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JP2003059130A - 成膜装置、成膜方法、光記録媒体の製造方法および光記録媒体 - Google Patents

成膜装置、成膜方法、光記録媒体の製造方法および光記録媒体

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Publication number
JP2003059130A
JP2003059130A JP2001250760A JP2001250760A JP2003059130A JP 2003059130 A JP2003059130 A JP 2003059130A JP 2001250760 A JP2001250760 A JP 2001250760A JP 2001250760 A JP2001250760 A JP 2001250760A JP 2003059130 A JP2003059130 A JP 2003059130A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
target
carrier
forming
substrate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001250760A
Other languages
English (en)
Inventor
Toru Abiko
透 安孫子
Etsuro Ikeda
悦郎 池田
Nobuaki Furuichi
信明 古市
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP2001250760A priority Critical patent/JP2003059130A/ja
Publication of JP2003059130A publication Critical patent/JP2003059130A/ja
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  • Physical Vapour Deposition (AREA)
  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)
  • Manufacturing Optical Record Carriers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】絶縁性の基板上に少なくとも金属膜および誘電
体膜を積層形成する際に、異常放電が発生せずに形成し
た膜の破壊が発生しない成膜装置および成膜方法を提供
する。 【解決手段】金属膜を成膜するためのターゲット91
と、ターゲット91を保持する電極92と、直流電源6
5とを備える第1のスパッタ室CH1、CH3と、誘電
体膜を成膜するためのターゲット91と、ターゲット9
1を保持する電極92と、電極92に高周波電圧を印加
するRF電源60とを備える第2のスパッタ室CH2、
CH4、CH5と、基板52を保持するキャリア6と、
キャリア6を電気的に浮遊した状態で保持し、キャリア
6を第1および第2のスパッタ室の間で搬送する搬送装
置3と、を有し、第2のスパッタ室CH2、CH4、C
H5に位置決めされたキャリア6を接地して成膜を行
う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえば、光記録
媒体等の金属膜および誘電体膜を積層成膜する成膜装置
および成膜方法に関する。
【0002】
【従来の技術】多量の情報を記録、消去可能ないわゆる
書き換え可能な光ディスクの代表例としては、相変化光
ディスクと光磁気ディスクが知られている。相変化光デ
ィスクは、レーザ光照射による昇温、冷却時に生じる結
晶、アモルファス間の可逆的構造変化を記録層に応用し
たものである。上記の相変化光ディスクの基本的な構造
としては、たとえば、ポリカーボネート等の樹脂からな
る基板上に第1の誘電体膜、相変化材料からなる記録
膜、第2の誘電体膜、アルミニウムなどの金属膜からな
る反射膜がこの順に形成されたものが一般的ある。以
下、この構造の光ディスクを順成膜型と呼ぶ。この光デ
ィスクは、基板側から反射膜に向けてレーザ光の照射を
行うことにより、記録膜への情報の記録および記録膜か
らの情報の再生を行う。このような順成膜型の光ディス
クの各膜は、たとえば、複数のチャンバをもち、各真空
チャンバでスパッタリングによって順次成膜を行う成膜
装置によって成膜される。この成膜装置では、まず、電
極に支持されたターゲットに対向するように基板と基板
の内周部と外周部を覆う金属製のマスクとをキャリアに
固定し、チャンバ内にアルゴン等のスパッタガスを導入
し、電極にRF(Radio Frequency)またはDC(直流)
を印加して放電させ、ターゲット近傍にプラズマを発生
させる。一般的には、ターゲットが誘電体である場合に
はRFが用いられ、ターゲットが金属の場合にはDCが
用いられる。これにより、プラズマ中の正イオンをター
ゲットに衝突させてスパッタリングを起こし、ターゲッ
ト原子を放出させて基板に堆積させる。このとき、成膜
中にキャリアを接地した状態で成膜すると、金属である
マスクに電流が集中し、そのジュール熱によりポリカー
ボネートなどからなる基板が溶けてしまうため、キャリ
アを絶縁部材で支持し電気的に浮遊状態にして成膜を行
う。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記した順
成膜型の光ディスクよりも高密度の記録が可能な光ディ
スクとして、順成膜型の光ディスクとは膜構成の順序が
逆となった、すなわち、基板上に金属膜からなる反射膜
が形成され、次いで第1の誘電体膜、記録膜、第2の誘
電体膜の順に形成されたものが提案されている。以下、
この構造の光ディスクを逆成膜型と呼ぶ。この逆成膜型
の光ディスクは、第2の誘電体膜側から反射膜に向けて
レーザ光の照射を行うことにより、記録膜への情報の記
録および記録膜からの情報の再生を行う。しかしなが
ら、逆成膜型の光ディスクの成膜を、上記したキャリア
を電気的に浮遊状態した成膜装置を用いて行うと、成膜
中に光ディスクの外周部に設けた金属製のマスクと光デ
ィスクとの間で異常放電が発生し、光ディスクの基板上
に形成された膜が破壊され、良好な品質の膜が成膜でき
ないことがあるという問題があった。この異常放電は、
DC電源を用いて成膜を行ったのちに、RF電源を用い
て成膜を行ったときに発生していた。
【0004】本発明は、上述した問題に鑑みてなされた
ものであって、その目的は、樹脂製の基板上に少なくと
も金属膜および誘電体膜を積層形成する際に、異常放電
が発生せずに形成した膜の破壊が発生しない成膜装置お
よび成膜方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の観点に係
る成膜装置は、絶縁性の基板上に少なくとも金属膜と誘
電体膜とをスパッタリングによって形成する成膜装置で
あって、前記金属膜を成膜するためのターゲットと、当
該ターゲットを保持する電極と、当該電極に直流電圧を
印加する直流電源とを備える第1のスパッタ室と、前記
誘電体膜を成膜するためのターゲットと、当該ターゲッ
トを保持する電極と、当該電極に高周波電圧を印加する
RF電源とを備える第2のスパッタ室と、前記基板を保
持するキャリアと、前記キャリアを電気的に浮遊した状
態で保持し、前記キャリアを前記第1および第2のスパ
ッタ室の間で搬送し、当該各スパッタ室のターゲットに
対向する位置に位置決め可能な搬送手段と、前記第2の
スパッタ室に位置決めされた前記キャリアを基準電位に
接続する接地手段とを有する。
【0006】本発明の第2の観点に係る成膜装置は、絶
縁性の基板上に少なくとも金属膜と誘電体膜とをスパッ
タリングによって形成する成膜装置であって、前記金属
膜を成膜するためのターゲットと、当該ターゲットを保
