酸
基含有化合物とを反応させて得られるものが該当する。
【0018】石油留分中に含まれる重合性モノマーとし
ては、例えば、イソプレン、ノルマルペンテン、メチル
ブテン、ペンタジエン、シクロペンテン等のC5留分;
スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、イン
デン、メチルインデン等のC 9留分;シクロペンタジエ
ン、メチルシクロペンタジエン、エチルシクロペンタジ
エン、およびこれらの2量体、3量体、さらにこれらの
共2量体等のシクロペンタジエン系留分;等が挙げられ
る。
【0019】水酸基含有化合物としては、各種フェノー
ル系化合物、各種水酸基含有オレフィンであり、例え
ば、フェノール;クレゾール、キシレノール、p−tert
−ブチルフェノール、p−オクチルフェノール、ノニル
フェノール、ビニルフェノール等のアルキル置換フェノ
ール;アリルアルコール、クロチルアルコール、1,4
−ブテンジオール、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒ
ドロキシエチルメタクリレート;3−メチル−2−プロ
ペン−1−オール、2−メチル−2−プロペン−1−オ
ール等のアルキル置換アリルアルコール;などが挙げら
れる。
【0020】水酸基含有石油樹脂の合成方法としては、
特に限定されず、各種公知の方法を採用することができ
る。例えば、重合性モノマーと水酸基含有化合物の共存
下にフリーデルクラフツ型触媒を用いて重合する方法、
重合性モノマーと水酸基含有化合物の共存下にラジカル
重合開始剤を用いて重合する方法、重合性モノマーと水
酸基含有化合物の共存下にオートクレーブ中で熱重合す
る方法等が挙げられる。
【0021】水酸基含有石油樹脂の具体例としては、ア
ルコール変性ジシクロペンタジエン樹脂、アルコール変
性C9−ジシクロペンタジエン樹脂、フェノール変性C9
−ジシクロペンタジエン樹脂、フェノール変性ジシクロ
ペンタジエン樹脂、フェノール変性C9石油樹脂等が挙
げられる。
【0022】水酸基含有石油樹脂は、必要に応じて、さ
らに、水素化、水和、酸化、ヒドロホウ素化、ハロゲン
化水素付加、ハロゲン付加等により、オレフィン部位を
安定化させてもよい。これらの中では、工業的に簡便で
あり、かつ樹脂の色調、臭気、安定性を改善し得ること
から、水素化が好ましい。水素化は、各種公知の方法を
採用することができる。
【0023】水酸基含有水素化石油樹脂の芳香族部分や
オレフィン部分の水素化反応率は特に限定されないが、
オレフィン部分に関しては、完全に水素化することが、
色調や安定性の向上の観点から望ましい。
【0024】また、水酸基含有石油樹脂に、酸化防止
剤、紫外線吸収剤、還元剤等を添加してその安定性や色
調を改善してもよい。
【0025】本発明に用いる水酸基含有石油樹脂の軟化
点は60〜200℃であるのが好ましい。使用目的にも
よるが、軟化点が低いと耐熱性が低下するため、軟化点
は70℃以上であるのがより好ましく、80〜130℃
であるのが特に好ましい。
【0026】水酸基含有石油樹脂の重量平均分子量は2
00〜3,000であるのが好ましく、200〜2,0
00であるのがより好ましい。
【0027】水酸基含有石油樹脂の水酸基価は10〜2
50mgKOH/gであるのが好ましく、20〜220
mgKOH/gであるのがより好ましい。
【0028】本発明における塩素化ポリオレフィン
(a)および水酸基含有石油樹脂(b)の配合割合は、
塩素化ポリオレフィン100重量部に対して、水酸基含
有石油樹脂が15〜80重量部であり、好ましくは20
〜75重量部である。水酸基含有石油樹脂が15重量部
未満だと配合の効果が現れにくく、80重量部を超える
とプライマー用樹脂組成物の密着性や耐ガソホール性が
低下する傾向がある。
【0029】本発明のプライマー用樹脂組成物は、通常
有機溶剤(c)に溶解して用いる。使用する有機溶剤と
しては、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、シク
ロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキ
サン等の脂環式炭化水素、酢酸エチル、酢酸ブチル等の
