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JP2003035321A - 動力伝達機構 - Google Patents

動力伝達機構

Info

Publication number
JP2003035321A
JP2003035321A JP2001222728A JP2001222728A JP2003035321A JP 2003035321 A JP2003035321 A JP 2003035321A JP 2001222728 A JP2001222728 A JP 2001222728A JP 2001222728 A JP2001222728 A JP 2001222728A JP 2003035321 A JP2003035321 A JP 2003035321A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
elastic member
rotating member
peripheral surface
power transmission
transmission mechanism
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001222728A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshihiro Kurosu
義弘 黒須
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ogura Clutch Co Ltd
Original Assignee
Ogura Clutch Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ogura Clutch Co Ltd filed Critical Ogura Clutch Co Ltd
Priority to JP2001222728A priority Critical patent/JP2003035321A/ja
Publication of JP2003035321A publication Critical patent/JP2003035321A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 回転方向に関係なくコンプレッサ
に組み付けることができる動力伝達機構を提供する。 【解決手段】 弾性部材13に、この弾性部材1
3の中心を中心とする基準円上において被挾持部13c
を介在して隣接する円弧状の連結部13aを設けた。ま
た、保持板17に半径方向外側に突出した保持部17a
を設け、その保持部17aの外周面の半径寸法を、弾性
部材13の連結部13aの内周面より小さくした。さら
に、弾性部材13に半径方向内側に突出した被挾持部1
3cを設け、その被挾持部13cの内周面の半径寸法
を、保持板17の外周面より大きくした。また、回転軸
2aに過負荷が加わったとき、弾性部材13の被挾持部
13cが第1回転部材3と保持板17の保持部17aと
の間から抜け出して、弾性部材13の連結部13aが弾
性復帰するように、動力伝達機構1をコンプレッサ2に
組み付けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、カーエアコン用
コンプレッサ等に組み付けられる動力伝達機構に関する
ものであり、特には、過負荷が加わったとき動力伝達が
遮断される動力伝達機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の動力伝達機構としては、特開2
001−12492号公報に記載されたものがある。こ
の公報に記載された動力伝達機構は、第2回転部材(プ
ーリ)または第1回転部材(ハブ)に基部が固定され、
第1回転部材または第2回転部材と保持板の保持部との
間に被挾持部が離脱可能に挾持された弾性部材が設けら
れ、コンプレッサの回転軸に過負荷が加わったとき、第
1回転部材または第2回転部材と弾性部材の被挾持部と
の摩擦結合による連結が解除され、コンプレッサへの動
力伝達が遮断されるようになっている。また弾性部材
は、基部と被挾持部とが板厚方向に弾性変形可能な連結
部で連結され、被挾持部が第1回転部材または第2回転
部材と保持板の保持部との間から抜け出すことにより、
連結部が弾性復帰して被挾持部が基部側に変位するよう
に組み付けられている。
【0003】上記公報に記載されている動力伝達機構の