持する電極と、当該電極に直流電圧を印加する直流電源
とを備える第1のスパッタ室と、前記誘電体膜を成膜す
るためのターゲットと、当該ターゲットを保持する電極
と、当該電極に高周波電圧を印加するRF電源とを備え
る第2のスパッタ室と、前記基板を保持するキャリア
と、前記キャリアを電気的に浮遊した状態で保持し、前
記キャリアを前記第1および第2のスパッタ室の間で搬
送し、当該各スパッタ室のターゲットに対向する位置に
位置決め可能な搬送手段と、前記第1および第2のスパ
ッタ室において前記基板への成膜が終了した後に前記キ
ャリアを基準電位に接続する接地手段とを有する。
【0007】本発明の第3の観点に係る成膜装置は、絶
縁性の基板上に少なくとも金属膜と誘電体膜とをスパッ
タリングによって形成する成膜装置であって、前記金属
膜を成膜するためのターゲットと、当該ターゲットを保
持する電極と、当該電極に電圧を印加する電源とを備え
る第1のスパッタ室と、前記誘電体膜を成膜するための
ターゲットと、当該ターゲットを保持する電極と、当該
電極に電圧を印加する電源とを備える第2のスパッタ室
と、前記基板を保持するキャリアと、前記キャリアを電
気的に浮遊した状態で保持し、前記キャリアを前記第1
および第2のスパッタ室の間で搬送し、当該各スパッタ
室のターゲットに対向する位置に位置決め可能な搬送手
段と、前記第1および第2のスパッタ室の電源は、前記
電極に高周波電圧を印加するRF電源または前記電極に
断続的に直流電圧を印加する直流チョッパ電源であるこ
とを特徴とする。
【0008】本発明の第1の観点に係る成膜方法は、絶
縁性の基板上に少なくとも金属膜と誘電体膜とをスパッ
タリングによって形成する成膜方法であって、前記基板
を保持するキャリアを電気的に浮遊した状態で保持し、
当該キャリアを前記金属膜を形成するためのターゲット
に対向させ、当該ターゲットを保持する電極に直流電源
により直流電圧を印加して放電させることによりターゲ
ット原子を放出させ、前記金属膜を前記基板上に成膜す
る工程と、前記金属膜を形成したのち、前記キャリアを
前記誘電体膜を形成するためのターゲットに対向させ、
当該ターゲットを保持する電極にRF電源により高周波
電圧を印加して放電させることによりターゲット原子を
放出させ、前記誘電体膜を前記基板上に成膜する工程
と、を有し、前記誘電体膜の形成を、前記キャリアを基
準電位に接続した状態で行うことを特徴とする。
【0009】本発明の第2の観点に係る成膜方法は、絶
縁性の基板上に少なくとも金属膜と誘電体膜とをスパッ
タリングによって形成する成膜方法であって、前記基板
を保持するキャリアを電気的に浮遊した状態で保持し、
当該キャリアを前記金属膜を形成するためのターゲット
に対向させ、当該ターゲットを保持する電極に直流電源
により直流電圧を印加して放電させることによりターゲ
ット原子を放出させ、前記金属膜を前記基板上に成膜す
る工程と、前記キャリアを前記誘電体膜を形成するため
のターゲットに対向させ、当該ターゲットを保持する電
極にRF電源により高周波電圧を印加して放電させるこ
とによりターゲット原子を放出させ、前記誘電体膜を前
記基板上に成膜する工程と、前記金属膜および前記誘電
体膜の成膜完了毎に前記キャリアを基準電位に接続する
工程とを有する。
【0010】本発明の第3の観点に係る成膜方法は、絶
縁性の基板上に少なくとも金属膜と誘電体膜とをスパッ
タリングによって形成する成膜方法であって、前記基板
を保持するキャリアを電気的に浮遊した状態で保持し、
当該キャリアを前記金属膜を形成するためのターゲット
に対向させ、当該ターゲットを保持する電極に電圧を印
加して放電させることによりターゲット原子を放出さ
せ、前記金属膜を前記基板上に成膜する工程と、前記キ
ャリアを前記誘電体膜を形成するためのターゲットに対
向させ、当該ターゲットを保持する電極に電圧を印加し
て放電させることによりターゲット原子を放出させ、前
記誘電体膜を前記基板上に成膜する工程と、を有し、前
記金属膜および前記誘電体膜を成膜するのに用いる電源
に、前記電極に高周波電圧を印加するRF電源または前
記電極に断続的に直流電圧を印加する直流チョッパ電源
を用いることを特徴とする。
【0011】本発明の第1の観点に係る光記録媒体の製
造方法は、絶縁性の基板上に少なくとも反射膜、第1の
誘電体膜、記録膜および第2の誘電体膜が形成された光
記録媒体の製造方法であって、前記反射膜および前記記
録膜の形成は、前記基板を保持するキャリアを電気的に
浮遊した状態で保持し、当該キャリアを前記反射膜また
は前記記録膜を形成するためのターゲットに対向させ、
当該ターゲットを保持する電極に直流電源により直流電
圧を印加して放電させることによりターゲット原子を放
出させて行い、前記第1および第2の誘電体膜の形成
は、前記キャリアを前記第1または第2の誘電体膜を形
成するためのターゲットに対向させ、当該ターゲットを
保持する電極にRF電源により高周波電圧を印加して放
電させることによりターゲット原子を放出させて行い、
前記第1および第2の誘電体膜の形成完了毎に前記キャ
リアを基準電位に接続することを特徴とする。
【0012】本発明の第2の観点に係る光記録媒体の製
造方法は、絶縁性の基板上に少なくとも反射膜、第1の
誘電体膜、記録膜および第2の誘電体膜が形成された光
記録媒体の製造方法であって、前記反射膜および前記記
録膜の形成は、前記基板を保持するキャリアを電気的に
浮遊した状態で保持し、当該キャリアを前記反射膜また
は前記記録膜を形成するためのターゲットに対向させ、
当該ターゲットを保持する電極に直流電源により直流電
圧を印加して放電させることによりターゲット原子を放
出させて行い、前記第1および第2の誘電体膜の形成
は、前記キャリアを前記第1または第2の誘電体膜を形
成するためのターゲットに対向させ、当該ターゲットを
保持する電極にRF電源により高周波電圧を印加して放
電させることによりターゲット原子を放出させて行い、
前記各膜の成膜完了毎に前記キャリアを基準電位に接続
することを特徴とする。
【0013】本発明の第3の観点に係る光記録媒体の製
造方法は、絶縁性の基板上に少なくとも反射膜、第1の
誘電体膜、記録膜および第2の誘電体膜が形成された光
記録媒体の製造方法であって、前記各膜の形成は、前記
基板を保持するキャリアを電気的に浮遊した状態で保持
し、当該キャリアを前記各膜を形成するためのターゲッ
トにそれぞれ対向させ、当該ターゲットを保持する電極
に電源により電圧を印加して放電させることによりター
ゲット原子を放出させて行い、前記電源に、前記電極に
高周波電圧を印加するRF電源または前記電極に断続的
に直流電圧を印加する直流チョッパ電源を用いることを
特徴とする。
【0014】本発明の第1の観点に係る光記録媒体は、
絶縁性の基板上に少なくとも反射膜、第1の誘電体膜、
記録膜および第2の誘電体膜が形成された光記録媒体で
あって、前記反射膜および記録膜が、前記基板を保持す
るキャリアを電気的に浮遊した状態で保持し、当該キャ
リアを前記反射膜または記録膜を形成するためのターゲ
ットに対向させ、当該ターゲットを保持する電極に直流
電源により直流電圧を印加して放電させることによりタ
ーゲット原子を放出させる工程によって形成され、前記
第1および第2の誘電体膜が、キャリアを前記第1また
は第2の誘電体膜を形成するためのターゲットに対向さ
せ、当該ターゲットを保持する電極にRF電源により高
周波電圧を印加して放電させることによりターゲット原
子を放出させる工程によって形成され、前記第1および
第2の誘電体膜が、前記キャリアが基準電位に接続され
た状態で成膜されている。
【0015】本発明の第2の観点に係る光記録媒体は、
絶縁性の基板上に少なくとも反射膜、第1の誘電体膜、
記録膜および第2の誘電体膜が形成された光記録媒体で
あって、前記反射膜および記録膜が、前記基板を保持す
るキャリアを電気的に浮遊した状態で保持し、当該キャ
リアを前記反射膜または記録膜を形成するためのターゲ