エステル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケト
ン等のケトンが挙げられる。これらは、1種単独でも2
種以上を組み合わせて用いてもよい。有機溶剤の使用量
は、塩素化ポリオレフィン100重量部に対して、10
0〜10,000重量部であるのが好ましく、100〜
1,000重量部であるのがより好ましい。
【0030】本発明のプライマー用樹脂組成物を得るに
は、塩素化ポリオレフィン(a)および水酸基含有石油
樹脂(b)のそれぞれの有機溶剤溶液を混合してもよい
し、塩素化ポリオレフィン(a)および水酸基含有石油
樹脂(b)をエクストルーダーにより混練してペレット
を得た後にこれを有機溶剤に溶解してもよい。
【0031】本発明のプライマー用樹脂組成物には、必
要に応じて、安定剤、増粘剤、界面活性剤等を、特性を
低下させない程度に添加してもよい。
【0032】
【実施例】次に、本発明を実施例により詳細に説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。
【0033】製造例1(無水マレイン酸変性塩素化ポリ
プロピレン) アイソタクチックポリプロピレン(重量平均分子量5
0,000)275重量部、無水マレイン酸19.3重
量部、ジクミルパーオキサイド5.5重量部およびトル
エン412.5重量部を、撹拌機のついたオートクレー
ブ中に仕込み、窒素置換を5分間行った後、撹拌をしな
がら140℃で5時間反応を行った。反応終了後、反応
液を大量のメチルエチルケトン中に投入して樹脂を析出
させた。この樹脂をさらに数回メチルエチルケトンで洗
浄し、未反応の無水マレイン酸を除去して無水マレイン
酸変性ポリプロピレンを得た。
【0034】この無水マレイン酸変性ポリプロピレン2
00重量部およびテトラクロロエチレン1,800重量
部を四つ口フラスコに入れ、窒素置換を5分間行った
後、110℃まで加熱撹拌して樹脂を溶融させた。次い
で、ジ−tert−ブチルパーオキサイド2重量部を加えて
塩素ガスを吹き込んだ。140重量部の塩素ガスを3時
間かけて吹き込んだ後、窒素ガスを吹き込み、未反応塩
素ガスおよび塩化水素を除去した。溶媒のテトラクロロ
エチレンをエバポレーターにて減圧留去した後、トルエ
ンで置換し、無水マレイン酸変性塩素化ポリプロピレン
(以下、「塩素化ポリオレフィンA」という。重量平均
分子量40,000、塩素含有率21重量%、無水マレ
イン酸グラフト共重合量1.7重量%)のトルエン溶液
を得た。
【0035】製造例2(フェノール変性C9石油樹脂) ナフサのスチームクラッキングで副生する沸点範囲14
0〜280℃の分解油留分100重量部を原料油として
用いた。フェノール3重量部の存在下で、原料油に対し
て0.6重量%の三弗化硼素フェノラートを用いて30
℃で3時間重合した。得られた重合油に水酸化カルシウ
ム3重量部を加え、70℃で1時間撹拌して中和した
後、活性白土を3重量部加え、さらに30分撹拌した。
水酸化カルシウムおよび活性白土を濾別して得た重合油
を、200℃、2.7kPaで15分間減圧蒸留するこ
とにより、軟化点105℃、色調9ガードナー、水酸基
価72mgKOH/g、重量平均分子量1,350(G
PC法におけるポリスチレン換算値)の水酸基含有石油
樹脂Aを得た。
【0036】製造例3(フェノール変性ジシクロペンタ
ジエン樹脂) ジシクロペンタジエン100重量部、フェノ−ル100
重量部およびキシレン80重量部をオートクレーブに仕
込み、窒素雰囲気中で260℃で4時間反応させて重合
油を得た。該重合油を200℃、2.7kPaで15分
間減圧蒸留して、未反応モノマー、溶媒および低重合物
を除去することにより、軟化点111℃、色調10ガー
ドナー、水酸基価157mgKOH/g、重量平均分子
量580(GPC法におけるポリスチレン換算値)の水
酸基含有石油樹脂Bを得た。
【0037】製造例4(アルコール変性ジシクロペンタ
ジエン樹脂) ジシクロペンタジエン100重量部、アリルアルコール
100重量部およびキシレン80重量部をオートクレー
ブに仕込み、窒素雰囲気中で270℃で2時間反応させ
て重合油を得た。該重合油を200℃、2.7kPaで