うち、弾性部材に円弧状の連結部が設けられた動力伝達
機構(例えば、図29〜図31に図示された動力伝達機
構)は、第1回転部材に固定された環状の基部と、この
基部の円周方向を3等分した部位から第2回転部材の回
転方向に個々に延設された円弧状の連結部と、各連結部
の先端に形成され半径方向外側に突出した被挾持部が設
けられた弾性部材と、この弾性部材の被挾持部と同数の
保持部が内周面から半径方向内側に突出した保持板が構
成され、弾性部材の被挾持部を第2回転部材と保持板の
保持部との間に離脱可能に挾持している。
【0004】また、弾性部材に円弧状の連結部が設けら
れた他の動力伝達機構(例えば、図46〜図49に図示
された動力伝達機構)は、第2回転部材に固定された環
状の基部と、この基部の円周方向を3等分した部位から
第2回転部材の反回転方向に個々に延設された円弧状の
連結部と、各連結部の先端に形成され半径方向内側に突
出した被挾持部が設けられた弾性部材と、この弾性部材
の被挾持部と同数の保持部が外周面から半径方向外側に
突出した保持板が構成され、弾性部材の被挾持部を第1
回転部材と保持板の保持部との間に離脱可能に挾持して
いる。これらの動力伝達機構は、回転軸に過負荷が加わ
ったとき、第2回転部材に伝達されている動力により、
弾性部材の被挾持部が第2回転部材または第1回転部材
と保持板の保持部との間から抜け出し、弾性部材の連結
部が弾性復帰するので、コンプレッサへの動力伝達を遮
断することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の動力伝達機構
は、第1回転部材に基部が固定された弾性部材の連結部
を第2回転部材の回転方向に円弧状に延設した構成や、
第2回転部材に基部が固定された弾性部材の連結部を第
2回転部材の反回転方向に円弧状に延設した構成が採用
され、回転軸に過負荷が加わって第1回転部材が制動さ
れたとき、第2回転部材に伝達されている動力により、
弾性部材の連結部に引っ張り力が作用するとともに、第
2回転部材の回転方向が逆であると、第1回転部材また
は第2回転部材と弾性部材の被挾持部との摩擦結合が解
除されるまで、弾性部材の連結部に圧縮力が作用してそ
の連結部が彎曲する構成であった。また、弾性部材の連
結部に圧縮力が作用すると、弾性部材の連結部と被挾持
部との連結部分や弾性部材の連結部と基部との連結部分
における耐久性の問題が生じるので、第2回転部材の回
転方向により機種を選択する必要があった。この発明
は、第2回転部材の回転方向に関係なくコンプレッサ等
への組み付けが可能な動力伝達機構を提供することを目
的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために第1の発明は、同軸線上で互いに回転自在に配
設された第1回転部材(3、19)および第2回転部材
(6、20)と、外周面から半径方向外側に突出した複
数の保持部(17a、22a)が円周方向に間隔をおい
て設けられ前記第1回転部材(3、19)または前記第
2回転部材(6、20)に固定された保持板(17、2
2)と、前記第2回転部材(6、20)または前記第1
回転部材(3、19)に固定された複数の基部(13
b、24d)と、隣接する基部(13b、24d)の間
において内周面から半径方向内側に突出した前記保持部
(17a、22a)と同数の被挾持部(13c、24
b)と、前記基部(13b、24d)と前記被挾持部
(13c、24b)とを連結する板厚方向に弾性変形可
能な複数の連結部(13a、24a)が設けられ、前記
被挾持部(13c、24b)が前記第1回転部材(3、
19)または前記第2回転部材(6、20)と前記保持
板(17、22)の保持部(17a、22a)との間に
離脱可能に挾持された環状の弾性部材(13、24)と
を備え、前記弾性部材(13、24)は、この弾性部材
(13、24)の中心を中心とする基準円(14)上に
おいて前記被挾持部(13c、24b)を介在して隣接
する円弧状の前記連結部(13a、24a)が設けられ
ているとともに、前記保持板(17、22)の保持部
(17a、22a)の外周面は前記弾性部材(13、2
4)の連結部(13a、24a)の内周面より半径寸法
が小さく設定されるとともに、前記弾性部材(13、2
4)の被挾持部(13c、24b)の内周面は前記保持
板(17、22)の外周面より半径寸法が大きく設定さ
れ、第1回転部材(3、19)または第2回転部材
(6、20)に過負荷が加わったとき、前記弾性部材
(13、24)の被挾持部(13c、24b)は前記第