ットに対向させ、当該ターゲットを保持する電極に直流
電源により直流電圧を印加して放電させることによりタ
ーゲット原子を放出させる工程によって形成され、前記
第1および第2の誘電体膜が、前記キャリアを前記第1
または第2の誘電体膜を形成するためのターゲットに対
向させ、当該ターゲットを保持する電極にRF電源によ
り高周波電圧を印加して放電させることによりターゲッ
ト原子を放出させる工程によって形成され、前記各膜が
前記各工程の完了毎に前記キャリアが基準電位に接続さ
れ除電された状態で成膜されている。
【0016】本発明の第3の観点に係る光記録媒体は、
絶縁性の基板上に少なくとも反射膜、第1の誘電体膜、
記録膜および第2の誘電体膜が形成された光記録媒体の
製造方法であって、前記各膜は、前記基板を保持するキ
ャリアを電気的に浮遊した状態で保持し、当該キャリア
を前記各膜を形成するためのターゲットにそれぞれ対向
させ、当該ターゲットを保持する電極に電源により電圧
を印加して放電させることによりターゲット原子を放出
させる工程によって形成され、前記電極に高周波電圧を
印加するRF電源または前記電極に断続的に直流電圧を
印加する直流チョッパ電源を前記電源に用いて前記全て
の膜が形成されている。
【0017】本発明の第1の観点においては、基板を保
持するキャリアを電気的に浮遊状態にして金属膜の形成
を直流電源を用いて行う。直流電源を用いると、基板が
絶縁性を有するため、基板が一種のコンデンサとして作
用し基板が帯電する。この帯電が異常放電の発生原因と
なる。特に、直流電源によって帯電した基板にRF電源
を用いて誘電体膜の形成を行うと、異常放電が発生しや
すい。このため、本発明の第1の観点では、RF電源が
用いられる誘電体膜の形成を、電気的に浮遊状態にある
キャリアを基準電位に接続した状態で行う。これによ
り、キャリアに保持された基板はキャリアを通じて除電
され、異常放電が発生しなくなる。
【0018】本発明の第2の観点においては、基板を保
持するキャリアを電気的に浮遊状態にして金属膜の形成
を直流電源を用いて行う。直流電源を用いると、基板が
絶縁性を有するため、基板が一種のコンデンサとして作
用し基板が帯電する。この帯電が異常放電の発生原因と
なる。特に、直流電源によって帯電した基板にRF電源
を用いて誘電体膜の形成を行うと、異常放電が発生しや
すい。このため、本発明の第2の観点では、各膜の成膜
完了毎に、電気的に浮遊状態にあるキャリアを基準電位
に接続する。これにより、基板はキャリアを通じて除電
され、除電された状態で、成膜が開始される。この結
果、帯電した状態で成膜が行われることを回避でき、異
常放電が発生しなくなる。
【0019】本発明の第3の観点では、基板が電気的に
浮遊状態にあるキャリアに保持された状態で、全ての膜
の形成をRF電源あるいは直流チョッパ電源を用いて行
う。RF電源を用いることにより、基板に印加される電
界の向きは周期的に反転するため、基板が帯電すること
がない。また、直流チョッパ電源を用いた場合には、直
流電圧が断続的に電極に印加されるため、連続的に直流
電圧を印加する場合に比べて基板の帯電量が少ない。ま
た、基板が帯電しても、直流電圧の印加を遮断している
間に基板に帯電した電荷が減少するため、基板が殆ど帯
電しない。この結果、異常放電が発生しなくなる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。第1の実施形態 図1は、本発明の一実施形態に係る光記録媒体としての
光ディスクの膜構成を示す断面図である。図1に示す光
ディスク51は、相変化光ディスクであり、基板52上
に反射膜53、第1の誘電体膜54、記録膜55、第2
の誘電体膜56の順に積層され、さらに、第2の誘電体
膜56上に接着層57を介して光透過保護膜58が設け
られている。
【0021】光ディスク51は、光透過保護膜58から
反射膜53に向けてレーザ光を照射することにより、記
録膜55への情報の記録および記録膜55からの情報の
再生が行われる。これにより、スキューマージンを確保
しながら対物レンズの開口数を大きくして高記録密度を
実現できる。
【0022】基板52に用いる材料としては、ポリカー
ボネート系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹
脂等のプラスチック材料がコスト等の点で優れている。
これらの材料以外にも、ガラスを用いることもできる。
基板52に用いられるポリカーボネート樹脂およびポリ
オレフィン系樹脂は、溶融成形時に耐熱性が高いため成
形し易いこと、変質が少ないこと、機械的特性が優れて
いるなどの特徴を有しており特に好ましい。
【0023】基板52は、図2に示すように、外形Do
を有し、中心部に直径Dinの開口51をもつ円盤状の部
材である。図2に示す領域R1は、反射膜53、第1の
誘電体膜54、記録膜55、第2の誘電体膜56の成膜
領域である。この成膜領域R1は、基板52の外形Do
よりも小さい外形do をもち、基板52の内径Dinより
も大きい内径dinをもつ環状の領域である。また、光透
過保護膜58および接着層57の外径は、成膜領域R1
の外径doよりも大きく、基板52の外径Do より小さ
い。光透過保護膜58および接着層57の内径は、成膜
領域R1の内径dinよりも小さく、基板52の内径Din
よりも大きい。
【0024】基板52の作製には、射出成形法や紫外線
硬化樹脂を使うフォトポリマー(2P法)を用いること
ができる。これらの方法以外にも、所望の形状と光学的
に十分な基板表面の平滑性が得られる方法であれば良
い。基板52の厚さは特に限定されないが、0.3mm
以上1.3mm以下であることが好ましい。基板の厚さ
が0.3mmより薄いと、光ディスク51の強度が下が
ったり光ディスク51に反りが発生しやすくなる。逆
に、1.3mmより厚いと、光ディスクの厚みがCD(c
ompact disc)やDVD(digital versatile disc)のもつ
厚み1.2mmよりも厚くなるので、これら全てに対応
する記録再生装置を開発する場合に、CDやDVDと同
じディスクトレイを共用できなくなる可能性がある。
【0025】また、光ディスク51では、記録再生のた
めのレーザーが光透過保護膜58から反射膜53に向け
て入射するため、基板52の材料を金属等の非透明材料
としてもよい。また、光ディスク51の基板52には、
記録層54が形成される側の面には凹凸の溝トラックが
形成されていてもよい。この溝を案内としてレーザービ
ームが光ディスク52上の任意へと移動できる。溝形状
はスパイラル状、同心円状、ピット列等、各種の形状が
適用可能である。
【0026】反射膜53は、金属あるいは半金属で形成
されている。この反射膜53は、たとえば、反射として
の機能を考えた場合には、記録再生用レーザーの波長に
対して反射能を有し、熱伝導率が0.0004[j/(cm・K・
s)]〜4.5[j/(cm・K・s)]なる値を有する金属元素、
半金属元素およびそれらの化合物あるいは混合物で形成
するのが好ましい。具体的に例示するならば、Al、A
g、Au、Ni、Cr、Ti、Pd、Co、Si、T
a、W、Mo、Ge等の単体、あるいはこれらを主成分
とする合金を挙げることができる。これらのうち、特に
Al系、Ag系、Au系、Si系、Ge系の材料が実用
性の面から好ましい。合金としては、たとえば、Al−
Ti、Al−Cr、Al−Co、Al−Mg−Si、A
g−Pd−Cu、Ag−Pd−Ti、Si−B等が挙げ
られる。これらの材料を光学特性および熱特性を考慮し
て反射膜53を形成する。一般には、反射膜53の膜厚
を光が透過しない程度の厚さ(たとえば、50nm以
上)に設定すると、反射率が高くなり、また、熱が逃げ
やすくなる。特に、Al系やAg系材料は単波長領域に
おいても高反射率を有する(たとえば、λ=400nm
のとき80%以上)ので好適である。
【0027】記録膜55は、アモルファス状態と結晶状
態の可逆的相変化を生じる相変化材料により形成されて
いる。記録膜55の形成材料は、たとえば、Te、S