15分間減圧蒸留して、未反応モノマー、溶媒および低
重合物を除去することにより、軟化点97.5℃、色調
8ガードナー、水酸基価210mgKOH/g、重量平
均分子量540(GPC法におけるポリスチレン換算
値)の水酸基含有石油樹脂Cを得た。
【0038】製造例5(水素化アルコール変性ジシクロ
ペンタジエン樹脂) 製造例4で得た水酸基含有石油樹脂C100重量部、シ
クロヘキサン100重量部および安定化ニッケル触媒
(日揮化学(株)製、商品名「N−113」)0.4重量
部をオートクレーブに仕込み、水素圧力18MPaの高
圧水素雰囲気下において、270℃で5時間反応させ
た。触媒を濾別した後、200℃、2.7kPaで15
分間減圧蒸留することにより、軟化点93℃、色調1ガ
ードナー以下(200ハーゼン)、水酸基価143mg
KOH/g、重量平均分子量530(GPC法における
ポリスチレン換算値)の水酸基含有石油樹脂Dを得た。
【0039】製造例6(水素化アルコール変性ジシクロ
ペンタジエン樹脂) 製造例4で得た水酸基含有石油樹脂C100重量部、シ
クロヘキサン100重量部および安定化ニッケル触媒
(日揮化学(株)製、商品名「N−113」)2.0重量
部をオートクレーブに仕込み、水素圧力18MPaの高
圧水素雰囲気下において、240℃で5時間反応させ
た。触媒を濾別した後、220℃、0.27kPaで3
0分間減圧蒸留することにより、軟化点118℃、色調
1ガードナー以下(300ハーゼン)、水酸基価190
mgKOH/g、重量平均分子量600(GPC法にお
けるポリスチレン換算値)の水酸基含有石油樹脂Eを得
た。
【0040】実施例1 塩素化ポリオレフィンとして塩素化ポリオレフィンAを
使用し、水酸基含有石油樹脂として水酸基含有石油樹脂
Aを使用し、それぞれを20重量%トルエン溶液とした
後、表1に示した配合処方(重量部)に従って混合し、
充分に撹拌してプライマー用樹脂組成物を得た。
【0041】このプライマー用樹脂組成物を、イソプロ
ピルアルコールで脱脂したポリプロピレン基材(三井東
圧化学社製)に、固形分が6g/m2となるようにスプ
レー塗装し、10分間室温にて放置して乾燥させた。次
いで、この上にウレタン系2液硬化型塗料(関西ペイン
ト(株)製、「レタンPG80」)を60g/m2となる
ようにスプレー塗装した後、80℃で30分間乾燥し
た。また、別に上記プライマー用樹脂組成物を塗布した
ポリプロピレン基材に、メラミン1液硬化型塗料(関西
ペイント(株)製)を同様の方法により塗布した後、12
0℃で30分間乾燥した。
【0042】上記プライマー用樹脂組成物の低温貯蔵安
定性および得られた塗膜の塗膜物性を、下記の評価方法
により評価した。その結果を表2に示す。
【0043】[低温貯蔵安定性]プライマー用樹脂組成
物を−5℃で30日間放置し、ゲルが生じるまでの日数
を調査した。
【0044】[初期密着性(付着性)]乾燥後4日間養
生した後、試験片の塗膜面にカッターでポリプロピレン
基材に達する切れ目を入れて1mm幅の碁盤目を100
個作った。その塗膜面上にセロハン粘着テープを密着さ
せて180度方向に一気に引き剥がす行為を10回繰り
返し、初めて正方形が剥がれたのが何回目かにより、1
回目ならば0点、2回目で1点というように採点した。
10回行った後にも剥離がない場合には、10点満点と
した。
【0045】[耐ガソホール性]乾燥後7日間養生した
後、レギュラーガソリン:エタノール=9:1の混合ガ
ソリンに、両端をカットした塗装片を浸漬し、カットし
た塗面の端から3mm程剥離するまでの時間で評価し
た。
【0046】[耐湿性]塗膜片を40℃の温水中に24
0時間浸漬した後、塗膜面の様子を目視にて観察し評価
した。評価基準は、◎:非常に良好、○:良好、×:不
良である。
【0047】実施例2〜5 表1に示すように、水酸基含有石油樹脂Aを、順に水酸
基含有石油樹脂B、C、D、Eに変えた以外は実施例1
と同様にしてプライマー用樹脂組成物を調製し、それら
を評価した。その結果を表2に示す。
【0048】実施例6 表1に示すように、水酸基含有石油樹脂Dのトルエン溶
液の配合量を25重量部に変えた以外は実施例4と同様
にしてプライマー用樹脂組成物を調製し、評価した。そ
の結果を表2に示す。