1回転部材(3、19)または前記第2回転部材(6、
20)と前記保持板(17、22)の保持部(17a、
22a)との間から抜け出して前記弾性部材(13、2
4)の連結部(13a、24a)が弾性復帰することを
特徴とする。
【0007】第2の発明は、第1の発明において、弾性
部材(13、24)は、連結部(13a、24a)の被
挾持部(13c、24b)側の端部が曲率半径の小さい
内周面および外周面に形成され、前記被挾持部(13
c、24b)が半径方向内側に突出していることを特徴
とする。
【0008】第3の発明は、第1、2の発明において、
弾性部材(13、24)は、この弾性部材(13、2
4)の中心を中心とする基準円(14)上において基部
(13b、24d)を介在して隣接する円弧状の連結部
(13a、24a)が設けられているとともに、前記連
結部(13b、24d)の基部(13b、24d)側の
端部が、曲率半径の小さい内周面に形成され、前記基部
(13b、24d)が半径方向内側に突出していること
を特徴とする。
【0009】第4の発明は、第3の発明において、弾性
部材(24)には、半径方向内側に延設され第1回転部
材(19)のフランジ部(19b)の外側面に重ねられ
て固定された複数の基部(24d)が設けられ、前記第
1回転部材(19)のフランジ部(19b)の外周面に
は、前記弾性部材(24)の基部(24d)の板幅より
大きい円周方向の溝幅に設定された前記基部(24d)
と同数の凹陥部(19c)が設けられていることを特徴
とする。
【0010】第5の発明は、第4の発明において、第1
回転部材(19)の凹陥部(19c)は、円周方向で対
向する壁面が傾斜面(19d)に形成され、フランジ部
(19b)の内側面側からフランジ部(19b)の外側
面側に向かって円周方向の溝幅が漸次広くなっているこ
とを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、この発明を図示した実施の
形態に基づいて詳細に説明する。図1〜図4には、カー
エアコン用コンプレッサに組み付けた第1の実施の形態
が示されており、図1は動力伝達機構の平面図、図2は
図1のA−A線断面図、図3は図2のB−B線矢視図、
図4は弾性部材が示され(a)は平面図、(b)は断面
図である。
【0012】これら図面において動力伝達機構1は、エ
ンジンやモータの動力により駆動されるカーエアコン用
コンプレッサ2に組み付けられている。カーエアコン用
コンプレッサ2は、回転軸2aの先端がハウジングの円
筒状の突出部2bから外側に突出した構成であり、回転
軸2aに配設された第1回転部材(ハブ)3と、突出部
2bの外周面に軸受7を介して回転自在に支持された第
2回転部材(プーリ)6とが、同軸線上に構成されてい
る。
【0013】第1回転部材3は、段付き穴が貫通してい
るとともに、小径側の穴を回転軸2aの先端に形成され
たスプライン溝にスプライン嵌合されるスプライン穴と
した円筒部3aと、この円筒部3aの回転軸2aの突出
側端部から回転軸2aの軸線と直交する方向に長く延設
された略台形の形状からなる2つのフランジ部3bが一
体に形成されている。また円筒部3aの大径側の穴に
は、リング状のストッパ部材4が嵌合され、円筒部3a
の開口部の内周面をかしめ加工することにより固定され
ている。このような第1回転部材3は、回転軸2aの先
端がストッパ部材4に当接するまで円筒部3aを回転軸
2aにスプライン嵌合した後、ストッパ部材4の中心穴
からボルト5を挿入して回転軸2aのネジ穴に螺合する
ことにより、回転軸2aに一体回転可能に装着される。
なお、回転軸2aの先端とストッパ部材4との間に、第
1回転部材3のフランジ部3bと第2回転部材6の後述
する弾性部材13の取付け面との間の寸法を微調整する
ためのシムを介在する場合がある。
【0014】第2回転部材6は、半径方向内側に軸受7
の外輪がインサート成形により一体に固定されている合
成樹脂材製プーリで構成され、回転軸2aと同軸線上に
配設されている。また第2回転部材6は、内周面に軸受
7の外輪が固着された内側円筒部6aと、外周面にベル
ト溝が形成された外側円筒部6bと、内側円筒部6aと
外側円筒部6bとを連結するとともに円周方向に間隔を
おいて一体に形成された複数の径方向リブ6cと、隣接
する径方向リブ6cの回転軸2aの突出側端部、および
内側円筒部6aと外側円筒部6bの回転軸2aの突出側
端部を連結した複数の略扇形状のフランジ部6dが一体
に形成され、内側円筒部6aと外側円筒部6bとの間に
おいて一対の径方向リブ6cとフランジ部6dにより囲