e、Ge−Sb−Te、Ge−Te、Sb−Te、In
−Sb−Te、Ag−In−Te、Au−In−Sb、
Ge−Sb−Te−Pd、Ge−Sb−Te−Se、I
n−Sb−Se、Bi−Te、Bi−Se、Sb−S
e、Ge−Sb−Te−Bi、Ge−Sb−Te−C
o、Ge−Sb−Te−Auを含む系、あるいはこれら
の系に窒素、酸素などのガス添加物を導入した系等を挙
げることができる。特に、使用されるレーザー、線速度
において、結晶化が不可能となる結晶化速度を持った材
料が好ましく、これらのうち、特に好適なのはSb−T
e系を主成分とする材料であり、Sb/Teの比率が
2.3以上であるものが好ましい。これに任意の元素、
たとえば、例えばSeやPd、あるいは、GeやIn、
窒素、酸素等を添加したものも好適である。
【0028】また、記録膜55は、使用されるレーザー
および線速度において、結晶化が不可能となる結晶化速
度をもっている。さらに、レーザービームの強弱によ
り、アモルファス状態を作りだし、この状態変化による
反射率等の光学的変化を利用して、記録、再生の動作を
行うことが可能になる。なお、一般的には、成膜後、低
波長、大パワーレーザーを用いて、十分な結晶化時間を
与えて一旦結晶化(一般に初期化と呼ぶ)されている。
【0029】第1および第2の誘電体膜54,56に用
いる材料としては、記録再生用レーザーの波長に対して
吸収能のないものが望ましい。具体的には、消衰係数k
の値が0.3以下である材料が好ましい。このような材
料としては、たとえば、ZnS−SiO2 混合体以外に
も、従来より光ディスクに用いられている材料がいずれ
も誘電体膜54,56に適用可能である。たとえば、A
l,Si,Ta,Ti,Zr,Nb,Mg,B,Zn,
Pb,Ca,La,Ge等の金属および半金属等の元素
の窒化物、酸化物、炭化物、フッ化物、硫化物、窒酸化
物、窒炭化物、酸炭化物等からなる層およびこれらを主
成分とする層を用いることができる。具体的には、Al
Nx(0.5≦x≦1)、特に、AlN、Al23-X
(0≦x≦1)、特に、Al23 、SiN4-x (0≦
x≦1)、特に、Si34 、SiOx (1≦x≦
2)、特に、SiO2 、SiO、MgO、Y23 、M
gAl23 、TiOx (1≦x≦2)、特に、TiO
2 、BaTiO3 、StTiO3 、Ta25-X 、Ge
x (1≦x≦2)、SiC、ZnS、PbS、Ge−
N、Ge−N−O、Si−N−O、CaF 2 、LaF、
MgF2 、NaF,ThF4 等を挙げることができる。
これらの材料からなる層およびこれらの材料を主成分と
する層が適用可能である。あるいは、これらの混合物、
たとえば、AlN−SiO2 からなる層を適用可能であ
る。
【0030】光透過保護膜58は、記録再生を行うレー
ザー光の波長に対して吸収能を有しない材料から形成す
ることが好ましい。具体的には透過率は90%以上の材
料とする。また、光透過保護膜58の厚さは、0.3m
m以下とすることが好ましい。特に、厚さを3μm〜1
77μmとし、高い開口数NA(たとえば、0.85)
と組み合わすことで、これまでにない高密度記録を実現
することができる。光透過保護膜58の形成材料には、
ポリカーボネート樹脂やポリオフィレン系樹脂などを用
いることができる。光透過保護膜58は、たとえば、樹
脂を押し出し装置に投入し、ヒーターにより溶融してシ
ート状に押し出し、複数個の冷却ロールを使用してシー
トにし、所定形状に裁断することによって作製する。ま
た、光透過保護膜58の表面上にゴミが付着したり、キ
ズがついたりすることを防止する目的で、有機系あるい
は無機系の材料からなる保護膜をさらに形状してもよ
い。この場合も記録再生を行うレーザーの波長に対して
吸収能をほとんど有しない材料が望ましい。
【0031】接着層57には、たとえば、紫外線硬化樹
脂を用いることができ、紫外線照射により光透過保護膜
58と第2の誘電体膜56を貼り合わせる。
【0032】図3は、本発明の第1の実施形態に係る成
膜装置の構成図である。なお、図3は、成膜装置1を上
方から見たときの構成を示す図である。成膜装置1を用
いて、上記構成の光ディスク51の反射膜53、第1の
誘電体膜54、記録膜55および第2の誘電体膜56を
成膜する。
【0033】図3に示す成膜装置1は、中央部に搬送室
2が設けられ、この搬送室2の周囲にロードロック室L
CHと複数のスパッタ室CH1〜CH5とが設けられて
いる。
【0034】搬送室2は、ロードロック室LCHおよび
各スパッタ室CH1〜CH5と連通しており、図示しな
い真空ポンプによって内部を高真空に減圧可能となって
いる。搬送室2内の中心部には、搬送装置3が設置され
ている。搬送装置3は、複数のアーム3aを備えてお
り、これら複数のアーム3aは、それぞれロードロック
室LCHおよび各スパッタ室CH1〜CH5に向かって
延びており、図示しない駆動機構によりロードロック室
LCHおよび各スパッタ室CH1〜CH5に対して接近
および離隔する向きに伸縮する。また、搬送装置3は、
矢印R2の向きに所定角度毎に回転し、各アーム3aを
ロードロック室LCHおよび各スパッタ室CH1〜CH
5に順次位置決め可能となっている。
【0035】各アーム3aには、ロードロック室LCH
および各スパッタ室CH1〜CH5のゲートを開閉する
ためのゲートバルブ5が固定されている。さらに、各ア
ーム3aの先端には、基板52を保持するための金属製
のキャリア6が絶縁部材4を介して固定されている。キ
ャリア6は、絶縁部材4を介してアーム3aの先端に保
持されているため、電気的に浮遊状態にある。ゲートバ
ルブ5は、アーム3aが伸縮することによりロードロッ
ク室LCHおよび各スパッタ室CH1〜CH5のゲート
を開閉する。このキャリア6には、基板52と、上記し
た成膜領域R1を形成するための内側マスク82および
外側マスク81が固定される。内側マスク82および外
側マスク81は、金属製である。
【0036】ロードロック室LCHは、図示しない開閉
可能な投入口および排出口を備えており、この投入口を
通じて外部から基板52がロードロック室LCHに投入
され、また、排出口から反射膜53、第1の誘電体膜5
4、記録膜55および第2の誘電体膜56が成膜された
基板52が排出される。このロードロック室LCHは、
ゲートバルブ5によってゲートが密封された状態で、図
示しない真空ポンプにより高真空状態に減圧される。
【0037】スパッタ室CH1は反射膜53の成膜を行
い、スパッタ室CH2は第1の誘電体膜54の成膜を行
い、スパッタ室CH3は記録膜55の成膜を行い、スパ
ッタ室CH4は第2の誘電体膜56の一部の成膜を行
い、スパッタ室CH5は第2の誘電体膜56の残りの成
膜を行う。これらスパッタ室CH1〜CH5内には、電
極92およびこの電極92に保持されたターゲット91
が設けられている。また、スパッタ室CH1〜CH5内
には、ターゲット91に対向する位置に位置決めされた
基板52の周囲を囲むようにシールド7が設けられてい
る。シールド7は、金属製である。ターゲット91は、
各スパッタ室CH1〜CH5において成膜する膜の材料
に応じた材料で形成されている。スパッタ室CH1〜C
H5は、ゲートバルブ5によってゲートが密封された状
態で、図示しない真空ポンプにより高真空状態に減圧さ
れる。
【0038】各スパッタ室CH1〜CH5は、グラウン
ドに接地されているが、電極92は絶縁部材93によっ
てスパッタ室CH1〜CH5と絶縁されている。また、
スパッタ室CH1およびCH3の電極92には、DC電
源65が接続され、スパッタ室CH2,CH4およびC
H5の電極92にはRF電源60が接続されている。D
C電源65は、電極92に直流電圧を印加し、RF電源
60は電極92に高周波電圧を印加する。
【0039】また、スパッタ室CH1〜CH5には、図
示しない供給管により、たとえば、アルゴンガスなどの
スパッタガスが導入され、電極92にDC電源65また
はRF電源60により電圧を印加して放電させることに