【0049】実施例7 表1に示すように、水酸基含有石油樹脂Dのトルエン溶
液の配合量を66重量部に変えた以外は実施例4と同様
にしてプライマー用樹脂組成物を調製し、評価した。そ
の結果を表2に示す。
【0050】比較例1 水酸基含有石油樹脂を用いずに、塩素化ポリオレフィン
Aのトルエン溶液のみをプライマー用樹脂組成物として
各種特性を評価した。その結果を表2に示す。
【0051】比較例2 表1に示すように、水酸基含有石油樹脂Aをロジングリ
セリンエステル(重量平均分子量920、軟化点100
℃)に変えた以外は実施例1と同様にしてプライマー用
樹脂組成物を調製し、評価した。その結果を表2に示
す。
【0052】比較例3 表1に示すように、水酸基含有石油樹脂Aを、水酸基を
含有していない未変性タイプのC9系石油樹脂(重量平
均分子量1,100、軟化点100℃)に変えた以外は
実施例1と同様にしてプライマー用樹脂組成物を調製
し、評価した。その結果を表2に示す。
【0053】
【表1】
【0054】
【表2】
【0055】表2から明らかなように、実施例1〜7の
プライマー用樹脂組成物は、比較例1のプライマー用樹
脂組成物に比べて、低温貯蔵安定性、およびメラミン系
塗料についての耐ガソホール性が向上している。また、
実施例1〜7のプライマー用樹脂組成物は、比較例2お
よび3のプライマー用樹脂組成物に比べて、付着性およ
び耐ガソホール性が向上している。
【0056】
【発明の効果】本発明のプライマー用樹脂組成物は、ポ
リオレフィン系樹脂やメラミン系塗料等の各種塗料に対
する密着性に優れ、低温貯蔵安定性と耐ガソホール性が
改良されている。
フロントページの続き (72)発明者 増田 敬文 兵庫県高砂市曽根町2900番地 東洋化成工 業株式会社化成品研究所内 (72)発明者 前川 昭二 兵庫県高砂市曽根町2900番地 東洋化成工 業株式会社化成品研究所内 (72)発明者 岡崎 巧 大阪府大阪市鶴見区鶴見1丁目1番9号 荒川化学工業株式会社研究所内 (72)発明者 石本 司 大阪府大阪市鶴見区鶴見1丁目1番9号 荒川化学工業株式会社研究所内 Fターム(参考) 4J038 CB011 CB081 CB171 CP021 CR011 GA03 GA06 MA14 NA12 NA26 PC08

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)塩素含有率が5〜50重量%で、
    重量平均分子量が30,000〜120,000の塩素
    化ポリオレフィン100重量部:および(b)水酸基含
    有石油樹脂15〜80重量部を含有するプライマー用樹
    脂組成物。
  2. 【請求項2】 さらに(c)有機溶剤を含有する請求項
    1に記載のプライマー用樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 塩素化ポリオレフィンが、α,β−不飽
    和カルボン酸およびその酸無水物から選ばれる少なくと
    も1種を1〜10重量%グラフト共重合してなる酸変性
    塩素化ポリオレフィンである請求項1または2に記載の
    プライマー用樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 水酸基含有石油樹脂の水酸基価が10〜
    250mgKOH/gである請求項1〜3のいずれかに
    記載のプライマー用樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 水酸基含有石油樹脂の軟化点が60〜2
    00℃であり、重量平均分子量が200〜3,000で
    ある請求項1〜4のいずれかに記載のプライマー用樹脂
    組成物。
  6. 【請求項6】 水酸基含有石油樹脂が水素化物である請
    求項1〜5のいずれかに記載のプライマー用樹脂組成
    物。
  7. 【請求項7】 有機溶剤が、芳香族炭化水素、脂環式炭
    化水素、エステルおよびケトンから選ばれる少なくとも
    1種である請求項2〜6のいずれかに記載のプライマー
    用樹脂組成物。
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