まれたスペースを、ダンパ機構8の収容部Sとして設け
られている。なお、符号6eは、隣接する収容部Sの間
において隣接する径方向リブ6cの側面を連結するとと
もに、内側円筒部6aの外周面と外側円筒部6bの内周
面を連結した周方向リブである。
【0015】すなわち、実施の形態として示した動力伝
達機構1の第2回転部材6には、第1回転部材3のフラ
ンジ部3bの延設方向に対して90度ずれた位置におい
て、回転軸2aの反突出側に開口するとともに、平面視
略扇形で筒状の形状に形成された2つの収容部Sが設け
られている。また、各収容部Sの底部となるフランジ部
6dには、後述する弾性部材13を取付けるための貫通
穴6fが穿設され、フランジ部6dの回転軸2aが突出
した側の側面が、弾性部材13の取付け面として構成さ
れている。このような第2回転部材6は、コンプレッサ
2の突出部2bに軸受7の内輪を嵌合してスナップリン
グ9を突出部2bの係止溝に係止することにより、コン
プレッサ2のハウジングに回転自在に支持されている。
【0016】第2回転部材6の収容部Sに収容されたダ
ンパ機構8は、中心に貫通穴が穿設され外周面が収容部
Sの壁面に嵌合されたダンパゴム10と、中心にネジ穴
が穿設された鍔付き筒状のナット部材11が設けられて
いる。またダンパ機構8は、ナット部材11の筒状部が
挿入されたダンパゴム10を収容部Sに嵌合するととも
に、ナット部材11の筒状部の先端をフランジ部6dの
貫通穴6fまで挿入して、弾性部材13の基部13bを
介在した状態で取付けネジ12をナット部材11のネジ
穴に螺合することにより、収容部S内に組み付けられて
いる。さらに、ナット部材11の筒状部の外周面とフラ
ンジ部6dの貫通穴6fの周壁との間、およびナット部
材11の鍔部の外周面と径方向リブ6cの側面との間に
は隙間が形成され、ダンパゴム10は弾性変形を可能に
収容部S内に組み付けられている。また、弾性部材13
の基部13bは、ダンパゴム10の弾性復帰力によりフ
ランジ部6dの取付け面に当接している。すなわち、ダ
ンパゴム10のゴム硬度は、動力伝達機構1をコンプレ
ッサ2に組み付けた状態で、後述する弾性部材13の連
結部13aの弾性復帰力により弾性部材13の基部13
bがフランジ部6dから浮き上がらないように設定され
ている。
【0017】次に、弾性部材13を説明する。図4に示
したように弾性部材13は、設定された板厚Tの金属材
料または非金属材料により環状の部材に形成され、この
弾性部材13の中心Oを中心とする半径Rの基準円14
上に、基部13bや被挾持部13cを介在して隣接する
円弧状の連結部13aが設けられている。また連結部1
3aは、内周面が中心Oから半径R1の円弧面に形成さ
れ、外周面が中心Oから半径R2の円弧面に形成されて
おり、板幅がR2−R1の寸法に設定されている。
【0018】連結部13aの被挾持部13c側の端部
は、中心O側に偏曲した形状に形成され、内周面が連結
部13aの内周面の曲率半径R1より小さい曲率半径R
3の円弧面に形成され、外周面も連結部13aの外周面
の曲率半径R2より小さい曲率半径R4(R4>R3)
の円弧面に形成されている。また、連結部13aの基部
13b側の端部は、内周面が連結部13aの内周面の曲
率半径R1より小さい曲率半径R5(R5=R3)の円
弧面に形成され、外周面が連結部13aの外周面と同じ
半径R2の円弧面に形成されている。すなわち弾性部材
13は、連結部13aの内周面より半径方向内側(中心
O側)に被挾持部13cと基部13bが突出した形状に
形成され、かつ基部13bの板幅が連結部13aの板幅
より大きく形成されている。
【0019】また、弾性部材13の連結部13aには、
基部13b側から被挾持部13c側に向かって漸次高く
なる折り曲げ部13dが形成され、基部13bと被挾持
部13cの軸方向の位置が相異している。このような弾
性部材13は、カーエアコン用コンプレッサ2に組み付
けられることにより、基部13bと被挾持部13cとが
軸方向にさらに離間して、連結部13aに弾性復帰力が
付与される。なお、組み付ける前の弾性部材13は、フ
ランジ部6dの取付け面に当接する側の基部13bの側
面と、第1回転部材3のフランジ部3bに当接する側の
被挾持部13cの側面との間の寸法が、第2回転部材6
のフランジ部6dの取付け面と第1回転部材3に固定さ
れた後述する保持板17のフランジ部6d側の側面との
間の寸法より小さくなるように、折り曲げ部13dの角
度が設定されている。
【0020】このような弾性部材13は、基部13bの
貫通穴16に取付けネジ12を挿入してナット部材11