より、ターゲット91の近傍にプラズマが発生する。こ
のプラズマ中の正イオンをターゲット91に衝突させて
スパッタリングを起こし、ターゲット原子を放出させて
基板52に堆積させる。
【0040】図4は、上記構成の成膜装置1の動作を説
明するための図である。図4に示すように、搬送装置3
の各アーム3aを同期して縮めることにより、ゲートバ
ルブ5が移動し、ロードロック室LCHおよびスパッタ
室CH1〜CH5が搬送室2に連通する。この状態か
ら、各アーム3aを同期して矢印R2の向きに所定角度
回転させることにより、ロードロック室LCHにあった
基板52はスパッタ室CH1へ、スパッタ室CH1にあ
った基板52はスパッタ室CH2へ、スパッタ室CH2
にあった基板52はスパッタ室CH3へ、スパッタ室C
H3にあった基板52はスパッタ室CH4へ、スパッタ
室CH4にあった基板52はスパッタ室CH5へ、スパ
ッタ室CH5にあった基板52はロードロック室LCH
に搬送される。搬送後に、各アーム3aを伸ばすことに
より、ロードロック室LCHおよび各スパッタ室CH1
〜CH5のゲートが各ゲートバルブ5によって閉じられ
る。この状態で、基板52は、各ターゲット91に対向
する位置に位置決めされている。
【0041】上記の動作を繰り返し行うことにより、ロ
ードロック室LCHから投入された基板52は、スパッ
タ室CH1〜CH5を通じて、再びロードロック室LC
Hから排出される。
【0042】ところで、上記したように、成膜装置1で
は、キャリア6は基本的には、電気的に浮遊状態にあ
る。キャリア6を電気的に浮遊状態としたのは、DC電
源65を用いて成膜を行うと、にキャリア6を接地した
状態で成膜すると、金属である外側マスク81に電流が
集中し、そのジュール熱によりポリカーボネートなどか
らなる基板52が溶けてしまうためである。しかしなが
ら、RF電源60を用いて成膜を行う場合には、上記の
現象が発生しない。一方、キャリア6が電気的に浮遊状
態でDCを印加すると、基板52が帯電する。基板52
が帯電した状態で、RF電源60を用いて再び成膜する
と、基板52から外側マスク81に向けて異常放電が発
生することが観察の結果分かっている。このため、本実
施形態では、RF電源60を用いて成膜を行うスパッタ
室CH2,CH4およびCH5に位置決めされたキャリ
ア6をグラウンドに接続し、基板52の除電が可能にな
っている。
【0043】図5は、スパッタ室CH2,CH4および
CH5に位置決めされたキャリア6を接地するための構
造の一例を示す図である。図5(a)は、搬送装置3の
アーム3aが縮み、ゲートバルブ5がスパッタ室CH
2,CH4およびCH5から離れた状態を示している。
図5(a)に示すように、スパッタ室CH2,CH4お
よびCH5に設けられたシールド7は、スパッタ室CH
2,CH4およびCH5の筐体を通じて接地されてい
る。このシールド7の内周側には、たとえば、金属製の
スプリング等からなる導電性の当接部材80が設けられ
ている。
【0044】図5(a)に示す状態から、図5(b)に
示すように、アーム3aを伸ばしてゲートバルブ5によ
ってスパッタ室CH2,CH4およびCH5のゲートを
閉じると、当接部材80はキャリア6に当接する。これ
により、キャリア6は接地される。
【0045】なお、本実施形態では、当接部材80をシ
ールド7に設けることにより、キャリア6を接地する構
成としたが、この構成以外にもキャリア6を接地するこ
とができる手段であればよい。
【0046】次に、上記構成の成膜装置1を用いて光デ
ィスク51の反射膜53、第1の誘電体膜54、記録膜
55および第2の誘電体膜56の成膜方法の一例につい
て説明する。まず、基板52をロードロック室LCHに
投入し、キャリア6に固定する。このとき、基板52の
中心部に内側マスク82を固定し、さらに、基板52の
外周部に外側マスク81を固定する。基板52は、たと
えば、直径120mm、厚さ1.1mmのポリカーボネ
ートからなる基板52を用意した。この基板52は片面
に凹凸形状のランド・グルーブとよばれる溝が設けられ
ている。この溝の間隔(トラックピッチ)は0.32μ
mである。
【0047】次いで、基板52をスパッタCH1に搬送
し位置決めしたのち、電極92にDC電源65によりD
Cを印加し、基板52の凹凸面側に反射膜53を形成す
る。たとえば、ターゲット91には、Ag合金を用い
た。また、DC電源65の出力を3kWとし、反射膜5
3を1000Åの膜厚で成膜する。
【0048】基板52への成膜により、ポリカーボネー
トからなる基板52は、絶縁性を有し、かつ電気的に浮
遊した状態にあるので、基板52は電極92へDCを印
加することにより帯電する。
【0049】次いで、反射膜53の成膜が終了したの
ち、基板52を搬送装置によりスパッタ室CH2に搬送
する。搬送中には、キャリア6は接地されておらず、こ
のため、基板52は帯電した状態にある。搬送装置3の
アーム3aを伸ばしてキャリア6をスパッタ室CH2に
位置決めすると、キャリア6と上記したシールド7に設
けれられた当接部材80が当接すし、キャリア6は接地
される。これにより、帯電した状態にあった基板52は
除電される。
【0050】次いで、スパッタ室CH2において、第1
の誘電体膜54の成膜を行う。たとえば、スパッタ室C
H2のターゲット91には、ZnS−SiO2 を用い、
RF電源65の出力を1kWとして、誘電体膜54を1
00Åの膜厚で成膜した。このとき、基板52は除電さ
れているので、電極91にRFを印加しても、基板52
から外側マスク81への異常放電は発生しない。
【0051】次いで、上記した手順と同様に、基板52
をスパッタ室CH3に搬送し、位置決めし、スパッタ室
CH3において、記録膜55を成膜する。たとえば、ス
パッタ室CH3のターゲット91には、SbTe系の材
料を用い、DC電源60の出力を700Wとして記録膜
55を100Åの膜厚で成膜した。このとき、反射膜5
3の成膜の場合と同様に、基板52は帯電する。
【0052】次いで、基板52をスパッタ室CH4に搬
送し、位置決めし、スパッタ室CH4において第2の誘
電体膜56の一部を成膜する。基板52をスパッタ室C
H4に位置決めすると、基板52は除電される。これに
より、異常放電が発生することがない。たとえば、スパ
ッタ室CH4のターゲット91にはZnS−SiO2
用い、RF電源65の出力を4kWとして成膜した。膜
厚は、スパッタ室CH5における成膜と合わせて450
Åとした。なお、第2の誘電体膜56をスパッタ室CH
4、CH5に分けて行うのは、第2の誘電体膜56の成
膜に要する時間が他の反射膜53や記録膜55よりも長
いためである。すなわち、スパッタ室CH4、CH5に
分けて第2の誘電体膜56の成膜を行うことにより、成
膜装置1のタクトタイムを短縮するためである。
【0053】その後、成膜装置1から基板52を取り出
し、ポリカーボネートからなる光透過膜58を第2の誘
電体膜56上に接着剤を介して貼り合わせる。このと
き、接着剤と光透過膜58のトータルの厚さは0.1m
mとなるようにした。
【0054】以上のように、本実施形態では、DC電源
60を用いて成膜される反射膜53や記録膜55の次
に、RF電源65を用いて誘電体膜53や56を成膜す
る際に、キャリア6を接地することにより除電する。こ
れにより、DC電源60によって帯電した基板52の異
常放電の発生を防ぐことができ、基板52に形成した各
種の膜が破壊されるのを防ぐことができる。
【0055】第2実施形態 図6は、本発明の第2の実施形態に係る成膜装置におけ
るスパッタ室の接地構造を説明するための図である。な
お、本実施形態に係る成膜装置の基本的な構成は第1の
実施形態に係る成膜装置1と全く同じである。また、本
実施形態に係る成膜装置を用いて上記構成の光ディスク
51を製造する手順についても上述した第1の実施形態
と全く同様である。上述した第1の実施形態では、異常
放電を防ぐために、RF電源65を使用したスパッタ室
CH2、CH4およびCH5においてのみ、電気的に浮