に螺合することにより、ダンパ機構8を介して第2回転
部材6に連結され、また被挾持部13cを、第1回転部
材3のフランジ部3bと第1回転部材3にネジで固定さ
れた保持板17の保持部17aとの間に離脱可能に挾持
することにより第1回転部材3に連結(摩擦結合)され
ている。
【0021】保持板17は、金属の薄板により製造さ
れ、第1回転部材3の円筒部3aの外周面に遊嵌される
中心穴と、弾性部材13の中心Oから被挾持部13cの
半径方向内側の周面までの半径寸法より小さい半径寸法
に設定された外周面と、第1回転部材3のフランジ部3
bと同方向に延設され外周面から突出した2つの保持部
17aが一体に形成されている。また保持板17は、中
心から保持部17aの半径方向外側の周面までの半径寸
法が弾性部材13の半径R1(図4参照)より小さく設
定されている。さらに、各保持部17aには、係止部と
なる貫通穴17bが穿設され、弾性部材13の被挾持部
13cに形成された係合部としての突起15が係合され
ている。
【0022】以上のような構成からなる実施の形態の動
力伝達機構1は、第1回転部材3のフランジ部3bに弾
性部材13の被挾持部13cを介在した状態で保持板1
7を積み重ね、弾性部材13の突起15と保持板17の
貫通穴17bを係合させた後、保持板17が複数本の取
付けネジで第1回転部材3に取付けられる。第2回転部
材6は、カーエアコン用コンプレッサ2の突出部2bに
回転自在に組み付けられるとともに、弾性部材13と保
持板17が取付けられた第1回転部材3は、回転軸2a
にスプライン嵌合した後、ボルト5を回転軸2bに螺合
することにより回転軸2aに組み付けられる。また、弾
性部材13の連結部13aを弾性変形させて、ダンパ機
構8とともに弾性部材13の基部13bを第2回転部材
6のフランジ部6dに取付けネジ12により固定するこ
とにより、動力伝達機構1のカーエアコン用コンプレッ
サ2への組み付けが完了する。
【0023】また動力伝達機構1は、弾性部材13の板
厚T分、保持板17の保持部17aが弾性変形するの
で、その保持部17aの弾性復帰力により弾性部材13
の被挾持部13cと第1回転部材3のフランジ部3bと
が摩擦結合される。したがって、その摩擦結合力により
第2回転部材6と第1回転部材3が一体に回転してカー
エアコン用コンプレッサ2が駆動される。また、第2回
転部材6と弾性部材13との間にダンパ機構8を設けた
ので、第2回転部材6に動力が伝達されたときに摩擦結
合部分に作用する衝撃や、動力伝達中におけるトルク変
動により摩擦結合部分に作用する衝撃を吸収することが
できる。
【0024】さらに、回転軸2aに過負荷が加わったと
き、第1回転部材3は制動された状態になるので、第2
回転部材6に伝達されている動力により、保持板17の
保持部17aの弾性復帰力に抗して被挾持部13cの突
起15と保持部17aの貫通穴17bとの係合がはず
れ、被挾持部13cがフランジ部3bと保持部17aと
の間から抜け出る。また、連結部13aの弾性復帰力に
より弾性部材13の被挾持部13cが保持板17から離
間する。したがって、第2回転部材6から第1回転部材
3への動力伝達が遮断される。
【0025】このような作用からなる動力伝達機構1
は、弾性部材13に、この弾性部材13の中心Oを中心
とする基準円14上において被挾持部13cを介在して
隣接し、第2回転部材6の回転に対して一方が引っ張ら
れ他方が圧縮される円弧状の連結部13aを設けたの
で、圧縮力を受けた連結部13aが彎曲することはな
い。したがって、第2回転部材6の回転方向に関係な
く、動力伝達機構1をカーエアコン用コンプレッサ2に
組み付けることができる。
【0026】次に、この発明を図示した別の実施の形態
に基づいて説明する。図5と図6には、カーエアコン用
コンプレッサに組み付けた第2の実施の形態が示されて
おり、図5は動力伝達機構の平面図、図6は図5のC−
C線断面図である。
【0027】これら図面において動力伝達機構18は、
動力伝達機構1と同様に、エンジンやモータの動力によ
り駆動されるカーエアコン用コンプレッサ2に組み付け
られ、回転軸2aに配設された第1回転部材(ハブ)1
9と、突出部2bの外周面に軸受21を介して回転自在
に支持された第2回転部材(プーリ)20とが、同軸線
上に構成されている。
【0028】第1回転部材19は、第1回転部材3と同
様に、円筒部19aのスプライン穴に回転軸2aの先端
がスプライン嵌合され、ストッパ部材4の中心穴から挿
入されるボルト5を回転軸2aのネジ穴に螺合すること
により、回転軸2aに一体回転可能に装着されている。