遊状態にあるキャリア6を接地する構成とした。本実施
形態では、各スパッタ室CH1〜CH5において成膜が
終了する毎に、キャリア6を接地させ、基板52の除電
を行う。
【0056】具体的には、図6(a)に示すように、キ
ャリア6の近傍に導電性を有する当接部材110を設置
する。この当接部材110は、グラウンドに接地されて
いる。また、当接部材110は、キャリア6が移動した
際に、キャリア6に当接可能な位置に配置されている。
図6(a)に示すように、ゲートバルブ5が各スパッタ
室CH1〜CH5を密閉した状態では、キャリア6と当
接部材110とは離隔している。
【0057】各スパッタ室CH1〜CH5において、反
射膜53、第1の誘電体膜54、記録膜55または第2
の誘電体膜56の成膜が終了したのち、基板52を搬送
するために搬送装置3のアーム3aを縮め、ゲートバル
ブ5を開くと、図6(b)に示すように、キャリア6が
当接部材110に当接する。これにより、電気的に浮遊
状態にあったキャリア6は、グラウンドに接地される。
このため、各スパッタ室CH1〜CH5において成膜に
よって基板52が帯電した場合であっても、基板52を
搬送する途中で基板52は除電される。この結果、基板
52は、初めから帯電した状態で成膜が行われることが
なく、異常放電が発生しない。本実施形態に係る成膜装
置を用いて、上述した第1の実施形態と同様の手順で光
ディスク51の成膜を行うことにより、良好な膜質の光
ディスク51が得られる。
【0058】第3実施形態 図7は、本発明の第3の実施形態に係る成膜装置の構成
図である。本実施形態に係る成膜装置200は、基本的
には、第1の実施形態に係る成膜装置1と同様であり、
同一構成部分については同一の符号を使用している。本
実施形態に係る成膜装置200と第1の実施形態に係る
成膜装置1との異なる構成は、本実施形態ではDC電源
65の代わりに、直流チョッパ電源165を用いている
点である。なお、本実施形態に係る成膜装置200で
は、いずれのスパッタ室CH1〜CH5においても、キ
ャリア6は電気的に浮遊した状態で成膜を行う。
【0059】図8は、直流チョッパ電源165の一例を
示す回路図である。図8に示す直流チョッパ電源165
は、直流電源Eと、複数のサイリスタTh 1 、Th2
と、コンデンサCと、複数のコイルL1 、L2 、複数の
ダイオードD 1 、D2 等から構成されており、この回路
が電極92に接続されている。
【0060】この直流チョッパ電源165は、サイリス
タTh1 、Th2 のターンオン、ターンオフにより、電
極92への直流電力の供給を制御する。具体的には、サ
イリスタTh2 をゲートで点弧するとコンデンサCが充
電され、充電電流が保持電流以下になると、サイリスタ
Th2 はターンオフする。次に、サイリスタTh1 をゲ
ートで点弧すると電極92に電源Eの電圧が印加される
とともに、コンデンサCの電荷はサイリスタTh1 −ダ
イオードD1 −コイルL 1 の回路に放電され、LCの共
振回路によりコンデンサCの電荷が逆転する。再び、サ
イリスタTh2 をゲートで点弧すると、コンデンサCの
電荷はサイリスタTh2 を通してサイリスタTh1 の逆
方向に加わり、サイリスタTh1 はターンオフし、コン
デンサCは最初の状態に充電される。このようにして、
サイリスタTh1 、Th2 のゲート点弧時期を制御する
ことにより電極92に電流電圧が断続的に加わる。すな
わち、直流電圧が所定周期で断続的に加わる。
【0061】次に、上記のような直流チョッパ電源16
5を用いた理由について説明する。基板52が電気的に
浮遊状態にあるキャリア6に保持された状態で、各スパ
ッタ室CH1〜CH5において成膜を行うと、直流チョ
ッパ電源165を用いたスパッタ室CH1およびCH3
においては、直流電圧が断続的に電極92に印加される
ため、連続的に直流電圧を印加するDC電源65に比べ
て基板92の帯電量が少ない。さらに、電極92への直
流電圧の印加により、基板92が帯電しても、直流電圧
の印加を遮断している間に基板92に帯電した電荷が減
少する。このため、基板92の帯電量を最小化すること
ができる。
【0062】本実施形態に係る成膜装置200を用い
て、上述した第1の実施形態と同様の手順で光ディスク
51の反射膜53、第1の誘電体膜54、記録膜55お
よび第2の誘電体膜56を実際に成膜すると、異常放電
による膜の破壊が発生しなかった。なお、このときの、
直流チョッパ電源165の直流電圧の周波数は、200
kHz、遮断時間は1.136μsecとした。
【0063】なお、本実施形態では、DC電源に代えて
直流チョッパ電源165を用いた場合について説明した
が、各スパッタ室CH1〜CH5の全てにRF電源60
を使用する構成とすることも可能である。この場合に
は、基板92が帯電することがないため、異常放電によ
る膜の破壊の発生を防ぐことができる。
【0064】以上のように種々の実施形態を挙げて本発
明を説明したが、本発明は上述した実施形態に限定され
ない。上述した実施形態に係る成膜装置を光ディスクを
製造するのに用いる場合について説明したが、金属膜お
よび誘電体膜を電気的に浮遊状態で保持された絶縁性の
基板にスパッタリングにより積層形成する対象であれば
あらゆる分野に適用可能である。
【0065】また、上述した実施形態では、光ディスク
51の膜構成として、基板52上に反射膜53、第1の
誘電体膜54、記録膜55および第2の誘電体膜56が
積層されたものの場合について説明した。たとえば、図
9に示すように、記録膜55の表面のうち一方(あるい
は両方)に接触して金属あるいは半金属よりなる膜59
を設けた光ディスクに適用可能でる。この膜59に反射
層やヒートシンク層等の機能をもたせたものである。な
お、この場合には、上記の成膜装置1に膜構成に合わせ
てスパッタ室を追加する必要がある。
【0066】また、図10に示すように、第1の誘電体
膜54および/または第2の誘電体膜56を材料、組
成、複素屈折率の少なくともいずれかが異なる複数の膜
54a、54b、56a、56bで構成した光ディスク
にも適用可能である。この場合、複数の膜54a、54
b、56a、56bの膜厚を制御することにより、反射
率、吸収率等の光学特性を制御することが可能となり、
膜構成の設計が容易となる。
【0067】さらに、本発明は、図11に示すように、
図1に示した光ディスク51を貼り合わせた、あるいは
基板両面に記録層を形成した構造とし、大容量化を図っ
た光ディスクにも適用可能である。
【0068】また、本発明は、図12に示すように、金
属あるいは半金属よりなる反射層53を第1の反射層5
3aと第2の反射層53bの2層膜とし、光学設計がし
易くなり、かつ、熱特性のバランスも取りやすくした光
ディスクにも適用可能である。
【0069】上述した実施形態では、成膜装置1は搬送
室2の周囲に複数のスパッタ室CH1〜CH5を配置し
た構成としたが、たとえば、図13に示すように、スパ
ッタ室CH1〜CH5を直列に連結し、直線的にキャリ
ア6を搬送できる搬送装置を用いる構成とすることも可
能である。
【0070】
【発明の効果】本発明によれば、樹脂製の基板上に金属
膜および誘電体膜をスパッタリングにより積層形成する
際に、異常放電が発生せず、形成した膜の破壊を防ぐこ
とが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る光記録媒体としての
光ディスクの膜構成を示す断面図である。
【図2】光ディスク51における成膜領域を説明するた
めの図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る成膜装置の構成
図である。
【図4】成膜装置1における搬送装置の搬送動作を説明
するための図である。
【図5】スパッタ室CH2,CH4およびCH5に位置
決めされたキャリア6を接地するための構造の一例を示
す図である。
【図6】本発明の第2の実施形態に係る成膜装置におけ
るスパッタ室の接地構造を説明するための図である。
【図7】本発明の第3の実施形態に係る成膜装置の構成
図である。
【図8】直流チョッパ電源165の一例を示す回路図で
ある。
【図9】本発明が適用可能な他の光ディスクの膜構成を
示す断面図である。
【図10】本発明が適用可能なさらに他の光ディスクの
膜構成を示す断面図である。
【図11】本発明が適用可能なさらに他の光ディスクの
膜構成を示す断面図である。
【図12】本発明が適用可能なさらに他の光ディスクの
膜構成を示す断面図である。
【図13】本発明の成膜装置のスパッタ室の配置の他の
例を示す図である。
【符号の説明】
1…成膜装置、2…搬送室、3…搬送装置、3a…アー
ム、4…絶縁部材、5…ゲートバルブ、6…キャリア、
7…シールド、51…光ディスク、52…基板、60…
RF電源、65…DC電源、165…直流チョッパ電
源、LCH…ロードロック室、CH1〜CH5…スパッ
タ室、91…ターゲット、92…電極。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 古市 信明 宮城県登米郡中田町宝江新井田宇加賀野境 30番地 ソニー宮城株式会社内 Fターム(参考) 4K029 AA11 BA01 BA03 BA04 BA21 BB02 BD00 CA05 DC04 5D029 KA01 KA07 KA24 KC20 5D121 AA01 AA03 EE03 EE19

Claims (30)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】絶縁性の基板上に少なくとも金属膜と誘電
    体膜とをスパッタリングによって形成する成膜装置であ
    って、 前記金属膜を成膜するためのターゲットと、当該ターゲ
    ットを保持する電極と、当該電極に直流電圧を印加する
    直流電源とを備える第1のスパッタ室と、 前記誘電体膜を成膜するためのターゲットと、当該ター
    ゲットを保持する電極と、当該電極に高周波電圧を印加
    するRF電源とを備える第2のスパッタ室と、 前記基板を保持するキャリアと、 前記キャリアを電気的に浮遊した状態で保持し、前記キ
    ャリアを前記第1および第2のスパッタ室の間で搬送
    し、当該各スパッタ室のターゲットに対向する位置に位
    置決め可能な搬送手段と、 前記第2のスパッタ室に位置決めされた前記キャリアを
    基準電位に接続する接地手段とを有する成膜装置。
  2. 【請求項2】前記搬送手段は、前記キャリアを前記第1
    のスパッタ室のターゲットに対向する位置に位置決めし
    たのち、当該キャリアを前記第2のスパッタ室に搬送
    し、当該第2のスパッタ室のターゲットに対向する位置
    に位置決めする請求項1に記載の成膜装置。
  3. 【請求項3】前記基板は、樹脂で形成されている請求項
    1に記載の成膜装置。
  4. 【請求項4】前記基板は、ポリカーボネートで形成され
    ている請求項3に記載の成膜装置。
  5. 【請求項5】絶縁性の基板上に少なくとも金属膜と誘電
    体膜とをスパッタリングによって形成する成膜装置であ
    って、 前記金属膜を成膜するためのターゲットと、当該ターゲ
    ットを保持する電極と、当該電極に直流電圧を印加する
    直流電源とを備える第1のスパッタ室と、 前記誘電体膜を成膜するためのターゲットと、当該ター
    ゲットを保持する電極と、当該電極に高周波電圧を印加
    するRF電源とを備える第2のスパッタ室と、 前記基板を保持するキャリアと、 前記キャリアを電気的に浮遊した状態で保持し、前記キ
    ャリアを前記第1および第2のスパッタ室の間で搬送
    し、当該各スパッタ室のターゲットに対向する位置に位
    置決め可能な搬送手段と、 前記第1および第2のスパッタ室において前記基板への
    成膜が終了した後に前記キャリアを基準電位に接続する
    接地手段とを有する成膜装置。
  6. 【請求項6】前記搬送手段は、前記キャリアを前記第1
    のスパッタ室のターゲットに対向する位置に位置決めし
    たのち、当該キャリアを前記第2のスパッタ室に搬送
    し、当該第2のスパッタ室のターゲットに対向する位置
    に位置決めする請求項5に記載の成膜装置。
  7. 【請求項7】前記基板は、樹脂で形成されている請求項
    5に記載の成膜装置。
  8. 【請求項8】前記基板は、ポリカーボネートで形成され
    ている請求項7に記載の成膜装置。
  9. 【請求項9】絶縁性の基板上に少なくとも金属膜と誘電
    体膜とをスパッタリングによって形成する成膜装置であ
    って、 前記金属膜を成膜するためのターゲットと、当該ターゲ
    ットを保持する電極と、当該電極に電圧を印加する電源
    とを備える第1のスパッタ室と、 前記誘電体膜を成膜するためのターゲットと、当該ター
    ゲットを保持する電極と、当該電極に電圧を印加する電
    源とを備える第2のスパッタ室と、 前記基板を保持するキャリアと、 前記キャリアを電気的に浮遊した状態で保持し、前記キ
    ャリアを前記第1および第2のスパッタ室の間で搬送
    し、当該各スパッタ室のターゲットに対向する位置に位
    置決め可能な搬送手段と、 前記第1および第2のスパッタ室の電源は、前記電極に
    高周波電圧を印加するRF電源または前記電極に断続的
    に直流電圧を印加する直流チョッパ電源であることを特
    徴とする成膜装置。
  10. 【請求項10】前記搬送手段は、前記キャリアを前記第
    1のスパッタ室のターゲットに対向する位置に位置決め
    したのち、当該キャリアを前記第2のスパッタ室に搬送
    し、当該第2のスパッタ室のターゲットに対向する位置
    に位置決めする請求項9に記載の成膜装置。
  11. 【請求項11】前記基板は、樹脂で形成されている請求
    項9に記載の成膜装置。
  12. 【請求項12】前記基板は、ポリカーボネートで形成さ
    れている請求項11に記載の成膜装置。
  13. 【請求項13】絶縁性の基板上に少なくとも金属膜と誘
    電体膜とをスパッタリングによって形成する成膜方法で
    あって、 前記基板を保持するキャリアを電気的に浮遊した状態で
    保持し、当該キャリアを前記金属膜を形成するためのタ
    ーゲットに対向させ、当該ターゲットを保持する電極に
    直流電源により直流電圧を印加して放電させることによ
    りターゲット原子を放出させ、前記金属膜を前記基板上
    に成膜する工程と、 前記金属膜を形成したのち、前記キャリアを前記誘電体
    膜を形成するためのターゲットに対向させ、当該ターゲ
    ットを保持する電極にRF電源により高周波電圧を印加
    して放電させることによりターゲット原子を放出させ、
    前記誘電体膜を前記基板上に成膜する工程と、を有し、 前記誘電体膜の形成を、前記キャリアを基準電位に接続
    した状態で行うことを特徴とする成膜方法。
  14. 【請求項14】前記金属膜を形成したのちに、前記誘電
    体膜を形成する請求項13に記載の成膜方法。
  15. 【請求項15】絶縁性の基板上に少なくとも金属膜と誘
    電体膜とをスパッタリングによって形成する成膜方法で
    あって、 前記基板を保持するキャリアを電気的に浮遊した状態で
    保持し、当該キャリアを前記金属膜を形成するためのタ
    ーゲットに対向させ、当該ターゲットを保持する電極に
    直流電源により直流電圧を印加して放電させることによ
    りターゲット原子を放出させ、前記金属膜を前記基板上
    に成膜する工程と、 前記キャリアを前記誘電体膜を形成するためのターゲッ
    トに対向させ、当該ターゲットを保持する電極にRF電
    源により高周波電圧を印加して放電させることによりタ
    ーゲット原子を放出させ、前記誘電体膜を前記基板上に
    成膜する工程と、 前記金属膜および前記誘電体膜の成膜毎に前記キャリア