また、円筒部19aの端部には、略半円状の一対のフラ
ンジ部19bと、軸方向と半径方向外側に開口した一対
の凹陥部19cが、円周方向に交互に設けられている。
これらフランジ部19bと凹陥部19cは、円筒部19
aの端部に一体に形成された円板の180度位相がずれ
た部位に、その外周面から円筒部19a側に向かって切
削加工して凹陥部19cを加工することにより形成され
る。また凹陥部19cの切削加工においては、円周方向
で対向する壁面が傾斜面19dに形成され、この凹陥部
19cは、フランジ部19bの内側面側からフランジ部
19bの外側面側に向かって円周方向の溝幅が漸次広く
なっている。なお、各フランジ部19bには、後述する
弾性部材24を取付けるためのネジ穴が穿設されてい
る。
【0029】第2回転部材20は、断面が略コ字状の環
状部材からなる金属材製のプーリで構成され、内周面に
軸受21の外輪が圧入嵌合されかしめ加工により固定さ
れた内側円筒部20aと、外周面にプーリ溝が形成され
た外側円筒部20b、これら内側円筒部20aと外側円
筒部20bの端部を連結した円板部20cが設けられて
いる。また、このような第2回転部材20は、第2回転
部材6と同様に、軸受21の内輪をコンプレッサ2の突
出部2bの外周面に圧入嵌合した後、突出部2bに形成
された係止溝にスナップリング9を係止することによ
り、コンプレッサ2に回転自在に支持されている。なお
円板部20cには、保持板22を取付けるための複数の
ネジ穴が穿設されている。
【0030】保持板22は、金属の薄板から保持板17
と略同一の形状に製造され、180度位相をずらせた位
置に外周面から半径方向外側に突出した保持部22aが
一体に形成されている。また保持板22には、第1回転
部材19のフランジ部19bの外周面より半径方向外側
となる円周上に間隔をおいて複数の貫通穴が穿設されて
いるとともに、各保持部22aには、係止部となる貫通
穴22bが穿設されている。このような保持板22は、
各貫通穴から取付けネジ23を挿入して円板部20cの
ネジ穴に螺合することにより、第2回転部材20に同軸
線上に固定されている。また、保持板22を第2回転部
材20に取付けるとき、保持部22aと円板部20cと
の間に弾性部材24の被挾持部24bが離脱可能に挾持
される。
【0031】弾性部材24は、弾性部材13と同様に、
この弾性部材24の中心を中心とする基準円(符号1
4、図4参照)上に、基部24dや被挾持部24bを介
在して隣接する円弧状の連結部24aが設けられてい
る。また、連結部24aの被挾持部24b側の端部は、
半径方向内側(中心方向)に偏曲しており、その内周面
と外周面が連結部24aの他の内周面と外周面の曲率半
径より小さい曲率半径の円弧面に形成されている。さら
に、被挾持部24bが連結部24aの内周面より半径方
向内側に突出しているとともに、被挾持部24bの内周
面は、保持板22の外周面より半径寸法が大きく設定さ
れ、離脱した被挾持部24bが保持板22の外周面と干
渉しないようになっている。同様に、連結部24aの内
周面は、保持板22の保持部22aの外周面より半径寸
法が大きく設定され、被挾持部24bが離脱したとき、
弾性復帰した連結部24aが保持部22aの外周面と干
渉しないようになっている。なお被挾持部24bには、
係合部としての突起24cが形成されている。
【0032】また、弾性部材24の基部24dは、被挾
持部24bに対して90度位相がずれた位置に設けら
れ、この弾性部材24の中心を通る直線(図示せぬ)上
に延設され、取付けネジ25により第1回転部材19の
フランジ部19bの外側面に取付けられている。すなわ
ち、略矩形状の基部24dは、弾性部材13の基部13
bと同様に、連結部24aの外周面と同じ半径寸法の外
周面と連結部24aの内周面の曲率半径より小さい曲率
半径の内周面とした連結部24aの端部と連結され、先
端がフランジ部19bの外側面側まで延設されている。
また、各基部24dには、連結部24a側からフランジ
部19b側の先端に向かって漸次高くなる折り曲げ部2
4eが形成されている。
【0033】以上のような構成からなる実施の形態の動
力伝達機構18は、第2回転部材20の円板部20c
に、突起24cと貫通穴22bとの位置を合わせた状態
で弾性部材24と保持板22が積み重ねられ、取付けネ
ジ23により保持板22を円板部20cに固定すること
により、保持部22aの弾性復帰力により第2回転部材
20と弾性部材24の被挾持部24bとが離脱可能に摩
擦結合される。また第2回転部材20は、コンプレッサ
2の突出部2bに軸受21を介して回転自在に支持され
る。第1回転部材19は、弾性部材24の基部24dを
凹陥部19c内に嵌合した状態で回転軸2aに装着され
る。
【0034】また、弾性部材24の基部24dは、連結
部24aの弾性復帰力に抗して第1回転部材19を回動
することにより、傾斜面19dに案内されてフランジ部
19bの外側面に載せられる。さらに、基部24bの貫
通穴とフランジ部19bのネジ穴の位置を合わせ、取付
けネジ25をフランジ部19bのネジ穴に螺合すること
により、第1回転部材19と弾性部材24が連結され
る。
【0035】したがって、この動力伝達機構18も動力
伝達機構1と同様に、第2回転部材20と弾性部材24
の被挾持部24bとの摩擦結合力により、第2回転部材
20と第1回転部材19が一体に回転してカーエアコン
用コンプレッサ2が駆動される。また、回転軸2aに過
負荷が加わったとき、第1回転部材19は制動され、第
2回転部材20に伝達されている動力により、保持板2
2の保持部22aの弾性復帰力に抗して被挾持部24b
の突起24cと保持部22aの貫通穴22bとの係合が
はずれるので、被挾持部24bが円板部20cと保持部
22aとの間から抜け出る。さらに、連結部24aの弾
性復帰力により弾性部材24の被挾持部24bが保持板
22から離間して、第2回転部材20から第1回転部材
19への動力伝達が遮断される。
【0036】このような作用からなる動力伝達機構18
は、動力伝達機構1と同様に、弾性部材24に、この弾
性部材24の中心Oを中心とする基準円上において被挾
持部24bを介在して隣接し、第2回転部材20の回転
に対して一方が引っ張られ他方が圧縮される円弧状の連
結部24aを設けたので、圧縮力を受けた連結部24a
が彎曲することはない。したがって、第2回転部材20
の回転方向に関係なく、動力伝達機構18をカーエアコ
ン用コンプレッサ2に組み付けることができる。
【0037】以上、この発明を実施の形態として図示し
た動力伝達機構1、18により説明したが、この発明の
動力伝達機構は、カーエアコン用コンプレッサを駆動す
るモータ等に組み付けて使用することができる。また、
動力伝達機構の構造や構成部品の形状、材質も、従動側
機器に伝達する動力の大きさに応じた設計条件を満足す
るものであれば設計を変更することができる。
【0038】
【発明の効果】第1の発明は、弾性部材にこの弾性部材
の中心を中心とする基準円上に被挾持部を介在して隣接
する円弧状の連結部を設け、保持板の保持部の外周面を
弾性部材の連結部の内周面より半径寸法を小さくすると
ともに、弾性部材の被挾持部の内周面を保持板の外周面
より半径寸法を大きくして、過負荷が加わったとき、弾
性部材の被挾持部が第1回転部材または第2回転部材と
保持板の保持部との間から抜け出して弾性部材の連結部
が弾性復帰するように組み付けたので、第2回転部材の
回転方向に関係なくコンプレッサ等への組み付けが可能
な動力伝達機構を提供することができる。
【0039】第2の発明は、第1の発明において、弾性
部材は、連結部の被挾持部側の端部が曲率半径の小さい
内周面および外周面に形成され、被挾持部が半径方向内
側に突出している構成を採用したので、連結部から被挾
持部へと偏曲する部位に応力が集中して亀裂が発生した
り破損したりすることがなく、品質に優れた動力伝達機
構を提供することができる。
【0040】第3の発明は、第1、2の発明において、
弾性部材は、この弾性部材の中心を中心とする基準円上
において基部を介在して隣接する円弧状の連結部が設け
られているとともに、連結部の基部側の端部が曲率半径
の小さい内周面に形成され、基部が半径方向内側に突出
している構成を採用したので、連結部から基部へと偏曲
する部位に応力が集中して亀裂が発生したり破損したり
することがなく、品質に優れた動力伝達機構を提供する
ことができる。
【0041】第4の発明は、第3の発明において、弾性
部材に、半径方向内側に延設され第1回転部材のフラン
ジ部の外側面に重ねられて固定された複数の基部を設
け、第1回転部材のフランジ部の外周面には、弾性部材
の基部の板幅より大きい円周方向の溝幅に設定された基
部と同数の凹陥部を設けた構成を採用したので、第2回
転部材と保持板および弾性部材を同軸線上にあらかじめ
組み付けた状態で、コンプレッサ等への組立作業ができ
る。したがって、コンプレッサ等への組み付け作業が簡
単にできる動力伝達機構を提供することができる。
【0042】第5の発明は、第4の発明において、第1
回転部材の凹陥部は、円周方向で対向する壁面に傾斜面
を形成して、フランジ部の内側面側からフランジ部の外