    を基準電位に接続する工程とを有する成膜方法。
  16. 【請求項16】前記金属膜を形成したのちに、前記誘電
    体膜を形成する請求項15に記載の成膜方法。
  17. 【請求項17】絶縁性の基板上に少なくとも金属膜と誘
    電体膜とをスパッタリングによって形成する成膜方法で
    あって、 前記基板を保持するキャリアを電気的に浮遊した状態で
    保持し、当該キャリアを前記金属膜を形成するためのタ
    ーゲットに対向させ、当該ターゲットを保持する電極に
    電圧を印加して放電させることによりターゲット原子を
    放出させ、前記金属膜を前記基板上に成膜する工程と、 前記キャリアを前記誘電体膜を形成するためのターゲッ
    トに対向させ、当該ターゲットを保持する電極に電圧を
    印加して放電させることによりターゲット原子を放出さ
    せ、前記誘電体膜を前記基板上に成膜する工程と、を有
    し、 前記金属膜および前記誘電体膜を成膜するのに用いる電
    源に、前記電極に高周波電圧を印加するRF電源または
    前記電極に断続的に直流電圧を印加する直流チョッパ電
    源を用いることを特徴とする成膜方法。
  18. 【請求項18】前記金属膜を形成したのちに、前記誘電
    体膜を形成する請求項17に記載の成膜方法。
  19. 【請求項19】絶縁性の基板上に少なくとも反射膜、第
    1の誘電体膜、記録膜および第2の誘電体膜が形成され
    た光記録媒体の製造方法であって、 前記反射膜および前記記録膜の形成は、前記基板を保持
    するキャリアを電気的に浮遊した状態で保持し、当該キ
    ャリアを前記反射膜または前記記録膜を形成するための
    ターゲットに対向させ、当該ターゲットを保持する電極
    に直流電源により直流電圧を印加して放電させることに
    よりターゲット原子を放出させて行い、 前記第1および第2の誘電体膜の形成は、前記キャリア
    を前記第1または第2の誘電体膜を形成するためのター
    ゲットに対向させ、当該ターゲットを保持する電極にR
    F電源により高周波電圧を印加して放電させることによ
    りターゲット原子を放出させて行い、 前記第1および第2の誘電体膜の形成を、前記キャリア
    を基準電位に接続した状態で行うことを特徴とする光記
    録媒体の製造方法。
  20. 【請求項20】前記反射膜、誘電体膜、記録膜および誘
    電体膜をこの順に形成する請求項19に記載の光記録媒
    体の製造方法。
  21. 【請求項21】絶縁性の基板上に少なくとも反射膜、第
    1の誘電体膜、記録膜および第2の誘電体膜が形成され
    た光記録媒体の製造方法であって、 前記反射膜および前記記録膜の形成は、前記基板を保持
    するキャリアを電気的に浮遊した状態で保持し、当該キ
    ャリアを前記反射膜または前記記録膜を形成するための
    ターゲットに対向させ、当該ターゲットを保持する電極
    に直流電源により直流電圧を印加して放電させることに
    よりターゲット原子を放出させて行い、 前記第1および第2の誘電体膜の形成は、前記キャリア
    を前記第1または第2の誘電体膜を形成するためのター
    ゲットに対向させ、当該ターゲットを保持する電極にR
    F電源により高周波電圧を印加して放電させることによ
    りターゲット原子を放出させて行い、 前記各膜の成膜完了毎に前記キャリアを基準電位に接続
    することを特徴とする光記録媒体の製造方法。
  22. 【請求項22】前記反射膜、誘電体膜、記録膜および誘
    電体膜をこの順に形成する請求項21に記載の光記録媒
    体の製造方法。
  23. 【請求項23】絶縁性の基板上に少なくとも反射膜、第
    1の誘電体膜、記録膜および第2の誘電体膜が形成され
    た光記録媒体の製造方法であって、 前記各膜の形成は、前記基板を保持するキャリアを電気
    的に浮遊した状態で保持し、当該キャリアを前記各膜を
    形成するためのターゲットにそれぞれ対向させ、当該タ
    ーゲットを保持する電極に電源により電圧を印加して放
    電させることによりターゲット原子を放出させて行い、 前記電源に、前記電極に高周波電圧を印加するRF電源
    または前記電極に断続的に直流電圧を印加する直流チョ
    ッパ電源を用いることを特徴とする光記録媒体の製造方
    法。
  24. 【請求項24】前記反射膜、誘電体膜、記録膜および誘
    電体膜をこの順に形成する請求項23に記載の光記録媒
    体の製造方法。
  25. 【請求項25】絶縁性の基板上に少なくとも反射膜、第
    1の誘電体膜、記録膜および第2の誘電体膜が形成され
    た光記録媒体であって、 前記反射膜および記録膜が、前記基板を保持するキャリ
    アを電気的に浮遊した状態で保持し、当該キャリアを前
    記反射膜または記録膜を形成するためのターゲットに対
    向させ、当該ターゲットを保持する電極に直流電源によ
    り直流電圧を印加して放電させることによりターゲット
    原子を放出させる工程によって形成され、 前記第1および第2の誘電体膜が、キャリアを前記第1
    または第2の誘電体膜を形成するためのターゲットに対
    向させ、当該ターゲットを保持する電極にRF電源によ
    り高周波電圧を印加して放電させることによりターゲッ
    ト原子を放出させる工程によって形成され、 前記第1および第2の誘電体膜が、前記キャリアが基準
    電位に接続された状態で成膜された光記録媒体。
  26. 【請求項26】前記反射膜、誘電体膜、記録膜および誘
    電体膜はこの順で形成されている請求項25に記載の光
    記録媒体。
  27. 【請求項27】絶縁性の基板上に少なくとも反射膜、第
    1の誘電体膜、記録膜および第2の誘電体膜が形成され
    た光記録媒体であって、 前記反射膜および記録膜が、前記基板を保持するキャリ
    アを電気的に浮遊した状態で保持し、当該キャリアを前
    記反射膜または記録膜を形成するためのターゲットに対
    向させ、当該ターゲットを保持する電極に直流電源によ
    り直流電圧を印加して放電させることによりターゲット
    原子を放出させる工程によって形成され、 前記第1および第2の誘電体膜が、前記キャリアを前記
    第1または第2の誘電体膜を形成するためのターゲット
    に対向させ、当該ターゲットを保持する電極にRF電源
    により高周波電圧を印加して放電させることによりター
    ゲット原子を放出させる工程によって形成され、 前記各膜が前記各工程の完了毎に前記キャリアが基準電
    位に接続され除電された状態で成膜された光記録媒体。
  28. 【請求項28】前記反射膜、誘電体膜、記録膜および誘
    電体膜はこの順で形成されている請求項27に記載の光
    記録媒体。
  29. 【請求項29】絶縁性の基板上に少なくとも反射膜、第
    1の誘電体膜、記録膜および第2の誘電体膜が形成され
    た光記録媒体であって、 前記各膜は、前記基板を保持するキャリアを電気的に浮
    遊した状態で保持し、当該キャリアを前記各膜を形成す
    るためのターゲットにそれぞれ対向させ、当該ターゲッ
    トを保持する電極に電源により電圧を印加して放電させ
    ることによりターゲット原子を放出させる工程によって
    形成され、 前記電極に高周波電圧を印加するRF電源または前記電
    極に断続的に直流電圧を印加する直流チョッパ電源を前
    記電源に用いて前記全ての膜が形成された光記録媒体。
  30. 【請求項30】前記反射膜、誘電体膜、記録膜および誘
    電体膜は、この順に形成されている請求項29に記載の
    光記録媒体。
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