側面側に向かって円周方向の溝幅が漸次広くなるように
したので、基部と凹陥部の位置を合わせてから第1回転
部材を回動することにより、弾性部材の基部を連結部の
弾性復帰力に抗して傾斜面からフランジ部の外側面に移
動することができる。したがって、特別な治具を使用す
ることなくコンプレッサ等に簡単に組み付けられる動力
伝達機構を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態として示された動力伝達機構
の平面図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】図2のB−B線矢視図である。
【図4】(a)は弾性部材の平面図であり、(b)は弾
性部材の断面図である。
【図5】第2の実施の形態として示された動力伝達機構
の平面図である。
【図6】図5のC−C線断面図である。
【符号の説明】
3 第1回転部材 6 第2回転部材 13 弾性部材 17 保持板 19 第1回転部材 20 第2回転部材 22 保持板 24 弾性部材

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同軸線上で互いに回転自在に配設された
    第1回転部材および第2回転部材と、 外周面から半径方向外側に突出した複数の保持部が円周
    方向に間隔をおいて設けられ前記第1回転部材または前
    記第2回転部材に固定された保持板と、 前記第2回転部材または前記第1回転部材に固定された
    複数の基部と、隣接する基部の間において内周面から半
    径方向内側に突出した前記保持部と同数の被挾持部と、
    前記基部と前記被挾持部とを連結する板厚方向に弾性変
    形可能な複数の連結部が設けられ、前記被挾持部が前記
    第1回転部材または前記第2回転部材と前記保持板の保
    持部との間に離脱可能に挾持された環状の弾性部材とを
    備え、 前記弾性部材は、この弾性部材の中心を中心とする基準
    円上において前記被挾持部を介在して隣接する円弧状の
    前記連結部が設けられているとともに、 前記保持板の保持部の外周面は前記弾性部材の連結部の
    内周面より半径寸法が小さく設定されるとともに、前記
    弾性部材の被挾持部の内周面は前記保持板の外周面より
    半径寸法が大きく設定され、 前記第1回転部材または前記第2回転部材に過負荷が加
    わったとき、前記弾性部材の被挾持部は前記第1回転部
    材または前記第2回転部材と前記保持板の保持部との間
    から抜け出して前記弾性部材の連結部が弾性復帰するこ
    とを特徴とする動力伝達機構。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載された動力伝達機構にお
    いて、弾性部材は、連結部の被挾持部側の端部が曲率半
    径の小さい内周面および外周面に形成され、前記被挾持
    部が半径方向内側に突出していることを特徴とする動力
    伝達機構。
  3. 【請求項3】 請求項1、2に記載された動力伝達機構
    において、弾性部材は、この弾性部材の中心を中心とす
    る基準円上において基部を介在して隣接する円弧状の連
    結部が設けられているとともに、前記連結部の基部側の
    端部が曲率半径の小さい内周面に形成され、前記基部が
    半径方向内側に突出していることを特徴とする動力伝達
    機構。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載された動力伝達機構にお
    いて、弾性部材には、半径方向内側に延設され第1回転
    部材のフランジ部の外側面に重ねられて固定された複数
    の基部が設けられ、前記第1回転部材のフランジ部の外
    周面には、前記弾性部材の基部の板幅より大きい円周方
    向の溝幅に設定された前記基部と同数の凹陥部が設けら
    れていることを特徴とする動力伝達機構。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載された動力伝達機構にお
    いて、第1回転部材の凹陥部は、円周方向で対向する壁
    面が傾斜面に形成され、フランジ部の内側面側からフラ
    ンジ部の外側面側に向かって円周方向の溝幅が漸次広く
    なっていることを特徴とする動力伝達機構。
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